WO2016052158A1 - 透明導電体及びこれを含むタッチパネル - Google Patents

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Abstract

 本発明は、導通領域及び非導通領域のパターンを形成したときに、これらが視認され難い透明導電体を提供することを課題とする。 当該課題を解決するため、透明基板と、第一高屈折率層と、銀または銀を含む合金からなる透明金属層と、第二高屈折率層と、をこの順に含む透明導電体とする。またこのとき、透明基板の特定波長の光の平均反射率と、前記透明導電体の前記第二高屈折率層側表面の特定波長の光の平均反射率と、の差を1.5%以下とし、さらに透明基板のL値、a値、及びb値をそれぞれL1、a1、及びb1とする。また、透明導電体の前記第二高屈折率層側表面のL値、a値、及びb値をそれぞれL2、a2、及びb2とした場合に、下記ΔEabを2.5以下とする。 ΔEab=((L1-L2+(a1-a2+(b1-b21/2

Description

透明導電体及びこれを含むタッチパネル
 本発明は、透明金属層を含む透明導電体、及びこれを含むタッチパネルに関する。
 近年、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ、無機及び有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ等の表示装置の電極材料、無機及び有機EL素子の電極材料、タッチパネル材料、太陽電池材料等の各種装置に透明導電体が使用されている。
 このような透明導電体の透明金属層を構成する材料として、Au、Ag、Pt、Cu、Rh、Pd、Al、Cr等の金属やIn、CdO、CdIn、CdSnO、TiO、SnO、ZnO、ITO(酸化インジウムスズ)等の酸化物半導体が知られている。
 一方、透明な金属層と、比較的高い屈折率を有する透明薄膜とを交互に積層した高反射率のディスプレイ用フィルターが提案されている(例えば特許文献1)。近年、このような積層体を、タッチパネル用の配線に適用することが検討されている。
特開2000-158578号公報
 特許文献1に記載されているような、透明金属層を含む積層体を、タッチパネルに適用するためには、透明金属層の一部をパターニングする必要がある。しかし、従来の透明導電体では、透明金属層をパターニングすると、透明金属層を含む領域と、透明金属層を含まない領域との光学特性の差が大きい。そのため、透明導電膜の光の反射率が小さくても、透明金属層のパターンが見えてしまうとの現象が問題になっていた。
 本発明はこのような状況に鑑みてなされたものである。本発明は、透明金属層をパターニングした場合に、骨見えが生じ難い透明導電体を提供することを目的とする。
 本発明者は鋭意研究を行った結果、透明金属層を含まない非導通領域と、透明金属層を含む導通領域との反射率差、及び色差を制御することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
 すなわち、本発明の第一は、以下の透明導電体に関する。
 [1]透明基板と、前記透明基板の波長570nmの光の屈折率より、波長570nmの光の屈折率が高い誘電性材料または酸化物半導体材料を含む第一高屈折率層と、銀または銀を含む合金からなる透明金属層と、前記透明基板の波長570nmの光の屈折率より、波長570nmの光の屈折率が高い誘電性材料または酸化物半導体材料を含む第二高屈折率層と、をこの順に含む透明導電体であって、前記透明基板の波長520~550nmの光の平均反射率と、前記透明導電体の前記第二高屈折率層側表面の波長520~550nmの光の平均反射率と、の差が1.5%以下であり、かつ前記透明基板のL表色系におけるL値、a値、及びb値をそれぞれL1、a1、及びb1とし、前記透明導電体の前記第二高屈折率層側表面のL表色系におけるL値、a値、及びb値をそれぞれL2、a2、及びb2とした場合に、下記一般式で求められるΔEabが2.5以下である、透明導電体。
 ΔEab=((L1-L2+(a1-a2+(b1-b21/2
 [2]前記透明基板、前記第一高屈折率層、透明金属層、及び前記第二高屈折率層を少なくとも含む領域の全光線透過率が85%以上である、[1]に記載の透明導電体。
 [3]前記第一高屈折率層と前記透明金属層との間、及び前記透明金属層と前記第二高屈折率層との間のうち、少なくとも一方に、金属酸化物、金属フッ化物、金属窒化物、またはZnを含み、かつ厚みが3nm未満である、中間層を有する[1]または[2]に記載の透明導電体。
 [4]前記第一高屈折率層、透明金属層、及び前記第二高屈折率層がパターニングされており、前記透明導電体が、前記透明基板のみを含む非導通領域と、前記第一高屈折率層、透明金属層、及び前記第二高屈折率層を少なくとも含む導通領域と、を有する、[1]~[3]のいずれかに記載の透明導電体。
 本発明の第二は、以下のタッチパネルに関する。
 [5]前記[1]~[4]のいずれかに記載の透明導電体を含む、タッチパネル。
 本発明によれば、導通領域及び非導通領域を形成した際に、パターンが視認され難く、種々のタッチパネルに適用可能な透明導電体が得られる。
本発明の透明導電体の層構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の透明導電体の層構成の他の例を示す概略断面図である。 本発明の透明導電体の導通領域及び非導通領域からなるパターンの一例を示す模式図である。
 本発明の透明導電体の層構成の例を図1に示す。本発明の透明導電体100には、透明基板1/第一高屈折率層2/透明金属層3/第二高屈折率層4が少なくとも含まれる。本発明の透明導電体100には、透明基板1、第一高屈折率層2、透明金属層3、及び第二高屈折率層4以外の層が含まれてもよい。例えば第一高屈折率層2や第二高屈折率層4に硫黄が含まれる場合には、このような第一高屈折率層2や第二高屈折率層4と透明金属層3とが接触すると、透明金属層3中の銀が硫化されて透明金属層3が変色し、透明金属層3の透明性が低下することがある。そこで、第一高屈折率層2と透明金属層3との間、または透明金属層3と第二高屈折率層4との間に中間層等が含まれてもよい。ここで、透明導電体100は、例えば図1に示されるように、透明基板1の一方の面を全て覆うように形成されていてもよいが、例えば図2に示されるように、第一高屈折率層2、透明金属層3、及び第二高屈折率層4がパターン状に形成(パターニング)されていてもよい。
 本発明の透明導電体を、タッチパネル等に適用する場合には、通常、透明金属層等がパターニングされた状態で用いられる。具体的には、透明基板1、第一高屈折率層2、透明金属層3、及び第二高屈折率層4が少なくとも含まれる導通領域aと、透明基板1のみが含まれる非導通領域bとを有する透明導電体100がタッチパネル等に用いられる。
 前述のように、従来公知の透明導電体では、透明金属層が含まれる導通領域と、透明金属層が含まれない非導通領域とを形成すると、これらの領域の光学特性が大きく異なるため、透明金属層のパターンが、骨のように視認されるとの課題があった。
