JP6206262B2 - 透明導電体、その製造方法及び導電性ペースト - Google Patents
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Description
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
前記第1高屈折率層及び前記第2高屈折率層のうち少なくとも一層が、少なくとも硫化亜鉛を含有する層であり、
前記硫化亜鉛を含有する層と前記透明金属層の間に、酸化亜鉛(ZnO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)及びインジウム・ガリウム・亜鉛の酸化物(IGZO)から選ばれる少なくとも一種類の化合物を含有する硫化防止層を有し、
前記透明導電体が、パターニングされていて、かつ、
前記透明金属層が、導電性ペーストを用いた導電部材で回路基板と電気的に接続されていることを特徴とする透明導電体。
透明基板の一方の面上に第1高屈折率層、透明金属層及び第2高屈折率層をこの順に積層して層構造体を形成する工程と、
前記層構造体を、酸を含有する導電性ペーストを導電部材に用いて回路基板と電気的に接続する工程と、
前記第1高屈折率層及び前記第2高屈折率層のうち少なくとも一層が、少なくとも硫化亜鉛を含有する層であり、前記硫化亜鉛を含有する層と前記透明金属層の間に、酸化亜鉛(ZnO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)及びインジウム・ガリウム・亜鉛の酸化物(IGZO)から選ばれる少なくとも一種類の化合物を含有する硫化防止層を形成する工程と、
を備えることを特徴とする透明導電体の製造方法。
前記酸が、硫化亜鉛を溶解させる酸であることを特徴とする第4項に記載の透明導電体の製造方法。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
これにより、硫化亜鉛をエッチングする工程を設けることなく引き出し配線を配設することができるためである。
本発明に係る透明金属層が、導電性ペーストを用いた導電部材で回路基板と電気的に接続される引き出し配線部を設ける工程の概略を図1A〜図1Cに示す。また、本発明のパターニングされた透明導電体100の概略の一例を図2示す。透明導電体100の層構成の例を図1Aに示す(引き出し配線部は図示略)。図2に示すように、透明導電体100の透明導電層10は、パターニングにより、導通領域aと絶縁領域bが形成されている。
本発明の透明導電体は、図1Aに示すように、硫化亜鉛を含有する層と透明金属層の間に、酸化亜鉛(ZnO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)及びインジウム・ガリウム・亜鉛の酸化物(IGZO)から選ばれる少なくとも一種類の化合物を含有する硫化防止層を有することが好ましい。これにより、好適に透明金属層に金属硫化物の生成を抑制することができる。
また、導通領域aから引き出されている引き出し配線部12(以下、単に「引き出し配線」ともいう。)を有している。
透明導電体100にディスプレイパネル16を貼り合わせることで、タッチパネルとした場合、図2に示す破線で囲まれた領域がタッチセンサー部13として機能する。
透明導電体100にディスプレイパネル16を貼り合わせてタッチパネルを製造する方法については、公知の方法を適宜利用することができる。
そして、本発明の透明導電体100では、当該第1高屈折率層2又は第2高屈折率層4のいずれか一方、若しくは両方が、ZnSを含む硫化亜鉛含有層である。
また、当該第1高屈折率層2及び第2高屈折率層4と透明金属層3との間には、硫化防止層5(第1硫化防止層5a及び第2硫化防止層5b)が設けられることが好ましい。
また、上述のとおり、透明導電層10は、パターニングされている。パターニングの方法及び形状等は、公知の方法を用いることができ、透明導電体の使用目的に合わせて適宜変更することができる。
導電性ペーストを先に説明した後、透明導電層の層構成及びその他の部分について説明する。
本発明の導電性ペーストは、少なくとも銀又は銅を含有し、かつ、硫化亜鉛を溶解させる酸を含有する。
