WO2018056141A1 - 貨幣処理装置 - Google Patents

Abstract

貨幣処理装置（紙幣処理装置（１））は、貨幣に関する一つ以上の処理を行うよう構成された本体部（１０）と、装置の使用条件に基づいて、前記貨幣の処理枚数、又は、処理金額の上限を定めかつ、本体部（１０）が行う前記処理を制限するよう構成された制限部（１５１）と、を備えている。使用条件は、例えば装置の使用目的、装置の設置場所、装置の使用者等である。

Description

貨幣処理装置

　ここに開示する技術は、貨幣処理装置に関する。

　特許文献１には、紙幣入出金機が記載されている。この紙幣入出金機は、例えば紙幣を装置の中に取り込む入金処理、及び、紙幣を装置の外に繰り出す出金処理を行うよう構成されている。

特開２０１３－１２１２７号公報

　貨幣処理装置は、前述した入金処理及び出金処理の他にも、装置の中に貨幣を補充する補充処理、及び、装置の中の貨幣を回収する回収処理を行うように構成されている。貨幣処理装置は、様々な処理を行うよう構成されている。

　貨幣処理装置はまた、金融機関に設置されたり、小売店舗のバックオフィスに設置されたりする。貨幣処理装置は、金融機関の店舗において、テラーカウンタに設置されたり、ロビーに設置されたりする。

　貨幣処理装置は、様々な人が利用する。金融機関のテラーカウンタに設置されている貨幣処理装置は、テラーが使用する。金融機関のロビーに設置されている貨幣処理装置は、顧客が使用する。小売店舗のバックオフィスに設置されている貨幣処理装置は、小売店舗の担当者が使用する。

　このように貨幣処理装置は、様々な使用条件の下で使用される。使用条件に応じて、貨幣処理装置が各種の処理を行うときの処理枚数、又は、処理金額の上限を定めたいという要求がある。そうすることで、貨幣処理装置は、使用条件に最適化されるようになる。

　ここに開示する技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、貨幣処理装置を最適に動作させることにある。

　具体的に、ここに開示する貨幣処理装置は、貨幣に関する一つ以上の処理を行うよう構成された本体部と、装置の使用条件に基づいて、前記貨幣の処理枚数、又は、処理金額の上限を定めかつ、前記本体部が行う前記処理を制限するよう構成された制限部と、を備えている。

　こうすることで、貨幣処理装置は、装置の使用条件に応じて、貨幣の処理枚数、又は、処理金額の上限を変更することができる。貨幣処理装置は、使用条件に最適化されて動作する。

　尚、制限部は、装置の使用条件に応じて、貨幣の処理枚数、又は、処理金額の上限を定めない（つまり、処理枚数、又は、処理金額を制限しない）こともあり得る。また、制限部は、貨幣の処理枚数の上限と、処理金額の上限との両方を定めてもよい。

　前記制限部は、前記装置の使用目的に関する条件に基づいて、処理枚数、又は、処理金額の上限を定めるよう構成されている、としてもよい。具体的に、制限部は、以下のように構成してもよい。

　前記制限部は、前記装置を使用する事業の種別に基づいて、処理枚数、又は、処理金額の上限を定めるよう構成され、前記事業は、金融業、及び、小売業を含んでいるとしてもよい。

　こうすることで、貨幣処理装置を、銀行等の金融機関において使用する場合と、貨幣処理装置を、小売店舗において使用する場合とのそれぞれにおいて、処理枚数、又は、処理金額の上限を変更することが可能になる。貨幣処理装置は、貨幣処理装置を使用する事業に最適化される。

　前記制限部は、前記装置を使って行う業務の種別に基づいて、処理枚数、又は、処理金額の上限を定めるよう構成されている、としてもよい。

　例えば、金融機関において窓口業務に貨幣処理装置を使用するときと、当該金融機関において、貨幣処理装置を管理・警送業務に使用するときとで、処理枚数、又は、処理金額の上限を変更することが可能になる。貨幣処理装置は、貨幣処理装置を使用する業務に最適化される。管理業務は、金融機関内の貨幣を管理する業務であり、金融機関内に存在する貨幣の在高を管理する業務である。また、管理業務は、金融機関内で移動する貨幣を管理したり、金融機関に持ち込まれる貨幣を管理したり、金融機関から持ち出される貨幣を管理してもよい。

　前記制限部は、前記処理部が実行する前記処理の種別に基づいて、処理枚数、又は、処理金額の上限を定めるよう構成されている、としてもよい。

　具体的に、前記処理は、前記貨幣を前記装置の中に取り込む入金処理、前記貨幣を前記装置の外に繰り出す出金処理、前記装置の中に前記貨幣を補充する補充処理、及び、前記装置の中の前記貨幣を回収する回収処理、の少なくとも２つを含んでいる、としてもよい。

　こうすることで、貨幣処理装置を使用する処理に応じて、処理枚数、又は、処理金額の上限を変更することが可能になる。貨幣処理装置は、実行する処理に最適化される。

　前記制限部は、前記貨幣を前記装置の中に取り込む入金処理の処理金額の上限を定めかつ、前記本体部が前記入金処理時に処理を行った前記貨幣の金額と、前記処理金額の上限とに応じて、前記入金処理を停止する、としてもよい。

　ここで、「前記入金処理時に処理を行った前記貨幣の金額」は、複数の貨幣を順次装置の中に取り込む入金処理を行っている最中に、貨幣の金種の識別が終わって装置の中に取り込むことができると判定された貨幣の総額を意味する。

　前記の構成によると、入金処理時の処理金額の上限を定めたときに、入金処理を適切に停止することができる。

　前記制限部は、前記本体部が前記入金処理時に処理を行った前記貨幣の金額と前記処理金額の上限との差額と、前記入金処理の対象金種とに応じて、前記入金処理を停止する、としてもよい。

　ここで、「入金処理の対象金種」は、入金処理において装置の中に取り込むことが可能な金種を意味する。前記の構成によると、装置の中に取り込む可能性のある金種に基づいて、入金処理を、より一層適切に停止することができる。

　前記制限部は、前記装置が設置される場所に関する条件に基づいて、処理枚数、又は、処理金額の上限を定めるよう構成されている、としてもよい。

　例えば金融機関に貨幣処理装置を設置する場合と、小売店舗に貨幣処理装置を設置する場合とで、処理枚数、又は、処理金額の上限を変更することが可能になる。また、金融機関の本店に貨幣処理装置を設置する場合と、金融機関の支店に貨幣処理装置を設置する場合とで、処理枚数、又は、処理金額の上限を変更することが可能になる。さらに、金融機関の店舗において、カウンタに貨幣処理装置を設置する場合と、ロビーに貨幣処理装置を設置する場合と、店舗外に貨幣処理装置を設置する場合とで、処理枚数、又は、処理金額の上限を変更することが可能になる。貨幣処理装置は、設置する場所に最適化される。

　前記制限部は、前記装置を使用する使用者に関する条件に基づいて、処理枚数、又は、処理金額の上限を定めるよう構成されている、としてもよい。

　例えば、前記制限部は、前記装置を使用する使用者の種別に基づいて、処理枚数、又は、処理金額の上限を定めるよう構成され、前記使用者は、顧客、顧客対応担当者、現金管理者、及び、警備輸送担当者の少なくとも２つを含んでいる、としてもよい。

　こうすることで、顧客が貨幣処理装置を使用するときと、金融機関等の顧客対応担当者が貨幣処理装置を使用するときと、小売店舗等の現金管理者が貨幣処理装置を使用するときと、貨幣の警備輸送を行う担当者が貨幣処理装置を使用するときとで、貨幣の処理枚数、又は、処理金額の上限を変更することが可能になる。貨幣処理装置は、貨幣処理装置を使用する使用者に最適化される。

　また、前記制御部は、前記装置を使用する使用者個人に基づいて、処理枚数、又は、処理金額の上限を定めるよう構成してもよい。例えば金融機関において、あるオペレータ（例えばオペレータＡ）が貨幣処理装置を使用するときと、ある管理者（例えば管理者Ｂ）が貨幣処理装置を使用するときとで、貨幣の処理枚数、又は、処理金額の上限を変更することが可能になる。

　前記制限部は、前記装置の運用に関する条件に基づいて、処理枚数、又は、処理金額の上限を定めるよう構成されている、としてもよい。

　具体的に、前記制限部は、前記装置を運用する形態の種別に基づいて、処理枚数、又は、処理金額の上限を定めるよう構成され、前記運用の形態は、金融業の担当者が使用するテラー運用形態、小売業の担当者が使用するリテール運用形態、金融業の担当者が同席した状態で顧客が使用するセミセルフ運用形態、及び、顧客が単独で使用するセルフ運用形態の少なくとも２つを含んでいる、としてもよい。

　こうすることで、貨幣処理装置の運用タイプに応じて、貨幣の処理枚数、又は、処理金額の上限を変更することが可能になる。貨幣処理装置は、貨幣処理装置を運用する形態に最適化される。

　前記制限部は、前記装置を使用する日時に関する条件に基づいて、処理枚数、又は、処理金額の上限を定めるよう構成されている、としてもよい。

　こうすることで、例えば金融機関の窓口業務に貨幣処理装置を使用するときに、時間帯に応じて（換言すると店舗の来客状況や、その他の状況に応じて）、貨幣の処理枚数、又は、処理金額の上限を変更することが可能になる。貨幣処理装置は、来客状況等の日時に関連する状況に最適化される。

　前記制限部は、前記処理部が実行する処理の対象の顧客に基づいて、処理枚数、又は、処理金額の上限を定めるよう構成されている、としてもよい。

　こうすることで、例えば入金金額が常に多い特定の顧客の入金処理を、貨幣処理装置を使用して行うときに、処理枚数、又は、処理金額の上限を適正化することが可能になる。

　前記制限部は、前記処理部が前記処理を実行するときの前記装置の状態に基づいて、処理枚数、又は、処理金額の上限を定めるよう構成されている、としてもよい。

　こうすることで、貨幣処理装置に収納している貨幣量、又は、収納金額等に応じて、処理枚数、又は、処理金額の上限を変更することが可能になる。貨幣処理装置を適切に動作させることができる。

