WO2018042861A1

WO2018042861A1 - 車両用操作システム及びコンピュータプログラム

Info

Publication number: WO2018042861A1
Application number: PCT/JP2017/023968
Authority: WO
Inventors: 水野　航; 和友土川; 鈴木　大介; 渡辺　慶範; 太一郎一丸; 大介滑川
Original assignee: 株式会社デンソー
Priority date: 2016-09-01
Filing date: 2017-06-29
Publication date: 2018-03-08
Also published as: US11276378B2; DE112017004385T5; JP6669017B2; US20210280157A1; JP2018034716A; CN109661702A

Abstract

車両のハンドル（９）に対してドライバが所定操作を行うことで、制御対象機器（６）の制御を行う車両用操作システム（１）は、ドライバの視線位置を算出する視線位置算出部（２ｃ）と、視線位置算出部の算出結果と、ハンドルの座標位置とを用い、ドライバの視線位置から見てハンドルの奥側に設けられている表示部（７，８）において当該ハンドルの陰に隠れない表示位置を算出する表示位置算出部（２ｄ）と、ハンドルに対する操作の内容を示す表示情報を表示位置に表示させる表示制御部（２ｅ）と、を備える。

Description

車両用操作システム及びコンピュータプログラム

関連出願の相互参照

　本出願は、２０１６年９月１日に出願された日本出願番号２０１６－１７０８１３号に基づくもので、ここにその記載内容を援用する。

　本開示は車両用操作システム及びコンピュータプログラムに関する。

　車両のハンドルに対してドライバが所定操作を行うことで、制御対象機器の制御を行う車両用操作システムが供されている。この種の車両用操作システムは、ハンドルに対する操作の内容を示す表示情報（即ちアイコン等）を、ドライバが視認可能となるように例えばヘッドアップディスプレイ等に表示する。ドライバは、表示情報を視認してハンドルに対して所定操作を行うことで、例えばオーディオ装置やエアコン装置の各種設定等を車両前方からの視線移動を少なくしてハンドルの周辺で行うことができる。

特許第５９０９０４８号公報

　表示情報の表示位置が固定されている構成では、以下の問題が想定される。即ち、例えばドライバが長時間に亘って運転する等してドライバの姿勢が運転中に変化すると、ドライバの視線位置（即ち目の位置）が下がり、表示情報がドライバの視線位置から見てハンドルの陰に隠れてしまう虞がある。そのため、このような状況になると、ドライバが表示情報を視認するには姿勢を直す手間が発生し、その手間が煩雑である。特に車速が比較的速い状況では姿勢を直す手間が躊躇されると想定される。

　本開示は、ドライバの姿勢が変化した場合でも、ハンドルに対する操作の内容を示す表示情報をドライバに適切に視認させることができ、利便性を高めることができる車両用操作システム及びコンピュータプログラムを提供することにある。

　本開示の一態様によれば、車両のハンドルに対してドライバが所定操作を行うことで、制御対象機器の制御を行う車両用操作システムにおいて、視線位置算出部は、ドライバの視線位置を算出する。表示位置算出部は、視線位置算出部の算出結果と、ハンドルの座標位置とを用い、ドライバの視線位置から見てハンドルの奥側に設けられている表示部において当該ハンドルの陰に隠れない表示位置を算出する。表示制御部は、ハンドルに対する操作の内容を示す表示情報を表示位置に表示させる。

　ドライバの視線位置を算出した算出結果と、ハンドルの座標位置とを用い、表示部において当該ハンドルの陰に隠れない表示位置を算出し、ハンドルに対する操作の内容を示す表示情報を表示位置に表示するようにした。ドライバの姿勢が変化した場合でも、ハンドルに対する操作の内容を示す表示情報をドライバに適切に視認させることができ、利便性を高めることができる。

　本開示についての上記目的及びその他の目的、特徴や利点は、添付の図面を参照しながら下記の詳細な記述により、より明確になる。その図面は、
図１は、一実施形態を示す機能ブロック図であり、図２は、ハンドル及びメータディスプレイの周辺の構成を示す図であり、図３は、表示情報の表示態様を示す図（その１）であり、図４は、表示情報の表示態様を示す図（その２）であり、図５は、表示情報の表示態様を示す図（その３）であり、図６は、フローチャートであり、図７は、表示情報の表示態様を示す図（その４）であり、図８は、表示情報の表示態様を示す図（その５）であり、図９は、表示情報の表示態様を示す図（その６）である。

