WO2017168731A1 - ポリエステル製スライドファスナー - Google Patents

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佳江 沼田
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Abstract

 リサイクル性を高めながら汎用性の高いスライドファスナーを提供する。すべての構成部品がポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂又はポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂以外のポリエステル樹脂を材料としたスライドファスナーであって、当該スライドファスナーは繊維部品及び射出成形部品を有し、繊維部品はすべてポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を材料とし、射出成形部品はすべてポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂以外のポリエステル樹脂を材料とし、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂とポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂以外のポリエステル樹脂の少なくとも一方が植物由来であるスライドファスナー。

Description

ポリエステル製スライドファスナー
 本発明はポリエステル製スライドファスナーに関する。また、本発明は当該スライドファスナーを備えた物品に関する。
 近年の世界的な環境意識の高まりを受け、衣服や鞄などの服飾品の分野においても環境対応製品が求められるようになってきており、例えば服飾品のリサイクル性を高めることも重要な課題である。このような背景の下、服飾品の開閉具としてよく利用されるスライドファスナーにおいても、リサイクル性の高い製品を開発することが、時代に即した社会的使命と考えられる。
 これまで、スライドファスナーの分野においてリサイクル性の問題に取り組んだ事例として、国際公開第2012/056583号(特許文献1)、特開2003-225102号公報(特許文献2)、及び特開平10-243805号公報(特許文献3)が挙げられる。
 特許文献1によれば、紙としてリサイクル可能とすることを目的として、セルロース繊維の含有量を高く規定したファスナーが提案されている(特許文献1の要約参照)。
 特許文献2によれば、熱可塑性ポリエステル系樹脂であるポリトリメチレンテレフタレート樹脂及び結晶核剤及び/又は無機フィラーの組成物からなるスライドファスナー部品は、外観意匠性に優れ、かつ、剛性にも優れること、あわせて、廃棄の際の分別が容易なスライドファスナーを構成するためのスライドファスナー部品に適するとされている(特許文献2の段落0009参照)。そして、特許文献2に記載のポリトリメチレンテレフタレート樹脂を含有する組成物を利用して、スライダー、エレメント、上止め、下止め、開離嵌挿具等の射出成形部品を好適に製造可能であり、更には、テープ、縫糸、芯紐等の繊維部品にポリトリメチレンテレフタレート繊維を用いれば分別、回収がさらに容易となることが記載されている(段落0039)。また、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂は射出成形するために複雑な条件設定が必要な材料であることも記載されている(段落0004)。
 特許文献3においては、合成樹脂製スライドファスナーの生産ラインから発生する廃プラスチックや廃棄された合成樹脂製スライドファスナーを原料として再利用するために、実質的に構成部品の全てが同一の合成樹脂材料から作製されたスライドファスナーを開示している。また、PETを用いてスライドファスナーの全構成部品を作製することも可能であるが、機械的強度が要求されるスライダーは、PBTで作製することも可能であると記載されている。
国際公開第2012/056583号 特開2003-225102号公報 特開平10-243805号公報
 特許文献1に記載の技術は紙としてリサイクルすることを目的としていることから、樹脂製に比べて強度や耐熱性を犠牲にせざるを得ない。そのため、用途が限定されており汎用性は低い。特許文献2に記載のポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂は染色性が悪い上、PTTのようなポリエステルでファスナーテープを製造するとバイヤスが形成されにくいのでエレメントを射出成形するときに芯噛み不良が発生するという問題がある。そのため、適用可能なスライドファスナーが限られており、様々な形態のスライドファスナーへの適用が難しい。また、特許文献3に記載の発明においては、PETを用いてスライドファスナーの全構成部品を作製することや、スライダーや開離嵌挿具をPBTで作製し、残部をPETで作製することも開示している。しかしながら、PETもポリエステルであるため、バイヤスが形成されにくいことに起因するエレメントの射出成形不良の問題は依然として解決できない。
