WO2013125486A1 - プリテンショナ - Google Patents
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Abstract
プリテンショナのアンカの重量を減少させるとともに、アンカの構造を簡単にする。 プリテンショナ(1)は、車両用のシートベルト装置に用いられてシートベルトを引っ張る。ガス発生装置は、シリンダ(10)内にガスを供給する。ガス発生装置から供給されるガスにより、ピストンがシリンダ(10)内を移動する。ワイヤ(60)は、ピストンにより引っ張られて、連結部(61)に連結されたシートベルトを引っ張る。アンカ(2)は、ワイヤ(60)の連結部(61)を覆いシートベルトに取り付けられる管状部材(2A)からなる。ワイヤ(60)の連結部(61)は、管状部材(2A)内に挿入された状態で、管状部材(2A)に固定される。
Description
本発明は、車両用のシートベルト装置に用いられるプリテンショナに関する。
車両の緊急時に、シートベルト装置は、リトラクタにより、シートベルトの繰り出しを停止する。また、シートベルト装置が備えるプリテンショナがシートベルトを引っ張り、シートベルトが引き締められ、乗員は、シートベルトによりシートに拘束されて保護される。
乗員の拘束時には、プリテンショナにより、シートベルトを確実に引っ張る必要がある。プリテンショナとして、従来、ワイヤにより、シートベルトに接続したアンカを引っ張るプリテンショナが知られている(特許文献1参照)。
従来のプリテンショナでは、アンカは、板状の接続部と、パイプ状の取付部とを有する。シートベルトは、接続部の孔に通されて接続部に接続される。ワイヤは、取付部内に挿入されて、カシメにより取付部に取り付けられる。
プリテンショナの作動時には、アンカに、プリテンショナとシートベルトから大きな力が加えられる。この力は、例えば、プリテンショナがシートベルトを引っ張る力と、シートベルトが乗員から受ける力である。この力により、ワイヤがアンカの取付部から抜けるのを防止するため、取付部(カシメ部分)及びワイヤは長くする必要がある。そのため、アンカは、長く、かつ、大きくなる傾向があり、アンカの重量も増加する。また、従来のプリテンショナでは、アンカの構造が複雑であるため、アンカの製造が困難であり、アンカのコストが高くなる。
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたもので、その目的は、プリテンショナのアンカの重量を減少させるとともに、アンカの構造を簡単にすることである。
本発明は、車両用のシートベルト装置に用いられてシートベルトを引っ張るプリテンショナであって、シリンダと、シリンダ内にガスを供給するガス発生装置と、ガス発生装置から供給されるガスにより、シリンダ内を移動するピストンと、ピストンにより引っ張られて、連結部に連結されたシートベルトを引っ張るワイヤと、ワイヤの連結部を覆いシートベルトに取り付けられる管状部材からなるアンカと、を備え、ワイヤの連結部が、管状部材内に挿入された状態で管状部材に固定されたプリテンショナである。
本発明によれば、プリテンショナのアンカの重量を減少させることができる。また、アンカの構造を簡単にすることができる。
本発明のプリテンショナの一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のプリテンショナは、車両用のシートベルト装置に用いられて、乗員が装着したシートベルトを引っ張る。
本実施形態のプリテンショナは、車両用のシートベルト装置に用いられて、乗員が装着したシートベルトを引っ張る。
図1は、本実施形態のプリテンショナを備えたシートベルト装置を示す側面図である。
乗員110は、図示のように、シート111に座ってシートベルト装置100を装着する。シート111は、シートクッション112とシートバック113を有する。シートベルト装置100は、車両に搭載されてシート111(運転席、助手席、後部席等)に付設される。
乗員110は、図示のように、シート111に座ってシートベルト装置100を装着する。シート111は、シートクッション112とシートバック113を有する。シートベルト装置100は、車両に搭載されてシート111(運転席、助手席、後部席等)に付設される。
