WO2013146345A1

WO2013146345A1 - エアバッグ装置

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Publication number: WO2013146345A1
Application number: PCT/JP2013/057389
Authority: WO
Inventors: 義則別府
Original assignee: オートリブディベロップメントエービー
Priority date: 2012-03-30
Filing date: 2013-03-15
Publication date: 2013-10-03
Also published as: JPWO2013146345A1; US20150054266A1; JP5762627B2; US9139151B2

Abstract

　このエアバッグ装置１は、エアバッグ１０を収納し保護する第一保護カバー１２ａ及び第二保護カバー１２ｂを備えている。エアバッグ１０は、第一保護カバー１２ａと第二保護カバー１２ｂとの間において、エアバッグ１０の長手方向と略平行で且つ外方に向けて突出するように形成されたタブ３０を有しており、タブ３０は、その一端が第一保護カバー１２ａに接続され、他端が第二保護カバー１２ｂに接続されている。

Description

エアバッグ装置

　本発明は、車両のルーフサイドレールに取り付けられるエアバッグ装置に関する。

　車両用のエアバッグ装置として、側面方向からの事故発生時において乗員の頭部がサイドウィンドウ等に激突することを防止するために、車両のルーフサイドレールからエアバッグをカーテン状に展開させるものが知られている。このようなエアバッグ装置は、カーテンエアバッグ装置とも称される。

　カーテンエアバッグ装置では、エアバッグは細長い状態となるように折り畳まれ、車両のルーフサイドレールに取り付けられた保護カバーの内部に収納される。前方座席の乗員のみならず後方座席の乗員をも保護するために、エアバッグ及び保護カバーは、車両の前後方向に沿ってルーフサイドレール全体に渡るように配置されることが多い。

　その結果、保護カバー全体は長いものとなるため、車両への取り付け前における運搬等を考慮すれば、保護カバー全体を一体のものとして成型することは望ましくない。このため、下記特許文献１に記載のエアバッグ装置のように、保護カバーをその長手方向に沿って複数に分割した構成とし、折り曲げてコンパクトな状態とすることのできるエアバッグ装置が提案されている。

　保護カバーが分割された構成のエアバッグ装置においては、細長い状態に折り畳まれている一本のエアバッグが、当該エアバッグの長手方向に沿って並ぶように配置された複数の保護カバーにより収納され保護される。

　一般に、エアバッグは柔軟に変形可能な布等により形成されている。このため、エアバッグ装置が車両に取り付けられる前において、それぞれの保護カバーがエアバッグの長手方向の周りに回転し、内部のエアバッグが捩じれた状態となる可能性がある。すなわち、それぞれの保護カバーが車両に取り付けられる際において、誤って内部のエアバッグが捩じれた状態のまま、車両に取り付けられてしまう可能性がある。

　エアバッグが捩じれた状態のまま保護カバーが車両に取り付けられてしまうと、事故が発生した際、エアバッグは乗員とサイドウィンドウ等との間に正しく展開されず、乗員を保護することができない。そればかりか、却って危険な状態となってしまう可能性もある。

　そこで、下記特許文献１に記載のエアバッグ装置では、隣り合う二つの保護カバーを相対的に回転できない状態で連結するような連結機構を、各保護カバーの端部に設けることとしている。

特開２０１１－３１６４０号公報

　上記特許文献１に記載のエアバッグ装置は、隣り合う一方の保護カバーの端部に雄型係合部を形成し、他方の保護カバーの端部に雌型係合部を形成した上で、対向する雄型係合部と雌型係合部とを係合させている。その結果、保護カバーの接続部において折り曲げることは許容しながら、エアバッグの長手方向の周りにおいて相対的に回転させる（捩じる）ことは規制した状態としている。

　しかしながら、各保護カバーの端部において複雑形状の雄型係合部又は雌型係合部を形成し、更にこれらを係合させる必要があるため、保護カバーを製作するための工程は複雑なものとなってしまう。また、連結用の機構を別部品として製作しておき、これを保護カバーの端部に取り付けることも考えられるが、部品点数が増加することにより結局は製作コストが上昇してしまう。

