WO2015093197A1

WO2015093197A1 - ファスナーチェーンのスペース部加工装置

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Publication number: WO2015093197A1
Application number: PCT/JP2014/080123
Authority: WO
Inventors: 紘一朗木地; 和樹久世
Original assignee: Ykk株式会社
Priority date: 2013-12-16
Filing date: 2014-11-13
Publication date: 2015-06-25
Also published as: CN105025749A; CN105025749B; TWI546025B; TW201528990A

Abstract

　ファスナーテープの表裏面に設けられる芯紐の形状を整えることができると共に、ファスナーテープの表裏面に設けられる芯紐を直線状に加圧成形することができるファスナーチェーンのスペース部加工装置を提供する。　ファスナーチェーン（Ｃ）のスペース部（Ｓ）における表裏面の芯紐（Ｒ）の少なくとも一方の外側面をストッパー（４０）に向かって押圧する一対のサイドジョー（７０）と、一対のサイドジョー（７０）の上方に設けられる超音波ホーン（８０）と、一対のサイドジョー（７０）の下方に設けられるアンビル（９０）と、を備え、超音波ホーン（８０）は、表裏面の芯紐（Ｒ）を加圧する加圧面（８１）を有する。

Description

ファスナーチェーンのスペース部加工装置

　本発明は、ファスナーチェーンのスペース部加工装置に関する。

　従来のスペース部加工装置としては、スペース部を有するファスナーチェーンを送るチェーン送り装置と、スペース部を検出してチェーン送り装置を停止させるスペース部検出装置と、スペース部内に突出してファスナーチェーンの移動を規制する位置決めストッパーと、位置決めストッパーよりも下流側に設けられ、ファスナーチェーンを下流側に引っ張るチェーン引張装置と、スペース部よりも上流側に設けられ、ファスナーチェーンのファスナーテープを基台に押え付けるテープ保持装置と、スペース部における両側の芯紐の外側面を位置決めストッパーに向かって押圧する一対のサイドジョーと、サイドジョーの上方に設けられ、スペース部の上流端におけるファスナーエレメント列のエレメント切断端部を加圧する第１加圧面と、サイドジョーにより位置決めストッパーに押圧されている芯紐（ファスナーエレメントをファスナーテープに縫い付ける縫い糸を含む）を加圧する第２加圧面と、を有する超音波ホーンと、を備えるものが知られている（例えば、特許文献１参照）。

日本国特公平０１－０２８５６３号公報

　しかしながら、上記特許文献１に記載のスペース部加工装置では、サイドジョーが櫛型に形成されているため、サイドジョーにより芯紐が凸凹状に押圧され、芯紐が凸凹状に加圧成形されてしまっていた。そして、芯紐が凸凹状に加圧成形されてしまうと、後工程の補強フィルム接着装置におけるファスナーチェーンのスペース部への補強フィルムの接着の安定性が低下する可能性があった。

　本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ファスナーテープの表裏面に設けられる芯紐の少なくとも一方を直線状に加圧成形することができるファスナーチェーンのスペース部加工装置を提供することにある。

