JP2005169928A - インクジェットヘッド送液装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 液状材料が脱気ユニット内に流入する際における気泡の発生を可及的低減して溶存気体量の増加を抑制すると共に、低圧であっても液状材料を円滑に送給しつつ脱気を行なうことを可能とした上で、洗浄作業の確実化並びに容易化を図り、更には脱気ユニットのレイアウトの自由度を増大させる。
【解決手段】 インクタンク1からインクジェットヘッド2に液状材料を送給する送液経路3の途中に、気体透過性を有し且つ内部流路が単一とされた合成樹脂製の脱気チューブ6,7を設け、この脱気チューブ6,7の送液方向の一部分を、脱気ユニット4,5の包囲体11,12により覆わせる。一本の脱気チューブ6(7)については、一個または直列に複数個の脱気ユニット4,5を配備し、または一種類の液状材料を一台のインクジェットヘッド2に送給する経路3の少なくとも下流側部位を一本の脱気チューブ6で構成する。これらの脱気チューブ6,7は、内径が1.0〜4.0mmで且つ外径が1.2〜5.0mmである。
【選択図】図1
【解決手段】 インクタンク1からインクジェットヘッド2に液状材料を送給する送液経路3の途中に、気体透過性を有し且つ内部流路が単一とされた合成樹脂製の脱気チューブ6,7を設け、この脱気チューブ6,7の送液方向の一部分を、脱気ユニット4,5の包囲体11,12により覆わせる。一本の脱気チューブ6(7)については、一個または直列に複数個の脱気ユニット4,5を配備し、または一種類の液状材料を一台のインクジェットヘッド2に送給する経路3の少なくとも下流側部位を一本の脱気チューブ6で構成する。これらの脱気チューブ6,7は、内径が1.0〜4.0mmで且つ外径が1.2〜5.0mmである。
【選択図】図1
Description
本発明は、インクジェットヘッド送液装置に係り、より詳しくは、インクタンクからインクジェットヘッドに液状材料を送給すると共に、その送給途中で液状材料の脱気を行なうように構成したインクジェットヘッド送液装置に関する。
近年においては、紙等のプリント媒体にインクによる印刷を行なう場合、液晶表示器等の基板(透明基板)上に配向膜の形成やUVインクの塗布を行なう場合、或いは有機EL表示器の基板上にカラーフィルタを塗布する場合には、インクジェットヘッドを用いた所謂インクジェット法が広く採用されるに至っている。
この種のインクジェットヘッドには、インクタンクから該インクジェットヘッド(詳しくは、インクジェットヘッド内の液溜り部)に液状材料を送給する送液経路が設けられる。この場合、送液経路を通過してインクジェットヘッドに送給される液状材料中の溶存気体の量が許容値(例えば4ml/1000ml)以上であると、インクジェットヘッド内の液溜り部に気泡が生成されることから、液溜り部から吐出ノズルを介して液状材料が噴出する際には、その気泡がクッションとなって適切な液状材料の噴出が阻害される。
そこで、インクジェットヘッドの送液経路の途中には、液状材料の溶存気体の量を許容値未満とするための脱気ユニットが配備される。この場合、従来における脱気ユニットには、ポリテトラフルオロエチレン等の気体透過膜からなる多数本の中空糸を束状に集合させてなる中空糸膜が使用される(例えば、下記の特許文献1〜3参照)。
具体的には、この脱気ユニットは、液状材料をインクタンクからインクジェットヘッドに送給するための送液管の途中に、上述の中空糸膜を配設すると共に、この中空糸膜の外周側を包囲体としての容器で覆い、この容器の内部を減圧して真空状態とすることにより、中空糸膜を通過する液状材料から溶存気体或いは気泡を除去してその脱気を行なうように構成したものである。
この場合、中空糸膜は、各単位中空糸の内径が20〜30μm程度とされているのが通例であり(特許文献2では内径が50〜500μm)、この中空糸膜の全体の径は、その上流側及び下流側にそれぞれ接続される送液管の径よりも遥かに大きくなっている。そして、脱気ユニットの容器は、中空糸膜の外周面のみならずその上流側端面及び下流側端面をも覆っており、したがって中空糸膜はその全周囲(全長)が完全に容器により覆われている。
