WO2017022653A1 - インク容器、印刷装置、及びインク供給方法 - Google Patents

インク容器、印刷装置、及びインク供給方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インクジェットヘッド用のインクについて、より適切な方法で脱気を行う。 【解決手段】インクジェットヘッド12へ供給するインクを貯留するインク容器100であって、インク収容部104と、インクを通過させず、かつ、空気を通過させる大きさの穴が複数形成された気液分離手段106と、インク収容部104内のインクをインクジェットヘッド12へ向けて流すインク出口116とを備え、気液分離手段106は、空気室108の周囲を囲むように、袋状に形成されており、空気室108内にインクを入れず、かつ、外面側がインクと接する状態で、インク収容部104内に配設され、空気室108の気圧が大気圧より低い圧力にされることにより、気液分離手段106は、インク収容部104内のインクを脱気する。

Description

インク容器、印刷装置、及びインク供給方法
 本発明は、インク容器、印刷装置、及びインク供給方法に関する。
 従来、インクジェット方式で印刷を行うインクジェットプリンタが広く用いられている。また、インクジェットプリンタで用いるインク(インクジェットインク)について、インク中に気体が一定量以上溶解している場合や、気体が気泡として存在している場合には、インクジェットヘッドからのインク滴の吐出が不安定になることが知られている。そのため、従来、インクジェットプリンタでは、脱気されたインクをインクジェットヘッドに供給することが一般的である。
 インクを脱気する方法として、インクの製造工場において、あらかじめ溶存気体量が一定量以下になるように脱気する方法がある。また、ユーザが準備した非脱気インクを脱気する方法としては、インクジェットプリンタのインクの流路中において、中空糸フィルタや気液分離フィルタを使って脱気を行う方法が知られている(特許文献1)。
特開2006-239859号公報
 インクを脱気する方法として、例えば、工場で予め脱気を行う方法が考えられる。この場合、インクを製造する工場において、インク中の溶存気体量が一定量以下になるように脱気を行う。また、その後、気体の透過し難い袋(インクパック等)に、脱気されたインクを充填(パッキング)する。
 このようにして脱気を行った場合、インクの品質管理を容易に行うことができる。また、インクの使用時において、インクジェットプリンタの内部でもインクが空気にさらされない構造を用いることにより、インクの品質を安定させやすくなる。また、このようにすると、インクの供給経路の途中で脱気を行う必要がないため、インクを供給するためのポンプ等を用いないより簡単な構成でインクを供給することができる。具体的には、インクの水頭差を利用して自動的にインクを供給する水頭値方式でインクジェットヘッドへインクを供給することにより、低コストの構成をより適切に実現することができる。
 しかし、工場でインクの脱気を行う場合、脱気のための工程を行うことや、そのための設備を設けることが必要になるため、インクの製造コストが上昇することになる。また、製造後、インクを使用するまでの期間が長期になった場合、インクの脱気レベルが低下するおそれもある。その結果、インクジェットヘッドから吐出されるインク滴の吐出が不安定になるおそれもある。更に、工場で脱気がされたインクを用いる場合、インクジェットプリンタにおけるインクの流路(供給路)でインクが滞留した場合にも脱気レベルの低下が生じないように、インクの流路を構成するチューブ(インク供給チューブ)やジョイント等について、気体の透過率の小さな材料で形成された部材を用いることが必要になる場合もある。その結果、インクジェットプリンタの装置コストの上昇要因にもなる。
 また、インクを脱気する方法としては、例えば、インクジェットプリンタでのインクの流路中で脱気を行うことも考えられる。この場合、インクの流路の途中において、インクジェットプリンタに内蔵又は外付けにより、中空糸フィルタを使った中空糸脱気装置等を設けることが考えられる。
 このように構成した場合、脱気がされていないインクや、空気にさらされた状態でインクを貯留するインク容器を用いることが可能になるため、インクボトル等のような大容量インク容器を使うことができる。これにより、インクの製造コストを低減することが容易になる。
 しかし、インクの流路中で脱気を行う場合、通常、脱気のための減圧を行うために真空ポンプ等が必要になり、装置のコストが上昇することになる。また、例えば中空糸脱気装置等を用いる場合、中空糸フィルタの流体抵抗が大きいため、インク供給用の強い加圧送液ポンプ等も必要になる。その結果、装置のコストが大きく上昇する要因になる。
 また、インクの流路中で脱気を行う場合、通常、インクの流路の途中に中間タンク等を設けることが必要になる。この場合、中間タンクとは、インクの流路の途中においてインクを貯留するインク貯留部のことである。また、この場合、中間タンクにおけるインクのレベルを検出し、例えば、加圧送液ポンプのオン状態とオフ状態とを切り替えて、インクの供給量の調節制御を行うこと等も必要になる。そのため、この点でも、装置のコストが上昇する要因になる。また、インクを供給する動作において、誤動作の要因も増えることになる。
 更に、インクの供給圧力を調整するため、中間タンクは、一部が空気解放された状態でインクを貯留する。そのため、中間タンクにインクが貯留された状態で長時間放置された場合等に、インクの脱気レベルが低下し、インクジェットヘッドからのインク滴の吐出が不安定になる場合もある。
 また、インクの流路中で脱気を行う具体的な構成としては、特許文献1に開示されているように、インクジェットヘッドの圧力室に隣接する位置において、中空糸フィルタと真空ポンプとを用いて脱気を行う構成等も考えられる。このように構成すれば、インクジェットヘッドの近傍で脱気を行うことができる。
 しかし、このような構成を用いた場合、真空配管や脱気のための機構をインクジェットヘッド毎に設置することが必要になる。そのため、インクジェットヘッドの周囲の構成が大型化するという問題が生じることになる。特に、インクジェットヘッドが移動するシリアルプリンタにおいては、インクジェットヘッドの周囲の大型化は、好ましくない。更に、この場合、インクの脱気を行う脱気時間は、インクが流路を通過する短い時間に限られるため、長時間の連続印刷を行う場合等には、脱気不足が生じ、インクジェットヘッドからのインク滴の吐出が不安定になりやすい。
 そのため、従来、より適切な方法でインクを脱気する構成が望まれていた。そこで、本発明は、上記の課題を解決できるインク容器、印刷装置、及びインク供給方法を提供することを目的とする。
 本願の発明者は、インクジェットプリンタ用のインクを脱気する方法について、鋭意研究を行った。そして、先ず、工場で予め脱気する方法や、インクの流路中に脱気のための機構(脱気モジュール等)を設置する方法ではなく、インクパック等のインク容器内に貯留されているインクに対して脱気を行うことを考えた。また、本願の発明者は、更なる鋭意研究により、インク容器内のインクを脱気する構成として、インクを通過させず、かつ、空気を通過させる大きさの穴が複数形成された気液分離手段を用いることを考えた。また、インク容器においてインクを収容するインク収容部について、内部に収容するインクの量に応じて容積が変化する構成を用いることを考えた。
 このように構成すれば、インク容器自体に脱気機能を持たせることができる。そのため、脱気されていない非脱気インクをインク容器に充填した場合にも一定時間後には、インクジェットヘッドへ脱気されたインクを供給することができる。これにより、従来の方法により工場で脱気を行う場合に得られる特長を維持しながら、その問題点を適切に解消することができる。更には、インクの流路中に中空糸脱気装置等を設ける従来の方法において問題となっていたインクの製造コスト上昇の原因等も解消し、低い製造コストでより適切にインクを供給することができる。すなわち、上記の課題を解決するために、本発明は、以下の構成を有する。
 (構成1)インクジェット方式でインク滴を吐出するインクジェットヘッドへ供給するインクを貯留するインク容器であって、インク容器においてインクを収容するインク収容部と、インクを通過させず、かつ、空気を通過させる大きさの穴が複数形成された気液分離手段と、インク収容部内のインクをインクジェットヘッドへ向けて流すインク出口と、を備え、気液分離手段は、袋状に形成されており、気液分離手段に囲まれた領域内にインクを入れず、かつ、外面側がインクと接する状態で、インク収容部内に配設され、気液分離手段に囲まれた領域の気圧が大気圧より低い圧力にされることにより、気液分離手段は、インク収容部内のインクを脱気する。
 気液分離手段について、袋状に形成されているとは、例えば、予め設定された領域の周囲を囲むように、袋状に形成されていることである。この場合、気液分離手段に囲まれた領域とは、この予め設定された領域であってよい。
 このように構成した場合、インク容器内のインクを脱気することができるため、インクの出荷前にインクを脱気する必要はない。そのため、工場から出荷されるインクの製造コストを適切に低減できる。また、インクジェットプリンタを長期間使用しなかった場合等にも、使用前に適切にインクを脱気することができる。更には、使用の直前等に十分に脱気を行うことが可能になるため、インクの流路を構成するチューブやジョイント等について、高価な材料を用いなくても、インクの脱気レベルを適切に保つことができる。
 また、このように構成した場合、インクが、当該インクの流路に沿って気液分離手段(フィルタ)を通過する構成ではないため、気液分離手段により流路抵抗が大きくなることを適切に防ぐことができる。特に、中空糸フィルタを用いて脱気を行う場合等と比べ、流路抵抗の影響を大幅に低減できる。そのため、強い加圧送液ポンプ等を用いなくても、インクを適切に供給することができる。これにより、装置のコストを適切に低減できる。
 また、インク容器は、内部に収容するインクの量に応じて容積が変化する容器であることが好ましい。このように構成した場合、インク収容部内のインクの圧力と大気圧とが釣り合った状態を適切に維持できる。そのため、水頭値方式によりインクを供給する構成を適切に用いることができる。これにより、装置のコストを適切に低減できる。
 更に、インク収容部内のインクの圧力と大気圧とが釣り合った状態であるため、水頭値方式でインクを供給する場合において、例えば、大気開放された中間タンク等を用いなくても、インクジェットヘッドへのインクの供給を適切に行うことができる。その結果、長時間印刷を行わない場合等にも、インクの脱気レベルの低下を適切に抑えることができる。また、中間タンクにおけるインクのレベルを検出してインクの供給量の調節制御等を行うことも不要になるため、この点でも、装置のコストを適切に抑えることができる。また、インクを供給する動作において、誤動作の要因を減らすこともできる。
 また、このように構成した場合、インクジェットヘッドと近接した位置で脱気を行わなくても、インクの脱気を適切に行うことができる。そのため、インクジェットヘッドの周囲の構成が大型化することもない。
 以上のように、インクジェットプリンタを使用する現場においてユーザ自身で実施できる脱気機能を持つインク供給システムを適切に実現することができる。そのため、例えば、インクボトルによりインクを供給する場合や、非脱気インクを収容するインクパックを用いる場合にも、インクジェットヘッドへインクを供給する前にインクの脱気レベルを適切に高めることができる。また、これにより、インクジェットヘッドにおけるインクの吐出安定性を適切に向上させることができる。従って、脱気されたインクをインクジェットヘッドへより適切に供給できる。