　本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
（１）一対のファスナーテープと、一対のファスナーテープの対向するテープ側縁部の表裏面にそれぞれ設けられる芯紐と、一対のファスナーテープの表裏面の芯紐に沿って取り付けられる一対のファスナーエレメント列と、所定長さの一対のファスナーエレメント列が取り付けられていない部分であるスペース部と、を備えるファスナーチェーンのスペース部加工装置であって、ファスナーチェーンを送るチェーン送り装置と、ファスナーチェーンのスペース部を検出してチェーン送り装置を停止させるスペース部検出装置と、スペース部内に突出してファスナーチェーンの下流側への移動を規制するストッパーと、スペース部における表裏面の芯紐の少なくとも一方の外側面をストッパーに向かって押圧する一対のサイドジョーと、一対のサイドジョーの上方に設けられる超音波ホーンと、一対のサイドジョーの下方に設けられるアンビルと、を備え、超音波ホーンは、表裏面の芯紐を加圧する加圧面を有することを特徴とするファスナーチェーンのスペース部加工装置。
（２）サイドジョーは、表裏面の芯紐の外側面をそれぞれ押圧する一対の押圧部を有することを特徴とする（１）に記載のファスナーチェーンのスペース部加工装置。
（３）加圧面は、超音波ホーンの下面において、ファスナーチェーンの搬送方向に沿って、且つ超音波ホーンの下面よりも上方に位置するように形成されることを特徴とする（１）又は（２）に記載のファスナーチェーンのスペース部加工装置。
（４）ストッパーは、第１ストッパーであり、第１ストッパーよりも下流側に配置され、スペース部内に突出してファスナーチェーンの上流側への移動を規制する第２ストッパーを備えることを特徴とする（１）～（３）のいずれか１つに記載のファスナーチェーンのスペース部加工装置。
（５）第１及び第２ストッパー間に配置され、ファスナーチェーンを上方から押圧するチェーン押圧装置を備えることを特徴とする（４）に記載のファスナーチェーンのスペース部加工装置。
（６）超音波ホーンの下面は、超音波ホーンが下動した際に第１ストッパーを収容する第１凹部と、上動状態のチェーン押圧装置の押圧ロッドを収容する第２凹部と、を有することを特徴とする（５）に記載のファスナーチェーンのスペース部加工装置。
（７）アンビルの上面に、下動状態のチェーン押圧装置の押圧ロッド、及び押圧ロッドにより下方に押圧されたファスナーチェーンを収容する収容凹部が形成されることを特徴とする（６）に記載のファスナーチェーンのスペース部加工装置。
（８）アンビルの上面に、アンビルが上動した際に一対のファスナーテープの裏面の芯紐を収容する一対の芯紐収容段部が形成されることを特徴とする（１）～（７）のいずれか１つに記載のファスナーチェーンのスペース部加工装置。

　本発明によれば、ファスナーチェーンを送るチェーン送り装置と、ファスナーチェーンのスペース部を検出してチェーン送り装置を停止させるスペース部検出装置と、スペース部内に突出してファスナーチェーンの下流側への移動を規制するストッパーと、スペース部における表裏面の芯紐の少なくとも一方の外側面をストッパーに向かって押圧する一対のサイドジョーと、一対のサイドジョーの上方に設けられる超音波ホーンと、一対のサイドジョーの下方に設けられるアンビルと、を備え、超音波ホーンは、表裏面の芯紐を加圧する加圧面を有するため、ファスナーテープの表裏面に設けられる芯紐の少なくとも一方をファスナーテープの長さ方向に沿って直線状に加圧成形することができる。

本発明に係るファスナーチェーンのスペース部加工装置の第１実施形態を説明する概略側面図である。図１に示すスペース部検出装置及び超音波ホーンの周辺の拡大側面図である。図２に示す超音波ホーン及びアンビルの周辺の幅方向に沿った縦断面図である。スペース部加工装置で加工されたファスナーチェーンを説明する表面図である。ファスナーチェーンの断面図である。超音波ホーンの下面を上方から見た図である。（ａ）は図６のＡ－Ａ線断面図であり、（ｂ）は（ａ）のＢ矢視図である。スペース部検出装置の感知ローラーがファスナーチェーンのスペース部に入り込んだ状態を説明する拡大側面図である。第１ストッパーが上動してファスナーチェーンのスペース部内に突出した状態を説明する拡大側面図である。図９の状態に対応する縦断面図である。第２ストッパーが上動してファスナーチェーンのスペース部内に突出すると共に、チェーン押圧装置の押圧ロッドが下動してファスナーチェーンを下方に押圧した状態を説明する拡大側面図である。左右のサイドジョーが芯紐の外側面を第１ストッパーに向かって押圧する状態を説明する縦断面図である。アンビルが上動した状態を説明する拡大側面図である。図１３の状態に対応する縦断面図である。超音波ホーンが下動して左右の芯紐を加圧成形する状態を説明する拡大側面図である。図１５の状態に対応する縦断面図である。超音波ホーン、アンビル、第１ストッパー、第２ストッパー、及び押圧ロッドが元の位置に戻り、ファスナーチェーンが搬送される状態を説明する拡大側面図である。図１７の状態に対応する縦断面図である。サイドジョーの押圧板を幅広にした場合を説明する図４に対応する表面図である。左右のサイドジョーの下側の押圧部を削除した場合を説明する図１０に対応する縦断面図である。本発明に係るファスナーチェーンのスペース部加工装置の第２実施形態を説明する図９に対応する拡大側面図である。図２１に示す停止板の周辺の拡大上面図である。図２１のＣ－Ｃ線断面図である。

