WO2016121793A1 - 音認識盗難防止システム - Google Patents

音認識盗難防止システム Download PDF

Info

Publication number
WO2016121793A1
WO2016121793A1 PCT/JP2016/052270 JP2016052270W WO2016121793A1 WO 2016121793 A1 WO2016121793 A1 WO 2016121793A1 JP 2016052270 W JP2016052270 W JP 2016052270W WO 2016121793 A1 WO2016121793 A1 WO 2016121793A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
theft
sound
tag
alarm
alarm sound
Prior art date
Application number
PCT/JP2016/052270
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
石野 連信郎
勝彦 浅田
Original Assignee
アイアンドティテック株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from JP2015012858A external-priority patent/JP2016139217A/ja
Priority claimed from JP2015016184A external-priority patent/JP2016143933A/ja
Priority claimed from JP2015000714U external-priority patent/JP3197263U/ja
Priority claimed from JP2015000837U external-priority patent/JP3197404U/ja
Application filed by アイアンドティテック株式会社 filed Critical アイアンドティテック株式会社
Priority to US15/544,273 priority Critical patent/US10049547B2/en
Publication of WO2016121793A1 publication Critical patent/WO2016121793A1/ja

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G08SIGNALLING
    • G08BSIGNALLING OR CALLING SYSTEMS; ORDER TELEGRAPHS; ALARM SYSTEMS
    • G08B13/00Burglar, theft or intruder alarms
    • G08B13/22Electrical actuation
    • G08B13/24Electrical actuation by interference with electromagnetic field distribution
    • G08B13/2402Electronic Article Surveillance [EAS], i.e. systems using tags for detecting removal of a tagged item from a secure area, e.g. tags for detecting shoplifting
    • G08B13/2428Tag details
    • G08B13/2431Tag circuit details
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01VGEOPHYSICS; GRAVITATIONAL MEASUREMENTS; DETECTING MASSES OR OBJECTS; TAGS
    • G01V15/00Tags attached to, or associated with, an object, in order to enable detection of the object
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E05LOCKS; KEYS; WINDOW OR DOOR FITTINGS; SAFES
    • E05BLOCKS; ACCESSORIES THEREFOR; HANDCUFFS
    • E05B73/00Devices for locking portable objects against unauthorised removal; Miscellaneous locking devices
    • E05B73/0017Anti-theft devices, e.g. tags or monitors, fixed to articles, e.g. clothes, and to be removed at the check-out of shops
    • GPHYSICS
    • G08SIGNALLING
    • G08BSIGNALLING OR CALLING SYSTEMS; ORDER TELEGRAPHS; ALARM SYSTEMS
    • G08B13/00Burglar, theft or intruder alarms
    • G08B13/16Actuation by interference with mechanical vibrations in air or other fluid
    • G08B13/1654Actuation by interference with mechanical vibrations in air or other fluid using passive vibration detection systems
    • G08B13/1672Actuation by interference with mechanical vibrations in air or other fluid using passive vibration detection systems using sonic detecting means, e.g. a microphone operating in the audio frequency range
    • GPHYSICS
    • G08SIGNALLING
    • G08BSIGNALLING OR CALLING SYSTEMS; ORDER TELEGRAPHS; ALARM SYSTEMS
    • G08B13/00Burglar, theft or intruder alarms
    • G08B13/22Electrical actuation

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Geophysics (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Computer Security & Cryptography (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Burglar Alarm Systems (AREA)

Abstract

 窃盗行為事象の発生時に第一アラーム音と第二アラーム音の異なる二つの音の何れかを発報する自鳴式盗難防止タグを備え、窃盗行為事象が発生した異常状態を電磁波ノイズに阻害されることなく、離れた位置において音で検出する。