特開平5−17712号公報
特開平10−298470号公報
特開平11−209670号公報
従来のように、インクジェットヘッドに送給される液状材料の脱気を行なうために中空糸膜を使用していたのでは、上述のように中空糸膜の径が送液管の径よりも遥かに大きく且つ各単位中空糸の径が送液管の径よりも遥かに小さいことから、中空糸膜を有する脱気ユニットに送液管から液状材料が流入する際には、液状材料の流れがよどむ部位に攪拌流或いは乱流等が生じ、これが原因となって気泡が生成される。そして、この気泡は、その生成部位に残存するため、液状材料の溶存気体量を増加させる要因となり、インクジェットヘッドからの液状材料の噴出阻害にもつながりかねないという難点がある。
また、この中空糸膜を使用する手法では、各単位中空糸の流通抵抗ひいては中空糸膜全体の流通抵抗が大きいことから、高圧で液状材料を送給する必要性が生じる。このため、送液経路を高強度に製作せねばならず、製作コストの高騰を招くばかりでなく、送液経路に破損が生じ易くなると共に、圧力損失が高くなり、大きな無駄が生じる。したがって、この手法は、粘度の低い液状材料(例えば粘度が5cp未満の液状材料)については適用可能であるものの、粘度の高い液状材料(例えば粘度が5cp以上或いは6cp以上の液状材料)については送液阻害等の致命的な問題を招くおそれがある。
更に、この中空糸膜が送液経路に配備されていると、中空糸膜の存在によって送液経路の洗浄が困難となり、そのため送液経路の洗浄後においても、中空糸膜の各単位中空糸の内部通路等に液状材料や異物或いはこれらの固化物が付着した状態となり、その後の液状材料の送給に支障を来たす。したがって、これによっても、インクジェットヘッドからの液状材料の噴出阻害を招くおそれがある。
しかも、送液経路に脱気ユニットを取り付ける際には、中空糸膜の全周囲(全長)を包囲体で覆う必要があるため、脱気ユニットは、中空糸膜が存在している箇所に配設せざるを得なくなり、脱気ユニットの配設箇所が一義的に決まってしまい、レイアウトの自由度が制限されるという不具合をも招く。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、液状材料が脱気ユニット内に流入する際における気泡の発生を可及的に低減して溶存気体量の増加を抑制すると共に、低圧であっても液状材料を円滑に送給しつつ脱気を行なうことを可能とした上で、洗浄作業の確実化並びに容易化を図り、更には脱気ユニットのレイアウトの自由度を増大させることを技術的課題とする。
上記技術的課題を解決するためになされた本発明は、インクタンクからインクジェットヘッドに液状材料を送給する送液経路を有すると共に、該送液経路の途中に、その外表面側を覆う包囲体を有し且つ該包囲体の内部を減圧して液状材料の脱気を行なう脱気ユニットを配備したインクジェットヘッド送液装置において、前記送液経路は、気体透過性を有し且つ内部流路が単一とされた合成樹脂製の脱気チューブを有し、該脱気チューブの送液方向の一部分が、前記脱気ユニットの包囲体により覆われていることを特徴とするものである。
このような構成によれば、気体透過性を有する合成樹脂製の脱気チューブは、その送液方向の一部分のみが脱気ユニットの包囲体により覆われており、その脱気チューブの全周囲(全長)が包囲体により覆われているわけではない。加えて、その脱気チューブの内部流路は単一であることから、液状材料が脱気チューブを通じて脱気ユニットに流入する際には、液状材料は単に脱気チューブの内部流路に沿って流れていくに過ぎないことになる。したがって、液状材料が脱気ユニットに流入する際に、液状材料の流れによどみが生じて攪拌流や乱流等が発生することはないため、脱気チューブ内の液状材料中に気泡が生成されて溶存気体量が増加するという事態も生じなくなる。この結果、気泡が原因となってインクジェットヘッドの吐出ノズルから液状材料が円滑に噴出されなくなるという不具合が可及的に抑制されることになる。