　以下、本発明に係るファスナーチェーンのスペース部加工装置の各実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以後の説明において、スペース部加工装置に関しては、上側とは図１の紙面に対して上側、下側とは図１の紙面に対して下側、左側とは図１の紙面に対して手前側、右側とは図１の紙面に対して奥側、上流側とは図１の紙面に対して左側、下流側とは図１の紙面に対して右側とする。また、スペース部加工装置の左右方向は幅方向とも言う。

（第１実施形態）
　まず、図１～図２０を参照して、本発明に係るファスナーチェーンのスペース部加工装置の第１実施形態について説明する。

　本実施形態のスペース部加工装置１０は、図１～図３に示すように、ファスナーチェーンＣの搬送をガイドするガイドプレート１１，１２と、ファスナーチェーンＣを送るチェーン送り装置２０と、ファスナーチェーンＣのスペース部Ｓを検出してチェーン送り装置２０を停止させるスペース部検出装置３０と、スペース部Ｓ内に突出してファスナーチェーンＣの下流側への移動を規制する第１ストッパー４０と、第１ストッパー４０よりも下流側に配置され、スペース部Ｓ内に突出してファスナーチェーンＣの上流側への移動を規制する第２ストッパー５０と、第１及び第２ストッパー４０，５０間に配置され、ファスナーチェーンＣを上方から押圧してファスナーチェーンＣの弛みを除去するチェーン押圧装置６０と、スペース部Ｓにおける表裏面の芯紐Ｒの外側面を第１ストッパー４０に向かって押圧して、表裏面の芯紐Ｒの形状を整える左右一対のサイドジョー７０と、左右一対のサイドジョー７０の上方に設けられる超音波ホーン８０と、左右一対のサイドジョー７０の下方に設けられるアンビル９０と、を備える。また、ガイドプレート１２の上方には、ファスナーチェーンＣの上方を覆うカバー１３が設けられている。

　ここで、ファスナーチェーンＣについて説明する。このファスナーチェーンＣは、図４及び図５に示すように、左右一対のファスナーテープＴと、左右一対のファスナーテープＴの対向するテープ側縁部の表裏面にそれぞれ設けられる芯紐Ｒと、左右一対のファスナーテープＴの表裏面の芯紐Ｒに沿って取り付けられる左右一対のファスナーエレメント列ＥＬと、所定長さの左右一対のファスナーエレメント列ＥＬが取り付けられていない部分であるスペース部Ｓと、を備える。なお、スペース部Ｓは、左右一対のファスナーエレメント列ＥＬが予め取り付けられていない部分であり、ファスナーチェーンＣの所定長さ毎に形成されている。また、スペース部Ｓは、所定長さの左右一対のファスナーエレメント列ＥＬが取り付けられていない部分の左右一対のファスナーテープＴの対向するテープ側縁部間の隙間である。

　そして、ファスナーエレメント列ＥＬは、複数のファスナーエレメントＥを有する。このファスナーエレメントＥは、金属製のファスナーエレメントであり、ファスナーテープＴの表裏面の芯紐Ｒに取り付けられる基部Ｅａと、基部Ｅａの先端部に形成され、相手方のファスナーエレメントＥと噛合・分離する噛合頭部Ｅｂと、を備える。

　チェーン送り装置２０は、図１に示すように、ファスナーチェーンＣの下方に配置されるフィードローラー２１と、ファスナーチェーンＣの上方に配置されるプレスローラー２２と、を備える。そして、チェーン送り装置２０は、後述するスペース部検出装置３０からの検出信号に基づいて所定のタイミングでファスナーチェーンＣの搬送を停止するように設定されている。

　スペース部検出装置３０は、図２及び図８に示すように、揺動レバー３１と、揺動レバー３１の先端部に回転可能に設けられる感知ローラー３２と、を備える。そして、スペース部検出装置３０では、搬送されるファスナーチェーンＣのスペース部Ｓに感知ローラー３２が入り込むことにより揺動レバー３１が下方に揺動してスペース部Ｓが検出される。

