WO2014142062A1

WO2014142062A1 - 二色成形品

Info

Publication number: WO2014142062A1
Application number: PCT/JP2014/056145
Authority: WO
Inventors: 宏称伊藤
Original assignee: 株式会社小糸製作所
Priority date: 2013-03-13
Filing date: 2014-03-10
Publication date: 2014-09-18
Also published as: JP6062290B2; JP2014176974A

Abstract

　１次成形部分１２の外表面１２Ｂａに、型開き方向へ突出する凸部１２Ｂｃを設ける。この凸部１２Ｂｃにおいて１次成形完了後もキャビティ側金型５４との係合状態を維持する。これにより１次側面部１２Ｂとキャビティ側金型５４との間に第２の樹脂材料が入り込むことを防止し、外観品質に優れた二色成形品を提供できる。

Description

二色成形品

　本願発明は、二色成形品に関する。

　射出成形の一方法として、１次成形部分と２次成形部分を有する二色成形品を射出成形する方法（二色成形法double molding method）が知られている。

　「特許文献１」は、このような射出成形を行う金型を開示している。この金型は、互いに離れた位置に配置された１次コア側金型および２次コア側金型と、これら１次コア側金型および２次コア側金型の間を通る軸線回りに回転可能に配置された回転部材と、この回転部材に対して１次コア側金型および２次コア側金型と型締可能な状態で固定された１対のキャビティ側金型と、を備えている。

　この「特許文献１」に記載された金型を用いた二色成形品の射出成形は、次のようにして行われる。
　まず、１次コア側金型および２次コア側金型と１対のキャビティ側金型とを型締めした状態で、１次コア側金型とキャビティ側金型との間に形成される１次空間部に第１の樹脂材料を射出することにより１次成形部分の成形を行う。その後、１次コア側金型および２次コア側金型を型開きして、回転部材を１８０°回転させる。その後、再び１次コア側金型および２次コア側金型を型締めして、２次コア側金型とキャビティ側金型との間に形成される２次空間部における１次成形部分以外の部分に第２の樹脂材料を射出することにより２次成形部分の成形を行う。

日本国特開２００６－１４２８０５号公報

　このような金型を用いて二色成形品の射出成形を行う場合、二色成形品の構成によっては次のような問題がある。

　正面部と、この正面部の外周縁から後方へ向けて延びる側面部とを備え、側面部において１次成形部分が２次成形部分より外側に位置するように重ね合わされている二色成形品を成形する場合には、２次成形部分が意図せずに１次成形部分の外側に成形されてしまうと、２次成形部分を成形する際に外観不良が発生してしまうことがある。

　そこで本願発明は、外観品質に優れた二色成形品を提供することを目的とする。

　本発明に係る二色成形品は、
　第１の樹脂で形成される１次成形部分と、前記第１の樹脂とは異なる第２の樹脂で形成される２次成形部分とを有する二色成形品は、
　　前記二色成形品の型開き方向を向く正面部と、
　　前記正面部の縁部から傾斜して延びる側面部と、を有し、
　前記側面部は、前記１次成形部分および前記２次成形部分が重ね合わされた重ね合わせ部を有し、
　前記重ね合わせ部を構成する前記１次成形部分の外表面に、前記型開き方向に突出する凸部および前記型開き方向に凹んだ凹部の少なくとも一方が形成されている。

　２次成形部分を形成する際に、重ね合わせ部の１次成形部分が金型表面から離間するように変形し、金型表面と１次成形部分との間に隙間が生じることがある。該隙間に第２の樹脂が入り込むと、不良品が生じてしまう。しかし、本発明によれば、金型が１次成形部分の凸部または凹部を係合して１次成形部分の変形を阻止するので、該不良が生じない。

　上記本発明に係る二色成形品において、
　前記１次成形部分が透明の部材で構成され、前記２次成形部分が不透明の部材で構成されていてもよい。
　外観不良が目立ちやすい二色成形品に本発明を好適に適用できる。

