JP4543204B2 - 摩擦攪拌接合方法 - Google Patents
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Description
なお、摩擦攪拌接合の操作を被接合材の表面側のみならず反転させて裏面側からも同様に行えば、キッシングボンドは発生しないが、この方法では生産性が著しく低下する。
被接合材と被接合材とを突き合わせた接合線は必ずしも直線ではなく、屈折部または曲率半径の短い曲線部では一般にツールの前進速度が落ちるため摩擦による被接合材のショルダ部に接する部分近傍の軟化が進みツールが沈み込むことがある。
以上の他にも加工中にはさまざまな変動要素があり、摩擦攪拌接合加工中のツールの深さ制御は必ずしも高精度には行えない。
摩擦攪拌接合にあっては、プローブを有するツールのショルダ部を被接合材の突合わせ部に沿って強い力で押さえるため、この押圧力により被接合材および裏当て材には、通常2,500〜5,000N程度、ときには約10,000N程度の大きな負荷がかかる。
このため攪拌時においても被接合材の底面ぎりぎりの部分が裏当て材との摩擦により攪拌されずに残り、両側の被接合材の突合せ部で形成される線が残りキッシングボンドとなるものと推察される。
すなわち、請求項1に記載の発明は、被接合材同士を裏当て治具の上に突合わせて載置固定し、この被接合材の突合わせ部に表面側からプローブを挿入し、このプローブを高速回転させながら突合わせ部に沿って相対的に移動させ、その時に発生する摩擦熱により突合わせ部を可塑化させて攪拌することにより、被接合材の突合わせ部を接合する摩擦攪拌接合方法において、
上記突合わせ部を含む被接合材と裏当て治具との間に金属箔を挟着し、かつ該金属箔と裏当て治具との間に固体潤滑剤を介在させることを特徴とする。
図1は本発明の摩擦攪拌接合方法の一例を示す一部切欠斜視図である。図1において、先ず、裏当て治具10の上の所望の部位に支持体23を配置した後、その上に固体潤滑剤22の粉体を層状に散布し、さらにその上に金属箔21を配置する。
一方、支持体23は主として固体潤滑剤層22を支持する役割がある。しかし、金属箔21は、プローブの攪拌により可塑化された被接合材の中に巻き込まれて分散されるので、接合強度の低下の原因となる恐れがある。
固体潤滑剤22は、軟化した金属箔21とともに被接合材の突合わせ部の攪拌領域内に金属箔21と一緒に巻き込まれることも生じる。この場合、固体潤滑剤22の粒径が大きすぎると被接合材の接合部の強度が低下するので、その粒径は平均粒径で30μm以下が好ましい。また、固体潤滑剤22の層の厚さは、被接合材の厚みやプローブの長さなどを勘案して、0.01〜0.1g/cm2程度(20〜500μm程度)のものが好適に使用される。
また、固体潤滑剤層は金属箔からプローブの先端が突き抜けても裏当て治具に当たらないように、厚さ方向の精度制御に対するバッファーとして働く。
したがって、高速回転するプローブの先端を裏当て治具により損傷させることなしに、プローブの先端を被接合材の裏面近傍あるいは裏面まで問題なく良好に挿入することができ、その結果、被接合材の接合部が良好に可塑化攪拌される。
したがって、被接合材の突合わせ部は、被接合材の裏面までも十分に攪拌され、その結果、攪拌領域が拡大され、表面側からだけの摩擦攪拌接合であっても、被接合材の接合部にキッシングボンドが発生せず、ルート割れが発生せず、疲労破壊も発生しにくく、且つ低コストで生産性よく被接合材同士を良好に突合わせ接合することができる。
図1に示すように、平板状の鋼製(SKD61)の裏当て治具10の表面の中央部の長さ方向に沿って、支持体23として表面平滑なアルミニウム箔(厚さ15μm)を載置した。
図1に示すように、平板状の鋼製(SKD61)の裏当て治具10の表面の中央部の長さ方向に沿って、支持体23として表面平滑なアルミニウム箔(厚さ15μm)を載置した。
(スポット摩擦攪拌接合)
