WO2014148195A1

WO2014148195A1 - パネル積層体の製造方法、及び硬化状態判別方法

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Publication number: WO2014148195A1
Application number: PCT/JP2014/054114
Authority: WO
Inventors: 亮菊地; 健一郎土田
Original assignee: シャープ株式会社
Priority date: 2013-03-21
Filing date: 2014-02-21
Publication date: 2014-09-25
Also published as: CN105026136B; CN105026136A; US20160016396A1

Abstract

本発明のパネル積層体１６の製造方法は、板材１１、枠状の遮光部１４を有する第１パネル体１１０の板面に対し、紫外線硬化型接着剤からなるシートであって、遮光部１４の内側の前記板面を主として覆う本体部１５ａ、及び本体部１５ａの周縁から外側に向かって延設され遮光部１４上に重ねられる試験部１５ｂを有する接着シート１５の一方の面が、貼り付けられる第１貼付工程と、第２パネル体１２の周縁から外側に試験部１５ｂが露出するように、第２パネル体１２の一方の板面が、未硬化状態の接着シート１５における他方の面に貼り付けられる第２貼付工程と、接着シート１５に紫外線が照射される照射工程と、試験部１５ｂが遮光部１４から剥離される剥離工程と、試験部１５ｂの剥離時の状態に基づいて、接着シート１５の硬化状態が判別される判別工程を備える。

Description

パネル積層体の製造方法、及び硬化状態判別方法

　本発明は、パネル積層体の製造方法、及び硬化状態判別方法に関する。

　液晶表示パネルを備えた携帯型情報端末等の液晶表示装置が知られている。この種の液晶表示装置は、液晶表示パネルの表面を保護するための透明な保護パネル（カバーパネル）を備えている。保護パネルは、従来、液晶表示パネルを収納する箱型の筐体の上部に取り付けられる構成であったが、近年は、特許文献１に示されるように、液晶表示装置の薄型化等のために、液晶表示パネルの表側の面（表示面）に、接着剤を利用して直接、保護パネルが取り付けられている。

　液晶表示パネルと保護パネルとを接着する接着剤としては、例えば、特許文献１に示されるように、紫外線硬化型樹脂からなる接着剤（以下、紫外線硬化型接着剤）が用いられている。

　紫外線硬化型接着剤は、未硬化の状態で、液晶表示パネル又は保護パネルの何れかの表面に塗布される。そして、塗布された未硬化の紫外線硬化型接着剤を挟むように液晶表示パネルと保護パネルとが貼り合わされる。その後、液晶表示パネルと保護パネルとに挟まれた状態の紫外線硬化型接着剤に対して紫外線が照射されて、前記接着剤が完全硬化される。

　なお、特許文献２及び特許文献３には、液晶表示パネルを構成する基板同士を、液晶を封入するための紫外線硬化型のシール樹脂を利用して貼り合わせる技術が示されている。前記シール樹脂には、紫外線を受けると色彩が変化する着色剤が含まれており、色彩の変化の有無で、前記シール樹脂の硬化状態を目視で確認できることが各特許文献に示されている。

特開２０１１－１５８８５１号公報特開平１１－１０９３８２号公報特開２０００－３３０１２２号公報

（発明が解決しようとする課題）
　ところで、保護パネルと液晶表示パネルとの間で挟まれている紫外線硬化型接着剤が十分に硬化していないと、保護パネル又は液晶表示パネルの位置ずれや、保護パネル又は液晶表示パネルが紫外線硬化型接着剤から剥がれる等の問題が発生することがある。このような問題を確実に把握する等の目的で、上記のように紫外線を照射した後に、保護パネルと液晶表示パネルとの間で挟まれた紫外線硬化型接着剤の硬化状態を確認したい場合がある。

　従来、保護パネルと液晶表示パネルとの間で挟まれている紫外線硬化型接着剤の硬化状態を確認する方法としては、例えば、保護パネルから液晶表示パネルを引き剥がして確認する破壊試験が行われていた。破壊試験は、その場（生産現場）で行うことができないため、パネル間の紫外線硬化型接着剤の硬化状態を、直ちに判別することができなかった。また、破壊試験後のパネルを、そのまま液晶表示装置の部品として利用することができなかった。

　例えば、上述した特許文献２，３に示されるように、紫外線を受けると色彩が変化する着色剤を紫外線硬化型接着剤中に配合して、紫外線照射の前後における色彩変化により硬化状態を確認することも考えられる。しかしながら、保護パネルと液晶表示パネルとの間の紫外線硬化型接着剤は、液晶表示パネルの表示面を覆うように形成されているため、着色剤が配合されていると、液晶表示装置の画質低下の原因となってしまい、問題となる。

　本発明の目的は、紫外線硬化型接着剤を挟む形でパネル体同士を貼り合わせてパネル積層体を製造する際に、紫外線硬化型接着剤の硬化状態を容易に判別可能な技術を提供することである。

（課題を解決するための手段）
　本発明に係るパネル積層体の製造方法は、光を透過する板材、及び前記板材の一方の板面における周縁側に枠状に形成され、光を遮る層状の遮光部を有する第１パネル体の前記板面に対し、未硬化状態で紫外線を受けると硬化する透明な紫外線硬化型接着剤からなるシートであって、前記遮光部の内側から露出する前記第１パネル体の前記板面を主として覆う本体部、及び前記本体部の周縁から外側に向かって延設され前記遮光部上に重ねられる試験部を有する接着シートの一方の面が、未硬化状態で貼り付けられる第１貼付工程と、第２パネル体の周縁から外側に前記試験部が露出し、前記第２パネル体と前記第１パネル体との間で前記本体部が挟まれるように、前記第２パネル体の一方の板面が、未硬化状態の前記接着シートにおける他方の面に貼り付けられる第２貼付工程と、前記第１パネル体及び前記第２パネル体で挟まれた前記接着シートに対して、紫外線が照射される照射工程と、前記試験部が前記本体部から分離するように、前記試験部が前記遮光部から剥離される剥離工程と、前記試験部の剥離時の状態に基づいて、前記接着シートの硬化状態が判別される判別工程と、を備える。前記パネル積層体の製造方法によれば、判別工程において、試験部の剥離時の状態に基づいて、接着シートの硬化状態を容易に判別することができる。

