WO2017126394A1 - 光学部品 - Google Patents

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Abstract

本発明の一実施形態に係る光学部品は、透光性を有する基材と、この基材の入射面及び出射面の少なくとも一方に積層される1又は複数の中間層と、この1又は複数の中間層の最外層に積層され、ダイヤモンドライクカーボンを主成分とする表面層とを備え、上記1又は複数の中間層のうち少なくとも1の中間層がシリコンを主成分とし、そのシリコンを主成分とする中間層の酸素含有率が10atomic%以下である。

Description

光学部品
 本発明は、光学部品に関する。本出願は、2016年1月18日出願の日本出願第2016-007474号および2016年6月3日出願の日本出願第2016-112206号に基づく優先権を主張し、上記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
 赤外線を利用する機器、例えば赤外線センサ等に、赤外線を透過する材料で形成されるレンズ等の光学部品が使用されている。このような機器の高性能化に伴い、より赤外線透過率が大きい材料が求められている。
 赤外線透過材料としては、例えば硫化亜鉛、セレン化亜鉛、フッ化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、フッ化リチウム、酸化ケイ素、フッ化カルシウム、フッ化バリウム等の誘電体や、例えばシリコン、ゲルマニウム等の半導体を挙げることができる。これらの材料のうち、硫化亜鉛は、0.4μm以上14.4μm以下の比較的広い範囲の赤外線を透過することに加え、比較的大きな多結晶バルク材料を得ることができるので赤外線透過材料として注目されている。
 しかしながら、硫化亜鉛は比較的硬度が小さいため、例えば対物レンズ等の外部の部材に接触し得る部品に用いると表面が傷付きやすいという欠点を有する。このため、硫化亜鉛から形成される基材の表面に硬度が大きい層を積層することによって傷付きにくくした光学部品が提案されている(特開2015-224177号公報参照)。
 上記公報に記載の光学部品は、硫化亜鉛の焼結体を主体とする基材の最外面(入射面又は出射面)にダイヤモンドライクカーボンから形成される表面層を形成することで、傷付きを抑制している。さらに、上記公報に記載の光学部品は、屋外での使用時における紫外線や水分の影響による硫化亜鉛の酸化による赤外線透過率の低下を抑制するために、つまり耐候性を向上するために、基材層と表面層との間に複数の中間層を積層することを開示している。
特開2015-224177号公報
 上記公報に記載の光学部品でも、高温高湿の比較的過酷な環境下で使用すると、主に表面層や中間層が斑点状に劣化し、赤外線透過率が低下する場合がある。
 本発明の一態様に係る光学部品は、透光性を有する基材と、この基材の入射面及び出射面の少なくとも一方に積層される1又は複数の中間層と、この1又は複数の中間層の最外層に積層され、ダイヤモンドライクカーボンを主成分とする表面層とを備え、上記1又は複数の中間層のうち少なくとも1の中間層がシリコンを主成分とし、そのシリコンを主成分とする中間層の酸素含有率が10atomic%以下である光学部品である。
図1は、本発明の一実施形態の光学部品の構成を示す模式的断面図である。
[本開示が解決しようとする課題]
 本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、比較的耐候性に優れる光学部品を提供することを課題とする。
[発明の効果]
 本発明の一態様に係る光学部品は、比較的耐候性に優れる。
[本発明の実施形態の説明]
 本発明の一態様に係る光学部品は、透光性を有する基材と、この基材の入射面及び出射面の少なくとも一方に積層される1又は複数の中間層と、この1又は複数の中間層の最外層に積層され、ダイヤモンドライクカーボンを主成分とする表面層とを備え、上記1又は複数の中間層のうち少なくとも1の中間層がシリコンを主成分とし、そのシリコンを主成分とする中間層の酸素含有率が10atomic%以下である。
 当該光学部品は、少なくとも1の中間層がシリコンを主成分とし、そのシリコンを主成分とする中間層の酸素含有率が上記上限以下であることによって、高温高湿環境下で使用されてもシリコンの酸化による赤外振動吸収の発現が比較的少ない。つまり、当該光学部品は、比較的耐候性に優れる。
 複数の上記中間層を備え、この複数の中間層のうち少なくとも1の中間層がダイヤモンドライクカーボンを主成分とするとよい。このように、当該光学部品が複数の上記中間層を備え、この複数の中間層のうち少なくとも1の中間層がダイヤモンドライクカーボンを主成分とすることによって、万が一にも表面層が損傷乃至剥離した場合にも、このダイヤモンドライクカーボンを主成分とする中間層が基材を保護することができる。これにより過酷な環境下での使用や長期間の使用に際しても、赤外線透過率の低下を効果的に抑制することができる。
