WO2014156554A1

WO2014156554A1 - 容器グリッパ

Info

Publication number: WO2014156554A1
Application number: PCT/JP2014/055940
Authority: WO
Inventors: 規雄犬飼
Original assignee: 三菱重工食品包装機械株式会社
Priority date: 2013-03-28
Filing date: 2014-03-07
Publication date: 2014-10-02
Also published as: CN105073627B; JP6016690B2; EP2980009B1; JP2014193727A; KR20150106437A; TW201507955A; EP2980009A4; TWI522305B; KR101690900B1; CN105073627A; EP2980009A1

Abstract

　容器を第一グリッパ（８）から第二グリッパ（４）へ交互に把持替えをして受け渡す容器グリッパ（１）において、第一グリッパ（８）の把持部は、首部に設けられたくびれ部に適合した把持形状でくびれ部の周長の半分以上を把持する把持片（８ａ，８ｂ）を具備し、第二グリッパ（４）の把持部は、首部に設けられた雄ねじ部の溝部に係合して溝部の周長の半分以上を把持する上部把持片（５）、及び、くびれ部の下部に係合して下部の周長の半分以上を把持する下部把持片（６）を具備する。

Description

容器グリッパ

　本発明は、ボトル缶の搬送受渡しに用いられる容器グリッパに関する。本願は、２０１３年３月２８日に、日本に出願された特願２０１３－０７０２００号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

　従来、ボトル缶の搬送受渡しに用いられる容器グリッパについては、ボトル缶の首部を把持できるグリッパが知られている（特許文献１）。

特開２００７－１９７０２１号公報

　前記特許文献１の装置は、ボトル缶の雄ねじ部の下部に設けられたくびれ部の下部を掴んで把持するグリッパと、前記くびれ部の上部を掴んで把持するグリッパとで構成されるグリッパ対を備えている。特許文献１の装置では、ボトル缶の洗浄、ボトル缶内への液充填、キャップ被せの液充填包装ラインにおいて、各搬送回転体にグリッパ対を交互に取付けている。このように、一定の大きさの回転体の円周上を等ピッチで搬送されるボトル缶は、雄ねじ部の下部に設けられたくびれ部の上部と下部を交互に掴み替えることにより、ネック搬送される。
　しかしながら、前記特許文献１の技術では、ボトル缶のくびれ部の上部を把持する場合、缶の球面部を把持するため缶の姿勢が垂直にならず、搬送不良が発生する可能性がある。また、ボトル缶のくびれ部の下部を把持する場合、大口径缶に対しては把持部の接触幅が狭いため缶の姿勢が垂直にならず、搬送不良が発生する可能性がある。さらには、容器の上下のずれを規制する位置決め部材及び、容器の径方向の位置を調整するために突出量の変更ができる調整機構と案内ガイドが必要であるため、把持機構が複雑となり、コストが高くなる可能性がある。

　本発明は、容器（ボトル缶）の首部を把持する場合に、突出量の変更を伴うような位置決め部材が不要な容器グリッパを提供する。また、容器の上下の位置決めや容器の把持姿勢の安定化ができる容器グリッパを提供する。また、把持片の容器把持部が摩耗しにくく、かつ、容器の把持箇所を傷付けずに容器を把持できる容器グリッパを提供する。さらに、首部の口径が大口径の場合でも小口径の場合でも兼用できる容器グリッパを提供する。

　本発明の第一の態様によれば、容器グリッパは、相対的な移動により開閉自在に配設される一対の把持片から構成され、開放時には容器の首部が出し入れ自在になるとともに、閉鎖時には前記首部を拘束可能となる把持部を有するグリッパを備え、容器を第一グリッパから第二グリッパへ交互に把持替えをして受け渡す。前記第一グリッパの前記把持部は、前記首部に設けられたくびれ部に適合した把持形状でくびれ部の周長の半分以上を把持する把持片を具備する。前記第二グリッパの前記把持部は、前記首部に設けられた雄ねじ部の溝部に係合して溝部の周長の半分以上を把持する上部把持片、及び、前記くびれ部の下部に係合して下部の周長の半分以上を把持する下部把持片を具備する。