 本発明は上記事情に鑑み、リサイクル性を高めながら汎用性の高いスライドファスナーを提供することを課題の一つとする。また、本発明は、そのようなファスナーを備えた物品を提供することを別の課題の一つとする。
 本発明は一側面において、すべての構成部品がポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂又はポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂以外のポリエステル樹脂を材料としたスライドファスナーであって、当該スライドファスナーは繊維部品及び射出成形部品を有し、繊維部品はすべてポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を材料とし、射出成形部品はすべてポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂以外のポリエステル樹脂を材料とし、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂とポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂以外のポリエステル樹脂の少なくとも一方が植物由来であるスライドファスナー。
 本発明に係るスライドファスナーの一実施形態においては、射出成形部品はすべてポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)又はそれらの組み合わせから選択される材料で構成される。
 本発明に係るスライドファスナーの別の一実施形態においては、一対のファスナーテープと、当該ファスナーテープの対向する両側縁に取着された一対のエレメント列と、当該エレメント列を挿通して噛合及び分離を制御するためのスライダーを備えたスライドファスナーであって、ファスナーテープを繊維部品とし、エレメント列を射出成形部品又は繊維部品とし、スライダーを射出成形部品とする。
 本発明に係るスライドファスナーの更に別の一実施形態においては、エレメント列を射出成形部品とする。
 本発明に係るスライドファスナーの更に別の一実施形態においては、ファスナーテープは緯糸の織密度が37~43本/2.54cmの織物製である。
 本発明に係るスライドファスナーの更に別の一実施形態においては、ファスナーテープは対向する両側縁に芯紐が編み込みされることにより形成された隆起部を有し、エレメント列は射出成形により当該隆起部上に取着されており、芯紐は芯糸とこれを包囲するように編成されたコース数が20コース/25.4mm以上の編成組織とを備えている。
 本発明に係るスライドファスナーの更に別の一実施形態においては、ファスナーテープは緯糸の織密度が38~42本/2.54cmの織物製であり、そして、対向する両側縁に芯紐が編み込みされることにより形成された隆起部を有しており、エレメント列は射出成形により当該隆起部上に取着されており、芯紐は芯糸とこれを包囲するように編成されたコース数が25コース/25.4mm以上の編成組織とを備えている。
 本発明に係るスライドファスナーの更に別の一実施形態においては、エレメント列がコイル状の繊維部品である。
 本発明に係るスライドファスナーの更に別の一実施形態においては、上止め、下止め、及び開離嵌挿具よりなる群から選択される少なくとも一つの射出成形部品を更に備える。
 本発明は別の一側面において、本発明に係るスライドファスナーを備えた物品である。
 本発明によれば、リサイクル性が高く、汎用性も高いスライドファスナーが提供される。すなわち、本発明に係るスライドファスナーはエコロジー製品として服飾品分野を含む幅広い利用が期待される。
本発明の第一の実施形態に係るスライドファスナーの正面図である。 図1のX-X’方向の断面図である。 本発明の第二の実施形態に係るスライドファスナーの正面図である。 本発明に係るスライドファスナーを利用した提げ紐の正面図である。 芯紐の構造例を示す模式図である。
 以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(1.ポリエステル樹脂)
 本発明に係るスライドファスナーは一実施形態において、すべての構成部品がポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂又はポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂以外のポリエステル樹脂を材料とする。そして、繊維部品はすべてポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を材料とし、射出成形部品はすべてポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂以外のポリエステル樹脂を材料とする。
