WO2014069541A1 - 金属二次電池用負極材料および金属二次電池用負極のデンドライトの抑制方法 - Google Patents
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Abstract
デンドライト形成が抑制された金属二次電池用負極材料の提供。 炭素系導電性担体に金属酸化物のナノシートを担持させてなり、 該金属酸化物の金属がチタン、ルテニウム、またはニオブであることを特徴とする金属二次電池用負極材料。
Description
本発明は金属二次電池用負極材料、金属二次電池用負極、金属二次電池および金属二次電池用負極のデンドライトの抑制方法に関する。
近年二次電池の大容量化に向けた開発が活発化している。実用化された二次電池の中でも特にリチウムイオン二次電池(LIB:Lithium-Ion-Battery)の更なる大容量化に関する開発が活発に進められている。LIBの負極においては黒鉛が用いられている。充電時にはリチウムイオンが黒鉛の層間に充填される。しかし充放電を繰り返した際にデンドライト(樹枝状晶)が形成されるという問題がある。金属二次電池は、充電の際、放電時に金属イオン(金属カチオン)となったものが負極で還元され、金属として析出される。このとき、針状であるデンドライトが形成された場合、セパレータを突き破って正極側に到達してしまい、短絡を引き起こす可能性がある。このようなデンドライトの形成、成長により正負極間の短絡が発生し発火するという危険がある。デンドライトの形成は、一般的には結晶成長において、過飽和度が高く、成長界面への拡散が律速の場合に起こりやすい。特に、リチウム、アルミニウム、亜鉛等の低融点の金属においてデンドライトの形成が問題になりやすい。これらの金属は電気化学当量が小さく、標準電極電位が低く、二次電池に用いた際に高いエネルギー密度が得られるとされている。
デンドライトの形成を抑制するためには、結晶表面での移動過程を減速するために各種インヒビターを添加すること、結晶組み込み過程を減速するために合金系を適用すること、見かけ上の電流密度を下げるために高比表面積の基体を用いること等が試みられたが、いずれも実用化はされていない(例えば特許文献1~3参照。)。
本発明は、デンドライトの形成を抑制できる金属二次電池用負極材料を提供することを目的とする。
本発明は以下の構成を要旨とするものである。
(1)炭素系導電性担体に金属酸化物のナノシートを担持させてなり、
該金属酸化物の金属がチタン、ルテニウム、またはニオブであることを特徴とする金属二次電池用負極材料。
(2)前記炭素系導電性担体が、カーボンブラック、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ、カーボンナノホーン、およびグラフェンからなる群から選ばれる1種以上である上記(1)に記載の金属二次電池用負極材料。
(3)前記金属酸化物のナノシートへの担持率が、質量比で、金属酸化物のナノシート/(金属酸化物のナノシート+炭素系導電性担体)=0.01~0.60である上記(1)または(2)に記載の金属二次電池用負極材料。
(4)前記金属酸化物のナノシートの厚さが、0.4nm~100nmである上記(1)~(3)のいずれか1項に記載の金属二次電池用負極材料。
(1)炭素系導電性担体に金属酸化物のナノシートを担持させてなり、
該金属酸化物の金属がチタン、ルテニウム、またはニオブであることを特徴とする金属二次電池用負極材料。
(2)前記炭素系導電性担体が、カーボンブラック、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ、カーボンナノホーン、およびグラフェンからなる群から選ばれる1種以上である上記(1)に記載の金属二次電池用負極材料。
(3)前記金属酸化物のナノシートへの担持率が、質量比で、金属酸化物のナノシート/(金属酸化物のナノシート+炭素系導電性担体)=0.01~0.60である上記(1)または(2)に記載の金属二次電池用負極材料。
(4)前記金属酸化物のナノシートの厚さが、0.4nm~100nmである上記(1)~(3)のいずれか1項に記載の金属二次電池用負極材料。
(5)前記金属酸化物のナノシートの比表面積が、100m2/g~400m2/gである上記(1)~(4)のいずれか1項に記載の金属二次電池用負極材料。
(6)前記金属二次電池用負極材料の比表面積が、20m2/g~1000m2/gである上記(1)~(5)のいずれか1項に記載の金属二次電池用負極材料。
(7)金属二次電池の金属が、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、ナトリウム、またはカルシウムである上記(1)~(6)のいずれか1項に記載の金属二次電池用負極材料。
(8)上記(1)~(7)のいずれか1項に記載の金属二次電池用負極材料を用いた、金属二次電池用負極。
(9)正極と、上記(8)に記載の金属二次電池用負極と、前記正極と前記負極との間に存在する電解質と、前記正極と前記負極との間に位置するセパレータと、を備えた、金属二次電池。
(6)前記金属二次電池用負極材料の比表面積が、20m2/g~1000m2/gである上記(1)~(5)のいずれか1項に記載の金属二次電池用負極材料。
(7)金属二次電池の金属が、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、ナトリウム、またはカルシウムである上記(1)~(6)のいずれか1項に記載の金属二次電池用負極材料。
(8)上記(1)~(7)のいずれか1項に記載の金属二次電池用負極材料を用いた、金属二次電池用負極。
(9)正極と、上記(8)に記載の金属二次電池用負極と、前記正極と前記負極との間に存在する電解質と、前記正極と前記負極との間に位置するセパレータと、を備えた、金属二次電池。
(10)上記(1)~(7)のいずれか1項に記載の金属二次電池用負極材料を用いた金属二次電池用負極を有する金属二次電池を繰り返し充放電を行う際に、前記金属二次電池用負極から板状の結晶を析出させることを特徴とする金属二次電池用負極のデンドライト形成の抑制方法。
本発明の金属二次電池用負極材料を用いれば、低融点の金属を用いた二次電池であってもデンドライトの形成が抑制される。
(炭素系導電性担体)
