JP2010162821A - 脱気装置、インクボトル、及び脱気方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクの脱気を、短時間で適切に行う。
【解決手段】インクジェットプリンタで使用されるインクから空気を除去する脱気装置10であって、インクを収容するインクボトル30内を減圧するポンプ16と、磁界を発生させる磁界発生部18とを備え、インクボトル30は、外部の磁界の変化に応じて回転する磁石回転子34をインク中に収容し、磁界発生部18は、インクボトル30の外部から磁石回転子34へ磁界を加えて磁石回転子34を回転させることにより、インクボトル30内のインクを攪拌し、ポンプ16は、磁石回転子34の回転によりインクが攪拌されるインクボトル30内を減圧する。
【選択図】図1

Description

本発明は、脱気装置、インクボトル、及び脱気方法に関する。
近年、印刷装置として、インクジェットプリンタが広く利用されている。インクジェットプリンタは、例えば、インクジェットヘッドのノズルからインク滴を吐出することにより、印刷を行う。
インクジェットプリンタで印刷を行う場合、インク中に空気が多く含まれていると、インク滴の吐出性能に影響が生じる場合がある。例えば、酸素等の空気の溶存量が多い場合、インク滴の吐出が不安定となる場合がある。また、例えば、インク滴を適切に吐出することが困難になる場合もある。そのため、インクジェットプリンタで印刷を行う場合、インク中の空気の溶存量を適切に抑えることが望まれる。
これに対しては、例えば、中空系フィルタにインクを通すことにより、インクの脱気を行う方法等も考えられる。しかし、このような方法では、インクの色毎に個別のフィルタを用意し、かつ、フィルタを定期的に交換することが必要となる。
その結果、このような方法を用いると、インクの管理に多くのコストがかかることとなる。そのため、従来、インクの脱気をより適切な方法で行うことが求められていた。そこで、本発明は、上記の課題を解決できる脱気装置、インクボトル、及び脱気方法を提供することを目的とする。
尚、本発明に関連する先行技術を調査したところ、インク中に気泡が存在する場合の問題点について記載されている特許文献1を発見した。しかし、本発明の構成に関連する文献は発見されなかった。
特開平7−60982号公報
上記の課題を解決するために、本発明は、以下の構成を有する。
(構成1)インクジェットプリンタで使用されるインクから空気を除去する脱気装置であって、インクを収容するインクボトル内を減圧するポンプと、磁界を発生させる磁界発生部とを備え、インクボトルは、外部の磁界の変化に応じて回転する磁石回転子をインク中に収容し、磁界発生部は、インクボトルの外部から磁石回転子へ磁界を加えて磁石回転子を回転させることにより、インクボトル内のインクを攪拌し、ポンプは、磁石回転子の回転によりインクが攪拌されるインクボトル内を減圧する。
インクボトルには、例えば、外部に連通する開口部が形成されている。ポンプは、例えば、この開口部を介してインクボトル内を減圧する。
このように構成した場合、例えば、磁石回転子によりインクを攪拌することにより、インク内の空気(例えば、酸素等)を適切に脱気できる。また、インクから脱気された気体を、ポンプにより、インクボトルから排出できる。そのため、このように構成すれば、例えば、インクの脱気を、短時間で適切に行うことができる。また、これにより、インク内の空気の溶存量を適切に低減できる。更には、空気の溶存量を低減することにより、インクジェットヘッドからのインク滴の吐出を適切に安定化できる。また、これにより、高い品質で適切な印刷を行うことが可能になる。
また、このような構成は、例えば、中空系フィルタ等を用いてインクの脱気を行う場合等と比べ、低コストで実現できる。そのため、このように構成すれば、例えば、インクの脱気を行う脱気装置を、安価で適切に提供できる。
