WO2014020699A1

WO2014020699A1 - シートタバコの坪量計測装置、その計測方法、シートタバコの製造システム及びその製造方法

Info

Publication number: WO2014020699A1
Application number: PCT/JP2012/069469
Authority: WO
Inventors: 聖治中川; 一寛徳田; 馨奈良崎; 勉上白木; 康重土家
Original assignee: 日本たばこ産業株式会社
Priority date: 2012-07-31
Filing date: 2012-07-31
Publication date: 2014-02-06
Also published as: CN104602551A; CN104602551B; US20150136161A1; US10051882B2; RU2598278C1; EP2881000A1; EP2881000A4; EP2881000B1

Abstract

　本発明のシートタバコの坪量計測方法を実施する計測装置は、移送経路（１８）の計測位置（Ｐ）を通過するシートタバコ（ST）に光を照射する光源（２８）と、視覚センサ（３０）とを含み、視覚センサ（３０）は、光源（２８）との間にて移送経路（１８）を挟んで配置されたカラーカメラ（３２）と、このカメラ（３２）にて撮影されたシートタバコ（ST）のカラー画像をグレースケール画像に変換する処理部（４０）と、前記グレースケール画像の平均濃淡度を換算マップに照らして前記シートタバコ（ST）の坪量に換算する換算部（４２）とを有し、換算マップはグレースケール画像の平均濃淡度とシートタバコ（ST）の実坪量との間の関係を示す。

Description

シートタバコの坪量計測装置、その計測方法、シートタバコの製造システム及びその製造方法

　本発明は、シートタバコの坪量を計測する計測装置及び計測方法、更に、この計測装置及び計測方法をそれぞれ組み込んだシートタバコの製造システム及び製造方法に関する。

　シガレットは充填材料として、ラミナタバコを裁刻して得た刻タバコのみならず、シートタバコを裁刻して得た再生刻を含む。例えば、このようなシートタバコは例えば特許文献１に記載の成形機によって成形され、この成形機はシートタバコの坪量を調整する調整装置を有する。

　シートタバコの坪量は再生刻の厚みを決定し、シガレットの喫味に大きく影響する。それ故、成形機にて製造されるシートタバコは一定の時間間隔にてサンプリングされる。サンプルの重量は秤を使用して計測され、この計測結果に基づき、シートタバコの坪量が算出される。
　算出された坪量がシートタバコに要求される坪量の基準範囲から外れているとき、成形機の調整装置は、シートタバコの坪量を基準範囲内に収めるべく作動される。

特許第3216953号(JP 3216952 B2)

　上述したシートタバコのサンプリング、サンプルの重量計測及びシートタバコの坪量算出はオフラインにて人手により実施されているために、サンプリングから坪量の算出までに長い時間を必要とする。それ故、坪量の計測結果が成形機の調整装置の作動に反映されるまでの期間、不良のシートタバコが不所望に成形され続ける。
　本発明の第１の目的は、オンラインにてシートタバコの坪量を計測することができる坪量計測装置及びその計測方法を提供することにある。本発明の第２の目的は、本発明の坪量計測装置及びその計測方法を使用し、不良のシートタバコの発生を大幅に低減することができるシートタバコの製造システム及び製造方法を提供することにある。

　上述の第１の目的は本発明のシートタバコの坪量計測装置によって達成され、この坪量計測装置は、
　シートタバコの移送経路に配置され、この移送経路に規定された計測位置を通過するシートタバコに向けて光を照射する光源と、
　光源との間にて移送経路を挟んで配置されたカメラを含み、シートタバコが計測位置を通過する際にカメラにて撮影したシートタバコの画像に基づき、シートタバコの坪量を計測する、視覚センサとを備え、
　視覚センサは、
　前記画像の平均濃淡度を算出し、この平均濃淡度を出力する算出セクションと、
　前記平均濃淡度とシートタバコの坪量を実際に計測して得られた実測値との間の関係を示す換算マップを有し、この換算マップに照らして前記平均濃淡度をシートタバコの坪量に換算する換算器とを更に含む。