 尚、この構成において、気液分離手段により囲まれた領域は、例えば、手動又は電動等で減圧を行う減圧手段により、減圧される。この場合、減圧手段は、インク容器に含まれる構成であってよい。例えば、減圧手段は、インク容器を構成する袋の中に配設されてよい。このように構成すれば、インク容器に含まれる構成のみを用いて、インクの脱気をより適切に行うことができる。また、減圧手段は、インク容器とは別に用意されてもよい。この場合、インクジェットプリンタへのインク容器の取り付け時等に、減圧手段とインク容器とを接続してもよい。また、インク容器内にインクが完全に充填された状態で、かつインク容器内の圧力を一定に保つことができれば、必ずしもインク容器の容積を変化させなくてもよい。そのため、このような場合、容積が一定のインク容器を用いることも考えられる。このように構成した場合も、インクの脱気を適切に行うことができる。
 (構成2)気液分離手段に形成された複数の穴において、最大の直径は20μm以下である。このように構成すれば、気液分離手段において、インクを通過させず、かつ、空気を通過させる構成をより適切に実現できる。
 尚、気液分離手段における穴の直径とは、例えば、穴の開口面積を円形に換算した場合の直径であってよい。また、穴の最大の直径(最大穴径)は、好ましくは10μm以下、更に好ましくは5μm以下である。また、気液分離手段において、穴の最少(最少穴径)の直径は、0.2μm以上であることが好ましい。すなわち、穴の直径は、例えば0.2~20μmの範囲であることが好ましい。
 また、穴の最大の直径とは、例えば、気液分離手段に形成された複数の穴の直径のバラツキの範囲において最大となる直径のことであってよい。また、穴の最大の直径とは、意図しないインクの漏れ等の影響が生じない範囲で、一部の異常な穴を除いた中での最大の直径であってよい。
 (構成3)気液分離手段に囲まれた領域を減圧する減圧手段を更に備える。このように構成すれば、気液分離手段に囲まれた領域を適切に減圧することができる。また、これにより、インクの脱気をより適切に行うことができる。
 尚、減圧手段は、気液分離手段に囲まれた領域と接続された状態で、インク収容部と隣接した位置に配設される。この場合、減圧手段は、気液分離手段に囲まれた領域と常に接続されている状態で配設されてよい。また、減圧手段は、インク収容部に対し、取り外し可能な状態で設置されてもよい。
 (構成4)減圧手段は、付勢手段の付勢力を用いて機械的に減圧を行う手段である。このように構成すれば、機械的に減圧を行うことにより、減圧用の電動ポンプ等を用いることなく、インクの脱気を適切に行うことができる。これにより、インクジェットプリンタにおける装置のコストをより適切に低減できる。
 (構成5)減圧手段は、気液分離手段に囲まれた領域と繋がる空間であり、当該空間を構成する内壁の少なくとも一部が移動又は変形可能である空気室と、空気室内の空気を外部へ排出する場合に開くバルブと、空気室の体積を広げる方向へ内壁の少なくとも一部を付勢する付勢手段とを有する。このように構成すれば、機械的な方法による減圧をより適切に行うことができる。
 尚、付勢手段としては、バネ等を好適に用いることができる。また、空気室内の空気を排出した状態になるようにバネ等の付勢手段を変形させ、その後、バネ等が元に戻るまでの間付勢力を維持させること等が考えられる。このように構成すれば、空気室が減圧された状態を適切に維持することができる。これにより、時間をかけてインクをより適切に脱気することができる。
 (構成6)気液分離手段は、インク収容部内に貯留されているインクを脱気する。このように構成すれば、時間をかけてインクをより適切に脱気することができる。
 尚、従来の構成において、中空糸フィルタ等を用いて脱気を行う場合、通常、インクの流路に沿って流れているインクに対し、脱気を行うことになる。そして、この場合、中空糸フィルタ等をインクが通過する短時間のみしか、インクを脱気できないことになる。
 これに対し、構成6のように構成した場合、流路を流れているインクではなく、貯留されているインクに対して脱気を行うことにより、インクが気液分離手段に接している時間を十分に確保することができる。これにより、上記のように、時間をかけてインクをより適切に脱気することが可能になる。
 (構成7)インク収容部へインクを供給するインク供給口を更に備える。このように構成すれば、必要に応じてインク容器にインクを充填することができる。
 尚、インク供給口については、インクの充填時以外は閉じた状態にして、インクを充填する場合にのみ開くことが考えられる。また、インク容器については、インクの流路の途中に設置する中間パックとして用いること等も考えられる。この場合、このインク容器は、インクの流路の更に上流側に設置される別のインク容器から、インク供給口を介して、インクの供給を受ける。このような場合には、インク供給口を開いた状態のまま、印刷の動作を行うことも考えられる。
 (構成8)インクジェット方式で印刷を行う印刷装置であって、インクジェット方式でインク滴を吐出するインクジェットヘッドと、インクジェットヘッドへ供給するインクを貯留するインク容器を保持するインク容器保持部と、を備え、インク容器は、インク容器においてインクを収容するインク収容部と、インクを通過させず、かつ、空気を通過させる大きさの穴が複数形成された気液分離手段と、インク収容部内のインクをインクジェットヘッドへ向けて流すインク出口とを有し、気液分離手段は、袋状に形成されており、気液分離手段に囲まれた領域内にインクを入れず、かつ、外面側がインクと接する状態で、インク収容部内に配設され、気液分離手段に囲まれた領域の気圧が大気圧より低い圧力にされることにより、気液分離手段は、インク収容部内のインクを脱気する。このように構成すれば、構成1と同様の効果を得ることができる。
 (構成9)インクジェット方式でインク滴を吐出するインクジェットヘッドへインクを供給するインク供給方法であって、インクを貯留するインク容器からインクジェットヘッドへインクを供給し、インク容器は、インク容器においてインクを収容するインク収容部と、インクを通過させず、かつ、空気を通過させる大きさの穴が複数形成された気液分離手段と、インク収容部内のインクをインクジェットヘッドへ向けて流すインク出口と、を備え、気液分離手段は、袋状に形成されており、気液分離手段に囲まれた領域内にインクを入れず、かつ、外面側がインクと接する状態で、インク収容部内に配設され、気液分離手段に囲まれた領域の気圧が大気圧より低い圧力にされることにより、気液分離手段は、インク収容部内のインクを脱気する。このように構成すれば、構成1と同様の効果を得ることができる。
(構成10)本発明のインク容器は、インクを収容するインク収容部と、前記インク収容部内に設けられた気液分離手段であって、少なくとも一部が撥水性を有する気液分離膜によって構成された袋状の気液分離膜と、前記気液分離手段の内部の空間と前記インク収容部の外部の減圧手段とを接続する接続部とを備える。
 この構成により、接続部に減圧手段を接続し、減圧手段によって気液分離手段の内部の空間を減圧することで、気液分離膜を介してインク中の気体を脱気することができる。ここで、気液分離膜は、気体は通過させるがインクは通過させない大きさの多数の孔を有する膜である。本発明は、気液分離膜が撥水性を有することにより、インクが気液分離膜を通過してしまう可能性を低減することができる。
(構成11)本発明のインク容器において、前記気液分離膜は、ポリエチレン単層メンブレンによって構成されていてもよいし、フッ素樹脂によって構成されていてもよい。また、前記気液分離膜は、超撥水処理したメッシュによって構成されていてもよい。
(構成12)本発明のインク容器において、前記気液分離手段の内部には、前記気液分離膜よりも孔径が大きい多孔フィルムが充填されていてもよい。これにより、気液分離膜の機械的な強度を高めることができる。
(構成13)本発明のインク容器は、前記気液分離膜が、気体を通す程度の膜厚の無孔フィルムによって覆われていてもよい。無孔フィルムは十分に薄ければ、気体を通すことができる。気液分離膜を無孔フィルムで覆うことによって、気液分離手段の内部にインクが滲み込むリスクをいっそう低減できる。
(構成14)本発明のインク容器において、前記インク収容部は、可撓性を有する構成でもよい。この構成により、インク収容部内のインクの圧力と大気圧とが釣り合うので、印刷装置において、水頭値方式によるインクの供給を適切に行うことができる。
(構成15)本発明のインク容器は、前記接続部に接続された減圧手段を備えてもよい。このように減圧手段を備えたインク容器は、印刷装置の経路において、インクを貯留するインク容器として用いることができる。
(構成16)本発明のインク容器は、前記インク収容部内のインクを攪拌する攪拌手段を備えてもよい。この構成により、気液分離手段の近くにあるインクと気液分離手段から離れた場所にあるインクを攪拌することで、効果的に脱気を行うことができる。
(構成17)本発明の印刷装置は、インクジェット方式で印刷を行う印刷装置であって、インクジェット方式でインク滴を吐出するインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドへ供給するインクを貯留するインク容器とを備え、前記インク容器は、インクを収容するインク収容部と、前記インク収容部内に設けられた気液分離手段であって、少なくとも一部が撥水性を有する気液分離膜によって構成された袋状の気液分離手段と、前記気液分離手段の内部の空間と前記インク収容部の外部の減圧手段とを接続する接続部とを備える。
 この構成により、接続部に減圧手段を接続し、減圧手段によって気液分離手段の内部を減圧することで、気液分離膜を介してインク中の気体を脱気することができる。また、気液分離膜が撥水性を有することにより、気液分離膜をインクが通過してしまう可能性を低減することができる。
(構成18)本発明の印刷装置は、インクジェット方式で印刷を行う印刷装置であって、インクジェット方式でインク滴を吐出するインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドへ供給するインクを貯留するインク容器を保持するインク容器保持部と、少なくとも一部が撥水性を有する気液分離膜によって構成された袋状の気液分離手段と、前記気液分離手段の内部の空間に接続された減圧手段とを備え、前記インク容器保持部に保持されたインク容器の中に前記気液分離手段を入れて、脱気を行う。
 この構成により、減圧手段によって気液分離手段の内部を減圧することで、気液分離膜を介してインク中の気体を脱気することができる。また、気液分離膜が撥水性を有することにより、気液分離膜をインクが通過してしまう可能性を低減することができる。また、インク容器保持部に保持されたインク容器に気液分離手段を入れることで脱気を行えるので、インク容器を入れ替えても脱気を行える。
 本発明によれば、例えば、インクジェットヘッド用のインクについて、より適切な方法で脱気することができる。
本発明の一実施形態に係る印刷装置の構成の一例を示す図である。 インク容器の一例を示す図である。 脱気処理の原理を示す図である。 気液分離手段の特徴について説明する図である。 気液分離手段の変形例を説明する図である。 第2の実施の形態の印刷装置の構成を説明する図である。 第3の実施の形態の印刷装置の構成を説明する図である。 第4の実施の形態の印刷装置の構成を説明する図である。 第5の実施の形態の印刷装置の構成を説明する図である。 変形例にかかる印刷装置の構成を説明する図である。 他の変形例にかかる印刷装置の構成を説明する図である。
[印刷装置の構成]
 以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る印刷装置10の構成の一例を示す。本例において、印刷装置10は、インクジェット方式で印刷を行うインクジェットプリンタであり、インクボトル200及びインク容器100を用いて印刷を行う。
