WO2015186788A1

WO2015186788A1 - 組立式ホブ

Info

Publication number: WO2015186788A1
Application number: PCT/JP2015/066182
Authority: WO
Inventors: 正宣森川; 弘生鳥井
Original assignee: 三菱マテリアル株式会社
Priority date: 2014-06-04
Filing date: 2015-06-04
Publication date: 2015-12-10
Also published as: KR102408291B1; EP3153268A4; CN106457433A; US20170197264A1; CN106457433B; KR20170012237A; US10376974B2; EP3153268A1; EP3153268B1

Abstract

　この組立式ホブは、円筒状のホブ本体と、鋸歯状の切刃を有し、前記ホブ本体の外周部に少なくともひとつ形成された取付座に、前記切刃の延在する方向が前記ホブ本体の中心軸線方向と平行になるように配置された板状のブレードと、前記ホブ本体の外周部に前記取付座に対して前記ホブ本体の周方向に隣接するように形成された凹所に、前記中心軸線方向に並べて装着され、前記取付座に配置された前記ブレードを前記ホブ本体に対して着脱可能に固定する複数のクサビ部材とを備える。

Description

組立式ホブ

　本発明は、ホブ本体の外周部に鋸歯状をなす切刃が形成されたブレードが着脱可能に取り付けられて歯車の歯切り加工を行う組立式ホブに関するものである。
　本願は、２０１４年６月４日に日本に出願された特願２０１４－１１５９７０号、及び２０１５年１月１４日に日本に出願された特願２０１５－００５１７６号に対して優先権を主張し、その内容をここに援用する。

　このような組立式ホブとして、特許文献１には、筒状のホブ本体の外周面に、軸方向に沿う溝が周方向に等間隔で複数形成され、これらの溝に挿入したサポータに複数の山形形状のブレードを嵌着固定した組立式ホブが提案されている。ここで、上記サポータは調整ネジと押さえ駒とで軸方向に位置決めされている。また、特許文献２には、ブレードをホブ本体の中心軸線方向に加圧する軸方向締め付けネジと径方向内側に加圧する径方向締め付けネジとによってホブ本体に固定するようにしたものが提案されている。また、この特許文献１には、ブレードを中心軸線方向に複数に分割するとともに、１つのブレードをそれぞれ１つの径方向締め付けネジによって、そのテーパ頭部をブレードの斜面に押し付けることにより加圧することも記載されている。

実開昭６３－０９１３２１号公報特開平９－１７４３３２号公報

　このような組立式ホブでは、径方向締め付けネジのテーパ頭部がブレードの斜面に線当たりで当接することになるため、特に上述のように１つのブレードをそれぞれ１つの径方向締め付けネジによって加圧して固定しようとすると、ブレードの取り付けが不安定となり、歯切り加工時にブレードにがたつきが生じて加工精度を損なうおそれがある。

　また、このようにホブ本体の外周に複数の溝が周方向に間隔をあけて形成されて、これらの溝にサポータと、鋸歯状をなす切刃が形成されたブレードとが取り付けられたホブでは、これらのブレードの鋸歯状をなす切刃の位相が軸線回りに一定のリードとなるように、各溝の調整ネジと押さえ駒の位置を順次ずらすことにより、サポータとブレードも周方向に順次軸方向に位置をずらして螺旋状となるように配設されている。
　しかしながら、このような複数の溝に取り付けられたブレードの間で、互いの山形形状が正確に一定のリードの螺旋状をなすように位置決めするのは困難であり、調整ネジや押さえ駒によるサポータおよびブレードの位置決めに多くの時間と労力とを要することになる。また、万一これらのブレードの１つにでも鋸歯状の切刃の位相にずれが生じていると、歯切り加工された歯車の精度も損なわれてしまう。これは、特許文献１に記載された組立式ホブに限らず、ソリッドやロウ付けのホブでも同様である。

　本発明は、このような背景の下になされたもので、ブレードを安定してホブ本体に取り付けることができ、しかも鋸歯状の切刃の位相合わせなどに多くの時間や労力を要することもなく、加工精度の向上を図ることが可能な組立式ホブを提供することを目的としている。

　本発明の組立式ホブの第一の態様は、円筒状のホブ本体と、
　鋸歯状の切刃を有し、前記ホブ本体の外周部に少なくともひとつ形成された取付座に、前記切刃の延在する方向が前記ホブ本体の中心軸線方向と平行になるように配置された板状のブレードと、
　前記ホブ本体の外周部に前記取付座に対して前記ホブ本体の周方向に隣接するように形成された凹所に、前記中心軸線方向に並べて装着され、前記取付座に配置された前記ブレードを前記ホブ本体に対して着脱可能に固定する複数のクサビ部材とを備える。

　このように構成された組立式ホブでは、各ブレードがホブ本体の中心軸線方向に並んだ複数のクサビ部材によって押圧されて取り付けられるので、クサビ部材とブレードとの接触面積を大きく確保することができるとともに、ブレードが延びる上記中心軸線方向の複数の箇所で該ブレードを押圧することができ、これらによって安定してブレードをホブ本体に取り付けることができる。従って、歯切り加工時にブレードにがたつき生じるのを防いで高い加工精度を得ることができる。

　本発明の組立式ホブの第二の態様は、前記第一の態様において、前記クサビ部材は板状又は柱状の部材であって、前記クサビ部材はその長さ方向を前記中心軸線方向に一致させるようにして前記凹所に装着されてもよい。これにより、ブレードとの接触面積をより大きく確保して一層の取付安定性の向上を図ることができる。