　上述したような、交互に把持替えをして容器を受け渡す容器グリッパによれば、第一グリッパの容器把持部は、容器の首部に設けられたくびれ部に適合した把持形状でくびれ部の周長の半分以上を把持する把持片を具備し、第二グリッパの容器把持部は、容器首部に設けられた雄ねじ部の溝部に係合して溝部の周長の半分以上を把持する上部把持片、並びに、くびれ部の下部に係合して下部の周長の半分以上を把持する下部把持片を具備する。これにより、容器を第一グリッパの把持片がくびれ部に適合した把持形状で容器姿勢が垂直のまま崩れずに容器の上下の位置決めをして容器を把持し、第二グリッパが上部把持片と下部把持片の２箇所で容器姿勢が垂直のまま崩れずに容器を把持し、溝部との係合によって容器の上下の位置決めをすることができることから、安定した容器搬送を実現できる。

　本発明の第二の態様によれば、前記第一の態様の容器グリッパにおいて、上部把持片と下部把持片の開閉機構が、それぞれ独立して閉鎖作動できるように構成される。

　このような容器グリッパによれば、上部把持片と下部把持片の開閉機構を、それぞれが独立して閉鎖作動できるように構成したことにより、容器把持の際の前記把持片の閉じ代を容器径に追従させることができる。また、上部把持片での容器径と下部把持片での容器径がそれぞれ異なっていても確実に容器把持ができる。

　本発明の第三の態様によれば、前記第一または第二の態様の容器グリッパにおいて、上部把持片が、前記溝部に係合する突起部を有する。

　このような容器グリッパによれば、上部把持片が、容器首部に設けられたねじ部の溝部に係合する突起部を有する構成としたことにより、把持された容器の上下方向の位置決めができる。

　本発明の第四の態様によれば、前記第一から第三のいずれかの態様の容器グリッパにおいて、前記容器がボトル缶である。

　本発明の第五の態様によれば、前記第四の態様の容器グリッパにおいて、前記第一グリッパの把持片の容器把持部、前記第二グリッパの上部把持片の容器把持部、及び、前記第二グリッパの下部把持片の容器把持部を構成する材料が、エンジニアリングプラスチックスである。

　本発明の第六の態様によれば、前記第四の態様の容器グリッパにおいて、前記第一グリッパの把持片の容器把持部、前記第二グリッパの上部把持片の容器把持部、及び、前記第二グリッパの下部把持片の容器把持部を構成する材料が、スーパーエンジニアリングプラスチックスである。

　本発明の第七の態様によれば、前記第六の態様の容器グリッパにおいて、前記材料のスーパーエンジニアリングプラスチックスがポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）である。

　このような容器グリッパによれば、容器が金属製（アルミ製またはスチール製）の場合であっても、第一グリッパの把持片、または、第二グリッパの上部把持片や下部把持片の容器把持部を構成する材料を、エンジニアリングプラスチックスまたはスーパーエンジニアリングプラスチックス、さらには、スーパーエンジニアリングプラスチックスのポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）としたことにより、第一グリッパの把持片及び第二グリッパの把持片の容器把持部の耐摩耗性、耐久性を良くすることができる。また、グリッパの把持による、容器の把持箇所の損傷を抑えることができる。

　上述した容器グリッパによれば、第一グリッパの把持片がくびれ部に適合した把持形状で容器姿勢が垂直のまま崩れずに容器の上下の位置決めをして容器を把持し、第二グリッパが上部把持片と下部把持片の２箇所で容器姿勢が垂直のまま崩れずに容器を把持し、溝部との係合によって容器の上下の位置決めをすることができることから、安定した容器搬送を実現できる。

容器を説明する図である。本発明の実施の形態に係わる容器グリッパの平面図である。図２の断面III－III図である。グリッパの容器把持部の詳細を説明する拡大図であり、上部把持片が有する把持片の平面図である。グリッパの容器把持部の詳細を説明する拡大図であり、下部把持片が有する把持片の平面図である。グリッパの容器把持部の詳細を説明する拡大図であり、上部把持片と下部把持片の組み合わせ状態を示す正面図ある。