　前記パネル積層体の製造方法において、前記剥離工程は、前記試験部の剥離時におけるピール力が測定される工程を含み、前記判別工程は、前記試験部の測定結果に基づいて、前記接着シートの硬化状態が判別される工程を含むものであってもよい。前記パネル積層体の製造方法によれば、試験部の剥離時の状態を、試験部の剥離時に測定されたピール力によって定量的に把握することができ、正確に接着シートの硬化状態を判別することができる。

　前記パネル積層体の製造方法において、前記接着シートは、前記本体部と前記試験部との境界部分に、前記本体部と前記試験部との分離を誘導する分離誘導線を有し、前記剥離工程において、前記分離誘導線に沿って前記試験部が前記本体部から分離されるものであってもよい。前記パネル積層体の製造方法によれば、本体部から試験部を確実に分離することができる。つまり、試験部の剥離時において本体部側に亀裂が入り込んで本体部が損傷することや、本体部側に試験部の一部が残留する形で試験部が本体部から分離されること等の剥離不良の発生が抑制される。

　前記パネル積層体の製造方法において、前記試験部のうち、前記本体部と接続する部分が、それの外側部分よりも細くなっているものであってもよい。前記パネル積層体の製造方法によれば、試験部を、本体部から分離し易い。

　前記パネル積層体の製造方法において、前記試験部は、２個以上設けられているものであってもよい。前記パネル積層体の製造方法によれば、複数回（２回以上）、剥離工程を行うことができる。そのため、例えば、剥離工程後の判別工程において、硬化が不十分と判別された場合、再度、紫外線照射を行った後に、剥離工程、判別工程を行い、硬化状態を把握することができる。また、複数回の剥離工程に基づいて、接着剤シートの硬化状態を正確に把握することができる。

　前記パネル積層体の製造方法において、前記第２パネル体は、液晶表示パネルからなるものであってもよい。

　前記パネル積層体の製造方法において、前記第２パネル体は、タッチパネルからなるものであってもよい。

　本発明に係る硬化状態判別方法は、光を透過する板材、及び前記板材の一方の板面における周縁側に枠状に形成され、光を遮る層状の遮光部を有する第１パネル体と、第２パネル体と、未硬化状態で紫外線を受けると硬化する透明な紫外線硬化型接着剤からなるシートであって、前記遮光部の内側から露出する前記第１パネル体の前記板面を覆う形で前記第１パネル体と前記第２パネル体との間で挟まれ、前記第１パネル体と前記第２パネル体とを互いに貼り合わせる接着シートと、を備えるパネル積層体における前記接着シートの硬化状態判別方法であって、前記接着シートは、前記遮光部の内側から露出する前記第１パネル体の前記板面を主として覆う本体部と、この本体部の周縁から外側に向かって延設されると共に、前記第２パネルの前記周縁から外側に露出する形で前記遮光部上に貼り付けられる試験部とを有し、前記本体部から分離するように前記試験部が前記遮光部から剥離され、その剥離状態に基づいて前記接着シートの硬化状態が判別される。前記硬化状態判別方法によれば、試験部の剥離時の状態に基づいて、接着シートの硬化状態を容易に判別することができる。

　前記硬化状態判別方法において、前記試験部が前記遮光部から剥離される際に、前記試験部のピール力が測定され、前記試験部の測定結果に基づいて、前記接着シートの硬化状態が判別されるものであってもよい。前記硬化状態判別方法によれば、試験部の剥離時の状態を、試験部の剥離時に測定されたピール力によって定量的に把握することができ、正確に接着シートの硬化状態を判別することができる。

　前記硬化状態判別方法において、前記接着シートは、前記本体部と前記試験部との境界部分に、前記本体部と前記試験部との分離を誘導する分離誘導線を有し、前記試験部が前記遮光部から剥離される際に、前記分離誘導線に沿って、前記試験部が前記本体部から分離されるものであってもよい。前記硬化状態判別方法によれば、本体部から試験部を確実に分離することができる。つまり、試験部の剥離時において本体部側に亀裂が入り込んで本体部が損傷することや、本体部側に試験部の一部が残留する形で試験部が本体部から分離されること等の剥離不良の発生が抑制される。

（発明の効果）
　本発明によれば、紫外線硬化型接着剤を挟むようにパネル体同士を貼り合わせてパネル積層体を製造する際に、紫外線硬化型接着剤の硬化状態を容易に判別可能な技術を提供することができる。

実施形態１に係る液晶表示装置の斜視図裏面側から見たカバーパネルの平面図紫外線硬化型接着剤シートの平面図紫外線硬化型接着剤シートをカバーパネルに貼り付けた状態を示す説明図図４に示される紫外線硬化型接着シート上に液晶表示パネルを貼り付けてなるパネル積層体の平面図図５のＡ－Ａ’線断面図オートクレーブ処理後のパネル積層体の断面図パネル積層体に紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤シートを硬化させる工程の説明図パネル積層体における引き剥がし試験の内容を示す説明図実施形態２に係るパネル積層体の平面図実施形態３に係るパネル積層体の平面図実施形態４に係るパネル積層体の平面図実施形態５に係るパネル積層体の平面図

　＜実施形態１＞
　本発明の実施形態１を、図１から図９を参照しつつ説明する。本実施形態では、液晶表示装置が備えるパネル積層体の製造方法、及び前記パネル積層体における硬化状態判別方法を例に挙げて説明する。

　図１は、実施形態１に係る液晶表示装置１０の斜視図である。液晶表示装置１０は、図１に示されるように、全体的には、概ね縦長の矩形状（長方形状）をなしており、透明なカバーパネル１１によって表側の面（表示面）が覆われている液晶表示パネル（第２パネル体の一例）１２を備えている。カバーパネル１１と液晶表示パネル１２とは、後述する紫外線硬化型接着剤シートを介して貼り合わされている。カバーパネル１１や液晶表示パネル１２等の液晶表示装置１０を構成する各部品は、筐体１３内に収容されている。筐体１３は、上方が開口した浅底の箱状をなし、合成樹脂製又は金属製からなる。

