JP2011025663A - 液体吐出ヘッド及び液滴吐出装置並びに画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルタの一部が液導入部の隔壁によって遮られて僅かな異物の滞留によってフィルタ面積に対する機能しないフィルタ部の割合が大きくなって、圧力損失が大きくなり、液供給性が低下する。
【解決手段】ノズル4が連通する複数の液室6にそれぞれ通じる複数の液導入部8と、複数の液室6に液体を供給する共通液室18と、液導入部8と共通液室18との間に配置され、複数の液室6のノズル配列方向の全領域にわたって液体をろ過するフィルタ部20を形成する振動板部材3とを備えて、複数の液導入部8の隔壁10の一部に凹部10aが形成されることで、液導入部8は各液室6に対応する個別液導入部8aと、振動板部材3のフィルタ部20側の一部がノズル配列方向の全領域にわたって相互に連通する連通部8bとを有し、振動板部材3のフィルタ部20には共通液室18側に補強リブ21が設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は画像形成装置に関し、特に液滴を吐出する液体吐出ヘッド及び同ヘッドを備える液滴吐出装置並びに画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する液体吐出ヘッド(液滴吐出ヘッド)からなる記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置としてインクジェット記録装置などが知られている。この液体吐出記録方式の画像形成装置は、記録ヘッドからインク滴を、搬送される用紙(紙に限定するものではなく、OHPなどを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味であり、被記録媒体あるいは記録媒体、記録紙、記録用紙などとも称される。)に対して吐出して、画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する。)を行なうものであり、記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型画像形成装置と、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型画像形成装置がある。
なお、本願において、液体吐出記録方式の「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。また、「インク」とは、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用い、例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料、樹脂なども含まれる。また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を3次元的に造形して形成された像も含まれる。
ところで、液体吐出ヘッドは、タンクから共通液室を経由して、共通液室から複数の個別液室(圧力室、個別供給流路)へインクを供給し、各個別液室に供給されたインクに選択的に圧力を付与することによりノズルから液滴を吐出する。このとき、供給させるインクに不純物、汚染物質などの異物が混入していると個別液室が塞たり、ノズルでの詰りから吐出不良を起こすことになる。
そこで、従来、共通液室への供給口部にフィルタを設けるものもある(特許文献1)が、フィルタをノズルや個別液室に近い位置に配置する方がフィルタによる異物除去性が高くなることから、共通液室と個別流路への個別液供給部との間に介在する振動板部材にフィルタ部を形成し、更に個別液室に対する液供給性を確保するために、個別液供給路間の隔壁部の振動板部材と反対側に連通部を形成して、複数の個別液供給路を相互に連通させることが知られている(特許文献2)。
特開2007−076093号公報 特開2008−213196号公報
しかしながら、上述したように、個別液供給路間の隔壁部の振動板部材と反対側に連通部を形成して、複数の個別液供給路を相互に連通させた場合、フィルタ側には個別液供給路間の隔壁が臨むことになり、フィルタの一部が同隔壁によって遮られるためにフィルタ面積が狭くなり、実質的に個別流路毎にフィルタを設けたことと同じになる。そのため、僅かな異物の滞留によってフィルタ面積に対する機能しないフィルタ部の割合が大きくなって、フィルタ部による圧力損失が大きくなり、液供給性が低下するおそれがある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、フィルタ部の面積を確保して液供給性の低下を防止しつつ、フィルタ部の剛性を確保して安定したフィルタ性能を維持できるようにすることを目的とする。
上記の課題を解決するため、液体吐出ヘッドは、
液滴を吐出する複数のノズルと、
前記ノズルが連通する複数の個別液室と、
前記複数の個別液室にそれぞれ通じる複数の液導入部と、
前記複数の個別液室に液体を供給する共通液室と、
前記液導入部と前記共通液室との間に配置され、前記複数の個別液室のノズル配列方向の全領域にわたって液体をろ過するフィルタ部を形成するフィルタ部と、を備え、
前記複数の液導入部の前記フィルタ部に面する少なくとも一部がノズル配列方向に相互に連通し、
前記フィルタ部にはノズル配列方向で2以上の液室に対応する間隔で複数のリブが形成され、前記リブにより前記フィルタ部が複数に分割されている
構成とした。
ここで、前記フィルタ部が前記個別液室の一部の壁面を形成する振動板部材である構成とできる。
また、前記複数の個別液室と、前記複数の液導入部は1つの部材に形成されている構成とできる。
また、前記リブの形成された部位に対応する液導入部の隔壁は互いに連通していない構成とできる。
また、前記共通液室と前記振動板部材を挟んで反対側にダンパ室が配置され、前記共通液室を形成する部材は前記振動板部材と接合する側から離れるに従い開口面積が小さくなる形状の前記共通液室を形成している構成とできる。
また、前記リブは前記フィルタ部の液体流れ方向上流側に形成されたリブと、液体流れ方向下流側に形成されたリブを有する構成とできる。
