JP3059770B2 - モータにおけるアマチユア構造 - Google Patents

モータにおけるアマチユア構造

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JP3059770B2 JP3035394A JP3539491A JP3059770B2 JP 3059770 B2 JP3059770 B2 JP 3059770B2 JP 3035394 A JP3035394 A JP 3035394A JP 3539491 A JP3539491 A JP 3539491A JP 3059770 B2 JP3059770 B2 JP 3059770B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モータにおけるアマチ
ユア構造に関するものである。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】一般に、
小型モータに内装されるアマチユアは、ボス部から放射
状に突出する略T字形のテイースが複数形成されたアマ
チユアコアに、巻線を巻装することで構成され、そして
アマチユアコアに対する巻線の巻装方式としては、テイ
ース間に形成される各スロツトのうち予め決定される個
数のスロツトを飛び越えた二つのスロツト間に対して巻
線群を巻装することを、コア軸の軸芯対称となる関係で
両側に行い、かつこれを順次隣接するスラツト間にずら
して行う所謂ダブルフライヤ方式が広く採用されてい
る。しかるに従来では、二層重ね巻きをダブルフライヤ
方式で巻線する場合、前半の巻装程でスロツトに巻装
された巻線群は、後半の巻装程で巻装される巻線群が
外周側に積層されるが最終の巻装程およびその一つ
前の巻装程で巻装される巻線群が共に巻装されるスロ
ツトにあつては、外周側に巻線群が積層されない許りで
なく、テイース先端の係止爪部間に形成される開口に極
めて近い位置に巻装されることもあつてスロツトから外
れ易いという不具合がある。さらに従来では、前記後半
の巻装程で巻装される巻線群を、スロツトにおける占
積率を高めるべく周方向に並べて巻装する場合に、後行
して巻装される巻線群がスロツト内に入りずらく、この
ため巻線の巻装程が生産効率の低下を招いているのが
実状であつた。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実
情に鑑みこれらの欠点を一掃することができるモータに
おけるアマチユア構造を提供することを目的として創作
されたものであつて、第一の発明は、巻線が巻装される
アマチユアコアのスロツトを、ボス部から放射状に突設
される複数のテイース基部と、該テイース基部先端から
周方向両側に向けて突設され、かつ周方向に所定間隔を
存して等ピツチで配設される係止爪部とで略T字形に形
成されるテイース間に形成すると共に、これら各スロツ
トのうち予め決定される個数のテイースを飛び越えた二
つのスロツト間に対して巻線群を巻装することを、径方
向に対向する一対のテイースの両側に存するスロット間
に対称となる関係で行い、かつこれを順次隣接するスロ
ツト間にずらして行うダブルフライヤ方式の二層重ね巻
きにして、前記各スロツトに巻装される二束の巻線群の
各テイース基部に対する巻き掛け方向を異なるように構
成してなるモータにおいて、前記各テイースのうち、最
終の巻装工程およびその一つ前の巻線群が共に巻装され
るスロツトを形成する一対のテイースを、その基部幅は
維持する状態で、スロツト開口側部の幅寸法が他のスロ
ツト開口側部の幅寸法より大きくなるよう係止爪部の周
方向の中心に対して互いに逆方向に向けて偏倚させて
前記最終の巻装程およびその一つ前の巻装程の巻線
群が巻装される両係止爪部の周方向長を長くしたことを
特徴とするものである。
【0004】また、第二の発明は、第一の発明の各テイ
ースのうち、少なくとも最終の巻装程からその二つ前
の巻装程で巻装される巻線群が巻き掛けられるものの
テイース基部について、係止爪部の周方向の中心に対
し、先行して巻き掛けられた巻線群が巻装されるスロツ
ト側に偏倚させて、後行して巻き掛けられる前記少なく
とも最終の巻装程から二つ前の巻装程の巻線群が巻
装される係止爪部の周方向長を長くしたことを特徴とす
るものである。
【0005】また、第三の発明は、第一の発明に記載さ