また、上記の脱気チューブの内径は、従来の中空糸膜の各単位中空糸ほどまでに小径とする必要がないことから、その流通抵抗を小さくすることができ、低圧であっても液状材料を円滑に送給することが可能となる。これにより、送液経路をさほど高強度としなくても充分に使用に耐え得ることになり、製作コストを削減できることに加えて、送液経路に破損が生じ難くなり、更には圧力損失が低くなることから、可及的に無駄が生じなくなる。この結果、粘度の高い液状材料であっても、円滑な送給を維持しつつ脱気を行なうことが可能となる。
更に、脱気チューブの流路内面と液状材料との接触面積は、従来の中空糸膜の流路内面と液状材料とのトータル接触面積に比して大幅に小さくなると共に、脱気チューブの内部流路は滑らかに連続していることから、脱気チューブの内面が汚れ難いばかりでなく、洗浄時においては洗浄液の流通が円滑になる。したがって、脱気ユニット内の洗浄を容易且つ確実に行なえるようになり、内部流路等に液状材料や異物或いはこれらの固化物が付着して液状材料の送給に支障を来たすという不具合が生じ難くなる。
しかも、送液経路に脱気ユニットを取り付ける際には、脱気チューブの全長を包囲体で覆う必要はなく、脱気チューブの任意の一部分を包囲体で覆えばよいことになるため、脱気ユニットの配設箇所が一義的に決まってしまうという不具合が回避され、脱気ユニットを設置する際におけるレイアウトの自由度が増大する。
上記の構成において、一本の脱気チューブについて一個または直列に複数個の脱気ユニットを配備することが好ましい。
すなわち、二本または三本の脱気チューブを束にしてこれらの送液方向の一部分に一個または直列に複数個の脱気ユニットを配備することも可能であるが、一本の脱気チューブについて当該脱気ユニットを配備すれば、脱気ユニットの小型化ひいては送液経路のコンパクト化や製作コストの低廉化が図られるばかりでなく、脱気チューブの合流部や分岐部を形成する必要がなくなるため、液状材料の攪拌流或いは乱流が生じ難くなり、溶存気体の不当な増加を抑制することが可能となる。このような作用効果は、従来のように中空糸膜を使用した場合と比較すれば、より一層顕著に現れる。
以上の構成において、一種類の液状材料を一台のインクジェットヘッドに送給する経路の少なくとも下流側部位を一本の脱気チューブで構成することが好ましい。
このようにすれば、脱気チューブの本数を必要最小限とすることができ、送液経路の簡素化及び製作コストの低廉化が図られるばかりでなく、下流側部位で脱気チューブに脱気ユニットを配備すれば、脱気をした後に脱気チューブの周壁を通じて外部から液状材料に溶存気体が混入されてインクジェットヘッド(その内部の液溜り部)に持ち運ばれる度合が少なくなり、液状材料の噴射時における気泡による悪影響を可及的に回避することが可能となる。この場合、インクジェットヘッドと脱気ユニットとを一体化することが好ましい。
以上の構成において、脱気チューブは、内径が1.0〜4.0mmの範囲内であり、外径が1.2〜5.0mmの範囲内であることが好ましい。なお、内径及び外径は上記の範囲内にあって、且つ外径は内径よりも当然の事ながら大きくされている。そして、脱気チューブの肉厚は、0.1〜0.5mm、具体的には0.2mm程度であることが好ましい。
すなわち、脱気チューブの内径が1.0mm未満であると、その流路の通路抵抗が増大して、大きな圧力損失を招くと共に、低圧で液状材料を送給できなくなり、また脱気チューブの内径が4.0mmを超えると、インクジェットヘッドに対する液状材料の送給量或いは送給圧を、時間遅れを生じることなく微調整することが困難となる。したがって、脱気チューブの内径が上記の数値範囲内にあれば、これらの不具合は生じ難くなる。一方、脱気チューブの外径が1.2mm未満であると、脱気チューブの内径も必然的に小さくなるため、上述の通路抵抗増大の問題等が生じると共に、脱気チューブを曲げたときに折れて液状材料の流れが阻害されるという難点があり、また脱気チューブの外径が5.0mmを超えると、送液経路が大型になると共に、脱気チューブの配設スペースやレイアウト上の問題が生じる。したがって、脱気チューブの外径が上記の数値範囲内にあれば、これらの不具合は生じない。
