WO2015030099A1

WO2015030099A1 - 画像表示装置及びヘッドマウントディスプレイ

Info

Publication number: WO2015030099A1
Application number: PCT/JP2014/072543
Authority: WO
Inventors: 美佑紀楠田; 信郎開
Original assignee: ブラザー工業株式会社
Priority date: 2013-08-30
Filing date: 2014-08-28
Publication date: 2015-03-05
Also published as: US9874757B2; US20160178912A1

Abstract

本発明は、ピント調整を行うときの操作性が良好な画像表示装置、及び、ヘッドマウントディスプレイを提供することを目的とする。本発明のＨＭＤ１は、画像ユニット（７）、レンズユニット（６）、前側に配置された第１表面（２１Ｍ）、上側の第２表面、及び、下側の第３表面を少なくとも有する筐体（１３，１４）、筐体（１３，１４）の左側で、且つ、レンズユニット（６）に対して左側に設けられ、レンズユニットによって導かれた画像光を後側に偏向させるハーフミラー（５６）、第１表面（２１Ｍ）のうち、筐体（１３，１４）の左右方向の中心よりも左側の位置に設けられ、前後方向に延びる軸を支点として回動可能な操作部材（３）、及び、画像ユニット（７）及びレンズユニット（６）の少なくとも一方に接続し、操作部材（３）の回動に応じて、画像ユニット（７）及びレンズユニット（６）の少なくとも一方を左右方向に移動させることが可能な調節機構（４）を備える。

Description

画像表示装置及びヘッドマウントディスプレイ

　本開示は、画像表示装置と、その画像表示装置を用いたヘッドマウントディスプレイに関する。

　従来、ピント調整を行うことが可能なＨＭＤが知られている。例えば、使用者の片側の眼に画像を提示する単眼型のＨＭＤが知られている。ＨＭＤは、ピント調節を行うためのアジャスタを備える。アジャスタはリング状であり、筐体の長手方向（以下、「左右方向」という。）と同一方向に延びる軸を支点として回動可能である。アジャスタの一部は、筐体に設けられたスリットから外部に露出する。筐体内の液晶ホルダとレンズホルダとの光軸上の距離は、アジャスタの回動に応じて変化する。使用者は、アジャスタのうちスリットから露出する部分に対して、左右方向と直交する上下方向に指で力を加える操作を行い、アジャスタを回転させる。これによって使用者は、液晶ホルダとレンズホルダとの光軸上の距離を変化させ、ピント調節を行う。

特開２０１３－４４８２８号公報

　通常、使用者は、片側の眼の前にＨＭＤを装着した状態で、ＨＭＤが装着された側の手でピント調節を行う。理由は、ＨＭＤが装着された側と反対側の手でピント調節が行われた場合、ＨＭＤが装着された側と反対側の眼の前に反対側の手が位置し、視界が遮られるためである。このとき、使用者がアジャスタに加えた力によって、筐体が上下方向に動く場合がある。このため使用者は、筐体が上下方向に動くことを抑制するために、人差し指又は中指と親指とで筐体を上下方向から挟んで筐体を保持する。この状態で、使用者は、残りの指の何れかによってアジャスタに上下方向の力を加え、アジャスタを回転させる。ここで、人差し指又は中指と親指とで筐体を挟んだ状態で残りの指の何れかを上下方向に移動させる動作は、人差し指又は中指と親指の位置を固定した状態で、残りの指の何れかを上下させることになる。そのため、人差し指又は中指と、残りの指の何れかとを開く必要があり、使用者にとって不自然な動作になる。従って、使用者は、ピント調節を行うときのアジャスタの操作を簡単に行うことができないという問題点がある。

　本開示の目的は、ピント調整を行うときの操作性が良好な画像表示装置、及び、ヘッドマウントディスプレイを提供することである。

　本開示の一側面は、
　画像光を生成可能な画像ユニットと、
　それぞれの光軸が第１方向に延びる複数のレンズを有し、前記画像ユニットに対して前記第１方向の一方側に配置されるレンズユニットと、
　前記画像ユニット及び前記レンズユニットの少なくとも一部を覆う筐体であって、前記画像ユニット及び前記レンズユニットに対して、前記第１方向と直交する第２方向の一方側に配置された第１面、前記第１面のうち前記第１方向と前記第２方向との両方に直交する第３方向の一方側から前記第２方向の他方側に向けて延びる第２面、及び、前記第３方向の他方側から前記第２方向の前記他方側に向けて延びる第３面を少なくとも有する筐体と、
　前記筐体の前記第１方向の前記一方側、且つ、前記レンズユニットに対して前記第１方向の前記一方側に設けられ、前記レンズユニットによって導かれた前記画像光を、前記第２方向の前記他方側に偏向させる偏向部材と、
　前記第１面のうち、前記筐体の前記第１方向の中心よりも前記一方側の位置に設けられ、前記第２方向に延びる軸を支点として回動可能な操作部材と、
　前記画像ユニット及び前記レンズユニットの少なくとも一方に係合し、前記操作部材の回動に応じて、前記画像ユニット及び前記レンズユニットの少なくとも一方を前記第１方向に移動させることが可能な調節機構とを備える画像表示装置である。

　使用者が、画像表示装置を正面から見たときの第１方向の他方側（使用者の第１方向の一方側）の眼の前に画像表示装置を配置させ、且つ、第１方向の他方側の手の人差し指又は中指と親指とで筐体の第２面及び第３面を上下方向から挟んで筐体を保持し、残りの指の何れかによって、第１面に設けられた操作部材に力を加えて回動させる場合を例に挙げる。ここで、操作部材は、第２方向に延びる軸を支点として回動可能であるため、使用者は、残りの指の何れかを、上下方向に対して左右方向に傾斜した方向に移動させることによって、操作部材を回動させることができる。なお、使用者は、左右方向に傾斜した方向に残りの指を移動させる動作を、残りの指を伸縮させることによって実現できる。このため使用者は、操作部材を回動させる動作を自然に行うことができる。従って画像表示装置は、使用者がピント調整を行うときの操作部材の操作性を良好にできる。

　又、操作部材は、第１面のうち第１方向の中心よりも一方側の位置に設けられる。これによって、使用者が人差し指又は中指と親指とで筐体を保持した場合に、人差し指又は中指及び親指と筐体（第２面及び第３面）との接触面積をより大きくできる。従って使用者は、筐体を適切に保持した状態で操作部材を操作できる。

　また、
　前記操作部材の前記第３方向の前記一方側の端部は、前記第１面の前記第３方向の前記一方側の端部よりも、前記第３方向の前記他方側に配置され、且つ、前記操作部材の前記第３方向の前記他方側の端部は、前記第１面の前記第３方向の前記他方側の端部よりも、前記第３方向の前記一方側に配置されてもよい。

　この場合、使用者は、筐体を保持する人差し指又は中指よりも掌側に残りの指を移動させる動作によって、操作部材を回動させることができる。人差し指又は中指よりも掌側に残りの指を移動させる動作は、使用者にとってより自然な動作になる。従って、画像表示装置は、使用者がピント調整を行うときの操作部材の操作性をより良好にできる。

また、
　前記操作部材のうち、前記第１方向の第１特定位置における前記第２方向の前記一方側の端部の前記第３方向の長さが、前記操作部材のうち前記第１特定位置における前記第２方向の他方側の端部の前記第３方向の長さよりも短く、且つ、前記操作部材のうち、前記第３方向の第２特定位置における前記第２方向の前記一方側の端部の前記第１方向の長さが、前記操作部のうち前記第２特定位置における前記第２方向の他方側の端部の前記第１方向の長さよりも短くてもよい。

　この場合、操作部材の第２方向の他方側から一方側に延びる部分は、第２方向に対して傾斜する。なお、使用者が人差し指又は中指によって筐体を保持した状態で、残りの指を掌側に移動させた場合、残りの指の腹の部分は、人差し指又は中指の腹の部分に対して傾斜する。従って使用者は、残りの指を操作部材に接触させたときに、操作部材に力を加え易くなる。このため使用者は、操作部材を更に容易に操作できる。

また、
　前記操作部材は、
　錐台形状を有し、
　前記錐台形状の下底から、前記錐台形状の上底に向けて延びる方向は、前記第２方向の前記一方側を向き、
　前記第２方向と、前記操作部材における前記円錐台形状の側面とのなす角度の鋭角が４０度以下であってもよい。

　この場合、使用者は、操作部材のうち第２方向の他方側から一方側に向けて延びる部分に対して、延びる方向と直交する方向に力を加えることが容易に可能となる。このため使用者は、操作部材を更に容
易に操作できる。

また、
　前記操作部材は、
　前記第１面から前記第２方向の前記一方側に向けて延びる第１部材と、
　前記第１部材から、前記第１方向と交差する方向に突出する第２部材とを備えてもよい。

　この場合、使用者は、第２部材に残りの指を接触させて力を加えることで、操作部材を容易に回動させることができる。

　また、
　前記第２部材は、それぞれが異なる方向に突出する複数の突出部を有してもよい。

　この場合、使用者は、複数の突出部の何れかに力を加えることによって、操作部材を容易に操作できる。

　また、前記操作部材の回動可能な角度が９０度以上、且つ１８０度以下であってもよい。

　この場合、操作部材が９０度以上回動できることで、操作部材の単位回動量あたりにレンズユニットが移動する移動量は、抑制される。従って、使用者は操作部材を回動してレンズユニットの移動量の微調整ができる。また、操作部材は１８０度よりも大きくは回動しない。従って、使用者は、ピント調整を行うときに、残りの指を伸縮させる場合の回数を抑制できる。

　また、前記操作部材の回動可能な角度が９０度以上、且つ１２０度以下であってもよい。

　この場合、使用者は、ピント調整を行うときに残りの指を伸縮させる場合の回数をさらに抑制できる。

また、
　前記筐体の前記第１面から、前記操作部材の前記第２方向の前記一方側の端部までの前記第２方向の長さが、３ｍｍ以上であってもよい。

　この場合、使用者は、操作部材に対して指を適切に接触させて力を加えることができる。

また、
　前記筐体の前記第１面と前記第２面とが接続する部分、及び、前記第１面と前記第２面とが接続する部分が湾曲してもよい。

　この場合、使用者は、第２面又は第３面から操作部材に向けて残りの指を近づける過程で、残りの指が筐体の角に引っ掛かることを抑制できる。このため、使用者は、操作部材の操作をスムーズに行うことができる。

　また、前記第２面と前記第３面との間の距離は、前記第２方向の前記他方側から前記一方側に近づくに従って小さくなってもよい。

　画像表示装置は、使用者が筐体を保持するために第２面に接触させた人差し指又は中指を、第２方向に対して一方側に自然に傾斜させることができる。この場合、使用者は、残りの指を第２方向に対して更に傾斜させ易くなる。このため、使用者は、残りの指から操作部材に対して更に力を加え易くなるので、操作部材を更に容易に操作できる。

　また、
　前記第１面の前記第１方向の前記一方側の端部は、前記第２面及び前記第３面のそれぞれの前記第１方向の前記一方側の端部よりも、前記第１方向の他方側に配置され、
　前記偏向部材は、前記第２面と前記第３面とで挟まれた部分、且つ、前記第１方向の位置が、前記第１面よりも前記一方側に配置されてもよい。

　この場合、使用者は、第２面及び第３面のうち偏向部材が保持された部分の近傍を、人差し指又は中指と親指とで保持できる。従って、使用者は、人差し指、中指、及び親指によって筐体を容易に保持できる。又、偏向部材は、第２面及び第３面で挟まれた部分に配置されるので、使用者の指が偏向部材に接触して偏向部材が汚れることを抑制できる。更に、第２方向の一方側から到来する外界の光を、偏向部材に適切に進入させることができる。即ち、画像表示装置は、外界の光が第１面によって遮蔽されることを抑制できる。

　本開示の他の側面は、
　上記した画像表示装置と、
　前記第１方向に延びる第１部分、及び、前記第１部分の両側から前記第２方向の前記一方側に延びる一対の第２部分を有する装着具と、
　前記装着具の前記第１部分に接続され、前記画像表示装置が接続された接続具と、
を備えたことを特徴とするヘッドマウントディスプレイである。

　これによれば、装着具が使用者の頭部に装着された状態で、使用者の眼前に偏向部材を保持できる。従って、使用者は、偏向部材によって変更された画像光を視認しつつ、両手を使用して作業を行うことができる。

　また、
　前記第１部分は、前記第２方向の前記他方側に向けて凸状に湾曲し、
　前記接続具は、前記第１部分から前記第３方向に沿って延び、
　前記接続具の一端が、前記装着具に接続され、
　前記接続具の他端が、前記画像表示装置が接続されてもよい。

ＨＭＤ１を取り付けた眼鏡型フレーム９１の斜視図である。ＨＭＤ１の平面図である。図２のＩ－Ｉ線矢視方向断面図である。左斜め前方から見たＨＭＤ１の分解斜視図である。左斜め後方から見た接眼光学系１３０およびアジャスタ７０の斜視図である。ＨＭＤ１の背面図である。左斜め前方から見た第２筐体３０の斜視図である。接眼光学系１３０が最も左側に配置された状態を示す図である。接眼光学系１３０が最も右側に配置された状態を示す図である。接眼光学系１３０が最も左側に配置された状態において、カム溝７６と突出部１３６との位置関係を示す図である。接眼光学系１３０が最も右側に配置された状態において、カム溝７６と突出部１３６との位置関係を示す図である。ＨＭＤ１０１の斜視図である。本体部材１１の斜視図である。本体部材１１の左側面図である。筐体１２の斜視図である。前側筐体１３を後方から見た図である。本体部材１１内の分解斜視図である。画像ユニット７の左側面図である。レンズユニット６の斜視図である。レンズユニット６の右側面図である。調節機構４の背面図である。ホルダ５の斜視図である。ホルダ５の斜視図である。ホルダ５及びハーフミラー５６が筐体１２から取り外された状態を示す図である。ホルダ５及びハーフミラー５６が筐体１２に装着された状態を示す図である。第１状態における、レンズユニット６、画像ユニット７、操作部材３、及び、調節機構４の斜視図である。第２状態における、レンズユニット６、画像ユニット７、操作部材３、及び、調節機構４の斜視図である。本体部材１１の左側面図である。変形例におけるＨＭＤ１の本体部材１１Ａの斜視図である。

＜第１実施形態＞
　以下、本開示の一実施形態であるＨＭＤ１について、図面を参照して説明する。以下の説明において、図１の左斜め上方、右斜め下方、左斜め下方、右斜め上方、左方、及び右方を、夫々、ＨＭＤ１の上方、下方、前方、後方、左方、及び右方とする。