Description

音認識盗難防止システム
 本発明は音認識盗難防止システムに関し、自鳴式盗難防止タグから発報する警報音を識別する技術に係るものである。
 従来、この盗難防止システムとしては、例えば特許文献1に記載するものがある。この盗難防止システムは、盗難防止用検出具である自鳴式のセンサタグと、自鳴式のセンサタグと別体をなす送受信アンテナで構成されるものである。
 自鳴式のセンサタグは、盗難の予備行為を検出する盗難検出手段と、盗難検出手段が盗難の予備行為を検出すると警報音を出力する警報音出力手段とを備えており、送受信アンテナは、警報音出力手段で発生する電磁波ノイズを検出する警報作動検出手段と、警報作動検出手段が電磁波ノイズを検出すると警報信号を出力する補助警報出力手段とを備えている。
 また、盗難検出手段は、送受信アンテナの送信器から無線送信される作動指示用信号を受信手段にて受信し、この受信によって盗難の予備行為の発生を検知する。
 特許文献2に記載する異常検知装置は、検知すべき警報音に含まれる音特徴の周波数成分を周波数分析により求める周波数分析手段と、周波数分析手段が出力する音特徴周期における音特徴の周波数成分の時間変化を示す時間変化パターンと音特徴周期以前の周期における時間変化パターンとの類似度を求める類似性検知手段を備え、類似性検出手段の出力の大きさから警報音を検知するものである。
 特許文献3では、盗難防止タグの受信回路として、抵抗、コンデンサ及びコイルからなる共振回路が共振し、この共振電圧でトランジスタを駆動する構成が開示されている。
 特許文献4では、盗難防止タグの受信感度を調整するものとして、アンテナから入力された受信信号を信号増幅部において増幅し、入力回路のトランジスタのバイアス電圧を調整して電波受信感度を調整する構成が開示されている。
 特許文献5では、アンテナか出力される高周波信号を受信するために、コイルとコンデンサを並列接続したLC共振器を備える受信回路が開示されており、この受信回路が励起信号を受信することにより、警報を発する等のセキュリティ動作を行う。
特許第3138429 特許第5489927 特許第3099107 特開2000-348270 特開2008-99007
 特許文献1に記載する構成では、自鳴式のセンサタグの警報出力手段であるブザーから発する電磁波ノイズを警報作動検出手段のノイズ検出用アンテナで検出するので、ノイズ検出用アンテナの周囲に照明装置、電気機器、電源ライン等の電磁波ノイズ発生源が存在すると、それらの電磁波ノイズに阻害されてノイズ検出用アンテナがセンサタグの警報出力手段から発する電磁波ノイズを受信できない事象が発生するおそれがある。
 また、自鳴式のセンサタグのブザーから発する電磁波ノイズはその出力がきわめて小さいので、ノイズ検出用アンテナで受信可能な距離は2m程度となり、かつ受信アンテナは30cm(幅)*1.5m(高さ)ほどの大きなアンテナとなる。このため、店舗入口にノイズ検出用アンテナを配置する場合に、店舗入口の開口幅が広い場合にはアンテナの受信可能な距離に見合って多数のノイズ検出用アンテナを店舗入口に配置する必要があり、店舗入口付近における美観阻害要因となり、高級品販売店舗等においてそのイメージを損ねる場合があった。
 また、従来の盗難防止タグでは、共振回路(受信アンテナ)の出力をトランジスタで受ける構成が一般的であり、トランジスタはその消費電流を抑えるために動作電流を1μA程度としており、その動作領域ではトランジスタの電流増幅率が低くなるために、盗難防止タグの受信アンテナの受信感度は80mV程度に低くなるという問題があった。
 一般的な電気通信機器における検波回路に使用するコンパレータは、信号受信感度がトランジスタに比べて10mVと高感度であるが、消費電流がトランジスタに比べて10倍以上であり、盗難防止タグに搭載するバッテリではコンパレータの消費電流を長期にわたって確保することは困難であり、コンパレータを盗難防止タグに搭載することは困難であった。
 ここでいうコンパレータは、集積回路で作ったコンパレータ、例えばON Semiconductor社のNCX2200や、NCV2200などであり、あるいはマイクロプロセッサに組み込まれたコンパレータ、例えばTexas Instrumemts社のMSP430F1111Aなどに組み込まれたコンパレータである。
 受信アンテナでの電波信号の受信感度が低い盗難防止タグに、適切な信号レベルで電波信号(トリガー信号)を盗難防止タグに到達させるためには、送信アンテナとして40cm(幅)*1m(高さ)ほどの大型のアンテナが必要であった。しかし、店舗入口付近に配置する大型のアンテナは、美観阻害要因となり、高級品販売店舗等においてそのイメージを損ねる場合があった。
 また、LC共振器を組み込んだ盗難防止タグの同調型高周波受信回路では、検出感度が共振器と受信回路の性能に依存し、検出感度が不足し、セキュリティシステムの多様化に対応できない場合があった。
 また、トランジスタは、電源効率が悪く消費電力が大きくなり、放熱を考慮した構造が不可欠となり、小型化も困難であった。
 本発明は上記課題を解決するものであり、自鳴式盗難防止タグが窃盗行為事象の発生時に警報を発する異常状態に至ると、この異常状態を電磁波ノイズに阻害されることなく、離れた位置において確実に検出することができる音認識盗難防止システムを提供することを目的とする。
 上記課題を解決するために、本発明の音認識盗難防止システムは、盗難警戒領域内に配置した対象物に装着され、窃盗行為事象の発生時に特定アラーム音を発報する自鳴式盗難防止タグと、盗難警戒領域の出入口付近においてトリガー信号を送信するトリガー信号送信部と、自鳴式盗難防止タグが発報するアラーム音を識別する警報音識別部を備え、自鳴式盗難防止タグは、特定アラーム音として第一アラーム音と第二アラーム音を発報可能な警報音発報部と、窃盗行為に起因して電気回路が開閉する異常事態検知スイッチ部と、トリガー信号送信部から送信されたトリガー信号を検知するトリガー信号受信部と、異常事態検知スイッチ部が作動した時に警報発報部に第一アラーム音を発報させ、トリガー信号受信部がトリガー信号を検知した時に警報発報部に第二アラーム音を発報させるタグ制御部を有し、警報音識別部は、自鳴式盗難防止タグが発報する二つのアラーム音のうちで少なくとも一方のアラーム音を認識して窃盗行為事象の発生を検知することを特徴とする。
 本発明の音認識盗難防止システムにおいて、複数の盗難警戒領域のそれぞれに自鳴式盗難防止タグおよび警報音識別部を備え、各自鳴式盗難防止タグの警報音発報部は、各盗難警戒領域ごとに異なる音特徴の特定アラーム音を発報し、各警報音識別部は、対応する盗難警戒領域に配置した自鳴式盗難防止タグが発報する特定アラーム音のみを認識し、この特定アラーム音を認識したときに対応する盗難警戒領域において窃盗行為事象が発生したことを検知することを特徴とする。
 本発明の音認識盗難防止システムにおいて、各自鳴式盗難防止タグは、各盗難警戒領域ごとに異なるタグ識別コードを有し、警報音発報部が発報する特定アラーム音がタグ識別コードごとに異なる音特徴を有することを特徴とする。
 本発明の音認識盗難防止システムにおいて、各自鳴式盗難防止タグは、タグ識別コードを変更可能に格納するタグ識別コード格納部を有し、警報音発報部がタグ識別コード格納部に格納したタグ識別コードに応じて当該タグ識別コード毎に固有のアラーム音を発報することを特徴とする。
 本発明の音認識盗難防止システムにおいて、タグ制御部は、異常事態検知スイッチ部とトリガー信号受信部の何れから入力信号を受けたかを認識し、第一アラーム音の発報か第二アラーム音の発報かを判断する信号処理部と、信号処理部の指示を受けて警報音発報部へ第一アラーム音を発するための第一アラーム駆動信号か第二アラーム音を発するための第二アラーム駆動信号の何れかを出力するアラーム制御部を備えることを特徴とする。
 本発明の音認識盗難防止システムにおいて、警報音識別部は、自鳴式盗難防止タグが発報する第一アラーム音を認識して盗難警戒領域内で窃盗行為事象が発生したことを検知する第一警報音識別装置を備えることを特徴とする。
 本発明の音認識盗難防止システムにおいて、警報音識別部は、自鳴式盗難防止タグが発報する第二アラーム音を認識して盗難警戒領域の出入口付近で窃盗行為事象が発生したことを検知する第二警報音識別装置を備えることを特徴とする。
 本発明の音認識盗難防止システムにおいて、警報音識別部は、自鳴式盗難防止タグが発報する第一アラーム音を認識して盗難警戒領域内で窃盗行為事象が発生したことを検知する第一警報音識別装置と、自鳴式盗難防止タグが発報する第二アラーム音を認識して盗難警戒領域の出入口付近で窃盗行為事象が発生したことを検知する第二警報音識別装置を備えることを特徴とする。
 本発明の音認識盗難防止システムにおいて、警報音識別部は、自鳴式盗難防止タグが発報するアラーム音を入力するマイクと、マイクにアラーム音を導く音導管を有し、音導管の実効長さがアラーム音の波長の1/4±1/12の範囲であることを特徴とする。
 本発明の音認識盗難防止システムにおいて、自鳴式盗難防止タグのトリガー信号受信部は、トリガー信号を受信するタグ受信アンテナと、タグ受信アンテナがトリガー信号を受信したことを示す信号をタグ制御部へ送信するコンパレータを有し、タグ制御部は、コンパレータへ供給する電力を制御してコンパレータを間欠的に動作状態とするコンパレータ電源制御部を有することを特徴とする。
 本発明の音認識盗難防止システムにおいて、タグ制御部は、コンパレータへ入力する比較しきい値電圧を変更して自鳴式盗難防止タグのトリガー信号受信部の感度を設定する感度調整部を有することを特徴とする。
 本発明の音認識盗難防止システムにおいて、自鳴式盗難防止タグのトリガー信号受信部は、共振器用コイルおよび共振器用コンデンサが並列接続される共振器と、ベース端子が前記共振器に接続されるトランジスタと、前記トランジスタのエミッタ端子と接続される帰還用コイルを有し、前記共振器が共振することにより前記トランジスタが活性化されて前記帰還用コイルによって前記共振器に正帰還がかかることを特徴とする。
 本発明の音認識盗難防止システムにおいて、自鳴式盗難防止タグのトリガー信号受信部は、前記トランジスタに供給されるバイアス電圧を制御するバイアス制御回路を備えることを特徴とする。
 本発明の音認識盗難防止システムにおいて、トリガー信号送信部は、コイルおよびコンデンサからなる共振回路と、外部から第1の駆動信号が入力されて、前記共振回路を駆動する第2の駆動信号を出力する電力制御MOSトランジスタ用の第1のゲートドライバを有し、前記第1のゲートドライバの出力信号は電圧および電流の少なくとも一方が前記第1の駆動信号より高いことを特徴とする。
 本発明の音認識盗難防止システムにおいて、トリガー信号送信部は、前記共振回路の前記第1のゲートドライバが接続される端部と逆側の端部に、前記第1のゲートドライバと同一特性で逆位相となる第2のゲートドライバを有することを特徴とする。
 本発明の音認識盗難防止システムにおいて、トリガー信号送信部は、前記第1のゲートドライバの入力端子に接続される電圧比較器を有し、前記電圧比較器の一方の入力端子には抵抗とコンデンサからなる時定数回路を介して前記第1の駆動信号が入力され、他方の入力端子には制御電圧が入力され、前記制御電圧の制御により前記第2の駆動信号のデューティー比が調整されて、前記第1のゲートドライバの出力電圧が制御されることを特徴とする。
 本発明の音認識盗難防止システムにおいて、トリガー信号送信部は、前記第1のゲートドライバおよび前記第2のゲートドライバの入力端子のそれぞれに接続される2つの電圧比較器を有し、各前記電圧比較器の一方の入力端子には抵抗とコンデンサからなる時定数回路を介して前記第1の駆動信号が入力され、他方の入力端子には制御電圧が入力され、前記制御電圧の制御により前記第2の駆動信号のデューティー比が調整されて、出力電圧が制御されることを特徴とする。
 本発明の音認識盗難防止システムにおいて、トリガー信号送信部は、盗難警戒領域の出入口付近で盗難防止タグに向けてトリガー信号を送信するアンテナ線を有し、アンテナ線は盗難警戒領域の出入口付近の床面内にワンターン状に布設してなることを特徴とする。
 本発明の音認識盗難防止システムにおいて、トリガー信号送信部は、盗難警戒領域の出入口付近で盗難防止タグに向けてトリガー信号を送信するアンテナ線を有し、アンテナ線は盗難警戒領域の出入口付近に配置したファサードサイン内に配設したことを特徴とする。
 本発明の音認識盗難防止システムにおいて、自鳴式盗難防止タグのタグ制御部を制御するリモコン制御信号を送信するリモートコントロールを有し、リモートコントロールはリモコン制御信号として、感度調整部のコンパレータへ入力する比較しきい値電圧の変更を指示する感度制御信号を送信することを特徴とする。
 以上のように本発明によれば、自鳴式盗難防止タグは窃盗行為事象が発生した場所によって異なる音特徴をもつ警報音を発報するので、自鳴式盗難防止タグが警報音の発報により窃盗行為事象の発生を知らせる異常状態に至ると、第一アラーム音が発報したときには窃盗行為事象の発生場所が盗難警戒領域の内方域であると判断でき、第二アラーム音が発報したときには窃盗行為事象の発生場所が盗難警戒領域の出入口付近であると判断でき、発報後の警備担当者の速やかな行動を促進することができる。
 自鳴式盗難防止タグが発報する警報音である第一アラーム音もしくは第二アラーム音を警報音識別部で認識して窃盗行為事象の発生を検知するので、従来の電波を検知する場合のように照明装置、電気機器、電源ライン等から発せられる電磁波ノイズに阻害されることはなく、盗難警戒領域での窃盗行為事象の発生を確実に検知することができる。
 警報音は従来の電磁波ノイズに比べて到達距離が大きいものを容易に発することができるので、警報音識別部は離れた位置においても音特徴の異なる第一アラーム音と第二アラーム音を誤りなく確実に識別することができ、従来の電磁波ノイズ等の電波を受信する大型の受信アンテナが不要となり、小型のトリガー信号送信部だけの構成となるので、盗難防止システムの小型化を実現できる。よって、店舗入口付近に配置する第二警報音識別装置の設置台数を低減でき、高級品販売店舗等における出入口付近の美観を損なう要因を抑制できる。
 自鳴式盗難防止タグが発報する特定アラーム音が各盗難警戒領域ごとに異なる音であり、各警報音識別部は、対応する盗難警戒領域に配置した自鳴式盗難防止タグが発報する特定アラーム音のみを認識するので、他の盗難警戒領域にある自鳴式盗難防止タグの発報に因って誤作動することを確実に防止できる。
 各自鳴式盗難防止タグは、警報音発報部が発報する特定アラーム音がタグ識別コードごとに異なる音特徴を有するので、複数の店舗が隣合わせに並んでいる商業施設において、少なくとも隣合う店舗にはタグ識別コードが異なる自鳴式盗難防止タグを配置することで、隣合う店舗で同じ盗難防止システムを使用しても誤作動することを防止できる。