 これに対し、本発明の透明導電体100では、透明導電体100の第二高屈折率層4側表面の波長520~550nmの光の平均反射率と、透明基板1の表面の波長520~550nmの光の平均反射率との差が1.5%以下に抑制されている。そのため、透明導電体100を観察した際に導通領域aと非導通領域bとの反射率に差が少なく、骨見えし難い。上記反射率差は、より好ましくは1.0%以下である。なお、上記平均反射率の差は、透明導電体100の第二高屈折率層4側表面の平均反射率と、透明基板1の表面の平均反射率との差の絶対値である。ここで、透明基板1の表面の光の反射率とは、透明基板1のみとしたときの、透明基板1の表面の反射率とする。当該反射率は、透明導電体100から第一高屈折率層2や、透明金属層3、第二高屈折率層4等を除去した透明基板1について測定される値であってもよく、透明基板1と同一の基板を準備し、当該基板について測定される値であってもよい。一方、透明導電体100の第二高屈折率層4側表面の反射率とは、透明基板1、第一高屈折率層2、透明金属層3、及び第二高屈折率層4を少なくとも含む領域の表面の反射率とする。例えば、透明導電体100の表面に第二高屈折率層4が露出している場合には、第二高屈折率層4表面の反射率であり、第二高屈折率層4上に他の層が積層されている場合には、当該層表面の反射率である。上記平均反射率は、分光測色計にて測定される値であり、分光測色計の例には、コニカミノルタ株式会社製CM-5等が挙げられる。
 上記透明基板1の光の反射率は、その種類や厚み等によって調整される。一方、透明導電体100の第二高屈折率層4側表面の光の反射率は、第一高屈折率層2や第二高屈折率層4に含まれる材料の選択や、第一高屈折率層2、透明金属層3、第二高屈折率層4の厚み比等により調整される。具体的には、薄膜計算ソフト(Essential Macleod)を用いたシミュレーションで、前述の反射率差が小さくなるよう、第一高屈折率層2や透明金属層3、第二高屈折率層4等の材料や厚みを決定する。
 また本発明では、透明基板1のL表色系におけるL値、a値、及びb値をそれぞれL1、a1、及びb1とし、透明導電体100の第二高屈折率層4側表面のL表色系におけるL値、a値、及びb値をそれぞれL2、a2、及びb2とした場合に、後述の式で求められる色差ΔEabが2.5以下であり、好ましくは2.0以下である。一般的な透明導電体をタッチパネルに用いた場合、表示装置のバックライトを点灯すると、導通領域aと非導通領域bとの色の差が目立ちやすい。これに対し、本発明のように、上記色差ΔEabが2.5以下であると、バックライトを点灯しても、導通領域a及び非導通領域bにおける色味の差が少ないため、骨見えし難い。
 ここで「L値」、「a値」、及び「b値」は、国際照明委員会(CIE)が策定したL表色系の値であり、「L値」は「明度指数」と呼ばれ、明度を示すものである。一方、「a値」および「b値」は、「クロマティクネス指数」と呼ばれ、色相と彩度に相当する位置を示すものである。前記色相と彩度については、「a値」が負であれば緑色系の色となり、「a値」が正であれば赤色系の色となる。また、「b値」が負であれば青色系の色となり、「b値」が正であれば黄色系の色となる。
 透明基板1の「L値」、「a値」、及び「b値」は、透明導電体100から第一高屈折率層2、透明金属層3、及び第二高屈折率層4を除去した透明基板1について測定される値であってもよく、透明基板1と同一の基板を準備し、当該基板について測定される値であってもよい。一方、透明導電体100の第二高屈折率層4側表面の「L値」、「a値」、及び「b値」とは、透明基板1、第一高屈折率層2、透明金属層3、及び第二高屈折率層4を少なくとも含む領域の透明導電体100表面の「L値」、「a値」、及び「b値」とする。例えば、透明導電体100の表面に第二高屈折率層4が露出している場合には、第二高屈折率層4表面の「L値」、「a値」、及び「b値」であり、第二高屈折率層4上に他の層が積層されている場合には、当該層表面の「L値」、「a値」、及び「b値」である。
 上記「L値」、「a値」、及び「b値」は、具体的には分光測色計で測定され、ΔEabは、以下の式で算出される。
 ΔEab=((L1-L2+(a1-a2+(b1-b21/2
 透明基板1表面の「L値」、「a値」、及び「b値」は、透明基板1の種類等により調整される。一方、透明導電体100の表面の「L値」、「a値」、及び「b値」は、第一高屈折率層2や第二高屈折率層4に含まれる材料の選択や、第一高屈折率層2、透明金属層3、第二高屈折率層4の厚み比等により調整される。具体的には、薄膜計算ソフト(Essential Macleod)を用いたシミュレーションにより、それぞれ「L値」、「a値」、及び「b値」を算出し、ΔEabが小さくなるよう、第一高屈折率層2や第二高屈折率層4の材料や厚み等を決定する。
 上記反射率差及びΔEabが達成される透明導電体の一例として、第一高屈折率層(ZnS-SiO)の厚みを3nm~12nm、透明金属層(AgまたはAg合金層)の厚みを4~7nm、かつ第二高屈折率層(GZO層)の厚みを8nm~18nmとした態様が挙げられる。ただし、本発明の透明導電体は当該態様に限定されるものではない。
 ここで、透明導電体100に導通領域a及び非導通領域bを形成する場合、そのパターンは、透明導電体100の用途に応じて、適宜選択される。例えば透明導電体100が静電方式のタッチパネルに適用される場合には、図3に示されるような、複数の導通領域aと、これを区切るライン状の非導通領域bとを含むパターン等でありうる。非導通領域bのラインの幅は50μm以下であることが好ましく、より好ましくは20μm以下である。
 (1)透明基板
 透明導電体100に含まれる透明基板1は、各種表示デバイスの透明基板と同様でありうる。透明基板1は、ガラス基板や、セルロースエステル樹脂(例えば、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース等)、ポリカーボネート樹脂(例えばパンライト、マルチロン(いずれも帝人社製))、シクロオレフィン樹脂(例えばゼオノア(日本ゼオン社製)、アートン(JSR社製)、アペル(三井化学社製))、アクリル樹脂(例えばポリメチルメタクリレート、「アクリライト(三菱レイヨン社製)」、「スミペックス(住友化学社製)」)、ポリイミド、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂、ポリエステル樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート)、ポリエーテルスルホン、ABS/AS樹脂、MBS樹脂、ポリスチレン、メタクリル樹脂、ポリビニルアルコール/EVOH(エチレンビニルアルコール樹脂)、スチレン系ブロックコポリマー樹脂等からなる透明樹脂フィルムでありうる。透明基板1が透明樹脂フィルムである場合、当該フィルムには2種以上の樹脂が含まれてもよい。
 透明性の観点から、透明基板1はガラス基板、もしくはセルロースエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂(特にポリエチレンテレフタレート)、トリアセチルセルロース、シクロオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂、ポリエーテルスルホン、ABS/AS樹脂、MBS樹脂、ポリスチレン、メタクリル樹脂、ポリビニルアルコール/EVOH(エチレンビニルアルコール樹脂)、またはスチレン系ブロックコポリマー樹脂からなるフィルムであることが好ましい。