　先ず、ＨＭＤ１の概要について説明する。ＨＭＤ１は、光学透過型のシースルーＨＭＤである。使用者の眼前の景色の光は、ハーフミラー８０（図２参照、後述）を透過することによって使用者の眼に直接導かれる。ＨＭＤ１の投影形式は虚像投影型である。液晶表示装置１２６（図３参照、後述）に表示した画像の光は、ハーフミラー８０を反射することによって使用者の眼に導かれる。これらによってＨＭＤ１は、使用者に対して、眼前の景色に作成した画像を重ねて認識させることができる。

（１）筐体１０（第１筐体２０、第３筐体４０）
　図１に示すように、ＨＭＤ１は筐体１０を備える。筐体１０は、支持部材の一例である。筐体１０は、左右方向に延びる中空の直方体形状を有する。筐体１０は、樹脂部材により形成されている。筐体１０は、眼鏡型フレーム９１に着脱可能に取り付けられる。眼鏡型フレーム９１は使用者の頭部に装着される装着具の一例である。眼鏡型フレーム９１は、左フレーム部９２、右フレーム部９３、中央フレーム部９４、およびＨＭＤ支持部９６を備えている。左フレーム部９２は使用者の左耳に掛けられる。右フレーム部９３は使用者の右耳に掛けられる。第１部分の一例である中央フレーム部９４は、左フレーム部９２の前端部と、右フレーム部９３の前端部との間で左右方向に延びる。左フレーム部９２及び右フレーム部９３は、中央フレーム９４の両側から、それぞれ後方に延びる。中央フレーム部９４は、長手方向中央部に一対の鼻当て部９５（図１では一方のみ図示）を備えている。接続具の一例であるＨＭＤ支持部９６は、中央フレーム部９４の上面右端側に設けられている。ＨＭＤ支持部９６は下方延出部９８を備えている。下方延出部９８は上下方向に延びている。下方延出部９８には、ノコギリ状の凹凸を有する歯部（図示略）が上下方向に複数設けられている。

　図２に示すように、眼鏡型フレーム９１に対向する筐体１０の後面には、被保持部４９が設けられている。被保持部４９は、上下方向に延びる溝４９Ａを備える。溝４９Ａには下方延出部９８（図１参照）が嵌められる。溝４９Ａの底部には板バネ（図示外）が設けられている。板バネは、下方延出部９８に設けられた歯部の何れかに係止する。これによって、ＨＭＤ１の上下方向の位置決めが可能となる。

　筐体１０は、第１筐体２０、第２筐体３０、および第３筐体４０を備える。図３および図４に示すように、第１筐体２０は、中空の直方体状である。第１筐体２０には、左側開口部２１、右側開口部２３、および後側開口部２２が設けられる。左側開口部２１は、第１筐体２０の左壁部２１Ａに設けられる。左側開口部２１は、左壁部２１Ａを左右方向に貫通する。右側開口部２３は、第１筐体２０の右壁部２３Ａに設けられる。右側開口部２３は、右壁部２３Ａを左右方向に貫通する。後側開口部２２は、第１筐体２０の後壁部（図示外）に設けられる。後側開口部２２は、後壁部を前後方向に貫通する。第２筐体３０は、後側開口部２２を閉塞するように、第１筐体２０の後壁部に固定される。第２筐体３０の構成の詳細は後述する。第３筐体４０は、右側開口部２３を閉塞するように、第１筐体２０の右壁部２３Ａに固定される。第３筐体４０の右側面の上側および下側には、夫々、挿通孔４１（図１参照）が設けられる。上側の挿通孔４１は、右壁部２３Ａのうち右側開口部２３の上側に設けられるネジ孔２３Ｂ（図３参照）に対応する。上側の挿通孔４１に第３筐体４０の右方から挿通されたネジ４２が、ネジ孔２３Ｂに締め付けられることで、第３筐体４０の上側部は、第１筐体２０に固定される。下側の挿通孔４１は、右壁部２３Ａのうち右側開口部２３の下側に設けられるネジ孔（図示外）に対応する。下側の挿通孔４１に第３筐体４０の右方から挿通されたネジ（図示外）が、右壁部２３Ａのネジ孔に締め付けられることで、第３筐体４０の下側部は、第１筐体２０に固定される。さらに、第１筐体２０の左壁部２１Ａには、ハーフミラー８０が固定される。ハーフミラー８０の構成の詳細は後述する。

（２）制御基板１１０、液晶ユニット１２０、接眼光学系１３０
　図３に示すように、筐体１０の内部には、右方から左方へ向かって順に、制御基板１１０、液晶ユニット１２０、および接眼光学系１３０が収容される。制御基板１１０は、通信線（図示外）を介して接続する外部機器（図示外）から画像データを取得する。液晶ユニット１２０は、制御基板１１０が受信する画像データに基づいて、画像光を生成する。接眼光学系１３０は複数のレンズ（図示外）を有する。複数のレンズは、液晶ユニット１２０が生成した画像光を右方から左方へ導く。接眼光学系１３０はハーフミラー８０の右方に位置する。接眼光学系１３０によって導かれる画像光の少なくとも一部は、ハーフミラー８０によって後方へ反射される。以下の説明では、左右方向を「第１方向」ともいい、前後方向を「第２方向」ともいう。また、以下の説明では、ハーフミラー８０によって反射される画像光の進行方向（ハーフミラー８０が画像光を反射する方向）を、「反射方向」ともいう。

　図４に示すように、液晶ユニット１２０は、液晶ホルダ１２１、液晶表示装置１２６、および液晶基板１２７（図３参照）を備える。液晶ホルダ１２１は、支持壁部１２２、前側壁部１２３、および後側壁部１２４を備える。支持壁部１２２は、平面視で前後方向に長い略矩形状の板状部材である。前側壁部１２３および後側壁部１２４は、夫々、正面視で上下方向に長い略矩形状の板状部材である。前側壁部１２３は、支持壁部１２２の前端部から上方へ向かって立設する。後側壁部１２４は、支持壁部１２２の後端部から上方へ向かって立設する。液晶表示装置１２６は、略直方体状である。液晶表示装置１２６は、支持壁部１２２によって下側から支持され、前側壁部１２３および後側壁部１２４によって挟持される。これにより、液晶表示装置１２６は、液晶ホルダ１２１によって保持される。液晶基板１２７は、液晶表示装置１２６の制御を司る基板であり、液晶表示装置１２６の右側に固定される。液晶基板１２７は、フレキシブルプリント基板（Flexible printed circuits、ＦＰＣ）１２８（図３参照）を介して制御基板１１０（図３参照）と接続
されている。なお、後側壁部１２４は、ネジ３４Ｂ（図６参照）で第２筐体３０に固定される。つまり、第２筐体３０は、液晶ユニット１２０を固定して支持する。なお、液晶ユニット１２０の代わりに、ＤＭＤ、有機ＥＬ等の二次元表示素子が用いられてもよい。または、２次元的に走査された光を使用者の網膜上に投影する網膜走査型の投影装置（Retinal Scanning Display）も適用可能である。

（３）接眼光学系１３０
　接眼光学系１３０は、第２筐体３０によって第１方向に往復移動可能に支持されている。接眼光学系１３０は、レンズホルダ１３１を備える。レンズホルダ１３１は略四角筒状である。図５に示すように、レンズホルダ１３１には、傾斜部１３２～１３５が設けられる。傾斜部１３２～１３５は、夫々、レンズホルダ１３１の後側上部、後側下部、前側下部および前側上部が、左右方向に亘って面取りされた平面状の部位である。レンズホルダ１３１の内側には、複数のレンズ（図示略）が固定されている。複数のレンズの夫々の光軸は、レンズホルダ１３１の中心を左右方向に延びる軸線上に配置されている。

　図４に示すように、レンズホルダ１３１の前側面１３１Ａには、突出部１３６が設けられる。突出部１３６は、円柱状に形成され、前側面１３１Ａから前方へ向かって突出している。言い換えると、突出部１３６は、反射方向と反対方向（以下、反対方向という）へ向かって突出している。突出部１３６は後述するカム溝７６（図５参照）に、後方から挿入されている。レンズホルダ１３１が備える一対の摺動部１４６（図５参照）については後述する。

（４）ハーフミラー８０
　ハーフミラー８０は、第１筐体２０の左壁部２１Ａのうち左側開口部２１の前側部に固定される板状部材である。言い換えると、第１筐体２０は、ハーフミラー８０を固定し支持する。ハーフミラー８０は、例えば、アクリルやポリカーボネートなどの透明樹脂や、光学ガラスなどで形成されてよい。ハーフミラー８０は、第１板状部８５および第２板状部８８を備える。第１板状部８５は、左側面視で上下方向に長い略矩形状である。第２板状部８８は、第１板状部８５の後端部から左斜め後方に延びる。第１板状部８５には、上方から下方へ向かって順に、丸孔８１、挿通孔８２、および長孔８３が設けられる。丸孔８１および長孔８３は、夫々、左壁部２１Ａから左方に向けて突出する円柱状の突起部（図示外）が挿入されている。挿通孔８２は、左壁部２１Ａに設けられるネジ孔（図示外）に対応する。挿通孔８２に挿通されるネジ（図示外）は、左壁部２１Ａに設けられるネジ孔（図示外）に締め付けられている。

　図６に示すように、第２板状部８８の後側の面８８Ａは、接眼光学系１３０によって導かれる画像光が照射される面である。面８８Ａには反射面８９が形成される。反射面８９は、接眼光学系１３０が導く画像光の少なくとも一部を、反射方向へ反射する領域である。反射面８９は、例えば、面８８Ａの一部に所定の反射率（例えば５０％）となるよう形成された、アルミニウム等の金属の薄膜層である。薄膜層の形成には、蒸着、スパッタリングなど、任意の薄膜形成プロセスが用いられてよい。なお、反射面には、アルミニウムに代えて、又は加えて、チタンなどの金属や、誘電体材料などを用いた多層膜が形成されてもよい。なお、金属を用いない誘電体材料のみによる多層膜が、反射面として用いられてもよい。なお、ハーフミラー８０に代えて、接眼光学系１３０の画像光を全て反射可能な鏡面を有する反射部材が、第１筐体２０に設けられてもよい。この反射部材は、例えば、アクリルやポリカーボネートなどの透明樹脂や、光学ガラスなどの基板の上に、反射率が略１００％となるアルミニウムなどの金属材料の薄膜を、鏡面として形成することで得られる。この薄膜形成には、蒸着やスパッタリングなど、任意の薄膜加工プロセスが利用される。或いは、アルミニウムなどの金属材料自体を基材として、表面を鏡面研磨することで鏡面が形成されてもよい。

（５）第２筐体３０
　図７を参照し、第２筐体３０の構成について説明する。第２筐体３０は、第１筐体２０に対して反射方向側に配置される。言い換えると、第１筐体２０および第２筐体３０の一方である第２筐体３０は、他方である第１筐体２０に対して反射方向側に配置される。第２筐体３０は、前壁部３１、上壁部３２、および下壁部３３を備える。前壁部３１は、正面視で略矩形状の板状部材である。上壁部３２は、前壁部３１の上端部から前方に延びる。下壁部３３は、前壁部３１の下端部から前方に延びる。第２筐体３０には、３つの挿通孔３４、および一対の案内部３５が設けられる。３つの挿通孔３４は、夫々、前壁部３１の左上角部、左下角部、および右上角部を前後方向に貫通する。３つの挿通孔３４は、第１筐体２０の後壁部（図示外）に設けられる３つのネジ孔（図示外）に対応する。ネジ３４Ａ（図６参照）が、挿通孔３４に挿通され、第１筐体２０の後壁部のネジ孔に締め付けられることで、第２筐体３０と第１筐体２０（図４参照）とは固定される。３つのネジ３４Ａは、筐体１０のうち反射方向側に配置される（図６参照）。

　一対の案内部３５のうち一方は軸部３８を備える。軸部３８は、前壁部３１の前面下側に設けられる。軸部３８は、２つの軸取付部３６および軸部材３７を有する。２つの軸取付部３６は、第１方向に並んで設けられる。夫々の軸取付部３６は、上下方向に離間し、且つ互いに対向する一対の壁部によって形成される。軸部材３７は、円柱状であり、第１方向に沿って延びる。軸部材３７は、２つの取付部３７Ａおよび被摺動部３７Ｂを有する。２つの取付部３７Ａは軸部材３７の両端部に形成される。被摺動部３７Ｂは、軸部材３７のうち２つの取付部３７Ａの間に形成される。取付部３７Ａの直径は、被摺動部３７Ｂの直径よりも小さく、夫々の軸取付部３６を形成する一対の壁部の離間距離と略等しい。取付部３７Ａが前方から軸取付部３６に嵌合することで、軸部材３７は、軸取付部３６に着脱可能に取り付けられる。

　一対の案内部３５のうち他方は突出部３９を備える。突出部３９は、上壁部３２の下面から下方に突出する。言い換えると、突出部３９は第１方向と交差する方向へ突出する。突出部３９は、第１方向に沿って延び、且つ前後方向に厚さを有する板状部材である。突出部３９と２つの軸取付部３６とは、第１方向および第２方向と交差する上下方向に離間する。

（６）一対の摺動部１４６
　図５を参照し一対の摺動部１４６について説明する。なお、図５においては、筐体１０（図１参照）の図示を省略している。一対の摺動部１４６は、例えば、夫々、レンズホルダ１３１の後側から、後向きに突出する突出部である。一対の摺動部１４６は、夫々、一対の案内部３５（図７参照）に沿ってスライドすることで摺動可能である。一対の摺動部１４６の一方は、２つの軸挿通部１４１を備える。２つの軸挿通部１４１は、夫々、傾斜部１３３の左右略中央よりも前側および後側に設けられる。２つの軸挿通部１４１は、第１方向に離間して設けられる。夫々の軸挿通部１４１は、後方突出部１４３および穴部１４４を備える。後方突出部１４３は右側面視で略半円形の板状部材である。穴部１４４は、後方突出部１４３を第１方向に貫通する円形の開口部である。２つの軸挿通部１４１が夫々備える穴部１４４は、第１方向に離間している。穴部１４４の内径は、被摺動部３７Ｂの直径よりも僅かに大きい。

