WO2013175624A1 - 電動モータ - Google Patents

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Abstract

筒部(53)を有するヨーク(5)と、筒部(53)の内周面に対向配置された2対の永久磁石(7)と、永久磁石(7)よりも径方向内側に回転自在に支持されたアーマチュア(6)とを備え、筒部(53)に、径方向で対向する少なくとも1対の第1平坦部(61)を形成し、これら第1平坦部(61)を避けた位置に永久磁石(7)を配置した。

Description

電動モータ
 この発明は、例えば車両に搭載される電動モータに関するものである。
 電動モータとして、例えば、有底筒状のヨークの内周面に永久磁石を複数配置し、この永久磁石よりも径方向内側にアーマチュアを回転自在に設けたブラシ付きの電動モータがある。アーマチュアは、回転軸に外嵌固定されたアーマチュアコアと、複数のセグメントが配設されたコンミテータとを有している。アーマチュアコアには、径方向外側に向かって延びる複数のティースが設けられ、これらティース間に軸方向に長いスロットが複数形成されている。これらスロットから巻線が挿通され、各ティースに集中巻き方式や分布巻き方式にて巻線が巻装されている。
 巻線は、コンミテータのセグメントに導通している。各セグメントは給電を行うためのブラシに摺接しており、このブラシを介して巻線に電流が供給されるようになっている。
 巻線に電流が供給されると磁界が形成され、この磁界と永久磁石との間に生じる磁気的な吸引力や反発力によってアーマチュアが回転する。
 ところで、近年、このように構成された電動モータにおいては、さらなる小型化及び高性能化が望まれている。そこで、例えばNdFeB(ネオジム-鉄-ボロン)系の磁石粉末からなる異方性希土類ボンド磁石を4極設けた電動モータが提案されている。このように、磁力の高い希土類の永久磁石を多極化することにより、電動モータの小型化及び高性能化を図ろうとしている(例えば、特許文献1参照)。
 また、近年の電動モータには、高性能化の要請やフェールセーフ等の観点から様々な素子が搭載されている。
 例えば、略有底筒状のヨークと、コネクタ部が形成され前記ヨークを閉塞するように固定されるエンドブラケットと、を備えた電動モータであって、エンドブラケットに、サーミスタ及び雑防素子(本願の「コンデンサ」及び「チョークコイル」に相当)を搭載した電動モータが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
 さらに、分布巻き方式のように、所定間隔をあけたスロット間に巻線を巻装する場合、先に巻装されたコイルよりも後で巻装されたコイルが径方向外側に巻装されることになる。すなわち、後工程で巻装されるコイルほどスロット内において開口側に配置されることになる。また、あるスロットは最初に巻装される巻線と2番目に巻装される巻線を収容し、あるスロットは最後に巻装される巻線と最後から2番目に巻装される巻線を収容することになる。このため、全てのスロットが同一の形状に形成されていると、各スロットに無駄なスペースが生じ、コイルの位置、及び状態が不安定になる。この結果、アーマチュアの回転アンバランスが生じてしまう。
 そこで、最初に巻装されるコイル間のスロットの回転軸(シャフト)側底面を、コイルのアーマチュアコア外周側ラインに略沿うように形成する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。これによれば、全スロットにおいて、コイルのシャフト側端部を、各スロットのシャフト側底面と接触させることができ、各スロット無駄なスペースが生じることを防止できる。このため、このスペースに起因してコイルの位置、及び状態の不安定が発生することを防止できる。この結果、アーマチュアの回転アンバランスが生じることを防止できる。
特開2005-33843号公報 特開2009-112095号公報 特開2008-220059号公報
 しかしながら、特許文献1の電動モータは、円筒状のヨークの内周面にリング状もしくは瓦状の永久磁石を配置しているため、電動モータの外形の大きさは、主に永久磁石の加工厚さに制約を受けている。したがって、電動モータの性能を維持しつつ更なる小型化を図るのには限界がある。
 また、アーマチュアコアに巻線を巻装する工程と、同電位のセグメントに接続線を接続する工程とを別々に行う必要がる。このため、アーマチュアへのコイルの巻装時間、及びセグメントへの接続線の接続時間の総時間が長くなり、この結果、製造コストが高くなるという可能性がある。
 さらに、特許文献2のエンドブラケットは、軸方向平面視で略円形状に形成されており、外周側に長板状のサーミスタが配置されている。このサーミスタが邪魔になりエンドブラケットを小型化しにくい。これに伴い、ヨーク自体も小型化しにくく、ひいては電動モータ全体が大型化するおそれがある。
 そして、コネクタ部は、エンドブラケットの外周壁から突出して形成されている。そして、コネクタ部の内部に配置された給電用ターミナル間には、雑防素子が配置されている。したがって、この様な構成では、コネクタ部を小型化してエンドブラケットの更なる小型化を図るのには限界がある。
 上述の特許文献3にあっては、アーマチュアの回転アンバランスを防止できる点では優れているが、スロット面積自体を狭くすることになるので、コイルの占積率を高めることが困難であるという可能性がある。
 この結果、電動モータの小型化、軽量化を図りにくいという可能性がある。
 そこで本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、永久磁石の厚さに依存することなく小型化を図ることができる電動モータを提供することを目的とする。
 また、アーマチュアへのコイルの巻装時間、及びセグメントへの接続線の接続時間の総時間を短縮し、製造コストを低減できる電動モータを提供することを目的とする。
 さらに、スロットに無駄なスペースが生じてしまうことを防止しつつ、コイルの占積率を向上させることができる電動モータを提供することを目的とする。
 本発明の第1の態様によれば、電動モータは、筒部を有するヨークと、前記筒部の内周面に対向配置された2対の永久磁石と、前記永久磁石よりも径方向内側に回転自在に支持されたアーマチュアと、を備え、前記筒部に、径方向で対向する少なくとも1対の第1平坦部を形成し、これら第1平坦部を避けた位置に前記永久磁石を配置した。
 本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様に係る電動モータにおいて、前記筒部に、径方向で対向する1対の第1平坦部を形成した。
 本発明の第3の態様によれば、本発明の第2の態様に係る電動モータにおいて、前記アーマチュアに給電を行う2個のブラシを備え、前記2個のブラシを機械角で90°周方向に間隔をあけて配置すると共に、前記アーマチュアの回転軸を挟んで前記2個のブラシとは反対側に、過熱時に前記アーマチュアへの給電を遮断する熱保護素子を配置した。
 本発明の第4の態様によれば、本発明の第3の態様に係る電動モータにおいて、前記回転軸に外嵌固定されるコア本体と、前記コア本体から径方向外側に向かって突設された10個のティースとを有するコアプレートを複数積層してなり、周方向で隣り合う2つの前記ティース間に巻線が巻装されるアーマチュアコアを備え、前記ティースは、周方向に隣接する5つの異形ティースにより構成されるティース群を2つ備えて成り、2つの前記ティース群は、互いに前記回転軸を中心にして点対称に配置され、前記5つの異形ティースは、径方向に沿って延びる仮想基準ティースに対し、先端が前記巻線の巻装方向とは反対側に向かって傾倒するように形成された第1異形ティースと、前記第1異形ティースの前記巻装方向側で周方向に沿って4つ形成され、前記仮想基準ティースに対し、先端が前記巻装方向に向かって傾倒するように形成された第2異形ティースとにより構成され、前記第2異形ティースと、この第2異形ティースに対して前記巻装方向側で隣り合う前記第1異形ティースとの間で形成される第1異形スロット、前記第1異形ティースと、この第1異形ティースに対して前記巻装方向側で隣り合う前記第2異形ティースとの間で形成される第2異形スロット、及び、互いに周方向で隣り合う前記第2異形ティース間で形成される3つの第3異形スロットが、この順で巻装方向に向かって形成されている。
 本発明の第5の態様によれば、本発明の第4の態様に係る電動モータにおいて、前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられたコンミテータを備え、各ティースには、それぞれ隣接する2つのティースに跨るように分布巻き方式で巻線が巻装され周方向にU1相、V1相、W1相、X1相、Y1相、U2相、V2相、W2相、X2相、Y2相の順に5相構造の各コイルが形成され、前記コンミテータは、各相に対応する同電位の2つのセグメントが前記回転軸を中心にして対向配置されるように、総計10個の前記セグメントが周方向に沿って配置され、同電位のセグメント同士が前記巻線で短絡されて4極10スロット10セグメントに構成されており、前記U1相のコイルに対応する2つのセグメントに前記巻線を接続した後、前記U1相に対応し、且つ前記第1異形スロットと、この第1異形スロットの前記巻装方向後方に配置されている前記第3異形スロットとの間に前記巻線を巻装し、この後、前記V1相のコイルに対応する2つのセグメントに前記巻線を接続した後、前記V1相に対応し、且つ前記第2異形スロットと、この第2異形スロットの前記巻装方向後方に配置されている前記第3異形スロットとの間に前記巻線を巻装し、この後、前記W1相のコイルに対応する2つのセグメントに前記巻線を接続した後、前記W1相に対応し、且つ前記3つの第3異形スロットのうち、真ん中の第3異形スロットを間に挟んで両側に存在する2つの第3異形スロットに前記巻線を巻装し、この後、前記X1相のコイルに対応する2つのセグメントに前記巻線を接続した後、前記X1相に対応し、且つ前記第1異形スロットと、この第1異形スロットの前記巻装方向後方に配置されている前記第3異形スロットとの間に前記巻線を巻装し、この後、前記Y1相のコイルに対応する2つのセグメントに前記巻線を接続した後、前記Y1相に対応し、且つ前記第2異形スロットと、この第2異形スロットの前記巻装方向後方に配置されている前記第3異形スロットとの間に前記巻線を巻装し、さらに、これらU1相、V1相、W1相、X1相、Y1相のコイルを形成するのと同時に、前記U2相のコイルに対応する2つのセグメントに前記巻線を接続した後、前記U2相に対応し、且つ前記第1異形スロットと、この第1異形スロットの前記巻装方向後方に配置されている前記第3異形スロットとの間に前記巻線を巻装し、この後、前記V2相のコイルに対応する2つのセグメントに前記巻線を接続した後、前記V2相に対応し、且つ前記第2異形スロットと、この第2異形スロットの前記巻装方向後方に配置されている前記第3異形スロットとの間に前記巻線を巻装し、この後、前記W2相のコイルに対応する2つのセグメントに前記巻線を接続した後、前記W2相に対応し、且つ前記3つの第3異形スロットのうち、真ん中の第3異形スロットを間に挟んで両側に存在する2つの第3異形スロットに前記巻線を巻装し、この後、前記X2相のコイルに対応する2つのセグメントに前記巻線を接続した後、前記X2相に対応し、且つ前記第1異形スロットと、この第1異形スロットの前記巻装方向後方に配置されている前記第3異形スロットとの間に前記巻線を巻装し、この後、前記Y2相のコイルに対応する2つのセグメントに前記巻線を接続した後、前記Y2相に対応し、且つ前記第2異形スロットと、この第2異形スロットの前記巻装方向後方に配置されている前記第3異形スロットとの間に前記巻線を巻装し、さらに、前記巻線が掛け渡される所定のセグメントと所定のティースとの位置関係は、前記回転軸を中心にして対向する位置関係になっている。
 上記の電動モータによれば、ヨークの筒部に第1平坦部を形成することにより、筒部を円筒状に形成した場合よりも電動モータを小型化することができる。また、第1平坦部を避けた位置に永久磁石を配置することで、永久磁石の厚さに依存することなく電動モータの小型化を図ることができる。
 上記の電動モータによれば、各異形スロットに巻装されるコイルの位置に応じてティースを傾倒させ、異形スロット内に無駄なスペースが生じるのを抑制することができる。このため、コイルの占積率を向上させることができると共に、各異形スロットにバランスよくコイルを分布させることができる。この結果、電動モータの小型化、軽量化を図ることが可能になる。
 また、アーマチュアコア自体が異形状に形成されているものの、回転軸を中心に点対称形状になるので、アーマチュアの回転アンバランスが生じてしまうことをより確実に防止できる。
 上記の電動モータによれば、アーマチュアコアへの巻線の巻装方法として、分布巻きを回転軸を中心にして点対称となる関係で2箇所同時に行う所謂ダブルフライヤ方式を採用することができる。このため、さらに、アーマチュアへのコイルの巻装時間、及びセグメントへの接続線の接続時間の総時間を短縮し、製造コストを低減できる。
 また、巻線が掛け渡される所定のセグメントと所定のティースとの位置関係は、回転軸を中心にして対向する位置関係になっているので、コンミテータの首下の巻線が回転軸に掛かるように配索することができる。このため、コンミテータの首下の巻線が径方向外側に向かって弛んでしまうのを防止でき、巻線による巻太りを低減することができる。
第1実施形態における減速機構付モータ装置の部分断面図である。 図1のA-A線に沿った断面図である。 第1実施形態の変形例における電動モータの横断面図である。 第1実施形態の変形例における減速機構付モータ装置の説明図である。 第2実施形態における電動モータの横断面図である。 第2実施形態における減速機構付モータ装置の説明図である。 第2実施形態の変形例における電動モータの横断面図である。 第2実施形態の変形例における減速機構付モータの横断面図である。 第3実施形態における減速機構付モータ装置の部分断面図である。 図9におけるB-B線に沿った断面図である。 第3実施形態におけるブラシホルダユニットの斜視図である。 第3実施形態におけるブラシホルダユニットの平面図である。 第3実施形態におけるブラシホルダユニットの底面図である。 第3実施形態における電気回路の説明図である。 第4実施形態における電動モータの縦断面図である。 第4実施形態における電動モータのアーマチュアコア付近の横断面図である。 第4実施形態におけるアーマチュアコアを構成するコアプレートの平面図である。 第4実施形態における巻線の巻装工程の説明図である。 第4実施形態における巻線の巻装工程の説明図である。 第4実施形態における巻線の巻装工程の説明図である。 第4実施形態における巻線の巻装工程の説明図である。 第4実施形態における巻線の巻装工程の説明図である。 第4実施形態におけるアーマチュアの展開図である。 第4実施形態の第1変形例におけるアーマチュアの展開図である。 第5実施形態における電動モータの縦断面図である。 第5実施形態におけるアーマチュアの展開図である。 第6実施形態におけるアーマチュアの展開図である。 第7実施形態におけるアーマチュアの展開図である。