 スライドファスナーの構成部品をポリエステル樹脂のみとすることで、スライドファスナーを分解し、構成部品を分別しなくてもポリエステル製品としてリサイクルすることが可能となる。繊維部品をポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を材料とすることで、染色性の問題が解消される。一方で、射出成形部品をポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂以外のポリエステル樹脂で作製することにより、射出成形性が容易になると共に耐衝撃性も強くなる。このため、製品の歩留まりや品質安定性の向上に寄与する。エコロジーの観点からは、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂とポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂以外のポリエステル樹脂の少なくとも何れかが植物由来であることが好ましく、これら両者が植物由来であることがより好ましい。
 本発明において、PET樹脂とはポリエステルであって、その繰り返し単位の酸成分としてテレフタル酸を、ジオール成分としてエチレングリコールをそれぞれ必須成分とする重合体である。本発明に用いられるPET樹脂においては、酸成分、ジオール成分ともに共重合成分を含んでも構わないが、酸成分としてテレフタル酸が、ジオール成分としてエチレングリコールが、各々酸成分及びジオール成分中、80モル%以上、好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上、最も好ましくは100モル%であるのが望ましい。これらの量が80モル%に満たないと、PET樹脂の特徴である剛性が失われたり、リサイクル性に悪影響を与えたりする場合がある。
 PET樹脂に用いられる共重合成分としては、酸成分として、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸等;あるいはこれらのアルキルエステル、酸ハライド等のエステル形成性誘導体等が例示でき、ジオール成分として、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、1,4-ビスオキシエトキシベンゼン、ビスフェノールA等の低分子ジオール;ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等の高分子ジオール等;あるいはこれらのエステル形成性誘導体等が例示できる。これらの酸成分及びジオール成分は、それぞれ複数種併用したものであっても構わない。また、異なる組成のPET樹脂を複数種組み合わせて用いても構わない。
 PET樹脂以外のポリエステル樹脂としては、特に制限はないが、PETに比べて射出成形性に優れていることが望ましい。そのようなポリエステル樹脂としては、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、又はそれらの組み合わせから選択される材料が挙げられる。好ましくはPET樹脂以外のポリエステル樹脂は、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)又はそれらの組み合わせから選択される材料であり、より好ましくはポリトリメチレンテレフタレート(PTT)である。
 本発明において、PTT樹脂とはポリエステルであって、その繰り返し単位の酸成分としてテレフタル酸を、ジオール成分としてトリメチレングリコールをそれぞれ必須成分とする重合体である。本発明に用いられるPTT樹脂においては、酸成分、ジオール成分ともに共重合成分を含んでも構わないが、酸成分としてテレフタル酸が、ジオール成分としてトリメチレングリコールが、各々酸成分及びジオール成分中、80モル%以上、好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上、最も好ましくは100モル%であるのが望ましい。これらの量が80モル%に満たないと、PTT樹脂の特徴である伸縮性、形状安定性及び柔軟性が失われたり、リサイクル性に悪影響を与えたりする場合がある。
 PTT樹脂に用いられる共重合成分としては、酸成分として、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸等;あるいはこれらのアルキルエステル、酸ハライド等のエステル形成性誘導体等が例示でき、ジオール成分として、エチレングリコール、トラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、1,4-ビスオキシエトキシベンゼン、ビスフェノールA等の低分子ジオール;ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等の高分子ジオール等;あるいはこれらのエステル形成性誘導体等が例示できる。これらの酸成分及びジオール成分は、それぞれ複数種併用したものであっても構わない。また、異なる組成のPTT樹脂を複数種組み合わせて用いても構わない。