　以上説明したように、前記の貨幣処理装置によると、貨幣処理装置を使用条件に最適化させることができる。

図１は、貨幣処理装置の構成例を概念的に示す図である。 図２は、貨幣処理装置の本体部の構成例を示すブロック図である。 図３は、制限規定テーブルの構成例を示す図である。 図４は、制限規定テーブルの構成例を示す図である。 図５Ａは、制限規定テーブルの構成例の一部を示す図である。 図５Ｂは、制限規定テーブルの構成例の一部を示す図である。 図６は、制限規定テーブルの構成例を示す図である。 図７は、制限規定テーブルの構成例を示す図である。 図８は、制限規定テーブルの構成例を示す図である。 図９は、コントローラーが実行するフローチャートの一部である。 図１０は、コントローラーが実行するフローチャートの一部である。 図１１は、収納部への紙幣の収納及び繰り出しに係る従来の制御を説明する図である。 図１２は、収納部への紙幣の収納及び繰り出しに係る新しい制御例を説明する図である。

　以下、貨幣処理装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明は、貨幣処理装置の一例である。図１は、貨幣処理装置としての紙幣処理装置１を示している。紙幣処理装置１は、例えば銀行等の金融機関に設置されかつ、入金処理及び出金処理を含む各種の処理を実行する装置である。尚、紙幣処理装置１は、金融機関に設置する以外に、例えば小売店舗のバックオフィス等に設置して用いることも可能である。紙幣処理装置１の設置場所に制限はない。紙幣処理装置１は、様々な場所に設置される。

　（紙幣処理装置の構成例）
　図１は、紙幣処理装置１の内部の構造を、概念的に示している。以下の説明では、図１における紙面右を前、紙面左を後と呼ぶ場合がある。

　紙幣処理装置１は、バラ紙幣の処理を行う。紙幣処理装置１は、上部の処理部１１と、下部の金庫部１３とを有している。処理部１１を構成する上部筐体１１１の中には、入金部２１、出金部２３、識別部２４、一時保留部３３、及び、搬送路の一部が配設されている。

　金庫部１３は、金庫筐体１３１によって構成されている。金庫筐体１３１の中には、収納部と、搬送路の一部とが配設されている。金庫筐体１３１は、収納部を、所定以上の防護レベルで防護するように構成されている。金庫筐体１３１の防護レベルは、上部筐体１１１の防護レベルよりも高くなっている。

　金庫筐体１３１は、詳細な図示は省略するが、その前部に開閉扉を有している。開閉扉には、例えば電子錠が設けられている。電子錠を解錠することにより、開閉扉は開く。開閉扉が開くと、金庫筐体１３１の中に格納している収納部を、紙幣処理装置１の前方に引き出すことが可能になる。金庫である金庫筐体１３１の電子錠を開けることができる人は、特別な権限を有している。具体的に、金庫筐体１３１の電子錠を開けることができる人は、例えば、紙幣処理装置１の中の紙幣を回収しかつ、搬送をする警備輸送担当者である。

　尚、上部筐体１１１も、上部筐体１１１の中に格納している各部を引き出すことが可能である。処理部１１の管理権限と、金庫部１３の管理権限とは異なる。従って、上部筐体１１１を開けることができる人と、金庫筐体１３１を開けることができる人とは、異なる。

　入金部２１は、例えば入金処理を行う際に、紙幣が投入される部分である。入金部２１は、入金口２１１を有している。入金口２１１は、上部筐体１１１の上面に開口している。紙幣は、入金口２１１を通じて、入金部２１に投入される。入金部２１は、複数枚の紙幣を、重ねた状態で保持するよう構成されている。入金部２１は、保持している紙幣を、一枚ずつ装置の中に取り込む機構を有している。

　出金部２３は、例えば出金処理の際に、紙幣が搬送される部分である。出金部２３は、様々な用途に利用することが可能である。出金部２３は、複数枚の紙幣を、重ねた状態で保持するよう構成されている。つまり、出金部２３は、複数枚の紙幣を集積する。出金部２３は、出金口２３１を有している。出金口２３１は、上部筐体１１１の上面に開口している。出金部２３に集積されている紙幣は、出金口２３１を通じて取り出すことが可能である。尚、出金口２３１に、開閉するシャッターを設けてもよい。

　識別部２４は、後述するループ搬送路４１１に配設されている。識別部２４は、ループ搬送路４１１に沿って搬送される紙幣の一枚一枚について、少なくとも、真偽、金種及び正損を識別する。

　収納部は、金種別収納部３１と、回収カセット３２と、一時保留部３３とを含む。金種別収納部３１及び一時保留部３３は、図例の紙幣処理装置１では、紙幣を、テープの間に挟んでドラムに巻き取ることによって、紙幣を収納するよう構成されたテープ式の収納モジュールである。回収カセット３２は、テープ式の収納モジュールではなく、紙幣を重ねて収納するスタック式の収納カセットである。尚、金種別収納部３１は、紙幣の収納及び繰り出しが可能なスタック式の収納カセットであってもよい。紙幣処理装置１の収納部の構成は、テープ式の収納モジュールと、スタック式の収納カセットとが混在する構成に限らない。紙幣処理装置１の収納部は、全てテープ式の収納モジュールであってもよいし、全てスタック式の収納カセットであってもよい。

　金種別収納部３１及び一時保留部３３は、紙幣を収納部の中に取り込んで収納すること、及び、収納部の中に収納している紙幣を繰り出すこと、が可能に構成されている。回収カセット３２は、紙幣をカセットの中に取り込んで収納することが可能であるが、カセットの中に収納している紙幣を繰り出すことはできないよう構成されている。

　金種別収納部３１は、図例では、第１～第８の８つの金種別収納部３１１～３１８を有している。第１～第８の金種別収納部３１１～３１８は、紙幣を金種別に収納する。金種別収納部３１の数は、８つに限らず、適宜の数にすることが可能である。

　第１～第８の金種別収納部３１１～３１８は、金庫筐体１３１の中に配置されている。第１～第８の金種別収納部３１１～３１８は、詳細には、金庫筐体１３１の中の後側の位置で、前後方向（つまり、図１の紙面左右方向）及び上下方向に並んで配設されている。第１～第８の金種別収納部３１１～３１８はそれぞれ、着脱可能に配設されている。

　回収カセット３２は、例えば金種別収納部３１に収納することができない紙幣を収納するようにしてもよい。回収カセット３２は、例えば第１～第８の金種別収納部３１１～３１８がフル又はニアフルになったため、収納することができなくなった紙幣（つまり、オーバーフロー紙幣）を収納してもよい。回収カセット３２は、例えば第１～第８の金種別収納部３１１～３１８のいずれにも割り当てられていない金種（つまり、指定外金種）の紙幣を収納してもよい。回収カセット３２は、例えば損券を収納してもよい。回収カセット３２は、例えば偽券、又は、偽券の恐れがある紙幣を収納してもよい。回収カセット３２は、例えば旧券を収納してもよい。回収カセット３２は、出金処理時に発生したリジェクト紙幣を収納してもよい。回収カセット３２は、精査処理時に発生したリジェクト紙幣を収納してもよい。回収カセット３２は、出金部２３に出金した紙幣であって、出金口２３１から取り忘れられた紙幣を収納してもよい。

　回収カセット３２は、金庫筐体１３１の中に配置されている。回収カセット３２は、詳細には、金庫筐体１３１の中の前側の位置に、着脱可能に配設されている。

　尚、金庫筐体１３１の中の金種別収納部３１及び回収カセット３２の数、及び、その配置は、どのようなものであってもよい。

　一時保留部３３は、例えば入金処理の際に、入金処理が確定するまで、入金対象の紙幣を一時的に収納する。一時保留部３３はまた、その他の用途に利用することも可能である。

　一時保留部３３は、上部筐体１１１の中に配置されている。一時保留部３３は、詳細には、上部筐体１１１の中の前側の位置に配設されている。一時保留部３３は、紙幣処理装置１に搭載することが可能なオプション機器としてもよい。つまり、紙幣処理装置１は、一時保留部３３を有しない構成としてもよい。

　搬送部４（図２参照）は、搬送路を有している。搬送部４は、例えば紙幣の長手の縁を前にして、紙幣と紙幣との間に間隔を空けて、紙幣を一枚ずつ、搬送路に沿って搬送するよう構成されている。搬送路は、図示は省略するが、多数のローラー、複数のベルト、これらを駆動するモータ、搬送される紙幣を検出する通過センサ及び複数のガイドの組み合わせによって構成されている。

　搬送部４は、図１に示すように、上部筐体１１１の中に設けられたループ搬送路４１１を有している。ループ搬送路４１１は、前述したように識別部２４を通る。搬送部４は、紙幣を、ループ搬送路４１１に沿って、図１における時計回り方向及び反時計回り方向に搬送する。

　入金部２１は、接続路４１２を介して、ループ搬送路４１１に接続されている。出金部２３は、接続路４１３を介して、ループ搬送路４１１に接続されている。

　第１～第８の金種別収納部３１１～３１８は、接続路４１４を介してループ搬送路４１１に接続されている。接続路４１４は、途中で分岐して、第１～第８の金種別収納部３１１～３１８のそれぞれに接続されている。

　回収カセット３２は、接続路４１６を介して、ループ搬送路４１１に接続されている。また、一時保留部３３は、接続路４１５を介して、ループ搬送路４１１に接続されている。

　尚、図示は省略するが、ループ搬送路４１１と、接続路４１２、４１３、４１４、４１５、４１６との接続箇所には、紙幣の搬送先を切り替える分岐機構が設けられている。また、接続路４１４の分岐箇所にも、分岐機構が設けられている。