　一対の摺動部１４６の他方は、上方立設部１４７を備える。上方立設部１４７は、傾斜部１３２の左右略中央に設けられる。上方立設部１４７は、２つの軸挿通部１４１と上下方向に離間している。上方立設部１４７は、第１方向において、２つの軸挿通部１４１の間となる位置に配置されている。上方立設部１４７は、前後方向に離間し、且つ互いに対向する一対の壁部によって形成される。上方立設部１４７は、第１方向に僅かに延びる。上方立設部１４７は溝部１４５を備える。溝部１４５は、上方立設部１４７の一対の壁部の間に形成される。溝部１４５の溝幅は、突出部３９（図７参照）の厚さよりも僅かに大きい。

　第２筐体３０に対する接眼光学系１３０の取付方法について説明する。取付部３７Ａ（図７参照）から取り外された軸部材３７（図７参照）は、２つの穴部１４４に挿通される。突出部３９（図７参照）が溝部１４５に嵌められた後、２つの取付部３７Ａは、夫々に対応する軸取付部３６（図７参照）に取り付けられる。この結果、突出部３９は溝部１４５に沿って摺動可能となり、２つの軸挿通部１４１は被摺動部３７Ｂに沿って摺動可能となる。これにより、接眼光学系１３０は、第２筐体３０によって第１方向に沿って往復移動可能に支持される。以下、接眼光学系１３０の可動範囲のうち、接眼光学系１３０が最も左側にある位置を左端位置（図８Ａ参照）といい、最も右側にある位置を右端位置（図８Ｂ参照）という。

　左端位置は、接眼光学系１３０がハーフミラー８０（図６参照）に最も接近する位置である。従って、接眼光学系１３０によって導かれた光が照射される面８８Ａ（図６参照）上の領域は、接眼光学系１３０が左端位置にある場合に最も大きくなる。以下、この領域を最大照射領域８４（図６参照）という。図６に示すように、最大照射領域８４は、反射面８９の内側にある。つまり、反射面８９は最大照射領域８４を含んでいる。

（７）アジャスタ７０
　図４および図５を参照し、アジャスタ７０について説明する。アジャスタ７０は、正面視で円形状の部材である。アジャスタ７０は、前後方向に延びる軸線Ｘ（図５参照）を中心に回動可能に構成される。後述するように、アジャスタ７０が回動することで、接眼光学系１３０は往復移動し、ＨＭＤ１のピント調整がなされる。

　アジャスタ７０は、第１回動部材７１および第２回動部材７２を備える。第１回動部材７１は、使用者がアジャスタ７０を回動させる場合に、使用される部材である。第１回動部材７１は、前面視で略円形の蓋状である。第１回動部材７１は、前壁部７３および周壁部７４を備える。前壁部７３は、正面視で略円形の板状部材である。周壁部７４は、前壁部の周縁部から後方へ延びる。周壁部７４は、前壁部２０Ａから前方へ向かって突出する円筒状の取付部（図示外）の外周面に、回動可能に取り付けられる。周壁部７４の外周面には、周壁部７４の周方向に亘って、凹凸部７４Ａが設けられる。凹凸部７４Ａは、使用者が指（図示外）で周壁部７４の外周面をつまんで第１回動部材７１を回動させる場合に、指が周壁部７４に対して滑ることを防止する。

　第２回動部材７２は、前面視で略円形の板状部材である。第２回動部材７２は、前壁部２０Ａを挟んで、第１回動部材７１の後方に位置する。つまり、第２回動部材７２は、第１筐体２０の内側に位置する。第２回動部材７２は、第１回動部材７１と同軸上に配置される。第２回動部材７２の中央部には、ネジ部材７５が設けられる。ネジ部材７５は、取付部の内側で第１筐体２０の前壁部２０Ａを貫通する貫通孔（図示外）を通過して、第１回動部材７１の中心部に締め付けられる。これにより、第１回動部材７１と第２回動部材７２は、一体となって回動する。第２回動部材７２の外周面には、周方向に亘って凹凸部７２Ａが設けられている。凹凸部７２Ａのうち何れか一つは、筐体１０の内部に設けられる板バネ（図示外）と係止している。

　第２回動部材７２の後側面には、カム溝７６が設けられる。カム溝７６は、第２回動部材７２の後側面の一部が前方へ向かって凹むことで形成される溝部である。カム溝７６は、アジャスタ７０の軸線Ｘを中心に渦巻き状に延びる。カム溝７６は、背面視で、時計回り方向に向かうにつれて、アジャスタ７０の軸線Ｘから離間するように延びる（図９Ａ参照）。カム溝７６は、開始端７６Ａと終端７６Ｂを備える。開始端７６Ａは、カム溝７６のうち背面視で時計回り方向側の端部であり、終端７６Ｂは反時計回り方向側の端部である。カム溝７６の延設方向の一端である開始端７６Ａは、延設方向の他端である終端７６Ｂよりも、アジャスタ７０の軸線Ｘから離間している。

　本実施形態におけるカム溝７６は、角度範囲が約１７０度となるように第２回動部材７２の後側面に形成されている。より詳細には、開始端７６Ａおよび軸線Ｘを含む平面７８（図９Ａ参照）と、終端７６Ｂおよび軸線Ｘを含む平面７９（図９Ａ参照）とのなす角度のうち、カム溝７６側の角度（以下、第１角度という）は、約１７０度である（図９Ａ参照）。つまり、第１角度は、９０度以上、且つ１８０度以下である。もちろん、第１角度は、９０度未満であってもよいし、１８０度よりも大きくてもよい。

　カム溝７６の内側には突出部１３６（図４参照）が後方から挿入される。言い換えると、突出部１３６は反射方向側からカム溝７６に挿入される。第２回動部材７２が回動する場合、突出部１３６はカム溝７６の内側壁面によって第１方向に往復移動され、接眼光学系１３０は第１方向に往復移動できる。突出部１３６が開始端７６Ａに当接する場合、接眼光学系１３０は左端位置に位置し、突出部１３６が終端７６Ｂに当接する場合、接眼光学系１３０は右端位置に位置する。

（８）ピント調整
　次に、図８Ａ、図８Ｂ、図９Ａ、図９Ｂを参照し、ピント調整の方法について説明する。なお、以下の説明では、ピント調整前の接眼光学系１３０は左端位置に位置するものとする。また、図８Ａ、図８Ｂでは、ハーフミラー８０、第１筐体２０、および第３筐体４０の図示を省略している。図８Ａおよび図９Ａに示すように、使用者は、凹凸部７４Ａを指（図示外）でつまんで、正面視で反時計回り方向（図８Ａの矢印Ａ方向、図９Ａの矢印Ｃ方向）に回動させる。あるいは、使用者は、筐体１０を上下方向から指（例えば、親指と人差し指）で挟み、指（例えば、中指）を伸縮することで第１回動部材７１を回動させてもよい。この場合、第２回動部材７２の回動に伴って、カム溝７６も回動する。カム溝７６の外側壁面は、回動に伴い、当接する凸部１３６を右方（図８Ａの矢印Ｂ方向、図９Ａの矢印Ｄ方向）へ移動させる。凸部１３６の移動に伴い、上方立設部１４７は（図５参照）は突出部３９（図７参照）に沿って摺動しながら右方へと移動し、２つの軸挿通部１４１（図５参照）は、被摺動部３７Ｂ（図７参照）に沿って摺動しながら右方へと移動する。つまり、一対の摺動部１４６（図５参照）は、一対の案内部３５（図７参照）の夫々に沿って摺動する。これにより、接眼光学系１３０は、左端位置から右方へと移動する。この場合、上方立設部１４７の溝部１４５（図５参照）は、接眼光学系１３０が、２つの穴部１４４の軸線回りに回転すること阻止する。

　図８Ｂ、図９Ｂに示すように、第２回動部材７２が正面視で反時計回り方向に約１７０度回動すると、終端７６Ｂが突出部１３６と当接する。この場合、接眼光学系１３０は、右端位置まで移動する。接眼光学系１３０が、左端位置から右端位置へと移動する場合であっても、使用者は、アジャスタ７０を約１７０度回動させればよい。従って、使用者は、指でつまんだアジャスタ７０を持ち変える必要がない。仮に、カム溝７６の形成される角度範囲が１８０度よりも大きい（第１角度が１８０度よりも大きい）場合、接眼光学系１３０を左端位置から右端位置へと移動させるとき、使用者は、アジャスタ７０を軸線Ｘを中心に１８０度よりも大きく回動させる必要がある。従って、使用者は、指でつまんだアジャスタ７０を持ち変える必要が生じる。これは、人間の手の構造上、指でつまんだ物を、該物を持ち変えることなく１８０度以上回転させることが困難なことに起因する。

　このように、アジャスタ７０が回動することで、接眼光学系１３０は、一対の案内部３５に沿って、ハーフミラー８０および液晶ユニット１２０に対して、第１方向に沿って相対移動する。アジャスタ７０の回動量に応じて、接眼光学系１３０の移動量が調整できるので、ＨＭＤ１はピント調整を行うことができる。なお、第２回動部材７２が回動する場合に、筐体１０内部に設けられる板バネ（図示外）が係止する凹凸部７２Ａは、順次切り替わる。従って、ＨＭＤ１は、アジャスタ７０が回動していることを使用者に確実に感知させることができる。

　また、第１回動部材７１は第１筐体２０の前壁部２０Ａの前面に設けられる。これにより、中央フレーム部９４（図１参照）の上面右端側に設けられるＨＭＤ１が、上下左右を反転させられた状態で、中央フレーム部９４の上面左端側に設けられる場合であっても、第１回動部材７１は、第１筐体２０の前側に位置したままとなる。従って、ＨＭＤ１が設けられる位置が中央フレーム部９４の左右どちらの側であっても、ピント調整を行う使用者は、迷うことなく第１回動部材７１に触ることができる。よって、ＨＭＤ１は、ピント調整の操作性を向上できる。

　以上、説明したように、使用者がピント調整を行う場合、アジャスタ７０を回動させれば、接眼光学系１３０は、ハーフミラー８０および液晶ユニット１２０に対して第１方向に相対移動する。この場合、液晶表示装置１２６は、第２筐体３０に固定されたままである。従って、ピント調整に伴い液晶表示装置１２６が第１方向に往復移動して、ＦＰＣ等から移動を妨げる荷重を受けることはない。よって、画像光を生成する液晶表示装置１２６は、第１方向に対して傾斜しにくい。従って、ＨＭＤ１は、ピント調整を行う場合であっても、使用者に視認させる画像を変形しにくくできる。

　また、接眼光学系１３０は、一対の摺動部１４６が一対の案内部３５に沿って摺動することで、第１方向に移動する。一対の案内部３５が接眼光学系１３０を第１方向に沿って案内するので、接眼光学系１３０は往復移動し易く、第１方向に対して傾きにくい。よって、ＨＭＤ１は、ピント調整を行う場合に、使用者に視認させる画像をさらに変形しにくくできる。

　また、第１筐体２０と第２筐体３０とを固定するネジ３４Ａは、筐体１０のうち、反射方向側の部分に配置される。ネジ３４Ａは、ＨＭＤ１の使用時において、使用者以外の視点からは視認されにくい。よって、ＨＭＤ１は、外観の見栄えを良好にできる。なお、第１筐体２０と第２筐体３０とを固定する構成は、ネジ３４Ａに限定されない。例えば、ネジ３４Ａの代わりに、第１筐体２０の後壁部に前方へ凹む溝が設けられ、第２筐体３０の前壁部３１の前面に爪を設けてもよい。第２筐体３０に設けられる爪が、第１筐体２０の溝に係合することで、第１筐体２０と第２筐体３０を固定してもよい。

　また、穴部１４４に軸部材３７が挿入され、溝部１４５に突出部３９が嵌められ、軸部材３７が軸取付部３６に取り付けられるだけで、接眼光学系１３０は、第１方向に沿って往復移動可能となる。よって、ＨＭＤ１は、組立性を向上できる。

　上方立設部１４７は、第１方向において、２つの軸挿通部１４１の間となる位置に配置されている。上方立設部１４７は、２つの穴部の軸線回りに接眼光学系１３０が回転するのを安定して阻止できる。よって、ＨＭＤ１は、接眼光学系１３０の往復移動をさらに安定化できる。

　また、アジャスタ７０が回動する場合、カム溝７６が突出部１３６を第１方向に沿って往復移動させることで、接眼光学系１３０は往復移動できる。使用者は、アジャスタ７０を回動させるだけで、接眼光学系１３０を往復移動させることができる。よってＨＭＤ１は、ピント調整を行う場合の操作性を向上できる。

　また、第１角度（約１７０度）は、９０度以上、且つ１８０度以下である。カム溝７６の形成される角度範囲が９０度よりも小さい（第１角度が９０度よりも小さい）場合、接眼光学系１３０が本実施形態と同じ移動量だけ往復移動するためには、アジャスタ７０の単位回動量当たりに接眼光学系１３０が第１方向に沿って移動する移動量が増大する。カム溝７６の形成される角度範囲が９０度以上であることで、アジャスタ７０の単位回動量当たりに接眼光学系１３０が第１方向に沿って移動する移動量は、抑制される。また、第１角度が１８０度以下であることで、使用者はピント調整を行う場合に、指でつまんだアジャスタ７０を持ち変える必要がない。従って、第１角度が９０度以上、且つ１８０度以下であることで、使用者は、指でつまんだアジャスタ７０を持ち変えることなく、接眼光学系１３０の微調整ができる。よって、ＨＭＤ１は、ピント調整の操作性をさらに向上できる。

　また、反射面８９は最大照射領域８４を含む。従って、往復移動する位置に関わらず、接眼光学系１３０が面８８Ａへ照射する画像光は、反射面８９から外れることはない。従って、ＨＭＤ１は、接眼光学系１３０の位置に関わらず、安定して画像光の画像を使用者に視認させることができる。

　また、ＨＭＤ１が使用者に装着された状態で、突出部１３６、一対の摺動部１４６、一対の案内部３５、及び、カム溝７６は、使用者に対して前後方向に配置され、上下方向に配置されない。このため、ＨＭＤ１は、使用者に装着された状態で上下方向の大きさを抑制できる。従って、使用者の視野が筐体１０によって遮られる可能性は低減される。従って、ＨＭＤ１は、使用者に装着された状態で使用者の視野を良好に維持できる。