 上記基材が硫化亜鉛の焼結体を主成分とするとよい。このように、当該光学部品は上記基材が硫化亜鉛の焼結体を主成分とすることによって、赤外線透過率が比較的大きく、また製造が比較的容易となる。
 ここで、「透光性」とは、赤外線透過率が60%以上、好ましくは70%以上であることを意味する。なお、「赤外線透過率」とは、波長8μm以上12μm以下の赤外光の平均透過率であって、JIS-B7107(1997)に準じた方法で測定される値である。また、「主成分」とは最も質量含有量が大きい成分を意味し、好ましくは95質量%以上含有する成分を意味する。また、「酸素含有率」とは、JIS-K0146(2002)に準拠して、スパッタにより層表面から深さ50nmまでの表層領域を除去し、X線光電子分光法(ESCA:Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)により測定して得られる値である。
[本発明の実施形態の詳細]
 以下、本発明に係る光学部品の実施形態について図面を参照しつつ詳説する。
 図1に示す本発明の一態様に係る光学部品は、光、具体的には赤外光を透過させることを目的とする部材であって、例えばレンズ、光学機器の窓材(光線の入射口又は出射口のカバー)等として用いられる。
 当該光学部品は、透光性を有する基材1と、この基材の入射面又は出射面(通常、当該光学部品を使用する装置の投光部では出射面、受光部では入射面)に積層される1又は複数の中間層2(図1には1層の場合を例示)と、この中間層2の最外層に積層され、ダイヤモンドライクカーボンを主成分とする表面層3とを備える。
 当該光学部品では、少なくとも1の中間層2は、密着性に優れるシリコン(Si)を主成分とする。
 また、上記シリコンを主成分とする中間層2の酸素含有率の下限としては、1.0atomic%が好ましく、1.5atomic%がより好ましい。一方、上記シリコンを主成分とする中間層2の酸素含有率の上限としては、10atomic%であり、6atomic%が好ましく、4atomic%がより好ましい。上記シリコンを主成分とする中間層2の酸素含有率が上記下限に満たない場合、製造が容易でなくなることで不必要にコストが増大するおそれがある。逆に、上記シリコンを主成分とする中間層2の酸素含有率が上記上限を超える場合、高温高湿環境下でシリコンの酸化による赤外振動吸収の発現を十分に抑制できず、赤外線透過率が低下するおそれがある。
 シリコンを主成分とする中間層2の酸素含有率が当該光学部品の耐候性に影響する理由としては、シリコンを主成分とする中間層2において、酸素はシリコンと結合して存在することが考えられる。より詳しくは、酸素が結合したシリコンは、シリコン結晶中の欠陥であるため中間層2の水分子に対するバリア性を低下させる。また、酸素が結合したシリコン原子同士が酸素原子を介して結合してシロキサン結合(-S-O-S-)を形成することによりシリコン結晶中の欠陥を粗大化してさらにバリア性が低下すると考えられる。このため、シリコンを主成分とする中間層2の酸素含有率を上記上限以下にすることで、当該光学部品の耐候性を向上できると考えられる。
<基材>
 基材1は、当該光学部品の光学的機能を実質的に定める部材であって、機械的な構造体でもある。従って、基材1の形状は、例えば光学的機能、機械的強度、光学機器への取り付け構造等の要求に応じて任意に選択される。
 基材1の主成分としては、透光性を有するもの、具体的には赤外線を透過するものであればよく、例えば硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、フッ化マグネシウム(MgF)、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、フッ化リチウム(LiF)、酸化ケイ素(SiO)、フッ化カルシウム(CaF)、フッ化バリウム(BaF)等の誘電体や、例えばシリコン、ゲルマニウム等の半導体や、Ge-As-Se系、As-Se系、Ge-Sb-Se系、Tl-Ge-Se系、Sb―Ge―Sn―S系、As-Te-Ge-Si系、Cu-Sb-S系等のカルコゲナイドガラスを用いることができる。中でも、基材1の主成分としては、赤外線透過率が比較的大きい硫化亜鉛又はカルコゲナイドガラスが好ましい。
 基材1が硫化亜鉛を主成分とする場合、化学蒸着法(CVD:Chemical Vapor Deposition)によって形成してもよいが、比較的安価な硫化亜鉛粉末の焼結によって形成することで、製造コストを抑制することができる。つまり、基材1は、硫化亜鉛を主成分とする材料の焼結体であることが好ましい。換言すると、基材1の主成分としては、硫化亜鉛の焼結体が好ましい。
