WO2015125659A1 - 摩擦撹拌接合方法および摩擦撹拌接合体 - Google Patents

摩擦撹拌接合方法および摩擦撹拌接合体 Download PDF

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Abstract

 異種金属材料から形成された金属部材同士を摩擦撹拌接合するに際して、その接合部において異種金属部材同士が接触する接触部の露出を防止することができる摩擦撹拌接合方法および摩擦撹拌接合体を提供する。少なくとも2つの金属部材(1,2)を重ね合わせ、一方の金属部材(1)にツール(10)を押し付けて、これらの金属部材(1,2)同士を摩擦撹拌接合するようにした摩擦撹拌接合方法において、ツール(10)が摩擦撹拌接合の終端部(3)に位置したところで、ツール(10)を、水平方向に動かしながら一方の金属部材(1)から引き抜く構成としている。

Description

摩擦撹拌接合方法および摩擦撹拌接合体
 本発明は、摩擦撹拌接合方法および摩擦撹拌接合体に関し、詳しくは、金属部材同士を重ね合わせ、一方の金属部材にツールを押し付けて、一方の金属部材と他方の金属部材を摩擦撹拌接合するようにした摩擦撹拌接合方法、およびこの方法によって形成される摩擦撹拌接合体に関する。
 従来より、鉄とアルミニウムなどの異種金属材料で形成された金属部材の接合は、一般に溶融溶接や、リベットなどの機械的接合などによって行われてきたが、このようなリベットやボルトを用いた機械的接合では、接合のためにリベットなどの接合資材が必要となり、コスト上昇、重量増加などの課題があるため、近年、上記したような金属部材同士の接合方法として、摩擦撹拌接合(FSW:Friction Stir Welding)が行われるようになった。この摩擦撹拌接合では、図12に示すように、金属部材101,102同士を重ね合わせて、一方の金属部材101に接合用のツール103を回転させながら押し付けて、一方の金属部材101を摩擦熱により軟化させて貫入させるとともに、ツール103の回転力によって一方の金属部材101および他方の金属部材102を撹拌させて塑性流動させることで、一方の金属部材101と他方の金属部材102との接合を行うようにしたものである。
 ところで、上記摩擦撹拌接合方法では、その終端部において、ツール103を引き抜く際に穴(以下、ツール穴という)104が形成される(図12(b)および図13参照)。ツ-ル穴104が形成されると、一方の金属部材101と他方の金属部材102との界面105が露出する。このため、界面105が水分などに晒されると、そこで電食が発生してしまう欠点があった。ここで、摩擦撹拌接合の終端部とは、摩擦撹拌接合が完了した部位を指す。すわなち、一端から他端まで摩擦撹拌接合した場合においてはその他端の部位、一端まで摩擦撹拌接合し、折り返して接合しながら中間まで戻ってツールを引き抜いた場合においては、接合が完了したその中間の部位を指す。
 また、上記摩擦撹拌接合により鉄とアルミニウムによって形成された異種金属部材同士を接合する場合には、溶融溶接では入熱量が大きいため、金属部材間の界面に脆弱な金属間化合物(Fe2Al5、FeAl3など)が生成されてしまい、接合強度が低下するという不具合があった。
 さらに、ツール103の先端を他方の金属102に貫入させないで摩擦撹拌接合を行う場合(ツール103の先端が一方の金属材料101内にあり他方の金属材料103に達していない状態で摩擦撹拌接合を行う場合)には、接合強度を大きくするために、界面105とツール103の先端をできるだけ近づける必要がある。その際、ツール103の先端を界面105に近づけすぎると、ツール103を引き抜いた時、ツール103に一方の金属部材101が付着して、ツール穴103の底部が破れ、該一方の金属部材101の終端部のツール穴104が他方の金属部材102まで貫通してしまうおそれがある。この貫通したツール穴104を通じて金属部材101,102同士の界面105(鉄とアルミニウムの接触部)が露出してしまうと、その部位で電食が生じ、接合強度の低下を引き起こす原因となった。このように、ツール103の先端を他方の金属材料102に貫入させない場合でも、摩擦撹拌接合の終端部において界面105が露出してしまう場合があり、このような場合に界面105が水分などに晒されると、該界面で電食が生じてしまう虞れがあった。また、ツール103の先端と界面105の距離が近いほど高い接合強度が得られるが、逆に接合強度が低下してしまうという問題もあった。
 そこで、従来より、特許文献1,2に示すような摩擦撹拌接合方法が提案されている。
