JP2012245725A - 液体吐出ヘッド、ヘッドカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

液体吐出ヘッド、ヘッドカートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高品質な液体吐出ヘッド、ヘッドカートリッジ、及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】フレームの共通液室1−3から液体を供給する振動板3に開いた供給口の間に設置されたフィルタプレート300と、を備えた液体吐出ヘッドにおいて、フィルタプレート300は、共通液室1−3から液室1−1へ液体を流す時には閉じてフィルタリングし、液室1−1から共通液室1−3への液体を流す時には開いて隙間302から流す。
【選択図】図6

Description

本発明は、液体吐出ヘッド、ヘッドカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ等の画像形成装置(画像記録装置とも称される。)として使用するインクジェット記録装置にはインクジェットヘッドを用いるものがある。このインクジェットヘッドは、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する吐出室(圧力室、加圧液室、液室、インク室、インク流路等とも称される。)と、この吐出室内のインクを加圧するエネルギーを発生するアクチュエータ手段(エネルギー発生手段)とを備え、アクチュエータ手段を駆動することで吐出室内インクを加圧してノズルからインク滴を吐出させるものである。インクジェットヘッドは、記録の必要なときにのみインク滴を吐出するインク・オン・デマンド方式のものが主流である。
そして、インク滴(記録液体)を吐出させるためのアクチュエータ手段の種類により、幾つかの方式に大別される(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1に記載されているように、液室の壁の一部を薄い振動板とし、これに対応して電気機械変換素子としての圧電素子を配置し、電圧印加に伴って発生する圧電素子の変形により振動板を変形させることで液室内の圧力を変化させて、インク滴を吐出させる(ピエゾ方式)。
また、液室内部に発熱体素子を配置し、通電による発熱体の加熱によって気泡を発生させ、気泡の圧力によってインク滴を吐出させるバブルジェット(登録商標)方式のものが一般に良く知られている。
さらに、特許文献2に記載されているように、液室の壁面を形成する振動板と、この振動板に対向して配置された液室外の個別電極とを備え、振動板と電極との間に電界を印加することで発生する静電力により振動板を変形させて、液室内の圧力/体積を変化させることによりノズルからインク滴を吐出させる静電型のものも提案されている。
近年、例えばプリンタの記録密度の高速化や記録密度の高密度化の要求から、複数のノズルを有するマルチノズルヘッドが使用されており、さらに要求される液滴のサイズがますます小さくなる傾向にある。
そのためプリンタのインクの液室をより小さくする傾向が見られる。ヘッドのノズルピッチを細かくするために幅方向が短くなるだけでなく、インクの液室の長さ方向も短くする必要がある。これは、インクの液室の圧力共振周波数を高くすることで、小さい滴を吐出させるためである。
ところで、インクの液室を小さくしたとしても、アクチュエータ素子による駆動エネルギーがインクの液室に十分に伝搬されると共に、複数の液室を隔てている隔壁部分にはその駆動エネルギーが伝わらないようにする必要がある。
また、各ノズルから吐出する液滴吐出特性を均一にする必要があり、各ヘッド間で液室(圧力室、加圧液室、吐出室、インク室)の容積や抵抗(インクが流れる際の流体力学的な抵抗)に違いが無いことが重要になるので高精度な加工と高精度な接合が必須となっている。
プリンタにおける高画質化の要求から、要求される小滴のサイズはますます小さくなり、そのためにノズル径や液室をより小さくする傾向にある。
そのため液室構造以外の要因、例えばインク粘度、気泡や異物といったものが吐出特性に大きな影響を与えてくる。
インク粘度に関しては、インクの温度を管理する為に熱源をインクジェットヘッドに搭載させたり、特許文献3で示されるようにインク温度により供給量を調整したりする構成が考えられる。また、気泡に関しては、特許文献4で示されるように気泡をトラップする空間を液室内に設ける等の構成が考えられる。
ここで、特許文献3に記載の発明は、複雑な制御回路や制御を用いることなくインクの温度が変化しても安定した所定の吐出特性を実現することが可能な液体吐出ヘッドを提供することを目的とするものである。具体的な構成は、供給流路の天面を形成する舌片部は異なる線膨張係数を持つ2層から成り、上層の線膨張係数に比べて下層の線膨張係数が大きい条件を満たしている。インク温度が上昇すると舌片部は上層側に反るようにたわみ変形して圧力室のインクがノズル側に比べて供給流路側に流れやすくなり、インク温度が下降すると舌片部は下層側に反るようにたわみ変形して圧力室のインクが供給流路側に比べてノズル側に流れやすくなる。インクの温度上昇(下降)にてインク粘度が減少(増加)して起こるインクの吐出特性の変化を抑制し、インクの温度が変化しても一定の吐出特性が維持される。
また、特許文献4に記載の発明は、低コストで、個別液室に侵入した気泡を除去できる方法を達成することにより吐出不良のない高品位なインクジェット記録装置を提供することを目的とするものである。具体的には、共通液室から分岐した複数の液体流路と、液体流路にそれぞれ連通したノズルと、液体流路のノズルと対向する位置にヒータが配設されたアクチュエータ基板とを有する液滴吐出ヘッドにおいて、アクチュエータ基板は、液体流路内のノズルと対向する面の一部に凹部を有し、この凹部は液体流路とは別に共通液室と連通する第2の流路を有するものである。