　上記本発明に係る二色成形品において、
　前記凸部がピン状に形成されていてもよい。
　本発明に係る二色成形品によれば、簡易な構成で外観不良の発生を防止できる。なお、ピン状に形成された凸部の断面形状は特に限定されない。凸部の長手方向に直交する面の断面形状は、円形、楕円、矩形等としてもよい。

　上記本発明に係る二色成形品において、
　前記凸部が、前記外表面から突出する突出部と、前記突出部から前記型開き方向へ延びる先端部とを有してもよい。
　本発明によれば、側面部が前後方向に対して鋭角に交差する構成の二色成形品であっても、前方に突出する凸部を外表面に設けやすい。

　上記本発明に係る二色成形品において、
　前記二色成形品が、前記正面部から遠ざかるように前記側面部から延びるフランジ部を有し、
　前記重ね合わせ部は少なくとも前記フランジ部に設けられていてもよい。
　本発明によれば、側面部が前後方向に対して鋭角に交差する構成の二色成形品であっても、前方に突出する凸部または凹部を外表面に設けやすい。

　上記「二色成形品」の用途は特に限定されない。また１次成形部分および２次成形部分の具体的な構成も限定されない。

　上記「凸部」は、型開き方向の一方に突出するように形成されていれば、その具体的な形状や配置は特に限定されない。また、上記「凹部」は、型開き方向の他方に凹むように形成されていれば、その具体的な形状や配置は特に限定されない。さらに、これら「凸部」および／または「凹部」は、１次成形部分の１箇所にのみ設けられていてもよいし、その複数箇所に設けられていてもよい。

　本発明によれば、外観品質に優れた二色成形品が提供される。

本願発明の一実施形態に係る二色成形品を示す正面図である。図１のII－II線断面詳細図である。図１のIII－III線断面詳細図である。上記二色成形品を成形する際の工程を、従来例との比較で示す図である。上記実施形態の第１変形例に係る二色成形品の要部を示す斜視図である。上記実施形態の第２変形例に係る二色成形品の要部を示す、図２と同様の図である。上記実施形態の第３変形例に係る二色成形品の要部を示す、図２と同様の図である。は上記実施形態の第４変形例に係る二色成形品の要部を示す、図２と同様の図である。は上記実施形態の第５変形例に係る二色成形品の要部を示す、図２と同様の図である。上記実施形態の第６変形例に係る二色成形品の要部を示す、図２と同様の図である。

　以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。

　図１は、本願発明の一実施形態に係る車両用灯具１０を示す正面図である。また、図２は、図１のII－II線断面詳細図であり、図３は、図１のIII－III線断面詳細図である。

　図１～３に示すように、本実施形態に係る二色成形品１０は、ヘッドランプ等の車両用灯具の透光カバーである。図示した透光カバーは、運転者から見て車両の右前部に取り付けられるヘッドランプに搭載される。
　透光カバーは、正面視において横長形状である。正面視において、透光カバーの長手方向の両端部に位置する左上部分および右下部分は、鋭角形状である。以降の説明において、車両用灯具の灯具前方を前方と呼ぶ。図１においては、紙面の垂直方向が前後方向である。

　この二色成形品１０は、正面部１０Ａとこの正面部１０Ａの外周縁から後方へ向けて延びる側面部１０Ｂとを備えている。側面部１０Ｂは、正面部１０Ａの縁部から傾斜して延びている。
　側面部１０Ｂの上部および右側部（図１における右部分）は、正面部１０Ａに対して緩やかな傾斜角で連続している。側面部１０Ｂの下部および左側部（図１における左部分）は、正面部１０Ａに対して急な傾斜角で連続している。側面部１０Ｂの上部および右側部が正面部１０Ａに対してなす角度は、側面部１０Ｂの下部および左側部が正面部１０Ａに対してなす角度より大きい。
　図２に示すように、側面部１０Ｂは、その後端位置から外周側へ向けて延びるフランジ部１０Ｂ１、およびフランジ部１０Ｂ１の後面から後方へ突出する環状突起部１０Ｂ２を有している。フランジ部１０Ｂ１は、正面部１０Ａから遠ざかるように側面部１０Ｂから延びるように設けられている。

