WO2015174353A1 - ブランク及びプレス成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

 プレス成形品を成形するためのブランクであって、前記ブランクの長手方向一方側のエッジを構成する展開エッジと、前記展開エッジに形成された余肉部と、を有し、前記余肉部のエッジは、前記展開エッジに対して前記ブランクの長手方向一方側へ凸となる第1凸部と、前記第1凸部に対して前記ブランクの幅方向外側に隣接し、前記ブランクの長手方向一方側へ開放された凹状に形成されると共に、前記展開エッジと第1凸部とを接続する第1凹部と、前記第1凸部に対して前記ブランクの幅方向内側に隣接し、前記ブランクの長手方向一方側へ開放された凹状に形成されると共に、前記展開エッジと第1凸部とを接続する第2凹部と、を有しているブランク。

Description

ブランク及びプレス成形品の製造方法
 本発明は、ブランク及び当該ブランクを用いたプレス成形品の製造方法に関する。
 自動車のボディシェルは、フロントピラー,センターピラー,サイドシル、ルーフレール、サイドメンバ等の骨格部材と、フードリッジ,ダッシュパネル,フロントフロアーパネル,リアフロアフロントパネル,リアフロアリアパネル等の各種成形パネルとを接合したユニットコンストラクション構造(モノコック構造)を有する。フロントピラー,センターピラー,サイドシル等の一般的に閉断面を有する骨格部材は、フロントピラーレインフォースメント,センターピラーレインフォースメント,サイドシルアウターレインフォースメント等の構成部材を、アウターパネルやインナーパネルといった他の構成部材と接合することにより、組立てられる。
 図19は、構成部材2,3,4,5をスポット溶接によって接合することにより形成される骨格部材1の一例を示す説明図である。この図に示されるように、構成部材2は、天板部2aと、左右一対の縦壁部2b,2bと、縦壁部2b,2bにつながるフランジ部2c,2cとを備える略ハット型の横断面形状を有するとともに天板部2aは平面視でT字状の外形を有しており(以下、このような外形を有する部品を「T字状形状部品」ともいう)、これにより、骨格部材1の強度及び剛性が確保される。
 図20は、天板部が平面視でT字状の外形を有するT字状形状部品2を示す説明図である。この図に示されるように、T字状形状部品2は、長手方向に延在された第1成形部12と、長手方向一端部を構成する第2成形部14と、を含んで構成されている。さらに、T字状形状部品2では、第2成形部14における天板部の幅寸法が第1成形部12における天板部の幅寸法よりも大きく設定されて、第2成形部14の長手方向の端部が平面視でT字形に形成されている。なお、T字状形状部品2の変形として、天板部が平面視でY字状の外形を有するY字状形状部品(図示しない)や、天板部が平面視でL字状の外形を有するL字状形状部品(図示しない)もある。
 そして、これらT字状形状部品2、Y字状形状部品、L字状形状部品をプレス成形により製造する場合には、皺の発生を抑えるために絞り成形によるプレス加工が採用される。
 しかしながら、絞り成形によるプレス加工によってプレス成形品を製造するためには、中間プレス成形品の周囲に広範なトリム領域を不可避的に必要とするため、プレス成形品の歩留まりが低下して製造コストが上昇する。
 また、プレス成形品の皺及び割れの発生を防止するために、従来は、センターピラーレイフォースメント等のT字状形状部品のブランクとして、延性に優れた比較的低強度の金属板を用いていた。このため、強度を確保するためにはブランクの板厚を厚くせざるを得ず、重量増加やコスト上昇は否めなかった。
 一方、ハット形状やZ字状形状等の単純な断面形状を長手方向の全長に有する部品を製造するための曲げ成形によるプレス加工法が、例えば、日本国特許出願公開2003-103306号公報、日本国特許出願公開2004-154859号公報、日本国特許出願公開2006-015404号公報、及び日本国特許出願公開2008-307557号公報に開示されている。しかしながら、これらの方法は、いずれもT字状形状部品、Y字状形状部品、L字状形状部品といった複雑な形状を有する部品の製造には適用できない。
 さらに、近年、軽量化や高強度化を目的として、骨格部材に高張力鋼板が用いられている。高張力鋼板は、一般の鋼板に比べて延性が小さいため、プレス加工時における皺や割れなどの発生を抑制する工法が求められている。そこで、国際公開第2011/145679号パンフレットには、延性の小さい高張力鋼板からなるブランクを用いても、皺や割れなどの発生を抑制しつつ、T字状形状部品、Y字形形状部品、L字状形状部品を製造できるプレス成形品の製造方法(自由曲げ工法)が記載されている。
 このプレス成形品の製造方法(自由曲げ工法)では、第2成形部14における縦壁部2b及びフランジ部2cを成形するときに、第2成形部14における天板部2aを金型内において面内移動(スライド)させてT字状形状部品2を製造している。
 しかしながら、第2成形部14の天板部2aにおける幅寸法が大きくなると、上記自由曲げ工法によっても、ブランクの板厚減少が大きくなることによって割れが生じる場合がある。具体的には、第2成形部14の縦壁部2bからフランジ部2cにつながる部分(図20に示されるA部)において、割れ(以下、この割れを「フランジ割れ」という)が生じたり、第2成形部14の天板部2aの長手方向一端のエッジ(図20に示されるB部)において、割れ(以下「天板エッジ割れ」という)が生じるという、自由曲げ工法に特有な新規な課題があることが判明した。
 これに対して、国際公開第2014/050973号には、天板エッジ割れを回避するために、ブランクの長手方向両端のエッジに、長手方向外側へ膨出された余肉部を設けている(同公報の段落0035及び図3参照)。具体的には、余肉部が、ブランクの長手方向両端のエッジに対して長手方向外側へ凸となるように膨出されている。
 しかしながら、エッジに余肉部を設けたブランクでも、以下に示す点において改善の余地がある。すなわち、ブランクの長手方向両端のエッジでは、余肉部に対して幅方向両側に隣接する部分(以下、便宜上「隣接エッジ」という)が略直線状に形成されている。換言すると、隣接エッジと余肉部との境界部では、略直線状の隣接エッジと、湾曲された余肉部と、が交差している。このため、国際公開第2014/050973号に記載されたブランクを用いて上記自由曲げ工法によってT字状形状部品2を製造する場合でも、T字状形状部品2の第2成形部14における天板部2aの幅寸法が大きくなると、隣接エッジと余肉部との境界部における板厚減少が大きくなり、当該境界部において天板エッジ割れが発生する可能性がある。
 本発明は、上記事実を考慮し、天板エッジ割れを抑制することができるブランク及びプレス成形品の製造方法を得ることに関する。
 本開示のブランクは、第1の方向を長手方向とする長尺状に形成され、平面視で長手方向に延在する一対の外縁を有し、長手方向一方側の端部における前記外縁の少なくとも一方が幅方向外側へ湾曲して延び出され且つ当該一方が長手方向一方側のエッジに対して長手方向他方側に離間して配置されている天板部と、前記一対の外縁から下方側へ延び出された一対の縦壁部と、平面視で前記縦壁部の下端部から前記天板部とは反対側へ延び出された一対のフランジ部と、を備えたプレス成形品を成形するためのブランクであって、前記ブランクの長手方向一方側のエッジを構成する展開エッジと、前記展開エッジに形成された余肉部と、を有し、前記余肉部のエッジは、前記展開エッジに対して前記ブランクの長手方向一方側へ凸となる第1凸部と、前記第1凸部に対して前記ブランクの幅方向外側に隣接し、前記ブランクの長手方向一方側へ開放された凹状に形成されると共に、前記展開エッジと第1凸部とを接続する第1凹部と、前記第1凸部に対して前記ブランクの幅方向内側に隣接し、前記ブランクの長手方向一方側へ開放された凹状に形成されると共に、前記展開エッジと第1凸部とを接続する第2凹部と、を有している。
 上記課題を解決するブランクによれば、ブランクが、天板部と、一対の縦壁部と、一対のフランジ部と、を備えたプレス成形品のブランクとされている。プレス成形品の天板部は、第1の方向を長手方向とする長尺状に形成されている。また、天板部は、平面視で長手方向に延在する一対の外縁を有している。そして、天板部の長手方向一方側の端部における外縁の少なくとも一方が、幅方向外側へ湾曲されると共に、長手方向一方側のエッジに対して長手方向他方側に離間して配置されている。このため、プレス成形品の長手方向一方側の端部が、平面視でT字形状又はL字形状に形成されて、プレス成形品がT字状形状部品又はL字状形状部品とされている。
 また、プレス成形品では、一対の縦壁部が、一対の天板部の外縁から下方側へ延び出されており、一対のフランジ部が、平面視で縦壁部の下端部から天板部とは反対側へ延び出されている。これにより、プレス成形品が長手方向他方側から見て下方側へ開放されたハット形状に形成されている。
 一方、ブランクは、ブランクの長手方向一方側のエッジを構成する展開エッジと、展開エッジに形成された余肉部と、を有している。
 ここで、余肉部のエッジは、展開エッジに対してブランクの長手方向一方側へ凸となる第1凸部を有している。このため、展開エッジが余肉部によって長手方向一方側へ肉盛りされるようになる。これにより、プレス成形品の成形過程において、展開エッジ及び余肉部のエッジが金型内を面内移動(スライド)しても、ブランクの長手方向一方側のエッジ(すなわち展開エッジ及び余肉部のエッジ)における板厚減少を抑制することができる。
 さらに、余肉部のエッジは、第1凸部に対してブランクの幅方向外側に隣接する第1凹部と、第1凸部に対してブランクの幅方向内側に隣接する第2凹部と、を有している。そして、第1凹部及び第2凹部は、プレス成形品の長手方向一方側へ開放された凹状に形成され、展開エッジと第1凸部とを接続している。このため、第1凸部と展開エッジとの境界部分を第1凹部及び第2凹部によって滑らかに接続できる。これにより、ブランクの第1凸部と展開エッジとの境界部分における局所的な板厚減少が抑制されて、当該境界部分における天板エッジ割れを抑制することができる。
 本開示のブランクによれば、天板エッジ割れを抑制することができる、という優れた効果を有する。
