WO2018012237A1 - コネクタ及びこれを備えた電気接続アセンブリ - Google Patents
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Abstract
複数本の電線とコネクタに含まれる端子との相対位置を安定させて高い接続信頼性を確保することが可能な電気接続アセンブリのコネクタ(CN)が提供される。コネクタ(CN)は、電線配列方向に並ぶ複数の電線(10)のそれぞれに対応する複数の端子(20)と、絶縁ハウジング(30)と、を備える。各端子(20)は、絶縁ハウジング(30)の表面よりもさらに外側に突出する外側突出部を含み、当該外側突出部は、絶縁ハウジング(30)の表面よりも外側から離れた位置に電線(10)の導体とはんだ付け等によって接続可能な電線接続面(27a)を有する。電線接続面(27a)は前記電線(10)の電線配列方向の変位を規制する規制部を有する。
Description
本発明は、自動車等に使用される電気接続アセンブリを構成するコネクタ及びこれを備えた電気接続アセンブリに関する。
自動車等に用いられる配線材として、複数本の電線がその軸方向と直交する特定方向に配列された偏平状のものが知られている。当該配線材に含まれる前記複数本の電線を他の回路に接続する手段として、当該複数本の電線を端子及びハウジングを含むコネクタの当該端子に接続することが、行われる。
前記のように配列された複数本の電線に接続されるコネクタ及びこれを備えたアセンブリとして、当該接続がはんだ付けによって行われるものが特許文献1に記載されている。当該特許文献1に記載されるコネクタは、複数の電線のそれぞれに対応する薄板状の複数の端子と、当該複数の端子を保持するハウジングと、を備える。当該ハウジングは平坦な端子配列面を有し、当該端子配列面上で前記複数の端子が露出するように当該複数の端子を保持する。一方、複数本の電線のそれぞれの端末では予め絶縁被覆が除去されて導体が露出しており、当該導体の先端が一列に揃うように前記複数本の電線が当該先端に近い部位で保持される。
前記コネクタにおいて、前記端子の表面に予めクリームはんだがセットされており、前記複数本の端子のそれぞれの導体の先端が前記クリームはんだ上に位置決めされた状態でヒータにより前記端子の表面に押圧されかつ前記クリームはんだが加熱されることにより、当該導体の先端と前記端子の表面とのはんだ付けが行われる。
しかし、前記アセンブリの製造では、複数の電線をまとめて保持しながら当該複数の電線のそれぞれの端末において導体が露出した部分を複数の端子の表面の上に載せて両者のはんだ付けが行われるので、各端子に対する各電線の端末の相対位置が不安定である。このように、各端子に対して各端末をはんだ付けする位置が不安定であることは、当該端子と当該端子との接続の信頼性の向上の妨げとなる。
本発明は、複数本の電線とコネクタとを備えた電気接続アセンブリを構成するコネクタ及びこれを備えた電気接続アセンブリであって、当該複数本の電線と当該コネクタに含まれる端子との相対位置を安定させて高い接続信頼性を確保することが可能なものを提供することを目的とする。
提供されるのは、それぞれが導体を含む複数の電線と接続されることにより、電気接続アセンブリを構成するコネクタであって、前記複数の電線のそれぞれに対応する複数の端子と、前記複数の電線がその長手方向と直交する電線配列方向に間隔をおいて並んだ状態で前記複数の端子にそれぞれ導通可能に接続されることを可能にするように前記複数の端子が前記電線配列方向に並ぶ配列で前記複数の端子を一括して保持する絶縁ハウジングと、を備える。前記複数の端子のそれぞれは、前記絶縁ハウジングの表面よりもさらに外側に突出する外側突出部を含み、当該外側突出部は、前記絶縁ハウジングの表面よりも前記絶縁ハウジングの外側から離れた位置に前記電線の導体と接続可能な電線接続面を有する。前記複数の端子のうちの少なくとも一部の端子の前記電線接続面は、前記電線の前記電線配列方向の両側に位置して前記外側突出部に対する前記電線の前記電線配列方向の相対変位を規制する規制部を有する。
また、それぞれが導体を含む複数の電線と、前記コネクタと、を備えた電気接続アセンブリであって、前記複数の電線がその長手方向と直交する電線配列方向に間隔をおいて並んだ状態で前記複数の端子のそれぞれの電線接続面に接続され、かつ、当該電線接続面のうち前記凹部を構成する電線接続面には当該凹部に前記電線が嵌まり込んだ状態で当該電線の導体が接続されているものが、提供される。
本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1~図10は本発明の第1の実施の形態に係る電気接続アセンブリ及びその製造方法を示す。前記電気接続アセンブリは、複数本の電線10と、当該複数本の電線10を他のコネクタに接続するためのコネクタCNと、を備える。
前記複数本の電線10のそれぞれは、図6及び図7に示すような導体12と、当該導体12を被覆する絶縁被覆14と、を有する。前記複数本の電線10は、その長手方向と直交する電線配列方向に間隔をおいて互いに平行に並んだ状態で前記コネクタCNに接続される。
なお、本発明に係る電線は、前記絶縁被覆14を有しない、いわゆる裸電線であってもよい。あるいは、互いに隣接する電線の絶縁被覆同士が薄板部分を介して相互に一体に連なることにより、いわゆるリボン電線を構成するものであってもよい。