　二色成形品１０は、透明の第１の樹脂で形成される１次成形部分１２と、不透明黒色の第２の樹脂で形成される２次成形部分１４とを有している。１次成形部分１２は、正面部１０Ａと、側面部１０Ｂの一部を構成している。１次成形部分１２の周囲に２次成形部分１４が配置されている。２次成形部分１４は、側面部１０Ｂの残部を構成している。なお、２次成形部分は、１次成形部分の全周にわたって配置されていなくてもよい。

　これら１次成形部分１２および２次成形部分１４は、側面部１０Ｂにおいて、１次成形部分１２が２次成形部分１４より外側に位置させた状態で互いに重ね合わされて、重ね合わせ部１０Ｃを構成している。

　１次成形部分１２のうち、二色成形品１０の側面部１０Ｂの一部を構成している箇所を１次側面部１２Ｂと呼ぶ。この１次側面部１２Ｂは、二色成形品１０の右下部以外の部分において、図２に示すように側面部１０Ｂの前部を構成する。

　図２に示すように、二色成形品１０の左上部には、１次側面部１２Ｂの外表面１２Ｂａに、前方へ向けて突出する凸部１２Ｂｃが設けられている。この凸部１２Ｂｃは、１次側面部１２Ｂの後端位置に配置されている。凸部１２Ｂｃは、前後方向に沿う断面において略矩形状のピン状に形成されている。

　図３に示すように、１次側面部１２Ｂは、二色成形品１０の右下部においては、側面部１０Ｂの前端から後端を構成する。この右下部において、１次側面部１２Ｂは、その後端位置からさらに二色成形品１０の外表面に沿ってフランジ部１０Ｂ１の先端まで延びる延長部１２Ｂ１を有している。

　図３に示すように、二色成形品１０の右下部には、１次成形部分１２の１次側面部１２Ｂの延長部１２Ｂ１においてフランジ部１０Ｂ１の一部を構成している部分に、前方へ向けて突出する凸部１２Ｂｄが形成されている。この凸部１２Ｂｄは、円形の断面形状でピン状に形成されている。

　図４は、二色成形品１０を成形する際の工程を、従来例との比較で示す図である。

　図４の（ａ１）、（ａ２）は、本実施形態に係る二色成形品１０を成形する際の工程を示す図である。図４の図（ｂ１）、（ｂ２）は、従来例の二色成形品８０を成形する際の工程を示す図である。

　従来例の二色成形品８０は、その１次成形部分８２の１次側面部８２Ｂの外表面８２Ｂａに、凸部１２Ｂｃが形成されていない点で、本実施形態に係る二色成形品１０と異なっている。

　図４の（ａ１）は、１次成形により完成した１次成形部分１２が、２次成形を行うための金型にセットされた状態を示す図である。なお、１次成形部分１２を形成するための工程を１次成形と呼び、２次成形部分１４を形成するための工程を２次成形と呼ぶ。

　この金型はコア側金型５２とキャビティ側金型５４とを有し、その型分割面ＰＬは二色成形品１０である透光カバーの前後方向と直交する平面に沿って延びている。コア側金型５２は２次成形専用のコア側金型であり、キャビティ側金型５４は１次および２次成形兼用のキャビティ側金型である。本実施形態においては、二色成形品１０である透光カバーの前後方向が、型開き方向と一致している。

　２次成形の工程において、図４の（ａ１）に示すように、キャビティ側金型５４は１次成形部分１２を保持している。このキャビティ側金型５４に対してコア側金型５２を型締めし、これらコア側金型５２とキャビティ側金型５４とにより２次空間部Ｃを形成する。この２次空間部Ｃにおける１次成形部分１２以外の部分に第２の樹脂材料を充填し、図４の（ａ２）に示すように２次成形部分１４を成形する。これにより二色成形品１０が完成する。

