JP6358126B2 - 摩擦攪拌接合用ツールを用いた三層以上の積層構造接合体の製造方法とその方法により製造された積層構造接合体 - Google Patents

摩擦攪拌接合用ツールを用いた三層以上の積層構造接合体の製造方法とその方法により製造された積層構造接合体 Download PDF

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本発明は、摩擦攪拌接合用ツールを用いた三層以上の積層構造接合体の製造方法とその方法により製造された積層構造接合体に関するものである。
二層に重ね合わせた金属部材を接合する方法として、摩擦攪拌接合が知られている。この方法により接合をする場合、まず、二層に重ね合わせた金属部材の一方に、高速回転する摩擦攪拌接合用のツールを押し付ける。このとき、ツールと金属部材との摩擦によって、金属部材のツールが押し付けられた箇所に摩擦熱が発生する。すると、この摩擦熱を受けた金属部材は軟化し、二つの金属は接合することになる。
ここで、このような接合には、二種類のメカニズムがある。一つは、軟化した金属同士が塑性流動状態となって混ざり合って接合するものであり、もう一つは、材料同士が熱により反応生成物を作って接合するものである。後者の場合には、部材の塑性流動により酸化被膜や汚れの層が破れて、反応生成物が生じることにより固相接合する。固相接合は、金属接合のうちの界面接合の一種であり、金属を溶かして接合する溶融接合とは異なるカテゴリーに属するものである。また、固相のままで接合するということを意味し、接合される部材間の攪拌が生じるものでもない。
積層構造接合体の製造方法としては、摩擦攪拌接合による点接合と線接合が知られている。これらの接合方法をそれぞれ図5と図6を参照しながら説明する。
まず、図5は、摩擦攪拌接合により点接合する方法を示す斜視図である。摩擦攪拌接合を行う場合、図5に示すように、まず対象となる金属部材を重ねて配置する。次に、回転可能に設けた摩擦攪拌接合用ツール21を、最上部に配置した上層部材23の上部に、高速回転させながら押し付ける。これにより、摩擦攪拌接合用ツール21と上層部材23との間で摩擦熱が発生する。すると、上層部材23の、摩擦攪拌接合用ツール21を押し付けた箇所が局所的に高温となり軟化する。
さらに、押し付けられた摩擦攪拌接合用ツール21は、高速回転しながら軟化した箇所に挿入していく。このとき、軟化した金属部材は、非溶融状態のまま、摩擦攪拌接合用ツール21から加えられた力によって塑性流動する。これにより、上層部材23の下側に重ねた部材も局所的に熱せられて軟化するか、同様に酸化被膜や汚れの膜を破る。そして、摩擦攪拌接合用ツール21の周囲の金属部材同士が攪拌されて混ざり合い、あるいは金属間の熱による反応生成物を生じる。その後、摩擦攪拌接合用ツール21を上部に抜きとることで、軟化した部分が冷却して凝固し、重ね合わせた金属部材同士を接合する。なお、下層部材25の下側には、図示しない固定用の治具があり、接合対象の部材23、25を支えている。
次に、図6は、摩擦攪拌接合により線接合する方法を示す斜視図である。図6に示すように、軟化した上層部材に挿入した摩擦攪拌接合用ツール21が上層部材の表面に沿って移動することで、一定の範囲を連続して接合できる。
特許文献1では、この摩擦攪拌接合により、二つの金属部材を接合している。ここでは、互いに摩擦攪拌接合が可能な材料として、ステンレス系もしくは鉄系の板状の材料を選択している。このように、摩擦攪拌接合をするためには、互いに摩擦攪拌接合可能な部材を選択する必要がある。
また、特許文献2に示すように、金属部材を三層に重ねることで、互いに摩擦攪拌接合する方法が知られている。しかしながら、この方法によれば、摩擦攪拌接合用ツールを、上層部材が下層部材に到達するように十分深く挿入する必要があり、接合に比較的時間がかかる。また、この挿入によって接合箇所に深い孔を残す傾向がある。