　上述の坪量計測装置によれば、シートタバコの坪量はシートタバコの移送過程、即ち、オンラインにて直ちに計測され、計測結果をシートタバコの成形に速やかに反映可能となる。
　例えば、カメラはシートタバコの画像をカラー画像として得るカラーカメラであってもよく、この場合、算出セクションはカラー画像をグレースケール画像に変換する変換器を含み、このグレースケール画像に基づき、前記平均濃淡度を算出する。

　移送経路は、シートタバコを計測位置に向けて移送する上流側セクションと、この上流側セクションの下流端との間に計測位置が規定される隙間を介在させて配置され、計測位置を通過したシートタバコを移送する下流側セクションとを含み、
　光源及びカメラは前記隙間を挟んで配置されている。
　例えば、移送経路は、前記隙間に配置され、シートタバコが上流側セクションから計測位置を経て下流側セクションに向かうとき、シートタバコの移送を案内する移送ガイドプレートと、この移送ガイドプレートに形成され、計測位置を通過するシートタバコを光源に向けて露出させるアパーチャとを更に含むことができ、このアパーチャは移送ガイドプレートに対して直交する軸線を有する。

　移送ガイドプレートは計測位置にてカメラとシートタバコとの間の距離を一定に維持し、シートタバコのより正確な坪量の算出に貢献する。
　シートタバコが圧延シートタバコである場合、カメラはアパーチャの軸線上に配置され、一方、光源はアパーチャに対して移送経路に沿う方向又は移送経路を横断する方向にずれて配置されているのが好ましい。更に好ましくは、光源はアパーチャの軸線に対して傾斜した光軸を有する。

　圧延シートタバコに対する上述の光源及びカメラのレイアウトによれば、たとえ圧延シートタバコに小さな貫通孔が分布して存在し、これら貫通孔を通じて光源からの光が通過しても、このような通過光がカメラに直接的に入射されることはない。それ故、カメラはハレーションから免れた圧延シートタバコの画像を得ることができるので、この画像に基づき、坪量計測装置は圧延シートタバコの坪量をより正確に計測できる。

　第１の目的は、上述の坪量計測装置に対応する本発明の計測方法によっても達成され、更に、上述の第２の目的は本発明の坪量計測装置及び計測方法をそれぞれ組み込んだシートタバコの製造システム及び製造方法によって達成される。本発明の坪量計測方法、シートタバコの製造システム及び製造方法の詳細は、添付図面及び後述の説明から明らかとなる。

　本発明のシートタバコの坪量計測装置及び計測方法は、シートタバコの移送過程、即ち、オンラインにてシートタバコの坪量を計測できるので、計測した坪量をシートタバコの成形に速やかに反映することができる。
　また、このような坪量計測装置及び計測方法が組み込まれたシートタバコの製造システム及び製造方法は、シートタバコの坪量を基準範囲内に維持しつつシートタバコの製造を可能とし、不良のシートタバコの発生を低減する。

一実施例のシートタバコの製造システム及び製造方法を概略的に示すブロック線図である。図１の製造システムに組み込まれたシートタバコの圧延成形機の一部を示した概略図である。図１の製造システムに組み込まれた坪量計測装置を示す概略図である。時間経過に伴うシートタバコ上の照度の変化を示したグラフである。図３の坪量計測部の詳細を示したブロック線図である。図５の坪量換算部に含まれる換算マップを示したグラフである。図３の制御装置の詳細を示したブロック線図である。一対のカラーカメラが一対の圧延ロールの駆動側及び従動側に別れて配置された一例を示す図である。駆動側のカラーカメラを使用して計測されたシートタバコの坪量と時間経過との関係を示すグラフである。カラーカメラを使用して計測された抄造シートタバコの坪量と抄造シートタバコの平均濃淡度との関係を示すグラフである。

　図１は、例えば原料からの圧延シートタバコ（以下、単にシートタバコと称する）の成形、坪量計測及び坪量制御を経て、シートタバコの出荷に至る製造システムを概略的に示す。
　シートタバコの原料には、葉タバコから得られたラミナ原料、シガレットの製造過程にて回収された刻タバコ及び再生刻の細粉原料、葉タバコから得られた中骨原料に加えて、香素（コンスターチ）や補強原料を含む。