　従来例においても、２次成形の工程においては、図４の（ｂ１）に示すように、１次成形部分８２を保持したキャビティ側金型９４とコア側金型９２とを型締めし、これらコア側金型９２とキャビティ側金型９４とにより２次空間部Ｃを形成する。この２次空間部Ｃにおける１次成形部分８２以外の部分に第２の樹脂材料を充填し、図４の（ｂ２）に示すように２次成形部分８４を成形する。これにより二色成形品８０が完成する。

　しかしながら、図４の（ｂ１）に示すように、従来例においては、１次成形の後に、第１の樹脂材料が収縮して、１次側面部８２Ｂが矢印Ａ１で示すように内周側（すなわち型分割面ＰＬに沿ったコア側金型９２側の方向）に変位してしまうことがある。これにより、１次側面部８２Ｂの外表面８２Ｂａがキャビティ側金型９４の内表面から離れてしまう。
　１次成形部分と２次成形部分は側面部で重なり合っている。そのため、図示したように、２次成形を行う際には、１次成形部分の内周側に、２次成形部分を形成するための空間が形成されてしまう。１次成形部分の内周部分を抑える金型が存在しないため、第１の樹脂材料が収縮すると、１次側面部８２Ｂが内周側に変位してしまう。
　また、１次成形部分は、正面部と、正面部の縁部から傾いて連続する側面部の一部をなしている。このため、第１の樹脂材料が収縮すると、側面部の一部をなす１次側面部８２Ｂが内周側に変位してしまう。

　この状態で２次成形を行うと、２次空間部Ｃに射出された第２の樹脂材料が矢印Ａ２で示すように前方へ向けて流れる。このため、図４の（ｂ２）に示すように、第２の樹脂材料の一部が１次側面部８２Ｂの外表面８２Ｂａとキャビティ側金型９４の内表面との間の隙間に入り込んでしまう。
　すると、本来は１次成形部分８２が２次成形部分８４の外側に位置するように両者を重ね合わせる箇所において、黒色不透明の２次成形部分８４の一部が透明の１次成形部分８２の外周側に位置してしまう。このような二色成形品８０は外観不良を呈する。

　また、２次成形の際、第２の樹脂材料の射出圧力によって、１次側面部８２Ｂがその後端面８２Ｂｂから前方側に押されて内周側に折れ曲がってしまう。これにより１次側面部８２Ｂとキャビティ側金型９４との間に形成された隙間が広がり、この隙間に第２の樹脂材料が一層入り込みやすくなってしまう。

　これに対して、本実施形態に係る二色成形品１０は、１次成形部分１２の１次側面部１２Ｂの外表面１２Ｂａに、前方（型開き方向）へ向けて突出する凸部１２Ｂｃが形成されている。このため、図４の（ａ１）に示すように、２次成形を行う際には凸部１２Ｂｃがキャビティ側金型５４と係合しているため、第１の樹脂材料が収縮しても、１次側面部１２Ｂの矢印Ａ１で示す内周側への変位が阻止される。また、矢印Ａ２で示すように流れる第２の樹脂材料の圧力が１次側面部１２Ｂの後端面１２Ｂｂに作用しても、１次側面部１２Ｂが内周側に折れ曲がることを阻止できる。このようにして、１次側面部１２Ｂの外周側に第２の樹脂材料が成形されることを阻止できるので、外観品質に優れた二色成形品１０が得られる。

　また、図３に示したように、本実施形態に係る二色成形品１０は、正面部１０Ａから遠ざかるように側面部１０Ｂから延びるフランジ部１０Ｂ１を備えている。１次成形部分１２と２次成形部分１４が重ね合わされた重ね合わせ部１０Ｃがフランジ部１０Ｂ１に設けられている。１次成形部分１２は、１次側面部１２Ｂの後端位置から前後方向と交差する方向にフランジ部１０Ｂ１の先端まで延びる延長部１２Ｂ１を有している。この延長部１２Ｂ１に凸部１２Ｂｄが形成されている。このため、二色成形品１０が、側面部１０Ｂが前後方向に対して鋭角に交差するように構成されている場合でも、前方へ向けて突出する凸部１２Ｂｄを設けやすい。