導電性ペーストに含有される銀又は銅は、球状の粒子として含有されていることが好ましい。銀粒子又は銅粒子は、それぞれの粒子のメジアン径(D50)が、0.2〜0.9μmの範囲内であることが好ましい。例えば、大研化学製造販売株式会社製CA−T30等を用いることができる。
銀粒子又は銅粒子の導電性ペースト中の含有率は、70〜97質量%の範囲内であることが好ましく、75〜92質量%の範囲内であることがより好ましい。この範囲であると、良好な導電性を有する引き出し配線を配設することができる。
当該導電性ペーストは、銀粒子又は銅粒子とともに、有機溶媒又は/及び樹脂を含有する。導電性ペーストが含有する有機溶媒又は/及び樹脂は、銀粒子又は銅粒子と反応性を有さないものであればよい。
これらの有機溶媒又は/及び樹脂を含有することで、印刷に適した導電性ペーストが得られる。
引き出し配線と接続するために、硫化亜鉛を溶解させる酸を含有する導電性ペーストを用いることで、絶縁性の高い硫化亜鉛含有層を、エッチング処理を別途行うことなく溶解させることができる点で好ましい。
硫化亜鉛を溶解させる酸としては、例えば、シュウ酸、クエン酸、アミノ酸、アジピン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、酢酸、硫酸、硝酸、塩酸、フッ酸及びリン酸が挙げられる。この中でも特に、シュウ酸、クエン酸、アミノ酸、酢酸、リン酸、硫酸、塩酸が好ましい。これらの酸から選ばれる一種類の酸を単独で用いてもよいし、二種以上を併用して用いてもよい。
これらの酸の導電性ペースト中の含有率は、0.05〜0.50質量%の範囲内であることが好ましく、0.10〜0.35質量%の範囲内であることがより好ましい。硫化亜鉛を溶解させる酸をこの範囲内で含有することで、透明金属層に含有される銀を溶解させることなく、好適に硫化亜鉛含有層を溶解させることができる。
(2−1)第1高屈折率層
第1高屈折率層2は、透明導電体の導通領域a、つまり透明金属層3が形成されている領域の光透過性を調整する層であり、少なくとも透明導電体100の導通領域aに形成される。第1高屈折率層2は、透明導電体100の絶縁領域bにも形成されていてもよいが、導通領域a及び絶縁領域bからなるパターンを視認され難くするとの観点から、導通領域aのみに形成されていることが好ましい。
一方、第1高屈折率層2に含まれる誘電性材料又は酸化物半導体材料の波長570nmの光の具体的な屈折率は1.5より大きいことが好ましく、1.7〜2.5であることがより好ましく、さらに好ましくは1.8〜2.5である。誘電性材料又は酸化物半導体材料の屈折率が1.5より大きいと、第1高屈折率層2によって、透明導電体100の導通領域aの光透過性が十分に調整される。
なお、第1高屈折率層2の屈折率は、第1高屈折率層2に含まれる材料の屈折率や、第1高屈折率層2に含まれる材料の密度で調整される。
ZnSの比率が高いとスパッタ速度が速くなり、第1高屈折率層2の形成速度が速くなる。一方、ZnS以外の成分が多く含まれると、第1高屈折率層2の非晶質性が高まり、第1高屈折率層2の割れが抑制される。
第1高屈折率層にZnSが含まれる場合、つまり第1高屈折率層2が硫化亜鉛含有層である場合、図1Aに示されるように、第1高屈折率層2と透明金属層3との間に第1硫化防止層5aが設けられることが好ましい。第1硫化防止層5aは、透明導電体100の絶縁領域bにも形成されていてもよいが、導通領域a及び絶縁領域bからなるパターンを視認され難くするとの観点から、導通領域aのみに形成されていることが好ましい。
金属フッ化物の例には、LaF3、BaF2、Na5Al3F14、Na3AlF6、AlF3、MgF2、CaF2、BaF2、CeF3、NdF3、YF3等が含まれる。
金属窒化物の例には、Si3N4、AlN等が含まれる。
上記の化合物を用いることができるが、十分な硫化防止機能、耐久性を持たせるために、特にZnO、GZO、IGZOを用いることが好ましい。
透明金属層3は、透明導電体100において電気を導通させるための層である。本発明の透明導電体に設けられる透明導電層10では、透明金属層3が透明基板1の全面に積層されていてもよく、図2に示すように、目的とするデバイスの用途に合わせて所望の形状にパターニングされていてもよい。本発明の透明導電体において、透明金属層3が積層されている領域aが、電気が導通する領域(以下、「導通領域」とも称する。)である。一方、透明金属層3が含まれない領域bが絶縁領域である(図2参照)。図2においては、透明導電層10を除去した領域を絶縁領域bとしているが、一例であって、少なくとも透明金属層3が除去されていれば適宜変更することができる。