図1は、第1の実施の形態に係るブランクを用いて成形されたプレス成形品を模式的に示す斜視図である。 図2は、図1に示されるプレス成形品の主要部の寸法の一例を示す説明図である。 図3は、図1に示されるプレス成形品の幅方向一方側の部分を拡大して示す斜視図である。 図4は、第1の実施の形態に係るブランクを模式的に示す平面図である。 図5は、図4に示される架空稜線部を説明するための説明図である。 図6は、図4に示されるブランクの面外変形抑制領域をハッチングで示す説明図である。 図7は、図1に示されるプレス成形品を製造する際に用いられる金型ユニットの分解した状態を模式的に示す説明図である。 図8Aは、図7に示される金型ユニットのプレス成形工程の概略を図3のa-a断面位置において説明する説明図である。 図8Bは、図7に示される金型ユニットのプレス成形工程の概略を図3のb-b断面位置において説明する説明図である。 図9は、ブランクをダイ金型上に設置した状態を示す斜視図である。 図10は、ブランクをプレス成形品に成形した後の状態を示す斜視図である。 図11Aは、比較例1のブランクをプレス成形した後のブランクエッジ周辺における板厚減少率を説明するための説明図である。 図11Bは、比較例2のブランクをプレス成形した後のブランクエッジ周辺における板厚減少率を説明するための説明図である。 図11Cは、第1の実施の形態のブランクをプレス成形した後のブランクエッジ周辺における板厚減少率を説明するための説明図である。 図12は、プレス成形品をプレス成形したときの材料の流入軌跡を説明するための平面図である。 図13は、プレス成形品をプレス成形したときの材料の流入軌跡を説明するための斜視図である。 図14Aは、比較例3のブランクを模式的に示す平面図である。 図14Bは、比較例4のブランクを模式的に示す平面図である。 図14Cは、比較例5のブランクを模式的に示す平面図である。 図14Dは、比較例6のブランクを模式的に示す平面図である。 図14Dは、第1の実施の形態のブランクを模式的に示す平面図である。 図15は、第1の実施の形態のプレス成形品を自動車の骨格部品として用いたときのプレス成形品の形状を示す二面図である。 図16は、第2の実施の形態に係るブランクを用いて成形されたプレス成形品を模式的に示す斜視図である。 図17は、第2の実施の形態に係るブランクを模式的に示す平面図である。 図18は、第2の実施の形態のプレス成形品を自動車の骨格部品として用いたときのプレス成形品の形状を示す二面図である。 図19は、構成部材をスポット溶接によって接合することにより形成される骨格部材の一例を示す説明図である。 図20は、天板部が平面視でT字状の外形を有するT字状形状部品を示す説明図である。
(第1の実施の形態)
 以下、初めに第1の実施の形態に係るブランク30を用いて製造されたプレス成形品20を説明する。そして、プレス成形品20を成形するときに用いられる金型ユニット40について説明し、次いでブランク30について説明する。なお、以下の説明では、プレス成形品20を、T字状形状部品とした例として説明する。また、プレス成形品20の素材となるブランク30は、プレス成形に適した金属板であればよく、その材質は特定のものに限定されない。また、ブランク30としては、例えば鋼板、アルミニウム板、さらには鋼やアルミニウムを主成分とする合金板といった、プレス成形に適した金属板が好適である。そして、本実施の形態では、ブランク30が鋼板である場合として説明する。
(プレス成形品20について)
 プレス成形品20は、後述するブランク30、又はブランク30に予加工を施した成形板を素材として、後述する金型ユニット40を用いて、後述するプレス成形方法(自由曲げ工法)によってプレス成形されることにより得られる。
 図1に示されるように、プレス成形品20は第1の方向(図1の矢印D1方向及び矢印D2方向)を長手方向とする長尺状に形成されている。なお、図面において適宜示される矢印D1及び矢印D2はプレス成形品20の長手方向を示している。そして、矢印D1はプレス成形品20の長手方向一方側を示し、矢印D2はプレス成形品20の長手方向他方側を示している。また、図面において適宜示される矢印D3及び矢印D4は、平面視でプレス成形品20の長手方向に直交するプレス成形品20の幅方向を示している。以下、単に長手方向、幅方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、プレス成形品20の長手方向、幅方向を示すものとする。
 プレス成形品20では、長手方向一方側の端部が幅方向両外側(図1の矢印D3方向及び矢印D4方向)へ突出されて、略T字形状に形成されると共に、幅方向の中心線(図示省略)に対して左右対称の形状を成している。そして、プレス成形品20は、長手方向に延在された第1成形部21と、プレス成形品20の長手方向一方側の端部を構成し且つ第1成形部21の長手方向一方側に隣接された第2成形部22と、を含んで構成されている。なお、プレス成形品20の幅方向外側とは、第1成形部21の幅方向の中心線(図示省略)に対して離間する方向側をいう。一方、プレス成形品20の幅方向内側とは、第1成形部21の幅方向の中心線に対して接近する方向側をいう。
 また、プレス成形品20は、長手方向他方側から見て、下方側(図1の矢印D5側)へ開放された断面略ハット形状に形成されている。これにより、プレス成形品20は、天板部20aと、一対の稜線部20bと、一対の縦壁部20cと、一対のフランジ部20dと、を含んで構成されている。以下、具体的に説明する。
 天板部20aは、上方側(図1の矢印D6側)から見た平面視で略T字形板状に形成されている。具体的には、天板部20aは、長手方向に延在された一対の外縁20aAを有している。外縁20aAの第1成形部21に対応する部分が、第1外縁20aA-1とされており、一対の第1外縁20aA-1が長手方向に沿って略平行に配置されている。これにより、天板部20aにおける第1成形部21に対応する部分の幅W1が略一定に設定されている。
 一方、外縁20aAの第2成形部22に対応する部分で第1外縁20aA-1に隣接する部分が、第2外縁20aA-2とされており、第2外縁20aA-2が第1外縁20aA-1の長手方向一端から幅方向外側へ延び出されている。具体的には、第2外縁20aA-2が、平面視でプレス成形品20の長手方向一方側且つ幅方向内側へ凸となるように弧状に湾曲されている。これにより、第2成形部22に対応する天板部20aでは、第1成形部21に隣接する部分において、幅W2がプレス成形品20の長手方向一方側へ向かうに従い大きく(広く)なるよう設定されている。そして、第2外縁20aA-2は天板部20aの長手方向一方側のエッジに対して長手方向他方側に離間して配置されている。
 さらに、外縁20aAは、第3外縁20aA-3を有しており、第3外縁20aA-3は第2外縁20aA-2における幅方向外側端から、プレス成形品20の幅方向外側へ延出されている。なお、外縁20aAにおいて第3外縁20aA-3を省略してもよい。
 一対の縦壁部20cは、天板部20aの第1外縁20aA-1、第2外縁20aA-2、及び第3外縁20aA-3から稜線部20bを介して下方側へ延出されている。このため、縦壁部20cが、第1外縁20aA-1、第2外縁20aA-2、及び第3外縁20aA-3に沿って延在されると共に、第2外縁20aA-2に接続された縦壁部20cが、平面視で弧状に湾曲されている。すなわち、一対の縦壁部20cは、天板部20aの長手方向一方側のエッジ及び第2成形部22における天板部20aの幅方向外側のエッジには、形成されておらず、天板部20aの長手方向一方側のエッジに対して長手方向一方側に離間して配置されている。
 一対のフランジ部20dは、平面視で縦壁部20cの先端(下端)から天板部20aとは反対側へ延出されて、天板部20aと略平行に配置されている。このため、フランジ部20dも、平面視で第1外縁20aA-1、第2外縁20aA-2、及び第3外縁20aA-3に沿って延在されており、第2外縁20aA-2に縦壁部20cを介して接続されたフランジ部20dが、平面視で弧状に湾曲されている。
 稜線部20bは、天板部20aと縦壁部20cとの境界部分に形成されている。そして、第1外縁20aA-1に対応する稜線部20bが第1稜線部20b-1とされ、第2外縁20aA-2に対応する稜線部20bが第2稜線部20b-2とされ、第3外縁20aA-3に対応する稜線部20bが第3稜線部20b-3とされている。そして、湾曲された第2稜線部20b-2に接続される縦壁部20c及びフランジ部20dの部位を纏めて湾曲部23と称している。
 なお、第2稜線部20b-2(第2外縁20aA-2)は、天板部20aの上方側から見て、一定の曲率を有する形状、楕円弧形状、複数の曲率を有する形状などであってよい。すなわち、プレス成形品20では、平面視で、弧状に湾曲された第2稜線部20b-2の径方向外側に天板部20aが存在し、第2稜線部20b-2の径方向内側(弧の中心点側)にフランジ部20dが存在している。さらに、天板部20aは完全な平面である必要はなく、プレス製品のデザイン等に基づいて天板部20aに種々の付加形状(例えば凹部や凸部等)を付与してもよい。
 また、図3に示されるように、プレス成形品20における第2稜線部20b-2の基端部(第1稜線部20b-1に隣接する端部であり、後述するブランク30の長手方向一方側のブランクエッジ30aに対して長手方向において遠い位置の端部)を、端部PA(第1の端部)としている。一方、第2稜線部20b-2の終端部(第3稜線部20b-3に隣接する端部)を、端部PB(第2の端部)としている。そして、平面視で、第1稜線部20b-1が、端部PAにおいて第2稜線部20b-2に接するように第2稜線部20b-2に接続されている。さらに、第3稜線部20b-3が端部PBから幅方向外側へ延出している。
 次にプレス成形品20の寸法について図2を用いて説明する。プレス成形品20の長手方向の寸法は、100~1600mmの範囲(本実施の形態では、例えば300mm)に設定されている。また、第1成形部21における天板部20aの幅W1は50~200mmの範囲(本実施の形態では、例えば100mm)に設定されている。一方、プレス成形品20の長手方向一方側の端部における天板部20aの幅W3は70~2000mmの範囲(本実施の形態では、320mm)に設定されている。
 一対の縦壁部20cの高さは20~120mmの範囲(本実施の形態では、例えば50mm)に設定されている。ここで、縦壁部20cの高さを、弧状に湾曲された第2稜線部20b-2の周長の0.2倍未満、又は20mm未満に設定すると、縦壁部20cにおいて皺が発生し易くなる傾向にある。このため、縦壁部20cの高さは、第2稜線部20b-2の周長の0.2倍以上であるか、又は20mm以上であることが好ましい。
 さらに、湾曲された縦壁部20c部の曲率半径は、5~500mmの範囲(本実施の形態では100mm)に設定されている。すなわち、当該最大曲率部の曲率半径が5mm未満であると、最大曲率部の周辺が局所的に張り出すため、割れが発生し易くなる傾向にある。一方、最大曲率部の曲率半径が500mm超であると、プレス成形品20の長手方向一方側の端部における天板部20aの幅W3から第1成形部21の幅W1を減じて得られる長さが長くなる。これにより、プレス成形の過程で縦壁部20cに引き込まれる距離が長くなるため、後述する金型ユニット40とブランク30との摺動距離が大きくなり、金型ユニット40の摩耗が促進されて、金型寿命が短くなる。このため、最大曲率部の曲率半径は300mm以下であるとより好ましい。
 さらに、一対のフランジ部20dの幅は、いずれも10~100mmの範囲(本実施の形態では、例えば30mm)に設定されている。また、図3に示されるように、フランジ部20dでは、湾曲されたフランジ部20dの周方向(延在方向)の中央線Cよりも端部PAへ向かう側の幅hiが、25mm以上100mm以下であればよい。