 インクボトル200は、印刷に使用するインクを貯留するインク貯留部であり、印刷装置10に交換可能に設置される。インクボトル200は、脱気がされていないインク(非脱気インク)を貯留してよい。インクボトル200としては、公知のインクボトルを好適に用いることができる。また、本例において、インクボトル200は、インクの水頭差を利用する水頭値方式により、インクの経路の下流側へインクを供給する。また、インクボトル200は、内部のインクに浮かぶ落とし蓋202を有する。このように構成すれば、インクボトル200内のインクの空気への接触を少なくし、貯留中のインクに多量の空気が溶け込むことを適切に防ぐことができる。
 また、インク容器100は、印刷装置10におけるインクの経路の途中においてインクを貯留するインク容器(中間パック)である。インク容器100としては、例えばパック状の袋状体を用いた容器等を好適に用いることができる。また、本例のインクの経路において、インク容器100の一端側(上流側)は、例えばチューブ等を介して、上流容器保持部14及びインクボトル200と接続される。また、これにより、インク容器100は、インクボトル200から供給されるインクを受け取る。また、インク容器100の他端側(下流側)は、例えばチューブ等を介して、圧力調整器18及びインクジェットヘッド12と接続される。これにより、インク容器100は、インクジェットヘッド12へ向けてインクを供給する。また、本例においては、インク容器100において、インクの脱気を行う。インク容器100の具体的な構成については、後に更に詳しく説明をする。
 印刷装置10は、インクジェットヘッド12、上流容器保持部14、中間パック保持部16、及び圧力調整器18を備える。インクジェットヘッド12は、インクジェット方式でインク滴を吐出する印刷ヘッドである。本例において、インクジェットヘッド12は、印刷する画像に応じたタイミングでインク滴をそれぞれ吐出する複数のノズルを有する。
 インクジェットヘッド12としては、例えば公知のインクジェットヘッドを好適に用いることができる。また、インクジェットヘッド12においては、各種の公知のインクを用いることができる。このようなインクとして、水性顔料インク、水性染料インク、水性ラテックスインク、UV(UltraViolet)硬化インク、ソルベントインク等を好適に用いることができる。
 上流容器保持部14は、インクの流路の上流側でインクボトル200を交換可能な態様で保持する保持部であり、インクボトル200内のインクを、インクの経路を介して、インクジェットヘッド12へ向けて供給する。また、本例において、上流容器保持部14は、インクボトル200から供給されるインクを貯留するインク貯留部204を有している。このように構成すれば、インクボトル200からのインクジェットヘッド12へのインクの供給をより適切に行うことができる。また、上流容器保持部14は、インク貯留部204において、落とし蓋を有する。このように構成すれば、インク貯留部204内のインクの空気への接触を少なくし、貯留中のインクに多量の空気が溶け込むことを適切に防ぐことができる。
 中間パック保持部16は、インク容器100を保持する部分であり、印刷装置10におけるインクの経路において、上流容器保持部14とインクジェットヘッド12との間の位置で、インク容器100を保持する。また、中間パック保持部16は、インク容器保持部の一例である。中間パック保持部16は、印刷装置10の印刷動作中も静止している位置において、インク容器100を保持する。中間パック保持部16は、インクジェットヘッド12と共に移動をしない位置でインク容器100を保持することが好ましい。
 中間パック保持部16は、水頭値方式でインクジェットヘッド12へインクを供給できる位置において、インク容器100を保持する。これにより、インク容器100は、水頭値方式により、インクジェットヘッド12へインクを供給する。
 尚、水頭値方式とは、重力を利用してインクを供給する方式である。中間パック保持部16は、インク容器100内のインクの量を検知する手段を有することが好ましい。例えば、中間パック保持部16は、インク容器100の容量減少や、インクの終了を検知することが好ましい。この場合、インク容器100においてインクを収容するインク収容部の体積変化に基づき、インク容器100内のインクの量を検知してよい。このように構成すれば、インクボトル200にインクが入っている間はインク容器100にインクが供給される。したがって、インク容器100の容積変化を検知することで、インクボトル200の交換またはインクの充填等を行うべきタイミングを適切に検知することができる。また、インク容器100からインクジェットヘッド12へインクを供給しつつインクボトル200の交換等を行うことが可能であるため、印刷動作の途中においても、印刷の動作を止めることなく、インクボトル200の交換等を適切に行うことができる。そのため、長時間連続してインクを供給可能な構成を適切に実現できる。
 圧力調整器18は、インクジェットヘッド12へ供給するインクの圧力を調整する構成であり、インク容器100とインクジェットヘッド12との間に配設されることにより、インク容器100から供給されるインクの圧力を調整して、インクジェットヘッド12へ供給する。また、圧力調整器18は、インクジェットヘッド12のノズルへ供給されるインクの圧力について、大気圧よりも低い所定の範囲の圧力(負圧)に調整する。圧力調整器18は、インクジェットヘッド12に近い位置で圧力の調整を行うことが好ましい。例えば、圧力調整器18は、印刷装置10においてインクジェットヘッド12を保持する部材(例えばキャリッジ等)によりインクジェットヘッド12と共に保持されることが好ましい。
 また、圧力調整器18としては、公知の圧力調整器を好適に用いることができる。例えば、圧力調整器18として、機械式の圧力ダンパ、袋方式の圧力ダンパ、又は蛇腹方式のダンパ等の各種の圧力ダンパを用いることができる。
 以上の構成により、インクジェットヘッドによる印刷を適切に行うことができる。また、この場合、インク容器100においてインクを脱気することにより、インクの脱気を適切に行うことができる。
 尚、図1においては、説明の便宜上、印刷装置10について、要部に着目して簡略化した構成のみを示している。しかし、上記及び以下に説明をする点を除き、印刷装置10は、公知のインクジェットプリンタと同一又は同様の構成を有してよい。また、上記に示した構成以外に、印刷動作に必要な公知の各種構成を更に有してよい。例えば、印刷装置10は、インクジェットヘッド12に主走査動作を行わせるシリアル方式のインクジェットプリンタであってよい。この場合、印刷装置10は、所定の主走査方向へ移動しつつインク滴を吐出する主走査動作をインクジェットヘッド12に行わせる主走査駆動部等を更に有してよい。また、印刷対象の媒体(メディア)に対して相対的に副走査方向へインクジェットヘッド12を移動させる副走査駆動部等を更に有してよい。この場合、副走査方向とは、例えば、主走査方向と直交する方向である。また、インクジェットヘッド12は、例えば、主走査動作等の移動をすることなく印刷を行うラインヘッドであってもよい。
 また、印刷装置10は、複数色のインクを用いて印刷を行ってもよい。この場合、印刷装置10は、各部の構成について、必要に応じて、各色毎に備えてよい。印刷装置10は、複数のインクボトル200及びインク容器100を用いて印刷を行ってよい。また、印刷装置10は、使用する色数に応じて、それぞれ複数のインクジェットヘッド12、上流容器保持部14、中間パック保持部16、及び圧力調整器18を備えてよい。
 また、図1に示した構成において、上流容器保持部14は、印刷装置10の一部として構成されている。しかし、上流容器保持部14は、例えば、印刷装置10における本体部分から分離可能なインク供給装置に配設されてもよい。この場合、印刷装置10の本体部とは、少なくともインクジェットヘッド12を備える部分である。また、この場合、印刷装置10の本体部は、インク供給装置が分離された単独の状態でもインクジェットプリンタとして機能する部分であってよい。また、印刷装置10の本体部が単独の状態で印刷を行う場合、中間パック保持部16において、外部のインクボトル200等には接続されないインク容器(例えば、インクカートリッジ等)を保持してよい。この場合、インク容器として、インクボトル200に接続しない以外の点ではインク容器100と同一又は同様の構成を有するインク容器等を好適に用いることができる。
[インク容器の構成]
 続いて、インク容器100の構成について、更に詳しく説明をする。
 図2(a)~図2(d)は、インク容器100を示す図である。図2(a)は、インク容器100を示す垂直断面図、図2(b)は、インク容器100を示す水平断面図である。図2(c)及び図2(d)は、インク容器100におけるバルブ302及びバルブ306の構成を示す図である。
 尚、図2においては、図示の便宜上、厳密な断面図等ではなく、インク容器100の構成をわかりやすくするように適宜調整を行った図面を示している。
 本例において、インク容器100は、外周部102、インク収容部104、気液分離手段106、減圧手段110、及び、振動攪拌機構112を有する。外周部102は、インク容器100の筐体部分であり、内部にインク収容部104及び気液分離手段106(フィルタ)等を収容する。外周部102は、プラスチック等で形成された固定形状の筐体であってよい。より具体的に、外周部102は、カートリッジ状のインク容器100の筐体部分であってよい。
 インク収容部104は、インク容器100においてインクを収容する部分である。インク収容部104は、可撓性のフィルム等で形成された袋状のパック部材であり、内部に収容するインクの量に応じて容積を変化させることにより、空気に接触させない状態でインクを収容する。この場合、インクを空気に接触させないとは、設計上、意図的にインクを空気に接触させることがないようにして、インクを収容することである。
 なお、インク収容部104を形成する材料としては、インクの内容量変化に応じて体積が変わる可撓性の材料で、かつ、インクにより溶解や変質の起こらない各種の材料を用いることができる。例えば、可撓性の単層又は複合材料や、複数の材料からなるフィルム等を好適に用いることができる。このようなフィルムとして、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロン、ポリプロピレン等のプラスチックフィルム等を好適に用いることができる。また、プラスチックフィルム等に限らず、例えば、気体透過率を低減できる金属や無機酸化物等の層を含む構成を用いてもよい。また、インク収容部104については、必ずしも全体が可撓性を有する必要はなく、少なくともその一部が可撓性を有していればよい。
 このように構成すれば、インク収容部104内のインクの圧力と大気圧とが釣り合った状態を適切に維持できる。これにより、印刷装置10(図1参照)において、水頭値方式によるインクの供給を適切に行うことができる。
 尚、図1に示した構成の印刷装置10においては、インクボトル200をインク容器100よりも高い位置へ設置することが考えられる。このように構成すれば、インクボトル200からインク容器100へのインクの供給についても、水頭値方式で適切に行うことができる。また、インク容器100におけるインク収容部104内のインクの圧力と大気圧とが釣り合った状態であるとは、インクボトル200におけるインクの液面とインクジェットヘッド12との高さの差を利用して水頭値方式でインクを供給する構成において、インク容器100の位置でのインクの圧力が適正な圧力になっていることであってよい。また、印刷装置10の構成の変形例においては、インクボトル200からインク容器100へのインクの供給についてはポンプ等を用いて行い、インク容器100におけるインクの液面とインクジェットヘッド12との高さの差を利用して水頭値方式でインクジェットヘッド12へインクを供給すること等も考えられる。このように構成した場合も、インク容器100におけるインク収容部104内のインクの圧力と大気圧とを釣り合った状態にすることにより、水頭値方式で適切にインクを供給できる。