 特許文献1には、摩擦撹拌接合の終端部の貫通したツール穴を埋めるために、一度接合を完了させた後、ツール穴に充填材を設置して、該ツール穴を再度摩擦撹拌接合することで、上記終端部の接合部における気密性及び水密性を向上させることが開示されている。
 また、特許文献2には、異なる金属材料によって形成された金属部材同士を摩擦撹拌接合するものであって、その終端部に凸部などの余肉部を設けることで、該終端部にツール穴が形成しても該ツール穴が貫通しないため、金属部材同士間の界面が露出されず、電食が防止されることが開示されている。
特開2009-172650号公報 特開2012-143812号公報
 しかし、特許文献1に記載の方法では、下記のような課題がある。
 すなわち、特許文献1の方法では、一度摩擦撹拌接合した後に、その終端部のツール穴を埋めるために該ツール穴に充填材を設置する工程、および再度接合を実施する工程が必要になる。そのため、工程数が増加してしまう欠点がある。
 また、特許文献2に記載の摩擦撹拌接合方法では、下記のような課題がある。
(1) 摩擦撹拌接合の終端部に余肉部を設けるようにしているので、摩擦撹拌接合後の製品の重量が増加してしまう欠点がある。
(2) 展伸材(押出材)などの板厚が均一な金属材料の場合には、特許文献2の方法を使用することができない。そのため、材料選定の自由度が低下してしまう欠点がある。
(3) ツール穴が形成される余肉部のところでは、該余肉部の部位に比べて、ツールの先端と界面の距離が離れている。一方、従来より、ツールの先端と界面の距離を小さく設すると接合強度が向上し、距離が大きく設定すると接合強度が低下することが知られている。そのため、特許文献2の方法では、余肉部以外の部位の界面における接合強度に対して、余肉部のところの界面における接合強度が相対的に低下してしまう。それ故、同方法により接合された部品に応力がかかると、相対的に接合強度の低い余肉部側から優先的に破損し、この破損した部位からき裂が次第に進展したり、該破損した部位に水分などが入り込んで電食が発生してしまうおそれがある。
 本発明は上記実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、異種金属材料から形成された金属部材同士を摩擦撹拌接合するに際して、その接合部において異種金属部材同士が接触する接触部の露出を防止することができる摩擦撹拌接合方法および摩擦撹拌接合体を提供することにあり、詳しくは、特別な追加の工程を設けることなく、また、金属部材に特別な構造を設けることなく、摩擦撹拌接合の終端部と該終端部以外との部位で略同等の接合強度を有し、ツール穴が水分などに晒されても電食が発生せず、かつ、板厚が略均一な金属材料にも適用できる摩擦撹拌接合方法および摩擦撹拌接合体を提供することにある。
 本発明では、上記目的を達成するために、少なくとも2つの金属部材を重ね合わせ、一方の金属部材側からツールを押し付けて、これらの金属部材同士を摩擦撹拌接合するようにした摩擦撹拌接合方法において、上記ツールが摩擦撹拌接合の終端部に位置したところで、上記ツールを、水平方向に動かしながら上記一方の金属部材から引き抜くようにしている。
 本発明では、上記ツールの水平方向への動きは、該ツールの中心軸が略直線を描くようにしている。
 本発明では、上記ツールの水平方向への動きは、該ツールの中心軸が略直線を描きその方向はツール進行方向と異なる方向であることとしている。
 本発明では、上記ツールの水平方向への動きは、該ツールの中心軸が多角形を描くようにしている。
 本発明では、上記ツールの水平方向への動きは、該ツールの中心軸が略円形を描くようにしている。
 本発明では、上記ツールが描く略円形の軌道円の直径は、上記ツールが水平方向に動かない状態で上記一方の金属部材に形成される場合のツール穴の直径の1%以上としている。
 本発明では、上記摩擦撹拌接合の終端部において、上記ツールの先端が、上記他方の金属部材まで略達している状態で、若しくは上記他方の金属部材に貫入している状態で、摩擦撹拌接合するようにしている。
 本発明では、上記2つの金属部材は、異なる金属材料によって形成されたものとしている。
 本発明では、少なくとも2つの金属部材を重ね合わせ、一方の金属部材側からツールを押し付けて、これらの金属部材同士を摩擦撹拌接合し、上記ツールが摩擦撹拌接合の終端部に位置したところで、上記ツールを、水平方向に動かしながら上記一方の金属部材から引き抜くことによって摩擦撹拌接合接合体を形成するようにしている。