 本発明において、PBT樹脂とはポリエステルであって、その繰り返し単位の酸成分としてテレフタル酸を、ジオール成分としてテトラメチレングリコールをそれぞれ必須成分とする重合体である。本発明に用いられるPBT樹脂においては、酸成分、ジオール成分ともに共重合成分を含んでも構わないが、酸成分としてテレフタル酸が、ジオール成分としてテトラメチレングリコールが、各々酸成分及びジオール成分中、80モル%以上、好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上、最も好ましくは100モル%であるのが望ましい。これらの量が80モル%に満たないと、PBT樹脂の特徴である伸縮性が失われたり、リサイクル性に悪影響を与えたりする場合がある。
 PBT樹脂に用いられる共重合成分としては、酸成分として、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸等;あるいはこれらのアルキルエステル、酸ハライド等のエステル形成性誘導体等が例示でき、ジオール成分として、エチレングリコール、トリメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、1,4-ビスオキシエトキシベンゼン、ビスフェノールA等の低分子ジオール;ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等の高分子ジオール等;あるいはこれらのエステル形成性誘導体等が例示できる。これらの酸成分及びジオール成分は、それぞれ複数種併用したものであっても構わない。また、異なる組成のPBT樹脂を複数種組み合わせて用いても構わない。
 本発明において、PEN樹脂とはポリエステルであって、その繰り返し単位の酸成分として2,6-ナフタレンジカルボン酸を、ジオール成分としてエチレングリコールをそれぞれ必須成分とする重合体である。本発明に用いられるPEN樹脂においては、酸成分、ジオール成分ともに共重合成分を含んでも構わないが、酸成分として2,6-ナフタレンジカルボン酸が、ジオール成分としてエチレングリコールが、各々酸成分及びジオール成分中、80モル%以上、好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上、最も好ましくは100モル%であるのが望ましい。これらの量が80モル%に満たないと、PEN樹脂の特徴である紫外線バリア性や機械的強度が失われたり、リサイクル性に悪影響を与えたりする場合がある。
 PEN樹脂に用いられる共重合成分としては、酸成分として、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸等;あるいはこれらのアルキルエステル、酸ハライド等のエステル形成性誘導体等が例示でき、ジオール成分として、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、1,4-ビスオキシエトキシベンゼン、ビスフェノールA等の低分子ジオール;ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等の高分子ジオール等;あるいはこれらのエステル形成性誘導体等が例示できる。これらの酸成分及びジオール成分は、それぞれ複数種併用したものであっても構わない。また、異なる組成のPEN樹脂を複数種組み合わせて用いても構わない。
 本発明において、PBN樹脂とはポリエステルであって、その繰り返し単位の酸成分として2,6-ナフタレンジカルボン酸を、ジオール成分としてテトラメチレングリコールをそれぞれ必須成分とする重合体である。本発明に用いられるPBN樹脂においては、酸成分、ジオール成分ともに共重合成分を含んでも構わないが、酸成分として2,6-ナフタレンジカルボン酸が、ジオール成分としてテトラメチレングリコールが、各々酸成分及びジオール成分中、80モル%以上、好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上、最も好ましくは100モル%であるのが望ましい。これらの量が80モル%に満たないと、PBN樹脂の特徴である耐摩耗性が失われたり、リサイクル性に悪影響を与えたりする場合がある。
 PBN樹脂に用いられる共重合成分としては、酸成分として、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸等;あるいはこれらのアルキルエステル、酸ハライド等のエステル形成性誘導体等が例示でき、ジオール成分として、エチレングリコール、トリメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、1,4-ビスオキシエトキシベンゼン、ビスフェノールA等の低分子ジオール;ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等の高分子ジオール等;あるいはこれらのエステル形成性誘導体等が例示できる。これらの酸成分及びジオール成分は、それぞれ複数種併用したものであっても構わない。また、異なる組成のPBN樹脂を複数種組み合わせて用いても構わない。
(2.繊維部品)