この場合、前記液体流れ方向下流側に形成されたリブは前記液導入部の隔壁に対応する位置に配置されている構成とできる。
また、前記液体流れ方向上流側に形成されたリブと、前記液体流れ方向下流側に形成されたリブとは、液体の流れ方向に沿って重なるようにほぼ同一直線状に配置されている構成とできる。
また、前記液体流れ方向上流側に形成されたリブが、前記液体流れ方向下流側に形成されたリブ同士のリブ間隔の中間位置に配置されている構成とできる。
また、前記液体流れ方向上流側に形成されたリブと、前記液体流れ方向下流側に形成されたリブとの少なくとも一方が個別液室の4〜16個毎の隔壁に対応した位置に設けられている構成とできる。
また、前記フィルタ部の一側面にヒータが取り付けられている構成とできる。
また、前記液体が紫外線硬化型液体である構成とできる。
本発明に係る液滴吐出装置は、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えたものである。
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えたものである。
本発明に係る液体吐出ヘッドによれば、複数の個別液室にそれぞれ通じる複数の液導入部と共通液室との間に配置され、複数の個別液室のノズル配列方向の全領域にわたって液体をろ過するフィルタ部を形成するフィルタ部を備え、複数の液導入部のフィルタ部に面する少なくとも一部がノズル配列方向に相互に連通し、フィルタ部にはノズル配列方向で2以上の液室に対応する間隔で複数のリブが形成され、リブによりフィルタ部が複数に分割されている構成としたので、フィルタ部が液導入部の隔壁で遮蔽されることがなく、フィルタ部の面積を確保して液供給性の低下を防止することができ、しかもフィルタ部の剛性を確保することができて、安定したフィルタ性能を維持できるようになる。
本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているので、信頼性が向上し、安定した滴吐出を行って高画質画像を形成することができる。
本発明に係る液体吐出ヘッドの第1実施形態の分解斜視説明図である。 同ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図である。 図2のA−A線に沿う断面説明図である。 同ヘッドの流路板を振動板部材側から見た平面説明図である。 同流路板の振動板部材側から見た要部斜視説明図である。 同ヘッドの振動板部材を共通液室側から見た平面説明図である。 同ヘッドのフィルタ部の連通孔の配置の異なる例を説明する拡大説明図である。 同ヘッドのフィルタ部の連通孔の形状の異なる例を説明する拡大説明図である。 リブを設ける間隔(ノズル数)と圧力損失比率の関係の一例の説明に供する説明図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの第2実施形態の図3と同様な断面説明図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの第3実施形態のノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの第4実施形態の分解斜視説明図である。 図12のA−A線に沿う断面説明図である。 図13のB−B線に沿う断面説明図である。 同液体吐出ヘッドの各構成部品をノズル側から見た平面説明図である。 同じく各構成部品を圧電アクチュエータ側から見た平面説明図である。 ノズル実装密度と格子比率の関係を説明する説明図である。 図9の要部拡大図である。 同実施形態のインクの流れを比較例と共に説明する断面説明図である。 同実施形態の熱対流を比較例と共に説明する断面説明図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの第5実施形態の断面説明図である。 同液体吐出ヘッドの振動板部材の平面説明図である。 本発明に係る画像形成装置の一例を示す全体構成図である。 同じく要部平面説明図である。 本発明に係る画像形成装置の他の例を示す機構部全体の概略構成図である。 同装置の記録ヘッドの説明図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。本発明に係る液体吐出ヘッドの第1実施形態について図1ないし図3を参照して説明する。なお、図1は同ヘッドの分解斜視説明図、図2は同ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図、図3は図2のA−A線に沿う断面説明図である。
この液体吐出ヘッドは、流路部材(液室形成部材)としての流路板(リストリクタプレート)1と、この流路板1の上面に接合したノズル板2と、流路板1の下面に接合した振動板部材3とを有し、これらによってインク滴を吐出する複数のノズル4が連通する個別液室である各加圧液室6、各加圧液室6にインクを供給する流体抵抗部7、液導入部8を形成し、後述するフレーム部材17に形成した共通流路である共通液室18から振動板部材3に形成したフィルタ部20、液導入部8、流体抵抗部7を介して各加圧液室6にインクが供給される。
ここで、流路基板1は、例えばSUSをプレス加工して各加圧液室6、流体抵抗部7、液導入部8などの開口をそれぞれ形成している。ノズル板2は、各加圧液室6に対応して例えば直径10〜30μmのノズル4を形成し、流路基板1に接着剤で接合している。このノズル板2は、Ni電鋳で形成しているが、その他のステンレスなどの金属、ポリイミド樹脂フィルムなどの樹脂、シリコン、及びそれらの組み合わせからなるものなどを用いることができる。また、ノズル面(吐出方向の表面:吐出面)には、インクとの撥水性を確保するため、メッキ被膜、あるいは撥水剤コーティングなどの周知の方法で撥水膜を形成している。
振動板部材3は、例えばNi電鋳によって、液室6の一部の壁面を形成する振動板領域3A及び後述するフィルタ部20を構成する第1層3a及び厚肉部となる第2層3bを形成している。