　第１ストッパー４０は、図８～図１０に示すように、板状部材であり、不図示のシリンダにより上下動可能に設けられている。そして、第１ストッパー４０は、スペース部検出装置３０からの検出信号に基づいて、所定のタイミングで上動してスペース部Ｓ内に下方から突出するように設定されている。このため、搬送されるファスナーチェーンＣのスペース部Ｓの上流端のファスナーエレメント列ＥＬが第１ストッパー４０に当接して、ファスナーチェーンＣの下流側への移動が規制され、ファスナーチェーンＣのスペース部Ｓが所定の位置に停止する。また、第１ストッパー４０は、後述する左右のサイドジョー７０が芯紐Ｒの外側面を押圧するための受け板としても機能する。

　第２ストッパー５０は、板状部材であり、図９及び図１１に示すように、不図示のシリンダにより上下動可能に設けられている。そして、第２ストッパー５０は、ファスナーチェーンＣのスペース部Ｓが所定の位置に停止した後上動してスペース部Ｓ内に下方から突出するように設定されている。このため、ファスナーチェーンＣが後述するチェーン押圧装置６０の押圧ロッド６２で下方に押圧され、ファスナーチェーンＣが上流側に引っ張られることにより、ファスナーチェーンＣのスペース部Ｓの下流端のファスナーエレメント列ＥＬが第２ストッパー５０に当接して、ファスナーチェーンＣの上流側への移動が規制される。

　チェーン押圧装置６０は、図９～図１１に示すように、アンビル９０の左側において不図示のシリンダにより上下動可能に設けられるアーム６１と、アーム６１の上端部から右側に向かって延びる押圧ロッド６２と、を備える。

　押圧ロッド６２は、左右方向に沿うように設けられ、アンビル９０の右側面よりも幅方向外側まで延びており、後述する超音波ホーン８０の第２凹部８５内に収容されるように配置されている。

　左右一対のサイドジョー７０は、図１２に示すように、不図示のシリンダにより左右にスライド可能にそれぞれ設けられており、ファスナーテープＴの表裏の芯紐Ｒの外側面をそれぞれ押圧する上下一対の押圧部７１を有する。

　上下の押圧部７１の先端部には、芯紐Ｒの外側面を押圧する薄板状の押圧板７２がそれぞれ設けられており、この押圧板７２の先端面は、ファスナーチェーンＣの長さ方向と平行に直線状に形成されている（図４参照）。このため、芯紐Ｒのサイドジョー７０により押圧された部分は、上方に立ち上がるような断面形状で直線状（ファスナーチェーンＣの長さ方向に沿って凹凸のない状態）に整えられる。

　なお、芯紐Ｒが上方に立ち上がるような形状とは、芯紐Ｒの外側面がサイドジョー７０により押圧されることにより、芯紐Ｒの幅方向寸法（図１０の左右方向寸法）が小さくなると共に、芯紐Ｒの高さ寸法（図１０の上下方向寸法）が大きくなるような形状のことであり、本実施形態では、芯紐Ｒが図１０に示すような略長方形形状から図１２に示すような略正四角形状に変形した状態のことである。また、芯紐Ｒの外側面とは、図１０を参照すると、右側の芯紐Ｒの右側面及び左側の芯紐Ｒの左側面のことであり、芯紐Ｒの内側面とは、図１０を参照すると、右側の芯紐Ｒの左側面及び左側の芯紐Ｒの右側面のことである。

　超音波ホーン８０は、図１５及び図１６に示すように、不図示のシリンダにより上下動可能に設けられている。そして、超音波ホーン８０の下面は、図６及び図７に示すように、左右のファスナーテープＴの表裏面の芯紐Ｒのサイドジョー７０により形状が整えられた部分を加圧する左右の加圧面８１を有する。また、加圧面８１は、ファスナーチェーンＣの搬送方向に沿って形成されている。また、加圧面８１は、超音波ホーン８０の下面よりも上方に位置している。

　また、超音波ホーン８０の下面は、上記左右の加圧面８１間に形成され、下動した際に第１ストッパー４０を収容する第１凹部８４と、左右方向に横断するように形成され、上動状態のチェーン押圧装置６０の押圧ロッド６２を収容する第２凹部８５と、を有する。

　また、超音波ホーン８０の下面の上流端及び下流端には、下動した際に左右のファスナーエレメント列ＥＬを収容するエレメント収容凹部８６が、加圧面８１に隣接してそれぞれ形成されている。