 繊維部品について説明する。スライドファスナーを構成する部品の内、繊維部品となり得るのは、限定的ではないが、ファスナーテープ、エレメント列、芯紐、及び補強テープなどである。引手を繊維部品で構成することもあり得る。また、提げ紐などのストラップをスライドファスナーに取り付けることもあり得る。ファスナーテープは一般に、エレメント列が取り付けられる側縁のエレメント取付部と、それとは反対側の物品の本体部分に縫着されるテープ主体部を有し、繊維を織成又は編成することでファスナーテープを作製可能である。繊維状のエレメント列としては、モノフィラメントをコイル状やジグザグ状に成形した連続エレメント列が挙げられる。芯紐は、ファスナーテープの長手方向の側縁に沿って編み込みされることにより形成された隆起部のことである。エレメントが芯紐に噛み込むことでエレメントの取付強度を高めることができる。芯紐は芯糸とその外周を被覆する管状の編成組織によって構成することができる。芯糸は縦伸びを少なくする観点から撚りをかけない糸を複数本引き揃えて使用することが好ましい。補強テープは、ファスナーテープの破損を防止するために、ファスナーテープの上端及び下端の何れか一方又は両方にファスナーテープの幅方向に沿って貼付することができ、平織組織などで織成されたものが使用できる。補強テープはファスナーテープの表裏に挟むようにして貼り付けることが効果的である。
 図5に、芯紐500の構造例を図示してある。芯糸501の周囲に適数の編糸T(図示の場合は4本)を経方向に配列し、この編糸Tを芯糸501の外面に沿って円周方向に8の字型に曲折させてその反転部に各ニードルループL1、L2をつくり、上位のニードルループL1を順次下位のニードルループL2に絡み合わせることで芯糸501の周囲に管状の編成組織が構築されている。そして、管状の編成組織のニードルループL1、L2とシンカループl1、l2によって芯糸501を中心部に向かって強く締め付けることができる。
 繊維部品はポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を材料とするため、染色性は優れている。しかしながら、ファスナーテープを織成したときのエレメントの射出成形性が問題となる。ファスナーテープにエレメントを射出成形するには、ファスナーテープにバイヤスが必要である。通常のポリエステル製ファスナーテープは、締め糸として収縮率の高いナイロン繊維を何本か使用しており、熱セット・染色工程を経ることで、バイヤスが形成される。しかしながら、オールポリエステル製のファスナーテープの場合は、伸縮率に差が出にくい為、熱セット・染色後にバイヤスのない真っすぐなテープが形成される。バイヤスを形成できない場合又はバイヤスの形成が不十分である場合、エレメントを射出成形する際に芯噛み不良が発生して、歩留まりが著しく低下する。
 本発明者は、当該問題が、ファスナーテープを織成するときの緯糸の織密度を少なくして伸縮性を上げると共に、芯紐のコース数を高くして高密度化し、伸縮性を下げることにより解決可能であることを見出した。一般に、ファスナーのテープ製造では、織成後の熱セット工程で、十分に収縮されると、染色時に浴槽中でテープが少し伸びる。ここで、テープの伸縮性を上げることでテープは染色時に伸び易くなる一方、芯紐は高密度化されているので染色時に伸び難くなることでバイヤスが形成されて、射出成形可能なテープとなる。ただし、芯噛み不良の解消とテープの実用的な強度の両立が達成できるテープの織密度と芯紐のコース数の数値範囲は狭い。当該数値範囲を見出したことも本発明における大きな技術的貢献であると考えられる。
 具体的には、ファスナーテープの緯糸の織密度を37~43本/インチ(2.54cm)とするとともに、芯紐のコース数を24コース/25.4mm以上とすることが好ましい。或いは、ファスナーテープの緯糸の織密度を37~39本/インチ(2.54cm)とするとともに、芯紐のコース数を20コース/25.4mm以上とすることが好ましい。当該組み合わせによって、エレメント射出成形性時の芯噛みが良好で強度にも優れたファスナーテープが得られる。より好ましくは、ファスナーテープの緯糸の織密度を38~42本/インチ(2.54cm)とし、芯紐のコース数を25コース/25.4mm以上とすることであり、更により好ましくはファスナーテープの緯糸の織密度を38~40本/インチ(2.54cm)とし、芯紐のコース数を25コース/25.4mm以上とすることである。芯紐のコース数は高いほどバイヤスを形成しやすくなるが、過度に高くすると、芯紐が硬くなり、柔軟性が低下することで、スライダーの開閉が重くなるといった問題が生じ得ることから、30以下が好ましく、27以下がより好ましい。ここで、芯紐のコース数とは、芯紐を構成する編地の横方向に並んだループの列の数を指す。
 ファスナーテープを構成する糸の繊度については、一般にファスナーテープに採用されている範囲とすればよいが、例えば、経糸を繊度75~500dTex、緯糸を繊度75~500dTexとすることができ、典型的には経糸を繊度100~400dTex、緯糸を繊度100~400dTexとすることができる。糸はモノフィラメント及びマルチフィラメントの何れを使用しても良いが、一本の糸はモノフィラメントから構成されることもでき、2本以上のモノフィラメントを束ねてできたマルチフィラメントから構成されることもでき、更には複数のマルチフィラメントから構成されることもできる。例えば、5dTexのモノフィラメントを50本束ねたマルチフィラメント2本によって構成される糸は500dTexの1本の糸である。使用する織機にもよるが、緯糸は一般に2本のマルチフィラメントから構成される。