　ループ搬送路４１１、及び、接続路４１２、４１３、４１４、４１５、４１６における各所には、紙幣の通過を検知する通過センサが配設されている。搬送部４は、後述するコントローラー１５からの指令を受けて、通過センサの検知信号に基づいて、搬送部４の各分岐機構を制御することにより、紙幣を、所定の搬送先に搬送する。

　図２は、紙幣処理装置１の構成を示すブロック図である。紙幣処理装置１は、コントローラー１５を備えている。コントローラー１５は、周知のマイクロコンピュータを含んで構成されている。コントローラー１５には、前述した、入金部２１、出金部２３、識別部２４、搬送部４、金種別収納部３１、回収カセット３２、及び、一時保留部３３が、それぞれ信号の授受可能に接続されている。

　紙幣処理装置１は、各種のデータ等を記憶するストレージ２５、各種の情報を表示する表示部２６、人が操作をする操作部２７、及び、端末機１６との間で通信を行うための通信部２８を有している。ストレージ２５、表示部２６、操作部２７、及び通信部２８も、コントローラー１５に信号の授受可能に接続されている。ストレージ２５は、例えばハードディスクドライブ、ＳＳＤ（Solid State Drive）、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリによって構成される。表示部２６は、例えばフラットパネルディスプレイによって構成してもよい。表示部２６及び操作部２７は、例えばタッチパネル式の表示装置によって一体に構成してもよい。

　端末機１６は、紙幣処理装置１を利用して行う各種の業務の実行のために、人が操作をする。端末機１６は、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末、又は、スマートフォン等によって構成してもよい。

　コントローラー１５は、操作部２７が人によって操作されたときや、端末機１６が人によって操作されたときに、各種の処理を実行するよう、入金部２１、出金部２３、識別部２４、搬送部４、金種別収納部３１、回収カセット３２、及び、一時保留部３３、を制御する。

　以上説明をした紙幣処理装置１は、各種の処理を実行するよう構成された本体部１０を構成する。以下、本体部１０が各種の処理を実行する際の、紙幣処理装置１の動作について、簡単に説明する。

　（入金処理）
　入金対象の紙幣は、入金部２１に投入される。入金部２１は、紙幣を一枚一枚、装置の中に取り込む。搬送部４は、紙幣を、接続路４１２からループ搬送路４１１を通って、識別部２４に搬送する。識別部２４は、紙幣を識別する。搬送部４は、識別部２４を通過した紙幣を、接続路４１５を通って、一時保留部３３に搬送する。一時保留部３３は紙幣を収納する。

　搬送部４はまた、識別部２４がリジェクト紙幣と識別した紙幣を、ループ搬送路４１１から接続路４１３を通って、出金部２３に搬送する。リジェクト紙幣には搬送異常の紙幣も含まれる。出金部２３に出金された紙幣は、入金部２１に投入された入金対象の紙幣が全て、装置の中に取り込まれた後、人の手によって入金部２１に再投入される。入金部２１に再投入された紙幣は、もう一度、装置の中に取り込まれる。

　入金部２１に投入された紙幣が全て装置の中に取り込まれると、入金金額が、例えば端末機１６に表示される。人が、端末機１６を操作することによって、又は、操作部２７を操作することによって入金処理が確定すれば、一時保留部３３は、収納している紙幣を繰り出し、搬送部４は、紙幣を接続路４１５から、ループ搬送路４１１及び接続路４１４を経て、第１～第８の金種別収納部３１１～３１８、又は、ループ搬送路４１１及び接続路４１６を経て、回収カセット３２に搬送する。第１～第８の金種別収納部３１１～３１８、及び、回収カセット３２は、紙幣を収納する。こうして、入金処理が終了する。コントローラー１５は、第１～第８の金種別収納部３１１～３１８、及び、回収カセット３２に収納した紙幣に関するデータを、ストレージ２５に記憶させて管理する。

　尚、入金処理時に、一時保留部３３を利用しないで、入金部２１に投入された紙幣を、直接、第１～第８の金種別収納部３１１～３１８、及び、回収カセット３２に収納するようにしてもよい。

　（出金処理）
　第１～第８の金種別収納部３１１～３１８は、出金処理時に、出金対象の紙幣を繰り出す。搬送部４は、紙幣を、接続路４１４からループ搬送路４１１を通って、識別部２４に搬送する。識別部２４は、紙幣の識別を行う。搬送部４は、識別後の紙幣を、ループ搬送路４１１から接続路４１３を通って、出金部２３に搬送する。

　識別部２４がリジェクト紙幣であると識別をしたときには、搬送部４は、そのリジェクト紙幣を、ループ搬送路４１１から接続路４１６を通って、回収カセット３２に搬送する。出金処理時に発生するリジェクト紙幣には、搬送異常に起因するリジェクト紙幣の他、収納部に収納されているべき金種と異なる金種の紙幣も含まれる。回収カセット３２は、出金処理時に発生したリジェクト紙幣を収納する。

　出金対象の紙幣が全て、出金部２３に出金されれば、出金処理は終了する。コントローラー１５は、出金部２３に出金した紙幣に関するデータを、ストレージ２５から消去する。

　（補充処理）
　補充処理は、入金処理に準じて行われる。補充対象の紙幣は、入金部２１に投入される。入金部２１は、紙幣を一枚一枚、装置の中に取り込む。搬送部４は、紙幣を、接続路４１２からループ搬送路４１１を通って、識別部２４に搬送する。識別部２４は、紙幣を識別する。搬送部４は、識別部２４を通過した紙幣を、接続路４１４を通って、第１～第８の金種別収納部３１１～３１８に搬送する。第１～第８の金種別収納部３１１～３１８は紙幣を収納する。入金部２１の中の紙幣が全て、第１～第８の金種別収納部３１１～３１８に収納されると、補充処理が終了する。コントローラー１５は、第１～第８の金種別収納部３１１～３１８に収納した紙幣に関するデータを、ストレージ２５に記憶させて管理する。

　（回収処理）
　回収処理は、金種別収納部３１に収納している紙幣を回収する処理である。第１～第８の金種別収納部３１１～３１８は、回収処理時に、回収対象の紙幣を繰り出す。搬送部４は、紙幣を、接続路４１４からループ搬送路４１１を通って、識別部２４に搬送する。識別部２４は、紙幣の識別を行う。搬送部４は、識別後の紙幣を、ループ搬送路４１１から接続路４１６を通って回収カセット３２に搬送する。回収カセット３２は、紙幣を収納する。

　回収対象の紙幣が全て、回収カセット３２に収納されれば、警備輸送担当者は、金庫筐体１３１の電子錠を開け、扉を開放する。警備輸送担当者は、回収カセット３２を金庫筐体から取り外すことによって、回収カセット３２と共に、回収対象の紙幣を回収する。

　（精査処理）
　精査処理は、金種別収納部３１に収納している紙幣を確定させる処理である。精査対象の金種別収納部３１は、収納している紙幣を繰り出す。搬送部４は、紙幣を、接続路４１４からループ搬送路４１１を通って、識別部２４に搬送する。識別部２４は、紙幣の識別を行う。搬送部４は、識別後の紙幣を、ループ搬送路４１１から接続路４１５を通って一時保留部３３に搬送する。一時保留部３３は、紙幣を収納する。

　金種別収納部３１が紙幣の繰り出しを終了した後、一時保留部３３は、収納している紙幣を繰り出す。搬送部４は、紙幣を、接続路４１５からループ搬送路４１１を通って、識別部２４に搬送する。識別部２４は、紙幣の識別をもう一度、行う。搬送部４は、識別後の紙幣を、ループ搬送路４１１から接続路４１４を通って元の金種別収納部３１に搬送する。金種別収納部３１は、紙幣を収納する。識別部２４の識別結果に基づいて、金種別収納部３１に収納している紙幣が確定し、精査処理が終了する。

　尚、精査処理において、識別部２４は、紙幣の識別を２回行っているが、識別部２４は、紙幣の識別を１回だけ行うようにしてもよい。

　（整理処理）
　整理処理は、入金部２１に投入された紙幣の計数、及び、分類を行う処理である。例えば、紙幣の正損分類を行うときには、入金部２１は、整理対象の紙幣を一枚一枚、装置の中に取り込む。搬送部４は、紙幣を、接続路４１２からループ搬送路４１１を通って、識別部２４に搬送する。識別部２４は、紙幣を識別する。搬送部４は、識別結果に基づいて、正券及び損券のうちの一方を出金部２３に搬送し、他方を一時保留部３３に搬送する。一時保留部３３は紙幣を収納する。

　入金部２１に投入された紙幣が全て装置の中に取り込まれかつ、出金部２３に出金されるか、または、一時保留部３３に収納されれば、紙幣の正損分類が完了する。出金部２３に出金した紙幣を、人が取り除いた後、一時保留部３３が、収納している紙幣を繰り出すと共に、搬送部４が紙幣を出金部２３に搬送する。

　（紙幣処理装置の使用条件に基づく制限）
　この紙幣処理装置１は、前述したように、金融機関や小売店舗等に設置される。また、紙幣処理装置１は、同じ銀行であっても、本店に設置されたり、支店に設置されたりする。さらに、紙幣処理装置１は、銀行の店舗においても、テラーカウンタに設置されたり、ロビーに設置されたり、店舗外に設置されたりする。紙幣処理装置１が設置される場所は様々である。

　金融機関のテラーカウンタに設置されている紙幣処理装置１は、テラー（つまり、顧客対応担当者の一例）が使用する。金融機関のロビーに設置されている紙幣処理装置１は、顧客が使用する。小売店舗のバックオフィスに設置されている紙幣処理装置１は、小売店舗の担当者（例えば現金管理者）が使用する。紙幣処理装置１は、警備輸送担当者が使用する場合もある。また、テラーも一人ではなく、複数のテラーそれぞれが、紙幣処理装置１を使用する。紙幣処理装置１を使用する人は様々である。