れる巻線群が、各スロツトに対して一層目を一束毎に巻
装する前半の巻装工程と、該前半の巻装がなされた各ス
ロツトに対して二層目を一束毎に巻装する後半の巻装工
程とにより巻装されるものである場合に、前記各テイー
スのうち、後半の巻装程で巻装される巻線群が巻き掛
けられるもののテイース基部を、テイース基部幅は維持
する状態で、係止爪部の周方向の中心に対し、前半の巻
程で巻き掛けられた巻線群が巻装されるスロツト側
に偏倚させて、前記後半の巻装程の巻線群が巻装され
る係止爪部の周方向長を長くしたことを特徴とするもの
である。
【0006】そして本発明は、この構成によつて、巻線
がスロツトから外れてしまう不具合を確実に防止すると
共に、生産効率の著しい向上を計ることができるように
したものである。
【0007】
【実施例】次に、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図面において、1はモータであつて、該モータ
1のケース2内には、コア軸3に一体的に設けられるア
マチユアコア4およびコンミテータ5、該コンミテータ
5に弾圧状に摺接するブラシ6、アマチユアコア4の外
周と所定間隔を存して対向する磁石7等が内装される
が、これらの構成は何れも従来通りである。
【0008】前記アマチユアコア4は、ボス部4aから
放射状に突出する所定幅aのテイース基部4bと、該テ
イース基部4b先端から所定幅bを有するべく周方向両
側に向けて突設され、かつ周方向に所定間隔cを存して
等ピツチで配設される係止爪部4cとで略T字形に形成
されるテイースT1〜12が形成されるが、各テイース
T間にはスロツトS1〜12が形成されている。
【0009】Cはアマチユアコア4に巻装される巻線群
であつて、該巻線群Cは、前記各スロツトSのうち、4
個のスロツトSを飛び越えた二つのスロツトS間に対し
て巻装される程を、コア軸3の軸芯対称となる関係で
両側に行うことで一回の巻装程とし、該巻装程を順
次隣接するスロツトS間にずらして行うことによつて各
スロツトSに対して二束ずつ巻装されるが、これによつ
て各スロツトSに巻装される二束の巻線群Cは、各テイ
ース基部4bに対する巻き掛け方向が異なるようになつ
ている。
【0010】前記巻線群Cは、実施例においては、S1
−S8間およびS2−S7間に巻装される第一巻装
程、S2−S9間およびS3−S8間に巻装される第二
巻装程、S3−S10間およびS4−S9間に巻装さ
れる第三巻装程、S4−S11間およびS5−S10
間に巻装される第四巻装程、S5−S12間およびS
6−S11間に巻装される第五巻装程、S6−S1間
およびS7−S12間に巻装される第六巻装程を経て
内周側から外周側へ順次積層状に巻装されるが、前記各
テイースTのうち、スロツトSの外周側開口近くに巻装
される巻線群C4〜6が巻き掛けられるテイースT1、
2、4〜8、10〜12のテイース基部4bは、係止爪
部4cの周方向中心に対して、先行して巻き掛けられる
巻線群C1〜3が巻装されるスロツトS側に左右幅を維
持した状態で偏倚している。即ち、後行して巻き掛けら
れる巻線群C4〜6が巻装されるスロツトSにおける係
止爪部4cの周方向長dを長くすると共に、スロツトS
の外周側開口近くに二束の巻線群Cが周方向に並ぶよう
巻装されるスロツトS、特にスロツトS6およびS12
については、図3から明らかなように、最終の巻線群と
その一つ前の巻線群が共に巻装されることになるが、該
スロツトS6およびS12の開口側部の幅寸法eが他の
スロツトの開口側部の幅寸法より広くなつている。また
さらに、実施例においては、前記テイースTの偏倚量
を、最終巻装程に近づく程大きくなるよう設定すると
共に、最終巻装程である第六巻装程と、その一つ手
前である第五巻装工程とで巻線群C6およびC5が巻装
されるスロツトS6およびS12にあつては、スロツト
深さを浅くすることによりスロツトSにおける巻線群C
の占積率を高めるようになつている。
【0011】叙述の如く構成された本発明の実施例にお
いて、アマチユアコア4の各スロツトSには、巻線群C
がダブルフライヤ方式の二層重ね巻きによつて内周側か
ら順次巻装されることになり、そして、後半の巻装
である第四〜第六巻装程で巻装される巻線群C4〜6
は、スロツトSの外周側開口近くに巻装されることにな
