JP5624749B2 - 什器 - Google Patents
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Description
この点を考慮し、天板の後部に配線引き込み口を形成すると共に、デスク装置内部に配線処理部材を設けることによって、デスク装置内に配線を収容可能としたものも多い。
このクリアランスにより、デスク装置上面の作業面の有効面積が狭められたり、作業面に段差が生じることになり、デスク装置の使い勝手が悪くなってしまうという問題がある。
また、配線カバーを開いた状態では、前記のクリアランスの分、開口面積が小さくなってしまい、配線の通線作業をやりにくくなるという問題もある。
さらに、デスク装置を他のデスク装置やパーティション等に突き当てて設置する場合、配線カバーを開閉させるためのスペースを確保するために、デスク装置と他のデスク装置やパーティションとの間に隙間を空けなければならないという問題もある。
すなわち、本発明の什器は、什器の上面の一部に開口した開口部と、前記什器の端部に設けられ、開口部を塞ぐカバーと、カバーを、開口部を閉塞する閉状態と上方に起立して開口部を開放する開状態との間で開閉動作させるカバー開閉機構と、を備え、カバー開閉機構は、カバーを、当該カバーの前端側または後端側を中心として回動させつつ、当該カバーを前後方向にスライドさせるとともに、カバーを開閉動作させたときに、什器の外周側に位置するカバーの角部が、什器の端部を含む鉛直面に沿って移動するようにカバーを回動動作させることを特徴とする。
このカバーは、什器の端部に設けられ、カバー開閉機構は、カバーを開閉動作させたときに、カバーの全体が、常に什器の端部とほぼ面一または端部よりも内側に位置するようにカバーを回動動作させるのが好ましい。これにより、カバーの一部を什器の端部から外側に突出させることなくカバーを開閉させる。
さらに、ガイド溝は、カバーを開閉動作させたときに、カバーにおいて上側であってかつ什器の外周側に臨む第一の角部と、ガイド溝内を相対移動するピンとの水平方向の間隔が、常に一定になるよう形成するのが好ましい。
この突き当たり面は、いかなる形状としても良いが、什器の外周側に位置する第一の平面と、第一の平面よりも什器の内側に設けられ、第一の平面よりも高く形成された第二の平面と、第一の平面と第二の平面との間に形成された傾斜面と、を備えることができる。
そして、カバーを開閉動作させたときに、第二の角部が傾斜面に突き当たることでカバーの閉状態からの開き角が増大する。これにより、カバーが開く方向に重心が移動するので、カバーが不用意に閉じるのを防止できる。
また、カバーの各部が回転動作中に外周側に張り出すことがないため、カバーと開口部とのクリアランスを最小限に抑えることができる。これにより、什器の上面の作業面の有効面積が狭められること、什器の上面に段差等が生じることを抑えることができ、その結果、什器の使い勝手が向上する。
また、このような構造は、ピンとガイド溝を用いることで、複雑なリンク機構などを用いることもなく、非常に簡易な構造で実現することができ、製造の手間を抑えるとともに、コストを抑えることが可能となる。
突き当たり面に傾斜面を設けておけば、カバーを開閉動作させたときに、第二の角部が傾斜面に突き当たることでカバーの閉状態からの開き角が増大し、カバーが不用意に閉じるのを防止できる。
またカバーの開き角がさらに大きい状態では、第二の角部が第二の平面に突き当たることで、カバーを開放状態に容易に維持できる。
係止爪39bの先端は、幕板13の爪部13eの先端の鉛直下方に位置するよう形成され、これによって、係止爪39bの先端と幕板本体13bとの間隔が、爪部13eと幕板本体13bとの間隔と同一寸法とされている。
背面フレキシブルカバー部33は、例えばTPE(Thermoplastic−Elastomer:熱可塑性エラストマー)ポリスチレン系樹脂等、ベース部31を形成する材料よりも軟質な材料により形成されている。