　紙幣処理装置１は、金融業や小売業等の事業のために、使用される。また、紙幣処理装置１は、金融機関における窓口業務のために、使用される。また、金融機関における管理業務のために、紙幣処理装置１は、使用される。さらに、小売店舗における経理業務のために、紙幣処理装置１は使用される。紙幣処理装置１を使用する目的は様々である。

　紙幣処理装置１はさらに、様々な処理を実行するために使用される。具体的に、紙幣処理装置１は、入金処理、出金処理、補充処理、回収処理、精査処理、及び整理処理を行うために使用される。

　紙幣処理装置１は、様々な運用形態において運用される。つまり、紙幣処理装置１の運用形態は、金融業の担当者が使用するテラー運用形態であったり、小売業の担当者が使用するリテール運用形態であったりする。また、紙幣処理装置１の運用形態は、金融業の担当者が同席した状態で顧客が使用するセミセルフ運用形態であったり、顧客が単独で使用するセルフ運用形態であったりする。

　紙幣処理装置１は、様々な時間帯において使用される。例えば金融機関において、時間帯によって来客状況が変化する。テラーカウンタに設置されている紙幣処理装置１の使用状況は、時間帯に応じて変化する場合がある。また、紙幣処理装置１の使用状況は、曜日や、週や、月に応じて変化する場合がある。

　金融機関においては、例えば入金金額が常に多い特定の顧客が、繰り返し来客することがある。テラーカウンタに設置されている紙幣処理装置１の使用状態は、顧客に応じて変化する場合がある。

　また、各種の処理を行うときに、紙幣処理装置１の紙幣の収納状況は様々である。

　以上のように、紙幣処理装置１は、様々な使用条件の下で使用される。紙幣処理装置１を、使用条件の如何に関わらず常に、同じように動作させるのではなく、使用条件に応じて、紙幣処理装置１が各種の処理を行うときの処理枚数、又は、処理金額の上限を定めたいという要求がある。つまり、紙幣処理装置１の動作を、使用条件に応じて最適化させることが好ましい。

　この紙幣処理装置１は、使用条件に基づいて、各種の処理を行うときの処理枚数の上限を制限するよう構成されている。具体的に紙幣処理装置１のコントローラー１５は、図２に示すように、機能ブロックとして、制限部１５１を有している。制限部１５１は、本体部１０が各種の処理を行うときに、紙幣の処理枚数の上限を定めると共に、設定した上限に基づいて、本体部１０が行う処理を制限する。

　制限部１５１は、具体的には、紙幣処理装置１の使用条件と、ストレージ２５に記憶されている制限規定テーブル５とに基づいて、紙幣の処理枚数を制限する。制限規定テーブル５は、紙幣処理装置１の使用条件と、処理枚数の上限とを対応付けているテーブルである。

　使用条件は、（１）紙幣処理装置１の使用目的に関する条件、（２）紙幣処理装置１が使用される場所に関する条件、（３）紙幣処理装置１を使用する人に関する条件、（４）紙幣処理装置１の運用に関する条件、（５）紙幣処理装置１を使用する日時に関する条件、（６）紙幣処理装置１が行う処理の対象顧客に関する条件、（７）紙幣処理装置１が処理を行うときの装置の状態に関する条件、の７つに大別される。尚、使用条件は、これら７つ以外を含んでもよい。

　紙幣処理装置１の使用条件は、紙幣処理装置１の設置をする初期設定、又は、初期設定後の紙幣処理装置１の運用中の適宜のタイミングで行われる動作設定によって決定される。初期設定及び動作設定は、例えば紙幣処理装置１の管理担当者が、操作部２７を操作することによって行う。初期設定及び動作設定によって、例えば、紙幣処理装置１の設置場所、具体例としては「Ａ銀行の本店のカウンタ内」や、「Ｂ銀行のＰ支店の店舗外」等が設定される。

　また、初期設定及び動作設定によって、例えば、紙幣処理装置１が使用される業務、具体例としては「窓口業務」や、「管理・警送業務」等が設定される。尚、紙幣処理装置１の設置場所と、紙幣処理装置１が使用される業務とを予め対応づけておき、紙幣処理装置１の設置場所が設定されれば、自動的に、紙幣処理装置１が使用される業務が設定されるようにしてもよい。例えば、紙幣処理装置１の設置場所が、「銀行のカウンタ」に設定されれば、紙幣処理装置１が使用される業務を、「窓口業務」に設定してもよい。逆に、紙幣処理装置１が使用される業務が設定されれば、自動的に、紙幣処理装置１の設置場所が設定されるようにしてもよい。

　また、初期設定及び動作設定によって、例えば、紙幣処理装置１の運用形態、具体例としては「テラー運用形態」、「リテール運用形態」「セミセルフ運用形態」「セルフ運用形態」等が設定される。

　尚、前記と同様に、紙幣処理装置１の設置場所と、紙幣処理装置１の運用形態とを予め対応づけてもよい。こうすることで、紙幣処理装置１の設置場所を設定すれば、自動的に、紙幣処理装置１が使用される業務を設定することができる、又は、紙幣処理装置１の設置場所を設定すれば、自動的に、紙幣処理装置１が使用される業務を設定することができる。また、紙幣処理装置１が使用される業務と、紙幣処理装置１の運用形態とを予め対応づけておいてもよい。こうすることで、紙幣処理装置１が使用される業務を設定すれば、自動的に、紙幣処理装置１の運用形態を設定することができる、又は、紙幣処理装置１の運用形態を設定すれば、自動的に、紙幣処理装置１が使用される業務を設定することができる。

　制限部１５１は、設定された紙幣処理装置１の使用条件を、ストレージ２５に記憶する。

　以下、図面を参照しながら、制限規定テーブル５の、様々な構成例について説明をする。尚、以下の説明では、中国元を例示しているが、通貨は、どのような通貨であってもよい。

　（制限規定テーブルの構成例１）
　図３は、制限規定テーブル５１の構成例を示している。制限規定テーブル５１は、（１）紙幣処理装置１の使用目的に関する条件、（２）紙幣処理装置１が使用される場所に関する条件、及び、（３）紙幣処理装置１を使用する人に関する条件、に少なくとも関連する。

　制限規定テーブル５１は、紙幣処理装置１が使用される事業が、金融業であるか、リテールであるかに基づいて、処理枚数の上限を設定するよう構成されている。事業の相違は、紙幣処理装置１の使用目的が相違するということである。また、事業の相違は、紙幣処理装置１が使用される場所が相違するということもできる。さらに、事業の相違は、紙幣処理装置１を使用する人が相違するということもできる。

　制限規定テーブル５１はまた、紙幣処理装置１が使用される銀行に基づいて、つまり、Ａ銀行で使用されるか、Ｂ銀行で使用されるかに基づいて、処理枚数の上限を設定するよう構成されている。制限規定テーブル５１はさらに、紙幣処理装置１が使用される店舗が、本店であるか支店であるかに基づいて、処理枚数の上限を設定するよう構成されている。銀行及び店舗の相違は、紙幣処理装置１が使用される場所が相違するということである。

　制限規定テーブル５１は、紙幣処理装置１の設置場所に基づいて、処理枚数の上限を設定するよう構成されている。つまり、紙幣処理装置１が、銀行のカウンタ内に設置されるか、銀行のロビーに設置されるか、店舗外に設置されるか、店舗内に設置されるか、に基づいて、制限規定テーブル５１は、処理枚数の上限を設定するよう構成されている。設置位置の相違は、紙幣処理装置１が使用される場所が相違するということである。また、設置位置の相違は、紙幣処理装置１の使用目的が相違するということもできる。

　カウンタ内に設置される紙幣処理装置１は、銀行のテラー等が使用する。ロビーに設置される紙幣処理装置１は、例えばカウンタを挟んでテラーが同席をした状態で、顧客が使用する。従って、設置位置の相違は、紙幣処理装置１を使用する人が相違するということもできる。

　具体的に、図３の構成例では、紙幣処理装置１をＡ銀行の本店で使用する場合、紙幣処理装置１がカウンタ内に設置されると、処理枚数の上限が、１００元であれば３００枚に制限され、１００元以外の金種であれば１００枚に制限される。複数金種を含む処理の場合（つまり、一括）は、処理枚数の上限が、合計１００枚に制限される。

　一方、紙幣処理装置１がロビーに設置されると、処理枚数の上限が、１００元であれば２００枚に制限され、１００元以外の金種では１００枚に制限される。複数金種を含む処理の場合（つまり、一括）は、処理枚数の上限が、合計２００枚に制限される。

　また、図３の構成例では、紙幣処理装置１をＢ銀行のＰ支店で使用する場合、紙幣処理装置１が店舗外に設置されると、処理枚数の上限が、全ての金種について１００枚に制限される。複数金種を含む処理の場合（つまり、一括）は、処理枚数の上限が、合計１００枚に制限される。尚、店舗外に設置される紙幣処理装置１は、顧客が単独で使用する。

　さらに、図３の構成例では、紙幣処理装置１をＣ商店のＲ支店で使用する場合、紙幣処理装置１が店内に設置されると、処理枚数の上限が設定されない（つまり、「制限なし」）。

　図３の構成例のように制限規定テーブル５１を構成すると、紙幣処理装置１を、銀行等の金融機関において使用する場合と、紙幣処理装置１を、小売店舗において使用する場合とのそれぞれにおいて、紙幣の処理枚数の上限を変更することが可能になる。紙幣処理装置１は、紙幣処理装置１を使用する事業に最適化することができる。

　また、紙幣処理装置１を、Ａ銀行に設置する場合と、Ｂ銀行に設置する場合とで、紙幣の処理枚数の上限を変更することが可能になる。紙幣処理装置１は、紙幣処理装置１を使用する銀行に最適化することができる。

　さらに、紙幣処理装置１を、本店に設置する場合と、支店に設置する場合とで、紙幣の処理枚数の上限を変更することが可能になる。紙幣処理装置１は、紙幣処理装置１を設置する店舗に最適化することができる。