　なお、本明細書では、紫外線硬化型接着剤シートを挟んで互いに貼り合わされたパネル体同士（例えば、カバーパネル１１、液晶表示パネル１２）を、特に、パネル積層体と称する。

　カバーパネル１１は、図１に示されるように、概ね縦長の矩形状をなしており、ガラスや、アクリル樹脂等の透明樹脂等からなる透明な板材からなる。本実施形態の場合、カバーパネル１１の外縁部分における四隅は、それぞれ円弧状（Ｒ状）に面取りされている。カバーパネル１１は、液晶表示パネル１２を保護するものであり、液晶表示パネル１２を表示面側から全域に亘って覆う形で配されている。液晶表示パネル１２の表示面に画像が表示されると、液晶表示装置１０の利用者は、カバーパネル１１越しに画像を視認することになる。カバーパネル１１の中央部分には、光を透過して画像が表示される矩形状の透過領域Ｓ１がある。また、カバーパネル１１の周縁部分には、透過領域Ｓ１を取り囲む光を透過させず画像が表示されない枠状（額縁状）の非透過領域Ｓ２がある。なお、透過領域Ｓ１が透過させる光、及び非透過領域Ｓ２が透過させない光としては、例えば、可視光、紫外線等が挙げられる。

　図２は、裏面側から見たカバーパネル１１の平面図である。図２に示されるように、カバーパネル１１の裏側の面における周縁部分には、光を遮るための遮光部１４が形成されている。遮光部１４は、黒色の塗料等からなり、スクリーン印刷、インクジェット印刷等の印刷手段を利用してカバーパネル１１の裏面上に層状（膜状）に形成される。遮光部１４は、図２に示されるように、全体的には枠状（額縁状）をなしており、上述した非透過領域Ｓ２を形成する。枠状をなした非透過領域Ｓ２の内側からは、カバーパネル１１の裏面が露出しており、この露出した部分が上述の透過領域Ｓ１となる。なお、カバーパネル１１の裏面側に、遮光部１４が形成されているものが、本実施形態における第１パネル体１１０となる。

　図３は、紫外線硬化型接着剤シート１５の平面図である。紫外線硬化型接着剤シート（接着シートの一例）１５は、両面接着型の透明な接着剤シートであり、カバーパネル１１と液晶表示パネル１２とを貼り合わせる際に利用される。紫外線硬化型接着剤シート１５は、未だ完全に硬化されていない状態（以下、未硬化状態）の紫外線硬化型接着剤がシート状に加工されたものからなり、紫外線を受けると架橋反応等の硬化反応が進行することにより硬化して、被着体に対する接着力が増加する。紫外線硬化型接着剤シート１５は、光学透明接着剤（ＯＣＡ：Ｏｐｔｉｃａｌ　Ｃｌｅａｒ　Ａｄｈｅｓｉｖｅ）等と称されることもあり、例えば、厚み１７５μｍ程度のものが利用される。

　紫外線硬化型接着剤シート１５の表面及び裏面は、それぞれ被着体に貼り付けられる接着面となっている。被着体に貼り付けられる前（つまり、使用前）の状態の紫外線硬化型接着剤シート１５は、各接着面が剥離ライナーで保護されており、被着体に貼り付ける際に、各接着面から剥離ライナーが適宜、剥離される。

　未硬化状態の紫外線硬化型接着剤シート１５は、形状（シート状）を保持できる程度の強度（硬さ）は十分備えている。更に、紫外線硬化型接着剤シート１５は、未硬化状態において、少なくとも熱可塑性を備えており、加熱により軟化する。

　紫外線硬化型接着剤シート１５は、図３に示されるように、全体的には、カバーパネル１１等と同様、縦長の矩形状をなしている。紫外線硬化型接着剤シート１５は、カバーパネル１１の透過領域Ｓ１を裏面側から覆うための矩形状の本体部１５ａと、この本体部１５ａの端から外側に向かって延設された小片状の試験部１５ｂとを備えている。

　本体部１５ａは、カバーパネル１１の透過領域Ｓ１と同様、矩形状をなしているものの、透過領域Ｓ１の全体（全域）を覆うことができるように、大きさが透過領域Ｓ１よりも若干、大きく設定されている。試験部１５ｂは、本体部１５ａの外周縁１５ｄのうち、一方の長辺側における外周縁から外側に向かって延設されている。本実施形態の試験部１５ｂは、本体部１５ａと比べて小さく、非透過領域Ｓ２内に納まる大きさに設定されている。試験部１５ｂと本体部１５ａとは、互いに繋がっているものの、それらの境界部分には、試験部１５ｂと本体部１５ａとの分離を誘導する分離誘導線１５ｃが設けられている。本実施形態の分離誘導線１５ｃは、小さな孔部又は溝部が、所定間隔で試験部１５ｂと本体部１５ａとの境界部分（境界線）に沿って一列に並んだものからなり、所謂ミシン目状（破線状）をなしている。

　試験部１５ｂは、紫外線硬化型接着剤シート１５の硬化状態を把握するために行われる引き剥がし試験に用いられる部分であり、被着体である遮光部１４から剥離され、最終的に本体部１５ａから分離される部分となっている。試験部１５ｂは、カバーパネル１１の裏面側にある遮光部１４上に形成されるため、仮にカバーパネル１１側（遮光部１４）に微細な試験部１５ｂの剥離片が残存しても、パネル積層体（液晶表示装置１０）の表示性能に悪影響を与えることが抑制される。

　図４は、紫外線硬化型接着剤シート１５をカバーパネル１１に貼り付けた状態を示す説明図である。本実施形態の場合、カバーパネル１１と液晶表示パネル１２とを互いに貼り合わせる際、先ず、カバーパネル１１側に紫外線硬化型接着剤シート１５が貼り付けられる（第１貼付工程）。なお、カバーパネル１１に対する紫外線硬化型接着剤シート１５の貼り付けは、本実施形態の場合、大気圧（常圧）条件下で、公知のシート貼り付け装置を用いて行われる。

