WO2014178414A1

WO2014178414A1 - 化粧材の接着装置及び被覆製品の製造装置、並びに化粧材の接着方法及び被覆製品の製造方法

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Publication number: WO2014178414A1
Application number: PCT/JP2014/062022
Authority: WO
Inventors: 加藤　久也
Original assignee: 加藤木材工業株式会社
Priority date: 2013-05-02
Filing date: 2014-04-30
Publication date: 2014-11-06
Also published as: TW201518054A; PH12015502472A1; EP2993005A4; KR102218205B1; KR20160003094A; EP2993005A1; TWI644772B; US20160114618A1

Abstract

　基材を厳密に温度管理する必要がなく加工コストを抑制できるとともに、基材及び化粧材を確実に接着することができる化粧材の接着装置を提供する。本装置は、基材８の端面８ａに化粧材９を接着する化粧材の接着装置３であって、所定の搬送方向Ｐに搬送される基材の端面に向かって送り出される化粧材の裏面９ａに接着材１０を塗布する塗布部１７と、塗布部により接着材が塗布された化粧材の裏面を基材の端面に押圧する押圧部１８と、を備える。

Description

化粧材の接着装置及び被覆製品の製造装置、並びに化粧材の接着方法及び被覆製品の製造方法

　本発明は、化粧材の接着装置及び被覆製品の製造装置、並びに化粧材の接着方法及び被覆製品の製造方法に関し、さらに詳しくは、基材を厳密に温度管理する必要がなく加工コストを抑制できるとともに、基材及び化粧材を確実に接着することができる化粧材の接着装置及び被覆製品の製造装置、並びに化粧材の接着方法及び被覆製品の製造方法に関する。

　従来の化粧材の接着装置として、木製の基材（パネル）の端面に化粧材（縁材）を接着するものが一般に知られている（例えば、特許文献１参照）。この特許文献１には、例えば、図３６に示すように、所定の搬送方向Ｐに搬送される基材２０８の端面２０８ａに接着材２１０を塗布する塗布ローラ２２０と、ホットメルト系接着材２１０が塗布された基材２０８の端面２０８ａに対して化粧材２０９の裏面２０９ａを押圧するプレスローラ２２６と、を備える化粧材の接着装置２０３が開示されている。

特開平８－９０５０４号公報

　しかし、上記従来の化粧材の接着装置２０３では、基材２０８の端面２０８ａに接着材２１０を塗布して基材２０８及び化粧材２０９を接着しているので、接着性を高めるために基材２０８及び化粧材２０９を所定温度（例えば、約２０～３０℃）となるように厳密に温度管理する必要がある。具体的には、基材２０８は、化粧材の接着装置２０３への投入前に多数が積み置きされ、その状態でジェットヒータ等の加熱手段で加熱される。また、基材２０８及び化粧材２０９のそれぞれは、化粧材の接着装置２０３への投入後に機械側に設けられた面ヒータ等の加熱手段で加熱される。よって、基材２０８及び化粧材２０９の温度管理が煩雑であり、加熱手段の燃料費が高く加工コストが高くなる。

　さらに、上記従来の化粧材の接着装置２０３では、塗布ローラ２２０とプレスローラ２２６との間隔が比較的大きく設定されているため、接着材２１０の塗布から基材２０８及び化粧材２０９の接着までの時間が比較的長くなる。その結果、基材２０８及び化粧材２０９の接着性が低くなる。

　また、従来より、基材の端面に化粧材を接着してなる被覆製品の製造装置（「エッジバインダ」とも称される。）が一般に知られている（例えば、特許文献１参照）。この被覆製品の製造装置では、化粧材が接着される前の基材の端面を切削するミーリング装置を採用することが提案されている。これにより、基材の端面と化粧材との接着性が高められる。

　近年、表面保護のために保護フィルムを表面に貼着してなる基材が採用されている。この場合、上記ミーリング装置では、基材の端面を切削する際に、風圧等の影響で基材の表面から保護フィルムの表面縁部が浮き上がり、それら基材の表面と保護フィルムとの隙間に切削屑等の異物が入り込んでしまう。さらに、後工程である基材及び化粧材の接着工程において、基材の表面と保護フィルムとの隙間に接着材が入り込み、基材の表面側への接着材の乗り移りが生じ易い。その結果、被覆製品の見栄えが低下してしまう。

　本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、基材を厳密に温度管理する必要がなく加工コストを抑制できるとともに、基材及び化粧材を確実に接着することができる化粧材の接着装置及び被覆製品の製造装置、並びに化粧材の接着方法及び被覆製品の製造方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、上記目的に加えて、基材の端面に化粧材を接着してなる被覆製品の見栄えの低下を抑制することができる被覆製品の製造装置を提供することを他の目的とする。

　上記問題を解決するために、請求項１に記載の発明は、基材の端面に化粧材を接着する化粧材の接着装置であって、所定の搬送方向に搬送される前記基材の端面に向かって送り出される前記化粧材の裏面に接着材を塗布する塗布部と、前記塗布部により接着材が塗布された前記化粧材の裏面を前記基材の端面に押圧する押圧部と、を備えることを要旨とする。
　請求項２に記載の発明は、請求項１記載の発明において、前記塗布部は、前記基材の端面の高さより大きな塗布幅で前記化粧材の裏面に接着材を塗布することを要旨とする。
　請求項３に記載の発明は、請求項１又は２記載の発明において、前記塗布部は、接着材を塗布するスリット状の塗布口を有する塗布ノズルと、前記化粧材を挟んで前記塗布ノズルに対向して配設され且つ前記塗布ノズルに向かって前記化粧材を押圧する回転可能な押圧ローラと、を備えることを要旨とする。
　上記問題を解決するために、請求項４に記載の発明は、基材の端面に化粧材を接着してなる被覆製品の製造装置であって、請求項１乃至３のいずれか一項に記載の化粧材の接着装置を備えることを要旨とする。
　請求項５に記載の発明は、請求項４記載の発明において、前記化粧材が接着される前の前記基材の端面を切削する基材のミーリング装置を備え、前記基材のミーリング装置は、所定の搬送方向に搬送される前記基材の表面に貼着された保護フィルムの表面縁部を押圧する押圧部材と、前記押圧部材により前記保護フィルムの表面縁部が押圧された状態で前記基材の端面を切削する回転可能なミーリングカッターと、を備えることを要旨とする。
　上記問題を解決するために、請求項６に記載の発明は、基材の端面に化粧材を接着する化粧材の接着方法であって、所定の搬送方向に搬送される前記基材の端面に向かって送り出される前記化粧材の裏面に接着材を塗布する塗布工程と、接着材が塗布された前記化粧材の裏面を前記基材の端面に押圧する押圧工程と、を備えることを要旨とする。
　上記問題を解決するために、請求項７に記載の発明は、基材の端面に化粧材を接着してなる被覆製品の製造方法であって、所定の搬送方向に搬送される前記基材の端面に向かって送り出される前記化粧材の裏面に接着材を塗布する塗布工程と、接着材が塗布された前記化粧材の裏面を前記基材の端面に押圧する押圧工程と、を備えることを要旨とする。

　本発明の化粧材の接着装置及び被覆製品の製造装置によると、所定の搬送方向に搬送される基材の端面に向かって送り出される化粧材の裏面に接着材を塗布する塗布部と、塗布部により接着材が塗布された化粧材の裏面を基材の端面に押圧する押圧部と、を備える。これにより、化粧材の裏面に接着材が塗布されて基材及び化粧材が接着される。その結果、基材を厳密に温度管理する必要がなく加工コストを抑制することができる。また、塗布部と押圧部との間隔が比較的小さくなり、接着材の塗布から基材及び化粧材の接着までの時間が短くなる。その結果、基材及び化粧材を確実に接着することができる。
　さらに、前記塗布部が、前記基材の端面の高さより大きな塗布幅で前記化粧材の裏面に接着材を塗布する場合は、比較的薄厚の化粧材を採用しても基材及び化粧材を確実に接着することができる。また、基材の表面側への接着材の乗り移りが抑制され、後工程において接着材の余剰部分を容易に除去することができる。
　さらに、前記塗布部が、接着材を塗布するスリット状の塗布口を有する塗布ノズルと、前記化粧材を挟んで前記塗布ノズルに対向して配設され且つ前記塗布ノズルに向かって前記化粧材を押圧する回転可能な押圧ローラと、を備える場合は、塗布部を小型化することができる。よって、塗布部と押圧部との間隔がより短くなり、基材及び化粧材の接着性をより高めることができる。

　また、前記化粧材が接着される前の前記基材の端面を切削する基材のミーリング装置を備え、前記基材のミーリング装置は、所定の搬送方向に搬送される前記基材の表面に貼着された保護フィルムの表面縁部を押圧する押圧部材と、前記押圧部材により前記保護フィルムの表面縁部が押圧された状態で前記基材の端面を切削する回転可能なミーリングカッターと、を備える場合は、押圧部材により保護フィルムの表面縁部が押圧された状態でミーリングカッターにより基材の端面が切削される。これにより、保護フィルムの浮き上がりを抑制して基材の端面を切削することができる。その結果、保護フィルムと基材の表面との隙間への切削屑等の異物の入り込みが抑制されるとともに、後工程である基材及び化粧材の接着工程での基材の表面側への接着材の乗り移りが抑制される。よって、被覆製品の見栄えの低下を抑制することができる。
　また、前記押圧部材が、支持体に上下方向に移動自在に支持されるとともに、支持体に設けられた付勢手段により前記保護フィルムの表面縁部を押圧する方向に付勢される場合は、簡易な構造により押圧部材で保護フィルムの表面縁部をより確実に押圧できる。
　さらに、前記押圧部材が、前記保護フィルムの表面縁部を押圧する押圧面と、該押圧面から前記基材の所定の搬送方向の上流側に向かって斜め上方に傾斜する傾斜面と、を備える場合は、所定の搬送方向に搬送される基材が傾斜面に当接することで、押圧部材が付勢手段の付勢力に抗して変位して押圧面が保護フィルムの表面縁部に案内される。