 硫化亜鉛の焼結体を主成分とする基材1は、硫化亜鉛粉末を成形する工程と、この成形体を予備焼結する工程と、この予備焼結体を加圧焼結する工程とを備える方法によって形成することができる。
 硫化亜鉛の焼結体を形成する硫化亜鉛粉末としては、平均粒径が1μm以上3μm以下、かつ純度が95質量%以上であるものを使用することが好ましい。このような硫化亜鉛粉末は、例えば共沈法等の公知の粉末合成法によって得ることができる。なお、「平均粒径」とは、レーザー回折法により測定される粒子径の分布において体積積算値が50%となる粒子径である。
 上記成形工程では、金型を用いたプレス成形によって、最終的に得ようとする光学部品に準じた概略形状を有する成形体を形成する。上記金型は、例えば超硬合金、工具鋼等の硬質の材料から形成される。また、この成形工程は、例えば一軸加圧プレス機等を用いて行うことができる。
 上記予備焼結工程では、成形工程において作製された成形体を、例えば30Pa以下の真空雰囲気下又は大気圧の窒素ガス等の不活性雰囲気下で加熱する。この予備焼結温度としては、500℃以上1000℃以下とすることができ、予備焼結時間(予備焼結温度の保持時間)としては、0.5時間以上15時間以下とすることができる。この予備焼結工程で得られる予備焼結体は、55%以上80%以下の相対密度を有する。
 上記加圧焼結工程では、予備焼結体をプレス型で加圧しつつ加熱することにより、所望の形状を有する焼結体(基材1)を得る。具体的には、上記プレス型としては、例えばガラス状カーボンから形成され、鏡面研磨された拘束面(キャビティ)を有する1対の型(上型及び下型)を用いることができる。この加圧焼結温度としては、550℃以上1200℃以下が好ましい。また、焼結圧力としては10MPa以上300MPa以下が好ましい。また、焼結時間としては、1分以上60分以下が好ましい。
 この加圧焼結工程で得られる焼結体は、そのまま基材1として使用してもよいが、必要に応じて例えば入射面や出射面の研磨等の仕上げ加工を行うことにより基材1として使用してもよい。
<中間層>
 中間層2は、基材1と後述する表面層3との間に形成される機能層であって、例えば表面層3の密着性向上、使用波長帯における反射防止、基材1の保護などの目的で形成される層である。また、この中間層2は、基材1の赤外光の入出射を阻害しないよう透光性を有する。
 中間層2の主成分としては、例えばシリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ダイヤモンドライクカーボン、リン化ガリウム(GaP)、リン化ホウ素(BP)、酸化イットリウム(Y)、酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)、フッ化イットリウム(YF)、フッ化ランタン(LaF)、フッ化セリウム(CeF)、フッ化マグネシウム(MgF)、セレン化亜鉛(ZnSe)、ダイヤモンドライクカーボン等が挙げられる。
 上述のように、当該光学部品は、少なくとも1の中間層2がシリコンを主成分とし、酸素含有率が上記範囲内とされる。このシリコンを主成分とする中間層2は、シリコンの酸化による赤外振動吸収が発現しにくいため、当該光学部品の耐候性を向上する。
 また、シリコンを主成分とする中間層2は比較的密着性に優れる。このため、シリコンを主成分とする中間層2は、密着性が小さくなりやすいダイヤモンドライクカーボンを主成分とする表面層3に隣接して積層されることで、当該光学部品の信頼性を向上することができる。
 各中間層2の平均厚さの下限としては、5nmが好ましく、50nmがより好ましい。一方、各中間層2の平均厚さの上限としては、200μmが好ましく、5μmがより好ましい。各中間層2の平均厚さが上記下限に満たない場合、製造誤差が大きくなるおそれがある。逆に、各中間層2の平均厚さが上記上限を超える場合、当該光学部品の赤外線透過率が不必要に低下するおそれがある。
 当該光学部品は、複数の中間層2を備えることが好ましい。この場合、複数の中間層2のうち少なくとも1の中間層2がダイヤモンドライクカーボンを主成分とすることが好ましい。ダイヤモンドライクカーボンを主成分とする中間層2は、万が一にも表面層3が損傷した場合に、表面層3に替わって基材1を保護する機能を果たすことができる。また、ダイヤモンドライクカーボンを主成分とする中間層2は、密着性に優れるシリコンやゲルマニウムを主成分とする中間層2を介して他の層に積層されることが好ましい。
 上記中間層2の主成分とされ得るダイヤモンドライクカーボンは、ダイヤモンドの構造であるsp3結合とグラファイトの構造であるsp2結合との両方を有するアモルファス(非晶質)構造の炭素である。
 ダイヤモンドライクカーボン以外の材料で形成される中間層2は、例えばスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法、プラズマCVD法等の公知の方法により形成することができる。また、ダイヤモンドライクカーボンで形成される中間層2は、例えばプラズマCVD法、熱フィラメント法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、イオンビーム法等の公知の方法により形成することができる。
