JP2016112754A - 成膜装置 - Google Patents

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雄三 三浦
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Abstract

【課題】本発明はシート状物が圧縮成形される前記一対のロール間での成膜状態を直接確認することができ、安定した品質のシート状物を得ることができる成膜装置を提供する。【解決手段】所定の間隔を隔てて互いに平行に配置され、それぞれ回転駆動される一対のプレスロール11・12を備え、プレスロール11・12間に粉粒体52を供給し、供給された粉粒体52をプレスロール11・12間で圧縮成形することによりシート状物52aを成膜する成膜装置1であって、少なくとも一方のプレスロール11に、透明部材にて形成され粉粒体52がプレスロール11・12間で圧縮成形される部位である加工部位をプレスロール11を通じて視認可能とする透過部11Aが構成され、透過部11Aを通じて前記加工部位の成膜状態を撮像可能な撮像具20を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、粉粒体を圧縮することにより成膜を行う成膜装置に関する。
従来、粉粒体を圧縮することによりシート状物を成膜する成膜装置として、所定の間隔を隔てて互いに平行に配置される一対のロールを備え、回転駆動される前記一対のロール間に前記粉粒体を供給して、前記一対のロール間で前記粉粒体を圧縮成形することにより前記シート状物を成膜する成膜装置が知られている。
このような成膜装置においては、前記一対のロールの回転速度等の運転条件によってシート状物の成膜状態が変化するため、成膜後のシート状物の成膜状態を確認し、確認した成膜状態に応じて前記一対のロールの回転速度を調整することが行われている。
成膜されたシート状物の成膜状態の確認は、例えば、特許文献1に記載されているように、シート状物が圧縮成形される前記一対のロール間よりも下流側の部位において、前記シート状物の膜厚を測定することで行われている。
特開2014−191880号公報
しかし、前述のシート状物の膜厚の測定は、シート状物が圧縮成形される前記一対のロール間から離れた下流側の部位において行われており、膜厚の測定部位とシート状物が圧縮成形される部位とが異なっているため、測定した膜厚に基づいて前記一対のロールの回転速度を調整した場合、膜厚の調整に遅れが発生して、安定した品質のシート状物を得ることが困難であった。
そこで、本発明においては、シート状物が圧縮成形される前記一対のロール間での成膜状態を直接確認することができ、安定した品質のシート状物を得ることが可能な成膜装置を提供するものである。
上記課題を解決する成膜装置は、以下の特徴を有する。
即ち、請求項1記載の如く、所定の間隔を隔てて互いに平行に配置され、それぞれ回転駆動される一対のロールを備え、前記一対のロール間に粉粒体を供給し、供給された前記粉粒体を前記一対のロール間で圧縮成形することによりシート状物を成膜する成膜装置であって、少なくとも前記一方のロールに、透明部材にて形成され前記粉粒体が前記一対のロール間で圧縮成形される部位を前記ロールを通じて視認可能とする透過部が構成される。
また、請求項2記載の如く、前記成膜装置は、前記透過部を通じて、前記粉粒体が前記一対のロール間で圧縮成形される部位の成膜状態を撮像可能な撮像具を備える。
また、請求項3記載の如く、前記成膜装置は、前記撮像具により撮像した前記成膜状態の良否を評価する評価部と、前記成膜装置の運転条件を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記評価部の評価結果に応じて、前記成膜装置の運転条件を制御する。
また、請求項4記載の如く、前記制御部は、前記評価部の評価結果に応じて、前記一対のロールの回転速度、および/または前記一対のロールの間隔を制御する。
また、請求項5記載の如く、前記成膜装置は、前記一対のロール間に供給される前記粉粒体を貯溜するホッパを備え、前記ホッパは、前記ロールの軸方向の両端部に、前記ホッパから前記一対のロール間に供給される前記粉粒体の、前記ロールの軸方向における供給幅を規制する側面を備え、前記側面は、前記粉粒体が前記一対のロール間で圧縮成形される部位への延出量、および前記粉粒体の前記ホッパから前記一対のロール間へ向けての吐出方向に対する角度を変更可能に構成され、前記制御部は、前記評価部の評価結果に応じて、前記ホッパの側面の、前記粉粒体が前記一対のロール間で圧縮成形される部位への延出量、および/または前記粉粒体の前記吐出方向に対する角度を制御する。
また、請求項6記載の如く、前記透過部を有するロールは、中空部を有する円筒状部材にて構成され、前記撮像具は、前記中空部の内周面側から前記透過部を通じて、前記粉粒体が前記一対のロール間で圧縮成形される部位の成膜状態を撮像する。
本発明によれば、シート状物が圧縮成形される前記一対のロール間での成膜状態を直接確認することができ、安定した品質のシート状物を得ることができる。
成膜装置の第1実施形態を示す側面図である。 成膜装置の第1実施形態を示す一部平面断面図である。 成膜装置の第1実施形態において、円筒状のプレスロールを透過部と非透過部とを備えたロールに構成した場合の一部平面断面図である。 撮像具のカメラにより撮像した加工部位の撮像画像を示す図である。 第1実施形態の成膜装置を用いてシート状物を成膜している最中に、加工部位における成膜状態の評価を行う際のフローを示す図である。 加工部位の軸方向における中央部の撮像画像から良好部位を抽出し、抽出した良好部位における各部の寸法値等を、成膜状態の評価を行う際の良否の判断基準値として用いる例を示す図である。 加工部位の軸方向における端部の撮像画像から良好部位を抽出し、抽出した良好部位における各部の寸法値等を、成膜状態の評価を行う際の良否の判断基準値として用いる例を示す図である。 透過部を通じた加工部位の撮像装置として、カメラに代えてボアスコープを用いた成膜装置を示す一部平面断面図である。 加工部位を視認可能とするプレスロールとして、透明部材にて形成された中実の円柱状のプレスロールを用いた成膜装置を示す側面図である。 二本ロール式の成膜装置を示す側面図である。 成膜装置の第2実施形態を示す側面図である。 第2実施形態の成膜装置を用いてシート状物を成膜している最中に、加工部位における成膜状態の評価を行う際のフローを示す図である。 粉粒体を圧縮成形する一対のプレスロールの回転駆動速度を、当該一対のプレスロールの速度比が変化するように制御した場合の、成膜状態を示す図である。 成膜装置の第3実施形態を示す側面図である。 成膜装置の第3実施形態を示す正面図である。 成膜装置の第3実施形態を示す平面図である。 第3実施形態の成膜装置を用いてシート状物を成膜している最中に、加工部位における成膜状態の評価を行う際のフローを示す図である。 ホッパの可動側面の延出量や傾斜角度による、加工部位におけるシート状物の軸方向端部の成膜状態の違いを示す図である。