 また、透明基板1は、1層のみからなるものであってもよいが、ベースとなる基材上に、ハードコート層や平滑層が積層されたものであってもよい。透明基板1にハードコート層や平滑層が含まれると、透明基板1上に成膜される各層の平滑性が高まりやすく、特に透明金属層3が平滑になりやすい。さらに、透明基板1から、第一高屈折率層2側に不純物が析出し難くなり、さらに透明導電体100の擦り傷耐性が高まる。ハードコート層や平滑層は、公知の樹脂からなる層でありうる。
 透明基板1は、可視光に対する透明性が高いことが好ましく;全光線透過率が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、85%以上であることがさらに好ましい。透明基板1の全光線透過率が70%以上であると、透明導電体100の光透過性が高まりやすい。また、透明基板1の波長360~740nmの光の平均吸収率は10%以下であることが好ましく、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは3%以下である。
 上記全光線透過率は、ヘイズメーターを用いて測定される値である。一方、光の吸収率の値は、分光測色計にて測定される360nm~740nmの光の透過率、反射率をそれぞれ平均して平均透過率、平均反射率を算出する。そして、平均吸収率=100-平均透過率-平均反射率から導かれる。
 また、透明基板1の波長520~550nmの光の平均反射率は、15%以下であることが好ましく、より好ましくは12%以下である。
 また、透明基板1の波長570nmの光の屈折率は1.40~1.95であることが好ましく、より好ましくは1.45~1.75であり、さらに好ましくは1.45~1.70である。透明基板の屈折率は、通常、透明基板の材質によって定まる。透明基板1の屈折率は、エリプソメーターで測定される。
 透明基板1のヘイズ値は0.01~2.5であることが好ましく、より好ましくは0.1~1.2である。透明基板のヘイズ値が2.5以下であると、透明導電体100のヘイズ値が抑制される。ヘイズ値は、ヘイズメーターで測定される。
 透明基板1の厚みは、1μm~2mmであることが好ましく、より好ましくは10μm~2mmである。透明基板の厚みが1μm以上であると、透明基板1の強度が高まり、第一高屈折率層2の作製時に割れたり、裂けたりし難くなる。一方、透明基板1の厚みが2mm以下であれば、透明導電体100のフレキシブル性が十分となる。さらに透明導電体100を用いた機器の厚みを薄くできる。また、透明導電体100を用いた機器を軽量化することもできる。
 (2)第一高屈折率層
 第一高屈折率層2は、透明導電体100において、透明金属層3を含む領域の表面の反射率を調整するための層である。第一高屈折率層2は、透明基板1の全面に形成された層でもありうる。ただし、透明導電体100に導通領域a及び非導通領域bを形成する場合、第一高屈折率層2は、透明導電体100の導通領域aに少なくとも形成される。一般的に透明金属層3の反射率は、透明基板1の反射率より高いが、透明金属層3が第一高屈折率層2及び第二高屈折率層4に挟み込まれると、表面反射が抑制される。つまり、導通領域a及び非導通領域bを形成した場合に、これらの領域の反射率が近くなる。
 第一高屈折率層2には、前述の透明基板1の屈折率より高い屈折率を有する誘電性材料または酸化物半導体材料が含まれる。透明基板1が複数層からなる場合、誘電性材料または酸化物半導体材料は、透明基板1を構成するいずれの層より高い屈折率を有する材料とする。ここで、第一高屈折率層2は、当該誘電性材料または酸化物半導体材料が樹脂バインダで結着された層であってもよく、樹脂バインダを含まない層であってもよい。
 第一高屈折率層2に含まれる誘電性材料または、酸化物半導体材料の波長570nmの光の屈折率は、透明基板1の波長570nmの光の屈折率より0.1~1.1大きいことが好ましく、0.4~1.0大きいことがより好ましい。一方、第一高屈折率層2に含まれる誘電性材料または酸化物半導体材料の波長570nmの光の具体的な屈折率は1.5より大きいことが好ましく、1.7~2.5であることがより好ましく、さらに好ましくは1.8~2.5である。誘電性材料または酸化物半導体材料の屈折率が1.5より大きいと、第一高屈折率層2によって、透明金属層3を含む領域(導通領域a)の表面の反射率が十分に調整される。
 第一高屈折率層2に含まれる誘電性材料または酸化物半導体材料は、絶縁性の材料であってもよく、導電性の材料であってもよい。誘電性材料または酸化物半導体材料の例にはTiO、ITO(酸化インジウムスズ)、ZnO、ZnS、Nb、ZrO、CeO、Ta、Ti、Ti、Ti、TiO、SnO、LaTi、IZO(酸化インジウム・酸化亜鉛)、AZO(AlドープZnO)、GZO(GaドープZnO)、ATO(SbドープSnO)、ICO(インジウムセリウムオキサイド)、Ga等が含まれる。第一高屈折率層2には、誘電性材料または酸化物半導体材料が1種のみ含まれてもよく、2種以上が含まれてもよい。誘電性材料または酸化物半導体材料は、特に好ましくは、ZnS、ZnO、TiO、GZO、ITOである。
 なお、第一高屈折率層2には、上記の屈折率が高い誘電性材料や酸化物半導体材料以外に、波長570nmの光の屈折率が1.5未満である材料が一部含まれてもよい。波長570nmの光の屈折率が1.5未満である材料としては、MgF、SiO等が挙げられる。例えば、ZnSと共に、SiOが含まれると、第一高屈折率層が非晶質になりやすく、透明導電体100のフレキシブル性が高まりやすい。ただし、屈折率が1.5未満の材料は、屈折率が高い誘電性材料や酸化物半導体材料100部(原子の数)に対して30部(原子の数)以下であることが好ましく、より好ましくは20部(原子の数)以下である。
 ここで、第一高屈折率層2が、樹脂バインダを含まない層である場合、第一高屈折率層2の屈折率は、第一高屈折率層2に含まれる材料の屈折率や、第一高屈折率層2に含まれる材料の密度で調整される。
 第一高屈折率層2が樹脂バインダを含まない層である場合、当該第一高屈折率層2は、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法、熱CVD法等、一般的な気相成膜法、または塗布で成膜された層でありうる。第一高屈折率層2の屈折率(密度)が高まるとの観点から、第一高屈折率層2は、電子ビーム蒸着法またはスパッタ法で成膜された層であることが好ましい。電子ビーム蒸着法の場合は膜密度を高めるため、IAD(イオンアシスト)などのアシストがあることが望ましい。
 一方、第一高屈折率層2が、誘電性材料または酸化物半導体材料が樹脂バインダで結着された層である場合、第一高屈折率層2の屈折率は、第一高屈折率層2に含まれる誘電性材料または酸化物半導体材料の屈折率や、第一高屈折率層2中の誘電性材料または酸化物半導体材料の密度で調整される。このとき、第一高屈折率層2の総量に対して、誘電性材料または酸化物半導体材料は10~50質量%含まれることが好ましく、より好ましくは30~50質量%である。誘電性材料または酸化物半導体材料の量が上記範囲であると、第一高屈折率層2の屈折率が高まりやすく、第一高屈折率層によって、導通領域aの表面の反射率が所望の範囲に調整されやすくなる。