[第1実施形態]
 以下に、図1及び図2を用いて第1実施形態の電動モータ2及びこの電動モータ2を用いた減速機構付モータ装置1(請求項の「駆動装置」に相当)の説明をする。
 図1及び図2に示す電動モータ2を用いた減速機構付モータ装置1は、例えば車両のパワーウィンドウ、サンルーフ、電動シート及びワイパ装置の少なくとも何れか1つの駆動用として用いられる。
(電動モータ)
 電動モータ2は、ヨーク5の筒部53内にアーマチュア6が回転自在に設けられ、筒部53の開口部53b側に形成されたブラシホルダ収納部90に、ブラシホルダ22が内嵌固定されたものである。
 ヨーク5は、例えば鉄等の金属からなる有底筒状の部材であり、例えば深絞りによるプレス加工等により成型される。
 ヨーク5の大部分を占める筒部53は、軸方向から見て、中心軸Oを挟んで径方向で対向する1対の第1平坦部61と、1対の第1平坦部61を連結する弧状部63と、により構成されている。
 第1平坦部61の離間距離は、筒部53内に配置されるアーマチュア6の直径よりも若干広くなるように設定される。
 弧状部63は、対向する第1平坦部61のそれぞれの周方向端部を連結している。弧状部63の曲率中心は、軸方向から見てアーマチュア6の回転中心と同一となるように設定される。また、弧状部63の内周面63aの曲率半径は、アーマチュア6の半径よりも若干大きくなるように設定される。
 ヨーク5の筒部53の内周面53aには、永久磁石7が設けられている。永久磁石7には、ネオジ焼結磁石及びネオジボンド磁石の希土類磁石や、フェライト磁石等が使用される。永久磁石7は、軸方向から見て略円弧形状に形成されており、互いに平行な内周面7a及び外周面7bと、これらの間に配置された側面7cとを有している。
 永久磁石7の内周面7aの曲率半径は、アーマチュア6の半径よりも若干大きくなるように設定される。また、永久磁石7の外周面7bの曲率半径は、筒部53に形成された弧状部63の内周面63aの曲率半径と略同一となるように設定される。また、永久磁石7の軸方向の長さは、ヨーク5の筒部53の軸方向の長さと略同一に設定される。
 上述のように形成された永久磁石7は、外周面7bを筒部53の弧状部63側に向けて、弧状部63の内周面63aに4個固定されている。尚、永久磁石7は、弧状部63の内周面63aに接着材等により貼付される。
 4個の永久磁石7は、周方向に沿ってN極及びS極の磁極が交互になるように配置されている。そして、4個の永久磁石7は、N極及びS極の磁極がそれぞれ対向するように配置されている。また、隣り合う永久磁石7のピッチ角は、約90°になるように設定されている。すなわち、電動モータ2は、2極対のモータを構成している。
 ここで、対向する第1平坦部61の幅をL1とし、対向する弧状部63の幅をR1としたとき、第1平坦部61の幅L1、及び弧状部63の幅R1が、
 L1<R1・・・(1)
を満たすように設定されている。
 そして、図2に示すように、筒部53の1対の第1平坦部61は、後述するブラシホルダ収納部90に形成された1対の平坦壁91と面一になるように設けられている。また、筒部53の第1平坦部61は、後述するブラシホルダ22の短手方向(図2における左右方向)に配置されている。
 ヨーク5の底壁51の略中央には、中心軸Oに沿って外側に突出するボス19が形成されている。ボス19の内周面には、円環状の金属等からなる軸受18が圧入固定されている。回転軸3の一端側(図1における右側)は、軸受18を介してヨーク5のボス19に軸支されている。
 また、ボス19の底部には、スラストプレート34が設けられている。スラストプレート34は、スチールボール35を介して回転軸3のスラスト荷重を受けている。スチールボール35は、回転軸3とスラストプレート34との間の摺動抵抗を減少するとともに回転軸3の芯ズレを吸収している。
 ヨーク5の筒部53には、開口部53b側(図1における左側)に、ブラシホルダ収納部90が一体成形されている。ブラシホルダ収納部90の周壁90aは、後述のブラシホルダ22を収納するためのものである。ブラシホルダ収納部90の周壁90aは、軸方向から見て略長円形状に形成されており、径方向の一方向(図2における上下方向)が長手方向となり、径方向の他方向(図2における左右方向)が短手方向となっている。
 ブラシホルダ収納部90は、短手方向で対向する1対の平坦壁91と、長手方向において平坦壁91の周方向端部を連結する1対の弧状壁92とを有している。
 一方、ブラシホルダ収納部90の弧状壁92と、筒部53の弧状部63との間には、段差壁93が設けられている。段差壁93によって、筒部53の弧状部63とブラシホルダ収納部90の弧状壁92とが連続的に一体形成された状態になっている。さらに、1対の平坦壁91は、筒部53に形成された1対の第1平坦部61と面一になるように設けられている。
 前述のとおり、第1平坦部61の幅L1、及び弧状部63の幅R1は(1)式を満たしている。したがって、筒部53に設けられた1対の第1平坦部61、及び1対の弧状部63のうち、より狭小な幅L1を有する1対の第1平坦部61が、ブラシホルダ22の短手方向に配置される。
 ブラシホルダ収納部90側の周壁90aには、電動モータ2をウォームギヤ減速機構4に締結固定するための外フランジ部52が設けられている。
 外フランジ部52は、ブラシホルダ収納部90の長手方向に沿って長くなるように軸方向平面視略5角形状に形成され、且つ頂点となる部分が長手方向に位置するように形成されている。また、外フランジ部52の短手方向の幅は、ブラシホルダ収納部90に設けられた1対の平坦壁91の幅よりも若干大きくなるように設定されている。
 また、外フランジ部52の長手方向における一端側(図2における上側)には、頂点となる部分にボルト孔(不図示)が1つ形成されると共に、他端側(図2における下側)には各角部にそれぞれボルト孔(不図示)が形成されている。各ボルト孔には、ボルト24が挿通される。
(アーマチュア)
 ヨーク5の筒部53内に回転自在に設けられたアーマチュア6は、回転軸3に外嵌固定されたアーマチュアコア8と、アーマチュアコア8に巻装されたアーマチュアコイル(不図示)と、回転軸3の他端側に配置されたコンミテータ10とを備えている。アーマチュアコア8は、電磁鋼板等からなるリング状の板部材11を軸方向に複数枚積層したものである。
 図2に示すように、板部材11の外周部には、軸方向から見て略T字状に形成された10個のティース12が、周方向に沿って等間隔且つ放射状に配置されている。各ティース12は、径方向に延出する巻胴部12aと、巻胴部12aの先端に設けられ周方向に張り出した外周部12bとで構成されている。
 アーマチュアコア8の外周には、軸方向に沿って延在する溝状のスロット13が形成されている。スロット13は、回転軸3に複数枚の板部材11を外嵌固定することにより形成され、隣接するティース12の外周部12b間に形成される。前述のとおりティース数が10個であるため、ティース12間のスロット13も10スロット形成される。
また、ティース12が周方向に沿って等間隔に配置されているため、各スロット13も周方向に沿って等間隔に複数形成される。
 各スロット13間には、樹脂等の絶縁材料からなるインシュレータ(不図示)が設けられている。そして、ティース12の巻胴部12aに、インシュレータを介して巻線(不図示)が巻装される。これにより、アーマチュアコア8の外周に、複数のアーマチュアコイル(不図示)が形成される。
 回転軸3の他端側(図1における左側)に外嵌固定されるコンミテータ10の外周面には、導電材で形成されたセグメント15が10枚取り付けられている。
 セグメント15は、軸線方向に長い板状の金属片により形成されている。そして、セグメント15は、互いに離間して絶縁された状態で周方向に沿って等間隔に並列に固定されている。したがって、電動モータ2は、永久磁石7が4個、スロット13が10スロット、セグメント15が10枚の、4極10スロット10セグメントで構成された直流モータとなっている。
 各セグメント15のアーマチュアコア8側の端部には、外径側に折り返す形で折り曲げられたライザ(不図示)が一体成形されている。ライザには、アーマチュアコイルの巻線が掛け回わされ、巻線は例えばヒュージングによりライザに固定されている。これにより、セグメント15と、これに対応するアーマチュアコイルとが導通される。
 セグメント15には、このセグメント15に電力を供給するためのブラシ(不図示)が摺接されている。このブラシは、ブラシホルダ収納部90の周壁90aに収納されているブラシホルダ22に設けられている。より詳しくは、ブラシホルダ22には、ブラシがスプリング21を介して付勢された状態で、出没自在に内装されている。これらブラシの先端部は、スプリング21によって付勢され、これによりコンミテータ10に摺接した状態になっている。そして、ブラシホルダ22や、ブラシ、スプリング21等によりブラシホルダユニット20を構成している。
 ブラシが収納されるブラシホルダ22は、軸方向から見て、ブラシホルダ収納部90の内周形状と略同一に形成されている。すなわち、ブラシホルダ22は、ブラシホルダ収納部90と同様に略長円形状に形成されており、短手方向(図2における左右方向)で対向する1対の平坦壁(不図示)と、長手方向(図2における上下方向)において、平坦壁の周方向端部を連結する1対の弧状壁(不図示)とを有している。そして、ヨーク5に形成された1対の第1平坦部61、及びブラシホルダ収納部90に形成された1対の平坦壁91は、ブラシホルダ22の短手方向に配置される。
 上述のように形成された電動モータ2は、ヨーク5の外フランジ部52に形成されたボルト孔にボルト24を挿通し、ウォームギヤ減速機構4に螺合することで固定される。
 ウォームギヤ減速機構4には、ウォーム軸25及びウォームホイール26を収納するギヤハウジング23が設けられている。
 ギヤハウジング23に形成されたウォーム軸収容部27には、ウォーム軸25が収容されている。ウォーム軸25は、電動モータ2の回転軸3の他端側(図1における左側)に、カップリング等のジョイント部材88を介して連結されている。
 ウォーム軸25は、回転軸3と同軸上に設けられている。また、ウォーム軸25の両端側は、ウォーム軸収容部27に設けられた軸受40,41によって回転自在に支持されている。尚、ウォーム軸25の他端側(図1における左側)には、回転軸3と同様にスラストプレート38及びスチールボール37が設けられ、ウォーム軸25のスラスト荷重を受けている。
 ウォーム軸25に噛合されるウォームホイール26には、出力軸28が設けられている。出力軸28は、ウォームホイール26とともに回転可能に連結されており、電動モータ2の回転軸3の直交方向に沿うように設けられている。そして、出力軸28が回転することにより、車両のパワーウィンドウやサンルーフ、電動シート、ワイパ装置等の電装品を動作させる。
(効果)
 第1実施形態によれば、ヨーク5の筒部53に第1平坦部61を形成することにより、筒部53を円筒状に形成した場合よりも、電動モータ2を小型化することができる。また、第1平坦部61を避けた位置に永久磁石7を配置することで、永久磁石7の厚さに依存することなく電動モータ2の小型化を図ることができる。
 また、第1実施形態によれば、筒部53の開口部53bに、ブラシホルダ22を収納可能なブラシホルダ収納部90を一体成形しているので、低コストにブラシホルダ収納部90を形成することができる。
 また、第1実施形態によれば、ヨーク5の第1平坦部61と、ブラシホルダ収納部90の短手方向に配置された平坦壁91とが面一になるように形成されている。さらに、第1平坦部61の幅L1、及び弧状部63の幅R1は(1)式を満たすように形成されている。したがって、より狭小な幅L1を有する1対の第1平坦部61をブラシホルダ22の短手方向に配置することにより、ブラシホルダ収納部90を設けた場合であっても、電動モータ2全体の小型化、偏平化を図ることができる。
 さらに、第1実施形態によれば、減速機構付モータ装置1の駆動源に上述した小型な電動モータ2を採用しているので、減速機構付モータ装置1の小型化ができる。
(第1実施形態の変形例)
 次に、第1実施形態の変形例について、図3及び図4を用いて説明する。第1実施形態の電動モータ2には、ヨーク5に1対の第1平坦部61が形成されていた。しかし、本変形例の電動モータ2には、ヨーク5に2対の第1平坦部61が形成されており、隣接する各第1平坦部61を跨るように2対の弧状部63が形成されている点で、第1実施形態の電動モータ2とは異なっている。尚、第1実施形態と同様の構成部分については、詳細な説明を省略する。
 図3及び図4に示すように、2対の第1平坦部61のうち1対の第1平坦部61は、第1実施形態と同様に、ブラシホルダ22(図1参照)の短手方向(図3における左右方向)に設けられている。さらに、本変形例のヨーク5では、2対の第1平坦部61のうち他の1対の第1平坦部61が、ブラシホルダの長手方向(図3における左右方向)に設けられている。すなわち、ヨーク5には、第1平坦部61が90°ピッチで4個設けられている。また、弧状部63は、第1平坦部61と同様に90°ピッチで4個設けられており、隣接する第1平坦部61の周方向端部を連結している。そして、各弧状部63の内周面には4個の永久磁石7が固定されている。
 ここで、本変形例では、第1実施形態と同様に、対向する2対の第1平坦部61の幅をL1とし、対向する2対の弧状部63の幅をR1としたとき、第1平坦部61の幅L1、及び弧状部63の幅R1が、
 L1<R1・・・(1)
を満たすように設定されている。
 そして、図4に示すように、筒部53に形成された2対の第1平坦部61のうち1対の第1平坦部61は、ブラシホルダ収納部90に形成された1対の平坦壁91と面一になるように設けられている。また、1対の第1平坦部61及びブラシホルダ収納部90の平坦壁91は、ブラシホルダ(不図示)の短手方向(図4における左右方向)に配置されている。また、弧状部63は、ブラシホルダの短手方向以外の部分に配置されている。すなわち、筒部53に設けられた2対の第1平坦部61、及び2対の弧状部63のうち、より狭小な幅L1を有する1対の第1平坦部61が、ブラシホルダの短手方向に配置されている。
(第1実施形態の変形例の効果)
 第1実施形態の変形例によれば、弧状部63の幅よりも狭い幅を有する2対の第1平坦部61を形成することで、ブラシホルダの短手方向に加えて、長手方向においても電動モータ2の筒部53の小型化ができる。したがって、第1実施形態の効果に加えて、レイアウト性に優れた小型な電動モータ2、及びこの電動モータ2を使用した小型な減速機構付モータ装置1の提供ができる。
[第2実施形態]
(断面8角形のヨーク)
 次に、第2実施形態について、図5及び図6を用いて説明する。第1実施形態では、1対の第1平坦部61と、1対の弧状部63とにより、筒部53が断面略長円形状に形成されていた。また、第1実施形態の変形例では、2対の第1平坦部61と、2対の弧状部63とにより、筒部53が断面略長円形状に形成されていた。