しかしながら、上述した特許文献3、4に記載の発明において、異物に関しては、上記の構成では、全く効果がないので、ヘッド上流にフィルタ等を入れることも考えられる。これによりヘッド完成後に異物による吐出不良は低下するが、ヘッド作成時に混入する異物は防ぐことができない。例え清浄度が高いクリーンルームでヘッドを製作したとしても液室内への異物浸入は防ぐことができない。また、フィルタを通過した後にインク成分が固まったりして異物となってしまう場合は、防ぐことができない。このため吐出異常の原因となる異物や気泡が液室内に混入しないようにすると共に混入したとしても取り除けるようにすることが必要となってくる。
そこで、本発明の目的は、高品質な液体吐出ヘッド、ヘッドカートリッジ、及び画像形成装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本願の請求項1に係る発明は、液体を吐出する複数のノズルに連通する液体を蓄える液室を有する流路板と、前記液室の少なくとも一部の壁面を形成し、前記液体を前記液室に供給する供給口を有し、駆動手段により前記液室内の液体を加圧する振動板と、前記液体を前記各液室に流すまで貯蔵する共通液室を有するフレームと、前記フレームの共通液室から前記液体を供給する前記振動板に開いた供給口の間に設置されたフィルタと、を備えた液体吐出ヘッドにおいて、前記フィルタは、前記共通液室から前記液室へ前記液体を流す時には閉じてフィルタリングし、前記液室から前記共通液室への前記液体を流す時には開いて隙間から流すことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記フィルタは、孔の形状がテーパー形状であることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記フィルタは、前記ノズルの配列方向に開閉することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記フィルタは、前記ノズルと垂直方向に開閉することを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明において、前記フィルタを形成する部材と液室側で接合される部材は、前記フィルタの開閉部の自由端側に段差を設けることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1から5のいずれか一項記載の発明において、液体吐出ヘッドを搭載したヘッドカートリッジであることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドを搭載した画像形成装置であることを特徴とする。
本発明によれば、高品質なインク吐出ヘッドおよびインクジェット記録装置の提供を実現することができる。
(a)は、従来の液体吐出ヘッドの液室長軸方向(ノズル配列方向と交差する方向)に沿う断面説明図であり、(b)は、電極積層部Tの近傍の拡大図であり、図1(c)は、(b)の楕円Aの部分拡大図である。 液室短軸方向(ノズル配列方向)に沿う断面説明図である。 液室短軸方向(ノズル配列方向)に沿う断面説明図である。 図1(a)に示した液体吐出ヘッドのノズル近傍の部分拡大断面図である。 図1(a)に示した液体吐出ヘッドに用いられるNi電鋳の2層振動板の電鋳工程図の一例である。 (a)は、共通液室及び振動板の近傍の断面図であり、(b)は、(a)の振動板のVIb−VIb線断面図であり、(c)は、フィルタ近傍の断面図であり、(d)は、インク供給時のフィルタ近傍の断面図であり、(e)は、ヘッド洗浄時のフィルタ近傍の断面図であり、(f)〜(h)は、(c)〜(e)に示したフィルタのベース側から見た状態を示す図である。 (a)は、共通液室及び振動板の近傍の断面図であり、図(b)は、(a)の振動板のVIIb−VIIb線断面図であり、(c)は、フィルタ近傍の断面図であり、(d)は、インク供給時のフィルタ近傍の断面図であり、(e)は、ヘッド洗浄時のフィルタ近傍の断面図であり、(f)〜(h)は、(c)〜(e)に示したフィルタのベース側から見た状態を示す図である。 (a)は、共通液室及び振動板の近傍の断面図であり、(b)は、(a)の振動板のVIIIb−VIIIb線断面図であり、(c)は、(a)に示したフィルタのベース側から見た状態を示す図であり、(d)は、(c)に示したフィルタプレートのフィルタ孔の断面形状の一例を示す図であり、(e)は、(c)に示したフィルタプレートのフィルタ孔の断面形状の他の一例を示す図である。 (a)は、共通液室及び振動板の近傍の断面図であり、(b)は、(a)の振動板のIXb−IXb線断面図であり、(c)は、フィルタ近傍の断面図であり、(d)は、インク供給時のフィルタ近傍の断面図であり、(e)は、ヘッド洗浄時のフィルタ近傍の断面図であり、(f)〜(h)は、(c)〜(e)に示したフィルタのベース側から見た状態を示す図である。 (a)は、共通液室及び振動板の近傍の断面図であり、(b)は、(a)の振動板のXb−Xb線断面図であり、(c)は、フィルタ近傍の断面図であり、(d)は、インク供給時のフィルタ近傍の断面図であり、(e)は、ヘッド洗浄時のフィルタ近傍の断面図であり、(f)〜(h)は、(c)〜(e)に示したフィルタのベース側から見た状態を示す図である。 (a)は、共通液室及び振動板の近傍の断面図であり、(b)は、(a)の振動板のXIb−XIb線断面図であり、(c)は、フィルタ近傍の断面図であり、(d)は、インク供給時のフィルタ近傍の断面図であり、(e)は、ヘッド洗浄時のフィルタ近傍の断面図であり、(f)〜(h)は、(c)〜(e)に示したフィルタのベース側から見た状態を示す図である。 エッジシューター方式の記録ヘッドの一例を示す図である。 サイドシューター方式の記録ヘッドの一例を示す図である。 画像形成装置の全体構成を説明する側面説明図である。 画像形成装置の要部平面説明図である。
<実施形態1>
本発明に係る一実施の形態について、圧電素子を駆動手段とした液体吐出ヘッドを例に図面を参照して説明する。
図面には記載されていないが、各接合面は、接着剤で接合されている。その接着剤の塗布厚さは例えば、0.4〜10μm程度である。