 また、シリコンを主成分とする中間層2の酸素含有率は、例えば真空蒸着法により積層する場合には、真空度、蒸着速度、原料純度等によって調節することができる。
<表面層>
 表面層3は、当該光学部品の耐傷性を向上、つまり基材1の損傷を防止するための保護層である。また、この表面層3は、基材1の赤外光の入出射を阻害しないよう透光性を有する。
 表面層3の主成分であるダイヤモンドライクカーボンは、ダイヤモンドの構造であるsp3結合とグラファイトの構造であるsp2結合との両方を有するアモルファス(非晶質)構造の炭素である。
 ダイヤモンドライクカーボンは、その中に含まれるsp3結合とsp2結合との比率、構造中の水素原子の比率、構造中の他の元素の有無等によって、多様な物性を有する材料である。一般的に、ダイヤモンドライクカーボンの物性は、sp3結合の比率が高いほどダイヤモンドに近くなり、sp2結合の比率が高いほどグラファイトに近くなる。また、ダイヤモンドライクカーボンの物性は、含まれる水素原子の比率が高くなると、高分子に近い特性を示すようになる。
 このようなダイヤモンドライクカーボンは、一般的に、sp3結合、sp2結合及び水素含有量に基づいて、ta-C(テトラへドラルアモルファスカーボン)、a-C(アモルファスカーボン)、ta-C:H(水素化テトラへドラルアモルファスカーボン)及びa-C:H(水素化アモルファスカーボン)に分類することができる。表面層3の主成分とされるダイヤモンドライクカーボンは、中間層2の主成分とされるダイヤモンドライクカーボンと同一でもよく、異なってもよい。
 表面層3の平均厚さの下限としては、20nmが好ましく、100nmがさらに好ましい。一方、表面層3の平均厚さの上限としては、200μmが好ましく、10μmがさらに好ましい。表面層3の平均厚さが上記下限に満たない場合、表面層3の強度が不十分となるおそれがある。逆に、表面層3の平均厚さが上記上限を超える場合、当該光学部品の赤外線透過率が不必要に低下するおそれがある。
 表面層3は、例えばスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法、プラズマCVD法等の公知の方法により形成することができる。
[その他の実施形態]
 今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
 当該光学部品において、入射面及び出射面の両方に中間層及び表面層が積層されてもよい。また、当該光学部品は、上記以外の構成、例えば光拡散層、反射層、フィルター層、偏光層等をさらに備えてもよい。
 以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
 当該光学部品の製造例1~48について説明する。当該光学部品の製造例1~48は、表1及び表2に示す材質及び設計上の厚さを有する基材、複数の中間層及び表面層を備える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
<製造例1>
 製造例1は、円盤状の硫化亜鉛焼結体からなる基材と、この基材の表面に順番に積層される第1乃至第4中間層と、第4中間層の表面にさらに積層される表面層とを備える。
(基材)
 基材は、次の手順で作製した。先ず、平均粒径が2μm、純度が98質量%である硫化亜鉛の粉末を一軸式金型プレス(冷間プレス)により成形し、直径20mm、平均厚さ5mmの円盤状の成形体を作製した。次に、得られた成形体を窒素雰囲気中で800℃に加熱し、5時間保持することにより、相対密度約60%の予備焼結体を得た。ガラス状カーボンからなり、鏡面研磨された拘束面を有する1対の型(上型及び下型)の間に上記予備焼結体を配置して、50MPaの圧力で加圧しつつ1000℃に加熱して300秒間保持することにより、直径20mm、平均厚さ3mmの基材が得られた。
(第1中間層)
 第1中間層として、電子ビームを用いた真空蒸着法によって、真空度を5×10-4Paとし、平均厚さが289nmとなるよう条件を設定してシリコンを積層した。
(第2中間層)
 第2中間層として、メタンガスを原料とし、13.56MHzの高周波プラズマCVD法によって、平均厚さ150nmとなるよう条件を設定してダイヤモンドライクカーボン(表中ではDLCと表記)を積層した。
(第3中間層)
 第3中間層として、電子ビームを用いた真空蒸着法によって、平均厚さ70nmとなるよう条件を設定してシリコンを積層した。
(第4中間層)
 第4中間層として、電子ビームを用いた真空蒸着法によって、平均厚さ837nmとなるよう条件を設定してゲルマニウムを積層した。
(表面層)