　紫外線硬化型接着剤シート１５は、図４に示されるように、本体部１５ａが透過領域Ｓ１の全体（全域）を覆いつつ、その外周縁１５ｄが、枠状の遮光部１４における内周縁１４ａ上に乗り上がる形で、カバーパネル１１の裏面に貼り付けられる。そして、紫外線硬化型接着剤シート１５の試験部１５ｂは、非透過領域Ｓ２内に納まるように遮光部１４上に貼り付けられる。なお、分離誘導線１５ｃは、遮光部１４の内周縁１４ａ（つまり、透過領域Ｓ１と非透過領域Ｓ２との境界）よりも外側に配されている。つまり、分離誘導線１５ｃは、遮光部１４上に配されている。

　なお、紫外線硬化型接着剤シート１５は、本体部１５の周縁１５ｄの一部に、試験部１５ｂが延設された形となっているため、本体部１５と試験部１５ｂとをまとめて被着体（第１パネル体）に貼り付けることができる。

　図４に示されるように、紫外線硬化型接着剤シート１５がカバーパネル１１の裏面に貼り付けられた後、図５に示されるように、紫外線硬化型接着剤シート１５上に、液晶表示パネル１２が貼り付けられる（第２貼付工程）。図５は、図４に示される紫外線硬化型接着シート１５上に液晶表示パネル１２を貼り付けてなるパネル積層体１６の平面図である。

　液晶表示パネル１２は、図５に示されるように、全体的にはカバーパネル１１等と同様、縦長の矩形状をなしており、透過領域Ｓ１（紫外線硬化型接着剤シート１５の本体部１５ａ）内に納まる大きさを備えている。液晶表示パネル１２は、主として、液晶層を挟む透明な一対の基板（薄膜トランジスタアレイ基板、カラーフィルタ基板）と、前記一対の各基板の外側に貼り付けられる偏光板等を備えている。本明細書では、液晶表示パネル１２を１つのパネル体（第２パネル体）として説明する。なお、図５に示されるように、液晶表示パネル１２には、液晶表示パネル１２に対して電力、及び制御信号を供給するために利用されるフレキシブルプリント基板１７が接続されている。

　液晶表示パネル１２は、表側にある表示面が、紫外線硬化型接着剤シート１５の裏側の接着面に接触する形で、紫外線硬化型接着剤シート１５に貼り付けられる。その後、液晶表示パネル１２は、必要に応じて、紫外線硬化型接着剤シート１５上における貼り付け個所（アライメント）が微調整される。この段階の紫外線硬化型接着剤シート１５は、未硬化状態であるため、液晶表示パネル１２を紫外線硬化型接着剤シート１５の粘着面から引き剥がして貼り直すことや、液晶表示パネル１２を紫外線硬化型接着剤シート１５の粘着面上で若干、移動させることが可能である。液晶表示パネル１２は、最終的には、透過領域Ｓ１内に納まるように紫外線硬化型接着剤シート１５の本体部１５ａに貼り付けられる。その結果、液晶表示パネル１２の外周縁１２ａは、遮光部１４の内周縁１４ａよりも内側に配置されることになる。なお、カバーパネル１１の裏面上の紫外線硬化型接着剤シート１５に対する液晶表示パネル１２の貼り付けは、公知の真空貼り合わせ装置を用いて行われる。

　図６は、図５のＡ－Ａ’線断面図であり、試験部１５ｂが形成されている付近のパネル積層体１６の断面構造が模式的に示されている。図６に示される状態のパネル積層体１６において、紫外線硬化型接着剤シート１５は未硬化状態であり、ある程度の柔軟性を備えている。ただし、図６に示されるように、紫外線硬化型接着剤シート１５のうち、本体部１５ａの外周縁１５ｄとカバーパネル１１との間に、隙間（気泡）Ｂが形成されることがある。この隙間Ｂは、カバーパネル１１の裏面から段差状に盛り上がった形をなしている遮光部１４に、本体部１５ａの外周縁１５ｄが乗り上がるように重なることによって形成される。つまり、未硬化状態の紫外線硬化型接着剤シート１５であっても、遮光部１４の形状（特に、内周縁１４ａ側の形状）に追従できないことがある。また、隙間（気泡）Ｂは、紫外線硬化型接着剤シート１５の残留応力の影響や、紫外線硬化型接着剤シート１５とカバーパネル１１との熱膨張率の違い等によっても形成される。

　図６に示される隙間（気泡）Ｂは、液晶表示装置１０の表示性能に悪影響を与える原因となり得るため、パネル積層体１６において形成されないことが望まれている。そこで、図６に示される未硬化状態の紫外線硬化型接着剤シート１５を含むパネル積層体１６に対して、隙間（気泡）Ｂを無くす等の目的で、加熱処理が施される。加熱処理の条件は、加熱対象であるパネル積層体１６の大きさ、パネル積層体１６に使用される各材質等の諸条件を考慮して、適宜、設定される。本実施形態の場合は、公知の加熱処理装置を用いて、例えば、６０℃、３０分間の条件で加熱処理される。

　そして、加熱処理に引き続いて、パネル積層体１６は、オートクレーブを利用して高圧条件下で放置される。本実施形態の場合、例えば、５気圧、３０分間の条件で、加熱処理のパネル積層体１６に対して、オートクレーブ処理が施される。すると、図７に示されるように、パネル積層体１６中に形成されていた隙間（気泡）Ｂを無くすこと、又は表示性能に問題がない程度まで小さくすることができる。図７は、オートクレーブ処理後のパネル積層体１６の断面図である。

　未硬化状態の紫外線硬化型接着剤シート１５は、熱可塑性を備えているため、加熱されると軟化して、カバーパネル１１や遮光部１４の形状に倣って変形することができる。そして、更に紫外線硬化型接着剤シート１５の表側の粘着面と、カバーパネル１１や遮光部１４との間で形成されていた隙間（気泡）Ｂ中のガスを、オートクレーブ処理によって、確実に外部へ逃がすことができる。

　上記のように、パネル積層体１６中の隙間（気泡）Ｂが除かれた後、未硬化状態の紫外線硬化型接着剤シート１５を硬化させるために、紫外線が照射される（照射工程）。図８は、パネル積層体１６に紫外線１８を照射して紫外線硬化型接着剤シート１５を硬化させる工程の説明図である。