　本発明の組立式ホブの第三の態様は、第一又は第二の態様において、前記ブレードの前記クサビ部材に接する面は、前記ブレードが前記ホブ本体に固定された状態で、前記ホブ本体の外周に近いほど前記ブレードの厚さが薄くなるように、凹面状に形成されてもよい。これにより、ホブ本体からの径方向外側へのブレードの抜け止めを図ることができる。

　本発明の組立式ホブの第四の態様は、前記第一から第三の態様のいずれかにおいて、前記ホブ本体に、前記取付座が前記ホブ本体の周方向に間隔を空けて複数形成され、前記取付座と同数の前記ブレードが、おのおのの前記取付座に一枚ずつ固定されており、複数の前記ブレードのうち第一のブレードと、該第一のブレードに隣接する第二のブレードとは、前記第一のブレードの端面の位置を前記第二のブレードの端面に対して前記軸方向に一致させて前記ホブ本体に固定された状態では、前記第一のブレードの鋸歯状の切刃の位相が、前記第二のブレードの鋸歯状の切刃の位相に対して前記中心軸線方向にずれるように構成されてもよい。これにより、すべてのブレードの上記中心軸線方向の位置は互いに略同じとしたまま、この中心軸線回りに捩れる上記切刃の列をホブ本体の外周に形成して歯切り加工を行うことができる。

　本発明の組立式ホブの第五の態様は、前記第一から第四の態様のいずれかにおいて、前記ホブ本体に設けられ、前記ブレードの前記中心軸線方向の位置を調整する調整手段をさらに備えてもよい。これにより、各ブレードの切刃が正確に上記切刃の列をなすように配置して、一層の加工精度の向上を図ることができる。

　本発明の組立式ホブの第六の態様は、前記第一から第三の態様のいずれかにおいて、前記ホブ本体に、前記取付座が少なくともひとつ形成され、そのひとつの取付座に前記ブレードが１枚固定されてもよい。本態様では、ホブ本体の外周部に、鋸歯状をなす切刃を有するブレードがひとつしか設けられていないので、このブレードの鋸歯状をなす切刃のピッチさえ正確に形成されていれば、他の切刃との位相を合わせたりすることなく、このひとつのブレードによってワークに歯形を形成することができる。このため、位相合わせのために時間や労力を必要とすることがない。

　本発明によれば、ブレードを安定してホブ本体に取り付けることができて、ブレードにがたつきが生じたりするのを防ぎ、高精度の歯切り加工を行うことができる。

本発明の第一の実施形態を示す中心軸線方向一端側（図３における右側）から見た一部破断正面図である。図１に示す第一の実施形態を中心軸線方向他端側（図３における左側）から見た背面図である。図１に示す第一の実施形態の側断面図である。図３における矢線Ｘ方向視の部分底面図である。図１に示す第一の実施形態の取付座周辺の拡大断面図である。隣接する２枚のブレードの切刃の位相を示す拡大断面図である。本発明の第二の実施形態を示す軸線方向一端側（図３における左側）から見た一部破断正面図である。図７に示す第二の実施形態を軸線方向他端側（図３における右側）から見た背面図である。図７に示す第二の実施形態の側断面図である。図９における矢線Ｘ方向視の部分平面図である。図７に示す第二の実施形態の取付座周辺の拡大断面図である。

　図１から図５は、本発明の第一の実施形態を示すものである。第一の実施形態において、ホブ本体１は鋼材等により形成されて、中心軸線Ｏ方向の両端部１Ａが互いに等しい外径で、その間の胴部１Ｂよりも小径とされた該中心軸線Ｏを中心とする多段の外形円筒状をなしており、その径方向内部にホブ盤の回転軸が取り付けられて上記中心軸線Ｏ回りの回転方向Ｔに回転されつつ歯切り加工を行う。なお、このように円筒状のホブ本体１の径方向内部に回転軸が取り付けられるもののほかに、例えば上記中心軸線Ｏに沿って延びる柄（シャンク）がホブ本体に形成されて、この柄が工作機械の主軸に取り付けられて回転されることにより歯切り加工を行う組立式ホブに本発明を適用することも可能である。

　ホブ本体１の両端部１Ａよりも大径となる胴部１Ｂの外周面には、この外周面からホブ本体１１の径方向内側に凹んで中心軸線Ｏに平行に延びる取付座２が該中心軸線Ｏ方向の全長に亙って形成されて、胴部１Ｂの両端面１Ｃに開口している。取付座２は、ホブ本体１の径方向外側を向く底面２Ａと、この底面２Ａに対して垂直かつ上記回転方向Ｔ前方を向く壁面２Ｂとを備えており、底面２Ａと壁面２Ｂが交差する隅角部にはチャンネル（溝）状に凹んだ逃げ部２Ｃが形成されている。

　また、上記胴部１Ｂの外周部には、取付座２の周方向に隣接して該取付座２と連通する凹所３が形成されている。第一の実施形態では、凹所３は、取付座２の回転方向Ｔ前方に隣接して形成されていて、取付座２の底面２Ａよりも僅かにホブ本体１の径方向内側に位置する底面３Ａと、この底面３Ａの回転方向Ｔ前方に位置して底面３Ａからホブ本体１の径方向外側に拡がる回転方向Ｔ後方を向いた壁面３Ｂとを有している。凹所３は、取付座２と同様に中心軸線Ｏに平行に延びて胴部１Ｂの両端面１Ｃに開口するように中心軸線Ｏ方向の全長に亙って形成されている。さらに、凹所３の底面３Ａには、中心軸線Ｏに垂直な平面上において壁面３Ｂに平行に延びる中心線を有するネジ孔３Ｃが、中心軸線Ｏ方向に等間隔をあけて複数（第一の実施形態では３つ）ずつ形成されている。