　以下、一実施形態について図面を参照して説明する。車両用操作システム１は、制御部２と、記憶部３と、操作検知部４と、カメラ５（撮影部に相当する）と、制御対象機器６と、メータディスプレイ７（表示部に相当する）と、ヘッドアップディスプレイ８（表示部に相当する）とを有する。

　操作検知部４は、車室内のハンドル９に設けられている静電センサを含み、ハンドル９に対するドライバの操作を検知し、そのドライバの操作を示す操作検知信号を制御部２に出力する。操作検知部４は、ハンドル９に対するドライバの操作を検知可能であれば、どのようなセンサを含む構成でも良く、光センサ、温度センサ、圧力センサ等を含む構成でも良い。ドライバがハンドル９に対して行う操作は、叩く、滑らせる等である。

　カメラ５は、車室内において運転席に着座しているドライバの顔を含む範囲を撮影可能に配置されており、その撮影した映像を含む映像信号を制御部２に出力する。カメラ５は、例えばＣＣＤ（Charge Coupled Device）イメージセンサやＣＭＯＳ（Complementary Metal Oxide Semiconductor）イメージセンサ等であり、単数であっても良いし複数であっても良い。

　制御対象機器６は、例えばオーディオ装置やエアコン装置であり、制御部２から制御信号を入力すると、その制御信号により指定された制御を行う。制御対象機器６は、例えばオーディオ装置であれば、音量の調整等を指定する制御信号を入力すると、音量の調整等を行い、エアコン装置であれば、温度、風量、風向の調整等を指定する制御信号を入力すると、温度、風量、風向の調整等を行う。

　メータディスプレイ７は、図２に示すように、車室内においてハンドル９とダッシュボード１０との間に設けられており、ドライバの視線位置から見てハンドル９の奥側に設けられている。メータディスプレイ７は、ハンドル９側の平面部、即ち、ドライバが視認可能な平面部の殆どの領域が表示領域７ａとされており、制御部２から表示指令信号を入力すると、その表示指令信号により指定された情報を表示領域７ａに表示する。メータディスプレイ７の表示領域７ａに表示される情報は、車速、エンジン回転数、積算走行距離、燃料の量、電子ミラーシステムの映像等である。

　ヘッドアップディスプレイ８は、映像を投影する投影器を含み、図２に示すように、フロントウインドウ１１において投影器から映像が投影されるドライバの真正面の領域が表示領域８ａとされている。即ち、ヘッドアップディスプレイ８も、メータディスプレイ７と同様に、ドライバの視線位置から見てハンドル９の奥側に設けられており、制御部２から表示指令信号を入力すると、その表示指令信号により指定された情報を表示領域８ａに表示する。ドライバは、車両前方からの視線移動を少なくしてメータディスプレイ７やヘッドアップディスプレイ８に表示される情報を視認可能となっている。

　制御部２は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）、ＲＯＭ（Read Only Memory）、ＲＡＭ（Random Access Memory）及びＩ／Ｏ（Input／Output）を有するマイクロコンピュータにより構成されている。制御部２は、非遷移的実体的記録媒体に格納されているコンピュータプログラムを実行することで、コンピュータプログラムに対応する処理を実行し、車両用操作システム１の動作全般を制御する。記憶部３は、ハンドル９の３次元の座標位置を示す座標位置データを保持している。即ち、記憶部３は、ドライバがハンドル９の位置を調整すると、その調整前の３次元の座標位置を示す座標位置データを調整後の３次元の座標位置を示す座標位置データに更新し、最新の座標位置データを保持する。

　制御部２は、操作判定部２ａと、映像認識部２ｂと、視線位置算出部２ｃと、表示位置算出部２ｄと、表示制御部２ｅとを有する。これらの各部２ａ～２ｅは制御部２が実行するコンピュータプログラムにより構成されており、ソフトウェアにより実現されている。

　操作判定部２ａは、操作検知部４から操作検知信号を入力すると、その入力した操作検知信号によりハンドル９に対するドライバの操作を判定し、その判定結果により制御信号を制御対象機器６に出力する。操作判定部２ａは、ドライバの操作がオーディオ装置に対する音量の調整等であると判定すると、音量の調整等を指定する制御信号をオーディオ装置に出力し、ドライバの操作がエアコン装置に対する温度、風量、風向の調整等であると判定すると、温度、風量、風向の調整等を指定する制御信号をエアコン装置に出力する。