　以下、この発明の実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
（本発明の実施の形態）

　本発明の実施の形態を図１から図４Ｃに基づいて説明する。
　図１は、容器を説明する図である。
　図２は、本発明の実施の形態に係わる容器グリッパの平面図である。
　図３は、図２の断面III－III図である。
　図４Ａ～図４Ｃは、グリッパの容器把持部の詳細を説明する拡大図である。
　図１において、容器Ｂの首部Ｂｍは、図示しないキャップが巻き締めされる雄ねじ部（以下単に「ねじ部」と称する）Ｍ１と、ねじ部Ｍ１の溝部Ｍ２と、くびれ部Ｍ３と、くびれ部Ｍ３の下部Ｍ４で構成されている。

　図２および図３において、容器グリッパ１は、グリッパ（第一グリッパ８及び第二グリッパ４）を具備している。第一グリッパ８は、容器Ｂの首部Ｂｍのくびれ部Ｍ３（図１参照）をくびれ部Ｍ３に適合した把持形状で周長の半分以上を把持する一対の把持片８ａと把持片８ｂから構成される。第二グリッパ４は、ねじ部Ｍ１の溝部Ｍ２（図１参照）に係合して溝部Ｍ２の周長の半分以上を把持する一対の把持片５ａと把持片５ｂから構成される上部把持片５、および、上部把持片５と同様に、前記くびれ部Ｍ３の下部Ｍ４（図１参照）に係合して下部Ｍ４の周長の半分以上を把持する一対の把持片６ａと把持片６ｂから構成される下部把持片６を備える。

　前記第一グリッパ８は、軸３１を支点として、一対の把持片８ａと把持片８ｂが、図示矢印８ａｆおよび矢印８ｂｆの方向に、または、逆方向に揺動可能となるよう構成されている。軸３１は、支柱３４によって組み付けられたグリッパ本体上３０及びグリッパ本体下３８の間に配置され、軸３１の軸端は、グリッパ本体上３０とグリッパ本体下３８に嵌合されている。
　前記把持片８ａと把持片８ｂは、円弧状の切欠き８ａｃと円弧状の切欠き８ｂｃを有する。
　軸体３６の一端に取付けられた軸４１の周りに回転するカムフォロア４２と図示しないカムとの係合によって、軸体３６は、矢印３６ｆの方向へ軸受３９に対し摺動して移動する。この際、軸体３６の他端に取付けられたピン３７は、前記円弧状の切欠き８ａｃ及び円弧状の切欠き８ｂｃと係合しつつ矢印３７ｆの方向に押される。この時、把持片８ａと把持片８ｂは、軸３１を支点として、図示矢印８ａｆおよび矢印８ｂｆの方向（開放方向）に揺動する。この結果、容器Ｂの首部Ｂｍが出し入れ可能になる。
　また、軸体３６の前記カムフォロア４２と図示しないカムとの係合が解除されると、前記グリッパ本体下３８の外筒部３８ｔに案内される圧縮ばね４０の付勢により、軸体３６は、矢印３６ｆと逆方向へ移動する。この際、前記ピン３７は、前記円弧状の切欠き８ａｃ及び円弧状の切欠き８ｂｃと係合しつつ矢印３７ｆと逆方向に押される。この時、把持片８ａと把持片８ｂは、軸３１を支点として、図示矢印８ａｆおよび矢印８ｂｆと逆方向（閉鎖方向）に揺動する。この結果、容器Ｂの首部Ｂｍのくびれ部Ｍ３は、周長の半分以上を把持されて拘束される。
　なお、摺動板３３は、前記把持片８ａ、８ｂと、グリッパ本体上３０との間に配置されている。摺動板３５は、前記把持片８ａ、８ｂと、グリッパ本体下３８との間に配置されている。前記把持片８ａと把持片８ｂは、摺動板３３と摺動板３５に挟まれて、前記揺動をするように構成されている。