そして、この振動板部材3の振動板領域3Aの面外側(加圧液室6と反対面側)には、振動板領域3aを変形変位させる圧電アクチュエータ11を設けている。圧電アクチュエータ11は、複数の圧電素子柱12aを形成した圧電素子部材12をベース基板13上に接合して構成している。なお、圧電素子部材12はベース基板13に接合固定して溝加工(スリット加工)によって分断することのない溝を形成することで、複数の圧電素子柱12aを形成したものであり、圧電素子部材12としては、厚さ10〜50μm/1層のチタン酸ジルコン酸(PZT)と、厚さ数μm/1層の銀・パラジューム(AgPd)からなる内部電極とを交互に積層した積層型圧電素子を用いている。また、圧電アクチュエータ11の圧電素子柱12aには駆動信号を与えるFPCなどのフレキシブル配線基板16が接続されている。
さらに、振動板部材3の周囲には圧電アクチュエータ11の周囲を囲むフレーム部材17を接着剤で接合している。そして、このフレーム部材17には共通液室18を形成している。この共通液室18には液供給口19aを介して外部からインクが供給され、液排出口19bを介して外部にインクが排出される循環方式としている。また、この共通液室18は、振動板部材3に設けたフィルタ部20を介して液導入部8、流体抵抗部7及び加圧液室6に連通している。
このように構成したインクジェットヘッドにおいては、例えば圧電素子部材12の圧電素子柱12aに印加する電圧を基準電位から下げることによって圧電素子柱12aが収縮し、振動板部材3の振動板領域3Aが変形して加圧液室6の容積が膨張することで、加圧液室6内にインクが流入し、その後圧電素子柱12aに印加する電圧を上げて駆動圧電素子柱12aを積層方向に伸長させ、振動板領域3Aをノズル4方向に変形させて加圧液室6の容積、体積を収縮させることにより、加圧液室6内のインクが加圧され、ノズル4からインク滴が吐出される。
そして、圧電素子柱12aに印加する電圧を基準電位に戻すことによって振動板領域3Aが初期位置に復元し、加圧液室6が膨張して負圧が発生するので、このとき、共通液室18から加圧液室6内にインクが充填される。そこで、ノズル4のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の液滴吐出のための動作に移行する。
なお、このヘッドの駆動方法については上記の例(引き−押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行うこともできる。
次に、この液体吐出ヘッドにおける流路板1の液導入部8及びフィルタ部20の詳細について図4ないし図6をも参照して説明する。なお、図4は流路板の振動板部材側から見た平面説明図、図5は同流路板の振動板部材側から見た要部斜視説明図、図6は振動板部材を共通液室側から見た平面説明図である。
流路板1に設けた各加圧液室6にそれぞれ連通する液導入部8の隔壁10には、振動板部材3側の一部に隣り合う個別の液導入部を相互に連通させる凹部10aが形成されており、液導入部8は、各加圧液室6に対応する個別液導入部8aと凹部10aで連通された連通部8bとにより構成される。凹部10aはハーフエッチングで形成している。これにより、複数の液導入部8はフィルタ部である振動板部材3に面する一部がノズル配列方向にわたって相互に連通した構成となる。
これにより、フィルタ部20が液導入部8の隔壁10で遮蔽されることがなくなり、フィルタ部20の面積を確保して液供給性の低下を防止することができる。
ここで、凹部10aは1つの部材である流路板1をハーフエッチングすることで形成されている。このような形状は液導入部8の形成された第1の流路板と凹部10aの形成された第2の流路板を貼り合わせて形成することもできるが、部品点数が多くなり、張り合わせの工数が増えるなどの課題や貼り合わせ時の位置ずれによる段差が気泡滞留等を引き起こすといった課題がある。1つの部材で形成することによりこれらの課題を解決することができる。
さらに、このような構成の場合、第2の流路板の凹部10aの個別液室側端部(図5の符号22位置)は他の流路板の部分と連結されない自由端となってしまい、折れ、曲がり、位置ズレ等を生じやすいという課題がある。これに対して、1つの部材をハーフエッチングすることで凹部10aを形成することにより、凹部に面する端部を自由端とすることなく、安定した形状を形成することができる。
一方、振動板部材3の第1層3aには共通液室18と液導入部8との間に、複数の液室6のノズル配列方向の全領域にわたって液体をろ過するフィルタ部20を形成している。このフィルタ部20は、図7(a)に示すように複数の連通孔20aを千鳥状に配置し、あるいは、同図(b)に示すように格子状に配置して構成している。また、このフィルタ部20を構成する連通孔20aの内部形状(内側形状)は、図8(a)に示すようなテーパ形状、あるいは、同図(b)に示すような、ホーン形状に形成し、この連通孔10aの穴径は流路板1側の径でノズル4と同等かそれ以下の径となるよう形成されている。
フィルタ部20の連通孔20aをこれらの形状とすることにより、流体抵抗を小さくすることが可能となり、加圧液室6へ安定した液供給が行える。また、連通孔20aの平面形状は、円形に限るものではなく、単位面積当たりの連通孔10aの開口率も流体抵抗に大きく影響する要素であり、効率よく連通孔20aを整列することが可能である多角形とすることもできる。
そして、この振動板部材3のフィルタ部20には、共通液室18側に、所要の間隔(2以上の液室6に対応する間隔)で、第2層3bで形成した補強用のリブ(補強リブ)21を設けている。つまり、液導入部8の隔壁10に凹部(連通部)10aを形成したことにより、振動板部材3のフィルタ部20が滴吐出による圧力変動によって変位するおそれがあるので、フィルタ部20にリブ21を設けて、滴吐出に伴う圧力変動によってフィルタ部20が変形することを抑制している。
ここで、このリブ21を設ける間隔が広いほどフィルタ面積を大きく確保できる一方、フィルタの強度は低下するという関係がある。これについてフィルタの開口面積に起因する圧力損失比率とリブを設ける間隔(ノズル数)の関係を図13に示す。