ここで、背面フレキシブルカバー部33は、ベース部31を形成する材料よりも軟質な材料により形成されているので、背面フレキシブルカバー部33を弾性変形させることで、背面フレキシブルカバー部33の上端部33aと回転カバー60との間に形成される隙間を通して、配線100を、幕板13の前後方向(幕板13の一方の側と他方の側とを結ぶ方向)に通すことができる。
このような背面カバー部材30は、幕板13の上端部13aに沿ってデスク装置10の幅方向に沿って連続して設けられているため、幕板13の上端部13aの任意の位置において配線100を通すことができる。
弾性変形片43bには、係止爪39bが係合する係合突起43dが形成されている。
弾性変形片43bは、背面板41を幕板13の幕板本体13bに押しつけた状態で、係止爪39bが係合突起43dに係合するような位置に形成されている。
また、レバー53の下面には、係止突起53bが形成されている。図4に示したように、この係止突起53bが、背面カバー部材30のベース部31の上面31aの前端において上方に突出形成された係止爪31gに係合する。
このとき、背面カバー部材30は、幕板13の上端部13aが連続する方向において同一断面形状を有しているので、回転カバー受け部材50は、背面カバー部材30の長さ方向の任意の位置に装着できる。
図4に示したように、支持壁54には、背面カバー部材30に装着した状態で、背面カバー部材30の背面フレキシブルカバー部33の上端部33aに突き当たる突き当たり面54aが形成されている。
図8に示したように、軸支部52は、これら支持壁54およびリブ55、55上に支持されて設けられている。
図9に示すように、カバー本体61のカバー天面61aの前端には、下方(空間Sを閉塞した状態における下方)に延びる前壁61cと、前壁61cの下端から後方に延びる折り返し爪61d部と、が形成されている。
カバー後面61bの下端には、前方に向けて延びる底壁61eと、底壁61eの前端から上方に延びる折り返し爪61fと、が形成されている。
図10に示すように、カバー本体61には、その両端部に、カバー天面61a、カバー後面61b、前壁61c、折り返し爪61d、底壁61e、折り返し爪61fによって囲まれた部分を閉塞するエンドキャップ68が嵌め込まれている。
なお、カバー本体61の形状は上記に限るものではなく、他の適宜形状としても良い。
上部フレキシブルカバー63は、カバー本体61の前壁61cおよび折り返し爪61dに係合して保持されている。このため、上部フレキシブルカバー63は、折り返し爪61dを上下から挟み込む断面U字状のクランプ部63aと、折り返し爪61dの上面側においてクランプ部63aの端部から上方に立ち上がるサポート壁63bと、折り返し爪61dの下面側において、クランプ部63aの端部から前方に突出するカバー部63cと、を有する。
サポート壁63bは、前壁61cの裏面側に沿うとともに、折り返し爪61dの上面とカバー天面61aの下面との間にはまりこむようになっている。クランプ部63aおよびサポート壁63bにより、上部フレキシブルカバー63がカバー本体61の前端部に係合され、カバー部63cの姿勢・形状が維持される。
なお、上部フレキシブルカバー63のカバー本体61の係合構造は上記したものに限るものではなく、適宜他の構成を採用することが可能である。
天板部65の前端部65aの下面には、下方に延びる前壁67が形成されている。天板部65の前端部65aは、前壁67よりも前方に突出して形成されている。
図9に示すように、後壁部66には、幅方向に間隔を隔てて、それぞれ後方に突出するガイドリブ(リブ)69、69が形成されている。このガイドリブ69、69は、下方から上方に向けて、後壁部66から後方への突出寸法が漸次大きくなる形状とされている。
後壁部66において、ガイドリブ69、69の間には、一対のスリット(切り欠き)70、70が形成され、これらスリット70、70間がレバー71とされている。
レバー71の後面側には、後方に突出する係合爪72が形成されている。
なお、ホルダー部材62の前端部と後端部のカバー本体61に対する嵌め合い構造は、ここで示したものに限る意図はなく、適宜他の嵌め合い構造とすることができる。
