JP3365276B2 - 中空体把持用のグリッパ装置 - Google Patents

中空体把持用のグリッパ装置

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JP3365276B2
JP3365276B2 JP28618597A JP28618597A JP3365276B2 JP 3365276 B2 JP3365276 B2 JP 3365276B2 JP 28618597 A JP28618597 A JP 28618597A JP 28618597 A JP28618597 A JP 28618597A JP 3365276 B2 JP3365276 B2 JP 3365276B2
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gripper device
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彰一郎 高野
登 澤根
修文 鈴木
匡弘 植田
正昭 仁尾
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  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PETボトル等の
中空体をブロー成形するブロー成形ラインにおいてプリ
フォームやボトル等を把持して移送するためのグリッパ
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】PETボトル等ブロー成形により容器を
製造する工程は、射出又は押出し成形によりプリフォー
ムを成形し、該プリフォームをブロー成形時に変形し得
る温度まで加熱ステーションで加熱し、その後ブロー成
形ステーションに移送してブロー成形を行う工程からな
っている。プリフォームは、口頚部が最終的に得られる
ボトルの口頚部と既に同じ形状に成形されており、一般
にPETボトルの場合、口頚部にキャップ螺合用の螺子
山が形成され、且つその下方に所定間隔を隔ててフラン
ジが形成されている。そして、アプセティック充填(無
菌充填)用ボトルの場合は、一般にフランジの上方にキ
ャップを係止するラチェットが形成されている。
【0003】上記ブロー成形ラインでは、プリフォーム
加熱ステーション及びブロー成形ステーションへのプリ
フォームの受渡しや成形後のボトルの搬出等をグリッパ
装置で把持して行っている。従来、プリフォームやボト
ル(以下単にプリフォームという)の受け渡しを行うグ
リッパ装置の閉止力及び把持力を得る機構として、左右
のフォークを固定フレームに対して一対の引っ張りバネ
をタスキ掛けに取り付けて、フォークを閉じる方向の付
勢力を得ているのが知られている。この従来のグリッパ
装置は、構造が複雑で形が大きい欠点がある。特に、引
っ張りバネによってグリップの把持力を得ているので、
耐久性及び安定性に劣り、且つバネが外部に露出してい
る為に、取り扱いにくくしかもゴミが付着し易い等の欠
点がある。また、引っ張りバネを交差して取り付けてあ
るので、組立てや調整が難しい欠点がある。そして、小
型化が困難であり、近時の高速ラインに伴うヒーティン
グホイール等のポケット数の増大に対して、ポケットピ
ッチを小さくして省スペースを図ることができない等の
問題点があった。
【0004】一方、従来のグリッパ装置は、図13に示
すように、把持部111がフォーク110の先端部近傍
に形成された円弧状のフラットな把持面112からな
り、プリフォームの首部を把持するようになっている。
しかしながら、プリフォームの把持は、一般に螺子山終
端とフランジ又はラチェット上端との間の円筒部の比較
的小さい隙間部を把持するので、フォークの把持部肉厚
を厚くすることができず、精々4mm程度である。その
上、プリフォーム表面はかなり粗面でうねりがあるた
め、従来のグリッパ装置で把持すると、実質的には1線
での線接触又は各フォーク1点での点接触で把持するこ
とになり、把持力が弱く被把持物の姿勢が安定せず、傾
いて把持したり、移送中に傾いたりしてしまう欠点があ
る。特に、アセプティック充填用ボトル口頚部に螺子山
の終端が露出していたり、ラチェットを有しているプリ
フォームを把持する場合は、なお一層その傾向がある。
