WO2018084229A1

WO2018084229A1 - 配線カバー、開閉蓋装置、什器、及び天板付き什器

Info

Publication number: WO2018084229A1
Application number: PCT/JP2017/039678
Authority: WO
Inventors: アレキザンダーハーフォード
Original assignee: 株式会社岡村製作所
Priority date: 2016-11-07
Filing date: 2017-11-02
Publication date: 2018-05-11

Abstract

天板（１１）に設けられた開口部（１５）に開閉可能に設けられた配線カバー（２）であって、開口部（１５）との間に隙間をあけて配置されるカバー本体（２０）と、カバー本体（２０）に連設されて開口部（１５）とカバー本体（２０）との間の隙間を閉塞するとともに挿通される配線に応じて弾性変形可能な弾性閉塞カバー（６０）と、を備え、弾性閉塞カバー（６０）には、内方に凹状に窪んだ開閉操作部（６３）が形成されている。

Description

配線カバー、開閉蓋装置、什器、及び天板付き什器

　本発明は、配線カバー、開閉蓋装置、什器、及び天板付き什器に関する。
　本願は、２０１６年１１月７日に、日本に出願された特願２０１６－２１７６６７号、２０１６年１１月７日に、日本に出願された特願２０１６－２１７６６８号、２０１６年１１月７日に、日本に出願された特願２０１６－２１７６７２号、及び２０１６年１１月７日に、日本に出願された特願２０１６－２１７６７３号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

　オフィスや公共施設等の執務空間では、執務者に作業面を提供するために天板付き什器が配設されているのが一般的である。このような天板付き什器においては、天板面（作業面）にて使用する電子機器に接続される配線を什器の天板下方に案内させるために配線挿通部が形成されている場合が多い。
　また、このような構造の什器においては、配線を挿通させる作業時には天板上に配線挿通部をなす開口を形成する開口部を設けている。配線の挿通作業が終了した後には天板面として使用できるように、開口部によって形成される開口を開閉可能に閉塞する配線カバーが取り付けられる構成の什器も知られている。

　こうした配線カバーの構造としては、配線挿通部を閉塞するように配線カバーを什器に設けられた支持部に載置する構造（例えば、特許文献１参照）や、什器に設けた被係止部に配線カバーに設けた係止部を係止することによって什器に配線カバーを取り付ける構造等が採用されている。
　特許文献２～７には、左右方向を向く回転軸を中心として配線カバーを什器に回動可能に支持することによって、配線挿通部を開閉可能に閉塞する構造について開示されている。これらの構造によれば、配線カバーを什器に対して簡易的な構造でありながら確実に取り付けることができる。

　さらに、配線カバーの閉塞時においても配線を天板の上方から下方に挿通させることを可能とするため、配線カバーの閉塞時における配線カバーと配線挿通部との間の空間部を、配線カバー前端縁から前方に向かって連設された弾性材料からなる弾性閉塞部によって閉塞する構造が多く採用されている（特許文献５、８及び９参照）。

日本国特許第４６２１００３号公報日本国特許第５９８１１２１号公報日本国特許第５９９７４２９号公報日本国特許第４６３９７７９号公報日本国特許第６０１９１４５号公報日本国特開２０１４－１４４２２５号公報日本国特許第５７１００４４号公報日本国特開２００３－１３５１８５号公報日本国特許第４５９８２９１号公報

　しかしながら、従来の什器では、配線カバーを取り付けた状態において、配線カバーの上面を天板面と同じ平面として使用可能とするためには、配線カバーの側面とこれに相対して配置される天板の開口部の側面との間の隙間、および配線カバーの上面と天板上面との間の段差、つまり配線カバーの周囲の隙間や段差を小さくすることが求められていた。
　一方で、上述した配線カバーの周囲の間隙や段差を小さく設定してしまうと、配線カバーを開閉する操作時において手掛部分が小さくなり、開閉操作がし難くなる。そのため、配線カバーと天板面との平面性と開閉操作性とをバランスよく達成できることが求められている。

　また、従来の什器において配線カバーに弾性閉塞部を設けた構造の場合には、弾性閉塞部が例えばゴム等の弾性部材により形成されているため、長期間の使用に伴い、弾性閉塞部が変形し撓みが生じ、配線カバーの上面と天板上面との間に段差ができてしまい、作業面としての使い勝手が悪くなる可能性がある。

　また、配線カバー（開閉蓋）を閉じるときに、配線カバーが、開口部の周縁部に設けられたストッパ片に突き当たると、振動や騒音が生じる場合がある。特許文献６においては、ストッパ片に合成樹脂製の緩衝部材を外嵌することで、その振動や騒音を抑えているが、さらなる改善が求められる。
　配線カバーを閉じるときの振動や騒音を抑えるために、衝撃吸収ダンパー装置等を設けることも考えられるが、コストが上昇してしまう。

　本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、開口部との間隙を小さくすることで作業面として使い勝手が良好となるうえ、開閉操作性を向上させることができる配線カバー、開閉蓋装置、什器、及び天板付き什器を提供することを目的とする。

　本発明の一態様に係る配線カバーは、配線を挿通させる開口部に開閉可能に設けられた配線カバーであって、前記開口部に隙間をあけて配置されるカバー本体と、前記カバー本体に連設され前記隙間を閉塞するとともに挿通される配線に応じて弾性変形可能な弾性閉塞部と、を備え、前記弾性閉塞部には、内方に凹状に窪んだ開閉操作部が形成されている。

　また、本発明の一態様に係る什器は、上述した配線カバーを前記開口部に対して開閉可能に設けている。

　また、本発明の一態様に係る天板付き什器は、上述した配線カバーが天板に設けられた天板付き什器であって、前記配線カバーは、前記天板に形成される前記開口部に対して開閉可能に設けられている。

　本発明では、例えば什器の作業面等に形成された配線を挿通させる開口部が配線カバーで閉塞された状態において、カバー本体と開口部との間の隙間を覆うように弾性閉塞部が配置されている。したがって、カバー本体と開口部との間の隙間や段差を小さく抑えることができ、平面性をもった作業面としての使い勝手を向上させることができる。さらに、カバー本体に連設される弾性閉塞部が弾性部材から形成され、弾性閉塞部の一部を弾性変形させることが可能となるので、弾性変形させた弾性閉塞部の一部から配線を挿通させることができる。つまり、配線の挿通部分だけ部分的に弾性閉塞部を弾性変形させた状態となり、その挿通部分以外の部分は弾性閉塞部で閉塞された状態を維持できるので、無駄な隙間や段差が生じることを抑えることができる。そのため、外観が良好となり、意匠性を向上することができる。

　また、本発明では、弾性閉塞部の表面の一部に凹状に形成される開閉操作部が設けられ、開閉操作部の凹状部分に指を掛けて配線カバーの開閉操作を容易に行うことが可能となり、開閉操作性が良好となる。そのため、配線カバーを開閉して配線の通線作業を容易に行うことができる。

　また、前記開閉操作部は、前記開閉操作部の少なくとも一部を覆う指掛け部に連設されていてもよい。

　この場合には、指掛け部と開閉操作部との間に空間を設けることができ、この空間に指を案内させることで指掛け部に指を掛け易くなることから、配線カバーの開閉操作をより容易に行うことができる。

　また、前記開閉操作部は、前記カバー本体に接続されていてもよい。

　この場合には、凹状の開閉操作部に挿入させた指をカバー本体の端縁に引っ掛けることが可能となるため、開閉操作性をより良好なものとすることができる。

　また、前記開閉操作部は、前記開口部に沿って前記弾性閉塞部の複数個所に設けられていてもよい。

　このような配線カバーによれば、弾性閉塞部の複数箇所に設けられる開閉操作部のうち所望の開閉操作部を使用して配線カバーの開閉操作を行うことができることから、開閉操作性をより良好なものとすることができる。

　また、前記開閉操作部は、前記弾性閉塞部における前記開口部に沿う一方向の両端部に設けられていてもよい。

　この場合には、開閉操作部が弾性閉塞部の両端部に配置されているので、開閉操作部の位置と配線の挿通部分が一致することが少なくなり、所望の位置に配線の挿通部分を設定することができる。
　また、本発明では、弾性閉塞部の両端部に設けられた開閉操作部を持って開閉操作を行うことによって、よりスムーズに開閉操作を行うことができる。

　また、前記開閉操作部が設けられた部位に対して開口方向と反対側に、前記開閉操作部を支持する受け部が設けられていてもよい。

　この場合には、開閉操作部に指を掛けたときに、開閉操作部が開口方向と反対側に押し込まれてしまうことを防ぐことができ、指掛けを確実に行うことができ、開閉操作性をより良好なものとすることができる。

　また、前記弾性閉塞部は、前記カバー本体から突出するように複数配列して設けられ、前記隙間を閉塞するとともに挿通される配線に応じて弾性変形可能な弾性腕材を有し、前記弾性腕材は、前記弾性腕材の突出方向から見た断面視で、複数の前記弾性腕材の配列方向の横寸法が、前記横寸法に直交する開口方向における縦寸法よりも小さくてもよい。

　この場合には、断面視で複数の弾性腕材の横寸法が縦寸法よりも小さい縦長の断面形状となることから、配線の挿通時に弾性腕材が横方向に変形するのを許容することができる。
　さらに、弾性腕材を縦寸法が大きな断面形状とすることにより、上下方向の曲げ強度を向上させることができ、弾性腕材上にある程度の重量を有する物品を載置することが可能となる。そして、弾性腕材における上下方向の曲げ強度が高められることから、長期間の使用に伴う弾性腕材の変形に伴う撓みを抑制することができる。

　また、前記弾性腕材の前記横寸法は、開口方向の中間部が開口外側の端部よりも大きくてもよい。

　この場合には、隣り合う弾性腕材の対向する側面同士が上部から下向きに狭くなる。したがって、配線を複数の弾性腕材同士の間に挿通させる際に、配線の重みによって弾性腕材同士が弾性変形により押し広げられるため、配線挿通時の作業性を良好なものとすることができる。

　また、前記弾性腕材の前記横寸法は、前記弾性腕材の前記カバー本体に連設される基端側部分が、自由端側部分よりも大きくてもよい。

　この場合、弾性腕材の基端側部分では載置される物品の荷重を十分に支持することができ、かつ自由端側部分においては弾性腕材の変形を許容することができる。

　また、前記弾性腕材の前記縦寸法は、前記弾性腕材の前記カバー本体に連設される基端側部分が、自由端側部分よりも大きくてもよい。

　このような配線カバーによれば、弾性腕材の基端側部分では載置される物品の荷重を十分に支持することができ、かつ自由端側部分においては弾性腕材の変形を許容することができる。

　また、配列方向に隣り合う前記弾性腕材同士の離間寸法が、前記弾性腕材の前記横寸法よりも小さくてもよい。

　この場合には、配線カバーの閉塞時において、斜め上方から複数の弾性腕材を見たときに、その視線を各弾性腕材によって遮断することができ、これら複数の弾性腕材の下方が見えにくくなる。つまり、配線挿通部内が弾性腕材同士の間の隙間から外部に露呈するのを防止することが可能となり、体裁を良好に収めることができる。

　また、本発明の一態様に係る開閉蓋装置は、板状体の板厚方向に貫通する開口部に設けられ、前記開口部を開閉可能とする開閉蓋装置である。前記開閉蓋装置は、上述した配線カバーと、前記開口部の周縁部に設けられ、前記配線カバーを支持軸周りに回動可能に支持する枠部材と、前記配線カバーに形成され、前記板状体の裏面側から離間する方向に向かって突出する突出片と、前記枠部材に形成され、前記配線カバーが前記支持軸周りに回動して開状態から閉状態に移行するとき、前記突出片が摺動することで、前記配線カバーの回動速度を減速させる摺接部材と、を備える。

　このような構成によれば、配線カバーが支持軸周りに回動して開状態から閉状態に移行するとき、突出片と摺接部材とが摺動することで、突出片と摺接部材との間に摩擦抵抗力が生じる。この摩擦抵抗力によって配線カバーの回動速度が減速する。これによって、配線カバーの閉動作を、コストの掛かる衝撃吸収ダンパー等を用いることなく、スムーズなものとするとともに、配線カバーが閉じるときに枠部材等に衝突して、振動や騒音が生じるのを抑えることができる。