　本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の保護カバーがエアバッグの長手方向の周りにおいて相対的に回転し、エアバッグが捩じれた状態となることを、簡単且つ低コストな構成によって防止することのできるエアバッグ装置を提供することにある。

　上記課題を解決するために本発明に係るエアバッグ装置は、車両のルーフサイドレールに取り付けられるエアバッグ装置であって、細長い状態となるように折り畳まれたエアバッグと、前記エアバッグの一部を収納する第一保護カバーと、前記エアバッグの長手方向に沿って前記第一保護カバーと並ぶように配置され、前記エアバッグの一部を収納する第二保護カバーと、を備え、前記エアバッグは、前記第一保護カバーと前記第二保護カバーとの間において、前記エアバッグの長手方向と略平行で且つ外方に向けて突出するように形成されたタブを有しており、前記タブは、その一端が前記第一保護カバーに接続され、他端が前記第二保護カバーに接続されていることを特徴としている。

　本発明では、エアバッグの長手方向に沿って並ぶように配置された第一保護カバーと第二保護カバーとの間において、エアバッグにはタブが形成されている。当該タブは、エアバッグの長手方向と略平行で且つ外方に向けて突出するように形成されているものであって、その一端が第一保護カバーに接続され、他端が第二保護カバーに接続されている。

　すなわち、隣り合う第一保護カバーと第二保護カバーとは互いに直接連結されるのではなく、エアバッグの一部に形成されたタブを介して連結される。この状態で、第一保護カバーと第二保護カバーのうち一方のみをエアバッグの長手方向の回りに回転させようとすると（捩ろうとすると）、タブの両端が引っ張られた状態となることにより、回転が抑制される。

　また、これに抗して無理に回転させると、タブの向きがエアバッグの長手方向と略平行ではなくなるため、エアバッグが内部で捩じれてしまっていることを外部から容易に視認することができる。これにより、エアバッグが捩じれた状態のまま、第一保護カバー及び第二保護カバーが車両に取り付けられてしまうことが確実に防止される。

　また本発明に係るエアバッグ装置では、前記第一保護カバーのうち前記タブに近い方の端部には第一フック部が形成され、前記第二保護カバーのうち前記タブに近い方の端部には第二フック部が形成されており、前記タブは、一端に形成された第一挿通孔に前記第一フック部を挿通させることにより前記第一保護カバーに接続され、他端に形成された第二挿通孔に前記第二フック部を挿通させることにより前記第二保護カバーに接続されることも好ましい。

　この好ましい態様では、タブと第一保護カバーとの接続、及び、タブと第二保護カバーとの接続を、タブに形成された挿通孔に対して第一保護カバー等に形成されたフック部を挿通させることにより行っている。すなわち、第一保護カバーのうちタブに近い方の端部に第一フック部を形成し、第二保護カバーのうちタブに近い方の端部に第二フック部を形成した上で、これら第一フック部、第二フック部を、それぞれタブの両端に形成された第一挿通孔、第二挿通孔に挿通させている。

　このように、第一フック部、第二フック部、及びタブに形成された挿通孔という簡単な構成によって、タブと第一保護カバー等とを接続し、エアバッグが捩れた状態のまま車両に取り付けられることを防止することができる。また、タブと第一保護カバー等とを接続する作業を容易に行うことができる。

　また本発明に係るエアバッグ装置では、前記タブにおける前記第一挿通孔と前記第二挿通孔との距離は、エアバッグ装置が車両のルーフサイドレールに取り付けられた状態における、前記第一フック部と前記第二フック部との距離と略同一であることも好ましい。

　この好ましい態様では、タブにおける第一挿通孔と第二挿通孔との距離が、エアバッグ装置が車両のルーフサイドレールに取り付けられた状態における第一フック部と第二フック部との距離と略同一となるように、第一挿通孔及び第二挿通孔が形成されている。