一方、特許文献3に示すように、三層に重ねた金属部材のうち、中間層に摩擦攪拌接合ができない金属部材を配置した場合においても、接合を可能にする方法がある。この方法によれば、中間層にあらかじめ十分な大きさの孔を設けておく。そして、ツールとの摩擦熱によって軟化した上層の金属部材が変形し、中間層に設けた孔を通って下層の金属部材と接触する。しかし、この方法によれば、あらかじめ中間層に孔を設け、その孔と接合箇所の位置合わせをするといった手間が生じる。
特開2005−21931号公報 特開2001−314983号公報 特開2006−150389号公報
本発明の目的は、比較的に高融点の上層部材及び下層部材の間に、少なくとも一層の比較的に低融点の中間層部材を挟んだ積層構造の接合体、及びその製造方法を提供することにある。ここでいう「高融点」または「低融点」とは、二者の間で相対的に融点が高いか、低いことを意味するものである。
本発明は、金属製の上層部材及び下層部材の間に、前記上層部材及び前記下層部材のいずれよりも融点が低く、かつ前記上層部材及び下層部材のいずれとも熱による固相接合または異種材料接合が可能である材質の中間層部材が少なくとも一層挟まれている積層構造の接合体を製造する方法であって、高速回転する摩擦攪拌接合用ツールを前記上層部材に押し当て、発生した摩擦熱によって前記上層部材を軟化させて前記摩擦攪拌接合用ツールを挿入し、軟化した前記上層部材が前記中間層部材をある程度押しのけ、かつ前記上部材が前記下層部材まで到達しない深さまで前記摩擦攪拌接合用ツールを挿入することによって、前記上層部材の下部と前記中間層部材の上部とを熱により固相接合または異種材料接合させてなる第一の接合部を形成させるとともに、第一の接合部の下方に、前記中間層部材の下部と前記下層部材の上部とを熱により固相接合または異種材料接合させてなる第二の接合部を形成させる、積層構造接合体の製造方法を提供する。
また、前記上層部材と前記下層部材とは、互いに熱により固相接合または異種材料接合できない組み合わせであってもよい。
また、前記中間層部材は、前記第一の接合部において前記上層部材の表面に露出しないものであってもよい。
また、前記中間層部材は、前記上層部材及び前記下層部材よりも硬度が低いものであってもよい。
また、前記摩擦攪拌接合用ツールは、ショルダー部と、前記ショルダー部の先端に設けた前記ショルダー部よりも外径の小さいプローブ部とを有し、前記摩擦攪拌接合用ツールを挿入する長さのうち、前記プローブ部が前記上層部材に挿入する長さは、前記中間層部材の厚さ以下であってもよい。
また、金属製の上層部材及び下層部材と、前記上層部材及び前記下層部材の間にある前記上層部材及び前記下層部材のいずれよりも融点が低く、かつ前記上層部材及び前記下層部材のいずれとも固相接合または異種材料接合が可能である少なくとも一層の中間層部材とを備え、前記上層部材は前記中間層部材に向かって変形しており、前記中間層部材は前記上層部材の変形部に対応した窪み部を有しており、前記上層部材の変形部と前記中間層部材の窪み部は熱により固相接合又は異種材料接合をして第一の接合部を形成しており、前記第一の接合部の下方で、前記中間層部材と前記下層部材が固相接合または異種材料接合して第二の接合部を形成しており、前記第一の接合部と前記第二の接合部の間に前記中間層部材が介在しており、前記中間層部材は、前記第一の接合部において前記上層部材の表面に露出していない積層構造接合体を提供する。
また、前記積層構造接合体における前記上層部材及び前記下層部材は、互いに熱により固相接合または異種材料接合できない組み合わせであってもよい。
また、前記積層構造接合体における前記中間層部材は、前記上層部材及び前記下層部材よりも接合時の温度条件において硬度が低いものであってもよい。
本発明によれば、比較的に高融点の上層部材及び下層部材の間に、少なくとも一層の比較的に低融点の中間層部材を挟んだ積層構造の接合体、及びその製造方法を提供できる。