ブロー成形ラインにおいて、特にインバーティングホイ
ールのグリッパからヒーティングホイールのスピンドル
へのプリフォームの受渡しは高度の位置決め精度が要求
され、位置決め精度が悪いとプリフォームのスピンドル
への正確な装着が出来ず、加熱不良及びそれに伴う成形
不良が発生して歩留まりが悪くなるばかりでなく、装着
不良によってプリフォームを機械に巻き込み、機械の停
止又は部品の破損を招いてしまい、ラインの高速化がで
きないという問題がある。従って、ブロー成形ラインに
おいて、グリッパ装置でプリフォームを正確な姿勢で安
定して移送することは不可欠であるが、従来のグリッパ
装置はその要求を満たすには不十分であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、従来
のグリッパ装置が有する上記欠点を一挙に解決しようと
するものであり、バネを全く使用することなく、あるい
は単純な押しバネを表に露出させないで使用して、構造
が簡単で且つ組立てや調整が簡単であり、且つ耐久性と
一定の保持力を得る安定性に優れ、しかも小型化ができ
て省スペースを図ることができるグリッパ装置を提供す
ることを第1の目的とし、且つプリフォームやボトル等
の中空体を、たとえラチェット付きプリフォームであっ
ても正確に位置決めして強固に把持することができ、且
つ搬送中も傾斜することなく安定した姿勢を維持するこ
とができ、正確な位置決め精度でプリフォーム等の中空
体の移送及び受渡しができる把持部も同時に備えたグリ
ッパ装置を提供することを第2の目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
る本発明のグリッパ装置は、把持部を有する一対のフォ
ークを固定フレームに対して開閉可能に軸着してなるグ
リッパ装置において、前記フォークの把持部と反対側端
部又は前記固定フレームの少なくとも何れかに、前記一
対のフォークを常に閉じる方向に磁力が作用するように
磁石を配置してなることを特徴とする構成を有してい
る。
【0007】前記一対のフォークは把持部と反対側端部
に磁石取付板を有し、該磁石取付板に磁石が固定され、
一方、前記固定フレームには、前記一対のフォークが最
大に開いた状態で前記磁石取付板に固定された磁石に対
向して反対の極性を有する磁石が配置されていると共
に、前記一対のフォークが閉じた状態で前記磁石取付板
に固定された磁石と同極性の磁石が対向するように配置
されているのが望ましい。
【0008】また、上記第1の目的を達成する本発明の
他のグリッパ装置は、前記フォークの把持部と反対側端
部にカム面が形成されており、前記固定フレームには該
カム面に当接するコロを当接方向に付勢する押しバネを
有する押圧作動体が変位可能に取り付けられてなり、該
押圧作動体が前記一対のフォークを閉じる方向に前記押
しバネのバネ力により前記カム面を押圧していることを
特徴とするものである。前記押しバネを、前記固定フレ
ームの貫通孔内に設けることによって、外部に露出する
ことがなく望ましい。また、前記カム面は、被把持物を
把持するための開閉作動させるカム面を超えて変曲点を
有し、前記コロが該変曲点を超えると、前記押圧作動体
は前記一対のフォークを開く方向に作動するように構成
することによって、メンテナンス時等においてグリッパ
を開いた状態に維持することができ便利である。
【0009】さらに、前記把持部が円弧状の把持面で形
成され、該把持面に円周方向に沿って溝状窪みを形成
ることによって、上記第2の目的も同時に達成できる。
【0010】前記フォークの把持部近傍側面に、前記把
持部の把持面と同心状に湾曲したフランジを突出形成す
ることによって、ラチェットを有するプリフォームであ
っても正確な姿勢でより安定して保持することができ
る。そして、前記フランジを、把持部近傍側面の両側に
対称形に形成することによって、グリッパを反転させて
使用することができる。またグリッパを反転使用しな
い場合には、フランジを上下対称にする必要はなく、プ
リフォーム口頚部に合わせた把持部の把持面と同心状に
湾曲したフランジを突出形成することにより、従来のグ
リッパ装置に比べてプリフォームを安定して保持するこ
とができ、上記第2の目的が達成できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