　本発明の化粧材の接着方法及び被覆製品の製造方法によると、所定の搬送方向に搬送される基材の端面に向かって送り出される化粧材の裏面に接着材を塗布する塗布工程と、接着材が塗布された化粧材の裏面を基材の端面に押圧する押圧工程と、を備える。これにより、化粧材の裏面に接着材が塗布されて基材及び化粧材が接着される。その結果、基材を厳密に温度管理する必要がなく加工コストを抑制することができる。また、塗布部と押圧部との間隔が比較的小さくなり、接着材の塗布から基材及び化粧材の接着までの時間が短くなる。その結果、基材及び化粧材を確実に接着することができる。
　さらに、前記塗布工程が、前記基材の端面の高さより大きな塗布幅で前記化粧材の裏面に接着材を塗布する場合は、比較的薄厚の化粧材を採用しても基材及び化粧材を確実に接着することができる。また、基材の表面側への接着材の乗り移りが抑制され、後工程において接着材の余剰部分を容易に除去することができる。

　本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
実施例１に係る被覆製品の製造装置の側面図である。実施例１に係る化粧材の接着装置の斜視図である。上記化粧材の接着装置の平面図である。図３のＩＶ－ＩＶ線断面拡大図である。図３のＶ－Ｖ線断面拡大図である。図４のＶＩ矢視図である。実施例１に係るエンドカット部の斜視図である。実施例１に係るトリミング部の斜視図である。上記トリミング部の作用説明図である。その他の形態の化粧材の接着装置の平面図である。実施例２に係る被覆製品の製造装置の側面図である。実施例２に係る基材のミーリング装置の斜視図である。上記基材のミーリング装置の正面図であり、（ａ）は基材の端面の切削状態を示し、（ｂ）は基材が押圧部材に当接した状態を示す。図１３のＸＩＶ－ＸＩＶ線断面図である。図１３のＸＶ－ＸＶ線断面図であり、（ａ）は基材の端面の切削状態を示し、（ｂ）は基材の端面の非切削状態（待機状態）を示す。実施例２に係る化粧材の接着装置の斜視図である。上記化粧材の接着装置の平面図である。図１７のＸＶＩＩＩ－ＸＶＩＩＩ線断面拡大図である。図１７のＸＩＸ－ＸＩＸ線断面拡大図である。図１８のＸＸ矢視図である。実施例２に係る化粧材のエンドカット装置の斜視図である。実施例２に係る化粧材の第１トリミング装置の斜視図である。上記化粧材の第１トリミング装置の側面図である。図２３のＸＸＩＶ矢視部の拡大図である。上記化粧材の第１トリミング装置の作用説明図である。実施例２に係る化粧材の第２トリミング装置の斜視図である。上記化粧材の第２トリミング装置の側面図である。上記化粧材の第２トリミング装置の要部断面図である。図２８のＸＸＩＸ矢視図である。上記化粧材の第２トリミング装置の作用説明図である。図３０の要部拡大図である。実施例２に係るトリミングカッターの先端刃（逆リード）を説明するための説明図である。その他の形態の化粧材の第２トリミング装置を説明するための説明図である。その他の形態のトリミングカッターの先端刃（正リード）を説明するための説明図である。その他の形態の化粧材の接着装置を説明するための説明図である。従来の化粧材の接着装置の平面図である。

　ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。

＜化粧材の接着装置＞
　本実施形態に係る化粧材の接着装置は、基材（８）の端面（８ａ）に化粧材（９）を接着する化粧材の接着装置（３、３’）であって、所定の搬送方向（Ｐ）に搬送される基材の端面に向かって送り出される化粧材の裏面（９ａ）に接着材（１０）を塗布する塗布部（１７）と、塗布部により接着材が塗布された化粧材の裏面を基材の端面に押圧する押圧部（１８）と、を備える（例えば、図２及び図１０等参照）。なお、上記「化粧材の裏面」とは、化粧材の意匠面とは反対側の接着面を意図する。

　本実施形態に係る化粧材の接着装置としては、例えば、上記塗布部（１７）は、基材（８）の端面（８ａ）の高さ（ｈ１）より大きな塗布幅（ｈ３）で化粧材（９）の裏面（９ａ）に接着材（１０）を塗布する形態（例えば、図４等参照）を挙げることができる。

　上述の形態の場合、例えば、上記押圧部（１８）は、接着材（１０）が基材（８）の端面（８ａ）の上縁側及び下縁側から上下にはみ出るように化粧材（９）の裏面（９ａ）を基材の端面に押圧することができる（例えば、図５等参照）。これにより、基材及び化粧材の接着性をより高め得るとともに、接着材の余剰部分をより容易に除去できる。なお、上記接着材のはみ出し量（ｈ４）としては、例えば、０．１～０．５ｍｍ（好ましくは０．１～０．３ｍｍ）を挙げることができる。

　本実施形態に係る化粧材の接着装置としては、例えば、上記塗布部（１７）は、接着材（１０）を塗布するスリット状の塗布口（２０ａ）を有する塗布ノズル（２０）と、化粧材（９）を挟んで塗布ノズルに対向して配設され且つ塗布ノズルに向かって化粧材（９）を押圧する回転可能な押圧ローラ（２１）と、を備える形態（例えば、図３及び図４等参照）を挙げることができる。これにより、塗布部を小型化することができる。よって、塗布部と押圧部との間隔がより短くなり、基材及び化粧材の接着性をより高めることができる。

　なお、上記基材の材質としては、例えば、パーティクルボード、中質繊維板（ＭＤＦ）、木質単板、木質合板等の木製の基材としてもよい。さらに、樹脂製や金属製の基材としてもよい。さらに、上記化粧材の材質としては、例えば、メラミン樹脂、ダップ樹脂、ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を挙げることができる。また、柔軟性を有する材料からなされてもよい。また、上記化粧材は、例えば、単層構造であってもよいし、複層構造であってもよい。さらに、上記化粧材の厚さとしては、例えば、０．３～２．０ｍｍ（好ましくは０．３～１．２ｍｍ、特に０．３～０．５ｍｍ）を挙げることができる。さらに、上記接着材としては、例えば、ホットメルト系接着材等を挙げることができる。

＜被覆製品の製造装置＞
　本実施形態に係る被覆製品の製造装置は、基材（８）の端面（８ａ）に化粧材（９）を接着してなる被覆製品（Ｗ）の製造装置（１）であって、所定の搬送方向（Ｐ）に搬送される基材の端面に向かって送り出される化粧材の裏面（９ａ）に接着材（１０）を塗布する塗布部（１７）と、塗布部により接着材が塗布された化粧材の裏面を基材の端面に押圧する押圧部（１８）と、を備える（例えば、図２及び図１０等参照）。なお、上記塗布部及び押圧部としては、例えば、上述の化粧材の接着装置で説明した構成を適用することができる。

＜化粧材の接着方法＞
　本実施形態に係る化粧材の接着方法は、基材（８）の端面（８ａ）に化粧材（９）を接着する化粧材の接着方法であって、所定の搬送方向（Ｐ）に搬送される基材の端面に向かって送り出される化粧材の裏面（９ａ）に接着材（１０）を塗布する塗布工程と、接着材が塗布された化粧材の裏面を基材の端面に押圧する押圧工程と、を備える（例えば、図２及び図１０等参照）。なお、上記「化粧材の裏面」とは、化粧材の意匠面とは反対側の接着面を意図する。

　本実施形態に係る化粧材の接着方法としては、例えば、上記塗布工程は、基材（８）の端面（８ａ）の高さ（ｈ１）より大きな塗布幅（ｈ３）で化粧材（９）の裏面（９ａ）に接着材（１０）を塗布する形態（例えば、図４等参照）を挙げることができる。

　上述の形態の場合、例えば、上記押圧工程は、接着材（１０）が基材（８）の端面（８ａ）の上縁側及び下縁側から上下にはみ出るように化粧材（９）の裏面（９ａ）を基材の端面に押圧することができる（例えば、図５等参照）。これにより、基材及び化粧材の接着性をより高め得るとともに、接着材の余剰部分をより容易に除去できる。なお、上記接着材のはみ出し量（ｈ４）としては、例えば、０．１～０．５ｍｍ（好ましくは０．１～０．３ｍｍ）を挙げることができる。

　本実施形態に係る化粧材の接着方法としては、例えば、上記塗布工程は、接着材（１０）を塗布するスリット状の塗布口（２０ａ）を有する塗布ノズル（２０）と、化粧材（９）を挟んで塗布ノズルに対向して配設され且つ塗布ノズルに向かって化粧材（９）を押圧する回転可能な押圧ローラ（２１）と、を備える塗布部（１７）用いて接着材を塗布する形態（例えば、図３及び図４等参照）を挙げることができる。これにより、塗布部を小型化することができる。よって、塗布部と押圧部との間隔がより短くなり、基材及び化粧材の接着性をより高めることができる。

＜被覆製品の製造方法＞
　本実施形態に係る被覆製品の製造方法は、基材（８）の端面（８ａ）に化粧材（９）を接着してなる被覆製品（Ｗ）の製造方法であって、所定の搬送方向（Ｐ）に搬送される基材の端面に向かって送り出される化粧材の裏面（９ａ）に接着材（１０）を塗布する塗布工程と、接着材が塗布された化粧材の裏面を基材の端面に押圧する押圧工程と、を備える（例えば、図２及び図１０等参照）。なお、上記塗布工程及び押圧工程としては、例えば、上述の化粧材の接着方法で説明した構成を適用することができる。