 第一高屈折率層に含まれる樹脂バインダとしては、光透過性が高い樹脂であれば特に制限されず、熱可塑型樹脂、紫外線硬化型樹脂、または熱硬化型樹脂のいずれでもありうる。これらの樹脂は、例えばアクリル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等でありうる。
 第一高屈折率層2が、誘電性材料または酸化物半導体材料が樹脂バインダで結着された層である場合、当該第一高屈折率層2は、樹脂成分(前述の樹脂またはその前駆体)と、誘電性材料または酸化物半導体材料と、必要に応じて重合開始剤や溶媒等を含む樹脂組成物を透明基板上に塗布し;当該樹脂組成物を固化、または硬化させることにより、得られる。
 当該樹脂組成物に含まれる重合開始剤は、樹脂の種類に応じて適宜選択され、一般的な光重合開始剤、熱重合開始剤等でありうる。光重合性の樹脂成分と共に用いられる光重合開始剤としては、一般的な重合開始剤としては、例えばアセトフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、アルキルフェノン系等が挙げられる。また、熱重合性の樹脂成分と共に用いられる熱重合開始剤としては、有機過酸化物やカチオン重合開始剤等が挙げられる。また、当該樹脂組成物に含まれる溶媒は、樹脂バインダ等の種類に応じて適宜選択され、例えばアルコール系溶媒、ケトン系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、アミド系溶媒、炭化水素系溶媒等、各種有機溶媒でありうる。
 また、樹脂組成物の塗布方法は特に制限されず、例えばバーコーター法、ロールコーター法、カーテンフロー法、スプレー法、グラビアコート法、ダイコート法、コンマコート法、ディップコート法、スピンコート法等、公知の方法でありうる。また、樹脂組成物を固化、もしくは硬化させる方法は、樹脂バインダの種類等に応じて適宜選択される。例えば樹脂バインダが熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂である場合、加熱により溶媒を除去し、樹脂組成物を固化または硬化させる方法でありうる。一方、樹脂バインダが紫外線硬化型樹脂である場合、樹脂組成物に紫外線を照射することで、樹脂組成物を硬化させる方法でありうる。紫外線硬化時の光源としては、例えば超高圧、高圧、低圧水銀灯、ケミカルランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、マーキュリーハロゲンランプ、カーボンアーク灯、白熱灯、レーザー光等でありうる。照射時間は、ランプの種類、光源の強さによって適宜選択されるが、数秒~数分程度である。また紫外線照射と併せて、溶媒の除去や硬化促進のために、紫外線照射前に加熱してもよい。
 ここで、第一高屈折率層2を導通領域aにのみ形成する場合、その方法は特に制限されない。例えば、所望のパターンを有するマスク等を被成膜面に配置して、気相成膜法や塗布法で第一高屈折率層2をパターン状に成膜する方法等でありうる。また透明基板1の全面に層を形成し、これを公知のエッチング法によりパターニングする方法でもありうる。このとき、第一高屈折率層2をエッチングするタイミングは特に制限されず、透明基板1上に第一高屈折率層2、透明金属層3、第二高屈折率層4等を積層してから、これらの層を一時にエッチングすることが、製造効率等の観点から好ましい。
 公知のエッチング法としては、フォトリソグラフィー法、レーザー照射法等が挙げられる。フォトリソグラフィー法等でエッチングする場合、エッチング液は、無機酸または有機酸のいずれでもありうるが、シュウ酸、塩酸、塩化鉄、酢酸、またはリン酸、またはこれらの混合物であることがより好ましい。
 一方、レーザー照射によりエッチングする場合、レーザーの種類は特に制限されず、例えば、Arレーザー、半導体レーザー、He-Neレーザー、YAGレーザー、炭酸ガスレーザー等のいずれでもありうる。これにより、精度よく第一高屈折率層等を透明基板1上から除去することができ、非導通領域bを精度よく形成することができる。
 第一高屈折率層2の厚みは、透明金属層3を含む領域における所望の反射率、及び所望の色度によって適宜選択されるが、通常3~150nmであることが好ましく、より好ましくは5~80nmである。第一高屈折率層2の厚みが3nm以上であると、第一高屈折率層によって、透明金属層3を含む領域の反射率が十分に調整されやすい。一方、第一高屈折率層2の厚みが、150nm以下であると、第一高屈折率層2が含まれる領域の光透過性が低下し難い。第一高屈折率層2の厚みは、エリプソメーター等で測定される。
 (3)透明金属層
 透明金属層3は、透明導電体100において電気を導通させるための層である。透明金属層3は、透明導電体100の全面に形成されていてもよいが、透明導電体100に導通領域a及び非導通領域bを形成する場合、透明金属層3は、導通領域aにのみ形成される。
 透明金属層3は、銀のみ、もしくは銀と銀以外の金属との合金(銀合金)からなる層である。銀合金に含まれる金属は、銅、金、白金、チタン、クロム、亜鉛、パラジウム、アルミニウム、マンガン、ビスマス、ネオジム、モリブデン等でありうる。銀合金中には、これらの金属が一種のみ含まれてもよく、二種以上含まれてもよい。銀合金には、導電性の観点から、銀が90at%以上含まれることが好ましく、より好ましくは97at%以上含まれることが好ましい。銀合金に含まれる各原子の種類や、その含有量は、例えばXPS法等で特定される。
 透明金属層3のプラズモン吸収率は、波長400nm~800nmにわたって(全範囲で)10%以下であることが好ましく、7%以下であることがより好ましく、さらに好ましくは5%以下である。波長400nm~800nmの一部にプラズモン吸収率が大きい領域があると、透明導電体100の導通領域aの透過光が着色しやすくなる。
 透明金属層3の波長400nm~800nmにおけるプラズモン吸収率は、以下の手順で測定される。
 (i)ガラス基板上に、白金パラジウムをマグネトロンスパッタ装置にて0.1nm成膜する。白金パラジウムの平均厚みは、スパッタ装置のメーカー公称値の成膜速度等から算出する。その後、白金パラジウムが付着した基板上にスパッタ法にて金属からなる膜を20nm成膜する。
 (ii)そして、得られた金属膜の表面の法線に対して、5°傾けた角度から測定光を入射させ、金属膜の透過率及び反射率を測定する。そして各波長における透過率及び反射率から、吸収率=100-(透過率+反射率)を算出し、これをリファレンスデータとする。透過率及び反射率は、分光測色計で測定する。
 (iii)続いて、測定対象の透明金属層を同様のガラス基板上に成膜する。そして、当該透明金属層について、同様に透過率及び反射率を測定する。得られた吸収率から上記リファレンスデータを差し引き、算出された値を、プラズモン吸収率とする。
 透明金属層3の厚みは好ましくは15nm以下であることが好ましく、より好ましくは3~13nmであり、さらに好ましくは5~12nmである。本発明の透明導電体100では、透明金属層3の厚みが15nm以下であると、透明金属層3に金属本来の反射が生じ難い。さらに、透明金属層3の厚みが15nm以下であると、第一高屈折率層2及び第二高屈折率層4によって、透明導電体100の導通領域aの表面反射が十分に抑制されやすくなり、骨見えが抑制される。透明金属層3の厚みは、エリプソメーターで測定される。