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
[第1実施形態]
本発明に係る成膜装置の第1実施形態について説明する。
図1、図2に示す成膜装置1は、所定の間隔を隔てて互いに平行に配置され、それぞれ回転駆動される一対のプレスロール11・12と、粉粒体52を貯溜するホッパ30とを備えており、ホッパ30から一対のプレスロール11・12間に粉粒体52を供給して、一対のロール11・12間で粉粒体52を圧縮成形することによりシート状物52aを成膜する成膜装置である。
粉粒体52は、例えば電極活物質や結着剤等を水等の溶媒に分散させることにより得られるペースト状の湿潤粉粒体とすることができ、粉粒体52を一対のロール11・12間で圧縮成形することにより得られるシート状物52aは、例えばリチウムイオン二次電池の電極を構成する電極合材層として用いられるものとすることができる。
プレスロール11は、中空部11aを有した円筒状部材にて構成され、プレスロール12は、例えば中実の円柱状部材にて構成されている。
プレスロール11・12は、それぞれ軸方向を水平に向けた状態で配置されるとともに、水平方向に並設されている。
プレスロール11・12は、それぞれモータ等の駆動源により軸を中心として回転駆動可能に構成されており、その回転駆動方向は、互いに逆方向となっている。プレスロール11・12の回転駆動方向は、具体的には、プレスロール11・12の外周面における互いに対向する部分が、下方へ向けて回動する方向となっている(図1においては、プレスロール11が反時計まわりに回転駆動され、プレスロール12が時計まわりに回転駆動されている)。
プレスロール11・12は、その回転駆動速度を、それぞれ独立して変更可能に構成されている。また、プレスロール11・12は、プレスロール11とプレスロール12との間隔(即ちプレスロール11とプレスロール12との相対距離)を変更可能に構成されている。
本実施形態におけるプレスロール11は、全体的に透明な部材により構成されており、内部の中空部11aからプレスロール11を通じて、プレスロール11の外側を視認可能となっている。
成膜装置1は、例えば中実の円柱状部材にて構成される転写ロール13をさらに備えている。転写ロール13は、プレスロール11に対して所定の間隔を隔てて平行に、近接配置されている。転写ロール13は、プレスロール12よりもプレスロール11の回転方向の下流側に位置しており、例えばプレスロール11の下方に位置している。
転写ロール13は、モータ等の駆動源により軸を中心として回転駆動可能に構成されており、その回転駆動方向は、プレスロール11の回転駆動方向とは逆方向となっている(図1においては、転写ロール13は時計まわりに回転駆動されている)。
転写ロール13の外周面にはシート状の基材51が巻回されており、基材51は転写ロール13の回転方向に搬送されている。基材51は、例えばリチウムイオン二次電池における電極の集電箔として用いられる金属箔にて構成されている。
このように、成膜装置1は、プレスロール11・12および転写ロール13により成膜部10を構成する三本ロール式の成膜装置である。
ホッパ30は、プレスロール11・12の上方(プレスロール11・12の回転方向の上流側)に近接配置されており、ホッパ30内の粉粒体52をプレスロール11とプレスロール12との間に供給可能に構成されている。
ホッパ30から、回転駆動されるプレスロール11とプレスロール12との間に供給された粉粒体52は、プレスロール11とプレスロール12との間の間隙に咬み込まれ圧縮成形される。この場合、粉粒体52は、プレスロール11・12の対向方向に圧縮される。
プレスロール11・12間で圧縮成形された粉粒体52は、シート状物52aとなってプレスロール11・12間の下流側に排出される。
プレスロール11・12間の下流側に排出されたシート状物52aは、プレスロール11に巻き付いた状態で、プレスロール11の回転方向下流側に搬送される。
なお、プレスロール11・12間で粉粒体52が圧縮成形される部位(以降、適宜「加工部位」と呼ぶ)は、軸方向における所定範囲にわたって存在しており、例えばロール11・12間における軸方向の中央部に位置している。
また、プレスロール11・12の回転方向(図1における上下方向)においては、プレスロール11とプレスロール12とが最も近接する箇所の近傍における所定範囲が前記加工部位となっている。例えば、プレスロール11とプレスロール12とが最も近接する箇所(最近接箇所)から、前記最近接箇所よりも所定寸法だけプレスロール11・12の回転方向上流側(上側)へいった箇所までの範囲が前記加工部位となっている。
プレスロール11により搬送されるシート状物52aは、プレスロール11と転写ロール13との間隙に到達すると、転写ロール13により搬送される基材51と当接し、プレスロール11の外周面から基材51の表面に転写される(乗り移る)。このように、シート状物52aが基材51に転写されることで、基材51上にシート状物52aが形成された圧縮成形シート5が得られる。
成膜装置1は、被写体を撮像するためのカメラ21と、カメラ21の撮像方向を変更するためのミラー22と、カメラ21の撮像対象となる被写体を照射する照明23とを有する撮像具20を備えている。
カメラ21は、プレスロール11の軸方向一側に位置しており、その撮像方向をプレスロール11の軸方向であって中空部11a側に向けた姿勢に配置されている。
ミラー22は、プレスロール11の中空部11a内に位置しており、カメラ21の撮像方向を、プレスロール11の軸方向から、前記軸方向と直交する方向であってプレスロール12が配置される側、即ち前記加工部位が存在する側へ変更する姿勢に配置されている。つまり、ミラー22は、中空部11a内における軸方向中央部に、光の反射面を前記軸方向に対して45°傾斜させた姿勢で配置されている。ミラー22は、プレスロール11が回転駆動されている際にも、前記姿勢を維持可能に構成されている。