＜基材のミーリング装置＞
　本実施形態に係る基材のミーリング装置は、化粧材（１０９）が接着される基材（１０８）の端面（１０８ａ）を切削する基材のミーリング装置（１７０）であって、所定の搬送方向（Ｐ）に搬送される基材の表面に貼着された保護フィルム（１１１）の表面縁部を押圧する押圧部材（１７１）と、押圧部材により保護フィルムの表面縁部が押圧された状態で基材の端面を切削する回転可能なミーリングカッター（１７２）と、を備える（例えば、図１２等参照）。

　本実施形態に係る基材のミーリング装置としては、例えば、上記押圧部材（１７１）は、支持体（１７３）に上下方向に移動自在に支持されるとともに、支持体に設けられた付勢手段（１７５）により保護フィルムの表面縁部を押圧する方向に付勢される形態（例えば、図１３等参照）を挙げることができる。

　本実施形態に係る基材のミーリング装置としては、例えば、上記押圧部材（１７１）は、保護フィルム（１１１）の表面縁部を押圧する押圧面（１７８）と、押圧面から基材の所定の搬送方向（Ｐ）の上流側に向かって斜め上方に傾斜する傾斜面（１７９）と、を備える形態（例えば、図１３等参照）を挙げることができる。

＜被覆製品の製造装置＞
　本実施形態に係る被覆製品の製造装置は、基材（１０８）の端面（１０８ａ）に化粧材（１０９）を接着してなる被覆製品の製造装置（１０１）であって、上述の基材のミーリング装置（１７０）と、基材のミーリング装置により切削された基材の端面に化粧材を接着する化粧材の接着装置（１０３，１０３’）と、を備える（例えば、図１１、図１２及び図１６等参照）。

　本実施形態に係る被覆製品の製造装置としては、例えば、上記化粧材の接着装置（１０３、１０３’）は、所定の搬送方向（Ｐ）に搬送される基材（１０８）の端面（１０８ａ）に向かって送り出される化粧材（１０９）の裏面（１０９ａ）に接着材（１１０）を塗布する塗布部（１１７）と、塗布部により接着材が塗布された化粧材の裏面を基材の端面に押圧する押圧部（１１８）と、を備える形態（例えば、図１６等参照）を挙げることができる。これにより、塗布部と押圧部との間隔が比較的小さくなり、接着材の塗布から基材及び化粧材の接着までの時間が短くなる。その結果、基材を厳密に温度管理することなく加工コストを抑制して基材及び化粧材を接着することができる。

　上述の形態の場合、例えば、上記塗布部（１１７）は、基材（１０８）の端面（１０８ａ）の高さ（ｈ１）より大きな塗布幅（ｈ３）で化粧材（１０９）の裏面（１０９ａ）に接着材（１１０）を塗布することができる（例えば、図１８等参照）。これにより、比較的薄厚の化粧材を採用しても基材及び化粧材を確実に接着することができる。また、基材の表面側への接着材の乗り移りが抑制され、後工程において接着材の余剰端部を容易に除去することができる。

　上述の形態の場合、例えば、上記塗布部（１１７）は、接着材（１１０）を塗布するスリット状の塗布口（１２０ａ）を有する塗布ノズル（１２０）と、化粧材（１０９）を挟んで塗布ノズルに対向して配設され且つ塗布ノズルに向かって化粧材（１０９）を押圧する回転可能な押圧ローラ（１２１）と、を備えることができる（例えば、図１８等参照）。これにより、塗布部を小型化することができる。よって、塗布部と押圧部との間隔がより短くなり、基材及び化粧材の接着性をより高めることができる。

　本実施形態に係る被覆製品の製造装置としては、例えば、基材（１０８）の端面（１０８ａ）に接着された化粧材（１０９）の長手方向に沿う余剰端部（Ｓ１）を除去する化粧材の第１トリミング装置（１０５）を備える形態（例えば、図２２及び図２３等参照）を挙げることができる。そして、化粧材の第１トリミング装置（１０５）は、所定の搬送方向（Ｐ）に搬送される基材（１０８）の表面縁部を案内する案内ローラ（１３１）と、案内ローラにより基材（１０８）の表面縁部が案内された状態で基材の端面に接着された化粧材（１０９）の長手方向に沿う余剰端部（Ｓ１）を除去する回転可能なトリミングカッター（１２９）と、を備える。さらに、案内ローラ（１３１）は、円板部（１３１ａ）と、円板部の外周側から筒状に延びて基材の表面縁部を案内するフランジ部（１３１ｂ）と、を有し、トリミングカッター（１２９）は、その一部がフランジ部（１３１ｂ）の内側に位置する状態で化粧材（１０９）の長手方向に沿う余剰端部（Ｓ１）を除去するように配されている。これにより、案内ローラにより基材の表面縁部（すなわち、基材の表面縁の際部）が案内された状態でトリミングカッターにより化粧材の余剰端部が除去される。そのため、トリミングカッターの長期使用により基材にかかる負荷が大きくなっても基材が変形し難くなる。よって、化粧材の長手方向に沿う余剰端部を高精度に除去することができる。

　上述の形態の場合、例えば、上記基材（１０８）の表面（１０８ｂ）には、保護フィルム（１１１）が貼着されていることができる（例えば、図２４等参照）。これにより、保護フィルムの浮き上がりが抑制されて化粧材の長手方向に沿う余剰端部を除去することができる。その結果、被覆製品の見栄えの低下を抑制することができる。

　本実施形態に係る被覆製品の製造装置としては、例えば、基材（１０８）の端面（１０８ａ）に接着された化粧材（１０９）の余剰端部（Ｓ２）を除去して面取りする化粧材の第２トリミング装置（１０６）を備える形態（例えば、図２６～図２９等参照）を挙げることができる。そして、化粧材の第２トリミング装置（１０６）は、化粧材の余剰端部（Ｓ２）に沿って移動するトリミングヘッド（１４１）を備え、トリミングヘッドは、駆動モータ（１４７）と、駆動モータの駆動軸（１４７ａ）に連結されて化粧材の余剰端部を除去する回転カッター（１４８）と、回転カッターの軸心側に取り付けられる取付部材（１４９）と、取付部材に回転カッターの軸心回りに回転自在に支持されて基材上を転動する案内部（１５２）と、を備える。これにより、トリミングヘッドが化粧材の余剰端部に沿って移動する際に、案内部が基材上を転動しつつ回転カッターが化粧材の余剰端部を除去して化粧材が面取りされる。そして、案内部は、回転カッターに取り付けられた取付部材に回転カッターの軸心回りに回転自在に支持されているので、案内部と回転カッターとの軸心が正確に位置決めされる。その結果、基材に対する案内部の倣いズレを抑制して化粧材の余剰端部を正確に除去して面取りすることができる。

　上述の形態の場合、例えば、上記トリミングヘッド（１４１）は、案内部（１５２）の外周面に圧接する圧接片（１５７）を備えることができる（例えば、図２９等参照）。これにより、圧接片が案内部の外周面に圧接することで、案内部の回転カッターとの供回りを防止できるとともに、案内部の外周面への切削屑等の異物の付着を防止することができる。

　上述の形態の場合、例えば、上記回転カッター（１４８）は、化粧材（１０９）の化粧面（１０９ｂ）の外側に向かって切削屑を送り出すような逆リードの先端刃（１６２）を備えることができる（例えば、図３２等参照）。これにより、回転カッターが化粧材の余剰端部を除去する際に、化粧材の裏面側にはみ出た接着材を容易に取り去り得るとともに、バリの発生を抑制できる。

　なお、参考例として、例えば、基材の端面に化粧材を接着してなる被覆製品の製造装置であって、化粧材の余剰端部を除去する回転カッター（２９、１２９、１４８）を備えるトリミング装置を備え、回転カッターは、化粧材の化粧面の外側に向かって切削屑を送り出すような逆リードの先端刃（１６２）を備える形態（例えば、図３２等参照）を挙げることができる。これにより、回転カッターが化粧材の余剰端部を除去する際に、化粧材の裏面側にはみ出た接着材を容易に取り去り得るとともに、バリの発生を抑制できる。

＜被覆製品の製造方法＞
　本実施形態に係る被覆製品の製造方法は、基材（１０８）の端面（１０８ａ）に化粧材（１０９）を接着してなる被覆製品の製造方法であって、上述の基材のミーリング装置（１７０）を用いて基材の端面を切削する基材のミーリング工程と、その切削された基材の端面に化粧材を接着する化粧材の接着工程と、を備える（例えば、図１１、図１２及び図１６等参照）。

　本実施形態に係る被覆製品の製造方法としては、例えば、上記化粧材の接着工程は、上述の化粧材の接着装置（１０３、１０３’）を用いて、所定の搬送方向（Ｐ）に搬送される基材（１０８）の端面（１０８ａ）に向かって送り出される化粧材（１０９）の裏面（１０９ａ）に接着材（１１０）を塗布してから、接着材が塗布された化粧材の裏面を基材の端面に押圧する工程である形態（例えば、図１６等参照）を挙げることができる。これにより、塗布部と押圧部との間隔が比較的小さくなり、接着材の塗布から基材及び化粧材の接着までの時間が短くなる。その結果、基材を厳密に温度管理することなく加工コストを抑制して基材及び化粧材を接着することができる。

　本実施形態に係る被覆製品の製造方法としては、例えば、上述の化粧材の第１トリミング装置（１０５）を用いて、基材（１０８）の端面（１０８ａ）に接着された化粧材（１０９）の長手方向に沿う余剰端部（Ｓ１）を除去する化粧材のトリミング工程を備える形態（例えば、図２２等参照）を挙げることができる。これにより、案内ローラにより基材の表面縁部（すなわち、基材の表面縁の際部）が案内された状態でトリミングカッターにより化粧材の余剰端部が除去される。そのため、トリミングカッターの長期使用により基材にかかる負荷が大きくなっても基材が変形し難くなる。よって、化粧材の長手方向に沿う余剰端部を高精度に除去することができる。