シートベルト装置100は、プリテンショナ1と、シートベルト101と、リトラクタ102と、シートベルトガイド103と、タング104と、バックル105を備えている。プリテンショナ1は、車両内の下方部に配置され、シート111の側方で、車体(フロア等)に固定される。シートベルト101は、長尺な帯状部材(ウエビング)からなる。リトラクタ102は、シートベルト101を巻き取る巻き取り装置であり、シート111の側方で車体に固定されている。
シートベルト101の一端部は、シート111の側方で、プリテンショナ1のアンカ2に取り付けられる。シートベルト101は、プリテンショナ1とリトラクタ102の間で、車両内の上方部に固定されたシートベルトガイド103を通される。タング104は、シートベルト101が通される孔(図示せず)を有する。バックル105は、タング104をロックするロック機構(図示せず)を有し、シート111の側方(プリテンショナ1の反対側)で、車体(フロア等)に固定される。タング104をバックル105に差し込むことで、タング104がバックル105にロックされる。
乗員110がシートベルト101を装着するときには、シートベルト101をリトラクタ102から引き出し、タング104をバックル105にロックする。シートベルト101は、乗員110に装着された状態で、シートベルトガイド103とタング104の間のショルダベルト106と、タング104とプリテンショナ1の間のラップベルト107を有する。乗員110がシートベルト101を外すときには、バックル105のリリースボタン(図示せず)を押すことで、タング104のロックが解除される。
車両の緊急時には、リトラクタ102は、シートベルト101の繰り出しを停止する。プリテンショナ1は、作動指示部(図示せず)から作動信号を受信したときに作動する。作動指示部は、車両に設けられたセンサ(衝撃検知センサ、減速検知センサ等)からなり、衝撃や減速を検知したときにプリテンショナ1に作動信号を出力する。プリテンショナ1は、作動によりシートベルト101の一端部を引っ張り、シートベルト101に張力を付加する。これにより、シートベルト101の弛みがなくなり、シートベルト101が引き締められる。乗員110は、シートベルト101によりシート111に拘束されて保護される。
次に、プリテンショナ1について詳しく説明する。
図2は、プリテンショナ1の側面図である。図3は、図2に示すプリテンショナ1の断面図である。図4は、図2のX-X線で切断したプリテンショナ1の断面図である。図5は、分解したプリテンショナ1の斜視図である。
プリテンショナ1は、図示のように、筒状のシリンダ10と、ピストン20と、ハウジング30と、ベース40と、固定部材3を備えている。これらプリテンショナ1の部品は、それぞれ金属により所定形状に形成されている。また、プリテンショナ1は、連結部材50と、ガス発生装置4を備えている。
図2は、プリテンショナ1の側面図である。図3は、図2に示すプリテンショナ1の断面図である。図4は、図2のX-X線で切断したプリテンショナ1の断面図である。図5は、分解したプリテンショナ1の斜視図である。
プリテンショナ1は、図示のように、筒状のシリンダ10と、ピストン20と、ハウジング30と、ベース40と、固定部材3を備えている。これらプリテンショナ1の部品は、それぞれ金属により所定形状に形成されている。また、プリテンショナ1は、連結部材50と、ガス発生装置4を備えている。
シリンダ10は、円筒状に形成された圧力容器であり、一端部12に形成された矩形状の切欠部14とガスの流入孔15を有する。シリンダ10の内部空間11は、シリンダ10の両端部12、13の開口により、シリンダ10の外部に繋がる。シリンダ10の一端部12は、真っ直ぐに形成され、シリンダ10の他端部13は、端面に向かって次第に細くなる。切欠部14は、シリンダ10の端面から一端部12の所定位置まで形成され、シリンダ10を貫通する。流入孔15は、シリンダ10の一端部12側に形成され、シリンダ10を貫通する。ガスは、流入孔15からシリンダ10内(内部空間11)に流入する。なお、2つの切欠部14が、シリンダ10の中心線の両側に形成されており、一方の切欠部14が、ベース40をガイドするガイド部16になっている。
ガス発生装置4は、点火装置とガス発生剤(図示せず)を有し、ハウジング30により流入孔15の位置に配置される。点火装置によりガス発生剤が点火されて、ガス発生剤の燃焼によりガスが発生する。ガス発生装置4は、作動信号を受信したときにガスを発生し、流入孔15を通してシリンダ10内にガスを供給する。ガス発生装置4から供給されるガスにより、ピストン20が、シリンダ10内を移動して、連結部材50を引っ張り、シートベルト101は、連結部材50により引っ張られる。