本発明の金属二次電池用負極材料には、炭素系導電性担体を用いる。この炭素系導電性担体としては、導電性を有する炭素系材料であれば、特に制限なく用いることができる。これらの炭素系導電性担体は、負極材料として電気的特性に優れ、かつ、比較的入手が容易である点でも好ましい。本発明における炭素系導電性担体としては、カーボンブラック(ケッチェンブラック等)、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ、カーボンナノホーン、およびグラフェンからなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。すなわち1種のみを単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらのなかでも、導電性が高く、比表面積が大きく、取り扱いやすい点でカーボンブラックが好ましい。
炭素系導電性担体の比表面積は、10m2/g~2000m2/gが好ましく、100m2/g~1000m2/gがより好ましい。炭素系導電性担体の比表面積が上記範囲内であれば、担持させる金属酸化物のナノシートの凝集を抑えることができ、分散性よく金属酸化物のナノシートを担持させることができる。
炭素系導電性担体の比表面積は、BET比表面積装置を用い、炭素系導電性担体の表面への窒素吸着によって測定することができる。
炭素系導電性担体が粒状である場合、その体積平均粒径(D50)は、30nm~2μmであるのが好ましく、120nm~1μmであるのがさらに好ましい。炭素系導電性担体の体積平均粒径(D50)は、マイクロトラック(レーザー回折・散乱式 粒子径・粒度分布測定装置)によって測定することができる。
本発明の金属二次電池用負極材料には、炭素系導電性担体を用いる。この炭素系導電性担体としては、導電性を有する炭素系材料であれば、特に制限なく用いることができる。これらの炭素系導電性担体は、負極材料として電気的特性に優れ、かつ、比較的入手が容易である点でも好ましい。本発明における炭素系導電性担体としては、カーボンブラック(ケッチェンブラック等)、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ、カーボンナノホーン、およびグラフェンからなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。すなわち1種のみを単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらのなかでも、導電性が高く、比表面積が大きく、取り扱いやすい点でカーボンブラックが好ましい。
炭素系導電性担体の比表面積は、10m2/g~2000m2/gが好ましく、100m2/g~1000m2/gがより好ましい。炭素系導電性担体の比表面積が上記範囲内であれば、担持させる金属酸化物のナノシートの凝集を抑えることができ、分散性よく金属酸化物のナノシートを担持させることができる。
炭素系導電性担体の比表面積は、BET比表面積装置を用い、炭素系導電性担体の表面への窒素吸着によって測定することができる。
炭素系導電性担体が粒状である場合、その体積平均粒径(D50)は、30nm~2μmであるのが好ましく、120nm~1μmであるのがさらに好ましい。炭素系導電性担体の体積平均粒径(D50)は、マイクロトラック(レーザー回折・散乱式 粒子径・粒度分布測定装置)によって測定することができる。
なお、炭素系導電性担体としてカーボンナノチューブ(以下、「CNT」ともいう。)を用いる場合は、単層CNTを用いても多層CNTを用いてもよい。負極作製時に分散させやすく扱いやすい(単層CNTよりも多層CNTの方が凝集しにくい)点では多層CNTが好ましい。
CNTの直径は、200nm以下であってよく、150nm以下であってよく、10~100nmであってよく、10~60nmであってよい。CNTのアスペクト比は、10以上であってよく、50以上であってよい。アスペクト比の上限は特に無いが1000であってよい。なおCNTの直径およびアスペクト比は、FE-SEM(電界放出型走査電子顕微鏡)またはTEM写真(透過型電子顕微鏡)の画像解析の結果から求めればよい。
CNTの直径は、200nm以下であってよく、150nm以下であってよく、10~100nmであってよく、10~60nmであってよい。CNTのアスペクト比は、10以上であってよく、50以上であってよい。アスペクト比の上限は特に無いが1000であってよい。なおCNTの直径およびアスペクト比は、FE-SEM(電界放出型走査電子顕微鏡)またはTEM写真(透過型電子顕微鏡)の画像解析の結果から求めればよい。
(金属酸化物ナノシート)
本発明においては前記炭素系導電性担体に金属酸化物のナノシートを担持させたものを金属二次電池用負極材料として用いる。金属酸化物の金属としては、チタン、ルテニウム、またはニオブを用いる。すなわち金属酸化物としてはチタン酸化物、ルテニウム酸化物、またはニオブ酸化物を用いる。
本発明における金属酸化物のナノシートは、金属酸化物の層状構造体である。本発明における金属酸化物のナノシートは、単層の層状構造体が好ましいが、複層の層状構造体であってもよい。また、金属酸化物の単結晶の層状構造体が好ましい。
本発明においては前記炭素系導電性担体に金属酸化物のナノシートを担持させたものを金属二次電池用負極材料として用いる。金属酸化物の金属としては、チタン、ルテニウム、またはニオブを用いる。すなわち金属酸化物としてはチタン酸化物、ルテニウム酸化物、またはニオブ酸化物を用いる。
本発明における金属酸化物のナノシートは、金属酸化物の層状構造体である。本発明における金属酸化物のナノシートは、単層の層状構造体が好ましいが、複層の層状構造体であってもよい。また、金属酸化物の単結晶の層状構造体が好ましい。
本発明における金属酸化物のナノシートは、層状構造体を剥離させることにより得ることが可能である。例えば、層状構造体である層状酸化物結晶を水中でアルキルアンモニウムヒドロキシドを用いて剥離させ、金属酸化物のナノシートを得ることが可能である。この方法により金属酸化物ナノシートの分散液が得られる。アルキルアンモニウムヒドロキシドとしてはテトラブチルアンモニウムヒドロキシドが好適に例示できる。金属酸化物のナノシートは、特開2010-188549号公報、特開2010-280977号公報、特開2011-253626号公報、特開平9-25123号公報に記載の方法に準拠して作製できる。例えば、H0.2RuO2.10.9H2Oルテニウム系水素型層状酸化物を用いる場合、剥離して得られるものは、RuO2のルテニアナノシートである。具体的には、例えば、酸化ルテニウムと炭酸ルテニウムの混合物ペレットをアルゴン流通下で850℃、12時間焼成する。粉砕後塩酸で処理し、充分に水洗すると、水素型層状酸化ルテニウムが得られる。これを水に分散させ、10%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で処理することで酸化ルテニウムナノシートが得られる。
このようにして得られた金属酸化物のナノシートの表面は、水中でカチオン交換性を有することが好ましく、表面電荷が負であることが好ましい。表面電荷は、例えばゼータ電位計により測定できる。