前記コネクタCNは、前記複数の電線10のそれぞれに対応する複数の端子20と、当該複数の端子20をまとめて保持する絶縁ハウジング30と、を備える。
この実施の形態に係る前記複数の端子20のそれぞれは、単一の長尺な金属板により構成された雄型端子であり、図5に示すような被保持部22、電気接触部23及び外側突出部24を有する。前記被保持部22は後述のように前記絶縁ハウジング30に保持される部位である。前記電気接触部23は、この実施の形態では雄型の接触部であって相手方端子の雌型の接触部と嵌合可能な形状を有する。具体的には、前記被保持部22から後述の第1方向に直線状に延びる形状を有する。前記外側突出部24は、前記被保持部22から前記電気接触部23と反対側に突出して前記複数の電線10のうちの対応する電線10に接続される部位である。当該外側突出部24については後に詳述する。
前記絶縁ハウジング30は、合成樹脂等の絶縁材料により成形されたもので、端子保持部32と、フード33と、電線保持部34と、を一体に有する。
前記端子保持部32は、前記複数の端子20のそれぞれの前記被保持部22を保持する部位であり、この実施の形態ではブロック状をなす。当該端子保持部32は、電線10が前記の電線配列方向に間隔をおいて並んだ状態で前記複数の端子20の外側突出部24にそれぞれ導通可能に接続されることを可能にするように前記複数の端子20を当該複数の端子20が前記電線配列方向に並ぶ配列で一括して保持する。
具体的に、当該端子保持部32は、当該端子保持部32を前記各端子20が前記第1方向と平行な方向に貫通する状態で当該端子20の被保持部22を保持する。前記第1方向は、前記端子20に前記電線10が接続された状態において当該電線10の長手方向及び電線配列方向の双方に対して直交する方向であり、図5に示される姿勢では上方向である。つまり、図5に示される姿勢において前記端子20のうち前記被保持部22を含む部分が前記端子保持部32を上下方向に貫通する。当該端子保持部32への当該被保持部22の固定は、当該端子保持部32に設けられた貫通孔への当該被保持部22の圧入により行われてもよいし、接着剤等により行われてもよい。
前記各端子20の電気接触部23は、前記のように被保持部22が前記端子保持部32に保持された状態で当該被保持部22から前記第1方向と反対の方向(図5に示される姿勢では下方向)に延び、当該方向に前記相手方端子の雌型接触部と嵌合する。前記フード33は、前記端子保持部32と一体につながり、前記電気接触部23の軸方向(図5に示される姿勢では上下方向)と直交する方向の外側で当該電気接触部23を囲む筒状をなす。
前記各端子20の外側突出部24は、図6に示すような第1突出部26、第2突出部27及び第3突出部28を一体に有する。前記第1突出部26は、前記端子保持部32の表面(図6では上面32a)から前記第1方向(図6では上方向)に突出する。前記第2突出部27は、前記第1突出部26から前記第1方向よりも前記端子保持部32の表面と平行な方向に近い方向であって前記電線配列方向と直交する第2方向(この実施の形態では前記上面32aと平行な方向;図6では左右方向)に延びる。前記第3突出部28は、前記第2突出部27の両端部のうち前記第1突出部26と反対側の端部(図6では右側端部)から前記第1方向と反対の方向(図6では下方向)に延びる。
この第1の実施の形態では、前記第1突出部26は、厳密には、前記第1方向から次第に前記第2方向に近づくように曲がった形状を有する。同様に、前記第3突出部28は、前記第2突出部27から遠ざかるに従って前記第1方向と反対の方向(図6では下方向)に近づくように曲がった形状を有する。
前記第2突出部27の表面のうち、前記端子保持部32の表面(図6では上面32a)と反対側の面である外側面(図6では上面)は電線接続面27aを構成する。当該電線接続面27aは、その上に前記電線10の導体12の特定の部位である接続対象部位が載せられた状態で当該接続対象部位とはんだ付けによって接続されることが可能な面である。この実施の形態に係る電線接続面27aは、前記端子保持部32の上面32aと平行な方向に延びる。
さらに、この第1の実施の形態では、前記電線接続面27aに図7に示すような凹溝29が形成されている。当該凹溝29は、前記電線10の長手方向に延びる凹部であり、当該凹溝29に前記電線10が嵌まり込むのを受け入れることにより当該電線10の前記電線配列方向(端子20の幅方向;図7では左右方向)の変位を規制する形状を有する。当該凹溝29は、当該凹溝29の底部に向かうに従って互いに前記電線配列方向と平行な方向に近づく向きに傾斜する一対の位置決め傾斜面29a,29bを有する。当該位置決め傾斜面29a,29bは、前記電線配列方向について前記電線10の両側に位置して当該電線10の前記電線接続面27aに対する前記電線配列方向の相対変位を規制する規制部として機能する。
前記第1突出部26が前記端子保持部32の上面32aから突出する寸法は、前記第2突出部27の表面のうち前記端子保持部32の上面32aと対向する面、つまり前記電線接続面27aと反対側の面である内側面(図6では下面)27b、が当該端子保持部32の上面から外側(図6では上側)に離間した位置で前記第2突出部27が前記第2方向に延びるように当該第2突出部27を位置させる寸法に設定されている。