　また、前記突出片は、前記配線カバーにおいて、前記支持軸の軸線方向の両端部に設けられ、前記摺接部材は、前記枠部材において、前記支持軸の軸線方向の両端部に設けられているようにしてもよい。

　このような構成によれば、配線カバーが開状態であるとき、配線カバーと枠部材との隙間に、突出片や摺接部材が張り出すことがなく、この隙間に配線等を通す際に邪魔になるのを抑えることができる。

　また、前記突出片と前記摺接部材とは、前記配線カバーが前記閉状態であるときに、前記支持軸を中心とした径方向において互いに対向するよう配置され、前記突出片及び前記摺接部材の一方は、前記支持軸を中心とした径方向に弾性変形可能であるようにしてもよい。

　このような構成によれば、配線カバーが支持軸周りに回動して開状態から閉状態に移行するときに、突出片と摺接部材とが摺動すると、突出片または摺接部材が弾性変形する。突出片または摺接部材が弾性変形すると、元の形状に戻ろうとする復元力（反発力）によって、突出片と摺接部材との間に生じる摩擦力が大きくなる。これによって、配線カバーの回動速度が、より効果的に減じられる。

　また、前記突出片及び前記摺接部材の一方は、前記配線カバーの自重が作用したときに前記径方向に弾性変形可能であるようにしてもよい。

　このような構成によれば、配線カバーは、その自重のみによって閉じることが可能となる。したがって、配線カバーを閉方向に押し込まずとも、配線カバーが自動的に閉まることとなる。

　また、前記突出片は、前記配線カバーが前記閉状態であるときに、前記摺接部材に係合可能な係止爪を有しているようにしてもよい。

　このような構成によれば、配線カバーが閉状態となったときに、突出片の係止爪が摺接部材に係合することで、配線カバーを閉状態にロックすることができる。

　また、前記枠部材は、前記配線カバーを前記板状体に沿い、かつ前記支持軸に交差する方向にスライド可能に支持するとともに、前記配線カバーのスライド方向に延びるガイド部を有し、前記配線カバーは、前記配線カバーが前記スライド方向にスライドするときに、前記突出片が前記ガイド部に摺接するようにしてもよい。

　このような構成によれば、配線カバーがスライドするときに、配線カバーは、支持軸と、ガイド部に摺接する突出片とによって、安定的に支持される。

　また、前記ガイド部は、前記配線カバーが前記閉状態であるときに、前記配線カバーに突き当たることで前記配線カバーの閉方向への移動を規制するようにしてもよい。

　このような構成によれば、閉状態の配線カバーが、支持軸とガイド部とによって強固に支持される。

　また、前記配線カバーが前記スライド方向にスライドするとき、前記配線カバーは、前記突出片が前記ガイド部に摺接することで、全開状態よりも開度の小さい微開状態が保持されるようにしてもよい。

　このような構成によれば、配線カバーをスライドするとき、配線カバーを、全開状態よりも開度の小さい微開状態とすることで、配線カバーと枠部材との隙間に配線等を挿通させたままの状態とすることができる。

　本発明の一態様に係る天板付き什器は、開口部が形成された天板と、前記開口部に開閉可能に設けられた、上記開閉蓋装置と、を備える。

　このような構成によれば、配線カバーの閉動作を、スムーズなものとするとともに、配線カバーが閉じるときに枠部材等に衝突して、振動や騒音が生じるのを抑えることができる。

　本発明の配線カバー、開閉蓋装置、什器、及び天板付き什器によれば、開口部との間隙を小さくすることで作業面として使い勝手が良好となるうえ、開閉操作性を向上させることができる。

本発明の第１実施形態によるデスクの全体構成を示す斜め後方から見た斜視図である。デスクの天板に備えられた配線カバー装置の斜視図であって、配線カバーを前方にスライドさせた状態の図である。デスクの天板に備えられた配線カバー装置の斜視図であって、配線カバーを後方に配置させた状態の図である。図１に示す配線カバー装置の分解斜視図である。図３に示す配線カバー装置を上方から見た平面図である。図５に示すＡ－Ａ線断面図である。図６に示す配線カバー装置の一部破断斜視図である。図６に示す配線カバー装置の配線カバーを開いた状態を示す断面図であって、図６に対応する図である。図７に示す配線カバー装置の配線カバーを開いた状態を示す一部破断斜視図であって、図７に対応する図である。配線カバーにおけるカバー本体、蓋本体、及び弾性閉塞カバーの組み付け部分の要部を拡大した側断面図である。配線カバーの蓋本体を斜め前方から見た斜視図である。枠部材と蓋本体の組み付け構造の一部を示す分解斜視図である。一対の回動支持部材の構成を示す斜視図である。回動支持部材を幅方向から見た側面図である。回動支持部材を上方から見た上面図である。配線カバーの弾性閉塞カバーを斜め前方から見た斜視図である。弾性閉塞カバーの一部を前方から見た正面図である。枠部材を斜め前方から見た斜視図である。枠部材のスライド凹溝に回動支持部材を嵌入させた状態を示す部分斜視図である。配線カバー装置において、配線カバーを上下方向となるまで開いた状態を示す部分斜視図である。図２０に示す配線カバー装置の断面部分から見た側断面図である。配線カバーをスライド前端位置にスライドさせた状態を示す側断面図である。天板の下面に固定されるトレーの構成を示す斜視図である。第１変形例による弾性閉塞カバーの一部を前方から見た正面図である。第１変形例による配線カバー装置を上方から見た平面図である。第２変形例による弾性閉塞カバーの開閉操作部の構成を示す側断面図である。第３変形例による弾性閉塞カバーの一部を前方から見た正面図である。第４変形例による弾性腕材の構成を示す斜視図である。図２８に示す弾性腕材を前方から見た正面図である。本発明の第２実施形態に係る天板付き什器の全体構成を示す斜視図である。天板付き什器に設けた配線カバー装置を示す斜視図である。配線カバー装置の配線カバーを開いた状態を示す斜視断面図である。配線カバー装置の構成を示す斜視展開図である。配線カバー装置を閉状態としたときの断面図である。図３４の要部を示す拡大断面図である。配線カバーを構成する蓋基体の構成を示す斜視図である。配線カバーを構成する弾性閉塞カバーを示す斜視図である。配線カバーを構成する枠部材を示す斜視図である。枠部材に形成したガイド溝とスライド部材との関わりを示す斜視図である。ガイド溝、スライド部材、蓋基体の関係を示す斜視展開図である。配線カバーをスライドさせた状態を示す断面図である。配線カバーを開状態から閉状態に移行させる途中の状態を示す断面図である。配線カバーを開状態としたときの断面図である。天板付き什器へのオプション部材の把持部材の取り付け方法の流れを示す斜視図である。

　以下、本発明の実施の形態による配線カバー、開閉蓋装置、什器、及び天板付き什器について、図面に基づいて説明する。

（第１実施形態）
　図１に示す第１実施形態によるデスク１（什器、天板付き什器）は、コンセント類を什器内に収容可能で、配線作業が容易に行うことができる。什器内に収容したコンセントから接続される配線１６（図３参照）の取り出し部分は簡単な構造となっている。
　デスク１は、天板１１と、一対の天板支持脚１２，１２と、配線カバー装置１０と、を有している。一対の天板支持脚１２，１２は、床面Ｆ上に互いに間隔をあけて配置され、天板１１を昇降可能に支持し、上下方向Ｄｖに伸縮可能に構成される。配線カバー装置１０は、天板１１の上面１１ａに開閉可能に設けられる。
　また、デスク１は、天板１１の後端を室内の壁面やパーテーション等の壁面１７（図２参照）に当接させた状態で配置されている。

　ここで、本実施の形態では、床面Ｆ上に床面Ｆに対して平行な一方向に配置される一対の天板支持脚１２，１２の離間方向を幅方向Ｄｈといい、上方から見た平面視で幅方向Ｄｈに直交する方向を前後方向Ｄｆという。また、デスク１の前後方向Ｄｆにおいて、椅子に座ってデスク１に向かう側を前方、前側といい、その反対側を後方、後側という。

　天板支持脚１２は、下部筒状体１２Ａと、上部筒状体１２Ｂと、を有している。下部筒状体１２Ａ及び上部筒状体１２Ｂは、それぞれ上下方向Ｄｖに延びる四角形筒状に形成されている。下部筒状体１２Ａの内部に上部筒状体１２Ｂが収納されている。天板支持脚１２は、モータ等の駆動機構（不図示）を備えている。この駆動機構により下部筒状体１２Ａに対して上部筒状体１２Ｂをそれぞれ上下方向Ｄｖに移動させることで、天板支持脚１２を上下方向Ｄｖに伸縮させることができる。

　天板支持脚１２の下端部には、下部支持体１３が設けられている。下部支持体１３は、床面Ｆ上に配置され、床面Ｆに平行で前方及び後方のそれぞれに延びている。下部支持体１３の下面には、下部支持体１３の高さ及びレベルの調整を行うアジャスター１３ａが設けられている。天板支持脚１２は、下部支持体１３において中央部分からやや後方側に配置されている。天板支持脚１２の下部筒状体１２Ａは、下部支持体１３の下面側からボルト等により固定されている。
　天板支持脚１２の上端部には、天板１１を下方から支持する上部支持体１４が設けられている。上部支持体１４は、上部筒状体１２Ｂの上端部に固定され、前後方向Ｄｆに延びている。天板１１は、上部支持体１４の下方からボルト等により固定されている。

　天板１１における幅方向Ｄｈの中央部の後端には、後方に向けて開口する開口部１５が形成されている。開口部１５によって形成される開口は、前後方向Ｄｆに比べて幅方向Ｄｈが長い。開口部１５には配線カバー装置１０が嵌め込まれ、開口部１５によって形成される開口が後述する配線カバー２によって覆われた状態で配置されている。すなわち、天板１１の下側に設けられ、配線収容部を構成するトレー４に例えばコンセントを配置して、このコンセントに接続した配線１６を開口部１５から天板１１の上面１１ａに取り出すことができる。これにより、天板１１上で使用する図示しないＯＡ機器等への配線が可能となっている。

　図２乃至図４に示すように、配線カバー装置１０は、配線カバー２と、配線カバー２を回転可能、かつ前後方向Ｄｆにスライド自在に支持する枠部材３と、開口部１５の下方に配置されたトレー４と、を有している。

　配線カバー２は、図４及び図５に示すように、天板１１の後端部の開口部１５によって形成される開口を開閉可能に塞ぐ。配線カバー２は、カバー本体２０（表面カバー体、他方のカバー体）と、蓋本体５０（裏面カバー体、一方のカバー体）と、弾性閉塞カバー６０（弾性閉塞部）と、を備えている。配線カバー２のカバー本体２０は、蓋本体５０の少なくとも上面を覆うように蓋本体５０に外嵌される。弾性閉塞カバー６０は、カバー本体２０及び蓋本体５０の前端部から前方に向けて突出するように装着される。

　図６乃至図９に示すように、配線カバー２のカバー本体２０は、カバー天面板２１と、蓋本体５０の後端部を覆うカバー後面板２２と、カバー天面板２１の前端下面に設けられるカバー係合片２３と、を有している。
　カバー天面板２１は、配線カバー２で開口部１５の空間を閉塞した状態でデスク１の天板１１の上面１１ａに連続した面を形成する。カバー後面板２２は、配線カバー２で開口部１５の空間を閉塞した状態（さらに、前方に向けてスライドしていない状態）でデスク１の天板１１の後端に位置するように配置される。
　また、本実施の形態では、カバー本体２０の部材としてスチール等の剛性を有する金属製の部材が採用されている。カバー後面板２２は、蓋本体５０の後端下面を覆う後方係止壁２４がカバー後面板２２の下端から前方に延びている。後方係止壁２４には、蓋本体５０の後方下面に形成される爪部が係止される係止穴２４ａが形成されている。

　図１０に示すように、カバー係合片２３は、配線カバー２で開口部１５の空間を閉塞した状態において、カバー天面板２１の下面から下方に延びる縦壁２３１と、縦壁２３１の下端から前方に延び先端に上向きのカバー爪部２３３を形成した張出し壁２３２（第二凸部、第二係止部）と、を有している。カバー係合片２３は、カバー天面板２１の幅方向Ｄｈの全体にわたって設けられている。カバー天面板２１の前端が下面側に向けて折り返して形成された折返し部２１ａと、カバー係合片２３の縦壁２３１の上端から前方に延びる延出部２３４と、が突き合わせ溶接により固着されている。