 透明金属層3は、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法、熱CVD法等、一般的な気相成膜法で成膜された膜でありうるが、透明金属層の平均透過率を高めるためには、スパッタ法で成膜された膜であることが好ましい。透明金属層3がスパッタ法で形成されると、透明金属層3が緻密かつ平滑な膜になりやすい。スパッタ法の種類は特に制限されず、イオンビームスパッタ法や、マグネトロンスパッタ法、反応性スパッタ法、2極スパッタ法、バイアススパッタ法、対向スパッタ法等でありうる。
 ここで、透明金属層3を導通領域aにのみ形成する場合、その方法は特に制限されない。例えば、所望のパターンを有するマスクを配置して、前述のように気相成膜法で透明金属層3を形成する方法等でありうる。また、第一高屈折率層2を覆うように透明基板1上に全面に層を形成した後、これをエッチングにより部分的に除去する方法でもありうる。エッチングの方法は、第一高屈折率層のエッチング方法と同様でありうる。また、エッチングのタイミングは特に制限されず、前述のように、透明基板1上に第一高屈折率層2、透明金属層3、第二高屈折率層4等を積層してから、これらの層を一時にエッチングすることが、製造効率等の観点から好ましい。
 (4)第二高屈折率層
 第二高屈折率層4は、透明導電体100において、透明金属層3を含む領域の表面の反射率を調整するための層である。第二高屈折率層4は、透明導電体100の全面に形成された層でもありうるが、透明導電体100に導通領域a及び非導通領域bを形成する場合、第二高屈折率層4は、透明導電体100の導通領域aに少なくとも形成される。前述のように、透明導電体100に第一高屈折率層2及び第二高屈折率層4が含まれると、透明金属層3が形成されている領域の光の表面反射が抑制される。その結果、例えば導通領域aの反射率と、非導通領域bの反射率(透明基板1の反射率)とが近くなる。
 第二高屈折率層4には前述の透明基板1の屈折率より高い屈折率を有する誘電性材料または酸化物半導体材料が含まれる。当該誘電性材料または酸化物半導体材料の波長570nmの光の屈折率は、透明基板1の波長570nmの光の屈折率より0.1~1.1大きいことが好ましく、0.4~1.0大きいことがより好ましい。一方、第二高屈折率層4に含まれる誘電性材料または酸化物半導体材料の波長570nmの光の具体的な屈折率は1.5より大きいことが好ましく、1.7~2.5であることがより好ましく、さらに好ましくは1.8~2.5である。誘電性材料または酸化物半導体材料の屈折率が1.5より大きいと、第二高屈折率層4によって、透明金属層3を有する領域の光の表面反射が十分に調整される。
 第二高屈折率層4に含まれる誘電性材料または酸化物半導体材料は、絶縁性の材料であってもよく、導電性の材料であってもよい。誘電性材料または酸化物半導体材料は、第一高屈折率層に含まれる誘電性材料または酸化物材料と同様でありうる。第二高屈折率層4には、誘電性材料または酸化物材料が1種のみ含まれてもよく、2種以上が含まれてもよい。また、第二高屈折率層4には、必要に応じて、屈折率が1.5未満である材料が一部含まれてもよい。当該材料は、第一高屈折率層に含まれる屈折率が1.5未満である材料と同様でありうる。第二高屈折率層4に含まれる屈折率が1.5未満である材料は、屈折率が高い誘電性材料や酸化物半導体材料100部(原子の数)に対して30部(原子の数)以下であることが好ましく、より好ましくは20部(原子の数)以下である。
 また、第二高屈折率層4は、誘電性材料または酸化物半導体材料が樹脂バインダで結着された層であってもよく、樹脂バインダを含まない層であってもよい。第二高屈折率層4に含まれる樹脂バインダや、誘電性材料または酸化物半導体材料の濃度は、第一高屈折率層に含まれる樹脂バインダや、誘電性材料または酸化物半導体材料の濃度と同様でありうる。また、第二高屈折率層4の成膜方法は特に制限されず、第一高屈折率層2と同様の方法で成膜される。
 第二高屈折率層4の厚みは、好ましくは3~150nmであり、さらに好ましくは5nm~80nmである。第二高屈折率層4の厚みが3nm以上であると、第二高屈折率層4によって、透明導電体100の透明金属層3を含む領域の表面の反射率が十分に調整される。一方、第二高屈折率層4の厚みが150nm以下であれば、第二高屈折率層4が含まれる領域の光透過性が低下し難い。第二高屈折率層4の厚みは、エリプソメーターで測定される。
 ここで、第二高屈折率層4を導通領域aにのみ形成する場合、その方法は特に制限されない。例えば、所望のパターンを有するマスクを配置して、前述のように気相成膜法で第二高屈折率層4を形成する方法等でありうる。また、透明金属層3を覆うように全面に層を形成した後、これをエッチングにより部分的に除去する方法でもありうる。エッチングの方法は、第一高屈折率層2のエッチング方法と同様でありうる。また、エッチングのタイミングは特に制限されず、前述のように、透明基板1上に第一高屈折率層2、透明金属層3、第二高屈折率層4等を積層してから、これらの層を一時にエッチングすることが、製造効率等の観点から好ましい。
 (5)中間層
 前述のように、透明導電体100の第一高屈折率層2と透明金属層3との間、もしくは透明金属層3と第二高屈折率層4との間に、中間層(図示せず)が形成されていてもよい。例えば、第一高屈折率層2もしくは第二高屈折率層4に硫黄成分が含まれる場合、透明金属層3が硫化されて変色することがある。これに対し、透明導電体100に当該中間層が含まれると、第一高屈折率層2や第二高屈折率層4に硫黄成分が含まれたとしても、透明金属層3が変色し難くなり、透明金属層3を含む領域が視認され難くなる。
 中間層は、金属酸化物、金属フッ化物、金属窒化物、またはZnを含む層でありうる。中間層にはこれらが一種のみ含まれてもよく、二種以上含まれてもよい。金属酸化物の例には、TiO、ITO、ZnO、Nb、ZrO、CeO、Ta、Ti、Ti、Ti、TiO、SnO、LaTi、IZO、AZO、GZO、ATO、ICO、Bi、a-GIO、Ga、GeO、SiO、Al、HfO、SiO、MgO、Y、WO、等が含まれる。金属フッ化物の例には、LaF、BaF、NaAl14、NaAlF、AlF、MgF、CaF、BaF、CeF、NdF、YF等が含まれる。金属窒化物の例には、Si、AlN等が含まれる。また、中間層Znを含む場合、中間層は、Znからなる層等でありうる。
 ここで、中間層は、導通領域aの表面の反射率に影響しない厚みであることが好ましく0.1nm以上3nm未満であることが好ましく、より好ましくは0.5nm以上3nm未満であり、さらに好ましくは1nm以上3nm未満である。
 中間層は、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法、熱CVD法等、一般的な気相成膜法で成膜された層でありうる。
 ここで、中間層を導通領域aにのみ形成する場合、その方法は特に制限されない、例えば、所望のパターンを有するマスクを配置して、前述のように気相成膜法で中間層を形成する方法等が挙げられる。また、第一高屈折率層2や透明金属層3等を覆うように全面に層を形成した後、これをエッチングにより部分的に除去する方法でもありうる。エッチングの方法は、第一高屈折率層のエッチング方法と同様でありうる。また、エッチングのタイミングは特に制限されず、前述のように、第一高屈折率層2、透明金属層3、第二高屈折率層4等と共に、エッチングすることが、製造効率等の観点から好ましい。