 より具体的には、後述するプレス成形において、上記中央線Cから、端部PAを通過し、端部PAから長手方向他方側へ50mm離間した位置までの区間におけるフランジ部20dの幅hi(図3においてハッチングが施された部分を参照)が、25mm以上100mm以下になるように、プレス成形することが好ましい。すなわち、上記区間内において、幅hiが25mm未満である箇所が存在すると、プレス成形時におけるフランジ部20dの板厚減少が大きくなり、割れが発生し易くなる。これは、プレス成形の過程において第2成形部22の天板部20aの長手方向一端部(図1におけるB部近傍)を縦壁部20c側へ引き込む力がフランジ部20d近辺に集中するためである。
 一方、上記区間内において、幅hiが100mm超の箇所が存在すると、フランジ部20dにおいて、フランジ部20dの周方向(延在方向)に圧縮される量が大きくなり、皺が発生し易くなる。このため、上記区間内における幅hiを25mm以上100mm以下とすることにより、フランジ部20dにおける皺と割れの発生を抑制することができるようになっている。
 なお、フランジ部20dの幅hiは、フランジ部20dの縁の任意の位置における接線と直交する方向へのフランジ部20dの距離で定義される。さらに、フランジ部20dの幅hiが25mm未満の形状の部品を製造する場合には、25mm以上の幅を有するフランジ部20dを有する中間プレス成形体をプレス成形により製造した後に、不要部分を切除することが好ましい。
(金型ユニット40について)
 次に、プレス成形品20を製造するための「金型」としての金型ユニット40を、図7を用いて説明する。なお、図7では、プレス成形品20の幅方向一方側の部分に対応する金型ユニット40が図示されており、プレス成形品20の幅方向他方側の部分に対応する金型ユニット40を図示省略している。この図に示されるように、金型ユニット40は、ダイ金型41と、パッド42と、一対の曲げ型43(図7では、一方の曲げ型43のみを図示している)と、を含んで構成されている。
 ダイ金型41は金型ユニット40の下部を構成している。ダイ金型41には、プレス成形品20の縦壁部20c及びフランジ部20dを形成するための凹部が形成されている。換言すると、ダイ金型41には、凹部の底面から突出された凸部が形成されている。そして、凸部は、平面視で略T字形に形成されており、凸部の外側面が、天板部20a、稜線部20b、及び縦壁部20cの内側面の形状に対応して形成されている。
 パッド42は金型ユニット40の上部を構成している。パッド42は、ダイ金型41(詳しくは、略T字形を成す凸部)の上方側の位置においてダイ金型41と上下方向に対向して配置されている。そして、パッド42は、天板部20aの形状に対応して平面視で略T字形に形成されており、パッド42の下面が天板部20aの外側面に対応した形状に形成されている。
 曲げ型43はパッド42と共に金型ユニット40の上部を構成している。曲げ型43は、パッド42の幅方向外側に配置されると共に、ダイ金型41における凹部の上方側の位置においてダイ金型41と上下方向に対向して配置されている。そして、曲げ型43は、プレス成形品20の縦壁部20c及びフランジ部20dに対応した形状に形成されている。具体的には、曲げ型43の側面が、縦壁部20cを成形するための縦壁成形面43Aとされている。この縦壁成形面43Aは、平面視で長手方向に延びる第1縦壁成形面43A-1と、湾曲部23の縦壁部20cを成形する第2縦壁成形面43A-2と、第2縦壁成形面43A-2から幅方向外側へ延びる第3縦壁成形面43A-3と、を含んで構成されている。また、曲げ型43の下面が、フランジ部20dを成形するためのフランジ成形面43Bとされており、フランジ成形面43Bはフランジ部20dの外側面に対応した形状に形成されている。
 さらに、曲げ型43の縦壁成形面43Aとフランジ成形面43Bとの境界部分が、曲げ型43の肩部43Cとされている。そして、肩部43Cにおいて、第1縦壁成形面43A-1、第2縦壁成形面43A-2、第3縦壁成形面43A-3にそれぞれ接続される肩部43Cが、第1肩部43C-1、第2肩部(湾曲肩部)43C-2、第3肩部43C-3とされている。
 また、金型ユニット40では、後述するプレス成形品20の第1の製造方法に対応して、ブランク30の面内移動を許容する程度にブランク30をパッド42によって下方側(すなわちダイ金型41側)へ加圧するようになっている。具体的には、パッド42を駆動する駆動機構が、バネを用いた駆動機構、油圧式の駆動機構、ガスクッション等で構成されている。
 一方、プレス成形品20を後述する第2の製造方法で製造する場合には、ダイ金型41とパッド42との隙間を、ブランク30の板厚以上でかつ板厚の1.1倍以下に保った状態にするように構成されている。この場合には、パッド42を駆動する駆動機構が、電動シリンダーや油圧サーボ装置などで構成されている。なお、ダイ金型41と曲げ型43との上下の位置関係は限定を要さない。
(ブランク30について)
 図4には、上述したプレス成形品20を成形するためのブランク30が模式的な平面図にて示されている。ブランク30は、素材である鋼板に適当な加工(例えばレーザー加工)を施すことにより、後述する形状に製造されている。
 また、上述したプレス成形品20は、ブランク30、又はブランク30に予加工を行った成形板を素材として、金型ユニット40を用いて、後述するプレス成形方法(自由曲げ工法)によってプレス成形されることにより得られる。
 なお、ブランク30に行う予加工としては、例えば、ブランク30の内部に軽度の凸部を形成するための曲げ成形や絞り成形によるプレス成形加工や穴空け加工等がある。そして、プレス成形品20の寸法や形状を勘案してブランク30に対してこれらの予加工を適宜行ってもよい。
 また、ブランク30又は成形板の破断強度は、一例として400MPa以上1600MPa以下に設定され、ブランク30又は成形板の引張強度は、一例として590MPa以上、980MPa又は1180MPa以下に設定されている。なお、より低強度又はより高強度のブランク30を用いることも可能である。
 ブランク30は、平面視で略T字形状に形成されている。なお、ブランク30の長手方向はプレス成形品20の長手方向と一致しており、ブランク30の幅方向はプレス成形品20の幅方向と一致している。ブランク30は、ブランク30のベースとなるブランクベース部31を有しており、ブランクベース部31は、プレス成形品20を展開した形状(図4おける一点鎖線で示される形状であり、本明細書では「展開形状」ともいう)を成している。すなわち、ブランクベース部31は、プレス成形品20の天板部20aに対応する第1ブランク部31aと、一対の縦壁部20c及び一対のフランジ部20dに対応する一対の第2ブランク部31cと、を合わせた形状に形成されている。そして、第1ブランク部31a及び第2ブランク部31cは、架空稜線部31bを介して隣接して配置されている。さらに、ブランクベース部31における長手方向一方側の端(エッジ)が「展開エッジ」としてのベースエッジ31dとされている。なお、ブランクベース部31の形状は、設定されたプレス成形品20の形状から計算により求められる展開形状とされている。具体的には、J-SOL社製のJ-STAMPのソフトウエアを用いて、プレス成形品20の展開形状を求めて、当該展開形状をブランクベース部31の形状としている。なお、ブランクベース部31の形状を、上記以外の他のソフトウエアを用いて求めてもよい。
 また、ブランクベース部31の架空稜線部31bでは、プレス成形品20の第1稜線部20b-1に対応する部分が「隣接架空線」としての第1架空稜線部31b-1とされ、第2稜線部20b-2に対応する部分が「湾曲架空線」としての第2架空稜線部31b-2とされ、第3稜線部20b-3に対応する部分が第3架空稜線部31b-3とされている。そして、架空稜線部31bは、以下のように設定されている。すなわち、ブランク30が金型ユニット40内に配置され(ブランク30がダイ金型41上に位置決めされた状態でセットされ)且つ曲げ型43(のフランジ成形面43B)がブランク30の上面に接触した状態(図8A及び図8Bの左側に示される状態であり、以下この状態を「セット状態」という)において、平面視で曲げ型43の肩部43Cに沿って延在される架空線が架空稜線部31bとして設定されている。具体的には、平面視で曲げ型43の第1肩部43C-1、第2肩部43C-2、第3肩部43C-3にそれぞれ対応する架空稜線が、第1架空稜線部31b-1、第2架空稜線部31b-2、第3架空稜線部31b-3とされている。また、図示は省略するが、上述したダイ金型41には上方側へ突出された位置決ピンが設けられ、当該位置決ピンが挿入される孔がブランク30に形成されている。これにより、ブランク30の金型ユニット40に対する位置決めが成されている。なお、ブランク30の金型ユニット40に対する位置決めをするために、上記位置決めピンの代わりに、ブランク30の外形をガイドするガイド部をダイ金型41に形成してもよい。また、詳細については後述するが、後述するプレス成形方法では、第1ブランク部31aが金型ユニット40内を面内移動(スライド)しながら、縦壁部20c及びフランジ部20dが成形されるため、ブランクベース部31の架空稜線部31bとプレス成形品20の稜線部20bとは一致していない。
 さらに、ブランクベース部31では、長手方向一方側の端部が、平面視で長手方向一方側へ開放された弧状に湾曲されている。換言すると、ベースエッジ31dが長手方向一方側へ開放された弧状に湾曲されている。詳細については後述するが、プレス成形品20のプレス成形方法(自由曲げ工法)では、第2成形部22に対応する第1ブランク部31aの部分が金型ユニット40内を長手方向他方側へ面内移動(スライド)しながら、第2成形部22に対応する縦壁部20c及びフランジ部20dが成形される。このため、この第1ブランク部31aの面内移動に対応するように、ブランクベース部31の長手方向一方側の端部が、平面視で長手方向一方側へ開放された弧状に湾曲されている。
 また、ブランク30には、平面視でベースエッジ31dから長手方向一方側へ膨出(隆起)する一対の余肉部32(図4において点線で示された余肉部32を参照)がブランクベース部31に付加されており、余肉部32はブランク30の幅方向の中心線に対して左右対称の位置に設けられている。また、余肉部32の(外周)エッジは、所定の形状(図4において実線で示される余肉部32を参照)に形成されて、ベースエッジ31dに接続されている。これにより、ブランク30の長手方向一方側のエッジ(以下、このエッジをブランクエッジ30aという)が、ブランクベース部31のベースエッジ31dと、一対の余肉部32のエッジと、によって構成されている。以下、余肉部32のエッジについて説明する。なお、上述したように、一対の余肉部32はブランク30の幅方向の中心線に対して左右対称に形成されているため、以下の説明では、幅方向一方側(図4の矢印D3方向側)に配置された余肉部32について説明する。
