WO2014030413A1

WO2014030413A1 - 密封装置

Info

Publication number: WO2014030413A1
Application number: PCT/JP2013/066714
Authority: WO
Inventors: 吉野顕; 老山幸一郎
Original assignee: イーグル工業株式会社
Priority date: 2012-08-23
Filing date: 2013-06-18
Publication date: 2014-02-27
Also published as: EP2889518B1; US20150226330A1; JPWO2014030413A1; JP6113733B2; CN104583653A; EP2889518A1; CN104583653B; US9194498B2; EP2889518A4

Abstract

　ハウジングと軸孔に挿通される軸との間の環状隙間を密封して軸方向一方側にある流体が軸方向他方側へ漏洩するのを抑制する密封装置において、ゴム状弾性体製の第１シール部材におけるシールリップの姿勢を安定化させて良好な密封機能を発揮できる密封装置を提供する。ゴム状弾性体製の第１シール部材１２０と、樹脂製の第２シール部材１４０と、第１シール部材１２０の軸方向の位置決めをする位置決め部１６１を備えるアダプター１６０と、ケース１１０とを備え、アダプター１６０は、位置決め部１６１の内周側端部の密封流体側に、先端１６４におけるエッジ部１６５がシールリップ１２３の外周面から離間するように外周側に折り曲げられ、かつ、先端１６４よりも内周側に位置する接触部１６６がシールリップ１２３の外周面に面接触する折り曲げ部１６３を有することを特徴とする。

Description

密封装置

　本発明は、軸とハウジングの軸孔との間の環状隙間を密封する密封装置に関する。

　従来、ゴム状弾性体製の第１シール部材と樹脂製の第２シール部材とを備え、軸孔を有するハウジングと軸孔に挿通された軸との間の環状隙間を密封して密封流体が大気側へ漏洩するのを抑制する密封装置（リップタイプシール）が知られている（特許文献１参照）。

　以下、図５を参照して従来例に係る密封装置を説明する。図５は、従来例に係る密封装置２００の装着時における状態を示す、回転軸２１の中心を通る面で切断した模式的断面図（切断端面のみを図示）である。

　密封装置２００は、ハウジング３０の軸孔３１の内周面に装着されて、軸孔３１の内周面と軸孔３１内に挿通される回転軸２１との間の環状隙間を密封する。密封装置２００は、軸孔３１の内周面に嵌着されると共に、シール部材等が保持される金属製のケース（カートリッジ）２１０を備えており、各構成部品が非接着で固定されることによって一体化（カートリッジ化）されている。密封装置２００は、ケース２１０の内周面に嵌着されると共に、第１シール部材２２０に密封流体側（Ｌ）から当接するアダプター２６０を備えている。アダプター２６０は、このような態様で第１シール部材２２０に当接することによって、第１シール部材２２０における軸方向の位置決めをすると共に、第１シール部材２２０が密封流体側（Ｌ）に抜けるのを抑制している。

　しかしながら、この従来例においては、第１シール部材２２０におけるシールリップ２２３が十分に位置決めされていないため、シールリップ２２３の振動やめくれ等を抑制して、安定した密封機能を発揮させることが困難であった。

ＷＯ２０１０／０６１６７０号公報

　本発明の目的は、ゴム状弾性体製の第１シール部材におけるシールリップの姿勢を安定化させて良好な密封機能を発揮できる密封装置を提供することにある。

　本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。

　すなわち、本発明の密封装置は、
　軸孔を有するハウジングと前記軸孔に挿通される軸との間の環状隙間を密封して軸方向一方側にある流体が軸方向他方側へ漏洩するのを抑制する密封装置において、
　胴体と、前記胴体から軸方向一方側へ伸びるシールリップとを備え、前記軸の外周面に摺動自在に接するゴム状弾性体製の第１シール部材と、
　前記第１シール部材における前記軸の外周面と接する位置より軸方向他方側において前記軸の外周面に摺動自在に接する樹脂製の第２シール部材と、
　前記胴体における軸方向一方側の端面に接し、前記第１シール部材の軸方向の位置決めをする位置決め部を備える位置決め部材と、
　前記第１シール部材、前記第２シール部材及び前記位置決め部材を保持するケースと、
を備える密封装置であって、
　前記位置決め部材は、
　前記位置決め部の内周側端部の軸方向一方側に、先端におけるエッジ部が前記シールリップの外周面から離間するように外周側に折り曲げられ、かつ、前記先端よりも内周側に位置する部分が前記シールリップの外周面に面接触する折り曲げ部を有することを特徴とする。