以上の構成において、脱気ユニットの包囲体により覆われている部分の脱気チューブ長さが、包囲体の送液方向長さの1.5倍以上となるように、脱気チューブを撓ませて包囲体の内部に収納することが好ましい。
このようにすれば、包囲体の内部に収納されて減圧による脱気作用を受ける脱気チューブ長さが、仮に脱気チューブを包囲体の内部に一直線上に延びるように収納した場合と比較して、1.5倍以上となることから、脱気ユニットを送液方向に長尺にしなくても充分且つ確実な脱気を行なうことができ、脱気効率が大幅に向上する。このような点を勘案すれば、当該脱気チューブ長さの当該倍率は、2倍以上、或いは3倍以上であることがより好ましい。また、包囲体の内部に収納されて減圧による脱気作用を受ける脱気チューブ長さは、200〜800mm、或いは300〜700mm、具体的には500mmであることが好ましく、包囲体の送液方向長さは、50〜200mm程度であることが好ましい。
以上の構成において、液状材料は、粘度が5〜18cpであることが好ましい。このような粘度の材料としては、基板(例えば液晶表示装置の透明基板)上に膜(例えば配向膜)を形成する際に使用される膜材料(例えば配向膜材料)を一例として挙げることができる。
この場合、例えば通常の印字用のインクジェット式プリンタに使用される液状材料(インク)の粘度は、2.5cp程度であるため、従来の中空糸膜のように通路抵抗や圧力損失が大きくなるチューブ構造であっても、全く使用不能となるものではないが、粘度が5〜18cpであれば、通路抵抗や圧力損失の増大が従来の中空糸膜では致命的な問題となる。これに対して、既述の構成を備えた本発明に係る脱気チューブ及び脱気ユニットは、通路抵抗や圧力損失が小さいため、このように粘度の高い液状材料であっても、円滑な送給が可能であって殆ど問題にはならない。なお、このように本発明に係る送液装置で円滑に送給し得る高粘度の液状材料、例えば配向膜材料の表面張力は、30〜40dyn/cmである。
加えて、本発明に係る送液装置は、複数のインクジェットヘッドを有する大型のプリンタに適用することにより、特にコンパクト化に寄与することができると共に、メンテナンス作業も容易に行なうことが可能となる。
以上のように本発明に係るインクジェットヘッド送液装置によれば、気体透過性を有する合成樹脂製の脱気チューブの送液方向の一部分のみが、脱気ユニットの包囲体により覆われ、且つその脱気チューブの内部流路は単一であることから、液状材料が脱気ユニットに流入する際に、液状材料の流れによどみが生じて攪拌流や乱流等が発生することがなくなるため、脱気チューブ内の液状材料に気泡が生成されて溶存気体量が増加するという事態が生じなくなり、気泡を原因とする液状材料の噴出阻害が可及的に抑制される。また、脱気チューブの内径を、従来の中空糸膜の各単位中空糸ほどまでに小径とする必要がないことから、その流通抵抗を小さくすることができ、低圧であっても液状材料を円滑に送給することが可能となるため、製作コストの削減、送液経路の破損防止、及び圧力損失の低減に寄与することができると共に、粘度の高い液状材料であっても、円滑に送給をしつつ脱気を行なうことが可能となる。しかも、送液経路の洗浄時においては、滑らかに連続する脱気チューブの内部流路を洗浄するだけで済むため、従来のように中空糸膜を使用した場合と比較して、脱気ユニット内の洗浄を容易且つ確実に行なえるようになり、内部流路等に液状材料や異物或いはこれらの固化物が付着して液状材料の送給に支障を来たすという不具合が生じ難くなる。加えて、送液経路に脱気ユニットを取り付ける際には、脱気チューブの任意の一部分を包囲体で覆えばよいことになるため、脱気ユニットの配設箇所が一義的に決まってしまうという不具合が回避され、脱気ユニットを設置する際のレイアウトの自由度が増大する。