　図１１及び図１２に示すように、蓋本体５０は、底壁５１と、後壁部５２と、一対の側壁部５３，５３と、蓋係合部５４と、回動被支持部５５と、を有している。底壁５１は、外嵌されたカバー本体２０のカバー天面板２１の下方に平行に配置される。後壁部５２は、底壁５１の後端から下方に延びる。側壁部５３，５３は、底壁５１の幅方向Ｄｈの両側に位置する。蓋係合部５４は、一対の側壁部５３の前端部同士を連結する。回動被支持部５５は、側壁部５３の後端側に設けられる。
　底壁５１は、上面から立ち上がり、幅方向Ｄｈに沿って延びる複数のリブ５１ａ，５１ａが設けられ、カバー本体２０のカバー天面板２１との間に間隔をあけて配置される。後壁部５２と両側壁部５３との上端は、蓋本体５０に外嵌されたカバー本体２０のカバー天面板２１の下面に当接される（図６及び図８参照）。

　図１０に示すように、蓋係合部５４は、幅方向Ｄｈに延び互いに前後方向Ｄｆに離間して設けられる前リブ５４１（第一凸部、第一係止部）、後リブ５４２と、前リブ５４１及び後リブ５４２の上端同士を全長にわたって連結する連結壁５４３と、を有している。
　後リブ５４２は、底壁５１の前端との間に上下方向Ｄｖに所定間隔ｄをあけて配置されている。所定間隔ｄは、カバー本体２０におけるカバー係合片２３のカバー爪部２３３を有する張出し壁２３２が進入でき、かつ縦壁２３１の厚さ寸法に略一致する寸法に設定されている。

　蓋係合部５４における前リブ５４１、後リブ５４２、及び連結壁５４３によって囲まれて形成される嵌合凹部５４Ａには、弾性閉塞カバー６０の後端部分（後述する嵌合凸部６１Ａ）が嵌め込まれることで、弾性閉塞カバー６０が蓋本体５０に取り付けられる。
　そして、嵌合凹部５４Ａには、後述する弾性閉塞カバー６０の装着基部６１に形成される嵌合凸部６１Ａが嵌合される。なお、嵌合凸部６１Ａの寸法は、前リブ５４１の下端５４１ｂ（突出先端）とカバー本体２０の張出し壁２３２の張出先端２３２ａとの離間寸法よりも大きくなるように設定されている。

　また、蓋係合部５４には、カバー本体２０のカバー係合片２３が外側から嵌め込まれる。具体的には、蓋係合部５４にカバー係合片２３が外嵌した状態において、連結壁５４３にカバー係合片２３の延出部２３４が上方から当接するとともに、後リブ５４２にカバー係合片２３の縦壁２３１が後方から当接し、後リブ５４２の下端にカバー係合片２３のカバー爪部２３３が係止する。このとき、カバー爪部２３３を有する張出し壁２３２は、弾性閉塞カバー６０の後端部分（後述する装着基部６１の一部）によって下方から挟み込まれており、カバー爪部２３３が後リブ５４２の下端から外れにくくなっている。

　このようにカバー係合片２３が蓋係合部５４を外側から嵌め込むことで、カバー本体２０が蓋本体５０に取り付けられる。そして、弾性閉塞カバー６０の後端部分を嵌合させる蓋係合部５４がカバー本体２０によって外周側から挟み込まれることで、弾性閉塞カバー６０が蓋本体５０の前端部に強固に取り付けられる。このとき、弾性閉塞カバー６０の後端部分は、前リブ５４１と後リブ５４２とによって前後方向Ｄｆに挟み込まれ、前後方向Ｄｆの移動が規制され、かつ連結壁５４３と張出し壁２３２とによって上下方向Ｄｖに挟み込まれ、上下方向Ｄｖの移動が規制された状態で保持されている。

　また、前リブ５４１の前下端には、幅方向Ｄｈに延びる段部５４１ａが形成されている。
　なお、蓋本体５０に取り付けられるカバー本体２０は、カバー天面板２１の前端部２１ｂが、蓋本体５０の蓋係合部５４の前リブ５４１よりも前方に突出している。

　図１１に示すように、側壁部５３に設けられる回動被支持部５５は、幅方向Ｄｈに沿う方向を中心（以下、回動軸Ｏという）とした円形状の第１凹陥部５５Ａと、この第１凹陥部５５Ａより小さな円形状で同軸に配置される第２凹陥部５５Ｂと、を有している。第２凹陥部５５Ｂの底部には、全周にわたって拡径された環状係止溝５５ａが形成されている。

　図１２乃至図１５に示すように、回動支持部材７０は、枠部材３に前後方向Ｄｆにスライド自在に支持され、配線カバー２を回動軸Ｏ回りに回動させつつ、前後方向Ｄｆに移動させるための部材である。具体的に回動支持部材７０は、摺動部７１と、摺動部７１の一端面に設けられた回動部７２と、を有している。
　摺動部７１は、前後方向Ｄｆに長い板状をなし、上面及び下面のそれぞれに前後方向Ｄｆに延びる凸条７３が形成されている。凸条７３は、後述する枠部材３のスライド凹溝３５に形成される案内溝３５ｃに嵌め込まれ、案内溝３５ｃに沿って前後方向Ｄｆに案内される。

　回動部７２は、幅方向Ｄｈに沿う方向を中心（上述した回動軸Ｏ）とした円板状の回転支持部７２Ａと、回転支持部７２Ａより小径で同軸に突出する突出筒７２Ｂと、を有している。回転支持部７２Ａは、回動被支持部５５の第１凹陥部５５Ａに回動軸Ｏ回りに回転自在に嵌合される。突出筒７２Ｂの突出先端（自由端）における径方向に対向する位置に径方向外側に付勢する一対の係止爪７４，７４が設けられる。突出筒７２Ｂは、回動被支持部５５の第２凹陥部５５Ｂに回動軸Ｏ回りに回転自在に嵌合される。突出筒７２Ｂの係止爪７４，７４は、突出筒７２Ｂが第２凹陥部５５Ｂに嵌合した状態で、第２凹陥部５５Ｂに形成される環状係止溝５５ａに係合される。つまり、一対の係止爪７４，７４は、環状係止溝５５ａ内で回動軸Ｏ回りに回転可能となっている。
　これにより、回動被支持部５５を備えた蓋本体５０（配線カバー２）と回動支持部材７０とは相対的に回動軸Ｏ回りに回転することになり、回動支持部材７０は枠部材３に対してスライド可能で、且つ非回転の状態で支持されるため、配線カバー２が回動する。

　弾性閉塞カバー６０は、図１０、図１６、及び図１７に示すように、全体がゴム等の弾性部材から形成され、配線カバー２がデスク１の開口部１５（図２及び図３参照）の空間を閉塞した状態において、カバー本体２０の前端部と開口部１５の前端面との間の隙間を覆うように配置されている。
　弾性閉塞カバー６０は、装着基部６１と、複数の弾性腕材６２，６２，…と、開閉操作部６３と、を備えている。装着基部６１は、幅方向Ｄｈに延びるとともに後端側で蓋本体５０の蓋係合部５４に係合される。複数の弾性腕材６２，６２，…は、装着基部６１の前端部６１ａから前方に突出してブラシ状に形成される。開閉操作部６３は、装着基部６１の幅方向Ｄｈの両端部分のそれぞれの前端部６１ａに連設する。

　装着基部６１は、基部本体６１１と、上凹溝６１２（第一凹部、第一係止部）と、後凹溝６１３（第二凹部、第二係止部）と、垂下係止片６１４と、を有している（図８参照）。上凹溝６１２は、基部本体６１１の上面に形成され蓋本体５０の蓋係合部５４の前リブ５４１に係合する。後凹溝６１３は、基部本体６１１の後端に形成されカバー本体２０の張出し壁２３２に係合する。垂下係止片６１４は、基部本体６１１の幅方向Ｄｈの両端部のそれぞれにおける後端から下方に延びる。そして、装着基部６１における上凹溝６１２と後凹溝６１３との間に位置には、蓋係合部５４の嵌合凹部５４Ａの内側に嵌め込まれる嵌合凸部６１Ａが形成されている。

　上凹溝６１２は、蓋本体５０の蓋係合部５４の前リブ５４１に形成された段部５４１ａに係止する段差部６１２ａが形成されている。そして、上凹溝６１２が蓋本体５０の蓋係合部５４の前リブ５４１に係合した状態で、上凹溝６１２の凹底が前リブ５４１の下端に当接している。
　後凹溝６１３の溝幅は、カバー本体２０の張出し壁２３２の厚みに相当する寸法に設定されている。後凹溝６１３は、後リブ５４２に係止されるカバー本体２０の張出し壁２３２を係合し、張出し壁２３２の張出先端２３２ａ（突出先端）が後凹溝６１３の凹底に当接している。

　図４及び図１０に示すように、蓋本体５０、カバー本体２０、及び弾性閉塞カバー６０をそれぞれ組み付ける際には、先に蓋本体５０に弾性閉塞カバー６０を配置しておき、その後で蓋本体５０及び弾性閉塞カバー６０に対してカバー本体２０を組み付ける。つまり、先ず蓋本体５０の蓋係合部５４の嵌合凹部５４Ａに弾性閉塞カバー６０における弾性部材からなる装着基部６１の嵌合凸部６１Ａを嵌め込む。なお、弾性閉塞カバー６０は樹脂製であり比較的変形しやすいため、このような蓋本体５０への嵌め込みを容易に行うことができる。
　その後、カバー本体２０におけるカバー係合片２３の張出し壁２３２を、蓋本体５０の上方から蓋本体５０の蓋係合部５４と底壁５１の前端との間を通過させて後凹溝６１３に嵌め込む。張出し壁２３２の前端のカバー爪部２３３が後凹溝６１３に係止することで、蓋本体５０、カバー本体２０、及び弾性閉塞カバー６０のそれぞれが互いに係合し合った状態で組み付けることができる。なお、このとき、蓋本体５０の前リブ５４１が上凹溝６１２に係合することで、互いの前後方向Ｄｆの相対移動が規制された状態となる。また、蓋本体５０の後リブ５４２及びカバー本体２０におけるカバー係合片２３（張出し壁２３２）が後凹溝６１３に係合することで、蓋本体５０及びカバー本体２０と弾性閉塞カバー６０との上下方向Ｄｖの相対移動が規制された状態となる。

　装着基部６１の垂下係止片６１４は、弾性部材により基部本体６１１と一体的に形成されている。垂下係止片６１４には、下端から前方に向けて突出する係止突部６１４Ａが形成されている。係止突部６１４Ａは、下面が幅方向Ｄｈから見た側面視で下に凸となる円弧状当接面６１４ａをなしている。垂下係止片６１４は、配線カバー２を閉じる際に弾性変形し、係止突部６１４Ａが後述する枠部材３の垂下当接ガイド部３４Ｂ（後述）の下端３４ｄに係止する。これにより、配線カバー２が開閉操作なしで開蓋することを防ぐことができる。

　また、係止突部６１４Ａの下面が円弧状当接面６１４ａとなっているので、上述した垂下当接ガイド部３４Ｂに対して滑らかに当接しつつ下方に移動することになり、配線カバー２が閉じる動作を円滑にすることができる。また、枠部材３の垂下当接ガイド部３４Ｂの下端３４ｄに対する係止突部６１４Ａの係止状態を解除する際には、垂下係止片６１４が弾性部材であるから、配線カバー２を持ち上げて開蓋する操作をすることで、垂下係止片６１４が弾性変形し係止突部６１４Ａが垂下当接ガイド部３４Ｂの下端３４ｄから外れる。