　映像認識部２ｂは、カメラ５から映像信号を入力すると、その入力した映像信号に含まれる映像を認識し、カメラ５により撮影されたドライバの顔を含む映像を認識する。視線位置算出部２ｃは、映像認識部２ｂの認識結果を用い、ドライバの顔位置を算出し、ドライバの視線位置（即ち目の位置）を算出する。

　表示位置算出部２ｄは、視線位置算出部２ｃの算出結果と、記憶部３に記憶されている座標位置データとを用い、ドライバの視線位置から見てメータディスプレイ７及びヘッドアップディスプレイ８においてハンドル９の陰に隠れない表示位置を算出する。表示制御部２ｅは、表示指令信号をメータディスプレイ７やヘッドアップディスプレイ８に出力し、ハンドル９に対する操作の内容を示す表示情報をメータディスプレイ７やヘッドアップディスプレイ８においてハンドル９の上方に対応する箇所に表示させる。

　上記した構成では、制御部２は、図３に示すように、オーディオ装置の操作を示す表示情報１２（「Ａｕｄｉｏ」の文字列１２ａ、アイコン１２ｂ）と、エアコン装置の操作を示す表示情報１３（「エアコン」の文字列１３ａ、アイコン１３ｂ）と、車両制御の操作を示す表示情報１４（「車両」の文字列１４ａ、アイコン１４ｂ）とを同時にメータディスプレイ７に表示可能である。制御部２は、「Ａｕｄｉｏ」の文字列１２ａを右上がりとし、「エアコン」の文字列１３ａを水平とし、「車両」の文字列１４ａを右下がりとし、アイコン１２ｂ，１３ｂ，１４ｂを円弧形状とし、表示情報１２～１４をハンドル９の形状に沿う表示態様で表示させる。

　制御部２は、図３に示す状態からハンドル９において表示情報１２に対応する箇所（即ちアイコン１２ｂに沿う箇所）９ａの付近をドライバが叩いたと判定すると、ドライバがオーディオ装置の各種設定を選択したと判定し、図３の表示態様から図４の表示態様に切り換える。制御部２は、図４の表示態様では、ＦＭの操作を示す表示情報１５（「ＦＭ」の文字列１５ａ、アイコン１５ｂ）と、ｉＰｏｄ（登録商標）の操作を示す表示情報１６（「ｉＰｏｄ」の文字列１６ａ、アイコン１６ｂ）と、ＤＩＳＣの操作を示す表示情報１７（「ＤＩＳＣ」の文字列１７ａ、アイコン１７ｂ）とを同時に表示させる。この場合も、制御部２は、表示情報１２～１４をハンドル９の形状に沿う表示態様で表示させる。これ以降、ドライバは、ハンドル９において表示情報１５～１７のうち何れかに対応する箇所を叩くことで、オーディオ装置の各種設定を階層的に行うことができる。

　又、制御部２は、図３に示す状態からハンドル９において表示情報１３に対応する箇所（即ちアイコン１３ｂに沿う箇所）９ｂの付近をドライバが叩いたと判定すると、ドライバがエアコン装置の各種設定を選択したと判定し、図３の表示態様から図５の表示態様に切り換える。制御部２は、図５の表示態様では、温度手動設定の操作を示す表示情報１８（「ＴＥＭＰ」の文字列１８ａ、アイコン１８ｂ）と、温度自動設定の操作を示す表示情報１９（「ＡＵＴＯ」の文字列１９ａ、アイコン１９ｂ）と、風向の操作を示す表示情報２０（風向のイメージ画２０ａ、アイコン２０ｂ）とを同時に表示させる。この場合も、制御部２は、表示情報１８～２０をハンドル９の形状に沿う表示態様で表示させる。これ以降、ドライバは、ハンドル９において表示情報１８～２０のうち何れかに対応する箇所を叩くことで、エアコン装置の各種設定を階層的に行うことができる。同様に、制御部２は、図３に示す状態からハンドル９において表示情報１４に対応する箇所（即ちアイコン１４ｂに沿う箇所）９ｃの付近をドライバが叩いたと判定すると、ドライバが車両制御の各種設定を選択したと判定する。

　このように表示情報をメータディスプレイ７に表示する構成では、ドライバの姿勢が運転中に変化すると、ドライバの視線位置が下がり、表示情報がドライバの視線位置から見てハンドルの陰に隠れてしまう虞があり、ドライバが表示情報を視認するには姿勢を直す手間が発生するという問題がある。この点に関し、制御部２は以下に示す制御を行う。