　ラミナ原料はラミナ用処理を受けた後、細粉原料に加えられ、第１配合原料を形成する。ラミナ用処理はラミナ原料の粗砕、調和及び乾燥を含み、また、ラミナ原料が加えられる前に、細粉原料は粗砕処理を受けることもできる。この後、第１配合原料は更に粉砕される。

　一方、中骨原料は中骨用処理を受け、ここでの中骨用処理は中骨の粗砕、粉砕、調和、加香及び乾燥を含む。この後、中骨原料は香素及び補強原料とともに、粉砕処理された第１配合原料に加えられ、第２配合原料を形成する。なお、補強原料は、第１配合原料に加えられる前に必要に応じて粗砕処理及び粉砕処理を受けることができる。

　この後、第２配合原料には第１香料が更に加えられ、これら第２配合原料及び第１香料は配合機内に供給される。配合機内にて第２配合原料及び第１香料には水が加えられ、これら第２配合原料及び第１香料は混練／解砕処理を受け、流動原料を形成する。
　流動原料は圧延成形によってシートタバコに形成され、このシートタバコは第２香料の添加処理を受けた後、乾燥器にて乾燥される。この後、シートタバコは、坪量の計測、裁断及び梱包処理を経て出荷される。
　一方、坪量の計測結果に基づき、シートタバコの坪量の良否判定が実施され、判定結果は圧延成形に反映される。

　図２はシートタバコを成形する圧延成形機の一部を概略的に示す。
　圧延成形機は一対の圧延ロール１０を備え、これら圧延ロール１０は水平に配置されている。各圧延ロール１０のロール軸は駆動源（図示しない）に接続され、一対の圧延ロール１０は図２中に示す矢印方向に互いに逆向きに回転可能である。ここで、一方の圧延ロール１０の周速は他方の圧延ロール１０の周速よりも若干高速である。

　圧延ロール１０間にはギャップＧが確保され、このギャップＧには上方から前述した流動原料Ｍが定量的に供給される。例えば、流動原料Ｍはスクリューコンベアに供給され、このスクリューコンベアは一対の圧延ロール１０の上方に配置された出口を有する。

　従って、ギャップＧに流動原料Ｍが供給される一方、一対の圧延ロール１０が互いに逆向きに回転されると、これら圧延ロール１０は流動原料ＭをギャップＧから押出し、シートタバコSTに成形する。ここで、シートタバコSTはギャップＧから高速側の圧延ロール１０に巻き付いた状態で成形されるため、高速側の圧延ロール１０はスクレーパ１２を備えており、このスクレーパ１２は高速側の圧延ロール１０からシートタバコSTを剥がす。この後、剥がされたシートタバコSTは前述したように乾燥される。

　シートタバコSTの厚みは前述したギャップＧによって決定されるため、圧延機はギャップＧの大きさ、即ち、一対の圧延ロール１０におけるロール軸間の間隔を調整する軸間調整装置１４を更に備えている。図２から明らかなように軸間調整装置１４は、前述した坪量の良否判定の結果に基づいてギャップＧを調整するが、ここでの調整の詳細については後述する。

　図３は、シートタバコSTの坪量計測装置１６を概略的に示す。
　坪量計測装置１６は、乾燥処理後のシートタバコSTが移送経路１８上を移送される過程にてシートタバコSTの坪量を計測する。

　移送経路１８は前述の乾燥器から延びる上流側セクションとしてのネットコンベア２０と、このネットコンベア２０の下流端との間に所定の間隔、即ち、隙間を介在させて配置された下流セクション２１とを含み、本実施例の場合、下流セクション２１は上流端に裁断器２２を含む。この裁断器２２は複数の回転ナイフを含み、シートタバコSTの移送方向に沿い、シートタバコSTを複数のシートタバコウエブに裁断する。
　更に、移送経路１８は、上述の隙間、即ち、ネットコンベア２０と裁断器２２とを接続する移送ガイドプレート２４を更に含み、この移送ガイドプレート２４は移送経路１８に沿って水平に延び、シートタバコSTの移送を案内する。