照明23は、プレスロール11の軸方向一側または他側に位置しており、プレスロール11の中空部11a側から前記加工部位を照射可能に構成されている。
このように構成される撮像具20においては、カメラ21は、プレスロール11の外部から、中空部11a内における前記加工部位が存在する側の内周面を撮像することが可能となっているが、プレスロール11は透明部材にて構成されているため、前記内周面(プレスロール11)を透過して前記加工部位を撮像可能となっている。
つまり、プレスロール11は、中空部11aからプレスロール11を通じて前記加工部位を視認可能に構成されているため、撮像具20のカメラ21によりプレスロール11を通じて前記加工部位を撮像することが可能となっている。この場合、カメラ21は、前記加工部位を粉粒体52の圧縮方向から撮像することとなる。
また、カメラ21により前記加工部位を撮像する際に、照明23は、カメラ21が前記加工部位を撮像する側と同じ側から前記加工部位を照射するように配置されている。これにより、カメラ21は、前記加工部位からの反射光を捉えて、前記加工部位の圧縮成形状態を良好に撮像することが可能となっている。この場合、照明23の照射角度は、照射方向がプレスロール11の軸方向と直交する方向に近くなる角度に設定した方が好ましいが、照射方向がプレスロール11の軸方向に近くなる角度に設定しても、撮像画像に与える影響は少ない。
一方、カメラ21が前記加工部位を撮像する側と反対側(プレスロール12側)に照明23を配置して、前記加工部位を照射すると、カメラ21により前記加工部位を撮像する際に逆光となり、前記加工部位の圧縮成形状態を良好に撮像することが困難となる。
なお、照明23は、プレスロール11の周方向へ移動可能に構成したり、軸方向へ移動可能に構成したりして、照射カメラ21による加工部位の撮像画像が鮮明になるように、照明23による加工部位の照射位置を適宜調節することができる。
プレスロール11において、透明部材にて形成されプレスロール11を通じて粉粒体52の加工部位を視認可能とする部分は、透過部11Aとして構成される。本実施形態においては、プレスロール11が全体的に透明部材にて構成されているため、プレスロール11の全体が透過部11Aとして構成されている。
但し、透過部11Aは、少なくとも軸方向において前記加工部位が存在する範囲のみに構成されていれば足りるので、図3に示すように、プレスロール11の軸方向中央部を透明部材にて形成した透過部11Aとして構成し、プレスロール11の軸方向両端部を透明部材でない部材にて形成した非透過部11Bとして構成することも可能である。
透過部11Aは、例えばプレスロール11の周方向の全域にわたって形成することができるが、周方向の一部にのみ形成することも可能である。また、周方向の一部にのみ形成した透過部11Aを周方向に複数並設することも可能である。
透過部11Aをプレスロール11の周方向の全域にわたって形成した場合は、回転駆動されるプレスロール11を通じた前記加工部位の撮像を連続的に行うことができる。また、透過部11Aをプレスロール11の周方向の一部に形成した場合、および周方向の一部にのみ形成した透過部11Aを周方向に複数並設した場合は、回転駆動されるプレスロール11を通じた前記加工部位の撮像は断続的に行われることとなる。
粉粒体52の加工部位をカメラ21により撮像すると、図4に示すような撮像画像が得られる。図4(a)に示す撮像画像は、加工部位において粉粒体52が全体的に良好に圧縮成形された良品を示す画像であり、図4(b)に示す撮像画像は、加工部位において粉粒体52が良好に圧縮形成されていない部分を多く含む不良品を示す画像である。
図4に示す撮像画像においては、加工部位において粉粒体52が緻密に圧縮されて良好な圧縮成形状態にある部分が良好部位として濃度の高い黒色にて表わされ、粉粒体52が緻密に圧縮されておらず良好な圧縮成形状態にない部分(粉粒体52が疎な状態に圧縮されており圧縮成形状態が不良である部分)が不良部位として良好部位よりも低い濃度にて表わされる。
図4(a)に示す撮像画像においては、加工部位の全体にわたって濃度の高い黒色の良品部位が出現しており、加工部位におけるシート状物52aの成膜状態が良好であることがわかる。つまり、粉粒体52が加工部位において全体的に緻密に圧縮されており、良好なシート状物52aが成膜されていることがわかる。
図4(b)に示す撮像画像においては、加工部位のごく一部にのみ濃度の高い黒色の良品部位が出現しており、他の多くに部位には濃度の低い灰色の不良部位が出現しているため、加工部位におけるシート状物52aの成膜状態が良好でない(不良である)ことがわかる。つまり、加工部位に、粉粒体52が粗に圧縮されている不良部位が多く存在していて、良好でない(不良である)シート状物52aが成膜されていることがわかる。
このように、成膜装置1においては、プレスロール11が透明部材にて形成される透過部11Aを備えているので、カメラ21により透過部11Aを通じて粉粒体52の加工部位を撮像することが可能となっている。これにより、前記加工部におけるシート状物52aの成膜状態を、カメラ21による撮像画像により視覚的に直接確認して評価することが可能となる。
特に、粉粒体52を圧縮成形している加工部位の成膜状態を直接確認することができるので、シート状物52aの成膜中に、加工部位における成膜状態が変化して目標とする状態でなくなった場合には、その変化を直ちに検知することが可能である。従って、運転条件を迅速に変更して、加工部位における成膜状態を目標とする状態に戻すことが可能となる。
また、プレスロール11・12の間隔や回転駆動速度等といった成膜装置1の運転条件を変化させると、その運転条件に応じて加工部位における粉粒体52の成膜状態も変化するが、成膜装置1の運転中に、加工部位の成膜状態を直接確認しながら運転条件を変化させることで、良好な成膜状態となる運転条件を迅速に見出すことが可能となり、良好な品質のシート状物52aを得るための条件出しの工数を削減することが可能である。
なお、成膜装置1においては、プレスロール11・12間の上方にはホッパ30が近接配置され、プレスロール11・12間の下方からは成膜されたシート状物52aが排出されてくるため、プレスロール11・12間の上方および下方からは、プレスロール11・12間の加工部位における成膜状態を視認することが困難である。