　加えて、紙幣処理装置１を、カウンタ内に設置する場合と、ロビーに設置する場合と、店舗外に設置する場合と、店舗内に設置する場合とで、紙幣の処理枚数の上限を変更することが可能になる。紙幣処理装置１は、設置する場所に最適化される。

　尚、制限規定テーブル５１は、処理枚数の上限を設定するタイミングが規定されている。図３の構成例では、設定タイミングは、全て「設置時・運用中」と規定されている。これは、紙幣処理装置１の設置をする初期設定時、及び、初期設定後の紙幣処理装置１の運用中の両方において、処理枚数の上限を設定することができることを意味している。

　制限規定テーブル５１はまた、上限枚数の変更の可・不可が規定されている。図３の構成例では、枚数変更は、全て「可」と規定されている。上限枚数の変更が可能であることを意味している。上限枚数の変更は、例えば紙幣処理装置１の管理担当者が、操作部２７を操作することによって行う。

　（制限規定テーブルの構成例２）
　図４は、別の制限規定テーブル５２の構成例を示している。制限規定テーブル５２は、（１）紙幣処理装置１の使用目的に関する条件、（３）紙幣処理装置１を使用する人に関する条件、及び、（５）紙幣処理装置１を使用する日時に関する条件、に少なくとも関連する。

　制限規定テーブル５２は、紙幣処理装置１が使用される業務種類が、窓口業務であるか、管理・警送業務であるかに基づいて、処理枚数の上限を設定するよう構成されている。業務の相違は、紙幣処理装置１の使用目的が相違するということである。また、業務の相違は、紙幣処理装置１を使用する人が相違するということもできる。

　制限規定テーブル５２はまた、紙幣処理装置１を用いて行う処理が、入金処理であるか、出金処理であるか、整理処理であるか、補充処理であるか、回収処理であるか、精査処理であるか、に基づいて、処理枚数の上限を設定するよう構成されている。処理の相違は、紙幣処理装置１の使用目的が相違するということである。

　制限規定テーブル５２はさらに、処理毎に、紙幣処理装置１の使用する時間帯に基づいて、処理枚数の上限を設定するよう構成されている。具体的に図４の構成例では、入金処理については、紙幣処理装置１の使用する時間帯を、０：００～１１：５９、１２：００～１２：５９、１３：００～１６：５９、１７：００～１８：５９、１９：００～２３：５９に区分し、各時間帯について、紙幣の処理枚数の上限を設定している。入金処理以外の、出金処理、整理処理、補充処理、回収処理、及び精査処理については、紙幣処理装置１の使用する時間帯に関わらず、紙幣の処理枚数の上限は、常に同じである。

　具体的に、図４の構成例では、紙幣処理装置１を銀行の窓口業務において使用する場合、入金処理を行うときには、その処理を行う時間帯に応じて、金種毎に、処理枚数の上限を設定している。例えば、午前中である０：００～１１：５９、正午の時間帯である１２：００～１２：５９は、銀行の来客数が比較的多いと共に、顧客一人当たりの入金額も多くなる傾向にあるため、１００元の処理枚数の上限を３００枚に増やす。また、銀行の閉店後の１９：００～２３：５９においても、１００元の処理枚数の上限を３００枚に増やす。紙幣処理装置１の使用する時間帯に基づいて、処理枚数の上限を定めることによって、紙幣処理装置１は、銀行の来客状況等に対応して適切に動作することができる。

　一方、出金処理を行うときには、時間帯及び金種に関わらず、処理枚数の上限を５０枚にし、入金処理の上限枚数とは異ならせる。同様に、整理処理、補充処理、及び回収処理を行うときには、時間帯及び金種に関わらず、処理枚数の上限を５００枚にし、入金処理及び出金処理の上限枚数とは異ならせる。

　精査処理を行うときには、時間帯及び金種に関わらず、処理枚数の上限を設定しない。処理の種別に基づいて、処理枚数の上限を定めることにより、入金処理、出金処理、整理処理、補充処理、回収処理及び精査処理のそれぞれについて、紙幣処理装置１は、適切に処理を実行することができる。

　また、窓口業務と、管理・警送業務とで、紙幣の処理枚数の上限を異ならせることによって、紙幣処理装置１は、各業務に適した処理を行うことが可能になる。

　（制限規定テーブルの構成例３）
　図５Ａ及び図５Ｂは、別の制限規定テーブル５３の構成例を示している。図５Ａは、制限規定テーブル５３の一部を示し、図５Ｂは、同じ制限規定テーブル５３の残りを示している。

　制限規定テーブル５３は、（１）紙幣処理装置１の使用目的に関する条件、（３）紙幣処理装置１を使用する人に関する条件、及び、（７）紙幣処理装置１が処理を行うときの装置の状態に関する条件、に少なくとも関連する。

　制限規定テーブル５３は、図４に示す制限規定テーブル５２と同様に、紙幣処理装置１が使用される業務種類が、窓口業務であるか、管理・警送業務であるかに基づいて、処理枚数の上限を設定するよう構成されている。また、制限規定テーブル５３は、紙幣処理装置１が用いて行う処理が、入金処理であるか、出金処理であるか、整理処理であるか、補充処理であるか、回収処理であるか、精査処理であるか、に基づいて、処理枚数の上限を設定するよう構成されている。

　制限規定テーブル５３はまた、金種毎に、紙幣処理装置１の状態に基づいて、処理枚数の上限を設定するよう構成されている。具体的に図５Ａの構成例では、１００元の入金処理については、１００元紙幣を収納する金種別収納部３１がエンプティであるか、ニアエンプティであるか、ニアフルであるか、フルであるか、収納枚数が５００枚以下であるか、収納枚数が１０００枚以上であるか、に基づいて、それぞれ、処理枚数の上限を、５００枚、５００枚、１００枚、０枚（つまり、入金しない）、３００枚、１００枚に定める。金種別収納部３１の紙幣の収納状態に応じて、金種別収納部３１がフルになることを回避しながら、適切な入金処理を行うことが可能になる。

　制限規定テーブル５３はさらに、１００元を収納する金種別収納部３１が、複数、存在するとき（つまり、「同一金種複数カセット配置」）には、処理枚数の上限を制限しない。複数の金種別収納部３１が存在するため、処理枚数の上限を制限しなくても、入金処理を適切に行うことが可能である。

　制限規定テーブル５３は、１００元以外の他の金種についても同様に、当該金種を収納する金種別収納部３１の状態に応じて、処理枚数の上限を定めている（図５Ａ参照）。

　制限規定テーブル５３はまた、図５Ｂに示すように、出金処理において１００元紙幣を出金するときには、１００元紙幣を収納する金種別収納部３１がエンプティであるか、ニアエンプティであるか、ニアフルであるか、フルであるか、収納枚数が５００枚以下であるか、収納枚数が１０００枚以上であるか、に基づいて、それぞれ、処理枚数の上限を、０枚（つまり、出金しない）、５０枚、１００枚、５００枚、１００枚、３００枚に定める。金種別収納部３１の紙幣の収納状態に応じて、金種別収納部３１がエンプティになることを回避しながら、適切な出金処理を行うことが可能になる。

　尚、図５Ｂでは、図示を省略しているが、制限規定テーブル５３はまた、１００元以外の紙幣の出金についても、前記と同様に、当該金種を収納する金種別収納部３１の紙幣の収納状態に応じて、処理枚数の上限を定めている。

　さらに、制限規定テーブル５３は、整理処理については、金種及び装置の状態に関わらず、処理枚数の上限を５００枚に定めている。整理処理は、金種別収納部３１への紙幣の収納及び金種別収納部３１からの紙幣の繰り出しを行わないためである。

　制限規定テーブル５３は、補充処理については入金処理と同じ設定であり、回収処理については出金処理と同じ設定である。また、制限規定テーブル５３は、精査処理については、金種及び装置の状態に関わらず、処理枚数の上限を設定しない。

　（制限規定テーブルの構成例４）
　図６は、別の制限規定テーブル５４の構成例を示している。制限規定テーブル５４は、（３）紙幣処理装置１を使用する人に関する条件、及び、（４）紙幣処理装置１の運用に関する条件、に少なくとも関連する。

　制限規定テーブル５４は、紙幣処理装置１の運用に関する条件に基づいて、具体的には、紙幣処理装置１を運用する形態の種別に基づいて、処理枚数の上限を設定するよう構成されている。運用形態の種別は、金融業の担当者が使用するテラー運用形態（つまり、「テラー」）、小売業の担当者が使用するリテール運用形態（つまり、「リテール」）、金融業の担当者が同席した状態で顧客が使用するセミセルフ運用形態（つまり、「セミセルフ」）、及び、顧客が単独で使用するセルフ運用形態（つまり、「セルフ」）の４種類である。

　制限規定テーブル５４はまた、金種毎に、処理枚数の上限を設定するよう構成されている。具体的に図６の構成例において、テラー運用形態、及び、リテール運用形態では、金種に関わらず、処理枚数の上限を定めない（つまり、上限を制限しない）。テラー運用形態は、紙幣処理装置１をテラーが使用する形態である。リテール運用形態は、紙幣処理装置１を小売店舗の現金管理者が使用する形態である。テラー運用形態及びリテール運用形態は、処理枚数の上限を定める必要性に乏しい。

　図６の構成例において、セミセルフ運用形態では、金種にかかわらず、処理枚数の上限を３００枚に定め、セルフ運用形態では、金種に関わらず、処理枚数の上限を１００枚に定めている。セミセルフ運用形態及びセルフ運用形態は共に、顧客が紙幣処理装置１を使用する。従って、セミセルフ運用形態及びセルフ運用形態は、処理枚数が制限されることが好ましい。また、セミセルフ運用形態は、銀行のテラーが同席しているため、処理枚数が多いことが許容される。セミセルフ運用形態と、セルフ運用形態とで、処理枚数の上限を変更することにより、紙幣処理装置１は、それぞれの運用形態に適した処理を行うことが可能になる。