　本発明の密封装置によれば、位置決め部材が、位置決め部の内周側端部の軸方向一方側に、先端よりも内周側に位置する部分が第１シール部材におけるシールリップの外周面に面接触する折り曲げ部を有するため、シールリップを外周側から位置決めすることができる。これにより、シールリップの姿勢を安定化させて、第１シール部材の密封機能を良好に発揮させることができる。

　更に、本発明の密封装置によれば、折り曲げ部の先端におけるエッジ部がシールリップの外周面から離間するように外周側に折り曲げられている。そのため、密封装置がハウジングに装着された状態において、第１シール部材のシールリップが外周側に変形しても、シールリップの外周面が折り曲げ部の先端におけるエッジ部に接触することが回避される。これにより、シールリップの外周面に亀裂等の損傷が発生することを効果的に抑制することができる。したがって、第１シール部材の密封機能を良好に維持させることができる。

　本発明によれば、ゴム状弾性体製の第１シール部材におけるシールリップの姿勢を安定化させて良好な密封機能を発揮できる密封装置を提供することができる。

図１は、本発明の実施例に係る密封装置の適用例を示す模式的断面図である。図２は、本発明の実施例１に係る密封装置の装着状態を示す模式的断面図である。図３は、本発明の実施例２に係る密封装置の装着状態を示す模式的断面図である。図４は、本発明の実施例３に係る密封装置の装着状態を示す模式的断面図である。図５は、従来例に係る密封装置の装着状態を示す模式的断面図である。

　以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。

　（実施例１）
　図１～図２を参照して、本発明の実施例１に係る密封装置について説明する。

＜密封装置の適用例＞
　図１を参照して、本発明の実施例に係る密封装置１００の適用例を説明する。図１は自動車用のウォーターポンプ１０の模式的断面図である。ウォーターポンプ１０は、回転軸２１と、回転軸２１が挿通される軸孔３１を有するハウジング３０とを備えている。回転軸２１には、回転軸２１の回転を円滑にするためのベアリング２２が取り付けられている。また、回転軸２１の一端側には不図示のベルト等によって回転駆動力が与えられるプーリー２３が取り付けられており、他端側には冷却水を圧送するためのインペラー２４が取り付けられている。そして、本実施例に係る密封装置１００は、この冷却水が外部（すなわち、密封流体側（Ｌ）とは反対側の大気側（Ａ））に漏れてしまうことを抑制するために、回転軸２１とハウジング３０との間の環状隙間に配置される。つまり、本実施例においては、密封流体は冷却水である。

　＜密封装置の構成＞
　図２を参照して、本発明の実施例１に係る密封装置について説明する。ここで、図２は本発明の実施例１に係る密封装置１００の装着状態を示す、回転軸２１の中心を通る面で切断した模式的断面図である（切断端面のみを図示）。

　密封装置１００は、金属製のケース（カートリッジ）１１０と、ゴム状弾性体製の第１シール部材１２０と、金属製のカシメ部材１３０と、樹脂製の第２シール部材１４０と、金属製のバックアップリング１５０とを備えている。また、密封装置１００は、第１シール部材１２０の軸方向の位置決めをする位置決め部材としてのアダプター１６０を備えている。

　ケース１１０は、環状の部材で構成され、ハウジング３０における軸孔３１の内周面に円筒部１１１の外周面が嵌着されることによって軸孔３１内に固定される。また、ケース１１０は、円筒部１１１における密封流体側（Ｌ）の端部に、外周側（径方向外方）に形成された外向きフランジ１１２を備えている。外向きフランジ１１２は、密封装置１００が軸孔３１に装着された際に、ハウジング３０における密封流体側（Ｌ）の端面に突き当たることによって、装着時の軸方向の位置（装着深さ）を規定する。また、円筒部１１１における大気側（Ａ）の端部には内周側（径方向内方）に形成された内向きフランジ部１１３が設けられている。そして、内向きフランジ部１１３の内周側端部には、後述するカシメ部材１３０の第２フランジ部１３２に設けられた切欠き部１３３に係合する一または複数の係合凸部１１４が設けられている。

　第１シール部材１２０は、断面Ｌ字形の筒状の胴体１２１と、胴体１２１から密封流体側（Ｌ）へ伸び、かつ更に内周側に向かうように構成された第１シールリップ１２３とを備えている。なお、第１シールリップ１２３は、回転軸２１の外周面に摺動自在に接している。そして、第１シール部材１２０における胴体１２１の内周側には、環状の部材で構成されたカシメ部材１３０が嵌め込まれる。これにより、カシメ部材１３０の外周面とケース１１０の内周面との間で、胴体１２１における円筒状の部分が挟み込まれることで、第１シール部材１２０はケース１１０に対する径方向の位置決めがなされる。