この第1の実施の形態では、前記端子保持部32の上面32aよりも前記各外側突出部24が外側に突出する寸法は、全て同一に設定されている。つまり、当該端子保持部32は、前記各端子20の電線接続面27aが同一平面上に並ぶように当該端子20を保持する。このように、この第1の実施の形態に係る端子20は、それぞれの電線接続面27aが共通の平面上に並ぶ複数の平面配列端子に相当する。
さらに、この第1の実施の形態に係る端子保持部32は、前記複数の端子20の前記電線接続面27aが前記電線配列方向に間隔をおいて並ぶのに加え、前記複数の端子20のうち前記電線配列方向に隣接する端子20の電線接続面27aが前記電線10の長手方向(図2の上下方向)に互いに位置をずらして並ぶように、当該複数の端子20の被保持部22を保持する。具体的に、図2に示される配列では、それぞれが前記電線接続面27aをもつ複数の外側突出部24が前記電線10の長手方向と平行な方向に並ぶ3本の列に沿って配列され、かつ、各列に配置される外側突出部24の電線接続面27aの位置を当該列に隣接する列に配置される外側突出部24の電線接続面27aの位置に対して前記電線配列方向にそれぞれずれている。
前記電線保持部34は、前記端子保持部32から前記第2方向と平行な方向に沿って延び、前記複数の電線10のそれぞれを当該複数の電線10が前記第2方向に沿って延びる姿勢で保持する。この第1の実施の形態に係る電線保持部34は、前記各電線10に対応した複数本の平行な電線保持溝34aを有し、当該電線保持溝34aに前記各電線10が嵌まり込んだ状態で当該電線10を下から支持する。
この第1の実施の形態に係る前記コネクタCNは、さらに、図10に示すようなカバー40を備える。当該カバー40は、前記端子20の外側突出部24及びこれに接続される前記各電線10を上から覆うように前記絶縁ハウジング30に着脱可能に装着される。具体的に、この第1の実施の形態に係るカバー40は、前記端子保持部32を覆う端子カバー部42と、前記電線保持部34を覆う電線カバー部44と、を一体に有する。
また、前記電線保持部34には、当該電線保持部34の上面すなわち前記電線保持溝34aが形成される面が前記第2方向の中間位置において下向きに凹むように湾曲する湾曲部36を有する一方、前記カバー40の電線カバー部44の下面は、前記湾曲部36に対応して下向きに膨出する湾曲部46を有する。当該湾曲部46と前記湾曲部36は、前記各電線10の中間部位を下向きに湾曲させた状態で当該中間部位を拘束することが可能な形状を有し、これにより、当該各電線10の導体12の接続対象部位と前記電線接続面27aとの接続箇所に電線10の張力が作用することを有効に抑止する。
なお、前記電線保持部34及び前記カバー40は本発明において必須のものではなく、省略されることが可能である。逆に、前記各電線10の導体12の接続対象部位が当該電線10の端末付近ではなく長手方向中間部位に設定される場合には、当該電線10の長手方向について前記端子保持部32の両側にそれぞれ前記電線保持部34及びこれに対応する前記カバー40の電線カバー部44が設けられてもよい。
次に、前記電気接続アセンブリを製造するための方法について説明する。当該電気接続アセンブリは、例えば次の各工程を含む方法によって製造されることが可能である。
1)電線用意工程及びコネクタ用意工程
上述した複数の電線10及びコネクタCNが予め用意される。さらに、この実施の形態に係る方法では、前記複数の電線10として、各電線10の絶縁被膜14が特定の合成樹脂からなるものが用意される。当該特定の合成樹脂とは、常温で絶縁性を有する一方、後述の接続工程で用いられるはんだの溶融温度(例えば380~400°C)において溶融または分解されることが可能な合成樹脂である。当該特定の合成樹脂としては、ポリウレタン、ポリエステル、ナイロン等が好適である。
上述した複数の電線10及びコネクタCNが予め用意される。さらに、この実施の形態に係る方法では、前記複数の電線10として、各電線10の絶縁被膜14が特定の合成樹脂からなるものが用意される。当該特定の合成樹脂とは、常温で絶縁性を有する一方、後述の接続工程で用いられるはんだの溶融温度(例えば380~400°C)において溶融または分解されることが可能な合成樹脂である。当該特定の合成樹脂としては、ポリウレタン、ポリエステル、ナイロン等が好適である。
前記絶縁被膜14の厚みは、常温状態で絶縁状態を確保しながら前記加熱によって当該絶縁被膜14の除去及び前記導体12の露出を達成できるような厚みに設定されることが好ましい。当該厚みには、例えば通常のエナメル線における絶縁被覆の厚みに近似した寸法が適用されることが可能である。
2)はんだセット工程
前記コネクタCNにおける複数の端子20のそれぞれの電線接続面27aの上に、図6に示すようなはんだSDが予めセットされる。当該セットは、固形状のはんだSDが各電線接続面27aの上に載せられることにより行われてもよいし、ペースト状のはんだSDが各電線接続面27aに塗布されることにより行われてもよい。
前記コネクタCNにおける複数の端子20のそれぞれの電線接続面27aの上に、図6に示すようなはんだSDが予めセットされる。当該セットは、固形状のはんだSDが各電線接続面27aの上に載せられることにより行われてもよいし、ペースト状のはんだSDが各電線接続面27aに塗布されることにより行われてもよい。
3)接続工程