　第一の実施形態では、同形同大のこのような取付座２と凹所３とが、ホブ本体１の周方向に等間隔に複数（１２個）ずつ形成されている。また、胴部１Ｂの外周面には、凹所３の上記壁面３Ｂの外周縁から回転方向Ｔ前方に向かうに従いホブ本体１の外周面に近づく傾斜面１Ｄが形成されており、この傾斜面１Ｄは凹所３の回転方向Ｔ後方に隣接する取付座２の壁面２Ｂに達する手前で胴部１Ｂの外周面に切れ上がって、壁面２Ｂの回転方向Ｔ後方にホブ本体１の肉厚を確保したままチップポケットを形成している。

　上記取付座２にはそれぞれブレード４が着脱可能に取り付けられる。このブレード４は超硬合金等の硬質材料により平板状に形成されており、この平板の厚さ方向をホブ本体１の周方向に向けて、ホブ本体１の径方向内側に向けられる着座面４Ａを取付座２の底面２Ａに密着させて当接されるとともに、回転方向Ｔ後方に向けられる背面４Ｂを壁面２Ｂに密着させて当接された状態で、取付座２に着座している。第一の実施形態では、１つの取付座２に、ホブ本体１の胴部１Ｂの中心軸線Ｏ方向の長さと略等しい長さを有する１枚ずつのブレード４がそれぞれ取り付けられる。

　こうして取付座２に着座したブレード４のホブ本体１径方向の幅は、ホブ本体１の胴部１Ｂ外周面から底面２Ａまでの取付座２の深さよりも大きくされている。従って、ブレード４は胴部１Ｂの外周面から突出することになり、この突出した部分には、中心軸線Ｏ方向と平行な方向に延在する切刃４Ｃが形成されている。切刃４Ｃは、図３に示すようにホブ本体１の半径方向に突き出す鋸歯状に形成されている。第一の実施形態では、個々のブレード４における切刃４Ｃに形成される鋸歯の大きさやピッチは一定であるとともに、各取付座２に取り付けられるブレード４の切刃４Ｃに形成される鋸歯の大きさやピッチも互いに等しく、またブレード４同士の中心軸線Ｏ方向の長さも等しくされている。

　一方、ホブ本体１の周方向に隣接する取付座２に取り付けられるブレード４同士では、それぞれのブレード４が中心軸線Ｏ方向の端面の位置を揃えて取付座２に取り付けられた状態で、上記切刃４Ｃに形成される鋸歯がその上記中心軸線Ｏ方向の位相をずらすように形成されている。すなわち、これら周方向に隣接するブレード４同士では、その中心軸線Ｏ方向の端面を揃えてホブ本体１に取り付けた状態で、鋸歯状の切刃４Ｃの中心軸線Ｏ回りの回転軌跡は重なり合わずに、該中心軸線Ｏ方向にずれるようにされている。

　ここで、これらのブレード４の切刃４Ｃは、ホブ本体１の外周面に回転方向Ｔとは逆方向に並ぶ順に、切刃４Ｃに形成される鋸歯の位相が中心軸線Ｏ方向の一端から他端（図３および図４における右端から左端）に向けて等しい間隔で順次ずらされるように形成されている。従って、これによりホブ本体１の外周には、これらのブレード４の切刃４Ｃの鋸歯の外側に凸となる凸部が、回転方向Ｔの後方側に向けては中心軸線Ｏ方向の上記一端から他端に向けて一定のリードで捩れる１または複数条の列をなすように配列されることになる。

　なお、切刃４Ｃの回転方向Ｔ後方に連なり、ホブ本体１の径方向外側に向く面はブレード４の逃げ面４Ｄとされる。この逃げ面４Ｄには、切刃４Ｃから回転方向Ｔ後方に向かうに従いホブ本体１の径方向内側に向かうように逃げ角が与えられるとともに、回転方向Ｔ後方に向かうに従い中心軸線Ｏ方向の一端から他端（図３および図４における右端から左端）に向けて捩れるように、上記切刃４Ｃの列がなすリードと等しいリードが与えられている。

　一方、切刃４Ｃに連なり、着座面４Ａよりもホブ本体１の径方向外側において回転方向Ｔ前方に向く面はブレード４のすくい面４Ｅとされ、このすくい面４Ｅはブレード４が取付座２に着座した状態において中心軸線Ｏを含む平面上に位置するように形成されている。また、ブレード４の上記着座面４Ａは、上記背面４Ｂに垂直に形成されている。

　さらに、ブレード４のすくい面４Ｅと同じく回転方向Ｔ前方に向けられ、すくい面４Ｅよりもホブ本体１の径方向内側に位置して上記凹所３に臨む部分には、被押圧面４Ｆが形成されている。この被押圧面４Ｆは、ホブ本体１の径方向外側（すくい面４Ｅ側）に向かうに従い該すくい面４Ｅに対してブレード４の厚さが次第に薄くなるように上記背面４Ｂ側に向かう傾斜平面に形成されており、すくい面４Ｅとは背面４Ｂ側に僅かに凹む小さな段差を介して連なっている。このような被押圧面４Ｆが着座面４Ａから一定の幅でブレード４の全長に亙って形成されており、上述のようにブレード４を取付座２に着座した状態で、この被押圧面４Ｆはホブ本体１の径方向外側に向かうに従い凹所３の上記壁面３Ｂから離間するように傾斜している。