(i)ガラス基板上に、白金パラジウムをマグネトロンスパッタ装置にて0.1nm成膜する。白金パラジウムの平均厚さは、スパッタ装置のメーカー公称値の成膜速度等から算出する。その後、白金パラジウムが付着した基板上にスパッタ法にて金属からなる膜を20nm形成する。
後述する第2高屈折率層が硫化亜鉛含有層である場合、図1Aに示されるように、透明金属層3と第2高屈折率層4との間に第2硫化防止層5bが形成されることが好ましい。第2硫化防止層5bは、透明導電体100の絶縁領域bにも形成されていてもよいが、導通領域a及び絶縁領域bからなるパターンを視認され難くするとの観点から、導通領域aのみに形成されていることが好ましい。
第2高屈折率層4は、透明導電体100の導通領域a、つまり透明金属層3が形成されている領域の光透過性を調整するための層であり、少なくとも透明導電体100の導通領域aに形成される。第2高屈折率層4は、透明導電体100の絶縁領域bに形成されてもよいが、導通領域a及び絶縁領域bからなるパターンを視認され難くするとの観点から、導通領域aのみに形成されていることが好ましい。
前述のように、透明導電体100には、透明金属層3の形成時に成長核となる下地層が設けられてもよい。下地層は、透明金属層3より基板1側、かつ透明金属層3に隣接して形成された層、つまり、第1高屈折率層2と透明金属層3との間、若しくは第1硫化防止層5aと透明金属層3との間に形成された層でありうる。下地層は、少なくとも透明導電体の導通領域aに形成されていることが好ましく、透明導電体100の絶縁領域bに形成されていてもよい。
透明導電体に設けられるその他の構成について説明する。
透明導電体100が有する透明基板1は、各種表示デバイスの透明基板と同様でありうる。透明基板1は、ガラス基板や、セルロースエステル樹脂(例えば、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース等)、ポリカーボネート樹脂(例えばパンライト、マルチロン(いずれも帝人社製))、シクロオレフィン樹脂(例えばゼオノア(日本ゼオン社製)、アートン(JSR社製)、アペル(三井化学社製))、アクリル樹脂(例えばポリメチルメタクリレート、「アクリライト(三菱レイヨン社製)、スミペックス(住友化学社製))、ポリイミド、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂、ポリエステル樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート)、ポリエーテルスルホン、ABS/AS樹脂、MBS樹脂、ポリスチレン、メタクリル樹脂、ポリビニルアルコール/EVOH(エチレンビニルアルコール樹脂)、スチレン系ブロックコポリマー樹脂等からなる透明樹脂フィルムでありうる。透明基板1が透明樹脂フィルムである場合、当該フィルムには二種以上の樹脂が含まれてもよい。
本発明に用いられる引き出し配線は、公知のプリント印刷等のプリント基板に用いられる方法により形成することができる。材質については、銀又は銅が好ましく、線幅については、20〜50μmの範囲内が好ましいが、目的に応じて適宜変更することができる。
なお、導電性ペーストを、引き出し配線の形成に用いてもよい。
本発明の透明導電体の製造方法は、成膜工程と、接合工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、パターニングをする工程等のその他の工程を含む。
本発明の透明導電体の製造方法により、本発明の透明導電体が製造される。透明導電体の製造方法の具体的な一例として、透明基板1の一方の面上に第1高屈折率層2、第1硫化防止層5a、透明金属層3、第2硫化防止層5b及び第2高屈折率層4をこの順に積層して層構造体を形成する工程と、透明導電層をパターニングする工程と、層構造体を、酸を含有する導電性ペーストを導電部材に用いて回路基板と電気的に接続する工程と、を備えることにより、透明導電体が製造される。
以下に、透明導電体の製造方法をより詳細に説明する。