このようにして得られた金属酸化物のナノシートの表面は、水中でカチオン交換性を有することが好ましく、表面電荷が負であることが好ましい。表面電荷は、例えばゼータ電位計により測定できる。
本発明における金属酸化物のナノシートの厚さは、0.4nm~100nmが好ましく、1nm~10nmがより好ましく、1.5nm~4nmが特に好ましい。また、ナノシートの面サイズは、50nm~50μmが好ましく、100nm~30μmがより好ましく、300nm~1μmが特に好ましい。金属酸化物のナノシートの厚さが上記範囲内であれば、金属酸化物のナノシートと炭素系導電性担体との間の導電性を良好に保つことができ、負極として特性を低下させることなく機能させることができる。また、金属酸化物のナノシートの面サイズが上記範囲内であれば、金属イオンを還元させる面積を充分維持することができるため、負極としての特性は低下させずに、非常に高いデンドライト抑制効果を得ることができる。
金属酸化物のナノシートの厚さは、金属酸化物ナノシートの分散液に、水溶液中で安定な固体物質(例えば、石英ガラス板、シリコンウェハー、マイカ板、グラファイト板、アルミナ板等)を充分に洗浄したものを浸漬し、純水で洗浄した後、乾燥して、固体物質の表面に金属酸化物のナノシートを形成し、該金属酸化物のナノシートの厚さをAFM(原子間力顕微鏡)を用いて測定できる。固体物質の表面に形成される金属酸化物のナノシートは単層の層状構造体であってもよく、複層の層状構造体であってもよい。また、金属酸化物のナノシートの厚さは、剥離操作前の層状構造体をTEMで観察することにより求めることもできる。
金属酸化物のナノシートの面サイズは、上述の金属酸化物のナノシートおよび剥離操作前の層状構造体をTEMで観察することにより求めることができる。なお、本願における「面サイズ」は、金属酸化物のナノシートの平面(厚さ方向と垂直な面)における長手方向の最大の長さとする。
本発明における金属酸化物のナノシートの比表面積は、100m2/g~400m2/gが好ましく、150m2/g~380m2/gがより好ましく、200m2/g~350m2/gが特に好ましい。金属酸化物のナノシートの比表面積が上記範囲内であれば、炭素系導電性担体に担持させて負極材料としたときに比較的高い比表面積を保ちつつ、デンドライトの形成を抑制できる。
金属酸化物のナノシートの比表面積は、BET比表面積装置を用い、金属酸化物のナノシートの表面への窒素吸着によって測定することができる。
金属酸化物のナノシートの厚さは、金属酸化物ナノシートの分散液に、水溶液中で安定な固体物質(例えば、石英ガラス板、シリコンウェハー、マイカ板、グラファイト板、アルミナ板等)を充分に洗浄したものを浸漬し、純水で洗浄した後、乾燥して、固体物質の表面に金属酸化物のナノシートを形成し、該金属酸化物のナノシートの厚さをAFM(原子間力顕微鏡)を用いて測定できる。固体物質の表面に形成される金属酸化物のナノシートは単層の層状構造体であってもよく、複層の層状構造体であってもよい。また、金属酸化物のナノシートの厚さは、剥離操作前の層状構造体をTEMで観察することにより求めることもできる。
金属酸化物のナノシートの面サイズは、上述の金属酸化物のナノシートおよび剥離操作前の層状構造体をTEMで観察することにより求めることができる。なお、本願における「面サイズ」は、金属酸化物のナノシートの平面(厚さ方向と垂直な面)における長手方向の最大の長さとする。
本発明における金属酸化物のナノシートの比表面積は、100m2/g~400m2/gが好ましく、150m2/g~380m2/gがより好ましく、200m2/g~350m2/gが特に好ましい。金属酸化物のナノシートの比表面積が上記範囲内であれば、炭素系導電性担体に担持させて負極材料としたときに比較的高い比表面積を保ちつつ、デンドライトの形成を抑制できる。
金属酸化物のナノシートの比表面積は、BET比表面積装置を用い、金属酸化物のナノシートの表面への窒素吸着によって測定することができる。
(炭素系導電性担体への金属酸化物ナノシートの担持:金属二次電池用負極材料の製造)
本発明の金属二次電池用負極材料は、炭素系導電性担体に金属酸化物のナノシートを担持させてなる。
金属酸化物のナノシートの担持率は、質量比で、金属酸化物のナノシート/(金属酸化物のナノシート+炭素系導電性担体)=0.01~0.60が好ましく、0.02~0.55がより好ましく、0.10~0.50が特に好ましい。金属酸化物のナノシートの担持率が上記範囲内であれば、金属二次電池用負極材料としての導電性と比較的高い比表面積は維持しつつ、デンドライトの形成を抑制することができる。負極材料としては、電池特性の点から導電性は高い方が好ましく、電流集中を防ぎデンドライトの形成を抑制できる点から、比表面積は高い方が好ましい。
金属酸化物のナノシートを炭素系導電性担体へ担持させる方法は特に制限されない。例えば金属酸化物のナノシートの分散液に炭素系導電性担体を添加し、充分に撹拌・混合した後、分離し、水洗することにより金属酸化物ナノシートが担持された炭素系導電性担体が得られる。撹拌・混合の際に超音波を照射するとさらに担持が容易となりやすい。分離は、静置分離でもよく、濾過分離でもよい。ナノシートの剥離にアルキルアンモニウムヒドロキシドを用いた場合は、水洗の際に酸を用いるとアルキルアンモニウムヒドロキシドが除去しやすく好ましい。酸としては、塩酸、硝酸、硫酸等が好適に用いられる。ただし酸を用いた場合には、酸で洗浄した後に水洗を行うことが好ましい。また洗浄後に吸着している不純物を除去するため、酸素を含む気流中で加熱処理することも好ましい。加熱処理はアルキルアンモニウムヒドロキシド等の除去にも有効である。加熱処理の条件としては、例えば空気気流中において、250~350℃の温度で、5分~1時間程度加熱するという条件が好適に例示できる。このように炭素系導電性担体に金属酸化物のナノシートを担持させることにより、ナノシート同士の凝集を抑制して炭素系導電性担体に金属酸化物のナノシートを分散性よく担持させることができる。これにより、負極材料としたときに、負極全体にデンドライトの形成を抑制することができる。
本発明の金属二次電池用負極材料は、炭素系導電性担体に金属酸化物のナノシートを担持させてなる。
金属酸化物のナノシートの担持率は、質量比で、金属酸化物のナノシート/(金属酸化物のナノシート+炭素系導電性担体)=0.01~0.60が好ましく、0.02~0.55がより好ましく、0.10~0.50が特に好ましい。金属酸化物のナノシートの担持率が上記範囲内であれば、金属二次電池用負極材料としての導電性と比較的高い比表面積は維持しつつ、デンドライトの形成を抑制することができる。負極材料としては、電池特性の点から導電性は高い方が好ましく、電流集中を防ぎデンドライトの形成を抑制できる点から、比表面積は高い方が好ましい。