　次に、上記した構成の作用について図６から図８を参照して説明する。制御部２は、前述した表示情報の表示位置を、ドライバの視線位置に応じて制御する表示位置制御処理を行う。制御部２は、例えば表示情報の表示開始条件が成立し、表示情報の表示を開始すると、表示位置制御処理の開始条件が成立したと判定し、表示位置制御処理を開始する。制御部２は、表示位置制御処理を開始すると、カメラ５から入力した映像信号に含まれる映像を認識し、カメラ５により撮影されたドライバの顔を含む映像を認識する（Ｓ１）。制御部２は、その認識結果を用い、ドライバの顔位置を算出し、ドライバの視線位置を算出する（Ｓ２、視線位置算出手順に相当する）。

　制御部２は、視線位置算出部２ｂの算出結果と、記憶部３に記憶されている座標位置データとを用い、現在の表示位置がドライバの視線位置から見てハンドル９の陰に隠れている表示位置であるか否か、即ち、表示情報がドライバの視線位置から見てハンドル９の陰に隠れているかを判定する（Ｓ３）。制御部２は、表示情報がドライバの視線位置から見てハンドル９の陰に隠れていないと判定すると（Ｓ３：ＮＯ）、表示位置制御処理の終了条件が成立したか否かを判定する（Ｓ８）。

　一方、制御部２は、表示情報がドライバの視線位置から見てハンドル９の陰に隠れていると判定すると（Ｓ３：ＹＥＳ）、ドライバの視線位置から見てハンドル９の陰に隠れない表示位置を算出する（Ｓ４、表示位置算出手順に相当する）。制御部２は、表示情報の所定箇所の幅と、メータディスプレイ７の表示領域７ａの上端部からハンドル９の上端部までの幅とを照合し、表示情報の全てをメータディスプレイ７の表示領域７ａのみに表示可能であるか否かを判定する（Ｓ５）。制御部２は、表示情報の全てをメータディスプレイ７の表示領域７ａのみに表示可能であると判定すると（Ｓ５：ＹＥＳ）、表示指令信号をメータディスプレイ７に出力し、表示情報をメータディスプレイ７のみに表示させる（Ｓ６、表示制御手順に相当する）。

　一方、制御部２は、表示情報の全てをメータディスプレイ７の表示領域７ａのみに表示可能でなく、表示情報の一部をメータディスプレイ７の表示領域７ａに表示し、表示情報の残りの一部をヘッドアップディスプレイ８の表示領域８ａに表示する必要があると判定すると（Ｓ５：ＮＯ）、表示指令信号をメータディスプレイ７及びヘッドアップディスプレイ８に出力し、表示情報をメータディスプレイ７とヘッドアップディスプレイ８とに跨って表示させる（Ｓ７、表示制御手順に相当する）。

　制御部２は、例えば表示情報の表示終了条件が成立する等の表示位置制御処理の終了条件が成立したか否かを判定し（Ｓ８）、表示位置制御処理の終了条件が成立していないと判定すると（Ｓ８：ＮＯ）、ステップＳ１に戻り、ステップＳ１以降を繰り返して行う。一方、制御部２は、表示情報の表示終了条件が成立し、表示情報の表示を終了すると、表示位置制御処理の終了条件が成立したと判定し（Ｓ８：ＹＥＳ）、表示位置制御処理を終了する。

　制御部２は、以上に説明した処理を行うことで、表示情報の表示位置を以下に示すように制御する。図３に示したように表示情報１２～１４を表示している状態からドライバの顔の位置が下がり、ドライバの視線位置が下がると、メータディスプレイ７の表示領域７ａの上端部からハンドル９の上端部までのドライバが視認可能な範囲が上下方向に狭くなる（即ち図３中「Ｄ１」＞図７及び図８中「Ｄ２」）。そのため、ドライバの視線位置が下がったときに図３に示した表示態様のままにしておくと、図７に示すように、表示情報１２～１４の一部がハンドル９の陰に隠れることになる。

　これに対し、本実施形態では、制御部２は、ドライバの視線位置が下がったと判定し、表示情報がドライバの視線位置から見てハンドル９の陰に隠れたと判定すると、ドライバの視線位置から見てハンドル９の陰に隠れない表示位置を算出する。そして、制御部２は、図８に示すように、その算出した表示位置に表示情報１２～１４を表示させ、表示情報１２～１４の表示位置を変更することで、表示情報１２～１４の一部がハンドル９の陰に隠れる事態を回避する。図８では、制御部２は、表示情報１２～１４の全てをメータディスプレイ７の表示領域７ａのみに表示可能であると判定し、表示情報１２～１４をメータディスプレイ７のみに表示させる。