 余肉部32のエッジは、当該エッジの幅方向中間部を構成する第1凸部34と、第1凸部34に対して幅方向外側に配置された第1凹部33と、第1凸部34に対して幅方向内側に配置された第2凹部35と、を含んで構成されている。そして、第1凸部34、第1凹部33、及び第2凹部35は、以下に示す条件を満たすように形成されている。
 すなわち、第1凸部34はベースエッジ31dに対して長手方向一方側へ凸となるように形成されている。また、第1凹部33は、第1凸部34に対して幅方向外側に隣接し、長手方向一方側へ開放された凹状に形成されると共に、ベースエッジ31dと第1凸部34とを接続している。さらに、第2凹部35は、第1凸部34に対して幅方向内側に隣接し、長手方向一方側へ開放された凹状に形成されると共に、ベースエッジ31dと第1凸部34とを接続している。
 より具体的には、ブランク30の内部方向への曲率の符号を負とし、この内部方向と反対の方向への曲率の符号を正とすると、第1凸部34は、曲率の符号が正となる弧状に形成されている。
 第1凹部33は、曲率の符号が負となる弧状に形成されており、第1凸部34と、第1凸部34に対して幅方向外側に配置されたベースエッジ31dと、を滑らかに接続している。すなわち、ブランクエッジ30aでは、第1凸部34と第1凹部33との変曲点において、第1凸部34の接線と第1凹部33の接線とが一致しており、第1凹部33とベースエッジ31dとの変曲点において、第1凹部33の接線とベースエッジ31dの接線とが一致している。
 第2凹部35は、曲率の符号が負となる弧状に形成されており、第1凸部34と、第1凸部34に対して幅方向内側に配置されたベースエッジ31dと、を滑らかに接続している。すなわち、ブランクエッジ30aでは、第1凸部34と第2凹部35との変曲点において、第1凸部34の接線と第2凹部35の接線とが一致しており、第2凹部35とベースエッジ31dとの変曲点において、第2凹部35の接線とベースエッジ31dの接線とが一致している。
 以上により、余肉部32のエッジでは、幅方向外側から幅方向内側(幅方向中央側)へ向かうに従い、第1凹部33、第1凸部34、及び第2凹部35が、この順に並んで配置されている。
 また、第1凹部33、第1凸部34、及び第2凹部35の曲率の絶対値の最大値が、0.5(1/mm)以下に設定されている。すなわち、第1凹部33及び第2凹部35は、プレス成形品20の成形時におけるフランジエッジ割れを抑制するために設けられており、プレス成形品20の成形時に第1凹部33及び第2凹部35がブランク30の幅方向に延びることによって、プレス加工時におけるブランク30の金型ユニット40内への流入を促進させている。このため、第1凹部33及び第2凹部35の曲率の絶対値が大きいと、第1凹部33及び第2凹部35において応力集中が発生し(換言すると、第1凹部33及び第2凹部35における板厚減少率が大きくなり)、第1凹部33及び第2凹部35において天板エッジ割れが発生し易くなる傾向にある。これにより、第1凹部33及び第2凹部35の曲率の絶対値は0.5(1/mm)以下であることが好ましい。
 また、ブランク30の幅方向中心線に対して右側に配置された余肉部32の第2凹部35と、当該幅方向中心線に対して左側に配置された余肉部32の第2凹部35と、の間のベースエッジ31dの曲率の絶対値の最大値が、0.1(1/mm)以下に設定されている。
 次に、ブランク30の幅方向における第1凸部34の位置について図5を用いて説明する。なお、図5では、第1凸部34(余肉部32)を省略してブランク30を図示している。この図に示されるように、第2架空稜線部31b-2の基端部(すなわち、端部PA)を通過し、幅方向に延びる架空線を第1架空線AL1とする。一方、第2架空稜線部31b-2の終端部(すなわち、端部PB)を通過し、長手方向に延びる架空線を第2架空線AL2とする。また、第1架空線AL1と第2架空線AL2との交点Eを通過し、且つ第1架空線AL1に対して時計回りに傾斜された架空線を傾斜架空線AL3とする。そして、第1架空線AL1と傾斜架空線AL3との成す角度αが22.5°に設定されている。なお、図5では、便宜上、角度αを22.5°よりも大きくして図示している。
 そして、第1凸部34は、傾斜架空線AL3と第2架空線AL2との間(図5に示されるGの範囲)に設定されている。すなわち、詳細については後述するが、後述するプレス成形方法(自由曲げ工法)では、湾曲部23の縦壁部20c及びフランジ部20dを成形するときに、第2成形部22に対応する第1ブランク部31aが略長手方向他方側(図9の矢印J方向側)へ引き込まれる(流入される)ようになる。そして、このときのブランクベース部31のベースエッジ31d周辺では、ブランク30の板厚減少が傾斜架空線AL3と第2架空線AL2との間の範囲Gにおいて分布する傾向にあることが判明されている。このため、第1凸部34は、傾斜架空線AL3と第2架空線AL2との間に設定されている。なお、第1凸部34は、プレス成形品20の各部位における幅寸法や、第2成形部22の形状(T字形やL字形)に対応して、傾斜架空線AL3と第2架空線AL2との間で適宜設定されている。すなわち、本実施の形態のように、プレス成形品20がT字状形状部品を成す場合には、一対の余肉部32がブランクベース部31に付加されるため、余肉部32がブランク30の幅方向中心線から第2架空線AL2との間に設定される。
 そして、本実施の形態では、第1凸部34(詳しくは、第1凸部34の頂部(ブランク30の長手方向における第1凸部34の頂点部分))が、ブランク30における第1架空稜線部31b-1に沿って端部PAから長手方向一方側へ延長された延長線L上に配置されている。換言すると、第1架空稜線部31b-1は、端部PAにおいて、第2架空稜線部31b-2に接しているため、第1凸部34が、端部PAにおいて、第2架空稜線部31b-2に接する接線上に配置されている。
 さらに、図4に示されるように、余肉部32のエッジは、前述した延長線Lに対して幅方向に左右非対称を成す形状に形成されている。具体的には、余肉部32のエッジでは、第1凹部33の曲率が第2凹部35の曲率に比べて小さく設定されている。換言すると、第1凹部33の曲率半径が第2凹部35の曲率半径に比べて大きく設定されている。なお、図4では、余肉部32の形状を理解し易くするために、余肉部32を誇張して図示している。
 また、延長線Lに対して幅方向外側の余肉部32の幅寸法W4(延長線Lから第1凹部33とベースエッジ31dとの交点までの幅寸法)が、延長線Lに対して幅方向内側の余肉部32の幅寸法W5(延長線Lから第2凹部35とベースエッジ31dとの交点までの寸法)に比べて長く設定されている。
 さらに、余肉部32の幅寸法(幅寸法W4と幅寸法W5とを合わせた幅寸法)は、1mm以上で、弧状に湾曲された第2稜線部20b-2の周長の3倍以下に設定されている。すなわち、余肉部32の幅寸法が1mm未満であると、後述するプレス成形時にブランクエッジ30aにおける板厚減少が大きくなり、天板エッジ割れが発生する可能性があるからである。一方、余肉部32の幅寸法が、第2稜線部20b-2の周長の3倍より大きくなると、後述するプレス成形時におけるブランク30の面内移動(スライド)が抑制されて、フランジ割れや縦壁割れが発生する可能性があるからである。つまり、余肉部32は、フランジ割れ及び天板エッジ割れを抑制するための基本となる部分であるため、このような観点から余肉部32の形成範囲や大きさが決定されるようになっている。
 また、ブランク30では、ブランクエッジ30aが第1ブランク部31aと同一平面内にあるような形状(つまり、後述するプレス成形時にブランク30のブランクエッジ30aがパッド42とダイ金型41との間に巻き込まれない形状)を有していることが望ましい。すなわち、図6に示すように、ブランク30のうち、面外変形抑制領域(領域F)(図6においてハッチングが施された領域)に対応する部位のブランクエッジ30aが第1ブランク部31aと同一平面上にあることが好ましい。さらに換言すると、ブランク30のブランクエッジ30aであって、ブランク30における面外変形抑制領域に対応する部位の中で第2架空稜線部31b-2及び第3架空稜線部31b-3に対する長手方向一方側の部分は、第1ブランク部31aと同一平面上に存在することが好ましい。
 ここで、面外変形抑制領域(領域F)について説明する。後述するプレス成形品20の製造方法では、プレス成形品20の成形時における天板部20aや縦壁部20cにおける皺の発生を抑えるために、面外変形抑制領域(領域F)を設定し、当該面外変形抑制領域(領域F)の面外変形を抑制しつつプレス成形品20を製造するようになっている。そして、面外変形抑制領域(領域F)は、以下のように設定されている。すなわち、ブランク30の第1ブランク部31aにおいて、延長線Lに対して幅方向外側で且つ第2架空稜線部31b-2および第3架空稜線部31b-3に対して長手方向一方側の部分が、面外変形抑制領域(領域F)として設定されている。そして、面外変形抑制領域(領域F)が、ダイ金型41の天板面(詳しくは、ブランク30の第1ブランク部31aに対応する面)に接するようになっている。
 次に、プレス成形品20の製造方法を説明しつつ本実施の形態の作用及び効果について説明する。
(プレス成形品20の製造方法(自由曲げ工法)について)
 プレス成形品20は、以下に示す第1の製造方法又は第2の製造方法によって製造される。第1の製造方法及び第2の製造方法は、いずれもブランク30に冷間曲げ成形を施すことによってプレス成形品20を製造する方法である。
 (プレス成形品20の第1の製造方法)
 プレス成形品20の第1の製造方法は、以下に示す工程1-1,1-2を有している。
 (工程1-1)
 ブランク30、又はこのブランク30に予加工を行った成形板を、金型ユニット40内にセットする。すなわち、図9に示されるように、ブランク30又は成形板をダイ金型41上に位置決めした状態でセットする。
 (工程1-2)
 そして、ブランク30又は成形板におけるブランクエッジ30aが、ブランク30又は成形板における第1ブランク部31aと同一平面上に存在する状態で、第1ブランク部31aの一部である面外変形抑制領域(領域F)をパッド42によって加圧する(図8(A)及び図8(B)のぞれぞれの左側の図を参照)。この状態で、ダイ金型41又は曲げ型43の一方又は双方を互いに接近する方向へ相対移動させる。このとき、ブランク30又は成形板の長手方向一方側のブランクエッジ30aを、ダイ金型41における天板部20aに対応する部位に対して面内移動(図9に示される矢印J方向側へ移動)させながら、プレス成形品20における一対の縦壁部20c及び一対のフランジ部20dを曲げ成形によりプレス成形する(図8(A)及び図8(B)のそれぞれの右側の図、及び図10参照)。