図1(a)は、従来の液体吐出ヘッドの液室長軸方向(ノズル配列方向と交差する方向)に沿う断面説明図であり、図1(b)は、電極積層部Tの近傍の拡大図であり、図1(c)は、図1(b)の楕円Aの部分拡大図である。図2、図3は、液室短軸方向(ノズル配列方向)に沿う断面説明図である。
本実施形態では、吐出する液体がインクの場合で説明するが、本発明はこれに限定されるものでなく、接着剤、レジスト(フォトマスク用)に適用してもよい。
本実施形態では、液室短軸方向を中心に説明する。また、接合面に関して、本実施例に記載する説明図では、平面であることを中心に説明するが、部材表面に複数の凹凸があっても良い。
図1(a)〜(c)に示した液体吐出ヘッドは、液室1-1、流体抵抗部1-2を形成する液室基板(流路板)1と、この液室基板(流路板とも言う)1の上面に接合した液滴を吐出するノズル2-1を形成するノズル板2と、流路板1の下面に接合し、ダイヤフラム(以下、薄肉部)3-1を有する振動板3と、この振動板3と接合され、液室1-1内の圧力を変化させる圧力変化装置(以下、積層圧電素子と表記)5と、積層電素子5を固定するベース基盤6と、を備えている。5-3は、電極積層部である。
図1(a)〜(c)では接着層4は他部材に比べると厚さが薄いために図示していない。振動板3には図2には3層、図3には2層の凸部3-2と厚肉部3-3とを設ける構成も考えられる。
本実施形態では、圧電素子5は、圧電材料層と内部電極とを交互に積層したものであり、圧電素子5の圧電方向としてd33方向の変位を用いて液室1-1内の液体を加圧する構成としている。
また、本実施形態は、図2に示したような、積層圧電素子5はハーフカットのダイシング加工により櫛歯上に分割され、1つ毎に圧電素子(以下、駆動部と表記)5-1と支持部材(非駆動部とも言う)5-2として使用する。この構造をバイピッチ構造と呼ぶ。支持部材5-2により流路ユニットを支えているので、液室1-1の圧力上昇によって流路板1が持ち上がることを防ぎ、いわゆる相互干渉を抑えることに非常に有効である。
より液室を高密度化させた図4に示したような圧電素子5の駆動部5-1をノズルピッチと同じ間隔として、支持部材5-2を形成しない構造(ノーマルピッチ構造)でも良い。
図4は、図1(a)に示した液体吐出ヘッドのノズル近傍の部分拡大断面図である。
流路板1の材料は、Si、Ni、42アロイ、SUS304や別のSUS材であっても良い。
流路板1の液体に接する面には、SiO2膜、窒化チタン膜あるいはポリイミドなどの金属膜や有機樹脂膜からなる耐液性薄膜を成膜しても良い。このような耐液性薄膜を形成することで、流路板材料が液体に対して溶出しにくく、また濡れ性も向上するため気泡の滞留が生じにくくなり、安定した滴吐出が可能になる。
なお、本発明において「層」や「膜」は、実質的な平らな全ての構造物を含む意味に用いる。
図1(a)〜(c)、図2に示した本実施例では、液室基板(流路板)1の厚さが40μm〜600μm(流路基板1を積層することにより液室を形成することも考えられる。)、液室1-1長手方向の長さを400μm〜1600μmとし、液室1-1の幅を120〜139μmとした。流路隔壁の幅は振動板3との接合面で約15〜50μm(液室ピッチが150dpiのため)である。
また、図4に示した液室基板(流路板)1の厚さを100μm〜600μm(流路基板1を積層することにより液室を形成することも考えられる。)とし、液室1-1長手方向の長さを400μm〜1200μmとし、液室1-1の幅を50〜70μmとした構造であっても良い(液室ピッチが300dpiのためである。)。
ノズル板2は、金属材料、例えば電鋳工法によるNiメッキ膜等で形成したものであり、液滴を飛翔させるための微細な吐出口であるノズル2-1を多数形成している。このノズル2-1の内部形状(内側形状)は、ホーン形状(略円柱形状又は略円錘台形状でも良い。)に形成している。また、このノズル2-1の径は液滴出口側の直径で約15〜35μmである。
本実施形態では、ノズル2-1の直径を18〜24μmとした。また各列のノズルピッチは、150dpi/300dpiである。ノズル板の材料として樹脂材を用いることもある。
このノズル板2の液体吐出面(ノズル表面側)は、図示しない撥水性の表面処理を施した撥水処理層2-2を設けている。PTFE−Ni共析メッキやフッ素樹脂の電着塗装、蒸発性のあるフッ素樹脂(例えばフッ化ピッチなど)を蒸着コートしたもの、シリコン系樹脂・フッ素系樹脂の溶剤塗布後の焼き付け等、液体物性に応じて選定した撥水処理膜を設けて、液体の滴形状、飛翔特性を安定化し、高品位の画像品質を得られるようにしている。
外部から液体を供給するための液体供給部3-4と、共通液室1-3となる彫り込みが形成するフレーム7はエポキシ系樹脂の射出成形により形成している。樹脂材料は、ポリフェニレンサルファイト等を用いても良い。
このように構成した液体吐出ヘッドにおいては、記録信号に応じて駆動部5-1に駆動波形(10〜50Vのパルス電圧)を印加することによって、駆動部5-1に積層方向の変位が生起し、振動板3を介して液室1-1が加圧されて圧力が上昇し、ノズル2-1から液滴が吐出される。
その後、液滴吐出の終了に伴い、液室1-1内の液体圧力が低減し、液体の流れの慣性と駆動パルスの放電過程によって液室1-1内に負圧が発生して液体充填行程へ移行する。このとき、液体タンクから供給された液体は共通液室1-3に流入し、共通液室1-3から液体供給部3-4を経て流体抵抗部1-2を通り、液室1-1内に充填される。
流体抵抗部1-2は、吐出後の残留圧力振動の減衰に効果が有る反面、表面張力による再充填(リフィル)に対して流体力学上の抵抗になる。流体抵抗部を適宜に選択することで、残留圧力の減衰とリフィル時間のバランスが取れ、次の液滴吐出動作に移行するまでの時間(駆動周期)を短くできる。
ここで、凸部3-2と厚肉部3-3との形状として、凸部3-2の周りは薄肉部3-1で囲まれ、その周りを厚肉部3-3で囲んでいる構成がある。
形成方法として、電鋳工法によるNiメッキ膜を2層重ねる方法がある。
また、この電鋳工法によりリブ(突起物)303(後述する図11)を形成しても良い。