　複数の弾性腕材６２，６２，…は、図１６及び図１７に示すように、幅方向Ｄｈの両側に配置される開閉操作部６３，６３の間で幅方向Ｄｈに沿って所定の間隔をあけて配列されている。複数の弾性腕材６２，６２，…のそれぞれの前部６２ａは、カバー閉塞時において開閉操作部６３，６３とともに枠部材３の受け鍔部３３（図６、図７、及び図１０参照）に上方から載置される。弾性腕材６２は、弾性腕材６２の突出方向（前後方向Ｄｆ）から見た断面視で、縦楕円形状をなし、幅方向Ｄｈの横寸法ｄ１が上下方向Ｄｖの縦寸法ｄ２よりも小さくなるように設定されている。そして、各弾性腕材６２は、前後方向Ｄｆに断面変化はなく、同一の断面で延びている。このように弾性腕材６２の断面形状を縦長とすることで、上方からの荷重に強い構造となり、例えば弾性閉塞カバー６０上に物品を置いても変形しにくく、平面性を維持することができる。
　また、幅方向Ｄｈに隣り合う弾性腕材６２，６２同士の間の離間寸法ｄ３は、弾性腕材６２の横寸法ｄ１よりも小さくなっている。そのため、斜め幅方向から複数の弾性腕材６２，６２，…を見たときに、その視線（例えば、図１７の矢印Ｅ）を弾性腕材６２によって遮ることができ、これら弾性腕材６２，６２，…の下方が見えにくくなる。

　開閉操作部６３は、弾性閉塞カバー６０の上面から内方に凹状に窪んだ形状をなし、装着基部６１の前端部６１ａに連設している。具体的に開閉操作部６３の上面６３ａは、幅方向Ｄｈの内端部分６３Ａにおいて外側から内側に向かうに従い漸次上方に突出する湾曲面６３ｂが形成されている。開閉操作部６３は、内端部分６３Ａの上端６３ｃが複数の弾性腕材６２、６２、…と同じ高さに設定され、外端部分６３Ｂが装着基部６１の上面よりも低い位置に配置されている。
　図６に示すように、配線カバー２が開口部１５を閉じた状態で、開閉操作部６３の上面６３ａが配線カバー２の上面及びデスク１の天板１１よりも低く凹んで配置されている。したがって、この凹状部分に指が挿入して指掛かりがし易くなっている。

　次に、デスク１の天板１１に形成された開口部１５に嵌着され、配線カバー２を装着するための枠部材３の構成について詳細に説明する。
　図１８乃至図２０に示すように、枠部材３は、幅方向Ｄｈに延びる前枠３１と、前枠３１の両端のそれぞれに連設される側枠３２，３２と、からＵ字状の枠体に形成される。枠部材３は、図２０に示す天板１１の開口部１５に不図示のボルトやねじによって組み付けられている。
　枠部材３の側枠３２，３２には、回動支持部材７０を介して配線カバー２が回転可能、且つスライド可能に装着されている。枠部材３は、例えばＡＢＳ、ポリアセタール、ポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレート等の樹脂の射出成形により製作することができる。

　枠部材３には、前枠３１及び一対の側枠３２，３２の上端から天板１１の板面方向に向けて張り出すとともに、一対の側枠３２，３２の後端から天板１１の後面方向に向けて張り出す枠鍔部３ａが形成されている。枠鍔部３ａは、枠部材３がデスク１の開口部１５に装着されたときに、開口部１５の端縁に上方から重なって配置されるので、枠部材３と天板１１との隙間をなくすことができる。

　前枠３１には、後面３１ａにおける上下方向Ｄｖの中間部から後方に向けて突出し、長さ方向の全体にわたって延びる受け鍔部３３（受け部）が設けられている（図２１及び図２２参照）。受け鍔部３３の上面３３ａには、図６に示すように、上方から配線カバー２の複数の弾性腕材６２、６２、…の前部６２ａ及び一対の開閉操作部６３、６３の前部が載置される。
　受け鍔部３３の上下方向Ｄｖの位置は、弾性腕材６２と開閉操作部６３が略水平に配置され、かつ少なくとも枠部材３の上端から上方に張り出さない位置に設定される。つまり、配線カバー２は、弾性腕材６２と開閉操作部６３が受け鍔部３３の上面３３ａに載置された位置が閉塞位置となり、配線カバー２における閉じるための回動が停止する位置となる。

　図１０、図１８、及び図２０に示すように、側枠３２は、案内ガイド３４と、スライド凹溝３５と、を有している。案内ガイド３４は、内面３２ａにおける前方部分に設けられ、弾性閉塞カバー６０の垂下係止片６１４を案内する。スライド凹溝３５は、内面３２ａにおける後方部分に設けられ、配線カバー２の回動被支持部５５に装着される回動支持部材７０を前後方向Ｄｆにスライド自在に支持する。

　案内ガイド３４は、側枠３２の内面３２ａに連設するとともに、前枠３１の受け鍔部３３に連設して後方に延びるスライドガイド部３４Ａと、スライドガイド部３４Ａの後端から当接傾斜面３４ｃを介して下方に垂下する垂下当接ガイド部３４Ｂと、を有している。
　スライドガイド部３４Ａの後端は、側枠３２の前後方向Ｄｆの略中間部であり、スライド凹溝３５に重ならない位置となっている。スライドガイド部３４Ａには、後部分において後方に向けて下向きとなる下向き傾斜面３４ｂが形成されている。

　図１０及び図２２に示すように、スライドガイド部３４Ａは、その上面のガイド面３４ａで配線カバー２を前後方向Ｄｆにスライドさせる際に、弾性閉塞カバー６０の垂下係止片６１４の係止突部６１４Ａを案内させる構成となっている。本実施の形態では、配線カバー２を開きながら最も後方のスライド後端位置Ｐ１から前方に移動させると、垂下係止片６１４がスライドガイド部３４Ａの上面のガイド面３４ａに沿って前方に移動するとともに、下向き傾斜面３４ｂの段部に沿って上り上側に案内されて移動する。したがって、配線カバー２の天板１１の上面１１ａに対する開きを大きくできる。つまり、配線カバー２を前方に移動させると、ガイド面３４ａ上に垂下係止片６１４が起立した状態となるので、配線カバー２が所定の回動角度で開いた状態を保持することができる。
　一方で、配線カバー２をスライド前端位置Ｐ２から図６及び図８に示すスライド後端位置Ｐ１に移動させる場合には、垂下係止片６１４がスライドガイド部３４Ａのガイド面３４ａに沿って後方に移動するとともに、下向き傾斜面３４ｂの段部に沿って案内されて滑らかに下って下側に移動する。したがって、配線カバー２の天板１１の上面１１ａに対する開きを小さくできる。

　また、垂下当接ガイド部３４Ｂの上端に位置する当接傾斜面３４ｃは、円弧状に形成され、配線カバー２が前後方向Ｄｆで最も後方側に位置した状態で閉蓋したときに、弾性閉塞カバー６０の垂下係止片６１４の円弧状当接面６１４ａが上方から当接するように設定されている。そして垂下当接ガイド部３４Ｂの下端３４ｄには、配線カバー２が閉塞した位置で弾性閉塞カバー６０の垂下係止片６１４の下端の係止突部６１４Ａが係止される。

　スライド凹溝３５は、図１２、図１８、及び図１９に示すように、側枠３２の内面３２ａにおいて前後方向Ｄｆに延びて形成されている。スライド凹溝３５の前後方向Ｄｆに延び上下に対向する溝下面３５ａ及び溝上面３５ｂには、それぞれ前後方向Ｄｆに延在する案内溝３５ｃが形成されている。スライド凹溝３５には、回動支持部材７０の摺動部７１がスライド自在に嵌入される。このとき案内溝３５ｃに摺動部７１の凸条７１ａが嵌め込まれる。スライド凹溝３５において、回動支持部材７０が最も後方に位置したときに配線カバー２がスライド後端位置Ｐ１となり、回動支持部材７０が最も前方に位置したときに配線カバー２がスライド前端位置Ｐ２となる。なお、配線カバー２がスライド前端位置Ｐ２にあるとき、弾性閉塞カバー６０の前端が開口よりも前方に位置している。
　なお、スライド凹溝３５は、側枠３２の外面３２ｂ（図１８参照）に膨出しているので、この膨出部に対応するように、天板１１の開口部１５の側面には凹状に凹んだ受け部（図示省略）が設けられている。

　図４、図２０乃至図２３に示すように、トレー４は、底板４１、前板４２、及び後板４３を備え、幅方向Ｄｈの両側は解放されている。底板４１には、スリット状の挿通開口４１ａが形成されている。前板４２は、板面を上下方向に向けて配置され、上端４２ａがデスク１の天板１１の下面１１ｃに不図示のボルトやビス等で固定されている。
　また、後板４３は、上方に向かうに従い前方から後方に向けて傾斜する傾斜面となっており、後板４３の上端４３ａがスライド後端位置Ｐ１で全開した配線カバー２よりも前方に位置するようにデスク１の天板１１の下面１１ｃに不図示のボルトやビス等で固定されている。これにより、図２１に示すように、後板４３はデスク１の後端に配置される壁面１７から前方に退避した位置となり、壁面１７とトレー４の後板４３との間には所定の大きさのスペースＫが形成されることとなる。
　なお、図２２では、天板１１の後端にオプション部材（不図示）等を取り付けるためのクランプＣを把持させた状態でデスク１を壁面１７の前面に配置させている。

　次に、上述した配線カバー、什器、及び天板付き什器の作用について、図面に基づいて詳細に説明する。
　図２及び図３に示すように、本実施の形態の構成によれば、デスク１の天板１１の上面１１ａに形成された配線を挿通させる開口部１５が配線カバー２で閉塞された状態において、カバー本体２０と開口部１５との間の隙間を覆うように弾性閉塞カバー６０（複数の弾性腕材６２，６２，…）が配置されている。したがって、カバー本体２０と開口部１５との間の隙間や段差を小さく抑えることができ、平面性をもった作業面としての使い勝手を向上させることができる。
　さらに、カバー本体２０に連設される弾性閉塞カバー６０（弾性腕材６２）が弾性部材から形成され、弾性閉塞カバー６０の弾性腕材６２を弾性変形させることが可能である。したがって、弾性変形させた弾性腕材６２から配線１６を挿通させることができる。
　つまり、配線１６の挿通部分だけ部分的に弾性閉塞カバー６０（弾性腕材６２）を弾性変形させた状態となり、挿通部分以外の部分は弾性閉塞カバー６０（弾性腕材６２）で閉塞された状態を維持できるので、無駄な隙間や段差が生じることを抑えることができる。そのため、外観が良好となり、意匠性を向上することができる。

　また、本実施の形態では、弾性閉塞カバー６０の表面の一部に凹状に形成される開閉操作部６３が設けられ、開閉操作部６３の凹状部分に指を掛けて配線カバー２の開閉操作を容易に行うことが可能となり、開閉操作性が良好となる。そのため、配線カバー２を開閉して配線１６の通線作業を容易に行うことができる。

　さらに、本実施の形態では、開閉操作部６３がカバー本体２０に接続されている。開閉操作部６３に挿入させた指をカバー本体２０の前端部２１ｂに引っ掛けることが可能となるため、開閉操作性をより良好なものとすることができる。

　さらにまた、本実施の形態では、開閉操作部６３が弾性閉塞カバー６０の両端部に配置されている。したがって、開閉操作部６３の位置と配線１６の挿通部分が一致することが少なくなり、所望の位置に配線１６の挿通部分を設定することができる。また、この場合には、弾性閉塞カバー６０の両端部に設けられた開閉操作部６３，６３を持って開閉操作を行うことによって、よりスムーズに開閉操作を行うことができる。

　また、本実施の形態では、配線カバー２を閉じた状態において、開閉操作部６３の前端部分が枠部材３の受け鍔部３３に載置され、受け鍔部３３によって開閉操作部６３が下方から支持される。したがって、開閉操作部６３に指を掛けたときに、開閉操作部６３が下方（開口方向と反対側）に押し込まれてしまうことを防ぐことができる。そのため、指掛けを確実に行うことができ、開閉操作性をより良好なものとすることができる。

　上述のように本実施の形態による配線カバー、什器、及び天板付き什器では、デスク１の天板１１との間隙を小さくすることで、天板上面を作業面として使い勝手が良好となるうえ、開閉操作性を向上させることができる。

　また、本実施の形態では、図１６及び図１７に示すように、断面視で複数の弾性腕材６２，６２，…の横寸法ｄ１が縦寸法ｄ２よりも小さい縦長の断面形状となる。したがって、配線１６の挿通時に弾性腕材６２が横方向（幅方向Ｄｈ）に変形するのを許容するための空間部を弾性腕材６２，６２同士の間の空間で確保することができる。