次に、成膜装置1において、所定の条件にて粉粒体52を圧縮成形してシート状物52aを成膜し、圧縮成形シート5を製造している最中に加工部位における成膜状態の評価を行う際のフローについて説明する。
図5に示すように、まず、プレスロール11・12の間隔や回転駆動速度等といった成膜装置1の運転条件を決定する(S01)。次に、決定した運転条件に従って成膜装置1を運転し、粉粒体52をホッパ30からプレスロール11・12間に供給し、供給した粉粒体52をプレスロール11・12間にて圧縮成形してシート状物52aを成膜する(S02)。シート状物52aの成膜中に、カメラ21により粉粒体52の加工部位をプレスロール11の透過部11Aを通じて撮像し、前記加工部位の撮像画像を取得する(S03)。さらに、取得した前記加工部位の撮像画像を用いて、成膜状態の評価を行う(S04)。
前述のステップS04において行われる、カメラ21による撮像画像を用いた成膜状態の評価は、具体的には以下のように行うことができる。
成膜状態の評価を行う際には、例えばカメラ21により撮像した画像に対してグレースケール処理等の画像処理を適宜行い、撮像画像の加工部位において良好部位として表わされている範囲の画像を抽出し、抽出した良好部位の画像に基づいて加工部位の成膜状態の良否について評価を行う。
図6には、加工部位の軸方向における中央部の撮像画像を示しており、所定の閾値により良好部位として判別された範囲の画像が抽出される。撮像画像における良好部位と不良部位とを判別する閾値としては、所定の濃度値を適宜設定することができ、前記閾値以上の濃度値の範囲を良好部位として判別し、前記閾値よりも低い濃度値の範囲を不良部位と判別する。
抽出した良好部位の画像に基づいて成膜状態の評価を行う際の良否の判断基準は、例えば良好部位の画像の上下方向(プレスロール11の周方向)の最大寸法Da、良好部位の画像の上下方向の最小寸法Db、良好部位の画像における軸方向一端部から他端部にかけての上下方向寸法を平均した平均寸法Dc、良好部位の画像における軸方向の辺の直線性、および良好部位の画像の面積De等を挙げることができる。良好部位の画像における軸方向の辺の直線性については、所定の上下幅waの範囲内に収まっている、良好部位の画像における軸方向の辺の長さDd等の値を用いることができる。
成膜状態の良否の評価は、例えば抽出した良好部位の画像から前述の判断基準となる値を算出し、算出した判断基準値と予め設定された閾値とを比較することにより行う。
これらの判断基準の値は、何れか一つ、または複数を用いて、成膜状態の良否の評価を行うことができる。
前記撮像画像を用いた成膜状態の評価は、加工部位の軸方向における端部を撮像した画像を用いて行うこともできる。
図7には、加工部位の軸方向における一側端部を撮像した画像を示している。
成膜状態の評価を行う際には、前述の軸方向中央部の加工部位を撮像した撮像画像を用いて場合と同様に、撮像画像の加工部位において良好部位として表わされている範囲の画像を抽出し、抽出した良好部位の画像に基づいて加工部位の成膜状態の良否、即ち成膜されるシート状物52aが良品であるか、または不良品であるかについての評価を行う。
成膜状態の評価を行う際の良否の判断基準としては、例えば良好部位の画像の軸方向の最大寸法Df、良好部位の画像における上下方向一端部から他端部にかけての軸方向寸法を平均した平均寸法Dg、良好部位の画像における上下方向の辺の直線性等を挙げることができる。良好部位の画像における上下方向の辺の直線性については、所定の軸方向幅wbの範囲内に収まっている、良好部位の画像における上下方向の辺の長さDh等の値を用いることができる。
成膜状態の良否の評価は、これらの判断基準の何れか一つ、または複数を用いて行うことができる。
なお、前記撮像画像を用いた成膜状態の評価は、加工部位の軸方向における中央部を撮像した画像と、加工部位の軸方向における端部を撮像した画像との何れか一方を用いて行うだけでなく、その両方を用いて行うこともでき、さらに加工部位を軸方向の全域にわたって撮像した画像を用いて行うことも可能である。
また、本実施形態においては、カメラ21およびミラー22を備えた撮像具20を用いて、粉粒体52の加工部位を撮像するように構成しているが、撮像装置としてカメラ21に代えて図8に示すようなボアスコープ24を用いることもできる。
ボアスコープ24は、撮像本体24aと、撮像本体24aから延出する光ファイバー24bとを備えている。撮像本体24aは、プレスロール11の軸方向一側に位置しており、光ファイバー24bは、撮像本体24aからプレスロール11の軸方向における中空部11a側へ向けて延出し、中空部11a内の軸方向中央部にて、加工部位側へ屈曲している。
このように、撮像具20にボアスコープ24を用いることで、ボアスコープ24の光ファイバー24bを中空部11a内に挿入して、プレスロール11の透過部11Aを通じた粉粒体52の加工部位の撮像を、ボアスコープ24により直接行うことができるため、ミラー22を設置する必要がなく、撮像具20を簡単な構成とすることができる。
但し、カメラ22の方が、ボアスコープ24よりも、分解能や撮像画像の明るさに優れたものを入手し易いことが多い。
また、本実施形態では、粉粒体52の加工部位を、当該プレスロールを通じて視認可能とするプレスロールとして、中空部11aを有した円筒状のプレスロール11を用いたが、プレスロール11の代わりに、図9に示すような透明部材にて形成された中実の円柱状のプレスロール111を用いることもできる。
プレスロール111を用いた場合は、撮像具20のカメラ21を、プレスロール111の加工部位側とは反対側に配置して、カメラ21により、プレスロール111の外側からプレスロール111を径方向に通じて、加工部位を撮像することができる。
従って、プレスロール111を用いた場合は、プレスロール11を用いた場合のようにミラー22を設置する必要がなく、装置構成を簡単な構成にすることができる。
但し、プレスロール11のように中空部11aを有した円筒状のプレスロールを用いた場合の方が、カメラ21により加工部位を撮像する際に、加工部位からの反射光が透明部材を透過する距離が少ないため、鮮明な画像を得ることが容易である。
なお、プレスロール111においても、プレスロール11の場合と同様に、その全体を透明部材にて形成するだけでなく、前記加工部位が存在する範囲のみを透明部材にて形成することができる。
また、本実施形態では、プレスロール11のみを、ロールを通じて前記加工部位の視認を可能とする透過部を有したプレスロールとして構成したが、これに限るものではなく、プレスロール12のみに透過部を構成したり、プレスロール11・12の両方に透過部を構成したりすることも可能である。