金属酸化物のナノシートを炭素系導電性担体へ担持させる方法は特に制限されない。例えば金属酸化物のナノシートの分散液に炭素系導電性担体を添加し、充分に撹拌・混合した後、分離し、水洗することにより金属酸化物ナノシートが担持された炭素系導電性担体が得られる。撹拌・混合の際に超音波を照射するとさらに担持が容易となりやすい。分離は、静置分離でもよく、濾過分離でもよい。ナノシートの剥離にアルキルアンモニウムヒドロキシドを用いた場合は、水洗の際に酸を用いるとアルキルアンモニウムヒドロキシドが除去しやすく好ましい。酸としては、塩酸、硝酸、硫酸等が好適に用いられる。ただし酸を用いた場合には、酸で洗浄した後に水洗を行うことが好ましい。また洗浄後に吸着している不純物を除去するため、酸素を含む気流中で加熱処理することも好ましい。加熱処理はアルキルアンモニウムヒドロキシド等の除去にも有効である。加熱処理の条件としては、例えば空気気流中において、250~350℃の温度で、5分~1時間程度加熱するという条件が好適に例示できる。このように炭素系導電性担体に金属酸化物のナノシートを担持させることにより、ナノシート同士の凝集を抑制して炭素系導電性担体に金属酸化物のナノシートを分散性よく担持させることができる。これにより、負極材料としたときに、負極全体にデンドライトの形成を抑制することができる。
本発明の金属二次電池用負極材料の比表面積は、20m2/g~1000m2/gであるのが好ましく、30m2/g~800m2/gであるのがより好ましい。
金属二次電池用負極材料の比表面積は、BET比表面積装置を用い、金属二次電池用負極材料の表面への窒素吸着によって測定することができる。
また、本発明の金属二次電池用負極材料の体積平均粒径(D50)は、50nm~50μmであるのが好ましく、100nm~30μmであるのがより好ましく、300nm~1μmが特に好ましい。金属二次電池用負極材料の体積平均粒径(D50)は、マイクロトラック(レーザー回折・散乱式 粒子径・粒度分布測定装置)によって測定することができる。
金属二次電池用負極材料の比表面積は、BET比表面積装置を用い、金属二次電池用負極材料の表面への窒素吸着によって測定することができる。
また、本発明の金属二次電池用負極材料の体積平均粒径(D50)は、50nm~50μmであるのが好ましく、100nm~30μmであるのがより好ましく、300nm~1μmが特に好ましい。金属二次電池用負極材料の体積平均粒径(D50)は、マイクロトラック(レーザー回折・散乱式 粒子径・粒度分布測定装置)によって測定することができる。
(金属二次電池用負極)
本発明はまた前記金属二次電池用負極材料を用いた金属二次電池用負極を提供する。本発明においては、炭素系導電性担体に金属酸化物のナノシートを担持させてなる金属二次電池用負極材料を用いることで、比較的高い比表面積を有し、かつ、金属を板状に析出させやすい負極を提供することができる。
金属酸化物のナノシートの表面は、水中ではカチオン交換性を有すると考えられる。そのため、ナノシート表面に沿うように、金属カチオンが引き寄せられて金属カチオンの層が形成され易く、結果として、金属酸化物のナノシートにおける金属の析出形態は、針状のデンドライトではなく、ナノシートの表面形状に沿うように板状になりやすくなると考えられる。
本発明の金属二次電池用負極材料は、炭素系導電性担体に金属酸化物のナノシートを担持させることにより、炭素系導電性担体の表面が金属酸化物のナノシートに覆われる構成となる。そのため、本発明の金属二次電池用負極は、金属の析出形態が板状になりやすい表面を有しており、針状のデンドライトでなく、金属を板状に析出させることができると考えられる。金属の析出形態が板状であれば、針状のデンドライトのようにセパレータを突き破って正負極を短絡させる不良が起こりにくい。
また、金属の析出は繰り返し充放電を行うことで蓄積されうる。本発明のように、金属の析出形態が板状であれば、繰り返し充放電による正負極間の短絡を防止できるため、充放電サイクル耐久性を向上できる。この結果、金属二次電池のサイクル安定性を向上させることができる。
また、本発明の金属二次電池用負極は、金属が針状でなく板状に析出されるため、負極の表面状態が均一になり、負極の表面エネルギー分布が均一になるため、高過飽和度の電解液を用いたり、電流密度を高くしたりすることができる。
金属を結晶表面に析出させる場合、析出させる金属の種類や析出条件にもよるが、一般的には300nm程度の厚さまではエピタキシーが保持されると言われている。すなわち結晶表面における析出の状況が、析出物の成長フロントとして300nm程度までは影響を及ぼすと期待される。本発明において、金属二次電池用負極として、炭素系導電性担体にナノシートを担持させた材料を導入することにより、担持させた金属酸化物のナノシートの厚さの100倍以上の厚さまで、金属の析出形態を板状に制御できると推定される。このため本発明の金属二次電池用負極材料を用いれば、高エネルギー密度と高い安定性、すなわち優れた充放電サイクル耐久性、を有する金属二次電池が得られる。
本発明における金属二次電池用負極は、必要に応じて、負極集電体および負極活物質等を有していてもよい。負極活物質は、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、ナトリウム(Na)、またはカルシウム(Ca)の金属が好ましい。
本発明はまた前記金属二次電池用負極材料を用いた金属二次電池用負極を提供する。本発明においては、炭素系導電性担体に金属酸化物のナノシートを担持させてなる金属二次電池用負極材料を用いることで、比較的高い比表面積を有し、かつ、金属を板状に析出させやすい負極を提供することができる。
金属酸化物のナノシートの表面は、水中ではカチオン交換性を有すると考えられる。そのため、ナノシート表面に沿うように、金属カチオンが引き寄せられて金属カチオンの層が形成され易く、結果として、金属酸化物のナノシートにおける金属の析出形態は、針状のデンドライトではなく、ナノシートの表面形状に沿うように板状になりやすくなると考えられる。
本発明の金属二次電池用負極材料は、炭素系導電性担体に金属酸化物のナノシートを担持させることにより、炭素系導電性担体の表面が金属酸化物のナノシートに覆われる構成となる。そのため、本発明の金属二次電池用負極は、金属の析出形態が板状になりやすい表面を有しており、針状のデンドライトでなく、金属を板状に析出させることができると考えられる。金属の析出形態が板状であれば、針状のデンドライトのようにセパレータを突き破って正負極を短絡させる不良が起こりにくい。