 しかし、第2実施形態では、筒部53が断面8角形状に形成されている点で、第1実施形態の電動モータ2とは異なっている。尚、第1実施形態及び第1実施形態の変形例と同様の構成部分については、詳細な説明を省略する。
 図5及び図6に示すように、本実施形態の筒部53は断面8角形状に形成されており、2対の第1平坦部61と、隣接する第1平坦部61の周方向端部を直線的に連結する2対の第2平坦部62と、により形成されている。そして、第2平坦部62の内面62aには、平板形状に形成された永久磁石7が固定されている。
 筒部53の径方向における第1平坦部61の離間距離は、アーマチュア6の直径よりも若干広くなるように設定されている。また、筒部53の径方向における第2平坦部62の離間距離は、アーマチュア6の直径に、2個の永久磁石7の幅を加えた寸法よりも若干広くなるように設定されている。
 さらに、対向する第1平坦部61の幅をL1とし、対向する第2平坦部62の幅をL2としたとき、第1平坦部61の幅L1、及び第2平坦部62の幅L2が、
 L1<L2・・・(2)
を満たすように設定されている。
 そして、図6に示すように、筒部53の1対の第1平坦部61は、ブラシホルダ収納部90に形成された1対の平坦壁91と面一になるように設けられている。また、筒部53の第1平坦部61及びブラシホルダ収納部90の平坦壁91は、ブラシホルダ(不図示)の短手方向(図6における左右方向)に配置されている。すなわち、筒部53に設けられた1対の第1平坦部61、及び1対の第2平坦部62のうち、より狭小な幅L1を有する1対の第1平坦部61が、ブラシホルダの短手方向に配置されている。
(第2実施形態の効果)
 本実施形態によれば、筒部53を断面8角形状に形成することで、第1実施形態のように筒部53に弧状部63(図2参照)を形成した場合よりも、さらに電動モータ2の小型化ができる。
 また、第2平坦部62の内面62aに永久磁石7を固定するので、永久磁石7を平板形状に形成することができる。これにより、永久磁石7を略円弧形状に形成する場合と比較して、加工コストを低減させることができる。とりわけ、曲面を形成しにくいネオジ焼結磁石やネオジボンド磁石等の希土類磁石には効果的である。
 さらに、第2平坦部62の内面62aに形成された平坦面に平板状の永久磁石7を固定しているので、特に接着剤を用いて固定する場合には、永久磁石7を強固に固定することができる。
 尚、第1実施形態及び第2実施形態では、電動モータ2にウォームギヤ減速機構4を連結した場合について説明した。しかしながら、電動モータ2の連結先はウォームギヤ減速機構4に限られるものではなく、電動モータ2をウォームギヤ減速機構4以外のアクチュエータ機構や、他の外部機器に連結するようにしてもよい。
 第1実施形態及び第2実施形態では、減速機構付モータ装置1(駆動装置)が、例えば車両のパワーウィンドウ、サンルーフ、電動シート及びワイパ装置の少なくとも何れか1つの駆動用として用いられる場合について説明した。しかしながら、減速機構付モータ装置1の用途はこれらに限られるものではなく、例えば車両の電動パワーステアリングや車両以外の電装品など、さまざまな装置に適用することが可能である。
(第2実施形態の変形例)
 また、第2実施形態では、筒部53は断面8角形状に形成されており、2対の第1平坦部61と、隣接する第1平坦部61の周方向端部を直線的に連結する2対の第2平坦部62と、により形成されている場合について説明した。しかしながら、図7、図8に示すように、筒部53を断面略6角形状に形成してもよい。
 すなわち、第2実施形態の変形例における筒部53は、1対の第1平坦部61と、隣接する第1平坦部61の周方向端部を直線的に連結する2対の第2平坦部62と、により形成されている。そして、第2平坦部62の内面62aには、平板形状に形成された永久磁石7が固定されている。
 また、第1平坦部61と、ブラシホルダ収納部90の短手方向に配置された平坦壁91とが面一になるようにヨーク5が配置される(図8参照)。このようにヨーク5を配置することにより、筒部53を断面略6角形状に形成した場合であっても電動モータ2の扁平化を図ることができる。
[第3実施形態]
 以下に、図9及び図10を用いて第3実施形態の電動モータ102及びこの電動モータ102を用いた減速機構付モータ装置101の説明をする。
 図9及び図10に示す電動モータ102を用いた減速機構付モータ装置101は、例えば車両のパワーウィンドウ、サンルーフ、電動シート及びワイパ装置の少なくとも何れか1つの駆動用として用いられる。
 電動モータ102は、ヨーク105の筒部153内にアーマチュア106が回転自在に設けられ、筒部153の開口縁153bに形成されたブラシホルダ収納部190に、ブラシ130等を収納するブラシホルダユニット120(図11参照)が内嵌固定されたものである。
 ヨーク105は、例えば鉄等の金属からなる有底筒状の部材であり、深絞りによるプレス加工等により成型される。
 ヨーク105の大部分を占める筒部153は、軸方向平面視で中心軸Oを挟んで径方向で対向する1対の平坦部161と、1対の平坦部161を連結する弧状部163と、により構成されている。
 平坦部161の離間距離は、筒部153内に配置されるアーマチュア106の直径よりも若干広くなるように設定される。尚、平坦部161の離間距離は、後述するブラシホルダ122の平坦壁122aの離間距離に対応して設定される。
 弧状部163は、対向する平坦部161に跨るように形成されており、対向する平坦部161の周方向端部を接続している。弧状部163の曲率中心は、軸方向平面視でアーマチュア106の回転中心(すなわち中心軸O)と同一となるように設定される。また、弧状部163の内周面163aの曲率半径は、アーマチュア106の半径に後述の永久磁石107の厚さを加えた寸法よりも若干大きくなるように設定される。
 ヨーク105の筒部153の内周面153aには、永久磁石107が設けられている。永久磁石107には、ネオジ焼結磁石及びネオジボンド磁石の希土類磁石や、フェライト磁石等が使用される。永久磁石107は、軸方向平面視で略円弧形状に形成されている。
 永久磁石107の内周面の曲率半径は、アーマチュア106の半径よりも若干大きくなるように設定される。また、永久磁石107の外周面の曲率半径は、筒部153に形成された弧状部163の内周面163aの曲率半径と略同一となるように設定される。また、永久磁石107の軸方向の長さは、ヨーク105の筒部153の軸方向の長さと略同一に設定される。
 また、永久磁石107は、筒部153の弧状部163側に永久磁石107の外周面を向け、弧状部163の内周面163aに4個固定されている。尚、永久磁石107は、弧状部163の内周面163aに接着剤等により貼付される。
 4個の永久磁石107は、周方向に沿ってN極及びS極の磁極が交互になるように配置されている。そして、4個の永久磁石107は、N極及びS極の磁極がそれぞれ対向するように配置されている。また、隣り合う永久磁石107のピッチ角は、約90°になるように設定されている。すなわち、電動モータ102は、2極対のモータを構成している。
 ヨーク105の底壁151の略中央には、中心軸Oに沿って外側に突出するボス119が形成されている。ボス119の内周面には、円環状の金属等からなる軸受118が圧入固定されている。回転軸103の一端側(図9における右側)は、軸受118を介してヨーク105のボス119に軸支されている。
 また、ボス119の底部には、スラストプレート154が設けられている。スラストプレート154は、スチールボール155を介して回転軸103のスラスト荷重を受けている。スチールボール155は、回転軸103とスラストプレート154との間の摺動抵抗を減少するとともに回転軸103の芯ズレを吸収している。
 ヨーク105の筒部153には、開口縁153b側(図9における左側)に、ブラシホルダ収納部190が一体成形されている。ブラシホルダ収納部190の周壁190aは、後述のブラシホルダユニット120を収納するためのものである。ブラシホルダ収納部190の周壁190aは、軸方向平面視で略長円形状に形成されており、径方向の一方向(図10における上下方向)が長手方向となり、径方向の他方向(図10における左右方向)が短手方向となっている。
 ブラシホルダ収納部190の周壁190aは、短手方向で対向する平坦面を有する1対の平坦部191と、1対の平坦部191に跨るように形成されており、長手方向において対向する平坦部191の周方向端部を接続する1対の弧状部192とを有している。
 ブラシホルダ収納部190の1対の平坦部191及び1対の弧状部192は、後述するブラシホルダ122の外形に対応して形成されている。すなわち、ブラシホルダ収納部190の平坦部191の離間距離は、ブラシホルダ122の平坦壁122aの幅に対応して設定される。また、ブラシホルダ収納部190の弧状部192の内周面における曲率半径は、ブラシホルダ122の弧状壁122bの曲率半径に対応して設定される。
 また、ブラシホルダ収納部190側の周壁190aには、電動モータ102をウォームギヤ減速機構104に締結固定するための外フランジ部152が設けられている。
 外フランジ部152は、ブラシホルダ収納部190の長手方向に沿って長くなるように軸方向平面視略5角形状に形成され、且つ頂点となる部分が長手方向に位置するように形成されている。また、外フランジ部152の短手方向の幅は、ブラシホルダ収納部190に設けられた1対の平坦部191の幅よりも若干大きくなるように設定されている。
 また、外フランジ部152の長手方向における一端側(図10における上側)には、頂点となる部分にボルト孔(不図示)が1つ形成されると共に、他端側(図10における下側)には各角部にそれぞれボルト孔(不図示)が形成されている。各ボルト孔には、ボルト144が挿通される。
(アーマチュア)
 ヨーク105の筒部153内に回転自在に設けられたアーマチュア106は、回転軸103に外嵌固定されたアーマチュアコア108と、アーマチュアコア108に巻装されたアーマチュアコイル(不図示)と、回転軸103の他端側に配置されたコンミテータ110とを備えている。アーマチュアコア108は、電磁鋼板等からなるリング状の板部材111を軸方向に複数枚積層したものである。
 図10に示すように、板部材111の外周部には、軸方向平面視で略T字状に形成された10個のティース112が、周方向に沿って等間隔且つ放射状に配置されている。各ティース112は、径方向に延出する巻胴部112aと、巻胴部112aの先端に設けられ周方向に張り出した外周部112bとで構成されている。
 アーマチュアコア108の外周には、軸方向に沿って延在する溝状のスロット113が形成されている。スロット113は、回転軸103に複数枚の板部材111を外嵌固定することにより形成され、隣接するティース112の外周部112b間に形成される。前述のとおりティース数が10個であるため、ティース112間のスロット113も10スロット形成される。
また、ティース112が周方向に沿って等間隔に配置されているため、各スロット113も周方向に沿って等間隔に複数形成される。
 各スロット113間には、樹脂等の絶縁材料からなるインシュレータ(不図示)が設けられている。そして、ティース112の巻胴部112aに、インシュレータを介して巻線(不図示)が巻装される。これにより、アーマチュアコア108の外周に、複数のアーマチュアコイル(不図示)が形成される。
 回転軸103の他端側(図9における左側)に外嵌固定されるコンミテータ110の外周面には、導電材で形成されたセグメント115が10枚取り付けられている。
 セグメント115は、軸線方向に長い板状の金属片により形成されている。そして、セグメント115は、互いに離間して絶縁された状態で周方向に沿って等間隔に並列に固定されている。したがって、電動モータ102は、永久磁石107が4個、スロット113が10スロット、セグメント115が10枚の、4極10スロット10セグメントで構成された直流モータとなっている。
 各セグメント115のアーマチュアコア108側の端部には、外径側に折り返す形で折り曲げられたライザ(不図示)が一体成形されている。ライザには、アーマチュアコイルの巻線が掛け回わされ、巻線は例えばヒュージングによりライザに固定されている。これにより、セグメント115と、これに対応するアーマチュアコイルとが導通される。
 セグメント115には、このセグメント115に電力を供給するためのブラシ130(図11参照)が摺接されている。ここでブラシ130は、ブラシホルダ収納部190の周壁190aに収納されているブラシホルダ122に設けられている。
(ブラシホルダユニット)
 図11は、ブラシホルダユニット120の斜視図、図12は、ブラシホルダユニット120の平面図、図13は、ブラシホルダユニット120の底面図である。
 ブラシホルダユニット120は、本体部分を構成するブラシホルダ122と、ブラシホルダ122を貫通するターミナル132と、ブラシ130を付勢するスプリング121と、ブラシホルダユニット120上の各部品(図12参照)を電気的に接続するジャンパ線133(図13参照)、及び各リード線134(134a~134f)と、外部電源から供給される電流のノイズを抑制するコンデンサ126及びチョークコイル127と、過電流から電動モータ102を保護する熱保護素子135と、により構成されている。
(ブラシホルダ)
 ブラシホルダ122は、軸方向平面視で略長円形状に形成された、樹脂等からなる部材である。ブラシホルダ122は、短手方向で対向した平坦面を有する1対の平坦壁122aと、長手方向両端に配置され、1対の平坦壁に跨るように設けられた1対の弧状壁122bとを有している。1対の平坦壁122aと、1対の弧状壁122bとにより囲まれた領域に、ブラシ130、ターミナル132、ジャンパ線133、各リード線134、コンデンサ126、チョークコイル127、及び熱保護素子135を配置している。
 ブラシホルダ122の略中央には、ブラシホルダ122を貫通する貫通孔122cが形成されており、回転軸103を軸支する軸受部となっている。貫通孔122cには、すべり軸受140が圧入されている。すべり軸受140は、外形が略球形状をしており、貫通孔122cに組み付けられた状態で傾動する。したがって、すべり軸受140が傾動することにより、回転軸103が軸ずれした場合でも、摺動抵抗により発生する負荷を最小限に抑制し、回転軸103が効率よく回転できるようにしている。
 また、ブラシホルダ122には、貫通孔122cよりも弧状壁122b側(図12における上側)であって、軸方向平面視で中心軸Oを通り長手方向に沿った直線L(図12参照)を挟んで両側に、ターミナル132が設けられている。ターミナル132は、銅等の金属からなる部材である。
 ターミナル132は、ブラシホルダ122を軸方向に貫通しており、ブラシホルダ122の外側(図13に示す面側)では、ターミナル132に外部電源から延出されたハーネス(不図示)等が接続され、外部電源と電気的に接続される。
