WO2018083995A1

WO2018083995A1 - スタビリンク及びスタビリンク付きスタビライザ

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Publication number: WO2018083995A1
Application number: PCT/JP2017/037815
Authority: WO
Inventors: 黒田　茂
Original assignee: 日本発條株式会社
Priority date: 2016-11-02
Filing date: 2017-10-19
Publication date: 2018-05-11
Also published as: CN109952217A; EP3536525A1; JP2018070078A; KR20190073508A; CN109952217B; MX2019004773A; EP3536525A4; US20190291526A1; JP6648001B2; KR102175866B1

Abstract

このスタビリンクは、車両に備わる懸架装置及びスタビライザを連結するために用いられ、サポートバーと、当該サポートバーの両端にそれぞれ設けた一対のボールジョイントと、を備え、前記一対のボールジョイントは、スタッド部及びボール部を有するボールスタッドと、当該ボールスタッドの前記ボール部を回動可能に支持すると共に、前記サポートバーが連結された支持部材と、をそれぞれ備え、前記サポートバーの少なくとも一端側にリンクプロテクタが設けられており、前記リンクプロテクタは、前記支持部材を覆う有底筒状の本体部と、前記支持部材及び当該リンクプロテクタの間隙に侵入した水を排出するための排水機構と、前記サポートバーを把持する把持部と、を有する。

Description

スタビリンク及びスタビリンク付きスタビライザ

　本発明は、車両に備わる懸架装置とスタビライザの間を連結するためのスタビリンク、及び当該スタビリンク付きスタビライザに関する。
　本願は、２０１６年１１月２日に日本に出願された特願２０１６－２１５６３６号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

　車両には、路面から車輪を介して車体に伝わる衝撃や振動を吸収し軽減する懸架装置と、車体のロール剛性を高めるためのスタビライザとが備わっている。懸架装置とスタビライザの間を連結するために、車両には、スタビリンクと呼ばれる棒状の部材が用いられる。スタビリンクは、例えば特許文献１に示すように、サポートバーと、サポートバーの両端に設けたボールジョイントとを備えて構成されている。

　特許文献１に係るボールジョイントは、スタッド部及びボール部を有するボールスタッドと、サポートバーの両端に設けられ、ボールスタッドのボール部を回動可能に収容する樹脂製のボールシートと、ボールシートの周りを覆うように設けられる鋼材製のハウジングと、から構成される。樹脂製のボールシートは、鋼材製のハウジングに対し、熱かしめにより固定される。ボールスタッド及びボールシートによりボールジョイントが構成されている。
　また、特許文献２には、ボールスタッドを保護する保護キャップを備えたスタビリンクが開示されている。

日本国特開２０１６－１５１３０３号公報日本国特表２００８－５０４４９５号公報

　詳しく述べると、特許文献１に係るスタビリンクでは、樹脂製のボールシートから延出するように一体形成されたボス部を、鋼材製のハウジングに設けた通孔に貫通させ、ボス部の貫通側端部に対して熱かしめ処理を施すことにより、ボールシートがハウジングに対して固定されている。ボス部の貫通側端部は、ハウジングの通孔から外方側に露出している。

　特許文献１に係るスタビリンクのうちハウジングには、その取付状態によっては、石等の飛来物が衝突するケースが想定される。仮に、ボス部の貫通側端部に飛来物が衝突した場合、ボールジョイント機能に支障を来すことが懸念される。

　本発明は上記実情に鑑みて創案されたものであり、飛来物の衝突等の外乱によってボールジョイント機能に支障を来すことを抑制できるスタビリンク及びスタビリンク付きスタビライザを提供することを目的とする。

　前記課題を解決するため、本発明の一態様は、車両に備わる懸架装置及びスタビライザを連結するためのスタビリンクであって、サポートバーと、当該サポートバーの両端にそれぞれ設けた一対のボールジョイントと、を備え、前記一対のボールジョイントは、スタッド部及びボール部を有するボールスタッドと、当該ボールスタッドの前記ボール部を回動可能に支持すると共に、前記サポートバーが連結された支持部材と、をそれぞれ備え、前記サポートバーの少なくとも一端側にリンクプロテクタが設けられており、前記リンクプロテクタは、前記支持部材を覆う有底筒状の本体部と、前記支持部材及び当該リンクプロテクタの間隙に侵入した水を排出するための排水機構と、前記サポートバーを把持する把持部と、を有する。

　本発明の前記態様に係るスタビリンクのリンクプロテクタには、一対の支持部材のうち少なくともいずれかを覆う有底筒状の本体部が設けられている。リンクプロテクタは、支持部材及びリンクプロテクタの間隙に侵入した水を排出するための排水機構と、サポートバーを把持する把持部と、をさらに有する。把持部がサポートバーを把持することでリンクプロテクタの本体部が支持部材を覆うように取り付けられている。

　本発明の前記態様によれば、スタビリンクのリンクプロテクタには、一対の支持部材のうち少なくともいずれかを覆う有底筒状の本体部が設けられているため、支持部材を覆う本体部が飛来物の衝突から支持部材を防護し、その結果、飛来物の衝突等の外乱によってボールジョイント機能に支障を来すことを抑制できるスタビリンクを得ることができる。また、リンクプロテクタには、支持部材及びリンクプロテクタの間隙に侵入した水を排出するための排水機構が設けられているため、前記侵入した水が支持部材内に侵入する事態を未然に防止することができる。

　本発明の前記態様によれば、飛来物の衝突等の外乱によってボールジョイント機能に支障を来すことを抑制できるスタビリンク及びスタビリンク付きスタビライザを得ることができる。