三層の部材と接合用ツールを示す断面図である。 第1の実施形態に係る積層構造接合体の接合状態を示す断面図である。 第1の実施形態に係る積層構造接合体における接合部の断面写真である。 第1の実施形態に係る積層構造接合体における接合部断面の拡大写真である。 摩擦攪拌接合により点接合する方法を示す斜視図である。 摩擦攪拌接合により線接合する方法を示す斜視図である。
以下、本発明に係る積層構造接合体及びその接合方法について、図1〜3を用いて詳細に説明する。
[第1の実施形態]
まず、図1は、三層の部材と接合用ツールを示す断面図である。図1に示すように、ここでは接合対象の部材として、上層部材3と、下層部材5と、その間に挟んだ中間層部材7とを用意している。上層部材3と下層部材5は通常金属材料である。特に摩擦攪拌接合用ツール1の作用を受ける上層部材3は金属である必要があろう。中間層部材7としては、金属材料のほか、樹脂、特に熱可塑性樹脂を用いることができる。
また、本実施形態における摩擦攪拌接合用ツール1は、下端にプローブ13を、その上方にショルダー15を備えている。プローブ13は、略円柱の形状をしており、その底面部の外径は接合をする箇所と対応した大きさになっている。また、その高さは中間層部材7の厚さよりも短くなっている。そして、プローブ13の上部には、プローブ13よりも外径の大きな略円柱形状のショルダー15がある。この摩擦攪拌接合用ツール1は、ツール鋼、超鋼材のような素材で作製できる。
図2は、第1の実施形態に係る積層構造接合体の接合状態を示す断面図である。ここで、このような場合に用いる部材には、部材同士を互いに接合する際に、熱による反応生成物を生じて固相接合可能な組み合わせと、反応生成物を生じないため固相接合できない組み合わせとがある。例えば、アルミニウムやアルミニウム合金と、軟鋼、低合金鋼、ステンレス鋼とは、熱による固相接合が可能である。マグネシウム合金とアルミニウム合金とは固相接合が可能であるが、マグネシウム合金と、軟鋼、ステンレス鋼、鋼鉄とは固相接合できない。また、同種の金属同士は一般に固相接合が可能である。
本実施形態においては、摩擦攪拌接合用ツール1のプローブ13を、最上部に配置した上層部材3の上部に、高速回転させながら押し付ける。これにより、摩擦攪拌接合用ツール1と上層部材3との間で摩擦熱が発生する。すると、上層部材3の、摩擦攪拌接合用ツール1を押し付けた箇所が局所的に高温となり軟化する。
さらに、軟化した上層部材3は、プローブ13に押されて下方に向かって変形し、中間層部材7をその周囲に押しのける。これによって、中間層部材7は、上層部材3の変形形状に沿って変形する。そして、上層部材3は、下側に位置する中間層部材7と熱または熱と圧力とによる反応生成物を生じて固相接合し、第一の接合部61を形成する。なお、ここでの接合は、反応生成物による接合または金属と樹脂の異種材料接合のほか、軟化した金属同士が塑性流動状態となって混ざり合って接合する態様もありうる。
また、プローブ13と上層部材3との摩擦で発生した摩擦熱は、中間層部材7を伝わり、下層部材5へと到達する。図2に示すように、発生した摩擦熱により、中間層部材7と下層部材5とが熱による反応生成物を生じて固相接合または金属と樹脂の異種材料接合をし、第二の接合部62を形成する。
ここで、この接合工程において、プローブ13の上層部材3への挿入深さは、中間層部材7の厚さ以下であることが好ましい。これによって、プローブ13は中間層部材7を貫通しないようにできる。したがって、接合部は、第一の接合部61と第二の接合部62との間に中間層7を挟んだ層構造にできる。
これにより、プローブ13の挿入深さは、比較的に浅いものとなり、接合工程にかかる時間を短縮できる。また、プローブ13の挿入によって、接合対象に残る孔の深さを比較的に浅いものにできる。
このような形状であることにより、それぞれの部材の接合に必要な接合面積を十分確保できるため、上層部材3と中間層部材7との接合強度が高まる。また、上層部材3と下層部材5とが直接接しないため、異種金属接触腐食を防止できる。さらに、中間層部材7も上層部材3又は下層部材5の表面に露出しないため、これらの部材間に水などが付着して電気的な腐食が生じるのを防止できる。