 また、ブラシホルダ122の長手方向における弧状壁122bの内側には、ブラシ130を収納するホルダ部131が設けられている。ホルダ部131は、ブラシ130に対応した形状でブラシ130を覆うように、略直方体形状に形成されている。ホルダ部131は、機械角で90°周方向に間隔を空けた状態で、ホルダ部131の長手方向が電動モータ102の径方向に沿うように形成されており、径方向における両端が開口している。すなわち、ホルダ部131は略直方体の箱状に形成されており、ホルダ部131の内部に、径方向に沿ってブラシ130が収納されている。
 また、ホルダ部131のヨーク側(図11における上側)の壁部には、スリット131cが形成されている。スリット131cは、ホルダ部131の長手方向に沿うように、且つ径方向に沿うように形成されている。スリット131cの幅は、後述のブラシ130から延出されたピグテール136の直径よりも広くなるように設定されている。
 ホルダ部131の外径側の開口部131aには、後述のスプリング121の押圧部121aが配置されている。また、ホルダ部131の内径側の開口部131bからは、スプリング121により押圧されたブラシ130の内径側端面が突出し、セグメント115に摺接している。このように、ホルダ部131には、ブラシ130の内径側端面が径方向に沿って出没自在に収納されている。
 ブラシホルダ122に収納されるブラシ130は、略直方体形状をしたカーボン等の導電性材料からなる、略直方体形状に形成された部材である。ブラシ130は、ブラシホルダ122に2個設けられており、一方が陽極ブラシ、他方が陰極ブラシとなっている。一対のブラシ130は、機械角で90°周方向に間隔を空けた状態で、ブラシ130の長手方向が電動モータ102の径方向に沿うように配置されている。
 ブラシ130の長手方向における外径側端面130aは、平坦に形成されており、後述するスプリング121の押圧部121aが当接する。そして、ブラシ130は、スプリング121によって内径側に押圧される。
 また、ブラシ130からは、軸方向に沿ってピグテール136が延出している。ピグテール136は銅等からなる撚線である。ピグテール136の一端側は、例えばハンダ等によりブラシ130に接続されている。また、ピグテール136の他端側は、例えばハンダ等により後述するチョークコイル127に接続されている。ピグテール136は、ホルダ部131に形成されたスリット131cを介して外側に延出されている。
 ブラシ130の短手方向(弧状壁122bの周方向)には、スプリング121がホルダ部131に隣接して配置されている。スプリング121は、機械角で90°周方向に間隔を空けて配置された2個のブラシ130の間に配置される。
 スプリング121は、鋼等の線状の金属部材からなる、いわゆるねじりコイルばねであり、市販品を用いることができる。
 また、スプリング121は、2個のブラシ130をそれぞれ同じように押圧する必要がある。したがって、図12に示すように、2個のブラシの間に2個のスプリング121を配置する場合、スプリング121の形状は、直線L(図12参照)に対して線対称形状となるように形成される。
 スプリング121は、線状の金属部材が螺旋状に巻回された、筒状の巻回部121cを有している。巻回部121cは、軸方向に沿うようにホルダ部131に隣接して立設形成されたスプリング挿入部123に挿入される。
 また、巻回部121cの一端側(図11における下側)には、巻回部121cの接線方向に延出された押圧部121aが形成されている。押圧部121aの先端は、内径側に湾曲して形成されている。押圧部121aは、ホルダ部131の外径側に形成された係止部125により係止されて保持されると共に、押圧部121a先端の湾曲部分がブラシ130の外径側端面130aに当接する。そして、スプリング121の付勢力によりブラシ130を内径側に押圧している。
 巻回部121cの他端側(図11における上側)には、巻回部121cの接線方向に延出された係止部121bが形成されている。係止部121bは、スプリング挿入部123の内径側に形成された支持壁124を押圧した状態で、スプリング121の付勢力により係止される。
 ブラシ130を挟んでスプリング121と反対側であって、ブラシホルダ122の平坦壁122aの内側には、チョークコイル127が配置されている。チョークコイル127は、フェライト等の磁性材料に銅線を巻きつけたものである。チョークコイル127は、ブラシホルダユニット120に構成されている電気回路139(図14参照)に、電流の高周波成分が流れるのを阻止し、ノイズの発生を抑制するために用いられている。
 チョークコイル127の一端側は、ブラシ130のピグテール136に接続されている。また、チョークコイル127の他端側は、リード線134やジャンパ線133等を介して、外部電源を供給するターミナル132と接続されている。
 中心軸O(回転軸103)を挟んでブラシ130の反対側には、電気回路139を保護するための熱保護素子135が配置されている。熱保護素子135は、略長方形状をした平板状の部材である。熱保護素子135は、ブラシホルダ122に軸方向平面視で略U字形状に形成された熱保護素子保持部138により挟持され、軸方向に沿って立設された状態で保持されている。
 熱保護素子135としては、例えばPTCサーミスタ(Positive Temperature Coefficient Thermistor)が採用される。PTCサーミスタは、温度が上昇するにつれて電気抵抗が増大する素子である。例えば、電動モータ102の回転負荷が増大するなどして過電流が流れ、電動モータ102が過熱したときに、電気回路139に流れる過電流を遮断して電気回路139を保護している。尚、熱保護素子135として、PTCサーミスタに換えて、バイメタルからなるサーキットブレーカや過電流により溶断するヒューズ等を採用してもよい。
 また、熱保護素子135を挟んで中心軸O(回転軸103)の反対側には、雑防素子としてコンデンサ126が配置されている。コンデンサ126は、ブラシホルダユニット120に構成されている電気回路139に電流の高周波成分が流れるのを阻止している。コンデンサ126は2個設けられており、リード線134e,134fによってブラシ130に接続されている。
 2個のコンデンサ126の間には、中点端子137が接続されている。中点端子137はグラウンドに接地されており、高周波成分を放出している。尚、第3実施形態ではコンデンサ126を2個使用しているが、ノイズを除去するために要求される静電容量によりコンデンサの個数は変更しうる。
 図14は、電気回路139の説明図である。
 同図に示すように、ブラシホルダユニット120上では、ブラシ130、チョークコイル127、熱保護素子135、及びコンデンサ126が電気的に接続されることにより、電気回路139が構成されている。
 ブラシ130とチョークコイル127とは、リード線134a,134b,134c,134dを介して直列接続されている。一方側(図12における右側)のチョークコイル127と熱保護素子135とは、ジャンパ線133を介して直列接続されている。コンデンサ126は、リード線134e,134fを介してチョークコイル127と並列接続されており、チョークコイル127とともに、いわゆるローパスフィルタを構成している。
 上述のように構成されたブラシホルダユニット120は、ヨーク105に形成されたブラシホルダ収納部190に収納される。ブラシホルダユニット120は、ブラシホルダ収納部190の平坦部191がブラシホルダ122の平坦壁122aと接し、ブラシホルダ収納部190の弧状部192がブラシホルダ122の弧状壁122bと接した状態で、ブラシホルダ収納部190をカシメ等することで嵌合される。すなわち、ブラシホルダユニット120は、ヨーク105の開口を閉塞するように設けられている。
 また、上述のように形成された電動モータ102は、ヨーク105の外フランジ部152に形成されたボルト孔にボルト144を挿通し、ウォームギヤ減速機構104に螺合することで固定される。
 ウォームギヤ減速機構104には、ウォーム軸145及びウォームホイール146を収納するギヤハウジング143が設けられている。
 ギヤハウジング143に形成されたウォーム軸収容部147には、ウォーム軸145が収容されている。ウォーム軸145は、電動モータ102の回転軸103の他端側(図9における左側)に、カップリング等のジョイント部材188を介して連結されている。
 ウォーム軸145は、回転軸103と同軸上に設けられている。また、ウォーム軸145の他端側は、ウォーム軸収容部147に設けられた軸受141によって回転自在に支持されている。尚、ウォーム軸145の他端側(図9における左側)には、回転軸103と同様にスラストプレート158及びスチールボール157が設けられ、ウォーム軸145のスラスト荷重を受けている。
 ウォーム軸145に噛合されるウォームホイール146には、出力軸148が設けられている。出力軸148は、ウォームホイール146とともに回転可能に連結されており、電動モータ102の回転軸103の直交方向に沿うように設けられている。そして、出力軸148が回転することにより、車両のパワーウィンドウやサンルーフ、電動シート、ワイパ装置等の電装品を動作させる。
(効果)
 第3実施形態の電動モータ102によれば、回転軸103を挟んで2個のブラシ130とは反対側に熱保護素子135を配置しているので、2個のブラシ130が配置されていないスペースを利用して、効率的に電動モータ2の構成部品を配置することができる。特に、磁極数が4極であり、機械角で90°周方向に間隔を空けて2個のブラシを配置した電動モータ102の小型化を図ることができる。
 また、回転軸103の近傍に熱保護素子135を配置できるので、アーマチュア106及び電気回路139の各部品の温度を精度よく感知して、電気回路139に流れる電流を遮断できる。
 ここで、ブラシホルダユニット120は、ヨーク105の開口を閉塞するように設けられている。したがって、熱保護素子135は、特に発熱しやすいアーマチュア106に巻回されたアーマチュアコイルの温度を精度良く検知し、熱害から有効に保護することができる。
 また、第3実施形態の電動モータ102によれば、ブラシホルダ122が軸方向平面視で長円形状に形成されているので、ブラシホルダ122を軸方向平面視で円形状に形成する場合よりも、電動モータ102の小型化及び薄型化ができる。
 さらに、ブラシホルダ122の弧状壁122bの内側にブラシ130と熱保護素子135とを配置したので、ブラシホルダ122の長手方向に、効率的に電動モータ102の構成部品を配置することができる。したがって、効率的に電動モータ102の構成部品を配置することができるので、電動モータ102の小型化ができる。
 また、第3実施形態の電動モータ102では、熱保護素子135を挟んでアーマチュア106の回転軸とは反対側に、雑防素子としてコンデンサ126を配置している。前述のとおり熱保護素子135は平板形状をした部材であり、軸方向に沿って立設されている。このため、コンデンサ126は、ブラシホルダ122の弧状壁122bと、熱保護素子135とによって周囲を囲まれた状態となっている。
 したがって、第3実施形態の電動モータ102によれば、熱保護素子135が防護壁の機能を有しているので、ブラシ130から発生する導電性の磨耗粉がコンデンサ126に付着するのを防止できる。これにより、例えば2個のコンデンサ126周りの端子間に磨耗粉が付着するなどし、電気回路139に不良が発生するのを抑制できる。
 また、第3実施形態の電動モータ102によれば、筒部153の開口縁153bに、ブラシホルダ122を収納可能なブラシホルダ収納部190を一体成形しているので、低コストにブラシホルダ収納部190を形成することができる。
 また、第3実施形態の電動モータ102によれば、2個のブラシ130と熱保護素子135との間であって、ブラシホルダ122に形成された1対の平坦壁122aの内側にチョークコイル127を配置しているので、スペースを有効活用して効率的にチョークコイル127を配置することができる。したがって、ノイズ対策としてチョークコイル127を設けた場合であっても電動モータ102の小型化ができる。
 また、第3実施形態の電動モータ102によれば、コンデンサ126とチョークコイル127とを備えているので、コンデンサ126を並列接続し、チョークコイル127を直列接続することで電気回路139内にローパスフィルタを設けることができる。これにより、高周波ノイズが除去されるので、高性能な電動モータ102を提供することができる。
 尚、第3実施形態では、電動モータ102にウォームギヤ減速機構104を連結した場合について説明した。しかしながら、電動モータ102の連結先はウォームギヤ減速機構104に限られるものではなく、電動モータ102をウォームギヤ減速機構104以外のアクチュエータ機構や、他の外部機器に連結するようにしてもよい。
 第3実施形態では、減速機構付モータ装置1(駆動装置)が、例えば車両のパワーウィンドウ、サンルーフ、電動シート及びワイパ装置の少なくとも何れか1つの駆動用として用いられる場合について説明した。しかしながら、減速機構付モータ装置1の用途はこれらに限られるものではなく、例えば車両の電動パワーステアリングや車両以外の電装品など、さまざまな装置に適用することが可能である。
 第3実施形態では、ヨーク105の筒部153に1対の平坦部161を形成し、ブラシホルダ122の短手方向に配置することで、電動モータ102の小型化及び薄型化をしていた。しかし、ヨーク105の筒部153に、短手方向の平坦部161に加えて長手方向にも平坦部を形成することにより、長手方向に弧状部163を形成した場合よりも筒部153の小型化ができる。
 第3実施形態では、ノイズ対策としてコンデンサ126及びチョークコイル127をそれぞれ2個設けている。しかし、コンデンサ126及びチョークコイル127の個数はこれに限られず、アーマチュアコイルの巻数等により適宜設定される設計事項である。
[第4実施形態]
 (電動モータ)
 次に、この発明の第4実施形態を図面に基づいて説明する。
 図15は、電動モータの縦断面図、図16は、電動モータのアーマチュアコア付近の横断面図である。
 図15、図16に示すように、電動モータ201は、不図示の減速機構と一体となって、例えば車両のパワーウィンドウやサンルーフの駆動用として用いられるものである。電動モータ201は、有底筒状のモータケース205内にアーマチュア206が回転自在に設けられ、モータケース205の開口部205a側にブラシホルダユニット207が内嵌固定されたものである。
 モータケース205は、金属板をプレス加工等によって深絞り成型したものであって、有底筒状のヨーク208と、ヨーク208の開口部端に一体形成されたブラシホルダ収納部209とで構成されている。つまり、ブラシホルダ収納部209の開口部がモータケース205の開口部205aになっている。