　パネル積層体１６が備える紫外線硬化型接着剤シート１５に対する紫外線照射は、公知の紫外線照射装置を利用して行われる。本実施形態の場合、紫外線１８は、パネル積層体１６の表側の面（つまり、カバーパネル１１の表面）と、パネル積層体１６の周端面とに向かってそれぞれ照射される。紫外線１８がパネル積層体１６の表側から照射されると、紫外線１８はカバーパネル１１を透過して、更に紫外線硬化型接着剤シート１５における本体部１５ａの大部分に到達する。その結果、紫外線照射による硬化反応が進行して、紫外線硬化型接着剤シート１５が硬化する。

　なお、本体部１５の外周縁１５ｄは、遮光部１４に乗り上がって重なるように配されているため、パネル積層体１６を表側から見た際、本体部１５の外周縁１５ｄは、遮光部１４（非透過領域Ｓ２）の背後に隠れた状態となっている。そのため、パネル積層体１６の表側から照射される紫外線１８によっては、本体部１５ａの外周縁１５ｄにおける硬化が不十分となる虞がある。そのため、本実施形態では、上記のように、パネル積層体１６の周端面（側端面）に向けても紫外線１８が照射される。このように紫外線１８が照射されると、本体部１５の周縁部１５ｄに対しても、確実に紫外線１８が行き渡ることになり、紫外線硬化型接着剤シート１５を全体的に硬化させることができる。

　なお、紫外線硬化型接着剤シート１５が備える試験部１５ｂについても、本体部１５ａの外周縁１５ｄと同様、パネル積層体１６を表側から見た際、遮光部１４（非透過領域Ｓ２）の背後に隠れた状態となっている。そのため、試験部１５ｂは、主として、パネル積層体１６の周端面（側端面）に向けて照射される紫外線１８により、硬化されることになる。

　なお、紫外線硬化型接着剤シート１５は、紫外線１８が照射される前の未硬化状態と、紫外線１８が照射された後の硬化状態とでは、接着性能及び弾性率が大きく変化する。例えば、本実施形態の紫外線硬化型接着剤シート１５の場合、紫外線照射前の接着性能（ピール試験における対ガラス強度）は、１０（Ｎ／２５ｍｍ）であるのに対し、紫外線照射後の接着性能（ピール試験における対ガラス強度）は、２５（Ｎ／２５ｍｍ）となる。また、本実施形態の紫外線硬化型接着剤シート１５における弾性率（Ｐａ）は、紫外線照射前が１０４（Ｐａ）であり、紫外線照射後が１０５（Ｐａ）となる。

　したがって、本実施形態のパネル積層体１６の製造工程において、紫外線硬化型接着剤シート１５に紫外線１８が照射されているか否か（紫外線硬化型接着剤シート１５の硬化状態）は、紫外線硬化型接着剤シート１５の一部である試験部１５ｂについてピール試験（引き剥がし試験、剥離試験）を行うことにより、判別できる。試験部１５ｂは、パネル体同士の接着には不要な部分であり、カバーパネル１１から引き剥がしても問題ない。

　図９は、パネル積層体１６における引き剥がし試験（剥離工程）の内容を示す説明図である。図９に示されるように、遮光部１４上に形成されている試験部１５ｂは、端部側から剥離される（剥離工程）。引き剥がし試験において、試験部１５ｂは、遮光部１４から引き剥がされつつ（剥離されつつ）、本体部１５ａから、分離誘導線１５ｃを境界として分離される。そして、試験部１５ｂは、最終的に、遮光部１４から剥離され、かつ本体部１５ａから分離される。

　紫外線硬化型接着剤シート１５の硬化状態の判別方法としては、例えば、試験部１５ｂを被着体である遮光部１４から引き剥がす際に要する抵抗力（以下、ピール力）を測定し、その測定された抵抗力を、予め求められている硬化状態の試験部１５ｂにおけるピール力や、予め求められている未硬化状態の試験部１５ｂにおけるピール力と比較することによって、判別される。

　例えば、測定された試験部１５ｂのピール力が、予め求められている硬化状態の試験部１５ｂにおけるピール力と同等であれば、紫外線硬化型接着剤シート１５が十分に硬化していることが分かる。また、測定された試験部１５ｂのピール力が、予め求められている硬化状態の試験部１５ｂのピール力よりも小さければ、紫外線硬化型接着剤シート１５が十分に硬化していないことが分かる。

　例えば、測定された試験部１５ｂのピール力が、予め求められている未硬化状態の試験部１５ｂにおけるピール力よりも大きければ、紫外線硬化型接着剤シート１５が紫外線照射によって硬化反応が進行していることが分かる。また、測定された試験部１５ｂのピール力が、予め求められている未硬化状態の試験部１５ｂにおけるピール力と同等であれば、紫外線硬化型接着剤シート１５が十分に硬化していないことが分かる。

　なお、紫外線硬化型接着剤シート１５の硬化状態の判別方法としては、上記のようにピール力同士を比較してもよいし、ピール力及び試験部１５ｂの面積等より求められる弾性率同士を比較してもよい。

　また、他の紫外線硬化型接着剤シート１５の硬化状態の判別方法としては、例えば、視覚によって定性的に判別する方法が挙げられる。試験部１５ｂが未硬化状態であると、試験部１５ｂが遮光部１４から剥離されて本体部１５ａから分離される際に、試験部１５ｂは、硬化状態の場合と比べて、大きく伸びる。そのため、試験部１５ｂを剥離する際に、試験部１５ｂが伸びる程度を目視で確認することによっても、紫外線硬化型接着剤シート１５の硬化状態を大よそ判別することができる。目視による判別方法では、少なくとも紫外線硬化型接着剤シート１５が未硬化状態であるか否かは、容易に判別することができる。

　紫外線硬化型接着剤シート１５が未硬化状態（硬化が不十分な状態）であると判別された場合、その紫外線硬化型接着剤シート１５を含むパネル積層体１６は不良品と判断され、紫外線硬化型接着剤シート１５が硬化状態（硬化が十分な状態）であると判断された良品から区別される。そして、その不良品と判断されたパネル積層体１６は、少なくともそのままの状態で、液晶表示装置１０に組み込まれることが防止される。