　坪量計測装置１６は移送ガイドプレート２４上に計測位置Ｐを有しており、移送ガイドプレート２４には計測位置Ｐにてアパーチャ２６が形成されている。このアパーチャ２６は例えば円形をなし、移送ガイドプレート２４に対して直交する軸線Ａを有する。
　坪量計測装置１６は光源２８を含み、この光源２８は移送ガイドプレート２４の下方に配置され、移送ガイドプレート２４上のシートタバコSTに向け、アパーチャ２６を通じて光を照射する。

　一方、坪量計測装置１６は視覚センサ３０を更に含み、この視覚センサ３０は例えばCCD型のカラーカメラ３２を有する。このカラーカメラ３２はアパーチャ２６の軸線Ａ上、即ち、アパーチャ２６と正対して配置され、図３中の矢印Ｖで示されるように軸線Ａに沿う方向に移動可能である。それ故、カラーカメラ３２におけるレンズのピントは、カラーカメラ３２を軸線Ａに沿って移動させることで調整でき、アパーチャ２６を通過するシートタバコSTの上面に容易に位置付け可能である。

　図３から明らかなように光源２８は軸線Ａ上に配置されておらず、シートタバコSTの移送方向でみて、例えば軸線Ａの下流側にずれて配置され、軸線Ａと光源２８との間には所定の間隔が確保されている。即ち、光源２８が配置されている水平面にアパーチャ２６を投影した投影領域を考えたとき、光源２８はアパーチャ２６の投影領域から外れて配置されている。なお、光源２８は投影領域に対し、移送経路１８を横断する方向に外れて配置されていてもよい。

　光源２８の光軸Ｌは軸線Ａと平行ではなく、軸線Ａに対して傾斜されている。それ故、光源２８から出射された光はアパーチャ２６を通じてシートタバコSTに照射される。照射された光はシートタバコSTを透過するが、この透過光がカラーカメラ３２に直接的に入射されることはない。
　特に、前述の圧延成形機にて成形された圧延シートタバコSTにあっては、圧延シートタバコSTの表面に小さな貫通孔が分布して形成されている。それ故、このような貫通孔を通じて光源２８からの照射光が通過しても、この通過光がカラーカメラ３２に直接に入射することはない。即ち、軸線Ａに対し、光源２８の光軸Ｌをずらして配置する構成は、カラーカメラ３２への照射光の直接入射を阻止するうえで有効となる。
　この点、シートタバコSTが圧延シートタバコではなく、抄造シートタバコである場合、この抄造シートタバコには上述した貫通孔が存在しないので、カラーカメラ３２への照射光の直接入射を考慮する必要はなく、光源２８は軸線Ａ上に配置されてもよい。なお、抄造シートタバコはタバコ繊維及び紙の製法を使用して製造される。

　更に、光源２８はエアノズル３４を含み、このエアノズル３４は圧縮空気源３６に接続されている。エアノズル３４は光源２８の平坦な光出射面に沿って圧縮空気を吹き付ける。このようなエアブローは光出射面への塵埃の堆積を抑制し、光出射面の清掃回数を低減する。

　図４は、光源２８からシートタバコSTに照射された光の照度の時間変化を示す。エアブロー無しの場合、照度は光出射面の清掃時からの経過時間がT1に達したとき、要求最低レベルを下回る。これに対し、エアブロー有りの場合、照度は、T1よりも長い経過時間T2に達したとき、要求最低レベルを下回る。

　カラーカメラ３２は、計測位置Ｐ、即ち、アパーチャ２６を通過するシートタバコSTを周期的に撮影し、シートタバコTSのカラー画像を得る。
　ここで、カラー画像の撮影時、シートタバコSTは移送ガイドプレート２４に支持されているので、カラーカメラ３２とシートタバコSTとの間の距離が一定に維持され、カラーカメラ３２は良好なカラー画像を得ることができる。
　また、光源２８が前述したように配置されているので、シートタバコSTにたとえ複数の小さな貫通孔が存在していても、前述したようにカラーカメラ３２に照射光が直接に入射することはない。従って、カラーカメラ３２はハレーションを発生させることなく、シートタバコSTのカラー画像を良好に得ることができる。