　本実施形態に係る被覆製品の製造方法としては、例えば、上述の化粧材の第２トリミング装置（１０６）を用いて、基材（１０８）の端面（１０８ａ）に接着された化粧材（１０９）の余剰端部（Ｓ２）を除去して面取りする化粧材のトリミング工程を備える形態（例えば、図２６等参照）を挙げることができる。これにより、トリミングヘッドが化粧材の余剰端部に沿って移動する際に、案内部が基材上を転動しつつ回転カッターが化粧材の余剰端部を除去して化粧材が面取りされる。そして、案内部は、回転カッターに取り付けられた取付部材に回転カッターの軸心回りに回転自在に支持されているので、案内部と回転カッターとの軸心が正確に位置決めされる。その結果、基材に対する案内部の倣いズレを抑制して化粧材の余剰端部を正確に除去して面取りすることができる。

　なお、上記実施形態において、上記基材（１０８）は、通常、平板状に形成され、化粧材（１０９）が接着される端面（１０８ａ）と、端面の上下縁から交差して延びる表裏面（１０８ｂ）と、を有している（例えば、図２２参照）。また、上記基材としては、例えば、パーティクルボード、中質繊維板（ＭＤＦ）、木質単板、木質合板等の木製の基材を挙げることができる。さらに、樹脂製や金属製の基材としてもよい。また、上記化粧材の材質としては、例えば、メラミン樹脂、ダップ樹脂、ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を挙げることができる。また、柔軟性を有する材料からなされてもよい。また、上記化粧材は、例えば、単層構造であってもよいし、複層構造であってもよい。さらに、上記化粧材の厚さとしては、例えば、０．３～２．０ｍｍ（好ましくは０．３～１．２ｍｍ、特に０．３～０．５ｍｍ）を挙げることができる。さらに、上記接着材としては、例えば、ホットメルト系接着材等を挙げることができる。

　なお、上記実施形態で記載した各構成の括弧内の符号は、後述する実施例に記載の具体的構成との対応関係を示すものである。

　以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。

＜実施例１＞
（１）被覆製品の製造装置の構成
　本実施例に係る被覆製品の製造装置１は、図１に示すように、以下に述べる搬送部２、化粧材の接着装置３、エンドカット部４及びトリミング部５を備えている。なお、本実施例では、上記被覆製品として、パーティクルボード製の基材８の端面８ａにメラミン樹脂製の化粧材９を接着してなる被覆製品Ｗ（図９参照）を例示する。

　上記搬送部２は、図１に示すように、基材８を所定の搬送方向Ｐに搬送するものである。この搬送部２は、搬送方向Ｐに沿って周回可能に設けられるベルトコンベア１２を備えている。このベルトコンベア１２の上方には、回転可能な複数のコロ１３が搬送方向Ｐに沿って配設されている。そして、ベルトコンベア１２の周回駆動によって、ベルトコンベア１２とコロ１３との間に挟持される基材８が搬送方向Ｐに搬送される。

　なお、上記被覆製品の製造装置１には基材８の投入口側に、基材８の端面８ａが当接して搬送方向Ｐと直交する方向を位置決めするガイド部１４（図３参照）が設けられている。

　上記化粧材の接着装置３は、図２及び図３に示すように、基材８の端面８ａに化粧材９を接着するものである。この接着装置３は、搬送方向Ｐに搬送される基材８の端面８ａに向かって送り出される化粧材９の裏面９ａにホットメルト系接着材１０を塗布する塗布部１７と、この塗布部１７により接着材１０が塗布された化粧材９の裏面９ａを基材８の端面８ａに押圧する押圧部１８と、を備えている。

　上記塗布部１７は、図４に示すように、基材８の端面８ａの高さｈ１（例えば、約２０ｍｍ等）より大きな塗布幅ｈ３（例えば、約２０．６ｍｍ等）で化粧材９の裏面９ａに接着材１０を塗布するスリット状の塗布口２０ａを有する塗布ノズル２０を備えている。この塗布ノズル２０は、接着材１０を収容したタンク（図示省略）に接続されている。また、塗布ノズル２０に対向する位置には、化粧材９を塗布ノズル２０に向かって押圧する回転可能な押圧ローラ２１が配設されている。この押圧ローラ２１の回転駆動により、塗布ノズル２０及び押圧ローラ２１の間に挟持された化粧材９が搬送方向Ｐに対して所定角度で傾斜する送り方向Ｑ（図３参照）に送り出される。

　なお、図４及び図５に示すように、上記化粧材９の高さｈ２（例えば、約２２ｍｍ等）は、後述のトリミング部によるトリミング前の状態において基材８の高さｈ１及び接着材１０の塗布幅ｈ３より大きな値とされている。さらに、上記化粧材９の厚さは約０．３ｍｍとされている。また、上記塗布ノズル２０には、図６に示すように、塗布口２０ａのスリット長さを調整するための調整部材４０がスリットの長手方向に位置調整自在に取り付けられている。

　さらに、上記塗布部１７は、図３に示すように、化粧材９を縦置きで載置するテーブル２２と、このテーブル２２上に載置された化粧材９の裏面９ａに当接して化粧材９の送り方向Ｑと直交する方向を位置決めするガイド部２３と、が設けられている。このガイド部２３には、化粧材９を加熱する面ヒータ等の加熱部２４が設けられている。

　上記押圧部１８は、図５に示すように、接着材１０が塗布され送り方向Ｑに送り出される化粧材９の裏面９ａを、搬送方向Ｐに搬送される基材８の端面８ａに押圧して接着する回転可能なプレスローラ２６を備えている。このプレスローラ２６は、接着材１０が基材８の端面８ａの上縁側及び下縁側から上下にはみ出るように化粧材９の裏面９ａを基材８の端面８ａに押圧する。なお、上記接着材１０のはみ出し量ｈ４は約０．３ｍｍとされている。

　上記エンドカット部４は、押圧部１８の搬送方向Ｐの下流側に配設されている（図１参照）。このエンドカット部４は、図７に示すように、基材８に接着された化粧材９の搬送方向Ｐの先端側及び後端側の余剰部分を削除する回転可能なカッター２８を備えている。

　上記トリミング部５は、エンドカット部４の搬送方向Ｐの下流側に配設されている（図１参照）。このトリミング部５は、図８に示すように、基材８に接着された化粧材９の高さ方向の上縁側及び下縁側の余剰部分を除去する回転可能なカッター２９を備えている。このカッター２９は、化粧材９の上縁側及び下縁側とともに、接着材１０の基材８の端面８ａの上縁側及び下縁側から上下にはみ出た部分を除去する（図９参照）。

（２）被覆製品の製造方法
　次に、上記構成の被覆製品の製造装置１を用いる被覆製品Ｗの製造方法について説明する。なお、本実施例では、化粧材９は、テーブル２２上で加熱部２４（図３参照）により所定温度（例えば、２０℃等）に加熱される一方、基材８は、被覆製品の製造装置１への投入前及び投入後に何ら加熱されず、非加熱状態の基材８に対して加熱状態の化粧材９を接着するものとする。

　先ず、ベルトコンベア１２の周回駆動により基材８が搬送方向Ｐに搬送されるとともに、押圧ローラ２１の回転駆動により化粧材９が送り方向Ｑに送り出される（図３参照）。そして、塗布ノズル２０により化粧材９の裏面９ａに接着材１０が塗布される（図４参照）。次に、プレスローラ２６により接着材１０が塗布された化粧材９の裏面９ａが基材８の端面８ａに押圧されて両者８、９が接着される（図５参照）。

　そして、接着された基材８及び化粧材９がエンドカット部４に搬送されると、カッター２８により化粧材９の搬送方向Ｐの先端側及び後端側の余剰部分が除去される（図７参照）。次に、エンドカットされた基材８及び化粧材９がトリミング部５に搬送されると、カッター２９により化粧材９の上縁側及び下縁側の余剰部分が除去される（図８参照）。このとき、化粧材９の上縁側及び下縁側とともに、接着材１０の基材８の端面８ａの上縁側及び下縁側から上下にはみ出た部分が除去される（図９参照）。その結果、被覆製品Ｗが得られることとなる。

（３）実施例の効果
　以上より、本実施例の化粧材の接着装置３及び被覆製品の製造装置１によると、所定の搬送方向Ｐに搬送される基材８の端面８ａに向かって送り出される化粧材９の裏面９ａに接着材１０を塗布する塗布部１７と、塗布部１７により接着材１０が塗布された化粧材９の裏面９ａを基材８の端面８ａに押圧する押圧部１８と、を備える。これにより、化粧材９の裏面９ａに接着材１０が塗布されて基材８及び化粧材９が接着される。その結果、基材８を厳密に温度管理する必要がなく加工コストを抑制することができる。また、塗布部１７と押圧部１８との間隔が比較的小さくなり、接着材１０の塗布から基材８及び化粧材９の接着までの時間が短くなる。その結果、基材８及び化粧材９を確実に接着することができる。

　また、本実施例では、ガイド部１４（図３参照）で基材８を加熱する必要がなく、ガイド部１４として効果的なガイド機能を発揮する比較的長尺のものを採用できる。これに対して、従来のようにガイド部で基材を加熱するものでは、加熱によりガイド部が変形し易く長尺のガイド部を採用し難い。

　また、本実施例では、塗布部１７は、基材８の端面８ａの高さｈ１より大きな塗布幅ｈ３で化粧材９の裏面９ａに接着材１０を塗布するので、比較的薄厚（例えば、厚さ０．５ｍｍ以下）の化粧材９を採用しても基材８及び化粧材９を確実に接着することができる。また、基材８の表面側への接着材１０の乗り移りが抑制され、後工程において接着材１０の余剰部分を容易に除去することができる。これに対して、従来のように基材の端面に接着材を塗布して基材及び化粧材を接着するものでは、基材の表面側へ接着材が乗り移り易く、後工程における接着材の余剰部分の除去作業が煩雑となる。