　また透明な第１の樹脂材料と不透明な第２の樹脂材料とにより二色成形品が構成されている場合には、意図せず１次成形部分の外側に２次成形部分が形成されてしまうと、外観品質が大きく損なわれてしまう。しかし、本実施形態の二色成形品１０は、１次成形部分の外側に２次成形部分が形成されることが阻止されるので該外観品質の低下を招くことがない。このため、透明な第１の樹脂材料と不透明な第２の樹脂材料とにより構成される二色成形品に適用すると好適である。

　また、本実施形態においては、２つの凸部１２Ｂｃ、１２Ｂｄがいずれもピン状に形成されているので、簡易な構成で上記作用効果を得ることができる。

　さらに、第１の樹脂材料の収縮による１次側面部１２Ｂの内周側への変位量は、二色成形品１０の長手方向の両端部に位置する左上部および右下部において最も大きくなる。
　本実施形態においては、２つの凸部１２Ｂｃ、１２Ｂｄが、これら左上部および右下部に形成されている。このため、凸部の形成箇所を最小限に抑え、かつ、１次側面部１２Ｂの内周側への変位を効果的に抑制できる。

　上記実施形態においては、射出成形の対象となる二色成形品１０が車両用灯具の透光カバーであるものとして説明したが、それ以外の例えばサンルーフやリアウインドウ等の樹脂成形品を対象とした場合においても、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。

　次に、上記実施形態の変形例について説明する。

　まず、上記実施形態の第１変形例について説明する。

　図５は、本変形例に係る二色成形品１１０の要部を示す斜視図である。

　図５に示すように、本変形例の二色成形品１１０においても、１次成形部分１１２の１次側面部１１２Ｂの外表面１１２Ｂａに、前方へ突出する凸部１１２Ｂｃが設けられている。この凸部１１２Ｂｃは、上記実施形態の凸部１２Ｂｃと同様の断面形状を有しているが、ピン状ではなく１次側面部１１２Ｂの周方向に沿って延びる立壁状に形成されている。

　本変形例の構成を採用した場合においても、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。

　しかも本変形例においては、凸部１１２Ｂｃが立壁状なので、キャビティ側金型との係合がより確実に行われる。これにより、第１の樹脂材料の収縮による１次側面部１１２Ｂの内周側への変位を一層効果的に阻止できる。

　次に、上記実施形態の第２変形例について説明する。

　図６（ａ）は、本変形例に係る二色成形品２１０の要部を示す、図２と同様の図である。

　図６（ａ）に示すように、本変形例の二色成形品２１０においては、１次成形部分２１２の１次側面部２１２Ｂが、二色成形品２１０の側面部２１０Ｂの後端位置まで延びている。本変形例においても、１次成形部分２１２の１次側面部２１２Ｂの外表面２１２Ｂａに、前方へ突出する凸部２１２Ｂｃが設けられている。この凸部２１２Ｂｃは、１次側面部２１２Ｂにおける前後方向の中間位置に形成されている。

　本変形例では、第１の樹脂材料の収縮によって１次側面部２１２Ｂの内周側への変位が、その後端部において多少発生しやすくなる。しかし、従来のように凸部２１２Ｂｃが形成されていない場合に比して、その変位を抑制できる。

　次に、上記実施形態の第３変形例について説明する。

　図６（ｂ）は、本変形例に係る二色成形品３１０の要部を示す、図２と同様の図である。

　図６（ｂ）に示すように、本変形例の二色成形品３１０においては、１次成形部分３１２の１次側面部３１２Ｂが、側面部３１０Ｂの後端位置まで延びている。さらにこの１次側面部３１２Ｂには、その後端位置から前後方向と交差する方向に延びる延長部３１２Ｂ１が形成されている。この延長部３１２Ｂ１はフランジ部３１０Ｂ１の先端位置まで延びている。この延長部３１２Ｂ１に後方へ凹んだ凹部３１２Ｂｅが形成されている。