　アンビル９０は、図１３及び図１４に示すように、不図示のシリンダにより上下動可能に設けられている。そして、アンビル９０は、ファスナーチェーンＣの搬送方向に沿って形成され、第１及び第２ストッパー４０，５０を挿通させるスリット穴９１を有する。また、アンビル９０の上面には、下動状態のチェーン押圧装置６０の押圧ロッド６２、及び押圧ロッド６２により下方に押圧されたファスナーチェーンＣを収容する収容凹部９２が左右方向に横断するように形成されている。

　また、アンビル９０の上面には、図１０及び図１４に示すように、上動した際に左右のファスナーテープＴの裏面の芯紐Ｒを収容する左右の芯紐収容段部９３が形成されている。

　以下に、図８～図１８を参照して、スペース部加工装置１０の動作について説明する。

　まず、図８に示すように、チェーン送り装置２０によりファスナーチェーンＣが下流側に搬送され、ファスナーチェーンＣのスペース部Ｓがスペース部検出装置３０で検出されることにより、図９及び図１０に示すように、第１ストッパー４０が上動してスペース部Ｓ内に下方から突出する。これにより、ファスナーチェーンＣのスペース部Ｓの上流端のファスナーエレメントＥが第１ストッパー４０に当接して、ファスナーチェーンＣのスペース部Ｓが所定の位置に停止すると共に、チェーン送り装置２０によるファスナーチェーンＣの搬送が停止される。

　次に、図１１に示すように、第２ストッパー５０が上動してスペース部Ｓ内に下方から突出すると共に、チェーン押圧装置６０の押圧ロッド６２が下動してファスナーチェーンＣを下方に押圧することにより、ファスナーチェーンＣのスペース部Ｓの下流端のファスナーエレメントＥが第２ストッパー５０に当接して、ファスナーチェーンＣの上流側への移動が規制されると共に、ファスナーチェーンＣの弛みが除去される。

　次に、図１２に示すように、左右のサイドジョー７０が左右方向に複数回（本実施形態では３回）スライドして、左右のサイドジョー７０の上下の押圧板７２でスペース部Ｓの左右表裏の芯紐Ｒの外側面を第１ストッパー４０に向かってそれぞれ押圧することにより、左右表裏の芯紐Ｒのサイドジョー７０により押圧された部分が、上方に立ち上がるような断面形状で直線状に整えられる。

　次に、図１３及び図１４に示すように、アンビル９０が上動することにより、アンビル９０の左右の芯紐収容段部９３に左右裏面側の芯紐Ｒのサイドジョー７０により形状が整えられた部分が収容される。

　次に、図１５及び図１６に示すように、超音波ホーン８０が下動することにより、超音波ホーン８０の左右の加圧面８１によって左右表裏の芯紐Ｒのサイドジョー７０により形状が整えられた部分が上方から加圧され、芯紐Ｒが溶融して加圧成形される。これにより、図４に示すように、芯紐Ｒの加圧成形された部分である芯紐成形部Ｒ１（網目柄で表示）は、加圧成形されていない部分Ｒ２と比較して上下左右方向に引き締まった形状に成形される。

　次に、図１７及び図１８に示すように、超音波ホーン８０及び押圧ロッド６２が元の位置に上動すると共に、第１及び第２ストッパー４０，５０及びアンビル９０が元の位置に下動することにより、ファスナーチェーンＣの停止が解放されて、チェーン送り装置２０によりファスナーチェーンＣが下流側に搬送される。そして、上記動作を繰り返すことにより、ファスナーチェーンＣの各スペース部Ｓに芯紐Ｒの加圧成形が施される。

　なお、超音波ホーン８０により加圧成形されたスペース部Ｓの上流側部分（サイドジョー７０により芯紐Ｒの形状が整えられた部分）には、後工程の補強フィルム接着装置において補強フィルムが接着される。そして、補強フィルムが接着された部分には、後工程において開き具又は止め具が取り付けられる。また、超音波ホーン８０により加圧成形されたスペース部Ｓの下流側端部には、後工程において止部が取り付けられる。