比較のために、アルミニウム箔21と二硫化モリブデン(MoS2)の粉末22と支持体のアルミニウム箔23で構成された三層構造体を使用しなかったこと以外は、上記実施例1と同様にして摩擦攪拌接合を行った。
(突合せ線に沿った摩擦攪拌接合)
比較のために、アルミニウム箔21と二硫化モリブデン(MoS2)の粉末22と支持体のアルミニウム箔23で構成された三層構造体を使用しなかったこと以外は、上記実施例2と同様にして摩擦攪拌接合を行った。
実施例1のスポット摩擦攪拌接合部分の裏面を拡大した顕微鏡写真を図2に示す。また、比較例1のスポット摩擦攪拌接合部分の裏面を拡大した顕微鏡写真を図3に示す。
図2(実施例1)の中にわかりやすくするため描き加えた太い破線で示したように、左右の被接合材はスポット摩擦攪拌接合をした部分で渦巻状に攪拌混合されている。
一方、図3(比較例1)では同様にわかりやすくするため描き加えた太い破線のように、左右の被接合材の突合せ線に沿った略直線状のキッシングボンドが観察される。
また、図2(実施例1)、図3(比較例1)の両図とも裏当て材の表面の凹凸が転写されており、強い圧力が付加されていることがわかる。
図4(実施例2)から、裏面まで摩擦攪拌されており、左右の被接合材は渾然一体に摩擦攪拌接合されていることがわかる。
一方、図5(比較例2)では描き加えた太い破線で示すように、左右の被接合材の突合せ線に沿った略直線状のキッシングボンドが観察される。
図6(実施例2)では、描き加えた太い破線で示すように裏面まで摩擦攪拌領域が十分形成されていることがわかる。一方、図7(比較例2)では描き加えた太い破線で示すように、摩擦攪拌領域は狭いことがわかる。しかしながら、摩擦攪拌領域は被接合材の裏面まで達しており、摩擦攪拌領域が見かけ上裏面に達していても図5(比較例2)のようなキッシングボンドが形成されることが裏付けられる。
21 金属箔
22 固体潤滑剤
23 支持体
31 被接合材
32 被接合材
33 被接合材の突合せ部
34 被接合材の接合痕
35 被接合材の接合部
40 ツール
41 ツールのプローブ
42 ツールのショルダ部
Claims (8)
- 被接合材同士を裏当て治具の上に突合わせて載置固定し、この被接合材の突合わせ部に表面側からプローブを挿入し、このプローブを高速回転させながら突合わせ部に沿って相対的に移動させ、その時に発生する摩擦熱により突合わせ部を可塑化させて攪拌することにより、被接合材の突合わせ部を接合する摩擦攪拌接合方法において、
上記突合わせ部を含む被接合材と裏当て治具との間に金属箔を挟着し、かつ該金属箔と裏当て治具との間に固体潤滑剤を介在させることを特徴とする摩擦攪拌接合方法。 - 裏当て治具と固体潤滑剤との間に支持体を挟着することを特徴とする請求項1に記載の摩擦攪拌接合方法。
- 固体潤滑剤が粉体であることを特徴とする請求項1または2に記載の摩擦攪拌接合方法。
- 固体潤滑剤が二硫化モリブデンの粉体または黒鉛の粉体であることを特徴とする請求項1または2に記載の摩擦攪拌接合方法。
- 金属箔が被接合材と同質または類似の材料からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の摩擦攪拌接合方法。
- 支持体が被接合材と同質または類似の材料でからなることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の摩擦攪拌接合方法。
- 被接合材がアルミニウムまたはその合金からなり、金属箔がアルミニウム箔またはその合金箔からなり、固体潤滑剤が二硫化モリブデンまたは黒鉛からなることを特徴とする請求項1に記載の摩擦攪拌接合方法。
- 被接合材がアルミニウムまたはその合金からなり、金属箔がアルミニウム箔またはその合金箔からなり、固体潤滑剤が二硫化モリブデンまたは黒鉛からなり、支持体がアルミニウムまたはその合金からなることを特徴とする請求項2に記載の摩擦攪拌接合方法。
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