　さらに、本実施例では、塗布部１７は、接着材１０を塗布するスリット状の塗布口２０ａを有する塗布ノズル２０と、化粧材９を挟んで塗布ノズル２０に対向して配設され且つ塗布ノズル２０に向かって化粧材９を押圧する押圧ローラ２１と、を備える。これにより、塗布部１７を小型化することができる。よって、塗布部１７と押圧部１８との間隔がより短くなり、基材８及び化粧材９の接着性をより高めることができる。

　また、本実施例の化粧材の接着方法及び被覆製品の製造方法によると、所定の搬送方向Ｐに搬送される基材８の端面８ａに向かって送り出される化粧材９の裏面９ａに接着材１０を塗布する塗布工程と、接着材１０が塗布された化粧材９の裏面９ａを基材８の端面８ａに押圧する押圧工程と、を備える。これにより、化粧材９の裏面９ａに接着材１０が塗布されて基材８及び化粧材９が接着される。その結果、基材８を厳密に温度管理する必要がなく加工コストを抑制することができる。また、塗布部１７と押圧部１８との間隔が比較的小さくなり、接着材１０の塗布から基材８及び化粧材９の接着までの時間が短くなる。その結果、基材８及び化粧材９を確実に接着することができる。

　また、本実施例では、塗布工程は、基材８の端面８ａの高さｈ１より大きな塗布幅ｈ３で化粧材９の裏面９ａに接着材１０を塗布するので、比較的薄厚（例えば、厚さ０．５ｍｍ以下）の化粧材９を採用しても基材８及び化粧材９を確実に接着することができる。また、基材８の表面側への接着材１０の乗り移りが抑制され、後工程において接着材１０の余剰部分を容易に除去することができる。これに対して、従来のように基材の端面に接着材を塗布して基材及び化粧材を接着するものでは、基材の表面側へ接着材が乗り移り易く、後工程における接着材の余剰部分の除去作業が煩雑となる。

　さらに、本実施例では、塗布工程は、接着材１０を塗布するスリット状の塗布口２０ａを有する塗布ノズル２０と、化粧材９を挟んで塗布ノズル２０に対向して配設され且つ塗布ノズル２０に向かって化粧材９を押圧する押圧ローラ２１と、を備える塗布部１７を用いて接着材１０を塗布する。これにより、塗布部１７を小型化することができる。よって、塗布部１７と押圧部１８との間隔がより短くなり、基材８及び化粧材９の接着性をより高めることができる。

　尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。すなわち、上記実施例では、化粧材９の裏面９ａに接着材１０を塗布する塗布ノズル２０を備える塗布部１７を例示したが、これに限定されず、例えば、図１０に示すように、化粧材９の裏面９ａに接着材１０を塗布する塗布ローラ３３を備える塗布部１７’としてもよい。この場合、通常、塗布ローラ３３は、接着材１０を収容した収容室３４内に臨んでいる。

　また、上記実施例では、化粧材９を基材８の端面８ａに押圧する回転可能なプレスローラ２６を備える押圧部１８を例示したが、これに限定されず、例えば、プレスローラ２６に替えて又は加えて、化粧材９を基材８の端面８ａに押圧する固定ガイドを備える押圧部としてもよい。

　また、上記実施例では、基材８を搬送方向Ｐに搬送するベルトコンベア１２を備える搬送部２を例示したが、これに限定されず、例えば、ローラコンベア、チェーンコンベア等の他のコンベアを備える搬送部としたり、基材を搬送方向に搬送するロボットハンドを備える搬送部としたりしてもよい。

　また、上記実施例では、塗布ノズル２０（又は塗布ローラ３３）及び押圧ローラ２１によって化粧材９を送り方向Ｑに送り出す送出部を構成するようにしたが、これに限定されず、例えば、図１０に示すように、塗布部１７とは別に化粧材９を挟持して送り方向Ｑに送り出す回転可能な送出ローラ３６を備える送出部としてもよい。

　また、上記実施例では、基材８の端面８ａの高さｈ１より大きな塗布幅ｈ３（塗布高さｈ３）で化粧材９の裏面９ａに接着材１０を塗布するようにしたが、これに限定されず、例えば、基材８の端面８ａの高さｈ１より小さな塗布幅で化粧材９の裏面９ａに接着材１０を塗布するようにしてもよい。

　また、上記実施例では、加熱状態の化粧材９の裏面９ａに接着材１０を塗布するようにしたが、これに限定されず、例えば、夏場等で非加熱状態の化粧材９が比較的高温（例えば、約２０℃等）である場合には、化粧材９を強制的に加熱することなく化粧材９の裏面９ａに接着材１０を塗布するようにしてもよい。さらに、上記実施例では、非加熱状態の基材８の端面８ａに化粧材９を接着するようにしたが、これに限定されず、例えば、加熱状態の基材８の端面８ａに化粧材９を接着するようにしてもよい。

　さらに、上記実施例では、化粧材９をエンドカット部４によりエンドカットした後にトリミング部５でトリミングするようにしたが、これに限定されず、例えば、化粧材９をトリミング部５でトリミングした後にエンドカット部４によりエンドカットするようにしてもよい。

＜実施例２＞
（１）被覆製品の製造装置の構成
　本実施例に係る被覆製品の製造装置１０１は、図１１に示すように、以下に述べる搬送部１０２、基材のミーリング装置１７０、化粧材の接着装置１０３、化粧材のエンドカット装置１０４、化粧材の第１トリミング装置１０５、及び化粧材の第２トリミング装置１０６（「ラウンドトリミング装置」とも称される。）を備えている。

　なお、本実施例では、上記被覆製品として、パーティクルボード製の基材１０８の端面１０８ａにメラミン樹脂製の化粧材１０９を接着してなる被覆製品Ｗ（図２０参照）を例示する。この基材１０８の表裏面１０８ｂには、透明樹脂からなる保護フィルム１１１が貼着されているものとする（図２２参照）。

　上記搬送部１０２は、図１１に示すように、基材１０８を所定の搬送方向Ｐに搬送するものである。この搬送部１０２は、搬送方向Ｐに沿って周回可能に設けられるベルトコンベア１１２を備えている。このベルトコンベア１１２の上方には、回転可能な複数のコロ１１３が搬送方向Ｐに沿って配設されている。そして、ベルトコンベア１１２の周回駆動によって、ベルトコンベア１１２とコロ１１３との間に挟持される基材１０８が所定の搬送方向Ｐに搬送される。

　なお、上記被覆製品の製造装置１０１の基材１０８の投入口側には、基材１０８の端面１０８ａが当接して搬送方向Ｐと直交する方向を位置決めするガイド部１１４が設けられている（図１７参照）。

　上記基材のミーリング装置１７０は、図１２に示すように、化粧材１０９が接着される前の基材１０８の端面１０８ａを切削するものである。この基材のミーリング装置１７０は、所定の搬送方向Ｐに搬送される基材１０８の保護フィルム１１１の表面縁部を押圧する押圧部材１７１と、押圧部材１７１により保護フィルム１１１の表面縁部が押圧された状態で基材１０８の端面１０８ａを切削するミーリングカッター１７２と、を備えている。このミーリングカッター１７２は、駆動モータ（図示省略）により垂直軸周りに回転可能とされている。

　上記押圧部材１７１は、図１３～図１５に示すように、装置１７０のベース側（図示省略）に設けられたＬ字状の支持体１７３に上下方向に移動自在に支持されている。具体的には、押圧部材１７１に形成された上下方向に延びる長孔１７６に支持体１７３に設けられた水平方向に延びる支持ピン１７７が遊びをもって挿通することで、押圧部材１７１が上下方向に移動自在に支持されている。また、押圧部材１７１は、支持体１７３と押圧部材１７１との間に設けられたバネからなる付勢手段１３５により保護フィルム１１１の表面縁部を押圧する方向に付勢されている。そして、押圧部材１７１は、基材１０８の保護フィルム１１１の表面縁部を押圧する際には上昇位置Ａに位置する（図１５（ａ）参照）とともに、基材１０８の保護フィルム１１１の表面縁部を押圧しない際には下降位置Ｂに位置する（図１５（ｂ）参照）。

　上記押圧部材１７１は、その端部１７１ａが基材１０８の表面縁から外方に突出した状態で保護フィルム１１１の表面縁部を押圧する（図１４参照）。また、押圧部材１７１は、保護フィルム１１１の表面縁部を押圧する押圧面１７８と、押圧面１７８から基材１０８の所定の搬送方向Ｐの上流側に向かって斜め上方に傾斜する傾斜面１７９と、を備えている（図１３参照）。そして、所定の搬送方向Ｐに搬送される基材１０８が傾斜面１７９に当接することで、押圧部材１７１が付勢手段１７５の付勢力に抗して変位して押圧面１７８が保護フィルム１１１の表面縁部に案内される。

　なお、本実施例では、ミーリングカッター１７２で切削可能な樹脂等の材質からなる押圧部材１７１を採用するものとする。これにより、ミーリングカッター１７２と押圧部材１７１との相対位置を変更する場合であっても、ミーリングカッター１７２が押圧部材１７１を切削することで対応できる。

　上記化粧材の接着装置１０３は、基材のミーリング装置１７０の搬送方向Ｐの下流側に配設されている（図１１参照）。この化粧材の接着装置１０３は、図１６及び図１７に示すように、基材１０８の端面１０８ａに化粧材１０９を接着するものである。この接着装置１０３は、搬送方向Ｐに搬送される基材１０８の端面１０８ａに向かって送り出される化粧材１０９の裏面１０９ａにホットメルト系接着材１１０を塗布する塗布部１１７と、この塗布部１１７により接着材１１０が塗布された化粧材１０９の裏面１０９ａを基材１０８の端面１０８ａに押圧する押圧部１１８と、を備えている。