さらに、図2に示すように、上層部材3と中間層部材7との接合面は、プローブ13によって押し込まれ、下向きの突起状の接合面を形成する。したがって、上下の部材を水平方向にずらすような力を受けた場合、接合部分がひっかかりとなり、接合箇所が外れにくくなる。
ここで、本実施形態における、各構成部材の条件の一例を示す。本実施形態においては、上層部材3として板厚約2.0mmの鋼板を、中間層部材7として板厚約1.6mmの国際アルミニウム合金番号が6000番台のアルミニウム合金を、そして下層部材5として板厚約2.0mmの鋼板を用いている。また、接合用ツール1は、超鋼材製の、直径約6mm、高さ約1.6mmの略円柱形のプローブ13、直径約10mm、高さ約10mmのショルダー15を備えている。接合時における、接合用ツール1の回転数は約700rpm、上層部材3への挿入量は約1.5mmとしている。
また、接合用ツール1の挿入後、約2秒間この状態を保持している。この条件にあっては、上層部材3が中間層部材7を貫通することはない。したがって、上層部材3と下層部材5とは、互いに接触しない。また、中間層部材7は、接合箇所において上層部材3の表面に露出することはない。なお、ここに挙げた条件は、本実施形態の一例にすぎず、これらの条件に限られるものではない。
ところで、本実施形態においては、上層部材3が中間層部材7をある程度押しのけながら変形する。したがって、中間層部材7は、上層部材3の変形時において、上層部材3よりも硬度が低い材料であることが好ましい。また、上層部材3の変形時においては、上層部材3はプローブ13によって摩擦熱を受けて高温となる。したがって、中間層部材7は、上層部材3が変形を始める温度よりも低い温度で変形する部材であることが好ましい。つまり、中間層部材7は、常温での硬度が上層部材3より高いものであっても、融点がこの上層部材3よりも低い部材であればよい。
表1に、本実施形態にかかる接合方法によって接合可能な三層の部材の組み合わせの一例を示す。本実施形態においては、上層部材3と中間層部材7とが、また、中間層部材7と下層部材5とが、それぞれ熱反応生成物による固相接合が可能な組み合わせとなっている。さらに、上層部材3と下層部材5も、同様に反応生成物による固相接合が可能な組み合わせとなっている。なお、表1に記載した部材の組み合わせは一例であって、ここに挙げたものには限らない。
ここで、図3は、第1の実施形態に係る積層構造接合体における接合部の断面写真である。図3に示すように、この写真における各部材は、表1におけるNo.1の組み合わせとなっており、上層部材3として鉄103を、中間層部材7としてアルミニウム合金107を、下層部材5として鉄105を配置している。
ここで、図4は、第1の実施形態に係る積層構造接合体における接合部断面の拡大写真である。図4(a)に示すように、第一の接合部においては、上層部材3として配置した鉄103と、中間層部材7として配置したアルミニウム合金107との間に、層状の熱反応生成物111が生じている。また、図4(b)に示すように、第二の接合部においては、中間層部材7として配置したアルミニウム合金107と、下層部材5として配置した鉄105との間に、層状の熱反応生成物112が生じている。
[第2の実施形態]
第2の実施形態について、表3を用いて説明する。本第2の実施形態は、第1の実施形態の変形例であるため、第1の実施形態と同一部分、または、類似部分には、同一符号を用いて、重複する説明を省略する。
表2には、本実施形態にかかる接合方法によって接合可能な三層の部材の組み合わせの一例を示す。本実施形態においては、上層部材3と中間層部材7とが、また、中間層部材7と下層部材5とが、それぞれ熱反応生成物による固相接合が可能な組み合わせとなっている。一方で、上層部材3と下層部材5とは、熱反応生成物による固相接合ができない組み合わせとなっている。本実施形態によれば、このような組み合わせであっても、上層部材3と中間層部材7とが、また、中間層部材7と下層部材5とが、それぞれ熱反応生成物により固相接合をする。なお、表2に記載した部材の組み合わせは一例であって、ここに挙げたものに限らない。