　（制限規定テーブルの構成例５）
　図７は、別の制限規定テーブル５５の構成例を示している。制限規定テーブル５５は、（１）紙幣処理装置１の使用目的に関する条件、及び、（３）紙幣処理装置１を使用する人に関する条件、に少なくとも関連する。

　制限規定テーブル５５は、紙幣処理装置１を使用する人に関する条件に基づいて、具体的には、特定の金融機関において、紙幣処理装置１を使用する人に基づいて、処理枚数の上限を定めるよう構成されている。ここでいう「人」は、図７に示すように、オペレータＩＤによって特定される個人を意味する。紙幣処理装置１を使用する使用者は、操作部２７を操作し（例えばオペレータＩＤとパスワードとを入力し）、紙幣処理装置１は、その操作に基づいて、使用者の認証処理を行う。紙幣処理装置１は、認証処理を行うことによって、使用者を特定する。制限部１５１は、認証処理によって特定された使用者の情報と、制限規定テーブル５５とに基づいて、処理枚数の上限を定める。

　制限規定テーブル５５は、オペレータＡ、及び、管理者Ｂといったオペレータ毎に、処理の種別毎かつ金種毎に、処理枚数の上限を設定するよう構成されている。具体的に図７の構成例では、オペレータＡは、入金処理、出金処理、及び、整理処理については、処理枚数の上限を定めない（つまり、処理枚数を制限しない）。一方、オペレータＡは、補充処理、回収処理、及び、精査処理については、処理枚数の上限が０である。つまり、オペレータＡは、紙幣処理装置１を使って、管理・警送業務に含まれる補充処理、回収処理、及び、精査処理を行うことができない。

　これに対し、管理者Ｂは、当該金融機関において、業務の管理を行う管理者である。そのため、管理者Ｂは、入金処理、出金処理、整理処理、補充処理、回収処理、及び、精査処理の全てについて、処理枚数の上限を定めない。

　紙幣処理装置１は、紙幣処理装置１を使用する使用者に最適化される。従って、紙幣処理装置１は、使用者に応じて適切に処理を行うことが可能になる。

　（制限規定テーブルの構成例６）
　図８は、別の制限規定テーブル５６の構成例を示している。制限規定テーブル５６は、（１）紙幣処理装置１の使用目的に関する条件、（６）紙幣処理装置１が行う処理の対象顧客に関する条件、に少なくとも関連する。

　制限規定テーブル５６は、紙幣処理装置１が行う処理の対象顧客に関する条件に基づいて処理枚数の上限を設定するよう構成されている。図８の制限規定テーブル５６では、例えば銀行の口座番号によって客を特定し、特定した客に基づいて、処理枚数の上限を定める。具体的に、図８の制限規定テーブル５６では、Ａ商店については、入金処理及び出金処理のそれぞれにおいて、全ての金種について、処理枚数の上限を定めない（つまり、制限なし）。これに対し、Ｂ商店については、入金処理において、１００元は、処理枚数の上限を５００枚に制限し、１００元以外の金種は、処理枚数の上限を３００枚に制限する。出金処理においては、全ての金種について、処理枚数の上限を定めない。

　このような制限規定テーブル５６の構成により、Ｂ商店は、大量枚数の入金処理を一度に行うことができない。紙幣処理装置１が行う処理の対象顧客に応じて、紙幣処理装置１は、適切に処理を行うことが可能になる。

　尚、前述した制限規定テーブル５１～５６の構成例は、適宜、組み合わせることが可能である。また、制限規定テーブル５の構成は、前述した構成に限定されるものでもない。

　紙幣処理装置１は、前述のように構成される制限規定テーブル５を、少なくとも一つを備えるようにすればよい。制限部１５１は、紙幣処理装置１の使用条件と、制限規定テーブルとに基づいて、紙幣処理装置１の使用条件が、制限規定テーブル５において設定されている条件に該当するか否かを判断し、必要なときには、処理枚数の上限を制限する。

　図９及び図１０は、紙幣処理装置１のコントローラー１５が実行するフローチャートを示している。スタート後のステップＳ１で、コントローラー１５は、いずれかの処理の開始が、使用者の操作によって指示されたか否かを判定する。処理の開始が指示されていないときには、フローはステップＳ１を繰り返す。処理の開始が指示されれば、フローはステップＳ２に進む。

　ステップＳ２で制限部１５１は、紙幣処理装置１の使用条件と、制限規定テーブル５とに基づいて、紙幣処理装置１の使用条件が銀行／リテールの条件（図３参照）に該当することによって、処理枚数が制限されるか否かを判定する。処理枚数が制限されるときには、フローは、図１０のステップＳ１３に移行する。処理枚数が制限されないときには、フローは、ステップＳ３に進む。

　ステップＳ３で制限部１５１は、紙幣処理装置１の使用条件と、制限規定テーブル５とに基づいて、紙幣処理装置１の使用条件が本店／支店の条件（図３参照）に該当することによって、処理枚数が制限されるか否かを判定する。処理枚数が制限されるときには、フローは、図１０のステップＳ１３に移行する。処理枚数が制限されないときには、フローは、ステップＳ４に進む。

　ステップＳ４で制限部１５１は、紙幣処理装置１の使用条件と、制限規定テーブル５とに基づいて、紙幣処理装置１の使用条件が設置場所の条件（図３参照）に該当することによって、処理枚数が制限されるか否かを判定する。処理枚数が制限されるときには、フローは、図１０のステップＳ１３に移行する。処理枚数が制限されないときには、フローは、ステップＳ５に進む。

　ステップＳ５で制限部１５１は、紙幣処理装置１の使用条件と、制限規定テーブル５とに基づいて、紙幣処理装置１の使用条件が業務種類の条件（図４、図５Ａ、図５Ｂ参照）に該当することによって、処理枚数が制限されるか否かを判定する。処理枚数が制限されるときには、フローは、図１０のステップＳ１３に移行する。処理枚数が制限されないときには、フローは、ステップＳ６に進む。

　ステップＳ６で制限部１５１は、紙幣処理装置１の使用条件と、制限規定テーブル５とに基づいて、紙幣処理装置１の使用条件が、処理についての条件（図４、図５Ａ、図５Ｂ、図７、図８参照）に該当することによって、処理枚数が制限されるか否かを判定する。処理枚数が制限されるときには、フローは、図１０のステップＳ１３に移行する。処理枚数が制限されないときには、フローは、ステップＳ７に進む。

　ステップＳ７で制限部１５１は、紙幣処理装置１の使用条件と、制限規定テーブル５とに基づいて、紙幣処理装置１の使用条件が時間帯についての条件（図４参照）に該当することによって、処理枚数が制限されるか否かを判定する。処理枚数が制限されるときには、フローは、図１０のステップＳ１３に移行する。処理枚数が制限されないときには、フローは、図１０のステップＳ８に進む。

　ステップＳ８で制限部１５１は、紙幣処理装置１の使用条件と、制限規定テーブル５とに基づいて、紙幣処理装置１の使用条件が装置状態の条件（図５Ａ、図５Ｂ参照）に該当することによって、処理枚数が制限されるか否かを判定する。処理枚数が制限されるときには、フローは、ステップＳ１２に移行する。処理枚数が制限されないときには、フローは、ステップＳ９に進む。

　ステップＳ１２で制限部１５１は、紙幣処理装置１の紙幣の収納状態を判断し、紙幣処理装置１の紙幣の収納状態が、制限規定テーブル５に定めている制限条件に該当するか否かを判定する。該当するときには、フローはステップＳ１３に進む。該当しないときには、フローはステップＳ９に進む。

　ステップＳ９で制限部１５１は、紙幣処理装置１の使用条件と、制限規定テーブル５とに基づいて、紙幣処理装置１の使用条件が運用タイプの条件（図６参照）に該当することによって、処理枚数が制限されるか否かを判定する。処理枚数が制限されるときには、フローは、ステップＳ１３に移行する。処理枚数が制限されないときには、フローは、ステップＳ１０に進む。

　ステップＳ１０で制限部１５１は、紙幣処理装置１の使用条件と、制限規定テーブル５とに基づいて、紙幣処理装置１の使用条件がオペレータの条件（図７参照）に該当することによって、処理枚数が制限されるか否かを判定する。処理枚数が制限されるときには、フローは、ステップＳ１３に移行する。処理枚数が制限されないときには、フローは、ステップＳ１１に進む。

　ステップＳ１１で制限部１５１は、紙幣処理装置１の使用条件と、制限規定テーブル５とに基づいて、紙幣処理装置１の使用条件が特定客の条件（図８参照）に該当することによって、処理枚数が制限されるか否かを判定する。処理枚数が制限されるときには、フローは、ステップＳ１３に移行する。処理枚数が制限されないときには、フローは、ステップＳ１４に進む。

　ステップＳ１３では、制限部１５１は、制限規定テーブル５に基づいて、紙幣処理装置１の使用条件に対応するよう、処理枚数の上限を制限する。フローはその後、ステップＳ１５に進む。一方、ステップＳ１４で、制限部１５１は、処理枚数の上限を制限しない。フローはその後、ステップＳ１５に進む。

　ステップＳ１５で本体部１０は、処理を実行し、続くステップＳ１６で本体部１０は、処理が終了したか否かを判定する。処理が終了していないときにはステップＳ１５を繰り返す。処理が終了したときには、フローは終了する。

　このように、紙幣処理装置１の使用条件に対応して紙幣処理装置１が処理を行う紙幣の枚数を制限することができる。紙幣処理装置１を、使用条件に最適化することができる。

　尚、前記の説明では、制限部１５１は、処理枚数の上限を制限している。制限部１５１は、紙幣処理装置１の使用条件に基づいて、処理金額の上限を定めてもよい。また、制限部１５１は、紙幣処理装置１の使用条件に基づいて、処理枚数の上限と、処理金額の上限とを組み合わせて制限するようにしてもよい。