　上記塗布部１１７は、図１８に示すように、基材１０８の端面１０８ａの高さｈ１（例えば、約２０ｍｍ等）より大きな塗布幅ｈ３（例えば、約２０．６ｍｍ等）で化粧材１０９の裏面１０９ａに接着材１１０を塗布するスリット状の塗布口１２０ａを有する塗布ノズル１２０を備えている。この塗布ノズル１２０は、接着材１１０を収容したタンク（図示省略）に接続されている。また、塗布ノズル１２０に対向する位置には、化粧材１０９を塗布ノズル１２０に向かって押圧する回転可能な押圧ローラ１２１が配設されている。この押圧ローラ１２１の回転駆動により、塗布ノズル１２０及び押圧ローラ１２１の間に挟持された化粧材１０９が搬送方向Ｐに対して所定角度で傾斜する送り方向Ｑ（図１７参照）に送り出される。

　なお、図１８及び図１９に示すように、上記化粧材１０９の高さｈ２（例えば、約２２ｍｍ等）は、後述の化粧材の第１トリミング装置によるトリミング前の状態において基材１０８の高さｈ１及び接着材１１０の塗布幅ｈ３より大きな値とされている。さらに、上記化粧材１０９の厚さは約０．３ｍｍとされている。また、上記塗布ノズル１２０には、図２０に示すように、塗布口１２０ａのスリット長さを調整するための調整部材１４０がスリットの長手方向に位置調整自在に取り付けられている。

　さらに、上記塗布部１１７は、図１７に示すように、化粧材１０９を縦置きで載置するテーブル１２２と、このテーブル１２２上に載置された化粧材１０９の裏面１０９ａに当接して化粧材１０９の送り方向Ｑと直交する方向を位置決めするガイド部１２３と、が設けられている。このガイド部１２３には、化粧材１０９を加熱する面ヒータ等の加熱部１２４が設けられている。

　上記押圧部１１８は、図１９に示すように、接着材１１０が塗布され送り方向Ｑに送り出される化粧材１０９の裏面１０９ａを、搬送方向Ｐに搬送される基材１０８の端面１０８ａに押圧して接着する回転可能なプレスローラ１２６を備えている。このプレスローラ１２６は、接着材１１０が基材１０８の端面１０８ａの上縁側及び下縁側から上下にはみ出るように化粧材１０９の裏面１０９ａを基材１０８の端面１０８ａに押圧する。なお、上記接着材１１０のはみ出し量ｈ４は約０．３ｍｍとされている。

　上記化粧材のエンドカット装置１０４は、化粧材の接着装置１０３の搬送方向Ｐの下流側に配設されている（図１１参照）。この化粧材のエンドカット装置１０４は、図２１に示すように、基材１０８に接着された化粧材１０９の搬送方向Ｐの先端側及び後端側の余剰端部を除去する横軸周りに回転可能な回転カッター１２８を備えている。なお、上記化粧材のエンドカット装置１０４では、化粧材１０９の余剰端部の全てが除去されずに化粧材の第２トリミング装置１０６で除去される余剰端部Ｓ２（図３０参照）が残っている。

　上記化粧材の第１トリミング装置１０５は、化粧材のエンドカット装置１０４の搬送方向Ｐの下流側に配設されている（図１１参照）。この化粧材の第１トリミング装置１０５は、図２２に示すように、基材１０８に接着された化粧材１０９の長手方向に沿う上縁側及び下縁側の余剰端部Ｓ１を除去するものである。

　上記化粧材の第１トリミング装置１０５は、図２３に示すように、所定の搬送方向Ｐに搬送される基材１０８の保護フィルム１１１の表面縁部を案内する上下側の金属製の案内ローラ１３１と、案内ローラ１３１により基材１０８の保護フィルム１１１の表面縁部が案内された状態で基材１０８の端面１０８ａに接着された化粧材１０９の長手方向に沿う余剰端部Ｓ１を除去する上下側のトリミングカッター１２９と、を備えている。これら各トリミングカッター１２９は、駆動モータ１３８により水平軸回りに回転可能とされている。

　上記案内ローラ１３１は、トリミングカッター１２９を支持する支持体１３２に対して水平軸回りに回転自在に支持されている。この案内ローラ１３１は、円板部１３１ａと、この円板部１３１ａの外周縁から回転軸方向に筒状に延びて基材１０８の保護フィルム１１１の表面縁部を案内するフランジ部１３１ｂと、を有し、全体として有底筒状に形成されている。そして、トリミングカッター１２９は、図２４に示すように、その一部がフランジ部１３１ｂの内側に位置する状態で化粧材１０９の余剰端部Ｓ１を除去するように配されている。すなわち、トリミングカッター１２９は、その一部が有底筒状の案内ローラ１３１の内側に収容された状態で化粧材１０９の余剰端部Ｓ１を除去するように配されている。

　なお、上記トリミングカッター１２９は、化粧材１０９の余剰端部Ｓ１とともに、接着材１１０の基材１０８の端面１０８ａの上縁側及び下縁側から上下にはみ出た部分を除去する（図２５参照）。また、トリミングカッター１２９の先端刃は、後述する回転カッター１４８と略同様にして、化粧材１０９の化粧面１０９ｂの外側（すなわち、化粧材１０９の基材１０８と反対側）に向かって切削屑Ｓ’を送り出すような逆リードとなっている（図３２参照）。

　上記化粧材の第２トリミング装置１０６は、化粧材の第１トリミング装置１０５の搬送方向Ｐの下流側に配設されている（図１１参照）。この化粧材の第２トリミング装置１０６は、図２６に示すように、基材１０８の端面１０８ａに接着された化粧材１０９の搬送方向Ｐの先端側及び後端側の余剰端部Ｓ２（図３０参照）を除去して面取りするものである。

　上記化粧材の第２トリミング装置１０６は、図２７に示すように、化粧材１０９の余剰端部Ｓ２に沿って移動するトリミングヘッド１４１を備えている。このトリミングヘッド１４１は、スライダ１４３に対して水平軸１４３ａ周りに回動可能とされている。このスライダ１４３は、ベース１４４に対して水平方向に移動可能とされている。

　上記トリミングヘッド１４１は、図２８及び図２９に示すように、駆動モータ１４７、回転カッター１４８、取付部材１４９及びベアリング１５０を備えている。この駆動モータ１４７は、トリミングヘッド１４１の本体１４１ａに取り付けられている。また、回転カッター１４８の中心穴には、キー溝を介して駆動モータ１４７の駆動軸１４７ａが連結されている。そして、回転カッター１４８は、トリミングヘッド１４１が化粧材１０９の余剰端部Ｓ２に沿って移動する際に駆動モータ１４７の駆動により化粧材１０９の余剰端部Ｓ２を除去する。また、取付部材１４９は、その一端外周側が回転カッター１４８の中心穴に挿着され、その他端側が回転カッター１４８の軸心方向に突出している。

　上記ベアリング１５０は、取付部材１４９の軸方向の一端外周側に設けられている。このベアリング１５０は、内輪１５１と、外輪１５２（「案内部」として例示する。）と、内輪１５１及び外輪１５２の間に転動自在に支持された多数のボール１５３と、を備えている。この内輪１５１は、取付部材１４９の先端フランジ１４９ａと回転カッター１４８の先端側に配置された環状スペーサー１５４との間に挟持されている。また、外輪１５２は、取付部材１４９に対して回転カッター１４８の軸心回りに回転自在に支持されている。そして、外輪１５２は、トリミングヘッド１４１が化粧材１０９の余剰端部Ｓ２に沿って移動する際に基材１０８の外周面上を転動する。なお、本実施例では、ベアリングとしてボールベアリング１５０を例示したが、これに限定されず、例えば、ローラーベアリングを採用してもよい。

　上記トリミングヘッド１４１の本体１４１ａには、平板状のブラケット１５６が取り付けられている。このブラケット１５６の先端両側には、その下端がベアリング１５０の外輪１５２の外周面に圧接する複数（図中２つ）の平板状の圧接片１５７の上端側が取り付けられている。具体的に、圧接片１５７は、長孔１５８を介してブラケット１５６にボルト止めされている。そして、圧接片１５７は、ボルト止め位置を調節することでベアリング１５０の外輪１５２の外周面に対して位置調整自在とされている。

　上記回転カッター１４８は、図３１に示すように、放射状に突出する複数（図中４つ）の突起部１６１ａを有する本体６１と、これら各突起部１６１ａの先端側に取り付けられる超鋼製又はダイヤモンド製の先端刃１６２（「チップ」とも称される。）と、を備えている。この先端刃１６２は、図３２に示すように、化粧材１０９の化粧面１０９ｂの外側（すなわち、化粧材１０９の基材１０８と反対側）に向かって切削屑Ｓ’を送り出すような逆リードとなっている。すなわち、先端刃１６２は、その先端面の化粧材１０９の化粧面１０９ｂ側が切削方向Ｒと反対方向に傾くように化粧材１０９の厚さ方向に対して鋭角θ１で傾斜して配設されている。

（２）被覆製品の製造方法
　次に、上記構成の被覆製品の製造装置１０１を用いる被覆製品Ｗの製造方法について説明する。なお、本実施例では、化粧材１０９は、図１７に示すように、テーブル１２２上で加熱部１２４により所定温度（例えば、２０℃等）に加熱される一方、基材１０８は、被覆製品の製造装置１０１への投入前及び投入後に何ら加熱されず、非加熱状態の基材１０８に対して加熱状態の化粧材１０９を接着するものとする。

　先ず、ベルトコンベア１１２の周回駆動により基材１０８が基材のミーリング装置１７０まで搬送されると、図１３（ｂ）に示すように、基材１０８の先端側が下降位置Ｂに位置する押圧部材１７１の傾斜面１７９に当接する。このとき、押圧部材１７１は、付勢手段１７５の付勢力に抗して上昇位置Ａに向かって変位される。その後、図１３（ａ）及び図１５（ａ）に示すように、押圧部材１７１が上昇位置Ａに位置すると、押圧面１７８で基材１０８の保護フィルム１１１の表面縁部が押圧され、その状態においてミーリングカッター１７２により基材１０８の端面１０８ａが切削される。