 さらに、一般的なタグでは発報させないと特定アラーム音の音特徴を確認できないが、タグ識別コードと特定アラーム音を一意的に定めることで、自鳴式盗難防止タグを発報させずともタグ識別コードを確認するだけで特定アラーム音の違いを識別することができる。
 また、警報音発報部がタグ識別コード格納部に格納したタグ識別コードに応じて当該タグ識別コードに固有のアラーム音を発報するので、特定アラーム音の変更は、タグ識別コードの変更によって容易に行える。
 コンパレータを間欠的に動作させて平均消費電流を低減し消費電力量を抑制することで、盗難防止タグにおけるコンパレータの使用を可能にし、トリガー信号の受信感度の向上を図り、その結果としてトリガー信号を送信する送信アンテナの小型化を実現できる。
 共振器を構成する共振器用コイルに対して正帰還動作をする帰還用コイルを設けることにより、共振信号の出力を増大させて、効率的に同調型高周波受信回路の高感度化を図ることができる。
 自鳴式盗難防止タグの高感度化が可能になるので、床の中やファサードサイン内部にワンターン状のアンテナ線を設置してオープンなエントランスを実現することができる。
本発明の実施例1における盗難防止タグの構成を示すブロック図 同実施例1における警報音識別部とトリガー信号送信部および送信アンテナを一体に組み合わせた構成を示す模式図 同トリガー信号送信部の要部を示すブロック図 同警報音識別部の要部を示すブロック図 同実施例1における音特徴解析部の構成を示す模式図 同実施例1における盗難防止システムを示す模式図 同実施例1における第一アラーム音および第二アラーム音の構成を示す模式図 同実施例1における盗難防止タグのアクティブ状態およびスリープ状態の周期と送信アンテナの出力周期を示す模式図 同実施例1におけるタグ感度とトリガー信号によるタグ発報領域を示す模式図 実施例2における警報音識別部とトリガー信号送信部および送信アンテナの基本的構成を示す模式図 同実施例2におけるO(オー)ループアンテナの配置構成を示す模式図 同実施例2における8(エイト)ループアンテナの配置構成を示す模式図 ループアンテナの配置構成を示す断面図 同ループアンテナンテナの配置構成を示す模式図 実施例3における同調型高周波受信回路の構成を示す図 実施例3における同調型高周波受信回路の構成を示す図 実施例4におけるトリガー信号送信回路の構成を説明する回路図 同実施例4のトリガー信号送信回路における出力停止時の動作を説明する図 同実施例4のトリガー信号送信回路における出力再開時の動作を説明する図 実施例5における高周波信号発生回路の構成を示す図 実施例6における高周波信号発生回路の構成を示す図 実施例7における高周波信号発生回路の構成を示す図 実施例7における高周波信号発生回路の出力周波数特性を示す図 音導管の形態を示す図 音導管の実効長さと受音回数の関係を示すグラフ図
(実施例1)
 以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態では、本発明を複数の盗難警戒領域に適用する場合について説明するが、本発明は単一の盗難警戒領域にも適用可能である。
(実施例1)
 図6に示すように、本実施例の音認識盗難防止システムは、通路Sに沿って複数の店舗を隣合わせ、もしくは近接して配置する商業施設等において実施されるものであり、複数の店舗のそれぞれを独立した盗難警戒領域A、B、Cとしている。
 複数の盗難警戒領域A、B、Cのそれぞれには、盗難警戒対象物に装着して配置する複数の自鳴式盗難防止タグ100A、100B、100Cと、各盗難警戒領域A、B、Cのそれぞれの出入口付近においてトリガー信号を送信するトリガー信号送信部200A、200B、200Cと、自鳴式盗難防止タグ100A、100B、100Cが発報する第一アラーム音Am1A、Am1B、Am1Cを識別する第一警報音識別装置301A、301B、301Cと、盗難警戒領域の出入口付近に配置し、自鳴式盗難防止タグ100A、100B、100Cが発報する第二アラーム音Am2A、Am2B、Am2Cを識別する第二警報音識別装置302A、302B、302Cと、各第二警報音識別部302A、302B、302Cに連動する監視カメラ装置400A、400B、400Cを設けている。
 トリガー信号送信部200A、200B、200Cは、図3に示すように、電源部201、アンテナ送信信号発生部202、アンテナ同調・パワーアンプ部203、送信アンテナ(アンテナ巻線)204を有している。図2に示すように、トリガー信号送信部200A、200B、200Cと第二警報音識別装置302A、302B、302Cは一体に組み合わせた装置としても良い。トリガー信号送信部200A、200B、200Cが送信するトリガー信号は、全ての盗難警戒領域A、B、Cに共通の信号であっても良く、それぞれの盗難警戒領域A、B、Cに固有の信号であっても良く、後述するタグ識別信号を含むものであっても良い。
 第一警報音識別装置301A、301B、301Cは、自鳴式盗難防止タグ100A、100B、100Cが発報する第一アラーム音Am1A、Am1B、Am1Cを認識して盗難警戒領域A、B、Cの内方域で窃盗行為事象が発生したことを検知し、第二警報音識別装置302A、302B、302Cは、自鳴式盗難防止タグ100A、B、Cが発報する第二アラーム音Am2A、Am2B、Am2Cを認識して盗難警戒領域A、B、Cの出入口付近で窃盗行為事象が発生したことを検知する。
 各第二警報音識別部302A、302B、302Cは、対応する盗難警戒領域A、B、Cに配置した自鳴式盗難防止タグ100A、100B、100Cが発報する特定アラーム音のみを認識し、監視カメラ装置400A、400B、400Cは警報音識別部A、B、Cが窃盗行為事象の発生を通知する第二アラーム音Am2A、Am2B、Am2Cを検知したときに、対応する盗難警戒領域A、B、Cの出入口付近を撮影する。
 図6において、第一警報音識別装置301A、301B、301Cは、それぞれASD1A、ASD1B、ASD1Cの符号を付して表示する。第二警報音識別装置302A、302B、302Cは、トリガー信号送信部200A、200B、200Cと一体の装置として出入口付近に配置する構成を、それぞれASD21A、ASD21B、ASD21Cの符号を付して表示する。また、第二警報音識別装置302A、302B、302Cは、トリガー信号送信部200A、200B、200Cとは別体の装置として出入口付近に配置する構成を、それぞれASD22A、ASD22B、ASD22Cの符号を付して表示する。実際においては、第二警報音識別装置302A、302B、302Cは、ASD21A、ASD21B、ASD21CもしくはASD22A、ASD22B、ASD22Cの一方を配置するが、ここでは便宜的に二つの構成を併記している。
 第一警報音識別装置301A、301B、301Cおよび第二警報音識別装置302A、302B、302Cは、同じ構成を有し、図4に示すように、マイク310、音特徴解析部320、音特徴記憶部330、音特徴比較部340、アラーム部350、アラームブザー360、有線アラーム信号送信部370、無線アラーム信号送信部371(無線アンテナ372)を備えている。有線アラーム信号送信部370、無線アラーム信号送信部371は何れか一方でよい。
 マイク310は、盗難防止タグ100等から発報される警報音を取り込むものであり、ここでは微弱なマイクロホン信号を増幅する機能を含むとともに、警報音の周波数成分を主として通過させるフィルタ機能を含んでいる。マイク310は、マイク310に第一アラーム音Am1A、Am1B、Am1Cもしくは第二アラーム音Am2A、Am2B、Am2Cを導く音導管311を有しており、音導管311は、その実効長さがアラーム音の波長の1/4付近であることが望ましい。
 たとえば、図24に示すように、音導管311は塩化ビニールパイプからなり、その実効長さL2は実長さL1からマイク310の長さを引いた値であり、本実施例では第一アラーム音Am1A、Am1B、Am1Cもしくは第二アラーム音Am2A、Am2B、Am2Cの波長λの1/4である。
 図25は横軸が音導管311の実効長さであり、縦軸がアラーム音を認識するのに要した受音回数である。例えば縦軸の1は間欠的に発するアラーム音を1回の受音で認識したことを示し、縦軸の2は間欠的に発するアラーム音を2回の受音で認識したことを示す。図25はアラーム音を認識しやすい音導管311の実効長さがλ/4±λ/12の範囲であることを示している。
 音特徴解析部320は、マイク310から取り込んだ音、すなわち取得音の音特徴を解析するものである。この音特徴解析部320の解析手法は以下のものである。すなわち、マイク310から取り込んだ音を周波数分析し、第一アラーム音Am1A、Am1B、Am1Cもしくは第二アラーム音Am2A、Am2B、Am2Cが含む特定の周波数の周波数成分、例えば振幅成分を警報音周波数成分W(t)として求める。この警報音周波数成分の時間変化波形において、特定周期における時間変化波形を時間変化パターンとして求める。
 盗難警戒領域Aでは、第一警報音識別装置301Aの音特徴記憶部330が第一アラーム音Am1Aの音特徴である第一アラーム音時間変化パターンを記憶しており、第二警報音識別装置302Aの音特徴記憶部330が第二アラーム音Am2Aの音特徴である第二アラーム音時間変化パターンを記憶している。
 盗難警戒領域Bでは、第一警報音識別装置301Bの音特徴記憶部330が第一アラーム音Am1Bの音特徴である第一アラーム音時間変化パターンを記憶しており、第二警報音識別装置302Bの音特徴記憶部330が第二アラーム音Am2Bの音特徴である第二アラーム音時間変化パターンを記憶している。
 盗難警戒領域Cでは、第一警報音識別装置301Cの音特徴記憶部330が第一アラーム音Am1Cの音特徴である第一アラーム音時間変化パターンを記憶しており、第二警報音識別装置302Cの音特徴記憶部330が第二アラーム音Am2Cの音特徴である第二アラーム音時間変化パターンを記憶している。
 第一警報音識別装置301A、301B、301Cは、それぞれの音特徴解析部320で解析した音の音特徴、すなわちマイク310で取り込んだ取得音の音特徴である時間変化パターンと、それぞれの音特徴記憶部330に記憶した第一アラーム音Am1A、Am1B、Am1Cの音特徴である第一アラーム音時間変化パターンとを比較し、音特徴が一致する場合に取得音が登録(記憶)された警報音であると判断し、アラーム部350に通知する。
 第二警報音識別装置302A(302B、301C)は、それぞれの音特徴解析部320で解析した音の音特徴、すなわちマイク310で取り込んだ取得音の音特徴である時間変化パターンと、音特徴記憶部330に記憶した第二アラーム音Am2A(Am2B、Am2C)の音特徴である第二アラーム音時間変化パターンと比較し、音特徴が一致する場合に取得音が登録(記憶)された警報音であると判断し、アラーム部350に通知する。第二警報音識別装置302A(302B、301C)は、アラーム部350に通知するとともに、監視カメラ装置400A(400B、400C)を操作して盗難警戒領域A(B、C)の出入口部を撮影する。
 音特徴解析部320および音特徴記憶部330は図5に示す構成とすることも可能である。音特徴解析部320は、警報音周波数分析処理部320Aと類似性検知処理部320Bを備えている。警報音周波数分析処理部320Aは、マイク310から取り込んだ音を解析対象音を周波数分析する。そして、解析対象音に含まれた特定の周波数の周波数成分、つまり第一アラーム音Am1A、Am1B、Am1Cもしくは第二アラーム音Am2A、Am2B、Am2Cが有する特定の周波数の周波数成分、例えば振幅成分を警報音周波数成分W(t)として求める。
 類似性検知処理部320Bは、警報音周波数分析処理部320Aの出力波形に表れる警報音周波数成分W(t)の時間変化波形を捉え、その時間変化波形の特定周期における警報音周波数成分W(t)の時間変化波形を時間変化パターンとして求める。そして、この特定周期における時間変化パターンと特定周期以前の周期における時間変化パターンとの自己相関性を計算し、解析対象音の類似性評価指数である検出係数Erを算出する。
 音特徴記憶部330は、目標音の警報音基本周波数と、目標音の警報音特定周期と、目標音の基準検出係数ERを記憶している。目標音の警報音基本周波数は、第一アラーム音Am1A(Am1B、Am1C)もしくは第二アラーム音Am2A(Am2B、Am2C)の周波数であり、この警報音基本周波数を警報音周波数分析処理部320Aの分析処理における特定の周波数として使用する。
 目標音の警報音特定周期は、第一アラーム音Am1A(Am1B、Am1C)もしくは第二アラーム音Am2A(Am2B、Am2C)の周期であり、この警報音特定周期を類似性検知処理部320Bの類似性検知処理における特定周期として使用する。
 目標音の警報音基準検出係数ERは、警報音周波数分析処理部320Aにおける手法に準じて、第一アラーム音Am1A(Am1B、Am1C)もしくは第二アラーム音Am2A(Am2B、Am2C)の警報音周波数成分W(t)を求め、さらに類似性検知処理部320Bにおける手法に準じて求めた自己相関性を示す類似性評価指数である。
 音特徴比較部340では、音特徴解析部320で求めた解析対象音の類似性評価指数である検出係数Erと、音特徴記憶部330に記憶した目標音の警報音基準検出係数ERとを比較し、その一致度からマイク310から取り込んだ音に警報音が含まれるか、否かを検知する。
 アラーム部350は、音特徴比較部340からの通知を受けてアラームブザー360を駆動して第一アラーム音や第二アラーム音とは異なる音特徴で大きな音量の別途の警報音を発報し、さらに有線アラーム信号送信部370や無線アラーム信号送信部371(無線アンテナ372)を通して警備室等に配置したセキュリティシステム管理装置に情報を有線もしくは無線で配信する。
 以下に、アラーム音について説明する。自鳴式盗難防止タグ100A、100B、100Cは、各盗難警戒領域A、B、Cごとに異なるタグ識別コードIDA、IDB、IDCを有し、タグ識別コードIDA、IDB、IDCごとに関連付けられた異なる音特徴の特定アラーム音が設定されている。
 すなわち、自鳴式盗難防止100Aは、タグ識別コードIDAに関連付けられた第一アラーム音Am1Aと第二アラーム音Am2Aの何れか発報し、自鳴式盗難防止100Bはタグ識別コードIDBに関連付けられた第一アラーム音Am1Bと第二アラーム音Am2Bの何れかを発報し、自鳴式盗難防止100Cはタグ識別コードIDCに関連付けられた第一アラーム音Am1Cと第二アラーム音Am2Cの何れかを発報する。
 本実施例は、複数の店舗のそれぞれを独立した盗難警戒領域A、B、Cとして説明するが、本発明は一つの店舗において個々に仕切られた複数の売場、例えばおもちゃ売り場、パソコン関連売場等を設ける場合に、売場毎に異なるタグ識別コードを設定することでも適用可能である。また、タグ識別コードIDA、IDB、IDCは、後述するリセット信号の店舗毎あるいは売場毎の識別情報として使用することも可能である。