 表面層として、メタンガスを原料とし、13.56MHzの高周波プラズマCVD法によって、平均厚さ1100nmとなるよう条件を設定してダイヤモンドライクカーボンを積層した。
<製造例2>
 製造例2は、第1中間層及び第3中間層の積層時の真空度が2×10-4Paである以外は、上記製造例1と同じ条件で試作した。
<製造例3>
 製造例3は、第1中間層及び第3中間層の積層時の真空度が1×10-4Paである以外は、上記製造例1と同じ条件で試作した。
<製造例4>
 製造例4は、第1中間層及び第3中間層の積層時の真空度が1×10-3Paである以外は、上記製造例1と同じ条件で試作した。
<製造例5>
 製造例5は、製造例1と同様の基材と、この基材の表面に順番に積層される第1乃至第4中間層と、第4中間層の表面に積層される表面層とを備えるものである。
(第1中間層)
 第1中間層として、電子ビームを用いた真空蒸着法によって、真空度を5×10-4Paとし、平均厚さが200nmとなるよう条件を設定してシリコンを積層した。
(第2中間層)
 第2中間層として、メタンガスを原料とし、13.56MHzの高周波プラズマCVD法によって、平均厚さ258nmとなるよう条件を設定してダイヤモンドライクカーボンを積層した。
(第3中間層)
 第3中間層として、電子ビームを用いた真空蒸着法によって、平均厚さ866nmとなるよう条件を設定してゲルマニウムを積層した。
(第4中間層)
 第4中間層として、電子ビームを用いた真空蒸着法によって、平均厚さ200nmとなるよう条件を設定してシリコンを積層した。
(表面層)
 表面層として、メタンガスを原料とし、13.56MHzの高周波プラズマCVD法によって、平均厚さ978nmとなるよう条件を設定してダイヤモンドライクカーボンを積層した。
<製造例6>
 製造例6は、第1中間層及び第4中間層の積層時の真空度が2×10-4Paである以外は、上記製造例5と同じ条件で試作した。
<製造例7>
 製造例7は、第1中間層及び第4中間層の積層時の真空度が1×10-4Paである以外は、上記製造例5と同じ条件で試作した。
<製造例8>
 製造例8は、第1中間層及び第4中間層の積層時の真空度が1×10-3Paである以外は、上記製造例5と同じ条件で試作した。
<製造例9>
 製造例9は、製造例1と同様の基材と、この基材の表面に順番に積層される第1乃至第4中間層と、第4中間層の表面に積層される表面層とを備える。
(第1中間層)
 第1中間層として、電子ビームを用いた真空蒸着法によって、真空度を5×10-4Paとし、平均厚さが103nmとなるよう条件を設定してシリコンを積層した。
(第2中間層)
 第2中間層として、電子ビームを用いた真空蒸着法によって、平均厚さ70nmとなるよう条件を設定してゲルマニウムを積層した。
(第3中間層)
 第3中間層として、メタンガスを原料とし、13.56MHzの高周波プラズマCVD法によって、平均厚さ150nmとなるよう条件を設定してダイヤモンドライクカーボンを積層した。
(第4中間層)
 第4中間層として、電子ビームを用いた真空蒸着法によって、平均厚さ70nmとなるよう条件を設定してシリコンを積層した。
(表面層)
 表面層として、メタンガスを原料とし、13.56MHzの高周波プラズマCVD法によって、平均厚さ1324nmとなるよう条件を設定してダイヤモンドライクカーボンを積層した。
<製造例10>
 製造例10は、第1中間層及び第4中間層の積層時の真空度が2×10-4Paである以外は、上記製造例9と同じ条件で試作した。
<製造例11>
 製造例11は、第1中間層及び第4中間層の積層時の真空度が1×10-4Paである以外は、上記製造例9と同じ条件で試作した。
<製造例12>
 製造例12は、第1中間層及び第4中間層の積層時の真空度が1×10-3Paである以外は、上記製造例9と同じ条件で試作した。
<製造例13>
 製造例13は、製造例1と同様の基材と、この基材の表面に順番に積層される第1乃至第3中間層と、第3中間層の表面に積層される表面層とを備える。
(第1中間層)
 第1中間層として、電子ビームを用いた真空蒸着法によって、真空度を5×10-4Paとし、平均厚さが267nmとなるよう条件を設定してシリコンを積層した。
(第2中間層)
 第2中間層として、メタンガスを原料とし、13.56MHzの高周波プラズマCVD法によって、平均厚さ225nmとなるよう条件を設定してダイヤモンドライクカーボンを積層した。
(第3中間層)
 第3中間層として、電子ビームを用いた真空蒸着法によって、平均厚さ863nmとなるよう条件を設定してシリコンを積層した。
(表面層)
 表面層として、メタンガスを原料とし、13.56MHzの高周波プラズマCVD法によって、平均厚さ1125nmとなるよう条件を設定してダイヤモンドライクカーボンを積層した。
<製造例14>
 製造例14は、第1中間層及び第3中間層の積層時の真空度が2×10-4Paである以外は、上記製造例13と同じ条件で試作した。