ハウジング30は、直交するように一体成形された筒状部31と保持部32を有する。筒状部31は、シリンダ10の外周形状に合わせて形成された筒状の取付部である。シリンダ10の一端部12を筒状部31に挿入することで、筒状部31がシリンダ10の外周に嵌合する。ハウジング30は、筒状部31により、シリンダ10の外周に取り付けられる。保持部32は、筒状部31の外周に筒状に形成され、筒状部31の側方に突出する。ハウジング30は、保持部32にガス発生装置4を保持した状態で、シリンダ10の外周に装着される。ガス発生装置4は、筒状のカラー5により保持部32内に固定され、保持部32によりシリンダ10の外周に保持される。
図6は、ハウジング30、ガス発生装置4、及び、カラー5の断面図である。図6では、分解したハウジング30、ガス発生装置4、及び、カラー5を、図3に対応させて示す。なお、筒状部31、保持部32、及び、カラー5は、円筒状に形成されている。
ハウジング30は、図示のように、筒状部31の内周に形成された保持部32の開口部33を有する。開口部33は、筒状部31内で、シリンダ10の外周に嵌合する内面に設けられている。保持部32の内部は、開口部33により、筒状部31の内部と繋がる。
ハウジング30は、図示のように、筒状部31の内周に形成された保持部32の開口部33を有する。開口部33は、筒状部31内で、シリンダ10の外周に嵌合する内面に設けられている。保持部32の内部は、開口部33により、筒状部31の内部と繋がる。
ハウジング30の筒状部31は、ガス発生装置4の挿入孔34を有する。挿入孔34は、筒状部31において、保持部32の開口部33に相対する位置に形成されている。ここでは、挿入孔34は、筒状部31の中心線に対して、開口部33の反対側に位置する。ガス発生装置4は、挿入孔34に挿入されて、開口部33から保持部32内に配置される。カラー5は、挿入孔34と開口部33を通して、保持部32とガス発生装置4の間に押し込まれる。その際、カラー5は、保持部32内の複数の突条35を押し潰しつつ、保持部32内に挿入されたガス発生装置4を固定する。
ハウジング30の保持部32は、ガス発生装置4の収容部36と、ガス発生装置4を押さえる押さえ突部37を有する。収容部36と押さえ突部37は、保持部32内に形成されている。ガス発生装置4は、開口部33から収容部36に挿入されて、収容部36内に収容される。押さえ突部37は、収容部36の端部に環状に形成され、保持部32内に突出する。ガス発生装置4の挿入時に、ガス発生装置4の端部が押さえ突部37に当たって、ガス発生装置4が停止する。ガス発生装置4は、押さえ突部37により、保持部32(収容部36)内の所定位置に配置された状態で押さえられ、ガス発生装置4がガスを発生するときに、押さえ突部37により保持部32(収容部36)に保持される。
ハウジング30の内面には、溝38が設けられている。溝38は、筒状部31の一端面から、筒状部31内の所定位置まで直線状に形成されている。ハウジング30は、筒状部31の内周に形成された溝38により、シリンダ10に正確に装着される。ここでは、2つの溝38が、筒状部31の中心線の両側に、筒状部31の中心線に沿って設けられている。
シリンダ10(図4、図5参照)は、耳状の突部17を有する。突部17は、シリンダ10の外表面をつまむようにプレスすることで、シリンダ10の外周に形成される。ここでは、ハウジング30の2つの溝38に対応して、2つの突部17が、シリンダ10の中心線の両側に設けられている。ハウジング30をシリンダ10に装着するときに、シリンダ10の突部17を、ハウジング30の溝38に入れる。溝38は、突部17をガイドするとともに、筒状部31内で突部17を停止させる。即ち、突部17は、溝38内を摺動しつつ溝38に沿って移動し、溝38の端部で停止する。溝38と突部17が嵌合することで、ハウジング30がシリンダ10の所定位置に装着され、シリンダ10の周りでハウジング30が回転するのが防止される。