スタビリンクの車両への取り付け状態を表す斜視図である。本発明の実施形態に係るスタビリンクを斜め上方から視た斜視図である。本発明の実施形態に係るスタビリンクの構成要素であるボールジョイントのうち、リンクプロテクタが装着された側の部分断面図を含む正面図である。本発明の実施形態に係るスタビリンクの構成要素であるボールジョイントのうち、リンクプロテクタが装着されていない側を正面から視た図である。本発明の実施形態におけるリンクプロテクタを斜め上方から視た斜視図である。本発明の実施形態におけるリンクプロテクタの上面図である。図６Ａに示す６Ｂ－６Ｂ線矢視断面図である。本発明の実施形態におけるリンクプロテクタの正面図である。図６Ｃに示す６Ｄ－６Ｄ線矢視断面図である。リンクプロテクタを把持部の側から視た側面図である。本発明の実施形態におけるリンクプロテクタが装着されたボールジョイントを斜め上方から視た斜視図である。変形例に係るリンクプロテクタを斜め上方から視た斜視図である。変形例に係るリンクプロテクタの上面図である。図９Ａに示す９Ｂ－９Ｂ線矢視断面図である。

　以下、本発明の実施形態に係るスタビリンクについて、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
　なお、以下に示す図において、共通の機能を有する部材間、又は、相互に対応する機能を有する部材間には、原則として共通の参照符号を付けている。また、説明の便宜のため、部材のサイズおよび形状は、変形または拡大して模式的に表す場合がある。

＜本発明の実施形態に係るスタビリンク１１及びその周辺の構成＞
　はじめに、本発明の実施形態に係るスタビリンク１１及びその周辺の構成について、スタビリンク１１を車両（不図示）に取付けた例をあげて説明する。図１は、本発明の実施形態に係るスタビリンク１１の車両への取り付け状態を表す斜視図である。図２は、本発明の実施形態に係るスタビリンク１１を斜め上方から視た斜視図である。図３は、本発明の実施形態に係るスタビリンク１１の構成要素である一対のボールジョイント１３のうち、リンクプロテクタ２９が装着された側の部分断面図を含む正面図である。図４は、本発明の実施形態に係るスタビリンク１１の構成要素であるボールジョイント１３のうち、リンクプロテクタ２９が装着されていない側を正面から視た図である。

　車両の車体（不図示）には、図１に示すように、懸架装置１５を介して、車輪Ｗが取り付けられている。路面から車輪Ｗを介して車体に伝わる衝撃や振動を吸収し軽減するために、懸架装置１５は、例えばコイルスプリング１５ａとショックアブソーバ１５ｂとを有する。

　左右の懸架装置１５の間は、図１に示すように、略コ字形状のばね鋼棒等からなるスタビライザ１７を介して連結されている。車体のロール剛性（捩り変形に対する抵抗力）を高めて車両のローリングを抑制するために、スタビライザ１７は、左右の車輪Ｗ間に延在するトーションバー部１７ａと、トーションバー部１７ａの両端から屈曲して延びる一対のアーム部１７ｂとを有する。

　スタビライザ１７と、車輪Ｗを支持するショックアブソーバ１５ｂとの間は、スタビリンク１１を介して連結されている。スタビライザ１７及びスタビリンク１１によって、スタビリンク付きスタビライザが構成されている。詳しく述べると、一対のボールジョイント１３のうち一方のボールジョイント１３は、図１に示すように、ショックアブソーバ１５ｂのブラケット１５ｃにねじ接合等により締結固定される。また、他方のボールジョイント１３は、図１に示すように、スタビライザ１７におけるアーム部１７ｂが有する取付部１７ｃにねじ接合等により締結固定される。

　スタビライザ１７及びショックアブソーバ１５ｂ間のスタビリンク１１を介しての連結構造は、図１に示すように、左右の車輪Ｗ側において同じである。

　スタビリンク１１は、図１，図２に示すように、例えば鉄鋼等の金属からなる略円柱状（棒状）のサポートバー１２の両端に、ボールジョイント１３をそれぞれ設けて構成されている。

　個々のボールジョイント１３は、図３に示すように、鉄鋼等の金属製のボールスタッド２１と、樹脂製のボールシート２３（支持部材）と、鉄鋼等の金属製の略椀状（有底筒状）のハウジング２５（支持部材）と、を備えて構成されている。
　以下、便宜上、図３，図４においてボールスタッド２１が設けられている側をスタビリンク１１の上側、ハウジング２５が設けられている側をスタビリンク１１の下側という。なお、車両に設けられている状態でのスタビリンク１１の姿勢は、図３，図４に示されている姿勢とは異なっており、図１に示すように、サポートバー１２が略鉛直方向に延びるような姿勢でスタビリンク１１は車両に設けられている。

　ボールスタッド２１は、図３に示すように、一方の端部に円柱状のスタッド部２１ａを有すると共に、他方の端部に略球状のボール部２１ｂを有して構成されている。すなわち、スタッド部２１ａは上下方向に延びるように配置され、スタッド部２１ａの下端にボール部２１ｂが連結されている。スタッド部２１ａとボール部２１ｂとは溶接接合されている。スタッド部２１ａとボール部２１ｂとを一体に形成してもよい。

　ボールスタッド２１のスタッド部２１ａは、図３に示すように、その両端の間の位置にフランジ部２１ａ１を有している。フランジ部２１ａ１は、スタッド部２１ａの外周面から突出している。スタッド部２１ａのフランジ部２１ａ１と、ハウジング２５が有するフランジ状の上側周端部２５ａ（係合部）と、の間の上下方向の隙間には、この隙間を覆うように、ゴム等の弾性体からなる周回状のダストカバー２７が装着される。ダストカバー２７の上端部は、スタッド部２１ａの外周面のうちフランジ部２１ａ１の下方に配置され、ダストカバー２７の下端部は、上側周端部２５ａの上面に配置されている。