　この点、光源２８及びカラーカメラ３２における前述の好適なレイアウトとは逆となる逆レイアウトも考えられ、この逆レイアウトでは、光源２８がアパーチャ２６と正対して配置される一方、カラーカメラ３２がアパーチャ２６の軸線Ａからずれ且つ軸線Ａに対して斜めに傾いて配置される。このような逆レイアウトの場合でも、カラーカメラ３２への照射光の直接入射が避けられる。

　しかしながら、逆レイアウトのカラーカメラ３２はシートタバコSTの厚み方向に対して斜めに透過した光を受け取るため、カラーカメラ３２が受け取った光の減衰率は高く、この減衰率はカラーカメラ３２の傾きが大きくなればなる程、増加する。このため、カラーカメラ３２はシートタバコSTの厚みを反映したカラー画像を得ることはない。

　この点、好適なレイアウトのカラーカメラ３２は、シートタバコSTの厚み方向にシートタバコSTを透過した光を受け取るため、シートタバコSTの厚みを反映したカラー画像を得ることができる。
　視覚センサ３０は、カラーカメラ３２の電気的に接続された算出セクション、即ち、坪量算出ユニット３８を更に含み、この坪量算出ユニット３８はカラーカメラ３２にて撮影したシートタバコSTのカラー画像を受け取り、このカラー画像に基づきシートタバコSTの坪量を算出する。

　図５に示されるように坪量算出ユニット３８は、カラー画像を２５６階調のグレースケール画像に変換する変換器、所謂、グレースケール処理部４０を有する。グレースケール画像の各画素は、カラー画像の対応する画素のＲ成分（赤）、Ｇ成分（緑）及びＢ成分（青）の平均値で表される画素値を有する。更に、グレーススケール処理部４０は、グレースケール画像における各画素の画素値に基づき、グレースケール画像の平均濃淡度を演算し、この平均濃淡度を出力する。

　平均濃淡度はグレースケール処理部４０から坪量換算部４２に送られ、この坪量換算部４２にてシートタバコSTの坪量に換算される。詳しくは、坪量換算部４２は、図６に示される換算マップＸを予め有しており、この換算マップＸは、シートタバコSTのグレースケール画像から得られる平均濃淡度とシートタバコSTの坪量との相関関係を１次関数で示している。

　このような換算マップＸを得るため、シートタバコの複数のテストピースが準備され、これらテストピースは互いに異なる既知の坪量を有する。これらテストピースの平均濃淡度は前述の視覚センサ３０を使用して算出され、それ故、換算マップＸは算出された平均濃淡度とテストピースの坪量とを対応させることで得られる。ここで、本発明者等は、実際の坪量に対する平均濃淡度の寄与率（精度）が９０％以上であることを確認した。

　従って、図６に示された換算マップＸが予め準備されていれば、坪量換算部４２は算出された平均濃淡度に対応する坪量を換算マップＸから読み出すことで、シートタバコSTの坪量を正確に算出することができる。
　この後、算出された坪量はメモリ４４に保存される一方、坪量算出ユニット３８から表示装置４５及び制御装置４６にそれぞれ送られる。表示装置４５は算出された坪量を圧延成形機の機械番号や計測時刻等のデータとともに表示する。

　制御装置４６は前述した坪量の良否判定を実施し、ここでの判定結果に基づいて前述した軸間調整装置１４の作動を制御する。例えば、図７に示されるように制御装置４６は偏差算出部４８を有し、この偏差算出部４８には坪量算出ユニット３８にて算出された算出坪量及び坪量の基準範囲Ｒが与えられる。
　ここで、坪量の基準範囲Ｒは、シートタバコSTに要求される基準坪量がＷbであるとき、以下の式にて定義される。
　Ｒ＝Ｗb±α
　αは、基準坪量Ｗbに対する許容誤差を示す。