成膜工程としては、透明基板の一方の面上に第1高屈折率層2、透明金属層3及び第2高屈折率層4をこの順に積層して層構造体を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、透明金属層3と第1高屈折率層2の間及び透明金属層3と第2高屈折率層4の間の少なくとも一方に硫化防止層5を設けることが好ましい。
接続工程としては、層構造体の所定の領域を、導電性ペーストを導電部材に用いて回路基板と電気的に接続する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
具体的には、導電性ペーストを印刷により透明基板上に配設し、透明金属層と引き出し配線を接続させ、さらに回路基板と電気的に接続させる。
導電性ペーストを透明基板上に配設する印刷方法は、スクリーン印刷、グラビア印刷等の配線基板に用いる公知の印刷方法を適宜用いることができる。
まず、透明基板1の一方の面上に第1高屈折率層2、第1硫化防止層5a、透明金属層3、第2硫化防止層5b、第2高屈折率層4をこの順に積層して層構造体を形成する(図1A)。所定のパターニング処理を行うことで、導通領域aの端部に引き出し配線部12と導電性ペースト6を電気的に接続する領域を形成する(図1B)。
本発明の透明導電体の波長450〜800nmの光の平均透過率は、導通領域a及び絶縁領域bのいずれにおいても83%以上であることが好ましく、より好ましくは85%以上であり、さらに好ましくは88%以上である。上記波長範囲における平均透過率が83%以上であると、透明導電体を、可視光に対して高い透明性が要求される用途に適用することができる。
本発明の透明導電体は、種々の方式のタッチパネルのタッチセンサー(以下において、「タッチセンサー電極部」ともいう。)に適用され得る。例えば、表面型静電容量方式タッチパネル、投影型静電容量方式タッチパネル、抵抗膜式タッチパネルなどにおいて用いることができる。
タッチセンサー部の層構成が、透明電極として二枚の透明導電体を貼合する貼合方式、一枚の基材の両面に透明電極として透明導電体を具備する方式、片面ジャンパー若しくはスルーホール方式又は片面積層方式のいずれかであることが好ましい。
また、投影型静電容量式タッチセンサーは、DC駆動よりAC駆動が好ましく、電極への電圧印加時間が少ない駆動方式がより好ましい。
なお、例えば、本発明の透明導電体をタッチセンサーに適用する場合には、図2に示されるように、複数の導通領域aと、これを区切るライン状の絶縁領域bとを含むパターンを有する透明電極として成形して用いることができる。
本発明の透明導電体に対し、図2で示すような導通領域a及び絶縁領域bからなるパターンの形成方法について説明する。
本発明の透明導電体100においては、上記のような方法で透明基板1上に、少なくとも、第1高屈折率層2と、透明金属層3と、第2高屈折率層4とをこの順で積層して製造した後、透明導電体100を所定の形状にパターニングして、金属パターン電極を形成することが好ましい。
具体的には、フォトリソグラフィー法により、エッチング液を用いて、例えば、図2に示すような電極パターンを形成することが好ましい。形成する電極の線幅としては、50μm以下であることが好ましく、特に好ましくは、20μm以下である。
以下、フォトリソグラフィー法による電極パターンの形成方法について説明する。
本発明に適用するフォトリソグラフィー法とは、硬化性樹脂等のレジスト塗布、予備加熱、露光、現像(未硬化樹脂の除去)、リンス、エッチング液によるエッチング処理、レジスト剥離の各工程を経ることにより、銀薄膜層を、例えば、図2に示すようなパターンに加工することができ、パターンの形状は適宜変更することができる。
本発明では、従来公知の一般的なフォトリソグラフィー法を適宜利用することができる。例えば、レジストとしてはポジ型又はネガ型のいずれのレジストでも使用可能である。また、レジスト塗布後、必要に応じて予備加熱又はプリベークを実施することができる。露光に際しては、所定のパターンを有するパターンマスクを配置し、その上から、用いたレジストに適合する波長の光、一般には紫外線や電子線等を照射すればよい。露光後、用いたレジストに適合する現像液で現像を行う。現像後、水等のリンス液で現像を止めるとともに洗浄を行うことで、レジストパターンが形成される。