また、本実施形態の成膜装置1は、三本ロール式の成膜装置に構成しているが、転写ロール13を備えず、プレスローラ11・12のみを備えた二本ロール式の成膜装置に構成することもできる。
この場合は、図10に示すように、プレスローラ12の外周面にシート状の基材51を巻回して、プレスローラ11・12間の加工部位にて粉粒体52を圧縮成形して成膜したシート状物52aを、基材51とともにプレスローラ12により搬送する構成となる。
なお、透過部は、三本ロール式の成膜装置に構成した場合と同様に、プレスローラ11に構成することができ、撮像具20によりプレスローラ11の透過部11Aを通じて加工部位の撮像を行うことができる。
[第2実施形態]
次に、本発明に係る成膜装置の第2実施形態について説明する。
図11に示す成膜装置6は、第1実施形態の成膜装置1に対して評価装置80および制御装置90を加えたものであり、成膜装置6における成膜部10、撮像具20、およびホッパ30は成膜装置1と同じ構成である。
従って、成膜装置6における成膜部10、撮像具20、およびホッパ30については、その説明を省略する。
評価装置80は、成膜装置6において、撮像具20により撮像した加工部位の成膜状態の良否を評価する評価部を構成するものである。
評価装置80にはカメラ21が接続されており、カメラ21により撮像した画像が入力される。評価装置80においては、入力された撮像画像に対して、グレースケール処理等の画像処理が適宜行わるとともに、画像処理が行われた撮像画像を用いて、加工部位における成膜状態の良否が評価される。
制御装置90は、成膜装置6における運転条件を制御する制御部を構成するものである。制御装置90は、成膜部10、撮像具20および評価装置70等に接続されており、成膜装置6の運転動作および運転条件の制御を行うものである。
具体的には、制御装置90は、成膜装置6に入力された、プレスロール11・12の間隔や回転駆動速度等の運転条件に基づいて成膜装置6を動作させる機能や、評価装置80における成膜状態の評価結果を受けて、プレスロール11・12の間隔や回転駆動速度等といった成膜装置6の運転条件を変更して成膜装置6を動作させる機能を備えている。また、撮像具20におけるカメラ21の撮像動作や照明23の照射動作等を制御する機能を備えている。
つまり、成膜装置6においては、粉粒体52を圧縮成形してシート状物52aを成膜している最中に、評価装置80により加工部位における成膜状態の評価を行うとともに、制御装置90により、評価装置80による評価結果を成膜装置6にフィードバックして、前記評価結果が不良であった場合には、成膜装置6の運転条件が変更されたうえでシート状物52aの成膜が継続して行われる。
次に、成膜装置6において、粉粒体52を圧縮成形してシート状物52aを成膜している最中に加工部位における成膜状態の評価を行う際のフローについて説明する。
図12に示すように、まず、プレスロール11・12の間隔や回転駆動速度等といった成膜装置6の初期の運転条件を決定し、決定した運転条件を入力装置を通じて制御装置90に入力する(S11)。制御装置90は、入力された初期の運転条件に従って成膜装置6を運転制御する。制御装置90により運転制御される成膜装置6においては、粉粒体52がホッパ30からプレスロール11・12間に供給され、供給された粉粒体52がプレスロール11・12間にて圧縮成形されてシート状物52aが成膜される(S12)。シート状物52aの成膜中には、制御装置90により制御されるカメラ21により、粉粒体52の加工部位がプレスロール11の透過部11Aを通じて撮像され、前記加工部位の撮像画像が評価装置80に入力される。(S13)。前記加工部位の撮像画像が入力された評価装置80においては、入力された前記加工部位の撮像画像を用いて、前記加工部位における成膜状態の評価が行われる(S14)。
ステップS14において行われる、評価装置80による加工部位における成膜状態の評価は、第1実施形態における成膜状態の評価をする際のフローのステップS04にて行われる成膜状態の評価と同様に行われる。
つまり、例えばカメラ21により撮像した画像に対してグレースケール処理等の画像処理を適宜行い、撮像画像の加工部位において良好部位として表わされている範囲の画像を抽出し、抽出した良好部位の画像から評価の判断基準となる値を算出し、算出した判断基準値と予め設定された閾値とを比較することにより、成膜状態の評価を行う。
また、評価装置80により、前回算出された評価の判断基準となる値と、今回算出された評価の判断基準となる値とを比較することにより、成膜状態の評価を行うことも可能である。
ステップS14での評価装置80による加工部位における成膜状態の評価の結果、前記成膜状態が良好であると評価された場合、即ち成膜されるシート状物52aが良品であると評価された場合は(S15)、制御装置90は、成膜装置6の運転条件を変更することなく、現在の運転条件を維持して成膜装置6の運転を継続する(S16)。
一方、ステップS14での評価装置80による加工部位における成膜状態の評価の結果、前記成膜状態が不良であると評価された場合、即ち成膜されるシート状物52aが不良品であると評価された場合は(S15)、成膜装置6の運転条件を変更したうえで、成膜装置6の運転を継続する(S17)。
この場合、制御装置90により変更される成膜装置6の運転条件は、プレスロール11・12の間隔や回転駆動速度である。
また、プレスロール11・12の間隔や回転駆動速度といった運転条件の変更は、成膜状態が現在の不良である状態から良好である状態になるように行われる。
成膜状態が不良である状態から良好である状態になる運転条件は、予め実験等により求めて制御装置90に記憶しておくことができる。
評価装置80により加工部位における成膜状態が不良であると評価された場合は、例えば、成膜装置6の運転条件の変更として、プレスロール11・12の間隔を小さくしたり、プレスロール12の回転駆動速度に対するプレスロール11の回転駆動速度の比が増加するようにプレスロール11・12の回転駆動速度を変更したりして、加工部位における成膜状態を良好にすることが可能である。
ここで、プレスロール11・12の回転駆動速度を変更した場合に成膜状態が変化する様子について説明する。