基に詳細に説明する。図1〜図3は、発明に係るグリ
ッパ装置の第1実施形態を示している。本実施形態のグ
リッパ装置1は、PETボトル成形ラインに適用される
グリッパ装置の例を示し、プリフォーム40のフランジ
41の上方の首部42が挿入できる半円弧状にくり抜か
れた把持部2が形成された一対のフォーク3、3を有し
ている。フォークの先端部は、プリフォーム40が押し
当てられたとき、その押圧力がフォーク3を押し開ける
方向に作用するように、図示のように先端部が内側に傾
斜する誘導テーパー面4を経て円弧状の把持部2に達す
るように形成されている。
【0012】フォーク3、3は、固定フレーム5の上下
板の端部に立設している固定ピン6に蝶番状に揺動自在
に設けられた一対の揺動垂直板7にそれぞれ溶接され、
フォーク3と揺動垂直板7は固定ピン6を中心に開閉で
きるようになっている。固定フレーム5は、図の実施形
態では、中央部上下に位置する上板9と下板10、該上
下板の端部に位置する両辺が内側に屈曲しているコ字状
の固定垂直板8、及び前記固定ピン6と固定垂直板8間
に設けられた中央板17(図3)から構成されている。
なお、12はフォークの固定フレームに対する揺動を規
制するための揺動規制機構であり、固定フレームの下板
に設けられたピン、レバー、フォークに形成された長孔
に嵌合するピンから構成されている。
【0013】フォーク3、3の開閉を制御するために、
揺動垂直板7の端部の両面に磁石151〜154が設けら
れ、且つこれらの磁石に対向して、垂直板7の片側の側
板からなる磁石取付板(便宜上右側板という)13と他
方の側板からなる磁石取付板(便宜上左側板という)1
4及び中央磁石取付板17にも磁石161〜164がそれ
ぞれ固定されている。これらの磁石は、フォーク3、3
が常に閉じる方向に作用するように、極性配置されてい
る。表1はそのための磁石151〜154と161〜164
の極性配置例を示している。
【0014】本実施形態のグリッパ装置は、以上のよう
に構成され、揺動垂直板7は、右側板13及び左側板1
4とは吸着方向、中央板17とは反発方向の力を受け
る。このため、フォーク3、3は常に閉じる力が作用し
ている。今、プリフォームの受渡しにおいて、フォーク
先端にプリフォーム40が押し当てられると、プリフォ
ームの押圧力が磁石の磁力に勝った時点からフォークが
左右に開き始め、プリフォームはフォークの開きにした
がって挿入されていく。フォークは、プリフォームの最
大径部分が誘導テーパー面4を通過した時点から閉じ始
め、円弧上の把持部に嵌合した形で保持される。この状
態でもフォーク3、3は磁石から力を受けているため、
フォーク3は常に閉じようとし、少々の力がプリフォー
ム40にかかってもプリフォームが脱落するおそれはな
い。
【0015】
【表1】
【0016】プリフォームにフォークの先端に向かう力
が一定以上加わった場合には、磁石による左右の側板と
揺動垂直板7間の吸着力が負け、フォークは開き始め、
次第にプリフォーム40はフォークの把持部2を通過
し、グリッパ1から外れる。以上のように、本実施形態
では、磁力を用いてグリッパの開閉を行っているので、
従来のバネを採用したものが繰り返し使用するとバネが
劣化し、破損する等の欠点があったものと比べて、劣化
する危険性が著しく低下している。また、構造も簡単で
あるので、小型化できて省スペースを図ることができ
る。そして、組立ても簡単であり、且つ故障が少なく、
動作も確実である。
【0017】図4〜図5は、本発明の他の実施形態を示
し、本実施形態のグリッパ装置では、押しバネを使用
し、しかもバネが表に出ずに、押しバネとコロを用いた
バネ・コロ方式でグリッパを開閉するようにしたもので
ある。本実施形態のグリッパ装置20は、把持部22を
有する一対のフォーク21、21を固定フレーム30
に、端部近傍が固定ピン23、23によって開閉自在に
軸着されている。フォーク21、21の軸着端部は、図
4に一部破断で図示しているように、軸着部から互いに
外側に向けて略平坦に延び且つその外側端で変曲点2
4'を有して略直角に屈曲しているカム面24が形成さ
れている。そして、該カム面を、先端部にコロ26を有
する一対の押圧作動体25、25が所定のバネ圧で押圧
している。なお、本実施形態では、コロを用いている