　前記第二グリッパ４の上部把持片５は、軸１１を支点として、一対の把持片５ａと把持片５ｂが、図示矢印５ａｆおよび矢印５ｂｆの方向に、または、逆方向に揺動可能となるように構成されている。軸１１は、支柱１４によって組み付けられたグリッパ本体上１０とグリッパ本体下１８の間に配置され、軸１１の軸端は、グリッパ本体上１０とグリッパ本体下１８に嵌合されている。
　また、前記第二グリッパ４の下部把持片６は、前記上部把持片５と同様に、一対の把持片６ａと把持片６ｂが、前記軸１１を支点として、図示矢印５ａｆおよび矢印５ｂｆと同じ方向に、または、逆方向に揺動可能となるように構成されている。

　前記下部把持片６について詳細に説明すると、一対の把持片６ａと把持片６ｂは、前記第一グリッパ８の一対の把持片８ａと把持片８ｂでの説明と同様に、円弧状の切欠き６ａｃと円弧状の切欠き６ｂｃを有する。
　軸体１６の一端に取付けられた軸２１の周りに回転するカムフォロア２２と図示しないカムとの係合によって、軸体１６は、矢印１６ｆの方向へ軸受１９に対し摺動して移動する。この際、軸体１６の他端に取付けられたピン１７は、前記円弧状の切欠き６ａｃ及び円弧状の切欠き６ｂｃと係合しつつ矢印１７ｆの方向に押される。この時、把持片６ａと把持片６ｂは、軸１１を支点として、図示矢印５ａｆおよび矢印５ｂｆの方向（開放方向）に揺動する。この結果、容器Ｂの首部Ｂｍが出し入れ可能となる。
　また、軸体１６の前記カムフォロア２２と図示しないカムとの係合が解除されると、前記グリッパ本体下１８の外筒部１８ｔに案内される圧縮ばね２０の付勢により、軸体１６は、矢印１６ｆと逆方向へ移動する。この際、前記ピン１７は、前記円弧状の切欠き６ａｃ及び円弧状の切欠き６ｂｃと係合しつつ矢印１７ｆと逆方向に押される。この時、把持片６ａと把持片６ｂは、軸１１を支点として、図示矢印５ａｆおよび矢印５ｂｆと逆方向（閉鎖方向）に揺動する。この結果、容器Ｂの首部Ｂｍのくびれ部Ｍ３の下部Ｍ４は、周長の半分以上を把持されて拘束できる。
　なお、摺動板１５は、前記把持片６ａ、６ｂと、グリッパ本体下１８との間に配置されている。前記一対の把持片６ａと把持片６ｂは、摺動板１５に対し摺動して、前記揺動をするように構成されている。

　前記上部把持片５について詳細に説明すると、一対の把持片５ａと把持片５ｂは、円弧状の切欠き５ａｃと円弧状の切欠き５ｂｃを有する
　前記ピン１７は、前記円弧状の切欠き５ａｃ及び円弧状の切欠き５ｂｃと係合しつつ矢印１７ｆの方向に押される。この時、把持片５ａと把持片５ｂは、軸１１を支点として、図示矢印５ａｆおよび矢印５ｂｆの方向（開放方向）に揺動する。この結果、容器Ｂの首部Ｂｍが出し入れ可能になる。また、前記ピン１７が矢印１７ｆと逆方向に移動して、前記円弧状の切欠き５ａｃと円弧状の切欠き５ｂｃがピン１７との係合から解放された場合、前記把持片５ａと把持片５ｂは、後述するばね７の付勢によって、図示矢印５ａｆおよび矢印５ｂｆと逆方向（閉鎖方向）に揺動する。この結果、容器Ｂの首部Ｂｍのねじ部Ｍ１の溝部Ｍ２は、前記把持片５ａと把持片５ｂの後述する突起部５ｐに係合して、周長の半分以上を把持されて拘束される。
　なお、摺動板１３は、前記把持片５ａ、５ｂと、グリッパ本体上１０との間に配置されている。摺動板１５ａは、前記把持片５ａ、５ｂと、下部把持片６との間に配置されている。前記一対の把持片５ａと把持片５ｂは、摺動板１３と摺動板１５ａに挟まれて、前記揺動をするように構成されている。