＜第２実施形態＞
　次に、本開示の他の実施形態について、図面を参照して説明する。図１０に示すように、ＨＭＤ１０１は、光学透過型のシースルーＨＭＤである。使用者の眼前の景色の光は、ハーフミラー５６を透過することによって使用者の眼に直接導かれる。ＨＭＤ１０１の投影形式は、虚像投影型である。ハーフミラー５６は、液晶パネル７２Ｂ（図１５参照、後述）に表示された画像の光を、使用者の片側の眼に向けて反射させる。ＨＭＤ１０１は、使用者に対して、眼前の景色に画像を重ねて認識させることができる。ＨＭＤ１０１は、本体部材１１、装着具８、及び、接続具９を備える。以下、図の説明の理解を助けるため、ＨＭＤ１０１の上側、下側、左側、右側、前側、及び、後側を定義する。ＨＭＤ１０１の上側、下側、左側、右側、前側、及び、後側は、例えば、図１０の上側、下側、左側、右側、左斜め下側、及び、右斜め上側にそれぞれ対応する。ＨＭＤ１０１の上側、下側、左側、右側、前側、及び、後側は、それぞれ、装着具８が使用者に着用された場合の方向に対応する。

＜装着具８、接続具９、本体部材１１＞
　装着具８は、樹脂や金属（例えば、ステンレス）などの、可撓性を有する材質で構成される。装着具８は、第１部分８Ａ及び第２部分８Ｂ、８Ｃを有する。第１部分８Ａ及び第２部分８Ｂ、８Ｃは、それぞれ、湾曲した細長い板状部材である。第１部分８Ａは、左右方向に延び、且つ、前側に凸状に湾曲する。第２部分８Ｂは、第１部分８Ａの一方側（例えば、左側）の端部から延びる。第２部分８Ｃは、第１部分８Ａの他方側（例えば、右側）の端部から延びる。第２部分８Ｂ、８Ｃは、それぞれ、第１部分８Ａと接続する側と反対側（例えば、後側）の端部が互いに近づく方向に延びる。装着具８は、使用者の前頭部、右側頭部、及び、左側頭部のそれぞれに、第１部分８Ａ、第２部分８Ｂ、８Ｃを接触させた状態で、使用者の頭部に着用される。この状態で、第１部分８Ａは使用者の額に沿って左右方向に延びる。

　接続具９は棒状である。接続具９は、樹脂や金属などで構成される。接続具９の一端側（例えば、上側）は、装着具８の第１部分８Ａのうち第２部分８Ｃと接続する部分の近傍に接続される。接続具９と装着具８とは、ボールジョイントで接続される。接続具９の他端側（例えば、下側）に、後述する本体部材１１が接続される。接続具９と本体部材１１とは、ボールジョイントで接続される。接続具９は、装着具８から離隔した位置に本体部材１１を保持する。接続具９は、装着具８が使用者の頭部に着用された状態で、本体部材１１のハーフミラー５６を、使用者の左眼の前方に配置させることができる。

　図１０、図１１、図１２に示すように、本体部材１１は、筐体１２、操作部材３、調節機構４（図６参照）、偏向ユニット５９、レンズユニット６（図１５参照）、画像ユニット７（図６参照）を備えている。偏向ユニット５９は、ホルダ５及びハーフミラー５６を有する。

＜筐体１２＞
　図１０、図１１、図１３に示すように、筐体１２は、本体部１２Ａと突出部１２Ｂとを有する。筐体１２は、支持部材の一例である。本体部１２Ａは、角が湾曲した略直方体状の形状を有する。突出部１２Ｂは、本体部１２Ａの右後側から後方に突出する。筐体１２は中空箱状である。本体部１２Ａの前側、上側、下側、後側、及び、右側を、それぞれ、第１筐体１０２１、第２筐体１０２２、第３筐体１０２３（図１０参照）、第４筐体２４（図１３参照）、及び、第５筐体２５（図１０参照）という。第１筐体１０２１の前側の面、第２筐体１０２２の上側の面、第３筐体１０２３の下側の面、第４筐体２４の後側の面、及び、第５筐体２５の右側の面を、それぞれ、第１表面２１Ｍ、第２表面２２Ｍ、第３表面２３Ｍ、第４表面２４Ｍ（図１３参照）、及び、第５表面２５Ｍ（図１０参照）という。なお、筐体１２の左側は開放し、筐体１２内部のレンズユニット６（後述）の左側は露出する。レンズユニット６の左側は、筐体１２によって覆われない。

　図１０、図１１に示すように、第１表面２１Ｍと第２表面２２Ｍとが接続する部分の近傍（以下、湾曲部分２１２という。）、第１表面２１Ｍと第３表面２３Ｍとが接続する部分の近傍（以下、湾曲部分２１３という。）は、それぞれ湾曲する。図１０に示すように、第１表面２１Ｍと第５表面２５Ｍとが接続する部分の近傍（以下、湾曲部分２１５という。）、第２表面２２Ｍと第５表面２５Ｍとが接続する部分の近傍（以下、湾曲部分２２５という。）、及び、第３表面２３Ｍと第５表面２５Ｍとが接続する部分の近傍（以下、湾曲部分２３５という。）は、それぞれ湾曲する。

　なお以下では、湾曲部分２１２のうち、接線が水平方向に対して４５度傾斜する位置を、接続位置２１２Ｓ（図１２参照）と定義する。接続位置２１２Ｓは、第１表面２１Ｍ及び第２表面２２Ｍが接続する位置である。接続位置２１２Ｓは、又、第１筐体１０２１及び第２筐体１０２２が接続する位置でもある。湾曲部分２１３のうち、接線が水平方向に対して４５度傾斜する位置を、接続位置２１３Ｓ（図１２参照）と定義する。接続位置２１３Ｓは、第１表面２１Ｍ及び第３表面２３Ｍが接続する位置である。接続位置２１３Ｓは、又、第１筐体１０２１及び第３筐体１０２３が接続する位置でもある。湾曲部分２１５のうち、接線が水平方向に対して４５度傾斜する位置を、接続位置２１５Ｓと定義する。接続位置２１５Ｓは、第１表面２１Ｍ及び第５表面２５Ｍが接続する位置である。接続位置２１５Ｓは、又、第１筐体１０２１及び第５筐体２５が接続する位置でもある。湾曲部分２２５のうち、接線が水平方向に対して４５度傾斜する位置を、接続位置２２５Ｓと定義する。接続位置２２５Ｓは、第２表面２２Ｍ及び第５表面２５Ｍが接続する位置である。接続位置２２５Ｓは、又、第２筐体１０２２及び第５筐体２５の接続する位置でもある。湾曲部分２３５のうち、接線が水平方向に対して４５度傾斜する位置を、接続位置２３５Ｓと定義する。接続位置２３５Ｓは、第３表面２３Ｍ及び第５表面２５Ｍが接続する位置である。接続位置２３５Ｓは、又、第３筐体１０２３及び第５筐体２５が接続する位置でもある。

　第２表面２２Ｍは、後側から前側に向かうに従って斜め下方向に傾斜する。第３表面２３Ｍは、後側から前側に向かうに従って斜め上方向に傾斜する。このため、第２表面２２Ｍと第３表面２３Ｍとの間の上下方向の距離は、後側から前側に向かうに従って徐々に小さくなる。従って、第５表面２５Ｍの上下方向の長さ、言い換えると、接続位置２２５Ｓと接続位置２３５Ｓとの間の上下方向の長さも、後側から前側に向かうに従って徐々に小さくなる。

　図１１に示すように、第１筐体１０２１の左端２１Ｃは、上下方向両端部から上下方向中心に向けて、右方に凹む。左端２１Ｃは略円弧を形成する。左端２１Ｃの最も右側の位置は、第２筐体１０２２の左端２２Ｃ、及び、第３筐体１０２３の左端２３Ｃのそれぞれの最も左側の位置よりも、右側に配置される。図１３に示すように、第４筐体２４の左端２４Ｃの最も左側の位置は、左端２１Ｃ、２２Ｃ、２３Ｃのそれぞれの最も左側の位置よりも、右側に配置される。

　以下、第１筐体１０２１、第２筐体１０２２、第３筐体１０２３、及び、第４筐体２４のそれぞれのうち、後述するレンズユニット６（図１５参照）よりも左側の部分を、それぞれ、第１延出部１０２１Ａ、第２延出部２２Ａ、第３延出部１０２３Ａ、及び、第４延出部２４Ａという。第１延出部１０２１Ａは、レンズユニット６の左端と、左端２１Ｃとの間に延びる部分に対応する。第２延出部２２Ａは、レンズユニット６の左端と、左端２２Ｃとの間に延びる部分に対応する。第３延出部１０２３Ａは、レンズユニット６の左端と、左端２３Ｃとの間に延びる部分に対応する。第４延出部２４Ａは、レンズユニット６の左端と、左端２４Ｃとの間に延びる部分に対応する。第１延出部１０２１Ａの上側は、第２延出部２２Ａの前側に接続する。第１延出部１０２１Ａの下側は、第３延出部１０２３Ａの前側に接続する。第１延出部１０２１Ａの後側の面、第２延出部２２Ａの下側の面、及び、第３延出部１０２３Ａの上側の面を、それぞれ、第１裏面２１Ｂ、第２裏面２２Ｂ、第３裏面１０２３Ｂという。第２裏面２２Ｂ及び第３裏面１０２３Ｂは対向する。

　図１３、図１４に示すように、第２裏面２２Ｂの前側に、前側第１規制部材２２１Ａが設けられる。前側第１規制部材２２１Ａは、第２裏面２２Ｂのうち湾曲部分２１２（図１０参照）の内側から下方に延びる板状の部材である。図５に示すように、第３裏面１０２３Ｂの前側に、前側第１規制部材２３１Ａが設けられる。前側第１規制部材２３１Ａは、第３裏面１０２３Ｂのうち湾曲部分２１３（図１０参照）の内側から上方に延びる板状の部材である。前側第１規制部材２２１Ａ、２３１Ａのそれぞれの両面は、左右方向を向く。前側第１規制部材２２１Ａ、２３１Ａのそれぞれの左右方向の位置は等しい。

　図１３に示すように、第２裏面２２Ｂの後側に、後側第１規制部材２２１Ｂが設けられる。後側第１規制部材２２１Ｂは、第２延出部２２Ａの後端に沿って下方に延びる板状の部材である。第３裏面１０２３Ｂの後側に、後側第１規制部材２３１Ｂが設けられる。後側第１規制部材２３１Ｂは、第３延出部１０２３Ａの後端に沿って上方に延びる板状の部材である。後側第１規制部材２２１Ｂ、２３１Ｂのそれぞれの両面は、前後方向を向く。前側第１規制部材２２１Ａ、２３１Ａの左右方向の位置と、後側第１規制部材２２１Ｂ、２３１Ｂの右端の左右方向の位置とは略等しい。後側第１規制部材２２１Ｂの右端、第４筐体２４の左端２４Ｃの上端、及び第２裏面２２Ｂは、上方に凹んだ溝部２２１Ｃを形成する。後側第１規制部材２３１Ｂの右端、第４筐体２４の左端２４Ｃの下端、及び第３裏面１０２３Ｂは、下方に凹んだ溝部２３１Ｃを形成する。

　図１３、図１４に示すように、第１筐体１０２１の上下方向中心、且つ、筐体１２の左右方向中心よりも左側に、前後方向に貫通する穴２１Ｄが設けられる。穴２１Ｄには、後述する調節機構４の突出部４Ａ（図１５参照）が後側から嵌る。第１筐体１０２１の穴２１Ｄの周囲に、後方に向けて円形に凹んだ凹部２１Ｅが設けられる。凹部２１Ｅには、後述する操作部材３（図１５参照）が前側から嵌る。第１裏面２１Ｂのうち、凹部２１Ｅの左側、且つ左端２１Ｃの近傍に、第２規制部材２１１が設けられる。第２規制部材２１１は、第１裏面２１Ｂの上下方向中心を含む位置から、後方に延びる板状の部材である。第２規制部材２１１は、例えば、第１裏面２１Ｂの上下方向中心を通り,且つ、前後左右方向に平行な面に対して、対称に設けられる。第２規制部材２１１の両面は、左右方向を向く。図１４に示すように、第２規制部材２１１は、前側第１規制部材２２１Ａ、２３１Ａのそれぞれの左右方向の位置よりも、右側に配置される。図１３に示すように、第２規制部材２１１は、後側第１規制部材２２１Ｂ、２３１Ｂのそれぞれの右端の左右方向の位置よりも、右側に配置される。前側第１規制部材２２１Ａ、２３１Ａ、及び、後側第１規制部材２２１Ｂ、２３１Ｂのそれぞれの右端と、第２規制部材２１１の左端との間の左右方向の長さは、後述するホルダ５（図２０参照）の第１端部５１（図２０参照）の左右方向の長さ（厚さ）と等しい。

　図１３に示すように、第４筐体２４のうち、筐体１２の左右方向中心よりも右側に、前後方向に貫通する複数の穴２４Ｄ、及び、複数の穴２４Ｅが設けられる。複数の穴２４Ｄのそれぞれは、後述する画像ユニット７を筐体１２に取り付けるための複数の螺子穴である。複数の穴２４Ｅのそれぞれは、接続具９を筐体１２に取り付けるための複数の螺子穴である。突出部１２Ｂの後端に、前後方向に貫通する穴２５Ｄが設けられる。穴２５Ｄには、通信線２８（図１１参照）が接続される。ＨＭＤ１０１は、外部機器（図示略）と通信線２８を介して接続される。外部機器は、ＨＭＤ１０１に画像データを出力する。

　第４筐体２４の第４延出部２４Ａ、より具体的には、第４筐体２４の左端２４Ｃに、筐体係合部２４１が設けられる。筐体係合部２４１は、第４筐体２４の左端２４Ｃの上下方向中心を含む位置から、左方に延びる板状の部材である。筐体係合部２４１は、例えば、左端２４Ｃの上下方向中心を通り、且つ、前後左右方向に平行な面に対して、対称に設けられる。

　図１５に示すように、筐体１２は、前側筐体１３と後側筐体１４とを組み合わせることによって形成される。前側筐体１３は、第１筐体１０２１、第２筐体１０２２及び第３筐体１０２３のそれぞれの前側部分、及び、第５筐体２５を有する。後側筐体１４は、第２筐体１０２２及び第３筐体１０２３のそれぞれの後側部分、及び、第４筐体２４を有する。レンズユニット６、画像ユニット７、及び、調節機構４の係合部４Ｂは、筐体１２内に配置される。ホルダ５は、筐体１２の左端に保持される。ホルダ５、レンズユニット６、及び、画像ユニット７は、左側から右側に向けて順番に並ぶ。調節機構４は、レンズユニット６の前側に配置される。後側筐体１４の後端部（第４筐体２４）の前側の面、即ち、第４筐体２４の内側面のうち、上下方向中心を含む位置に、後方に向けて凹んだ溝部２４２が設けられる。溝部２４２は、例えば、第４筐体２４の内側面の上下方向中心を通り、且つ、前後左右方向に平行な面に対して、対称に設けられる。溝部２４２は左右方向に一直線状に延びる。