更に、複数のインクジェットヘッドを有する大型のプリンタに適用すれば、コンパクト化に寄与することができると共に、メンテナンス作業も容易に行なうことが可能となる。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係るインクジェットヘッド送液装置の全体構成を示す概略図、図2は、その送液装置の構成要素である第1脱気ユニットを示す拡大概略図、図3は、その送液装置の構成要素である第2脱気ユニットを示す拡大概略図、図4は、本発明の他の実施形態に係るインクジェットヘッド送液装置の全体構成を示す概略図である。
図1に示すように、インクジェットヘッド送液装置は、液状材料を貯留するインクタンク1からインクジェットヘッド2(内部の液溜り部)に液状材料を送給する送液経路3を有し、この送液経路3の途中における二箇所に、第1脱気ユニット4と第2脱気ユニット5とが配備されている。送液経路3は、気体透過性を有し且つ内部流路が単一とされた合成樹脂製の二本の脱気チューブ(以下、第1、第2脱気チューブ6、7という)と、気体透過性を有さず且つ内部流路が単一とされた金属製等の三本の送液チューブ(以下、第1〜第3送液チューブ8、9、10という)とを接続して構成されている。この場合、第1、第2脱気チューブ6、7は、SMC株式会社製のチューブ{商品名:テフロンチューブ(型式:TL−0403−20)}を、所定長さ(例えば500mm)に切断したものであって、この実施形態では、内径が3.0mm,外径が4.0mm,肉厚が0.5mmのものが使用されている。
詳述すると、送液経路3は、インクジェットヘッド2に接続された下流端の第1送液チューブ8と、その上流端部に接続され且つ第1脱気ユニット4を構成する要素である第1脱気チューブ6と、その上流端部に接続された中間の第2送液チューブ9と、その上流端部に接続され且つ第2脱気ユニット5を構成する要素である第2脱気チューブ7と、その上流端部とインクタンク1とに接続された上流端の第3送液チューブ10とを有する。
第1脱気ユニット4は、第1脱気チューブ6の外表面側を第1包囲体11が覆うことにより構成され、第2脱気ユニット5は、第2脱気チューブ7の外表面側を第2包囲体12が覆うことにより構成されると共に、第1包囲体11には、第1真空チューブ13が接続され、第2包囲体12には、第2真空チューブ14が接続されている。そして、第1真空チューブ13と第2真空チューブ14とは、集合真空チューブ15に合流して真空タンク16に接続され、真空タンク16には、真空ポンプ17が接続されている。なお、インクジェットヘッド2には、その吐出ノズルからの液状材料の吐出制御及びその他の各種動作の制御をするための電気信号ケーブル18が接続されている。
詳述すると、第1脱気ユニット4は、図2に示すように、箱状(矩形)の容器からなる第1包囲体11が第1脱気チューブ6の外表面側を覆っており、第1脱気チューブ6は、第1包囲体11を送液方向(a−a方向)に貫通してその上流側と下流側とに延出されている。すなわち、第1包囲体11は、第1脱気チューブ6の送液方向の中間における一部分を覆っている。そして、第1脱気チューブ6は、第1包囲体11の内部収容空間21において複数回(例えば5回)に亘って巻回されてコイル状に撓んだ形態とされており、これにより第1脱気チューブ6の内部収容空間21内におけるチューブ長さは、第1包囲体11の送液方向長さの1.5倍から15倍、好ましくは8倍から12倍程度とされており、また内部収容空間21内におけるチューブ長さの上限は、500mmから1000mm,好ましくは800mmとされている。この場合、第1包囲体11の送液方向長さは、50〜200mm程度とされている。
更に、第1包囲体11の内部収容空間21は、外気と遮断されており、真空タンク16からの負圧が第1真空チューブ13を介して導入されることにより内部収容空間21が減圧され、これにより第1脱気チューブ6の内部流路を流れている液状材料の脱気が行なわれる構成とされている。この脱気が行なわれる場合の内部収容空間21の真空度は、−97〜−100KPaとされており、脱気が行なわれることによって液状材料中の溶存気体の量は、例えば2ml/1000ml程度となっている。