　なお、図３では、上部把持片５が、前記突起部５ｐに加えて、ねじ部Ｍ１の外径部を把持できる筒部５ｔも有している場合を示している。
　また、前記一対の把持片８ａと把持片８ｂ、一対の把持片５ａと把持片５ｂ、一対の把持片６ａと把持片６ｂの容器把持部を構成する材料は、把持する対象の首部Ｂｍが金属製である場合、把持箇所が摩耗しやすい。このため、容器把持部を構成する材料は、エンジニアリングプラスチックスまたはスーパーエンジニアリングプラスチックスを選択し、特に、スーパーエンジニアリングプラスチックスの中でもポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）を選択するのが望ましい。

　ここで、前記上部把持片５と下部把持片６、および、第一グリッパ８について、図４Ａ～図４Ｃを基に詳細説明する。
　図４Ａは、把持片５ａの平面図であり、説明の便宜上、三点鎖線で示す把持片６ａおよび二点鎖線で示す圧縮ばね７との組合せを一部表示し、大口径の首部Ｂｂを一点鎖線で、小口径の首部Ｂｓを二点鎖線で示している。
　図４Ｂは、把持片６ａを三点鎖線で示した平面図であり、大口径の首部Ｂｂを一点鎖線で、小口径の首部Ｂｓを二点鎖線で示している。
　図４Ｃは、首部Ｂｍを把持している把持片５ａ（実線で示す）と把持片６ａ（三点鎖線で示す）の組合せ状態の正面図である。

　図４Ａにおいて、把持片５ａの一端の首部Ｂｍの把持部は、首部Ｂｍの口径が大口径の首部Ｂｂと小口径の首部Ｂｓに対して兼用できるような曲線形状を形成している。前記把持部は、大口径の首部Ｂｂに対しては、図示Ｂｓ１の箇所および図示Ｂｂ１からＢｂ２までの間で接触するように構成されている。前記把持部は、小口径の首部Ｂｓに対しては、図示Ｂｓ１からＢｂ１までの間で接触するように構成されている。
　図４Ａでは図示を省略しているが、図２に示す把持片５ｂについても把持片５ａと対称の位置および形状を形成している。把持片５ａと同様に、首部把持部が、首部Ｂｍの口径が大口径の首部Ｂｂと小口径の首部Ｂｓに対して兼用できるように構成されている。
　また、把持片６ａと把持片６ｂについても、さらに、図示を省略しているが、第一グリッパ８の把持片８ａおよび把持片８ｂについても、前記把持片５ａおよび把持片５ｂと同様に、首部把持部が、首部Ｂｍの口径が大口径の首部Ｂｂと小口径の首部Ｂｓに対して兼用できるように構成されている。
　なお、首部把持部の前記曲線形状は、把持片５ａおよび把持片５ｂで、また、把持片６ａと把持片６ｂで、さらに、把持片８ａおよび把持片８ｂで、首部Ｂｍを把持した際に、小口径と大口径に対して首部Ｂｍの中心が同一（同心円）となるような形状を形成している。
　このようにして、首部Ｂｍは、小口径と大口径に対して、把持片５ａと把持片５ｂによって、また、把持片６ａと把持片６ｂによって、さらに、把持片８ａおよび把持片８ｂによって、周長の半分以上を把持されるように構成されている。

　また、図４Ａから図４Ｃにおいて、把持片５ａの他端には、ばね受け座５ｓが設けられている。一方、把持片６ａにも、前記ばね受け座５ｓに対応する箇所にばね受け座６ｓが設けられている。ばね受け座５ｓは、ばね受け座６ｓに対して圧縮ばね７を介して押されている。把持片５ａは、穴５ｈの内周面に接する軸１１（図２参照）を支点として、図２に示す矢印５ａｆと逆方向（閉鎖方向）に揺動するように、圧縮ばね７によって付勢されている。