また、金属の析出は繰り返し充放電を行うことで蓄積されうる。本発明のように、金属の析出形態が板状であれば、繰り返し充放電による正負極間の短絡を防止できるため、充放電サイクル耐久性を向上できる。この結果、金属二次電池のサイクル安定性を向上させることができる。
また、本発明の金属二次電池用負極は、金属が針状でなく板状に析出されるため、負極の表面状態が均一になり、負極の表面エネルギー分布が均一になるため、高過飽和度の電解液を用いたり、電流密度を高くしたりすることができる。
金属を結晶表面に析出させる場合、析出させる金属の種類や析出条件にもよるが、一般的には300nm程度の厚さまではエピタキシーが保持されると言われている。すなわち結晶表面における析出の状況が、析出物の成長フロントとして300nm程度までは影響を及ぼすと期待される。本発明において、金属二次電池用負極として、炭素系導電性担体にナノシートを担持させた材料を導入することにより、担持させた金属酸化物のナノシートの厚さの100倍以上の厚さまで、金属の析出形態を板状に制御できると推定される。このため本発明の金属二次電池用負極材料を用いれば、高エネルギー密度と高い安定性、すなわち優れた充放電サイクル耐久性、を有する金属二次電池が得られる。
本発明における金属二次電池用負極は、必要に応じて、負極集電体および負極活物質等を有していてもよい。負極活物質は、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、ナトリウム(Na)、またはカルシウム(Ca)の金属が好ましい。
(金属二次電池)
本発明における金属二次電池負極は、金属二次電池に使用することができる。金属二次電池は、例えば正極と、負極と、正極と負極との間に配置されたセパレータと、正極と負極との間に電解質と、を備えた構成であるのが好ましい。負極として、本発明における金属二次電池用負極を用いることができる。
本発明における金属二次電池は、負極における金属の析出および溶解により、負極の容量が得られるものである。この金属としては、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、ナトリウム(Na)、またはカルシウム(Ca)が好ましい。この金属は、金属二次電池を組み立てたときに負極に存在するようにしてもよく、金属二次電池を組み立てたときには存在せず充電によって負極に存在するようにしてもよい。前者の場合は負極中に負極活物質として含ませておけばよく、後者の場合は電解質中に金属イオンまたは金属塩として含有させておけばよい。
以下、負極以外の構成の具体例を示す。
<正極>
正極は、正極活物質含有層および正極集電体を少なくとも含有し、必要に応じて、その他の部材を含有することができる。正極活物質含有層は、正極集電体上に形成されていてもよい。
正極活物質含有層は、正極活物質を少なくとも含有し、必要に応じて、導電助剤およびバインダー等その他の成分を含有することができる。
正極活物質は、負極で析出および溶解する金属に対応する金属イオンを、吸蔵および放出できる正極材料が好ましい。すなわち、Li、Mg、Al、Zn、Na、またはCaのイオンを吸蔵および放出できる正極材料が好ましい。たとえばLiイオンの場合は、Liと遷移金属とを含有するリチウム遷移金属複合酸化物がより好ましく、層状岩塩型結晶構造またはスピネル型結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物が特に好ましい。具体的には、LiCoO2、LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2、LiCo1/3Mn1/3Ni1/3O2、Li1.45Ni0.20Co0.15Mn0.65O2.45、Li0.5Mn0.8Ni0.2O2、Li0.5MnO2、およびLi0.5Ni0.25Mn0.75O2等が挙げられる。
その他の金属イオンの場合は、たとえばナトリウムおよび二酸化クロムの複合酸化物、マグネシウムおよび二酸化マンガンの複合酸化物等が挙げられる。
また、正極は、空気極としてもよい。空気極は、酸素の還元反応を放電反応とし、酸素の酸化反応を充電反応とする正極である。空気極は、触媒を少なくとも含有し、必要に応じて空気極集電体、導電性材料、およびバインダー等を含有することができる。
<セパレータ>
セパレータの材質としては、紙、セロハン、ポリオレフィン不織布、ポリアミド不織布、ガラス繊維不織布、および多孔質ポリプロピレン等が挙げられる。また、セパレータは膜状の固体電解質であってもよい。固体電解質は有機系のイオン交換膜でもよく、酸化物および硫化物等の無機系固体電解質でもよい。無機固体電解質としては、窒化リチウム、ヨウ化リチウム、NASICON、LISICON、チオLISICON、Li2S-P2S5系硫化物、ジルコン酸ランタンリチウムおよびチタン酸ランタンリチウム等の複合酸化物、Liイオン導電性ガラスセラミックス、ならびにβ-アルミナ等が挙げられる。セパレータは、例えばシート状のものを用いることができる。
<電解質>
電解質としては、例えば、非水電解液、無機固体電解質、および電解質塩を混合もしくは溶解させた固体状またはゲル状の高分子電解質等が挙げられる。負極で析出および溶解される金属に対応する金属イオンまたは金属塩が、電解質中に含まれていてもよい。
また、負極で析出および溶解される金属が亜鉛の場合は、水溶液系電解液を使用してもよい。同様に、セパレータが水不透過性のイオン導電性セパレータである場合は、正極側に水溶液系電解液を使用してもよい。
本発明における金属二次電池は、具体的にはリチウム二次電池、マグネシウム二次電池、アルミニウム二次電池、亜鉛二次電池、ナトリウム二次電池、カルシウム二次電池、または金属空気二次電池が好ましい。また、金属空気二次電池は、リチウム空気二次電池、マグネシウム空気二次電池、亜鉛空気二次電池、アルミニウム空気二次電池、ナトリウム空気二次電池、またはカルシウム空気二次電池が好ましい。
本発明における金属二次電池負極は、金属二次電池に使用することができる。金属二次電池は、例えば正極と、負極と、正極と負極との間に配置されたセパレータと、正極と負極との間に電解質と、を備えた構成であるのが好ましい。負極として、本発明における金属二次電池用負極を用いることができる。
本発明における金属二次電池は、負極における金属の析出および溶解により、負極の容量が得られるものである。この金属としては、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、ナトリウム(Na)、またはカルシウム(Ca)が好ましい。この金属は、金属二次電池を組み立てたときに負極に存在するようにしてもよく、金属二次電池を組み立てたときには存在せず充電によって負極に存在するようにしてもよい。前者の場合は負極中に負極活物質として含ませておけばよく、後者の場合は電解質中に金属イオンまたは金属塩として含有させておけばよい。