リブ間隔を広げれば圧力損失比は低下していくが、図9に示すように間隔がノズル数にして16個分を超えると圧力損失比はほとんど変化しなくなり、リブがない(ノズル数192)場合と比較しても1〜2%しか相違しない。このことから、リブ間隔はノズル数、すなわち加圧液室数に対して16個分程度の間隔で設けることが好ましい。具体的には個別液室数8〜32個分で設けることが実用的である。なお、図9における格子比率とは、配置される加圧液室間隔壁の幅/加圧液室の幅で求めた値である。図9から明らかなようにいずれの格子比率の液室構成であっても、リブの間隔は加圧液室数に対して16個分程度で圧力損失の変化がなくなる。
このように、複数の個別液室にそれぞれ通じる複数の液導入部と共通液室との間に配置され、複数の個別液室のノズル配列方向の全領域にわたって液体をろ過するフィルタ部を形成するフィルタ部を備え、複数の液導入部はフィルタ部側の一部がノズル配列方向に相互に連通し、フィルタ部にはリブが設けられている構成とすることで、フィルタ部が液導入部の隔壁で遮蔽されることがなく、フィルタ部の面積を確保して液供給性の低下を防止することができ、しかもフィルタ部の剛性を確保することができて、安定したフィルタ性能を維持できるようになる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドの第2実施形態について図10を参照して説明する。なお、図10は図3と同様な断面説明図である。
ここでは、振動板部材3のリブ21を設けた部分に対応する液導入部8の隔壁10については連通部(凹部)10aを形成しないでそのまま残している構成としている。これにより、振動板部材3の圧力変動による変形をより確実に抑えることができる。また隔壁10をフィルタ部に接合する際に接着剤がはみ出し、フィルタ部の連通孔20aを閉塞することが考えられるが、連通孔20aが形成されていないリブ位置で接合することにより新たな連通孔20aの閉塞を引き起こすことなく接合ができ、フィルタ面積が低減することを抑制できる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドの第3実施形態について図11を参照して説明する。なお、図11は同ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図である。
この実施形態は、振動板部材3の第1層3aで共通液室18に壁面の一部を構成するダンパ30を形成し、このダンパ30を挟んで共通液室18と反対側に流路板1で形成したダンパ室31を設けている。そして、共通液室18を形成するフレーム部材17には、振動板部材3側から第1段差部17aを設け、フィルタ部20及びダンパ30側にそれぞれ設け、更にフィルタ部20側には第2段差部17bを設けている。なお、振動板部材3は、第1層3a、第2層3b、第3層3cの3層構造として、第1層3aで振動板領域3A、フィルタ部20及びダンパ30を構成している。
図11では、共通液室に段差を設けた構成としているが、これに限るものではなく、振動板部材から離れるに従い、開口面積が小さくなる形状であればよい。例えば傾斜面やラウンド面で形成することができる。また、図9のように液導入部とダンパの両方向に向かって開口面積を広げてもよいし、どちらか一方でもよい。
ここで、段差を設けた構成であれば、フレーム部材の加工が容易になるという優れた点があり、傾斜面やラウンド面とすれば、気泡等の滞留を抑制できるという優れた点がある。
このように、フレーム部材17に段差部を設けて共通液室18を形成することにより、フィルタ部20とダンパ30とを並べて配置した場合もフレーム部材17を大きくすることなく、フィルタ部20及びダンパ30に臨む共通液室18の面積を確保することができ、ヘッドの小型化を図れる。また、フレームの肉厚も振動板近傍のみ薄くなり、他の領域は厚みを確保できるため、ヘッドの強度も向上する。
次に、本発明の第4実施形態に係る液体吐出ヘッドについて図12ないし図16を参照して説明する。なお、図12は同液体吐出ヘッドの分解斜視説明図、図13は図12のA−A線に沿う断面説明図、図14は図13のB−B線に沿う断面説明図、図15は同液体吐出ヘッドの各構成部品をノズル側から見た平面説明図、図16は同じく各構成部品を圧電アクチュエータ側から見た平面説明図である。
ここでは、まず、図12に示すように、フレーム部材17の共通液室18の一方の側面にはヒータ40が取り付けられている。このヒータ40は、ノズル1の配列方向に沿って、かつ共通液室18のほぼ全長にわたって延びている。
すなわち、この実施形態の液体吐出ヘッドでは、インクとして紫外線硬化型インク(UVインク)を使用している。このUVインクは、常温では比較的高粘度のものが多いことから、ヒータ40を用いてUVインクを予め加熱して、低粘度化するようにしている。
次に、フィルタ部20の構成について説明すると、振動板部材3を前記第3実施形態と同様に3層構造としているが、この実施形態では中間の第2層でフィルタ部20を形成し、このフィルタ部20の液体流れ方向上流側(共通液室側)に上流側リブ21aを、下流側(液導入部側)に下流側リブ21bを、それぞれ第3層、第1層で形成している。
そして、この実施形態では、液導入部8の隔壁10に前述した凹部10aを形成せずに、液導入部8も各液室毎に独立させた形状とし、フィルタ部20を仕切る各下流側リブ21bは導入部8の隔壁10に対向しており、隔壁10と下流側リブ21bの接触面は接着剤で一体に接着される。すなわち、相互に連通する液導入部をフィルタ部材自体の下流側リブ21bによって形成しているために、隔壁10に凹部10aを形成する必要がなくなり、加工工程を簡略化できる。
これらの上流側リブ21a及び下流側リブ21bは、いずれも、ノズル配列方向と直交する方向に延びており、かつ、ノズル配列方向に沿って等間隔に複数本形成されている。また、上流側リブ21a及び下流側リブ21bは、液体の流れ方向に沿って重なるように同一直線上に配置されている。
ここで、ノズル実装密度と格子比率の関係について改めて図17を参照して説明すると、液室6のノズル配列方向の幅寸法をWa、隔壁10のノズル配列方向の幅寸法をWbとした場合、前記格子比率は、Wb/Waで表せる。なお、図14に示すように、各液室間隔壁10のノズル配列方向の幅寸法はリブ21a、21b(区別しないときは、前記実施形態と同様に「リブ21」という。)のノズル配列方向の幅寸法Wbと同じとしている。