　以上説明したように、本実施形態のスペース部加工装置１０によれば、チェーン送り装置２０、スペース部検出装置３０、第１ストッパー４０、左右一対のサイドジョー７０、超音波ホーン８０、及びアンビル９０を備え、超音波ホーン８０が、左右のファスナーテープＴの表裏面の芯紐Ｒのサイドジョー７０により形状が整えられた部分を加圧する加圧面８１を有するため、ファスナーテープＴの表裏面に設けられる芯紐Ｒの形状を整えることができると共に、ファスナーテープＴの表裏面に設けられる芯紐ＲをファスナーテープＴの長さ方向に沿って直線状に加圧成形することができる。このため、後工程の補強フィルム接着装置におけるファスナーチェーンＣのスペース部Ｓへの補強フィルムの接着の安定性を高めることができる。

　また、本実施形態のスペース部加工装置１０によれば、第１及び第２ストッパー４０，５０間に配置され、ファスナーチェーンＣを上方から押圧してファスナーチェーンＣの弛みを除去するチェーン押圧装置６０を備えるため、ファスナーチェーンＣの姿勢を安定化して、超音波ホーン８０によるファスナーチェーンＣの加圧成形の安定性を高めることができる。

　なお、上記実施形態では、サイドジョー７０の押圧板７２によりスペース部Ｓの芯紐Ｒの上流側部分の形状を整えたが、図１９に示すように、サイドジョー７０の押圧板７２を上記実施形態よりも幅広にして、この幅広の押圧板７２によりスペース部Ｓの芯紐Ｒの全体の形状を整えてもよい。この場合、スペース部Ｓの下流側部分の芯紐Ｒの形状も整えることができるので、後工程において取り付けられる止部の取付け安定性を高めることができる。また、押圧板７２には、チェーン押圧装置６０を避けるための凹部７２ａが形成されている。

　また、図２０に示すように、左右のサイドジョー７０の下側の押圧部７１を削除してもよい。この場合、ファスナーテープＴの裏面側に設けられる芯紐Ｒの形状を整えることはできないが、超音波ホーン８０による表裏面の芯紐Ｒの加圧成形に大きな影響はない。

（第２実施形態）
　次に、図２１～図２３を参照して、本発明に係るファスナーチェーンのスペース部加工装置の第２実施形態について説明する。なお、第１実施形態と同一又は同等部分については、図面に同一或いは同等符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。

　本実施形態では、図２１に示すように、上記第１実施形態の第２ストッパー５０及びチェーン押圧装置６０が削除されると共に、サイドジョー７０の押圧板７２及び第１ストッパー４０が上記第１実施形態よりも幅広になっている。なお、サイドジョー７０の押圧板７２及び第１ストッパー４０の幅は、図１９に示す押圧板７２のように、スペース部Ｓの芯紐Ｒの全体の形状を整えることができる幅である。

　また、本実施形態では、ファスナーチェーンＣの上面を押圧してファスナーチェーンＣの移動を規制するチェーン停止装置１００が、超音波ホーン８０よりも下流側且つカバー１３の上方に設けられている。

　チェーン停止装置１００は、図２１～図２３に示すように、シリンダ装置１０１により上下に駆動される停止板１０２を備える。停止板１０２は、カバー１３に形成される開口１３ａを通して、ファスナーチェーンＣの上面を押圧するように構成されている。また、停止板１０２の下面には、押圧時にファスナーチェーンＣのファスナーエレメント列ＥＬを収容する凹部１０２ａが形成されている。そして、停止板１０２は、第１ストッパー４０によりファスナーチェーンＣの搬送が停止された後に下動し、超音波ホーン８０により芯紐Ｒが加圧成形された後に上動するように駆動される。
　その他の構成及び作用効果については、上記第１実施形態と同様である。

　なお、本発明は上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。

　　１０　スペース部加工装置
　　２０　チェーン送り装置
　　３０　スペース部検出装置
　　４０　第１ストッパー（ストッパー）
　　５０　第２ストッパー
　　６０　チェーン押圧装置
　　６２　押圧ロッド
　　７０　サイドジョー
　　７１　押圧部
　　７２　押圧板
　　８０　超音波ホーン
　　８１　加圧面
　　８４　第１凹部
　　８５　第２凹部
　　９０　アンビル
　　９２　収容凹部
　　９３　芯紐収容段部
　　Ｃ　　ファスナーチェーン
　　Ｔ　　一対のファスナーテープ
　　ＥＬ　ファスナーエレメント列
　　Ｒ　　芯紐
　　Ｓ　　スペース部