以下、負極以外の構成の具体例を示す。
<正極>
正極は、正極活物質含有層および正極集電体を少なくとも含有し、必要に応じて、その他の部材を含有することができる。正極活物質含有層は、正極集電体上に形成されていてもよい。
正極活物質含有層は、正極活物質を少なくとも含有し、必要に応じて、導電助剤およびバインダー等その他の成分を含有することができる。
正極活物質は、負極で析出および溶解する金属に対応する金属イオンを、吸蔵および放出できる正極材料が好ましい。すなわち、Li、Mg、Al、Zn、Na、またはCaのイオンを吸蔵および放出できる正極材料が好ましい。たとえばLiイオンの場合は、Liと遷移金属とを含有するリチウム遷移金属複合酸化物がより好ましく、層状岩塩型結晶構造またはスピネル型結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物が特に好ましい。具体的には、LiCoO2、LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2、LiCo1/3Mn1/3Ni1/3O2、Li1.45Ni0.20Co0.15Mn0.65O2.45、Li0.5Mn0.8Ni0.2O2、Li0.5MnO2、およびLi0.5Ni0.25Mn0.75O2等が挙げられる。
その他の金属イオンの場合は、たとえばナトリウムおよび二酸化クロムの複合酸化物、マグネシウムおよび二酸化マンガンの複合酸化物等が挙げられる。
また、正極は、空気極としてもよい。空気極は、酸素の還元反応を放電反応とし、酸素の酸化反応を充電反応とする正極である。空気極は、触媒を少なくとも含有し、必要に応じて空気極集電体、導電性材料、およびバインダー等を含有することができる。
<セパレータ>
セパレータの材質としては、紙、セロハン、ポリオレフィン不織布、ポリアミド不織布、ガラス繊維不織布、および多孔質ポリプロピレン等が挙げられる。また、セパレータは膜状の固体電解質であってもよい。固体電解質は有機系のイオン交換膜でもよく、酸化物および硫化物等の無機系固体電解質でもよい。無機固体電解質としては、窒化リチウム、ヨウ化リチウム、NASICON、LISICON、チオLISICON、Li2S-P2S5系硫化物、ジルコン酸ランタンリチウムおよびチタン酸ランタンリチウム等の複合酸化物、Liイオン導電性ガラスセラミックス、ならびにβ-アルミナ等が挙げられる。セパレータは、例えばシート状のものを用いることができる。
<電解質>
電解質としては、例えば、非水電解液、無機固体電解質、および電解質塩を混合もしくは溶解させた固体状またはゲル状の高分子電解質等が挙げられる。負極で析出および溶解される金属に対応する金属イオンまたは金属塩が、電解質中に含まれていてもよい。
また、負極で析出および溶解される金属が亜鉛の場合は、水溶液系電解液を使用してもよい。同様に、セパレータが水不透過性のイオン導電性セパレータである場合は、正極側に水溶液系電解液を使用してもよい。
本発明における金属二次電池は、具体的にはリチウム二次電池、マグネシウム二次電池、アルミニウム二次電池、亜鉛二次電池、ナトリウム二次電池、カルシウム二次電池、または金属空気二次電池が好ましい。また、金属空気二次電池は、リチウム空気二次電池、マグネシウム空気二次電池、亜鉛空気二次電池、アルミニウム空気二次電池、ナトリウム空気二次電池、またはカルシウム空気二次電池が好ましい。
本発明によれば、高エネルギー密度、および高出力密度が期待される金属を用いた、高い安定性を有する金属二次電池が得られる。この金属としては、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、ナトリウム(Na)、またはカルシウム(Ca)が好ましい。これらの金属はデンドライトが生成しやすいとされているが、本発明における金属二次電池用負極材料を用いることで、デンドライトの形成を抑制することができる。
本発明を以下の実施例で説明するが、本発明はこれら実施例等に限定されない。
(実施例1)
チタニアナノシート(以下、「Tns」ともいう。)の水溶液は特開2011-253626号公報、特開平9-25123号公報に記載の方法に準拠し作製した。Tnsの厚さは0.75nmであった。
Tnsの水溶液を希釈し0.04質量%の濃度にした。この水溶液に所定量のカーボンブラックを投入し、30分超音波処理した後、1時間室温で撹拌した。水溶液のpHが7.5になるまで硫酸を滴下した。充分に撹拌した後、充分に静置し、沈殿を2回水洗した。水洗は、超純水を加え撹拌し、静置し、上澄みを除去することで行った。その後120℃、4時間かけて乾燥させて、Tnsを担持させたカーボンブラックを得た。ただしカーボンブラックとしては、比表面積のカタログ値が800m2/gであるケッチェンブラック(以下、「KB1」ともいう。)(ケッチェンブラックインターナショナル社製、品名:ケッチェンブラックEC)を用いた。
(実施例1)
チタニアナノシート(以下、「Tns」ともいう。)の水溶液は特開2011-253626号公報、特開平9-25123号公報に記載の方法に準拠し作製した。Tnsの厚さは0.75nmであった。
Tnsの水溶液を希釈し0.04質量%の濃度にした。この水溶液に所定量のカーボンブラックを投入し、30分超音波処理した後、1時間室温で撹拌した。水溶液のpHが7.5になるまで硫酸を滴下した。充分に撹拌した後、充分に静置し、沈殿を2回水洗した。水洗は、超純水を加え撹拌し、静置し、上澄みを除去することで行った。その後120℃、4時間かけて乾燥させて、Tnsを担持させたカーボンブラックを得た。ただしカーボンブラックとしては、比表面積のカタログ値が800m2/gであるケッチェンブラック(以下、「KB1」ともいう。)(ケッチェンブラックインターナショナル社製、品名:ケッチェンブラックEC)を用いた。
担持量(Tnsとカーボンブラックとの質量比)を変えた場合の比表面積を図1に示す。ただし、比表面積はBET比表面積測定装置を用いて測定した。測定試料はあらかじめ、He雰囲気中で、150℃、3時間加熱処理したものを用いた。図1に示す結果では、Tnsの担持量が増えるにつれ比表面積が減少していくことから、相対的に比表面積が小さいTnsが、相対的に大きい比表面積を有するカーボンブラックに分散性よく担持され、Tnsが凝集することなくカーボンブラックの表面を被覆していく様子が示されていると考えられる。
(実施例2)