 ヨーク208の底部180には、径方向略中央に、軸方向外側に向かって突出する有底筒状のボス部211が一体形成されており、ここに軸受211aが内側から挿入されている。軸受211aは、アーマチュア206の回転軸212の一端を回転自在に支持し、ラジアル荷重やスラスト荷重を受ける構造になっている。
 ヨーク208の周壁281は、回転軸212を中心に対向配置されている1対の平坦部281aと、これら1対の平坦部281aの周方向端部をそれぞれ連結する弧状部281bとにより構成されている。
 また、ヨーク208の周壁281には、平坦部281aを避けるように、弧状部281bの内面に永久磁石214が4つ設けられている。永久磁石214は、ネオジ焼結磁石及びネオジボンド磁石の希土類磁石や、フェライト磁石等が使用される。永久磁石214は、弧状部281bの曲率半径に対応するように断面略円弧状に形成されている。また、4つの永久磁石214は、周方向に沿ってN極及びS極の磁極が交互になるように配置されており、N極及びS極の磁極がそれぞれ対向するようになっている。
 ヨーク208の開口部端に一体形成されたブラシホルダ収納部209は、軸方向に直交する方向に沿って長くなるように略長円形状に形成されている。すなわち、ブラシホルダ収納部209の周壁は、回転軸212を挟んで径方向に対向配置され平面視長方形状の1対の平坦部291,291と、平坦部291,291の周方向両端、つまり、長手方向両端を連結する1対の弧状部292,292とを有している。
 1対の平坦部291,291は、それぞれ回転軸212を中心にして対向配置されたヨーク208の平坦部281aと面一になるように設けられている。
 ブラシホルダ収納部209の開口部端には、電動モータ201を不図示の減速機構に締結固定するための外フランジ部217が形成されている。外フランジ部217には、複数のボルト孔(不図示)が形成されている。
 モータケース205内に回転自在に設けられたアーマチュア206は、回転軸212のヨーク208に対応する位置に外嵌固定されたアーマチュアコア261と、アーマチュアコア261に巻装されたアーマチュアコイル262(コイルC1~C5’(図19参照、詳細は後述する))と、回転軸212の他端側(図15における上側)に配置され、且つブラシホルダ収納部209に対応する位置に外嵌固定されたコンミテータ263とを備えている。
 回転軸212の他端は、ブラシホルダユニット207のよりも軸方向外側に突出しており、この突出した部位に三つ又状に形成されたジョイントモータ227が取り付けられている。ジョイントモータ227は、この先に取り付けられる不図示の減速機構に連結され、回転軸212の回転力を減速機構に伝達する役割を有している。
 コンミテータ263は、回転軸212の他端側に外嵌固定されている。コンミテータ263の外周面には、導電材で形成されたセグメント268が10枚取り付けられている。
 セグメント268は軸方向に長い板状の金属片からなり、互いに絶縁された状態で周方向に沿って等間隔に並列に固定されている。
 各セグメント268のアーマチュアコア261側の端部には、外径側に折り返す形で折り曲げられたライザ269が一体成形されている。ライザ269には、アーマチュアコイル262の巻き始め端243aと巻き終わり端243b(図19参照)が掛け回わされ、これらがヒュージングによりライザ269に固定されている。これにより、セグメント268とこれに対応するアーマチュアコイル262とが導通される。
 セグメント268には、ブラシホルダ収納部209に収納されているブラシホルダユニット207に設けられたブラシ210が摺接されている。ブラシホルダユニット207は、アーマチュアコア261側が開口された箱状のブラシホルダ270を有している。このブラシホルダ270内に、ブラシ210がセグメント268に向かって付勢された形で設けられている。ブラシ210は、コンミテータ263のセグメント268に摺接することで、不図示の外部電源とセグメント268と電気的に接続するためのものである。これにより、不図示の外部電源の電力がアーマチュアコイル262に供給される。
 また、ブラシホルダ270の底壁271には、中央部に軸方向外側に向かって、つまり、アーマチュアコア261とは反対側に向かって膨出するように、膨出部275が形成されている。この膨出部275の中央には、軸受部276が一体成形されている。この軸受部276に、回転軸212の他端を回転自在に支持するためのすべり軸受273が圧入されている。
 さらに、ブラシホルダ270内には、ブラシ210と不図示の外部電源との電源ラインの途中にチョークコイル272等の雑防素子が設けられている。この他に、ブラシホルダ270内には、アーマチュアコイル262に供給される電流を平滑化するためのコンデンサ(不図示)等が設けられている。
(アーマチュアコア)
 図17は、アーマチュアコアを構成するコアプレートの平面図である。
 ここで、図17に示すように、アーマチュアコイル262が巻装されるアーマチュアコア261は、異形状に形成された所謂異形コアと呼ばれるものである。より詳しく以下に説明する。
 図15、図17に示すように、アーマチュアコア261は、金属板にプレス加工等を施して形成されたコアプレート264を複数枚積層したものである。コアプレート264は、回転軸212に外嵌固定されるリング状のコア本体241を有している。このコア本体241の外周縁には、10個のティースT1~T10(1番ティースT1~10番ティースT10)が周方向に沿って、且つ径方向外側に向かって突設されている。
 複数枚のコアプレート264を積層することにより、アーマチュアコア261の外周には、隣接するティースT1~T10間に蟻溝状の10個のスロットS1~S10(1番スロットS1~10番スロットS10)が形成される。したがって、電動モータ201は、永久磁石214が4つ、スロットS1~S10が10個、セグメント268が10枚の4極10スロット10セグメントで構成されている。
 各スロットS1~S10には、エナメル被覆の巻線243が巻装され、これによりアーマチュアコア261の外周にアーマチュアコイル262が形成される。尚、各ティースT1~T10への巻線243の巻装方法についての詳細は後述するが、巻線243の巻装方向は、図17における反時計回り(矢印Y1参照)である。
 ここで、各ティースT1~T10は、巻線243が巻装される巻胴部244と、巻胴部244の先端に一体成形され、周方向に延びる係止部245とを有しており、軸方向平面視略T字状に形成されている。そして、各ティースT1~T10の巻胴部244が、径方向に沿って放射状に延びる仮想基準ティースKT(図17に2点鎖線で示す)に対して傾倒した状態になっている。
 仮想基準ティースKTとは、異形コアでない所謂ノーマルコアの場合に形成され、コア本体241から径方向に対して平行に延びるティースであり、各ティースT1~T10の巻胴部244は、この径方向中央の基準点Pを中心にして所定の方向に傾倒した状態になっている。
 すなわち、1番ティースT1の巻胴部244は、この径方向中央の基準点Pを中心にして係止部245側の先端が巻線243の巻装方向Y1とは反対側に向かって所定角度だけ傾倒している。このとき、1番ティースT1の係止部245の位置は、仮想基準ティースKTの位置のままであるので、係止部245の周方向中央よりも、やや巻装方向Y1とは反対側に巻胴部244の先端が接続された状態になっている。
 一方、2番ティースT2の巻胴部244は、この径方向中央の基準点Pを中心にして係止部245側の先端が巻線243の巻装方向Y1側に向かって所定角度だけ傾倒している。このとき、2番ティースT1の係止部245の位置は、仮想基準ティースKTの位置のままであるので、係止部245の周方向中央よりも、やや巻装方向Y1側に巻胴部244の先端が接続された状態になっている。
 また、3番ティースT3、4番ティースT4、及び5番ティースT5も、2番ティースT2と同様に形成されている。
 ここで、1番ティースT1~5番ティースT5により、1つのティース群251を構成しており、6番ティースT6~10番ティースT10は、ティース群251を回転軸212を中心にして点対称に配置した他のティース群252を構成している。すなわち、アーマチュアコア261は、2つのティース群251,252により構成されている。
 そして、6番ティースT6は1番ティースT1に対して点対称に形成され、7番ティースT7は2番ティースT2に対して点対称に形成され、8番ティースT8は3番ティースT3に対して点対称に形成され、9番ティースT9は4番ティースT4に対して点対称に形成され、10番ティースT10は5番ティースT5に対して点対称に形成されている。
 このように形成された各ティースT1~T10により、これらティースT1~T10間に形成されるスロットS1~S10も、隣接する仮想基準ティースKT,KT間に形成される仮想基準スロットKSに対して異形状になる。
 すなわち、10番ティースT10と1番ティースT1との間に形成される1番スロットS1は、仮想基準スロットKSに対して径方向内側のスロット幅H1が広がる一方、径方向外側のスロット幅H2が狭くなる。
 また、1番ティースT1と2番ティースT2との間に形成される2番スロットS2は、仮想基準スロットKSに対して径方向内側のスロット幅H3が狭くなる一方、径方向外側のスロット幅H4が広がる。
 さらに、2番ティースT2と3番ティースT3との間に形成される3番スロットS3は、仮想基準スロットKSに対してやや巻装方向Y1側にずれたような形になっている。4番スロットS4、及び5番スロットS5も3番スロットS3と同様の形になっている。
 また、6番スロットS6~10番スロットS10は、1番スロットS1~5番スロットS5に対して点対称になっている。すなわち、6番スロットS6は1番スロットS1に対して点対称に形成され、7番スロットS6は2番スロットS2に対して点対称に形成され、8番スロットS8は3番スロットS3に対して点対称に形成され、9番スロットS9は4番スロットS4に対して点対称に形成され、10番スロットS10は5番スロットS5に対して点対称に形成されている。
(巻装工程)
 次に、図18A~図19に基づいて、巻線243の巻装工程について説明する。
 図18A~図18Eは、巻線の巻装工程の説明図である。図19は、アーマチュアの展開図であって、隣接するティースT1~T10間の空隙がスロットS1~S10に相当している。尚、図19においては、各セグメント268に符号を付して説明する。
 ここで、図19に示すように、同電位となるセグメント268同士のライザ269、つまり、第4実施形態では周方向に4つ置きに存在するセグメント268同士のライザ269には、それぞれ接続線(均圧線)225が掛け回されている。接続線225は、同電位となるセグメント268同士を短絡するためのものであって、ライザ269にヒュージングにより固定されている。
 また、図18A~図19に示すように、アーマチュアコア261への巻線243の巻装方式は、1つ置きに存在するスロットS1~S10間に巻線243が巻装される所謂分布巻き方式になっている。
 より具体的には、図18A、図19に示すように、まず、巻線243の巻き始め端243aを1番セグメント268のライザ269に掛け回し、1番セグメント268と巻線243とを接続した後、巻線243を1番スロットS1に引き込む。そして、この1番スロットS1と3番スロットS3との間でn回(nは自然数)巻装し、1番コイルC1を形成する。
 この後、1番コイルC1の巻き終わり端243bを6番スロットS6に引き込む。そして、この6番スロットS6と8番スロットS8との間でn回巻装し、1’番コイルC1’を形成する。さらに、1’番コイルC1’の巻き終わり端243bを1番セグメント268に隣接する2番セグメント268と同電位となる7番セグメント268のライザ269に掛け回し、7番セグメント268と巻線243とを接続する。これにより、1番コイルC1、及び1’番コイルC1’の巻装工程が完了する。
 ここで、1番コイルC1、及び1’番コイルC1’はアーマチュアコア261上に最初に形成されたコイルであるので、アーマチュアコア261の径方向内側に最も寄った状態で形成されている。
 続いて、図18B、図19に示すように、巻線243の巻き始め端243aを2番セグメント268のライザ269に掛け回し、2番セグメント268と巻線243とを接続した後、巻線243を2番スロットS2に引き込む。そして、この2番スロットS2と4番スロットS4との間でn回巻装し、2番コイルC2を形成する。
 この後、2番コイルC2の巻き終わり端243bを7番スロットS7に引き込む。そして、この7番スロットS7と9番スロットS9との間でn回巻装し、2’番コイルC2’を形成する。さらに、2’番コイルC2’の巻き終わり端243bを2番セグメント268に隣接する3番セグメント268と同電位となる8番セグメント268のライザ269に掛け回し、8番セグメント268と巻線243とを接続する。これにより、2番コイルC2、及び2’番コイルC2’の巻装工程が完了する。
 ここで、2番コイルC2の巻線243が引き込まれている2番スロットS2には、先に形成された1番コイルC1が掛け渡されている。このため、2番スロットS2において、2番コイルC2は、1番コイルC1の径方向外側に形成された状態になる。一方、4番スロットS4においては、2番コイルC2が最も径方向内側に寄った状態になっている。また、2’番コイルC2’も1’番コイルC1’に対して同様である。
 続いて、図18C、図19に示すように、巻線243の巻き始め端243aを3番セグメント268のライザ269に掛け回し、3番セグメント268と巻線243とを接続した後、巻線243を3番スロットS3に引き込む。そして、この3番スロットS3と5番スロットS5との間でn回巻装し、3番コイルC3を形成する。
 この後、3番コイルC3の巻き終わり端243bを8番スロットS8に引き込む。そして、この8番スロットS8と10番スロットS10との間でn回巻装し、3’番コイルC3’を形成する。さらに、3’番コイルC3’の巻き終わり端243bを3番セグメント268に隣接する4番セグメント268と同電位となる9番セグメント268のライザ269に掛け回し、9番セグメント268と巻線243とを接続する。これにより、3番コイルC3、及び3’番コイルC3’の巻装工程が完了する。
 ここで、3番コイルC2の巻線243が引き込まれている3番スロットS3には、先に形成された1番コイルC1が引き込まれていると共に、2番コイルC2が掛け渡されている。このため、3番スロットS2において、3番コイルC3は、アーマチュアコア261の径方向外側に最も寄った状態で形成されている。一方、5番スロットS5においては、3番コイルC3が最も径方向内側に寄った状態になっている。また、3’番コイルC3’も1’番コイルC1’、及び2’番コイルC2’に対して同様である。
 続いて、図18D、図19に示すように、巻線243の巻き始め端243aを4番セグメント268のライザ269に掛け回し、4番セグメント268と巻線243とを接続した後、巻線243を4番スロットS4に引き込む。そして、この4番スロットS4と6番スロットS6との間でn回巻装し、4番コイルC4を形成する。