 このように、第1の製造方法では、ブランク30の一部を面外変形抑制領域(領域F)として、面外変形抑制領域(領域F)をパッド42によって所定の荷重圧力で加圧することで、フランジ部20dにおける割れや天板部20aにおける皺の発生を抑制している。
 すなわち、パッド42による荷重圧力が高く設定された場合には、プレス成形中において、ダイ金型41に接するブランク30の第1ブランク部31aが、ダイ金型41とパッド42との間で十分に面内移動(スライド)することができなくなる。この場合には、フランジ部20dに割れが発生する。
 一方、パッド42による荷重圧力が低く設定された場合には、プレス成形中において、ダイ金型41に接するブランク30の第1ブランク部31aにおける面外変形を拘束できなくなる。この場合には、天板部20aに皺が発生する。
 そして、自動車部品等で一般に使用される、引張強度200MPaから1600MPaの鋼板を成形する場合では、30MPaよりも大きい荷重圧力でパッド42がブランク30を加圧すると、フランジ部20dに割れが発生する。一方、0.1MPaよりも小さい荷重圧力でパッド42がブランク30を加圧すると、ブランク30の第1ブランク部31aにおける面外変形を十分に抑制することができなくなり、天板部20aに皺が発生する。したがって、上記鋼板を成形する場合では、パッド42による加圧を0.1MPa以上かつ30MPa以下にして行うことが望ましい。
 さらに、一般的な自動車部品の製造用のプレス機および金型ユニットを考えた場合に、パッド42の荷重圧力を0.4MPaよりも小さくすると、荷重圧力が小さいため、ガスクッション等を用いたパッド42の安定した加圧が難しくなる。一方、パッド42の荷重圧力を15MPaよりも大きくすると、荷重圧力が大きくなるため、高圧の加圧装置が必要になり、設備コストが高くなる。このため、パッド42による加圧を0.4MPa以上かつ15MPa以下にして行うことがより望ましい。
 なお、ここで言う圧力とは、パッド加圧力を、パッド42とブランク30との接触部分の面積で除した平均面圧のことであり、局所的には多少のバラツキがあってもよい。
 さらに、上記の製造方法では、パッド加圧に際して、ブランク30のダイ金型41の天板面に接する部分全面もしくは、面外変形抑制領域(領域F)の全体を含むブランク30のダイ金型41の天板面に接する部分の一部をカバーする形状のパッド42を用いることが好ましい。しかしながら、例えば製品のデザイン等によって面外変形抑制領域(領域F)に付加形状が存在する場合等では、パッド42を以下のような形状にしてもよい。すなわち、当該付加形状部を避けるようにパッド42を形成すると共に、少なくとも面外変形抑制領域(領域F)のうち第2架空稜線部31b-2に接する部位の、第2架空稜線部31b-2から5mm以内の領域を含みかつ面外変形抑制領域(領域F)の50%以上面積をカバーする形状に、パッド42を形成してもよい。つまり、例えば上記境界線から4mm以内の領域のみをパッド42で加圧すると、天板部20aに皺が発生し易いからである。
 (第2の製造方法)
 プレス成形品20の第2の製造方法は、以下に示す工程2-1,2-2を有している。
 (工程2-1)
 第1の製造方法と同様に、ブランク30又は成形板をダイ金型41上に位置決めした状態でセットする。
 (工程2-2)
 そして、ブランク30又は成形板のブランクエッジ30aが、ブランク30又は成形板における第1ブランク部31aと同一平面上に存在する状態で、第1ブランク部31aの一部である面外変形抑制領域(領域F)にパッド42を近接又は接触させ、パッド42とダイ金型41との隙間を、ブランク30又は成形板の板厚以上、かつ板厚の1.1倍以下に保つ状態にする。この状態で、ダイ金型41及び曲げ型43の一方又は双方を互いに接近する方向へ相対移動させる。このとき、ブランク30又は成形板のブランクエッジ30aを、ダイ金型41における天板部20aに対応する部位に対して面内移動(図9に示される矢印J方向側へ移動)させながら、第2成形部22における縦壁部20c及びフランジ部20dを曲げ成形によりプレス成形する。
 このように、上記プレス成形品20の第2の製造方法では、パッド42とダイ金型41との隙間がブランク30又は成形板の板厚以上かつ板厚の1.1倍以下に保たれているため、ブランク30には過大な面圧が作用しなくなる。このため、プレス成形中にブランク30が金型ユニット40内を十分に面内移動(スライド)することができる。そして、プレス成形が進むにつれて、第1ブランク部31aにおいて肉余りが発生してブランク30を面外変形させる力が作用した場合には、ブランク30の面外変形がパッド42によって拘束される。これにより、プレス成形品20における割れや皺の発生を抑制することができる。
 すなわち、パッド42とダイ金型41との隙間をブランク30の板厚未満に設定してブランク30を成形した場合には、ブランク30とダイ金型41との間に過大な面圧が作用することになる。このため、ブランク30が金型ユニット40内で十分に面内移動(スライド)することができずに、フランジ部20dに割れが発生してしまう。
 一方、パッド42とダイ金型41との隙間をブランク30の板厚の1.1倍以上に設定してブランク30を成形した場合には、プレス成形中におけるブランク30の面外変形を十分に拘束することができなくなる。このため、プレス成形が進むにつれて、天板部20aにおいてブランク30が大幅に余ることにより、天板部20aに顕著な皺が発生すると共に、座屈が発生し、所定の形に成形することができなくなる。
 そして、自動車部品等で一般に使用される引張強度200MPaから1600MPaの鋼板を成形する場合では、パッド42とダイ金型41との隙間がブランク30の板厚の1.03倍以上であると、多少の皺が発生することが判明されている。このため、この場合では、パッド42とダイ金型41との隙間を、板厚以上かつ板厚の1.03倍以下とすることがより望ましい。
 なお、第2の製造方法における「パッド42をブランク30に近接させた状態」とは、ダイ金型41のうち天板部20aに対応する部位の上でブランク30が面内移動(スライド)するときに、ブランク30とパッド42とが接触せず、この部位の上でブランク30が面外変形(又は座屈)する方向へ変位して、ブランク30とパッド42とが接触する状態を意味する。より厳密には、「パッド42をブランク30に近接させた状態」とは、パッド42とダイ金型41との隙間を、ブランク30の板厚の1.0倍超かつ1.1倍以下に保った状態を意味する。
 また、第2の製造方法では、第1の製造方法と同様に、ブランク30における第1ブランク部31aの内部であって第2架空稜線部31b-2から少なくとも5mm以内の領域に、パッド42を近接又は接触させることによって、プレス成形品20の第2成形部22における縦壁部20c及びフランジ部20dを成形することが好ましい。すなわち、例えば第1ブランク部31aにおける第2架空稜線部31b-2から4mm以内の領域のみをパッド42で加圧すると、天板部20aに皺が発生し易いからである。
 なお、上記の第1の製造方法又は第2の製造方法によって製造されたプレス成形品20では、外形を所望の形状にするトリム加工を行うと共に、穴抜き加工等を行うことによって、製品であるプレス成形体が製造される。
 ここで、図4に示されるように、ブランク30は余肉部32を有しており、余肉部32は、ブランクベース部31の長手方向一方側のエッジを構成するベースエッジ31dから長手方向一方側へ膨出している。また、余肉部32のエッジは、ベースエッジ31dに対して長手方向一方側へ凸となる第1凸部34を含んで構成されている。このため、ベースエッジ31dが余肉部32によって長手方向一方側へ肉盛りされて、ブランク30のブランクエッジ30aが形成される。これにより、プレス成形品20の成形過程において、ブランクエッジ30aが金型ユニット40内を面内移動(スライド)しても、ブランクエッジ30a(すなわちベースエッジ31d及び余肉部32のエッジ)における板厚減少を抑制することができる。
 さらに、余肉部32のエッジは、第1凸部34に対して幅方向外側に隣接する第1凹部33と、第1凸部34に対して幅方向内側(中央側)に隣接する第2凹部35と、を有している。そして、第1凹部33及び第2凹部35は、長手方向一方側へ開放された凹状に形成され、ベースエッジ31dと第1凸部34とを接続している。このため、第1凸部34とベースエッジ31dとの境界部分を第1凹部33及び第2凹部35によって滑らかに接続できる。これにより、ブランク30の第1凸部34とベースエッジ31dとの境界部分における局所的な板厚減少が抑制されて、当該境界部分における天板エッジ割れを抑制することができる。
 以下、これらの点について比較例を用いて説明する。図11Aには、比較例1のプレス成形品において、ブランクエッジの周辺の板厚減少率がドットによって示されている。また、図11Bには、比較例2のプレス成形品において、ブランクエッジの周辺の板厚減少率がドットによって示されている。また、図11Cには、本実施の形態のプレス成形品20において、ブランクエッジ30aの周辺の板厚減少率がドットによって示されている。そして、図11A~図11Cでは、プレス成形品において板厚減少率が高い部分を、ドットの密度を高くして図示している。以下、初めに比較例1及び比較例2に用いられるブランクについて説明する。なお、以下の説明では、比較例1及び比較例2のブランク及びプレス成形品を本実施の形態と同一の符号を用いて説明する。
 図11Aに示される比較例1では、本実施の形態のブランク30に対して余肉部32が省略されている。つまり、比較例1のブランク30では、ブランクエッジ30aがベースエッジ31dのみで構成されている。また、図11Bに示される比較例2では、本実施の形態のブランク30に対して余肉部32のエッジの第1凹部33及び第2凹部35が省略されている。すなわち、比較例2のブランク30では、ブランクエッジ30aがベースエッジ31dと第1凸部34とで構成されている。
 そして、図11Aに示されるように、比較例1では、ブランク30において余肉部32が省略されているため、プレス成形品20では、ブランクエッジ30aにおける2箇所の部位P1の周辺において、ブランク30の板厚減少率が高くなる傾向にある。以下、この点について説明する。ブランク30では、第2ブランク部31cが、第2架空稜線部31b-2及び第3架空稜線部31b-3に対して長手方向他方側に隣接して配置されている(図4参照)。このため、上記第1の製造方法又は第2の製造方法では、図9に示されるように、第2成形部22における縦壁部20c及びフランジ部20dを成形するときに、主として第1ブランク部31aにおける面外変形抑制領域(領域F)が長手方向他方側(図9の矢印D2側)へ面内移動(スライド)するようになる。すなわち、ブランク30の第1ブランク部31aでは、主として延長線Lに対して幅方向外側部分が長手方向他方側へ面内移動(スライド)するようになる。