尚、インクの脱気を行うためには、例えば単にポンプ等を用いて、真空中でインクを脱気すればよいようにも考えられる。しかし、このような方法では、脱気の作業に要する時間が長くなり、効率的にインクの脱気を行うことが困難になるおそれがある。特にインクとして水性インクを用いる場合、脱気の作業に要する時間が特に長くなり、適切にインクの脱気を行うことは困難である。これに対し、構成1のように構成すれば、例えばインクとして水性インクを用いる場合等にも、適切にインクの脱気を行うことができる。
(構成2)ポンプ及び磁界発生部の動作を制御する制御部を更に備え、制御部は、磁界発生部に磁石回転子を回転させつつ、ポンプにインクボトル内を減圧させる減圧動作と、減圧動作によりインクボトル内が減圧された状態でポンプを停止させ、かつ、磁界発生部に磁石回転子を回転させる減圧後攪拌動作とを磁石回転子及びポンプに行わせる。
このように構成した場合、磁界発生部は、ポンプの停止後も、例えば、一定時間、磁石回転子を回転させる。これにより、例えば、ポンプの消費電力を適切に低減しつつ、効率的に脱気を行いことができる。また、例えば、インクボトル内を過剰に減圧することを防ぐことができる。そのため、このように構成すれば、例えば、インクの脱気をより適切に行うことができる。
(構成3)インクボトルは、インクに浮かぶ複数の浮子を更に収容しており、磁界発生部は、複数の浮子が浮かぶインク内で、磁石回転子を回転させる。この浮子は、例えば、インクよりも比重の小さな粒状体である。また、この浮子は、例えば一部がインクの外に露出する状態で、インクに浮かぶ。浮子は、例えばビーズであってよい。
このように構成した場合、浮子を用いることにより、例えば、インク中の空気の泡が上昇しやすくなると考えられる。また、インクに浮子が浮かぶことにより、例えば、インクボトル内のインクにおいて、ポンプにより減圧される雰囲気と触れる部分の表面積が大きくなる。そのため、このように構成すれば、例えば、より効率的にインクの脱気を行うことが可能になる。また、これにより、脱気の作業に要する時間をより適切に短縮できる。
(構成4)インクジェットプリンタで使用されるインクを収容するインクボトルであって、外部に連通する開口部が形成されており、外部の磁界の変化に応じて回転する磁石回転子をインク中に収容する。インクボトルは、例えば、開口部を介して、ポンプにより減圧される。このように構成すれば、例えば、構成1と同様の効果を得ることができる。
(構成5)インクボトルは、インクに浮かぶ複数の浮子を更に収容しており、磁石回転子は、インクボトルの外部から加わる磁界に応じて、複数の浮子が浮かぶインク内で回転する。このように構成すれば、例えば、構成3と同様の効果を得ることができる。
(構成6)インクジェットプリンタで使用されるインクから空気を除去する脱気方法であって、インクと、外部の磁界の変化に応じて回転する磁石回転子とを収容するインクボトルを使用し、インクボトルの外部から磁石回転子へ磁界を加えて磁石回転子を回転させることにより、インクボトル内のインクを攪拌し、磁石回転子の回転によりインクが攪拌されるインクボトル内を減圧する。このようにすれば、例えば、構成1と同様の効果を得ることができる。
本発明によれば、例えば、インクの脱気を、短時間で適切に行うことができる。
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る脱気装置10の一例を示す。図1(a)は、脱気装置10で使用されるインクボトル30の内部の様子の一例を示す。
インクボトル30は、インクジェットプリンタで使用されるインクを収容するインクボトルである。インクジェットプリンタでの使用時において、インクは、例えば、インクジェットプリンタに設置されるインクタンクへ、インクボトル30から移されて使用される。また、インクボトル30には、外部に連通する開口部32が形成されている。また、インクボトル30は、このインクとして、水性インクを収容する。更に、本例において、インクボトル30は、インクの他に、複数の浮子36及び磁石回転子34を更に収容する。
浮子36は、例えば、インクよりも比重の小さな粒状体であり、一部がインクの外に露出する状態で、インクに浮かぶ。これにより、浮子36は、インクボトル30内においてインクがインク外の雰囲気と触れる部分の表面積を大きくする。インク外の雰囲気とは、例えば、インクの水面と開口部32との間の領域の雰囲気である。また、浮子36を用いることにより、インク中の空気の泡が上昇しやすくなると考えられる。