<製造例15>
 製造例15は、第1中間層及び第3中間層の積層時の真空度が1×10-4Paである以外は、上記製造例13と同じ条件で試作した。
<製造例16>
 製造例16は、第1中間層及び第3中間層の積層時の真空度が1×10-3Paである以外は、上記製造例13と同じ条件で試作した。
<製造例17>
 製造例17は、製造例1と同様の基材と、この基材の表面に順番に積層される第1乃至第3中間層と、第3中間層の表面に積層される表面層とを備える。
(第1中間層)
 第1中間層として、電子ビームを用いた真空蒸着法によって、真空度を5×10-4Paとし、平均厚さが644nmとなるよう条件を設定してシリコンを積層した。
(第2中間層)
 第2中間層として、電子ビームを用いた真空蒸着法によって、平均厚さ535nmとなるよう条件を設定してゲルマニウムを積層した。
(第3中間層)
 第3中間層として、電子ビームを用いた真空蒸着法によって、平均厚さ94nmとなるよう条件を設定してシリコンを積層した。
(表面層)
 表面層として、メタンガスを原料とし、13.56MHzの高周波プラズマCVD法によって、平均厚さ1100nmとなるよう条件を設定してダイヤモンドライクカーボンを積層した。
<製造例18>
 製造例18は、第1中間層及び第3中間層の積層時の真空度が2×10-4Paである以外は、上記製造例17と同じ条件で試作した。
<製造例19>
 製造例19は、第1中間層及び第3中間層の積層時の真空度が1×10-4Paである以外は、上記製造例17と同じ条件で試作した。
<製造例20>
 製造例20は、第1中間層及び第3中間層の積層時の真空度が1×10-3Paである以外は、上記製造例17と同じ条件で試作した。
<製造例21>
 製造例21は、製造例1と同様の基材と、この基材の表面に積層される第1中間層と、この第1中間層の表面に積層される表面層とを備える。
(第1中間層)
 第1中間層として、電子ビームを用いた真空蒸着法によって、真空度を5×10-4Paとし、平均厚さが244nmとなるよう条件を設定してシリコンを積層した。
(表面層)
 表面層として、メタンガスを原料とし、13.56MHzの高周波プラズマCVD法によって、平均厚さ1440nmとなるよう条件を設定してダイヤモンドライクカーボンを積層した。
<製造例22>
 製造例22は、第1中間層の積層時の真空度が2×10-4Paである以外は、上記製造例21と同じ条件で試作した。
<製造例23>
 製造例23は、第1中間層の積層時の真空度が1×10-4Paである以外は、上記製造例21と同じ条件で試作した。
<製造例24>
 製造例24は、第1中間層の積層時の真空度が1×10-3Paである以外は、上記製造例21と同じ条件で試作した。
<製造例25>
 製造例25は、Ge-As-Se系からなる円盤状(直径20mm、平均厚さ3mm)のカルコゲナイドガラスからなる基材と、この基材の表面に順番に積層される第1乃至第4中間層と、第4中間層の表面にさらに積層される表面層とを備える。
(第1中間層)
 第1中間層として、電子ビームを用いた真空蒸着法によって、真空度を5×10-4Paとし、平均厚さが241nmとなるよう条件を設定してシリコンを積層した。
(第2中間層)
 第2中間層として、メタンガスを原料とし、13.56MHzの高周波プラズマCVD法によって、平均厚さ150nmとなるよう条件を設定してダイヤモンドライクカーボン(表中ではDLCと表記)を積層した。
(第3中間層)
 第3中間層として、電子ビームを用いた真空蒸着法によって、平均厚さ70nmとなるよう条件を設定してシリコンを積層した。
(第4中間層)
 第4中間層として、電子ビームを用いた真空蒸着法によって、平均厚さ955nmとなるよう条件を設定してゲルマニウムを積層した。
(表面層)
 表面層として、メタンガスを原料とし、13.56MHzの高周波プラズマCVD法によって、平均厚さ1087nmとなるよう条件を設定してダイヤモンドライクカーボンを積層した。
<製造例26>
 製造例26は、第1中間層及び第3中間層の積層時の真空度が2×10-4Paである以外は、上記製造例25と同じ条件で試作した。
<製造例27>
 製造例27は、第1中間層及び第3中間層の積層時の真空度が1×10-4Paである以外は、上記製造例25と同じ条件で試作した。
<製造例28>
 製造例28は、第1中間層及び第3中間層の積層時の真空度が1×10-3Paである以外は、上記製造例25と同じ条件で試作した。
<製造例29>
 製造例29は、製造例25と同様の基材と、この基材の表面に順番に積層される第1乃至第4中間層と、第4中間層の表面に積層される表面層とを備えるものである。
(第1中間層)
 第1中間層として、電子ビームを用いた真空蒸着法によって、真空度を5×10-4Paとし、平均厚さが295nmとなるよう条件を設定してシリコンを積層した。
(第2中間層)