次に、Ni電鋳の2層振動板の電鋳工程について図5(a)〜(f)に示す工程図を参照して説明する。
図5(a)〜(f)は、図1(a)に示した液体吐出ヘッドに用いられるNi電鋳の2層振動板の電鋳工程図の一例である。
図5(a)に示すように電鋳支持基板211に薄肉部208を形成する第一層212を形成する。
図5(b)に示すように厚肉部206間に相当する部分が窓216となるレジストパターン214を形成して例えばニッケル電鋳を行うことで、図5(c)に示すように、第一層212上にニッケルが析出され堆積してニッケル層215が形成される。
さらに、更に電鋳を継続することで、図5(d)に示すように、窓から突出するまでニッケル層215が成長すると、エッジ効果によりパターン214、214の表面方向にも肥大してオーバーハング部215aが生じる。このプロセスを継続していくと、図5(e)に示すように厚肉部206としてのニッケル層215が厚み方向と平面方向にさらに伸長し、所定の成長の段階で電鋳を終了した後、パターン214を除去することで、同図5(f)に示すように、凹部216により囲まれた断面鋲型のアイランド状厚肉部206を備えた振動板が得られる。
また、図1(a)〜(c)で示された、振動板の部材は金属層や樹脂層とした構成が考えられる。
金属部材として、本実施形態では、Ni、42アロイ、SUS304が考えられる。また、SiO2やTi等の金属膜を表面に形成することにより液体の透湿を懸念することがなくなる。
また、振動板の部材を樹脂層にすると金属層に比べ薄肉部3-1の剛性が、低くなることで圧電素子5の変位効率を阻害することもなくなる。また、液室基板(流路板)1が金属である場合、樹脂層と金属との接合は金属同士の接合より接合強度が増す。
また、樹脂層が、圧延フィルムであっても良い。これにより厚みが薄くなってもピンホールなどの欠陥がほとんど皆無で、信頼性が高い製品を提供することができる。
本実施形態において、振動板3と駆動手段としての積層圧電素子5との接合領域に接着剤に対して親和性を示す処理を行うことも考えられる。親和性を示す処理として水酸基やSiO2薄膜層を形成することが考えられる。SiO2薄膜層の形成には、比較的熱のかからない、すなわち振動板3部材に熱的影響の発生しない範囲の温度で成膜可能な方法で形成する。
具体的には、スパッタリング、イオンビーム蒸着、イオンプレーティング、CVD(化学蒸着法)、P-CVD(プラズマ蒸着法)などが適しているといえる。本実施形態ではSiのスパッタリング後スパッタ膜にO2処理をしてSiO2膜を生成している。SiO2薄膜層の膜厚は密着力が確保できる範囲で必要最小限の厚さとするのが工程時間、材料費から見て有利である。本実施例ではSiO2膜の厚さを10〜2000オングストロームの範囲で使用している。本実施形態の撥水処理に関して、メッキ被膜、あるいは撥水剤コーティングなどの周知の方法で撥水膜を形成している。撥水処理方法としてスピンコータ、ロールコータ、スクリーン印刷、スプレーコータなどの方法が使用可能であり、それ以外にも真空蒸着で成膜する方法も使用されている。この方法を使用すると撥水膜の密着性が向上する。
本実施形態では、薄肉部の厚さは、2〜10μmである。また液室短手方向の薄肉部領域の長さを10〜50μmとしている。
また本実施形態では、樹脂層としてポリフェニレンサルフアイド(PPS)樹脂を用いているが、延伸可能な他の高分子材料、例えば、ポリイミド(PI)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、ボリアミドイミド(PAI)樹脂、ポリバラバン酸(PPA)樹脂、ボリサルホン(PSF)樹脂、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂、ポリエーテルケトン(PEK)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリオレフィン(APO)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、アラミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニリデン樹脂やポリカーネート樹脂等を用いることもできる。
図6(a)〜(h)、図7(a)〜(h)には、請求項1に記載の発明に係る実施の形態を記載している。
図6(a)は、共通液室及び振動板の近傍の断面図であり、図6(b)は、図6(a)の振動板のVIb−VIb線断面図であり、図6(c)は、フィルタ近傍の断面図であり、図6(d)は、インク供給時のフィルタ近傍の断面図であり、図6(e)は、ヘッド洗浄時のフィルタ近傍の断面図であり、図6(f)〜(h)は、図6(c)〜(e)に示したフィルタのベース側から見た状態を示す図である。
図6(a)〜(h)では、フィルタプレート300となる別部材を共通液室と振動板インク供給口の間に設けている。
フィルタプレート300の部材として、前述した振動板3の部材と同様な金属層や樹脂層とした構成が考えられる。
金属部材として、本実施形態では、Ni合金、42アロイ、SUS系材料(SUS304/SUS316等)が考えられる。
樹脂部材として、ポリフェニレンサルフアイド(PPS)樹脂を用いているが、延伸可能な他の高分子材料、例えば、ポリイミド(PI)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、ボリアミドイミド(PAI)樹脂、ポリバラバン酸(PPA)樹脂、ボリサルホン(PSF)樹脂、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂、ポリエーテルケトン(PEK)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリオレフィン(APO)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、アラミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニリデン樹脂やポリカーネート樹脂等を用いることもできる。