図17の上段は、液室6の幅寸法をWa、隔壁10の幅寸法をWbとしたときの格子部比率をAとする。同図の中段は、液室3の幅寸法をWa/2とし、隔壁10の幅寸法はそのままのWbとしたとき、格子部比率は2Aになる。さらに同図の下段は、液室6の幅寸法をWa/4とし、隔壁10の幅寸法はそのままのWbとしたとき、格子比率は4Aになる。同図に示すようにノズル4は液室6の中央位置に配置されるから、同図の上段は低ノズル密度のノズル配置となり、同図の下段は高ノズル密度のノズル配置となる。
この場合、高密度実装を達成するために、液室6の幅を狭くする必要があるが、取扱性の強度、プレートを積層する場合は接着圧力に耐え得る強度が要求されるため、液室の比率と同等に隔壁10の幅を狭くすることはできない。
また、このような隔壁10をフィルタ部20に直接接合した場合には、隔壁10によるフィルタ部の遮蔽面積が大きくなり、圧力損失が大きくなってしまう。そのため、本発明では、リブ21を設けることにより、フィルタ部20の強度を保ちつつ、圧力損失も抑える構成としている。
前述した図9のノズル1ないし32の部分を拡大したものを図18に示している。ここで、図18について説明すると、同図は前記リブ21の配置間隔とその時のフィルタ部20での圧力損失の関係を表している。縦軸の圧力損失比率は、液室間隔壁10(1チャンネル)毎にリブ21a、21bを配置した場合(すなわち、リブ21a、21bの設置数が隔壁10の設置数と同じ場合)を1として、その比率(そのリブ配置条件での圧力損失/1チャンネル毎に格子部を配置した場合の圧力損失)として表示してある。横軸のリブ位置はリブ21a、21bの配置間隔を示しており、例えばリブ位置(リブの配置間隔)が4ということは、隣り合うリブ21、21間に4つの液室があることを示している。なお、同図中の線Aは前記格子比率が0.3、線Bは前記格子比率が0.6の場合のリブ間隔(ノズル数)と圧力損失比率との関係を示している。
この図から明らかなように、線A,Bともリブ位置(リブの配置間隔:ノズル数)が2の場合は圧力損失比率がまだ高いが、ノズル数(リブ間の液室数)が4→8→16と、リブ間隔があくことにより、圧力損失が小さくなっていることが分かる。なお、同図に示すように、ノズル数が16を超えても圧力損失の低減効果は殆ど変わらず、むしろ全体的にリブの設置数が減り、それに伴ってリブの設置によるフィルタ部の機械的強度の増大ならびにヒータからの熱の均一分布などの効果が十分に得られなくなる。したがって、リブ21a、21bは、4〜16個毎の液室間隔壁に対応した位置に設けることが好ましい。
また、格子比率については、流路板の強度の観点から、格子比率を0.3以上にすることが好ましい。
また、フィルタ部20の両面にリブ21a、21bを所定の間隔をおいて周期的に配置し、フィルタ部20の上下両方が凹部になるように形成することにより、フィルタ部の取扱性の向上が図れる。
このように構成したこの実施形態における作用について図19を参照して説明する。なお、図19(a)は本実施形態のインクの流れを、(b)は下流側リブ21bを設けない比較例のインクの流れを説明する説明図である。
同図(b)に示すように下流側リブ21bを設けない場合、フィルタ部20の下に共通液室18のままの広い面積の空間が形成される。そのためフィルタ部20の通過前後の断面積に急激な変化があり拡乱流118cが発生し、そのために圧力損失が生じる。また、拡乱流118cの発生に伴ってフィルタ部20の近傍においてインク流れに淀みが出て気泡が発生して、インクの吐出特性に悪影響を及ぼす。
これに対し、同図(a)に示すようにフィルタ部20を境にして、その上流側と下流側の同じ位置に上流側リブ21aと下流側リブ21bを設けることにより、フィルタ部20の上流側が複数の上流側インク室108aに、下流側が液導入部8の一部となる複数の下流側インク室108bにそれぞれ分割されている。したがって、フィルタ通過前後の断面積は同じである。前記上流側インク室108aに流れ込んだインク流118aは、フィルタ部20を通過して、インク流118bとしてそのまま下流側インク室108bを通過する。したがって、下流側リブ21bがインクの整流板としても機能し、前述のような拡乱流118cの発生、フィルタ部20の近傍での流れの淀みあるいは気泡の発生といった問題は生じにくい。
次に、ヒータ40を使用した場合の熱対流について図20を参照して説明する。なお、図20(a)は本実施形態の熱対流を、(b)は下流側リブ21bを設けない比較例の熱対流を説明する説明図である。
前述したヒータ40によってインクを加熱し低粘度化してインクを吐出させるヘッドにおいて、高速印字のため単位時間あたりの液滴量の多い吐出の場合、供給口部19付近では十分に加温されずインク温度は低い。一方、フレーム部材17の共通液室18付近ではヒータ40によって加熱されるため共通液室18側のインク温度は高くなる。
そのため、図20(a),(b)に示すように、とも、共通液室20内では比較的大きな熱対流121aを生じ、次の上流側リブ21aで区切られた上流側インク室108aでは比較的小さな熱対流121bを生じる。
一方、下流側インク室108bでは、下流側リブ21bを設けない場合、同図(b)に示すように、大きな下流側インク室108bが形成されているので、供給口部19付近ではインク温度は低く、共通液室18側のインク温度は高いという影響が出て、比較的大きな熱対流121cを生じる。このように大きな空間内で熱対流121cが起こると、インク室108b内で温度分布が生じ、それによって各液室6へ供給されるインク粘度が変わってしまい、ノズル4間の吐出性能にばらつきが生じるという問題がある。
これに対し、下流側リブ21bを設けて複数の下流側インク室108bに分割した本実施形態では、同図(a)に示すように、熱対流121cは比較例の場合に比べて小さくなる。そのためインク粘度の分布を低減し、ノズル4間の吐出性能のばらつきが少なくなる。
次に、本発明の第5実施形態に係る液体吐出ヘッドついて図21及び図22を参照して説明する。なお、図21は同液体吐出ヘッドの断面説明図、図22(a)はノズル側から見た振動板部材の平面説明図、同図(b)圧電アクチュエータ側から見た振動板部材の平面説明図である。