次いで、形成されたレジストパターンを、必要に応じて前処理又はポストベークを実施してから、有機溶媒を含むエッチング液によるエッチングで、レジストで保護されていない領域の中間層の溶解及び銀薄膜電極の除去を行う。エッチング後、残留するレジストを剥離することによって、所定のパターンを有する透明電極が得られる。このように、本発明に適用されるフォトリソグラフィー法は、当業者に一般に認識されている方法であり、その具体的な適用態様は当業者であれば所定の目的に応じて容易に選定することができる。
次いで、図を交えて、本発明に適用可能な電極パターンの形成方法について説明する。
次いで、レジスト膜の形成工程で、透明導電層10上に感光性樹脂組成物等から構成されるレジスト膜を均一に塗設する。感光性樹脂組成物としては、ネガ型感光性樹脂組成物あるいはポジ型感光性樹脂組成物を用いることができる。
塗布方法としては、マイクログラビアコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング、カーテンフローコーティング、ロールコーティング、スプレーコーティング、スリットコーティングなどの公知の方法によって、透明導電層10上に塗布し、ホットプレート、オーブンなどの加熱装置でプリベークすることができる。プリベークは、例えば、ホットプレート等を用いて、50〜150℃の範囲内で30秒〜30分間行うことができる。
現像方法としては、シャワー、ディッピング、パドルなどの方法で現像液に5秒〜10分間浸漬することが好ましい。現像液としては、公知のアルカリ現像液を用いることができる。具体例としては、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩などの無機アルカリ、2−ジエチルアミノエタノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、コリンなどの4級アンモニウム塩を一種あるいは二種以上含む水溶液などが挙げられる。現像後、水でリンスすることが好ましく、続いて50〜150℃の範囲内で乾燥ベークを行ってもよい。
本発明に適用可能なエッチング液としては、無機酸あるいは有機酸を含有する液が好ましく、シュウ酸、塩酸、酢酸、リン酸を挙げることができ、特に、シュウ酸、酢酸、リン酸が好ましい。
具体的には、例えば、有機酸等を含むエッチング液に、レジスト膜を有する透明導電層10を浸漬し、レジスト膜で保護されていない絶縁領域bの透明導電層10を溶解し、レジスト膜で保護している導通領域aの透明導電層10を所定の電極パターンとして形成する。
なお、本発明に係るタッチセンサーに使用する画像表示装置は、特に制限されず、小型電子端末に通常使用される液晶表示装置や、有機EL装置などが使用できる。
前述の透明導電体は、液晶、プラズマ、有機エレクトロルミネッセンス、フィールドエミッションなど各種方式のディスプレイをはじめ、タッチパネルや携帯電話、電子ペーパー、各種太陽電池、各種エレクトロルミネッセンス調光素子など様々なオプトエレクトロニクスデバイスの基板等に好ましく用いることができる。
実施例1の透明導電体の作製について、透明基板上に少なくとも第1高屈折率層、透明金属層及び第2高屈折率層を有する透明導電層を形成し、パターニングする工程までの作製方法の一例を挙げる。
透明基板として、きもと株式会社製クリアハードコート付きPETフィルム(G1SBF、「HCPET」と称する。厚さ125μm)を用い、HCPETフィルム上に、下記の方法に従って、蒸着法により第1高屈折率層(ZnS−SiO2)/第1硫化防止層(ZnO)/透明金属層(Ag)/第2硫化防止層(ZnO)/第2高屈折率層(ZnS−SiO2)をこの順に積層した。次いで、当該積層体を下記の方法でパターニングして、配線を有する透明導電体を、バッチ方式で作製した。なお、各層の厚さは、J.A.Woollam Co.Inc.製のVB−250型VASEエリプソメーターで測定した。
真空スパッタ装置として、大阪真空社製のマグネトロンスパッタ装置を用い、Ar 20sccm、O2 0sccm、スパッタ圧0.1Pa、室温下、ターゲット側電力150W、成膜レート3.8Å/秒でターゲット(ZnS−SiO2の焼成体)をRFスパッタした。ターゲット−基板間距離は90mmであった。層厚は40nmであった。