Claims

　一対のファスナーテープ（Ｔ）と、前記一対のファスナーテープ（Ｔ）の対向するテープ側縁部の表裏面にそれぞれ設けられる芯紐（Ｒ）と、前記一対のファスナーテープ（Ｔ）の表裏面の前記芯紐（Ｒ）に沿って取り付けられる一対のファスナーエレメント列（ＥＬ）と、所定長さの前記一対のファスナーエレメント列（ＥＬ）が取り付けられていない部分であるスペース部（Ｓ）と、を備えるファスナーチェーン（Ｃ）のスペース部加工装置（１０）であって、
　前記ファスナーチェーン（Ｃ）を送るチェーン送り装置（２０）と、
　前記ファスナーチェーン（Ｃ）の前記スペース部（Ｓ）を検出して前記チェーン送り装置（２０）を停止させるスペース部検出装置（３０）と、
　前記スペース部（Ｓ）内に突出して前記ファスナーチェーン（Ｃ）の下流側への移動を規制するストッパー（４０）と、
　前記スペース部（Ｓ）における前記表裏面の芯紐（Ｒ）の少なくとも一方の外側面を前記ストッパー（４０）に向かって押圧する一対のサイドジョー（７０）と、
　前記一対のサイドジョー（７０）の上方に設けられる超音波ホーン（８０）と、
　前記一対のサイドジョー（７０）の下方に設けられるアンビル（９０）と、を備え、
　前記超音波ホーン（８０）は、前記表裏面の芯紐（Ｒ）を加圧する加圧面（８１）を有することを特徴とするファスナーチェーン（Ｃ）のスペース部加工装置（１０）。
　前記サイドジョー（７０）は、前記表裏面の芯紐（Ｒ）の外側面をそれぞれ押圧する一対の押圧部（７１）を有することを特徴とする請求項１に記載のファスナーチェーン（Ｃ）のスペース部加工装置（１０）。
　前記加圧面（８１）は、前記超音波ホーン（８０）の下面において、前記ファスナーチェーン（Ｃ）の搬送方向に沿って、且つ前記超音波ホーン（８０）の下面よりも上方に位置するように形成されることを特徴とする請求項１又は２に記載のファスナーチェーン（Ｃ）のスペース部加工装置（１０）。
　前記ストッパー（４０）は、第１ストッパーであり、
　前記第１ストッパー（４０）よりも下流側に配置され、前記スペース部（Ｓ）内に突出して前記ファスナーチェーン（Ｃ）の上流側への移動を規制する第２ストッパー（５０）を備えることを特徴とする請求項１～３のいずれか１項に記載のファスナーチェーン（Ｃ）のスペース部加工装置（１０）。
　前記第１及び第２ストッパー（４０，５０）間に配置され、前記ファスナーチェーン（Ｃ）を上方から押圧するチェーン押圧装置（６０）を備えることを特徴とする請求項４に記載のファスナーチェーン（Ｃ）のスペース部加工装置（１０）。
　前記超音波ホーン（８０）の下面は、前記超音波ホーン（８０）が下動した際に前記第１ストッパー（４０）を収容する第１凹部（８４）と、上動状態の前記チェーン押圧装置（６０）の押圧ロッド（６２）を収容する第２凹部（８５）と、を有することを特徴とする請求項５に記載のファスナーチェーン（Ｃ）のスペース部加工装置（１０）。
　前記アンビル（９０）の上面に、下動状態の前記チェーン押圧装置（６０）の前記押圧ロッド（６２）、及び前記押圧ロッド（６２）により下方に押圧された前記ファスナーチェーン（Ｃ）を収容する収容凹部（９２）が形成されることを特徴とする請求項６に記載のファスナーチェーン（Ｃ）のスペース部加工装置（１０）。
　前記アンビル（９０）の上面に、前記アンビル（９０）が上動した際に前記一対のファスナーテープ（Ｔ）の裏面の前記芯紐（Ｒ）を収容する一対の芯紐収容段部（９３）が形成されることを特徴とする請求項１～７のいずれか１項に記載のファスナーチェーン（Ｃ）のスペース部加工装置（１０）。