ここでは、上記第4実施形態において、フィルタ部20に設ける上流側リブ21aと下流側リブ21bの設置位置が、投影面上において異なっており、各上流側リブ21aは下流側リブ21bの配置間隔の中間に位置している。なお、この場合、上流側リブ21a同士の配置間隔、下流側リブ21b同士の配置間隔は等間隔である。
なお、上流側リブ21a、下流側リブ21bの配置間隔を、4,6,8,・・・のように複数毎に隔壁10と対応するように設計すれば、上流側リブ21aと隔壁10が上下同一直線上に配置され、上流側リブ21aと下流側リブ21bの設置位置を互いにずらすことによる圧力損失の増大は実質的にない。
このように、上流側リブ21aと下流側リブ21bを互いにノズル配列方向にずらして設けることにより、フィルタ部20におけるリブと接合する厚肉部面積を2倍とすることができ、フィルタ部20の機械的強度を増し、作業上での破断リスクを低減することができる。同様の効果を得ようと単純に2倍の配置ピッチでリブを設けると、フィルタ部の透過面積が減少し、圧力損失が増加してしまう。したがって、リブの配置による圧力損失の増大を抑えつつ、取扱性を向上することができる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドを備える本発明に係る画像形成装置の一例について図23及び図24を参照して説明する。なお、図23は同装置の機構部の全体構成を説明する概略構成図、図24は同機構部の要部平面説明図である。
この画像形成装置はシリアル型画像形成装置であり、左右の側板221A、221Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド231、232でキャリッジ233を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ233には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための本発明に係る液体吐出ヘッドと、同ヘッドに駆動信号を与える電気回路基板と、同ヘッドに供給するインクを収容するタンクを一体化した液体吐出ヘッドユニットからなる記録ヘッド234を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド234は、それぞれ2つのノズル列を有する液体吐出ヘッドユニット234a、234bを1つのベース部材に取り付けて構成したもので、一方のヘッド234aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、他方のヘッド234bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。なお、ここでは2ヘッド構成で4色の液滴を吐出する構成としているが、1ヘッド当たり4ノズル列配置とし、1個のヘッドで4色の各色を吐出させることもできる。
また、記録ヘッド234のタンク235には各色の供給チューブ236を介して、供給ユニット224によって各色のインクカートリッジ210から各色のインクが補充供給される。
一方、給紙トレイ202の用紙積載部(圧板)241上に積載した用紙242を給紙するための給紙部として、用紙積載部241から用紙242を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)243及び給紙コロ243に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド244を備え、この分離パッド244は給紙コロ243側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙242を記録ヘッド234の下方側に送り込むために、用紙242を案内するガイド部材245と、カウンタローラ246と、搬送ガイド部材247と、先端加圧コロ249を有する押さえ部材248とを備えるとともに、給送された用紙242を静電吸着して記録ヘッド234に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト251を備えている。
この搬送ベルト251は、無端状ベルトであり、搬送ローラ252とテンションローラ253との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト251の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ256を備えている。この帯電ローラ256は、搬送ベルト251の表層に接触し、搬送ベルト251の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト251は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ252が回転駆動されることによってベルト搬送方向に周回移動する。
さらに、記録ヘッド234で記録された用紙242を排紙するための排紙部として、搬送ベルト251から用紙242を分離するための分離爪261と、排紙ローラ262及び排紙コロ263とを備え、排紙ローラ262の下方に排紙トレイ203を備えている。
また、装置本体の背面部には両面ユニット271が着脱自在に装着されている。この両面ユニット271は搬送ベルト251の逆方向回転で戻される用紙242を取り込んで反転させて再度カウンタローラ246と搬送ベルト251との間に給紙する。また、この両面ユニット271の上面は手差しトレイ272としている。
さらに、キャリッジ233の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド234のノズルの状態を維持し、回復するための回復手段を含む本発明に係るヘッドの維持回復装置である維持回復機構281を配置している。この維持回復機構281には、記録ヘッド234の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)282a、282b(区別しないときは「キャップ282」という。)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード283と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け284などを備えている。