　このため、エアバッグ装置が車両のルーフサイドレールに取り付けられた状態においては、両端がそれぞれ第一フック部、第二フック部に接続されたタブに撓みが生じることがない。その結果、第一保護カバーと第二保護カバーのうち一方のみをエアバッグの長手方向の回りに回転させることは不可能になる。これにより、エアバッグが捩じれた状態のまま、第一保護カバー及び第二保護カバーが車両に取り付けられてしまうことがより確実に防止される。

　また本発明に係るエアバッグ装置では、前記第一保護カバー及び前記第二保護カバーは、いずれも樹脂により形成されていることも好ましい。

　この好ましい態様では、第一保護カバー及び第二保護カバーをいずれも樹脂により形成しているため、第一フック部、第二フック部の形成が更に容易なものとなる。

　また本発明に係るエアバッグ装置では、前記タブは、一辺が前記エアバッグに縫い付けられた布であることも好ましい。

　この好ましい態様では、第一保護カバー及び第二保護カバーに連結させるためのタブを、エアバッグに容易に形成することができる。また、タブが自由に変形するため、第一保護カバーと第二保護カバーとの接続部において折り曲げる際に、タブが邪魔になることがない。

　また本発明に係るエアバッグ装置では、前記第一挿通孔の縁には第一枠体が取り付けられ、前記第二挿通孔の縁には第二枠体が取り付けられていることも好ましい。

　この好ましい態様では、布であるタブに形成された第一挿通孔及び第二挿通孔の形状が、第一枠体及び第二枠体によって固定され維持される。これにより、第一挿通孔に第一フック部を挿通させる作業等は更に容易なものとなる。また、第一挿通孔の縁が第一枠体によって補強されるため、第一フック部が第一挿通孔から外れてしまうことが防止される。同様に、第二挿通孔の縁が第二枠体によって補強されるため、第二フック部が第二挿通孔から外れてしまうことも防止される。

　本発明によれば、複数の保護カバーがエアバッグの長手方向の周りにおいて相対的に回転し、エアバッグが捩じれた状態となることを、簡単且つ低コストな構成によって防止することのできるエアバッグ装置を提供することができる。

本発明の実施形態に係るエアバッグ装置が車両に取り付けられた状態を示す断面図である。図１に示したエアバッグ装置のうち、保護カバーの連結部分の構成を説明するための図である。図１に示したエアバッグ装置のうち、保護カバーの連結部分の構成を説明するための図である。図１に示したエアバッグ装置を、保護カバーの連結部において折り曲げた状態を示す図である。

　以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。

　本発明の実施形態に係るエアバッグ装置について、図１を参照しながら説明する。図１は、本発明の実施形態に係るエアバッグ装置１が車両Ｖに取り付けられた状態を示す断面図である。図１では、車両Ｖのルーフサイドレール２に取り付けられた状態のエアバッグ装置１を、車両Ｖの前後方向と垂直な面で切断した場合における断面を示している。ルーフサイドレール２は、複数のパネル部材を溶接して閉断面に構成されており、そのうちの一つの車内側パネル部材であるインナーパネル４にエアバッグ装置１が取り付けられている。

　図１に示したように、エアバッグ装置１は、ロール状に折り畳まれて細長い状態となっているエアバッグ１０と、エアバッグ１０を内側に収納して保護する保護カバー１２とを備えている。更に、エアバッグ１０に膨張用ガスを供給するインフレータ（図示省略）を備えている。

　エアバッグ１０は、織布等を適宜の位置で縫合することによって袋状に形成されており、膨張用ガスの供給を受けて折り畳み状態から展開状態へと変形する。折り畳み状態のエアバッグ１０は、長尺状となっており、保護カバー１２に包み込まれるように収納される。このエアバッグ１０の折り畳んだ状態は、図１に示す如くロール状であってもよいし、アコーディオン状であってもよく、さらにはこれらを組み合わせた形態であってもよい。エアバッグ１０は、車両Ｖの側面衝突時などに乗員の頭部を保護するべく、ルーフサイドレール２の下方へとサイドウィンドウ等に沿ってカーテン状に展開される。