　取付座２に着座したブレード４は、凹所３に装着されるクサビ部材６を上記被押圧面４Ｆに当接され、クランプネジ５によってホブ本体１に取り付けられる。クランプネジ５の両端部には、互いに逆向きに捩れた雄ネジ部５Ａ、５Ｂが形成されており、一方の雄ネジ部５Ａが凹所３のネジ孔３Ｃに螺着される。雄ネジ部５Ａがネジ孔３Ｃにねじ込まれることにより、クサビ部材６によってブレード４の被押圧面４Ｆが押圧され、ホブ本体１とクサビ部材６との間に挟まれるようにしてブレード４がホブ本体１に締着される。

　クサビ部材６は、回転方向Ｔ前方に向けられて凹所３の壁面３Ｂに摺接する平面状の側面６Ａと、回転方向Ｔ後方に向けられて上記被押圧面４Ｆを押圧する、やはり平面状の押圧面６Ｂとを備える板状または柱状に形成されており、クサビ部材６の長さ方向を中心軸線Ｏに一致させるようにして、凹所３に装着されている。押圧面６Ｂはホブ本体１の径方向外側に向かうに従い側面６Ａから離間するように傾斜していて、クサビ部材６は断面台形状をなしており、この押圧面６Ｂが側面６Ａに対してなす傾斜角は、取付座２に着座したブレード４の被押圧面４Ｆが凹所３の壁面３Ｂに対してなす傾斜角と略等しくされている。

　また、クサビ部材６には、上記側面６Ａと押圧面６Ｂとの間に、上記クランプネジ５の他方の端部に形成された雄ネジ部５Ｂがねじ込まれるネジ孔６Ｃが形成されている。このネジ孔６Ｃは、側面６Ａを凹所３の壁面３Ｂに密着させたときに、中心軸線Ｏ方向視に見て凹所３のネジ孔３Ｃと同軸となるように形成されている。

　そして、第一の実施形態では、１つの凹所３に形成されたネジ孔３Ｃと同数の複数（３つ）のクサビ部材６が、該ネジ孔３Ｃにそれぞれねじ込まれる１つずつのクランプネジ５によって中心軸線Ｏ方向に並ぶように凹所３に装着されている。すなわち、取付座２に着座した１枚のブレード４が、これら複数のクサビ部材６によって取り付けられる。

　これら１つの凹所３に装着される複数のクサビ部材６は互いに同形同大のものであり、個々のクサビ部材６の中心軸線Ｏ方向の長さは、凹所３の中心軸線Ｏ方向の長さを装着されるクサビ部材６の数で除した長さよりも僅かに短くされていて、ネジ孔６Ｃは各クサビ部材６の中心軸線Ｏ方向中央部に、１つのクサビ部材６に１つずつ形成されている。これにより、１つの凹所３に装着される中心軸線Ｏ方向に隣接したクサビ部材６同士の間には僅かな隙間があけられる。

　このようなクサビ部材６をクランプネジ５によって凹所３に装着することにより、取付座２に着座したブレード４は、被押圧面４Ｆが押圧されて着座面４Ａと背面４Ｂが取付座２の底面２Ａと壁面２Ｂにそれぞれ押し付けられて取付座２に固定される。複数の取付座２に固定されたブレード４同士の間では、上述のように切刃４Ｃに形成される鋸歯の凸部が、一定のリードの１または複数条の螺旋状の列を形成するように、中心軸線Ｏ方向の位置が調整される。

　ここで、このようにブレード４の中心軸線Ｏ方向の位置を調整するのに、第一の実施形態ではホブ本体１に調整手段７が備えられている。この調整手段７は、第一の実施形態では図２および図３に示すように、ホブ本体１の一方の端部１Ａに嵌挿されて胴部１Ｂの一方の端面１Ｃに取付ネジ７Ａによって着脱可能に取り付けられる中心軸線Ｏを中心とした円環板状のプレート７Ｂに、この一方の端面１Ｃに開口した各取付座２に連通してプレート７Ｂを中心軸線Ｏ方向に貫通するようにそれぞれネジ孔７Ｃが形成され、これらのネジ孔７Ｃに調整ネジ７Ｄがねじ込まれて構成されている。

　このような調整手段７によってブレード４の中心軸線Ｏ方向の位置を調整するには、上述のようにブレード４を取付座２に着座させた上で、クランプネジ５によりクサビ部材６を凹所３に装入し、ただしクランプネジ５を完全にねじ込まずにクサビ部材６によってブレード４がある程度押圧されただけの仮締めの状態とする。そして、この状態から、調整ネジ７Ｄをねじ込んで中心軸線Ｏ方向にブレード４と当接させ、さらに調整ネジ７Ｄをねじ込んで押圧することによってブレード４はホブ本体１の他方の端部１Ａ側に移動するので、ブレード４が所定の位置に配置されたところで、クランプネジ５を完全にねじ込んで取付座２に固定すればよい。

　なお、第一の実施形態では、ブレード４が装着される取付座２がホブ本体１の胴部１Ｂの両端面１Ｃに開口しているので、各ブレード４が所定の位置に配置されているかどうかは、調整手段７のプレート７Ｂが取り付けられていない胴部１Ｂの他方の端面１Ｃ側から測定器の端子をブレード４に当接させてブレード４の中心軸線Ｏ方向の位置を測定することにより検知することができる。ただし、ホブ本体１の胴部１Ｂの両方の端面１Ｃに上述のような調整手段７を備えて、一方の端面１Ｃ側の調整手段７の調整ネジ７Ｄをねじ込み過ぎたときにはこの調整ネジ７Ｄを緩めた上で、他方の端面１Ｃ側の調整ネジ７Ｄをねじ込んでブレード４の中心軸線Ｏ方向の位置を修正するようにしてもよい。また、このような調整手段７は、ブレード４の中心軸線Ｏ方向の位置を調整した後にはホブ本体１から取り外してもよい。