また、キャリッジ233の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け288を配置し、この空吐出受け288には記録ヘッド234のノズル列方向に沿った開口部289などを備えている。
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ202から用紙242が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙242はガイド245で案内され、搬送ベルト251とカウンタローラ246との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド237で案内されて先端加圧コロ249で搬送ベルト251に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ256に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト251が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト251上に用紙242が給送されると、用紙242が搬送ベルト251に吸着され、搬送ベルト251の周回移動によって用紙242が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ233を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド234を駆動することにより、停止している用紙242にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙242を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙242の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙242を排紙トレイ203に排紙する。
このように、この画像形成装置では、本発明に係る液体吐出ヘッドを記録ヘッドとして備えるので、信頼性が向上する。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドを備える本発明に係る画像形成装置の他の例について図25を参照して説明する。なお、図25は同装置の機構部全体の概略構成図である。
この画像形成装置は、ライン型画像形成装置であり、装置本体401の内部に画像形成部402等を有し、装置本体401の下方側に多数枚の記録媒体(用紙)403を積載可能な給紙トレイ404を備え、この給紙トレイ404から給紙される用紙403を取り込み、搬送機構405によって用紙403を搬送しながら画像形成部402によって所要の画像を記録した後、装置本体401の側方に装着された排紙トレイ406に用紙403を排紙する。
また、装置本体401に対して着脱可能な両面ユニット407を備え、両面印刷を行うときには、一面(表面)印刷終了後、搬送機構405によって用紙403を逆方向に搬送しながら両面ユニット407内に取り込み、反転させて他面(裏面)を印刷可能面として再度搬送機構405に送り込み、他面(裏面)印刷終了後排紙トレイ406に用紙403を排紙する。
ここで、画像形成部402は、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C),ブラック(K)の各色の液滴を吐出する、ライン型の4個の本発明に係る液体吐出ヘッドと当該液体吐出ヘッドにインクを供給するサブタンクを一体化して構成した記録ヘッド411y、411m、411c、411k(色を区別しないときには「記録ヘッド411」という。)を備え、各記録ヘッド411は液滴を吐出するノズルを形成したノズル面を下方に向けてヘッドホルダ413に装着している。
なお、1つの記録ヘッド411は、図26に示すように、複数(この例では6個)のサブタンク一体型の本発明に係る液体吐出ヘッド501A〜501Fをベース部材502に所定の位置関係で配列して構成しているが、1つのフルライン型液体吐出ヘッドで構成することもできる。
また、各記録ヘッド411に対応してヘッドの性能を維持回復するための維持回復機構412y、412m、412c、412k(色を区別しないときには「維持回復機構412」という。)を備え、パージ処理、ワイピング処理などのヘッドの性能維持動作時には、記録ヘッド411と維持回復機構412とを相対的に移動させて、記録ヘッド411のノズル面に維持回復機構412を構成するキャッピング部材などを対向させる。
給紙トレイ404の用紙403は、給紙コロ(半月コロ)421と図示しない分離パッドによって1枚ずつ分離され装置本体401内に給紙され、搬送ガイド部材423のガイド面423aに沿ってレジストローラ425と搬送ベルト433との間に送り込まれ、所定のタイミングでガイド部材426を介して搬送機構405の搬送ベルト433に送り込まれる。
また、搬送ガイド部材443には両面ユニット407から送り出される用紙403を案内するガイド面423bも形成されている。更に、両面印刷時に搬送機構405から戻される用紙403を両面ユニット407に案内するガイド部材427も配置している。
搬送機構405は、駆動ローラである搬送ローラ431と従動ローラ432との間に掛け渡した無端状の搬送ベルト433と、この搬送ベルト433を帯電させるための帯電ローラ434と、画像形成部402に対向する部分で搬送ベルト433の平面性を維持するプラテン部材435と、搬送ベルト433から送り出す用紙403を搬送ローラ431側に押し付ける押さえコロ436と、その他図示しないが、搬送ベルト433に付着した記録液(インク)を除去するためのクリーニング手段である多孔質体などからなるクリーニングローラなどを有している。なお、搬送機構としては例えばエアー吸引によって搬送ベルトに被記録媒体を吸着させるものなども使用できる。