　（入金処理時の制限の例）
　次に、紙幣処理装置１の入金処理時における処理の制限に関する制御例について説明をする。ここでは、制限部１５１は、一回の入金処理の処理金額の上限を定めている。例えば銀行等の金融機関において、同一人が所定金額以上の入金を行うときには、本人確認が必要になる場合において、紙幣処理装置１の入金処理時に、処理金額の上限を定めることは有効である。処理金額の上限は、適宜設定することが可能である。以下の説明では、一例として、一回の入金処理の処理金額を５００００元未満に制限する。紙幣処理装置１は、処理金額が５００００元以上にならないよう、入金処理を停止する。

　ここで、入金処理時に入金部２１に投入される紙幣の金種が一つであれば、処理金額の上限を超えない紙幣の最大枚数は一義的に定まる。よって、紙幣処理装置１は、紙幣の処理枚数が最大枚数に到達すれば、入金処理を停止する。

　しかしながら、入金処理の対象金種が複数であるときには、処理金額の上限を超えない紙幣の最大枚数は一義的に定まらない。一方、入金処理は、処理金額の上限にできるだけ近づけて、停止することが好ましい。

　そのために、制限部１５１は、入金処理において既に入金をした金額に応じて、入金部２１から取り込んだ紙幣を、リジェクトする。例えば、入金処理の対象金種が、１００元、５０元、２０元、１０元、５元、及び１元の６金種であり、処理金額の上限が５００００元であるとする。そして、入金処理において既に入金をした金額が４９９５０元であるときに、紙幣処理装置１は、入金部２１から取り込んだ紙幣が、５０元紙幣及び１００元紙幣であれば当該紙幣をリジェクトし、２０元、１０元、５元、及び１元紙幣であれば、当該紙幣はリジェクトしない。こうすることで、処理金額の上限を超えてしまうことが防止される。このとき、入金できない金種（５０元及び１００元）を使用者に報知してもよい。また、入金できる金種（２０元、１０元、５元、及び１元）を使用者に報知してもよい。

　また、紙幣処理装置１において入金処理を停止するタイミング（又は、入金処理を停止する条件）は、入金をした金額がちょうど５００００元になったときとしてもよいが、このようなケースは稀である。よって、入金をした金額が上限に近づいたことを条件として入金処理を停止するようにしてもよい。紙幣処理装置１において入金処理を停止するタイミングは、例えば、以下に説明する五つのパターンの中から選択をしてもよい。

　（停止パターン１）
　停止パターン１は、処理金額の上限と、入金処理において既に入金をした金額との差額が、入金処理の対象金種のうちの、最も少額の金種の金額以下になったタイミングで、入金処理を停止する。具体例として、入金処理の対象金種が、１００元、５０元、２０元、１０元、５元、及び１元の６金種であるとする。最も少額の金種は１元である。処理金額の上限が５００００元であるときに、停止パターン１は、入金処理において既に入金をした金額が４９９９９元（以上）になれば、入金処理を停止する。前述したように、入金処理において既に入金をした金額が４９９９９元になる間に、入金部２１から取り込んだ紙幣がリジェクトされる場合がある。停止パターン１は、処理金額の上限まで入金処理を行うことができる。

　（停止パターン２）
　停止パターン２は、処理金額の上限と、入金処理において既に入金をした金額との差額が、入金処理の対象金種のうちの、最も高額の金種の金額以下になったタイミングで、入金処理を停止する。具体例として、入金処理の対象金種が、１００元、５０元、２０元、１０元、５元、及び１元の６金種であるとする。最も高額の金種は１００元である。処理金額の上限が５００００元であるときに、停止パターン２は、入金処理において既に入金をした金額が４９９００元以上になれば、入金処理を停止する。停止パターン２は、入金処理を早めに停止することができる。例えば本人確認を行うことによって処理金額の上限を一時的に解除することができる場合に、停止パターン２は有効である。

　（停止パターン３）
　停止パターン３は、入金部２１から取り込んだ紙幣が、処理金額が上限を超えることに起因してリジェクトされる可能性が生じたときに、入金処理を停止する（つまり、入金部２１からの取り込みを停止する）。具体例として、入金処理の対象金種の内、最も高額の金種が１００元であり、処理金額の上限が５００００元であるとする。入金部２１から既に繰り出されかつ、識別部２４が識別する前の紙幣が４枚である場合（つまり、入金部２１と識別部２４との間の搬送路に４枚の紙幣が存在している場合）、入金処理において既に入金をした金額が４９５００以上であれば、入金部２１からの取り込みを停止する。停止パターン３も、停止パターン２と同様に、入金処理を早めに停止することができる。

　（停止パターン４）
　停止パターン４は、入金部２１から取り込んだ紙幣が、処理金額が上限を超えることに起因してリジェクトされる可能性が生じたときに、入金部２１からの取り込み間隔を長くし（つまり、間欠取り込み）すると共に、処理金額の上限と、入金処理において既に入金をした金額との差額が、入金処理の対象金種のうちの、最も高額の金種の金額以下になったタイミングで、入金処理を停止する。具体例として、入金処理の対象金種の内、最も高額の金種が１００元であり、処理金額の上限が５００００元であるとする。入金部２１から既に繰り出されかつ、識別部２４が識別する前の紙幣が４枚である場合、入金処理において既に入金をした金額が４９５００以上であれば、入金部２１は、間欠取り込みを行う。その後、入金処理において既に入金をした金額が４９９００元以上になれば、入金処理を停止する。停止パターン４も、入金処理を早めに停止することができる。

　（停止パターン５）
　停止パターン５は、入金部２１から取り込んだ紙幣が、処理金額が上限を超えることに起因してリジェクトされたタイミングで、入金処理を停止する。具体例として、入金処理の対象金種が、１００元、５０元、２０元、１０元、５元、及び１元の６金種であり、処理金額の上限が５００００元であるとする。そして、入金処理において既に入金をした金額が４９９５０元のときに、識別部２４が識別をした紙幣が２０元、１０元、５元及び１元紙幣であれば、当該紙幣を受け入れると共に入金処理を継続する一方、５０元又は１００元紙幣であれば、当該紙幣をリジェクトすると共に入金処理を停止する。停止パターン５は、入金処理が、処理金額が上限に至らないうちに、早めに停止してしまうことを防止することができる。

　図示は省略するが、担当者は、操作部２７を操作することによって、前述した停止パターン１～５の中から、任意の停止パターンを選択することが可能である。つまり、担当者は、紙幣処理装置１の使用条件に応じて、最適な停止パターンを設定することができる。

　尚、紙幣処理装置１において入金処理を停止する条件は、前述した停止パターン１～５に限らない。担当者は、操作部２７を操作することによって、入金処理を停止する条件を、適宜、設定することが可能である。

　尚、ここで説明をした入金処理時の制限に関する制御は、一つの通貨を対象とした入金処理に限らず、複数の通貨を含む入金処理時に適用することもできる。その場合は、通貨レートの情報を、ストレージ２５に予め記憶しておき、通貨レートの情報を利用して、入金処理時の処理金額を算出すればよい。

　また、ここでは、紙幣処理装置１の入金処理時について説明をしたが、紙幣処理装置１の補充処理時も、同様の制御を行うことができる。

　（テープ式の収納モジュールの収納・繰出制御）
　前述したように、紙幣処理装置１の金種別収納部３１は、紙幣を金種別に収納する。一つの金種別収納部３１に一つの金種の紙幣を収納する場合もあれば、紙幣処理装置１が取り使う金種の数が多いときには、一つの金種別収納部３１に、複数の金種の紙幣を収納する場合がある（いわゆる混合収納）。

　テープ式の収納モジュールは、収納した紙幣を、一枚ずつ順に繰り出すことが可能である。紙幣の繰り出し順は、収納モジュールへの紙幣の収納順によって決定される。つまり、収納モジュールに先に収納した紙幣の繰り出し順は、後になる。

　混合収納をしている金種別収納部３１から、例えば出金部２３に出金するために、所望の金種の紙幣を繰り出そうとしたとき、所望の金種の紙幣を繰り出す前に、他の金種（つまり、出金部２３に出金しない金種）の紙幣を繰り出さなければならない場合がある。出金部２３に出金しない紙幣は、一時保留部３３に一時的に収納される。一時保留部３３に収納された紙幣は、出金処理が完了した後に、一時保留部３３から繰り出されると共に、元の金種別収納部３１に再収納される。

　このため、場合によっては、紙幣が、金種別収納部３１と一時保留部３３との間を、何回も往復してしまう。紙幣の搬送を繰り返していると、紙幣の位置が次第にずれてしまい、紙幣の詰まりを招く恐れがある。

　このことについて、図１１を参照しながら、具体的に説明をする。図１１は、金種別収納部３１、出金部２３及び一時保留部３３を、それぞれ概念的に描いている。ここでは、ユーロ紙幣を例示しているが、通貨は、どのような通貨であってもよい。金種別収納部３１には、先に収納された順に、２０ユーロ紙幣が５枚、次いで１０ユーロ紙幣が１０枚、次いで５ユーロ紙幣が８枚、次いで２０ユーロ紙幣が１００枚、次いで、１０ユーロ紙幣が１枚、最後に５ユーロ紙幣が２０枚、収納されているとする。

　この状態で、５ユーロ紙幣、１０ユーロ紙幣、２０ユーロ紙幣をそれぞれ５枚ずつ、出金部２３に出金する。金種別収納部３１からは先ず、５ユーロ紙幣が繰り出される。５枚の５ユーロ紙幣は、出金部２３に出金され、残りの１５枚の５ユーロ紙幣は、一時保留部３３に収納される。

　次に、金種別収納部３１から１０ユーロ紙幣が繰り出され、１枚の１０ユーロ紙幣は、出金部２３に出金される。次に、金種別収納部３１から２０ユーロ紙幣が繰り出され、５枚の２０ユーロ紙幣は、出金部２３に出金される。残りの９５枚の２０ユーロ紙幣は、一時保留部３３に収納される。