 気液分離手段106は、本例においてインクの脱気に用いる気液分離手段であり、予め設定された領域の周囲を囲むように袋状に形成された状態で、インク収容部104内に配設される。この場合、気液分離手段106が袋状に形成されるとは、例えば、気液分離手段106に囲まれた領域が空気を収容し得る空間(空気室108)を構成する状態のことである。気液分離手段106は、多数の穴が形成された膜状の気液分離手段(例えば、フィルタ)である。そして、気液分離手段106におけるこれらの穴は、インクを通過させず、かつ、空気を通過させる大きさで形成されている。これにより、気液分離手段106は、インク収容部104内のインクと外面側が接し、かつ、気液分離手段106により囲まれた領域にはインクが入らないようにして、インク収容部104内に配設される。
 より具体的に、気液分離手段106は、メッシュ状のマイクロ気液分離手段であってよい。また、気液分離手段106としては、必要な穴径の穴が形成可能であり、かつ、インクにより溶解や変質の起こらない各種の材料で形成することができる。例えば、穴の形成をエッチングにより行う場合には、SUS、ニッケル、又はクロムメッキ等を施した各種金属等で気液分離手段106を形成することが考えられる。また、金属メッシュ状にする場合や、細線を編むことで網目を形成する場合には、SUSやニッケル等で形成された網状の気液分離手段106を用いることが考えられる。また、気液分離手段106の穴の特徴については、後に更に詳しく説明をする。
 ここで、レーザ光線により穴を形成する場合には、金属やプラスチックのフィルム等で気液分離手段106を形成することが考えられる。この場合、プラスチックのフィルムとしては、例えば、ポリプロピレン、パリレン、フッ素樹脂、ナイロン、ポリエチレン、又はポリエステル等のフィルムを好適に用いることができる。
 空気室108は、袋状に形成された気液分離手段106の内部の空間である。空気室108は、インク収容部104内で気液分離手段106に囲まれることにより、インクが入らず、かつ、空気のみが入り得る空間になる。減圧手段110は、空気室108を減圧する手段であり、空気室108を減圧することにより、気液分離手段106を介して、インク収容部104内のインク中の空気を取り除く。また、これにより、減圧手段110は、気液分離手段106と共に減圧脱気手段として機能し、インク収容部104内のインクを脱気する。減圧手段110の構成及び動作については、後に更に詳しく説明をする。
 インク供給口114は、インク収容部104へインクを供給するための供給口である。本例において、インク供給口114は、上流容器保持部14(図1参照)を介して、インクボトル200のインク貯留部204(図1参照)と接続される。また、これにより、インク供給口114は、インクボトル200のインク貯留部204から供給されるインク受け取る。
 インク出口116は、インクジェットヘッド12へ向けてインクを供給する供給口である。インク出口116は、圧力調整器18(図1参照)を介して、インクジェットヘッド12と接続される。
 振動攪拌機構112は、インク収容部104内のインクを攪拌する機能を有する。後述する気液分離手段106を介して脱気が行われるときに、振動攪拌機構112は、気液分離手段106付近のインクと気液分離手段106から離れた場所にあるインクとを攪拌することによって、インク収容部104内のインク全体の脱気を促進する。
 このように、インク容器100は、インクの脱気を行う機能を有する。図3は、脱気処理の原理を示す図である。図3は、脱気処理の原理を示す目的で描いた図であり、具体的な構成は、図2に示すインク容器100のものとは異なる。インク中の気体を分離して気体成分を脱気するための手段として、一面がインクに接し、他面が空気に接している気液分離膜Aを有する。インクを収容した定圧インク容器部Bは、圧力をほぼ一定に保つことができる構造を有する。定圧インク容器部Bには、水性やソルベントインクなどのインクが入れられている。
 脱気処理は、減圧ポンプによって、減圧部Cの空気を大気圧の4/5程度まで減圧することによって行う。減圧部Cの空気を減圧すると、インク中に溶解または気泡化している気体が気液分離膜Aから減圧部Cに浸透し、気体化する。一方で、インクは、液体の表面張力があるため、気液分離膜Aの微細孔を通じて減圧部に滲み出さない。この原理によって、インクの脱気を行うことができる。
 気体を浸透させ、かつ、液体を通さない気液分離膜の孔の大きさは、理論的に求まる。例えば、孔の形状が円であるとした場合、表面張力が30mN/mの液体は、理論上、1気圧下で1.2μm以下の孔径の孔から滲み出さない。気液分離膜の孔径としては、平均孔径が5μm以下、好ましくは1μm以下、より好ましくは、0.2μm以下から0.005μ以上である。以上、脱気処理の原理について説明した。
 尚、本例のように、上流側の別の容器(インクボトル200)からインクの供給を受ける場合、上流容器保持部14を開いた状態のまま印刷の動作を行うこと考えられる。しかし、印刷装置10の構成によっては、例えば、ユーザによりインクの充填を行うインク充填時にのみインク供給口114を開くことも考えられる。この場合、閉栓等によりインク供給口114を閉じた状態で印刷の動作を行ってもよい。
 図2に戻って説明する。減圧手段110は、気液分離手段106の内部(空気室108の部分)を減圧する手段である。空気室108の部分を減圧することにより、気液分離手段106を介して、インク収容部104内のインク中の空気を取り除く。
 減圧手段110は、付勢手段の付勢力を用いて機械的に減圧を行う手段であり、バルブ302、接続部304、バルブ306、可撓性部材308、空気室310、バネ312、及び圧力板314を有する。このように、減圧手段110を機械的な構成とすることにより、コストを抑えることができる。
 バルブ302は、減圧手段110における空気室310と減圧手段110の外部とを繋ぐバルブである。また、本例において、バルブ302は、図2(c)に示した構成から理解できるように、空気室310内が大気圧よりも低い圧力なっている減圧時に閉じ、空気室310内が大気圧よりも高い圧力になっている加圧時に開くように開閉する。また、これにより、バルブ302は、空気室310内の空気を外部へ排出する場合に開いた状態になる。
 接続部304は、気液分離手段106に囲まれた空気室108と減圧手段110の空気室310とを繋ぐ空気の流路である。また、本例において、接続部304は、バルブ306を介して、空気室108と空気室310とを接続する。
 バルブ306は、接続部304を介して空気室108と空気室310とを繋ぐバルブである。本例において、バルブ306は、図2(d)に示した構成から理解できるように、空気室310内が空気室108内よりも低い圧力なっている減圧時に開き、空気室310内が空気室108内よりも高い圧力になっている加圧時に閉じるように開閉する。また、これにより、バルブ306は、空気室108内の空気を空気室310へ流す場合に開いた状態になる。
 可撓性部材308は、空気室310の壁面の少なくとも一部を構成する部材であり、空気室310として機能する空間の少なくとも一部を覆うことにより、空気室310の内壁の少なくとも一部を移動又は変形可能に構成する。可撓性部材308としては、例えば、非通気性のフィルム等を好適に用いることができる。
 空気室310は、バルブ302及びバルブ306のみを介して外部と繋がる閉じた空間である。空気室310の内部にはバネ312及び圧力板314が収容されている。バネ312は、一端が減圧手段110の基台316に固定され、かつ、他端が圧力板314を介して可撓性部材308を押圧するように構成される。バネ312は、所定の方向へ可撓性部材308が変形した場合に可撓性部材308を元の状態に復帰させる復帰バネとして機能する。圧力板314は、バネ312の他端側を受ける部材であり、バネ312の他端と可撓性部材308との間に配設されることにより、バネ312の付勢力を可撓性部材308へ伝達する。
 ここで、本例において、減圧手段110により減圧を行う場合、先ず、ユーザの手動動作により、可撓性部材308を介して圧力板314を押圧することにより、空気室310の体積が減少する方向へ可撓性部材308を変形させる。
 この場合、体積の減少により空気室310内の圧力が高まるため、バルブ302が開いた状態になる。また、これにより、空気室310の圧力が大気圧と釣り合うように、空気室310内の空気が排出される。また、この場合、バルブ306は閉じた状態になるため、気液分離手段106に囲まれた空気室108に空気が流入することはない。
 そして、その後、ユーザが圧力板314から手を離し、圧力板314の押圧をやめると、押圧時に縮められていたバネ312の復帰動作により、圧力板314を介して可撓性部材308が膨らみ、空気室310の体積が広がることになる。この体積の増大により、空気室310内の圧力は、大気圧よりも低い負圧に変化することになる。また、この負圧は、バネ312が伸びきる前の間、維持されることになる。
 すなわち、バネ312は、空気室310の内壁の少なくとも一部を構成する可撓性部材308に対し、空気室310の体積を広げる方向へ付勢することになる。また、これにより、バネ312等は、空気室310の負圧を維持する負圧維持機構として動作する。また、この場合、バネ312等により発生させる負圧は、バネ312のバネ力等で所望の圧力に調整することができる。
 また、バネ312等により空気室310内の負圧が維持されている状態において、バルブ302は閉じた状態になる。また、気液分離手段106に囲まれた空気室108内に空気が存在しており、空気室108内の圧力が空気室310よりも高ければ、バルブ306は開いた状態になる。そのため、この場合、空気室108内の空気は、接続部304及びバルブ306を介して、空気室310へ排出されることになる。また、その結果、空気室108の圧力も負圧に調整される。
 一方、上記においても説明をしたように、インク収容部104に収容されているインクの圧力は、大気圧と釣り合った状態になっている。そのため、減圧手段110による減圧を行った場合、気液分離手段106においては、インク側と空気室108側との間で気圧差が生じることになる。そして、この場合、インク中の空気を空気室108へ移動させ、インクを脱気することができる。このように、気液分離手段106に囲まれた空気室108を減圧手段110により減圧することで、インク収容部104内のインクの脱気を適切に行うことができる。
 また、この場合、バネ312等を用いた構成により機械的に減圧を行うことにより、減圧用の電動ポンプ等を用いることなく、インクの脱気を適切に行うことができる。そのため、本例によれば、脱気用の装置により印刷装置10のコストが上昇すること等を適切に防ぐこともできる。
 また、本例の場合、上記においても説明をしたように、空気室310内の空気を排出した状態になるようにバネ312を変形させ、その後に空気室310が広がる方向へバネ312に可撓性部材308を付勢させ続けることにより、空気室310が減圧された状態を維持することができる。これにより、インク容器100では、時間をかけてインクをより適切に脱気することができる。
 更に、本例においては、空気室108を減圧するのみではなく、インクの量に応じて容積が変化する構成のインク収容部104を用いることで、より適切に脱気をし得る構成を実現しているともいえる。より具体的に、例えば、インク収容部104について、変形可能な構成ではなく、固定形状の構成を用いた場合、気液分離手段に囲まれた空気室108を減圧すると、インク収容部104内のインクの圧力までも低下することになる。また、その結果、水頭値方式でのインクの供給に支障が生じるおそれもある。これに対し、本例においては、変形可能なインク収容部104を用いることにより、空気室108を減圧した場合にも、インク収容部104内のインクの圧力について、大気圧と釣り合った状態を適切に維持できる。また、これにより、水頭値方式でのインクの供給を可能にし、印刷装置10のコストを適切に抑えることができる。