 上述の如く、本発明に係る摩擦撹拌接合方法によれば、少なくとも2つの金属部材を重ね合わせ、一方の金属部材側からツールを押し付けて、これらの金属部材同士を摩擦撹拌接合するようにした摩擦撹拌接合方法において、上記ツールが摩擦撹拌接合の終端部に位置したところで、上記ツールを、水平方向に動かしながら上記一方の金属部材から引き抜くようにしているので、上記ツールを引き抜く際に生じるツール穴を、この引き抜きの際にツールで撹拌された一方の金属部材(特に、ツールの側面部分の金属)により埋めて、露出した他方の金属部材を覆うことができる。これにより、以下のような効果を得ることができる。
・両金属部材同士の界面の露出を防止するために、摩擦撹拌接合した後に充填材などを設置する必要が無い。すなわち、摩擦撹拌接合の工程のみで良く、工程数は増加しない。
・界面の露出を防止するために、終端部に余肉部を設ける必要がない。そのため、重量が増加しない。
・展伸材などの板厚が均一な材料においても、両金属部材同士の界面の露出を防止できる。そのため、材料選定の自由度が向上する。
・摩擦撹拌接合の終端部におけるツールの先端と界面の距離を可及的に小さくすることができるため、終端部の部位と終端部以外の部位とのいずれにおいても、ツールの先端と界面の距離を略同じにすることができる。そのため、終端部の部位と終端部以外の部位のいずれにおいても、略同等の高い接合強度が得られる。したがって、同方法により接合された接合体に応力がかかっても、同接合体が全体に渡って略均一な高い接合強度を有するために破損し難くなり、仮に破損することがあったとしても、上記終端部が優先的に破損するおそれはない。結果として、同方法により接合された接合体が破損することはないため、両金属部材同士の界面のところに水が入り込むことはなく、摩擦撹拌接合の終端部が外周部に接している場合でも水が入り込む隙間が生じず、電食の発生を防止することができる。
本発明の実施形態に係る摩擦撹拌接合方法を概念的に示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る摩擦撹拌接合方法を概念的に示す断面図であり、(a)は摩擦撹拌接合する前の様子を示すもので、(b)は摩擦撹拌接合後の様子を示すものである。 図2(b)に矢印Aで示す円で囲む部分を拡大して示す断面図であり、(a)は摩擦撹拌接合している様子を示すもので、(b)は摩擦撹拌接合後の様子を示すものである。 本発明の実施形態に係る摩擦撹拌接合方法で採用する摩擦撹拌接合用ツールを示す側面図である。 本発明の実施形態に係る摩擦撹拌接合方法における摩擦撹拌接合の終端部の位置を示す概念図である。 本発明の実施形態に係る摩擦撹拌接合方法によって接合された様子を平面的にみた写真である。 従来の摩擦撹拌接合方法によって接合された様子を平面的にみた写真である。 本発明の実施形態に係る摩擦撹拌接合方法を概念的に示すもので、とくに、ツールの水平方向への動きが、該ツールの中心軸が略円形を描くように移動する場合の様子を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る摩擦撹拌接合方法を概念的に示すもので、とくに、ツールが描く略円形の軌道円の直径が、上記ツールの摩擦撹拌接合によって一方の金属部材に形成されるツール穴の直径の1%以上である場合の様子を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る摩擦撹拌接合方法を概念的に示すもので、とくに、ツールの水平方向への動きは、略直線的である場合の様子を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る摩擦撹拌接合方法を概念的に示すもので、とくに、ツールの水平方向への動きが、該ツールの中心軸が多角形を描くように移動する場合の様子を示す平面図である。 従来の摩擦撹拌接合方法を概念的に示す断面図であり、(a)は摩擦撹拌接合完了する前の様子を示すもので、(b)は摩擦撹拌接合完了後の様子を示すものである。 従来の摩擦撹拌接合方法を概念的に示す平面図である。
 以下、本発明に係る摩擦撹拌接合方法および摩擦撹拌接合体の実施の形態について、図1~図11を参照しながら詳細に説明する。
 本実施形態に係る摩擦撹拌接合方法は、図1~図3に示すように、異種の金属材料から形成された2つの金属部材1,2を重ね合わせて配置し、摩擦撹拌接合用のツール10を回転させながら一方の金属部材1の表面に押し付けて加圧し、接触させて発熱させることにより金属部材1,2同士の接合を行うようにしたものであって、金属部材1,2の接合が終わる終端部3にツール10が達したところで、該ツール10全体を該終端部近傍の金属部材1,2に対して水平方向に動かしながら引き抜くようにして摩擦撹拌接合体20を形成するようにしている。ここで、図1および図2(a)に示した矢印は摩擦撹拌接合に際してツール10の移動方向を示し、同図は金属部材1,2同士が帯状に摩擦撹拌接合される様子を示している。