また、図3に示すように、第2脱気ユニット5は、管状(円筒形)の容器からなる第2包囲体12が第2脱気チューブ7の外表面側を覆っており、第2脱気チューブ7は、第2包囲体12を送液方向(a−a方向)に貫通してその上流側と下流側とに延出されている。この場合にも、第2包囲体12は、第2脱気チューブ7の送液方向の中間における一部分を覆っているが、この第2脱気チューブ7は、第2包囲体12の内部収容空間22を一直線上に延びている。また、第2包囲体12の内部収容空間22も、外気と遮断されており、真空タンク16からの負圧が第2真空チューブ14を介して導入されることにより内部収容空間22が減圧され、これにより第2脱気チューブ7の内部流路を流れている液状材料の脱気が行なわれる構成とされている。この場合にも、内部収容空間22の真空度は、−97〜−100KPaとされており、脱気が行なわれることによって液状材料中の溶存気体の量は、例えば2ml/1000ml程度となっている。
なお、この実施形態で使用される液状材料は、液晶表示装置のガラスパネルの原板であるガラス基板に形成される配向膜の材料であって、粘度が5〜18cpであり且つ表面張力が30〜40dyn/cmという特性を有している。
以上のような構成によれば、液状材料は、インクタンク1から、第1送液チューブ8、第1脱気チューブ6、第2送液チューブ9、第2脱気チューブ7、及び第3送液チューブ10の内部流路を通過して、インクジェットヘッド2内の液溜り部に送給され、ピエゾ素子の動作によってその吐出ノズルから噴射される。このように液状材料が送液経路3を通過してインクジェットヘッド2に導かれる間においては、その途中の二箇所で、第1脱気ユニット4と第2脱気ユニット5とによって溶存気体の脱気が行なわれるため、インクジェットヘッド2には許容値(4ml/1000ml)以下の溶存気体を含有する液状材料が供給される。
この場合、第1、第2脱気ユニット4、5により脱気が行なわれる部位には、気体透過性を有する第1、第2脱気チューブ6、7が配設され、その他の露出部位には、気体透過性を有しない第1〜第3送液チューブ8、9、10が配設されていることから、これらの各チューブのチューブ壁を通じて空気が液状材料に溶存気体として混入されることによる不都合は生じなくなる。すなわち、各送液チューブ8、9、10のチューブ壁を通じて空気が液状材料に溶存気体として混入されることは有り得ず、また各脱気チューブ6、7の各包囲体11、12からの露出部分のチューブ壁を通じて液状材料に混入される空気は僅かながら存在するものの、各脱気ユニット4、5の動作により溶存気体の量は許容値よりも遥かに少なくなることから、上記の僅かな空気の混入によって溶存気体の量が増加しても、それは微量であることから、上記の許容値を超えることは有り得ない。したがって、液状材料の溶存気体がインクジェットヘッド2からの液状材料の噴出等に悪影響を与えるという事態は生じない。
なお、上記実施形態では、形態の相違する第1、第2脱気ユニット4、5を送液経路3に直列に配設したが、形態が同一の二個の脱気ユニット、または何れか一方の一個の脱気ユニットを送液経路に配設するようにしてもよく、或いは形態が同一または相違する三個以上の脱気ユニットを送液経路3に直列に配設するようにしてもよい。
図4は、本発明の他の実施形態に係るインクジェットヘッド送液装置を例示している。同図に示すように、この送液装置は、複数台のインクジェットヘッド2aを搭載した大型のプリンタ(配向膜形成装置)に装備されるものであり、その送液経路3aは、インクタンク1aに接続される一本の主経路3bと、この主経路3bから分岐して複数台のインクジェットヘッド2aに接続される複数本の分岐経路3cとを有する。