 また、本例においては、インク容器100によりインクを脱気することができるため、例えば、インクの出荷前にインクを脱気する必要はない。そのため、工場から出荷されるインクのコストを適切に低減できる。また、印刷装置10を長期間使用しなかった場合等にも、使用前に適切にインクを脱気することができる。更には、使用の直前等に十分に脱気を行うことが可能になるため、インクの流路を構成するチューブやジョイント等について、高価な材料を用いなくても、インクの脱気レベルを適切に保つことができる。
 また、この場合、インク収容部104内のインクの圧力と大気圧とが釣り合った状態であるため、水頭値方式でインクを供給する場合において、大気開放された中間タンク等を用いる必要もない。その結果、長時間印刷を行わない場合等にも、インクの脱気レベルの低下を適切に抑えることができる。また、中間タンクにおけるインクのレベルを検出してインクの供給量の調節制御等を行うことも不要になるため、この点でも、装置のコストを適切に抑えることができる。また、インクを供給する動作において、誤動作の要因を減らすこともできる。また、インクジェットヘッド12と近接した位置で脱気を行わなくても、インクの脱気を適切に行うことができる。そのため、インクジェットヘッド12の周囲の構成が大型化することもない。
 また、本例においては、気液分離手段106により、インク収容部104内に貯留されているインクを脱気することができる。そして、インクの流路に沿ってインクが気液分離手段を通過する構成ではないため、気液分離手段106により流路抵抗が大きくなることを適切に防ぐことができる。特に中空糸フィルタを用いて脱気を行う場合等と比べ、流路抵抗の影響を大幅に低減できる。そのため、本例によれば、強い加圧送液ポンプ等を用いなくても、インクを適切に供給することができる。また、これにより、装置のコストをより適切に低減できる。
 また、この場合、更に、貯留されているインクに対して脱気を行うことにより、インクが気液分離手段106に接している時間を十分に確保することができる。これにより、時間をかけてインクをより適切に脱気することが可能になる。
 また、本例の気液分離手段106は、上記のように、インクを通過させるのではなく、インク中の空気のみ穴を通過させることにより、インクを脱気する。そのため、中空糸フィルタ等と比べ、気液分離手段の詰まりが生じ難い構成を実現できる。また、洗浄により気液分離手段106を再生すること等も容易になる。
 以上のように、本例によれば、印刷装置10を使用する現場においてユーザ自身で容易かつ適切に実行できる脱気機能を持つインク供給システムを適切に実現することができる。そのため、脱気されていないインクを用いて印刷を行う場合にも、インクジェットヘッド12への供給前にインクの脱気レベルを適切に高めることができる。また、これにより、インクジェットヘッド12におけるインクの吐出安定性を向上させ、印刷装置10の信頼性を大きく向上させることができる。
 また、上記のように、本例においては、ユーザが可撓性部材308を介して圧力板314を押圧するのみでインクの脱気を行い得るため、軽微な作業負担でインクの脱気を行うことができる。また、可撓性部材308の弾性やバネ312等を用いた機械的な構成により負圧の維持が可能であるため、長時間にわたってインクの脱気レベルの低下を防ぐことができる。そのため、本例によれば、ユーザに作業の負担をかけることなく、インクジェットヘッド12による長時間のインクの安定吐出を適切に行うことができる。
 また、可撓性部材308の変形量を観察することにより、空気室310の容積を適切に確認することができる。また、空気室310の容積変化に基づき、空気室310内の減圧の状態を適切に確認することができる。
 続いて、気液分離手段106(例えば、フィルタ)の穴の特徴について、更に詳しく説明をする。図4は、気液分離手段106の特徴について説明をする図である。図4(a)は、本例における気液分離手段106の動作原理を簡略化して示す図である。図4(b)は、気液分離手段106の両面間に生じさせる差圧の大きさと、メッシュの必要最大穴径との関係の一例を示す表である。
 上記において説明をしたように、気液分離手段106は、空気室108を囲むように形成されることにより、一方の面側のみがインクと接する状態で使用される。そのため、気液分離手段106の状態を模式的に示すと、図4(a)に示すように、インク室と減圧室(空気室108)との間をメッシュ状の気液分離手段106により分け、減圧室が減圧手段110により減圧される構成になるといえる。
 そして、この場合、気液分離手段106の穴をインクが通過するか否かは、気液分離手段106の穴の大きさ、インクの表面張力、及び気液分離手段106の両面間の気圧差(差圧)に応じて決まることになる。また、インクの表面張力を一定と考えた場合、空気室108を減圧することで生じる気液分離手段106の両面間の差圧に応じて、インクを通過させずに空気のみを通過させる穴の最大の直径(メッシュの必要最大穴径)が決まることになる。
 より具体的に、インクの表面張力をSt、気液分離手段106の両面間の差圧をMsとし、気液分離手段106の穴においてインクのメニスカスが破壊されない最大の直径を2r(半径をr)とした場合、これらのパラメータの間には、近似的に、Ms=St/4.9rの関係が成り立つ。例えば、インクの表面張力Stを30mN/mとし、差圧Msを1気圧(Ms=1033g/cm2)とした場合、メニスカスが破壊されない穴の直径2rは、約1.2μmになる。そのため、穴の直径を1.2μm以下にした場合、空気室108を最大限に減圧し、差圧Msが1気圧になった場合でも、気液分離手段106の穴に生じるインクのメニスカスは壊れないことになる。また、その結果、この状態でも、インクを気液分離手段106に通過させることなく、脱気をし得るといえる。
 しかし、印刷装置10の実際の動作時において、差圧Msについては、1気圧よりも小さくすることが考えられる。また、気液分離手段106の穴は、小さくなるほど加工が難しくなり、気液分離手段106のコスト上昇要因になる。そのため、気液分離手段106に形成する穴の大きさについては、気液分離手段106の両面間に生じさせる差圧Msの大きさや、気液分離手段106の穴の加工容易性等を考慮して設定することが好ましい。
 図4(b)は、気液分離手段106の両面間に生じさせる差圧の大きさと、メッシュの必要最大穴径との関係の一例を示す表である。この関係は、インクの表面張力を30mN/mとした場合の関係である。この表からわかるように、気液分離手段106の両面間に生じさせる差圧が小さくなる程、メッシュの必要最大穴径は大きくなる。また、その結果、気液分離手段106の加工はより容易になる。
 ここで、インクジェットプリンタ用のインクの脱気を行うという目的を考えた場合、気液分離手段106の穴については、例えば、インクジェットヘッドのノズルよりも小さくすることが好ましいと考えられる。また、表中に示したメッシュの必要最大穴径の値のうち、19.2μmや30μmといった値は、通常の高解像度インクジェットヘッドのノズル径と同程度の値である。そのため、気液分離手段106の穴がこの程度に大きくなると、インクジェットプリンタ用のインクを通しやすくなると考えられる。従って、気液分離手段106の穴については、これらの値の同程度以下にすることが好ましいと考えられる。
 尚、インクジェットヘッドのノズルにおいては、ピエゾ素子等の駆動素子を用いて、インク滴を吐出する。一方、気液分離手段106においてはピエゾ素子等を使用しないため、両者の条件について、厳密に同一であるとはいえないそのため、気液分離手段106の穴についても、必ずしも厳密にノズルよりも小さくすることはなく、ノズルよりもわずかに大きくすること等も考えられる。従って、より一般的に考えた場合、気液分離手段106の穴の直径については、20μm以下程度にすることが好ましいと考えられる。
 また、この場合、気液分離手段106にインクが通ることをより確実に防ぐためには、例えば、穴の直径を15μm以下にすることが好ましいといえる。すなわち、表に示した場合においては、メッシュの必要最大穴径が15μm以下の場合について、気液分離手段として好適に使える最大穴径の範囲であるといえる。このように構成すれば、メッシュ状の気液分離手段106を用い、インクの表面張力を利用することにより、インクの脱気をより適切に行うことができる。
 尚、本例において、気液分離手段106の穴の直径とは、例えば、穴の開口面積を円形に換算した場合の直径であってよい。また、穴の最大の直径とは、例えば、気液分離手段に形成された複数の穴の直径のバラツキの範囲において最大となる直径のことであってよい。また、穴の最大の直径とは、例えば、意図しないインクの漏れ等の影響が生じない範囲で、一部の異常な穴を除いた中での最大の直径であってよい。
 また、穴の最大の直径(最大穴径)は、好ましくは10μm以下、更に好ましくは5μm以下である。また、気液分離手段において、穴の最少の直径は、0.2μm以上であることが好ましい。すなわち、穴の最大の直径は、例えば0.2~20μmの範囲であることが好ましい。また、加工の容易さを考えた場合、穴の最大の直径について、例えば12μm程度以上にすることが好ましい。
 続いて、印刷装置10の構成の様々な変形例について、説明をする。図2に示した本例の構成において、減圧手段110は、気液分離手段106に囲まれた空気室108と常に接続された状態で、インク収容部104と隣接した位置に配設される。しかし、減圧手段110については、図2とは異なる構成で設置をすること等も考えられる。例えば、インク容器100の構成の変形例において、減圧手段110は、インク収容部104と隣接した位置に対し、取り外し可能な状態で設置されてもよい。
 また、インク容器100の構成の更なる変形例においては、減圧手段110について、外周部102内に収容されるように配設すること等も考えられる。このように構成すれば、インク容器100内に減圧及び脱気のための構成が全て封入された構成を実現することができる。また、減圧手段110について、インク容器100に含まれる構成ではなく、インク容器100に取り付けられる別の部品として構成すること等も考えられる。これらの場合も、上記と同様に、インクの脱気を適切に行うことができる。
(第1の実施の形態の変形例1)
 ここで、図5の(a)は、気液分離手段106の変形例を説明する図である。変形例にかかる気液分離手段106は、撥水性を有するポリエチレン単層メンブレン107(気液分離膜)を袋状にすることによって形成されている。ポリエチレン単層メンブレン107は平均孔径が数nm~0.1μmの微小孔を有する。微小孔は、気体を通過させるが、インクを通過させない大きさである。なお、本実施の形態では、気液分離手段106をポリエチレン単層メンブレン107によって構成する例について説明しているが、複数の層で形成されたポリエチレンメンブレンを用いて構成することもできる。
 気液分離手段106は、袋状にしたポリエチレン単層メンブレン107の内部に、平均孔径の100μm以上の多孔フィルタ109が充填されている。多孔フィルタ109の孔径は、気体だけでなく液体も通す大きさである。このような孔径を有する多孔フィルタ109をポリエチレン単層メンブレン107の内部に設けているのは、気液分離手段106の機械強度を高めるためである。この気液分離手段106は、ポリエチレン単層メンブレン107と多孔フィルタ109とを貼り合わせることで製造される。
 気液分離手段106は、袋状のポリエチレン単層メンブレン107が、気体を通過させる一方で、インク収容部104内のインクを内部へ通さないので、多孔フィルタ109の部分にはインクが入らない。つまり、多孔フィルタ109の部分には気体が存在する。図3で説明した原理図でいうと、多孔フィルタ109の部分が減圧部Cに相当する。多孔フィルタ109が充填された部分の気圧が低下すると、インク収容部104のインク中に溶解または気泡化した気体が多孔フィルタ109の方へ通過し、インクが脱気する。
 上記した変形例1にかかるポリエチレン単層メンブレン107を用いた気液分離手段106の場合、ポリエチレン単層メンブレン107が撥水性を有することにより、インクが気液分離手段106の内部に滲み込んでしまうリスクを低減することができる。
(第1の実施の形態の変形例2)