浮子36としては、例えばビーズ等を好適に用いることができる。浮子36の外径は、約4mm(φ4)程度、例えば3〜5mm(φ3〜5)とすることが好ましい。浮子36の個数は、例えば、インクボトル30内のインクの水面を覆う数とすることが好ましい。このように構成すれば、例えば、一旦脱気した空気が再度インクに吸収されることを適切に防ぐことができる。浮子36の個数は、例えば200〜1000個であってよい。
磁石回転子34は、外部の磁界の変化に応じて回転する回転子である。磁石回転子34は、磁界に応じて回転することにより、インクボトル30内のインクを攪拌する。また、本例において、磁石回転子34は、インクボトル30の外部から加わる磁界に応じて、複数の浮子36が浮かぶインク内で回転する。磁石回転子34としては、例えば、スターラの磁石回転子を好適に用いることができる。
図1(b)は、脱気装置10の構成の一例を示す。脱気装置10は、インクジェットプリンタで使用されるインクから空気を除去する装置であり、台座部12、圧力調整弁14、ポンプ16、磁界発生部18、及び制御部20を備える。台座部12は、インクボトル30を上面に保持する台である。台座部12は、例えばスターラの台座部分であってよい。
圧力調整弁14は、インクボトル30の内部の圧力調整用の弁であり、インクボトル30の開口部32とポンプ16との間に設けられる。ポンプ16は、圧力調整弁14を介してインクボトル30の開口部32と繋がっており、制御部20の指示に応じて、圧力調整弁14及び開口部32を介して、インクボトル30内を減圧する。
磁界発生部18は、台座部12の内部においてインクボトル30の下面と対向する位置に設けられており、インクボトル30内の磁石回転子34へインクボトル30の外部から磁界を加える。磁界発生部18としては、スターラにおいて磁界を発生する磁界発生装置を好適に用いることができる。また、磁界発生部18は、磁界を変化させることにより、複数の浮子36が浮かぶインク内で、磁石回転子34を回転させる。これにより、磁石回転子34は、インクボトル30内のインクを攪拌する。
制御部20は、脱気装置10の動作を制御する制御装置であり、ポンプ16、及び磁界発生部18の動作タイミングを制御する。これにより、制御部20は、インクの攪拌及びインクボトル30内の減圧のタイミングを制御する。また、制御部20は、例えば、ポンプ16の動作に合わせて、圧力調整弁14の開閉を更に制御する。
このように構成すれば、例えば、磁石回転子34によりインクを攪拌することにより、インク内の空気(例えば、酸素等)を適切に脱気できる。また、複数の浮子36を浮かべることにより、脱気を効率的に行うことができる。更には、インクから脱気された気体を、ポンプ16により、インクボトル30から排出できる。
そのため、本例によれば、例えば、インクの脱気を、短時間で適切に行うことができる。また、これにより、インク内の空気の溶存量を適切に低減できる。更には、空気の溶存量を低減することにより、インクジェットヘッドからのインク滴の吐出を適切に安定化できる。また、これにより、高い品質で適切な印刷を行うことが可能になる。
更には、本例における脱気装置10の構成は、低コストで適切に実現できる。そのため、本例によれば、例えば、インクの脱気を行う脱気装置を安価で適切に提供できる。
図2は、脱気装置10による脱気の効果の一例を示すグラフである。グラフにおいて、横軸は、ポンプ16により減圧を続ける時間を示す。縦軸は、インクに含まれる空気の一例である酸素の溶存量(溶存酸素量)を示す。また、破線102は、磁石回転子34を回転させずに減圧のみを行った場合の溶存酸素量の変化を示す。実線104は、図1を用いて説明した脱気装置10により磁石回転子34を回転させつつ減圧を行った場合の溶存酸素量の変化を示す。
インクの脱気を行うためには、例えば単にポンプ等を用いて、真空中でインクを脱気すればよいようにも考えられる。しかし、このような方法では、脱気の作業に要する時間が長くなり、効率的にインクの脱気を行うことが困難になるおそれがある。特にインクとして水性インクを用いる場合、破線102に示すように、溶存酸素量の減り方は遅く、脱気の作業に要する時間が特に長くなる。そのため、このような方法では、適切にインクの脱気を行うことは困難である。