また、表1及び表2には、代表的な金属の名前として、アルミニウム合金やマグネシウム合金などを例に挙げているが、これらの部材はその成分や種類によって異なる硬度や融点を持つものがある。表3には、代表的な種類のアルミニウム合金とマグネシウム合金の融点を示す。表2における、No.1の組み合わせにおいては、マグネシウム合金の融点がアルミニウム合金と比較して高いことを想定している。しかし、表3に示すように、アルミニウム合金やマグネシウム合金などは、その種類によって融点が様々である。つまり、下層部材5にマグネシウム合金を配置する場合は、接合時の温度条件における硬度が中間層部材7よりも高いものを用いることが好ましい。
[第3の実施形態]
第3の実施形態について、表4を用いて説明する。本第3の実施形態は、第1及び第2の実施形態の変形例であるため、第1及び第2の実施形態と同一部分、または、類似部分には、同一符号を用いて、重複する説明を省略する。
表4には、上層部材3、中間層部材7、下層部材5のその他の組み合わせを示す。表4に示すように、中間層部材7には、金属以外の部材を配置することもできる。この場合、上層部材3と中間層部材7との接合部、及び、中間層部材7と下層部材5との接合部は、中間層部材が熱溶着する。例えば、表4のNo.1〜No.9においては、中間層部材7を熱可塑性樹脂としている。このような材料を中間層部材7に用いることによって、上層部材3及び下層部材5が互いに熱による反応生成物を生じない、つまり固相接合しない組み合わせであっても、これらを接合できる。
なお、金属と樹脂を接合するための異種材料接合技術としては、金属表面に化学エッチングを行い、樹脂が食い込むための凹凸形状を形成したり、ベースになる金属表面に金属化合物皮膜を化学的に形成し、その上に反応性官能基を導入することにより樹脂に対する接合力を付与するといった技術が知られている。これらの技術を応用する場合において、樹脂と処理された金属を攪拌接合用ツールを用いて熱圧着することにより、樹脂と金属の間の異種材料接合を実現できる。
[その他の態様]
前述した実施形態の説明は、本発明にかかる積層構造接合体及びその製造方法を示す例示であって、特許請求の範囲に記載の発明を限定するものではない。また、本発明の各構成は前記した実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、前述した実施形態に示したプローブ13及びショルダー15の材質は超鋼材を用いているが、材質はこれらに限定されず、接合対象の部材よりも硬度が高く、かつ融点が高い材質であればその他の材質を用いても良い。例えばツール鋼、コバルト合金、セラミックなどを用いることもできる。
また、前述した実施形態においては、表面が平滑な板状の部材を水平に重ねて接合しているが、接合対象の部材は、このような形状に限られず、各部材の接合箇所が密着していれば、その他の形状であってもよい。例えば、各部材が凹凸を持っていても、接合部において接合対象の部材同士が密着していればよい。また、前述した金属と樹脂の異種材料接合の場合には、金属表面を粗面化することが一般に行われており、粗面化した金属部材も用いることができる。
また、前述した実施形態においては、各部材は厚さが一様な部材を接合する場合を例に挙げて説明しているが、接合対象の部材はこのような形状に限られるものではない。例えば、曲面や段差を有していて、位置に応じて厚みが変化するような部材を用いてもよい。また、中間層部材を積層する枚数は、三層や四層に限られず、それよりも多い複数枚であってもよい。この場合、積層された層のうち、互いに接触する層同士が熱による固相接合または溶着接合可能であることが好ましい。