 図5(b)は、変形例2に係る気液分離手段106の構成を示す図である。変形例2に係る気液分離手段106は、袋状にしたポリエチレン単層メンブレン107の内部に、平均孔径の100μm以上の多孔フィルタ109が充填されている。また、ポリエチレン単層メンブレン107の外側を、無孔フィルム1071が覆っている。無孔フィルム1071の膜厚は、気体を通すことができる程度に十分に薄い。変形例1に係る気液分離手段106は、無孔フィルム1071を備えることで、気液分離手段106の内部にインクが滲み込むリスクをいっそう低減できる。
(第1の実施の形態の変形例3)
 図5(c)は、変形例3に係る気液分離手段106の構成を示す図である。変形例3に係る気液分離手段106は、袋状にしたポリエチレン単層メンブレン107の内部に、平均孔径の100μm以上の細孔気液分離手段109aと平均孔径が数100μm以上の粗孔気液分離手段109bの2種類の多孔フィルタ109が充填されている。また、ポリエチレン単層メンブレン107の外側を、無孔フィルム1071が覆っている。無孔フィルム1071の膜厚は、気体を通すことができる程度に十分に薄い。変形例3に係る気液分離手段106は、無孔フィルム1071を備えることで気液分離手段106の内部にインクが滲み込むリスクをいっそう低減できると共に、孔径の大きい粗孔気液分離手段109bを有することで機械強度をさらに高めることができる。
(第1の実施の形態の変形例4)
 上記した変形例では、気液分離膜としてポリエチレン単層メンブレン107を用いたが、第1の実施の形態の変形例4に係る気液分離手段106は、フッ素樹脂によって構成する。フッ素樹脂は、高い撥水性を有するので、気液分離手段106の内部にインクが入る可能性を低減できる。
(第1の実施の形態の変形例5)
 上記した変形例では、気液分離膜としてポリエチレン単層メンブレン107を用いたが、第1の実施の形態の変形例5に係る気液分離手段106は、超撥水処理を行ったメッシュによって構成する。この構成により、気液分離手段106の内部にインクが入る可能性を低減できるとともに、種々の材料を用いてメッシュを構成することができる。
(第1の実施の形態の変形例6)
 上記した実施の形態において、減圧手段110が、気液分離手段106の内部(空気室108)と常に接続された例を挙げたが、減圧手段110は、インク収容部104と取り外し可能に構成してもよい。また、減圧手段110をインク容器100に取り付けられる別の部品としてもよい。このように減圧手段110をインク収容部104から取り外し可能な構成とすることで、気液分離手段106を収容したインク収容部104を取り替えることが可能となる。例えば、経時変化により、気液分離手段106を用いた脱気性能が低下した場合には、新しい(インク収容部104を備えた)インク容器100を減圧手段110に取り付けることにより、減圧手段110をそのまま使うことができ、低コストでインク容器100の取替えを行える。
(第1の実施の形態の変形例7)
 上記した実施の形態において、気液分離手段106をインク収容部104の中から取り出したり、挿入したりすることができる構成としてもよい。すなわち、本実施の形態の変形例7にかかる印刷装置は、インクジェットヘッド12と、インク容器100を保持する中間パック保持部16と、ポリエチレン単層メンブレン107によって構成された袋状の気液分離手段106と、気液分離手段106の内部の空間に接続された減圧手段110とを備え、中間パック保持部16に保持されたインク容器100の中に気液分離手段106を入れて、脱気を行う。
 この構成により、インク容器100自体は、脱気機構を有しないインク容器であっても、インク収容部104に気液分離手段106を入れることにより、インクの脱気処理を行うことができる。
 上記した変形例においては、気液分離膜であるポリエチレン単層メンブレン107を袋状にして、気液分離手段106を構成する例を挙げて説明したが、気液分離手段の周囲全体が気液分離膜である必要はない。気液分離手段は、外周の少なくとも一部が撥水性を有する気液分離膜であればよい。少なくとも一部が撥水性を有する気液分離膜であれば、その部分からインク中の気体を気液分離手段の内部に取り込むことができる。
(第2の実施の形態)
 また、減圧手段110の具体的な構成については、図2に示した構成に限らず、例えば、手動又は電動等で減圧を行う様々な構成を用いることができる。
 図6は、第2の実施の形態のインク容器100の構成を示す図である。図6(a)は、第2の実施の形態におけるインク容器100の構成を示す垂直断面図、図6(b)は第2の実施の形態におけるインク容器100の構成を示す水平断面図である。第2の実施の形態のインク容器100の基本的な構成は、第1の実施の形態と同じであるが、減圧手段110の構成が異なる。
 第2の実施の形態において、インク容器100は、注射器のような構成により減圧を行う手段であり、バルブ302、接続部304、バルブ306、空気室310、バネ312、筒部320、ピストン322、及びストッパ324を有する。
 また、これらの構成のうち、バルブ302、接続部304、バルブ306、及び空気室310は、図2における各構成の同じ番号の構成に対応する。また、筒部320及びピストン322は、注射器における筒部及びピストンに相当する構成であり、筒部320内にピストン322が挿入されることにより、図6の(a)に示すように、筒部320の内部に空気室310を形成する。また、バネ312は、空気室310が広がる方向へピストン322を付勢する。ストッパ324は、ピストン322の過度な移動を防ぐためのストッパ部材であり、バネ312の付勢力により図中の上側方向へ移動する筒部320を予め設定された位置で停止させる。
 第2の実施の形態において、インクの脱気を行う場合、例えば、ユーザの手動操作でピストン322を図6の(a)における下側へ押し、空気室310内の空気をバルブ302から外部へ排出する。その後、ユーザが手を離すことにより、バネ312の付勢力に応じて、ピストン322が図中の上側へ移動する。この場合、空気室310の体積が拡がり、空気室310内は負圧になる。また、これにより、接続部304及びバルブ306を介して、気液分離手段106に囲まれた空気室108内も減圧される。
 そのため、このように構成した場合も、気液分離手段106(例えば、フィルタ)により、インクの脱気を適切に行うことができる。また、この場合も、少なくともバネ312が伸びきるまでの間、空気室310内の負圧が維持されることになる。そのため、本変形例においても、機械的な構成により、負圧を長時間適切に維持することができる。また、これにより、インクの脱気を適切かつ十分に行うことができる。
 尚、減圧手段110の具体的な構成としては、上記に限らず、更に他の構成を用いることも考えられる。例えば、上記においても説明をしたように、ユーザの手動操作によって減圧を行う構成に限らず、電動の構成等により減圧を行ってもよい。この場合、例えば、減圧が解除された状態を検出する手段を用い、減圧が所定のレベルに解除された状態になった場合に電動の構成により減圧を行うこと等が考えられる。また、この場合、例えば、間歇駆動ポンプ等を用いて減圧を行うこと等が考えられる。
 ここで、前記した変形例1にかかる気液分離手段106を用いた場合、減圧手段110によって気液分離手段106の空気室108が減圧されると、ポリエチレン単層メンブレン107の内外の間、すなわち、インク側と気体側との間で気圧差が生じる。これにより、インク中の気体が気液分離手段106の内部へ移動し、インクの脱気を行える。
 以上の構成により、インク収容部104の内部にある気液分離手段106により、インクの脱気を適切に行うことができる。また、ポリエチレン単層メンブレン107が撥水性を有することにより、インクが気液分離手段106の内部に滲み込んでしまうリスクを低減することができる。
 よって、上記した変形例にかかる気液分離手段106を用いた場合においても、少なくともバネ312が伸びきるまでの間、空気室310内の負圧が維持されることになる。したがって、機械的な構成により、負圧を長時間適切に維持することができ、インクの脱気を適切に行うことができる。また、これにより、インクの脱気を適切かつ十分に行うことができる。
(第3の実施の形態)
 図7は、第3の実施の形態の印刷装置10の構成を示す図である。第3の実施の形態の印刷装置10の基本的な構成は、第1の実施の形態と同じであるが、第3の実施の形態の印刷装置10は、図1に示したインクボトル200に代えて、交換インクパック220を有する。また、上流容器保持部14は、インクボトル200に対応する構成により、交換インクパック220を保持する。本実施の形態においては、上流容器保持部14も、インク容器保持部の一例である。
 第3の実施の形態において、印刷装置10は、図1に示したインクボトル200に代えて、交換インクパック220を有する。また、上流容器保持部14は、インクボトル200に対応する構成により、交換インクパック220を保持する。また、本実施の形態における上流容器保持部14も、インク容器保持部の一例である。
 交換インクパック220は、例えば、交換用の大容量のインクパックであり、インク容器100よりも大容量のインクを貯留する。本実施の形態において、交換インクパック220は、更に、図2等を用いて説明をしたインク容器100と同様に、インク容器100の内部のインクを脱気する。
 交換インクパック220は、外周部102、インク収容部104、気液分離手段106、減圧手段110、及ぶインク出口116等を有し、図2(a)~図2(d)を用いて説明をしたインク容器100と同様にして、インクの脱気を行う。これにより、例えば、大容量のインクを貯留する容器内でインクを脱気することができる。この場合、インクの経路の最上流にある交換インクパック220と、中間にあるインク容器100との両方でインクを脱気することにより、インクの脱気レベルを高めることができる。逆に、インクに求められる品質によっては、例えば、中間位置のインク容器100では脱気を行わず、交換インクパック220でのみインクの脱気を行ってもよい。
 なお、印刷装置10の連続運転時等には、交換インクパック220を適宜交換することにより、大容量のインクを供給することができる。また、交換インクパック220自体を交換するのではなく、例えば、交換インクパック220へインクを補充してもよい。例えば、図中に示した構成の交換インクパック220の場合、上流容器保持部14から交換インクパック220を一旦取り外し、上流容器保持部14に接続されていた口栓部分からインクを補充する。これにより、大容量のインクを適切に供給できる。
 この場合、インク容器100に代えて、脱気機能を有さない中間パック等を用いることが考えられる。このように構成した場合も、インクの脱気を適切に行うことができる。
(第4の実施の形態)
図8は、第4の実施の形態の印刷装置10の構成を示す図である。第4の実施の形態の印刷装置10の基本的な構成は、第1の実施の形態と同じであるが、第4の実施の形態の印刷装置10は、図1に示したインクボトル200に代えて、交換インクパック220及び非交換インクパック230を保持する。また、上流容器保持部14は、交換インクパック220及び非交換インクパック230を保持する。また、本変形例においても、上流容器保持部14は、インク容器保持部の一例である。尚、複数色のインクを用いて印刷を行う場合、交換インクパック220及び非交換インクパック230等についても、それぞれインクの色数分用いることが考えられる。この場合、各色用の交換インクパック220及び非交換インクパック230は、上流容器保持部14により、水平方向へ並べて保持される。
 交換インクパック220は、交換用のインク容器である。また、本変形例において、交換インクパック220は、内部のインクの量に応じて容積が変化するパック状の容器であり、非交換インクパック230よりも高い位置に配設された状態で非交換インクパック230と接続されることにより、水頭値方式で非交換インクパック230へインクを供給する。