(3.射出成形部品)
 次に、射出成形部品について説明する。スライドファスナーを構成する部品の内、射出成形部品となり得るのは、限定的ではないが、スライダー、エレメント列、上止め、下止め、及び開離嵌挿具などである。スライダーはエレメント列を挿通して噛合及び分離を制御するための部品である。上止め及び下止めはファスナーチェーンの上端部又は下端部に取り付けられてスライダーの脱離防止用部品である。開離嵌挿具は一般に箱棒、箱体及び蝶棒から構成されており、ファスナーチェーンの下端部に取り付けられる部品である。開離嵌挿具はスライダーの脱離防止機能に加え、ファスナーチェーンの連結及び分離を可能とする機能も有する。これらは何れもスライドファスナーにおいて慣用的に使用されている部品である。上記の他、例えば引手や種々の装飾品を射出成形部品とすることもあり得る。
 射出成形部品を染色することも可能であるが、PTT樹脂のように染色性が悪いポリエステルに対しては、顔料を入れて射出成形することも可能である。また、射出成形後に更に染色することも可能である。
(4.その他の部品)
 スライドファスナーを構成する部品は、射出成形部品及び繊維部品以外にもあり得る。例えば、ファスナーテープの補強テープをポリエステル製の透明フィルムで構成することができる。なお、補強テープを貼付するのに使用する接着剤はスライドファスナーの“構成部品”ではないので、必ずしもポリエステル系接着剤である必要はないが、リサイクル性を高める観点からは、ポリエステル系接着剤を使用することが好ましい。ポリエステル系接着剤としては、熱可塑性ポリエステル系ホットメルト接着剤、超音波溶着、二液硬化性接着剤などが挙げられる。
(5.スライドファスナーの第一の実施形態)
 図1には、本発明の第一の実施形態に係るスライドファスナー100の正面図が示されている。スライドファスナー100は、対向するそれぞれの側縁に芯紐114を有する一対のファスナーテープ112、一対のファスナーエレメント108の列、スライダー104、引手102、上止め106、開離嵌挿具110、及び補強テープ116によって構成されている。ファスナーエレメント108の列は芯紐114上に射出成形されている。本明細書では、スライダーがエレメント列を噛合させるように摺動する向きを上方とし、エレメント列を分離させるように摺動する向きを下方とする。また、上下方向に垂直でファスナーテープの面に水平な方向を幅方向とする。なお、各ファスナーテープ112にファスナーエレメント108の列が取り付けられた状態のものをファスナーストリンガーと呼ぶ。また、各ファスナーストリンガーが対になったものをファスナーチェーンと呼ぶ。
 ファスナーテープ112は、緯糸の織密度を先述した範囲としたPET樹脂で織成されている。芯紐114は、PET樹脂製の芯糸をPET樹脂製の経編組織で被覆して形成されており、ファスナーテープ112の長手方向の側縁に沿って織り込み又は編み込まれている。芯紐114には、噛合及び分離可能な複数のPTT製ファスナーエレメント108から構成されるファスナーエレメント列が射出成形によって取り付けられている。ファスナーエレメント108は、図2に示すように、ファスナーテープ112の側縁に編み込み又は織り込まれた芯紐114を表裏から挟持するように射出成形されている。点線104はスライダーの仮想線である。
 スライダー104は内部にファスナーエレメント108の列を嵌挿しながら摺動することで、一対のファスナーエレメント108の列を噛合及び分離することができる。スライダー104は引手102及び引手取付部118も含めて、PTT製の射出成形部品である。上止め106は、ファスナーエレメント108の列の上端に連接してファスナーテープの側縁に芯紐114をファスナーテープの表裏から挟持するようにして固定されている。ファスナーエレメント108の列の下端には開離嵌挿具110が連接して取り付けられている。上止め106及び開離嵌挿具110も同様にPTT製の射出成形部品である。
 補強テープ116は、平織組織を有するPET樹脂製の織物であり、ポリエステル系接着剤を用いて、ファスナーテープ112の上端及び下端に表裏に跨がって貼付されている。
(6.スライドファスナーの第二の実施形態)
 図3には、本発明の第二の実施形態に係るスライドファスナー200の正面図が示されている。スライドファスナー200は、コイル状のファスナーエレメント208の列、ファスナーテープ212、スライダー204、上止め206、下止め210によって構成されている。
 ファスナーテープ212は、緯糸の織密度を先述した範囲としたPET樹脂製の繊維を用いて織成されている。コイル状のファスナーエレメント208の列はPET樹脂製のモノフィラメントからなり、PET樹脂製の縫合糸214によってファスナーテープ212の側縁部に縫着されている。スライダー204は内部にファスナーエレメント208の列を嵌挿しながら摺動することで、一対のファスナーエレメント208の列を噛合及び分離することができる。スライダー204は引手202及び引手取付部218も含めて、PTT製の射出成形部品である。上止め206はファスナーエレメント108の列の上端に連接して、下止め210はファスナーエレメント208の列の下端に連接して、それぞれファスナーテープの側縁に縫合糸214によって形成された縫製ラインをファスナーテープの表裏から挟持するようにして固定されている。上止め206及び下止め210も同様にPTT製の射出成形部品である。