　第２シール部材１４０は、板状の被固定部１４１と、被固定部１４１の内周側の先端から更に内周側かつ密封流体側（Ｌ）に向かうように構成された第２シールリップ１４２とから構成されている。なお、第２シールリップ１４２は、第１シールリップ１２３が回転軸２１の外周面と接する位置より大気側（Ａ）において、回転軸２１の外周面に摺動自在に接している。この第２シール部材１４０の大気側（Ａ）には、環状のバックアップリング１５０が配置されている。そして、カシメ部材１３０の密封流体側（Ｌ）における内周側に設けられた第１フランジ部１３１と、大気側（Ａ）における内周側に設けられた第２フランジ部１３２によって、第２シール部材１４０の被固定部１４１とバックアップリング１５０とが挟み込まれるようにカシメ保持される。なお、第２フランジ部１３２には、ケース１１０に設けられた係合凸部１１４と係合する一または複数の切欠き部１３３が設けられている。

　そして、第１シール部材１２０の胴体１２１における密封流体側（Ｌ）の端面１２２には、アダプター１６０が当接される。アダプター１６０は、ケース１１０における円筒部１１１の内周面に嵌着されることによって、ケース１１０の内周側に固定される。アダプター１６０は、第１シール部材１２０のケース１１０に対する軸方向の位置決めを行うと共に、第１シール部材１２０の密封流体側（Ｌ）方向への抜け止め機能も発揮する。

　次に、密封装置１００の組み立て手順について簡単に説明する。まず、軸方向一方側の端部に第１フランジ部１３１が形成されたカシメ部材１３０の内周側に、第２シール部材１４０における被固定部１４１とバックアップリング１５０における外周側の部位を組み込む。そして、カシメ部材１３０における軸方向他方側の端部を内周側に折り曲げて第２フランジ部１３２を形成することによって、第２シール部材１４０とバックアップリング１５０をカシメ固定する。次に、カシメ部材１３０の外周面に第１シール部材１２０の胴体１２１の内周面を密着させた状態で、両部品をケース１１０における円筒部１１１の内周面に沿うように軸方向に押し込み、胴体１２１の円筒状の部分を円筒部１１１の内周面に嵌着させる。この際、カシメ部材１３０の第２フランジ部１３２に設けられた切欠き部１３３と、ケース１１０の内向きフランジ部１１３に設けられた係合凸部１１４とを係合させることによって、カシメ部材１３０のケース１１０に対する径方向の位置決めがなされる。そして、アダプター１６０を円筒部１１１の内周側に圧入させて、第１シール部材１２０及び他の部材のケース１１０に対する軸方向の位置決めを行う。

　以上の構成により、上記の各部材が一体的となってカートリッジ化される。すなわち、ケース１１０が、第１シール部材１２０、カシメ部材１３０、第２シール部材１４０、バックアップリング１５０及びアダプター１６０を円筒部１１１内において保持することによって、密封装置１００を一つの部品として取り扱うことが可能となる。

なお、カシメ部材１３０の第１フランジ部１３１における大気側（Ａ）の面に設けた凸部１３４が第２シール部材１４０に押しつけられることによって、カシメ部材１３０と第２シール部材１４０とが互いに回り止めされる。また、凸部１３４を設けたことによって、第１フランジ部１３１における密封流体側（Ｌ）の面に設けられた凹部１３５に、第１シール部材１２０が押しつけられることによって、カシメ部材１３０と第１シール部材１２０とが互いに回り止めされる。更に、第１シール部材１２０の胴体１２１の内周側かつ大気側（Ａ）に設けられた環状凸部１２４が、第２シール部材１４０に当接することによって、第２シール部材１４０の姿勢が安定化される。

　次に、本実施例に係るアダプター１６０について詳細に説明する。図２に示すように、アダプター１６０は、環状かつ平板状の位置決め部１６１と、位置決め部１６１の外周側に設けられた円筒部１６２とを備えている。位置決め部１６１は、アダプター１６０がケース１１０の円筒部１１１内に圧入された際に、第１シール部材１２０の端面１２２に当接する。なお、端面１２２に対して位置決め部１６１を適当な押圧力を伴って当接させることによって、胴体１２１の姿勢を安定化させる。また、円筒部１６２は、アダプター１６０がケース１１０内に圧入された際に、ケース１１０の円筒部１１１の内周面に対して嵌着される部位である。