図13には、プレスロール11・12の回転駆動速度を、プレスロール11とプレスロール12の速度比(速度比=プレスロール11の回転駆動速度/プレスロール12の回転駆動速度)が変化するように制御した場合の、成膜状態を示している。この場合、例えばプレスロール12の回転駆動速度を固定するとともに、プレスロール11の回転駆動速度を調整することにより、前記速度比を変化させることができる。
図13(a)に示すように、前記速度比が0.2の場合、加工部位において良品部位は僅かな範囲にしか出現しておらず、多くの部分が不良部位となっている。
図13(b)に示すように、この状態から、前記速度比が0.4となるようにプレスロール11の回転駆動速度を変化させると、加工部位における良品部位の範囲が増加し、加工部位の大部分が良品部位となり、不良部位は僅かな範囲にのみ存在することとなる。
図13(c)に示すように、さらにプレスロール11の回転駆動速度を変化させて、前記速度比を0.8にすると、加工部位が全体にわたって良品部位となった。
このように、成膜装置6の運転条件であるプレスロール11・12の回転駆動速度を変更することで、加工部位における成膜状態を改善することが可能となっている。
従って、本実施形態のように、ステップS14にて行われる加工部位における成膜状態の評価の結果、前記成膜状態が不良であると評価された場合に(S15)、プレスロール11・12の間隔や回転駆動速度といった成膜装置6の運転条件を変更し、成膜装置6の運転を継続することで(S17)、加工部位に不具合が発生した場合でも、その不具合を直ちに修正して、正常な成膜状態でのシート状物52aの成膜を継続することができ、安定した品質のシート状物を得ることが可能となる。
特に、成膜装置6によるシート状物52aの成膜を長時間継続した場合、粉粒体52を圧縮成形することにより発熱してプレスロール11・12が熱膨張したり、プレスロール11・12間に供給される粉粒体52の状態がばらついたりして、シート状物52aの成膜状態が経時的に変化することとなるが、このような場合でも、粉粒体52が圧縮成形されている加工部位の成膜状態を撮像具20にて直接確認することにより、成膜状態の変化を直ちに把握して、プレスロール11・12の間隔や回転駆動速度といった成膜装置6の運転条件にフィードバックすることができるため、常に最適な運転条件で成膜装置6を運転することが可能となる。
また、成膜状態が不良のまま成膜されることがないため、不良発生時における材料や工程の無駄発生を最小限に抑えることが可能となる。
なお、本実施形態の成膜装置6においても、中空部11aを有した円筒状のプレスロール11に代えて中実の円柱状のプレスロール111を用いることができる。
また、プレスロールを通じて前記加工部位の視認を可能とする透過部をプレスロール11のみに設けるだけでなく、プレスロール12のみに透過部を構成したり、プレスロール11・12の両方に透過部を構成したりすることも可能である。
さらに、成膜装置6を、転写ロール13を備えず、プレスローラ11・12のみを備えた二本ロール式の成膜装置に構成することもできる。
[第3実施形態]
次に、本発明に係る成膜装置の第3実施形態について説明する。
図14〜図16に示す成膜装置7は、第2実施形態の成膜装置6に対して、ホッパ30の構成が異なる他は同様に構成されている。
従って、成膜装置7におけるホッパ30以外の構成については、その説明を省略する。
成膜装置7におけるホッパ30は、プレスロール11・12の軸方向の両端部に、前記軸方向と直交する側面31・31を有している。側面31・31は、ホッパ30からプレスロール11・12の間に供給される粉粒体52の、前記軸方向における供給幅を規制するものである。
側面31は、固定側面31aおよび可動側面31bを備えている。
固定側面31aは、プレスロール11・12の上方からプレスロール11・12間の近傍にかけて配置されており、固定側面31aの下端部は、例えばプレスロール11・12間における粉粒体52の加圧部位の上端部に位置している。固定側面31aは、垂直方向に形成されている。
可動側面31bは、固定側面31aの下端部から、プレスロール11・12間に向けて下方へ延出可能に構成される側面であり、固定側面31aの下端部から下方へ向けて(加圧部位内へ)延出しない状態と、固定側面31aの下端部から下方へ向けて(加圧部位内へ)延出する状態とを切り替え可能に構成されている。
また、可動側面31bは、固定側面31aの下端部から、例えばプレスロール11・12の間隔が最も狭くなる位置(プレスロール11・12が最も近接する位置)までの範囲内で、その延出長さを適宜調節可能に構成されている。つまり、可動側面31bは、加圧部位内への延出量を調節可能に構成されている。
可動側面31b・31bは、下端側へいくに従ってホッパ30の軸方向内側へいくように(つまり、一方の可動側面31bの下端部と他方の可動側面31bの下端部とが近接する側に)傾斜可能に構成されており、このように傾斜する傾斜姿勢と、垂直方向に配置される垂直姿勢とを切り替え可能に構成されている。
また、可動側面31b・31bの傾斜角度、すなわち粉粒体52のホッパ30からプレスロール11・12間へ向けての吐出方向に対する角度は、調節可能に構成されている。
そして、可動側面31b・31bを前述のように傾斜させることで、ホッパ30に貯溜される粉粒体52をプレスロール11・12間へ供給する際に、軸方向両端部に位置する粉粒体52を、可動側面31b・31bにより軸方向内側へ寄せ集めたうえで、プレスロール11・12間へ供給することが可能となっている。
可動側面31b・31bには、それぞれ可動側面駆動機構31c・31cが接続されており、可動側面駆動機構31c・31cにより、可動側面31b・31bのプレスロール11・12間へ向けての延出量や、傾斜角度が調節可能となっている。
可動側面駆動機構31c・31cは、制御装置90に接続されており、制御装置90により、可動側面駆動機構31c・31cによる可動側面31b・31bの延出量および傾斜角度の調節動作を制御するように構成されている。
成膜装置7においては、成膜装置6の場合と同様に、粉粒体52を圧縮成形してシート状物52aを成膜している最中に、評価装置80により加工部位における成膜状態の評価を行うとともに、制御装置90により、評価装置80による評価結果を成膜装置7にフィードバックして、前記評価結果が不良であった場合には、成膜装置7の運転条件を変更したうえでシート状物52aの成膜を継続して行うように構成しているが、成膜装置7では変更する運転条件を、可動側面31b・31bの延出量および傾斜角度としている。
次に、成膜装置7において、粉粒体52を圧縮成形してシート状物52aを成膜している最中に加工部位における成膜状態の評価を行う際のフローについて説明する。