次いで、Ar 20sccm、スパッタ圧0.1Pa、室温下、ターゲット側電力150W、成膜レート1.1Å/秒でZnOをRFスパッタした。ターゲット−基板間距離は90mmであった。ZnO層の層厚は1nmであった。
次いで、Ar 20sccm、スパッタ圧0.5Pa、室温下、ターゲット側電力150W、成膜レート14Å/秒でAgをRFスパッタした。ターゲット−基板間距離は90mmであった。Ag層の層厚は7nmであった。
次いで、Ar 20sccm、スパッタ圧0.1Pa、室温下、ターゲット側電力150W、成膜レート1.1Å/秒でZnOをRFスパッタした。ターゲット−基板間距離は90mmであった。ZnO層の層厚は1nmであった。
次いで、Ar 20sccm、O2 0sccm、スパッタ圧0.1Pa、室温下、ターゲット側電力150W、成膜レート3.8Å/秒でターゲット(ZnS−SiO2の焼成体)をRFスパッタした。ターゲット−基板間距離は90mmであった。層厚は40nmであった。
次いで、上記作製した少なくとも第1高屈折率層、透明金属層及び第2高屈折率層を有する透明導電層に対し、前述したパターニング方法に従って、導通領域aと、絶縁領域bを有するパターンを形成した。
東海商事社製スクリーン印刷装置にてAgペースト(大研化学製造販売株式会社製CA−T30)を透明導電層及び透明基板上にスクリーン印刷し、150℃で30分間焼結した。線幅は50μm、高さは5μm、Agペーストに含有されるクエン酸の濃度は0.78質量%だった。
東海商事社製スクリーン印刷装置にてAgペースト(大研化学製造販売株式会社製CA−T30)を透明導電層及び透明基板上にスクリーン印刷し、150℃で30分間焼結した。線幅は50μm、高さは5μm、Agペーストに含有されるシュウ酸の濃度は0.78質量%だった。
東海商事社製スクリーン印刷装置にてAgペースト(大研化学製造販売株式会社製CA−T30)を透明導電層及び透明基板上にスクリーン印刷し、150℃で30分間焼結した。線幅は50μm、高さは5μm、Agペーストに含有される酢酸の濃度は0.78質量%だった。
東海商事社製スクリーン印刷装置にてAgペースト(大研化学製造販売株式会社製CA−T30)を透明導電層及び透明基板上にスクリーン印刷し、150℃で30分間焼結した。線幅は50μm、高さは5μm、Agペーストに含有される塩酸の濃度は0.78質量%だった。
東海商事社製スクリーン印刷装置にてAgペースト(大研化学製造販売株式会社製CA−T30)を透明導電層及び透明基板上にスクリーン印刷し、150℃で30分間焼結した。線幅は50μm、高さは5μm、Agペーストに含有される硫酸の濃度は0.78質量%だった。
東海商事社製スクリーン印刷装置にてAgペースト(大研化学製造販売株式会社製CA−T30)を透明導電層及び透明基板上にスクリーン印刷し、150℃で30分間焼結した。線幅は50μm、高さは5μm、Agペーストに含有されるリン酸の濃度は0.78質量%だった。
東海商事社製スクリーン印刷装置にてAgペースト(大研化学製造販売株式会社製CA−T30)を透明導電層及び透明基板上にスクリーン印刷し、150℃で30分間焼結した。線幅は50μm、高さは5μm、Agペーストに含有されるアミノ酸の濃度は0.78質量%だった。
実施例2の透明導電体の作製について、実施例1の透明基板上に少なくとも第1高屈折率層、透明金属層及び第2高屈折率層を有する透明導電層を形成し、パターニングする工程のうち、第1硫化防止層及び第2硫化防止層の製造方法を以下の方法に変更して、透明導電体を作製した。
Ar 20sccm、スパッタ圧0.1Pa、室温下、ターゲット側電力150W、成膜レート1.1Å/秒でGZOをRFスパッタした。ターゲット−基板間距離は90mmであった。GZO層の層厚は1nmであった。
Ar 20sccm、スパッタ圧0.1Pa、室温下、ターゲット側電力150W、成膜レート1.1Å/秒でGZOをRFスパッタした。ターゲット−基板間距離は90mmであった。GZO層の層厚は1nmであった。
実施例3の透明導電体の作製について、実施例1の透明基板上に少なくとも第1高屈折率層、透明金属層及び第2高屈折率層を有する透明導電層を形成し、パターニングする工程のうち、第1硫化防止層及び第2硫化防止層の製造方法を以下の方法に変更して、透明導電体を作製した。