が、コロの代わりに球状ボール等を用いることもでき
る。
【0018】押圧作動体25は、固定フレーム30に形
成された嵌合孔31に嵌合され、先端部にコロ26が一
部を外部に突出させて回動自在に遊嵌している筒体27
を有し、その中空部に固定フレーム30に螺着され軸杆
28との間に押しバネ29が設けられてなる。従って、
該押しバネ29によって、コロ26がカム面24に圧接
するように押圧作動体25が付勢されている。なお、3
2は、固定フレーム30の先端から突出してフォーク2
1、21の基部間に位置し、図示のようにフォーク2
1、21が所定間隔で開口しているように位置決めする
位置決めストッパーである。
【0019】以上のように構成された本実施形態のグリ
ッパ装置の作動を図4及び図5により説明する。なお、
図5ではフォークは図示の便宜上から片方のみしか開い
ていないが、実際の装置では、両方のフォークが同様に
開閉するものである。さて、プリフォームを保持してな
い状態では、図4に示すように閉じた状態にあり、押し
バネ29のバネ圧によってコロ26がカム面24を押圧
している状態にあるが、押しバネによるコロの押圧方向
軸線と固定ピン23の中心とは、所定距離r離れている
ので、フォーク21、21は閉じる方向に付勢されてい
ることになり、フォークのストッパー面が位置決めスト
ッパー32に当って図4に示す状態を維持している。
【0020】今、フォーク先端にプリフォームが押し当
てられると、誘導テーパー面に当る力がフォークを押し
開く作用、即ちフォークが固定ピン23回りに回動して
カム面24がコロ26を押し上げる作用をする。プリフ
ォームの押圧力が押しバネ29の力に勝った時点からフ
ォークが左右に開き始め、プリフォームはフォークの開
きにしたがって挿入されていく。図5(a)はプリフォ
ームの最大径部分が先端を通過する時点を示し、その時
点ではコロはまだカム面の平坦部に接しており、プリフ
ォームの最大径部分が通過した時点からフォークは閉じ
始め、円弧状の把持部に至りその状態で保持される。こ
の状態でもフォークは押圧バネから力を受けているた
め、フォークは常に閉じようとし、少々の力がプリフォ
ームにかかっても脱落するおそれはない。
【0021】また、プリフォームをグリッパから外すに
は、プリフォームに挿入時と逆にフォーク入口に向かう
力を一定以上加わえると、押しバネによる押圧力が負
け、フォークは開き始める。さらにそのままプリフォー
ムとフォークを抜ける方向に相対移動させると、プリフ
ォームはフォークの把持部22を通過し、グリッパから
外れる。以上は、通常のプリフォームの受渡し時のグリ
ップの開閉動作であり、この動作の範囲内では押圧バネ
によってフォークは常に閉じる方向に付勢されている。
【0022】しかしながら、本実施形態では、カム面を
上記のように途中に屈曲部(変曲点)を設けてあるた
め、フォークをこの屈曲部を超えるまで開くと逆に前記
押圧作動体が開く方向に作用し、最大に開いた状態が維
持される。このことは、例えば保守点検時等で、クリッ
プを開いた状態にしておきたい場合には非常に便利であ
る。図5において、(b)はコロがカム面の屈曲点(変
曲点)に位置するまでフォークが開かれている状態を示
し、(c)はフォークが最大に開かれている状態を示し
ている。(c)の状態では、この状態が維持される。図
において、S1〜S3はコロ26の通常位置からの変位距
離を示し、θ1〜θ3はそれぞれの状態における片側のフ
ォークの開き角度を示している。図の状態では、S1
2>S3、及びθ1<θ2<θ3の関係にある。
【0023】次に、上記第2の目的を達成するための把
持部の実施形態を図6〜図12により説明する。図6及
び図7はアセプティック充填用ボトル用のプリフォーム
の把持に適しているグリッパ装置である。アセプティッ
ク用プリフォーム80は、一般に図10に示すように、
口頚部のフランジ81の上部位置にラチェット82が形
成され、グリッパ装置は該ラチェットと口頚部上部に形
成されている螺子山83との間を把持するようにしてい
る。本実施形態のグリッパ装置は、固定フレームに対し
て開閉可能に軸着してなる一対のフォーク(図6には片
方のフォークのみが示されている)51を有し、その先
端部に半径rの円弧状の把持面を有する把持部52を形
成している点では、従来のものと同様であるが、把持部
52の把持面54に円周方向の溝状窪み53が形成され