 本発明に係るスライドファスナーは各種の物品に縫着することで、物品の開閉具として使用することができる。本発明に係るスライドファスナーをポリエステル製の物品の開閉具として使用すると、スライドファスナーを取り外すことなく、別のポリエステル製品へのリサイクルが可能となる。
 更に、本発明に係るスライドファスナーは、物品の開閉具としてのみならず、提げ紐(例:携帯電話のストラップ)など開閉具以外の商品に利用することも可能である。例えば、図4には、本発明に係るスライドファスナーを利用した提げ紐300の例が示されている。提げ紐300は、PTT製のファスナーエレメント308の列をPET製の芯紐314に沿って芯紐314を挟み込むように射出成形された後、芯紐314を中央部分でエレメントの噛合部分が内側になるよう折り返して両端を揃え、そこに射出成形されたPTT製のスライダー304を挿通することによって形成されている。また、下端部には射出成形されたPTT製の下止306がポリエステル系接着剤により固定されており、下止め306の先端にはPET製のリング状の紐310が形成されている。
 以下、本発明及びその利点をよりよく理解するための実施例を記載するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<1.染色性の評価>
 (1)及び(2)の繊維を使用して平織組織を有するPET樹脂製及びPTT樹脂製のファスナーテープをそれぞれ織成した。
(1)PET製ファスナーテープ
植物由来PET樹脂製繊維(豊田通商社)
(2)PTT製ファスナーテープ
植物由来PTT樹脂製繊維(東レ社)
 これらの織上がりファスナーテープに対して、180℃の乾熱下で90秒間の熱セットを行い、次いで、表1に記載の温度を有する高圧染色液(分散染料)中に浸漬して40分間の染色を行った。染色は3原色を使用した。染色性はコニカミノルタ社製のCCM(コンピュータカラーマッチングシステム)を用いて評価した。染色温度は、ファスナー染色に適した130℃としたが、PTT用には110℃でも試験を行った。染色試験を5回行い、1回目の色を基準として色再現性を評価した。結果を表1に示す。PTT繊維は低温から染料が吸尽し、染色速度が速い為、色ブレや色ムラが大きく色再現性が劣っていた。一方、PET繊維は高い色再現性が得られた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
<2.染色堅牢度の評価>
 (1)及び(2)の繊維を使用して平織組織を有するPET樹脂製及びPTT樹脂製のファスナーテープをそれぞれ織成した。
(1)PET製ファスナーテープ
植物由来PET樹脂製繊維
(2)PTT製ファスナーテープ
植物由来PTT樹脂製繊維
 これらの織上がりファスナーテープに対して、180℃の乾熱下で90秒間の熱セットを行い、次いで、表2に記載の温度を有する高圧染色液(分散染料)中に浸漬して40分間の染色を行った。染色は黒色を使用した。染色後のファスナーテープに対してJIS L0879:2005に準拠して染色堅牢度試験を実施した。結果を表2に示す。PTT繊維をファスナーテープに使用した場合、染色堅牢度試験においてポリエステル汚染の項目に対して、1.5級となり品質基準を満たすことが出来ない。しかし、ファスナーテープにPET繊維を使用し、130℃で染色を行うと、変退色、綿汚染及びポリエステル汚染において3.5級以上となり品質基準を満たすことが可能である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
<3.射出成形性の評価>
 下記(1)~(3)の繊維を用いて、緯糸の織密度を表3に記載の範囲で変化させることにより、平織組織を有する種々のファスナーテープを織成した。この際、試験番号に応じて、ファスナーテープの側縁にコース数の異なる芯紐を編み込んだ。
(1)通常品
経糸:材質PET及びナイロン、繊度235~330dTex、織密度42本/インチ(2.54cm)
緯糸:材質PET、繊度330dTex、表3に記載の織密度
芯紐:<芯糸>材質PET、撚りをかけない糸の5本の引き揃え
   <管状編成組織>材質PET、繊度110dTex、表3に記載のコース数
(2)植物由来PET
経糸:植物由来PET樹脂製繊維、繊度167dTexの2本の引き揃え、織密度40本/インチ(2.54cm)
緯糸:植物由来PET樹脂製繊維、繊度167dTexの2本の引き揃え、表3に記載の織密度
芯紐:<芯糸>植物由来PET樹脂製繊維、撚りをかけない糸の8本の引き揃え
   <管状編成組織>植物由来PET樹脂製繊維、繊度167dTex、表3に記載のコース数
(3)植物由来PETとナイロンの組み合わせ
経糸:植物由来PET樹脂製繊維、繊度167dTexの2本の引き揃え、一部ナイロン235dTex、織密度42本/インチ(2.54cm)
緯糸:植物由来PET樹脂製繊維、繊度167dTexの2本の引き揃え、表3に記載の織密度