　また、アダプター１６０は、位置決め部１６１の内周側端部の密封流体側（Ｌ）に、先端１６４におけるエッジ部１６５が第１シールリップ１２３の外周面から離間するように外周側に折り曲げられ、かつ、先端１６４よりも内周側に位置する接触部１６６が第１シールリップ１２３の外周面に面接触する折り曲げ部１６３を有している。このような構成とすることにより、密封装置１００がハウジング３０に装着された状態において、エッジ部１６５が第１シールリップ１２３の外周面と接触することが回避される。また、折り曲げ部１６３における接触部１６６が、第１シールリップ１２３の外周面に面接触するため、第１シールリップ１２３は外周側から位置決めされて姿勢が安定化される。なお、折り曲げ部１６３の折り曲げの角度は適宜定めればよく、図２に示すような緩やかな角度でもよいし、先端１６４が外径方向を向くように１８０度折り曲げてもよい。

　＜本実施例に係る密封装置の優れた点＞
　本実施例に係る密封装置１００によれば、アダプター１６０が、第１シール部材１２０の第１シールリップ１２３の外周面に面接触する接触部１６６が設けられた折り曲げ部１６３を有している。これにより、第１シールリップ１２３を外周側から位置決めすることができる。したがって、第１シールリップ１２３の姿勢を安定化させて、第１シール部材１２０の密封機能を良好に発揮させることができる。

　更に、本実施例に係る密封装置１００によれば、折り曲げ部１６３の先端１６４におけるエッジ部１６５が第１シールリップ１２３の外周面から離間するように外周側に折り曲げられている。そのため、密封装置１００がハウジング３０に装着された状態において、第１シールリップ１２３が外周側に変形しても、第１シールリップ１２３の外周面がエッジ部１６５に接触することが回避される。これにより、第１シールリップ１２３の外周面に亀裂等の損傷が発生することを効果的に抑制することができる。したがって、第１シール部材１２０の密封機能を良好に維持させることができる。

　（実施例２）
　図３には、本発明の実施例２が示されている（切断端面のみを図示）。本実施例においては、上記実施例１におけるケースの変形例を説明する。その他の構成及び作用については実施例１と同一なので、同一の構成部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。

　回転軸２１とハウジング３０の軸孔３１の内径との関係によっては、密封装置によって密封すべき環状隙間が大きくなる場合がある。そのため、本実施例に係る密封装置１０１においては、ケース（カートリッジ）１７０に断面Ｓ字形状の部位を設けることで径方向に対する弾性を持たせて、大きな環状隙間に対しても、装着性を悪化させることなく、十分に密封機能を発揮させるようにしている。ケース１７０以外の構成については、上記実施例１で説明した通りであるので、説明は省略する。

　（実施例３）
　図４には、本発明の実施例３が示されている（切断端面のみを図示）。本実施例においては、ハウジングの軸孔内に設けられた段差面に、密封装置のケースが当接している。なお、本実施例の説明においては、実施例１と同一の構成部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。

　ハウジング３００の軸孔３０１に装着される密封装置１０２は、金属製のケース（カートリッジ）１８０と、ゴム状弾性体製の第１シール部材１２０ａと、金属製のカシメ部材１３０ａと、樹脂製の第２シール部材１４０と、金属製のバックアップリング１５０とを備えている。また、密封装置１０２は、第１シール部材１２０ａの軸方向の位置決めをする位置決め部材としてのアダプター１６０ａを備えている。

　ケース１８０は、軸孔３０１の内周面に円筒部１８１の外周面を嵌着させていると共に、円筒部１８１における大気側（Ａ）に設けられた内向きフランジ部１８２を軸孔３０１内の段差面３０２に当接させている。また、円筒部１８１における密封流体側（Ｌ）に設けられた屈曲部１８３は、アダプター１６０ａを密封流体側（Ｌ）から押圧することによってこれを保持している。そして、内向きフランジ部１８２には、カシメ部材１３０ａの第２フランジ部１３２ａに設けられた切欠き部１３３ａに係合する一または複数の係合凸部１８４が設けられている。