ている点、及び把持部の外周部に把持面と同心円弧状の
フランジ55が形成されている点に特徴を有する。
【0024】前記溝状窪み53は、被把持物表面のうね
り等の変形を逃がすためのものであり、把持面54の幅
方向中心に沿って形成され、その深さはプリォーム把持
時に中央部がプリフォームと直接接触することなく、窪
みの両側部のみが接触するような深さであれば良く、
0.3〜1mm、好ましくは0.4〜0.7mmの深さ
が望ましい。フランジ55は、プリフォームの軸心が把
持中心線と一致して正確に把持できるように、プリフォ
ームのラチェット部を軽く支えて、プリフォームの揺れ
や傾きを防止するために設けられたものであり、ラチェ
ットの外径と同径又は僅かな隙間を有して対面するよう
に形成されている。グリッパ装置はプリフォームの移し
替え作業時にフォークを反転させて上下(図6では左
右)交互に使用するために、フランジ55は図6(a)
に示すようにフォーク51の両面に対称に設けて襟巻状
フランジとなっている。
【0025】フランジ55と把持するプリフォームとの
寸法関係は、フランジの円弧内周面とラチェット外周面
との間隙aは0〜1.5mm、好ましくは、0.05〜
0.2mmが良い(図10参照)。また、フランジ下端
とプリフォームのフランジ上面との間隙bが0〜3mm
好ましくは0.5〜1.5mmの範囲が良い。全く間隙
のないように同一寸法に形成すると、プリフォーム外面
のうねり等の寸法誤差を吸収することができず、且つ隙
間があり過ぎると、その分揺れや傾きを許容することに
なるので、軸心を一致させて正確に姿勢で安定して把持
するには、上記の寸法関係がより好ましい。
【0026】本実施形態の把持部は、以上のように形成
され、把持面54に溝状窪み53を設けたので、フォー
クの把持部はプリフォームの外周面と少なくとも平行な
2線又は2点で接触して把持することとなり、プリフォ
ームの軸心を正確に一致させて強固に保持することがで
きる。しかも、フランジ55を有しているので、例えば
図10に示すように、アセプティック用プリフォームの
ようなラチェット付きプリフォーム80を把持する場
合、把持が正確でないとフランジ55がラチェット外周
面に接触して位置決めでき、より安定したプリフォーム
の保持が得られる。そして、把持されたプリフォームが
搬送中に傾斜することも防止され、安定した姿勢で移送
することができる。従って、特に高い位置決め精度が要
求されるヒーティングホイールのスピンドルへのプリフ
ォームの受渡しも正確に行なうことができ、プリフォー
ムを円周方向に均一な加熱を行うことができる。
【0027】図8及び図9はグリッパ装置におけるフォ
ーク形状の実施形態を示している。該グリッパ装置は、
図11に示すように、耐熱用ボトル等のボトル口頚部に
ラチェットを有しないボトル用のプリフォーム90の把
持に適用される場合を示している。前記実施形態のグリ
ッパ装置との相違点は、プリフォーム(ボトル)の形状
に合わせて、プリフォーム90のフランジ91の直ぐ上
部を把持して、フォークのフランジ11端部がプリフォ
ームのフランジ91上面との間に僅かな隙間を有して対
峙できるように、フォーク60のフランジ61の形状を
短く変化させただけであり、その技術思想は同じである
ので、前記実施形態と対応する個所は同じ符号を付し、
詳細な説明を省略する。
【0028】以上、本発明に係るグリッパ装置に係る種
々の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形
態に限るものでなく、その技術的思想の範囲内で種々の
設計変更が可能である。例えば、図1〜図3に示す実施
形態では、磁石を右側板13及び左側板14にも設けて
あるが、これらの側板を磁性体で形成すれば、垂直揺動
板に設けた磁石のみでこれらの垂直固定板と吸着する磁
力が生じるので、これらの側板には必ずしも磁石を設け
る必要がない。また、逆に右側板及び左側板には磁石を
設けて、垂直揺動板は中央板側のみに磁石を設けて、右
側板及び左側板側には設けないようにしても良い。さら
に、上記実施形態では垂直揺動板及び中央板の両面に別
々の磁石を設けたが、必ずしも別個の磁石でなくても、
これらの各板を貫通するようにそれぞれ1個の磁石を配
置しても良い。また、本発明のグリッパ装置は、必ずし