また、フィルタプレート300の部材に金属膜や樹脂膜などの表面処理を行い、接液性、耐久性、耐摩耗性を向上させることも考えられる。金属膜や樹脂膜の形成方法として、スパッタ、蒸着、電鋳、メッキ、スプレーコーティング、スピンコーティング等が考えられる。また表面膜の種類として、Ti、Si、Ni、Mn、PIやその酸化膜といった金属膜、樹脂膜が考えられる。
尚、301は、フィルタプレート300と同一部材からなり、フィルタプレート300を開閉自在に保持するフィルタプレート保持プレートである。
ここで、ヘッドカートリッジの待機時にはフィルタプレート300は、図6(c)に示すようにノズル板2に対して平行になっている。インク供給時にはフィルタプレート300は、図6(d)に示すようにノズル板2側に撓むことにより、隙間が生じることがない。ヘッド洗浄時にはフィルタプレート300は、図6(e)に示すようにノズル板2から離れる方向に撓んで図6(h)に示すように隙間302が形成される。すなわち、インク供給時にはインクが濾過されて不純物がノズル2-1側に浸入するのが防止され、ヘッド洗浄時にはフィルタプレート300により干渉されることなくノズル2-1側の不純物がそのまま排出されるようになっている。
<実施形態2>
図7(a)は、共通液室及び振動板の近傍の断面図であり、図7(b)は、図7(a)の振動板のVIIb−VIIb線断面図であり、図7(c)は、フィルタ近傍の断面図であり、図7(d)は、インク供給時のフィルタ近傍の断面図であり、図7(e)は、ヘッド洗浄時のフィルタ近傍の断面図であり、図7(f)〜(h)は、図7(c)〜(e)に示したフィルタのベース側から見た状態を示す図である。
図7(a)〜(h)に示す実施の形態では、振動板のインク供給口部にフィルタを形成させている。
ここで、ヘッドカートリッジの待機時にはフィルタプレート300は、図7(c)に示すようにノズル板2に対して平行になっている。インク供給時にはフィルタプレート300は、図7(d)に示すようにノズル板2側に撓むことにより、隙間が生じることがない。ヘッド洗浄時にはフィルタプレート300は、図7(e)に示すようにノズル板2から離れる方向に撓んで図7(h)に示すように隙間302が形成される。すなわち、インク供給時にはインクが濾過されて不純物がノズル2-1側に浸入するのが防止され、ヘッド洗浄時にはフィルタプレート300により干渉されることなくノズル2-1側の不純物がそのまま排出されるようになっている。
<実施形態3>
図8(a)は、共通液室及び振動板の近傍の断面図であり、図8(b)は、図8(a)の振動板のVIIIb−VIIIb線断面図であり、図8(c)は、図8(a)に示したフィルタのベース側から見た状態を示す図であり、図8(d)は、図8(c)に示したフィルタプレートのフィルタ孔の断面形状の一例を示す図であり、図8(e)は、図8(c)に示したフィルタプレートのフィルタ孔の断面形状の他の一例を示す図である。
図8(a)〜(e)には、フィルタプレートの孔の断面形状を示している。図8(d)に示すフィルタプレート(タイプA)300-1は、フィルタ孔300aの断面形状がストレート状であるがフィルタとしての役割を十分に果たす。
図8(e)に示すフィルタプレート(タイプB)300-2は、フィルタ孔300bの断面形状が厚み方向にテーパーを設けることにより、共通液室側では、異物をトラップするフィルタ機能が向上し、また洗浄時に異物がフィルタ径に挟まること無く液室外部への除去機能が向上する。
<実施形態4>
図9(a)は、共通液室及び振動板の近傍の断面図であり、図9(b)は、図9(a)の振動板のIXb−IXb線断面図であり、図9(c)は、フィルタ近傍の断面図であり、図9(d)は、インク供給時のフィルタ近傍の断面図であり、図9(e)は、ヘッド洗浄時のフィルタ近傍の断面図であり、図9(f)〜(h)は、図9(c)〜(e)に示したフィルタのベース側から見た状態を示す図である。
ここで、ヘッドカートリッジの待機時にはフィルタプレート300は、図9(c)に示すようにノズル板2に対して平行になっている。インク供給時にはフィルタプレート300は、図9(d)に示すようにノズル板2側に撓むことにより、隙間が生じることがない。ヘッド洗浄時にはフィルタプレート300は、図9(e)に示すようにノズル板2から離れる方向に撓んで図9(h)に示すように隙間302が形成される。すなわち、インク供給時にはインクが濾過されて不純物がノズル2-1側に浸入するのが防止され、ヘッド洗浄時にはフィルタプレート300により干渉されることなくノズル2-1側の不純物がそのまま排出されるようになっている。
本実施形態のフィルタ径の開閉口は、液室形状により変更したとしてもなんら機能に影響を与えるものではない。
本実施形態に示すように、フィルタ形成部材と液室側で接合される部材にフィルタを形成している領域の開閉口となる自由端部の変形部を制御する支持部を形成させる為に段差を形成することで、液室内に液体を供給する時には、フィルタ自由端が段差まで変形し(撓み)、接触することでフィルタが液供給圧により極端に変形すること無く、所望な場所で制御することが可能となる。
<実施形態5>
図10(a)は、共通液室及び振動板の近傍の断面図であり、図10(b)は、図10(a)の振動板のXb−Xb線断面図であり、図10(c)は、フィルタ近傍の断面図であり、図10(d)は、インク供給時のフィルタ近傍の断面図であり、図10(e)は、ヘッド洗浄時のフィルタ近傍の断面図であり、図10(f)〜(h)は、図7(c)〜(e)に示したフィルタのベース側から見た状態を示す図である。
ここで、ヘッドカートリッジの待機時にはフィルタプレート300は、図10(c)に示すようにノズル板2に対して平行になっている。インク供給時においてもフィルタプレート300は、図10(d)に示すように段差部にストッパが形成されているので、ノズル板2と平行に位置することにより、隙間が生じることがない。ヘッド洗浄時にはフィルタプレート300は、図10(e)に示すようにノズル板2から離れる方向に撓んで図10(h)に示すように隙間302が形成される。すなわち、インク供給時にはインクが濾過されて不純物がノズル2-1側に浸入するのが防止され、ヘッド洗浄時にはフィルタプレート300により干渉されることなくノズル2-1側の不純物がそのまま排出されるようになっている。