　即ち、前記下部把持片６は、図２に示すピン１７を矢印１７ｆの方向へ押し込まれることによって、軸１１（図２参照）を支点に揺動する。この時、把持片６ａ、６ｂは矢印５ａｆ、５ｂｆの方向へ移動し、軸１１は穴６ｈの内周面に接している。また、下部把持片６は、圧縮ばね２０の付勢によって、ピン１７が矢印１７ｆの方向と逆方向への移動することで、軸１１を支点に揺動する。この時、把持片６ａ、６ｂは、矢印５ａｆ、５ｂｆの方向とは逆方向へ移動する。
　一方、前記上部把持片５は、図２に示すピン１７を矢印１７ｆの方向への押し込むことによって、前記下部把持片６とともに揺動する。この時、把持片５ａ、５ｂは、矢印５ａｆ、５ｂｆの方向へ移動する。また、上部把持片５は、ピン１７が矢印１７ｆの方向と逆方向へ移動した後、下部把持片６に対する圧縮ばね７の付勢によって、軸１１を支点に揺動する。この時、把持片５ａ、５ｂは、矢印５ａｆおよび５ｂｆと逆方向（閉鎖方向）へ移動する。
　つまり、上部把持片５と下部把持片６は、それぞれ独立して閉鎖するように構成されている。

　次に、本発明の実施の形態に係わる容器グリッパ１の作用を説明する。
　容器Ｐは、第一グリッパ８から第二グリッパ４へ交互に把持替えされて受け渡される。
　第一グリッパ８では、軸体３６が矢印３６ｆの方向へ移動し、ピン３７によって円弧状の切欠き８ａｃと円弧状の切欠き８ｂｃが矢印３７ｆの方向に押し込まれることによって、一対の把持片８ａと把持片８ｂが、軸３１を支点として、矢印８ａｆおよび矢印８ｂｆの方向（開放方向）に揺動する。このため、前工程からの、または、後工程への受渡しにおいて、容器Ｂの首部Ｂｍのくびれ部Ｍ３の出し入れが可能の状態となる。
　また、第一グリッパ８では、圧縮ばね４０の付勢により、前記軸体３６が矢印３６ｆと逆方向へ移動する。これに伴ってピン３７が矢印３７ｆと逆方向へ移動され、円弧状の切欠き８ａｃと円弧状切の欠き８ｂｃが矢印３７ｆと逆方向へ押される。このため、軸３１を支点に、一対の把持片８ａと把持片８ｂが、矢印８ａｆおよび矢印８ｂｆと逆方向（閉鎖方向）に揺動する。
　このようにして、第一グリッパ８は、前工程から受け渡された容器Ｂの首部Ｂｍのくびれ部Ｍ３に適合した把持形状でくびれ部Ｍ３を把持拘束し、容器の上下方向の位置決めをする。

　第二グリッパ４では、軸体１６が矢印１６ｆの方向への移動し、ピン１７によって円弧状の切欠き６ａｃと円弧状の切欠き６ｂｃが矢印１７ｆの方向に押し込まれることによって、下部把持片６の一対の把持片６ａと把持片６ｂが、軸１１を支点として、矢印５ａｆおよび矢印５ｂｆの方向（開放方向）に揺動する。このため、前工程からの、または、後工程への受渡しにおいて、容器Ｂの首部Ｂｍのくびれ部Ｍ３の下部Ｍ４の出し入れが可能の状態となる。
　また、第二グリッパ４では、圧縮ばね２０の付勢により、前記軸体１６が矢印１６ｆと逆方向へ移動する。これに伴ってピン１７が矢印１７ｆと逆方向へ移動され、円弧状の切欠き６ａｃと円弧状の切欠き６ｂｃが矢印１７ｆと逆方向へ押される。このため、軸１１を支点に、下部把持片６の一対の把持片６ａと把持片６ｂが、矢印５ａｆおよび矢印５ｂｆと逆方向（閉鎖方向）に揺動する。
　このようにして、第二グリッパ４は、前工程から受け渡された容器Ｂの首部Ｂｍのくびれ部Ｍ３の下部Ｍ４を把持拘束する。