　保護カバー１２は、エアバッグ１０の長手方向に沿って配置され、エアバッグ１０全体を収納する。保護カバー１２は全体が一体成型されるのではなく、その長手方向に沿って二つに分割された構造となっており、車両前方側に配置される第一保護カバー１２ａと、車両後方側に配置される第二保護カバー１２ｂとにより構成されている。

　第一保護カバー１２ａ、第二保護カバー１２ｂはいずれも長尺状に形成されており、その長手方向と垂直な面における断面形状は互いに略同一となっている。第一保護カバー１２ａ、第二保護カバー１２ｂは、それぞれの長手方向を略一致させて並んだ状態で、図１に示すようにインナーパネル４に沿って車内側に配置される（図１においては、第一保護カバー１２ａの断面形状を示している）。第一保護カバー１２ａは、エアバッグ１０のうち車両前方側の部分を収納し保護する。第二保護カバー１２ｂは、エアバッグ１０のうち車両後方側の部分を収納し保護する。

　第一保護カバー１２ａ、第二保護カバー１２ｂは、樹脂により形成することが望ましい。本実施形態においては、いずれも熱可塑性エラストマーによって形成されており、作業者に押されるとたわむような所定のゴム状弾性を具備している。熱可塑性エラストマーとしては、各種のものを用いることができるが、オレフィン系（ＴＰＯ）のものを用いることが好ましく、その好ましい材料としては、ポリプロピレンとＥＰＤＭとの組み合せが挙げられる。このような熱可塑性エラストマー製の保護カバー１２を用いることで、車両Ｖが使用される広範囲な温度環境下（例えば－３５℃～８０℃の広い温度範囲）にて適切に使用することができる。また、後に説明するような第一フック部６０ａや第二フック部６０ｂを容易に形成することができる。なお、第一保護カバー１２ａ、第二保護カバー１２ｂの材質は熱可塑性エラストマーに限るものではなく、他の比較的柔らかい樹脂材料を用いることも可能である。

　第一保護カバー１２ａは、図１に示すように、折り畳んだ状態のエアバッグ１０を保護する保護部２０ａと、保護部２０ａから上方に延設されたタブ状のベース部２２ａと、を備えている。図１に示すように、ベース部２２ａは、エアバッグ１０が展開されない領域（保護部２０ａよりも上方）にあり、ベース部２２ａの一方の面Ｓａには、車両Ｖ側の取付け孔５ａに挿入される挿入部２４ａが突出形成されている。挿入部２４ａは筒状の部位であって、その上下の部分に車両Ｖ側に係脱可能に係止される係止部２５ａ，２６ａが形成されている。

　保護部２０ａは、エアバッグ１０がルーフサイドレール２等の車両Ｖのボディに当たって損傷しないように、エアバッグ１０を収納し保護する部分である。図１に示すように、保護部２０ａは、全体として略Ｃ字状の断面形状を有しており、この断面形状は、曲壁部４０ａと、曲壁部４０ａの両端から延びた直線状の上側直壁部４２ａ及び下側直壁部４４ａと、を備えている。第一保護カバー１２ａが車両Ｖに取り付けられた状態では、保護部２０ａは、略Ｃ字状の断面の開口側が車内側に向かって斜め下向きに指向される。このため、保護部２０ａに収容された折畳み状態のエアバッグ１０は、車内側に向かって斜め下方へと展開することになる。

　上側直壁部４２ａは、曲壁部４０ａの車内側の上端部Ｐ１ａに繋げて形成され、下側直壁部４４ａは、曲壁部４０ａの車外側の下端部Ｐ２ａに繋げて形成されている。換言すると、上側直壁部４２ａは曲壁部４０ａの上端部Ｐ１ａから延出され、下側直壁部４４ａは曲壁部４０ａの下端部Ｐ２ａから延出されている。下側直壁部４４ａの内面４４１ａは、曲壁部４０ａの曲率中心側にある面であり、展開されていくエアバッグ１０を案内する。また、下側直壁部４４ａは、曲壁部４０ａとは反対側の下端部Ｐ３ａに、車外側に向かって延出した延出部４６ａを有している。延出部４６ａは、エアバッグ１０とは反対側に延出しており、延出部４６ａの長手方向の少なくとも一部は、エアバッグ１０の展開時に車両Ｖ側のウェザーストリップ（図示省略）に突き当たるようになっている。