これに対し、本例によれば、実線104で示すように、例えばインクとして水性インクを用いる場合等にも、短時間でインクの脱気を行うことができる。そのため、本例によれば、インクの脱気を適切かつ効率的に行うことができる。
ここで、本例の脱気装置10によりインクの脱気を行う場合、必ずしもポンプ16を動かし続ける必要はなく、例えば、一定の圧力まで減圧した後、圧力調整弁14を閉じて、ポンプ16を停止させてもよい。この場合、制御部20は、例えば、ポンプ16及び磁界発生部18に、減圧動作及び減圧後攪拌動作を行わせる。
減圧動作において、制御部20は、例えば、磁界発生部18に磁石回転子34を回転させつつ、ポンプ16にインクボトル30内を減圧させる。また、減圧後攪拌動作において、制御部20は、例えば、減圧動作によりインクボトル30内が減圧された状態でポンプ16を停止させ、かつ、磁界発生部18に、引き続き、磁石回転子34を回転させる。これにより、磁界発生部18は、ポンプ16の停止後も、例えば、一定時間、磁石回転子34を回転させる。
このようにした場合も、インクの脱気を適切かつ効率的に行うことができる。更には、減圧後にポンプ16を停止することにより、例えば、ポンプ16の消費電力を適切に低減できる。また、例えば、インクボトル30内を過剰に減圧することを防ぐことができる。
以下、参考例及び実施例により、本発明を更に詳しく説明する。尚、以下の各参考例及び実施例において、脱気装置10の台座部12、磁界発生部18、磁石回転子34としては、公知のスターラの各部を用いた。ポンプ16としては、公知の高減圧ポンプであるサクションポンプを用いた。また、インクボトル30としては、容積1リットル(実容積:1150ml)のボトルを用いた。インクとしては、ミマキエンジニアリング社製の水性インクである昇華転写インク(型番Sb51)を用いた。
先ず、ポンプ16による脱気の効果を確認するため、参考例1に係る条件により、脱気装置10を用いて、インクの脱気を行った。表1は、参考例1に係る条件及び測定結果を示す。参考例1に係る条件としては、インクボトル30に収容するインクの量、又は磁石回転子34による攪拌時間を異ならせた複数の条件A〜Fを設定した。インクの量は、条件A〜Dにおいて800ml、条件E、Fにおいて600mlとした。また、攪拌時間は、条件Aで60分、条件Bで30分、条件Cで20分、条件Dで15分、条件Eで30分、条件Fで20分とした。また、参考例1においては、浮子36を用いない状態での脱気の効果を確認するため、浮子36を使用しなかった。
Figure 2010162821

ここで、上記の攪拌時間は、ポンプ16による減圧を行った後に行う攪拌の時間である。参考例1において、インクボトル30の減圧は、ポンプ16により、−95〜一96kPaの圧力で、1〜2分間程度行った。より具体的には、例えば、ポンプ16を起動し、減圧の圧力の最大値(Max)が−96kPaであることを確認した上で、2分間の減圧を行った。そして、その状態でポンプ16を停止し、減圧状態を保ったまま、各条件の攪拌時間の間、磁石回転子34による攪拌を行った。
また、各条件による脱気の前後において、インク中の空気の量として、溶存酸素量を測定した。この測定では、各条件について、脱気前の溶存酸素量が同じ3つの試料に対し、脱気後の溶存酸素量を測定した。表に示す値は、これらの3つの試料での測定結果の平均である。溶存酸素量の測定は、各種公知の方法で行うことができる。
測定の結果、全ての条件において、減圧により溶存酸素量を低減できることが確認できた。また、800mlのインクに対して攪拌時間を30分以上とした条件A、B、及び600mlのインクに対して攪拌時間を20分以上とした条件E、Fにおいては、溶存酸素量を、インクの吐出安定の目安となる2mg/l以下にすることが可能であることが確認できた。