　なお、本実施例では、上記基材１０８は、ベルトコンベア１１２とコロ１１３との間に挟持されるとともに、押圧部材１７１により下方に押圧された状態で、その端面１０８ａがミーリングカッター１７２で切削される。

　次に、搬送方向Ｐに搬送される基材１０８及び送り方向Ｑに送り出される化粧材１０９が化粧材の接着装置１０３まで搬送されると、図１７に示すように、塗布ノズル１２０により化粧材１０９の裏面１０９ａに接着材１１０が塗布される。次いで、プレスローラ１２６により接着材１１０が塗布された化粧材１０９の裏面１０９ａが基材１０８の端面１０８ａに押圧されて両者１０８、１０９が接着される。

　その後、基材１０８及び化粧材１０９が化粧材のエンドカット装置１０４まで搬送されると、回転カッター１２８により化粧材１０９の搬送方向Ｐの先端側及び後端側の余剰端部が除去される（図２１参照）。

　次に、基材１０８及び化粧材１０９が化粧材の第１トリミング装置１０５まで搬送されると、図２３に示すように、案内ローラ１３１により基材１０８の保護フィルム１１１の表面縁部が案内された状態で、トリミングカッター１２９により化粧材１０９の余剰端部Ｓ１が除去される。このとき、化粧材１０９の余剰端部Ｓ１とともに、化粧材１０９の裏面１０９ａ側にはみ出た接着材１１０が取り去られる（図２５参照）。

　次いで、基材１０８及び化粧材１０９が化粧材の第２トリミング装置１０６に搬送されると、トリミングヘッド１４１が化粧材１０９の搬送方向Ｐの先端側の余剰端部Ｓ２に沿って移動してから化粧材１０９の搬送方向Ｐの後端側の余剰端部Ｓ２に沿って移動する（図３０参照）。このトリミングヘッド１４１の移動中には、ベアリング１５０の外輪１５２が基材１０８の外周面上を転動しつつ回転カッター１４８が化粧材１０９の余剰端部Ｓ２を除去する。このとき、化粧材１０９の余剰端部Ｓ２とともに化粧材１０９の裏面１０９ａ側にはみ出た接着材１１０が取り去られる。その結果、基板１０８の外径形状に応じて化粧材１０９が面取りされて被覆製品Ｗ（図２６参照）が得られることとなる。

（３）実施例の効果
　以上より、本実施例の基材のミーリング装置１７０によると、所定の搬送方向Ｐに搬送される基材１０８の表面１０８ｂに貼着された保護フィルム１１１の表面縁部を押圧する押圧部材１７１と、押圧部材１７１により保護フィルム１１１の表面縁部が押圧された状態で基材１０８の端面１０８ａを切削する回転可能なミーリングカッター１７２と、を備える。そして、押圧部材１７１により保護フィルム１１１の表面縁部が押圧された状態でミーリングカッター１７２により基材１０８の端面１０８ａが切削される。これにより、保護フィルム１１１の浮き上がりを抑制して基材１０８の端面１０８ａを切削することができる。その結果、保護フィルム１１１と基材１０８の表面１０８ｂとの隙間への切削屑等の異物の入り込みが抑制されるとともに、後工程である基材１０８及び化粧材１０９の接着工程において基材１０８の表面側への接着材１１０の乗り移りが抑制される。よって、被覆製品Ｗの見栄えの低下を抑制することができる。

　また、本実施例では、押圧部材１７１は、支持体１７３に上下方向に移動自在に支持されるとともに、支持体１７３に設けられた付勢手段１７５により保護フィルム１１１の表面縁部を押圧する方向に付勢される。これにより、簡易な構造により押圧部材１７１で保護フィルム１１１の表面縁部をより確実に押圧できる。

　さらに、本実施例では、押圧部材１７１は、保護フィルム１１１の表面縁部を押圧する押圧面１７８と、押圧面１７８から基材１０８の所定の搬送方向Ｐの上流側に向かって斜め上方に傾斜する傾斜面１７９と、を備える。これにより、所定の搬送方向Ｐに搬送される基材１０８が傾斜面１７９に当接することで、押圧部材１７１が付勢手段１７５の付勢力に抗して変位して押圧面１７８が保護フィルム１１１の表面縁部に案内される。

　また、本実施例の化粧材の接着装置１０３によると、所定の搬送方向Ｐに搬送される基材１０８の端面１０８ａに向かって送り出される化粧材１０９の裏面１０９ａに接着材１１０を塗布する塗布部１１７と、塗布部１１７により接着材が塗布された化粧材１０９の裏面１０９ａを基材１０８の端面１０８ａに押圧する押圧部１１８と、を備える。これにより、塗布部１１７と押圧部１１８との間隔が比較的小さくなり、接着材の塗布から基材１０８及び化粧材１０９の接着までの時間が短くなる。その結果、基材１０８を厳密に温度管理することがなく加工コストを抑制して基材１０８及び化粧材１０９を接着することができる。

　特に、本実施例では、ガイド部１１４（図１７参照）で基材１０８を加熱する必要がなく、ガイド部１１４として効果的なガイド機能を発揮する比較的長尺のものを採用できる。これに対して、従来のようにガイド部で基材を加熱するものでは、加熱によりガイド部が変形し易く長尺のガイド部を採用し難い。

　また、本実施例では、塗布部１１７は、基材１０８の端面１０８ａの高さｈ１より大きな塗布幅ｈ３で化粧材１０９の裏面１０９ａに接着材１１０を塗布するので、比較的薄厚（例えば、厚さ０．５ｍｍ以下）の化粧材１０９を採用しても基材１０８及び化粧材１０９を確実に接着することができる。また、基材１０８の表面側への接着材１１０の乗り移りが抑制され、後工程において接着材１１０の余剰部位を容易に除去することができる。これに対して、従来のように基材の端面に接着材を塗布して基材及び化粧材を接着するものでは、基材の表面側へ接着材が乗り移り易く、後工程における接着材の余剰端部の除去作業が煩雑となる。

　さらに、本実施例では、塗布部１１７は、接着材１１０を塗布するスリット状の塗布口１２０ａを有する塗布ノズル１２０と、化粧材１０９を挟んで塗布ノズル１２０に対向して配設され且つ塗布ノズル１２０に向かって化粧材１０９を押圧する押圧ローラ１２１と、を備える。これにより、塗布部１１７を小型化することができる。よって、塗布部１１７と押圧部１１８との間隔がより短くなり、基材１０８及び化粧材１０９の接着性をより高めることができる。

　また、本実施例の化粧材の第１トリミング装置１０５によると、所定の搬送方向Ｐに搬送される基材１０８の表面縁部を案内する案内ローラ１３１と、案内ローラ１３１により基材１０８の表面縁部が案内された状態で基材１０８の端面１０８ａに接着された化粧材１０９の長手方向に沿う余剰端部Ｓ１を除去する回転可能なトリミングカッター１２９と、を備える。さらに、案内ローラ１３１は、円板部１３１ａと、円板部１３１ａの外周側から筒状に延びて基材１０８の表面縁部を案内するフランジ部１３１ｂと、を有し、トリミングカッター１２９は、その一部がフランジ部１３１ｂの内側に位置する状態で化粧材１０９の長手方向に沿う余剰端部Ｓ１を除去するように配されている。これにより、案内ローラ１３１により基材１０８の表面縁部（すなわち、基材１０８の表面縁の際部）が案内された状態でトリミングカッター１２９により化粧材１０９の余剰端部Ｓ１が除去される。そのため、トリミングカッター１２９の長期使用により基材１０８にかかる負荷が大きくなっても基材１０８が変形し難くなる。よって、化粧材１０９の長手方向に沿う余剰端部Ｓ１を高精度に除去することができる。

　さらに、本実施例では、基材１０８の表面には、保護フィルム１１１が貼着されている。これにより、保護フィルム１１１の浮き上がりが抑制されて化粧材１０９の長手方向に沿う余剰端部Ｓ１を除去することができる。その結果、被覆製品Ｗの見栄えの低下を抑制することができる。

　また、本実施例の化粧材の第２トリミング装置１０６によると、化粧材１０９の余剰端部Ｓ２に沿って移動するトリミングヘッド１４１を備え、トリミングヘッド１４１は、駆動モータ１４７と、駆動モータ１４７の駆動軸１４７ａに連結されて化粧材１０９の余剰端部Ｓ２を除去する回転カッター１４８と、回転カッター１４８の軸心側に取り付けられる取付部材１４９と、取付部材１４９に回転カッター１４８の軸心回りに回転自在に支持されて基材１０８上を転動するベアリング１５０の外輪１５２と、を備える。これにより、トリミングヘッド１４１が化粧材１０９の余剰端部Ｓ２に沿って移動する際に、ベアリングの１５０外輪１５２が基材１０８上を転動しつつ回転カッター１４８が化粧材１０９の余剰端部Ｓ２を除去して化粧材１０９が面取りされる。そして、ベアリング１５０の外輪１５２は、回転カッター１４８に取り付けられた取付部材１４９に回転カッター１４８の軸心回りに回転自在に支持されているので、ベアリング１５０の外輪１５２と回転カッター１４８との軸心が正確に位置決めされる。その結果、基材１０８に対するベアリング１５０の外輪１５２の倣いズレを抑制して化粧材１０９の余剰端部Ｓ２を正確に除去して面取りすることができる。特に、本実施例によると、化粧材１０９の余剰端部Ｓ２が逆テーパ状に形成されている場合であっても化粧材１０９の余剰端部Ｓ２を正確に除去して面取りできる。