 第2中間層として、メタンガスを原料とし、13.56MHzの高周波プラズマCVD法によって、平均厚さ150nmとなるよう条件を設定してダイヤモンドライクカーボンを積層した。
(第3中間層)
 第3中間層として、電子ビームを用いた真空蒸着法によって、平均厚さ779nmとなるよう条件を設定してゲルマニウムを積層した。
(第4中間層)
 第4中間層として、電子ビームを用いた真空蒸着法によって、平均厚さ217nmとなるよう条件を設定してシリコンを積層した。
(表面層)
 表面層として、メタンガスを原料とし、13.56MHzの高周波プラズマCVD法によって、平均厚さ1014nmとなるよう条件を設定してダイヤモンドライクカーボンを積層した。
<製造例30>
 製造例30は、第1中間層及び第4中間層の積層時の真空度が2×10-4Paである以外は、上記製造例29と同じ条件で試作した。
<製造例31>
 製造例31は、第1中間層及び第4中間層の積層時の真空度が1×10-4Paである以外は、上記製造例29と同じ条件で試作した。
<製造例32>
 製造例32は、第1中間層及び第4中間層の積層時の真空度が1×10-3Paである以外は、上記製造例29と同じ条件で試作した。
<製造例33>
 製造例33は、Ge-As系からなる円盤状(直径20mm、平均厚さ3mm)のカルコゲナイドガラスからなる基材と、この基材の表面に順番に積層される第1乃至第4中間層と、第4中間層の表面に積層される表面層とを備える。
(第1中間層)
 第1中間層として、電子ビームを用いた真空蒸着法によって、真空度を5×10-4Paとし、平均厚さが125nmとなるよう条件を設定してシリコンを積層した。
(第2中間層)
 第2中間層として、電子ビームを用いた真空蒸着法によって、平均厚さ70nmとなるよう条件を設定してゲルマニウムを積層した。
(第3中間層)
 第3中間層として、メタンガスを原料とし、13.56MHzの高周波プラズマCVD法によって、平均厚さ150nmとなるよう条件を設定してダイヤモンドライクカーボンを積層した。
(第4中間層)
 第4中間層として、電子ビームを用いた真空蒸着法によって、平均厚さ70nmとなるよう条件を設定してシリコンを積層した。
(表面層)
 表面層として、メタンガスを原料とし、13.56MHzの高周波プラズマCVD法によって、平均厚さ1237nmとなるよう条件を設定してダイヤモンドライクカーボンを積層した。
<製造例34>
 製造例34は、第1中間層及び第4中間層の積層時の真空度が2×10-4Paである以外は、上記製造例33と同じ条件で試作した。
<製造例35>
 製造例35は、第1中間層及び第4中間層の積層時の真空度が1×10-4Paである以外は、上記製造例33と同じ条件で試作した。
<製造例36>
 製造例36は、第1中間層及び第4中間層の積層時の真空度が1×10-3Paである以外は、上記製造例33と同じ条件で試作した。
<製造例37>
 製造例37は、製造例33と同様の基材と、この基材の表面に順番に積層される第1乃至第3中間層と、第3中間層の表面に積層される表面層とを備える。
(第1中間層)
 第1中間層として、電子ビームを用いた真空蒸着法によって、真空度を5×10-4Paとし、平均厚さが595nmとなるよう条件を設定してシリコンを積層した。
(第2中間層)
 第2中間層として、電子ビームを用いた真空蒸着法によって、平均厚さ552nmとなるよう条件を設定してゲルマニウムを積層した。
(第3中間層)
 第3中間層として、電子ビームを用いた真空蒸着法によって、平均厚さ168nmとなるよう条件を設定してシリコンを積層した。
(表面層)
 表面層として、メタンガスを原料とし、13.56MHzの高周波プラズマCVD法によって、平均厚さ1065nmとなるよう条件を設定してダイヤモンドライクカーボンを積層した。
<製造例38>
 製造例38は、第1中間層及び第3中間層の積層時の真空度が2×10-4Paである以外は、上記製造例37と同じ条件で試作した。
<製造例39>
 製造例39は、第1中間層及び第3中間層の積層時の真空度が1×10-4Paである以外は、上記製造例37と同じ条件で試作した。
<製造例40>
 製造例40は、第1中間層及び第3中間層の積層時の真空度が1×10-3Paである以外は、上記製造例37と同じ条件で試作した。
<製造例41>
 製造例41は、Ge-Sb-Se系からなる円盤状(直径20mm、平均厚さ3mm)のカルコゲナイドガラスからなる基材と、この基材の表面に順番に積層される第1乃至第3中間層と、第3中間層の表面に積層される表面層とを備える。
(第1中間層)
 第1中間層として、電子ビームを用いた真空蒸着法によって、真空度を5×10-4Paとし、平均厚さが291nmとなるよう条件を設定してシリコンを積層した。
(第2中間層)
 第2中間層として、メタンガスを原料とし、13.56MHzの高周波プラズマCVD法によって、平均厚さ137nmとなるよう条件を設定してダイヤモンドライクカーボンを積層した。
(第3中間層)