　また、第二グリッパ４では、軸体１６が矢印１６ｆの方向への移動し、ピン１７によって円弧状切欠き５ａｃと円弧状切欠き５ｂｃが矢印１７ｆの方向に押し込まれることによって、上部把持片５の一対の把持片５ａと把持片５ｂが、軸１１を支点として、矢印５ａｆおよび矢印５ｂｆの方向（開放方向）に揺動する。このため、前工程からの、または、後工程への受渡しにおいて、容器Ｂの首部Ｂｍのねじ部Ｍ１の出し入れが可能の状態となる。
　また、第二グリッパ４では、前記軸体１６が矢印１６ｆと逆方向へ移動し、この移動に伴うピン１７の矢印１７ｆと逆方向への移動により、円弧状切欠き５ａｃと円弧状切欠き５ｂｃが前記押し込みから解放される。このため、上部把持片５の一対の把持片５ａと把持片５ｂは、圧縮ばね７の付勢によって、矢印５ａｆおよび矢印５ｂｆと逆方向（閉鎖方向）に揺動する。
　このようにして、第二グリッパ４は、前工程から受け渡された容器Ｂの首部Ｂｍのねじ部Ｍ１を把持拘束する。

　ここで、前記上部把持片５の一対の把持片５ａと把持片５ｂが、容器Ｂの首部Ｂｍのねじ部Ｍ１を把持する場合、突起部５ｐがねじ部Ｍ１の溝部Ｍ２と係合することにより、把持された容器Ｂの上下方向の位置決めをすることができる。また、前記上部把持片５の一対の把持片５ａと把持片５ｂが、容器Ｂの首部Ｂｍのねじ部Ｍ１を把持する場合、突起部５ｐがねじ部Ｍ１の溝部Ｍ２と係合することに加えて、前記突起部５ｐの下方の筒部５ｔがねじ部Ｍ１の外径部を把持することにより、把持された容器Ｂの上下方向の位置決めをすることができる。

　前記説明では、筒部５ｔがねじ部Ｍ１の外径部を把持する場合を説明したが、突起部５ｐがねじ部Ｍ１の溝部Ｍ２と係合する場合だけとしてもよい。

　なお、第二グリッパ４の下部把持片６の一対の把持片６ａと把持片６ｂの揺動（開閉）作動と、上部把持片５の一対の把持片５ａと把持片５ｂの揺動（開閉）作動は、開放作動の場合、同一のピン１７による押し込み機構で作動するが、閉鎖作動の場合、それぞれ圧縮ばね２０と圧縮ばね７の付勢による閉鎖機構で作動する。つまり、下部把持片６と上部把持片５の閉鎖作動は独立しているため、下部把持片６と上部把持片５の首部Ｂｍの把持部の径が異なっていても適切な把持ができる。

　また、第二グリッパ４は、下部把持片６と上部把持片５によって、くびれ部Ｍ３の下部Ｍ４と前記下部Ｍ４から上方に離れたねじ部Ｍ１の溝部Ｍ２の上下方向２箇所を把持するので、把持された容器Ｂの姿勢が安定することになり、安定した容器搬送を実現できる。
　さらに、首部Ｂｍの口径が大口径のボトル缶の場合、図４Ｃに示す前記下部Ｍ４の把持幅Ｗ４が狭い形状となっているため、ボトル缶の把持が安定せず、把持姿勢が垂直にならないことがある。しかしながら、第二グリッパ４は、上部把持片５と下部把持片６により首部Ｂｍを把持することができるので、首部Ｂｍの口径が大口径のボトル缶の場合でも把持された容器Ｂの姿勢が安定する。

　さらに、第一グリッパ８の一対の把持片８ａと把持片８ｂ、第二グリッパ４の下部把持片６の一対の把持片６ａと把持片６ｂ、第二グリッパ４の上部把持片５の一対の把持片５ａと把持片５ｂの首部Ｂｍの把持部が、大口径の首部Ｂｂと小口径の首部Ｂｓに対して兼用できるようになっているので、型替えすることなく対応できる。