前記複数の電線10が図1に示されるように前記電線配列方向に互いに間隔をおいて配列された状態を保持しながら当該複数の電線10の長手方向中間領域において設定されている接続対象部位を、当該接続対象部位を前記絶縁被膜14が覆ったままの状態で前記複数の端子20のそれぞれの電線接続面27aに向けて押圧しかつ当該絶縁被膜14を前記はんだSDとともに加熱することにより、当該接続対象部位を覆う前記絶縁被膜14の溶融または分解による前記導体12の表面からの除去と、当該絶縁被膜14の除去により露出する前記導体12と前記凹溝29を含む電線接続面27aとの前記はんだSDによる電気的接続と、が行われる。
前記複数の電線10が図1に示されるように前記電線配列方向に互いに間隔をおいて配列された状態を保持しながら当該複数の電線10の長手方向中間領域において設定されている接続対象部位を、当該接続対象部位を前記絶縁被膜14が覆ったままの状態で前記複数の端子20のそれぞれの電線接続面27aに向けて押圧しかつ当該絶縁被膜14を前記はんだSDとともに加熱することにより、当該接続対象部位を覆う前記絶縁被膜14の溶融または分解による前記導体12の表面からの除去と、当該絶縁被膜14の除去により露出する前記導体12と前記凹溝29を含む電線接続面27aとの前記はんだSDによる電気的接続と、が行われる。
前記複数の電線10の保持は、前記接続対象部位を挟んでその両外側の位置、より好ましくは前記コネクタCNの前後方向(前記第2方向及び電線長手方向と平行な方向)の両端よりも両外側の位置を保持することにより、行われる。当該保持では、前記複数の電線10のそれぞれに適度の張力が与えられながら当該電線10が対応する電線接続面27aの上にセットされることが好ましい。当該保持は、例えば、前記複数の電線10が巻き付けられるボビンや、前記各電線10をその長手方向及び電線配列方向の双方に直交する方向の両側から挟み込む挟持具等によって、行われることが可能である。
この第1の実施の形態では、前記各電線接続面27aに図7に示されるような凹溝29が形成されているので、前記各電線10の接続対象部位に対応する部分は前記凹溝29に嵌まり込むことにより電線接続面27a上の適当な位置(一般には当該電線接続面27aの幅方向つまり電線配列方向の中央位置)に確実に位置決めされ、当該位置から電線配列方向に逸脱することが規制される。このことは、当該電線10と当該電線接続面27aとの間の接続の信頼性を高める。特に、前記凹溝29は、前記電線10の長手方向と平行な方向(第2方向)に延びるので、前記電線配列方向についての電線10の接続対象部位の位置決めだけでなく、当該接続対象部位の姿勢も好ましい姿勢(つまり前記第2方向に延びる姿勢)に保持することが可能である。
なお、図7では便宜上、電線接続面27a上にセットされる前記はんだSDの図示が省略されている。
前記電線接続面27aに対する電線10の押圧及び加熱は、図4~図6及び図8,図9に示されるヒータ50を用いて効率的に行われることが、可能である。当該ヒータ50は、加熱面52を構成する平坦な下面を有する。前記各電線接続面27a上に前記はんだSDを介してセットされた前記各電線10に対して前記加熱面52が上から押付けられる。つまり、前記加熱面52と前記各電線接続面27aとの間に当該複数の電線接続面27aにそれぞれ対応する複数の接続対象部位及び前記はんだSDを挟んだ状態で当該加熱面52が前記複数の電線接続面27aに向けて押圧される。これにより、前記電線接続面27aに向けての前記電線10の押圧と、前記ヒータ52による前記はんだSDの加熱による溶融と、前記接続対象部位を覆う前記絶縁被膜14の加熱による当該絶縁被膜14の溶融または分解と、が同時に行われる。当該絶縁被膜14の溶融または分解は、当該絶縁被膜14を前記導体12の表面から除去することを可能にする。
特に、この第1の実施の形態では、前記各電線接続面27aが同一平面上に並ぶように前記絶縁ハウジング30の端子保持部32が前記各端子20を保持している、つまり前記各端子20は前記平面配列端子を構成している、ので、単一の平面状の加熱面52を用いて前記平面配列端子である各端子20の電線接続面27aに前記各電線10の導体12の接続対象部位を同時に接続することが可能である。
しかも、前記各電線接続面27aは、前記各端子20のうち前記端子保持部32の上面32aから当該端子保持部32の外側(図6等では上側)に突出する外側突出部24に設けられていて前記上面32aから当該外側に離れた位置にあり、特にこの実施の形態では内側面27bが前記上面32aから離れる位置にある第2突出部27の外側面により前記電線接続面27aが構成されるので、前記はんだSDの溶融や前記絶縁被膜14の溶融除去に伴う端子20同士の短絡及び電線10同士の短絡が有効に抑止される。従って、前記はんだSDのセットが例えばソリッドのはんだSDを複数の端子20に跨って掛渡すような態様で行われたとしても、当該はんだSDは前記のように加熱されることにより当該はんだSDのもつ表面張力によって前記端子20ごとに自ずと分割され、これにより、当該はんだSDを媒介とする短絡が防がれる。
さらに、前記のような外側突出部24の突出は、前記端子20の外側突出部24を挟んでその両側の位置で前記電線10を前記絶縁ハウジング30の表面(好ましくは端子保持部32の上面32a)に押付けることにより、当該電線10を図6に示すように当該外側突出部24で外向きに凸となる形状に変形させる状態で前記接続工程を行うことを可能にする。図4~図6に示される例では、前記ヒータ50において予め設けられた押付け部54であって前記加熱面52よりもさらに外側に突出する部位と、前記ヒータ50とは別に用意された押え部材60と、の協働によって行われる。