このように、シリンダ10とハウジング30は、シリンダ10に装着するハウジング30を位置決めする一対の位置決め部18、39を有する。シリンダ10の位置決め部18は、位置決め突部である突部17からなる。突部17がハウジング30に当接することで、ハウジング30が位置決めされる。ハウジング30の位置決め部39は、位置決め溝及びガイド溝である溝38からなる。一対の位置決め部18、39は、ハウジング30をシリンダ10に装着するときに、互いに嵌合する。ここでは、二組の位置決め部18、39が、それぞれ嵌合して、シリンダ10とハウジング30を二箇所で位置決めする。
ハウジング30(図2~図5参照)をシリンダ10に装着したときに、ハウジング30の挿入孔34がシリンダ10の外周面により塞がれ、シリンダ10の流入孔15が保持部32の開口部33と重なり合う。即ち、シリンダ10の外周において、流入孔15は、ハウジング30をシリンダ10に装着したときに開口部33に合わさる位置に形成されている。開口部33は、ガス発生装置4が発生するガスの流出口である。ガス発生装置4がガスを発生したときに、開口部33から流出するガスは、流入孔15からシリンダ10内に流入する。ガス発生装置4は、ガスを開口部33と流入孔15を通してシリンダ10内に直接供給する。
ピストン20は、シリンダ10の内周形状に合わせて形成された筒状部材からなり、外周に形成された傾斜部21を有する。ピストン20は、シリンダ10内に配置され、シリンダ10内に供給されるガスにより、シリンダ10の一端部12から他端部13に向かってシリンダ10の長手方向(移動方向F)に移動する。傾斜部21は、ピストン20の両端部(大径部)の間に形成された小径部からなり、ピストン20の移動方向Fに向かって徐々に太くなる。
ピストン20の傾斜部21には、弾性リング22と複数の球体23が配置される。弾性リング22は、傾斜部21の最も細い部分に取り付けられる。複数の球体23は、傾斜部21とシリンダ10の間の空間に収容され、傾斜部21を囲むように環状に配置される。ハウジング30をシリンダ10に装着する前に、傾斜部21がシリンダ10の流入孔15の位置に配置され、複数の球体23が流入孔15からシリンダ10内に入れられる。その状態で、ピストン20をシリンダ10の他端部13側に押し込むことで、複数の球体23が、傾斜部21とシリンダ10の間の空間に収容される。同時に、ピストン20を、流入孔15の他端部13側まで移動させて、シリンダ10内の規定位置に配置する。規定位置は、プリテンショナ1の組み立て時にピストン20を配置する位置としてシリンダ10内に設定された位置である。
プリテンショナ1の作動前に、ピストン20は、規定位置に配置されるとともに、ハウジング30及び流入孔15に近接して配置される。プリテンショナ1の作動前及び後において、流入孔15は、ピストン20とベース40の間に位置する。ガスは、流入孔15から、ピストン20とベース40の間の流入室6に供給される。流入室6は、シリンダ10内に供給されるガスが流入する空間であり、シリンダ10、ピストン20、及び、ベース40により区画されている。ピストン20は、流入室6に流入するガスの圧力によりシリンダ10内を摺動し、シリンダ10の他端部13で停止する。
連結部材50は、シートベルト101とピストン20を連結し、ピストン20の移動によりシートベルト101を引っ張る。また、連結部材50は、ワイヤ(ワイヤロープ)60とアンカ2を有する。アンカ2は、連結部材50の一端部に設けられて、シートベルト101に取り付けられる。連結部材50の他端部は、ピストン20に連結され、ピストン20の移動により移動方向Fに引っ張られる。これに伴い、連結部材50(ワイヤ60)が、シリンダ10内に引き込まれて、シートベルト101を引っ張る。
ワイヤ60は、シートベルト101に連結される連結部(シートベルト連結部という)61と、ピストン20に連結される連結部(ピストン連結部という)62を有する。ワイヤ60は、ピストン20とシートベルト101に連結され、ピストン20の移動によりシートベルト101を引っ張る。シートベルト連結部61は、1本のワイヤ60を折り返して揃えられたワイヤ60の両端部からなり、アンカ2によりシートベルト101に連結される。即ち、ワイヤ60が、両端部間の部分を折り曲げるようにして折り返されて、両端部が、シートベルト101に連結される。アンカ2は、ワイヤ60の2つの端部(先端部)からなるシートベルト連結部61に固定される。ワイヤ60は、シリンダ10内を移動するピストン20により引っ張られて、シートベルト連結部61に連結されたシートベルト101を引っ張る。