るが、巻線群C4〜6が巻き掛けられるテイースT1、
2、4〜8、10〜12のテイース基部4bを、係止爪
部4cの周方向中心に対して、先行して巻き掛けられる
巻線群C1〜3が巻装されるスロツトS側に偏倚せしめ
て、上記巻線群C4〜6が巻装されるスロツトSにおけ
る係止爪部4cの周方向長dを長く形成しているので、
巻線群C4〜6は長く形成された係止爪部4cによつて
確実に係止されてスロツトSから外れてしまうような不
具合が無い。
【0012】しかも、所定テイースTのテイース基部4
bを、幅aについては維持した状態で偏倚させたことに
よつて、特にスロツトS6およびS12における開口側
部の幅寸法eが他のものよりも広く形成されることにな
り、このため、スロツトS6およびS12の外周側開口
近くに、最終とその一つ前の工程で巻装される二束の巻
線群C5およびC6を共に一つのスロツトS6およびS
12に周方向に並ぶよう巻装する際に、後行して巻装さ
れる巻線群C6を容易にスロツトS内に巻装することが
でき、この結果、巻線群Cの巻装程における作業効率
を向上させて著しい生産性の向上を計ることができる。
【0013】さらに、実施例においては、巻線群C6お
よびC5が巻装されるスロツトS6およびS12のスロ
ツト深さを浅く、それ以外のスロツトSのスロツト深さ
を深く設定しているので、スロツトSにおける巻線群C
の占積率を高めることができ、もつてモータ性能も向上
させることができる。
【0014】また、偏倚されるテイース基部4bは、切
欠かれたりすることなく、他のテイース基部4bと同様
に所定幅aが確保されているため、磁路のアンバランス
に伴うモータ性能の低下が無いものとできる。
【0015】尚、本発明は、前記実施例に限定されない
ものであることは勿論であつて、例えば図4〜図7に示
す第二および第三実施例の如く、8スロツト型や16ス
ロツト型のアマチユアコアにおいても実施することがで
きる。つまり図4、5に記載される第二実施例のもので
は、図5に示される如く、スロツトS2およびS6が最
終とその一つ前の巻装工程で巻装される巻線群が共に巻
き掛けられるスロツトSなる。また、図6、7に記載さ
れる第三実施例のものでは、巻線群Cは、図7に示され
る如く、一層目を一束ごとに巻装する前半の巻線群C1
〜C4と、該前半の巻線群C1〜C4の巻装が成された
各スロットに対して二層目を一束ごとに巻装する後半の
巻線群C5〜C8とからなっており、そして後半の巻線
群C5〜C8が巻きかけられるテイース基部T2〜T
8、T10〜T16を、テイース基部幅は維持する状態
で、係止爪部の周方向の中心に対して前半の巻線工程で
巻装された巻線群C1〜C4が巻装されるスロット側に
偏倚させ、後半の巻線群C5〜C8が巻装される係止爪
部の周方向長が長くなっており、このようにしても本発
明を実施することができる。つまり、本発明は、アマチ
ユアコア4のスロツト数が6〜20程度のものに適して
いる。
【0016】
【作用効果】以上要するに、本発明は叙述の如く構成さ
れたものであるから、アマチユアコアの各スロツトに、
ダブルフライヤ方式によつて巻線群を二層重ね巻き状に
巻装するものでありながら、スロツトを形成する各テイ
ースのうち、最終の巻装程およびその一つ前の巻装
程で巻装される巻線群が巻き掛けられるスロツトにあつ
ては、該スロツトを形成する一対のテイースの基部が、
テイース基部幅は維持する状態で、スロツト開口側部の
幅寸法が他のスロツト開口側部の幅寸法より大きくなる
よう係止爪部の周方向の中心に対して互いに逆方向に向
けて偏倚し、これによつて、前記最終の巻装程および
その一つ前の巻装程の各巻線群が巻装される係止爪部
の周方向長が長いうえ、該スロツトの開口側部の幅寸法
が周方向両側に幅広となり、この結果、前記一つのスロ
ツトに共に巻装される最終の巻装工程およびその一つ前
の巻装工程の巻線群は、強度的に損なわれることがない
テイース基部に巻き掛けなれながら、該スロツトの開口
側部の寸法が周方向両側に広くなつて抜け防止が確実に
なるだけでなく、先行して巻装された巻線群による影響
を低減してこれら両巻線群の巻装スペースを確保できる
ことになつて、外周側開口に極めて近い位置に巻装され
る両巻線群がスロツトから外れるという従来の不具合を
確実に防止することができる。
【0017】さらに、前記の如くテイース基部を偏倚さ
せた場合には、少なくとも最終の巻装程およびその一