　尚、第二保護カバー１２ｂの断面形状は、以上において説明した第一保護カバー１２ａの断面形状と略同一であるため、その具体的な説明を省略する。以下の説明においては、例えば、第二保護カバー１２ｂのうち第一保護カバー１２ａの上側直壁部４２ａに相当する部分を、上側直壁部４２ｂと表記する。第二保護カバー１２ｂは、第一保護カバー１２ａと同様に、保護部２０ｂの断面の開口側が車内側に向かって斜め下向きに指向された状態で、車両Ｖのインナーパネル４に固定されている。

　続いて、第一保護カバー１２ａと第二保護カバー１２ｂとの連結部分の構成について、図２及び図３を参照しながら説明する。図２及び図３は、いずれも保護カバー１２の連結部分の構成を説明するための図である。図２では、第一保護カバー１２ａ、第二保護カバー１２ｂ、及びエアバッグ１０を分解した状態（連結する前の状態）を示しており、図３ではこれらを連結した状態を示している。

　図２に示したように、第一保護カバー１２ａ及び第二保護カバー１２ｂに収納されるエアバッグ１０には、折り畳まれた状態における外側面の一部にタブ３０が形成されている。タブ３０は、エアバッグ１０と同一の素材からなる矩形の織布片であって、その一方の長辺がエアバッグ１０の外側面に縫い付けられている。タブ３０は、その長手方向がエアバッグ１０の長手方向と略平行となり、折り畳まれたエアバッグ１０の外方に向けて突出するように配置されている。

　タブ３０には、その長手方向の両端部近傍において、それぞれ第一挿通孔３１ａ、第二挿通孔３１ｂが貫通形成されている。第一挿通孔３１ａ及び第二挿通孔３１ｂは、いずれも矩形に形成された貫通孔であって、タブ３０においてエアバッグ１０に縫い付けられた部分からの距離が互いに略同一となる位置に形成されている。

　第一挿通孔３１ａの縁には、樹脂により形成された矩形の第一枠体３２ａが固定されている。また、第二挿通孔３１ｂの縁には、樹脂により形成された矩形の第二枠体３２ｂが固定されている。第一枠体３２ａ及び第二枠体３２ｂは、互いに同一形状の枠体であって、それぞれ、織布片であるタブ３０に形成された第一挿通孔３１ａ及び第二挿通孔３１ｂの形状を維持するために備えられている。

　第一保護カバー１２ａのうち、第二保護カバー１２ｂに近い方の端部には、第一フック部６０ａが形成されている。図２に示したように、第一フック部６０ａは、上側直壁部４２ａの一部を切り欠くことにより、車内側に向けて突出した板状の突起として形成されている。第一フック部６０ａは、曲壁部４０ａから延びる部分であって上面視において略長方形となるように形成された平行部６３ａを有している。平行部６３ａよりも車内側には、エアバッグ１０の長手方向に沿って平行部６３ａよりも幅広となるように係止部６１ａ，６２ａが形成されている。

　ここで、エアバッグ１０の長手方向に沿った平行部６３ａの幅は、同方向に沿った第一枠体３２ａの内寸よりも小さい。一方、エアバッグ１０の長手方向に沿った係止部６１ａ，６２ａの幅（係止部６１ａの先端から係止部６２ａの先端までの距離）は、同方向に沿った第一枠体３２ａの内寸よりも僅かに大きい。

　第一フック部６０ａは、係止部６１ａ，６２ａよりもさらに車内側に行く程その幅が小さくなるように形成されており、車内側の先端が尖った状態となっている。このため、図２に示したように、第一フック部６０ａは上面視において矢印形状となっている。