 (6)保護層
 透明導電体100には、表面に保護層が含まれてもよい。透明導電体100に保護層が含まれると、透明導電体100の各層が外部の衝撃から保護され、さらに各層の化学的変性が抑制される。保護層は、透明導電体100の全面に形成されていてもよいが、透明導電体100に導通領域a及び非導通領域bを形成する場合、導通領域aにのみ形成されることが好ましい。
 保護層は、透明導電体100を外部から保護可能な層であれば、その材料は特に制限されず、例えば金属からなる層、無機化合物からなる層、または有機化合物からなる層のいずれでもありうる。保護層にはこれらが一種のみ含まれていてもよく、二種以上含まれてもよい。
 保護層は、透明導電体100の表面の反射率に影響を与えない厚みであることが好ましい。具体的には、保護層は厚みが1nm~10μmであることが好ましく、より好ましくは5nm~10μm、さらに好ましくは10nm~10μmである。
 保護層の成膜方法は、保護層の種類に応じて適宜選択され、例えば保護層が金属からなる層や、無機化合物からなる層である場合には、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法、熱CVD法等で形成されたものでありうる。一方、保護層が有機化合物からなる層である場合、有機化合物を必要に応じて、溶媒等に分散または溶解させて、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、公知のコーティング方法で塗布した後、これを乾燥、または硬化させる方法でありうる。
 ここで、保護層を導通領域aにのみ形成する場合、その方法は特に制限されない。例えば、所望のパターンを有するマスクを配置して、前述のような方法で保護層を形成する方法等が挙げられる。また、各層を覆うように全面に層を形成した後、これをエッチングにより部分的に除去する方法でもありうる。エッチングの方法は、第一高屈折率層のエッチング方法と同様でありうる。また、エッチングのタイミングは特に制限されず、前述のように、第一高屈折率層2、透明金属層3、第二高屈折率層4等と共に、エッチングすることが、製造効率等の観点から好ましい。
 (7)透明導電体の物性について
 本発明の透明導電体100の全光線透過率は、85%以上であることが好ましく、例えば透明導電体100が導通領域a(透明基板1、第一高屈折率層2、透明金属層3、及び第二高屈折率層4を少なくとも含む領域)及び非導通領域b(透明基板1のみを含む領域)を含む場合には、いずれにおいても85%以上であることが好ましく、より好ましくは88%以上である。全光線透過率が85%以上であると、透明導電体100を、可視光に対して高い透明性が要求される用途に適用することができる。上記全光線透過率はヘイズメーターで測定される。
 一方、透明導電体100の波長400nm~800nmの光の平均吸収率は、10%以下であることが好ましい。また、透明導電体100が、導通領域a及び非導通領域bを含む場合には、いずれの領域においても10%以下であることが好ましい。また平均吸収率は、より好ましくは8%以下であり、さらに好ましくは7%以下である。また、透明導電体100の波長450nm~800nmの光の吸収率の最大値は、15%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは9%以下である。一方、透明導電体100の波長500nm~700nmの光の平均反射率は、導通領域a及び非導通領域bのいずれにおいても、20%以下であることが好ましく、より好ましくは15%以下であり、さらに好ましくは10%以下である。導通領域a及び非導通領域bを含む場合には、これらのいずれの領域においても、上記平均吸収率や平均反射率を満たすことが好ましい。透明導電体100の平均吸収率及び平均反射率が低いほど、前述の平均透過率が高まる。上記透過率及び反射率は、透明導電体の表面の法線に対して5°傾けた角度から測定光を入射させて分光測色計で測定する。吸収率は、100-(透過率+反射率)の計算式より算出される。
 透明導電体100の透明金属層3を含む領域、つまり導通領域aの表面電気抵抗は、50Ω/□以下であることが好ましく、さらに好ましくは30Ω/□以下である。導通領域aの表面電気抵抗値が50Ω/□以下である透明導電体100は、静電容量方式のタッチパネル等に適用できる。導通領域aの表面電気抵抗値は、透明金属層3の厚み等によって調整される。導通領域aの表面電気抵抗値は、例えばJIS K7194、ASTM D257等に準拠して測定される。また、市販の表面電気抵抗率計によっても測定される。
 (8)透明導電体の用途
 前述の透明導電体は、液晶、プラズマ、有機エレクトロルミネッセンス、フィールドエミッションなど各種方式のディスプレイをはじめ、タッチパネルや携帯電話、電子ペーパー、各種太陽電池、各種エレクトロルミネッセンス調光素子など様々なオプトエレクトロニクスデバイスの基板等に好ましく用いることができる。特に、本発明の透明導電体は、骨見えが少ないため、タッチパネルに好適である。
 このとき、透明導電体の表面(例えば、透明基板と反対側の表面)は、接着層等を介して、他の部材と貼り合わせられてもよい。
 以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。しかしながら、本発明の範囲はこれによって何ら制限を受けない。
 [実施例1]
 ・第一高屈折率層の形成
 透明基板として、白板ガラスを用いた。当該白板ガラスの片面に、第一高屈折率層として、ZnS-SiO層を成膜した。ZnS-SiO層は、アネルバ社のL-430S-FHSにて、Ar:20sccm、スパッタ圧:0.25Pa、室温下、ターゲット側電力:150W、ターゲット-基板距離:86mm、成膜レート:1.5Å/s、RFスパッタにて成膜した。
 ここで、ZnS-SiOは、ZnS100部(原子の数)に対し、20部(原子の数)でSiOが含有されているものとした。得られた第一高屈折率層は43nmであった。
 ・第一中間層の形成
 次いで、前記第一高屈折率層上に、第一中間層として、GZO層を成膜した。GZO層は、アネルバ社のL-430S-FHSを用い、Ar:20sccm、スパッタ圧:0.25Pa、室温下、ターゲット側電力:75W、ターゲット-基板距離:86mmでDCスパッタにて成膜した。得られた第一中間層の厚みは1nmであった。
 ・透明金属層の形成
 さらに、第一中間層上に透明金属層として、銀層を成膜した。銀層は、アネルバ社のL-430S-FHSを用い、Ar:20sccm、スパッタ圧:0.25Pa、室温下、ターゲット側電力:150W、ターゲット-基板距離:86mm、RFスパッタで成膜した。得られた銀層の厚みは7.9nmであった。
 ・第二中間層の形成
 続いて、銀上に第二中間層として、GZO層を成膜した。GZO層は、アネルバ社のL-430S-FHSを用い、Ar:20sccm、スパッタ圧:0.25Pa、室温下、ターゲット側電力75W、ターゲット-基板距離:86mm、DCスパッタで成膜した。得られた第二中間層の厚みは1nmであった。