ワイヤ60を折り返すことで、折り返し部63が、ワイヤ60の両端部間に、U字状や環状に形成される。ワイヤ60のピストン連結部62は、折り返し部63からなり、ワイヤ60をピストン20に連結するための連結手段51により、ピストン20に連結される。折り返し部63は、連結手段51により、シリンダ10内を移動するピストン20に保持される。
連結手段51は、ピストン20に形成された連結孔24と、連結孔24よりも大きな抜け止め部材52を有する。連結孔24は、ピストン20の中心を貫通する孔からなる。折り返し部63は、連結孔24を貫通するように配置され、折り返し部63の先端部は、ピストン20に対して、移動方向Fの前方側(流入室6の反対側)に配置される。抜け止め部材52は、少なくとも折り返し部63の内側に配置されるとともに、折り返し部63とピストン20の間に配置される。抜け止め部材52は、折り返し部63とピストン20の間に介在して、折り返し部63が連結孔24から抜けるのを防止する。折り返し部63に設けられた抜け止め部材52により、折り返し部63が抜け止めされる。このように、折り返し部63は、連結孔24を貫通して、抜け止め部材52によりピストン20に連結される。
ピストン20の移動時に、抜け止め部材52が、ピストン20の端面、又は、連結孔24の内面に引っ掛かり、ワイヤ60の折り返し部63が、抜け止め部材52により保持される。連結孔24は、ピストン20の移動方向Fに向かって次第に大きくなるように形成されている。その結果、連結孔24の内面が傾斜面に形成され、連結孔24は、抜け止め部材52が配置される側に向かって次第に拡がる。折り返し部63の一部と抜け止め部材52の一部は、連結孔24内に配置される。連結孔24の縁部は、なだらかに湾曲する凸状の曲面に形成されており、ワイヤ60が連結孔24の縁部で傷つくのが防止される。また、プリテンショナ1の作動によりワイヤ60が引っ張られたときに、ワイヤ60の線材が連結孔24の縁部で切断されるのが防止される。
抜け止め部材52は、折り返し部63でワイヤ60を囲むリング状部材からなる。組み立て時に、ワイヤ60が抜け止め部材52の孔に挿入されて、抜け止め部材52が折り返し部63に配置される。その後、ワイヤ60の両端部を連結孔24に挿入し、ワイヤ60をピストン20から引き出す。これにより、抜け止め部材52が、ピストン20に接触し、連結孔24にはまるように配置される。
流入室6側のピストン20の端面には、シール部材25とセットプレート26が取り付けられる。シール部材25とセットプレート26は、ワイヤ60の両端部が挿入される2つの孔を有する。セットプレート26の孔の部分をカシメることで、セットプレート26がワイヤ60に固定される。シール部材25は、円盤状の弾性部材からなり、セットプレート26とピストン20の間に挟まれる。ピストン20の端面は、シール部材25によりシールされる。ワイヤ60をピストン20に連結して、シール部材25とセットプレート26をピストン20に取り付けた後に、アンカ2がワイヤ60の両端部に固定される。
図7は、ワイヤ60に固定する前のアンカ2を示す図である。図7Aは、アンカ2の正面図である。図7Bは、図7AのY-Y線で切断したアンカ2の断面図である。図7Aでは、ワイヤ60の端部64、65(シートベルト連結部61)の一部も示す。
アンカ2は、図示のように、直線状に延びる管状部材2Aからなる。管状部材2Aは、例えば、押出成形により所定の断面形状に成形されたアルミニウム管であり、並列する2つの中空部2B、2Cを有する。中空部2B、2Cは、それぞれ管状部材2Aを長手方向に貫通する孔を有する。
アンカ2は、図示のように、直線状に延びる管状部材2Aからなる。管状部材2Aは、例えば、押出成形により所定の断面形状に成形されたアルミニウム管であり、並列する2つの中空部2B、2Cを有する。中空部2B、2Cは、それぞれ管状部材2Aを長手方向に貫通する孔を有する。
ワイヤ60の2つの端部64、65は、それぞれ管状部材2Aの反対側の端部(端面)から、異なる中空部2B、2Cに挿入される。即ち、ワイヤ60の一方の端部64は、管状部材2Aの一方の端部から一方の中空部2Bに挿入(図7Aの矢印S1)される。ワイヤ60の他方の端部65は、管状部材2Aの他方の端部から他方の中空部2Cに挿入(図7Aの矢印S2)される。ワイヤ60の端部64、65は、管状部材2Aの反対側の端部まで挿入されて、管状部材2A内に並べて配置される。その状態で、管状部材2Aをカシメることで、管状部材2Aが、ワイヤ60の端部64、65(シートベルト連結部61)に固定される。