　図６を参照すれば、坪量の基準範囲Ｒと前述した換算マップＸとの関係がより明瞭になる。本実施例の場合、坪量の基準範囲Ｒの上限値及び下限値にそれぞれ対応する平均濃淡度間には、２５６階調のグレースケールでみて３３の濃淡幅（階調差）が確保されていることから、坪量の基準範囲Ｒは視覚センサ３０のセンサスパン（２５６階調）のうち約１３％の濃淡幅を占めている。このことは、本実施例の視覚センサ３０はシートタバコSTの坪量をきめ細かく算出できることを意味する。

　偏差算出部４８は基準範囲Ｒからの算出坪量の偏差を算出し、この偏差を制御量算出部５０に送る。この制御量算出部５０は偏差に基づき、前述した軸間調整装置１４におけるギャップＧの制御量を算出し、この制御量を軸間調整装置１４に付与する。従って、軸間調整装置１４は制御量に従いギャップＧを調整し、この結果、成形されるべきシートタバコSTの坪量は基準範囲Ｒ内に維持され、不良のシートタバコSTの製造を回避することができる。

　上述の視覚センサ３０は、複数のカラーカメラ３２を含むことができ、この場合、これらカラーカメラ３２はシートタバコSTの幅方向に間隔を存して配置される。しかしながら、単一のカラーカメラ３２だけでも、シートタバコSTの坪量の算出に支障が生じることはない。

　これを実証するため、図８に示されるように一対のカラーカメラ３２が準備され、これらカラーカメラ３２は一対の圧延ロール１０の軸線方向（シートタバコSTの幅方向）に関し、圧延ロール１０の駆動側及び従動側に別れて配置され、シートタバコSTの坪量の計測に使用された。
　なお、圧延ロール１０の駆動側とは圧延ロール１０に駆動力が入力されるロール軸の一端側を示し、圧延ロール１０の従動側とはロール軸の他端側を示す。

　図９は、シートタバコSTにおける坪量の計測値及び実測坪量の時間推移を示し、これらの時間推移は駆動側及び従動側に拘らず同様な傾向を示すことが確認された。それ故、図９から明らかなように、シートタバコSTの坪量が駆動側及び従動側にて大きく相違することはない。従って、単一のカラーカメラ３２の使用でも、シートタバコSTの坪量を効果的に計測でき、本発明の坪量計測装置を安価に提供可能となる。

　上述の実施例は、圧延によって形成されたシートタバコの坪量の計測に適用されているが、本発明が抄造シートタバコの坪量の計測にも同様に適用可能であることは言うまでもない。図１０は、抄造シートタバコの平均濃淡度と坪量との関係を示し、図１０から明らかなように抄造シートタバコの場合にも、平均濃淡度が坪量と比例することが分かる。
　更に、本発明の実施にあたり、カラーカメラや移送ガイドプレートは必要不可欠ではない。例えば、カラーカメラに代えてモノクロカメラの使用も可能である。また、移送ガイドプレートが使用されない場合、光源及びカメラは移送経路１８のアパーチャとしての前述した隙間を挟んで配置される。

　１０：圧延ロール、１４：軸間調整装置、１６：坪量計測装置、１８:移送経路、２０:メッシュコンベア（上流側セクション）、２１:下流側セクション、２４：移送ガイドプレート、２６：アパーチャ、２８：光源、３０:視覚センサ、３２：カラーカメラ、３４：エアノズル、３８：坪量算出ユニット、４０：グレースケール処理部（変換器）、４２：坪量換算部（換算器）、４４：メモリ、４５：表示装置、４６：制御装置、Ａ：軸線、Ｐ：計測位置、Ｒ：坪量の基準範囲、ST：シートタバコ