　本変形例によれば、延長部３１２Ｂ１の凹部３１２Ｂｅがキャビティ側金型と係合する。これにより、第１の樹脂材料の収縮による１次側面部３１２Ｂの内周側への変位を阻止することができる。

　次に、上記実施形態の第４変形例について説明する。

　図７（ａ）は、本変形例に係る二色成形品４１０の要部を示す、図２と同様の図である。

　図７（ａ）に示すように、本変形例の二色成形品４１０においては、１次成形部分４１２の１次側面部４１２Ｂが、側面部４１０Ｂの前後方向の中間位置まで延びている。この１次側面部４１２Ｂの後端位置に、Ｌ字状の断面形状を有する凸部４１２Ｂｃが形成されている。凸部４１２Ｂｃは、１次成形部分４１２の外表面から突出する突出部と、この突出部から前方へ延びる先端部とを有する。

　本変形例の二色成形品４１０においては、２次成形部分４１４の２次側面部４１４Ｂが部分的に厚肉に形成されている。凸部４１２Ｂｃより後方に位置する２次側面部４１４Ｂの部分が、リブ状の厚肉部４１４Ｂ１として形成されている。これにより２次成形の際にアンダーカットが生じない。

　本変形例によれば、１次側面部４１２Ｂの凸部４１２Ｂｃの先端部がキャビティ側金型と係合する。これにより、第１の樹脂材料の収縮による１次側面部４１２Ｂの内周側への変位を阻止することができる。

　また、本変形例のように、凸部４１２ＢｃをＬ字状の断面形状とすることにより、二色成形品４１０の側面部４１０Ｂが前後方向に対して鋭角に交差するように構成されている場合であっても、前方へ向けて突出する凸部４１２Ｂｃを容易に形成することができる。

　次に、上記実施形態の第５変形例について説明する。

　図７（ｂ）は、本変形例に係る二色成形品５１０の要部を示す、図２と同様の図である。

　図７（ｂ）に示すように、本変形例の二色成形品５１０においては、１次成形部分５１２の１次側面部５１２Ｂが、側面部５１０Ｂの後端位置まで延びている。側面部５１０Ｂの後端位置に、凸部５１２Ｂｃが設けられている。凸部５１２Ｂｃは、Ｌ字状の断面形状であり、外周側へ延びている。凸部５１２Ｂｃの先端部がフランジ部５１０Ｂ１から前方へ突出している。凸部５１２Ｂｃの基端部はフランジ部５１０Ｂ１の前面と面一である。

　本変形例によれば、１次側面部５１２Ｂの凸部５１２Ｂｃの先端部がキャビティ側金型と係合する。これにより、第１の樹脂材料の収縮による１次側面部５１２Ｂの内周側への変位を阻止できる。

　次に、上記実施形態の第６変形例について説明する。

　図８は、本変形例に係る二色成形品６１０の要部を示す、図２と同様の図である。

　図８に示すように、本変形例の二色成形品６１０は、上記第４変形例の二色成形品４１０と同様、１次成形部分６１２の１次側面部６１２Ｂが、側面部６１０Ｂの前後方向の中間位置まで延びている。この１次側面部６１２Ｂの後端位置に、凸部６１２Ｂｃが設けられている。凸部６１２Ｂｃは、Ｌ字状の断面形状であり、外周側へ向けて延びている。凸部６１２Ｂｃの先端部が前方へ突出する。