　ダストカバー２７の下端側には、図３に示すように、周回状に膨出した取付部２７ａが一体形成されている。すなわち、ダストカバー２７の下端部の径方向内端に、上方に向けて僅かに突出した取付部２７ａが全周に亘って設けられている。ダストカバー２７の取付部２７ａは、ボールシート２３が有するフランジ状の周端部２３ｂと、ハウジング２５が有するフランジ状の上側周端部２５ａとの間に挟み込まれて固定される。ダストカバー２７の下端側の固定構造については、日本国特開２０１６－１５１３０３号公報（例えば図３参照）に記載の構造と同等である。ダストカバー２７は、雨水、塵埃等のボールジョイント１３（特にボールスタッド２１のボール部２１ｂとボールシート２３との連結箇所）への侵入を阻止する役割を果たす。

　ボールシート２３は、図３に示すように、ボールスタッド２１のボール部２１ｂの外周側面を回動可能に収容しつつ支持する機能を有する。本実施形態のボールシート２３はその中心軸線が上下方向に延びている有底筒状（例えば円筒状）に形成されており、その側壁の上端部から周端部２３ｂが径方向外側に向けて突出している。ボールシート２３の底部には、図３に示すように、後記するハウジング２５の４つの貫通孔２５ｃの数に対応するように、４つのボス部２３ａが下方に向けて延出するように一体形成されている。

　ハウジング２５は、図３に示すように、その中心軸線が上下方向に延びている有底筒状（例えば円筒状）に形成され、樹脂製のボールシート２３の外周側面（側壁の外周面）及び底面を覆うように設けられている。ハウジング２５の側壁の上端部から、前記上側周端部２５ａが径方向外側に向けて突出している。金属製のハウジング２５は、樹脂製のボールシート２３を含むボールジョイント１３を保護する役割を果たす。ボールシート２３及びハウジング２５の組み合わせは、本発明の「支持部材」に相当する。

　ハウジング２５の底部２５ｂには、図３に示すように、４つの貫通孔２５ｃが相互に等しい間隔を置いて開設されている。すなわち、スタッド部２１ａの軸回り方向に同等の間隔を空けて、底部２５ｂの板厚方向に貫通する４つの貫通孔２５ｃが設けられている。これら４つの貫通孔２５ｃは、ボールシート２３をハウジング２５に対して固定する際に用いられる。すなわち、ボールシート２３のボス部２３ａをハウジング２５の貫通孔２５ｃに貫通させた状態で、ボス部２３ａの貫通側端部２３ａ１（下側端部）に対して熱かしめ処理を施す。この熱かしめ処理によって、ボールシート２３がハウジング２５に対して固定されている。ハウジング２５の周側部２５ｄ（側壁）には、サポートバー１２の一端部１２ａが溶接接合されている。なお、溶接接合に限定されず、例えば締結部材（ボルト等）を用いて、サポートバー１２の一端部１２ａがハウジング２５の側壁に連結されていてもよい。

　ボールシート２３におけるボス部２３ａの貫通側端部２３ａ１は、図３，図４に示すように、ハウジング２５の貫通孔２５ｃから外方側（図３，図４の下側）に露出している。このため、ハウジング２５の向き等の取付状態によっては、ボス部２３ａの貫通側端部２３ａ１に対して石等の飛来物が衝突するケースが想定される。仮に、ボス部２３ａの貫通側端部２３ａ１に飛来物が衝突した場合、ボールジョイント機能に支障を来すことが懸念される。例えば、貫通側端部２３ａ１の熱かしめ部が破損して、ハウジング２５がボールシート２３を適切に保持できなくなる場合や、ハウジング２５やボールシート２３が変形して、ボールスタッド２１のボール部２１ｂの円滑な回動が阻害される場合がある。

　そこで、ボス部２３ａの貫通側端部２３ａ１を石等の飛来物の衝突から保護するために、ボールジョイント１３のうちハウジング２５には、図２，図３に示すように、本実施形態のリンクプロテクタ２９が装着されている。本実施形態のリンクプロテクタ２９は、本発明の「被覆部材」に相当する。

＜本実施形態のリンクプロテクタ２９の構成＞
　次に、本実施形態のリンクプロテクタ２９について、前記の図３，図５，図６Ａ～図６Ｄ，図７を参照して説明する。図５は、本実施形態のリンクプロテクタ２９を斜め上方から視た斜視図である。図６Ａは、本実施形態のリンクプロテクタ２９の上面図である。図６Ｂは、図６Ａに示す６Ｂ－６Ｂ線矢視断面図である。図６Ｃは、リンクプロテクタ２９の正面図である。図６Ｄは、図６Ｃに示す６Ｄ－６Ｄ線矢視断面図である。図６Ｅは、リンクプロテクタ２９を把持部の側から視た側面図である。図７は、本実施形態のリンクプロテクタ２９が装着されたボールジョイント１３を斜め上方から視た斜視図である。