Claims

　シートタバコの移送経路に配置され、この移送経路に規定された計測位置を通過する前記シートタバコに向けて光を照射する光源と、
　前記光源との間にて前記移送経路を挟んで配置されたカメラを含み、前記シートタバコが前記計測位置を通過する際に前記カメラにて撮影した前記シートタバコの画像に基づき、前記シートタバコの坪量を計測する、視覚センサと
を備え、
　前記視覚センサは、
　前記画像の平均濃淡度を算出し、この平均濃淡度を出力する算出セクションと、
　前記平均濃淡度と前記シートタバコの坪量を実際に計測して得られた実測値との間の関係を示す換算マップを有し、この換算マップに照らして前記平均濃淡度を前記シートタバコの坪量に換算する換算器とを更に含む、シートタバコの坪量計測装置。
　前記カメラは、前記画像をカラー画像として得るカラーカメラであり、
　前記算出セクションは、前記カラー画像をグレースケール画像に変換する変換器を含み、前記グレースケール画像に基づき前記平均濃淡度を算出する、請求項１に記載のシートタバコの坪量計測装置。
　前記移送経路は、前記シートタバコを前記計測位置に向けて移送する上流側セクションと、この上流側セクションの下流端との間に前記計測位置が規定される隙間を介在させて配置され、前記計測位置を通過した前記シートタバコを移送する下流側セクションとを含み、
　前記光源及び前記カメラは前記隙間を挟んで配置されている、請求項１に記載のシートタバコの坪量計測装置。
　前記移送経路は、
　前記隙間に配置され、前記シートタバコが前記上流セクションから前記計測位置を経て前記下流セクションに向かうとき、前記シートタバコの移送を案内する移送ガイドプレートと、
　前記移送ガイドプレートに形成され、前記計測位置を通過する前記シートタバコを前記光源に向けて露出させるアパーチャとを更に含み、
　前記アパーチャは前記移送ガイドプレートに対して直交する軸線を有する、請求項３に記載のシートタバコの坪量計測装置。
　前記シートタバコは圧延シートタバコであり、
　前記カメラは前記アパーチャの軸線上に配置され、一方、前記光源は前記アパーチャに対して前記移送経路に沿う方向又は前記移送経路を横断する方向にずれて配置されている、請求項４に記載のシートタバコの坪量計測装置。
　前記光源は前記アパーチャの軸線に対して傾斜した光軸を有する、請求項５に記載のシートタバコの坪量計測装置。
　移送経路に沿うシートタバコの移送過程にて、光源から前記移送経路に規定された計測位置を通過する前記シートタバコに向けて光を照射し、
　前記光源との間にて前記移送経路を挟んで配置されたカメラを使用し、前記計測位置を通過する前記シートタバコの画像を求め、
　前記画像の平均濃淡度を算出し、
　前記平均濃淡度と前記シートタバコの坪量を実際に計測して得られた実測値との間の関係を示す換算マップが予め準備されており、この換算マップに照らして前記平均濃淡度を前記シートタバコの坪量に換算する、シートタバコの坪量計測方法。
　前記画像はカラーカメラを使用して得られたカラー画像であり、
　前記平均濃淡度は、前記カラー画像を変換したグレースケール画像に基づいて算出される、請求項７のシートタバコの坪量計測方法。
　前記計測位置を通過する前記シートタバコは移送ガイドプレート上を案内され、この移送ガイドプレートに形成されたアパーチャを通じて前記光源からの光の照射を受ける、請求項７に記載のシートタバコの坪量測定方法。
　前記シートタバコは圧延シートタバコであり、
　前記カメラは、前記アパーチャと正対して前記シートタバコを撮影し、一方、前記光源は前記アパーチャから外れた位置から前記シートタバコに前記アパーチャを通じて光を照射する、請求項９に記載のシートタバコの坪量測定方法。
　前記光源は、前記アパーチャを通じ、前記シートタバコに対して斜めに光を照射する、請求項１０に記載のシートタバコの坪量測定方法。
　請求項１の坪量計測装置の前段に配置され、シートタバコを成形する成形機であって、製造したシートタバコを前記移送経路に送出し且つ製造すべきシートタバコの坪量を調整可能とする調整装置を含む、成形機と、
　前記坪量計測装置にて得られた坪量の計測結果及びシートタバコの基準坪量範囲に基づいて、前記調整装置を制御する制御装置と
を備えるシートタバコの製造システム。
　請求項７の坪量計測方法にてシートタバコの坪量を計測するに先立ち、シートタバコを製造し、
　製造されたシートタバコを前記移送経路に送出し、
　前記坪量計測方法にて得られた坪量の計測結果及びシートタバコの基準坪量範囲に基づき、製造されるべきシートタバコの坪量を制御する、
シートタバコの製造方法。