カーボンブラックとして、比表面積のカタログ値が1200m2/gであるケッチェンブラック(以下、「KB2」ともいう。)(ケッチェンブラックインターナショナル社製、品名:ケッチェンブラックEC-600JD)を用いた以外は、実施例1と同様に試料を作製し、比表面積を測定した。
担持量を変えた場合の比表面積を図2に示す。図2に示す結果は、Tnsの担持量が増えるにつれ比表面積が減少していくことから、実施例1と同様に、Tnsが、カーボンブラックに分散性よく担持され、Tnsが凝集することなくカーボンブラックの表面を被覆していく様子が示されていると考えられる。なお、図2に示す結果は実測値であり、KB2のみの比表面積に相当するTns/(Tns+KB2)=0の結果は約1350m2/gであった。
また試料のうちTns/(Tns+KB2)=0.5(質量比がTns:KB2=1:1)の試料の電子顕微鏡(FE-SEM)像を図3に示す。このFE-SEM像から、TnsはKB2上に概ね均一に分散性よく担持されていることが観察された。
カーボンブラックとして、比表面積のカタログ値が1200m2/gであるケッチェンブラック(以下、「KB2」ともいう。)(ケッチェンブラックインターナショナル社製、品名:ケッチェンブラックEC-600JD)を用いた以外は、実施例1と同様に試料を作製し、比表面積を測定した。
担持量を変えた場合の比表面積を図2に示す。図2に示す結果は、Tnsの担持量が増えるにつれ比表面積が減少していくことから、実施例1と同様に、Tnsが、カーボンブラックに分散性よく担持され、Tnsが凝集することなくカーボンブラックの表面を被覆していく様子が示されていると考えられる。なお、図2に示す結果は実測値であり、KB2のみの比表面積に相当するTns/(Tns+KB2)=0の結果は約1350m2/gであった。
また試料のうちTns/(Tns+KB2)=0.5(質量比がTns:KB2=1:1)の試料の電子顕微鏡(FE-SEM)像を図3に示す。このFE-SEM像から、TnsはKB2上に概ね均一に分散性よく担持されていることが観察された。
(実施例3)
カーボンブラックの代りに、カーボンナノチューブ(CNT)(保土谷化学社製、品名:MWNT-7)を用いた以外は、実施例1と同様に試料を作製し、比表面積を測定した。ただし比表面積の測定に用いる試料の加熱処理条件は、300℃、1時間とした。
担持量(Tnsとカーボンナノチューブとの質量比)を変えた場合の比表面積を図4に示す。図4から、Tnsの担持量が増えるにつれ比表面積が増加していくことから、相対的に比表面積が大きいTnsが、相対的に小さい比表面積を有するCNTに分散性よく担持され、Tnsが凝集することなくCNTの表面を被覆していく様子が示されていると考えられる。
カーボンブラックの代りに、カーボンナノチューブ(CNT)(保土谷化学社製、品名:MWNT-7)を用いた以外は、実施例1と同様に試料を作製し、比表面積を測定した。ただし比表面積の測定に用いる試料の加熱処理条件は、300℃、1時間とした。
担持量(Tnsとカーボンナノチューブとの質量比)を変えた場合の比表面積を図4に示す。図4から、Tnsの担持量が増えるにつれ比表面積が増加していくことから、相対的に比表面積が大きいTnsが、相対的に小さい比表面積を有するCNTに分散性よく担持され、Tnsが凝集することなくCNTの表面を被覆していく様子が示されていると考えられる。
(実施例4)
0.04質量%のTns分散水溶液に、上記実施例2と同様のKB2を、質量比がTns/(Tns+KB2)=0.5(Tns:KB2=1:1)となるように投入、撹拌してから、超音波を30分間照射した。水溶液のpHが7になるまで硫酸を添加した。充分に撹拌した後、充分に静置し、沈殿を2回水洗した。水洗は、超純水を加え撹拌し、静置し、上澄みを除去することで行った。この分散液をピペットに取り、グラッシーカーボン電極上に滴下し、約10μgが堆積するようにした(試料電極A)。
0.04質量%のTns分散水溶液に、上記実施例2と同様のKB2を、質量比がTns/(Tns+KB2)=0.5(Tns:KB2=1:1)となるように投入、撹拌してから、超音波を30分間照射した。水溶液のpHが7になるまで硫酸を添加した。充分に撹拌した後、充分に静置し、沈殿を2回水洗した。水洗は、超純水を加え撹拌し、静置し、上澄みを除去することで行った。この分散液をピペットに取り、グラッシーカーボン電極上に滴下し、約10μgが堆積するようにした(試料電極A)。
次に、亜鉛の析出形態を観察するための溶液を準備した。当該溶液としては、硫酸亜鉛0.1M水溶液を硫酸でpH=2.5に調整し、硫酸濃度=0.005Mの溶液を準備した。該溶液を、室温25℃で、Ag/AgCl電極に対して電位を掃引すると、-1V付近から電流が立ち上がることを確認した。
次に、試料電極Aを用いて、亜鉛の析出形態を観察した。試料電極Aを用いて、上述のように準備した硫酸亜鉛0.1M水溶液中で、60℃、拡散限界電流となる条件で30分間通電し、-0.1V~-3.0Vの範囲で析出と溶解を繰り返した。この試験で得られた、亜鉛が析出した後の試料電極Aの表面をFE-SEMで観察した。通電5分後(以下、析出初期とする)の状態を図5に、通電30分後(以下、析出試験終了後とする)の状態を図6に示す。
この観察から、析出初期は微結晶が生成するが、通電を続け析出量を増加させると凹凸の少ない、板状の析出となることが確認された。平均的な析出厚さは通電量から300nmと計算された。
この観察から、析出初期は微結晶が生成するが、通電を続け析出量を増加させると凹凸の少ない、板状の析出となることが確認された。平均的な析出厚さは通電量から300nmと計算された。
(実施例5)
質量比が、Tns/(Tns+KB2)=0.23(Tns:KB2=3:10)となるようにした以外は、実施例4と同様にして試料電極Bを得た。該試料電極Bを用いて、実施例4と同様にして亜鉛の析出形態を観察した。この観察から、析出試験終了後の試料電極Bは比較的平滑な面が得られており、Tnsの担持率を小さくさせても板状に析出できることが確認できた。観察したFE-SEM像を図7に示す。
質量比が、Tns/(Tns+KB2)=0.23(Tns:KB2=3:10)となるようにした以外は、実施例4と同様にして試料電極Bを得た。該試料電極Bを用いて、実施例4と同様にして亜鉛の析出形態を観察した。この観察から、析出試験終了後の試料電極Bは比較的平滑な面が得られており、Tnsの担持率を小さくさせても板状に析出できることが確認できた。観察したFE-SEM像を図7に示す。
(実施例6)
以下の方法でルテニアナノシート(以下、「Rns」ともいう。)分散水溶液を得た。合成は、特開2010-188549号公報に記載の方法に準拠した。具体的には、酸化ルテニウムと炭酸ルテニウムの混合物ペレットをアルゴン流通下で850℃、12時間焼成した。粉砕後塩酸で処理し、充分に水洗し、水素型層状酸化ルテニウムを得た。これを水に分散させ10%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で処理し、酸化ルテニウムナノシートを得た。