＜画像ユニット７＞
　画像ユニット７は、通信線２８（図１１参照）を介して外部機器から受信した画像データに応じた画像の画像光を生成し、射出する。図１５に示すように、画像ユニット７は、第１保持部材１０７１、液晶表示装置１０７２、及び、第２保持部材１０７３を有する。

　第１保持部材１０７１は、円筒部材７１Ａ、側板部材７１Ｂ、７１Ｃ、７１Ｄを有する。円筒部材７１Ａは、左右方向に延びる略円筒状の部材である。後述する複数のレンズ６３のそれぞれの光軸７７（図１６参照）は、円筒部材７１Ａの中心を左右方向に延びる軸線上に配置される。図１６に示すように、円筒部材７１Ａの上側部分及び下側部分のそれぞれは湾曲せず、上下方向と直交する平面に沿って延びる。以下、円筒部材７１Ａの上側部分を、平面部７１３という。円筒部材７１Ａの下側部分を、平面部７１４という。円筒部材７１Ａの平面部７１３、７１４以外の部分、言い換えれば、円筒部材７１Ａの前側部分及び後側部分を、湾曲部７１５という。光軸７７から平面部７１３、７１４までの長さは、光軸７７から湾曲部７１５までの長さ以下となる。光軸７７から平面部７１３、７１４までの長さは、平面部７１３、７１４のそれぞれの前後方向中心で最も短くなる。平面部７１３の前後方向中心を含む位置に、内側の面が上側に凹んだ溝部７１３Ａが設けられる。溝部７１３Ａは、例えば、平面部７１３の前後方向中心を通り、且つ、上下左右方向に平行な面に対して、対称に設けられる。平面部７１４の前後方向中心を含む位置に、内側の面が下側に凹んだ溝部７１４Ａが設けられる。溝部７１４Ａは、例えば、平面部７１４の前後方向中心を通り、且つ、上下左右方向に平行な面に対して、対称に設けられる。溝部７１３Ａ、７１４Ａのそれぞれは、円筒部材７１Ａの左右両端部の間に亙って延びる。

　図１５に示すように、側板部材７１Ｂ、７１Ｃ、７１Ｄは、それぞれ、円筒部材７１Ａの右端部から右側に延びる平面板状の部材である。側板部材７１Ｂ、７１Ｃのそれぞれの複数の互いに平行な一対の平面のうち、面積の最も大きい一対の平面のそれぞれは、前後方向を向く。側板部材７１Ｄの複数の互いに平行な一対の平面のうち、面積の最も大きい一対の平面のそれぞれは、上下方向を向く。側板部材７１Ｂの下端は、側板部材７１Ｄの前端に接続し、側板部材７１Ｃの下端は、側板部材７１Ｄの後端に接続する。複数の穴２４Ｄ（図１３参照）に挿入される螺子は、側板部材７１Ｃに設けられた螺子穴７１１に締められる。これによって、画像ユニット７は、筐体１２のうち後側筐体１４に保持され、筐体１２に対する位置が固定される。

　図１６に示すように、画像ユニット７は、側板部材７１Ｂから前方に向けて突出する突出部７１２Ａ、７１２Ｂ、７１２Ｃを有する。突出部７１２Ａ、７１２Ｂ、７１２Ｃは板状である。突出部７１２Ａ、７１２Ｂは左右方向に平行に延びる。突出部７１２Ａは、突出部７１２Ｂよりも上側に配置される。突出部７１２Ｃは上下方向に延びる。突出部７１２Ｃの上端は、突出部７１２Ａの右端に接続し、突出部７１２Ｃの下端は、突出部７１２Ｂの右端に接続する。突出部７１２Ａ、７１２Ｂ、７１２Ｃのそれぞれの前端部の前後方向の位置は同一である。即ち、突出部７１２Ａ、７１２Ｂ、７１２Ｃのそれぞれの前端部は、前後方向と直交する仮想的な平面上に配置される。以下、突出部７１２Ａ、７１２Ｂ、７１２Ｃを総称して、突出部７１２という。

　図１５に示すように、液晶表示装置１０７２は、ガラス基板１０７２Ａ及び液晶パネル７２Ｂを有する。ガラス基板１０７２Ａ及び液晶パネル７２Ｂは、第１保持部材１０７１のうち側板部材７１Ｂ、７１Ｃ、７１Ｄで囲まれた部分に配置される。液晶パネル７２Ｂは矩形状の周知の液晶パネルである。液晶パネル７２Ｂは、左側面に画像を表示させることによって、画像光を生成する。ガラス基板１０７２Ａは、液晶パネル７２Ｂの左側面に設けられ、液晶パネル７２Ｂの表示面を保護する。例えば、液晶パネル７２Ｂが反射型液晶の場合、光源（非図示）からの光が液晶パネル７２Ｂに入射する。液晶パネル７２Ｂは、入射した光を反射することで、画像光を生成する。液晶パネル７２Ｂによって生成された画像光は、ガラス基板１０７２Ａを左側に透過する。

　第２保持部材１０７３は、基板保持部分７３Ａ及び制御基板７３Ｂを有する。基板保持部分７３Ａは、液晶表示装置１０７２の液晶パネル７２Ｂの右側に配置される。制御基板７３Ｂは、基板保持部分７３Ａの右側に配置される。制御基板７３Ｂは、フレキシブルプリント基板（図示略）を介して液晶パネル７２Ｂに接続される。制御基板７３Ｂに通信線２８（図１１参照）が接続される。制御基板７３Ｂは、外部機器から送信された画像データを、通信線２８を介して受信する。制御基板７３Ｂは、フレキシブルプリント基板を介して液晶パネル７２Ｂに制御信号を出力することによって、画像データに応じた画像を液晶パネル７２Ｂに表示させる。

　なお、本発明において、液晶パネル７２Ｂの代わりに、Digital Mirror Device（ＤＭＤ）、有機ＥＬ等の二次元表示装置が用いられてもよい。更に、２次元的に走査された光を使用者の網膜上に投影する網膜走査型の投影装置（Retinal Scanning Display）が用いられてもよい。

＜レンズユニット６＞
　レンズユニット６は、画像ユニット７の左側に配置される。レンズユニット６は、画像ユニット７から射出された画像光を、レンズユニット６の左側に配置されたハーフミラー５６に導く。レンズユニット６は、保持部材６１、円筒部材６２、及び、複数のレンズ６３を有する。

　保持部材６１は、左右方向に延びる略円筒状の部材である。保持部材６１の内側に複数のレンズ６３が固定されている。複数のレンズ６３のそれぞれの光軸は、保持部材６１の中心を左右方向に延びる軸線上に配置されている。図１８に示すように、保持部材６１の上側部分及び下側部分のそれぞれは湾曲せず、上下方向と直交する平面に沿って延びる。以下、保持部材６１の上側部分を、平面部６１Ｃという。保持部材６１の下側部分を、平面部６１Ｄという。平面部６１Ｃ、６１Ｄのそれぞれの前端部の間に架設された湾曲部を、湾曲部６１Ａという。平面部６１Ｃ、６１Ｄのそれぞれの後端部の間に架設された湾曲部を、湾曲部６１Ｂという。

　湾曲部６１Ａのうち上下方向中心を含む位置に、前方に向けて突出する突出部６４が設けられる。突出部６４は、例えば、湾曲部６１Ａの上下方向中心を通り、且つ、前後左右方向に平行な面に対して、対称に設けられる。突出部６４は円柱状である。突出部６４は、後述する調節機構４の係合部４Ｂのカム溝４２（図１９参照）に嵌る。湾曲部６１Ｂのうち上下方向中心を含む位置に、後方に向けて突出する突出部６５が設けられる。突出部６５は、例えば、湾曲部６１Ｂの上下方向中心を通り、且つ、前後左右方向に平行な面に対して、対称に設けられる。図１７に示すように、突出部６５は棒状である。突出部６５の左右方向の長さは、上下方向の長さよりも長い。突出部６５は、第４筐体２４の溝部２４２（図１５参照）に嵌る。これによって、レンズユニット６は、筐体１２のうち後側筐体１４に左右方向に移動可能に保持される。

　図１５に示すように、円筒部材６２は、左右方向に延びる略円筒状の部材である。円筒部材６２は、保持部材６１の右側に設けられる。複数のレンズ６３のそれぞれの光軸７７（図１８参照）は、円筒部材６２の中心を左右方向に延びる軸線上に配置される。図１８に示すように、円筒部材６２の上側部分及び下側部分のそれぞれは湾曲せず、上下方向と直交する平面に沿って延びる。以下、円筒部材６２の上側部分を、平面部６２Ｃという。円筒部材６２の下側部分を、平面部６２Ｄという。円筒部材６２の平面部６２Ｃ、６２Ｄ以外の部分、言い換えれば、円筒部材６２の前側部分及び後側部分を、湾曲部６２Ａという。光軸７７から平面部６２Ｃ、６２Ｄまでの長さは、光軸７７から湾曲部６２Ａまでの長さ以下となる。光軸７７から平面部６２Ｃ、６２Ｄまでの長さは、平面部６２Ｃ、６２Ｄのそれぞれの前後方向中心で最も短くなる。平面部６２Ｃの前後方向中心を含む位置に、外側の面から上側に突出する突出部６２１Ｃが設けられる。突出部６２１Ｃは、例えば、平面部６２Ｃの前後方向中心を通り、且つ、上下左右方向に平行な面に対して、対称に設けられる。平面部６２Ｄの前後方向中心を含む位置に、外側の面から下側に突出した突出部６２１Ｄが設けられる。突出部６２１Ｄは、例えば、平面部６２Dの前後方向中心を通り、且つ、上下左右方向に平行な面に対して、対称に設けられる。突出部６２１Ｃ、６２１Ｄのそれぞれは、円筒部材６２の左右両端部の間に亙って延びる。突出部６２１Ｃ、６２１Ｄのそれぞれの前後方向の長さは、溝部７１３Ａ、７１４Ａ（図１６参照）のそれぞれの前後方向の長さと略同一である。

　レンズユニット６の円筒部材６２の外側の壁面の断面形状と、画像ユニット７の円筒部材７１Ａの円筒部材７１Ａの内側の壁面の断面形状とは、略等しい。円筒部材６２の右側の少なくとも一部は、円筒部材７１Ａの左側の少なくとも一部の内側に嵌る。この状態で、円筒部材７１Ａの左端部は、円筒部材６２の右端部よりも左側に配置される。円筒部材６２と円筒部材７１Ａとは、左右方向に重複する。このとき、円筒部材６２の突出部６２１Ｃの右側の少なくとも一部は、円筒部材７１Ａとの左右方向の重複部分で、溝部７１３Ａの左側の少なくとも一部に嵌る。円筒部材６２の突出部６２１Ｄの右側の少なくとも一部は、円筒部材７１Ａとの左右方向の重複部分で、円筒部材７１Ａの溝部７１４Ａの左側の少なくとも一部に嵌る。

　画像ユニット７によって生成された画像光は、円筒部材６２の内部に右側から入射し、保持部材６１及び円筒部材６２内部を通過し、保持部材６１の左端から左側に向けて射出する。複数のレンズ６３は、右側から入射する画像光を屈折させ、左側に出射させる。

＜操作部材３＞
　図１５に示すように、操作部材３は円錐台状の部材である。操作部材３の中心軸は、前後方向に延びる。操作部材３は、中心軸を支点として回動可能である。操作部材３は、前端面３Ａ、後端面３Ｂ、及び、側面３Ｃを有する。前端面３Ａは、操作部材３の前側の底部である。前端面３Ａは、円錐台形状の上底に対応する。後端面３Ｂは、操作部材３の後側の底面である。後端面３Ｂは、円錐台形状の下底に対応する。前端面３Ａ及び後端面３Ｂは、それぞれ、前後方向に直交する。後端面３Ｂには、調節機構４の突出部４Ａ（後述）が嵌合する嵌合溝（図示略）が設けられている。側面３Ｃは、円錐台形状の側面に対応する。側面３Ｃには、前後方向に延びる複数の凹凸が設けられている。凹凸は、使用者が指を側面３Ｃに接触させて力を加えた場合に、操作部材３に対して指が滑ることを防止する。

　後端面３Ｂは、第１筐体１０２１に設けられた凹部２１Ｅに嵌る。なお、凹部２１Ｅは、第１筐体１０２１のうち筐体１２の左右方向中心よりも左側に設けられているので、操作部材３は、筐体１２の左右方向中心よりも左側に配置される。前端面３Ａと後端面３Ｂとの間の距離、即ち、操作部材３の前後方向の長さＬｈは、使用者が側面３Ｃに指を接触させて操作部材を回転させるために適切な所定の長さ（例えば３ｍｍ）に設定される。なお、後端面３Ｂの前後方向の位置は、第１筐体１０２１の第１表面２１Ｍのうち操作部材３が設けられる部分の前後方向の位置と略等しい。従って、図１２に示すように、操作部材３の第１表面２１Ｍに対する高さ（＝長さＬｈ）は３ｍｍになる。なお、本発明において、長さＬｈは３ｍｍに限定されず、３ｍｍよりも大きい値であってもよい。

　図１２に示すように、前端面３Ａの直径Ｌｆは、後端面３Ｂ（図１５参照）の直径Ｌｒよりも小さい。このため、操作部材３の左右方向の特定の位置（以下、「左右特定位置」という。）における前端面３Ａの上下方向の長さは、左右特定位置における後端面３Ｂの上下方向の長さよりも常に短くなる。又、操作部材３の上下方向の特定の位置（以下、「上下特定位置」という。）における前端面３Ａの左右方向の長さは、上下特定位置における後端面３Ｂの左右方向の長さよりも常に短くなる。又、操作部材３において、中心軸の延びる方向（前後方向）に対する側面３Ｃの角度θは、使用者が筐体１２を親指と人差し指で上下から保持した状態で、中指の腹と側面３Ｃとが、操作を容易にする程度に平行となるように、所定の角度（例えば４０度）に設定される。なお、本開示において、角度θは４０度に限定されず、４０度よりも小さい値であってもよい。