複数本の分岐経路3cにおける送液方向の途中には、それぞれ脱気ユニット4aが配備されているが、これらの脱気ユニット4aの構造や配設状態は、既述の実施形態に係るものと同一である。そして、各分岐経路3cにおける脱気ユニット4aの内部及びその周辺部は、気体透過性を有し且つ内部流路が単一とされた合成樹脂製の脱気チューブ6aで構成されると共に、各分岐経路3cにおける主経路3bからの分岐位置周辺部3d及びインクジェットヘッド2aへの接続位置周辺部3eは、気体透過性を有さず且つ内部流路が単一とされた金属製等の送液チューブで構成され、また主経路3bは、同様の送液チューブで構成されている。したがって、この送液装置によるにしても、既述の実施形態と同様に、液状材料の溶存気体が各インクジェットヘッド2aからの液状材料の噴出等に悪影響を与えるという事態は生じなくなる。
なお、以上の実施形態では、送液経路の下流側部位に配設された脱気ユニットとインクジェットヘッド2とを別体として構成したが、この両者を一体として構成してもよい。また、以上の実施形態では、一本の脱気チューブについて一個の脱気ユニットを配備したが、これとは別に、一本の脱気チューブについて複数個の脱気ユニットを直列に配備するようにしてもよい。
1 インクタンク
2、2a インクジェットヘッド
3、3a 送液経路
4 第1脱気ユニット
4a 脱気ユニット
5 第2脱気ユニット
6 第1脱気チューブ(脱気チューブ)
7 第2脱気チューブ(脱気チューブ)
11 第1包囲体(包囲体)
12 第2包囲体(包囲体)
2、2a インクジェットヘッド
3、3a 送液経路
4 第1脱気ユニット
4a 脱気ユニット
5 第2脱気ユニット
6 第1脱気チューブ(脱気チューブ)
7 第2脱気チューブ(脱気チューブ)
11 第1包囲体(包囲体)
12 第2包囲体(包囲体)
Claims (6)
- インクタンクからインクジェットヘッドに液状材料を送給する送液経路を有すると共に、該送液経路の途中に、その外表面側を覆う包囲体を有し且つ該包囲体の内部を減圧して液状材料の脱気を行なう脱気ユニットを配備したインクジェットヘッド送液装置において、
前記送液経路は、気体透過性を有し且つ内部流路が単一とされた合成樹脂製の脱気チューブを有し、該脱気チューブの送液方向の一部分が、前記脱気ユニットの包囲体により覆われていることを特徴とするインクジェットヘッド送液装置。 - 一本の脱気チューブについて一個または直列に複数個の脱気ユニットを配備したことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド送液装置。
- 一種類の液状材料を一台のインクジェットヘッドに送給する経路の少なくとも下流側部位を一本の脱気チューブで構成したことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットヘッド送液装置。
- 脱気チューブは、内径が1.0〜4.0mmの範囲内であり、外径が1.2〜5.0mmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のインクジェットヘッド送液装置。
- 脱気ユニットの包囲体により覆われている部分の脱気チューブ長さが、包囲体の送液方向長さの1.5倍以上となるように、脱気チューブを撓ませて包囲体の内部に収納したことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のインクジェットヘッド送液装置。
- 液状材料は、粘度が5〜18cpであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のインクジェットヘッド送液装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003415135A JP2005169928A (ja) | 2003-12-12 | 2003-12-12 | インクジェットヘッド送液装置 |
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