尚、上記の一部の条件に関しては、脱気を行う前の溶存酸素量の違いの影響を確認するため、脱気前の溶存酸素量のみが異なる複数の条件のインクを用い、更なる測定を行った。その結果、通常の使用時に生じるばらつきの範囲内であれば、脱気前の溶存酸素量が異なっていても、脱気後の溶存酸素量への直接の影響は小さく、適切に脱気を行えることが確認できた。例えば、脱気前の溶存酸素量が2.0〜4.5m(g/l)である場合について、上記の方法により、適切に脱気を行えることが確認できた。
また、参考例1に関連して、より簡易な方法として、インクボトル30の代わりに簡易脱気槽を用い、ポンプ16として、サクションポンプよりも減圧の圧力が弱い手動ポンプ(−60kPa)を用いる条件での同様の測定も行った。しかし、この方法では、吐出安定の目安となる溶存酸素量である2mg/l以下を実現することはできなかった。この結果から、例えば、少なくとも、インクボトル30のような気密性の高い容器にインクを収容し、かつ、より強い圧力、例えば−80〜−120kPa、好ましくは−90〜−100kPaで減圧を行うことが好ましいと言える。
(実施例1)
続いて、脱気に要する時間をより短縮可能な方法を確認するため、実施例1に係る条件により、脱気装置10を用いて、インクの脱気を行った。表2は、実施例1に係る条件及び測定結果を示す。尚、以下に説明する点を除き、実施例1に係る測定の条件は、参考例1と同一又は同様である。
Figure 2010162821
実施例1においては、インクボトル30に収容するインクの量は、800mlとした。また、浮子36として、外径が約4mm(φ4)のビーズを約900個、更にインクボトル30に収容した。更に、実施例1においては、ポンプ16による減圧を行う減圧動作時に、ポンプ16による減圧の開始と同時に磁石回転子34の回転を開始させ、インクの攪拌を行った。この減圧動作の時間は、5分間とした。
また、5分間の減圧動作の後、ポンプ16と共に磁石回転子34の回転も停止させ、減圧状態を保ったまま、予め設定した放置時間の間、放置した。放置時間については、条件A(5分)、条件B(80分)、条件C(240分)の3種類の条件を設定した。
その結果、放置時間が最も短い条件Aにおいても、参考例1の各条件と同程度以上に溶存酸素量を低減できた。また、溶存酸素量の低減量について、放置時間の違いによる差は見られなかった。これらの点から、例えば、インク中に浮子36を入れることが、溶存酸素の低減に極めて有効であることが確認できた。これは、例えば、浮子36を入れた状態で攪拌と減圧を行うことにより、インク中の空気が浮かび上がるためであると考えられる。また、これにより、例えば、浮子36を用いることにより、短時間で適切に脱気を行えることが確認できた。
(実施例2)
続いて、より低い溶存酸素量を実現可能な方法を確認するため、実施例2に係る条件により、脱気装置10を用いて、インクの脱気を行った。表3は、実施例2に係る条件及び測定結果を示す。尚、以下に説明する点を除き、実施例2に係る測定の条件は、実施例1と同一又は同様である。
Figure 2010162821
実施例2においては、実施例1と同様に5分間の減圧動作を行った後、放置に代えて、減圧後攪拌動作を行った。減圧後攪拌動作は、減圧動作の後に、減圧状態を保ったまま、磁石回転子34を引き続き回転させる動作である。減圧後攪拌動作の時間については、条件A(5分)、条件B(10分)、条件C(15分)、条件D(25分)の4種類の条件を設定した。
その結果、放置時間が最も短い条件Aにおいても、参考例1及び実施例1の各条件よりも溶存酸素量を低減できた。例えば、浮子36を用いない参考例1や、5分間の減圧動作(−95〜−96kPa)の後に放置を行ったのみの実施例1では、溶存酸素量が1〜2.5mg/l以下には下がらないのに対し、実施例2の各条件では、溶存酸素量を、0.7〜0.4mg/l程度まで低減できた。これは、浮子36を入れたこと、磁石回転子34による攪拌をしながらの減圧(−95〜−96kPa)を5分間行ったこと、及びポンプ16の停止後に更に減圧後攪拌動作を行ったことの相乗効果であると考えられる。
また、例えば、減圧後攪拌動作を10分以上とした条件B〜Dでは、脱気後の溶存酸素量が、0.5mg/l未満の値になっている。そのため、減圧後攪拌動作については、例えば10分以上行うことにより、より高い効果が得られることが分かる。減圧後攪拌動作の時間は、10分以上、例えば10〜15分とすることが好ましい。