　第二保護カバー１２ｂのうち、第一保護カバー１２ａに近い方の端部には、第二フック部６０ｂが形成されている。図２に示したように、第二フック部６０ｂは、上側直壁部４２ｂの一部を切り欠くことにより、車内側に向けて突出した板状の突起として形成されている。第二フック部６０ｂは、曲壁部４０ｂから延びる部分であって上面視において略長方形となるように形成された平行部６３ｂを有している。平行部６３ｂよりも車内側には、エアバッグ１０の長手方向に沿って平行部６３ｂよりも幅広となるように係止部６１ｂ，６２ｂが形成されている。

　ここで、エアバッグ１０の長手方向に沿った平行部６３ｂの幅は、同方向に沿った第二枠体３２ｂの内寸よりも小さい。一方、エアバッグ１０の長手方向に沿った係止部６１ｂ，６２ｂの幅（係止部６１ｂの先端から係止部６２ｂの先端までの距離）は、同方向に沿った第二枠体３２ｂの内寸よりも僅かに大きい。

　第二フック部６０ｂは、係止部６１ｂ，６２ｂよりもさらに車内側に行く程その幅が小さくなるように形成されており、車内側の先端が尖った状態となっている。このため、図２に示したように、第二フック部６０ｂは上面視において矢印形状となっている。

　本実施形態に係るエアバッグ装置１は、図３に示したように、第一フック部６０ａをタブ３０の第一挿通孔３１ａ（第一枠体３２ａ）に挿通させることにより、第一保護カバー１２ａとタブ３０とが接続されている。第一フック部６０ａは、平行部６３ａが第一挿通孔３１ａに挿通されている。係止部６１ａ及び係止部６２ａが第一枠体３２ａに係ることによって、第一フック部６０ａが第一挿通孔３１ａから容易に抜けてしまうことを防止している。

　同様に、第二フック部６０ｂをタブ３０の第二挿通孔３１ｂ（第二枠体３２ｂ）に挿通させることにより、第二保護カバー１２ｂとタブ３０とが接続されている。第二フック部６０ｂは、平行部６３ｂが第二挿通孔３１ｂに挿通されている。係止部６１ｂ及び係止部６２ｂが第二枠体３２ｂに係ることによって、第二フック部６０ｂが第二挿通孔３１ｂから容易に抜けてしまうことを防止している。

　このように、エアバッグ装置１においては、エアバッグ１０の長手方向に沿って互いに隣り合う第一保護カバー１２ａと第二保護カバー１２ｂとが、互いに直接連結されるのではなく、エアバッグ１０の一部に形成されたタブ３０を介して連結されている。図３に示した状態で、第一保護カバー１２ａと第二保護カバー１２ｂのうち一方のみをエアバッグ１０の長手方向の回りに回転させようとすると（捩ろうとすると）、タブ３０の両端が引っ張られた状態となることにより、回転が抑制される。

　また、これに抗して無理に回転させると、タブ３０の向きがエアバッグ１０の長手方向と略平行ではなくなるため、エアバッグ１０が内部で捩じれてしまっていることを外部から容易に視認することができる。これにより、エアバッグ１０が捩じれた状態のまま、第一保護カバー１２ａ及び第二保護カバー１２ｂが車両Ｖに取り付けられてしまうことを確実に防止している。

　一方、第一保護カバー１２ａと第二保護カバー１２ｂとの間に配置され両者を連結しているタブ３０は、柔らかい織布であるから、自由に変形することができる。このため、エアバッグ装置１を車両Ｖに取り付ける前の運搬時等においては、図４に示したように、第一保護カバー１２ａと第二保護カバー１２ｂとの接続部分において折り曲げた状態とすることができる。