　また、一対の把持片８ａと把持片８ｂ、一対の把持片５ａと把持片５ｂ、一対の把持片６ａと把持片６ｂの首部Ｂｍの把持部を構成する材料を、エンジニアリングプラスチックスまたはスーパーエンジニアリングプラスチックス、または、スーパーエンジニアリングプラスチックスの中でもポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）とすることにより、容器Ｂの首部Ｂｍを把持する場合、耐摩耗性、耐久性を良くすることができる。このため、容器の把持箇所を傷付けないように、容器を把持することができる。
　特に、把持する対象の首部Ｂｍが金属製（アルミ製またはスチール製）のボトル缶である場合には、前記把持の繰り返しにより前記把持箇所も摩耗への影響が大きいが、ポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）を選択することにより、耐摩耗性、耐久性に優れた把持片となる。

　この容器グリッパによれば、第一グリッパの把持片がくびれ部に適合した把持形状で容器姿勢が垂直のまま崩れずに容器の上下の位置決めをして容器を把持し、第二グリッパが上部把持片と下部把持片の２箇所で容器姿勢が垂直のまま崩れずに容器を把持し、溝部との係合によって容器の上下の位置決めをすることができるため、安定した容器搬送を実現できる。

　１　容器グリッパ
　４　第二グリッパ（グリッパ）
　５　上部把持片
　５ａ、５ｂ　把持片
　６　下部把持片
　６ａ、６ｂ　把持片
　７　圧縮ばね
　８　第一グリッパ（グリッパ）
　８ａ、８ｂ　把持片
　１１、３１　軸
　１６、３６　軸体
　１７、３７　ピン
　２０、４０　圧縮ばね
　Ｂ　容器
　Ｂｍ　（容器の）首部
　Ｍ１　（雄）ねじ部
　Ｍ２　溝部
　Ｍ３　くびれ部
　Ｍ４　（くびれ部の）下部

Claims

　相対的な移動により開閉自在に配設される一対の把持片から構成され、開放時には容器の首部が出し入れ自在になるとともに、閉鎖時には前記首部を拘束可能となる把持部を有するグリッパを備え、容器を第一グリッパから第二グリッパへ交互に把持替えをして受け渡す容器グリッパであって、
　前記第一グリッパの前記把持部は、前記首部に設けられたくびれ部に適合した把持形状でくびれ部の周長の半分以上を把持する把持片を具備し、
　前記第二グリッパの前記把持部は、前記首部に設けられた雄ねじ部の溝部に係合して溝部の周長の半分以上を把持する上部把持片、及び、前記くびれ部の下部に係合して下部の周長の半分以上を把持する下部把持片を具備する容器グリッパ。
　請求項１に記載の容器グリッパであって、
　前記上部把持片と前記下部把持片の開閉機構が、それぞれ独立して閉鎖作動できるように構成される容器グリッパ。
　請求項１又は２に記載の容器グリッパであって、
　前記上部把持片が、前記溝部に係合する突起部を有する容器グリッパ。
　請求項１から３のいずれか一項に記載の容器グリッパであって、
　前記容器がボトル缶である容器グリッパ。
　請求項４に記載の容器グリッパであって、
　前記第一グリッパの把持片の容器把持部、前記第二グリッパの上部把持片の容器把持部、及び、前記第二グリッパの下部把持片の容器把持部を構成する材料が、エンジニアリングプラスチックスである容器グリッパ。
　請求項４に記載の容器グリッパであって、
　前記第一グリッパの把持片の容器把持部、前記第二グリッパの上部把持片の容器把持部、及び、前記第二グリッパの下部把持片の容器把持部を構成する材料が、スーパーエンジニアリングプラスチックスである容器グリッパ。
　請求項６に記載の容器グリッパにおいて、前記材料のスーパーエンジニアリングプラスチックスがポリエーテルエーテルケトンである容器グリッパ。