　さらに、弾性腕材６２を縦寸法が大きな断面形状とすることにより、上下方向の曲げ強度を向上させることができ、弾性腕材６２上にある程度の重量を有する物品を載置することが可能となる。そして、弾性腕材６２における上下方向の曲げ強度が高められることから、長期間の使用に伴う弾性腕材６２の変形に伴う撓みを抑制することができる。

　また、本実施の形態では、弾性腕材６２の横寸法ｄ１が上下方向Ｄｖの中間部が上部よりも大きい形状であり、隣り合う弾性腕材６２，６２の対向する側面同士が上部から下向きに狭くなる。したがって、配線１６を複数の弾性腕材６２，６２同士の間に挿通させる際に、配線１６の重みによって弾性腕材６２，６２同士が弾性変形により押し広げられるため、配線挿通時の作業性を良好なものとすることができる。

　さらに、本実施の形態では、配線カバー２の閉塞時において、斜め上方から複数の弾性腕材を見たときに、その視線を各弾性腕材６２によって遮断することができ、これら複数の弾性腕材６２，６２，…の下方が見えにくくなる。つまり、配線挿通部内が弾性腕材６２，６２同士の間の隙間から外部に露呈するのを防止することが可能となり、体裁を良好に収めることができる。

　上述のように本実施の形態による配線カバー、及び天板付き什器では、弾性腕材６２の撓みを抑えることで、天板１１の上面１１ａとの段差を小さくすることができる。

　また、図１０に示すように、本実施の形態では、弾性閉塞カバー６０の装着基部６１がカバー本体２０及び蓋本体５０によって挟持された状態で取り付けられる。その挟持部分に他の部材を介在させる必要がない取り付け構造となるので、取り付け状態が安定し、カバー本体２０及び蓋本体５０に対して弾性閉塞カバー６０を確実に取り付けることができる。
　さらに具体的には、蓋本体５０の前リブ５４１と装着基部６１の上凹溝６１２とが係合することで横方向（幅方向Ｄｈ）の相対移動が規制され、カバー本体２０の張出し壁２３２と装着基部６１の後凹溝６１３とが凹凸によって係合することで上下方向Ｄｖの相対移動が規制される。したがって、カバー本体２０及び蓋本体５０に弾性閉塞カバー６０を確実に固定した状態で取り付けることができる。

　また、カバー本体２０及び蓋本体５０によって弾性閉塞カバー６０の装着基部６１が挟持されただけの取り付け構造となる。したがって、弾性閉塞カバー６０を取り付ける際に、ネジ等を取り付けるための工具が不要であり、簡単な構造で容易に組み立てることが可能となる。

　また、本実施の形態では、弾性閉塞カバー６０において、装着基部６１の厚みが弾性腕材６２の厚み（上下方向Ｄｖの寸法）よりも大きくなっている。したがって、装着基部６１のカバー本体２０や蓋本体５０との取り付け部分における弾性変形が小さい構成となり、取り付け部分の安定性が高められている。

　さらに、本実施の形態では、弾性閉塞カバー６０の装着基部６１の嵌合凸部６１Ａが、蓋本体５０の前リブ５４１の下端５４１ｂと、カバー本体２０の張出し壁２３２の張出先端２３２ａとの間から抜けることが防止できる。したがって、カバー本体２０及び蓋本体５０に対して弾性閉塞カバー６０を確実に取り付けることができる。

　上述のように本実施の形態による配線カバー装置、及び天板付き什器では、簡単な構造で、カバー本体２０に対して弾性閉塞カバー６０を確実に取り付けることができる。

　以上、本発明による配線カバー、什器、及び天板付き什器の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。

　例えば、本実施の形態では、ブラシ状に配列される複数の弾性腕材６２、６２、…を備えた構成としているが、弾性閉塞カバー６０の形状等の構成は、これに限定されることはなく、他の構成とすることが可能である。

　例えば、図２４及び図２５に示す第１変形例による配線カバー２は、幅方向Ｄｈに沿って隙間なく連続して形成される弾性部材からなる弾性閉塞カバー６０Ａを備える。具体的に弾性閉塞カバー６０Ａは、上面に複数の凸条６４ａが形成された板状弾性部材６４と、板状弾性部材６４の幅方向Ｄｈの両側に配置される上記実施の形態と同様の開閉操作部６３、６３と、を備える。
　この場合も、配線の挿通部分のみ板状弾性部材６４の一部を弾性変形させて配線することができ、その挿通部分以外は板状弾性部材６４でカバー本体２０と天板１１の開口部１５との隙間を閉塞することができる。そして、上述した実施の形態と同様に、開閉操作部６３の凹状部分に指を掛けて配線カバー２の開閉操作を容易に行うことが可能となり、開閉操作性が良好となる。

　また、図２６に示す第２変形例による配線カバー２の開閉操作部６３には、開閉操作部６３の少なくとも一部を上方から覆う指掛け部６５が連設される。指掛け部６５は、開閉操作部６３と同じ部材でゴム等の弾性部材からなり、開閉操作部６３と一体的に成形される。この場合には、指掛け部６５と開閉操作部６３との間に凹部６５ａが設けられ、凹部６５ａによって形成される空間に指を案内させることで指掛け部６５に指を掛け易くなる。したがって、配線カバー２の開閉操作をより容易に行うことができる。

　さらに、第２変形例のような指掛け部６５は、開閉操作部６３と一体的かつ連続的に形成される構成に制限されることはなく、分離されていても良い。さらにまた、指掛け部が弾性部材であることに制限されず、金属製等の剛性のある部材であってもよい。

　また、本実施の形態では、開閉操作部６３が幅方向Ｄｈに複数配列される弾性腕材６２、６２、…の両側に配置された構成としているが、このような配置、数量であることに限定されることはない。
　例えば、幅方向Ｄｈに沿って３箇所以上に開閉操作部６３を設けることも可能である。
　この場合には、弾性閉塞部の複数箇所に設けられる開閉操作部６３のうち所望の開閉操作部６３を使用して配線カバー２の開閉操作を行うことができることから、開閉操作性をより良好なものとすることができる。
　また、開閉操作部６３が一箇所であってもよく、例えば開閉操作部６３を幅方向Ｄｈにおける中央位置に一箇所設けることも可能である。

　また、本実施の形態では、ブラシ状に配列される複数の弾性腕材６２，６２，…の形状として、上下方向に長い縦長の楕円形断面としているが、このような形状であることに限定されることはなく、他の形状の弾性腕材を採用することも可能である。

　例えば、図２７に示す第３変形例による弾性閉塞カバー６０に設けられる複数の弾性腕材６２Ａ，６２Ａ，…は、台形断面をなしている。すなわち、弾性腕材６２Ａは、下面から上面に向かうに従い漸次、横寸法が小さくなる傾斜面６２ｂを有する形状となっている。この場合、隣り合う弾性腕材６２Ａ，６２Ａの対向する傾斜面６２ｂ同士の隙間が上部から下向きに狭くなるため、配線１６を複数の弾性腕材同士の間に挿通させる際に、配線の重みによって弾性腕材６２Ａ，６２Ａ同士が弾性変形により押し広げられる。したがって、配線挿通時の作業性を良好なものとすることができる。

　また、弾性腕材６２の断面形状として、下方に向かうに従って幅狭になる形状であってもよい。この場合には、配線カバー２を開けて配線挿通作業を行った後に配線カバー２を閉じた際に、弾性腕材６２の断面下部の傾斜に配線が接触することによって、弾性腕材６２が自動的に幅方向Ｄｈに押し広げられる。なお、上述した実施の形態の縦楕円形状の断面をなす弾性腕材６２においても、上下方向Ｄｖの中間部分から下部に曲面状の傾斜面が形成されるので、弾性腕材６２が自動的に幅方向Ｄｈに押し広げられるという同様の効果を奏する。

　また、図２８及び図２９に示す第４変形例による弾性腕材６２Ｂにおいては、カバー本体に連設される基端側部分６２ｃの横寸法ｄ１ａが、自由端側部分６２ｄの横寸法ｄ１ｂよりも大きくなっている。さらに、弾性腕材６２Ｂは、弾性腕材６２Ｂのカバー本体２０に連設される基端側部分６２ｃの縦寸法ｄ２ａが、自由端側部分６２ｄの縦寸法ｄ２ｂよりも大きい形状となっている。
　このような形状の弾性腕材６２Ｂとすることで、弾性腕材６２Ｂの基端側部分６２ｃでは載置される物品の荷重を十分に支持することができ、かつ自由端側部分６２ｄにおいては弾性腕材６２Ｂの変形を許容することができる。

　また、本実施の形態では、蓋本体５０と弾性閉塞カバー６０の装着基部６１との間に前後方向Ｄｆ（横方向）の移動を規制する第一係止部を設け、カバー本体２０と弾性閉塞カバー６０の装着基部６１との間に上下方向Ｄｖの移動を規制する第二係止部を設けた構成としているが、これに限定されることはない。つまり、前後方向Ｄｆの移動を規制する第一係止部をカバー本体２０と弾性閉塞カバー６０との間に設け、上下方向Ｄｖの移動を規制する第二係止部を蓋本体５０と弾性閉塞カバー６０との間に設けるようにしてもよい。

　本実施の形態では、配線カバーとして、カバー本体２０の前端部２０ａのみに弾性閉塞カバー６０（弾性閉塞部）を備えた構成としているが、カバー本体２０に対する弾性閉塞カバー６０の位置は、前側などの片側であることに限定されない。例えば、カバー本体２０の前端部と後端部のそれぞれに弾性閉塞部を設けても構わない。

　また、本実施の形態では、配線カバー２を備える適用対象がデスク１の天板１１（作業面）としているが、デスク１であることに制限されず、作業面を備えた他の什器であってもよい。
　さらに、什器であることに限定されることはなく、かつ配線カバー２の取付け面が天板のような水平面であることにも限定されることはない。例えば、上下方向に延在する壁面（板面）に設けられる配線収容部の配線カバーに適用することも可能である。

　その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。

（第２実施形態）
　以下、本発明の第２実施形態による開閉蓋装置、天板付き什器について、図面に基づいて説明する。
　図３０は、この発明の第２実施形態に係る天板付き什器の全体構成を示す斜視図である。図３１は、天板付き什器に設けた配線カバー装置を示す斜視図である。図３２は、配線カバー装置の配線カバーを開いた状態を示す斜視断面図である。図３３は、配線カバー装置の構成を示す斜視展開図である。図３４は、配線カバー装置を閉状態としたときの断面図である。図３５は、図３４の要部を示す拡大断面図である。図３６は、配線カバーを構成する蓋基体の構成を示す斜視図である。図３７は、配線カバーを構成する弾性閉塞カバーを示す斜視図である。図３８は、配線カバーを構成する枠部材を示す斜視図である。図３９は、枠部材に形成したガイド溝とスライド部材との関わりを示す斜視図である。図４０は、ガイド溝、スライド部材、蓋基体の関係を示す斜視展開図である。図４１は、配線カバーをスライドさせた状態を示す断面図である。図４２は、配線カバーを開状態から閉状態に移行させる途中の状態を示す断面図である。図４３は、配線カバーを開状態としたときの断面図である。図４４は、天板付き什器へのオプション部材の把持部材の取り付け方法の流れを示す斜視図である。

　図３０に示すように、デスク（天板付き什器）１００１は、天板（板状体）１０１１と、一対の天板支持脚１０１２，１０１２と、配線カバー装置（開閉蓋装置）１０１０と、を有している。一対の天板支持脚１０１２，１０１２は、床面Ｆ上に互いに間隔をあけて配置され、天板１０１１を昇降可能に支持し、上下方向Ｄｖに伸縮可能に構成される。配線カバー装置１０１０は、天板１０１１の上面（作業面）１０１１ａに開閉可能に設けられる。

　ここで、本実施の形態では、一対の天板支持脚１０１２，１０１２が床面Ｆで離間する方向を幅方向Ｄｈといい、上方から見た平面視で幅方向Ｄｈに直交する方向を前後方向Ｄｆという。また、デスク１００１の前後方向Ｄｆにおいて、使用者が椅子に座ってデスク１００１に向かう側を前方、前側といい、その反対側を後方、後側という。