つ前の巻装程で巻線群が巻装されるスロツトの幅が広
げられることになるので、スロツトにおける占積率を高
めるべく巻線群を周方向に並べて巻装するものにおいて
は、後行して巻装される巻線群を極めて容易にスロツト
内に巻装できることになり、もつて巻装程の容易化に
より生産効率を著しく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】モータの断面図である。
【図2】アマチユアコアの側面図である。
【図3】巻線を巻装した状態の同上側面図である。
【図4】第二実施例を示すアマチユアコアの側面図であ
る。
【図5】巻線を巻装した状態の同上側面図である。
【図6】第三実施例を示すアマチュアコアの側面図であ
る。
【図7】巻線を巻装した状態の同上側面図である。
【符号の説明】
1 モータ 4 アマチユアコア 4a ボス部 4b テイース基部 4c 係止爪部 T テイース S スロツト C 巻線群
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 1/16 H02K 1/26 H02K 3/48 - 3/493

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻線が巻装されるアマチユアコアのスロ
    ツトを、ボス部から放射状に突設される複数のテイース
    基部と、該テイース基部先端から周方向両側に向けて突
    設され、かつ周方向に所定間隔を存して等ピツチで配設
    される係止爪部とで略T字形に形成されるテイース間に
    形成すると共に、これら各スロツトのうち予め決定され
    る個数のテイースを飛び越えた二つのスロツト間に対し
    て巻線群を巻装することを、径方向に対向する一対のテ
    イースの両側に存するスロット間に対称となる関係で行
    、かつこれを順次隣接するスロツト間にずらして行う
    ダブルフライヤ方式の二層重ね巻きにして、前記各スロ
    ツトに巻装される二束の巻線群の各テイース基部に対す
    る巻き掛け方向を異なるように構成してなるモータにお
    いて、前記各テイースのうち、最終の巻装工程およびそ
    の一つ前の巻線群が共に巻装されるスロツトを形成する
    一対のテイースを、その基部幅は維持する状態で、スロ
    ツト開口側部の幅寸法が他のスロツト開口側部の幅寸法
    より大きくなるよう係止爪部の周方向の中心に対して互
    いに逆方向に向けて偏倚させて、前記最終の巻装程お
    よびその一つ前の巻装程の巻線群が巻装される両係止
    爪部の周方向長を長くしたことを特徴とするモータにお
    けるアマチユア構造。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載される各テイースのう
    ち、少なくとも最終の巻装程からその二つ前の巻装
    程で巻装される巻線群が巻き掛けられるもののテイース
    基部について、係止爪部の周方向の中心に対し、先行し
    て巻き掛けられた巻線群が巻装されるスロツト側に偏倚
    させて、後行して巻き掛けられる前記少なくとも最終の
    巻装程から二つ前の巻装程の巻線群が巻装される係
    止爪部の周方向長を長くしたことを特徴とするモータに
    おけるアマチユア構造。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載される巻線群が、各スロ
    ツトに対して一層目を一束毎に巻装する前半の巻装工程
    と、該前半の巻装がなされた各スロツトに対して二層目
    を一束毎に巻装する後半の巻装工程とにより巻装される
    ものである場合に、前記各テイースのうち、後半の巻装
    程で巻装される巻線群が巻き掛けられるもののテイー
    ス基部を、テイース基部幅は維持する状態で、係止爪部
    の周方向の中心に対し、前半の巻装程で巻き掛けられ
    た巻線群が巻装されるスロツト側に偏倚させて、前記後
    半の巻装程の巻線群が巻装される係止爪部の周方向長
    を長くしたことを特徴とするモータにおけるアマチユア
    構造。
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