 本実施例において、アラーム音は、数kHzの音が1秒に数回、間欠的に発報するタイプである。また、アラーム音は間欠的に発砲するだけでなく、例えば2kHzから4kHzまでスイープする音であっても良い。
 このアラーム音は、後述する警報音発報部がタグ識別コード格納部に格納したタグ識別コードに応じて当該タグ識別コードに固有の特定アラーム音として発報する。
 具体的には、図7に示すように、第一アラーム音Am1A、Am1B、Am1Cおよび第二アラーム音Am2A、Am2B、Am2Cは、キャリア周波数F、鳴動期間T1、鳴動間隔T2、タグ識別コードIDA、IDB、IDCとして次式で定義される。ここでは3つのタグ識別コードIDA、IDB、IDCに対してそれぞれ0、1、2の値を割り当て、キャリア周波数Fの周波数増幅割合50Hz、鳴動時間T1の増幅時間5msとする。タグ識別コードの数に制限はないが、実際には店舗の間口の大きさとアラーム音の到達距離から定まり、8個程度で十分に識別機能を発揮できる。
 第一アラーム音Am1A
 F=F(IDA)=3.1kHz+50Hz×0=3.1kHz
 T1=T1(IDA)=70ms+5ms×0=70ms
 T2=T2(IDA)=180ms+5ms×0=180ms
 すなわち、周波数3.1kHzの音が70msの期間継続し、その後110msの期間鳴り止み、180msの間隔で間欠的に発報する音特徴を有している。
 第一アラーム音Am1B
 F=F(IDB)=3.1kHz+50Hz×1=3.15kHz
 T1=T1(IDB)=70ms+5ms×1=75ms
 T2=T2(IDB)=180ms+5ms×1=185ms
 すなわち、周波数3.15kHzの音が75msの期間継続し、その後110msの期間鳴り止み、185msの間隔で間欠的に発報する音特徴を有している。
 第一アラーム音Am1C
 F=F(IDC)=3.1kHz+50Hz×2=3.2kHz
 T1=T1(IDC)=70ms+5ms×2=80ms
 T2=T2(IDC)=180ms+5ms×2=190ms
 すなわち、周波数3.2kHzの音が80msの期間継続し、その後110msの期間鳴り止み、190msの間隔で間欠的に発報する音特徴を有している。
 第二アラーム音Am2A
 F=F(IDA)=3.6kHz+50Hz×0=3.6kHz
 T1=T1(IDA)=50ms+5ms×0=50ms
 T2=T2(IDA)=150ms+5ms×0=150ms
 すなわち、周波数3.6kHzの音が50msの期間継続し、その後100msの期間鳴り止み、150msの間隔で間欠的に発報する音特徴を有している。
 第二アラーム音Am2B
 F=F(IDB)=3.6kHz+50Hz×1=3.65kHz
 T1=T1(IDB)=50ms+5ms×1=55ms
 T2=T2(IDB)=150ms+5ms×1=155ms
 すなわち、周波数3.65kHzの音が55msの期間継続し、その後100msの期間鳴り止み、155msの間隔で間欠的に発報する音特徴を有している。
 第二アラーム音Am2C
 F=F(IDC)=3.6kHz+50Hz×2=3.7kHz
 T1=T1(IDC)=50ms+5ms×2=60ms
 T2=T2(IDC)=150ms+5ms×2=160ms
 すなわち、周波数3.7kHzの音が60msの期間継続し、その後100msの期間鳴り止み、160msの間隔で間欠的に発報する音特徴を有している。
 本実施例では、自鳴式盗難防止タグ100が特定アラーム音として音特徴の異なる二つの音を発報するが、音特徴が異なる2つ以上の音であってもよい。
 このように、自鳴式盗難防止タグ100A、100B、100Cが発報する特定アラーム音である第一アラーム音Am1A、Am1B、Am1Cおよび第二アラーム音Am2A、Am2B、Am2Cが各盗難警戒領域A、B、Cごとに異なる音であり、各警報音識別部301A、301B、301C、302A、302B、302Cは、対応する盗難警戒領域A、B、Cに配置した自鳴式盗難防止タグ100A、100B、100Cが発報する特定アラーム音のみを認識するので、他の盗難警戒領域A、B、Cにある自鳴式盗難防止タグ100A、100B、100Cの発報に因って誤作動することを確実に防止できる。
 各自鳴式盗難防止タグ100A、100B、100Cは、警報音発報部が発報する特定アラーム音がタグ識別コードごとに異なる音特徴を有するので、複数の店舗が隣合わせに並んでいる商業施設において、少なくとも隣合う店舗にはタグ識別コードが異なり、異なる音特徴をもつ自鳴式盗難防止タグを配置することで、隣合う店舗で同じ盗難防止システムを使用しても誤作動することを防止できる。
 さらに、一般的なタグでは発報させないと特定アラーム音の音特徴を確認できないが、タグ識別コードIDA、IDB、IDCと第一アラーム音Am1A、Am1B、Am1Cおよび第二アラーム音Am2A、Am2B、Am2Cとの関係を一意的に定めることで、自鳴式盗難防止タグ100A、100B、100Cを発報させずともタグ識別コードIDA、IDB、IDCを確認するだけで特定アラーム音の違いを識別することができる。
 また、後述する警報音発報部110がタグ識別コード格納部151に格納したタグ識別コードIDA、IDB、IDCに応じて当該タグ識別コードIDA、IDB、IDCに固有のアラーム音を発報するので、特定アラーム音の変更は、タグ識別コードIDA、IDB、IDCの変更によって容易に行える。
 図1に示すように、自鳴式盗難防止タグ100A、100B、100Cは、警報発報部110と窃盗行為事象検知部120と感度調整部130とタグ制御部140およびバッテリVBを備えている。警報発報部110は、警報音として第一アラーム音Am1A、Am1B、Am1Cおよび第二アラーム音Am2A、Am2B、Am2Cを発報可能なブザー111と、ブザー111を駆動するためのブザー駆動回路112を有している。窃盗行為事象検知部120は、窃盗行為に起因して電気回路が開閉する異常事態検知スイッチ部121を有している。
 図1においては異常事態検知スイッチ部121を例示する構成として便宜的に二つのものを同時に開示しているが、本来は何れか一方である。その一つは自鳴式盗難防止タグ100A、100B、100Cと対象物との間に掛け渡されたワイヤスイッチ122であり、窃盗行為によってワイヤスイッチ122の切断や引抜が生じると、正常状態において閉じられていた回路が開いて異常を示す信号が送信される。他の一つは、押圧スイッチ123であり、自鳴式盗難防止タグ100A、100B、100Cが対象物に装着された正常状態で回路が閉じた状態となり、自鳴式盗難防止タグ100A、100B、100Cが対象物から取り外された異常状態で回路が開いた状態となって異常を示す信号が送信される。
 窃盗行為事象検知部120は、トリガー信号送信部200A、200B、200Cから送信されたトリガー信号を検知するトリガー信号受信部124を有しており、トリガー信号受信部124は管理者が操作するリモコン125から送信するリモコン制御信号もしくはトリガー信号送信部200A、200B、200Cから送信するトリガー信号を受信するタグ受信アンテナ(共振回路)126と、タグ受信アンテナ126がトリガー信号を受信したことを示す信号を送信するコンパレータ127を備えている。
 なお、リモコン125は自鳴式盗難防止タグ100A、100B、100Cを警戒状態にするセット信号および発報した警報音を停止させるリセット信号を自鳴式盗難防止タグ100A、100B、100Cに送信する。このリセット信号にタグ識別コードを含ませることで、セキュリティーの向上を図ることも可能である。
 感度調整部130は、コンパレータ127へ入力する比較しきい値電圧(スレショルド電圧)を変更して窃盗行為事象検知部120の感度を設定するものであり、感度設定部131と後述する感度記憶部144と感度出力部145で構成される。感度設定部131は、抵抗値の異なる複数の抵抗R4、R3、R2を有しており、タグ制御部140を構成するCPUの複数の出力ポートP0、P1、P2の出力を組み合わせることでコンパレータ127の比較しきい値電圧(スレショルド電圧)を設定する。
 例示1 高感度
 出力ポートP0をロジック出力Loとし、P1、P2をロジック出力Hiとすると、抵抗R3(2M)、R2(4M)を通ってコンパレータ127へ最も低い値の比較しきい値電圧(スレショルド電圧)が入力されてコンパレータ127の感度が上がり、窃盗行為事象検知部120が高感度となる。
 例示2 中感度
 出力ポートP0をロジック出力Hiとし、P1、P2をロジック出力Loとすると、抵抗R4(33k)を通ってコンパレータ127へ中間値の比較しきい値電圧(スレショルド電圧)が入力されてコンパレータ127の感度が中程度となり、窃盗行為事象検知部120が中感度となる。
 例示3 低感度
 出力ポートP0、P1、P2をロジック出力Hiとすると、抵抗R4(33k)、抵抗R3(2M)、R2(4M)を通ってコンパレータ127へ最も高い値の比較しきい値電圧(スレショルド電圧)が入力されてコンパレータ127の感度が低下して、窃盗行為事象検知部120が低感度となる。
 タグ制御部140は、警報発報部110を制御して、異常事態検知スイッチ部121が作動した時に第一アラーム音を発報させ、トリガー信号受信部127がトリガー信号を検知した時に第二アラーム音を発報させるものであり、信号処理部141、アラーム制御部142、コンパレータ電源制御部143、感度記憶部144、感度出力部145を有している。
 信号処理部141は、窃盗行為事象検知部120の異常事態検知スイッチ部121とトリガー信号受信部124の何れから入力信号を受けたかを認識し、第一アラーム音の発報か第二アラーム音の発報かを判断する。
 アラーム制御部142は、信号処理部141の指示を受けてタグ識別コード格納部151に格納した上述のタグ識別コードに応じて当該タグ識別コードに固有のアラーム音を発報する特定アラーム音駆動信号をブザー駆動回路112へ出力するものであり、ここでは第一アラーム音を発するための第一アラーム駆動信号か第二アラーム音を発するための第二アラーム駆動信号の何れかをブザー駆動回路112へ出力する。自鳴式盗難防止タグ100A、100B、100Cは、タグ識別コード格納部151に各盗難警戒領域A、BCごとに異なるタグ識別コードを変更可能に格納しており、タグ識別コード格納部151に格納したタグ識別コードに応じて当該タグ識別コードに固有のアラーム音を発報するので、特定アラーム音の変更は、タグ識別コードの変更によって容易に行える。また、この特定アラーム音は、自鳴式盗難防止タグ100A、100B、100Cを発報させずともタグ識別コードを確認することで特定アラーム音の違いを識別することができる。
 コンパレータ電源制御部143はコンパレータ127に電源を入力するとともに、バイアス回路128を介してコンパレータ127へバイアス電圧を印加するものであり、コンパレータ127への供給電源をオン/オフ制御して自鳴式盗難防止タグ100の消費電流の抑制を実現する。
 感度記憶部144は、信号処理部141から指示された感度の状態を記憶し、出力ポートP0、P1、P2の組み合わせを感度出力部145に指示する。感度出力部145は出力ポートP0、P1、P2のロジック出力Hi/Loを制御し、出力ポートP0、P1、P2の組み合わせを制御する。
 以下、上記構成の作用を説明する。ここでは盗難警戒領域Aを例に説明するが、他の盗難警戒領域B、Cにおいても同様である。
 窃盗行為により商品から盗難防止タグ100A(100B、100C)が取り外される事象が発生すると、窃盗行為事象検知部120の異常事態検知スイッチ部121が作動し、異常を示す信号が信号処理部141に送信される。
 あるいは、窃盗行為により商品が盗難防止タグ100A(100B、100C)を装着したままの状態で室外へ運び出される事象が発生すると、窃盗行為事象検知部120は、出入口付近に配置したトリガー信号送信部200A(200B、200C)の送信アンテナ204から送信されるトリガー信号をトリガー信号受信部124のタグ受信アンテナ(共振回路)126で受信し、タグ受信アンテナ126がトリガー信号を受信したことをコンパレータ127が信号処理部141に送信する。
 信号処理部141は、窃盗行為事象検知部120の異常事態検知スイッチ部121とトリガー信号受信部124の何れから入力信号を受けたかを認識し、第一アラーム音の発報か第二アラーム音の発報かを判断する。
 アラーム制御部142は、信号処理部141の指示を受けて警報音発報部へ第一アラーム音Am1A(Am1B、Am1C)を発するための第一アラーム駆動信号か、第二アラーム音Am2A(Am2B、Am2C)を発するための第二アラーム駆動信号の何れかをブザー駆動回路112へ出力する。ブザー111が第一アラーム音Am1A(Am1B、Am1C)もしくは第二アラーム音Am2A(Am2B、Am2C)を発報し、窃盗行為事象が発生したことを周囲の人に通知する。
 このように、自鳴式盗難防止タグ100A(100B、100C)が警報音として異なる音特徴の第一アラーム音Am1A(Am1B、Am1C)と第二アラーム音Am2A(Am2B、Am2C)を発報することで、第一アラーム音Am1A(Am1B、Am1C)が発報したときには窃盗行為事象の発生場所が盗難警戒領域A(B、C)の内方域であると判断でき、第二アラーム音Am2A(Am2B、Am2C)が発報したときには窃盗行為事象の発生場所が盗難警戒領域A(B、C)の出入口付近であると判断でき、発報後の警備担当者の速やかな行動を促進することができる。
 第一警報音識別装置301A(301B、301C)は、自鳴式盗難防止タグ100A(100B、100C)が第一アラーム音Am1A(Am1B、Am1C)を発報すると、この第一アラーム音Am1A(Am1B、Am1C)を認識する。
 すなわち、第一警報音識別装置301A(301B、301C)は、マイク310から取り込んだ取得音の特徴を音特徴解析部320で解析し、音特徴記憶部330に記憶した第一アラーム音Am1A(Am1B、Am1C)の音特徴と取得音の音特徴とを音特徴比較部340で比較し、音特徴が一致する場合に取得音が第一アラーム音Am1A(Am1B、Am1C)であると判断する。
 そして、アラーム部350のアラームブザー360が、第一アラーム音Am1A(Am1B、Am1C)や第二アラーム音Am2A(Am2B、Am2C)および第二警報音識別装置302A(302B、302C)のアラーム音とは異なる別途のアラーム音を発報する。あるいは有線アラーム信号送信部370が有線で他の警報装置を作動させ、あるいは無線アラーム信号送信部371(無線アンテナ372)が無線信号により他の警報装置を作動させ、盗難警戒領域A(B、C)の内方域で窃盗行為事象が発生したことを管理者に通知する。
 第二警報音識別装置302A(302B、302C)は、自鳴式盗難防止タグ100(100B、100C)が第二アラーム音Am2A(Am2B、Am2C)を発報すると、この第二アラーム音Am2A(Am2B、Am2C)を認識する。