 さらに、図12及び図13では、第1ブランク部31aが面内移動(スライド)したときの、縦壁部20c及びフランジ部20d側へ流入される天板部20aの材料の流入軌跡が矢印にて示されている。そして、この図に示されるように、天板部20aの材料の流入軌跡では、第2稜線部20b-2における端部PAから端部PB側へ向かうに従い天板部20aの材料の流入軌跡が大きくなっている。すなわち、第2稜線部20b-2における天板部20aの材料の流入軌跡が、幅方向外側へ向かうに従い大きくなっている。これにより、第2稜線部20b-2の端部PAにおける接線である延長線Lとブランクエッジ30aとの交点P1の周辺を起点に、面外変形抑制領域F(第1ブランク部31aにおける延長線Lに対して幅方向外側部分)が長手方向他方側へ回動するように面内移動(スライド)するようになる(図9の矢印J参照)。
 そして、天板部20aの材料が縦壁部20c及びフランジ部20d側へ流入されると、天板部20aにおける第2稜線部20b-2の近傍の部分では、湾曲された稜線の周方向(図12の矢印K参照)に材料が集められるようになるため、天板部20aが面外変形しようする。しかしながら、上述したように、自由曲げ工法では、パッド42によって天板部20aの面外変形を拘束する。このため、天板部20aを拘束する時に生じる力が伝播して天板部20a(第1ブランク部31a)が略幅方向に引張られようになる。すなわち、第1ブランク部31aでは、主として面外変形抑制領域Fが、長手方向他方側へ回動するように面内移動しつつ、略幅方向に引張られる。このため、上記比較例1では、図11Aに示されるように、交点P1の周辺に引張応力が集中するようになり、ブランクエッジ30aにおける板厚減少率が交点P1の周辺に集中する。その結果、上記比較例1では、2箇所の交点P1の周辺において、ブランク30の板厚減少率が高くなり、天板エッジ割れが発生する可能性がある。
 これに対して、図11Bに示されるように、比較例2では、ブランクエッジ30aに第1凸部34が形成されている。このため、ブランクエッジ30aの交点P1の周辺が、第1凸部34によって長手方向一方側へ膨出される(言い換えると、ブランクエッジ30aの部位P1の周辺が長手方向一方側へ肉盛りされる)。これにより、ブランクエッジ30aが面内移動するときに、ブランクエッジ30aの交点P1の周辺に引張応力が集中することが緩和されて、ブランクエッジ30aの交点P1の周辺における板厚減少率が高くなることが抑制される。その結果、比較例2では、プレス成形品の2箇所の交点P1における天板エッジ割れが抑制される。
 一方、比較例2では、余肉部32のエッジにおいて本実施の形態の第1凹部33及び第2凹部35が省略されている。このため、ブランクエッジ30aにおける曲率が、第1凸部34とベースエッジ31dとの交点P2を境に、不連続となる。このため、ブランクエッジ30aが面内移動(スライド)するときに、ブランクエッジ30aでは、交点P2において引張応力が局所的に集中するようになる。これにより、ブランク30の板厚が、第1凸部34とベースエッジ31dとの交点P2において局所的に減少するようになる。その結果、当該交点P2において天板エッジ割れが発生する可能性がある。
 これに対して、図11Cに示される本実施の形態では、余肉部32のエッジが、第1凸部34、第1凹部33、及び第2凹部35によって構成されている。このため、上記比較例2と比べて、第1凸部34とベースエッジ31dとの境界部においてブランクエッジ30aの曲率が不連続になることが、第1凹部33及び第2凹部35によって抑制される。これにより、ブランクエッジ30aが面内移動(スライド)するときに、ブランクエッジ30aに作用する引張応力が幅方向に略均一化されるようになる。換言すると、上記交点P2において引張応力が局所的に集中することが抑制される。その結果、ブランク30の板厚が第1凸部34とベースエッジ31dとの境界部において局所的に減少することが抑制されて、ブランクエッジ30aにおける板厚減少率が幅方向に略均一化されるようになる。したがって、ブランクエッジ30aにおける天板エッジ割れを抑制することができる。
 以上により、本実施の形態のブランク30を用いて自由曲げ工法によってプレス成形品20を成形することで、プレス成形品20における天板エッジ割れの発生を抑制することができる。
 また、上述したように、プレス成形品20の成形時には、ブランクエッジ30aが長手方向他方側へ面内移動(スライド)して、余肉部32のエッジの第1凹部33及び第2凹部35が幅方向に延びるようになる。このため、上記比較例2の場合と比べて、プレス成形品20の成形時においてブランク30のブランクエッジ30aの金型ユニット40型内へ流入を促進させることができる。これにより、プレス成形時におけるブランク30の第1ブランク部31aが縦壁部20c及びフランジ部20d側へ変位する量が大きくなるため、プレス成形品20におけるフランジエッジ割れの発生をも抑制することができる。
 以下この点について、図14A~図14Eに示される各種形状のブランクを用いてプレス成形品を製造したときの天板エッジ割れ及びフランジエッジ割れの発生について、以下に示される表1を用いて説明する。なお、図14A~図14Eに示される各種形状のブランクは、引張強度1180MPa、板厚1.6mmの高張力鋼板を用いている。そして、上記各種のプレス成形品の製造では、ブランクにおけるブランク天板部をパッド42で抑えた後に、ダイ金型41及び曲げ型43によって曲げ成形する自由曲げ工法(上記第1の製造方法)によってプレス成形品を製造した。
 以下、初めに図14A~図14Dに示される比較例3~比較例6におけるブランク53~56と、図14Eに示される本実施の形態のブランク30の一例について説明する。図14Aに示されるように、比較例3のブランク53では、本実施の形態の余肉部32が省略されている(すなわち、上記比較例1と同じ形態のブランクとされている)。図14Bに示されるように、比較例4のブランク54では、ブランク30の長手方向一端に、エッジの曲率の符号が負となる余肉部32が形成されており、余肉部32の曲率半径が300mmに設定されている。図14Cに示されるように、比較例5のブランク55では、幅方向に直線状に延在されたエッジを有する余肉部32が形成されている。図14Dに示されるように、比較例6のブランク56では、曲率の符号が正となるエッジを有する一対の余肉部32が形成されており、余肉部32の曲率半径が150mmに設定されている。また、比較例の6のブランク56では、本実施の形態における第1凹部33及び第2凹部35が省略されている(すなわち、上記比較例2と同じ形態のブランクとされている)。一方、図14Eに示されるように、本実施の形態に対応するブランク30の一例では、一対の余肉部32における第1凸部34、第1凹部33、及び第2凹部35のそれぞれの曲率半径が100mmに設定されている。そして、比較例5に比べて、余肉部32の面積が小さく設定されている。
[表1]
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000001
 そして、上記表1に示されるように、比較例3では、A部(図1参照)におけるフランジ割れが生じないものの、上述の比較例1と同様にB部(図1参照)における天板エッジ割れが生じた。また、比較例4では、比較例3の場合に比べて、余肉部32が付加された分、ブランク54の長手方向一端部における面積が大きくなっている。このため、B部での板厚減少率は小さくなるが、依然としてB部における天板エッジ割れが生じた。さらに、比較例5では、比較例4の場合に比べて、ブランク55の長手方向一端部における面積が大きくなっている。このため、B部の板厚減少率が小さくなり、B部での天板エッジ割れを回避することができた。一方、比較例5では、ブランク55の長手方向一端部における面積が大きくなっているため、プレス成形時にブランクエッジが面内移動し難くなり、ブランク55における天板部に成形される部分から縦壁部及びフランジ部側への変位量が小さくなる。このため、プレス成形品においてフランジ割れが発生した。比較例6では、上述した比較例2と同様に、ブランク56の板厚が第1凸部とベースエッジとの交点において局所的に減少して、当該交点(変曲点)において天板エッジ割れが発生した。
 これに対し、本実施の形態の一例である、図14Eに示される例によれば、ブランクエッジ30aにおける板厚減少率を小さくすることができる。また、比較例5のブランク55よりも、余肉部32の面積が小さくなるため、プレス成形時にブランクエッジ30aが良好に面内移動する。このため、A部の板厚減少率も小さく抑えることができる。これにより、本実施の形態では、A部でのフランジエッジ割れのみならずB部での天板エッジ割れの発生を防ぐことができる。
 以上により、本実施の形態のブランク30を用いてプレス成形品20を自由曲げ工法によって成形することで、プレス成形品20における天板エッジ割れを抑制することができると共に、フランジ割れの発生をも抑制することができる。
 また、本実施の形態のブランク30では、余肉部32が第2稜線部20b-2の端部PAにおける接線上(換言すると、延長線L上)に配置されている。具体的には、余肉部32の頂部(頂点)が第2稜線部20b-2の端部PAにおける接線上(換言すると、延長線L上)に配置されている。このため、プレス成形過程においてブランク30の板厚減少率の高い交点P1の周辺に対してブランクエッジ30aが長手方向一方側へ肉盛りされる。これにより、ブランク30の交点P1の周辺における板厚減少を効果的に抑制することができ、天板エッジ割れを効果的に抑制することができる。
 また、本実施の形態では、平面視で余肉部32が延長線Lに対して幅方向に左右非対称に形成されている。具体的には、第1凹部33の曲率が第2凹部35の曲率よりも小さく設定されている。換言すると、第1凹部33の曲率半径が第2凹部35の曲率半径よりも大きく設定されている。このため、第1凸部34の曲率と第1凹部33の曲率との差を、第1凸部34の曲率と第2凹部35の曲率との差より、小さくすることができる。これにより、余肉部32における板厚減少率をより一層均一化することができ、プレス成形品20の天板エッジ割れを一層効果的に抑制することができる。
 また、本実施の形態では、延長線Lに対して幅方向外側の余肉部32の幅寸法W4が、延長線Lに対して幅方向内側の余肉部32の幅寸法W5に比べて長く設定されている。これにより、プレス成形品20における天板エッジ割れを効果的に抑制することができる。すなわち、上述したように、プレス成形時にブランクエッジ30aが図9の矢印J方向側へ面内移動(スライド)するときには、面外変形抑制領域(領域F)に対応するブランクエッジ30aが主として長手方向他方側へ面内移動(スライド)する。つまり、余肉部32における延長線Lに対して幅方向外側部分が主として長手方向他方側へ面内移動(スライド)する。このため、延長線Lに対して幅方向外側部分の余肉部32の幅寸法W4を、延長線Lに対して幅方向内側部分の余肉部32の幅寸法W5に比べて長く設定することで、延長線Lに対して幅方向外側部分の板厚減少を有効に抑制することができる。これにより、プレス成形品20の天板エッジ割れを有効に抑制することができる。