　次に、金種別収納部３１から５ユーロ紙幣が繰り出されるが、５枚の５ユーロ紙幣は、既に出金部２３に出金されているため、８枚の５ユーロ紙幣は全て、一時保留部３３に収納される。

　そして、金種別収納部３１から４枚の１０ユーロ紙幣が繰り出され、４枚の１０ユーロ紙幣が全て出金部２３に出金される。こうして、５ユーロ紙幣、１０ユーロ紙幣、２０ユーロ紙幣をそれぞれ５枚ずつ、出金部２３に出金することが完了する。一時保留部３３に一時的に収納された、８枚の５ユーロ紙幣、９５枚の２０ユーロ紙幣、１５枚の５ユーロ紙幣はそれぞれ、一時保留部３３から繰り出され、元の金種別収納部３１に収納される。これらの紙幣（特に、９５枚の２０ユーロ紙幣の一部）は、金種別収納部３１と一時保留部３３との間を、何回も往復する可能性がある。また、出金部２３に出金しない大量の紙幣を、金種別収納部３１から繰り出して一時保留部３３まで搬送しなければならないため、出金処理に長時間を要することになる。

　これらの問題を解決するため、金種別収納部３１への紙幣の収納、及び、金種別収納部３１からの紙幣の繰り出しは、以下のように行ってもよい。すなわち、図１２に示すように、複数の（図例では２つの）金種別収納部３１Ａ、３１Ｂを、一つの金種別収納部３１と見なして、複数の金種の紙幣を、これら複数の金種別収納部３１Ａ、３１Ｂに分けて収納する。具体的には、図１２に示すように、第１の金種別収納部３１Ａには、一つの金種について、最大５枚の紙幣を連続して収納する。５枚を超える紙幣を、金種別収納部３１に収納しなければならないときには、残りの紙幣を第２の金種別収納部３１Ｂに収納する（図１２の破線の矢印参照）。

　図１２の例は、図１１に示した紙幣の収納順と同じである。つまり、第１の金種別収納部３１Ａに先ず、５枚の２０ユーロ紙幣が収納された後、１０枚の１０ユーロ紙幣のうちの５枚が第１の金種別収納部３１Ａに収納されると共に、第２の金種別収納部３１Ｂに、残りの５枚の１０ユーロ紙幣が収納される。次いで、８枚の５ユーロ紙幣のうちの５枚が第１の金種別収納部３１Ａに収納されると共に、残り３枚の５ユーロ紙幣が第２の金種別収納部３１Ｂに収納される。また、１００枚の２０ユーロ紙幣のうちの５枚が第１の金種別収納部３１Ａに収納されると共に、残り９５枚の２０ユーロ紙幣が第２の金種別収納部３１Ｂに収納される。そして、１枚の１０ユーロ紙幣が第１の金種別収納部３１Ａに収納された後、２０枚の５ユーロ紙幣のうちの５枚が第１の金種別収納部３１Ａに収納されると共に、残り１５枚の５ユーロ紙幣が第２の金種別収納部３１Ｂに収納される。

　この状態で、５ユーロ紙幣、１０ユーロ紙幣、２０ユーロ紙幣をそれぞれ５枚ずつ、出金部２３に出金する。第１の金種別収納部３１Ａからは先ず、５ユーロ紙幣が５枚、繰り出される。５枚の５ユーロ紙幣は、出金部２３に出金される。次いで、第１の金種別収納部３１Ａから、１枚の１０ユーロ紙幣が繰り出され、出金部２３に出金される。次いで、第１の金種別収納部３１Ａから、５枚の２０ユーロ紙幣が繰り出され、出金部２３に出金される。次いで、第１の金種別収納部３１Ａから、５枚の５ユーロ紙幣が繰り出される。この５枚の５ユーロ紙幣は全て、一時保留部３３に収納される。最後に４枚の１０ユーロ紙幣が、第１の金種別収納部３１Ａから繰り出され、出金部２３に出金される。こうして、出金処理が完了する。このとき、一時保留部３３は、５枚の５ユーロ紙幣しか収納していない。

　このように、複数の金種の紙幣を、複数の金種別収納部３１Ａ、３１Ｂに分けて、収納をすることによって、所望の金種の紙幣を、速やかに出金することが可能になる。また、出金部２３に出金しない紙幣を、金種別収納部３１から繰り出すことが抑制される。金種別収納部３１と一時保留部３３との間を、紙幣が何回も往復してしまうことが防止されるため、紙幣の詰まりを未然に防止することが可能になる。また、出金処理の時間が短縮する。

　尚、第１の金種別収納部３１Ａに収納する金種毎の紙幣の枚数は、適宜の枚数に設定することが可能である。発明者らの検討によれば、出金は一金種について３～５枚であることが多いため、第１の金種別収納部３１Ａに収納する金種毎の紙幣の枚数は、３～５枚程度にすることが望ましい。

　尚、定期的に、第１の金種別収納部３１Ａ内の紙幣の収納状態が、金種毎に所定の枚数となるように、第２の金種別収納部３１Ｂ内の紙幣を繰り出して、第１の金種別収納部３１Ａに収納してもよい。

　また、出金枚数が、一金種につき５枚以上で大幅に多いときには、第２の金種別収納部３１Ｂから繰り出した紙幣を、出金部２３に出金するようにしてもよい。こうすることで、出金処理の時間を短くすることが可能になる。

　ここに開示する技術は、紙幣処理装置に適用されることに限らない。ここに開示する技術は、硬貨の処理を行う硬貨処理装置に適用することが可能である。また、ここに開示する技術は、紙幣及び硬貨の処理を行う貨幣処理装置に適用することが可能である。

１　紙幣処理装置（貨幣処理装置）
１０　本体部
１５１　制限部

Claims (16)

1. 　貨幣に関する一つ以上の処理を行うよう構成された本体部と、
   　装置の使用条件に基づいて、前記貨幣の処理枚数、又は、処理金額の上限を定めかつ、前記本体部が行う前記処理を制限するよう構成された制限部と、を備えている貨幣処理装置。
2. 　前記制限部は、前記装置の使用目的に関する条件に基づいて、処理枚数、又は、処理金額の上限を定めるよう構成されている請求項１に記載の貨幣処理装置。
3. 　前記制限部は、前記装置を使用する事業の種別に基づいて、処理枚数、又は、処理金額の上限を定めるよう構成され、
   　前記事業は、金融業、及び、小売業を含んでいる請求項２に記載の貨幣処理装置。
4. 　前記制限部は、前記装置を使って行う業務の種別に基づいて、処理枚数、又は、処理金額の上限を定めるよう構成されている請求項２又は３に記載の貨幣処理装置。
5. 　前記制限部は、前記本体部が実行する前記処理の種別に基づいて、処理枚数、又は、処理金額の上限を定めるよう構成されている請求項２～４のいずれか１項に記載の貨幣処理装置。
6. 　前記処理は、前記貨幣を前記装置の中に取り込む入金処理、前記貨幣を前記装置の外に繰り出す出金処理、前記装置の中に前記貨幣を補充する補充処理、及び、前記装置の中の前記貨幣を回収する回収処理、の少なくとも２つを含んでいる請求項５に記載の貨幣処理装置。
7. 　前記制限部は、前記貨幣を前記装置の中に取り込む入金処理の処理金額の上限を定めかつ、前記本体部が前記入金処理時に処理を行った前記貨幣の金額と、前記処理金額の上限とに応じて、前記入金処理を停止する請求項５に記載の貨幣処理装置。
8. 　前記制限部は、前記本体部が前記入金処理時に処理を行った前記貨幣の金額と前記処理金額の上限との差額と、前記入金処理の対象金種とに応じて、前記入金処理を停止する請求項７に記載の貨幣処理装置。
9. 　前記制限部は、前記装置が設置される場所に関する条件に基づいて、処理枚数、又は、処理金額の上限を定めるよう構成されている請求項１～８のいずれか１項に記載の貨幣処理装置。
10. 　前記制限部は、前記装置を使用する使用者に関する条件に基づいて、処理枚数、又は、処理金額の上限を定めるよう構成されている請求項１～９のいずれか１項に記載の貨幣処理装置。
11. 　前記制限部は、前記装置を使用する使用者の種別に基づいて、処理枚数、又は、処理金額の上限を定めるよう構成され、
    　前記使用者は、顧客、顧客対応担当者、現金管理者、及び、警備輸送担当者の少なくとも２つを含んでいる請求項１０に記載の貨幣処理装置。
12. 　前記制限部は、前記装置の運用に関する条件に基づいて、処理枚数、又は、処理金額の上限を定めるよう構成されている請求項１～１１のいずれか１項に記載の貨幣処理装置。
13. 　前記制限部は、前記装置を運用する形態の種別に基づいて、処理枚数、又は、処理金額の上限を定めるよう構成され、
    　前記運用の形態は、金融業の担当者が使用するテラー運用形態、小売業の担当者が使用するリテール運用形態、金融業の担当者が同席した状態で顧客が使用するセミセルフ運用形態、及び、顧客が単独で使用するセルフ運用形態の少なくとも２つを含んでいる請求項１２に記載の貨幣処理装置。
14. 　前記制限部は、前記装置を使用する日時に関する条件に基づいて、処理枚数、又は、処理金額の上限を定めるよう構成されている請求項１～１３のいずれか１項に記載の貨幣処理装置。
15. 　前記制限部は、前記本体部が実行する処理の対象の顧客に基づいて、処理枚数、又は、処理金額の上限を定めるよう構成されている請求項１～１４のいずれか１項に記載の貨幣処理装置。
16. 　前記制限部は、前記本体部が前記処理を実行するときの前記装置の状態に基づいて、処理枚数、又は、処理金額の上限を定めるよう構成されている請求項１～１５のいずれか１項に記載の貨幣処理装置。

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