また、中間層部材7に複数の部材を配置した場合も、本発明によって問題なく接合できる。この場合、中間層部材7を構成する複数の部材の厚みは、それぞれ同等の厚みである必要はなく、互いに異なったものであってもよい。なお、本発明は点接合にも、線接合にも、面接合にも適用できる。
1 摩擦攪拌接合用ツール
3 上層部材
5 下層部材
7 中間層部材
13 プローブ
15 ショルダー
21 摩擦攪拌接合用ツール
23 上層部材
25 下層部材
61 第一の接合部
62 第二の接合部
103 鉄
105 鉄
107 アルミ
111 鉄とアルミの反応生成物
112 鉄とアルミの反応生成物

Claims (8)

  1. 金属製の上層部材及び下層部材の間に、前記上層部材及び前記下層部材のいずれよりも融点が低く、かつ前記上層部材及び下層部材のいずれとも熱による固相接合又は溶着接合が可能である材質の中間層部材が少なくとも一層挟まれている積層構造の接合体を製造する方法であって、
    高速回転する摩擦攪拌接合用ツールを前記上層部材に押し当て、発生した摩擦熱によって前記上層部材を軟化させて前記摩擦攪拌接合用ツールを挿入し、
    軟化した前記上層部材が前記中間層部材をある程度押しのけ、かつ前記上層部材が前記下層部材まで到達しない深さまで前記摩擦攪拌接合用ツールを挿入することによって、
    前記上層部材の下部と前記中間層部材の上部とを熱により固相接合または溶着接合させてなる第一の接合部を形成させるとともに、
    第一の接合部の下方に、前記中間層部材の下部と前記下層部材の上部とを熱により固相接合または異種材料接合させてなる第二の接合部を形成させる、積層構造接合体の製造方法。
  2. 前記上層部材と前記下層部材とは、互いに熱により固相接合または異種材料接合できない組み合わせである請求項1に記載の積層構造接合体の製造方法。
  3. 前記中間層部材は、前記第一の接合部において前記上層部材の表面に露出しない、請求項1又は請求項2に記載の積層構造接合体の製造方法。
  4. 前記中間層部材は、前記上層部材及び前記下層部材よりも接合時の温度条件において硬度が低い、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の積層構造接合体の製造方法。
  5. 前記摩擦攪拌接合用ツールは、ショルダー部と、前記ショルダー部の先端に設けた前記ショルダー部よりも外径の小さいプローブ部とを有し、
    前記摩擦攪拌接合用ツールを挿入する長さのうち、前記プローブ部が前記上層部材に挿入する長さは、前記中間層部材の厚さ以下である、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の積層構造接合体の製造方法。
  6. 金属製の上層部材及び下層部材と、前記上層部材及び前記下層部材の間にある前記上層部材及び前記下層部材のいずれよりも融点が低く、かつ前記上層部材及び前記下層部材のいずれとも熱による固相接合又は溶着接合が可能である少なくとも一層の中間層部材とを備え、
    前記上層部材は前記中間層部材に向かって変形しており、
    前記中間層部材は前記上層部材の変形に対応した窪みを有しており、
    前記上層部材の変形と前記中間層部材の窪みは熱により固相接合又は異種材料接合をして第一の接合部を形成しており、
    前記第一の接合部の下方で、前記中間層部材と前記下層部材が熱により固相接合又は異種材料接合して第二の接合部を形成しており、
    前記第一の接合部と前記第二の接合部の間に前記中間層部材が介在しており、
    前記中間層部材は、前記第一の接合部において前記上層部材の表面に露出していない積層構造接合体。
  7. 前記上層部材及び前記下層部材は、互いに熱により固相接合できない組み合わせである請求項6に記載の積層構造接合体。
  8. 前記中間層部材は、前記上層部材及び前記下層部材よりも接合時の温度条件において硬度が低い、請求項6又は請求項7に記載の積層構造接合体。
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