このような電線10の押付けは、前記電線接続面27aに対する前記接続対象部位の相対位置を確実に固定するとともに、接続されるべき前記接続対象部位以外の電線10の部位がヒータ50により加熱されることで当該部位の絶縁被膜14が除去されてしまうことを有効に抑止する。このようにして、当該絶縁被膜14の除去による電線10同士の短絡がより有効に抑止される。
さらに、この第1の実施の形態に係る複数の端子20は、当該複数の端子20のうち前記電線配列方向に隣接する端子20の電線接続面27aが前記電線10の長手方向(図2の上下方向)に互いに位置をずらして並ぶように(図2に示される配列では、それぞれが前記電線接続面27aをもつ複数の外側突出部24が前記電線10の長手方向と平行な方向に並ぶ3本の列に沿って配列され、かつ、各列に配置される外側突出部24の電線接続面27aの位置を当該列に隣接する列に配置される外側突出部24の電線接続面27aの位置に対して前記電線配列方向にそれぞれずれるように)端子保持部32に保持されているので、互いに隣接する電線接続面27a同士の距離(電線10の長手方向の成分と電線配列方向の成分との双方を含む方向の絶対距離)を大きく稼いで当該電線接続面27a同士の間の短絡を防ぎながら電線配列方向についての電線接続面27a同士の間隔を縮めて電気接続アセンブリ全体の小幅化をさらに進めることが可能である。
4)切断工程
前記のようにして接続工程が完了した後、電線10の長手方向についてその適当な部位が切断される。この切断は、例えば、一対の切断具により前記電線10の長手方向及び電線配列方向と直交する方向に当該電線10を適当な切断位置で挟んでせん断することによって効率的に行われることが可能である。前記第1の実施の形態に係るコネクタCNは前記複数の電線10の端末に接続されるものであり、よって、前記各電線10は前記端子保持部32を挟んで前記電線保持部34と反対側の位置(好ましくは端子保持部32の外側面のすぐ近傍の位置)で切断される。
前記のようにして接続工程が完了した後、電線10の長手方向についてその適当な部位が切断される。この切断は、例えば、一対の切断具により前記電線10の長手方向及び電線配列方向と直交する方向に当該電線10を適当な切断位置で挟んでせん断することによって効率的に行われることが可能である。前記第1の実施の形態に係るコネクタCNは前記複数の電線10の端末に接続されるものであり、よって、前記各電線10は前記端子保持部32を挟んで前記電線保持部34と反対側の位置(好ましくは端子保持部32の外側面のすぐ近傍の位置)で切断される。
当該切断工程の後、必要に応じて図10に示すようなカバー40が装着されることにより、電気接続アセンブリが完成する。
次に、図11及び図12を参照しながら本発明の第2の実施の形態を説明する。当該第2の実施の形態に係るコネクタは、前記第1の実施の形態に係る端子20に代えて図11,図12に示すような端子20Cを備える。
この端子20Cは、第1の実施の形態に係る端子20と同様、絶縁ハウジングの表面よりも外側に突出する外側突出部24Cを有する。当該外側突出部24Cは、前記絶縁ハウジングの表面から第1方向に突出する第1突出部26C及び当該第1突出部26Cから第2方向に突出する第2突出部27Cを有するが、第1の実施の形態に係る第3突出部28に相当するものは有しない。つまり、第2突出部27Cのうち前記第1突出部26Cと反対側の端部が前記外側突出部24Cの端末を構成している。そして、当該第2突出部27Cの外側面(絶縁ハウジングの表面と反対側の面)が電線接続面27cを構成する。
このような端子20Cにおいても、前記電線接続面27cが凹溝29、具体的には図11及び図12に示すような一対の位置決め傾斜面29a,29bを有する凹溝29、を含むことによって、当該電線接続面27cに対する電線の接続対象部位のずれを防ぐことができる。
次に、図13~図16を参照しながら本発明の第3の実施の形態を説明する。当該第3の実施の形態では、前記第2の実施の形態に係る端子20Cに代えて図13~図14に示されるような端子20Dが用いられる。
前記端子20Dは、一対の板部、具体的には図13に示すような第1端子板21A及び第2端子板21Bにより構成される。当該第1及び第2端子板21A,21Bは、前記電線配列方向と平行な方向に厚みを有しかつ当該電線配列方向に互いに近接して配置される。第1及び第2端子板21A,21Bは、第1及び第2被保持部22A,22Bと、第1及び第2電気接触部23A,23Bと、第1及び第2電線接続部24A,24Bと、をそれぞれ有する。
前記第1及び第2被保持部22A,22Bは、前記第1の実施の形態に係る被保持部22と同様に絶縁ハウジングに保持される部分であり、互いに同一の形状を有する。前記第1及び第2電気接触部23A,23Bは、相手方の端子と接触する部分であり、互いに同一の形状を有する。第1及び第2電気接触部23A,23Bは、第1の実施の形態に係る雄型の電気接触部23と異なり、相手方の端子を含む板状部分(例えば回路基板の縁部であってその表面に端子用導体が配設されたもの)を挟持する形状を有する。具体的に、当該第1及び第2電気接触部23A,23Bのそれぞれは、基部23cと、当該基部23cに対して前記板状部分の厚み方向に離反する向きに撓み変形可能なばね片部23dと、を有し、当該ばね片部23dの先端よりの部分に相手方の端子に相当する導体と接触する接触用突起23eが突設されている。