ワイヤ60のシートベルト連結部61は、管状部材2A内に挿入された状態で管状部材2Aに固定される。また、管状部材2Aは、ワイヤのシートベルト連結部61が挿入された状態で曲げられ、曲げ変形により、シートベルト連結部61とともにループ形状に形成される。ループ形状は、内側を他の部材が通される形状(例えば、環形状、U字形状、弧形状、湾曲形状)である。シートベルト101の一端部を、管状部材2Aを通して縫製することで、シートベルト101が管状部材2A(アンカ2)に取り付けられる。管状部材2Aは、ワイヤ60のシートベルト連結部61を覆い、シートベルト101に取り付けられる。
ベース40(図2~図5参照)は、一体成形された嵌合部41、押さえ部42、及び、ガイド部43を有し、シリンダ10の内周及び一端部12に取り付けられる。嵌合部41は、シリンダ10の内周形状に合わせて形成された柱状部材からなり、シリンダ10内に挿入されて、シリンダ10の内周に嵌合する。シリンダ10の一端部12は、嵌合部41がシリンダ10の一端部12に嵌合することで塞がれる。
ベース40の嵌合部41は、通過孔44と保護部45を有し、シリンダ10内でピストン20と向かい合う。通過孔44は、折り返されたワイヤ60が通過可能な孔からなり、並列した2つのワイヤ60の断面形状に対応して、中央部がくびれた形状に形成されている。ワイヤ60の両端部64、65は、アンカ2をワイヤ60に固定する前に、通過孔44に挿入されて通過孔44から引き出される。また、プリテンショナ1の作動時には、ワイヤ60は、通過孔44を通過してシリンダ10内に引き込まれる。
保護部45は、嵌合部41の先端に形成されたテーパー部であり、流入孔15の位置に合わせてシリンダ10内に配置される。保護部45は、ガス発生装置4から供給されるガスが当たる位置に配置され、シリンダ10内に供給されるガスを受ける。ワイヤ60は、シリンダ10(流入室6)内で保護部45により覆われ、保護部45によりガスから保護される。ガスは、保護部45に当たった後、保護部45によりピストン20へ向かって誘導される。保護部45の先端部では、通過孔44とワイヤ60の間の隙間が、ガスの流出を抑制できる寸法に設定されているため、ガスが通過孔44から噴出するのが防止される。
ベース40の押さえ部42は、嵌合部41に形成された突起からなり、嵌合部41をシリンダ10に挿入するときに、シリンダ10の切欠部14(ガイド部16)内を移動する。シリンダ10のガイド部16は、押さえ部42をシリンダ10に装着されたハウジング30に当接するまでガイドする。押さえ部42は、ハウジング30の端部に当たって、シリンダ10に装着されたハウジング30を押さえる。押さえ部42により、ハウジング30がシリンダ10に保持され、ハウジング30の移動と、ハウジング30がシリンダ10から外れるのが防止される。
ベース40のガイド部43は、シートベルト101の位置する方向に向かって突出する。連結部材50(ワイヤ60)は、ガイド部43の外面(ガイド面)に接するように配置され、ガイド部43によりシートベルト101へガイドされる。保持部材46は、ベース40に取り付けられてワイヤ60をベース40に沿わせて保持する。即ち、ワイヤ60は、保持部材46に形成された孔に通され、保持部材46は、ガイド部43の先端部に取り付けられる。保持部材46により、ワイヤ60は、ベース40の所定位置に正確に配置されて、ガイド部43に沿う状態でベース40に保持される。
ベース40は、シリンダ10に取り付けられた後に、固定部材3により車体に固定される。その際、固定部材3は、ベース40とシリンダ10に形成された貫通孔7a、7bに挿入される。貫通孔7a、7bは、ベース40の嵌合部41をシリンダ10の内周に嵌合させた状態で、ベース40とシリンダ10を貫通する。即ち、ベース40は、嵌合部41に形成され、固定部材3が挿入される貫通孔7aを有する。また、シリンダ10は、嵌合部41をシリンダ10の内周に嵌合させた状態で、ベース40の貫通孔7aに重なる貫通孔7bを有する。シリンダ10の貫通孔7bは、シリンダ10の一端部12に形成され、シリンダ10の両側面を貫通する。