 非交換インクパック230は、交換されない常設のインク容器であり、交換インクパック220から受け取るインクを内部に貯留しつつ、インク容器100へインクを供給する。また、非交換インクパック230も内部のインクの量に応じて容積が変化するパック状の容器であり、インク容器100よりも高い位置に配設されることにより、水頭値方式でインク容器100へインクを供給する。また、本例においても、インク容器100は、インクジェットヘッド12よりも高い位置へ配設されており、非交換インクパック230から受け取るインクを、水頭値方式でインクジェットヘッド12へ供給する。
 このように構成すれば、インクジェットヘッド12へのインクの供給を水頭値方式で適切に行うことができる。また、インクの経路においてインク容器100よりも上流側で交換インクパック220及び非交換インクパック230を用いてインクを貯留することにより、大容量のインクをより適切に貯留することができる。
 更には、交換インクパック220と非交換インクパック230とを直列に繋いだ複数段階の構成を用いることにより、交換インクパック220内のインクが空になった場合等に、非交換インクパック230からインク容器100へのインクを供給しつつ、交換インクパック220を交換することができる。そのため、このように構成すれば、交換インクパック220を適宜交換しつつ、印刷装置10に長時間の連続運転をより適切に行わせることができる。
 ここで、本変形例におけるより好ましい構成等について、説明をする。本変形例においては、非交換インクパック230及びインク容器100の位置等において、インクの減少開始やインクの終了(インクエンド)等を検知する検知器を配設することが好ましい。このように構成すれば、各位置におけるインクの残量等を適切に検知できる。また、これにより、交換インクパック220を交換すべきタイミングを適切に検知できる。また、この場合、特に、非交換インクパック230のインクの減少を検知する検知器を設けることが好ましい。このように構成すれば、上流側の交換インクパック220のインクエンドを適切に検知できる。
 また、交換インクパック220、非交換インクパック230、及びインク容器100を用いてインクジェットヘッド12までのインクの供給を水頭値方式で行う場合、インクの最上面とインクジェットヘッド12の位置との最大の水頭差は、図中に示した距離H1+H2になる。また、非交換インクパック230内のインクの残りが少なくなった場合、最小の水頭差は、図中に示したH1になる。そのため、本変形例において、インクの水頭差は、H1~H1+H2の範囲で変化することになる。
 しかし、インクの水頭差の変化が大きくなると、インクジェットヘッド12へ供給されるインクの圧力変動が大きくなり、インク滴の吐出精度に影響が生じるおそれもある。そのため、インクの水頭差が変化する範囲は、できるだけ小さくすることが好ましい。そこで、交換インクパック220及び非交換インクパック230については、例えば図中に示すように、長手方向が水平方向と平行又は平行に近い状態になるように横向きに設置することが好ましい。このように構成した場合、例えば、水頭差の変化範囲である高さH2について、ほぼ、横向きにした状態での非交換インクパック230の高さWmと交換インクパック220の高さWとの和になる。そのため、交換インクパック220及び非交換インクパック230の長手方向を鉛直方向に向けた場合等を比べ、インクの水頭差の変化範囲を適切に抑えることができる。また、この場合、交換インクパック220については、完全に横向きにはせず、図中に示すように、ある程度傾けた状態にすることが好ましい。このように構成すれば、交換インクパック220内のインクをより適切に非交換インクパック230へ供給することができる。
 また、交換インクパック220と非交換インクパック230の容量については、非交換インクパック230の容量を交換インクパック220よりも多くすることが好ましい。より具体的には、図中に示すように、交換インクパック220の長手方向をLとした場合、非交換インクパック230の長手方向の長さは、Lよりも大きくすることが好ましい。このように構成すれば、大容量(例えば超大容量)になることで重量が大きくなる非交換インクパック230を動かすことなく、より軽量な交換インクパック220のみを交換することで、大容量の非交換インクパック230へのインクの充填を適切に行うことができる。また、これにより、非力な作業者等でもインクの交換を容易に行うことができる。また、この場合、非交換インクパック230の容量について、交換インクパック220の容量の整数倍にすること等が考えられる。このように構成すれば、例えば、大容量のインクをより適切に貯留することができる。
 より具体的には、交換インクパック220の容量を2Lとし、非交換インクパック230の容量をその3倍の6Lとすること等が考えられる。この場合、交換インクパック220を順次交換して3回装着することにより、下流の非交換インクパック230を満杯にすることができる。そして、その後、4個目の交換インクパック220を装着することにより、交換インクパック220と非交換インクパック230とを合わせて8Lの大容量のインクを貯留することができる。
 また、本変形例においては、例えば、交換インクパック220、非交換インクパック230、インク容器100について、気液分離手段106による脱気が可能な構成にすることが考えられる。この場合、気液分離手段106による脱気が可能な構成とは、例えば、図1~7を用いて説明したインク容器100と同一又は同様にして脱気が可能な構成のことである。このように構成すれば、例えば、インクの脱気を適切に行うことができる。
 また、この場合、必ずしもインク容器100、交換インクパック220、非交換インクパック230の全てにおいて脱気を行う必要はなく、これらのうちの少なくともいずれかについて、脱気が可能な構成にすればよい。また、この場合、非交換インクパック230において脱気を行うことが特に好ましい。このように構成すれば、最も大容量のインクを貯留する位置において、インクの脱気を適切に行うことができる。また、この場合、交換されない容器内に気液分離手段106等を配設することにより、気液分離手段106を使い捨てにすることなく、長期間利用することができる。そのため、このように構成すれば、印刷装置10の運用コストをより適切に低減できる。
(第5の実施の形態)
 図9(a)は、第5の実施の形態のインク容器100の構成を示す図である。第5の実施の形態において、インク収容部104は、底面104aと対向する2つの側面104b、104cを有する筐体と、上面を覆う可撓性のフィルム104dを有している。上面のフィルム104dは、インクの減少と共に下がる。フィルム104dの上にインク残量検出部118が設けられており、インク残量検出部118の高さが所定の高さより低くなるとインクの残量が少なくなったことを検出する。
 インク収容部104の2つの側面104b、104cは高さが異なっている。高い方の側面104cに、磁力を利用して液体を攪拌するマグネチックスターラ120が設けられている。マグネチックスターラ120は、インク収容部104の中でインクを攪拌する攪拌羽根120aと、攪拌羽根120aを磁力で回転させるドライブ部120bとを有している。
 第5の実施の形態のインク容器100は、気液分離手段106を図示しない減圧手段に接続する接続部304を有している。気液分離手段106は、上記した実施の形態と同様に、インクの脱気処理を行う。
 図9(b)は、第5の実施の形態の変形例にかかるインク容器100の構成を示す図である。変形例に係るインク容器100の基本的な構成は、上記した実施の形態と同じであるが、マグネチックスターラ120がインク収容部104の底面104aに設けられている点が異なる。
 以上、本発明のインク容器および印刷装置について、実施の形態を挙げて詳細したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではない。上記の実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
(変形例)
 上記した実施の形態では、図1に示す印刷装置10において、中間パック保持部16に保持されたインク容器100に脱気機構を設ける例を挙げて説明したが、脱気機構を設ける場所は、印刷装置10の構成に応じて適宜に決めることができる。
 図10は、変形例にかかる印刷装置10の構成を説明する図である。
 図10では、複数のインク容器130が下置きされている。印刷装置10におけるインク容器130とインクジェットヘッド12との経路上には、外付け中間パック132と本体中間パック134とが配置されている。本体中間パック134はインクジェットヘッド12よりも高い位置に配置され、外付け中間パック132は、本体中間パック134よりも高い位置に配置されている。これにより、外付け中間パック132から本体中間パック134、本体中間パック134からインクジェットヘッド12へは、インクの水頭差を利用する水頭値方式により、インクが流れる。なお、下置きされたインク容器130から外付け中間パック132へは、バルブ138を開いた状態で、インク汲み上げポンプ136を利用してインクを汲み上げる。インクの汲み上げ時以外には、バルブ138を閉じる。
 以上の構成を有する印刷装置10において、脱気機構は、本体中間パック134、外付け中間パック132、インク容器130の1箇所または複数個所に設ける。脱気機構の構成は、上記した実施の形態と同じ構成とすることができる。
 次に、図11は、他の変形例にかかる印刷装置10の構成を説明する図である。
 図11に示す印刷装置10では、複数のインク容器140が下置きされており、この構成は、長時間連続プリントを可能にするバルクインク供給システムである。印刷装置10におけるインク容器140とインクジェットヘッド12との経路上には、バルクタンク142とカートリッジ144とを有している。カートリッジ144はインクジェットヘッド12よりも高い位置に配置され、バルクタンク142は、カートリッジ144よりも高い位置に配置されている。これにより、バルクタンク142からカートリッジ144、カートリッジ144からインクジェットヘッド12へは、インクの水頭差を利用する水頭値方式により、インクが流れる。なお、下置きされたインク容器140からバルクタンク142へは、バルブ148を開いた状態で、インク汲み上げポンプ146を利用してインクを汲み上げる。インクの汲み上げ時以外には、バルブ148を閉じる。
 以上の構成を有する印刷装置10において、脱気機構を、カートリッジ144、バルクタンク142の一方または両方に設ける。脱気機構の構成は、上記した実施の形態と同じ構成とすることができる。
 上記した実施の形態において、減圧手段110を外周部102内に収容してもよい。この構成により、インク容器100内に減圧及び脱気のための構成が全て封入された構成を実現することができる。
 上記した実施の形態において、減圧手段110を、手動操作によって減圧を行う構成を挙げたが、電動等による自動減圧の構成を採用してもよい。例えば、減圧が解除された状態を検出する手段を用い、減圧が所定のレベルに解除された状態になった場合に自動的に減圧することも可能である。この場合に、間欠駆動ポンプ等を用いて減圧を行ってもよい。
(実施の形態に係る発明の構成の効果)
(1)第1の実施の形態の変形例1~3のインク容器100は、撥水性を有するポリエチレン単層メンブレン107を袋状にし、その内部に多孔フィルタ109を充填して構成した気液分離手段106を備える。減圧手段110によって気液分離手段106の内部を減圧することで、気液分離膜107を介してインク中の気体を脱気することができる。気液分離膜107が撥水性を有することにより、気液分離膜107をインクが通過してしまう可能性を低減することができる。
(2)第1の実施の形態の変形例1~3のインク容器100の気液分離手段106は、気液分離膜としてポリエチレン単層メンブレン107を有する。発明者の実験により、ポリエチレン単層メンブレン107を用いた気液分離手段106は、インクの脱気処理を適切に行えることが確認された。