これにより、ホルダー部材62が、ピボット軸59周りに回動動作する。すなわちこれにより、回転カバー60が開閉し、空間Sにおいて天板12の後端部12aと幕板13の上方位置との間に形成された開口部200を開放したり閉塞したりできる。
また、図1に示したように、回転カバー60を閉じた状態では、天板12の後端部12aと、幕板13の上方位置との間の開口部200を回転カバー60により塞ぐことができる。図4に示したように、この状態で、カバー本体61と天板12の後端部12aとの間は、上部フレキシブルカバー63により、その一方の側と他方の側、つまり天板12の上方と下方とが区画されている。この状態においても、上部フレキシブルカバー63が柔軟性の高い材料で形成されているため、上部フレキシブルカバー63を弾性変形させることで、上部フレキシブルカバー63によって区画された一方の側と他方の側、つまり天板12の上下で配線100を通すことができる。またこの状態で、側壁64、64は、回転カバー受け部材50の凹部57a、57aに入り込んでいる。
一方、カバー本体61にガイド溝75を形成せず、カバー本体61とピボット軸59との位置関係を固定した構成とした場合には、カバー本体61はピボット軸59周りに回転する。すると、カバー後面61bの上端側の角部C1は、ピボット軸59の中心との距離を半径とした円弧に沿った軌跡で旋回し、その回転の途中で、デスク装置10の後端位置から鉛直上方に立ち上がる仮想面Zよりも後方に突出してしまう。
すなわち、上記の本実施形態におけるガイド溝75により実現されるカバー本体61の回転動作は、ピボット軸59を中心とした回転動作と、ガイド溝75の形状に応じた前後方向へのスライド動作とが合成されたものとなっている。
そして、図14に示すようにカバー後面61bの下端側の角部C2が傾斜面58bに突き当たると、カバー後面61bの下端側の角部C2は、仮想面Xよりも上方に持ち上げられることになる。これにより、カバー本体61は、重心が後方に移動する。すると、カバー本体61は、カバー後面61bの下端側の角部C2が傾斜面58bに突き当たっている状態では、開き角が大きくなり、カバー本体61が閉じにくくなる。
図15に示すように、カバー本体61の開き角がさらに大きい状態では、カバー後面61bの下端側の角部C2が、第一の平面58aよりも高いレベルに形成された第二の平面58cに突き当たる。この状態では、カバー後面61bが第二の平面58cに対向した状態となり、カバー本体61が、完全に起立して開口部200を開放した状態となる。この状態では、カバー後面61bが第二の平面58cに対向しているので、カバー本体61を開放状態に容易に維持できる。
また、ガイド溝75の両方の端部75a、75bは、カバー本体61の回転角度を規制する。すなわち、ピボット軸59がガイド溝75の一方の端部75aに突き当たった状態で、カバー本体61は閉状態となり、他方の端部75bに突き当たった状態で、カバー本体61は開状態となる。
なお、本実施の形態において、ガイド溝75は、略く字状をなしているが、これに限るものではない。ピボット軸59の後方側の外周面とカバー後面61bの上端側の角部C1との水平方向の間隔が、ピボット軸59の後方側の外周面と閉状態におけるカバー本体61のカバー後面61bの位置との水平方向の間隔を上回ることがないようカバー本体61を開閉動作させる場合であっても、ピボット軸59とカバー本体61の角部C1、C2との位置関係によりガイド溝75の溝形状は異なる。
また、回転カバー60の各部が回転動作中に外周側に張り出すことがないため、回転カバー60と、その周囲に位置する部材(天板12の後端部12a)とのクリアランスを最小限に抑えることができる。これにより、デスク装置10の上面の作業面の有効面積が狭められること、デスク装置10の上面に段差等が生じることを抑えることができ、その結果、什器の使い勝手が向上する。
また、このような構造は、複雑なリンク機構などを用いることもなく、非常に簡易な構造で、製造の手間を抑えるとともに、コストを抑えることが可能となる。