　第１シール部材１２０ａは、胴体１２１ａと、回転軸２１の外周面に摺動自在に接する第１シールリップ１２３ａとを備えている。なお、第１シール部材１２０ａは、実施例１に係る第１シール部材１２０における環状凸部１２４に相当する構成を有していない点を除けば、第１シール部材１２０と実質的に同等の部材である。そして、第１シール部材１２０ａの内周側には、環状の部材で構成されたカシメ部材１３０ａが嵌め込まれる。カシメ部材１３０ａは、第１フランジ部１３１ａから、第１シールリップ１２３ａの内周側に沿って密封流体側（Ｌ）に伸びる延長部１３６ａを更に有している。延長部１３６ａは、第１シールリップ１２３ａを内周側から位置決めすることによって、第１シールリップ１２３ａの姿勢を安定させている。これにより、第１シール部材１２０ａの密封機能が良好に発揮される。なお、カシメ部材１３０ａは、延長部１３６ａを有している点を除けば、実施例１に係るカシメ部材１３０と実質的に同等の部材である。つまり、第１フランジ部１３１ａ及び第２フランジ部１３２ａによって、第２シール部材１４０とバックアップリング１５０とがカシメ保持されている。また、第１フランジ部１３１ａの大気側（Ａ）の面に設けられた凸部が第２シール部材１４０との回り止めの機能を有し、密封流体側（Ｌ）の面に設けられた凹部が第１シール部材１２０ａとの回り止めの機能を有している。

　また、ケース１８０の屈曲部１８３によって保持されるアダプター１６０ａは、位置決め部１６１ａの内周側端部の密封流体側（Ｌ）に、折り曲げ部１６３ａを有している。この折り曲げ部１６３ａは、実施例１に係る折り曲げ部１６３と実質的に同等の部位であり、先端１６４ａにおけるエッジ部１６５ａが第１シールリップ１２３ａの外周面から離間するように外周側に折り曲げられ、かつ、先端１６４ａよりも内周側に位置する接触部１６６ａが第１シールリップ１２３ａの外周面に面接触する。

　本実施例に係る密封装置１０２においても、実施例１に係る密封装置１００と同等の効果が奏される。すなわち、アダプター１６０ａが、第１シールリップ１２３ａの外周面に面接触する接触部１６６ａが設けられた折り曲げ部１６３ａを有しているため、第１シールリップ１２３ａを外周側から位置決めすることができる。したがって、第１シールリップ１２３ａの姿勢を安定化させて、第１シール部材１２０ａの密封機能を良好に発揮させることができる。また、折り曲げ部１６３ａの先端１６４ａにおけるエッジ部１６５ａが第１シールリップ１２３ａの外周面から離間するように外周側に折り曲げられている。そのため、密封装置１０２がハウジング３００に装着された状態において、第１シールリップ１２３ａが外周側に変形しても、第１シールリップ１２３ａの外周面がエッジ部１６５ａに接触することが回避される。これにより、第１シールリップ１２３ａの外周面に亀裂等の損傷が発生することを効果的に抑制することができる。したがって、第１シール部材１２０ａの密封機能を良好に維持させることができる。

　（その他）
　上記実施例においては、密封装置の適用例として、自動車用のウォーターポンプ１０に用いられる場合を例にして説明したが、本発明は相対的に回転する軸とハウジングとの間の環状隙間を密封する必要のある各種装置に提供可能である。特に、本発明は、家電用の装置や、負荷の少ない工業用のウォーターポンプにおける軸封用の密封装置や密封構造として、好適に用いることができる。

１０   ウォーターポンプ
２１   回転軸
３０，３００  ハウジング
１００，１０１，１０２      密封装置
１１０，１７０，１８０      ケース
１２０，１２０ａ     第１シール部材
１３０，１３０ａ     カシメ部材
１４０第２シール部材
１５０バックアップリング
１６０，１６０ａ     アダプター
１６５，１６５ａ     エッジ部

Claims

軸孔を有するハウジングと前記軸孔に挿通される軸との間の環状隙間を密封して軸方向一方側にある流体が軸方向他方側へ漏洩するのを抑制する密封装置において、
胴体と、前記胴体から軸方向一方側へ伸びるシールリップとを備え、前記軸の外周面に摺動自在に接するゴム状弾性体製の第１シール部材と、
前記第１シール部材における前記軸の外周面と接する位置より軸方向他方側において前記軸の外周面に摺動自在に接する樹脂製の第２シール部材と、
前記胴体における軸方向一方側の端面に接し、前記第１シール部材の軸方向の位置決めをする位置決め部を備える位置決め部材と、
前記第１シール部材、前記第２シール部材及び前記位置決め部材を保持するケースと、
を備える密封装置であって、
前記位置決め部材は、
前記位置決め部の内周側端部の軸方向一方側に、先端におけるエッジ部が前記シールリップの外周面から離間するように外周側に折り曲げられ、かつ、前記先端よりも内周側に位置する部分が前記シールリップの外周面に面接触する折り曲げ部を有することを特徴とする密封装置。