　上記のように不良品と判断されたパネル積層体１６には、紫外線硬化型接着剤シート１５が十分硬化するように紫外線が照射される等の作業が行われる。

　なお、硬化状態の判別方法において、紫外線硬化型接着剤シート１５が未硬化状態であると判別される原因としては、例えば、紫外線硬化型接着剤シート１５に紫外線を照射する照射装置の故障等により、紫外線硬化型接着剤シート１５に紫外線が照射されていない場合等が挙げられる。

　また、上記のように良品と判断されたパネル積層体１６は、その後、種々の製造工程を経て、最終的に、液晶表示装置１０内に組み込まれることになる。

　以上のように、本実施形態におけるパネル積層体１６の製造方法は、光を透過するカバーパネル１１、及びカバーパネル１１の一方の板面における周縁側に枠状に形成され、光を遮る層状の遮光部１４を有する第１パネル体１１０の前記板面に対し、未硬化状態で紫外線を受けると硬化する透明な紫外線硬化型接着剤からなるシートであって、遮光部１４の内側から露出する第１パネル体１１０の前記板面を主として覆う本体部１５ａ、及び本体部１５ｂの周縁から外側に向かって延設され遮光部１４上に重ねられる試験部１５ｂを有する接着シート１５の一方の面が、未硬化状態で貼り付けられる第１貼付工程と、第２パネル体１２としての液晶表示パネル１２の周縁から外側に試験部１５ｂが露出し、第２パネル体１２と第１パネル体１１０との間で本体部１５ｂが挟まれるように、第２パネル体１２の一方の板面が、未硬化状態の接着シート１５における他方の面に貼り付けられる第２貼付工程と、第１パネル体１１０及び第２パネル体１２で挟まれた接着シート１５に対して、紫外線が照射される照射工程と、試験部１５ｂが本体部１５ａから分離するように、試験部１５ｂが遮光部１４から剥離される剥離工程と、試験部１５の剥離時の状態に基づいて、接着シート１５の硬化状態が判別される判別工程と、を備えるものである。

　このような本実施形態のパネル積層体１６の製造方法によれば、判別工程において、試験部１５ｂの剥離時の状態に基づいて、接着シート１５の硬化状態を容易に判別することができる。

　また、本実施形態のパネル積層体１６の製造方法では、剥離工程が、試験部１５ｂの剥離時におけるピール力が測定される工程を含み、判別工程が、試験部１５ｂの測定結果に基づいて、接着シート１５の硬化状態が判別される工程を含むものとなっている。したがって、本実施形態のパネル積層体１６の製造方法では、試験部１５ｂの剥離時の状態を、試験部１５ｂの剥離時に測定されたピール力によって定量的に把握することができ、正確に接着シート１５の硬化状態を判別することができる。

　また、本実施形態のパネル積層体１６の製造方法では、接着シートが、本体部１５ａと試験部１５ｂとの境界部分に、本体部１５ａと試験部１５ｂとの分離を誘導する分離誘導線１５ｃを有し、剥離工程において、分離誘導線１５ｃに沿って試験部１５ｂが本体部１５ａから分離されるものとなっている。したがって、本実施形態のパネル積層体１６の製造方法では、本体部１５ａから試験部１５ｂを確実に分離することができる。つまり、試験部１５ｂの剥離時において本体部１５ａ側に亀裂が入り込んで本体部１５が損傷することや、本体部１５ａ側に試験部１５ｂの一部が残留する形で試験部１５ｂが本体部１５ａから分離されること等の剥離不良の発生が抑制される。例えば、試験部１５ｂの剥離時において本体部１５ａ側に亀裂が入り込んで本体部１５が損傷すると、その損傷は液晶表示装置１０の表示不良の原因となっている。また、例えば、本体部１５ａ側に試験部１５ｂの一部が残留する形で試験部１５ｂが本体部１５ａから分離されると、パネル積層体１６を液晶表示装置１０内に組み込んだ際に、他の部材がその残留部分と干渉する等して、パネル積層体１６が正規の個所から位置ずれ等する虞がある。パネル積層体１６が液晶表示装置１０内で位置ずれすると、液晶表示装置１０の表示不良の原因となる。

　また、本実施形態における硬化状態判別方法は、光を透過するカバーパネル１１、及びカバーパネル１１の一方の板面における周縁側に枠状に形成され、光を遮る層状の遮光部１４を有する第１パネル体１１０と、第２パネル体１２としての液晶表示パネル１２と、未硬化状態で紫外線を受けると硬化する透明な紫外線硬化型接着剤からなるシートであって、遮光部１４の内側から露出する第１パネル体１１０の前記板面を覆う形で第１パネル体１１０と第２パネル体１２との間で挟まれ、第１パネル体１１０と第２パネル体１２とを互いに貼り合わせる接着シート１５と、を備えるパネル積層体１６における接着シート１５の硬化状態判別方法であって、接着シート１５は、遮光部１４の内側から露出する第１パネル体１１０の前記板面を主として覆う本体部１５ａと、この本体部１５ａの周縁から外側に向かって延設されると共に、第２パネル１２の前記周縁から外側に露出する形で遮光部１４上に貼り付けられる試験部１５ｂとを有し、本体部１５ａから分離するように試験部１５ｂが遮光部１４から剥離され、その剥離状態に基づいて接着シート１５の硬化状態が判別されるものである。

　このような本実施形態における硬化状態判別方法によれば、試験部１５ｂの剥離時の状態に基づいて、接着シート１５の硬化状態を容易に判別することができる。

　また、本実施形態の硬化状態判別方法では、試験部１５ｂが遮光部１４から剥離される際に、試験部１５ｂのピール力が測定され、試験部１５ｂの測定結果に基づいて、接着シート１５の硬化状態が判別されるものとなっている。しがたって、本実施形態の硬化状態判別方法では、試験部１５の剥離時の状態を、試験部１５ｂの剥離時に測定されたピール力によって定量的に把握することができ、正確に接着シート１５の硬化状態を判別することができる。