 この後、4番コイルC4の巻き終わり端243bを9番スロットS9に引き込む。そして、この9番スロットS9と1番スロットS1との間でn回巻装し、4’番コイルC4’を形成する。さらに、4’番コイルC4’の巻き終わり端243bを4番セグメント268に隣接する5番セグメント268と同電位となる10番セグメント268のライザ269に掛け回し、10番セグメント268と巻線243とを接続する。これにより、4番コイルC4、及び4’番コイルC4’の巻装工程が完了する。
 ここで、4番コイルC4の巻線243が引き込まれている4番スロットS4には、先に形成された2番コイルC2が引き込まれていると共に、3番コイルC3が掛け渡されている。このため、4番スロットS4において、4番コイルC4は、アーマチュアコア261の径方向外側に最も寄った状態で形成されている。一方、6番スロットS6においては、4番コイルC4が最も径方向内側に寄った状態になっている。また、4’番コイルC4’も2’番コイルC2’、及び3’番コイルC3’に対して同様である。
 続いて、図18E、図19に示すように、巻線243の巻き始め端243aを5番セグメント268のライザ269に掛け回し、5番セグメント268と巻線243とを接続した後、巻線243を5番スロットS5に引き込む。そして、この5番スロットS4と7番スロットS7との間でn回巻装し、5番コイルC5を形成する。
 この後、5番コイルC5の巻き終わり端243bを10番スロットS10に引き込む。そして、この10番スロットS10と2番スロットS2との間でn回巻装し、5’番コイルC5’を形成する。さらに、5’番コイルC5’の巻き終わり端243bを5番セグメント268に隣接する6番セグメント268と同電位となる1番セグメント268のライザ269に掛け回し、1番セグメント268と巻線243とを接続する。これにより、5番コイルC5、及び5’番コイルC5’の巻装工程が完了する。
 このように、各コイルC1~C5’を巻装方向Y1に向かって順次形成する巻装工程を経て、アーマチュアコア261にアーマチュアコイル262が形成される。
 ここで、5番コイルC5の巻線243が引き込まれている5番スロットS5には、先に形成された3番コイルC3が引き込まれていると共に、4番コイルC4が掛け渡されている。このため、5番スロットS5において、5番コイルC5は、アーマチュアコア261の径方向外側に最も寄った状態で形成されている。一方、7番スロットS6においては、先に形成された1’番コイルC1’が引き込まれている。このため、7番スロットS7において、5番コイルC5は、1’番コイルC1’の径方向外側に形成された状態になる。
 したがって、第4実施形態によれば、アーマチュアコア261を図17に示す異形コアとすることで、巻装方向Y1に向かって順次形成される各コイルC1~C5’の間に余計な隙間が形成されることがないので、各スロットS1~S10内に無駄なスペースが生じるのを抑制することができる。このため、アーマチュアコイル262の占積率を向上させることができると共に、各スロットS1~S10にバランスよくコイルを分布させることができる。この結果、電動モータ201の小型化、軽量化を図ることが可能になる。
 また、アーマチュアコア261が異形コアになっているものの、各ティースT1~T10を互いに点対称となる2つのティース群251,252により構成されているので、アーマチュア206の回転アンバランスが生じてしまうことを防止できる。
 さらに、ヨーク208の周壁281が、回転軸212を中心に対向配置されている1対の平坦部281aと、これら1対の平坦部281aの周方向端部をそれぞれ連結する弧状部281bとにより構成されている。このため、ヨーク208の周壁281が円筒状に形成されている場合と比較して、ヨーク208を偏平化することができる。よって、電動モータ201全体を偏平化することができ、電動モータ201のレイアウトの自由度を高めることができる。
 ここで、さらにヨーク208を小型化するために、平坦部281aを周壁281の周方向に90°間隔で4つ配置すると共に、各平坦部281aの周方向端部間をそれぞれ弧状部281bで連結するように形成し、各平坦部281aを避けるように、各弧状部281bの内面に永久磁石214を4つ設けることも考えられる。
 しかしながら、このように構成する場合、ヨーク208の周壁281とアーマチュアコア261の外周部との間の距離が短くなる箇所が4箇所形成されることになる。すなわち、周壁281のうち、平坦部281aとアーマチュアコア261の外周部との間の距離は、弧状部281bとアーマチュアコア261の外周部との間の距離よりも短い。このため、平坦部281aを4つ形成すると、この分、ヨーク208の周壁281とアーマチュアコア261の外周部との間の距離が短くなる箇所が平坦部281aが2つの場合と比較して2箇所多くなる。
 ここで、ヨーク208の周壁281とアーマチュアコア261の外周部との間の距離が短くなる箇所は、リラクタンスが大きくなり、アーマチュア206を回転させる際のコギングトルクが大きくなる。このため、上述の第4実施形態のように、周壁281に形成される平坦部281aの数を回転軸212を中心に対向配置されている2つに設定することにより、ヨーク208の偏平化を図りつつ、モータ特性の悪化を抑制させることができる。
 尚、第4実施形態では、アーマチュアコア261に巻装されたアーマチュアコイル262(コイルC1~C5’)の巻き始め端243a、及び巻き終わり端243bを、図19の破線で囲む領域R1のように引き回した場合について説明した。しかしながら、図19に示す場合に限られるものではなく、所定の電位のセグメント268に各コイルC1~C5’が接続されていればよい。
 また、第4実施形態では、1番コイルC1と1’番コイルC1’とを直列に巻装し、2番コイルC2と2’番コイルC2’とを直列に巻装し、3番コイルC3と3’番コイルC3’とを直列に巻装し、4番コイルC4と4’番コイルC4’とを直列に巻装し、5番コイルC5と5’番コイルC5’とを直列に巻装してアーマチュアコイル262を形成した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、以下のようにアーマチュアコイル262を形成してもよい。
(第4実施形態の第1変形例)
 図20は、第4実施形態の第1変形例におけるアーマチュアの展開図である。
 同図に示すように、1番~5番コイルC1~C5と、1’番~5’番コイルC1’~C5’は、互いに並列に接続されている。
 すなわち、1番コイルC1を形成する巻線243の巻き始め端243aが1番セグメント268に接続されている一方、巻き終わり端243bが2番セグメント268に接続されている。
 また、2番コイルC2を形成する巻線243の巻き始め端243aが2番セグメント268に接続されている一方、巻き終わり端243bが3番セグメント268に接続されている。
 さらに、3番コイルC3を形成する巻線243の巻き始め端243aが3番セグメント268に接続されている一方、巻き終わり端243bが4番セグメント268に接続されている。
 そして、4番コイルC4を形成する巻線243の巻き始め端243aが4番セグメント268に接続されている一方、巻き終わり端243bが5番セグメント268に接続されている。
 また、5番コイルC5を形成する巻線243の巻き始め端243aが5番セグメント268に接続されている一方、巻き終わり端243bが6番セグメント268に接続されている。
 これに対し、1’番コイルC1’を形成する巻線243は、1番セグメント268、及び2番セグメント268と同電位になる6番セグメント268、及び7番セグメント268に接続され、2’番コイルC2’を形成する巻線243は、2番セグメント268、及び3番セグメント268と同電位になる7番セグメント268、及び8番セグメント268に接続され、3’番コイルC3’を形成する巻線243は、3番セグメント268、及び4番セグメント268と同電位になる8番セグメント268、及び9番セグメント268に接続され、4’番コイルC4’を形成する巻線243は、4番セグメント268、及び5番セグメント268と同電位になる9番セグメント268、及び10番セグメント268に接続され、5’番コイルC5’を形成する巻線243は、5番セグメント268、及び6番セグメント268と同電位になる10番セグメント268、及び1番セグメント268に接続されている。
 このように形成された1番コイルC1~5’番コイルC5’の巻装方法は、1番コイルC1と1’番コイルC1’とを順に巻装し、これと同様に2番コイルC2から5’番コイルC5’までを順に巻装する方法を採用することができる。
 この他に、回転軸212を中心に対向配置されている1番コイルC1と1’番コイルC1’とを同時に巻装すると共に、それぞれ2番コイルC2と2’番コイルC2’、3番コイルC3と3’番コイルC3’、4番コイルC4と4’番コイルC4’、5番コイルC5と5’番コイルC5’とを同時に巻装する所謂ダブルフライヤー方式の巻装方法を採用することが可能である。
 したがって、第4実施形態の第1変形例によれば、第4実施形態と同様の効果に加え、図19の巻装方法と比較して並列回路数が2倍になるので、この分巻線243の線径を細径化することができる。このため、巻線243の巻装作業を容易化することが可能になる。
 尚、この第1変形例では、アーマチュアコア261に巻装されたアーマチュアコイル262(コイルC1~C5’)の巻き始め端243a、及び巻き終わり端243bを、図20の破線で囲む領域R2のように引き回した場合について説明した。しかしながら、図20に示す場合に限られるものではなく、各コイルC1~C5’の巻き始め端243a、及び巻き終わり端243bが所定の電位のセグメント268に接続されていればよい。
[第5実施形態]
(電動モータ)
 次に、この発明の第5実施形態を図21、図22に基づいて説明する。
 図21は、電動モータの縦断面図である。
 同図に示すように、電動モータ401は、車両に搭載する電装品の駆動源となるものであって、有底円筒形状のヨーク402内にアーマチュア403を回転自在に配置した構成となっている。ヨーク402の内周面には周方向に4つの永久磁石404が磁極が順番となるように配設されている。これによって、電動モータ401は、ヨーク402内に4極の磁極が形成された状態になっている。
 アーマチュア403は、回転軸405に外嵌固定されたアーマチュアコア406と、アーマチュアコア406に巻装されたアーマチュアコイル407と、アーマチュアコア406の一端側に配置されたコンミテータ413とから構成されている。アーマチュアコア406は、リング状の金属板408を軸方向に複数枚積層したものである。金属板408の外周部には軸方向平面視T字型のティース409が周方向に沿って等間隔で、且つ放射状に10個形成されている。
 複数枚の金属板408を回転軸405に外嵌することにより、アーマチュアコア406の外周には隣接するティース409間に蟻溝状のスロット411が形成されている。スロット411は軸方向に沿って延びており、周方向に沿って等間隔に10個形成されている。
 このスロット411間にはエナメル被覆の巻線412が巻装され、これによりアーマチュアコア406の外周に複数のアーマチュアコイル407が形成される。
 コンミテータ413は回転軸405の一端に外嵌固定されている。コンミテータ413の外周面には、導電材で形成されたセグメント414が10枚取り付けられている。セグメント414は軸方向に長い板状の金属片からなり、互いに絶縁された状態で周方向に沿って等間隔に並列に固定されている。各セグメント414のアーマチュアコア406側の端部には、外径側に折り返す形で折り曲げられたライザ415が一体形成されている。ライザ415には、アーマチュアコイル407や後述の接続線425を形成する巻線412の巻き始め端431、及び巻き終わり端432(図22参照)とが掛け回わされ、ヒュージングによりライザ415に固定されている。これにより、セグメント414とこれに対応するアーマチュアコイル407、及び接続線425とが電気的に接続される。
 回転軸405の他端側は、ヨーク402に突出形成されたボス内の軸受416によって回転自在に支持されている。ヨーク402の開口端にはカバー417が設けられており、このカバー417の内側にはホルダステー418が取り付けられている。ホルダステー418には、周方向に所定の角度(第5実施形態では90度)間隔をあけて2つのブラシホルダ419が設けられている。
 各ブラシホルダ419には、それぞれブラシ421がスプリングSを介して付勢された状態で出没自在に内装されている。これらブラシ421の先端部は、スプリングSによって付勢されているためコンミテータ413に摺接しており、外部からの電源がブラシ421を介してコンミテータ413に供給されるようになっている。
(巻線の巻装方法)
 図22は、アーマチュア403のセグメント414(ライザ415)とティース409、そして、ヨーク402側に配設されている永久磁石404とを展開した図面であり、隣接するティース409の空隙がスロット411に相当している(以下の図面についても同様)。尚、以下の図面においては、各セグメント414、及び各ティース409に回転方向に沿って順に番号を付けると共に、巻装された巻線412にそれぞれ符号を付して説明する。また、図22において、アーマチュア403の回転方向(以下、単に回転方向という)は、右方向とする。
 ここで、アーマチュアコア406の外周に形成されるアーマチュアコイル407は、隣接する2つのティース409,409に跨るように分布巻き方式で巻線412が巻装されることにより形成され、U相、V相、W相、X相、Y相の5相構造になっている。そして、各相のアーマチュアコイル407は、それぞれ回転軸405を中心にして対向するように2箇所に形成される。すなわち、アーマチュアコイル407は、第1U相コイル471U、第2U相コイル472U、第1V相コイル471V、第2V相コイル472V、第1W相コイル471W、第2W相コイル472W、第1X相コイル471X、第2X相コイル472X、第1Y相コイル471Y、第2Y相コイル472Yにより構成されている。
 また、同電位となるセグメント414同士、つまり、回転軸405を中心にして対向する2つのセグメント414同士は、接続線425によって短絡されている。
 このような構成のアーマチュアコイル407、及び接続線425は、互いに一連に巻線412を引き回すことにより形成される。以下、より具体的に説明する。
 図22に示すように、まず、例えば、巻線412の巻き始め端431が6番セグメント414のライザ415に掛け回された場合、続いて6番セグメント414と同電位となる1番セグメント414のライザ415に巻線412が掛け回される。そして、6番セグメント414と1番セグメント414とを短絡する接続線425を形成する。
 次に、1番セグメント414とは回転軸405を中心にしてほぼ対向する位置に存在している7番-8番ティース409,409間のスロット411に、巻線412を引き込む。そして、7番-8番ティース409,409間のスロット411と、ここから回転方向とは逆側のスロット411を1つ飛ばして存在する5番-6番ティース409,409間のスロット411との間に巻線412がN回(Nは自然数)巻回され、第1U相コイル471Uが形成される。