＜調節機構４＞
　図１５に示すように、調節機構４は、突出部４Ａ及び係合部４Ｂを有する。係合部４Ｂは円形板状の部材である。係合部４Ｂの平行に配置する両面は、前後方向を向く。係合部４Ｂの側面に、前後方向に延びる複数の凹部１０４１が設けられている。筐体１２の内部に設けられた板バネ４０は、複数の凹部１０４１の何れかに係合する。突出部４Ａは、係合部４Ｂの円形の中心付近から前方に向けて突出する。突出部４Ａは、第１筐体１０２１の穴２１Ｄに後側から進入し、第１筐体１０２１の第１表面２１Ｍの前側に突出する。突出部４Ａのうち、第１表面２１Ｍの前側に突出した部分の前端は、操作部材３の後端面３Ｂの嵌合溝（図示略）に嵌合する（図２４、図２５参照）。これによって、操作部材３及び調節機構４は、前側筐体１３の第１筐体１０２１に保持される。調節機構４は、係合部４Ｂの円形中心を通って前後方向に延びる軸を支点として、操作部材３と一体となって回動可能である。なお、調節機構４は、操作部材３と一体に形成されてもよい。

　操作部材３及び調節機構４が第１筐体１０２１に保持された状態では、図１２に示すように、後端面３Ｂ（図１５参照）の直径Ｌｒは、第１表面２１Ｍの上下方向の長さ、詳細には、接続位置２１２Ｓと接続位置２１３Ｓとの間の上下方向の長さＬ１よりも短い。後端面３Ｂの上側の端部は、第１表面２１Ｍの上側の端部、即ち、接続位置２１２Ｓよりも下側に配置され、後端面３Ｂの下側の端部は、第１表面２１Ｍの下側の端部、即ち、接続位置２１３Ｓよりも上側に配置される。

　図１９に示すように、係合部４Ｂの後側面にカム溝４２が設けられる。カム溝４２は、係合部４Ｂの後側面の一部が前方に向けて凹むことによって形成される。カム溝４２は、係合部４Ｂの円形中心Ｘを支点として渦巻き状に延びる。カム溝４２は、後側からみた状態で、時計回りに旋回するに従って円形中心Ｘから離間する。以下、カム溝４２の形状を説明する場合には、後側から見た状態を前提とする。カム溝４２は、第１端４２Ａと第２端４２Ｂとを有する。第１端４２Ａは、カム溝４２のうち時計回り方向の端部であり、第２端４２Ｂは、反時計回り方向の端部である。円形中心Ｘから第１端４２Ａを通過して外側に延びる方向４８と、円形中心Ｘから第２端４２Ｂを通過して外側に延びる方向１０４９とのなす角度のうち、カム溝４２側の角度φは、１２０度である。なお、本開示において、角度φは１２０度に限定されず、１２０度よりも小さい値であってもよい。カム溝４２には、操作部材３及び調節機構４が第１筐体１０２１に保持された状態で、レンズユニット６の突出部６４が後方から嵌る。

＜偏向ユニット５９＞
　偏向ユニット５９は、ハーフミラー５６及びホルダ５を有する。図１５に示すように、ハーフミラー５６は、レンズユニット６の左側に配置される。ハーフミラー５６は、後述するホルダ５によって、筐体１２に対する位置が固定される。このため、筐体１２に対して固定的な位置に保持される画像ユニット７との間の距離は、固定的となる。ハーフミラー５６は、レンズユニット６を通過して右側から入射する画像光を、後側に反射させることができる。使用者の眼は、ハーフミラー５６によって後側に反射された画像光に基づいて、虚像を視認できる。又、ハーフミラー５６は、前側から入射した外界の光を後側に透過させることができる。

　ハーフミラー５６は矩形板状である。ハーフミラー５６は、例えば、透明な樹脂やガラスの基板上に、アルミや銀などの金属を所定の反射率（例えば５０％）となるように蒸着することで構成される。ハーフミラー５６は、後述するホルダ５によって保持される。ホルダ５に保持された状態のハーフミラー５６の両面のうち一方の面５６Ｂは、右斜め後方を向き、他方の面５６Ｃは、左斜め前方を向く。ハーフミラー５６は、面５６Ｂ、５６Ｃのそれぞれに入射した光の一部（例えば５０％）を反射させ、他部を透過させることができる。

　なお、本開示において、上記のハーフミラー５６の代わりに、面５６Ｂに入射した画像光を後側に全反射させることが可能な反射部材が用いられてもよい。又、ハーフミラー５６の代わりに、プリズムや回折格子のような光路偏向部材が用いられてもよい。

　ホルダ５は、レンズユニット６の左側に配置され、ハーフミラー５６を保持する。図２０、図２１に示すように、ホルダ５は基礎部材５０を備える。基礎部材５０は、それぞれが板状の第１端部５１、第２端部５２、第３端部５３、及び、第４端部５４を有する。第１端部５１の３つの互いに平行な一対の平面のうち、面積の最も大きい一対の平面のそれぞれは、左右方向を向く。第１端部５１の前端の上側及び下側の角は湾曲する。第２端部５２は、第１端部５１の後端部の上側から後方に延びる。第３端部５３は、第１端部５１の後端部の下側から後方に延びる。第２端部５２及び第３端部５３のそれぞれの３つの互いに平行な一対の平面のうち、面積の最も大きい一対の平面のそれぞれは、上下方向を向く。第４端部５４は、第２端部５２及び第３端部５３のそれぞれの後端部の間に架設される。第４端部５４の３つの互いに平行な一対の平面のうち、面積の最も大きい一対の平面のそれぞれは、前後方向を向く。第４端部５４の左右方向の長さは、第２端部５２及び第３端部５３のそれぞれの左右方向の長さよりも短い。第１端部５１、第２端部５２、第３端部５３、及び、第４端部５４のそれぞれの右端の面の左右方向の位置は一致し、それぞれは同一平面を形成する。第１端部５１～第４端部５４によって囲まれた部分に、穴５１Ｂが形成される。以下、図２１に示すように、第１端部５１、第２端部５２、第３端部５３、及び、第４端部５４のそれぞれの右端の面を、それぞれ、第１端面５１Ａ、第２端面５２Ａ、第３端面５３Ａ、及び、第４端面５４Ａという。

　図２０に示すように、第２端部５２の左前側の角の近傍に、上下方向に貫通する穴５２Ｃが設けられる。第３端部５３の左前側の角の近傍に、上下方向に貫通する穴５３Ｃが設けられる。図１５に示すように、ハーフミラー５６の上端部から上方に突出する上側突出部５６Ａは、穴５２Ｃに下方から嵌る。ハーフミラー５６の下端部から下方に突出する下側突出部（図示略）は、穴５３Ｃに上方から嵌る。ホルダ５は、ハーフミラー５６の上側突出部５６Ａを穴５２Ｃで支持し、且つ、ハーフミラー５６の下側突出部（図示略）を穴５３Ｃで支持することによって、ハーフミラー５６を保持する。ハーフミラー５６は、第１端面５１Ａ～第４端面５４Ａのそれぞれを含む平面に対して左側に配置される。

　図２０、図２１に示すように、第２端部５２のうち、第４端部５４と接続する部分の上面に、ホルダ突出部５２Ｂが設けられる。ホルダ突出部５２Ｂは、延設部５２１Ｂ、５２２Ｂを備える。延設部５２１Ｂは、第２端面５２Ａ（図２１参照）に対して左方に突出する板状の部位である。延設部５２１Ｂの左右方向の長さは、第４延出部２４Ａの左端２４Ｃの上端と、後側第１規制部材２２１Ｂの右端との間の左右方向の長さ（以下、「溝部２２１Ｃの左右方向の長さ」ともいう。）と等しい（図１３参照）。延設部５２２Ｂは、延設部５２１Ｂの左端から前方に向けて延びる板状の部位である。第３端部５３のうち、第４端部５４と接続する部分の下面に、ホルダ突出部５３Ｂが設けられる。ホルダ突出部５３Ｂは、延設部５３１Ｂ、５３２Ｂを備える。延設部５３１Ｂは、第３端面５３Ａに対して左方に突出する板状の部位である。延設部５３１Ｂの左右方向の長さは、第４延出部２４Ａの左端２４Ｃの下端と、後側第１規制部材２３１Ｂの右端との間の左右方向の長さ（以下、「溝部２３１Ｃの左右方向の長さ」ともいう。）と等しい。延設部５３２Ｂは、延設部５３１Ｂの左端から前方に向けて延びる板状の部位である。

　図２１に示すように、第４端部５４の第４端面５４Ａに、第１ホルダ係合部５４１Ａ、及び、第２ホルダ係合部５４２Ａ、５４２Ｂが設けられる。第１ホルダ係合部５４１Ａは、第４端面５４Ａの上下方向中心、且つ前後方向中心よりも前側から、右方に突出する。第２ホルダ係合部５４２Ａは、第４端面５４Ａの上下方向中心よりも上側、且つ、前後方向中心よりも後側から、右方に突出する。第２ホルダ係合部５４２Ｂは、第４端面５４Ａの上下方向中心よりも下側、且つ、前後方向中心よりも後側から、右方に突出する。

　偏向ユニット５９は、筐体１２に着脱可能に支持される。図２２は、偏向ユニット５９が筐体１２に装着される前の状態を示す。偏向ユニット５９は、第２筐体１０２２の第２延出部２２Ａ、及び、第３筐体１０２３の第３延出部１０２３Ａによって上下方向を覆われた領域に対して、ホルダ５が後側から前側に移動することによって、筐体１２に装着される。偏向ユニット５９が筐体１２に装着される過程で、ホルダ５のホルダ突出部５２Ｂは、第２延出部２２Ａの溝部２２１Ｃに後側から入り込み、ホルダ５のホルダ突出部５３Ｂは、第３延出部１０２３Ａの溝部２３１Ｃに後側から入り込む（図１３参照）。ホルダ５の第２端部５２は、筐体１２の第２延出部２２Ａの第２裏面２２Ｂの下側を、第２裏面２２Ｂに沿って平行に移動する。ホルダ５の第３端部５３は、筐体１２の第３延出部１０２３Ａの第３裏面１０２３Ｂの上側を、第３裏面１０２３Ｂに沿って平行に移動する。

　偏向ユニット５９が筐体１２に装着される過程で、第１ホルダ係合部５４１Ａ（図２１参照）は、第４筐体２４の左端２４Ｃに設けられた筐体係合部２４１（図１３参照）に対して後側から接触する。ホルダ５に対して前側に更に力が加えられた場合、第４端部５４が左側に撓むことによって、第１ホルダ係合部５４１Ａは、筐体係合部２４１の左側を乗り越えて、筐体係合部２４１の前側に移動する。

　図２３は、偏向ユニット５９が筐体１２に装着された状態を示す。ホルダ５の第１端部５１の前端は、第１筐体１０２１の第１延出部１０２１Ａの第１裏面２１Ｂ（図２２参照）の左端２１Ｃの近傍に、後側から接触する。これによって、ホルダ５の前方への移動は規制される。ホルダ５は、第２筐体１０２２の第２延出部２２Ａ、及び、第３筐体１０２３の第３延出部１０２３Ａによって上下方向を覆われた領域に配置される。ホルダ５は、第１端面５１Ａ～第４端面５４Ａ（図２１参照）に対して左側にハーフミラー５６を保持する（図１５参照）ので、ハーフミラー５６は、第１端部５１が接触する第１裏面２１Ｂよりも左側に配置される。

　ホルダ５の第１端部５１の第１端面５１Ａ（図２１参照）のうち、上下方向中心を含む位置に、第２規制部材２１１（図２２参照）の左側面が接触する。ホルダ５の第１端部５１の左端面のうち上側の位置に、前側第１規制部材２２１Ａ（図１４参照）が接触する。ホルダ５の第１端部５１の左端面のうち下側の位置に、前側第１規制部材２３１Ａの右側面が接触する。

　なお、前側第１規制部材２２１Ａ、２３１Ａのそれぞれの右端と、第２規制部材２１１の左端との間の長さは、ホルダ５の第１端部５１の左右方向の長さ（厚さ）と等しい。従って、偏向ユニット５９が筐体１２に装着された状態で、前側第１規制部材２２１Ａ、２３１Ａのそれぞれの右端面と、第２規制部材２１１の左端面とは、ホルダ５の前側の左右方向の移動を規制する。

　ホルダ突出部５２Ｂ（図２０参照）の延設部５２１Ｂは、溝部２２１Ｃに嵌る。延設部５２１Ｂの右端、即ち、第２端面５２Ａの後端部は、溝部２２１Ｃを構成する第４延出部２４Ａの左端２４Ｃの上端部に接触する。延設部５２１Ｂの左端は、後側第１規制部材２２１Ｂの右端に接触する。ホルダ突出部５３Ｂの延設部５３１Ｂは、溝部２３１Ｃに嵌る。延設部５３１Ｂの右端、即ち、第３端面５３Ａの後端部は、溝部２３１Ｃを構成する第４延出部２４Ａの左端２４Ｃの下端部に接触する。延設部５３１Ｂの左端は、後側第１規制部材２３１Ｂの右端に接触する。

　ホルダ５の第２端部５２の上側の面は、筐体１２の第２延出部２２Ａの第２裏面２２Ｂ（図１３参照）よりも下側に、第２端部５２に対するホルダ突出部５２Ｂの上方向の突出量分離隔して対向配置する。ホルダ５の第３端部５３（図２０参照）の下側の面は、筐体１２の第３延出部１０２３Ａの第３裏面１０２３Ｂ（図１３参照）よりも上側に、第３端部５３に対するホルダ突出部５３Ｂの下方向の突出量分離隔して対向配置する。

　なお、延設部５２１Ｂの左右方向の長さと溝部２２１Ｃの左右方向の長さは等しい。又、延設部５３１Ｂの左右方向の長さと溝部２３１Ｃの左右方向の長さは等しい。従って、偏向ユニット５９が筐体１２に装着された状態で、溝部２２１Ｃを構成する後側第１規制部材２２１Ｂの右端と第４延出部２４Ａの左端２４Ｃの上端部とは、ホルダ５の後側の左右方向の移動を規制する。又、偏向ユニット５９が筐体１２に装着された状態で、溝部２３１Ｃを構成する後側第１規制部材２３１Ｂの右端と第４延出部２４Ａの左端２４Ｃの下端部とは、ホルダ５の左右方向の移動を規制する。

　偏向ユニット５９が筐体１２に装着された状態で、筐体係合部２４１（図１３参照）の前側面は、第１ホルダ係合部５４１Ａ（図２１参照）の後側面に接触する。筐体係合部２４１の後側面は、第２ホルダ係合部５４２Ａ、５４２Ｂのそれぞれの前側面に接触する。このように、第１ホルダ係合部５４１Ａ及び第２ホルダ係合部５４２Ａ、５４２Ｂと、筐体係合部２４１とは係合する。従って、ホルダ５の前後方向の移動は、筐体係合部２４１によって規制され、偏向ユニット５９が筐体１２に装着された状態は維持される。