　天板支持脚１０１２は、下部筒状体１０１２Ａと、上部筒状体１０１２Ｂと、を有している。下部筒状体１０１２Ａ及び上部筒状体１０１２Ｂは、それぞれ上下方向Ｄｖに延びる四角形筒状に形成されている。下部筒状体１０１２Ａの内部に上部筒状体１０１２Ｂが収納されている。天板支持脚１０１２は、モータ等の駆動機構（不図示）を備えている。この駆動機構により下部筒状体１０１２Ａに対して上部筒状体１０１２Ｂをそれぞれ上下方向Ｄｖに移動させることで、天板支持脚１０１２を上下方向Ｄｖに伸縮させることができる。

　天板支持脚１０１２の下端部には、下部支持体１０１３が設けられている。下部支持体１０１３は、床面Ｆ上に配置され、床面Ｆに平行で前方及び後方のそれぞれに延びている。下部支持体１０１３の下面には、下部支持体１０１３の高さ及びレベルの調整を行うアジャスター１０１３ａが設けられている。天板支持脚１０１２は、下部支持体１０１３において中央部分からやや後方側に配置されている。天板支持脚１０１２の下部筒状体１０１２Ａは、下部支持体１０１３の下面側からボルト等により固定されている。

　天板支持脚１０１２の上端部には、天板１０１１を下方から支持する上部支持体１０１４が設けられている。上部支持体１０１４は、上部筒状体１０１２Ｂの上端部に固定され、前後方向Ｄｆに延びている。天板１０１１は、上部支持体１０１４の下方からボルト等により固定されている。

　図３０、図３１に示すように、天板１０１１における幅方向Ｄｈの中央部の後端（外周端部）１０１１ｒには、天板１０１１の板厚方向（上下方向Ｄｖ）に貫通するとともに、天板１０１１の外方である後方に向けて開口するカバー用切欠き凹部（開口部）１０１５が形成されている。カバー用切欠き凹部１０１５は、幅方向Ｄｈに長い長方形状の開口である。カバー用切欠き凹部１０１５には、配線カバー装置１０１０が嵌め込まれている。配線カバー装置１０１０は、後述する配線カバー１００２を備える。配線カバー１００２が、図３１、図３２に示すように回動することで、カバー用切欠き凹部１０１５によって形成される開口を開閉可能となっている。

　図３３に示すように、配線カバー装置１０１０は、配線カバー１００２と、配線カバー１００２を回動可能、かつ前後方向Ｄｆにスライド自在に支持する枠部材１００３と、を備えている。

　図３４に示すように、配線カバー１００２は、カバー用切欠き凹部１０１５の上方及び後方を開閉可能に塞ぐ。配線カバー１００２は、カバー本体１０２０と、蓋基体１０５０（蓋本体）と、弾性閉塞カバー１０６０（弾性閉塞部）と、を備えている。
　配線カバー１００２のカバー本体１０２０は、蓋基体１０５０の少なくとも上面を覆うように外嵌される。弾性閉塞カバー１０６０は、カバー本体１０２０及び蓋基体１０５０の前端部から前方に向けて突出するように装着される。

　カバー本体１０２０は、カバー天面板１０２１と、蓋基体１０５０の後壁部１０５２を覆うカバー後面板１０２２と、カバー天面板１０２１の前端下面に設けられるカバー係止片１０２３と、を有している。
　本実施の形態では、カバー本体１０２０は、スチール等の剛性を有する金属製の材料によって形成されている。

　カバー天面板１０２１は、配線カバー１００２でカバー用切欠き凹部１０１５を閉塞した閉状態でデスク１００１の天板１０１１の上面１０１１ａに連続した面を形成する。
　カバー後面板１０２２は、配線カバー１００２でカバー用切欠き凹部１０１５を閉塞した閉状態（さらに、前方に向けてスライドしていない状態）でデスク１００１の天板１０１１の後端１０１１ｒ（図３０、図３１参照）に連続した面を形成する。カバー後面板１０２２は、カバー後面板１０２２の下端から前方に延び、蓋基体１０５０の後端下面を覆う後方係止壁１０２４を一体に備えている。後方係止壁１０２４には、蓋基体１０５０の後方下面に形成される爪部１０５０ｔが係止される係止穴１０２４ａが形成されている。

　図３５に示すように、カバー係止片１０２３は、配線カバー１００２を閉塞した状態において、カバー天面板１０２１の下面から下方に延びる縦壁１２３１と、縦壁１２３１の下端から前方に延びる張り出し壁１２３２と、縦壁１２３１の上端から前方に延びる延出部１２３４とを有している。
　カバー係止片１０２３は、カバー天面板１０２１の下面に延出部１２３４を沿わせた状態で接合されている。

　図３４、図３６に示すように、蓋基体１０５０は、外嵌されたカバー本体１０２０のカバー天面板１０２１の下方に平行に配置される底壁１０５１と、底壁１０５１の後端から下方に延びる後壁部１０５２と、底壁１０５１の幅方向Ｄｈの両側に位置する側壁部１０５３、１０５３と、一対の側壁部１０５３の前端部同士を連結する蓋係合部１０５４と、側壁部１０５３の後端側に設けられる軸支穴１０５５と、を有している。

　底壁１０５１には、その上面から立ち上がり、幅方向Ｄｈに沿って延びる複数のリブ１０５１ｒ、１０５１ｒが設けられている。後壁部１０５２と両側壁部１０５３との上端は、蓋基体１０５０に外嵌されたカバー本体１０２０のカバー天面板１０２１の下面に突き当たる。

　図３５に示すように、蓋係合部１０５４は、幅方向Ｄｈに延び互いに前後方向Ｄｆに離間して設けられる前リブ１５４１、後リブ１５４２と、前リブ１５４１及び後リブ１５４２の上端同士を全長にわたって連結する連結壁１５４３と、を有している。
　後リブ１５４２は、底壁１０５１の前端１０５１ｆとの間に所定間隔をあけて配置されている。この所定間隔は、カバー係止片１０２３の張り出し壁１２３２が挿入でき、かつ縦壁１２３１の厚さ寸法に略一致する寸法に設定されている。

　また、蓋係合部１０５４には、カバー本体１０２０のカバー係止片１０２３が外側から嵌め込まれる。具体的には、蓋係合部１０５４にカバー係止片１０２３が外嵌した状態において、連結壁１５４３にカバー係止片１０２３の延出部１２３４が上方から当接するとともに、後リブ１５４２にカバー係止片１０２３の縦壁１２３１が後方から当接している。
　このようにして、カバー係止片１０２３を蓋係合部１０５４の外側から嵌め込むことで、カバー本体１０２０が蓋基体１０５０に取り付けられる。
　なお、蓋基体１０５０に取り付けられるカバー本体１０２０においては、カバー天面板１０２１の前端部１０２１ｂが、蓋基体１０５０の蓋係合部１０５４の前リブ１５４１よりも前方に突出している。

　弾性閉塞カバー１０６０は、配線カバー１００２がデスク１００１のカバー用切欠き凹部１０１５を閉塞した状態において、カバー本体１０２０のカバー天面板１０２１の前端部１０２１ｂとカバー用切欠き凹部１０１５の前端面との間の隙間を覆うように配置されている。
　図３７に示すように、弾性閉塞カバー１０６０は、装着基部１０６１と、複数の弾性腕材１０６２、１０６２、…と、摘み部１０６３（開閉操作部）と、を備えている。装着基部１０６１は、幅方向Ｄｈに延びるとともに蓋基体１０５０に装着される。複数の弾性腕材１０６２、１０６２、…は、装着基部１０６１の前端部１０６１ａから前方に突出してクシ歯状に形成される。摘み部１０６３は、装着基部１０６１の幅方向Ｄｈの両端部分のそれぞれの前側に連設する。

　図３５に示すように、装着基部１０６１は、弾性腕材１０６２よりも、上下方向Ｄｖの厚さ寸法が大きく形成されている。これにともない、装着基部１０６１の下面には、弾性腕材１０６２側から後方に向かって漸次下方に傾斜する傾斜面１０６１ｆが形成されている。
　また、装着基部１０６１の上面に、下方に向かって窪み、幅方向Ｄｈに連続する上面係合溝１０６６が形成されている。さらに、装着基部１０６１の後端面に、前方に向かって窪み、幅方向Ｄｈに連続する後面係合溝１０６７が形成されている。

　弾性閉塞カバー１０６０の装着基部１０６１は、蓋基体１０５０の蓋係合部１０５４に形成された前リブ１５４１、後リブ１５４２、及び連結壁１５４３によって囲まれた部分に嵌め込まれている。具体的には、装着基部１０６１の上面係合溝１０６６に、前リブ１５４１が挿入され、装着基部１０６１に形成された後面係合溝１０６７には、カバー係止片１０２３の張り出し壁１２３２が挿入されている。
　このようにして、弾性閉塞カバー１０６０は、装着基部１０６１が、蓋基体１０５０とカバー本体１０２０とによって強固に保持されている。
　このとき、弾性閉塞カバー１０６０の装着基部１０６１は、前リブ１５４１と後リブ１５４２とによって前後方向Ｄｆに挟み込まれることで、前後方向Ｄｆの移動が規制されている。また、装着基部１０６１は、連結壁１５４３と張り出し壁１２３２とによって上下方向Ｄｖに挟み込まれることで、上下方向Ｄｖの移動が規制されている。

　また、図３２、図３４、図３５に示すように、弾性閉塞カバー１０６０の装着基部１０６１には、幅方向Ｄｈの両端部に、突出片１０６８が形成されている。突出片１０６８は、装着基部１０６１の下面から下方（天板１０１１の上面１０１１ａ（表面）側から裏面側）に向かって延びる基部１６８１と、基部１６８１の下端から前方に向かって突出する係止爪１６８２と、を一体に備える。
　図３５に示すように、係止爪１６８２は、その前端部１６８２ａに向かって、上下方向Ｄｖの厚さが漸次小さくなるよう形成されている。係止爪１６８２の下面には、前端部１６８２ａに向かって上方に傾斜した湾曲面１６８２ｆが形成されている。

　弾性閉塞カバー１０６０は、ゴム系材料または軟質樹脂材料等から形成され、弾性腕材１０６２、１０６２、…、及び突出片１０６８は弾性変形可能とされている。
　ここで、図３２に示すように、突出片１０６８は、平断面視形状が、幅方向Ｄｈに長く、前後方向Ｄｆに短い横長の長方形状とされている。これによって、突出片１０６８は、前後方向に弾性変形しやすくなっている。

　図３８に示すように、枠部材１００３は、平面視Ｕ字状をなし、カバー用切欠き凹部１０１５の周縁部に対向する前壁部１０３１及び一対の側壁部１０３２，１０３２を有している。
　前壁部１０３１は、幅方向Ｄｈに延びている。前壁部１０３１には、ビス（図示無し）が挿通される貫通孔１０３１ｈが形成されている。
　一対の側壁部１０３２，１０３２は、前壁部１０３１の幅方向Ｄｈの両端部から前後方向Ｄｆに延び、幅方向Ｄｈにおいて間隔を空けて対向している。

　図３２、図３８に示すように、前壁部１０３１及び側壁部１０３２，１０３２の上端部には、カバー用切欠き凹部１０１５から天板１０１１の上面１０１１ａに沿って外方に向かって突出する縁部１０３３が形成されている。縁部１０３３は、前壁部１０３１及び側壁部１０３２，１０３２をカバー用切欠き凹部１０１５の周縁部に沿わせた状態で、天板１０１１の上面１０１１ａ上に係止される。

　また、図３８に示すように、側壁部１０３２，１０３２の後端部には、それぞれ、幅方向Ｄｈの外側に広がって延びる後壁部１０３４が一体に形成されている。後壁部１０３４は、天板１０１１の後端１０１１ｒに突き当たる。

　側壁部１０３２，１０３２の下端には、幅方向Ｄｈの外側に広がって伸びるステー１０３５が一体に形成されている。ステー１０３５には、天板１０１１の下面に固定するためのビス（図示無し）が挿通される貫通孔１０３５ｈが形成されている。
　枠部材１００３は、前壁部１０３１及び側壁部１０３２，１０３２をカバー用切欠き凹部１０１５の周縁部に対向させた状態で、前壁部１０３１に形成された貫通孔１０３１ｈと、ステー１０３５に形成された貫通孔１０３５ｈとに、それぞれビス（図示無し）を挿通させて天板１０１１に締結することで固定されている。

　図３８、図３９に示すように、枠部材１００３の一対の側壁部１０３２，１０３２には、それぞれ、カバー用切欠き凹部１０１５の幅方向Ｄｈの内側を向く面に、前後方向Ｄｆに延びるガイド溝１０３６がそれぞれ形成されている。