 すなわち、第二警報音識別装置302A(302B、302C)は、マイク310から取り込んだ取得音の特徴を音特徴解析部320で解析し、音特徴記憶部330に記憶した第二アラーム音Am2A(Am2B、Am2C)の音特徴と取得音の音特徴とを音特徴比較部340で比較し、音特徴が一致する場合に取得音が第二アラーム音Am2A(Am2B、Am2C)であると判断する。
 そして、アラーム部350のアラームブザー360が、第一アラーム音Am1A(Am1B、Am1C)や第二アラーム音Am2A(Am2B、Am2C)および第一警報音識別装置301A(301B、301C)のアラーム音とは異なる別途のアラーム音を発報し、監視カメラ装置400A(400B、400C)を操作して盗難警戒領域A(B、C)の出入口部を撮影する。あるいは有線アラーム信号送信部370が有線で他の警報装置を作動させ、あるいは無線アラーム信号送信部371(無線アンテナ372)が無線信号により他の警報装置を作動させ、盗難警戒領域Aの出入口付近で窃盗行為事象が発生したことを管理者に通知する。
 このように、本実施例においては、警報音の第一アラーム音Am1A、Am1B、Am1Cと第二アラーム音Am2A、Am2B、Am2Cとでその音特徴が異なることで、自鳴式盗難防止タグ100が発報する警報音で窃盗行為事象の発生場所を特定でき、警報音発報後の警備担当者の速やかな行動を促進することができる。
 また、自鳴式盗難防止タグ100A、100B、100Cが発報する第一アラーム音Am1A、Am1B、Am1Cおよび第二アラーム音Am2A、Am2B、Am2Cが各盗難警戒領域A、B、Cごとに異なる音であり、第一警報音識別装置301A、301B、301Cおよび第二警報音識別装置302A、302B、301Cは、対応する盗難警戒領域A、B、Cに配置した自鳴式盗難防止タグ100A、100B、100Cが発報する第一アラーム音Am1A、Am1B、Am1Cまたは第二アラーム音Am2A、Am2B、Am2Cのみを認識するので、他の盗難警戒領域A、B、Cにある自鳴式盗難防止タグ100A、100B、100Cの発報に因って誤作動することを確実に防止できる。
 よって、複数の店舗が隣合わせに並んでいる商業施設において、少なくとも隣合う店舗には、タグ識別コードが異なり、音特徴が異なる自鳴式盗難防止タグ100A、100B、100Cを配置することで、隣合う店舗で同じ盗難防止システムを使用しても誤作動することを防止できる。
 自鳴式盗難防止タグ100A、100B、100Cが発報する警報音である第一アラーム音Am1A、Am1B、Am1Cもしくは第二アラーム音Am2A、Am2B、Am2Cを第一警報音識別装置301A、301B、301Cもしくは第二警報音識別装置302A、302B、302Cで検知して窃盗行為事象の発生を検知するので、従来の電波を検知する場合のように照明装置、電気機器、電源ライン等から発せられる電磁波ノイズに阻害されることはなく、盗難警戒領域A(B、C)での窃盗行為事象の発生を確実に検知することができる。
 特許文献1に記載の一般的な盗難防止用途のアンテナには、タグから発するアラーム時の小さな電磁エネルギの電磁波ノイズを受信しなければならないことから、大きな受信アンテナが必要であり、一般的に30cm*150cmくらいの大きさの受信アンテナとなっている。
 一方、本実施例においては、自鳴式盗難防止タグ100A、100B、100Cが発報する警報音の音特徴を識別するので、従来の電磁波ノイズを受信する大型の受信アンテナは不要であり、盗難防止用途のアンテナとしてはトリガー信号送信部200A、200B、200Cの送信アンテナ204として小型のアンテナを用いるだけで良い。そして、第二警報音識別部302A、302B、302Cとトリガー信号送信部200A、200B、200Cとを一体にする場合にあっても、受信アンテナが不要である第二警報音識別装置302A、302B、302Cは小さくできるので、送信アンテナ204は30cm*50cm程度の大きさに小型化できる特徴をもっている。
 本実施例では、トリガー信号送信部200A、200B、200Cに含まれた送信アンテナ204が、従来の盗難防止用途の送受信アンテナに対して1/2以下の大きさになり、さらに店舗入口付近に設置するトリガー信号送信部200および警報音識別装置302の設置台数を低減できるので、システムのコストを大幅に削減することが可能となるとともに、高級品販売店舗などにおける出入口付近の美観を損なう要因を抑制できる。
 図9は、トリガー信号送信部200A、200B、200Cに含まれた送信アンテナ204を店舗の出入り口に置いて、盗難防止タグ100A、100B、100Cの感度設定を高感度設定、中感度設定、低感度設定とした場合のそれぞれの盗難防止タグ100A、100B、100Cのタグ/アンテナナ間距離(発報距離)を示している。
  L1は、中感度の盗難防止タグ(中感度タグ)100A、100B、100Cがこの領域に入ると、盗難防止タグ100Aが送信アンテナ204からのトリガ信号を受けて発報する領域を示している。
  L2は、高感度の盗難防止タグ(高感度タグ)100A、100B、100Cがこの領域に入ると、盗難防止タグ100Aが送信アンテナ204からのトリガ信号を受けて発報する領域を示している。
  L3は、低感度の盗難防止タグ(低感度タグ)100A、100B、100Cがこの領域に入ると、盗難防止タグ100Aが送信アンテナ204からのトリガ信号を受けて発報する領域を示している。
 例1 通常、盗難防止タグ100A、100B、100Cの感度設定を中感度設定とした場合、店舗の出入り口の間口幅b-bをカバーするようにトリガー信号送信部200A、200B、200Cのアンテナ同調、パワーアンプ部を調整して送信アンテナ204の出力が調整される。すなわち、中感度の盗難防止タグ(中感度タグ)100A、100B、100Cが持ち出し警戒領域L1に入ったとき、盗難防止タグ100A、100B、100Cは第2アラームを発報することとなる。
 例2 店舗の出入り口の間口幅が例1の間口幅b-bより広い間口幅a-aである場合、盗難防止タグ100A、100B、100Cの感度設定を高感度設定とすることにより、より広い間口幅A-Aに対しても盗難防止タグ100A、100B、100Cを使用することができる。このため、広い間口幅の出入り口に対してもアンテナの設置数を少なくすることが可能となり、より経済的なシステムとすることができる。
 例3 店舗の奥行きや面積が狭い店舗の場合に、店舗の出入り口の近くで、領域L1の内側に商品展示台800を置くことが多くあるが、この場合に商品展示台800に展示した商品に中感度の盗難防止タグ100をつけると盗難防止タグ100A、100B、100Cが第2アラームを発報するので、盗難防止タグ100A、100B、100Cを商品に取り付けることができない。このような場合、店舗の出入り口から離れた場所で展示する商品には中感度の盗難防止タグ(中感度タグ)100A、100B、100Cをつけて広い間口幅b-bの全幅において盗難防止タグ100A、100B、100Cが発報する
ようにし、店舗の出入り口近くの商品展示台800に展示する商品には、間口c-c(最小警戒領域L3)をカバーする低感度の盗難防止タグ(低感度タグ)100A、100B、100Cをつけることにより、セキュリティ性を向上させることができる。
 次に、盗難防止タグ100A、100B、100Cの動作を説明する。トリガ信号送信部200A、200B、200Cの送信アンテナ204がAMアンテナ(音響磁気方式のアンテナ)である場合、そのバーストトリガ信号の繰り返し出力周波数は一般的に45Hz、50Hz、60Hzのいずれかである。それぞれの場合に応じて図8に示すように、トリガー信号(バーストキャリア周波数58kHz、バースト幅1.6ms)が、バースト繰り返し周期16.6ms(45Hz)、20ms(50Hz)、22ms(60Hz)で送信される。
 盗難防止タグ100A、100B、100Cに使用するコンパレータ127としては、集積回路で作ったコンパレータ、例えばON Semiconductor社のNCX2200や、NCV2200などを使用することができる。また、コンパレータ127として、マイクロプロセッサに組み込まれたコンパレータ、例えばTexas Instrumemts社のMSP430F1111Aなどに組み込まれたコンパレータを使用しても良い。
 タグ受信アンテナ126がコンパレータ127のアクティブ状態のときに、送信アンテナ204から送信するバースト波を受信するためには、コンパレータ127のアクティブ状態となる時間が、バースト波のバースト繰り返し周期以上であることが必要である。
 本実施例では、AM方式アンテナのバースト周波数が45Hz(バースト繰り返し周期22ms)であると想定して、コンパレータ127のアクティブ状態となる期間を30msとしている。
 また、ここでは、コンパレータ電源制御部143は、コンパレータ127のコンパレータ電源端子cに間欠的に電源電力を供給し、例えばコンパレータ127を400msスリープ状態とし、30msアクティブ状態(動作状態)として間欠的に動作させる。
 このようにコンパレータ127をアクティブ状態にする時間に対して、コンパレータ127をスリープ状態にする時間を長く取ることによって平均消費電流を下げることができるので、通常において電流を大きく消耗するために採用することができなかったコンパレータ127を盗難防止タグ100に使用することが可能になる。
 その結果、コンパレータ127の使用により低信号レベルのトリガー信号も受信可能となり、タグ/アンテナナ間距離(タグ発報距離)、つまり盗難防止タグ100が送信アンテナ204からのトリガー信号を受信して発報に至ることができる送信アンテナ204から盗難防止タグ100までの距離を、従来に比べて1.5倍から2.0倍程度に飛躍的に向上させることができる。このため、送信アンテナ204の大きさが従来の例えば特許文献3に示したトリガー信号の受信部がトランジスタである自鳴式盗難防止タグに比べて半分以下にすることができる。
 トリガー信号送信部200A、200B、200Cの送信アンテナ204から送信するトリガー信号をタグ受信アンテナ126で受信すると、タグ受信アンテナ126のアンテナ出力がコンパレータ127のコンパレータ出力端子dに入力され、タグ受信アンテナ126がトリガー信号を受信したことをコンパレータ127がコンパレータ出力端子dで信号処理部141に入力する。
 また、リモコン125から送信するリモコン制御信号をタグ受信アンテナ126で受信すると、タグ受信アンテナ126のアンテナ出力がコンパレータ127に入力され、タグ受信アンテナ126がリモコン制御信号を受信したことをコンパレータ127がコンパレータ出力で信号処理部141に入力する。
 タグ制御部140は、スリープ状態で待機しているが、トリガー信号やリモコン制御信号などのコンパレータ出力を受けると割り込み制御がかかり、信号処理部141においてコンパレータ出力、すなわちタグ受信アンテナ126からコンパレータ127へ入力された入力信号(共振回路出力)の解析が開始され、以降は入力信号の解析が終了するまでタグ制御部140およびコンパレータ127が動作状態となる。
(実施例2)
 以下に、実施例2として、実施例1において説明したトリガー信号送信部200A、200B、200Cの他の構成を説明するが、本発明の基本的な構成は実施例2においても実施例1と同様である。
 実施例2では、図10に示すように、トリガー信号送信部200A、200B、200Cと第二警報音識別装置302A、302B、302Cを別体に分離する。図11から図14に示すように、トリガー信号送信部200A、200B、200Cは、送信アンテナ204のアンテナ線205を出入口付近の店舗の外側位置に配置している。そして、先に図3で示した電源部201、アンテナ送信信号発生部202、アンテナ同調・パワーアンプ部203および第二警報音識別装置302A、302B、302Cは店舗の内側に配置する。
 高級ファッション販売店やデパート等の店舗における売場入口は通常大理石や人造大理石などでタイル施工されている。このため本発明では、送信アンテナ204のアンテナ線205を盗難警戒領域A、B、Cの出入口における店舗の外側位置のタイル貼りされた床面500に配置する。
 しかし、盗難警戒領域A、B、Cの出入口付近で店舗の内外の境界近辺においての盗難防止タグ100A、100B、100Cの発報が許容される場合には、アンテナ線205は店舗の内外の境界を含む位置や境界に隣接する店舗の内側位置に配置することも可能である。
 図13に示すように、床面500はモルタル下地501の上に、タイル502を貼ったものであり、タイル502とタイル502の間に形成された目地503の目地材をカットし、その内部に送信アンテナ204のアンテナ線205を布設する。
 図11は、アンテナ線205をO(オー)ループ状に1ターンで布設した状態を示しており、図12は、アンテナ線205を8(エイト)ループ状に1ターンで布設した状態を示している。
 従来の盗難防止タグの感度に対応するにはアンテナ線の巻数が10ターン以上必要であり、通常4-5mm幅の目地503の内部に配置することは不可能である。しかし本発明では、盗難防止タグ100A、100B、100Cの感度を高めることができるので、1ターンでも盗難防止タグ100A、100B、100Cに十分にトリガー信号を送れることが特徴である。
 図14に示すように、本実施例2では、床面500が60cm角の大理石のタイル502を4mm幅の目地503でタイル施工し、この目地503に外径2.5mmのアンテナ線205を埋めている。この構成で、床面500から1.8mの高さにおいて盗難防止タグ100A、100B、100Cがトリガー信号に反応して発報し、実用上の十分な感度を確保できた。
 このように、アンテナ線205が基本的に見えないので、盗難防止領域である店舗の出入口付近の美観を損ねない。また、目地503の内部に布設することで、耐久性を確保できるとともに、従来のように歩行者がマット等につまづくなどの障害性を排除することができる。アンテナ設置205は店舗の完成後に後付けで設置することも可能で、施工が比較容易であり、アンテナ線204を1ターンで配置することでアンテナコスト、施工コストを抑制して安価に実現できる。
 また、図14に示すように、盗難警戒領域の出入口付近の天井に配置したファサードサイン504に送信アンテナ204のアンテナ線505を内蔵させて配置することもできる。ここでファサードサインは建物正面のみならず、店舗内に設置したものも含むものである。ただし、上記ファサードサインに設置する送信アンテナでは、アンテナターン数は数ターンに増やし、アンテナ出力を増加することも可能である。
(実施例3)
 以下に、実施例3として、実施例1において説明した窃盗行為事象検知部120のトリガー信号受信部124におけるタグ受信アンテナ(共振回路)126の他の構成を説明するが、本実施例の基本的な構成は実施例1または実施例2と同様である。
 実施例3において、図15に示すように、タグ受信アンテナ(共振回路)126を構成する高感度高周波信号受信回路では、共振器用コイル601と共振器用コンデンサ602とで共振器605が構成される。共振器605は抵抗606を介してトランジスタ604のべースに接続される。帰還用コイル623は、トランジスタ604に接続されて共振器605に正帰還をかけるが、トランジスタのエミッタ端子に接続される。