もプリフォームの把持ばかりでなく、例えば成形された
PETボトルの口部の把持するグリップ装置や他の物品
を把持するグリップ装置にも適用できることは言うまで
もない。
【0029】また、グリッパ装置は、図6〜図11に示
す実施形態のようにフォークにフランジを設けるのが望
ましいが、例えば、アセプティック用以外の耐熱用又は
炭酸飲料用のプリフォーム等、ラチェットを有しないプ
リォームや又はフランジを有しない円筒物品等の場合に
は、フォークにフランジを設けなくても良い。図12に
示す第3実施形態のフォーク100は、把持部102の
円弧状の把持面104に溝状窪み103を設けてある点
では、前記実施形態のものと同様であるが、フランジは
設けられていない。また、逆に把持面に溝状窪みを設け
なくてフランジのみを設けても、従来のグリッパ装置よ
りもはるかにプリフォームを安定して把持することがで
きる。さらに、前記実施形態においてはフォークに形成
されたフランジが被把持物のラチェットに接することに
よって、被把持物が傾斜するのを防止するものであった
が、ラチェットを有しない場合又はラチェット外周面と
ネジ山が同じ高さにある場合、フランジの一部がネジ山
の一部と接するようにしてプリフォームを把持するよう
に構成しても良い。なお、上記実施形態では、第1目的
及び第2目的を達成する構成を別々に説明したが、図1
〜図5に示す実施形態のグリッパ装置において、把持部
及びフォークの形状を図6〜図12に示す何れかのもの
を採用することで第1目的を達成し且つ第2目的も同時
に達成できるグリッパ装置を得ることができる。
【0030】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成され次のよ
うな格別な効果を奏する。本発明のグリップ装置によれ
ば、従来のグリップ装置のように引っ張りバネを交差し
て取り付ける必要がないので、従来と比べて構造が非常
に簡単であり、組立てやメンテナンスが容易である。し
かも小型化できるので、例えばPETボトルの2軸延伸
ブロー成形装置に適用した場合、ヒーティングホイール
のポケット間ピッチを大幅に小さくすることが可能とな
り、省スペースを図ることができる。このことは、とく
にブローマシンの高速化にとって重要である。
【0031】しかも、請求項1、2の構成によれば、バ
ネを全く使用することなく磁石の磁力のみでグリップの
閉じ力及び把持力を得ているので、長期間使用してもへ
たることがなく耐久性に優れ、且つ被把持物を常に一定
の力で保持することができて疵を付けることがなく、非
常に安定性に優れている。さらに、請求項3〜5の構成
のグリップ装置によれば、押しバネを嵌合孔内で用いる
のみであるから、バネが表に露出することなく、邪魔に
なることがなく、且つ構造が簡単で耐久性にも優れてい
る。
【0032】請求項5〜7の構成によれば、さらにグリ
ッパの把持部の把持面に溝状窪みを設けたので、被把持
物の把持面が粗面になっていても各フォークで少なくと
も被把持物を2点づつで把持することとなり、把持が強
固になって被把持物の姿勢が安定し、正確な位置決め精
度でプリフォーム等の受渡し及び搬送ができる。
【0033】また、フォークの把持部近傍側面に、前記
把持部の把持面と同心状に湾曲したフランジを突出形成
することによって、たとえアセプティック用プリフォー
ムのようなラチェット付きプリフォームを把持する場合
でもより安定した把持が得られ、搬送中も傾斜すること
が防止される。そして、フランジを把持部近傍側面の両
側に対称形に襟巻状に形成することによって、グリッパ
を反転させて交互に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るグリッパ装置の平面図
である。
【図2】その側面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るグリッパ装置の上板を
除去した状態での平面図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係るグリッパ装置の一
部破断平面図である。
【図5】(a)〜(c)はその作動状態を示す要部平面
図である。
【図6】本発明のグリッパ装置におけるフォークの実施
形態を示し、(a)は左側面図、(b)は正面図であ
る。