固定部材3は、ボルトであり、ベース40とシリンダ10の貫通孔7a、7bを通してベース40とシリンダ10を車体に取り付ける。また、固定部材3は、先端側に形成されたネジ部3Aと、ワイヤ60を支持する円柱状の支持部3Bを有する。ネジ部3Aを車体のネジ部に固定したときに、支持部3Bは、プリテンショナ1内に配置される。ベース40とシリンダ10は、固定部材3により結合(固定)されるとともに、車体に同時に固定される。また、押さえ部42がハウジング30を押さえることで、ハウジング30がシリンダ10に固定される。
ワイヤ60は、固定部材3(支持部3B)に掛けるようにして折り曲げられて、固定部材3により支持される。固定部材3は、ワイヤ60のシートベルト連結部61(端部64、65)とピストン連結部62(折り返し部63)の間に配置される。プリテンショナ1の作動時には、固定部材3の位置で屈曲するワイヤ60に、ピストン20とシートベルト101から力が加えられる。この力は、例えば、ワイヤ60がシートベルト101を引っ張る力と、シートベルト101が乗員110から受ける力である。固定部材3は、ワイヤ60に加わる力を直接受けつつ、支持部3Bにより、シートベルト101を引っ張るワイヤ60を支持する。ワイヤ60は、屈曲した状態で、ピストン20とシートベルト101の間で固定部材3により支持される。
図8と図9は、図3に対応させて、作動後のプリテンショナ1を示す断面図である。
プリテンショナ1が作動すると(図8参照)、ガス発生装置4が発生するガスにより、ピストン20が、シリンダ10内を他端部13まで移動する。ピストン20の移動に伴い、ワイヤ60(連結部材50)は、ピストン20により引っ張られて、シートベルト101を引っ張る。
プリテンショナ1が作動すると(図8参照)、ガス発生装置4が発生するガスにより、ピストン20が、シリンダ10内を他端部13まで移動する。ピストン20の移動に伴い、ワイヤ60(連結部材50)は、ピストン20により引っ張られて、シートベルト101を引っ張る。
乗員110が車両前方に動くと、乗員から力を受けたシートベルト101により、ワイヤ60とピストン20が引っ張られる。その際、ピストン20(図9参照)が、ワイヤ60による引っ張り方向に僅かに移動して、複数の球体23が、ピストン20の傾斜部21とシリンダ10の内周面との間に挟まれる。これにより、ピストン20の移動が停止するため、ワイヤ60がシリンダ10内から引き出されるのが防止される。
以上説明したように、本実施形態のプリテンショナ1では、アンカ2が、ワイヤ60のシートベルト連結部61を挿入した管状部材2Aからなるため、アンカ2の構造を簡単にすることができる。また、アンカ2を小型にできるとともに、アンカ2を容易に製造することができる。管状部材2Aからなるアンカ2では、単純な形状であっても、高い強度が得られる。
車両に搭載したプリテンショナ1に関して、保持部材46からシートベルト101までの長さが制限されている場合には、アンカ2が小型になるほど、保持部材46からアンカ2までのワイヤ60が長くなる。本実施形態では、アンカ2を小型にできるため、保持部材46からアンカ2までのワイヤ60を長くすることができる。その結果、シリンダ10内に引き込むワイヤ60の長さを長くすることができる。
シートベルト連結部61を管状部材2A内に固定することで、シートベルト連結部61をアンカ2に強固に固定できる。管状部材2Aとシートベルト連結部61の長さは、シートベルト連結部61が管状部材2Aから抜けるのを防止できる長さでよいため、管状部材2Aとシートベルト連結部61を短縮できる。その結果、アンカ2を短く、かつ、小さくして、アンカ2の重量を減少させることができる。
プリテンショナ1を車両に搭載した状態で、保持部材46からアンカ2までのワイヤ60の長さは、シリンダ10内に引き込むワイヤ60の長さよりも長くする必要がある。これに対し、保持部材46からアンカ2までのワイヤ60の長さが充分に確保されている場合には、シートベルト連結部61を短縮することで、引き込むワイヤ60の長さを確保しつつ、ワイヤ60の全長をさらに短くすることができる。本実施形態では、シートベルト連結部61を短縮できるため、ワイヤ60を短縮させて、ワイヤ60の重量を減少させることができる。従って、プリテンショナ1の重量を減少できるとともに、プリテンショナ1の全長を短縮できる。アンカ2の製造コスト、アンカ2の材料費、ワイヤ60の材料費が減少するため、プリテンショナ1のコストを削減できる。