　ドライバの視線位置が更に下がると、メータディスプレイ７の表示領域７ａの上端部からハンドル９の上端部までのドライバが視認可能な範囲が上下方向に更に狭くなる（即ち図７及び図８中「Ｄ２」＞図９中「Ｄ３」）。この場合も、制御部２は、ドライバの視線位置が更に下がったと判定し、表示情報１２～１４がドライバの視線位置から見てハンドル９の陰に隠れたと判定すると、ドライバの視線位置から見てハンドル９の陰に隠れない表示位置を算出する。そして、制御部２は、図９に示すように、その算出した表示位置に表示情報１２～１４を表示させ、表示情報１２～１４の表示位置を変更することで、表示情報１２～１４の一部がハンドル９の陰に隠れる事態を回避する。図９では、制御部２は、表示情報１２～１４の全てをメータディスプレイ７の表示領域７ａのみに表示可能でないと判定し、表示情報１２～１４をメータディスプレイ７とヘッドアップディスプレイ８とに跨って表示させる。

　尚、以上は、表示情報１２～１４を同時に表示する場合を説明したが、図４に示したようにオーディオ装置の各種設定に関する表示情報１５～１７を同時に表示する場合や図５に示したようにエアコン装置の各種設定に関する表示情報１８～２０を同時に表示する場合も同様である。又、２個以下の表示情報を同時に表示する場合や４個以上の表示情報を同時に表示するも同様である。

　又、制御部２は、ドライバの視線位置が下がった後に上がり、ドライバの視線位置が下がる前の位置まで戻ると、表示情報の表示位置をドライバの視線位置が下がる前の位置まで戻しても良い。即ち、図９に示したように表示情報１２～１４を表示している状態からドライバの顔の位置が上がり、ドライバの視線位置が上がると（即ち戻ると）、メータディスプレイ７の表示領域７ａの上端部からハンドル９の上端部までのドライバが視認可能な範囲が上下方向に広くなる。この場合、表示情報１２～１４の表示位置をそのまま放置すると、表示情報１２～１４とハンドル９の上端部との乖離が比較的大きくなり、ドライバが違和感を抱く可能性があるが、表示情報１２～１４の表示位置をドライバの視線位置が下がる前の位置まで戻すことで、ドライバが違和感を抱く事態を回避する。即ち、制御部２は、表示情報がドライバの視線位置から見てハンドル９の陰に隠れていないと判定すると（Ｓ３：ＮＯ）、ハンドル９の上端部から表示情報１２～１４までの距離を判定し、その距離が予め設定されている所定距離以上であると判定すると、表示情報１２～１４とハンドル９の上端部との乖離が比較的大きいと判定し、その乖離が比較的小さくなるように表示情報１２～１４の表示位置を変更する制御を行っても良い。

　以上に説明したように本実施形態によれば、次に示す効果を得ることができる。
　車両用操作システム１において、ドライバの視線位置を算出した算出結果と、ハンドル９の座標位置とを用い、ハンドル９の陰に隠れない表示位置を算出し、ハンドル９に対する操作の内容を示す表示情報を表示位置に表示するようにした。ドライバの姿勢が変化した場合でも、ハンドル９に対する操作の内容を示す表示情報をドライバに適切に視認させることができ、利便性を高めることができる。即ち、ドライバは、複数の選択肢を適切に視認することができ、複数の選択肢から何れかを選択する操作を適切に行うことができる。

　又、表示情報の全てをメータディスプレイ７の表示領域７ａのみに表示可能であると判定すると、表示情報をメータディスプレイ７のみに表示し、一方、表示情報の全てをメータディスプレイ７の表示領域７ａのみに表示可能でないと判定すると、表示情報をメータディスプレイ７とヘッドアップディスプレイ８とに跨って表示するようにした。ドライバの視線位置が下がった程度が比較的小さければ、表示情報をメータディスプレイ７のみに表示し、ドライバの視線位置が下がった程度が比較的大きければ、表示情報をメータディスプレイ７とヘッドアップディスプレイ８とに跨って表示することで、ドライバの視線位置が下がった程度に応じて柔軟に対応することができる。