　図３９、図４０に示すように、枠部材１００３に対し、配線カバー１００２は、一対のスライド部材１０７０、１０７０を介し、回動可能、かつ前後方向Ｄｆにスライド可能に連結されている。スライド部材１０７０は、枠部材１００３の側壁部１０３２に形成されたガイド溝１０３６内に収容されるベース部１０７１と、ベース部１０７１の後端に設けられた支持軸１０７２と、を一体に備える。

　ベース部１０７１は、ガイド溝１０３６の内側に収まるよう、ガイド溝１０３６の上下方向Ｄｖの幅よりも僅かに小さく、ガイド溝１０３６の前後方向Ｄｆの長さよりも短く形成されている。ベース部１０７１は、ガイド溝１０３６内に収容された状態で、前後方向Ｄｆにスライド可能に設けられている。ここで、スライド部材１０７０は、ベース部１０７１の上下に設けられた係止突起１０７１ａが、ガイド溝１０３６内に形成された被係止スリット（図示無し）に係止されることで、ガイド溝１０３６から脱落しない状態で、ガイド溝１０３６に沿って前後方向Ｄｆにスライド自在とされている。

　支持軸１０７２は、ベース部１０７１において、カバー用切欠き凹部１０１５の幅方向Ｄｈの内側に向かって突出して形成されている。支持軸１０７２は、配線カバー１００２の蓋基体１０５０に形成された軸支穴１０５５に挿入され、軸支穴１０５５内で回動可能に連結されている。
　スライド部材１０７０は、支持軸１０７２の先端部に設けられた係止爪１０７２ａが、軸支穴１０５５内に設けられた被係止部（図示無し）に係止されることで、軸支穴１０５５からの脱落が防止された状態で、軸支穴１０５５に回動自在に連結されている。

　このようにして、配線カバー１００２は、支持軸１０７２を介して、スライド部材１０７０に回動自在に連結されることで、支持軸１０７２周りに回動自在とされている。すなわち、支持軸１０７２は、配線カバー１００２をカバー用切欠き凹部１０１５において互いに対向する対辺を結ぶ幅方向Ｄｈに延びる支持軸１０７２周りに回動可能に支持する回転機構１０７５を構成している。
　また、支持軸１０７２を介して連結されたスライド部材１０７０のベース部１０７１が、ガイド溝１０３６に沿ってスライドすることによって、配線カバー１００２が前後方向Ｄｆにスライド移動可能とされている。すなわち、ガイド溝１０３６及びスライド部材１０７０のベース部１０７１が、配線カバー１００２を、天板１０１１に沿い、かつ支持軸１０７２に交差する前後方向Ｄｆにスライド可能に支持するスライド機構１０７６を構成している。

　また、図３８に示すように、一対の側壁部１０３２，１０３２には、それぞれ、ガイド溝１０３６に対して前方の位置に、受け部材１０３７が一体に形成されている。受け部材１０３７は、枠部材１００３において、幅方向Ｄｈの両端部に形成されている。
　受け部材１０３７は、前後方向Ｄｆに延びるガイド部（ガイド部材）１３７１と、ガイド部１３７１の後端から下方に垂下する摺接部（摺接部材）１３７２とが一体に形成されている。

　図４１に示すように、配線カバー１００２が前方にスライドしたときに、弾性閉塞カバー１０６０の突出片１０６８がガイド部１３７１の上面１３７１ｆを摺接する。図３５に示すように、ガイド部１３７１の上面１３７１ｆは、前部支持面１３７３と、後部支持面１３７４と、傾斜支持面１３７５と、を備えている。前部支持面１３７３は、弾性閉塞カバー１０６０の下面の形状を補形するよう、前後方向Ｄｆに延びて摘み部１０６３を支持する。後部支持面１３７４は、前後方向Ｄｆに延びて装着基部１０６１の下面を支持する。傾斜支持面１３７５は、前部支持面１３７３と後部支持面１３７４との間で前方に向かって斜め上方に延びて傾斜面１０６１ｆを支持する。

　図３４に示すように、摺接部１３７２は、後部支持面１３７４の後端部から垂下している。摺接部１３７２は、配線カバー１００２が閉状態にあるときに、突出片１０６８に対し、支持軸１０７２を中心とした径方向において互いに対向するよう配置されている。摺接部１３７２の上端部には、後方に向かって斜め下方に傾斜または湾曲した案内面１３７２ａが形成されている。

　図４２に示すように、配線カバー１００２が支持軸１０７２周りに回動して開状態から閉状態に移行するとき、摺接部１３７２と突出片１０６８（の下端部に形成された係止爪１６８２）とが摺動する。これにより、突出片１０６８と摺接部１３７２との間に摩擦抵抗力が生じる。この摩擦抵抗力によって配線カバー１００２の回動速度が減速する。
　また、突出片１０６８と摺接部１３７２とが摺動すると、突出片１０６８（の下端部に形成された係止爪１６８２の前端部１６８２ａ）が摺接部１３７２に押圧されて弾性変形する。突出片１０６８が弾性変形すると、元の形状に戻ろうとする復元力（反発力）が前方に向かって作用する。この復元力によって、突出片１０６８と摺接部１３７２との間に生じる摩擦力が大きくなる。
　ここで、突出片１０６８は、配線カバー１００２の自重による回転モーメントが作用したときに支持軸１０７２を中心とした径方向に弾性変形可能であるのが好ましい。このように構成することで、配線カバー１００２は、その自重のみによって閉じることが可能となる。

　また、配線カバー１００２が支持軸１０７２周りに回動して開状態から閉状態に移行するとき、まず、突出片１０６８の下端部に形成された係止爪１６８２が、摺接部１３７２の上端部の案内面１３７２ａに突き当たる。このとき、案内面１３７２ａは、後方に向かって斜め下方に傾斜または湾曲しており、係止爪１６８２の下面には、前端部１６８２ａに向かって上方に傾斜した湾曲面１６８２ｆが形成されている。これにより、係止爪１６８２が摺接部１３７２に引っ掛かるのを抑え、スムーズに閉方向（下方）に移動できる。さらに、係止爪１６８２は、前端部１６８２ａに向かって、上下方向Ｄｖの厚さが漸次小さくなるよう形成されている。したがって、係止爪１６８２は、摺接部１３７２に摺接したときに、容易に弾性変形し、配線カバー１００２の閉方向への回動を阻害しない。

　図３５に示すように、開状態から閉状態に移行するよう回動した配線カバー１００２が、幅方向Ｄｈの両側に設けられたガイド部１３７１に突き当たると、完全に閉状態となる。このとき、摺接部１３７２の下端に突出片１０６８の係止爪１６８２が係合する。これにより、配線カバー１００２が閉状態にロックされる。
　この閉状態において、配線カバー１００２の前端部側が、幅方向Ｄｈの両側に設けられたガイド部１３７１によって支持され、配線カバー１００２の後端部側が、支持軸１０７２を介し、枠部材１００３に支持されている。

　また、図４１に示すように、配線カバー１００２は、前後方向Ｄｆにスライドするときには、配線カバー１００２の後端部は、スライド部材１０７０が枠部材１００３に形成されたガイド溝１０３６に沿って前後方向Ｄｆにスライドする。また、配線カバー１００２の前端部に形成される突出片１０６８が、ガイド部１３７１の上面の後部支持面１３７４、傾斜支持面１３７５、前部支持面１３７３の上面に沿って摺接する。これによって、配線カバー１００２は、スライド中、全開状態よりも開度が小さい微開状態に維持される。

　このように、配線カバー１００２が、支持軸１０７２に交差する方向である前後方向Ｄｆに沿って前方（天板１０１１の内方）に向かってスライドすると、配線カバー１００２のスライド方向後方に、把持部材挿通空間Ｓが形成される。このようにして、デスク１００１の天板１０１１を、壁面やパネル体Ｐ等に押し付けるように設置した場合であっても、配線カバー１００２を前方に向かってスライドさせれば、配線カバー１００２と、配線カバー１００２のスライド方向後方の壁面やパネル体Ｐとの間に、把持部材挿通空間Ｓを形成することができる。

　配線カバー装置１０１０の下方には、トレー部材１００４が設けられている。
　トレー部材１００４は、カバー用切欠き凹部１０１５の下方に設けられている。トレー部材１００４は、物品載置部１０４１と、立ち上がり壁部１０４２と、前部立ち上がり壁１０４４と、を備えている。物品載置部１０４１は、天板１０１１の下面に対向して形成され、その上面に物品を載置可能である。立ち上がり壁部１０４２は、物品載置部１０４１において天板１０１１の外方を向く後方側に連続して形成され、上方に向かって立ち上がる。前部立ち上がり壁１０４４は、物品載置部１０４１の前端部から上方に向かって立ち上がる。立ち上がり壁部１０４２は、上方に向かって天板１０１１の外方を向く側に傾斜した傾斜面１０４３を有している。トレー部材１００４は、天板１０１１の下面に当接して固定されている。

　図４３に示すように、トレー部材１００４の傾斜面１０４３には、コンセント１１００や、その他の接続コネクタ等を設けることができる。これにより、配線カバー１００２を開いた状態で、傾斜面１０４３に設けたコンセント１１００に対し、天板１０１１上で用いる電子機器等の配線１１０１の先端部に設けられた接続プラグ１１０２を容易に接続することができる。

　トレー部材１００４の天板１０１１の外方（後方）を向く側の後端部１００４ｒが、天板１０１１の後端１０１１ｒよりも、天板１０１１の内方（前方）にオフセットした位置に配置されている。これにより、カバー用切欠き凹部１０１５の内側において、トレー部材１００４の後端部１００４ｒの後方に、把持部材挿通空間Ｓが形成される。把持部材挿通空間Ｓは、配線カバー１００２を前方にスライドさせたときに、配線カバー１００２の後方に形成される。

　次に、上記したようなデスク１００１に対し、オプション部材１２００を取り付ける方法について説明する。すなわち、把持部材挿通空間Ｓを通して、オプション部材１２００を天板１０１１に固定させるための把持部材１２０１を、挿通させることができる。
　デスク１００１に対し、オプション部材１２００を取り付けるには、まず、図４４に示すように、配線カバー１００２を、支持軸１０７２に交差する方向に沿って天板１０１１の内方、すなわち前方に向かってスライドする。これにより、配線カバー１００２のスライド方向後方に、把持部材挿通空間Ｓを形成する。

　次いで、形成された把持部材挿通空間Ｓに、オプション部材１２００を天板１０１１に固定するための把持部材１２０１を上方から下方に向かって挿入する（図４４中、矢印Ａ１）。
　次に、把持部材１２０１を、把持部材挿通空間Ｓからカバー用切欠き凹部１０１５に対して幅方向Ｄｈで隣接する天板１０１１の後端１０１１ｒに沿ってスライドさせる（図４４中、矢印Ａ２）。

　把持部材１２０１が、天板の後端１０１１ｒにおいて所望の位置に到達したら、図４１に示すように、クランプネジ１２０２等を締め付けることで、把持部材１２０１を、天板１０１１の後端１０１１ｒに固定する。

　上述したような配線カバー装置１０１０は、天板１０１１の板厚方向に貫通するカバー用切欠き凹部１０１５に設けられ、カバー用切欠き凹部１０１５を開閉可能とする。配線カバー装置１０１０は、カバー用切欠き凹部１０１５を開閉可能に塞ぐ配線カバー１００２と、カバー用切欠き凹部１０１５の周縁部に設けられ、配線カバー１００２を支持軸１０７２周りに回動可能に支持する枠部材１００３と、配線カバー１００２に形成され、天板１０１１の裏面側から離間する方向（下方）に向かって突出する突出片１０６８と、枠部材１００３に形成され、配線カバー１００２が支持軸１０７２周りに回動して開状態から閉状態に移行するときに突出片１０６８が摺動することで、配線カバー１００２の回動速度を減速させる摺接部１３７２と、を備える。
　このような構成によれば、配線カバー１００２が支持軸１０７２周りに回動して開状態から閉状態に移行するとき、突出片１０６８と摺接部１３７２とが摺動することで、突出片１０６８と摺接部１３７２との間に摩擦抵抗力が生じる。この摩擦抵抗力によって配線カバー１００２の回動速度が減速する。これによって、配線カバー１００２の閉動作を、スムーズなものとするとともに、配線カバー１００２が閉じるときに枠部材１００３等に衝突して、振動や騒音が生じるのを抑えることができる。その結果、配線カバー装置１０１０の動作を、高級感にあふれるものとすることができる。