 帰還用コイルがトランジスタ604のコレクタ端子に接続される場合、共振器用コイル601と帰還用コイルとの間にできる浮遊容量がトランジスタ604のコレクタとべースとをつなぐことになり、負帰還が生じて正帰還の効果が妨げられる場合もある。しかし、本実施例のように、トランジスタのエミッタ端子に帰還用コイル623を接続することにより、負帰還の生成が抑制されるので、より効果的に正帰還を掛けることが可能となり効率的に受信回路の高感度化を図ることができる。また、pnpトランジスタ624を利用して受信信号の変換を行っている。
 図15に示す回路構成において、高感度高周波信号受信回路は、高周波バースト信号(図16の波形A)を受信すると、トランジスタ604の超再生動作により増幅されて図16の波形Bに示すようなトランジスタ4のコレクタ信号波形を出力する。図16の応答波形は、1MHzの信号を対象にしており8.2MHzの信号に対しては横軸の時間軸は8.2倍にすればよい。
 このコレクタ信号は、高周波バースト信号が入力されることにより応答波形が当初は徐々に大きくなり、トランジスタ604が飽和状態になることによりコレクタ電位が低下して増幅度が低下し、pnpトランジスタ624を導通させるべース電流(図16の波形C)が流れ、検出信号を高レベルにする。
 その後に励起信号が無くなると、トランジスタ604のコレクタ電位(図16の波形D)が増加し、検出信号は元の低レベルにもどっていくこのように受信信号が増幅され、検出信号からほぼ励起信号の持続時間のパルス信号を取り出せる。
 図16の回路の能力の検証は、シミュレーションにより行った。励起信号の周波数は1MHzであり、信号発生回路のコイルと共振器用コイル1との結合係数を小さく設定して信号発生回路の出力電圧を変化させて、回路出力検出信号として2.5V以上のパルスが得られるかを測定した。なお、電源電圧は3Vにしている。信号発生回路のコイルと共振器用コイル1との結合係数により共振器用コイル1で検知できる電圧は相対的に変わるが、帰還コイル623を取り外した正帰還を掛けない場合と、回路通り正帰還を掛け、回路が発振状態に陥らないようにバイアス調整した場合とでは、受信感度が約3倍になった。タグ信号の検出距離は電圧感度の平方根に比例するので、検出距離は約1.7倍に伸びたことになる。この特性は、試作回路でもほぼ実証された。
 なお、トランジスタ604のバイアス電圧を、同等の特性を持っトランジスタやダイオードを利用して温度特性を保証しながら設定しても良い。バイアスの自動設定は、マイクロコンピュータのDA変換器やマイコンの出カポートを利用して構成したDA変換器によるバイアス制御回路等を用いることができる。バイアス制御回路は、バイアス電圧を発生し、発振を起こさない上限電圧を調ベ、それをもとに余裕を持った少し低めのバイアス電圧を設定するようにすることが好ましい。
 即ち、マイクロコンピュータのDA変換器出力や、マイクロコンピュータのポートに抵抗回路網を付加して構成した簡易DA変換器を利用してバイアス電圧を発生し、励起信号が無い環境で連続した受信信号が検知しないように設定することにより調整できる。
(実施例4)
 以下に、実施例4として、実施例1において説明したトリガー信号送信部200A、200B、200cの構成を説明する。図17に示すように、本実施例のトリガー信号送信回路は、共振器901と、共振器901を駆動する駆動トランジスタをなすインバータ920からなる。
 共振器901は、トリガー信号送信アンテナコイル902と、トリガー信号送信アンテナコイル902に接続される容量の異なる複数のコンデンサ905からなり、各コンデンサ905はトリガー信号送信アンテナコイル902とそれぞれ直列に接続され、かつ相互に並列接続されている。
 複数のコンデンサ905は、共振器901を特定の周波数に同調させるために、1つの主容量を有する主コンデンサ951と、主容量より小さい容量の補正容量を有する補正コンデンサ952からなり、必要に応じて複数個が設けられており、補正容量として同調の微調整に用いる。なお、同調の取れた主容量を選ぶことができれば、補正容量は不要である。
 駆動トランジスタは、インバータ920の他に、駆動信号が入力されることにより活性化され、一端が接地され、他端がコイル902に接続されるトランジスタでも良いが、図17に示すように、プッシュプル回路をなすインバータ920とすることが効率的である。
 インバータ920は、Pchトランジスタ908とNchトランジスタ909のドレインどうしを接続し、Pchトランジスタ908とNchトランジスタ909とのゲート端子に駆動信号を入力する相補トランジスタからなるプッシュプル回路構成であり、ここでは駆動信号をゲートドライバ911を介して入力する。インバータ920の出力端子には共振器901のコイル902を接続している。インバータ920は、同じ種類のトランジスタを用いてプッシュプル回路を構成した駆動回路でもよい。ここで、ダイオード913は回路保護のために入れているが、原理的には無くても良い。
 高周波同調容量スイッチ回路912は、共振器901と、各コンデンサ905(951、952)と接地との間にそれぞれ設けられる複数のスイッチ素子907とで構成されており、各スイッチ素子907でそれぞれのコンデンサ905(951、952)の導通を制御する。共振器901は、導通されるコンデンサ905(951、952)の組み合わせにより共振容量を設定し、共振容量を調整することにより各種の周波数に対応して同調を取ることができる。
 主コンデンサ951の主容量は同調に必要な容量より少し小さな容量にしておき、補正コンデンサ952の補正容量は主容量に対して相対的に小さい容量とする。各スイッチ素子907を選択的に制御して必要な補正容量を有する補正コンデンサ952を導通させることにより、1つの補正コンデンサ952の補正容量を主コンデンサ951の主容量に追加し、あるいは複数の補正コンデンサ952の補正容量を組み合わせることで同調に必要な補正容量に最も近づけた容量を主容量に追加して周波数の同調を行う。
 この補正容量としては、最小の補正容量と、その2倍、4倍となる2のべき乗の補正容量を採用し、選択した補正容量の総和が不足する容量の2倍程度になるように各補正容量を組み合わせることで、容量制御信号の導通状態を表した2進数に比例した補正容量を主容量に加えて同調を取ることが可能になり、同調させる周波数を効率的に調整できる。
 なお、本実施例において、高周波同調容量スイッチ回路912は、共振器901を流れる電流を測定するために、スイッチ素子907のソース側が共通接続されており、電流測定抵抗914を通じて接地されているが、この構成は限定的なものではない。
 電流測定抵抗914を流れる電流の大きさ、または共振器1を流れる共振信号の位相は、測定器やマイクロコンピュータ915のAD変換器またはタイマー等を用いて測定することができる。
 以上の構成における高効率制御法を以下に説明する。図18は本実施例のトリガー信号送信回路における出力停止時の動作を説明する図、図19は本実施例のトリガー信号送信回路における出力再開時の動作を説明する図である。
 容量制御信号は、共振容量として使っている総てのコンデンサ905(951、952)のそれぞれを個別に制御する容量制御用のスイッチ素子907の制御信号である。容量制御信号が高レベルの時、同調容量として使うコンデンサ905(951、952)を制御するスイッチ素子907が選択的にオンにされて同調を取る。出力停止時には、図18に示すように、容量制御用のスイッチ素子907に負の電流が流れている間に駆動トランジスタであるインバータ920の出力を遮断すれば良く、駆動トランジスタを制御する制御信号の入力タイミングに半周期の時間的余裕があることを示している。そして、出力が停止すると、共振器901のコンデンサ905にエネルギーが蓄積される。
 さらに、出力再開時に、コンデンサ905(951、952)に溜めたエネルギーを利用して、図19に示すように、信号出力は最初からほぼ定常状態の振幅で振動を始め、立ち上がりの良い高周波信号を発生させることも可能になる。即ち、コンデンサ905(951、952)を制御するスイッチ素子907を同調状態になるように選択的にオンにした後、そのタイミングから90度遅れた駆動信号でトリガー信号送信回路は動作させられる。このような制御を行って高周波間歇出力を発生させるトリガー信号送信回路は、電源効率の良い装置になるだけでなく、瞬時に出力を停止できる。
 高周波励磁信号と同等の周波数の共振器を備える店舗防犯システムでは、セキュリティタグが高周波励磁信号が無くなった後にも、暫く減衰振動波を出し続ける特性を利用しており、その減衰信号を検知してセキュリティタグの存在を検知している。このため、上述した構成を用いることにより、店舗防犯システムにおけるセキュリティタグの減衰振動波検出の信頼性を高めることができる。
 以上のように、本実施例の高周波同調容量スイッチ回路912では、異なる同調容量からなる複数のコンデンサ905(951、952)の接続、非接続を制御して組み合わせることにより、トリガー信号送信回路の最大出力を得て同調させることが可能になり、電流波形、電圧波形を利用しても同調を取ることが可能になる。スイッチ素子907を制御して、高周波の1周期以内にコンデンサ905(951、952)の接続,開放制御が可能となるので、効率が良く切れの良い間歇出力の高周波トリガー信号を発生させることが可能になる。
(実施例5)
 以下に、実施例5として、実施例1において説明したトリガー信号送信部200A、200B、200Cの他の構成を説明するが、本発明の基本的な構成は実施例5においても実施例1と同様である。
 実施例5において、トリガー信号送信部200A、200B、200Cを構成する高周波信号発生回路では、図20に示すように、アンテナとなるコイル702とコンデンサ703とが直列接続されて、アンテナとして機能する共振回路704が形成される。駆動信号705は、発生させようとする高周波信号の周波数のパルス信号で、そのデューティーサイクルが50%の時最大出力となり、それより大きくても小さくても出力は低下する。
 ゲートドライバ701は、マイコン等から論理レベルの矩形パルス状の間歇駆動信号705を受け、ほぼMOSトランジスタ用ゲートドライバ電源電圧VDRの振幅で、直列共振回路704を駆動する。なお、電源電圧VDRは、論理回路の電圧より高い電圧で動作させることが可能で、しかも、短時間で繰り返す間歇動作中には、大きな電流も流せるので、間歇的に大きな出力で動作させることができる。
 つまり、MOSトランジスタ用ゲートドライバを用いて共振回路704を駆動することにより、入力される駆動信号705より電流または電圧が高い信号で共振回路704を駆動することができる。また、ゲートドライバ701は、図20では反転型を利用しているが、非反転型を使ってもよい。また、ゲートドライバ701は、MOS型の、高速な電力制御トランジスタ用のドライバ等を用いることができる。
 このように、この回路では、MOSトランジスタ用ゲートドライバは、パルス状の駆動信号により、ほぼ電源電圧VDRと設置電位0Vの2つの電圧を交互に出力して直列共振回路を駆動し、途中の電圧を経過する時間を短くできるので、MOSトランジスタ用ゲートドライバの電力損失は少なくなる。
 損失は、MOSトランジスタ用ゲートドライバの動作遅延.伝播遅延に起因して発生ずるので、MOSトランジスタ用ゲートドライバが高速であればある程、効率よく動作させることができる。以上により、高周波信号発生回路を、高効率化を実現しながら、低消費電力化、小型化することができる。
(実施例6)
 以下に、実施例6として、実施例1において説明したトリガー信号送信部(アンテナ装置)200の他の構成を説明するが、本発明の基本的な構成は実施例6においても実施例1と同様である。
 実施例6において、トリガー信号送信部200A、200B、200Cを構成する高周波信号発生回路では、図21に示すように、実施例5における高周波信号発生回路に対して、反転型と非反転型の2種のゲートドライバ701、706を使い、直列共振回路704の両端を、互いに逆位相で駆動し、図20の駆動回路に比べて、実質2倍の駆動電圧で直列共振回路704を駆動させる点が異なる。反転型または非反転型どちらかのゲートドライバのみを用いる場合は、片方のゲートドライバの入力にNOT回路を入れて駆動信号705を反転することにより同等の回路が構成できる。この回路をシーソー型高周波信号発生回路と名付ける。
 このように、共振回路704の両端を互いに逆位相で駆動することにより、実施例5における高周波信号発生回路に比べて、電源電圧VDRを2倍にしたのと等価になり、さらに出力を大きくすることができる。
(実施例7)
 以下に、実施例7として、実施例1において説明したトリガー信号送信部200A、200B、200Cの他の構成を説明するが、本発明の基本的な構成は実施例7においても実施例1と同様である。
 実施例7において、トリガー信号送信部200A、200B、200Cを構成する高周波信号発生回路では、図22に示すように、抵抗707とコンデンサ708で構成される時定数回路により、パルス信号である駆動信号705の立ち上がりと立ち下がりの変化に遅れを持たせた信号を生成し、その生成した信号の電圧と制御電圧710とを電圧比較器709で比較して駆動信号705のパルス幅を変化させた信号を生成する。
 電圧比較器709から出力する信号はゲートドライバ701に入力され、制御電圧710の電圧を調整することにより、共振回路704の駆動信号のパルス幅を制御することが可能になる。高周波信号発生回路は駆動信号のデューティーサイクルが50%の時最大出力となり、それより大きくても小さくても出力は低下する特性を利用して高周波信号発生回路の出力電圧を調整できる。
 この特性を利用して、図23の実線712に示すように、特定の周波数の範囲で出力電圧をほぼ一定にすることが可能になる。ここで、点線711は出力調整回路が付加されない高周波信号発生回路における出力周波数特性を示し、実線712は実施の形態7の高周波信号発生回路における出力周波数特性を示す。
 高周波信号発生回路の出力電圧は、図23の点線711に示すように、共振周波数の信号を出力するときに最大になり、共振周波数から外れるに従って出力は低下する。店舗防犯システムにおいて、この信号を受ける防犯タグの受信回路は、必ずしも共振周波数に合わせて調整されているとは限らず、ある範囲内のばらつきを持っている。このため、高周波信号発生回路は、図23の実線712に示すように、その範囲内で周波数を変化させながら一定の大きさの信号を出すことが要求されている。図22に示す実施例7の高周波信号発生回路における電圧比較器709を用い、中心周波数の信号振幅が小さくなるようにパルス幅を調整し、出力周波数が中心周波数から外れるに従い出力が大きくなるようにパルス幅を50%に近づける制御をすることにより、特定の周波数の範囲内で出力電圧を一定にすることが可能になる。