　本実施形態のリンクプロテクタ２９は、図５に示すように、略椀状（有底筒状）の本体部２９ａと、略樋状の把持部２９ｂと、を有して構成されている。なお、本実施形態の「有底筒状」は「椀状」を含む。
　リンクプロテクタ２９は、合成樹脂の射出成形等により一体形成される。リンクプロテクタ２９の樹脂素材としては、熱可塑性を有すること、所定の強度要件を満たすこと等を考慮して、例えばＰＡ６６－ＧＦ３０（ＰＡ６６に重量比３０～５０％のガラス繊維を入れたもの／融点：摂氏２７０度程度）が好適に用いられる。ただし、リンクプロテクタ２９の樹脂素材としては、ＰＡ６６－ＧＦ３０の他、ＰＥＥＫ（polyetheretherketone）、ＰＡ６６（Polyamide 66）、ＰＰＳ（Poly Phenylene Sulfide Resin）、ＰＯＭ（polyoxymethylene）等のエンジニアリングプラスティック、スーパーエンジニアリングプラスティック、ＦＲＰ（Fiber Reinforced Plastics：繊維強化プラスティック）、ＧＲＰ（glass reinforced plastic：ガラス繊維強化プラスティック）、ＣＦＲＰ（Carbon Fiber Reinforced Plastics：炭素繊維強化プラスティック）等の素材を適宜用いてもよい。なお、リンクプロテクタ２９は、適切に弾性変形できるのであれば、樹脂以外の材料（例えば金属）であってもよい。

　リンクプロテクタ２９における略椀状の本体部２９ａは、図３，図５に示すように、ハウジング２５の外径と比べて僅かに大きい内径を有する収容部２９ａ１を有する。この収容部２９ａ１に、ハウジング２５の略全てが収容されるように構成されている。ハウジング２５及びリンクプロテクタ２９の間には僅かな隙間が設けられている。すなわち、ハウジング２５の側壁の外周面とリンクプロテクタ２９の側壁の内周面との間に僅かな隙間が設けられており、ハウジング２５の底部の外面（下面）とリンクプロテクタ２９の底部の内面（上面）との間に僅かな隙間が設けられている。底部側の上下方向の隙間は、側壁側の径方向の隙間よりも大きい。ハウジング２５及びリンクプロテクタ２９の間に僅かな間隙を設けたのは、この間隙に水が侵入した際に、円錐形状部２９ａ３、及び後記の通孔２９ａ４と協働して、この水をリンクプロテクタ２９の外方へ円滑に排出するためである。

　リンクプロテクタ２９における本体部２９ａの側壁上部には、図３，図５，図６Ａ，図６Ｂに示すように、周回状の段部からなる受け部２９ａ２（側壁上部）が形成されている。すなわち、受け部２９ａ２は、リンクプロテクタ２９の円筒状側壁の上面のうちの開口周縁部が下方に向けて窪んだ構成となっている。この受け部２９ａ２に対し、図３に示すように、ハウジング２５が有する周回状の上側周端部２５ａがちょうど嵌まり合うように構成されている。すなわち、リンクプロテクタ２９の受け部２９ａ２の上方を向く面が、ハウジング２５の上側周端部２５ａの下面に係合されている。なお、受け部２９ａ２は本実施形態に必須の構成ではなく、受け部２９ａ２が形成されていないリンクプロテクタ２９の側壁の上部が、ハウジング２５の上側周端部２５ａの下面に係合されていてもよい。
　これにより、ボールジョイント機能を実現するボールスタッド２１のボール部２１ｂ及びボールシート２３を、ハウジング２５及びリンクプロテクタ２９の二重構造をもって堅固に保護することができる。

　また、略椀状のリンクプロテクタ２９の周回状の側壁上部に存する受け部２９ａ２（図５参照）は、図３に示すように、ダストカバー２７の周回状の下端部に上下方向で対向するように位置している。さらに、リンクプロテクタ２９の本体部２９ａの外径は、図３に示すように、ダストカバー２７の外径とほぼ同等の寸法に形成されている。このため、リンクプロテクタ２９によれば、ダストカバー２７の下端部を保護する効果を期待することができる。なお、本体部２９ａの周回状の側壁上部が、ダストカバー２７の周回状の下端部に当接または近接していてもよい。

　リンクプロテクタ２９における本体部２９ａと把持部２９ｂとの接合部分には、図５，図６Ａ，図６Ｂに示すように、本体部２９ａの側から把持部２９ｂの側に向かうにつれて徐々に縮径される円錐形状部２９ａ３（連通部）が形成されている。円錐形状部２９ａ３に係る円錐がなす角度は、特に限定されないが、例えば、３０度～６０度のうち適宜の角度が設定される。この円錐形状部２９ａ３は、ハウジング２５及びリンクプロテクタ２９の間隙に水が侵入した際に、この水をリンクプロテクタ２９の外方へ円滑に排出する役割を果たす。また、円錐形状部２９ａ３は、リンクプロテクタ２９における本体部２９ａと把持部２９ｂとの接合部分の剛性を確保する役割を担う。

　リンクプロテクタ２９における本体部２９ａのうち円錐形状部２９ａ３と対向する部位には、図５，図６Ａ，図６Ｂに示すように、円形状の通孔２９ａ４が開設されている。すなわち、通孔２９ａ４は、本体部２９ａの径方向で円錐形状部２９ａ３に対向する本体部２９ａの側壁に設けられている。この通孔２９ａ４に係る内径は、特に限定されないが、例えば、本体部２９ａに係る外径の０．３～０．４倍のうち適宜の寸法が設定される。通孔２９ａ４は、ハウジング２５及びリンクプロテクタ２９の間隙に水が侵入した際に、円錐形状部２９ａ３と協働して、この水をリンクプロテクタ２９の外方へ円滑に排出する役割を果たす。
　なお、前記したように、本実施形態のスタビリンク１１は、サポートバー１２が略鉛直方向に延びるような姿勢で車両に設けられる（図１参照）。本実施形態のリンクプロテクタ２９がサポートバー１２の下端側に設けられる場合は、スタビリンク１１が車両に設けられた状態での本体部２９ａの側壁のうち下方を向く部位に、通孔２９ａ４が設けられてもよい。この場合、本体部２９ａ内に侵入した水を、通孔２９ａ４を通じて容易に排出することができる。