　また、本実施形態の硬化状態判別方法では、接着シート１５が、本体部１５ａと試験部１５ｂとの境界部分に、本体部１５ａと試験部１５ｂとの分離を誘導する分離誘導線１５ｃを有し、試験部１５ｂが遮光部１４から剥離される際に、分離誘導線１５ｃに沿って、試験部１５ｂが本体部１５ａから分離されるものとなっている。したがって、本実施形態の硬化状態判別方法では、本体部１５ａから試験部１５ｂを確実に分離することができる。つまり、試験部１５ｂの剥離時において本体部１５ａ側に亀裂が入り込んで本体部１５ａが損傷することや、本体部１５ａ側に試験部１５ｂの一部が残留する形で試験部１５ｂが本体部１５ａから分離されること等の剥離不良の発生が抑制される。例えば、試験部１５ｂの剥離時において本体部１５ａ側に亀裂が入り込んで本体部１５が損傷すると、その損傷は液晶表示装置１０の表示不良の原因となっている。また、例えば、本体部１５ａ側に試験部１５ｂの一部が残留する形で試験部１５ｂが本体部１５ａから分離されると、パネル積層体１６を液晶表示装置１０内に組み込んだ際に、他の部材がその残留部分と干渉する等して、パネル積層体１６が正規の個所から位置ずれ等する虞がある。パネル積層体１６が液晶表示装置１０内で位置ずれすると、液晶表示装置１０の表示不良の原因となる。

　＜第２実施形態＞
　次いで、本発明の実施形態２を、図１０を参照しつつ説明する。なお、以降の実施形態において、実施形態１と同じ部分は、実施形態１と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。

　図１０は、実施形態２に係るパネル積層体１６Ａの平面図である。本実施形態のパネル積層体１６Ａの基本的な構成は、実施形態１と同様である。ただし、本実施形態のパネル積層体１６Ａが備える紫外線硬化型接着剤シート１５Ａにおいて、本体部１５Ａａは実施形態１のものと同様であるものの、試験部１５Ａｂの形状が実施形態１のものと異なっている。具体的には、試験部１５Ａｂは、半円形状をなしている。

　半円形状の試験部１５Ａｂは、半円形状の「弦」に相当する部分が本体部１５Ａａに隣接し、「弧」に相当する部分が外側を向く形で、本体部１５Ａａに接続されている。本体部１５Ａａと試験部１５Ａｂとの境界部分には、実施形態１と同様な分離誘導線１５Ａｃが形成されている。

　本実施形態のように、半円形状の試験部１５Ａｂを備える紫外線硬化型接着剤シート１５Ａを用いてもよい。

　＜第３実施形態＞
　次いで、本発明の実施形態３を、図１１を参照しつつ説明する。図１１は、実施形態３に係るパネル積層体１６Ｂの平面図である。本実施形態のパネル積層体１６Ｂの基本的な構成は、実施形態１と同様である。ただし、本実施形態のパネル積層体１６Ｂが備える紫外線硬化型接着剤シート１５Ｂにおいて、本体部１５Ｂａは実施形態１のものと同様であるものの、試験部１５Ｂｂの形状が実施形態１のものと異なっている。具体的には、試験部１５Ｂｂは、略円形状をなしている。

　略円形状の試験部１５Ｂｂは、円周の一部が本体部１５Ｂａに隣接する形で、本体部１５Ｂａに接続されている。そして、試験部１５Ｂｂのうち、本体部１５Ｂａと接続する部分（試験部１５Ｂｂと本体部１５Ｂａとの境界部分）が、それの外側部分よりも細くなっている。なお、本体部１５Ｂａと試験部１５Ｂｂとの境界部分には、実施形態１と同様な分離誘導線１５Ｂｃが形成されている。

　本実施形態のように、円形状の試験部１５Ｂｂを備える紫外線硬化型接着剤シート１５Ｂを用いてもよい。そして、試験部１５Ｂｂは、本体部１５Ｂａと接続する部分（試験部１５Ｂｂと本体部１５Ｂａとの境界部分）が、それの外側部分よりも細くなっているため、特に、本体部１５Ｂａから分離し易くなっている。

　＜第４実施形態＞
　次いで、本発明の実施形態４を、図１２を参照しつつ説明する。図１２は、実施形態４に係るパネル積層体１６Ｃの平面図である。本実施形態のパネル積層体１６Ｃの基本的な構成は、実施形態１と同様である。ただし、本実施形態のパネル積層体１６Ｃが備える紫外線硬化型接着剤シート１５Ｃにおいて、本体部１５Ｃａは実施形態１のものと同様であるものの、試験部１５Ｃｂの形状が実施形態１のものと異なっている。具体的には、試験部１５Ｃｂは、略三角形状をなしている。

　略三角形状の試験部１５Ｃｂは、三角形の１つの頂点が本体部１５Ｃａに隣接する形で、本体部１５Ｃａに接続されている。そして、試験部１５Ｃｂのうち、本体部１５Ｃａと接続する部分（試験部１５Ｃｂと本体部１５Ｃａとの境界部分）が、それの外側部分よりも細くなっている。なお、本体部１５Ｃａと試験部１５Ｃｂとの境界部分には、実施形態１と同様な分離誘導線１５Ｃｃが形成されている。

　本実施形態のように、略三角形状の試験部１５Ｃｂを備える紫外線硬化型接着剤シート１５Ｃを用いてもよい。本実施形態の場合、試験部１５Ｃｂは、本体部１５Ｃａと接続する部分（試験部１５Ｃｂと本体部１５Ｃａとの境界部分）が、それの外側部分よりも細くなっているため、特に、本体部１５Ｃａから分離し易くなっている。

　＜第５実施形態＞
　次いで、本発明の実施形態５を、図１３を参照しつつ説明する。図１３は、実施形態５に係るパネル積層体１６Ｄの平面図である。本実施形態のパネル積層体１６Ｄの基本的な構成は、実施形態１と同様である。ただし、本実施形態のパネル積層体１６Ｄが備える紫外線硬化型接着剤シート１５Ｄにおいて、試験部１５Ｄｂは、本体部１５ａに対して２個設けられている。なお、本体部１５Ｄａは実施形態１のものと同様である。つまり、本実施形態の外線硬化型接着剤シート１５Ｄは、実施形態１の外線硬化型接着剤シート１５に、更に試験部１５Ｄｂが追加された構成となっている。