　また、突出片１０６８は、配線カバー１００２において、支持軸１０７２の軸線方向（幅方向Ｄｈ）の両端部に設けられるとともに、摺接部１３７２は、枠部材１００３において、支持軸１０７２の軸線方向（幅方向Ｄｈ）の両端部に設けられている。このような構成によれば、配線カバー１００２が開状態であるとき、配線カバー１００２と枠部材１００３との隙間において、幅方向Ｄｈの内側の領域に突出片１０６８や摺接部１３７２が張り出すことがなく、この隙間に配線等を通す際に邪魔になるのを抑えることができる。

　また、突出片１０６８と摺接部１３７２とは、配線カバー１００２が閉状態であるときに、支持軸１０７２を中心とした径方向において互いに対向するよう配置され、突出片１０６８は、支持軸１０７２を中心とした径方向に弾性変形可能である。このような構成によれば、配線カバー１００２が支持軸１０７２周りに回動して開状態から閉状態に移行するときに、突出片１０６８と摺接部１３７２とが摺動すると、突出片１０６８が弾性変形する。突出片１０６８が弾性変形すると、元の形状に戻ろうとする復元力（反発力）によって、突出片１０６８と摺接部１３７２との間に生じる摩擦力が大きくなる。これによって、配線カバー１００２の回動速度が、より効果的に減じられる。

　また、突出片１０６８は、配線カバー１００２の自重が作用したときに径方向に弾性変形可能である。このような構成によれば、配線カバー１００２は、その自重のみによって閉じることが可能となる。したがって、配線カバー１００２を閉方向に押し込まずとも、配線カバー１００２が自動的に閉まることとなる。

　また、突出片１０６８は、配線カバー１００２が閉状態であるときに、摺接部１３７２に係合可能な係止爪１６８２を有している。このような構成によれば、配線カバー１００２が閉状態となったときに、突出片１０６８の係止爪１６８２が摺接部１３７２に係合することで、配線カバー１００２を閉状態にロックすることができる。

　また、枠部材１００３は、配線カバー１００２を天板１０１１に沿い、かつ支持軸１０７２に交差する方向にスライド可能に支持している。また、摺接部１３７２は、配線カバー１００２のスライド方向に延びるガイド部１３７１を有している。さらに、配線カバー１００２は、配線カバー１００２がスライド方向にスライドするときに、突出片１０６８がガイド部１３７１に摺接する。
　このような構成によれば、配線カバー１００２がスライドするときに、配線カバー１００２は、支持軸１０７２と、ガイド部１３７１に摺接する突出片１０６８とによって、安定的に支持される。

　また、ガイド部１３７１は、配線カバー１００２が閉状態であるときに、配線カバー１００２に突き当たることで配線カバー１００２の閉方向への移動を規制する。このような構成によれば、閉状態の配線カバー１００２が、支持軸１０７２とガイド部１３７１とによって強固に支持される。

　また、配線カバー１００２がスライド方向にスライドするとき、配線カバー１００２は、突出片１０６８がガイド部１３７１に摺接することで、全開状態よりも開度の小さい微開状態が保持される。このような構成によれば、配線カバー１００２をスライドするとき、配線カバー１００２を微開状態とすることで、配線カバー１００２と枠部材１００３との隙間に配線等を挿通させたままの状態とすることができる。

　また、上述したようなデスクは、カバー用切欠き凹部１０１５が形成された天板１０１１と、カバー用切欠き凹部１０１５に開閉可能に設けられた配線カバー装置１０１０と、を備える。
　このような構成によれば、配線カバー１００２の閉動作を、スムーズなものとするとともに、配線カバー１００２が閉じるときに枠部材１００３等に衝突して、振動や騒音が生じるのを抑えることができる。その結果、デスク１００１を、高級感にあふれるものとすることができる。

　このようにして、上述の配線カバー装置１０１０、デスク１００１によれば、カバー用切欠き凹部１０１５を開閉する配線カバー１００２を閉じるときに生じる振動や騒音を、コストのかかる衝撃吸収ダンパー等を用いることなく、低コストで抑えることが可能となる。

（その他の実施形態）
　なお、本発明の開閉蓋装置、天板付き什器は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
　例えば、第２実施形態では、突出片１０６８を弾性変形可能としたが、摺接部１３７２を弾性変形可能に形成してもよい。
　また、配線カバー装置１０１０を、天板１０１１に形成されたカバー用切欠き凹部１０１５に設けたが、天板１０１１以外の各種板状体、例えば壁体などに配線カバー装置１０１０を設けるようにしても良い。
　また、配線カバー装置１０１０を設けたカバー用切欠き凹部１０１５は、天板１０１１の後端１０１１ｒに形成されているが、天板１０１１の側端や前端等、他の部位に形成されたものであってもよい。
　さらに、配線カバー装置１０１０は、天板１０１１等の板状体の外周端部以外の内方に形成した開口部に設けるようにしても良い。
　これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。

　１　デスク（什器、天板付き什器）
　２　配線カバー
　３　枠部材
　４　トレー
　１０　配線カバー装置
　１１　天板
　１１ａ　上面
　１５　開口部
　２０　カバー本体
　３３　受け鍔部（受け部）
　３４　案内ガイド
　３４Ａ　スライドガイド部
　３４Ｂ　垂下当接ガイド部
　３５　スライド凹溝
　５０　蓋本体
　５５　回動被支持部
　６０　弾性閉塞カバー（弾性閉塞部）
　６１　装着基部
　６２　弾性腕材
　６３　開閉操作部
　７０　回動支持部材
　１００１　デスク（天板付き什器）
　１００２　配線カバー
　１００３　枠部材
　１００４　トレー部材
　１０１０　配線カバー装置（開閉蓋装置）
　１０１１　天板（板状体）
　１０１１ａ　上面（作業面）
　１０１１ｒ　後端（外周端部）
　１０１５　カバー用切欠き凹部（開口部）
　１０２０　カバー本体
　１０３６　ガイド溝
　１０３７　受け部材
　１０４１　物品載置部
　１０４２　立ち上がり壁部
　１０４３　傾斜面
　１０６０　弾性閉塞カバー（弾性閉塞部）
　１０６３　摘み部（開閉操作部）
　１０６８　突出片
　１０７０　スライド部材
　１０７２　支持軸
　１０７５　回転機構
　１０７６　スライド機構
　１１００　コンセント
　１１０１　配線
　１２００　オプション部材
　１２０１　把持部材
　１３７１　ガイド部（ガイド部材）
　１３７１ｆ　上面
　１３７２　摺接部（摺接部材）
　１６８１　基部
　１６８２　係止爪
　１６８２ａ　前端部
　１６８２ｆ　湾曲面
　Ｄｖ　上下方向
　Ｄｈ　幅方向
　Ｄｆ　前後方向
　Ｆ　床面
　Ｏ　回動軸
　Ｓ　把持部材挿通空間

Claims

　配線を挿通させる開口部に開閉可能に設けられた配線カバーであって、
　前記開口部に隙間をあけて配置されるカバー本体と、
　前記カバー本体に連設され前記隙間を閉塞するとともに挿通される配線に応じて弾性変形可能な弾性閉塞部と、
　を備え、
　前記弾性閉塞部には、内方に凹状に窪んだ開閉操作部が形成されている配線カバー。
　前記開閉操作部は、前記開閉操作部の少なくとも一部を覆う指掛け部に連設されている請求項１に記載の配線カバー。
　前記開閉操作部は、前記カバー本体に接続されている請求項１又は２に記載の配線カバー。
　前記開閉操作部は、前記開口部に沿って前記弾性閉塞部の複数個所に設けられている請求項１乃至３のいずれか１項に記載の配線カバー。
　前記開閉操作部は、前記弾性閉塞部における前記開口部に沿う一方向の両端部に設けられている請求項１乃至４のいずれか１項に記載の配線カバー。
　前記開閉操作部が設けられた部位に対して開口方向と反対側に、前記開閉操作部を支持する受け部が設けられている請求項１乃至５のいずれか１項に記載の配線カバー。
　前記弾性閉塞部は、前記カバー本体から突出するように複数配列して設けられ、前記隙間を閉塞するとともに挿通される配線に応じて弾性変形可能な弾性腕材を有し、
　前記弾性腕材は、前記弾性腕材の突出方向から見た断面視で、複数の前記弾性腕材の配列方向の横寸法が、前記横寸法に直交する開口方向における縦寸法よりも小さい請求項１に記載の配線カバー。
　前記弾性腕材の前記横寸法は、開口方向の中間部が開口外側の端部よりも大きい請求項７に記載の配線カバー。
　前記弾性腕材の前記横寸法は、前記弾性腕材の前記カバー本体に連設される基端側部分が、自由端側部分よりも大きい請求項７又は８に記載の配線カバー。
　前記弾性腕材の前記縦寸法は、前記弾性腕材の前記カバー本体に連設される基端側部分が、自由端側部分よりも大きい請求項７乃至９のいずれか１項に記載の配線カバー。
　配列方向に隣り合う前記弾性腕材同士の離間寸法が、前記弾性腕材の前記横寸法よりも小さい請求項７乃至１０のいずれか１項に記載の配線カバー。
　請求項１乃至１１のいずれか１項に記載の配線カバーを前記開口部に対して開閉可能に設けた什器。
　請求項１乃至１１のいずれか１項に記載の配線カバーが天板に設けられた天板付き什器であって、
　前記配線カバーは、前記天板に形成される前記開口部に対して開閉可能に設けられている天板付き什器。
　板状体の板厚方向に貫通する開口部に設けられ、前記開口部を開閉可能とする開閉蓋装置であって、
　請求項１に記載の配線カバーと、
　前記開口部の周縁部に設けられ、前記配線カバーを支持軸周りに回動可能に支持する枠部材と、
　前記配線カバーに形成され、前記板状体の裏面側から離間する方向に向かって突出する突出片と、
　前記枠部材に形成され、前記配線カバーが前記支持軸周りに回動して開状態から閉状態に移行するとき、前記突出片が摺動することで、前記配線カバーの回動速度を減速させる摺接部材と、
を備える開閉蓋装置。
　前記突出片は、前記配線カバーにおいて、前記支持軸の軸線方向の両端部に設けられ、
　前記摺接部材は、前記枠部材において、前記支持軸の軸線方向の両端部に設けられている、請求項１４に記載の開閉蓋装置。
　前記突出片と前記摺接部材とは、前記配線カバーが前記閉状態であるときに、前記支持軸を中心とした径方向において互いに対向するよう配置され、
　前記突出片及び前記摺接部材の一方は、前記支持軸を中心とした径方向に弾性変形可能である、請求項１４または１５に記載の開閉蓋装置。
　前記突出片及び前記摺接部材の一方は、前記配線カバーの自重が作用したときに前記径方向に弾性変形可能である、請求項１６に記載の開閉蓋装置。
　前記突出片は、前記配線カバーが前記閉状態であるときに、前記摺接部材に係合可能な係止爪を有している、請求項１４から１７のいずれか一項に記載の開閉蓋装置。
　前記枠部材は、
　前記配線カバーを前記板状体に沿い、かつ前記支持軸に交差する方向にスライド可能に支持するとともに、
　前記配線カバーのスライド方向に延びるガイド部を有し、
　前記配線カバーは、前記配線カバーが前記スライド方向にスライドするときに、前記突出片が前記ガイド部に摺接する、請求項１４から１８のいずれか一項に記載の開閉蓋装置。
　前記ガイド部は、前記配線カバーが前記閉状態であるときに、前記配線カバーに突き当たることで前記配線カバーの閉方向への移動を規制する、請求項１９に記載の開閉蓋装置。
　前記配線カバーが前記スライド方向にスライドするとき、前記配線カバーは、前記突出片が前記ガイド部に摺接することで、全開状態よりも開度の小さい微開状態が保持される、請求項１９または２０に記載の開閉蓋装置。
　開口部が形成された天板と、
　前記開口部に開閉可能に設けられた、請求項１４から２１のいずれか一項に記載の開閉蓋装置と、を備える天板付き什器。