(参考例2、3)
浮子36を用いる効果を更に確認するため、参考例2、3に係る条件により、インクの脱気を行った。表4は、参考例2、3に係る条件及び測定結果を示す。尚、以下に説明する点を除き、参考例2に係る測定の条件は、実施例2と同一又は同様である。また、参考例3に係る測定の条件は、実施例1と同一又は同様である。
Figure 2010162821
参考例2、3の条件では、浮子36を用いない条件とした。また、参考例2における減圧後攪拌動作の時間は、10分間とした。参考例3における放置時間は、5分間とした。その結果、参考例2、3のいずれにおいても、溶存酸素量の低減量は、対応する実施例2、実施例1と比べて少なくなった。これらの結果からも、浮子36を用いることの効果が確認できる。
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
本発明は、例えば脱気装置に好適に利用できる。
本発明の一実施形態に係る脱気装置10の一例を示す図である。図1(a)は、脱気装置10で使用されるインクボトル30の内部の様子の一例を示す。図1(b)は、脱気装置10の構成の一例を示す。 脱気装置10による脱気の効果の一例を示すグラフである。
10・・・脱気装置、12・・・台座部、14・・・圧力調整弁、16・・・ポンプ、18・・・磁界発生部、20・・・制御部、30・・・インクボトル、32・・・開口部、34・・・磁石回転子、36・・・浮子、102・・・破線、104・・・実線

Claims (6)

  1. インクジェットプリンタで使用されるインクから空気を除去する脱気装置であって、
    前記インクを収容するインクボトル内を減圧するポンプと、
    磁界を発生させる磁界発生部と
    を備え、
    前記インクボトルは、外部の磁界の変化に応じて回転する磁石回転子を前記インク中に収容し、
    前記磁界発生部は、前記インクボトルの外部から前記磁石回転子へ磁界を加えて前記磁石回転子を回転させることにより、前記インクボトル内の前記インクを攪拌し、
    前記ポンプは、前記磁石回転子の回転によりインクが攪拌される前記インクボトル内を減圧することを特徴とする脱気装置。
  2. 前記ポンプ及び前記磁界発生部の動作を制御する制御部を更に備え、
    前記制御部は、
    前記磁界発生部に前記磁石回転子を回転させつつ、前記ポンプに前記インクボトル内を減圧させる減圧動作と、
    前記減圧動作により前記インクボトル内が減圧された状態で前記ポンプを停止させ、かつ、前記磁界発生部に前記磁石回転子を回転させる減圧後攪拌動作と
    を前記磁石回転子及び前記ポンプに行わせることを特徴とする請求項1に記載の脱気装置。
  3. 前記インクボトルは、前記インクに浮かぶ複数の浮子を更に収容しており、
    前記磁界発生部は、前記複数の浮子が浮かぶ前記インク内で、前記磁石回転子を回転させることを特徴とする請求項1又は2に記載の脱気装置。
  4. インクジェットプリンタで使用されるインクを収容するインクボトルであって、
    外部に連通する開口部が形成されており、
    外部の磁界の変化に応じて回転する磁石回転子を前記インク中に収容することを特徴とするインクボトル。
  5. 前記インクボトルは、前記インクに浮かぶ複数の浮子を更に収容しており、
    前記磁石回転子は、前記インクボトルの外部から加わる磁界に応じて、前記複数の浮子が浮かぶ前記インク内で回転することを特徴とする請求項4に記載のインクボトル。
  6. インクジェットプリンタで使用されるインクから空気を除去する脱気方法であって、
    前記インクと、外部の磁界の変化に応じて回転する磁石回転子とを収容するインクボトルを使用し、
    前記インクボトルの外部から前記磁石回転子へ磁界を加えて前記磁石回転子を回転させることにより、前記インクボトル内の前記インクを攪拌し、
    前記磁石回転子の回転によりインクが攪拌される前記インクボトル内を減圧することを特徴とする脱気方法。
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