また、上記実施形態では、ピボット軸59を回転カバー受け部材50側に設け、ガイド溝75を回転カバー60のホルダー部材62に設けるようにしたが、ピボット軸59を回転カバー60のホルダー部材62側に設け、ガイド溝75を回転カバー受け部材50に設けるようにしても良い。
また、背面カバー部材30を備える構成としているが、もちろん、背面カバー部材30の構造を適宜他の構造とすることもできるし、さらには本発明において背面カバー部材30は必須の構成ではない。
さらに、デスク装置10に限らず、他の様々な什器に本発明は適用可能である。例えば、収納キャビネット等においても、キャビネット内に収容した配線100を外部に取り出す部分において、本発明を適用することで上記と同様の効果を奏することができる。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
11 支持体
12 天板
12a 後端部
12b 下面
13 幕板
13a 上端部
20 配線収容部
30 背面カバー部材
40 配線トレー
50 回転カバー受け部材
58 ガイド面(突き当たり面)
58a 第一の平面
58b 傾斜面
58c 第二の平面
59 ピボット軸(ピン)
60 回転カバー(カバー)
61 カバー本体
62 ホルダー部材
75 ガイド溝
C1 角部(第一の角部)
C2 角部(第二の角部)
Claims (8)
- 什器の上面の一部に開口した開口部と、
前記什器の端部に設けられ、前記開口部を塞ぐカバーと、
前記カバーを、前記開口部を閉塞する閉状態と上方に起立して前記開口部を開放する開状態との間で開閉動作させるカバー開閉機構と、を備え、
前記カバー開閉機構は、前記カバーを、当該カバーの前端側または後端側を中心として回動させつつ、当該カバーを前後方向にスライドさせるとともに、
前記カバーを開閉動作させたときに、前記什器の外周側に位置する前記カバーの角部が、前記什器の端部を含む鉛直面に沿って移動するように前記カバーを回動動作させることを特徴とする什器。 - 前記カバーは、前記什器の端部に設けられ、
前記カバー開閉機構は、前記カバーを開閉動作させたときに、前記カバーの全体が、常に前記什器の前記端部とほぼ面一または前記端部よりも内側に位置するように前記カバーを回動動作させることを特徴とする請求項1に記載の什器。 - 前記カバー開閉機構は、前記カバー側または前記什器側に設けられたガイド溝と、前記什器側または前記カバー側に設けられ、前記ガイド溝内で相対移動可能に設けられたピンと、から構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の什器。
- 前記ガイド溝は、前記カバーを開閉動作させたときに、前記カバーにおいて上側であってかつ前記什器の外周側に臨む第一の角部と、前記ガイド溝内を相対移動する前記ピンとの水平方向の間隔が、常に一定になるよう形成されていることを特徴とする請求項3に記載の什器。
- 前記ガイド溝は、その一部に外部に開放した開放部が形成され、前記ピンが前記開放部を介して前記ガイド溝に出し入れされることで、前記カバーが前記什器に対して着脱可能とされていることを特徴とする請求項3または4に記載の什器。
- 前記什器に固定されたベース部材をさらに備え、
前記ベース部材は、前記カバーにおいて下側であって前記什器の外周側に臨む第二の角部が突き当たりながら前記カバーが開閉動作する突き当たり面を有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の什器。 - 前記突き当たり面は、前記什器の外周側に位置する第一の平面と、
前記第一の平面よりも前記什器の内側に設けられ、該第一の平面よりも高く形成された第二の平面と、
前記第一の平面と前記第二の平面との間に形成された傾斜面と、を備えることを特徴とする請求項6に記載の什器。 - 前記カバーを開閉動作させたときに、前記第二の角部が前記傾斜面に突き当たることで前記カバーの閉状態からの開き角が増大することを特徴とする請求項7に記載の什器。
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