Ar 20sccm、スパッタ圧0.1Pa、室温下、ターゲット側電力150W、成膜レート1.1Å/秒でIGZOをRFスパッタした。ターゲット−基板間距離は90mmであった。IGZO層の層厚は1nmであった。
Ar 20sccm、スパッタ圧0.1Pa、室温下、ターゲット側電力150W、成膜レート1.1Å/秒でIGZOをRFスパッタした。ターゲット−基板間距離は90mmであった。IGZO層の層厚は1nmであった。
実施例1〜3で作製した透明導電体(1−1〜1−7、2−1〜2−7及び3−1〜3−7)について、温度24℃、湿度30%RHの条件で10秒後の導通抵抗を、日置電気社製LCRハイテスタ3532−50を用いて2端子法にて測定した。具体的には、複数の接続端子のうち、例えば、図1Aで示す接続端子11aと11bとに日置電気社製LCRハイテスタ3532−50をあてることにより導通があることを確認した。
10 透明導電層
1 透明基板
2 第1高屈折率層
3 透明金属層
4 第2高屈折率層
5 硫化防止層
5a 第1硫化防止層
5b 第2硫化防止層
6 導電性ペースト(導電部材)
7 電極
8 フレキシブル基板
11、11a、11b 接続端子
12 引き出し配線部
13 タッチセンサー部
14 配線パターン
15 接着剤
16 ディスプレイパネル
200 タッチパネル
a 導通領域
b 絶縁領域
Claims (7)
- 少なくとも、透明基板、第1高屈折率層、透明金属層及び第2高屈折率層を、この順に有する透明導電体であって、
前記第1高屈折率層及び前記第2高屈折率層のうち少なくとも一層が、少なくとも硫化亜鉛を含有する層であり、
前記硫化亜鉛を含有する層と前記透明金属層の間に、酸化亜鉛(ZnO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)及びインジウム・ガリウム・亜鉛の酸化物(IGZO)から選ばれる少なくとも一種類の化合物を含有する硫化防止層を有し、
前記透明導電体が、パターニングされていて、かつ、
前記透明金属層が、導電性ペーストを用いた導電部材で回路基板と電気的に接続されていることを特徴とする透明導電体。 - 前記導電性ペーストが、少なくとも銀又は銅を含有することを特徴とする請求項1に記載の透明導電体。
- 前記導電部材で前記回路基板と電気的に接続されている引き出し配線部と、更にタッチセンサー部とを備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の透明導電体。
- 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の透明導電体の製造方法であって、
透明基板の一方の面上に第1高屈折率層、透明金属層及び第2高屈折率層をこの順に積層して層構造体を形成する工程と、
前記層構造体を、酸を含有する導電性ペーストを導電部材に用いて回路基板と電気的に接続する工程と、
前記第1高屈折率層及び前記第2高屈折率層のうち少なくとも一層が、少なくとも硫化亜鉛を含有する層であり、前記硫化亜鉛を含有する層と前記透明金属層の間に、酸化亜鉛(ZnO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)及びインジウム・ガリウム・亜鉛の酸化物(IGZO)から選ばれる少なくとも一種類の化合物を含有する硫化防止層を形成する工程と、
を備えることを特徴とする透明導電体の製造方法。 - 前記導電性ペーストが、少なくとも銀又は銅を含有し、
前記酸が、硫化亜鉛を溶解させる酸であることを特徴とする請求項4に記載の透明導電体の製造方法。 - 前記硫化亜鉛を溶解させる酸が、シュウ酸、クエン酸、アミノ酸、アジピン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、酢酸、硫酸、硝酸、塩酸、フッ酸及びリン酸から選ばれる少なくとも一種類の酸を含有することを特徴とする請求項5に記載の透明導電体の製造方法。
- 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の透明導電体に用いる導電性ペーストであって、少なくとも銀又は銅を含有し、かつ、硫化亜鉛を溶解させる酸を含有することを特徴とする導電性ペースト。
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