　リンクプロテクタ２９における略樋状の把持部２９ｂは、図５に示すように、円錐形状部２９ａ３が形成されている本体部２９ａの側壁に連結されており、本体部２９ａから放射状に延び出ている。把持部２９ｂは、図５に示すように、円筒の一部をその軸方向に沿って切欠き除去した略樋状の形状を呈している。把持部２９ｂの内径Ｄｇｒ（図６Ｅ参照）は、サポートバー１２の外径Ｄｓｂ（図７参照）と同等か、又は、外径Ｄｓｂと比べて僅かに小さい寸法に設定されている。なお、把持部２９ｂの内径Ｄｇｒとは、把持部２９ｂのうち一対の切欠き端部２９ｂ１の対向方向（図６Ｅの紙面左右方向）に沿って対向する把持部２９ｂの内面同士の間の距離をいう。
　把持部２９ｂは、その軸方向から視たときに、上方に向けて開口するＣ字状に形成されている。

　リンクプロテクタ２９における略樋状の把持部２９ｂのうち一対の切欠き端部２９ｂ１の間隙Ｄ１は、図６Ｅに示すように、把持部２９ｂの内径Ｄｇｒと比べて僅かに小さい寸法に設定されている。前記間隙Ｄ１は、サポートバー１２の外周面が一対の切欠き端部２９ｂ１に接している際に、サポートバー１２の外周面における接線に対し一対の切欠き端部２９ｂ１に係る指向方向（突出方向）がなす角度θ（図６Ｅ参照）が略９０度（好ましくは１２０度）を超えることを考慮して設定される。把持部２９ｂは、一対の切欠き端部２９ｂ１の間隔が拡大するように弾性変形可能に構成されている。

　前記間隙Ｄ１が、把持部２９ｂの内径Ｄｇｒと比べて小さい寸法に設定されているため、サポートバー１２を把持部２９ｂに押し込んで嵌め込む際には、一対の切欠き端部２９ｂ１の間隙Ｄ１を、サポートバー１２の外径Ｄｓｂ程度まで拡げることを要する。
　そこで、一対の切欠き端部２９ｂ１のそれぞれは、図６Ｅに示すように、その横断面が先細りの形状を呈している。換言すれば、一対の切欠き端部２９ｂ１の肉厚は、把持部２９ｂにおける切欠き端部２９ｂ１を除く一般部の肉厚と比べて薄くなっている。また、一対の切欠き端部２９ｂ１のうち先端部には、角を落とす丸め処理が施されている。一対の切欠き端部２９ｂ１の先端部は、サポートバー１２を把持部２９ｂに押し込んで嵌め込む際に、サポートバー１２の外周面に接触する部分である。
　把持部２９ｂは弾性変形可能であるため、把持部２９ｂの一対の切欠き端部２９ｂ１をサポートバー１２の外周面に向けて押し込むと、一対の切欠き端部２９ｂ１の間隔が拡大されて、把持部２９ｂの内側にサポートバー１２が挿入される。そして、把持部２９ｂの復元変形によって一対の切欠き端部２９ｂ１が互いに接近するため、把持部２９ｂはサポートバー１２を適切に把持でき、リンクプロテクタ２９はサポートバー１２の一端側に設けられる。
　前記の構成によれば、サポートバー１２を把持部２９ｂに押し込んで嵌め込む工程を、円滑かつ適確に遂行することができる。

　把持部２９ｂに係る軸方向長さＬｇｒ（図６Ａ参照）は、サポートバー１２の外径Ｄｓｂ（図７参照）に対して約２～３倍程度に設定される。このように設定することにより、把持部２９ｂがサポートバー１２を把持することで把持部２９ｂ及びサポートバー１２の両者間に生じる把持力及び摩擦力の大きさとして、必要十分な大きさを確保することができる。その結果、把持部２９ｂがサポートバー１２を抱き込むように強固に把持することで生じる把持力及び摩擦力によって、リンクプロテクタ２９をボールジョイント１３に強固に装着することができる。

　把持部２９ｂのうち、本体部２９ａの円錐形状部２９ａ３と隣接する部位には、図５，図６Ａ，図６Ｂに示すように、拡径部２９ｂ２が設けられている。この拡径部２９ｂ２は、把持部２９ｂの内径Ｄｇｒ（図６Ｅ参照）と比べて僅かに大きい寸法に設定されている。拡径部２９ｂ２の存在により、把持部２９ｂ及びサポートバー１２の間に隙間が形成される。拡径部２９ｂ２は、ハウジング２５及びリンクプロテクタ２９の間隙に水が侵入した際に、円錐形状部２９ａ３、通孔２９ａ４、及び次述の切欠き部２９ｂ３と協働して、この水をリンクプロテクタ２９の外方へ円滑に排出する役割を果たす。