　タブ３０を折り曲げず、平坦面に沿うように広げた状態においては、タブ３０における第一挿通孔３１ａと第二挿通孔３１ｂとの距離は、エアバッグ装置１が車両Ｖに取り付けられた状態（すなわち、図３の状態）における、第一フック部６０ａと第二フック部６０ｂとの距離と略同一となっている。このため、エアバッグ装置１が車両Ｖに取り付けられた状態においては、両端がそれぞれ第一フック部６０ａ、第二フック部６０ｂに接続されたタブ３０に撓み（エアバッグ１０の長手方向に沿った撓み）が生じることがない。その結果、第一保護カバー１２ａと第二保護カバー１２ｂのうち一方のみをエアバッグの長手方向の回りに回転させた（エアバッグ１０が捩じれた）状態のまま、エアバッグ装置１を車両Ｖに取り付けることは不可能となっている。これにより、エアバッグ１０が捩じれた状態のまま、第一保護カバー１２ａ及び第二保護カバー１２ｂが車両Ｖに取り付けられてしまうことを確実に防止している。

　以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。

　１：エアバッグ装置
　２：ルーフサイドレール
　４：インナーパネル
　５ａ：取付け孔
　１０：エアバッグ
　１２：保護カバー
　１２ａ：第一保護カバー
　１２ｂ：第二保護カバー
　２０ａ，２０ｂ：保護部
　２２ａ：ベース部
　２４ａ：挿入部
　２５ａ，２６ａ：係止部
　３０：タブ
　３１ａ：第一挿通孔
　３１ｂ：第二挿通孔
　３２ａ：第一枠体
　３２ｂ：第二枠体
　４０ａ，４０ｂ：曲壁部
　４２ａ，４２ｂ：上側直壁部
　４４ａ：下側直壁部
　４６ａ：延出部
　６０ａ：第一フック部
　６０ｂ：第二フック部
　６１ａ，６２ａ，６１ｂ，６２ｂ：係止部
　６３ａ，６３ｂ：平行部
　４４１ａ：内面
　Ｐ１ａ：上端部
　Ｐ２ａ：下端部
　Ｐ３ａ：下端部
　Ｓａ：面
　Ｖ：車両

Claims

　車両のルーフサイドレールに取り付けられるエアバッグ装置であって、
　細長い状態となるように折り畳まれたエアバッグと、
　前記エアバッグの一部を収納する第一保護カバーと、
　前記エアバッグの長手方向に沿って前記第一保護カバーと並ぶように配置され、前記エアバッグの一部を収納する第二保護カバーと、を備え、
　前記エアバッグは、前記第一保護カバーと前記第二保護カバーとの間において、前記エアバッグの長手方向と略平行で且つ外方に向けて突出するように形成されたタブを有しており、
　前記タブは、その一端が前記第一保護カバーに接続され、他端が前記第二保護カバーに接続されていることを特徴とするエアバッグ装置。
　前記第一保護カバーのうち前記タブに近い方の端部には第一フック部が形成され、
　前記第二保護カバーのうち前記タブに近い方の端部には第二フック部が形成されており、
　前記タブは、一端に形成された第一挿通孔に前記第一フック部を挿通させることにより前記第一保護カバーに接続され、
　他端に形成された第二挿通孔に前記第二フック部を挿通させることにより前記第二保護カバーに接続されることを特徴とする、請求項１に記載のエアバッグ装置。
　前記タブにおける前記第一挿通孔と前記第二挿通孔との距離は、
　エアバッグ装置が車両のルーフサイドレールに取り付けられた状態における、前記第一フック部と前記第二フック部との距離と略同一であることを特徴とする、請求項２に記載のエアバッグ装置。
　前記第一保護カバー及び前記第二保護カバーは、いずれも樹脂により形成されていることを特徴とする、請求項２又は請求項３に記載のエアバッグ装置。
　前記タブは、一辺が前記エアバッグに縫い付けられた布であることを特徴とする、請求項２乃至４のいずれか一項に記載のエアバッグ装置。
　前記第一挿通孔の縁には第一枠体が取り付けられ、前記第二挿通孔の縁には第二枠体が取り付けられていることを特徴とする、請求項５に記載のエアバッグ装置。