　試験部１５Ｄｂは、実施形態１と同様、矩形状（長方形状）をなしており、長辺側が本体部１５Ｄａに隣接する形で、本体部１５Ｄａに接続されている。そして、本体部１５Ｄａと試験部１５Ｄｂとの境界部分には、実施形態１と同様な分離誘導線１５Ｄｃが形成されている。なお、本実施形態の場合、２つの試験部１５Ｄｂは、本体部１５Ｄａを挟んで互いに向かい合うように、本体部１５Ｄａに接続されている。

　本実施形態のように、複数個の試験部１５Ｄｂを備える紫外線硬化型接着剤シート１５Ｄを用いてもよい。本実施形態の場合、試験部１５Ｄｂが複数個設けられているため、複数回、試験部１５Ｄｂを遮光部１４から引き剥がす引き剥がし試験（ピール試験）を行うことができる。そのため、例えば、紫外線照射後に行った引き剥がし試験（ピール試験）において、硬化が不十分と判別された場合、再度、紫外線照射を行った後に、再度、引き剥がし試験（ピール試験）を行うことができる。また、複数回の引き剥がし試験（ピール試験）の結果（例えば、ピール力の平均値等）に基づいて、紫外線硬化型接着剤シート１５Ｄの硬化状態を正確に把握することができる。

　＜他の実施形態＞
　本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。

　（１）上記実施形態では、第１パネル体に紫外線硬化型接着シートを介して貼り合わされる第２パネル体が、液晶表示パネルであったが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、他の実施形態においては、第２パネル体が、タッチパネルであってもよい。

　（２）上記実施形態において、試験部を被着体である遮光部から剥離する（引き剥がす）際、試験部を剥離する角度は、特に制限はないが、例えば、９０°、１８０°で行われる。つまり、一般的な、ピール試験と同様の手法で、試験部を引き剥がし、その結果から接着シートの硬化状態を把握してもよい。

　１０…液晶表示装置、１１…カバーパネル、１２…液晶表示パネル（第２パネル体）、１２ａ…液晶表示パネル１２の外周縁、１３…筐体、１４…遮光部、１４ａ…カバーパネル遮光部の内周縁、１５…紫外線硬化型接着剤シート（接着シート）、１５ａ…本体部、１５ｂ…試験部、１５ｃ…分離誘導線、１５ｄ…外周縁、１６…パネル積層体、１７…フレキシブルプリント基板、１８…紫外線、１１０…第１パネル体、Ｓ１…透過領域、Ｓ２…非透過領域、Ｂ…隙間（気泡）

Claims

　光を透過する板材、及び前記板材の一方の板面における周縁側に枠状に形成され、光を遮る層状の遮光部を有する第１パネル体の前記板面に対し、未硬化状態で紫外線を受けると硬化する透明な紫外線硬化型接着剤からなるシートであって、前記遮光部の内側から露出する前記第１パネル体の前記板面を主として覆う本体部、及び前記本体部の周縁から外側に向かって延設され前記遮光部上に重ねられる試験部を有する接着シートの一方の面が、未硬化状態で貼り付けられる第１貼付工程と、
　第２パネル体の周縁から外側に前記試験部が露出し、前記第２パネル体と前記第１パネル体との間で前記本体部が挟まれるように、前記第２パネル体の一方の板面が、未硬化状態の前記接着シートにおける他方の面に貼り付けられる第２貼付工程と、
　前記第１パネル体及び前記第２パネル体で挟まれた前記接着シートに対して、紫外線が照射される照射工程と、
　前記試験部が前記本体部から分離するように、前記試験部が前記遮光部から剥離される剥離工程と、
　前記試験部の剥離時の状態に基づいて、前記接着シートの硬化状態が判別される判別工程と、を備えるパネル積層体の製造方法。
　前記剥離工程は、前記試験部の剥離時におけるピール力が測定される工程を含み、
　前記判別工程は、前記試験部の測定結果に基づいて、前記接着シートの硬化状態が判別される工程を含む請求項１に記載のパネル積層体の製造方法。
　前記接着シートは、前記本体部と前記試験部との境界部分に、前記本体部と前記試験部との分離を誘導する分離誘導線を有し、
　前記剥離工程において、前記分離誘導線に沿って前記試験部が前記本体部から分離される請求項１又は２に記載のパネル積層体の製造方法。
　前記試験部のうち、前記本体部と接続する部分が、それの外側部分よりも細くなっている請求項１から３の何れか一項に記載のパネル積層体の製造方法。
　前記試験部は、２個以上設けられている請求項１から４の何れか一項に記載のパネル積層体の製造方法。
　前記第２パネル体は、液晶表示パネルからなる請求項１から５の何れか一項に記載のパネル積層体の製造方法。
　前記第２パネル体は、タッチパネルからなる請求項１から５の何れか一項に記載のパネル積層体の製造方法。
　光を透過する板材、及び前記板材の一方の板面における周縁側に枠状に形成され、光を遮る層状の遮光部を有する第１パネル体と、
　第２パネル体と、
　未硬化状態で紫外線を受けると硬化する透明な紫外線硬化型接着剤からなるシートであって、前記遮光部の内側から露出する前記第１パネル体の前記板面を覆う形で前記第１パネル体と前記第２パネル体との間で挟まれ、前記第１パネル体と前記第２パネル体とを互いに貼り合わせる接着シートと、を備えるパネル積層体における前記接着シートの硬化状態判別方法であって、
　前記接着シートは、前記遮光部の内側から露出する前記第１パネル体の前記板面を主として覆う本体部と、この本体部の周縁から外側に向かって延設されると共に、前記第２パネルの前記周縁から外側に露出する形で前記遮光部上に貼り付けられる試験部とを有し、
　前記本体部から分離するように前記試験部が前記遮光部から剥離され、その剥離状態に基づいて前記接着シートの硬化状態が判別される硬化状態判別方法。
　前記試験部が前記遮光部から剥離される際に、前記試験部のピール力が測定され、前記試験部の測定結果に基づいて、前記接着シートの硬化状態が判別される請求項８に記載の硬化状態判別方法。
　前記接着シートは、前記本体部と前記試験部との境界部分に、前記本体部と前記試験部との分離を誘導する分離誘導線を有し、
　前記試験部が前記遮光部から剥離される際に、前記分離誘導線に沿って、前記試験部が前記本体部から分離される請求項８又は９に記載の硬化状態判別方法。