<実施形態6>
図11(a)は、共通液室及び振動板の近傍の断面図であり、図11(b)は、図11(a)の振動板のXIb−XIb線断面図であり、図11(c)は、フィルタ近傍の断面図であり、図11(d)は、インク供給時のフィルタ近傍の断面図であり、図11(e)は、ヘッド洗浄時のフィルタ近傍の断面図であり、図11(f)〜(h)は、図11(c)〜(e)に示したフィルタのベース側から見た状態を示す図である。
ここで、ヘッドカートリッジの待機時にはフィルタプレート300は、図11(c)に示すようにノズル板2に接近するように傾斜している。インク供給時においてもフィルタプレート300は、図11(d)に示すようにノズル板2に接近するように傾斜して隙間無くノズル板2側に接触している。ヘッド洗浄時にはフィルタプレート300は、図11(e)に示すようにノズル板2から離れる方向に撓んでストッパ303で静止するので、図11(h)に示すように隙間302が形成される。すなわち、インク供給時にはインクが濾過されて不純物がノズル2-1側に浸入するのが防止され、ヘッド洗浄時にはフィルタプレート300により干渉されることなくノズル2-1側の不純物がそのまま排出されるようになっている。
実施の形態5、6においては、吐出液の初期充填時は加圧充填を行うことが望ましく、加圧力としては10kPa以上であることが望ましい。
初期充填後の液供給は、ヘッドタンクや共通液室との水頭差による供給であるためフィルタプレート300は閉じている状態で液体の上流からの異物を液室内に混入させることがない。
吐出液を長期に吐出しない場合、吐出液成分が固着する可能性がある。また、ノズル面を払拭した場合にノズル径から異物を混入する可能性が少なからずある。このような異物が混入した場合に、今までは、ヘッド交換を行っていたが、本実施の形態によれば、ヘッド洗浄工程(再生工程)が可能となる。
ヘッドの洗浄方法に関して、ノズル内壁、液室内や流路内に付着した異物を除去するためにノズル側から加圧した洗浄液の流入を実施する。本実施形態の洗浄時の洗浄加圧力は40kPa〜150kPaが好ましい。
本実施形態のインクジェットヘッドは、インク流路から吐出口にかけての形状が直線的であるエッジシューター方式であっても良いし、インク流路の向きと吐出口の向きが異なるサイドシューター方式であっても良い。
エッジシューター、及びサイドシューター(例えば、特許第2642670号公報参照。)について述べる。
(エッジシューター)
エッジシューター方式の記録ヘッドの一例を図12に示す。
この記録ヘッドは、吐出エネルギー発生体70(発生体に吐出信号を印加する電極および発生体に必要に応じて設けられる保護層などは省略してある)を有する基板10に、流路40の側壁およびオリフィス50を構成する壁材30および流路40の覆いを構成する天板を積層した構成を有する。
この記録ヘッドにおいては、インクが貯えられている液室(不図示)から流路40にインクが充填された状態で、不図示の電極を介して記録信号を吐出エネルギー発生体70に印加すると、吐出エネルギー発生体70から発生した吐出エネルギーが流路40内のインクに吐出エネルギー発生体70上方(吐出エネルギー作用部)で作用し、その結果インク14bがオリフィス50から液滴として吐出される。吐出されたインク滴はオリフィス50の前方に送り込まれた紙などの被記録材に付着される。
図12に示すようなエッジシューター方式の記録ヘッドにおいては、各部分の精度良い微細化やオリフィスのマルチ化、あるいは小型化が極めて容易であり、また量産性に富むという利点を有する。その一方で、インク滴吐出の際の応答周波数やインク滴の飛行速度に限界がある。また、電熱変換素子が発熱することでインク中に気泡が発生するが、この気泡が温度低下により収縮し、吐出エネルギー発生体70近辺で消滅する際の衝撃により吐出エネルギー発生体70を徐々に破壊される。この現象はいわゆるキャビテーション現象と呼ばれ、エッジシューター方式において顕著である。そのため、エッジシューター方式の記録ヘッドは寿命が比較的短い。
(サイドシューター)
サイドシューター方式の記録ヘッドの一例を図13に示す。
この記録ヘッドは、壁材30にオリフィスを設け、一点鎖線140cで示されたように流路40内の吐出エネルギー作用部へのインクの流れ方向とオリフィス50の開口中心軸とを直角となした構成を有する。
このような構成とすることによって、吐出エネルギー発生体70からのエネルギーをより効率良くインク滴の形成とその飛行の運動エネルギーへと変換でき、またインクの供給によるメニスカスの復帰も速いという構造上の利点を有し、吐出エネルギー発生体に発熱素子を用いた場合に特に効果的である。また、エッジシューターにおいて問題となる気泡が消滅する際の衝撃により吐出エネルギー発生体70を徐々に破壊する、いわゆるキャビテーション現象をサイドシューターであれば回避することができる。つまり、サイドシューターにおいて気泡が成長し、その気泡がオリフィス50に達すれば気泡が大気に通じることになり温度低下による気泡の収縮が起こらない。そのため、記録ヘッドの寿命が長いという長所を有する。
<実施形態>
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッド或いは液滴吐出装置を備えた本発明に係る画像形成装置の一例について図14及び図15を参照して説明する。なお、図14は、画像装置の全体構成を説明する側面説明図であり、図15は、画像形成装置の要部平面説明図である。