　このようにしてブレード４の中心軸線Ｏ方向の位置が調整されて組み立てられた組立式ホブは、上述のように中心軸線Ｏ回りの回転方向Ｔに回転されつつ、ブレード４の切刃４Ｃが回転するワークに切り込まれ、このワークの周面に歯切り加工によって歯形を形成して歯車を製造してゆく。

　このとき、上記構成の組立式ホブにおいては、取付座２に着座した１枚のブレード４が、ホブ本体１の中心軸線Ｏ方向に並んだ複数（第一の実施形態では３つ）のクサビ部材６によって押圧されて取り付けられているので、１枚のブレード４の被押圧面４Ｆとこれらのクサビ部材６の押圧面６Ｂとの接触面積を大きく確保することができるとともに、中心軸線Ｏ方向に延びる板状のブレード４を、同じく中心軸線Ｏ方向の複数の箇所で押圧して取り付けることができる。このため、ブレード４を安定してホブ本体１に取り付けることが可能となって、歯切り加工時にブレード４にがたつきが生じたりするのを防ぐことができ、高い加工精度を得ることができる。

　また、第一の実施形態では、こうして１枚のブレード４を押圧する複数のクサビ部材６のそれぞれが中心軸線Ｏ方向に延びる板状あるいは柱状に形成されており、ブレード４は略その全長に亙って複数のクサビ部材６によって押圧される。このため、ブレード４とクサビ部材６との接触面積を一層大きく確保することができ、さらにブレード４を安定的にホブ本体１に取り付けて加工精度の向上を図ることができる。

　さらに、クサビ部材６に接するブレード４の被押圧面４Ｆは、ブレード４がホブ本体１に固定された状態で、ホブ本体１の外周に近づくほどブレード４の厚さが薄くなるように、すくい面４Ｅに対して凹むように形成されている。この被押圧面４Ｆをクサビ部材６の押圧面６Ｂが密着して押圧することにより、ブレード４がホブ本体１の径方向外側に抜けないように取り付けることができる。このため、歯切り加工の際にホブ本体１を高速で回転させた場合でもブレード４にがたつきが生じるのを防ぐことができ、一層安定してブレード４を保持して高能率の歯切り加工を行うことが可能となる。

　一方、第一の実施形態では、ホブ本体１に取り付けられた複数のブレード４のうち周方向に隣接するブレード４同士では、互いの中心軸線Ｏ方向の端面の位置を揃えて取り付けたときに、鋸歯状をなして延びる切刃４Ｃは中心軸線Ｏ方向の位相がずれるように形成されており、このように位相がずらされた切刃４Ｃにより、ホブ本体１の外周に螺旋状の切刃４Ｃの列が形成される。すなわち、図６に示すように、複数のブレード４の中の任意のブレード（第一のブレード）４（１）、及びブレード４（１）に隣接するブレード（第二のブレード）４（２）は、双方の端部を中心軸線Ｏ方向に一致させてホブ本体１に固定された状態では、ブレード４（１）の鋸歯状の切刃４Ｃの位相が、ブレード４（２）の鋸歯状の切刃４Ｃの位相に対して中心軸線Ｏ方向にずれるように、それぞれの形状が異なっている。このため、個々のブレード４の中心軸線Ｏ方向の位置は互いに略同じとして歯切り加工を行うことができるので、ホブ本体１の回転バランスを向上させることができ、精度の高い歯切り加工を行うことが可能となる。

　さらにまた、このように取り付けられるブレード４の中心軸線Ｏ方向の位置は、第一の実施形態では上記調整手段７によって調整することが可能である。従って、この調整手段７によって各ブレード４を正確に所定の位置に配設することにより、第一の実施形態によれば一層高精度の歯切り加工を行うことができる。

　ただし、上述のように複数のブレード４において中心軸線Ｏ方向の端面の位置を揃えたときに、切刃４Ｃは中心軸線Ｏ方向の位相がずれるように形成するのに代えて、ブレード４の端面の位置を揃えたときには切刃４Ｃの中心軸線Ｏ回りの回転軌跡も一致する同形同大の複数のブレード４を取付座２に取り付けて、上述のような調整手段７によってブレード４自体の中心軸線Ｏ方向の位置をずらすことにより、ホブ本体１の外周に螺旋状の切刃４Ｃの列を形成するようにしてもよい。また、第一の実施形態では、個々のブレード４において切刃４Ｃに形成される鋸歯のピッチを一定としているが、例えば所定位置の歯を欠いた欠け歯状の切刃を有するブレードを用いてもよい。

　図７から図１１は、本発明の第二の実施形態を示すものである。第二の実施形態において、ホブ本体１１は鋼材等により形成され、中心軸線Ｏ方向の両端部１１Ａが互いに等しい外径で、その間の胴部１１Ｂよりも小径とされた該中心軸線Ｏを中心とする多段の外形円筒状をなしており、その径方向内部にホブ盤の回転軸が取り付けられて上記中心軸線Ｏ回りの回転方向Ｔに回転されつつ歯切り加工を行う。

　ホブ本体１１の両端部１１Ａよりも大径となる胴部１１Ｂの外周面には、この外周面からホブ本体１１の径方向内側に凹んで中心軸線Ｏに平行に延びる凹溝状の取付座１２が該中心軸線Ｏ方向の全長に亙って１条だけ形成されて、胴部１１Ｂの両端面１１Ｃに開口している。この取付座１２は、ホブ本体１１の径方向外側を向く底面２Ａと、この底面１２Ａに対して垂直に上記回転方向Ｔ前方を向く壁面１２Ｂとを備えており、底面１２Ａと壁面１２Ｂが交差する隅角部にはチャンネル（溝）状に凹んだ逃げ部１２Ｃが形成されている。