＜動作概要（ピント調節）＞
　ＨＭＤ１０１の動作概要について説明する。初めに使用者は、ＨＭＤ１０１の装着具８（図１０参照）を頭部に着用する。使用者は、偏向ユニット５９が筐体１２に装着された状態の本体部材１１を持ち、ハーフミラー５６が左眼の前方に配置されるように位置を調節する。

　外部機器（図示略）から、画像データの出力が開始される。制御基板７３Ｂ（図１５参照）は、通信線２８（図１１参照）を介して画像データを受信する。制御基板７３Ｂは、受信した画像データに応じた画像を、液晶パネル７２Ｂに表示させる。液晶パネル７２Ｂに表示された画像の画像光は、ガラス基板１０７２Ａ及び円筒部材７１Ａを左側に通過し、画像ユニット７から左側に射出する。画像ユニット７から射出した画像光は、レンズユニット６の複数のレンズ６３を左側に通過し、レンズユニット６から左側に射出する。ハーフミラー５６は、レンズユニット６から射出された画像光を後側に反射させる。画像光は使用者の左眼に入射する。又、ハーフミラー５６は、前側から入射した外界の光を後側に透過させる。これによって使用者は、ＨＭＤ１０１の本体部材１１に対して前側の景色に虚像を重ねて認識する。

　ピント調節を行なうために使用者が操作部材３を回転させた場合の、レンズユニット６の動きについて説明する。操作部材３の回動に応じて調節機構４が回動する場合、突出部６４（図１５参照）は、係合部４Ｂのカム溝４２（図１９参照）に沿って移動する。突出部６４の移動に応じてレンズユニット６が移動するとき、溝部２４２は、突出部６５（図１７参照）の上下方向への移動を規制する。このためレンズユニット６は、調節機構４の回動に応じて左右方向に移動する。なお、以下における回転方向（時計回り又は反時計回り）の説明は、特段の限定がない限り、ＨＭＤ１０１を前側から見た時の方向を示すものとする。

　図２４を参照し、操作部材３が時計回りに回動した場合を例に挙げて具体的に説明する。操作部材３の回動に応じて調節機構４が回転した場合、カム溝４２（図１９参照）を形成する前後方向に伸びる互いに平行な一対の壁面は、接触する突出部６４に対して右側に力を作用させ、突出部６４を右側に移動させる。突出部６４の移動に伴い、レンズユニット６は右側に移動する。レンズユニット６の円筒部材６２（図１５参照）は、画像ユニット７の円筒部材７１Ａ内に入り込む。円筒部材６２の突出部６２１Ｃ（図１８参照）は、円筒部材７１Ａの溝部７１３Ａに沿って右側に移動し、円筒部材６２の突出部６２１Ｄ（図１８参照）は、円筒部材７１Ａの溝部７１４Ａ（図１６参照）に沿って右側に移動する。カム溝４２の第１端４２Ａ（図１９参照）に突出部６４が接触することによって、操作部材３の時計回りの回動は規制される。このとき、レンズユニット６の保持部材６１の右端は、画像ユニット７の円筒部材７１Ａの左端に近接する。画像ユニット７の液晶パネル７２Ｂ（図１５参照）と、レンズユニット６の複数のレンズ６３とは最も近接する。以下、レンズユニット６と画像ユニット７とが最も近接した図１５の状態を、第１状態という。

　図２５を参照し、操作部材３が反時計回りに回動した場合を例に挙げて具体的に説明する。操作部材３の回動に応じて調節機構４が回転した場合、カム溝４２（図１９参照）を形成する前後方向に伸びる互いに平行な一対の壁面は、接触する突出部６４に対して左側に力を作用させ、突出部６４を左側に移動させる。突出部６４の移動に伴い、レンズユニット６は左側に移動する。レンズユニット６の円筒部材６２は、画像ユニット７の円筒部材７１Ａ内から左方外側に移動する。円筒部材６２の突出部６２１Ｃは、円筒部材７１Ａの溝部７１３Ａに沿って左側に移動し、円筒部材６２の突出部６２１Ｄは、円筒部材７１Ａの溝部７１４Ａ（図１６参照）に沿って左側に移動する。カム溝４２の第２端４２Ｂに突出部６４が接触することによって、操作部材３の反時計回りの回動は規制される。このとき、レンズユニット６の保持部材６１の右端は、画像ユニット７の円筒部材７１Ａの左端に対して左側に離隔する。画像ユニット７の液晶パネル７２Ｂ（図１５参照）と、レンズユニット６の複数のレンズ６３とは最も離隔する。以下、レンズユニット６と画像ユニット７とが最も離隔した図１６の状態を、第２状態という。

　なお、レンズユニット６が左右方向に移動したとき、複数のレンズ６３によって、ユーザによって視認される虚像となる画像光の広がり角が変化する。従って使用者は、操作部材３を回動させることによってピント調節を行うことができる。なお、図１９に示すように、方向４８と方向１０４９とのなす角度φは１２０度であるので、操作部材３の回動可能な角度も１２０度になる。

　操作部材３及び調節機構４の回動に応じてレンズユニット６が左右方向に移動するとき、円筒部材６２と円筒部材７１Ａとのそれぞれの左右方向の少なくとも一部は、常に重なる。このため、画像ユニット７によって生成された画像光は、レンズユニット６が左右方向に移動しても、画像ユニット７及びレンズユニット６から外部に漏れ出ない。

　調節機構４が回動する過程で、複数の凹部１０４１のうち１つに板バネ４０（図１５参照）が係合した状態から、複数の凹部１０４１のうち隣接する他に板バネ４０が係合した状態に変化する。調節機構４の回動は、凹部１０４１に板バネ４０が係合した状態で抑制され、調節機構４の位置は安定化する。このため使用者は、操作部材３及び調節機構４を所望する位置に容易に保持させることができるので、ピント調節を容易に行うことができる。

＜効果＞
　使用者は、装着具８を着用し、左眼（向かって右側の眼）の前にハーフミラー５６を配置させる。ここで、図２６に示すように、使用者が左手（向かって右側の手）の人差し指１０８５と親指８７とで筐体１２の第２表面２２Ｍ及び第３表面２３Ｍを上下方向から挟んで筐体１２を保持し、中指８６によって、第１表面２１Ｍの操作部材３に力を加えて回動させる場合を例に挙げる。ここで、操作部材３は、前後方向に延びる軸を支点として回動可能であるため、使用者は、右上から左下（向かって左上から右下）に向けて傾斜した方向に中指８６を移動させることによって、操作部材３を回動させることができる。なお使用者は、上記のように中指８６を移動させる動作を、中指８６を伸縮させることによって実現できる。このため使用者は、操作部材３を回動させる動作を自然に行うことができる。従ってＨＭＤ１０１は、使用者がピント調整を行うときの操作部材３の操作性を良好にできる。

　又、操作部材３は、第１表面２１Ｍのうち、筐体１２の左右方向の中心よりも左側の位置に設けられる（図１０等参照）。この場合、使用者が左手（向かって右側の手）の人差し指１０８５と親指８７とで筐体１２を保持した場合に、人差し指１０８５及び親指８７と筐体１２（第２表面２２Ｍ及び第３表面２３Ｍ）との接触面積をより大きくできる。従って使用者は、筐体１２を適切に保持した状態で操作部材３を操作できる。

　操作部材３の上端部は、第１表面２１Ｍの上端部、即ち、接続位置２１２Ｓよりも下側に配置される。又、操作部材３の下端部は、第１表面２１Ｍの下端部、即ち、接続位置２１３Ｓよりも上側に配置される。この場合、使用者は、筐体１２を保持する人差し指１０８５よりも掌側で、中指８６を移動させ、操作部材３に力を加えて回動させることができる。なお通常、使用者が中指８６を伸縮させるとき、中指８６は、人差し指１０８５よりも掌側を移動する。従って使用者は、中指８６の伸縮動作によって操作部材３を適切に回動させることができる。このように、ＨＭＤ１０１は、使用者がピント調整を行うときの操作部材３の操作性をより良好にできる。

　操作部材３の側面３Ｃは、前後方向に対して傾斜する。なお、使用者が人差し指１０８５によって筐体１２を保持した状態で、中指８６を掌側に移動させた場合、中指８６の腹の部分８６Ａは、人差し指１０８５の腹の部分８５Ａに対して傾斜する。従って使用者は、中指８６を操作部材３に接触させたときに、操作部材３に力を加え易くなる。このため使用者は、操作部材３を更に容易に操作できる。

　操作部材３は錐台形状を有しており、前後方向と側面３Ｃとのなす角度の鋭角は４０度である。ここで、使用者が中指８６を掌側に移動させたときの、人差し指１０８５の腹の部分８５Ａに対する中指８６の腹の部分８６Ａの角度は、４０度以下となる場合が多い。従って使用者は、操作部材３の側面３Ｃに対して中指８６の腹の部分８６Ａを密着させて力を加えることが容易に可能となる。このため使用者は、操作部材３を更に容易に操作できる。

　レンズユニット６は、操作部材３が１２０度回動することによって、最も右側に移動した状態（図２４参照）から、最も左側に移動した状態（図２５参照）まで変化する。このため使用者は、ピント調整を行うときに操作部材３を何周も回転させる必要がないので、操作部材３に対する操作によるピント調節の応答性を良好にできる。

　筐体１２の第１表面２１Ｍから、操作部材３の前端面３Ａまでの前後方向の長さは、３ｍｍである。この場合、使用者は、操作部材３の側面３Ｃに対して中指８６の腹の部分８６Ａを適切に密着させて力を加えることができる。

　筐体１２の第１表面２１Ｍと第２表面２２Ｍとが接続する湾曲部分２１２、及び、第１表面２１Ｍと第３表面２３Ｍとが接続する湾曲部分２１３は、それぞれ湾曲する。この場合、使用者は、第２表面２２Ｍから操作部材３に向けて中指８６を近づける過程で、中指８６が筐体１２の角に引っ掛かることを抑制できる。このため使用者は、操作部材３の操作をスムーズに行うことができる。

　第２表面２２Ｍと第３表面２３Ｍとの間の距離は、後方から前方に向かうに従って小さくなる。この場合、使用者が筐体１２を保持するために第２表面２２Ｍに接触させた人差し指１０８５を、後方斜め上側から前方斜め下側に向けて自然に傾斜させることができる。この場合、使用者は、中指８６を、後方斜め上側から前方斜め下側に更に傾斜させ易くなる。このため使用者は、中指８６によって操作部材３に更に力を加え易くなるので、操作部材３を更に容易に操作できる。

　ホルダ５及びハーフミラー５６は、第２延出部２２Ａ及び第３延出部１０２３Ａによって上下方向を挟まれた領域に配置される。この場合、使用者は、第２表面２２Ｍ及び第３表面２３Ｍのうちハーフミラー５６が保持された部分の上下部分を、人差し指１０８５と親指８７とで保持できる。従って使用者は、人差し指１０８５及び親指８７によって筐体１２を保持し、ハーフミラー５６を左眼の前に配置させ易くなる。又、ハーフミラー５６は、第２表面２２Ｍ及び第３表面２３Ｍで挟まれた部分に配置されるので、使用者の指がハーフミラー５６に接触してハーフミラー５６が汚れることを抑制できる。更に、第１延出部１０２１Ａの左端２１Ｃが右方に湾曲するので、ハーフミラー５６の前方に第１延出部１０２１Ａは配置されない。このため、前方から到来する外界の光は、第１筐体１０２１によって遮蔽されず、ハーフミラー５６に適切に進入する。このため、ＨＭＤ１０１は、第１延出部１０２１Ａの第１表面２１Ｍによって外界の光が遮蔽されることを抑制できる。

　ＨＭＤ１０１の装着具８は、左右方向に延び且つ前方に向けて凸状に湾曲する第１部分８Ａ、及び、第１部分８Ａの両側から後側に延びる第２部分８Ｂ、８Ｃを有する。又、ＨＭＤ１０１は、装着具８の第１部分８Ａから延びる接続具９を有する。接続具９の先端に本体部材１１が接続される。従って、装着具８が使用者の頭部に着用された状態で、使用者の眼前にハーフミラー５６を保持できる。従って使用者は、ハーフミラー５６によって偏向された画像光を視認しつつ、両手を使用して作業を行うことができる。

　なお、ＨＭＤ１０１において、画像ユニット７を左右方向に移動させることによってピント調節が行われてもよい。具体的には次の通りである。レンズユニット６が筐体１２に固定的に保持され、画像ユニット７が左右方向に移動可能に保持されてもよい。画像ユニット７の前側及び後側の面のそれぞれに、突出部が設けられていてもよい。調節機構４のカム溝４２に、画像ユニット７の前側の突出部が後方から嵌っていてもよい。第４筐体２４の前側の面の溝部２４２に、画像ユニット７の後側の突出部が前方から嵌ってもよい。操作部材３及び調節機構４が回動した場合、画像ユニット７が左右方向に移動してもよい。又、画像ユニット７及びレンズユニット６の両方の前側及び後側の面に、突出部が設けられてもよい。画像ユニット７及びレンズユニット６を左右方向に移動させることによって、ピント調節が行われてもよい。筐体１２は、レンズユニット６及び画像ユニット７のうち一部のみを覆っていてもよい。

　レンズユニット６の突出部６５は、円柱形であってもよい。突出部６５が設けられる位置は、レンズユニット６の湾曲部６１Ｂの上下方向中心を含む位置に限られず、中心よりも上側又は下側でもよい。レンズユニット６の突出部６５の代わりに、左右方向に延び且つ前方に凹んだ溝部が設けられてもよい。第４筐体２４の溝部２４２の代わりに、前方に突出する突出部が設けられてもよい。そして、レンズユニット６の溝部に、第４筐体２４の突出部が嵌り、突出部が溝部に沿って左右方向に移動することによって、レンズユニット６を左右方向に移動可能としてもよい。

　レンズユニット６の突出部６４の代わりに、左右方向に延びるラックギヤが設けられてもよい。調節機構４のカム溝４２の代わりに、ラックギヤに嵌合するピニオンギヤが設けられてもよい。操作部材３の回転に応じてピニオンギヤが回転し、ピニオンギヤに嵌合するラックギヤが左右方向に移動することによって、ピント調節が行われてもよい。

　操作部材３及び調節機構４は一体の構造を有していてもよい。レンズユニット６の突出部６４は、筐体１２の第１筐体１０２１に設けられたスリットを介して、第１筐体１０２１の前側に突出してもよい。操作部材３の後端面３Ｂに、カム溝４２が設けられてもよい。第１筐体１０２１の前側に突出する突出部６４は、操作部材３のカム溝４２に嵌っていてもよい。操作部材３の回転に応じ、突出部６４がスリットに沿って左右方向に移動することによって、レンズユニット６が左右方向に移動してもよい。