なお、上記した接合用ツール10としては、例えば、図4(a)に示すように、ショルダー11とプローブ(突起)12を合わせたものである。金属部材1,2を成す異種の金属材料としては、例えば、鉄、アルミニウム、マグネシウム等であり、これらのうちから選択された2種である。また、摩擦撹拌接合の終端部3とは、摩擦撹拌接合が完了した部位であって、一端から他端まで摩擦撹拌接合した場合においてはその他端の部位(図5(a)参照)、一端まで摩擦撹拌接合し、折り返して接合しながら中間まで戻ってツール10を引き抜いた場合においては、接合が完了したその中間の部位(図5(b))をいう。図2、図3および図5において、13は摩擦撹拌接合の終端部3において、ツール10を引き抜く際に形成されるツール穴であり、14はツール10のショルダー11の押圧によって一方の金属部材1の上面に形成されたショルダー穴であり、15は金属部材1,2が合わさって形成される界面である。以下、実施例について具体的に説明する。
 下記の両実施例で使用する摩擦撹拌接合用ツール10としては、図1に一点鎖線で示すように、円筒状のショルダー11とプローブ12からなるものを採用した。両実施例とも、図1および図2に示すように、異種の金属材料で形成された2つの金属部材1,2を重ね合わせて、ツール10を回転させながら被接合部材である金属部材1,2に挿入するようにして、摩擦撹拌接合を実施した。両実施例において、被接合部材である金属部材1,2として、上板に2.0mmのアルミ板AC4CH、下板に2.0mmの軟鋼板を採用した。両実施例の接合条件は、ショルダー径φ12[mm]、プローブ径φ5[mm]、プローブ長さ1.7[mm]の超硬合金製の接合ツールを用いて、回転数1500[rpm]、ツール挿入量1.9[mm]、ツール引き抜き速度20[mm/min]とした。なお、接合ツールは前進角として3度傾けている。
<実施例1> 本実施例では、材質の異なる2つの金属部材1,2を重ね合わせて配置し、ツール10を回転させながら上板である一方の金属部材1の表面に接触させ、摩擦撹拌接合の終端部においてツール10を水平方向に動かしながら一方の金属部材1から引き抜く場合と、比較のために、従来方法として、摩擦撹拌接合の終端部3においてツール10をそのまま上方へ垂直に引抜くだけの場合の2通りの接合を実施した。
 図6は、本実施例の場合における摩擦撹拌接合の終端部3の様子を示すもので、ツール10を引き抜きの際に、移動速度10[mm/min]で水平方向に動かしながら該ツールを引き抜いた結果、上記終端部3付近の材料に塑性流動を生じさせ、その材料でもって上記終端部3に生じたツール穴13が充填され、上記終端部3に他方の金属部材2の鉄の露出は認められず、異種金属接触部位の露出が防止されていることが確認できる。これに対して、図7から明らかなように、従来方法では、摩擦撹拌接合の終端部3においてツール10をそのまま上方へ引抜いた結果、ツール穴13が貫通して他方の金属部材2の鉄が露出しているのが確認できる。
<実施例2> 本実施例では、摩擦撹拌接合の終端部3において、ツール10を引き抜く際に、図8および図9に示すように、ツール10の中心軸が略円を描くように動かしながら引き抜く接合を行った。ツール10の引き抜きの際の円運動の軌道円4の直径d1を変化させて接合を実施した。その試験結果を下記の表1に示す。ツール10が水平方向に動かない状態で一方の金属部材1に形成される場合のツール穴13(表1では初期ツール穴という。)の直径d2(=5mm)に対して、ツール10の軌道円4の直径d1を0mm~2.5mm(ツール穴13の直径d1の0~50%)として接合試験を行った結果、鉄の露出を完全に覆うことが可能であった。表1から明らかなように、本実施例におけるツール10の引き抜き時の軌道円4の直径d1は、少なくとも1%以上に設定すればよく、上記実施例1と同様な効果を得ることができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 
 また、上記実施例では、ツール10の先端が、他方の金属部材2まで達しない場合、すなわち、ツール穴13が貫通されていない場合に適用したが、本発明はこれに限らず、摩擦撹拌接合の終端部3において、ツール10の先端が、他方の金属部材2まで略達している状態で、若しくは他方の金属部材2に貫入している状態で、摩擦撹拌接合するようにしても良い。この場合には、ツール穴13を通して一時的に界面15が露出するが、ツール10を水平方向に動かしながら引き上げることにより、このツール穴13の貫通を塞ぐことができ、上記実施例の場合と同様に、界面15の露出を防止できる。