　把持部２９ｂのうち拡径部２９ｂ２の近傍には、図５，図６Ｂ，図６Ｃに示すように、切欠き部２９ｂ３が設けられている。この切欠き部２９ｂ３は、把持部２９ｂのうち拡径部２９ｂ２の近傍部位を円弧状に切欠き除去することで形成されている。切欠き部２９ｂ３の深さ方向の寸法は、サポートバー１２の中心と比べて浅くなるように設定されている。すなわち、切欠き部２９ｂ３の下端は、サポートバー１２の中心軸よりも上下方向おいて上側に位置している。
　ここで、サポートバー１２を把持部２９ｂに押し込んで嵌め込む工程では、リンクプロテクタ２９における本体部２９ａと把持部２９ｂとの接合部分（本発明の「本体部の側壁と把持部とを接続する接続部」に相当する。）に対して強い曲げ応力が生じる場合がある。
　そこで、切欠き部２９ｂ３は、サポートバー１２を把持部２９ｂに押し込んで嵌め込む工程において生じる前記曲げ応力を緩和する役割を担う。また、切欠き部２９ｂ３は、ハウジング２５及びリンクプロテクタ２９の間隙に水が侵入した際に、円錐形状部２９ａ３、通孔２９ａ４、及び拡径部２９ｂ２と協働して、この水をリンクプロテクタ２９の外方へ円滑に排出する役割を果たす。円錐形状部２９ａ３、通孔２９ａ４、拡径部２９ｂ２、及び切欠き部２９ｂ３は、本発明の「排水機構」に相当する。なお、切欠き部２９ｂ３は形成されずともよい。

　把持部２９ｂのうち拡径部２９ｂ２の背面側（下側）には、図６Ｂ，図６Ｃ，図６Ｅに示すように、リンクプロテクタ２９における本体部２９ａと把持部２９ｂとの接合部分の機械的な強度を補強する梁状の補強部２９ｃが設けられている。補強部２９ｃの角度、厚み寸法は、本体部２９ａと把持部２９ｂとの接合部分に求められる強度に応じて適宜の値を設定すればよい。この補強部２９ｃは、サポートバー１２を把持部２９ｂに押し込んで嵌め込む工程において前記接合部分に加わる外力を受け止める役割を担う。

　要するに、サポートバー１２を把持部２９ｂに押し込んで嵌め込む工程において生じる前記曲げ応力に対し、切欠き部２９ｂ３及び補強部２９ｃが協働して作用することにより、リンクプロテクタ２９における本体部２９ａと把持部２９ｂとの接合部分の必要な耐荷重を確保することができる。

＜変形例に係るリンクプロテクタ３１の構成＞
　次に、本実施形態の変形例に係るリンクプロテクタ３１の構成について、図８，図９Ａ，図９Ｂを参照して説明する。図８は、変形例に係るリンクプロテクタ３１を斜め上方から視た斜視図である。図９Ａは、変形例に係るリンクプロテクタ３１の上面図である。図９Ｂは、図９Ａに示す９Ｂ－９Ｂ線矢視断面図である。
　なお、前述した実施形態におけるリンクプロテクタ２９の構成と、変形例に係るリンクプロテクタ３１の構成とでは、相互に共通する部分が存在する。そこで、説明の重複を避けるため、前記相互に共通する部分については共通の符号を付してその説明を省略し、前述した実施形態及び変形例間の相違点に着目して説明を進める。

　前述した実施形態におけるリンクプロテクタ２９の構成と、変形例に係るリンクプロテクタ３１の構成とでは、主として２つの相違点が存在する。

　第１の相違点は、変形例に係るリンクプロテクタ３１では、その本体部２９ａの側壁上部に対し、図８，図９Ａ，図９Ｂに示すように、防護壁部３３が形成されている点である。この防護壁部３３は、本体部２９ａの側壁上部に連なって略半円弧状に延びる平坦部３３ａと、この平坦部３３ａの外周縁から垂直に立ち上がる直壁部３３ｂと、から構成されている。
　このように構成された防護壁部３３によれば、防護壁部３３が位置する側のダストカバー２７の周側面を、飛来物の衝突等の外乱から保護することができる。

　第２の相違点は、変形例に係るリンクプロテクタ３１では、その本体部２９ａの側壁のうち円錐形状部２９ａ３に隣接する部位に、図８，図９Ａ，図９Ｂに示すように、曲面からなる凹部３５が形成されている点である。凹部３５は、本体部２９ａの側壁の内面のうち、本体部２９ａの径方向において円錐形状部２９ａ３の内側の部分に形成されており、前記径方向外方に向けて窪んでいる。
　このように構成された凹部３５によれば、ハウジング２５及びリンクプロテクタ３１の間隙に水が侵入した際に、この水を一時的に収容し円滑に排出するための空間を確保することができる。

〔本発明の実施形態に係るスタビリンク１１が奏する作用効果〕
　次に、本発明の実施形態に係るスタビリンク１１が奏する作用効果について説明する。

　本発明の第１の態様は、車両に備わる懸架装置１５及びスタビライザ１７を連結するためのスタビリンク１１であって、サポートバー１２と、サポートバー１２の両端にそれぞれ設けた一対のボールジョイント１３と、を備える。一対のボールジョイント１３は、スタッド部２１ａ及びボール部２１ｂを有するボールスタッド２１と、ボールスタッド２１のボール部２１ｂを回動可能に支持すると共に、サポートバー１２が連結されたボールシート２３及びハウジング２５（支持部材）と、をそれぞれ備える。
　本発明の第１の態様に係るスタビリンク１１においては、サポートバー１２の少なくとも一端側にリンクプロテクタ２９，３１が設けられている。リンクプロテクタ２９，３１は、ボールシート２３及びハウジング２５を覆う有底筒状の本体部２９ａと、ハウジング２５及びリンクプロテクタ２９，３１の間隙に侵入した水を排出するための排水機構（円錐形状部２９ａ３、通孔２９ａ４、拡径部２９ｂ２、及び切欠き部２９ｂ３）と、サポートバー１２を把持する把持部２９ｂと、を有する。
　本発明の第１の態様に係るスタビリンク１１では、把持部２９ｂがサポートバー１２を把持することで、リンクプロテクタ２９，３１の本体部２９ａがボールシート２３及びハウジング２５を覆うように取り付けられている。