 また、本実施の形態によれば、上記ブランク30を用いて自由曲げ工法を行うことで、プレス成形品20の長手方向一方側の端部における幅W3を、300mm以上又は400mm以上に確保しつつ、プレス成形品20のフランジ割れ及び天板エッジ割れの発生を防止することができる。これにより、本実施の形態によれば、図15に示されるような、自動車の骨格部品を構成する骨格構成部品60(図15では、自動車のセンターピラーを構成する骨格構成部品である)を製造することができる。以下、骨格構成部品60の寸法について例示する。
 すなわち、図15に示される骨格構成部品60では、全長が1105mmであり、第1成形部21に対応する天板部の幅は65mm~70mmである。また、第2成形部22(すなわち、長手方向の端部)に対応する上端部又は下端部のそれぞれの天板部の幅は260mm、490mmであり、縦壁部の高さは最大部65mmであり、さらに、フランジ部の幅は25mmである。また、骨格構成部品60のブランクは、板厚がいずれも1.6mmであって引張強度が590MPa級、980MPa級又は1180MPa級の3種類の高張力鋼板から製造されている。よって、図15に示される例では、骨格構成部品60において、長手方向の端部である下端部の幅を400mm以上に確保している。
 そして、図15に示される骨格構成部品60では、長手方向の端部(上端部及び下端部)が、他の部材(例えばルーフレールやサイドシル等)との接合部を成している。そして、骨格構成部品60は、この接合部を介して他の部材とスポット溶接やレーザ溶接等の手段によって接合される。このため、本実施の形態のブランク30を用いることによって、骨格構成部品60において、他の部材との接合部となる部分の接合面積を増加(確保)することができる。これにより、他の部材との接合強度を高めることができる。特に、骨格構成部品60のようにプレス成形品が自動車車体構成部材(各種ピラーアウターレインフォースメントやシルアウターレインフォースメント等)である場合には、自動車のボディシェルの曲げ剛性やねじり剛性を向上することができる。
 また、本実施の形態では、プレス成形品20がT字状形状部品とされているが、プレス成形品20をY字形形状部品としてもよい。この場合には、プレス成形品20が自動車のリアメンバーレインフォースメント等に適用される。
(第2の実施の形態)
 図16に示されるように、第2の実施の形態では、プレス成形品70がL字状形状部品とされている。以下、第2の実施の形態のプレス成形品70及びブランク80について説明する。なお、以下の説明では、プレス成形品70及びブランク80において、第1の実施の形態のプレス成形品20及びブランク30と同様に構成されている部分については、同一の符号を用いている。
 すなわち、図16に示されるように、プレス成形品70は、天板部20a、稜線部20b、縦壁部20c、及びフランジ部20dを有している。また、プレス成形品70では、第2成形部22における一方の縦壁部20cのみが湾曲し幅方向外側へ延び出されている。すなわち、他方の縦壁部20cは長手方向に亘って平面状に形成されており、プレス成形品70の湾曲部23が1箇所形成されている。
 また、プレス成形品70の寸法としては、以下の寸法が例示される。つまり、プレス成形品70の長手方向の寸法は、100~1600mmの範囲(本実施の形態では、例えば300mm)に設定される。天板部20aの幅W1は50~200mmの範囲(本実施の形態では、例えば100mm)に設定され、長手方向一端部における天板部20aの幅W3は70~1000mmの範囲(本実施の形態では、例えば210mm)に設定されている。また、縦壁部20cの高さ、湾曲された縦壁部20cの曲率半径、フランジ部20dの幅は、第1の実施の形態と同様に設定される。
 さらに、図17に示されるように、第2の実施の形態のブランク80では、ベースエッジ31dが幅方向一方側(図17の矢印D3方向側)へ向かうにしたがい長手方向一方側(図17の矢印D1方向側)へ傾斜するように湾曲されている。そして、第1の実施の形態と同様に、余肉部32が、ベースエッジ31dに形成されると共に、延長線L上に配置されている。
 そして、第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様にブランク80に余肉部32が設けられているため、プレス成形品70の成形時における天板エッジ割れ及びフランジエッジ割れを抑制することができる。さらに、プレス成形品70のように端部をL字形状にすることで、図18に示される自動車の骨格部品を構成する骨格構成部品90を製造することができる(図18では、自動車のフロントピラーを構成する骨格構成部品である)。以下、図18に示される骨格構成部品90の寸法を簡単に説明する。
 骨格構成部品90では、全長が1150mmであり、第1成形部21に対応する天板部の幅は130mmであり、第2成形部22に対応する端部における天板部の幅は340mmであり、縦壁部の高さは最大部75mmであり、さらに、フランジ部の幅は25mmである。また、プレス成形品50のブランクは、板厚がいずれも1.6mmであって引張強度が590MPa級、980MPa級又は1180MPa級の3種類の高張力鋼板からなる。
 なお、上述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、余肉部32の第1凹部33、第1凸部34、及び第2凹部35が幅方向に隣接して配置されている。これに代えて、第1凹部33と第1凸部34との間、及び第2凹部35と第1凸部34との間、の少なくとも一方に、直線状に延びる直線状部を有していてもよい。また、幅方向に隣り合う余肉部32において、第2凹部35と第1凹部33との間に、直線状に延びる直線状部を有していてもよい。これにより、第1凹部33,第1凸部34,第2凹部35のそれぞれの曲率半径が小さくてもよい場合には、これらの曲率半径を大きくしなくとも、所望の第1凹部33,第1凸部34、及び第2凹部35、第3の凹部36をブランクエッジ30aに形成することができる。
 また、第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、平面視で余肉部32が延長線Lに対して幅方向に左右非対称の形状に形成されている。これに代えて、平面視で余肉部32を延長線Lに対して幅方向に左右対称の形状に形成してもよい。
 また、第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、平面視で余肉部32(第1凸部34)の頂部(頂点)が延長線L上に位置するように設定されている。これに代えて、余肉部32(第1凸部34)の頂部(頂点)を延長線Lに対して幅方向外側又は幅方向内側に配置してもよい。すなわち、プレス成形品の形状や材料等に適宜対応して、第1凸部34が傾斜架空線AL3と第2架空線AL2との間に適宜配置される。
 さらに、2014年5月14日に出願された日本国特許出願2014-100619号の開示、及び2014年10月1日に出願された日本国特許出願2014-203316号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
(付記)
 本開示のブランクは、 第1の方向を長手方向とする長尺状に形成され、平面視で長手方向に延在する一対の外縁を有し、長手方向一方側の端部における前記外縁の少なくとも一方が幅方向外側へ湾曲して延び出され且つ当該一方が長手方向一方側のエッジに対して長手方向他方側に離間して配置されている天板部と、前記一対の外縁から下方側へ延び出された一対の縦壁部と、平面視で前記縦壁部の下端部から前記天板部とは反対側へ延び出された一対のフランジ部と、を備えたプレス成形品を成形するためのブランクであって、前記ブランクの長手方向一方側のエッジを構成する展開エッジと、前記展開エッジに形成された余肉部と、を有し、前記余肉部のエッジは、前記展開エッジに対して前記ブランクの長手方向一方側へ凸となる第1凸部と、前記第1凸部に対して前記ブランクの幅方向外側に隣接し、前記ブランクの長手方向一方側へ開放された凹状に形成されると共に、前記展開エッジと第1凸部とを接続する第1凹部と、前記第1凸部に対して前記ブランクの幅方向内側に隣接し、前記ブランクの長手方向一方側へ開放された凹状に形成されると共に、前記展開エッジと第1凸部とを接続する第2凹部と、を有している。
 また、前記プレス成形品を成形する金型内に前記ブランクを配置し且つ前記プレス成形品の前記縦壁部及びフランジ部を成形するための曲げ型が前記ブランクの上面に接触した状態において、平面視で、湾曲された前記縦壁部を形成する前記曲げ型の湾曲肩部に沿った架空線を湾曲架空線とし、前記湾曲架空線の基端部を通過し且つ前記ブランクの幅方向に延びる架空線を第1架空線とし、前記湾曲架空線の終端部を通過し且つ前記ブランクの長手方向に延びる架空線を第2架空線として、前記第1架空線と前記第2架空線との交点を通過し且つ前記第1架空線に対して前記ブランクの長手方向一方側へ22.5°傾斜した架空傾斜線と、前記第2架空線と、の間に前記第1凸部が配置されていることが好ましい。
 また、前記プレス成形品を成形する金型内に前記ブランクを配置し且つ前記曲げ型が前記ブランクの上面に接触した状態において、平面視で、前記縦壁部を形成する前記曲げ型の肩部に沿った架空線で且つ前記湾曲架空線の基端部に隣接される架空線を隣接架空線とし、前記第1凸部が、前記隣接架空線を前記ブランクの長手方向一方側へ延長した延長線上に配置されていることが好ましい。
 また、前記余肉部のエッジが、前記ブランクの幅方向において、前記延長線に対して左右非対称の形状に形成されていることが好ましい。
 また、前記第1凹部の曲率が前記第2凹部の曲率よりも小さく設定されていることが好ましい。
 本開示のプレス成形品の製造方法は、第1の方向を長手方向とする長尺状に形成され、平面視で長手方向に延在する一対の外縁を有し、長手方向一方側の端部における前記外縁の少なくとも一方が幅方向外側へ湾曲して延び出され且つ当該一方が長手方向一方側のエッジに対して長手方向他方側に離間して配置されている天板部と、前記一対の外縁から下方側へ延び出された一対の縦壁部と、平面視で前記縦壁部の下端部から前記天板部とは反対側へ延び出された一対のフランジ部と、を備えたプレス成形品を冷間で曲げ成形によるプレス加工により製造する方法であって、請求項1~請求項5の何れか1項に記載されたブランク又は当該ブランクに予加工を行った成形板を、ダイ金型と、パッド及び曲げ型と、の間に配置し、前記展開エッジ及び前記余肉部のエッジが前記天板部に成形される部分と同一平面上に存在する状態で、前記ブランク又は前記成形板における前記天板部に成形される部分の一部である面外変形抑制領域を前記パッドにより加圧した状態で、前記ダイ金型又は前記曲げ型の一方又は双方を互いに接近する方向へ相対移動させることによって、前記展開エッジ及び前記余肉部のエッジを、前記ダイ金型における前記天板部に対応する部位に対して面内移動させながら、前記プレス成形品の前記縦壁部及び前記フランジ部を曲げ成形によりプレス成形する。