　上記のＨＭＤ１０１において、画像ユニット７には、平面部７１３、７１４のそれぞれのうち、前後方向中心よりも前側又は後側に、溝部７１３Ａ、７１４Ａが設けられてもよい。レンズユニット６には、平面部６２Ｃ、６２Ｄのそれぞれに、画像ユニット７の溝部７１３Ａ、７１４Ａに嵌る突出部６２１Ｃ、６２１Ｄが設けられてもよい。画像ユニット７には、平面部７１３、７１４のうち何れかに溝部が設けられてもよい。レンズユニット６には、平面部６２Ｃ、６２Ｄのうち何れかに、画像ユニット７の溝部に嵌る突出部が設けられてもよい。画像ユニット７には、平面部７１３、７１４のそれぞれに、２以上の溝部が設けられてもよい。レンズユニット６には、平面部６２Ｃ、６２Ｄのそれぞれに、画像ユニット７の２以上の溝部に嵌る２以上の突出部が設けられてもよい。画像ユニット７には、湾曲部７１５に溝部が設けられてもよい。レンズユニット６には、湾曲部６２Ａに、画像ユニット７の溝部に嵌る突出部が設けられてもよい。画像ユニット７の平面部７１３、７１４に設けられた溝部７１３Ａの上端、及び、溝部７１４Ａの下端は、開放してもよい。即ち、溝部７１３Ａ、７１４Ａはスリット状であってもよい。画像ユニット７の平面部７１３、７１４に突出部が設けられてもよい。レンズユニット６の平面部６２Ｃ、６２Ｄに、画像ユニット７の平面部７１３、７１４の突出部に嵌る溝部が設けられてもよい。画像ユニット７は、前側筐体１３に保持されてもよい。画像ユニット７の側板部材７１Ｂには、突出部７１２の代わりに、前方に突出する円柱又は角柱が設けられてもよい。

　上記において、ＨＭＤ１０１は装着具８及び接続具９を備えず、本体部材１１のみの構成であってもよい。本体部材１１は、眼鏡等に直接固定されてもよい。また、ＨＭＤ１０１は、装着具８を備えず、接続具９及び本体部材１１で構成されてもよい。

　図２７を参照し、本開示の変形例におけるＨＭＤ１０１の本体部材１１Ａについて説明する。本体部材１１Ａは、操作部材３が操作部材１０３０に変更されているという点で本体部材１１（図１１等参照）と異なり、他の部分は同一である。以下では、操作部材１０３０についてのみ説明し、他の部分の説明は省略する。

　本体部材１１Ａにおいて、操作部材１０３０は、第１部材３６及び第２部材１０３７を有する。第１部材３６は、第１筐体１０２１の第１表面２１Ｍの凹部２１Ｅから、前方に突出する。第１部材３６は円柱状である。第１部材３６の中心軸は前後方向に平行となる。第２部材１０３７は、第１部材３６の前端面３６Ａに設けられる。第２部材１０３７は、断面が長方形を有する棒状である。第２部材１０３７は、前後方向と直交する方向（図２７の場合、上下方向）に延びる。第２部材１０３７の長さは、第１部材３６の前端面３６Ａの直径よりも大きい。第２部材１０３７の一方側の端部１０３７Ａ及び他方側の端部１０３７Ｂは、第１部材３６の側面よりも外側に突出する。

　第１部材３６の後端面に、調節機構４の突出部４Ａ（図１５参照）が嵌合する嵌合溝（図示略）が設けられている。突出部４Ａが嵌合溝に嵌合した状態で、操作部材１０３０及び調節機構４は第１筐体１０２１に保持される。操作部材１０３０及び調節機構４は、操作部材１０３０の中心軸を支点として一体となって回動可能である。

　以上の場合、使用者が装着具８を着用し、左眼（向かって右側の眼）の前にハーフミラー５６を配置させたときに、使用者は、操作部材１０３０の第２部材１０３７の端部１０３７Ａに中指８６で力を加えることが容易に可能となる。従って使用者は、操作部材１０３０を容易に回動させることができる。

　使用者が右眼（向かって左側の眼）の前にハーフミラー５６を配置させた状態を例に挙げる。この場合、使用者は、本体部材１１によって使用者の左眼の視界が遮られないように、第２筐体１０２２の第２表面２２Ｍを下側に配置させ、第３筐体１０２３の第３表面２３Ｍを上側に配置させた状態（即ち、図１０に対して上下方向を反転させた状態）で本体部材１１を使用する。第２部材１０３７の端部１０３７Ａは、第１部材３６に対して下側に突出し、端部１０３７Ｂは、第１部材３６に対して上側に突出する。この場合、使用者は、端部１０３７Ｂに中指８６で力を加えることが容易にできるので、操作部材１０３０を容易に回動させることができる。このように、操作部材１０３０の場合、本体部材１１の上下方向が反転された状態、即ち、使用者の左眼（向かって右側の眼）の前にハーフミラー５６が配置された状態で使用された場合でも、使用者はピント調節を容易に行うことができる。

　なお、本開示は上記の実施形態及び変形例に限定されず、様々な変形が可能である。上記のＨＭＤ１０１において、画像ユニット７を左右方向に移動させることによってピント調節が行われてもよい。具体的には次の通りである。画像ユニット７が左右方向に移動可能に保持されていてもよい。画像ユニット７の前側の面に突出部が設けられていてもよい。調節機構４のカム溝４２に、画像ユニット７の突出部が後方から嵌っていてもよい。操作部材３、３０及び調節機構４が回動した場合、画像ユニット７が左右方向に移動してもよい。又、画像ユニット７及びレンズユニット６の両方を左右方向に移動させることによって、ピント調節が行われてもよい。

　筐体１２は、レンズユニット６及び画像ユニット７のうち一部のみを覆っていてもよい。操作部材３の円錐台形状の側面と、前後方向のとのなす角度θは、４０度よりも大きくてもよい。操作部材３の形状は、円錐台形状以外の形状であってもよい。例えば操作部材３は、角錐台形状であってもよいし、円柱又は角柱であってもよい。操作部材３の回動可能な角度φは、１２０度より大きくてもよい。操作部材３の前後方向の長さＬｈ（高さ）は、３ｍｍ未満であってもよい。筐体１２の第１表面２１Ｍと第２表面２２Ｍとが接続する部分、及び、第１表面２１Ｍと第３表面２３Ｍとが接続する部分は、角張っていてもよい。第２表面２２Ｍと第３表面２３Ｍとの間の距離は均一であってもよい。即ち、第２表面２２Ｍと第３表面２３Ｍとは平行であってもよい。筐体１２は、左右方向を軸線方向とする略円筒状であってもよい。

　第１筐体１０２１の左端２１Ｃは、上下方向両端部から上下方向中心に向けて、右方に凹んでいた。ここで、凹んだ部分に透明の部材が設けられていてもよい。この場合、第２延出部２２Ａの左端２２Ｃ及び第３延出部１０２３Ａの左端２３Ｃの左右方向の位置と、透明の部材の左端の左右方向の位置とが同一であってもよい。

　上記において、操作部材１０３０の第２部材１０３７は、第１部材３６の前端面３６Ａの中心から１方向に延びる棒状の部材であってもよい。又、第２部材１０３７は、第１部材３６の前端面３６Ａの中心から３以上の方向に延びる複数の棒状の部材であってもよい。第２部材１０３７の延びる方向は、前後方向と直交する方向に対して傾斜していてもよい。操作部材１０３０の第２部材１０３７は、第１部材３６の側面から突出してもよい。

１，１０１　ＨＭＤ
３　　　　：操作部材
４　　　　：調節機構
５　　　　：ホルダ
６　　　　：レンズユニット
７　　　　：画像ユニット
８　　　　：装着具
８Ａ　　　：第１部分
８Ｂ　　　：第２部分
８Ｃ　　　：第２部分
９　　　　：接続具
１０　　　　筐体
２０　　　　第１筐体
１２　　　：筐体
２１Ｃ　　：左端
２１Ｍ　　：第１表面
２２Ｃ　　：左端
２２Ｍ　　：第２表面
２３Ｃ　　：左端
２３Ｍ　　：第３表面
３０　　　　第２筐体
３４Ａ　　　ネジ
３５　　　　一対の案内部
３７　　　　軸部材
３９　　　　突出部
４２　　　：カム溝
５６　　　：ハーフミラー
５９　　　：偏向ユニット
６３　　　：レンズ
６４　　　：突出部
６５　　　：突出部
７０　　　　アジャスタ
７６　　　　カム溝
７７　　　：光軸
７８，７９　平面
８０　　　　ハーフミラー
８９　　　　反射面
８４　　　　最大照射領域
１２０　　　液晶ユニット
１３０　　　接眼光学系
１３６　　　突出部
１４４　　　穴部
１４５　　　溝部
１４６　　　摺動部
２１２　　：湾曲部分
２１３　　：湾曲部分
２４２　　：溝部
６２１Ｃ　：突出部
６２１Ｄ　：突出部
７１２　　：突出部
７１３Ａ　：溝部
７１４Ａ　：溝部
１０３０　　　：操作部材
１０３６　　　：第１部材
１０３７　　　：第２部材
Ｘ　　　　　軸線
θ　　　　：角度
φ　　　　：角度

Claims

　画像光を生成可能な画像ユニットと、
　それぞれの光軸が第１方向に延びる複数のレンズを有し、前記画像ユニットに対して前記第１方向の一方側に配置されるレンズユニットと、
　前記画像ユニット及び前記レンズユニットの少なくとも一部を覆う筐体であって、前記画像ユニット及び前記レンズユニットに対して、前記第１方向と直交する第２方向の一方側に配置された第１面、前記第１面のうち前記第１方向と前記第２方向との両方に直交する第３方向の一方側から前記第２方向の他方側に向けて延びる第２面、及び、前記第３方向の他方側から前記第２方向の前記他方側に向けて延びる第３面を少なくとも有する筐体と、
　前記筐体の前記第１方向の前記一方側、且つ、前記レンズユニットに対して前記第１方向の前記一方側に設けられ、前記レンズユニットによって導かれた前記画像光を、前記第２方向の前記他方側に偏向させる偏向部材と、
　前記第１面のうち、前記筐体の前記第１方向の中心よりも前記一方側の位置に設けられ、前記第２方向に延びる軸を支点として回動可能な操作部材と、
前記画像ユニット及び前記レンズユニットの少なくとも一方に係合し、前記操作部材の回動に応じて、前記画像ユニット及び前記レンズユニットの少なくとも一方を前記第１方向に移動させることが可能な調節機構とを備える画像表示装置。
　前記操作部材の前記第３方向の前記一方側の端部は、前記第１面の前記第３方向の前記一方側の端部よりも、前記第３方向の前記他方側に配置され、且つ、前記操作部材の前記第３方向の前記他方側の端部は、前記第１面の前記第３方向の前記他方側の端部よりも、前記第３方向の前記一方側に配置される、
　ことを特徴とする請求項１に記載の画像表示装置。
　前記操作部材のうち、前記第１方向の第１特定位置における前記第２方向の前記一方側の端部の前記第３方向の長さが、前記操作部材のうち前記第１特定位置における前記第２方向の他方側の端部の前記第３方向の長さよりも短く、且つ、前記操作部材のうち、前記第３方向の第２特定位置における前記第２方向の前記一方側の端部の前記第１方向の長さが、前記操作部のうち前記第２特定位置における前記第２方向の他方側の端部の前記第１方向の長さよりも短い、
　ことを特徴とする請求項２に記載の画像表示装置。
　前記操作部材は、
　錐台形状を有し、
　前記錐台形状の下底から、前記錐台形状の上底に向けて延びる方向は、前記第２方向の前記一方側を向き、
　前記第２方向と、前記操作部材における前記円錐台形状の側面とのなす角度の鋭角が４０度以下である、
　ことを特徴とする請求項３に記載の画像表示装置。
　前記操作部材は、
　前記第１面から前記第２方向の前記一方側に向けて延びる第１部材と、
　前記第１部材から、前記第１方向と交差する方向に突出する第２部材とを備える、
ことを特徴とする請求項１に記載の画像表示装置。
　前記第２部材は、それぞれが異なる方向に突出する複数の突出部を有する、
　ことを特徴とする請求項５に記載の画像表示装置。
　前記操作部材の回動可能な角度が９０度以上、且つ１８０度以下である、
　ことを特徴とする請求項１から６の何れかに記載の画像表示装置。
　前記操作部材の回動可能な角度が、９０度以上、且つ１２０度以下である、
　ことを特徴とする請求項７に記載の画像表示装置。
　前記筐体の前記第１面から、前記操作部材の前記第２方向の前記一方側の端部までの前記第２方向の長さが、３ｍｍ以上である、
　ことを特徴とする請求項１から６の何れかに記載の画像表示装置。
　前記筐体の前記第１面と前記第２面とが接続する部分、及び、前記第１面と前記第２面とが接続する部分が湾曲する、
　ことを特徴とする請求項１から６の何れかに記載の画像表示装置。
　前記第２面と前記第３面との間の距離は、前記第２方向の前記他方側から前記一方側に近づくに従って小さくなる、
　ことを特徴とする請求項１から６の何れかに記載の画像表示装置。
　前記第１面の前記第１方向の前記一方側の端部は、前記第２面及び前記第３面のそれぞれの前記第１方向の前記一方側の端部よりも、前記第１方向の他方側に配置され、
　前記偏向部材は、前記第２面と前記第３面とで挟まれた部分、且つ、前記第１方向の位置が、前記第１面よりも前記一方側に配置される、
　ことを特徴とする請求項１から６の何れかに記載の画像表示装置。
　請求項１～１２の何れかに記載の画像表示装置と、
　前記第１方向に延びる第１部分、及び、前記第１部分の両側から前記第２方向の前記一方側に延びる一対の第２部分を有する装着具と、
　前記装着具の前記第１部分に接続され、前記画像表示装置が接続された接続具と、
を備えたことを特徴とするヘッドマウントディスプレイ。
　前記第１部分は、前記第２方向の前記他方側に向けて凸状に湾曲し、
　前記接続具は、前記第１部分から前記第３方向に沿って延び、
　前記接続具の一端が、前記装着具に接続され、
　前記接続具の他端が、前記画像表示装置が接続される、
　ことを特徴とする請求項１３に記載のヘッドマウントディスプレイ。