　本発明の第１の態様によれば、スタビリンク１１のリンクプロテクタ２９には、一対の支持部材（ボールシート２３及びハウジング２５の組み合わせ）のうち少なくともいずれかを覆う有底筒状の本体部２９ａが設けられているため、支持部材を覆う本体部２９ａが飛来物の衝突から支持部材（ボールシート２３のうちボス部２３ａの貫通側端部２３ａ１に対して行われる熱かしめ処理部を含む）を防護し、その結果、飛来物の衝突等の外乱によってボールジョイント機能に支障を来すことを抑制できるスタビリンク１１を得ることができる。
　また、リンクプロテクタ２９，３１には、ハウジング２５及びリンクプロテクタ２９，３１の間隙に侵入した水を排出するための排水機構（円錐形状部２９ａ３、通孔２９ａ４、拡径部２９ｂ２、及び切欠き部２９ｂ３）が設けられているため、前記侵入した水がボールシート２３内や、ボールシート２３とハウジング２５との間に侵入する事態を未然に防止することができる。

　本発明の第２の態様は、前記第１の態様のスタビリンク１１において、排水機構は、図５に示すように、リンクプロテクタ２９，３１の本体部２９ａの側壁に設けられる通孔２９ａ４と、把持部２９ｂの内側壁に設けられ、把持部２９ｂ及びサポートバー１２の間に隙間を形成させる拡径部２９ｂ２と、本体部２９ａの内側及び前記隙間を連通させるように設けられる円錐形状部２９ａ３（連通部）と、を有する。

　本発明の第２の態様によれば、ハウジング２５及びリンクプロテクタ２９，３１の間隙に水が侵入した際に、円錐形状部２９ａ３、通孔２９ａ４、及び拡径部２９ｂ２が協働して、この水をリンクプロテクタ２９，３１の外方へ円滑に排出することができる。

　本発明の第３の態様は、前記第２の態様のスタビリンク１１において、通孔２９ａ４は、円錐形状部２９ａ３に対向する本体部２９ａの側壁に設けられている。

　本発明の第３の態様によれば、通孔２９ａ４と円錐形状部２９ａ３とが互いに対向しているので、例えば円錐形状部２９ａ３を通して本体部２９ａの内部に侵入した水を、通孔２９ａ４を通してリンクプロテクタ２９の外部に円滑に排出できる。

　本発明の第４の態様は、前記第２または第３の態様のスタビリンク１１において、把持部２９ｂのうち拡径部２９ｂ２の近傍には、把持部２９ｂの内側壁の一部を切り欠いた切欠き部２９ｂ３が形成されている。

　本発明の第４の態様によれば、切欠き部２９ｂ３が、サポートバー１２を把持部２９ｂに押し込んで嵌め込む工程において生じる曲げ応力を緩和すると共に、ハウジング２５及びリンクプロテクタ２９の間隙に水が侵入した際に、円錐形状部２９ａ３、通孔２９ａ４、及び拡径部２９ｂ２と協働して、この水をリンクプロテクタ２９の外方へ円滑に排出することができる。

　本発明の第５の態様は、前記第１～第４のいずれか１つの態様のスタビリンク１１において、リンクプロテクタ２９，３１の本体部２９ａの側壁と把持部２９ｂとの接合部分（接続部）には、この接合部分（接続部）の機械的な強度を補強する補強部２９ｃが設けられている。

　本発明の第５の態様によれば、サポートバー１２を把持部２９ｂに押し込んで嵌め込む工程において前記接合部分（接続部）に加わる外力を、補強部２９ｃが受け止めるように作用するため、リンクプロテクタ２９における本体部２９ａと把持部２９ｂとの接合部分（接続部）の必要な耐荷重を確保することができる。

　本発明の第６の態様は、前記第１～第５のいずれか１つの態様のスタビリンク１１において、ボールジョイント１３には、ボール部２１ｂを外部環境から隔離するためのダストカバー２７が装着されており、本体部２９ａの周回状の側壁上部は、ダストカバー２７の周回状の下端部に当接または近接している。

　本発明の第６の態様によれば、リンクプロテクタ２９，３１の本体部２９ａによってダストカバー２７の下端部を保護することができる。

　本発明の第７の態様は、前記第１～第６のいずれか１つの態様のスタビリンク１１において、ハウジング２５（支持部材）には、本体部２９ａの周回状の受け部２９ａ２（側壁上部）が係合された上側周端部２５ａ（係合部）が設けられている。

　本発明の第７の態様によれば、飛来物の衝突等によって上方に向かう力が本体部２９ａに加えられたとしても、本体部２９ａがハウジング２５に対して上方に相対移動することを防止でき、ハウジング２５の底部下面と本体部２９ａの底部上面との間の隙間を適切に維持できる。このため、本体部２９ａの底部上面がハウジング２５の底部下面に衝突することで、貫通側端部２３ａ１の熱かしめ部が破損したり、ハウジング２５がボールシート２３を適切に保持できなくなったりすることを防止できる。

　本発明の第８の態様は、スタビリンク１１付きスタビライザ１７であって、スタビライザ１７と、スタビライザ１７に連結された前記第１～第７のいずれか１つの態様のスタビリンク１１と、を備える。