図17に示すように、まず、プレスロール11・12の間隔および回転駆動速度、ならびに可動側面31b・31bの延出量および傾斜角度等といった成膜装置7の初期の運転条件を決定し、決定した運転条件を入力装置を通じて制御装置90に入力する(S21)。制御装置90は、入力された初期の運転条件に従って成膜装置7を運転制御する。制御装置90により運転制御される成膜装置7においては、粉粒体52がホッパ30からプレスロール11・12間に供給され、供給された粉粒体52がプレスロール11・12間にて圧縮成形されてシート状物52aが成膜される(S22)。シート状物52aの成膜中には、制御装置90により制御されるカメラ21により、粉粒体52の加工部位がプレスロール11の透過部11Aを通じて撮像され、前記加工部位の撮像画像が評価装置80に入力される。(S23)。前記加工部位の撮像画像が入力された評価装置80においては、入力された前記加工部位の撮像画像を用いて、前記加工部位における成膜状態の評価が行われる(S24)。
ステップS24において行われる、評価装置80による加工部位における成膜状態の評価は、第2実施形態における成膜状態の評価をする際のフローのステップS14にて行われる成膜状態の評価と同様に行われる。
つまり、例えばカメラ21により撮像した画像に対してグレースケール処理等の画像処理を適宜行い、撮像画像の加工部位において良好部位として表わされている範囲の画像を抽出し、抽出した良好部位の画像から評価の判断基準となる値を算出し、算出した判断基準値と予め設定された閾値とを比較することにより、成膜状態の評価を行う。
また、評価装置80により、前回算出された評価の判断基準となる値と、今回算出された評価の判断基準となる値とを比較することにより、成膜状態の評価を行うことも可能である。
この場合、成膜状態の評価は、特に加工部位における軸方向端部の成膜状態について評価することができる。
ステップS24での評価装置80による加工部位における成膜状態の評価の結果、前記成膜状態が良好であると評価された場合、即ち成膜されるシート状物52aが良品であると評価された場合は(S25)、制御装置90は、成膜装置7の運転条件を変更することなく、現在の運転条件を維持して成膜装置7の運転を継続する(S26)。
一方、ステップS14での評価装置80による加工部位における成膜状態の評価の結果、前記成膜状態が不良であると評価された場合、即ち成膜されるシート状物52aが不良品であると評価された場合は(S25)、成膜装置7の運転条件を変更したうえで、成膜装置7の運転を継続する(S27)。
この場合、制御装置90により変更される成膜装置7の運転条件は、ホッパ30における可動側面31b・31bの延出量および傾斜角度である。
また、可動側面31b・31bの延出量および傾斜角度といった運転条件の変更は、成膜状態が現在の不良である状態から良好である状態になるように行われる。
成膜状態が不良である状態から良好である状態になる運転条件は、予め実験等により求めて制御装置90に記憶しておくことができる。
ここで、可動側面31b・31bの延出量や傾斜角度による、加工部位におけるシート状物52aの軸方向端部の成膜状態の違いについて説明する。
図18には、可動側面31b・31bの延出量や傾斜角度を変化させた場合の、成膜状態を示している。
図18(a)に示すように、可動側面31b・31bの延出量を、可動側面31b・31bの下端が加工部位の上端部に位置するように調整するとともに、可動側面31b・31bの傾斜角度を、可動側面31b・31bが垂直となるように調整した場合には、加工部位に良品部位が出現していない。また、シート状物52aの軸方向端部が、可動側面31b・31bよりも軸方向外側へ膨出するとともに、不均一な膨出度合となっている。
このように、シート状物52aの軸方向端部が軸方向外側へ膨出するとともに、加工部位に良品部位が出現しない状態となるのは、粉粒体52がホッパ30からプレスロール11・12間へ向かって吐出された際に、軸方向端部の粉粒体52が軸方向両側へ広がってしまい、加工部位において十分な緻密度合にまで圧縮され難い状態となるためであると考えられる。
一方、図18(b)に示すように、可動側面31b・31bの延出量を、可動側面31b・31bの下端が加工部位の上端部に位置するように調整するとともに、可動側面31b・31bの傾斜角度を、可動側面31b・31bの下端部が軸方向内側へ入り込む側に傾斜するように調整した場合には、加工部位の全体にわたって良品部位が出現した。また、シート状物52aの軸方向端部は、可動側面31b・31bと同じ軸方向位置に位置しているが、若干のばらつきが存在している。
このように、加工部位に全体にわたって良品部位が出現するのは、粉粒体52がホッパ30から吐出される際に、軸方向内側へ傾斜された可動側面31b・31bによりホッパ30における軸方向端部の粉粒体52が内側へ寄せ集められて、プレスロール11・12間において、成膜されるシート状物52aの軸方向寸法内に十分な量の粉粒体52が供給されることとなるため、粉粒体52を加工部位において十分な緻密度合にまで圧縮され易いためであると考えられる。
但し、可動側面31b・31bの下端が加工部位の上端部に位置しており、粉粒体52が加工部位にて圧縮成形されている間は、粉粒体52は可動側面31b・31bにより軸方向外側への移動を規制されていないため、成膜されるシート状物52aにおける軸方向端部の軸方向位置は、若干ばらつくこととなる。
さらに、図18(c)に示すように、可動側面31b・31bを下方へ延出して、可動側面31b・31bの延出量を、可動側面31b・31bの下端が加工部位の下端部に位置するように調整するとともに、可動側面31b・31bの傾斜角度を、可動側面31b・31bが垂直となるように調整した場合には、加工部位の全体にわたって良品部位が出現した。また、シート状物52aの軸方向端部は、可動側面31b・31bと同じ軸方向位置に位置しており、その軸方向位置も均一となっている。
加工部位に全体にわたって良品部位が出現するのは、粉粒体52がホッパ30から吐出される際に、ホッパ30における軸方向端部の粉粒体52が、可動側面31b・31bにより軸方向外側へ移動することを規制され、軸方向外側へ膨出することがないため、加工部位において十分な緻密度合にまで圧縮され易いためであると考えられる。