この画像形成装置は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド101とガイドレール102とでキャリッジ103を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ104でタイミングベルト105を介して図15で矢示方向(主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ103には、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色の液滴を吐出する4個の液滴吐出ヘッドからなる記録ヘッド107を複数の液体吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、液滴吐出方向を下方に向けて装着している。なお、記録ヘッド107を構成する液滴吐出ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータを用いたものを使用している。
また、キャリッジ103には、記録ヘッド107に各色の液体を供給するための各色のサブタンク108を搭載している。このサブタンク108には図示しない液体供給チューブを介してメインタンク(インクカートリッジ)から液体が補充供給される。
この実施形態では、サブタンク108と記録ヘッド107で本発明に係る液滴吐出装置を構成しているが、記録ヘッド107を本発明に係る液滴吐出ヘッドで構成し、別途サブタンク108を設ける構成とすることもできるし、あるいは、サブタンクを用いないでインクカートリッジを搭載する構成とすることもできる。
一方、給紙カセット110などの用紙積載部(圧板)111上に積載した用紙112を給紙するための給紙部として、用紙積載部111から用紙112を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙ローラ)113及び給紙ローラ113に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド114を備え、この分離パッド114は給紙ローラ113側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙112を記録ヘッド107の下方側で搬送するための搬送部として、用紙112を静電吸着して搬送するための搬送ベルト121と、給紙部からガイド115を介して送られる用紙112を搬送ベルト121との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ122と、略鉛直上方に送られる用紙112を略90°方向転換させて搬送ベルト121上に倣わせるための搬送ガイド123と、押さえ部材124で搬送ベルト121側に付勢された先端加圧コロ125とを備えている。また、搬送ベルト121表面を帯電させるための帯電手段としての帯電ローラ126を備えている。
ここで、搬送ベルト121は、無端状ベルトであり、搬送ローラ127とテンションローラ128との間に掛け渡されて、副走査モータ131からタイミングベルト132及びタイミングローラ133を介して搬送ローラ127が回転されることで、図14のベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。なお、搬送ベルト121の裏面側には記録ヘッド107による画像形成領域に対応してガイド部材129を配置している。
また、図15に示すように、搬送ローラ127の軸には、スリット円板134を取り付け、このスリット円板134のスリットを検知するセンサ135を設けて、これらのスリット円板134及びセンサ135によってエンコーダ136を構成している。
帯電ローラ126は、搬送ベルト121の表層に接触し、搬送ベルト121の回動に従動して回転するように配置され、加圧力として軸の両端に各2。5Nをかけている。
また、キャリッジ103の前方側には、図15に示すように、スリットを形成したエンコーダスケール142を設け、キャリッジ103の前面側にはエンコーダスケール142のスリットを検出する透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ143を設け、これらによって、キャリッジ103の主走査方向位置(ホーム位置に対する位置)を検知するためのエンコーダ144を構成している。
さらに、記録ヘッド107で記録された用紙112を排紙するための排紙部として、搬送ベルト121から用紙112を分離するための分離部と、排紙ローラ152及び排紙コロ153と、排紙される用紙112をストックする排紙トレイ154とを備えている。
また、背部には両面給紙ユニット161が着脱自在に装着されている。この両面給紙ユニット161は搬送ベルト121の逆方向回転で戻される用紙112を取り込んで反転させて再度カウンタローラ22と搬送ベルト121との間に給紙する。
このように構成した画像形成装置においては、給紙部から用紙112が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙112はガイド115で案内され、搬送ベルト121とカウンタローラ122との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド123で案内されて先端加圧コロ125で搬送ベルト121に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、図示しない制御回路によって高圧電源から帯電ローラ126に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト121が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト121上に用紙112が給送されると、用紙112が搬送ベルト121に静電力で吸着され、搬送ベルト121の周回移動によって用紙112が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ103を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド107を駆動することにより、停止している用紙112に液滴を吐出して1行分を記録し、用紙112を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙112の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙112を排紙トレイ154に排紙する。