　また、上記胴部１１Ｂの外周部には、取付座１２の周方向に隣接して該取付座１２と連通する凹所１３が形成されている。第二の実施形態では、凹所１３は、取付座１２の回転方向Ｔ前方に隣接して形成されていて、取付座１２の底面１２Ａよりも僅かにホブ本体１１の径方向内側に位置する底面１３Ａと、この底面１３Ａの回転方向Ｔ前方に位置して底面１３Ａからホブ本体１１の径方向外側に拡がる回転方向Ｔ後方を向いた壁面１３Ｂとを有している。凹所１３は、取付座１２と同様に中心軸線Ｏに平行に延びて胴部１１Ｂの両端面１１Ｃに開口するように中心軸線Ｏ方向の全長に亙って１条だけ形成されている。さらに、凹所１３の底面１３Ａには、中心軸線Ｏに垂直な平面上において壁面１３Ｂに平行に延びる中心線を有するネジ孔１３Ｃが、中心軸線Ｏ方向に等間隔をあけて複数（第二の実施形態では３つ）ずつ形成されている。

　さらに、胴部１１Ｂの外周面には、凹所１３の上記壁面１３Ｂの外周縁から回転方向Ｔ前方に向かうに従いホブ本体１１の外周面に近づく傾斜面１１Ｄが形成されている。この傾斜面１１Ｄは、凹所１３の回転方向Ｔ後方に隣接する取付座１２の壁面１２Ｂに達する手前で胴部１１Ｂの外周面に切れ上がり、チップポケットの底面を形成している。なお、ホブ本体１１の径方向内部には、ホブ盤の回転軸に設けられたキーと嵌合するキー溝１１Ｅが、中心軸線Ｏを挟んで上記取付座１２の反対側に形成されている。

　上記取付座１２にはブレード１４が着脱可能に取り付けられる。従って、第二の実施形態のホブは組立式ホブであり、１つのホブ本体１１に取り付けられるブレード１４も１枚だけである。
　このブレード１４は超硬合金等の硬質材料により平板状に形成されており、この平板の厚さ方向をホブ本体１１の周方向に向けて、ホブ本体１１の径方向内側に向けられる着座面１４Ａを取付座１２の底面１２Ａに密着させて当接されるとともに、回転方向Ｔ後方に向けられる背面１４Ｂを壁面１２Ｂに密着させて当接された状態で、取付座１２に着座している。第二の実施形態では、上記取付座１２に、ホブ本体１１の胴部１１Ｂの中心軸線Ｏ方向の長さと略等しい長さを有するブレード１４が取り付けられる。

　こうして取付座１２に着座したブレード１４のホブ本体１１径方向の幅は、ホブ本体１１の胴部１１Ｂ外周面から底面１２Ａまでの取付座１２の深さよりも大きくされている。従って、ブレード１４は胴部１１Ｂの外周面から突出することになり、この突出した部分には、中心軸線Ｏ方向と平行な方向に延在する切刃１４Ｃが形成されている。切刃１４Ｃは、図９に示すようにホブ本体１１の半径方向に突き出す鋸歯状に形成されている。従って、１つのホブ本体１１に設けられる切刃１４Ｃも１列だけである。なお、第二の実施形態では、ブレード１４における切刃１４Ｃに形成される鋸歯の大きさやピッチは一定とされている。

　また、切刃１４Ｃの回転方向Ｔ後方に連なり、ホブ本体１１の径方向外側に向く面はブレード１４の逃げ面１４Ｄとされる。この逃げ面１４Ｄには、切刃１４Ｃから回転方向Ｔ後方に向かうに従いホブ本体１１の径方向内側に向かうように逃げ角が与えられるとともに、回転方向Ｔ後方に向かうに従い中心軸線Ｏ方向の一端から他端（図９および図１０における左端から右端）に向けて捩れるようにリードが与えられている。

　一方、切刃１４Ｃに連なり、着座面１４Ａよりもホブ本体１１の径方向外側において回転方向Ｔ前方に向く面はブレード１４のすくい面１４Ｅとされ、このすくい面１４Ｅはブレード１４が取付座１２に着座した状態において中心軸線Ｏを含む平面上に位置するように形成されている。また、ブレード１４の上記着座面１４Ａは、上記背面１４Ｂに垂直に形成されている。

　さらに、すくい面１４Ｅと同じく回転方向Ｔ前方に向けられ、すくい面１４Ｅよりもホブ本体１１の径方向内側に位置して上記凹所１３に臨む部分には、ブレード１４の被押圧面１４Ｆが形成されている。この被押圧面１４Ｆは、ホブ本体１１の径方向外側（すくい面１４Ｅ側）に向かうに従い該すくい面１４Ｅに対してブレード１４の厚さが次第に薄くなるように上記背面１４Ｂ側に向かう傾斜平面に形成されており、すくい面１４Ｅとは背面１４Ｂ側に僅かに凹む小さな段差を介して連なっている。このような被押圧面１４Ｆが着座面１４Ａから一定の幅でブレード１４の全長に亙って形成されており、上述のようにブレード１４を取付座１２に着座した状態で、この被押圧面１４Ｆはホブ本体１１の径方向外側に向かうに従い凹所１３の上記壁面１３Ｂから離間するように傾斜している。