【図7】(a)は図6(b)におけるA−A断面図、
(b)はB−B矢視図である。
【図8】本発明のグリッパ装置におけるフォークの他の
実施形態を示し、(a)は左側面図、(b)は正面図で
ある。
【図9】(a)は図8(b)におけるC−C断面図、
(b)はD−D矢視図である。
【図10】アアセプティック用プリフォームを図6に示
すフォークで把持している状態を示す縦断面図である。
【図11】耐熱ボトル用プリフォームを図7に示すフォ
ークで把持している状態を示す縦断面図である。
【図12】本発明のグリッパ装置におけるフォークのさ
らに他の実施形態を示し、(a)は左側面図、(b)は
正面図、(c)はE−E断面図である。
【図13】従来のグリッパ装置のフォークを示し、
(a)は左側面図、(b)は正面図である。
【符号の説明】
1、20 グリッパ装置 3、21、51、60、65、100 フォーク 4 誘導テーパー面 5、30 固定フレーム 6、23 固定
ピン 7 揺動垂直板 8 固定垂直板 151〜154 磁石 161〜164
磁石 17 中央磁石取付板 24 カム面 25 押圧作動体 26 コロ 29 押しバネ 40 プリフォ
ーム 52 把持部 53 溝状窪み 55、61 フランジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仁尾 正昭 千葉県市川市中国分5−24−5 (56)参考文献 特開 平5−177573(JP,A) 特開 平8−90473(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 49/00 - 49/80 B29C 31/08

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 把持部を有する一対のフォークを固定フ
    レームに対して開閉可能に軸着してなるグリッパ装置に
    おいて、前記フォークの把持部と反対側端部又は前記固
    定フレームの少なくとも何れかに、前記一対のフォーク
    を常に閉じる方向に磁力が作用するように磁石を配置し
    てなることを特徴とする中空体把持用のグリッパ装置。
  2. 【請求項2】 前記一対のフォークは把持部と反対側端
    部に磁石取付板を有し、該磁石取付板に磁石が固定さ
    れ、前記固定フレームには、前記一対のフォークが最大
    に開いた状態で前記磁石取付板に固定された磁石に対向
    して反対の極性を有する磁石が配置されていると共に、
    前記一対のフォークが閉じた状態で前記磁石取付板に固
    定された磁石と同極性の磁石が対向するように配置され
    ている請求項1記載の中空体把持用のグリッパ装置。
  3. 【請求項3】 把持部を有する一対のフォークを固定フ
    レームに対して開閉可能に軸着してなるグリッパ装置に
    おいて、前記フォークは把持部と反対側端部にカム面が
    形成されており、前記固定フレームには該カム面に当接
    するコロを当接方向に付勢する押しバネを有する押圧作
    動体が変位可能に取り付けられてなり、該押圧作動体が
    前記一対のフォークを閉じる方向に前記押しバネのバネ
    力により前記カム面を押圧していることを特徴とする
    空体把持用のグリッパ装置。
  4. 【請求項4】 前記カム面が変曲点を有し、前記コロが
    該変曲点を超えたカム面を押圧した状態では、前記押圧
    作動体は前記一対のフォークを開く状態に維持するよう
    に作動する請求項3記載の中空体把持用のグリッパ装
    置。
  5. 【請求項5】 前記把持部が円弧状の把持面で形成さ
    れ、該把持面に円周方向に沿って溝状窪みが形成されて
    いる請求項1〜4何れか記載の中空体把持用のグリッパ
    装置。
  6. 【請求項6】 前記フォークの把持部近傍側面に、前記
    把持部の把持面と同心状に湾曲したフランジが突出形成
    されていることを特徴とする請求項5記載の中空体把持
    用のグリッパ装置。
  7. 【請求項7】 前記フランジが把持部近傍側面の両側又
    は片側に形成されている請求項6記載の中空体把持用の
    グリッパ装置。
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