また、両面印刷の場合には、表面(最初に印刷する面)の記録が終了したときに、搬送ベルト121を逆回転させることで、記録済みの用紙112を両面給紙ユニット161内に送り込み、用紙112を反転させて(裏面が印刷面となる状態にして)再度カウンタローラ122と搬送ベルト121との間に給紙し、タイミング制御を行って、前述したと同様に搬送ベル121上に搬送して裏面に記録を行った後、排紙トレイ154に排紙する。
なお、本発明に係る画像形成装置は、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、これらの複合機などにも適用することができる。また、インク以外の液体、例えばDNA試料やレジスト、パターン材料などを吐出する液滴吐出ヘッドや液滴吐出装置、或いはこれらを備える画像形成装置にも適用することができる。
<作用効果>
本実施形態によれば、吐出ヘッド製作時の初期段階で液室内に異物が混入しないようにフィルタにより供給口を閉じることが可能となるのでヘッドの歩留まりが向上する。
本実施形態によれば、吐出液の成分が固着するといったノズル内壁や液室内に異物が混入した場合においてもヘッド洗浄工程により異物の除去を実施することが可能となる。
本実施形態によれば、フィルタ径をテーパー形状にし、かつ供給側のフィルタ径が大きく、液室側の径を小さくすることで吐出液供給時には、異物をフィルタ内壁に確実にトラップすることができる。
本実施形態によれば、ヘッド洗浄時には、ノズル内壁や液室内の異物がフィルタ径内壁にトラップされにくく、液室外に排出されやすくなる。そのため高品質、高寿命の液体吐出ヘッドを提供できる。
本実施形態によれば、高密度化の要求から、液滴のサイズをますます小さくする傾向にある。そのためにノズルピッチを細かくするために幅方向が短くなるだけでなく、液室の長さ方向も短くする必要があるので、本発明により所望のフィルタ形状にすることができる。
本実施形態によれば、フィルタの機能により除去された異物がヘッド洗浄時に液室側に浸入することがより無くなる。
本実施形態によれば、液体吐出ヘッドを搭載したヘッドカートリッジならびに画像形成装置を提供することができる。
本発明は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミック等の被記録媒体に対して記録を行うプリンタ、複写機、通信システムを有するファクシミリ、プリント部を有するワードプロセッサ等の装置、さらには各種処理装置と複合的に組み合わせた産業用記録装置に適用できる。
1 液室基板(流路板)
1−1 液室
1−2 流体抵抗部
1−3 共通液室
2 ノズル板
2−1 ノズル
3 振動板
3−1 薄肉部(ダイヤフラム)
3−2 凸部
3−3 厚肉部
3−4 液体供給部
4 接着層
5 積層圧電素子(圧力変化装置)
5−1 圧電素子(駆動部)
5−2 支持部材
5−3 電極積層部
6 ベース基板
10 基板
30 壁材
40 流路
50 オリフィス
70 吐出エネルギー発生体
101 ガイドロッド
102 ガイドレール
103 キャリッジ
107 記録ヘッド
108 サブタンク
110 給紙カセット
111 用紙積載部(圧板)
112 用紙
113 半月コロ(給紙ローラ)
114 分離パッド
115 ガイド
121 搬送ベルト
122 カウンタローラ
123 搬送ガイド
125 先端加圧コロ
126 帯電ローラ
127 搬送ローラ
129 ガイド部材
134 スリット円板
136、144 エンコーダ
154 排紙トレイ
161 両面給紙ユニット
206 厚肉部
208 薄肉部
211 電鋳指示基板
214 パターン
215 ニッケル層
215a オーバーハング部
216 凹部
300 フィルタプレート
301 フィルタプレート保持プレート
302 隙間
303 ストッパ
特開平10−100401号公報 特開平02−289351号公報 特開2006−306066号公報 特開2008−87464号公報

Claims (7)

  1. 液体を吐出する複数のノズルに連通する液体を蓄える液室を有する流路板と、
    前記液室の少なくとも一部の壁面を形成し、前記液体を前記液室に供給する供給口を有し、駆動手段により前記液室内の液体を加圧する振動板と、
    前記液体を前記各液室に流すまで貯蔵する共通液室を有するフレームと、
    前記フレームの共通液室から前記液体を供給する前記振動板に開いた供給口の間に設置されたフィルタと、を備えた液体吐出ヘッドにおいて、
    前記フィルタは、前記共通液室から前記液室へ前記液体を流す時には閉じてフィルタリングし、前記液室から前記共通液室への前記液体を流す時には開いて隙間から流すことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記フィルタは、孔の形状がテーパー形状であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記フィルタは、前記ノズルの配列方向に開閉することを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記フィルタは、前記ノズルと垂直方向に開閉することを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記フィルタを形成する部材と液室側で接合される部材は、前記フィルタの開閉部の自由端側に段差を設けることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 請求項1から5のいずれか一項記載の液体吐出ヘッドを搭載したことを特徴とするヘッドカートリッジ。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドを搭載したことを特徴とする画像形成装置。
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