　また、本実施例では、トリミングヘッド１４１は、ベアリング１５０の外輪１５２の外周面に圧接する圧接片１５７を備える。この圧接片１５７がベアリング１５０の外輪１５２の外周面に圧接することで、ベアリング１５０の外輪１５２の回転カッター１４８との供回りを防止できるとともに、ベアリング１５０の外輪１５２の外周面への切削屑等の異物の付着を防止することができる。

　さらに、本実施例では、化粧材の第２トリミング装置１０６の回転カッター１４８は、化粧材１０９の化粧面１０９ｂの外側に向かって切削屑を送り出すような逆リードの先端刃１６２を備える。これにより、回転カッター１４８が化粧材１０９の余剰端部Ｓ２を除去する際に、化粧材１０９の裏面１０９ａ側にはみ出た接着材を容易に取り去り得るとともに、バリの発生を抑制できる。さらに、本実施例では、化粧材の第１トリミング装置１０５のトリミングカッター１２９の先端刃も逆リードとなっているので、回転カッター１４８と略同様の作用・効果を発揮する。

　尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。すなわち、上記実施例では、押圧部材１７１を付勢する付勢手段１７５としてバネを例示したが、これに限定されず、例えば、ゴム、スポンジ等の弾性体からなる付勢手段を採用したり、シリンダ等の流体機構からなる付勢手段を採用したりしてもよい。

　また、上記実施例では、ミーリングカッター１７２で切削可能な樹脂等の材質からなる押圧部材１７１を例示したが、これに限定されず、例えば、ミーリングカッター１７２で切削不能な金属製やセラミックス製の押圧部材としてもよい。

　また、上記実施例では、水平軸回りに回転自在に支持された案内ローラ１３１を例示したが、これに限定されず、例えば、水平軸に傾斜する軸回りに回転自在に支持される案内ローラとしてもよい。この場合、上記フランジ部１３１ｂは、通常、円板部１３１ａの外周側からテーパ筒状に延びることとなる。

　また、上記実施例において、案内ローラ１３１の円板部１３１ａに穴を形成してスポーク状等の円板部としてもよい。また、案内ローラ１３１として、樹脂等の金属以外の材質からなるものを採用してもよい。

　また、上記実施例では、基板１０８上を転動する案内部としてベアリング１５０の外輪１５２を例示したが、これに限定されず、取付部材１４９に回転カッター１４８の軸心回りに回転自在に支持される回転ローラを案内部として採用してもよい。また、例えば、図３３に示すように、ベアリング１５０の外輪１５２に装着される環状アダプタ１６４ａ，１６４ｂ，１６４ｃを案内部として採用してもよい。この場合、例えば、外径ｄ１，ｄ２，ｄ３の異なる複数の環状アダプタ１６４ａ，１６４ｂ，１６４ｃを用意しておけば、回転カッター１４８の先端刃１６２の劣化状況等に応じて適当な環状アダプタを選択することができる。

　また、上記実施例では、化粧材１０９の化粧面１０９ｂの外側に向かって切削屑を送り出すような逆リードの先端刃１６２を備える回転カッター１４８を例示したが、これに限定されず、例えば、図３４に示すように、化粧材１０９の化粧面１０９ｂの内側（すなわち、基材１０８側）に向かって切削屑Ｓ’を送り出すような正リードの先端刃１６２’を備える回転カッターとしてもよい。この場合、先端刃１６２’は、通常、その先端面の化粧材１０９の裏面１０９ａ側が切削方向Ｒと反対方向に傾くように化粧材１０９の厚さ方向に対して鋭角θ２で傾斜して配設されている。

　また、上記実施例では、化粧材１０９の裏面１０９ａに接着材１１０を塗布する塗布ノズル１２０を備える塗布部１１７を例示したが、これに限定されず、例えば、図３５に示すように、化粧材１０９の裏面１０９ａに接着材１１０を塗布する塗布ローラ１３３を備える塗布部１１７’としてもよい。この場合、通常、塗布ローラ１３３は、接着材１１０を収容した収容室１３４内に臨んでいる。

　また、上記実施例では、化粧材１０９を基材１０８の端面１０８ａに押圧する回転可能なプレスローラ１２６を備える押圧部１１８を例示したが、これに限定されず、例えば、プレスローラ１２６に替えて又は加えて、化粧材１０９を基材１０８の端面１０８ａに押圧する固定ガイドを備える押圧部としてもよい。

　また、上記実施例では、基材１０８を搬送方向Ｐに搬送するベルトコンベア１１２を備える搬送部１０２を例示したが、これに限定されず、例えば、ローラコンベア、チェーンコンベア等の他のコンベアを備える搬送部としたり、基材を搬送方向に搬送するロボットハンドを備える搬送部としたりしてもよい。

　また、上記実施例では、塗布ノズル１２０（又は塗布ローラ１３３）及び押圧ローラ１２１によって化粧材１０９を送り方向Ｑに送り出す送出部を構成するようにしたが、これに限定されず、例えば、図３５に示すように、塗布部１１７とは別に化粧材１０９を挟持して送り方向Ｑに送り出す回転可能な送出ローラ１３６を備える送出部としてもよい。

　また、上記実施例では、基材１０８の端面１０８ａの高さｈ１より大きな塗布幅ｈ３（塗布高さｈ３）で化粧材１０９の裏面１０９ａに接着材１１０を塗布するようにしたが、これに限定されず、例えば、基材１０８の端面１０８ａの高さｈ１より小さな塗布幅で化粧材１０９の裏面１０９ａに接着材１１０を塗布するようにしてもよい。

　また、上記実施例では、加熱状態の化粧材１０９の裏面１０９ａに接着材１１０を塗布するようにしたが、これに限定されず、例えば、夏場等で非加熱状態の化粧材１０９が比較的高温（例えば、約２０℃等）である場合には、化粧材１０９を強制的に加熱することなく化粧材１０９の裏面１０９ａに接着材１１０を塗布するようにしてもよい。さらに、上記実施例では、非加熱状態の基材１０８の端面１０８ａに化粧材１０９を接着するようにしたが、これに限定されず、例えば、加熱状態の基材１０８の端面１０８ａに化粧材１０９を接着するようにしてもよい。

　さらに、上記実施例では、化粧材１０９をエンドカット装置１０４によりエンドカットした後に第１トリミング装置１０５でトリミングするようにしたが、これに限定されず、例えば、化粧材１０９を第１トリミング装置１０５でトリミングした後にエンドカット装置１０４によりエンドカットするようにしてもよい。

　前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。

　本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。

　本発明は、基材の端面に化粧材を接着する技術として広く利用される。特に、家具の表面材、床材、壁材、扉材、間仕切り材、カウンタ材などの建材用の被覆製品を製造する技術として好適に利用される。

　本発明は、化粧材が接着される前の基材の端面を切削する技術として広く利用される。特に、家具の表面材、床材、壁材、扉材、間仕切り材、カウンタ材などの建材用の被覆製品を製造する技術として好適に利用される。

　１；被覆製品の製造装置、２；搬送部、３，３’；化粧材の接着装置、８；基材、９；化粧材、１０；接着材、１７，１７’；塗布部、１８；押圧部、Ｗ；被覆製品、Ｐ；搬送方向、ｈ１；基材の高さ、ｈ３；塗布幅、１０１；被覆製品の製造装置、１０３，１０３’；化粧材の接着装置、１０８；基材、１０８ａ；端面、１０８ｂ；表面、１０９；化粧材、１１１；保護フィルム、１７０；基材のミーリング装置、１７１；押圧部材、１７２；ミーリングカッター、１７３；支持体、１７５；付勢手段、１７８；押圧面、１７９；傾斜面、Ｐ；所定の搬送方向、Ｓ１；余剰端部、Ｗ；被覆製品。

Claims

　基材の端面に化粧材を接着する化粧材の接着装置であって、
　所定の搬送方向に搬送される前記基材の端面に向かって送り出される前記化粧材の裏面に接着材を塗布する塗布部と、
　前記塗布部により接着材が塗布された前記化粧材の裏面を前記基材の端面に押圧する押圧部と、を備えることを特徴とする化粧材の接着装置。
　前記塗布部は、前記基材の端面の高さより大きな塗布幅で前記化粧材の裏面に接着材を塗布する請求項１記載の化粧材の接着装置。
　前記塗布部は、接着材を塗布するスリット状の塗布口を有する塗布ノズルと、前記化粧材を挟んで前記塗布ノズルに対向して配設され且つ前記塗布ノズルに向かって前記化粧材を押圧する回転可能な押圧ローラと、を備える請求項１又は２に記載の化粧材の接着装置。
　基材の端面に化粧材を接着してなる被覆製品の製造装置であって、
　請求項１乃至３のいずれか一項に記載の化粧材の接着装置を備えることを特徴とする被覆製品の製造装置。
　前記化粧材が接着される前の前記基材の端面を切削する基材のミーリング装置を備え、
　前記基材のミーリング装置は、
　所定の搬送方向に搬送される前記基材の表面に貼着された保護フィルムの表面縁部を押圧する押圧部材と、
　前記押圧部材により前記保護フィルムの表面縁部が押圧された状態で前記基材の端面を切削する回転可能なミーリングカッターと、を備える請求項４記載の被覆製品の製造装置。
　基材の端面に化粧材を接着する化粧材の接着方法であって、
　所定の搬送方向に搬送される前記基材の端面に向かって送り出される前記化粧材の裏面に接着材を塗布する塗布工程と、
　接着材が塗布された前記化粧材の裏面を前記基材の端面に押圧する押圧工程と、を備えることを特徴とする化粧材の接着方法。
　基材の端面に化粧材を接着してなる被覆製品の製造方法であって、
　所定の搬送方向に搬送される前記基材の端面に向かって送り出される前記化粧材の裏面に接着材を塗布する塗布工程と、
　接着材が塗布された前記化粧材の裏面を前記基材の端面に押圧する押圧工程と、を備えることを特徴とする被覆製品の製造方法。