 本開示のプレス成形品の製造方法は、第1の方向を長手方向とする長尺状に形成され、平面視で長手方向に延在する一対の外縁を有し、長手方向一方側の端部における前記外縁の少なくとも一方が幅方向外側へ湾曲して延び出され且つ当該一方が長手方向一方側のエッジに対して長手方向他方側に離間して配置されている天板部と、前記一対の外縁から下方側へ延び出された一対の縦壁部と、平面視で前記縦壁部の下端部から前記天板部とは反対側へ延び出された一対のフランジ部と、を備えたプレス成形品を冷間で曲げ成形によるプレス加工により製造する方法であって、請求項1~請求項5の何れか1項に記載されたブランク又は当該ブランクに予加工を行った成形板を、ダイ金型と、パッド及び曲げ型と、の間に配置し、前記展開エッジ及び前記余肉部のエッジが前記天板部に成形される部分と同一平面上にある状態で、前記ブランク又は前記成形板における前記天板部に成形される部位の一部である面外変形抑制領域に前記パッドを近接又は接触させ、前記パッドと前記ダイ金型との隙間を、前記ブランク又は前記成形板の板厚以上、かつ該板厚の1.1倍以下に保ちながら前記ダイ金型又は前記曲げ型の一方又は双方を互いに接近する方向へ相対移動させることによって、前記展開エッジ及び前記余肉部のエッジを、前記ダイ金型における前記天板部に対応する部位に対して面内移動させながら、前記プレス成形品の前記縦壁部及び前記フランジ部を曲げ成形によりプレス成形する。
 また、前記ブランク又は前記成形板の破断強度が、400MPa以上1600MPa以下であることが好ましい。
 また、本開示のブランクは、ブランク又は該ブランクに予加工を行った成形板に、ダイ金型、曲げ型及びパッドを備えるプレス成形装置により曲げ成形によるプレス加工を行って得られ、一の方向へ延びて存在するとともに該一の方向と交差する方向へ所定の幅を有する天板部と、該天板部の前記一の方向と交差する方向である幅方向の両エッジ部それぞれにつながる二つの稜線部と、該二つの稜線部それぞれにつながる二つの縦壁部と、該二つの縦壁部それぞれにつながる二つのフランジ部とを有する略ハット型の横断面形状を有するとともに、前記一の方向について、前記縦壁部が平面状に形成される第1の部分と、該第1の部分につながるとともに、前記二つの縦壁部と該縦壁部にそれぞれつながる前記稜線部及び前記フランジ部とがいずれも該縦壁部の略板厚方向へ湾曲するとともに前記天板部の幅が前記第1の部分における天板部の幅よりも徐々に増加することにより前記天板部が平面視でT字状又はY字状を呈する湾曲部を有する第2の部分とにより構成される長尺のプレス成形品の素材であるブランクであって、前記プレス成形品の展開形状に、前記第2の部分における前記天板部に成形される部位のエッジに余肉部を付加するとともに、該余肉部のエッジに下記条件1を満足する第1の凹部、第1の凸部及び第2の凹部と、第3の凹部、第2の凸部及び第4の凹部とを設けた形状を有することを特徴とするブランク。
条件1;前記ブランクの内部方向への曲率の符号を負とするとともに該内部方向と反対の方向への曲率の符号を正とした場合に、前記余肉部のエッジに並んで形成された、前記曲率の符号が負となる第1の凹部、前記曲率の符号が正となる第1の凸部、及び前記曲率の符号が負となる第2の凹部と、前記曲率の符号が負となる第3の凹部、前記曲率の符号が正となる第2の凸部、及び前記曲率の符号が負となる第4の凹部とをこの順に有する。
 また、本開示のブランクは、ブランク又はこのブランクに予加工を行った成形板に、ダイ金型、曲げ型及びパッドを備えるプレス成形装置により曲げ成形によるプレス加工を行って得られ、一の方向へ延びて存在するとともに該一の方向と交差する方向へ所定の幅を有する天板部と、該天板部の幅方向の両エッジ部にそれぞれつながる二つの稜線部と、該二つの稜線部にそれぞれつながる二つの縦壁部と、該二つの縦壁部にそれぞれつながる二つのフランジ部とを有する略ハット型の横断面形状を有するとともに、前記一の方向について、前記縦壁部が平面状に形成される第1の部分と、該第1の部分につながるとともに、前記二つの縦壁部のうちの一つの縦壁部と該縦壁部につながる前記稜線部及び前記フランジ部とがいずれも該縦壁部の略板厚方向へ湾曲するとともに前記天板部の幅が前記第1の部分における天板部の幅よりも徐々に増加することにより前記天板部が平面視でL字状を呈する湾曲部を有する第2の部分とにより構成される長尺のプレス成形品の素材であるブランクであって、前記プレス成形品の展開形状に、前記第2の部分における前記天板部に成形される部位のエッジに余肉部を付加するとともに、該余肉部のエッジに下記条件1を満足する第1の凹部、凸部及び第2の凹部を設けた形状を有することを特徴とするブランク。
条件1;前記ブランクの内部方向への曲率の符号を負とするとともに該内部方向と反対の方向への曲率の符号を正とした場合に、前記余肉部のエッジに並んで形成された、前記曲率の符号が負となる第1の凹部、前記曲率の符号が正となる凸部、及び前記曲率の符号が負となる第2の凹部をこの順に有する。

Claims (8)

  1.  第1の方向を長手方向とする長尺状に形成され、平面視で長手方向に延在する一対の外縁を有し、長手方向一方側の端部における前記外縁の少なくとも一方が幅方向外側へ湾曲して延び出され且つ当該一方が長手方向一方側のエッジに対して長手方向他方側に離間して配置されている天板部と、
     前記一対の外縁から下方側へ延び出された一対の縦壁部と、
     平面視で前記縦壁部の下端部から前記天板部とは反対側へ延び出された一対のフランジ部と、
     を備えたプレス成形品を成形するためのブランクであって、
     前記ブランクの長手方向一方側のエッジを構成する展開エッジと、
     前記展開エッジに形成された余肉部と、
     を有し、
     前記余肉部のエッジは、
     前記展開エッジに対して前記ブランクの長手方向一方側へ凸となる第1凸部と、
     前記第1凸部に対して前記ブランクの幅方向外側に隣接し、前記ブランクの長手方向一方側へ開放された凹状に形成されると共に、前記展開エッジと第1凸部とを接続する第1凹部と、
     前記第1凸部に対して前記ブランクの幅方向内側に隣接し、前記ブランクの長手方向一方側へ開放された凹状に形成されると共に、前記展開エッジと第1凸部とを接続する第2凹部と、
     を有しているブランク。
  2.  前記プレス成形品を成形する金型内に前記ブランクを配置し且つ前記プレス成形品の前記縦壁部及びフランジ部を成形するための曲げ型が前記ブランクの上面に接触した状態において、
     平面視で、湾曲された前記縦壁部を形成する前記曲げ型の湾曲肩部に沿った架空線を湾曲架空線とし、前記湾曲架空線の基端部を通過し且つ前記ブランクの幅方向に延びる架空線を第1架空線とし、前記湾曲架空線の終端部を通過し且つ前記ブランクの長手方向に延びる架空線を第2架空線として、
     前記第1架空線と前記第2架空線との交点を通過し且つ前記第1架空線に対して前記ブランクの長手方向一方側へ22.5°傾斜した架空傾斜線と、前記第2架空線と、の間に前記第1凸部が配置されている請求項1に記載のブランク。
  3.  前記プレス成形品を成形する金型内に前記ブランクを配置し且つ前記曲げ型が前記ブランクの上面に接触した状態において、平面視で、前記縦壁部を形成する前記曲げ型の肩部に沿った架空線で且つ前記湾曲架空線の基端部に隣接される架空線を隣接架空線とし、
     前記第1凸部が、前記隣接架空線を前記ブランクの長手方向一方側へ延長した延長線上に配置されている請求項2に記載のブランク。
  4.  前記余肉部のエッジが、前記ブランクの幅方向において、前記延長線に対して左右非対称の形状に形成されている請求項3に記載のブランク。
  5.  前記第1凹部の曲率が前記第2凹部の曲率よりも小さく設定されている請求項1~請求項4の何れか1項に記載のブランク。
  6.  第1の方向を長手方向とする長尺状に形成され、平面視で長手方向に延在する一対の外縁を有し、長手方向一方側の端部における前記外縁の少なくとも一方が幅方向外側へ湾曲して延び出され且つ当該一方が長手方向一方側のエッジに対して長手方向他方側に離間して配置されている天板部と、
     前記一対の外縁から下方側へ延び出された一対の縦壁部と、
     平面視で前記縦壁部の下端部から前記天板部とは反対側へ延び出された一対のフランジ部と、
     を備えたプレス成形品を冷間で曲げ成形によるプレス加工により製造する方法であって、
     請求項1~請求項5の何れか1項に記載されたブランク又は当該ブランクに予加工を行った成形板を、ダイ金型と、パッド及び曲げ型と、の間に配置し、
     前記展開エッジ及び前記余肉部のエッジが前記天板部に成形される部分と同一平面上に存在する状態で、
     前記ブランク又は前記成形板における前記天板部に成形される部分の一部である面外変形抑制領域を前記パッドにより加圧した状態で、前記ダイ金型又は前記曲げ型の一方又は双方を互いに接近する方向へ相対移動させることによって、前記展開エッジ及び前記余肉部のエッジを、前記ダイ金型における前記天板部に対応する部位に対して面内移動させながら、前記プレス成形品の前記縦壁部及び前記フランジ部を曲げ成形によりプレス成形するプレス成形品の製造方法。
  7.  第1の方向を長手方向とする長尺状に形成され、平面視で長手方向に延在する一対の外縁を有し、長手方向一方側の端部における前記外縁の少なくとも一方が幅方向外側へ湾曲して延び出され且つ当該一方が長手方向一方側のエッジに対して長手方向他方側に離間して配置されている天板部と、
     前記一対の外縁から下方側へ延び出された一対の縦壁部と、
     平面視で前記縦壁部の下端部から前記天板部とは反対側へ延び出された一対のフランジ部と、
     を備えたプレス成形品を冷間で曲げ成形によるプレス加工により製造する方法であって、
     請求項1~請求項5の何れか1項に記載されたブランク又は当該ブランクに予加工を行った成形板を、ダイ金型と、パッド及び曲げ型と、の間に配置し、
     前記展開エッジ及び前記余肉部のエッジが前記天板部に成形される部分と同一平面上にある状態で、
     前記ブランク又は前記成形板における前記天板部に成形される部位の一部である面外変形抑制領域に前記パッドを近接又は接触させ、前記パッドと前記ダイ金型との隙間を、前記ブランク又は前記成形板の板厚以上、かつ該板厚の1.1倍以下に保ちながら前記ダイ金型又は前記曲げ型の一方又は双方を互いに接近する方向へ相対移動させることによって、前記展開エッジ及び前記余肉部のエッジを、前記ダイ金型における前記天板部に対応する部位に対して面内移動させながら、前記プレス成形品の前記縦壁部及び前記フランジ部を曲げ成形によりプレス成形するプレス成形品の製造方法。
  8.  前記ブランク又は前記成形板の破断強度が、400MPa以上1600MPa以下である請求項6又は請求項7に記載されたプレス成形品の製造方法。
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