 ・第二高屈折率層の形成
 さらに、第二中間層上に第二高屈折率層として、ZnS-SiO層を成膜した。ZnS-SiO層は、アネルバ社のL-430S-FHSを用い、Ar:20sccm、スパッタ圧:0.25Pa、室温下、ターゲット側電力:150W、ターゲット-基板距離:86mm、ターゲット-基板距離:86mm、RFスパッタで成膜した。ここで、ZnS-SiOは、ZnS100部(原子の数)に対し、20部(原子の数)でSiOが含有されているものとした。得られた第二高屈折率層の厚みは44nmであった。
 ・非導通領域の形成
 得られた積層体上にレジスト層をパターン状に製膜した。そして、第一高屈折率層、第一中間層、透明金属層、第二中間層、第二高屈折率層を図3に示されるパターン(複数の導通領域aと、これを区切るライン状の非導通領域bとを含むパターン)状にITOエッチング液(林純薬製)でパターニングした。非導通領域bには、透明基板のみが含まれるものとした。また、ライン状の非導通領域bの幅は16μmとした。
 ・評価
 得られた透明導電体の全光線透過率、色相、及び反射率を、それぞれ以下の方法で測定した。さらに、以下の方法で、骨見え評価も行った。結果を表2に示す。
 (全光透過率測定)
 得られた透明導電体の導通領域の全光線透過率を、日本電色工業株式会社製のヘイズメーター NDH5000にて測定した。なお、空気の透過率を100%とした。
 (色相及び反射率の測定)
 得られた透明導電体の色相及び反射率を、コニカミノルタ株式会社製の分光測色計CM-5にて測定した。色相測定では、非導通領域(透明基板である白板ガラス)の透過光の色相(L1、a1、及びb1)、及び導通領域の透過光の色相(L2、a2、及びb2)を測定し、下記式にてΔEabを測定した。
 ΔEab=((L1-L2+(a1-a2+(b1-b2*1/2
 一方、反射率測定は、透明基板である白板ガラスの520nm~550nmの平均反射率を基準とし、実施例1により得られたサンプルの導通領域の520nm~550nmの平均反射率との差(絶対値)を算出した。
 (骨見え評価)
 透明導電体に対し、以下の基準で骨見え評価を行った。
 5:目視で骨見えがほとんど確認できず、実用上良好である
 4:目視で骨見えが若干確認できるが、非常に弱い骨見えであり、実用上ほぼ良好である
 3:目視で骨見えが確認できるが、弱い骨見えであり、実用には耐えるレベルである
 2:目視で骨見えが目立ち、実用上懸念されるレベルである
 1:目視で骨見えがよく目立ち、実用に耐えないレベルである
 [実施例2]
 透明基板としてPETフィルム(株式会社きもと製 125G1SBF)を使用し、さらに以下の方法で非導通領域を形成した以外は実施例1と同様にして透明導電体を作成した。第一高屈折率層の厚みは43nm、第一中間層の厚みは1nm、透明金属層の厚みは7.9nm、第二中間層の厚みは1nm、第二高屈折率層の厚みは44nmであった。
 ・非導通領域の形成及び評価
 透明基板/第一高屈折率層/第一中間層/透明金属層/第二中間層/第二高屈折率層からなる積層体にレーザー光を照射し、図3に示されるパターン状にパターニングした。レーザー光は、レーザー光波長:1064nm、レーザー出力:5W、レーザー径:60μm、周波数:30kHzの設定で照射した。また、積層体の搬送速度は500mm/秒とした。得られた透明導電体に対して、全光線透過率、色相、及び反射率を測定した。結果を表2に示す。
 [実施例3]
 各層を実施例1と同様に透明導電体を作製した。第一高屈折率層の厚みは44nm、第一中間層の厚みは1nm、透明金属層の厚みは6.5nm、第二中間層の厚みは1nm、第二高屈折率層の厚みは45nmであった。得られた透明導電体に対し、実施例1と同様に全光線透過率測定、色相測定、反射率測定、骨見え評価を行った。結果を表2に示す。
 [実施例4]
 透明基板としてPET(株式会社きもと製 125G1SBF)を使用し、実施例2と同様に非導通領域を形成した以外は実施例1と同様に透明導電体を作製した。第一高屈折率層の厚みは43nm、第一中間層の厚みは1nm、透明金属層の厚みは7.4nm、第二中間層の厚みは1nm、第二高屈折率層の厚みは44nmであった。得られた透明導電体に対し、実施例1と同様に全光線透過率測定、色相測定、反射率測定、骨見え評価を行った。結果を表2に示す。
 [実施例5]
 透明基板としてPET(株式会社きもと製 125G1SBF)を使用し、実施例2と同様に非導通領域を形成した以外は実施例1と同様にして透明導電体を作製した。第一高屈折率層の厚みは43nm、第一中間層の厚みは1nm、透明金属層の厚みは7.3nm、第二中間層の厚みは1nm、第二高屈折率層の厚みは44nmであった。得られた透明導電体に対し、実施例1と同様に全光線透過率測定、色相測定、反射率測定、骨見え評価を行った。結果を表2に示す。
 [実施例6]
 ・第一高屈折率層の形成
 透明基板として白板ガラスを用いた。当該白板ガラスの片面に第一高屈折率層として、ZnO層を成膜した。ZnO層は、アネルバ社のL-430S-FHSを用い、Ar:20sccm、スパッタ圧:0.25Pa、室温下、ターゲット側電力:75W、DCスパッタにて成膜した。得られた第一高屈折率層は42nmであった。
 ・透明金属層の形成
 次に、実施例1と同様にして、第一高屈折率層上に透明金属層として銀層を成膜した。得られた透明金属層は7.5nmであった。
 ・第二高屈折率層の形成
 続いて、透明金属層上に第二高屈折率層として、ZnO層を成膜した。ZnO層は、アネルバ社のL-430S-FHSを用い、Ar:20sccm、スパッタ圧:0.25Pa、室温下、ターゲット側電力:75W、DCスパッタにて成膜した。得られた第二高屈折率層は30nmであった。
 ・非導通領域の形成及び評価
 得られた積層体に対し、実施例2と同様にレーザー光によってパターニングした。また、実施例1と同様に全光線透過率測定、色相測定、反射率測定、骨見え評価を行った。結果を表2に示す。
 [実施例7]
 透明基板としてPET(株式会社きもと製 125G1SBF)を使用し;透明金属層のAgをAPC-TR(株式会社フルヤ金属製)に変更し;第二中間層を形成せず;第二高屈折率層としてGZO層を、実施例1の第一高屈折率層の成膜方法と同様に成膜した以外は、実施例1と同様に透明導電体を作製した。第一高屈折率層の厚みは7nm、第一中間層の厚みは1nm、透明金属層の厚みは6.0nm、第二高屈折率層の厚みは10nmであった。得られた透明導電膜に対し、実施例1と同様に全光線透過率測定、色相測定、反射率測定、骨見え評価を行った。結果を表2に示す。
 [実施例8]
 ・第一高屈折率層の形成
 荒川化学工業株式会社製のアクリル樹脂ビームセット577の樹脂固形分100質量部に対して、テイカ株式会社製の酸化チタン分散液ND176を30質量部、BASFジャパン株式会社製のIRGACURE184を3質量部添加した。そして、全固形分が0.65質量%となるようにMEKで希釈し、高屈折率層を塗布製膜するための分散液を得た。
 透明基板であるPET(株式会社きもと製125G1SBF)に当該分散液を塗布し、100℃で30秒間乾燥させた。次いで、紫外線ランプ(ヘレウス株式会社製のLight Hammer 10)にて、照度300mW/cm、照射量1.0J/cmとして、分散液を硬化させて、第一高屈折率層を得た。得られた第一高屈折率層は65nmであった。