この搬送機構405の下流側には、画像が記録された用紙403を排紙トレイ406に送り出すための排紙ローラ438及び拍車439を備えている。
このように構成した画像形成装置において、搬送ベルト433は矢示方向に周回移動し、高電位の印加電圧が印加される帯電ローラ434と接触することで帯電され、帯電した搬送ベルト433上に用紙403が給送されると、用紙403は搬送ベルト433に静電的に吸着される。このようにして、搬送ベルト433に強力に吸着した用紙403は反りや凹凸が校正され、高度に平らな面が形成される。
そして、搬送ベルト433を周回させて用紙403を移動させ、記録ヘッド411から液滴を吐出することで、用紙403上に所要の画像が形成され、画像が記録された用紙403は排紙ローラ438によって排紙トレイ406に排紙される。
このように、この画像形成装置では、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているので、信頼性が向上する。
なお、上記実施形態では本発明をプリンタ構成の画像形成装置に適用した例で説明したが、これに限るものではなく、前述したように、例えば、プリンタ/ファックス/コピア複合機などの画像形成装置に適用することができ、また、前述したように狭義のインク以外の液体や定着処理液などを用いる画像形成装置にも適用することができる。
1 流路板
2 ノズル板
3 振動板部材
4 ノズル
6 液室
7 流体抵抗部
8 液導入部
8a 個別液導入部
8b 連通部
10 隔壁
10a 凹部
11 圧電アクチュエータ
12 圧電素子部材
12a 圧電素子柱
13 ベース部材
16 フレキシブル配線基板
17 フレーム部材
18 共通液室
20 フィルタ部
20a 連通孔
21 リブ
21a 上流側リブ
21b 下流側リブ
30 ダンパ
31 ダンパ室
40 ヒータ
233 キャリッジ
234a、234b 記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
411y、411m、411c、411k 記録ヘッド(液体吐出ヘッド)

Claims (14)

  1. 液滴を吐出する複数のノズルと、
    前記ノズルが連通する複数の個別液室と、
    前記複数の個別液室にそれぞれ通じる複数の液導入部と、
    前記複数の個別液室に液体を供給する共通液室と、
    前記液導入部と前記共通液室との間に配置され、前記複数の個別液室のノズル配列方向の全領域にわたって液体をろ過するフィルタ部を形成するフィルタ部と、を備え、
    前記複数の液導入部の前記フィルタ部に面する少なくとも一部がノズル配列方向に相互に連通し、
    前記フィルタ部にはノズル配列方向で2以上の液室に対応する間隔で複数のリブが形成され、前記リブにより前記フィルタ部が複数に分割されている
    ことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記フィルタ部が前記個別液室の一部の壁面を形成する振動板部材であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記複数の個別液室と、前記複数の液導入部は1つの部材に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記リブの形成された部位に対応する液導入部の隔壁は互いに連通していないことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記共通液室と前記振動板部材を挟んで反対側にダンパ室が配置され、前記共通液室を形成する部材は前記振動板部材と接合する側から離れるに従い開口面積が小さくなる形状の前記共通液室を形成していることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記リブは前記フィルタ部の液体流れ方向上流側に形成されたリブと、液体流れ方向下流側に形成されたリブを有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記液体流れ方向下流側に形成されたリブは前記液導入部の隔壁に対応する位置に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 前記液体流れ方向上流側に形成されたリブと、前記液体流れ方向下流側に形成されたリブとは、液体の流れ方向に沿って重なるようにほぼ同一直線状に配置されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 前記液体流れ方向上流側に形成されたリブが、前記液体流れ方向下流側に形成されたリブ同士のリブ間隔の中間位置に配置されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の液体吐出ヘッド。
  10. 前記液体流れ方向上流側に形成されたリブと、前記液体流れ方向下流側に形成されたリブとの少なくとも一方が個別液室の4〜16個毎の隔壁に対応した位置に設けられていることを特徴とする請求項6ないし9のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  11. 前記フィルタ部の一側面にヒータが取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか液体吐出ヘッド。
  12. 前記液体が紫外線硬化型液体であることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  13. 請求項1ないし12のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを備えていることを特徴とする液体吐出装置。
  14. 請求項1ないし12のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを備えていることを特徴とする画像形成装置。
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