　ただし、本変形例の二色成形品６１０においては、２次側面部６１４Ｂに、第４変形例のようなリブ状の厚肉部４１４Ｂ１は形成されていない。

　本変形例においても、上記第４変形例の場合と同様の作用効果を得ることができる。

　本変形例の二色成形品６１０においては、上述のようにコア側金型５２およびキャビティ側金型５４のみで２次成形しようとすると、凸部６１２Ｂｃの部分にアンダーカットが生じてしまう。しかし、図８に示すように、コア側金型５２およびキャビティ側金型５４の他に、型分割面ＰＬに沿った方向にスライドするスライドコア５６を用いると、アンダーカットが生じない。

　なお、上記実施形態およびその変形例において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。

　また、本願発明は、上記実施形態およびその変形例に記載された構成に限定されるものではなく、これ以外の種々の変更を加えた構成が採用可能である。

　なお、本願発明は、車両用灯具の透光カバー以外にも適用できる。本願発明は、型開き方向を向く正面部と、この正面部の縁部から傾斜して延びる側面部を有し、側面部に重ね合わせ部が設けられた二色成形品に適用できる。正面部は、平面状の部位、あるいは、球面、楕円面や放物面などの曲面の一部、さらには、これらを組み合わせた形状であってもよい。側面部は、正面部の縁部から、ある角度を持って傾斜して延びる部位、あるいは、正面部の曲率と異なる曲率を有する部位であってもよい。正面部と側面部に亘って連続した部分を、一次成形部分が構成している。

　本出願は、２０１３年３月１３日に提出された日本国特許出願２０１３－０５０７２３に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

　１０、１１０、２１０、３１０、４１０、５１０、６１０　二色成形品
　１０Ａ　正面部
　１０Ｂ、２１０Ｂ、３１０Ｂ、４１０Ｂ、５１０Ｂ、６１０Ｂ　側面部
　１０Ｂ１、３１０Ｂ１、５１０Ｂ１　フランジ部
　１０Ｂ２　環状突起部
　１２、１１２、２１２、３１２、４１２、５１２、６１２　１次成形部分
　１２Ｂ、１１２Ｂ、２１２Ｂ、３１２Ｂ、４１２Ｂ、５１２Ｂ、６１２Ｂ　１次側面部
　１２Ｂ１、３１２Ｂ１　延長部
　１２Ｂａ、１１２Ｂａ、２１２Ｂａ　外表面
　１２Ｂｂ　後端面
　１２Ｂｃ、１２Ｂｄ、１１２Ｂｃ、２１２Ｂｃ、４１２Ｂｃ、５１２Ｂｃ、６１２Ｂｃ　凸部
　１４、４１４、６１４　２次成形部分
　５２　コア側金型
　５４　キャビティ側金型
　５６　スライドコア
　３１２Ｂｅ　凹部
　４１４Ｂ、６１４Ｂ　２次側面部
　４１４Ｂ１　厚肉部
　Ｃ　２次空間部
　ＰＬ　型分割面

Claims

　第１の樹脂で形成される１次成形部分と、前記第１の樹脂とは異なる第２の樹脂で形成される２次成形部分とを有する二色成形品は、
　　前記二色成形品の型開き方向を向く正面部と、
　　前記正面部の縁部から傾斜して延びる側面部と、を有し、
　前記側面部は、前記１次成形部分および前記２次成形部分が重ね合わされた重ね合わせ部を有し、
　前記重ね合わせ部を構成する前記１次成形部分の外表面に、前記型開き方向に突出する凸部および前記型開き方向に凹んだ凹部の少なくとも一方が形成されている、二色成形品。
　前記１次成形部分が透明であり、前記２次成形部分が不透明である、請求項１に記載の二色成形品。
　前記凸部がピン状に形成されている、請求項１または請求項２に記載の二色成形品。
　前記凸部が、前記外表面から突出する突出部と、前記突出部から前記型開き方向へ延びる先端部とを有する、請求項１から請求項３のいずれか一項に記載の二色成形品。
　前記正面部から遠ざかるように前記側面部から延びるフランジ部を有し、
　前記重ね合わせ部は少なくとも前記フランジ部に設けられている、請求項１から請求項４のいずれか一項に記載の二色成形品。