　取付座１２に着座したブレード１４は、凹所１３に装着されるクサビ部材１６を上記被押圧面１４Ｆに当接され、クランプネジ１５によってホブ本体１１に取り付けられる。クランプネジ１５の両端部には、互いに逆向きに捩れた雄ネジ部１５Ａ、１５Ｂが形成されており、一方の雄ネジ部１５Ａが凹所１３のネジ孔１３Ｃにねじ込まれることにより、クサビ部材１６によってブレード１４の被押圧面１４Ｆが押圧され、ホブ本体１１とクサビ部材１６との間に挟まれるようにしてブレード１４がホブ本体１１に締着される。

　クサビ部材１６は、回転方向Ｔ前方に向けられて凹所１３の壁面１３Ｂに摺接する平面状の側面１６Ａと、回転方向Ｔ後方に向けられて上記被押圧面１４Ｆを押圧する、やはり平面状の押圧面１６Ｂとを備える板状または柱状に形成されており、クサビ部材１６の長さ方向を中心軸線Ｏ方向に一致させるようにして、凹所１３に装着されている。押圧面１６Ｂはホブ本体１１の径方向外側に向かうに従い側面１６Ａから離間するように傾斜していて、クサビ部材１６は断面台形状をなしており、この押圧面１６Ｂが側面１６Ａに対してなす傾斜角は、取付座１２に着座したブレード１４の被押圧面１４Ｆが凹所１３の壁面１３Ｂに対してなす傾斜角と略等しくされている。

　また、クサビ部材１６には、上記側面１６Ａと押圧面１６Ｂとの間に、上記クランプネジ１５の他方の端部に形成された雄ネジ部１５Ｂがねじ込まれるネジ孔１６Ｃが形成されている。このネジ孔１６Ｃは、側面１６Ａを凹所１３の壁面１３Ｂに密着させたときに、中心軸線Ｏ方向視に見て凹所１３のネジ孔１３Ｃと同軸となるように形成されている。

　さらに、第二の実施形態では、１つの凹所１３に形成されたネジ孔１３Ｃと同数の複数（３つ）のクサビ部材１６が、該ネジ孔１３Ｃにそれぞれねじ込まれる１つずつのクランプネジ１５によって中心軸線Ｏ方向に並ぶように凹所１３に装着されている。すなわち、取付座１２に着座した１枚のブレード１４が、これら複数のクサビ部材１６によって取り付けられる。

　この凹所１３に装着される複数のクサビ部材１６は互いに同形同大のものであり、個々のクサビ部材１６の中心軸線Ｏ方向の長さは、凹所１３の中心軸線Ｏ方向の長さを装着されるクサビ部材１６の数で除した長さよりも僅かに短くされていて、ネジ孔１６Ｃは各クサビ部材１６の中心軸線Ｏ方向中央部に、１つのクサビ部材１６に１つずつ形成されている。これにより、凹所１３に装着される中心軸線Ｏ方向に隣接したクサビ部材１６同士の間には僅かな隙間があけられる。

　このようなクサビ部材１６をクランプネジ１５によって凹所１３に装着することにより、取付座１２に着座したブレード１４は、被押圧面１４Ｆが押圧されて着座面１４Ａと背面１４Ｂが取付座１２の底面１２Ａと壁面１２Ｂにそれぞれ押し付けられ、取付座１２に固定される。なお、第二の実施形態では図８および図９に示すように、ホブ本体１１の他方の端部１１Ａから胴部１１Ｂと略等しい外径を有する円環板状のプレート１７が嵌挿されて、この胴部１１Ｂの他方の端面１１Ｃにネジ止めされ、ブレード１４はその中心軸線Ｏ方向他端側を向く端面をこのプレート１７に当接させて中心軸線Ｏ方向に位置決めされる。

　このように構成されたホブでは、ホブ本体１１の外周部に、ワークに歯形を形成するための鋸歯状をなす切刃１４Ｃが１列だけしか設けられていないので、他の列の切刃との位相合わせを行う必要がなく、例えば上述のようにブレード１４の端面をプレート１７に当接させる程度の簡単な位置決めで、ホブ盤の制御により歯切り加工を行うことができる。

　また、第二の実施形態では、ホブ本体１１に１つだけ形成された取付座１２に、上述のような１列の切刃１４Ｃが形成された１枚だけのブレード１４が着脱可能に取り付けられた、組立式のホブに上記構成を適用している。このため、切刃１４Ｃに摩耗や損傷が生じたようなときにはブレード１４を交換すればよく、その際の新たなブレード１４の位置決めも上述のような簡単な操作で済む。そして、このような組立式のホブであっても、ブレード１４の位置決めが容易であるので、特許文献１に記載されたホブの調整ネジのような調整手段を必要とすることもなく、構造の簡略化を図ることができる。

　また、第二の実施形態では、円筒状のホブ本体１１の径方向の内部にホブ盤の回転軸が取り付けられるようにされているが、例えば上記中心軸線Ｏに沿って延びる柄（シャンク）がホブ本体に形成されて、この柄が工作機械の主軸に取り付けられて回転されることにより歯切り加工を行う柄付きのホブに本発明を適用することも可能である。

　一方、第二の実施形態では、上述のような組立式のホブにおいて、取付座１２に着座した１枚のブレード１４が、ホブ本体１１の中心軸線Ｏ方向に並んだ複数（第二の実施形態では３つ）のクサビ部材１６によって押圧されて取り付けられているので、１枚のブレード１４の被押圧面１４Ｆとこれらのクサビ部材１６の押圧面１６Ｂとの接触面積を大きく確保することができるとともに、中心軸線Ｏ方向に延びる板状のブレード１４を、同じく中心軸線Ｏ方向の複数の箇所で押圧して取り付けることができる。このため、ブレード１４を安定してホブ本体１１に取り付けることが可能となって、歯切り加工時にブレード１４にがたつきが生じたりするのを防ぐことができ、高い加工精度を得ることができる。