 なお、ツール10の先端を他方の金属部材2に貫入させない場合においても、摩擦撹拌接合の終端部3において、一方の金属部材1から押し付けられたツール10の先端が、他方の金属部材2まで略達していれば、すなわち、ツール10の先端と界面15の距離が0mmを超え0.2mm以下であれば、ツール10を水平方向に動かしながら引き上げることにより、高い接合強度が得られ、たとえツール穴13の底をなす薄肉部が破損した場合においても、界面15の露出を防止できる。その結果、摩擦撹拌接合の終端部3における異種金属接触部位の露出を抑制し、接合終端部の電食を防止することができる。
 なお、上記実施例では、ツール10を引き上げる際に、該ツールを水平方向に動かしたが、このツール10の水平方向への動きは、図10に示すように略直線を描くようなツール10の進行方向の往復動またはツール10の進行方向とは異なる方向の往復動であっても良く、図11に示すように該ツール10の中心軸が多角形、例えば三角形や四角形などを描くように移動するようにしても良い。これにより、上記実施例の場合と同様に、摩擦撹拌接合の終端部3付近の材料が塑性流動してツール穴13を充填することができるので、いずれの動作でも異種金属接触部位の露出を防止する効果を得ることができる。図10および図11において、矢印はツール10の中心軸の軌道を示す。
 また、上記実施例では、プローブ12を有するツール10について説明したが、本発明はこれに限らず、プローブ12を有さないツール10(例えば、特開2012-50996に開示のツール、あるいは図4(b)参照)を用いても良い。このようなプローブ12を有さないツール10を用いて摩擦撹拌接合する際には、該ツールそのものを回転させつつ、水平方向に移動させながら引き抜くようにすればよく、同様の効果を得ることができる。これにより、ツール10の側面部分の金属材料を塑性流動させて、摩擦撹拌接合の終端部3における異種金属接触部位の露出を防止できるとともに、接合終端部において電食が発生するのを防止することができる。
 以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
1,2 金属部材
3 終端部
4 軌道円
10 ツール
11 ショルダー
12 プローブ
13 ツール穴
14 ショルダー穴
15 界面
20 摩擦撹拌接合体
101、102 異種金属部材
103 ツール
104 ツール穴
105 界面

Claims (9)

  1.  少なくとも2つの金属部材を重ね合わせ、一方の金属部材側からツールを押し付けて、これらの金属部材同士を摩擦撹拌接合するようにした摩擦撹拌接合方法において、上記ツールが摩擦撹拌接合の終端部に位置したところで、上記ツールを、水平方向に動かしながら上記一方の金属部材から引き抜くことを特徴とする摩擦撹拌接合方法。
  2.  上記ツールの水平方向への動きは、該ツールの中心軸が略直線を描くことを特徴とする請求項1に記載の摩擦撹拌接合方法。
  3.  上記ツールの水平方向への動きは、該ツールの中心軸が略直線を描きその方向はツール進行方向と異なる方向であることを特徴とする請求項2に記載の摩擦撹拌接合方法。
  4.  上記ツールの水平方向への動きは、該ツールの中心軸が多角形を描くことを特徴とする請求項1に記載の摩擦撹拌接合方法。
  5.  上記ツールの水平方向への動きは、該ツールの中心軸が略円形を描くことを特徴とする請求項1に記載の摩擦撹拌接合方法。
  6.  上記ツールが描く略円形の軌道円の直径は、上記ツールが水平方向に動かない状態で上記一方の金属部材に形成される場合のツール穴の直径の1%以上であることを特徴とする請求項5に記載の摩擦撹拌接合方法。
  7.  上記摩擦撹拌接合の終端部において、上記ツールの先端が、上記他方の金属部材まで略達している状態で、若しくは上記他方の金属部材に貫入している状態で、摩擦撹拌接合することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の摩擦撹拌接合方法。
  8.  上記2つの金属部材は、異なる金属材料によって形成されたものであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の摩擦撹拌接合方法。
  9.  少なくとも2つの金属部材を重ね合わせ、一方の金属部材側からツールを押し付けて、これらの金属部材同士を摩擦撹拌接合し、上記ツールが摩擦撹拌接合の終端部に位置したところで、上記ツールを、水平方向に動かしながら上記一方の金属部材から引き抜くことによって形成されたことを特徴とする摩擦撹拌接合体。
PCT/JP2015/053595 2014-02-18 2015-02-10 摩擦撹拌接合方法および摩擦撹拌接合体 WO2015125659A1 (ja)

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