 ・透明金属層の形成
 次に、実施例1と同様にして、第一高屈折率層上に透明金属層として銀層を成膜した。得られた透明金属層は6.0nmであった。
 ・中間層の形成
 透明金属層上に、中間層としてGZOを成膜した。GZO層は、実施例1の第二中間層と同様に成膜した。得られた中間層は1nmであった。
 ・第二高屈折率層の形成
 中間層状に、さらに実施例1の第二高屈折率層と同様に、ZnS-SiO層を形成した。得られた第二高屈折率層の厚みは26nmであった。
 ・非導通領域の形成及び評価
 得られた積層体を、実施例1と同様にパターニングし、全光線透過率測定、色相測定、反射率測定、骨見え評価を行った。結果を表2に示す。
 [比較例1]
 ・第一高屈折率層の形成
 透明基板としてPET(株式会社きもと製 125G1SBF)を使用した。当該PETの片面に第一高屈折率層として、ITO層を成膜した。ITO層は、アネルバ社のL-430S-FHSを用い、Ar:20sccm、O:2sccm、スパッタ圧:0.25Pa、室温下、ターゲット側電力:1000W、DCスパッタにて成膜した。得られた第一高屈折率層の厚みは40nmであった。
 ・透明金属層の形成
 第一高屈折率層上に、実施例1と同様に透明金属層である銀層を成膜した。得られた透明金属層の厚みは9.0nmであった。
 ・第二高屈折率層の形成
 透明金属層上に、上記第一高屈折率層と同じ条件で、ITO層を成膜した。得られた第二高屈折率層の厚みは40nmであった。
 ・非導通領域の形成及び評価
 得られた積層体を、実施例1と同様にパターニングし、全光線透過率測定、色相測定、反射率測定、骨見え評価を行った。結果を表2に示す。
 [比較例2]
 透明基板として白板ガラスを用いた以外は比較例1と同様にして透明導電体を作製した。第一高屈折率層の厚みは40nm、透明金属層の厚みは10nm、第二高屈折率層の厚みは45nmであった。得られた透明導電体に対し、実施例1と同様に全光線透過率測定、色相測定、反射率測定、骨見え評価を行った。結果を表2に示す。
 [比較例3]
 ・第一高屈折率層の形成
 透明基板としてPET(帝人株式会社製、HSL)を使用し、上記PETの片面に第一高屈折率層として、TiO層を成膜した。TiO層は、アネルバ社のL-430S-FHSを用い、Ar:20sccm、O:2sccm、スパッタ圧:0.25Pa、室温下、ターゲット側電力:75W、RFスパッタにて成膜した。得られた第一高屈折率層は40nmであった。
 ・透明金属層の形成
 第一高屈折率層上に、実施例1と同様に透明金属層である銀層を成膜した。得られた透明金属層の厚みは9.0nmであった。
 ・第二高屈折率層の形成
 透明金属層上に、上記第一高屈折率層と同じ条件で、TiO層を成膜した。得られた第二高屈折率層の厚みは40nmであった。
 ・非導通領域の形成及び評価
 得られた積層体を、実施例2と同様にパターニングし、全光線透過率測定、色相測定、反射率測定、骨見え評価を行った。結果を表2に示す。
 [比較例4]
 ・第一高屈折率層の形成
 透明基板として白板ガラスを使用した。当該白板ガラスの片面に第一高屈折率層として、酸化セリウムと酸化インジウムの混合物からなる層を成膜した。当該層は、アネルバ社のL-430S-FHSを用い、Ar:20sccm、O:2sccm、スパッタ圧:0.25Pa、室温下、ターゲット側電力:75Wで、セリウムを30at%含む、酸化セリウムと酸化インジウムの混合物ターゲッとし、RFスパッタにて成膜した。得られた第一高屈折率層の厚みは40nmであった。
 ・透明金属層の形成
 第一高屈折率層上に、実施例1と同様に透明金属層である銀層を成膜した。得られた透明金属層の厚みは15nmであった。
 ・第二高屈折率層の形成
 透明金属層上に、上記第一高屈折率層と同じ条件で、セリウムを30at%含む、酸化セリウムと酸化インジウムの混合物からなる層を成膜した。得られた第二高屈折率層の厚みは40nmであった。
 ・保護層の形成
 第二高屈折率層上に、さらに、保護層として第一高屈折率層と同じ条件で、酸化セリウムをスパッタした。得られた保護層の厚みは2nmであった。
 ・非導通領域の形成及び評価
 得られた積層体を、実施例2と同様にパターニングし、全光線透過率測定、色相測定、反射率測定、骨見え評価を行った。結果を表2に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 表2に示されるように、ΔEabが2.5以下であり、かつ反射率差(絶対値)が1.5%以下であると、骨見え評価が良好であった。
 本出願は、2014年9月29日出願の特願2014-198292号に基づく優先権を主張する。この出願明細書および図面に記載された内容は、すべて本願明細書に援用される。
 本発明で得られる透明導電体は、透明金属層をパターニングしても骨見えが少ない。したがって、各種方式のディスプレイをはじめ、タッチパネルや携帯電話、電子ペーパー、各種太陽電池、各種エレクトロルミネッセンス調光素子など様々なオプトエレクトロニクスデバイスに好ましく用いられる。
 1 透明基板
 2 第一高屈折率層
 3 透明金属層
 4 第二高屈折率層
 100 透明導電体

Claims (5)

  1.  透明基板と、
     前記透明基板の波長570nmの光の屈折率より、波長570nmの光の屈折率が高い誘電性材料または酸化物半導体材料を含む第一高屈折率層と、
     銀または銀を含む合金からなる透明金属層と、
     前記透明基板の波長570nmの光の屈折率より、波長570nmの光の屈折率が高い誘電性材料または酸化物半導体材料を含む第二高屈折率層と、
     をこの順に含む透明導電体であって、
     前記透明基板の波長520~550nmの光の平均反射率と、前記透明導電体の前記第二高屈折率層側表面の波長520~550nmの光の平均反射率と、の差が1.5%以下であり、かつ
     前記透明基板のL表色系におけるL値、a値、及びb値をそれぞれL1、a1、及びb1とし、前記透明導電体の前記第二高屈折率層側表面のL表色系におけるL値、a値、及びb値をそれぞれL2、a2、及びb2とした場合に、下記一般式で求められるΔEabが2.5以下である、透明導電体。
    ΔEab=((L1-L2+(a1-a2+(b1-b21/2
  2.  前記透明基板、前記第一高屈折率層、前記透明金属層、及び前記第二高屈折率層を少なくとも含む領域の全光線透過率が85%以上である、請求項1に記載の透明導電体。
  3.  前記第一高屈折率層と前記透明金属層との間、及び前記透明金属層と前記第二高屈折率層との間のうち、少なくとも一方に、金属酸化物、金属フッ化物、金属窒化物、またはZnを含み、かつ厚みが3nm未満である、中間層を有する、請求項1に記載の透明導電体。
  4.  前記第一高屈折率層、前記透明金属層、及び前記第二高屈折率層がパターニングされており、
     前記透明導電体が、前記透明基板のみを含む非導通領域と、前記第一高屈折率層、前記透明金属層、及び前記第二高屈折率層を少なくとも含む導通領域と、を有する、請求項1に記載の透明導電体。
  5.  請求項1に記載の透明導電体を含む、タッチパネル。
     
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