Claims (20)

  1.  盗難警戒領域内に配置した対象物に装着され、窃盗行為事象の発生時に特定アラーム音を発報する自鳴式盗難防止タグと、盗難警戒領域の出入口付近においてトリガー信号を送信するトリガー信号送信部と、自鳴式盗難防止タグが発報するアラーム音を識別する警報音識別部を備え、
     自鳴式盗難防止タグは、特定アラーム音として第一アラーム音と第二アラーム音を発報可能な警報音発報部と、窃盗行為に起因して電気回路が開閉する異常事態検知スイッチ部と、トリガー信号送信部から送信されたトリガー信号を検知するトリガー信号受信部と、異常事態検知スイッチ部が作動した時に警報発報部に第一アラーム音を発報させ、トリガー信号受信部がトリガー信号を検知した時に警報発報部に第二アラーム音を発報させるタグ制御部を有し、
     警報音識別部は、自鳴式盗難防止タグが発報する二つのアラーム音のうちで少なくとも一方のアラーム音を認識して窃盗行為事象の発生を検知することを特徴とする音認識盗難防止システム。
  2.  複数の盗難警戒領域のそれぞれに自鳴式盗難防止タグおよび警報音識別部を備え、
     各自鳴式盗難防止タグの警報音発報部は、各盗難警戒領域ごとに異なる音特徴の特定アラーム音を発報し、
     各警報音識別部は、対応する盗難警戒領域に配置した自鳴式盗難防止タグが発報する特定アラーム音のみを認識し、この特定アラーム音を認識したときに対応する盗難警戒領域において窃盗行為事象が発生したことを検知することを特徴とする請求項1に記載の音認識盗難防止システム。
  3.  各自鳴式盗難防止タグは、各盗難警戒領域ごとに異なるタグ識別コードを有し、警報音発報部が発報する特定アラーム音がタグ識別コードごとに異なる音特徴を有することを特徴とする請求項2に記載の音認識盗難防止システム。
  4.  各自鳴式盗難防止タグは、タグ識別コードを変更可能に格納するタグ識別コード格納部を有し、警報音発報部がタグ識別コード格納部に格納したタグ識別コードに応じて当該タグ識別コード毎に固有のアラーム音を発報することを特徴とする請求項3に記載の音認識盗難防止システム。
  5.  タグ制御部は、異常事態検知スイッチ部とトリガー信号受信部の何れから入力信号を受けたかを認識し、第一アラーム音の発報か第二アラーム音の発報かを判断する信号処理部と、信号処理部の指示を受けて警報音発報部へ第一アラーム音を発するための第一アラーム駆動信号か第二アラーム音を発するための第二アラーム駆動信号の何れかを出力するアラーム制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載の音認識盗難防止システム。
  6.  警報音識別部は、自鳴式盗難防止タグが発報する第一アラーム音を認識して盗難警戒領域内で窃盗行為事象が発生したことを検知する第一警報音識別装置を備えることを特徴とする請求項1に記載の音認識盗難防止システム。
  7.  警報音識別部は、自鳴式盗難防止タグが発報する第二アラーム音を認識して盗難警戒領域の出入口付近で窃盗行為事象が発生したことを検知する第二警報音識別装置を備えることを特徴とする請求項1に記載の音認識盗難防止システム。
  8.  警報音識別部は、自鳴式盗難防止タグが発報する第一アラーム音を認識して盗難警戒領域内で窃盗行為事象が発生したことを検知する第一警報音識別装置と、自鳴式盗難防止タグが発報する第二アラーム音を認識して盗難警戒領域の出入口付近で窃盗行為事象が発生したことを検知する第二警報音識別装置を備えることを特徴とする請求項1に記載の音認識盗難防止システム。
  9.  警報音識別部は、自鳴式盗難防止タグが発報するアラーム音を入力するマイクと、マイクにアラーム音を導く音導管を有し、音導管の実効長さがアラーム音の波長の1/4±1/12の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の音認識盗難防止システム。
  10.  自鳴式盗難防止タグのトリガー信号受信部は、トリガー信号を受信するタグ受信アンテナと、タグ受信アンテナがトリガー信号を受信したことを示す信号をタグ制御部へ送信するコンパレータを有し、
     タグ制御部は、コンパレータへ供給する電力を制御してコンパレータを間欠的に動作状態とするコンパレータ電源制御部を有することを特徴とする請求項1に記載の音認識盗難防止システム。
  11.  タグ制御部は、コンパレータへ入力する比較しきい値電圧を変更して自鳴式盗難防止タグのトリガー信号受信部の感度を設定する感度調整部を有することを特徴とする請求項10に記載の音認識盗難防止システム。
  12.  自鳴式盗難防止タグのトリガー信号受信部は、共振器用コイルおよび共振器用コンデンサが並列接続される共振器と、ベース端子が前記共振器に接続されるトランジスタと、前記トランジスタのエミッタ端子と接続される帰還用コイルを有し、前記共振器が共振することにより前記トランジスタが活性化されて前記帰還用コイルによって前記共振器に正帰還がかかることを特徴とする請求項1に記載の音認識盗難防止システム。
  13.  自鳴式盗難防止タグのトリガー信号受信部は、前記トランジスタに供給されるバイアス電圧を制御するバイアス制御回路を備えることを特徴とする請求項12に記載の音認識盗難防止システム。
  14.  トリガー信号送信部は、コイルおよびコンデンサからなる共振回路と、外部から第1の駆動信号が入力されて、前記共振回路を駆動する第2の駆動信号を出力する電力制御MOSトランジスタ用の第1のゲートドライバを有し、前記第1のゲートドライバの出力信号は電圧および電流の少なくとも一方が前記第1の駆動信号より高いことを特徴とする請求項1に記載の音認識盗難防止システム。
  15.  トリガー信号送信部は、前記共振回路の前記第1のゲートドライバが接続される端部と逆側の端部に、前記第1のゲートドライバと同一特性で逆位相となる第2のゲートドライバを有することを特徴とする請求項14に記載の音認識盗難防止システム。
  16.  トリガー信号送信部は、前記第1のゲートドライバの入力端子に接続される電圧比較器を有し、前記電圧比較器の一方の入力端子には抵抗とコンデンサからなる時定数回路を介して前記第1の駆動信号が入力され、他方の入力端子には制御電圧が入力され、前記制御電圧の制御により前記第2の駆動信号のデューティー比が調整されて、前記第1のゲートドライバの出力電圧が制御されることを特徴とする請求項14に記載の音認識盗難防止システム。
  17.  トリガー信号送信部は、前記第1のゲートドライバおよび前記第2のゲートドライバの入力端子のそれぞれに接続される2つの電圧比較器を有し、各前記電圧比較器の一方の入力端子には抵抗とコンデンサからなる時定数回路を介して前記第1の駆動信号が入力され、他方の入力端子には制御電圧が入力され、前記制御電圧の制御により前記第2の駆動信号のデューティー比が調整されて、出力電圧が制御されることを特徴とする請求項15に記載の音認識盗難防止システム。
  18.  トリガー信号送信部は、盗難警戒領域の出入口付近で盗難防止タグに向けてトリガー信号を送信するアンテナ線を有し、アンテナ線は盗難警戒領域の出入口付近の床面内にワンターン状に布設してなることを特徴とする請求項1に記載の音認識盗難防止システム。
  19.  トリガー信号送信部は、盗難警戒領域の出入口付近で盗難防止タグに向けてトリガー信号を送信するアンテナ線を有し、アンテナ線は盗難警戒領域の出入口付近に配置したファサードサイン内に配設してなることを特徴とする請求項1に記載の音認識盗難防止システム。
  20.  さらに、自鳴式盗難防止タグのタグ制御部を制御するリモコン制御信号を送信するリモートコントロールを有し、リモートコントロールはリモコン制御信号として、感度調整部のコンパレータへ入力する比較しきい値電圧の変更を指示する感度制御信号を送信することを特徴とする請求項1に記載の音認識盗難防止システム。
PCT/JP2016/052270 2015-01-27 2016-01-27 音認識盗難防止システム WO2016121793A1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US15/544,273 US10049547B2 (en) 2015-01-27 2016-01-27 Sound recognition theft prevention system