　本発明の第８の態様によれば、飛来物の衝突等によってボールジョイント機能に支障を来すことを抑制できるスタビリンク１１付きスタビライザ１７を得ることができる。

〔その他の実施形態〕
　以上説明した複数の実施形態は、本発明の具現化の例を示したものである。したがって、これらによって本発明の技術的範囲は限定的に解釈されない。本発明はその要旨又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形態で実施することができる。

　例えば、本発明の実施形態に係るスタビリンク１１の説明において、ハウジング２５の底部に４つの貫通孔２５ｃを開設すると共に、ボールシート２３の底部に、ハウジング２５の貫通孔２５ｃの数に対応する４つのボス部２３ａを一体形成する例をあげて説明したが、本発明はこの例に限定されない。貫通孔２５ｃの数、及びボス部２３ａの数は、相互に対応している限り、任意の数を採用しても構わない。

　また、本発明の実施形態に係るスタビリンク１１の説明において、支持部材を構成する部材として樹脂製のボールシート２３及び金属製のハウジング２５の組み合わせを例示して説明したが、本発明はこの例に限定されない。支持部材を構成する部材として金属製のハウジング２５を省略してもよい。この場合において、樹脂製のボールシート２３の形状を、ハウジングを兼ねるように構成すればよい。ボールシート２３とサポートバー１２とは、ボルト等の締結部材やブラケットを用いて互いに連結してもよい。

　また、本発明の実施形態に係るスタビリンク１１の説明において、一対の支持部材（ボールシート２３及びハウジング２５の組み合わせからなる）のうち一方にリンクプロテクタ２９または３１を設ける構成を例示して説明したが、本発明はこの例に限定されない。一対の支持部材の両方にリンクプロテクタ２９及び３１のいずれか一方をそれぞれ設けてもよいし、一対の支持部材の両方にリンクプロテクタ２９及び３１をそれぞれ設ける構成を採用しても構わない。
　すなわち、サポートバーの少なくとも一端側に本発明のリンクプロテクタが設けられていればよい。

　前記実施形態の把持部２９ｂは、円筒の一部をその軸方向に沿って切欠き除去した樋状の形状を有しているが、本発明はこれに限定されない。例えば把持部が、サポートバー１２の軸方向に間隔を空けて配置された複数のＣリング状の部材から構成されていてもよい。
　前記実施形態の把持部２９ｂは、上方に向けて開口する樋状の形状を呈しているが、把持部２９ｂのサポートバー１２からの脱落を防止するために、把持部２９ｂがサポートバー１２を把持した後に、樋形状における開口部を覆うカバー部材や、一対の切欠き端部２９ｂ１同士の離間を防止する部材が設けられる構成であってもよい。このカバー部材等は、ヒンジ等を用いて把持部２９ｂに回動可能に連結されていてもよい。

１１スタビリンク
１２サポートバー
１３ボールジョイント
１５懸架装置
１７スタビライザ
２１ボールスタッド
２１ａスタッド部
２１ｂボール部
２３ボールシート（支持部材）
２５ハウジング（支持部材）
２７ダストカバー
２９リンクプロテクタ
２９ａ本体部
２９ａ３円錐形状部（排水機構、連通部）
２９ａ４通孔（排水機構）
２９ｂ把持部
２９ｂ２拡径部（排水機構）
２９ｂ３切欠き部（排水機構）
２９ｃ補強部
３１リンクプロテクタ

Claims

　車両に備わる懸架装置及びスタビライザを連結するためのスタビリンクであって、
　サポートバーと、当該サポートバーの両端にそれぞれ設けた一対のボールジョイントと、を備え、
　前記一対のボールジョイントは、
　　スタッド部及びボール部を有するボールスタッドと、
　　当該ボールスタッドの前記ボール部を回動可能に支持すると共に、前記サポートバーが連結された支持部材と、をそれぞれ備え、
　前記サポートバーの少なくとも一端側にリンクプロテクタが設けられており、
　前記リンクプロテクタは、
　　前記支持部材を覆う有底筒状の本体部と、
　　前記支持部材及び当該リンクプロテクタの間隙に侵入した水を排出するための排水機構と、
　　前記サポートバーを把持する把持部と、を有する
　スタビリンク。
　前記排水機構は、
　　前記本体部の側壁に設けられる通孔と、
　　前記把持部の内側壁に設けられ、当該把持部及び前記サポートバーの間に隙間を形成させる拡径部と、
　　前記本体部の内側及び前記隙間を連通させるように設けられる連通部と、を有する
　請求項１に記載のスタビリンク。
　前記通孔は、前記連通部に対向する前記本体部の側壁に設けられている
　請求項２に記載のスタビリンク。
　前記把持部のうち前記拡径部の近傍には、当該把持部の内側壁の一部を切り欠いた切欠き部が形成されている
　請求項２または３に記載のスタビリンク。
　前記本体部の側壁と前記把持部とを接続する接続部には、当該接続部の機械的な強度を補強する補強部が設けられている
　請求項１～４のいずれか一項に記載のスタビリンク。
　前記ボールジョイントには、前記ボール部を外部環境から隔離するためのダストカバーが装着されており、
　前記本体部の周回状の側壁上部は、前記ダストカバーの周回状の下端部に当接または近接している
　請求項１～５のいずれか一項に記載のスタビリンク。
　前記支持部材には、前記本体部の周回状の側壁上部が係合された係合部が設けられている
　請求項１～６のいずれか一項に記載のスタビリンク。
　スタビライザと、
　前記スタビライザに連結された請求項１～７のいずれか一項に記載のスタビリンクと、を備える
　スタビリンク付きスタビライザ。