 第3中間層として、電子ビームを用いた真空蒸着法によって、平均厚さ874nmとなるよう条件を設定してシリコンを積層した。
(表面層)
 表面層として、メタンガスを原料とし、13.56MHzの高周波プラズマCVD法によって、平均厚さ1109nmとなるよう条件を設定してダイヤモンドライクカーボンを積層した。
<製造例42>
 製造例42は、第1中間層及び第3中間層の積層時の真空度が2×10-4Paである以外は、上記製造例41と同じ条件で試作した。
<製造例43>
 製造例43は、第1中間層及び第3中間層の積層時の真空度が1×10-4Paである以外は、上記製造例41と同じ条件で試作した。
<製造例44>
 製造例44は、第1中間層及び第3中間層の積層時の真空度が1×10-3Paである以外は、上記製造例41と同じ条件で試作した。
<製造例45>
 製造例45は、製造例41と同様の基材と、この基材の表面に積層される第1中間層と、この第1中間層の表面に積層される表面層とを備える。
(第1中間層)
 第1中間層として、電子ビームを用いた真空蒸着法によって、真空度を5×10-4Paとし、平均厚さが279nmとなるよう条件を設定してシリコンを積層した。
(表面層)
 表面層として、メタンガスを原料とし、13.56MHzの高周波プラズマCVD法によって、平均厚さ1345nmとなるよう条件を設定してダイヤモンドライクカーボンを積層した。
<製造例46>
 製造例46は、第1中間層の積層時の真空度が2×10-4Paである以外は、上記製造例45と同じ条件で試作した。
<製造例47>
 製造例47は、第1中間層の積層時の真空度が1×10-4Paである以外は、上記製造例45と同じ条件で試作した。
<製造例48>
 製造例48は、第1中間層の積層時の真空度が1×10-3Paである以外は、上記製造例45と同じ条件で試作した。
 <評価>
 上記光学部品の製造例1~48について、第1中間層の酸素含有率測定、恒温恒湿試験及び耐候性試験を行い、初期状態(試作直後)の赤外線透過率、恒温恒湿試験後の赤外線透過率、及び耐候性試験後の赤外線透過率の測定と、恒温恒湿試験後の表面外観の目視評価と、耐候性試験後の表面外観の目視評価とによって評価した。
(酸素含有率)
 第1中間層の酸素含有率は、JIS-K0146(2002)に準拠して、スパッタにより層表面から深さ50nmまでの表層領域を除去し、X線光電子分光法(ESCA:Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)により測定した。上記スパッタの条件は、層の材質がSiOである場合の平均除去速度が32.47nm/minとなる条件とした。また、上記X線光電子分光法の測定条件は、X線の波長を100μm、出力を25W、加速電圧を15kV、透過エネルギーを55,112eV、X線入射角を90°、光電子取り出し角を45°とした。
(恒温恒湿試験)
 恒温恒湿試験は、JIS-C60068-2-3(1987)に準じて、温度85℃、相対湿度95%で、240時間保持した。
(耐候性試験)
 耐候性試験は、JIS-D0205(1987)に準拠して、温度63±3℃、湿度50±5%の環境下で、サンシャインカーボンアーク灯(255W/m)を1000時間照射した。
(赤外線透過率)
 赤外線透過率は、JIS-B7107(1997)に準じた方法により、波長8μm以上12μm以下の赤外光の平均透過率として測定した。
(外観目視評価)
 外観の目視評価は、目視により、初期状態と比べて特に変化が認められないものを「A」、表面層の斑点状の剥離が確認されるものを「B」、剥離の程度の比較的激しいものを「C」とした。
 上記評価結果を、次の表3及び表4にまとめて示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 表に示すように、シリコンを主成分とする中間層の酸素含有率を10atomic%以下とすることによって、耐候性を向上できることがわかる。
1 基材
2 中間層
3 表面層

Claims (3)

  1.  透光性を有する基材と、
     この基材の入射面及び出射面の少なくとも一方に積層される1又は複数の中間層と、
     この1又は複数の中間層の最外層に積層され、ダイヤモンドライクカーボンを主成分とする表面層と
    を備え、
     上記1又は複数の中間層のうち少なくとも1の中間層がシリコンを主成分とし、
     そのシリコンを主成分とする中間層の酸素含有率が10atomic%以下である光学部品。
  2.  複数の上記中間層を備え、この複数の中間層のうち少なくとも1の中間層がダイヤモンドライクカーボンを主成分とする請求項1に記載の光学部品。
  3.  上記基材が硫化亜鉛の焼結体を主成分とする請求項1又は請求項2に記載の光学部品。
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