Applications Claiming Priority (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015012858A JP2016139217A (ja) 2015-01-27 2015-01-27 自鳴式盗難防止タグおよび音認識盗難防止システム
JP2015-012858 2015-01-27
JP2015016184A JP2016143933A (ja) 2015-01-30 2015-01-30 同調型高周波受信回路
JP2015-016184 2015-01-30
JP2015000714U JP3197263U (ja) 2015-02-17 2015-02-17 盗難防止タグおよび盗難防止システム
JP2015-000714U 2015-02-17
JP2015-000837U 2015-02-24
JP2015000837U JP3197404U (ja) 2015-02-24 2015-02-24 高周波信号発生回路

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO2016121793A1 true WO2016121793A1 (ja) 2016-08-04

Family

ID=56550568

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
PCT/JP2016/052270 WO2016121793A1 (ja) 2015-01-27 2016-01-27 音認識盗難防止システム

Country Status (2)

Country Link
US (1) US10049547B2 (ja)
WO (1) WO2016121793A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11514767B2 (en) * 2019-09-18 2022-11-29 Sensormatic Electronics, LLC Systems and methods for averting crime with look-ahead analytics
US20220067313A1 (en) * 2020-09-03 2022-03-03 Taoglas Group Holdings Limited System, apparatus and methods for determination of trigger events using radio-frequency identification devices

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62174899A (ja) * 1985-09-30 1987-07-31 センソ−マテイツク エレクトロニクス コ−ポレ−シヨン 電子監視システム
JP2006254376A (ja) * 2005-03-14 2006-09-21 Swr Kk 集音装置及びこれを用いた音響解析システム
JP3197404U (ja) * 2015-02-24 2015-05-14 アイアンドティテック株式会社 高周波信号発生回路
JP3201620U (ja) * 2015-10-08 2015-12-17 アイアンドティテック株式会社 アンテナ装置および盗難防止システム

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3099107B2 (ja) 1996-03-21 2000-10-16 株式会社クボタ 盗難防止タグ、指示信号発信装置、親指示信号発信装置及び盗難防止装置
JP3138429B2 (ja) 1996-12-10 2001-02-26 クボタセキュリティ株式会社 盗難防止システム
JP2000348270A (ja) 1999-06-01 2000-12-15 Star Micronics Co Ltd 防犯タグと防犯タグの受信感度調整方法
JP2008099007A (ja) 2006-10-12 2008-04-24 Act:Kk Rfid読取り装置
US7916020B2 (en) * 2007-06-11 2011-03-29 Seidel Stuart T Audible anti-theft tag
US7961100B2 (en) * 2007-08-03 2011-06-14 Checkpoint Systems, Inc. Theft deterrent device
US8570174B2 (en) * 2009-06-01 2013-10-29 Adel O. Sayegh Pin alarm tag
JP5489927B2 (ja) 2010-08-31 2014-05-14 アイアンドティテック株式会社 異常検知装置およびセキュリティシステム

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62174899A (ja) * 1985-09-30 1987-07-31 センソ−マテイツク エレクトロニクス コ−ポレ−シヨン 電子監視システム
JP2006254376A (ja) * 2005-03-14 2006-09-21 Swr Kk 集音装置及びこれを用いた音響解析システム
JP3197404U (ja) * 2015-02-24 2015-05-14 アイアンドティテック株式会社 高周波信号発生回路
JP3201620U (ja) * 2015-10-08 2015-12-17 アイアンドティテック株式会社 アンテナ装置および盗難防止システム

Also Published As

Publication number Publication date
US10049547B2 (en) 2018-08-14
US20180005501A1 (en) 2018-01-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9875635B2 (en) Proximity detection system
US8344884B2 (en) System, method, and apparatus for triggering an alarm
US20210090412A1 (en) Anti-theft device with remote alarm feature
KR102538556B1 (ko) 구역내 검출을 위한 시스템들 및 방법들
US20080284593A1 (en) Method and system for power management of electronic article surveillance systems
KR20170037621A (ko) 공진 안테나의 자동 선택적 댐핑
WO2016121793A1 (ja) 音認識盗難防止システム
US20080266101A1 (en) Security tag sensor and seccurity meethod for capital assets
JP3197263U (ja) 盗難防止タグおよび盗難防止システム
US6388573B1 (en) Motion detection system and methodology for accomplishing the same
JP3201620U (ja) アンテナ装置および盗難防止システム
WO1988008595A1 (en) Capacitance proximity sensor
JP3873977B2 (ja) 人体検知装置
JP6718699B2 (ja) 音認識盗難防止システム
JP2008287380A (ja) 窓ガラス破壊検出装置
JP3200055U (ja) アンテナ装置および盗難防止システム
CN204421945U (zh) 变送器设备
US4172253A (en) Controlled wave pattern ultrasonic burglar alarm
JP2005107696A (ja) 防犯システム
JP2016139217A (ja) 自鳴式盗難防止タグおよび音認識盗難防止システム
JP2962559B2 (ja) ユニット建物
JP4196716B2 (ja) 警報信号出力装置
EP1288878A2 (en) A security apparatus and a method of operating the security apparatus
KR20050082138A (ko) 교통감지 무선 송신기
CN105203154A (zh) 变送器设备及监控其周边环境中的变化的方法

Legal Events

Date Code Title Description
121 Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application

Ref document number: 16743396

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1

WWE Wipo information: entry into national phase

Ref document number: 15544273

Country of ref document: US

NENP Non-entry into the national phase

Ref country code: DE

32PN Ep: public notification in the ep bulletin as address of the adressee cannot be established

Free format text: NOTING OF LOSS OF RIGHTS PURSUANT TO RULE 112(1) EPC (EPO FORM 1205A DATED 02.11.2017)

122 Ep: pct application non-entry in european phase

Ref document number: 16743396

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1