(3)第1の実施の形態の変形例4のインク容器100の気液分離手段106は、気液分離膜がフッ素樹脂によって構成されている。フッ素樹脂は、高い撥水性を有するので、気液分離手段106の気液分離膜として好ましい。
(4)第1の実施の形態の変形例5のインク容器100の気液分離手段106は、気液分離膜が超撥水処理したメッシュによって構成されている。超撥水処理を行うことにより、気液分離膜として様々な材料を用いることが可能となる。
(5)本実施の形態のインク容器100において、気液分離手段106の内部には、ポリエチレン単層メンブレン107よりも孔径が大きい多孔フィルタ109が充填されているので、気液分離手段106の機械的な強度を高めることができる。
(6)第1の実施の形態の変形例2にかかるインク容器100は、気体を通す程度の膜厚の無孔フィルム1071によってポリエチレン単層メンブレン107が覆われている。この構成により、気液分離手段106の内部にインクが滲み込むリスクをいっそう低減できる。
(7)本実施の形態のインク容器100において、インク収容部104は、可撓性を有するので、インク収容部104の内部のインクの圧力と大気圧とが釣り合い、印刷装置10において、水頭値方式によるインクの供給を適切に行うことができる。
(8)本実施の形態のインク容器100は、接続部304に接続された減圧手段110を備える。このように減圧手段110を備えたインク容器100は、例えば、印刷装置の経路上において、インクを貯留するインク容器として利用することができる。
(9)第1の実施の形態のインク容器100はインクを攪拌する振動攪拌機構112を備え、第5の実施の形態のインクを攪拌するマグネチックスターラ120を備える。この構成により、インク収容部104内のインクを攪拌することで、効果的に脱気を行うことができる。
(10)本実施の形態の印刷装置10は、インクジェット方式でインク滴を吐出するインクジェットヘッド12と、インクジェットヘッド12へ供給するインクを貯留するインク容器100とを備え、インク容器100は、インクを収容するインク収容部104と、インク収容部104内に設けられた気液分離手段106であって、撥水性を有するポリエチレン単層メンブレン107によって構成された袋状の気液分離手段106と、気液分離手段106の内部の空間とインク収容部104の外部の減圧手段110とを接続する接続部304とを備える。この構成により、減圧手段110によって気液分離手段106の内部を減圧することで、ポリエチレン単層メンブレン107を介してインク中の気体を脱気することができる。また、ポリエチレン単層メンブレン107が撥水性を有することにより、ポリエチレン単層メンブレン107をインクが通過してしまう可能性を低減することができる。また、気液分離手段106によって脱気できるので、例えば、脱気されていないインクを用いて印刷を行う場合にも、インクジェットヘッド12への供給前にインクの脱気レベルを適切に高めることができる。
(11)本実施の形態の変形例7にかかる印刷装置は、インクジェットヘッド12と、インク供給経路の中間に配置されたインク容器100を保持する中間パック保持部16と、ポリエチレン単層メンブレン107によって構成された袋状の気液分離手段106と、気液分離手段106の内部の空間に接続された減圧手段110とを備え、中間パック保持部16に保持されたインク容器100の中に気液分離手段106を入れて、脱気を行う。
 この構成により、上述した実施の形態と同様に、気液分離手段106の内部にインクが滲み込むリスクを低減しつつ、インクの脱気を行うことができる。また、中間パック保持部16に保持されたインク容器100に気液分離手段106を入れることで脱気を行えるので、インク容器100自体は気液分離手段106を有する必要はなく、インク容器100を取り替えても脱気を行える。
 以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
 本発明は、例えば、インク容器に好適に用いることができる。
10 印刷装置
12 インクジェットヘッド
14 上流容器保持部
16 中間パック保持部(インク容器保持部)
18 圧力調整器
100 インク容器
102 外周部
104 インク収容部
106 気液分離手段
107 ポリエチレン単層メンブレン
1071 無孔フィルム
108  空気室
109 多孔フィルム
109a 細孔フィルム
109b 粗孔フィルム
110 減圧手段
112 振動攪拌機構(攪拌手段)
114 インク供給口
116 インク出口
118 インク残量検出部
120 マグネチックスターラ(攪拌手段)
120a 攪拌羽根
120b ドライブ部
130 インク容器
132 外付け中間パック
134 本体中間パック
136 インク汲み上げポンプ
138 バルブ
140 インク容器
142 バルクタンク
144 カードリッジ
146 インク汲み上げポンプ
148 バルブ
200 インクボトル
202 落とし蓋
204 インク貯留部
220 交換インクパック
302 バルブ
304 接続部
306 バルブ
308 可撓性部材
310 空気室
312 バネ
314 圧力板
320 筒部
322 ピストン
324 ストッパ

Claims (20)

  1.  インクジェット方式でインク滴を吐出するインクジェットヘッドへ供給するインクを貯留するインク容器であって、
     前記インク容器においてインクを収容するインク収容部と、
     インクを通過させず、かつ、空気を通過させる大きさの穴が複数形成された気液分離手段と、
     前記インク収容部内のインクを前記インクジェットヘッドへ向けて流すインク出口と、を備え、
     前記気液分離手段は、袋状に形成されており、前記気液分離手段に囲まれた領域内にインクを入れず、かつ、外面側がインクと接する状態で、前記インク収容部内に配設され、
     前記気液分離手段に囲まれた領域の気圧が大気圧より低い圧力にされることにより、前記気液分離手段は、前記インク収容部内のインクを脱気することを特徴とするインク容器。
  2.  前記気液分離手段に形成された複数の前記穴において、最大の直径は20μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のインク容器。
  3.  前記気液分離手段に囲まれた領域を減圧する減圧手段を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のインク容器。
  4.  前記減圧手段は、付勢手段の付勢力を用いて機械的に減圧を行う手段であること特徴とする請求項3に記載のインク容器。
  5.  前記減圧手段は、
     前記気液分離手段に囲まれた領域と繋がる空間であり、当該空間を構成する内壁の少なくとも一部が移動又は変形可能である空気室と、
     前記空気室内の空気を外部へ排出する場合に開くバルブと、
     前記空気室の体積を広げる方向へ前記内壁の少なくとも一部を付勢する前記付勢手段と、を有することを特徴とする請求項4に記載のインク容器。
  6.  前記気液分離手段は、前記インク収容部内に貯留されているインクを脱気することを特徴とする請求項1又は2に記載のインク容器。
  7.  前記インク収容部へインクを供給するインク供給口を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のインク容器。
  8.  インクジェット方式で印刷を行う印刷装置であって、
     インクジェット方式でインク滴を吐出するインクジェットヘッドと、
     前記インクジェットヘッドへ供給するインクを貯留するインク容器を保持するインク容器保持部と、を備え、
     前記インク容器は、
     前記インク容器においてインクを収容するインク収容部と、
     インクを通過させず、かつ、空気を通過させる大きさの穴が複数形成された気液分離手段と、
     前記インク収容部内のインクを前記インクジェットヘッドへ向けて流すインク出口と、を有し、
     前記気液分離手段は、袋状に形成されており、前記気液分離手段に囲まれた領域内にインクを入れず、かつ、外面側がインクと接する状態で、前記インク収容部内に配設され、
     前記気液分離手段に囲まれた領域の気圧が大気圧より低い圧力にされることにより、前記気液分離手段は、前記インク収容部内のインクを脱気することを特徴とする印刷装置。
  9.  インクジェット方式でインク滴を吐出するインクジェットヘッドへインクを供給するインク供給方法であって、
     インクを貯留するインク容器から前記インクジェットヘッドへインクを供給し、
     前記インク容器は、
     前記インク容器においてインクを収容するインク収容部と、
     インクを通過させず、かつ、空気を通過させる大きさの穴が複数形成された気液分離手段と、
     前記インク収容部内のインクを前記インクジェットヘッドへ向けて流すインク出口と、を備え、
     前記気液分離手段は、袋状に形成されており、前記気液分離手段に囲まれた領域内にインクを入れず、かつ、外面側がインクと接する状態で、前記インク収容部内に配設され、
     前記気液分離手段に囲まれた領域の気圧が大気圧より低い圧力にされることにより、前記気液分離手段は、前記インク収容部内のインクを脱気することを特徴とするインク供給方法。
  10.  インクを収容するインク収容部と、
     前記インク収容部内に設けられた気液分離手段であって、少なくとも一部が撥水性を有する気液分離膜によって構成された袋状の気液分離手段と、
     前記気液分離手段の内部の空間と前記インク収容部の外部の減圧手段とを接続する接続部と、
     を備えるインク容器。
  11.  前記気液分離膜は、ポリエチレン単層メンブレンによって構成される請求項10に記載のインク容器。
  12.  前記気液分離膜は、フッ素樹脂によって構成される請求項10に記載のインク容器。
  13.  前記気液分離膜は、超撥水処理したメッシュによって構成される請求項10に記載のインク容器。
  14.  前記気液分離手段の内部には、前記気液分離膜の孔径よりも大きい孔径を有する多孔フィルムが充填されている請求項10乃至13のいずれかに記載のインク容器。
  15.  前記気液分離膜が、気体を通す程度の膜厚の無孔フィルムによって覆われている請求項10記載のインク容器。
  16.  前記インク収容部は、可撓性を有する請求項10記載のインク容器。
  17.  前記接続部に接続された減圧手段を備える請求項10に記載のインク容器。
  18.  前記インク収容部内のインクを攪拌する攪拌手段を備える請求項10に記載のインク容器。
  19.  インクジェット方式で印刷を行う印刷装置であって、
     インクジェット方式でインク滴を吐出するインクジェットヘッドと、
     前記インクジェットヘッドへ供給するインクを貯留するインク容器と、を備え、
     前記インク容器は、
     インクを収容するインク収容部と、
     前記インク収容部内に設けられた気液分離手段であって、少なくとも一部が撥水性を有する気液分離膜によって構成された袋状の気液分離手段と、
     前記気液分離手段の内部の空間と前記インク収容部の外部の減圧手段とを接続する接続部と、
     を備える印刷装置。
  20.  インクジェット方式で印刷を行う印刷装置であって、
     インクジェット方式でインク滴を吐出するインクジェットヘッドと、
     前記インクジェットヘッドへ供給するインクを貯留するインク容器を保持するインク容器保持部と、
     少なくとも一部が撥水性を有する気液分離膜によって構成された袋状の気液分離手段と、
     前記気液分離手段の内部の空間に接続された減圧手段と、
     を備え、
     前記インク容器保持部に保持されたインク容器の中に前記気液分離手段を入れて、脱気を行う印刷装置。
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