 第1U相コイル471Uを形成した巻線412は、5番-6番ティース409,409間のスロット411から引き出され、回転方向に向かって配索された後、2番-3番ティース409,409間のスロット411に引き込まれる。そして、2番-3番ティース409,409間のスロット411と、ここから回転方向とは逆側のスロット411を1つ飛ばして存在する10番-1番ティース409,409間のスロット411との間に巻線412がN回巻回され、第2U相コイル472Uが形成される。
 続いて、巻線412は、10番-1番ティース409,409間のスロット411から引き出され、このスロット411とは回転軸405を中心にしてほぼ対向する位置に存在し、且つ6番セグメント414に隣り合う7番セグメント414のライザ415に掛け回される。さらに、巻線412は、7番セグメント414と同電位となる2番セグメント414のライザ415に掛け回される。これにより、7番セグメント414と2番セグメント414とを短絡する接続線425が形成される。
 次に、2番セグメント414とは回転軸405を中心にしてほぼ対向する位置に存在している8番-9番ティース409,409間のスロット411に巻線412を引き込み、8番-9番ティース409,409間のスロット411と、ここから回転方向とは逆側のスロット411を1つ飛ばして存在する6番-7番ティース409,409間のスロット411との間に巻線412がN回巻回され、第1V相コイル471Vが形成される。
 第1V相コイル471Vを形成した巻線412は、6番-7番ティース409,409間のスロット411から引き出され、回転方向に向かって配索された後、3番-4番ティース409,409間のスロット411に引き込まれる。そして、3番-4番ティース409,409間のスロット411と、ここから回転方向とは逆側のスロット411を1つ飛ばして存在する1番-2番ティース409,409間のスロット411との間に巻線412がN回巻回され、第2V相コイル472Vが形成される。
 続いて、巻線412は、1番-2番ティース409,409間のスロット411から引き出され、このスロット411とは回転軸405を中心にしてほぼ対向する位置に存在し、且つ7番セグメント414に隣り合う8番セグメント414のライザ415に掛け回される。さらに、巻線412は、8番セグメント414と同電位となる3番セグメント414のライザ415に掛け回される。
これにより、8番セグメント414と3番セグメント414とを短絡する接続線425が形成される。
 この後、第1U相コイル471U~第2V相コイル472Vを形成したときと同様の手順で、9番-10番ティース409,409間のスロット411と、7番-8番ティース409,409間のスロット411との間で第1W相コイル471Wが形成され、4番-5番ティース409,409間のスロット411と、2番-3番ティース409,409間のスロット411との間で第2W相コイル472Wが形成される。
 さらに、再び対応するセグメント414のライザ415に巻線412が掛け回され、続いて同電位となるセグメント414に巻線412が掛け回される。そして、同電位となるセグメント414間を短絡する接続線425が形成される。この後、再び巻線412がアーマチュアコア406側に引き出され、所定のスロット411間に第1X相コイル471X、及び第2X相コイル472Xが形成される。
 続いて、再び対応するセグメント414のライザ415に巻線412が掛け回され、さらに同電位となるセグメント414に巻線412が掛け回されて接続線425が形成される。そして、再び巻線412がアーマチュアコア406側に引き出され、所定のスロット411間に第1Y相コイル471Y、及び第2Y相コイル472Yが形成される。第2Y相コイル472を形成した後、巻線412の巻き終わり端432が1番セグメント414のライザ415に掛け回されて接続される。これにより、アーマチュアコア406に巻装されるアーマチュアコイル407の形成が完了する。
 このように、巻線412は、セグメント414とアーマチュアコア406との間を一筆書きの要領で繰り返し移動するように配索されることにより、アーマチュアコイル407、及び接続線425を一連に形成する。
 また、セグメント414からアーマチュアコア406に向かって巻線412を配索する際、巻線412が引き出されるセグメント414のライザ415と、巻線412が引き込まれるスロット411とが回転軸405を中心にしてほぼ対向する位置に存在している。同様に、アーマチュアコア406からセグメント414に向かって巻線412を配索する際、巻線412が引き出されるスロット411と、巻線412を掛け回すセグメント414のライザ415とが回転軸405を中心にしてほぼ対向する位置に存在している。このため、コンミテータ413とアーマチュアコア406との間に配索される巻線412、つまり、コンミテータ413の首下に配索される巻線412が回転軸405に若干掛かった状態になる。
 このような構成のもと、ブラシ421を介して各コイル471U~472Yに順次電流が供給されると、アーマチュアコア406の所定の位置に順次磁界が発生する。すると、ヨーク402に設けられている永久磁石404との間に反発力や吸引力が発生し、アーマチュア403が回転する。
(効果)
 したがって、第5実施形態によれば、アーマチュアコイル407、及び接続線425を形成するにあたって、巻線412を一筆書きの要領で繰り返し移動するように配索することにより、アーマチュアコイル407、及び接続線425を一連に形成することができるので、アーマチュアコア406への巻線412の巻装時間、及びセグメント414間に渡る接続線425の形成時間の総時間を短縮することができる。この結果、電動モータ401の製造コストを低減できる。
 また、コンミテータ413の首下に配索される巻線412が回転軸405に若干掛かった状態になるので、コンミテータ413の首下の巻線412が径方向外側に向かって弛んでしまうのを防止できる。このため、コンミテータ413の首下における巻線412の巻太りを低減することができる。
[第6実施形態]
 次に、この発明の第6実施形態を図21を援用し、図23に基づいて説明する。
 図23は、この第6実施形態におけるアーマチュア403のセグメント414(ライザ415)とティース409、そして、ヨーク402側に配設されている永久磁石404とを展開した図である。尚、第5実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明する(以下の実施形態でも同様)。
 第6実施形態において、電動モータ401は、永久磁石404を4つ、スロット411を10個、セグメント414を10個有したモータである点、アーマチュアコア406の外周に形成されるアーマチュアコイル407は、隣接する2つのティース409,409に跨るように分布巻き方式で巻線412が巻装されることにより形成され、U相、V相、W相、X相、Y相の5相構造になっている点、そして、各相のアーマチュアコイル407は、それぞれ回転軸405を中心にして対向するように2箇所に形成される点、同電位となるセグメント414同士、つまり、回転軸405を中心にして対向する2つのセグメント414同士は、接続線425によって短絡されている点等の基本的構成は、第5実施形態と同様である(以下の実施形態でも同様)。
 ここで、第6実施形態のアーマチュアコア406に巻装されるアーマチュアコイル407、及び同電位のセグメント414間に接続される接続線425は、所謂ダブルフライヤ方式によって巻線412を巻装することにより形成される。尚、ダブルフライヤ方式とは、回転軸405を中心にして点対称となる関係で2箇所同時に巻線412を巻装する方式をいう。以下、より具体的に説明する。
(巻線の巻装方法)
 図23に示すように、巻線412の巻き始め端431は2つ存在しており、それぞれ同電位となる6番セグメント414のライザ415と、1番セグメント414のライザ415とに掛け回されている。そして、6番セグメント414のライザ415に巻き始め端431が掛け回されている巻線412は、第1U相コイル471U、第1V相コイル471V、第1W相コイル471W、第1X相コイル471X、及び第1Y相コイル471Yと、これらのコイル471U~471Yに対応するセグメント414に接続される接続線425を一連に形成する。
 また、1番セグメント414のライザ415に巻き始め端431が掛け回されている巻線412は、第2U相コイル472U、第2V相コイル472V、第2W相コイル472W、第2X相コイル472X、及び第2Y相コイル472Yと、これらのコイル472U~472Yに対応するセグメント414に接続される接続線425を一連に形成する。そして、第1U相コイル471U、第1V相コイル471V、第1W相コイル471W、第1X相コイル471X、第1Y相コイル471Y、及びこれらのコイル471U~471Yに対応するセグメント414に接続される接続線425と、第2U相コイル472U、第2V相コイル472V、第2W相コイル472W、第2X相コイル472X、第2Y相コイル472Y、及びこれらのコイル472U~472Yに対応するセグメント414に接続される接続線425とが同時に形成される。
 ここで、6番セグメント414のライザ415に巻き始め端431が掛け回されている巻線412の巻装方法を、さらに詳述する。
 まず、巻線412の巻き始め端431が6番セグメント414のライザ415に掛け回された後、6番セグメント414と同電位となる1番セグメント414のライザ415に巻線412が掛け回される。そして、6番セグメント414と1番セグメント414とを短絡する接続線425を形成する。
 次に、1番セグメント414とは回転軸405を中心にしてほぼ対向する位置に存在している7番-8番ティース409,409間のスロット411に、巻線412を引き込む。そして、7番-8番ティース409,409間のスロット411と、ここから回転方向とは逆側のスロット411を1つ飛ばして存在する5番-6番ティース409,409間のスロット411との間に巻線412がN回巻回され、第1U相コイル471Uが形成される。
 第1U相コイル471Uを形成した巻線412は、5番-6番ティース409,409間のスロット411から引き出され、回転方向に向かって配索された後、6番セグメント414に隣り合う7番セグメント414のライザ415に掛け回される。さらに、巻線412は、7番セグメント414と同電位となる2番セグメント414のライザ415に掛け回される。これにより、7番セグメント414と2番セグメント414とを短絡する接続線425が形成される。
 次に、2番セグメント414とは回転軸405を中心にしてほぼ対向する位置に存在している8番-9番ティース409,409間のスロット411に巻線412を引き込み、8番-9番ティース409,409間のスロット411と、ここから回転方向とは逆側のスロット411を1つ飛ばして存在する6番-7番ティース409,409間のスロット411との間に巻線412がN回巻回され、第1V相コイル471Vが形成される。
 第1V相コイル471Vを形成した巻線412は、6番-7番ティース409,409間のスロット411から引き出され、回転方向に向かって配索された後、7番セグメント414に隣り合う8番セグメント414のライザ415に掛け回される。さらに、巻線412は、8番セグメント414と同電位となる3番セグメント414のライザ415に掛け回される。これにより、8番セグメント414と3番セグメント414とを短絡する接続線425が形成される。
 この後、第1U相コイル471U、及び第1V相コイル471Vを形成したときと同様の手順で、9番-10番ティース409,409間のスロット411と、7番-8番ティース409,409間のスロット411との間で第1W相コイル71Wが形成される。さらに、再び対応するセグメント414のライザ415に巻線412が掛け回され、続いて同電位となるセグメント414に巻線412が掛け回される。そして、同電位となるセグメント414間を短絡する接続線425が形成される。この後、再び巻線412がアーマチュアコア406側に引き出され、所定のスロット411間に第1X相コイル471Xが形成される。
 続いて、再び対応するセグメント414のライザ415に巻線412が掛け回され、さらに同電位となるセグメント414に巻線412が掛け回されて接続線425が形成される。そして、再び巻線412がアーマチュアコア406側に引き出され、所定のスロット411間に第1Y相コイル471Yを形成した後、巻線412の巻き終わり端432が1番セグメント414のライザ415に掛け回されて接続される。
 このように、アーマチュアコア406に巻装されるアーマチュアコイル407のうち、第1U相コイル471U、第1V相コイル471V、第1W相コイル471W、第1X相コイル471X、第1Y相コイル471Yと、これらのコイル471U~471Yに対応するセグメント414に接続される接続線425が形成される。
 一方、1番セグメント414のライザ415に巻き始め端431が掛け回されている巻線412は、6番セグメント414のライザ415に巻き始め端431が掛け回されている巻線412の巻装方法と点対称となるように配索されながら、アーマチュアコイル407のうち、第2U相コイル472U、第2V相コイル472V、第2W相コイル472W、第2X相コイル472X、第2Y相コイル472Yと、これらのコイル472U~472Yに対応するセグメント414に接続される接続線425を形成する。これにより、アーマチュアコア406に巻装されるアーマチュアコイル407全体の形成が完了する。
(効果)
 したがって、第6実施形態によれば、アーマチュアコア406への巻線412の分布巻き方式での巻装方法として、回転軸405を中心にして点対称となる関係で2箇所同時に行う所謂ダブルフライヤ方式を採用することができる。このため、さらにアーマチュアコア406への巻線412の巻装時間、及びセグメント414間に渡る接続線425の形成時間の総時間を短縮することができる。この結果、電動モータ401の製造コストをさらに低減できる。
[第7実施形態]
(巻線の巻装方法)
 次に、この発明の第7実施形態を図24に基づいて説明する。
 図24は、この第7実施形態におけるアーマチュア403のセグメント414(ライザ415)とティース409、そして、ヨーク402側に配設されている永久磁石404とを展開した図である。
 同図に示すように、第5実施形態の巻線412の巻装方法と、第7実施形態の巻線412の巻装方法との相違点は、第5実施形態の各相コイル471U~472Yは、それぞれ巻線412を一度にN回巻回することにより形成されているのに対し、第7実施形態の各相コイル471U~472Yは、それぞれN/2回巻回された2つの小コイル571U~672Yにより構成されている。
 より詳しく説明する。