前記第1及び前記第2電線接続部24A,24Bは、互いに同一形状の第1及び第2下側部26A,26Bと、互いに同一形状の第1及び第2上側部27A,27Bと、をそれぞれ有する。前記第1及び第2下側部26A,26Bは、前記第1及び第2被保持部22A,22Bからそれぞれ前記第1及び第2電気接触部23A,23Bと反対の側で第1方向(図13に示す姿勢では上向き)に突出する。前記第1及び第2上側部27A,27Bは、前記第1及び第2下側部26A,26Bの上端とそれぞれ一体につながり、かつ、電線長手方向に相当する第2方向に延びる。
さらに、前記第1及び第2電線接続部24A,24Bは、それぞれ第1拡開部28A及び第2拡開部28Bを含む。第1及び第2拡開部28A,28Bは、前記第1及び第2上側部27A,27Bの上端につながりかつその上端のさらに上側に位置する部分であり、図13及び図14に示すように前記第1及び第2電線接続部24A,24Bが互いに前記厚み方向に近接しかつ対向した状態で、上側に向かうに従って(つまり第1及び第2端子板21A,21Bの上端に向かうに従って)互いに前記電線配列方向と平行な方向(図14では左右方向)に離れる向きに広がる形状を有する。
前記第1及び第2拡開部28A,28Bは、これらの間に凹溝29Dを形成する。当該凹溝29Dは、前記第1の実施の形態に係る凹溝29と同様、当該凹溝29Dに図14に示すように電線10が嵌まり込むのを許容し、これにより当該電線配列方向についての端子20Dに対する電線10の相対位置を安定させる。
前記第1及び第2拡開部28A,28Bの内側面は、本発明にいう電線接続面であって、かつ、前記凹溝29Dを挟む一対の位置決め傾斜面29e,29fを構成する。この第3の実施の形態に係る位置決め傾斜面29e,29fは、図7に示される位置決め傾斜面29a,29bと同様に凹溝29Dの底部に向かうに従って互いに近づくように傾斜するが、当該位置決め傾斜面29a,29bのような平面ではなく、電線10の外周面に倣う曲面である。
当該端子20Dによれば、前記第1及び第2端子板21A,21Bがその厚み方向(図14の左右方向)に互いに近接することにより当該端子20Dの本体部分(第1及び第2拡開部28A,28B以外の部分)の厚み方向を小さくして互いに電線配列方向に隣接する端子20D同士の中心間距離を小さくしながら、当該本体部分よりも幅方向に拡大する前記第1及び第2拡開部28A,28Bによって前記電線10を位置決めするのに十分な幅をもつ凹溝29Dが形成される。
前記第1及び第2端子板21A,21Bは、例えば、それぞれ個別に共通の絶縁ハウジングに保持されて位置決めされることにより、図13及び図14に示されるような相対位置を保って好適な端子20Dを構成することが可能である。
図15及び図16は、その絶縁ハウジングの例である絶縁ハウジング60を示し、図16はさらに当該絶縁ハウジング60に装着されるカバー70を示す。当該絶縁ハウジング60は、第1の実施の形態に係る絶縁ハウジング30の端子保持部32及び電線保持部34と同様に複数の端子20Dを保持する端子保持部62及び複数の電線10を保持する電線保持部64を有し、電線保持部64は第1の実施の形態に係る湾曲部36と同様に湾曲する湾曲部66を有する。
前記端子20Dは第1の実施の形態に係る端子20と異なり雄型の電気接触部を有するものではないので、前記絶縁ハウジング70は前記第1の実施の形態に係るフード33に相当するものを含まない。これに代えて前記端子保持部62には前記各端子20Dの電気接触部53により挟み込まれるべき回路基板の挿入を受け入れる複数の基板挿入口63が形成されている。
一方、前記カバー70は、前記第1の実施の形態に係るカバー40と同様、前記各端子20Dを覆う端子カバー部72及び前記各電線10を覆う電線カバー部74を有する。前記電線カバー部74は前記第1の実施の形態に係る湾曲部46と同様に前記湾曲部66との間で前記電線10を湾曲状態で挟持する湾曲部76を有する。
前記絶縁ハウジング60の前記端子保持部62は、それぞれの端子20Dを構成する第1及び第2端子板21A,21B同士の間に図13及び図14に示される相対位置関係を保つように当該第1及び第2端子板21A,21Bを保持することにより、それぞれの端子20Dを成立させることができる。この第3の実施の形態では、前記第1及び第2電線接続部24A,24Bのうちの前記第1及び第2上側部27A,27Bの上部及びこれにつながる第1及び第2拡開部28A,28Bが前記端子保持部62の上面62aよりも上側に突出して外側突出部を構成するように、前記各端子20Dの被保持部52が前記端子保持部62に保持される。
このように、少なくとも前記第1及び第2拡開部28A,28Bを含む部分が外側突出部として前記端子保持部62の外側に突出することで、当該第1及び第2拡開部28A,28Bの内側面(この実施の形態では第1及び第2位置決め傾斜面29e,29f)が電線接続面として機能することができ、前記第1の実施の形態と同様にして当該電線接続面と接続対象部位とのはんだ付けによる電気的接続が可能となる。
前記端子20Dは、あるいは、前記第1端子板21Aと前記第2端子板21Bとを相互につなぐつなぎ部を有してもよい。当該つなぎ部は、絶縁ハウジングに装着される前の状態において前記第1端子板21Aと前記第2端子板21Bとの相対位置関係を保持することにより、当該絶縁ハウジングへの端子20Dの取付け作業を容易にするとともに、第1及び第2端子板21A,21B間の相対位置の精度を高めることを可能にする。この場合、前記第1及び第2端子板21A,21B及びつなぎ部は単一の金属板により構成されることも可能であり、これにより端子20Dの部品点数は大幅に削減される。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されない。本発明は、例えば次のような形態を含む。