得られた0.04質量%のRns分散水溶液に、KB1を、質量比が、Rns/(Rns+KB1)=0.5(Rns:KB1=1:1)となるように投入した以外は、実施例4と同様にして試料電極Cを得た。該試料電極Cを用いて、実施例4と同様にして、亜鉛の析出形態を観察した。この観察から、析出試験終了後の試料電極Cは比較的平滑な面が得られており、Rnsを担持させた場合も板状に析出できることが確認できた。観察したFE-SEM像を図8に示す。
以下の方法でルテニアナノシート(以下、「Rns」ともいう。)分散水溶液を得た。合成は、特開2010-188549号公報に記載の方法に準拠した。具体的には、酸化ルテニウムと炭酸ルテニウムの混合物ペレットをアルゴン流通下で850℃、12時間焼成した。粉砕後塩酸で処理し、充分に水洗し、水素型層状酸化ルテニウムを得た。これを水に分散させ10%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で処理し、酸化ルテニウムナノシートを得た。
得られた0.04質量%のRns分散水溶液に、KB1を、質量比が、Rns/(Rns+KB1)=0.5(Rns:KB1=1:1)となるように投入した以外は、実施例4と同様にして試料電極Cを得た。該試料電極Cを用いて、実施例4と同様にして、亜鉛の析出形態を観察した。この観察から、析出試験終了後の試料電極Cは比較的平滑な面が得られており、Rnsを担持させた場合も板状に析出できることが確認できた。観察したFE-SEM像を図8に示す。
(比較例1)
平滑なグラッシーカーボン電極上にカーボンブラックであるVulcanXC-72(キャボット社製)を堆積させた(試料電極D)。VulcanXC-72はカーボンブラックの中では比較的比表面積が小さく、カタログ値で240m2/gである。該試料電極Dを用いて、実施例4と同様にして亜鉛の析出形態を観察した。観察したFE-SEM像を図9に示す。図9に示されるようにデンドライト状の結晶や非常に凹凸の多い表面形態が観察された。
平滑なグラッシーカーボン電極上にカーボンブラックであるVulcanXC-72(キャボット社製)を堆積させた(試料電極D)。VulcanXC-72はカーボンブラックの中では比較的比表面積が小さく、カタログ値で240m2/gである。該試料電極Dを用いて、実施例4と同様にして亜鉛の析出形態を観察した。観察したFE-SEM像を図9に示す。図9に示されるようにデンドライト状の結晶や非常に凹凸の多い表面形態が観察された。
(比較例2)
平滑なグラッシーカーボン電極上にKB2を堆積させた(試料電極E)。該試料電極Eを用いて、実施例4と同様にして亜鉛の析出形態を観察した。FE-SEMを用いて試料電極Eの表面の形態観察を行ったところ、通電量を増大させるとともにデンドライト状の結晶が成長し、凹凸の大きな表面が生成することが確認された。析出試験終了後に観察したFE-SEM像を図10に示す。
平滑なグラッシーカーボン電極上にKB2を堆積させた(試料電極E)。該試料電極Eを用いて、実施例4と同様にして亜鉛の析出形態を観察した。FE-SEMを用いて試料電極Eの表面の形態観察を行ったところ、通電量を増大させるとともにデンドライト状の結晶が成長し、凹凸の大きな表面が生成することが確認された。析出試験終了後に観察したFE-SEM像を図10に示す。
以上のように、炭素系導電性材料を用いるだけでは針状のデンドライト形成を抑制することは難しい。しかし本発明により、金属酸化物のナノシートを炭素系導電性担体に担持させることで、該金属酸化物のナノシートで表面が被覆された金属二次電池用負極材料では、非常に厳しい拡散限界の条件においても金属の析出形態を板状にさせることが可能であることが確認された。すなわち本発明の金属二次電池用負極材料は、安定性の高い金属二次電池用負極として使用できることがわかった。
本発明の負極材料は、デンドライトの形成を抑制できる金属二次電池の負極に広く利用できる。
なお、2012年10月30日に出願された日本特許出願2012-238746号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
なお、2012年10月30日に出願された日本特許出願2012-238746号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
Claims (10)
- 炭素系導電性担体に金属酸化物のナノシートを担持させてなり、
該金属酸化物の金属がチタン、ルテニウム、またはニオブであることを特徴とする金属二次電池用負極材料。 - 前記炭素系導電性担体が、カーボンブラック、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ、カーボンナノホーン、およびグラフェンからなる群から選ばれる1種以上である請求項1に記載の金属二次電池用負極材料。
- 前記金属酸化物のナノシートへの担持率が、質量比で、金属酸化物のナノシート/(金属酸化物のナノシート+炭素系導電性担体)=0.01~0.60である請求項1または2に記載の金属二次電池用負極材料。
- 前記金属酸化物のナノシートの厚さが、0.4nm~100nmである請求項1~3のいずれか1項に記載の金属二次電池用負極材料。
- 前記金属酸化物のナノシートの比表面積が、100m2/g~400m2/gである請求項1~4のいずれか1項に記載の金属二次電池用負極材料。
- 前記金属二次電池用負極材料の比表面積が、20m2/g~1000m2/gである請求項1~5のいずれか1項に記載の金属二次電池用負極材料。
- 金属二次電池の金属が、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、ナトリウム、またはカルシウムである請求項1~6のいずれか1項に記載の金属二次電池用負極材料。
- 請求項1~7のいずれか1項に記載の金属二次電池用負極材料を用いた、金属二次電池用負極。
- 正極と、請求項8に記載の金属二次電池用負極と、前記正極と前記負極との間に存在する電解質と、前記正極と前記負極との間に位置するセパレータと、を備えた、金属二次電池。
- 請求項1~7のいずれか1項に記載の金属二次電池用負極材料を用いた金属二次電池用負極を有する金属二次電池を繰り返し充放電を行う際に、前記金属二次電池用負極から板状の結晶を析出させる金属二次電池用負極のデンドライト形成の抑制方法。
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