また、可動側面31b・31bは加工部位の上端から下端までにわたって存在しているため、粉粒体52が加工部位にて圧縮成形されている間は、粉粒体52は常に可動側面31b・31bにより軸方向外側への移動を規制されることとなり、成膜されるシート状物52aにおける軸方向端部の軸方向位置が均一に揃うこととなる。
このように、成膜装置7の運転条件である可動側面31b・31bの延出量および傾斜角度を変更することで、加工部位における成膜状態を改善することが可能となっている。
従って、本実施形態のように、ステップS24にて行われる加工部位における成膜状態の評価の結果、前記成膜状態が不良であると評価された場合に(S25)、可動側面31b・31bの延出量および傾斜角度といった成膜装置7の運転条件を変更し、成膜装置7の運転を継続することで(S27)、加工部位に不具合が発生した場合でも、その不具合を直ちに修正して、正常な成膜状態でのシート状物52aの成膜を継続することができ、安定した品質のシート状物を得ることが可能となる。
特に、成膜装置7によるシート状物52aの成膜を長時間継続した場合、粉粒体52を圧縮成形することにより発熱してプレスロール11・12が熱膨張したり、プレスロール11・12間に供給される粉粒体52の状態がばらついたりして、シート状物52aの成膜状態が経時的に変化することとなるが、このような場合でも、粉粒体52が圧縮成形されている加工部位を撮像具20にて直接確認することにより、成膜状態の変化を直ちに把握して、可動側面31b・31bの延出量および傾斜角度といった成膜装置7の運転条件にフィードバックすることができるため、常に最適な運転条件で成膜装置7を運転することが可能となる。
また、成膜状態が不良のまま成膜されることがないため、不良発生時における材料や工程の無駄発生を最小限に抑えることが可能となる。
なお、本実施形態では、前記成膜状態が不良であると評価された場合に(S25)、可動側面31b・31bの延出量および傾斜角度を変更するように構成した場合を説明したが、これに限るものではなく、実施形態2で説明したようなプレスロール11・12の間隔や回転駆動速度の変更と、可動側面31b・31bの延出量および傾斜角度の変更との両方を実施することも可能である。
このように、プレスロール11・12の間隔や回転駆動速度の変更と、可動側面31b・31bの延出量および傾斜角度の変更との両方を実施することにより、例えばプレスロール11・12の間隔や回転駆動速度の変更を行っただけではシート状物52aの成膜状態を完全に良好にすることができない場合でも、プレスロール11・12の間隔や回転駆動速度の変更に加えて可動側面31b・31bの延出量および傾斜角度の変更を行うことで、シート状物52aの成膜状態を完全に良好なものとすることが可能となる。
また、本実施形態の成膜装置7においても、中空部11aを有した円筒状のプレスロール11に代えて中実の円柱状のプレスロール111を用いることができる。
また、プレスロールを通じて前記加工部位の視認を可能とする透過部をプレスロール11のみに設けるだけでなく、プレスロール12のみに透過部を構成したり、プレスロール11・12の両方に透過部を構成したりすることも可能である。
さらに、成膜装置7を、転写ロール13を備えず、プレスローラ11・12のみを備えた二本ロール式の成膜装置に構成することもできる。
1・6・7 成膜装置
5 圧縮成形シート
10 成膜部
11・12 プレスロール
11A 透過部
11a 中空部
20 撮像具
21 カメラ
22 ミラー
23 照明
30 ホッパ
31 側面
31a 固定側面
31b 可動側面
51 基材
52 粉粒体
52a シート状物
80 評価装置
90 制御装置

Claims (6)

  1. 所定の間隔を隔てて互いに平行に配置され、それぞれ回転駆動される一対のロールを備え、前記一対のロール間に粉粒体を供給し、供給された前記粉粒体を前記一対のロール間で圧縮成形することによりシート状物を成膜する成膜装置であって、
    少なくとも前記一方のロールに、透明部材にて形成され前記粉粒体が前記一対のロール間で圧縮成形される部位を前記ロールを通じて視認可能とする透過部が構成される、
    ことを特徴とする成膜装置。
  2. 前記成膜装置は、
    前記透過部を通じて、前記粉粒体が前記一対のロール間で圧縮成形される部位の成膜状態を撮像可能な撮像具を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記成膜装置は、
    前記撮像具により撮像した前記成膜状態の良否を評価する評価部と、
    前記成膜装置の運転条件を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、
    前記評価部の評価結果に応じて、前記成膜装置の運転条件を制御する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の成膜装置。
  4. 前記制御部は、
    前記評価部の評価結果に応じて、
    前記一対のロールの回転速度、および/または前記一対のロールの間隔を制御する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の成膜装置。
  5. 前記成膜装置は、
    前記一対のロール間に供給される前記粉粒体を貯溜するホッパを備え、
    前記ホッパは、
    前記ロールの軸方向の両端部に、前記ホッパから前記一対のロール間に供給される前記粉粒体の、前記ロールの軸方向における供給幅を規制する側面を備え、
    前記側面は、
    前記粉粒体が前記一対のロール間で圧縮成形される部位への延出量、および前記粉粒体の前記ホッパから前記一対のロール間へ向けての吐出方向に対する角度を変更可能に構成され、
    前記制御部は、
    前記評価部の評価結果に応じて、
    前記ホッパの側面の、前記粉粒体が前記一対のロール間で圧縮成形される部位への延出量、および/または前記粉粒体の前記吐出方向に対する角度を制御する、
    ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の成膜装置。
  6. 前記透過部を有するロールは、中空部を有する円筒状部材にて構成され、
    前記撮像具は、前記中空部の内周面側から前記透過部を通じて、前記粉粒体が前記一対のロール間で圧縮成形される部位の成膜状態を撮像する、
    ことを特徴とする請求項2〜請求項5の何れか一項に記載の成膜装置。


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