A)規制部について
前記電線接続面に含まれる凹部の具体的な形状は限定されない。当該形状は、当該凹部に電線が嵌まり込むことを許容することにより当該電線の電線配列方向の変位を規制するものであればよい。当該凹部は、例えば、平面上の底壁と当該底壁の幅方向の両端から立ち上がる一対の側壁とによって囲まれた凹溝、つまり上向きに開口する矩形状断面をもつ凹溝、であってもよい。ただし、前記第1~第3の実施の形態に示されるような一対の位置決め傾斜面を有する凹溝は、当該位置決め傾斜面が確実に電線の外周面に接触してその位置決めをより正確に行うことができる利点を有する。
前記電線接続面に含まれる凹部の具体的な形状は限定されない。当該形状は、当該凹部に電線が嵌まり込むことを許容することにより当該電線の電線配列方向の変位を規制するものであればよい。当該凹部は、例えば、平面上の底壁と当該底壁の幅方向の両端から立ち上がる一対の側壁とによって囲まれた凹溝、つまり上向きに開口する矩形状断面をもつ凹溝、であってもよい。ただし、前記第1~第3の実施の形態に示されるような一対の位置決め傾斜面を有する凹溝は、当該位置決め傾斜面が確実に電線の外周面に接触してその位置決めをより正確に行うことができる利点を有する。
また、本発明に係る端子の規制部は、前記のような凹部に限定されない。例えば、当該規制部は、電線の両側において電線長手方向に間隔をおいて配設された突起であってもよい。あるいは、電線の一方の側において立直する第1の壁と、当該第1の壁から電線長手方向にずれた位置で電線の他方の側において立直する第2の壁と、により構成されてもよい。
B)電線接続面と接続対象部位との接続について
前記第1及び第2の実施の形態では、ヒータによる加熱によってはんだの溶融と同時に絶縁被膜14の溶融または分解による導体12の表面からの除去が行われるが、当該絶縁被膜14の除去は加熱の前に予め行われてもよい。すなわち、複数の電線のそれぞれにおいて設定された導体の接続対象部位を露出させるように絶縁被覆がいわゆる皮剥ぎ処理によって接続工程の前に予め除去され、前記接続工程において前記のように露出した導体と電線接続面とのはんだ付けが直接的に行われてもよい。この場合、前記絶縁被覆を構成する材料は、必ずしも溶融または分解されるものでなくてもよい。各電線が裸電線の場合には前記絶縁被覆の除去を要しないことはいうまでもない。
前記第1及び第2の実施の形態では、ヒータによる加熱によってはんだの溶融と同時に絶縁被膜14の溶融または分解による導体12の表面からの除去が行われるが、当該絶縁被膜14の除去は加熱の前に予め行われてもよい。すなわち、複数の電線のそれぞれにおいて設定された導体の接続対象部位を露出させるように絶縁被覆がいわゆる皮剥ぎ処理によって接続工程の前に予め除去され、前記接続工程において前記のように露出した導体と電線接続面とのはんだ付けが直接的に行われてもよい。この場合、前記絶縁被覆を構成する材料は、必ずしも溶融または分解されるものでなくてもよい。各電線が裸電線の場合には前記絶縁被覆の除去を要しないことはいうまでもない。
また、前記接続のための具体的手段ははんだ付けに限定されない。当該接続は、加熱による他の接続手段、例えば溶接(レーザ溶接、超音波溶接、抵抗溶接等)によって行われてもよい。
C)切断工程及びカバーについて
前記切断工程及びカバー40,70は適宜省略が可能である。例えば、前記コネクタCNが(分岐接続用コネクタのように)前記複数の電線10の中間部位に接続されるものである場合や、接続工程後の電線10の余長が存在しても支障のない場合は、前記切断工程が省略されてもよい。換言すれば、本発明における各電線の接続対象部位すなわちコネクタに接続される部位は任意に設定されることが可能である。
前記切断工程及びカバー40,70は適宜省略が可能である。例えば、前記コネクタCNが(分岐接続用コネクタのように)前記複数の電線10の中間部位に接続されるものである場合や、接続工程後の電線10の余長が存在しても支障のない場合は、前記切断工程が省略されてもよい。換言すれば、本発明における各電線の接続対象部位すなわちコネクタに接続される部位は任意に設定されることが可能である。
以上のように、複数本の電線とコネクタとを備えた電気接続アセンブリを構成するコネクタ及びこれを備えた電気接続アセンブリであって、当該複数本の電線と当該コネクタに含まれる端子との相対位置を安定させて高い接続信頼性を確保することが可能なものが、提供される。
提供されるのは、それぞれが導体を含む複数の電線と接続されることにより、電気接続アセンブリを構成するコネクタであって、前記複数の電線のそれぞれに対応する複数の端子と、前記複数の電線がその長手方向と直交する電線配列方向に間隔をおいて並んだ状態で前記複数の端子にそれぞれ導通可能に接続されることを可能にするように前記複数の端子が前記電線配列方向に並ぶ配列で前記複数の端子を一括して保持する絶縁ハウジングと、を備える。前記複数の端子のそれぞれは、前記絶縁ハウジングの表面よりもさらに外側に突出する外側突出部を含み、当該外側突出部は、前記絶縁ハウジングの表面よりも前記絶縁ハウジングの外側から離れた位置に前記電線の導体と接続可能な電線接続面を有する。前記複数の端子のうちの少なくとも一部の端子の前記電線接続面は、前記電線の前記電線配列方向の両側に位置して前記外側突出部に対する前記電線の前記電線配列方向の相対変位を規制する規制部を有する。