芯紐:<芯糸>材質:植物由来PET樹脂製繊維、撚りをかけない糸の8本の引き揃え
   <管状編成組織>材質:植物由来PET樹脂製繊維、繊度167dTexの2本の引き揃え、表3に記載のコース数
 これらの織上がりファスナーテープに対して、180℃の乾熱下で90秒間の熱セットを行い、次いで、130℃の高圧染色液(分散染料)中に浸漬して40分間の染色を行った。染色後の各ファスナーテープの側縁に沿って、芯紐を挟み込むようにPTT製のエレメントを連続して射出成形することで、ファスナーストリンガーを作製した。結果を表3に示す。コース数と織密度を最適化することにより、PET樹脂のみで作製したファスナーテープであってもバイヤスが形成され、高い歩留まりでエレメントを射出成形可能であることが分かる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
○:問題なく生産可能
△:稀に芯噛み不良が発生(5ショットを超えて300ショット以内に不良が発生)
×:芯噛み不良・強度不足により生産不可能(5ショット以内に不良が発生)
チェーン横引強度試験による評価結果で350N以下の場合を強度不足とした
100   スライドファスナー
102   引手
104   スライダー
106   上止め
108   ファスナーエレメント
110   開離嵌挿具
112   ファスナーテープ
114   芯紐
116   補強テープ
118   引手取付部
200   スライドファスナー
202   引手
204   スライダー
206   上止め
208   ファスナーエレメント
210   下止め
212   ファスナーテープ
218   引手取付部
300   提げ紐
304   スライダー
306   下止め
308   ファスナーエレメント
310   紐
314   芯紐
500   芯紐
501   芯糸

Claims (10)

  1.  すべての構成部品がポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂又はポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂以外のポリエステル樹脂を材料としたスライドファスナーであって、当該スライドファスナーは繊維部品及び射出成形部品を有し、繊維部品はすべてポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を材料とし、射出成形部品はすべてポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂以外のポリエステル樹脂を材料とし、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂とポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂以外のポリエステル樹脂の少なくとも一方が植物由来であるスライドファスナー。
  2.  射出成形部品はすべてポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)又はそれらの組み合わせから選択される材料で構成される請求項1に記載のスライドファスナー。
  3.  一対のファスナーテープと、当該ファスナーテープの対向する両側縁に取着された一対のエレメント列と、当該エレメント列を挿通して噛合及び分離を制御するためのスライダーを備えたスライドファスナーであって、ファスナーテープを繊維部品とし、エレメント列を射出成形部品又は繊維部品とし、スライダーを射出成形部品とした請求項1又は2に記載のスライドファスナー。
  4.  エレメント列を射出成形部品とした請求項3に記載のスライドファスナー。
  5.  ファスナーテープは緯糸の織密度が37~43本/2.54cmの織物製である請求項3又は4に記載のスライドファスナー。
  6.  ファスナーテープは対向する両側縁に芯紐が編み込みされることにより形成された隆起部を有し、エレメント列は射出成形により当該隆起部上に取着されており、芯紐は芯糸とこれを包囲するように編成されたコース数が20コース/25.4mm以上の編成組織とを備えている請求項3~5の何れか一項に記載のスライドファスナー。
  7.  ファスナーテープは緯糸の織密度が38~42本/2.54cmの織物製であり、そして、対向する両側縁に芯紐が編み込みされることにより形成された隆起部を有しており、エレメント列は射出成形により当該隆起部上に取着されており、芯紐は芯糸とこれを包囲するように編成されたコース数が25コース/25.4mm以上の編成組織とを備えている請求項4に記載のスライドファスナー。
  8.  エレメント列がコイル状の繊維部品である請求項3に記載のスライドファスナー。
  9.  上止め、下止め、及び開離嵌挿具よりなる群から選択される少なくとも一つの射出成形部品を更に備えた請求項1~8の何れか一項に記載のスライドファスナー。
  10.  請求項1~9の何れか一項に記載のスライドファスナーを備えた物品。
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