 ここで、図24に示すように、巻線412の巻き始め端431は、第6実施形態と同様、2つ存在している。2つの巻き始め端431,431のうち、一方の巻き始め端431が、例えば、6番セグメント414のライザ415に掛け回された場合、続いて6番セグメント414と同電位となる1番セグメント414のライザ415に巻線412が掛け回される。そして、6番セグメント414と1番セグメント414とを短絡する接続線425を形成する。
 次に、7番-8番ティース409,409間のスロット411に巻線412を引き込み、7番-8番ティース409,409間のスロット411と、5番-6番ティース409,409間のスロット411との間に、巻線412がN/2回巻回され、第1U相小コイル571Uが形成される。
 第1U相小コイル571Uを形成した巻線412は、5番-6番ティース409,409間のスロット411から引き出され、回転方向に向かって配索された後、2番-3番ティース409,409間のスロット411に引き込まれる。そして、2番-3番ティース409,409間のスロット411と、10番-1番ティース409,409間のスロット411との間に巻線412がN/2回巻回され、第2U相小コイル572Uが形成される。
 続いて、巻線412は、10番-1番ティース409,409間のスロット411から引き出され、6番セグメント414に隣り合う7番セグメント414のライザ415に掛け回される。さらに、巻線412は、7番セグメント414と同電位となる2番セグメント414のライザ415に掛け回される。これにより、7番セグメント414と2番セグメント414とを短絡する接続線425が形成される。
 続いて、巻線412により、第1V相小コイル571V~第2Y相小コイル572Yと、接続線425とを順次形成していく。このとき、第1V相小コイル571V~第2Y相小コイル572Yの巻装手順は、第5実施形態と同様であるので、説明を省略する。ただし、各スロット411,411間に巻装される巻線412の巻回数は、第5実施形態の半分であるN/2回となる。
 一方、6番セグメント414と同電位となる1番セグメント414のライザ415に、他方の巻き始め端431が掛け回された巻線412は、6番セグメント414のライザ415に巻き始め端431が掛け回されている場合の巻装手順と回転軸405を中心にして点対称となるように配索されながら第1U相小コイル671V~第2Y相小コイル672Yと、接続線425とを順次形成していく。
 すなわち、1番セグメント414のライザ415に掛け回された場合、続いて6番セグメント414のライザ415に巻線412が掛け回される。そして、1番セグメント414と6番セグメント414とを短絡する接続線425を形成する。
 次に、2番-3番ティース409,409間のスロット411に巻線412を引き込み、2番-3番ティース409,409間のスロット411と、10番-1番ティース409,409間のスロット411との間に、巻線412がN/2回巻回され、第2U相小コイル672Uが形成される。第2U相小コイル672Uを形成した巻線412は、10番-1番ティース409,409間のスロット411から引き出され、回転方向に向かって配索された後、7番-8番ティース409,409間のスロット411に引き込まれる。そして、7番-8番ティース409,409間のスロット411と、5番-6番ティース409,409間のスロット411との間に巻線412がN/2回巻回され、第1U相小コイル671Uが形成される。
 続いて、巻線412は、5番-6番ティース409,409間のスロット411から引き出され、1番セグメント414に隣り合う2番セグメント414のライザ415に掛け回される。さらに、巻線412は、2番セグメント414と同電位となる7番セグメント414のライザ415に掛け回される。これにより、2番セグメント414と7番セグメント414とを短絡する接続線425が形成される。
 続いて、巻線412により、第1V相小コイル671V~第2Y相小コイル672Yと、接続線425とを順次形成していく。このとき、第1V相小コイル671V~第2Y相小コイル672Yの巻装手順は、6番セグメント414のライザ415に巻き始め端431が掛け回されている場合の巻装手順と回転軸405を中心にして点対称であるので、説明を省略する。
 このように、各相コイル471U~472Yは、それぞれN/2回巻回された2つの小コイル571U~672Yにより構成され、全体としてN回巻回されたコイル471U~472Yを形成する。
(効果)
 したがって、第7実施形態によれば、第6実施形態と同様に、所謂ダブルフライヤ方式を用いて巻線412を巻装することができるので、第6実施形態と同様の効果を奏することができる。これに加え、ダブルフライヤ方式を採用しつつ、同相同士の小コイル571U~572Y、及び小コイル671U~672Yを直列に接続することができる。つまり、例えば、第1U相小コイル571Uと第2U相小コイル572Uとが直列接続されている。
 このため、第1各相コイル471U~471Yと、第2各相コイル472U~472Yとで、同相同士のコイルには、同様の電流が安定して供給される。
 ここで、例えば、第6実施形態のように、第1各相コイル471U~471Yと、第2各相コイル472U~472Yとが異なる巻線412により形成されている場合、多少の巻装誤差等により、導線長さが変化し、同相同士のコイルでも異なる電流が供給されるおそれがある。しかしながら、第7実施形態では、同相同士の小コイル571U~572Y、及び小コイル671U~672Yを直列に接続されているので、同相同士のコイルには、同様の電流が安定して供給される。よって、各相のコイル471U~472Yで形成される磁界を安定させることができ、磁気バランスの優れた電動モータ401を提供することが可能になる。この結果、ブラシ421の耐久性を向上させることができる。
 尚、第5~第7実施形態では、ホルダステー418に、2つのブラシホルダ419が設けられ、2つのブラシ421,421がセグメント414に摺接している場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、極数と同じ数である4つまでブラシ421を増加させることが可能である。
 また、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
 上記の電動モータによれば、ヨークの筒部に第1平坦部を形成することにより、筒部を円筒状に形成した場合よりも電動モータを小型化することができる。また、第1平坦部を避けた位置に永久磁石を配置することで、永久磁石の厚さに依存することなく電動モータの小型化を図ることができる。
 2,102,201,401 電動モータ
 3,103,212,405 回転軸
 5,105,208,218,402 ヨーク
 6,106,206,403 アーマチュア
 7,107,214,224,404 永久磁石
 8,108,261,406 アーマチュアコア
 10,110,263,413 コンミテータ
 12,112,409 ティース
 15,115,268,414 セグメント
 53,153 筒部
 53a,153a 内周面
 61 第1平坦部
 130,210,421 ブラシ
 135 熱保護素子
 241 コア本体
 243,412 巻線
 251,252 ティース群
 262,407 アーマチュアコイル(コイル)
 264 コアプレート
 471U 第1U相コイル
 472U 第2U相コイル
 471V 第1V相コイル
 472V 第2V相コイル
 471W 第1W相コイル
 472W 第2W相コイル
 471X 第1X相コイル
 472X 第2X相コイル
 471Y 第1Y相コイル
 472Y 第2Y相コイル
 571U,671U 第1U相小コイル
 572U,672U 第2U相小コイル
 571V,671V 第1V相小コイル
 572V,672V 第2V相小コイル
 571W,671W 第1W相小コイル
 572W,672W 第2W相小コイル
 571X,671X 第1X相小コイル
 572X,672X 第2X相小コイル
 571Y,671Y 第1Y相小コイル
 572Y,672Y 第2Y相小コイル
 S1 1番スロット(第1異形スロット)
 S2 2番スロット(第2異形スロット)
 S3 3番スロット(第3異形スロット)
 S4 4番スロット(第3異形スロット)
 S5 5番スロット(第3異形スロット)
 S6 6番スロット(第1異形スロット)
 S7 7番スロット(第2異形スロット)
 S8 8番スロット(第3異形スロット)
 S9 9番スロット(第3異形スロット)
 S10 10番スロット(第3異形スロット)
 T1 1番ティース(第1異形ティース)
 T2 2番ティース(第2異形ティース)
 T3 3番ティース(第2異形ティース)
 T4 4番ティース(第2異形ティース)
 T5 5番ティース(第2異形ティース)
 T6 6番ティース(第1異形ティース)
 T7 7番ティース(第2異形ティース)
 T8 8番ティース(第2異形ティース)
 T9 9番ティース(第2異形ティース)
 T10 10番ティース(第2異形ティース)

Claims (5)

  1.  筒部を有するヨークと、
     前記筒部の内周面に対向配置された2対の永久磁石と、
     前記永久磁石よりも径方向内側に回転自在に支持されたアーマチュアと、
    を備え、
     前記筒部に、径方向で対向する少なくとも1対の第1平坦部を形成し、これら第1平坦部を避けた位置に前記永久磁石を配置した電動モータ。
  2.  前記筒部に、径方向で対向する1対の第1平坦部を形成した請求項1に記載の電動モータ。
  3.  前記アーマチュアに給電を行う2個のブラシを備え、
     前記2個のブラシを機械角で90°周方向に間隔をあけて配置すると共に、
     前記アーマチュアの回転軸を挟んで前記2個のブラシとは反対側に、過熱時に前記アーマチュアへの給電を遮断する熱保護素子を配置した請求項2に記載の電動モータ。
  4.  前記回転軸に外嵌固定されるコア本体と、
     前記コア本体から径方向外側に向かって突設された10個のティースとを有するコアプレートを複数積層してなり、
     周方向で隣り合う2つの前記ティース間に巻線が巻装されるアーマチュアコアを備え、
     前記ティースは、周方向に隣接する5つの異形ティースにより構成されるティース群を2つ備えて成り、
     2つの前記ティース群は、互いに前記回転軸を中心にして点対称に配置され、
     前記5つの異形ティースは、
      径方向に沿って延びる仮想基準ティースに対し、先端が前記巻線の巻装方向とは反対側に向かって傾倒するように形成された第1異形ティースと、
      前記第1異形ティースの前記巻装方向側で周方向に沿って4つ形成され、前記仮想基準ティースに対し、先端が前記巻装方向に向かって傾倒するように形成された第2異形ティースとにより構成され、
     前記第2異形ティースと、この第2異形ティースに対して前記巻装方向側で隣り合う前記第1異形ティースとの間で形成される第1異形スロット、
     前記第1異形ティースと、この第1異形ティースに対して前記巻装方向側で隣り合う前記第2異形ティースとの間で形成される第2異形スロット、
     及び、互いに周方向で隣り合う前記第2異形ティース間で形成される3つの第3異形スロットが、この順で巻装方向に向かって形成されている請求項3に記載の電動モータ。
  5.  前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられたコンミテータを備え、
     各ティースには、それぞれ隣接する2つのティースに跨るように分布巻き方式で巻線が巻装され周方向にU1相、V1相、W1相、X1相、Y1相、U2相、V2相、W2相、X2相、Y2相の順に5相構造の各コイルが形成され、
     前記コンミテータは、各相に対応する同電位の2つのセグメントが前記回転軸を中心にして対向配置されるように、総計10個の前記セグメントが周方向に沿って配置され、同電位のセグメント同士が前記巻線で短絡されて4極10スロット10セグメントに構成されており、
     前記U1相のコイルに対応する2つのセグメントに前記巻線を接続した後、前記U1相に対応し、且つ前記第1異形スロットと、この第1異形スロットの前記巻装方向後方に配置されている前記第3異形スロットとの間に前記巻線を巻装し、この後、前記V1相のコイルに対応する2つのセグメントに前記巻線を接続した後、前記V1相に対応し、且つ前記第2異形スロットと、この第2異形スロットの前記巻装方向後方に配置されている前記第3異形スロットとの間に前記巻線を巻装し、この後、前記W1相のコイルに対応する2つのセグメントに前記巻線を接続した後、前記W1相に対応し、且つ前記3つの第3異形スロットのうち、真ん中の第3異形スロットを間に挟んで両側に存在する2つの第3異形スロットに前記巻線を巻装し、この後、前記X1相のコイルに対応する2つのセグメントに前記巻線を接続した後、前記X1相に対応し、且つ前記第1異形スロットと、この第1異形スロットの前記巻装方向後方に配置されている前記第3異形スロットとの間に前記巻線を巻装し、この後、前記Y1相のコイルに対応する2つのセグメントに前記巻線を接続した後、前記Y1相に対応し、且つ前記第2異形スロットと、この第2異形スロットの前記巻装方向後方に配置されている前記第3異形スロットとの間に前記巻線を巻装し、
     さらに、これらU1相、V1相、W1相、X1相、Y1相のコイルを形成するのと同時に、前記U2相のコイルに対応する2つのセグメントに前記巻線を接続した後、前記U2相に対応し、且つ前記第1異形スロットと、この第1異形スロットの前記巻装方向後方に配置されている前記第3異形スロットとの間に前記巻線を巻装し、この後、前記V2相のコイルに対応する2つのセグメントに前記巻線を接続した後、前記V2相に対応し、且つ前記第2異形スロットと、この第2異形スロットの前記巻装方向後方に配置されている前記第3異形スロットとの間に前記巻線を巻装し、この後、前記W2相のコイルに対応する2つのセグメントに前記巻線を接続した後、前記W2相に対応し、且つ前記3つの第3異形スロットのうち、真ん中の第3異形スロットを間に挟んで両側に存在する2つの第3異形スロットに前記巻線を巻装し、この後、前記X2相のコイルに対応する2つのセグメントに前記巻線を接続した後、前記X2相に対応し、且つ前記第1異形スロットと、この第1異形スロットの前記巻装方向後方に配置されている前記第3異形スロットとの間に前記巻線を巻装し、この後、前記Y2相のコイルに対応する2つのセグメントに前記巻線を接続した後、前記Y2相に対応し、且つ前記第2異形スロットと、この第2異形スロットの前記巻装方向後方に配置されている前記第3異形スロットとの間に前記巻線を巻装し、
     さらに、前記巻線が掛け渡される所定のセグメントと所定のティースとの位置関係は、前記回転軸を中心にして対向する位置関係になっている請求項4に記載の電動モータ。
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