　本開示は、実施例に準拠して記述されたが、当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、更には、それらに一要素のみ、それ以上、或いはそれ以下を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。

　ハンドルに対する操作の内容を示す表示情報として、階層的な選択肢を示す複数の表示情報をハンドル９の形状に沿う表示態様で表示する場合を例示したが、例えばオーディオ装置における音量の大小やエアコン装置における温度の高低をスライドバーで示す表示情報をハンドル９の形状に沿う表示態様で表示する場合に適用しても良い。このような構成によれば、ドライバは、音量の大小や温度の高低を適切に視認することができ、例えば手をハンドル９の形状に沿って滑らせることで、音量の大小や温度の高低を調節する操作を適切に行うことができる。

　制御対象機器としてオーディオ装置やエアコン装置を例示したが、ＣＡＮ（Controller Area Network）（登録商標）やＭＯＳＴ（Media Oriented Systems Transport）（登録商標）等の車載ネットワークを介して接続される機器やユニット等を採用する構成でも良い。即ち、制御対象機器として例えばレーンキープ機能等を有する高度運転支援システムユニット、アクセル自動制御機能やブレーキ自動制御機能等を有する自動運転システムユニット等を採用する構成でも良い。又、制御対象機器として車両に固定的に設置されている車載電話機、ドライバが車室内に持ち込み可能な簡易型の携帯電話機や例えばスマートフォンと称される多機能型の携帯電話機を採用する構成でも良い。ドライバが車室内に持ち込み可能な携帯電話機であれば、制御部２との間で例えばＢｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）接続することで、制御部２から各種信号を入力して各種制御を行う。

Claims

　車両のハンドル（９）に対してドライバが所定操作を行うことで、制御対象機器（６）の制御を行う車両用操作システム（１）において、
　ドライバの視線位置を算出する視線位置算出部（２ｃ）と、
　前記視線位置算出部の算出結果と、前記ハンドルの座標位置とを用い、ドライバの視線位置から見て前記ハンドルの奥側に設けられている表示部（７，８）において当該ハンドルの陰に隠れない表示位置を算出する表示位置算出部（２ｄ）と、
　前記ハンドルに対する操作の内容を示す表示情報を前記表示位置に表示させる表示制御部（２ｅ）と、を備えた車両用操作システム。
　前記表示位置算出部は、前記ハンドルの上方に対応する箇所を前記表示位置として算出する請求項１に記載した車両用操作システム。
　前記表示部は、前記ハンドルとダッシュボード（１０）との間に設けられるメータディスプレイ（７）を含み、
　前記表示位置算出部は、前記メータディスプレイにおいて前記表示位置を算出する請求項１又は２に記載した車両用操作システム。
　前記表示部は、前記ハンドルとダッシュボード（１０）との間に設けられるメータディスプレイ（７）と、ヘッドアップディスプレイ（８）とを含み、
　前記表示位置算出部は、前記メータディスプレイと前記ヘッドアップディスプレイとに跨った箇所において前記表示位置を算出する請求項１又は２に記載した車両用操作システム。
　前記表示制御部は、前記表示情報を前記ハンドルの形状に沿う表示態様で前記表示位置に表示させる請求項１から４の何れか一項に記載した車両用操作システム。
　前記表示制御部は、操作の内容が互いに異なる複数の前記表示情報を互いに異なる複数の前記表示位置に表示させる請求項１から５の何れか一項に記載した車両用操作システム。
　撮影部（５）により撮影されたドライバの顔を含む映像を認識する映像認識部（２ｂ）を備え、
　前記視線位置算出部は、前記映像認識部の認識結果を用い、ドライバの顔位置を算出し、ドライバの視線位置を算出する請求項１から６の何れか一項に記載した車両用操作システム。
　車両のハンドル（９）に対してドライバが所定操作を行うことで、制御対象機器（６）の制御を行う車両用操作システム（１）の制御部（２）に、
　ドライバの視線位置を算出する視線位置算出手順と、
　前記視線位置算出手順の算出結果と、前記ハンドルの座標位置とを用い、ドライバの視線位置から見て前記ハンドルの奥側に設けられている表示部（７，８）において当該ハンドルの陰に隠れない表示位置を算出する表示位置算出手順と、
　前記ハンドルに対する操作の内容を示す表示情報を前記表示位置に表示させる表示制御手順と、を実行させるコンピュータプログラム。
　請求項８に記載したコンピュータプログラムを記憶する、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体。