前記規制部は、当該電線配列方向について前記電線接続面に対する前記電線の相対位置を安定させることができ、この状態で当該電線の導体と当該電線接続面とを接続することにより、高い接続信頼性をもつ電気接続アセンブリを得ることができる。
前記電線接続面は、これに対応する前記電線が嵌まり込むのを受け入れることにより当該電線の前記電線配列方向の変位を規制する形状の凹部を有し、当該凹部の内側面が前記規制部を構成するものが、好適である。当該凹部は、当該凹部への電線の嵌まり込みを受け入れることにより、当該電線配列方向について前記電線接続面に対する前記電線の相対位置をより安定させることができる。
前記凹部は、前記電線の長手方向と平行な方向に延びる凹溝であることが、好ましい。当該凹溝は、前記電線接続面に対する前記電線の電線配列方向についての相対位置だけでなく、当該電線接続面上での当該電線の姿勢(当該電線が延びる方向)も安定させることができる。
具体的に、前記凹溝は、前記規制部として、当該凹溝の底部に向かうに従って互いに前記電線配列方向と平行な方向に近づく向きに傾斜する一対の位置決め傾斜面を有するものが、好適である。当該一対の位置決め傾斜面は、当該一対の位置決め傾斜面同士の間の前記凹溝に嵌まり込む電線に対して確実に接触することが可能であり、当該接触によって当該電線の電線接続面に対する位置決めを確実に行う。
前記凹溝を有する前記端子は、例えば、前記電線配列方向と平行な方向に厚みを有しかつ当該電線配列方向に互いに近接して配置される一対の板部を有し、当該板部のうち前記外側突出部に対応する部分が当該板部の先端に向かうに従って互いに前記電線配列方向と平行な方向に離れる向きに広がる拡開部を有し、当該拡開部の内側面が前記位置決め傾斜面を構成するものが、好ましい。当該端子によれば、前記一対の板部同士を厚み方向に近接させることにより当該端子の本体部分(拡開部以外の部分)の厚み方向を小さく抑えて当該端子同士の中心間距離を小さく抑えながら、当該本体部分よりも幅方向に拡大する拡開部によって前記電線を位置決めするのに十分な幅をもつ凹溝を形成することができる。
また、それぞれが導体を含む複数の電線と、前記コネクタと、を備えた電気接続アセンブリであって、前記複数の電線がその長手方向と直交する電線配列方向に間隔をおいて並んだ状態で前記複数の端子のそれぞれの電線接続面に接続され、かつ、当該電線接続面のうち前記凹部を構成する電線接続面には当該凹部に前記電線が嵌まり込んだ状態で当該電線の導体が接続されているものが、提供される。当該電気接続アセンブリは、前記凹部による前記電線の位置決めによって、高い信頼性を保有することが可能である。
Claims (6)
- それぞれが導体を有する複数の電線と接続されることにより、電気接続アセンブリを構成するコネクタであって、
前記複数の電線のそれぞれに対応する複数の端子と、
前記複数の電線がその長手方向と直交する電線配列方向に間隔をおいて並んだ状態で前記複数の端子にそれぞれ導通可能に接続されることを可能にするように前記複数の端子が前記電線配列方向に並ぶ配列で前記複数の端子を一括して保持する絶縁ハウジングと、を備え、
前記複数の端子のそれぞれは、前記絶縁ハウジングの表面よりもさらに外側に突出する外側突出部を含み、当該外側突出部は、前記絶縁ハウジングの表面よりも前記絶縁ハウジングの外側から離れた位置に前記電線の導体と接続可能な電線接続面を有し、
前記複数の端子のうちの少なくとも一部の端子の前記電線接続面は、前記電線の前記電線配列方向の両側に位置して前記外側突出部に対する前記電線の前記電線配列方向の相対変位を規制する規制部を有する、コネクタ。 - 請求項1記載のコネクタであって、前記複数の端子のうちの少なくとも一部の端子の前記電線接続面は、これに対応する前記電線が嵌まり込むのを受け入れることにより当該電線の前記電線配列方向の変位を規制する形状の凹部を有する、コネクタ。
- 請求項2記載のコネクタであって、前記凹部は、前記電線の長手方向と平行な方向に延びる凹溝である、コネクタ。
- 請求項3記載のコネクタであって、前記凹溝は、当該凹溝の底部に向かうに従って互いに前記電線配列方向と平行な方向に近づく向きに傾斜する一対の位置決め傾斜面を有する、コネクタ。
- 請求項4記載のコネクタであって、前記凹溝を有する前記端子は、前記電線配列方向と平行な方向に厚みを有しかつ当該電線配列方向に互いに近接して配置される一対の板部を有し、当該板部のうち前記外側突出部に対応する部分が当該板部の先端に向かうに従って互いに前記電線配列方向と平行な方向に離れる向きに広がる拡開部を有し、当該拡開部の内側面が前記位置決め傾斜面を構成する、コネクタ。
- 電気接続アセンブリであって、
それぞれが導体を含む複数の電線と、
請求項1~5のいずれかに記載のコネクタと、を備え、
前記複数の電線がその長手方向と直交する電線配列方向に間隔をおいて並んだ状態で前記複数の端子のそれぞれの電線接続面に接続され、かつ、当該電線接続面のうち前記凹部を構成する電線接続面には当該凹部に前記電線が嵌まり込んだ状態で当該電線の導体が接続されている、電気接続アセンブリ。
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