　また、第二の実施形態では、こうして１枚のブレード１４を押圧する複数のクサビ部材１６のそれぞれが中心軸線Ｏ方向に延びる板状あるいは柱状に形成されており、ブレード１４は略その全長に亙って複数のクサビ部材１６によって押圧される。このため、ブレード１４とクサビ部材１６との接触面積を一層大きく確保することができ、さらにブレード１４を安定的にホブ本体１１に取り付けて加工精度の向上を図ることができる。

　さらに、ブレード１４の被押圧面１４Ｆは、ブレード１４がホブ本体１１に固定された状態で、ホブ本体１１の外周に近づくほどブレード１４の厚さが薄くなるように、救い面１４Ｅに対して凹面状に形成されている。この被押圧面１４Ｆをクサビ部材１６の押圧面１６Ｂが密着して押圧することにより、ブレード１４がホブ本体１１の径方向外側に抜けないように取り付けることができる。このため、歯切り加工の際にホブ本体１１を高速で回転させた場合でもブレード１４にがたつきが生じるのを防ぐことができ、一層安定してブレード１４を保持して高能率の歯切り加工を行うことが可能となる。

　なお、第二の実施形態では、ワークに歯形を形成（創成）する切刃１４Ｃは１列だけであるが、例えば切刃１４Ｃによって形成された歯形の歯丈方向の突端を面取りする面取り刃が切刃１４Ｃとは異なる位置に設けられていてもよい。また、第二の実施形態では、個々のブレード１４において切刃１４Ｃに形成される鋸歯のピッチを一定としているが、例えば所定位置の歯を欠いた欠け歯状の切刃を有するブレードを用いてもよい。

　さらに、ホブの回転バランスを取るために、例えば切刃１４Ｃとは中心軸線Ｏを挟んで反対側に歯切りを行わないバランス刃を設けてもよく、また特許文献１に記載されたような複数の取付座１２（溝）を備えたホブ本体１１の１つの取付座１２だけにブレード１４を取り付けて上記第二の実施形態のホブを構成してもよい。さらにまた、１列の切刃１４Ｃは、ホブ本体１１の中心軸線Ｏが延びる方向に延びていればよく、例えば中心軸線Ｏ回りに捩れていてもよい。

　本発明は、ホブ本体の外周部に鋸歯状をなす切刃が形成されたブレードが着脱可能に取り付けられて歯車の歯切り加工を行う組立式ホブに関する。本発明によれば、加工精度の高い組立式ホブを提供することができる。

　１　ホブ本体
　２　取付座
　３　凹所
　４　ブレード
　４Ｃ　切刃
　４Ｆ　被押圧面
　５　クランプネジ
　６　クサビ部材
　６Ｂ　押圧面
　７　調整手段
　Ｏ　ホブ本体１の中心軸線
　Ｔ　回転方向
　１１　ホブ本体
　１２　取付座
　１３　凹所
　１４　ブレード
　１４Ｃ　切刃
　１４Ｆ　被押圧面
　１５　クランプネジ
　１６　クサビ部材
　１６Ｂ　押圧面
　Ｏ　ホブ本体１の軸線
　Ｔ　回転方向

Claims

　円筒状のホブ本体と、
　鋸歯状の切刃を有し、前記ホブ本体の外周部に少なくともひとつ形成された取付座に、前記切刃の延在する方向が前記ホブ本体の中心軸線方向と平行になるように配置された板状のブレードと、
　前記ホブ本体の外周部に前記取付座に対して前記ホブ本体の周方向に隣接するように形成された凹所に、前記中心軸線方向に並べて装着され、前記取付座に配置された前記ブレードを前記ホブ本体に対して着脱可能に固定する複数のクサビ部材と
を備える組立式ホブ。
　前記クサビ部材は板状又は柱状の部材であって、
　前記クサビ部材は、その長さ方向を前記中心軸線方向に一致させるようにして前記凹所に装着される請求項１に記載の組立式ホブ。
　前記ブレードの前記クサビ部材に接する面は、前記ブレードが前記ホブ本体に固定された状態で、前記ホブ本体の外周に近いほど前記ブレードの厚さが薄くなるように、凹面状に形成されている請求項１又は２に記載の組立式ホブ。
　前記ホブ本体には、前記取付座が、前記ホブ本体の周方向に間隔を空けて複数形成され、
　前記取付座と同数の前記ブレードが、おのおのの前記取付座に一枚ずつ固定されており、
　複数の前記ブレードのうち第一のブレードと、該第一のブレードに隣接する第二のブレードとは、前記第一のブレードの端面の位置を前記第二のブレードの端面に対して前記軸方向に一致させて前記ホブ本体に固定された状態では、前記第一のブレードの鋸歯状の切刃の位相が、前記第二のブレードの鋸歯状の切刃の位相に対して前記中心軸線方向にずれるように形成されている請求項１から３のいずれか一項に記載の組立式ホブ。
　前記ホブ本体に設けられ、前記ブレードの前記中心軸線方向の位置を調整する調整手段をさらに備える請求項１から４のいずれか一項に記載の組立式ホブ。
　前記ホブ本体には、前記取付座が少なくともひとつ形成され、そのひとつの取付座に前記ブレードが１枚固定されている請求項１から３のいずれか一項に記載の組立式ホブ。