管状部材2Aとシートベルト連結部61を、曲げ変形によりループ形状に形成するため、アンカ2を簡単に加工できる。カシメにより、管状部材2Aをシートベルト連結部61に固定することで、シートベルト連結部61をアンカ2に確実かつ強固に固定できる。ワイヤ60の2つの端部64、65を、それぞれ管状部材2Aの反対側の端部から中空部2B、2Cに挿入するため、ワイヤ60により管状部材2Aの両端部を均等に引っ張ることができる。
曲げ変形後の管状部材2Aの曲率を大きくすると、シートベルト101をアンカ2に通し易くなる。また、シートベルト101が、管状部材2Aに接する箇所において切れ難くなる。アンカ2に直線部を形成しこの直線部にシートベルト101を取り付けても、シートベルト101に加わる力が均一に分散される結果、シートベルト101は切れ難くなる。なお、ワイヤ60の2つの端部64、65は、管状部材2Aの同じ側の端部から中空部2B、2Cに挿入するようにしてもよい。また、シートベルト連結部61は、ワイヤ60の端部64、65以外の部分であってもよい。この場合には、シートベルト連結部61が管状部材2A内に位置するように、ワイヤ60を管状部材2A内に挿入する。
連結孔24と抜け止め部材52により、ワイヤ60の折り返し部63をピストン20に連結するため、ワイヤ60をピストン20に簡単に連結することができる。その結果、プリテンショナ1の組み立てが容易になり、プリテンショナ1の組み立てに要するコストを削減できる。抜け止め部材52により折り返し部63を保持することで、ワイヤ60をピストン20に確実に保持できる。また、ピストン20とワイヤ60(ピストン連結部62)を短縮できるため、ピストン20とワイヤ60のコストも削減できる。ピストン20とワイヤ60の重量が減少するため、プリテンショナ1の重量を減少させることができる。ピストン20の長さに対応して、シリンダ10の全長が短縮するため、シリンダ10の重量を減少させることもできる。
ピストン20の連結孔24を次第に拡がるように形成したため、ワイヤ60の折り返し部63の一部が連結孔24内に配置される。これにより、連結孔24外に位置する折り返し部63の長さを短縮できる。また、折り返し部63の曲率が大きくなるため、ワイヤ60の撚りが解ける、或いは、ワイヤ60の線材が破断するのを防止できる。抜け止め部材52が、ワイヤ60を囲むリング状部材からなるため、抜け止め部材52を折り返し部63に容易に取り付けることができる。リング状の抜け止め部材52を使用することで、抜け止め部材52が折り返し部63から外れるのを防止して、折り返し部63を確実に保持できる。ただし、抜け止め部材52は、リング状以外の形状の部材、例えば、折り返し部63とピストン20の間に配置されるブロック状部材やピン状部材であってもよい。
ガス発生装置4、ハウジング30、シリンダ10、及び、ベース40等を組み合わせることで、プリテンショナ1が組み立てられる。その際、上記したように、プリテンショナ1の各部品は容易に組み合わされるため、プリテンショナ1を容易に組み立てることができる。また、プリテンショナ1の組み立ての手間と時間を削減できるため、プリテンショナ1の組み立ての工数と、プリテンショナ1のコストも削減できる。組み立て後のプリテンショナ1は、ベース40を固定する固定部材3により車体に容易に固定できる。これら各部品を組み合わせることで、プリテンショナ1の構造を簡略にすることができる。
各部品を組み合わせるためのネジ加工が不要になるため、各部品のコストを削減できる。ハウジング30の保持部32にガス発生装置4を保持するため、ガス発生装置4をプリテンショナ1内に簡単に保持できる。このプリテンショナ1では、部品数を削減できるとともに、全体の重量を減少させることができる。シリンダ10のガイド部16によりベース40の押さえ部42をガイドすることで、押さえ部42をハウジング30に対して正確に配置できる。プリテンショナ1の作動時には、固定部材3によりワイヤ60を確実に支持することができる。ワイヤ60に加わる力は固定部材3により受けられるため、ベース40の強度は、従来よりも低くすることができる。これに伴い、ベース40を、従来よりも強度の低い材料(例えば、アルミニウム合金や合成樹脂)により成形することができる。
ベース40とシリンダ10を、固定部材3により車体に同時に固定できるため、プリテンショナ1を車体に容易に取り付けることができる。固定部材3を車体に取り付けるときに、ベース40とシリンダ10を固定部材3により結合するため、ベース40とシリンダ10を容易かつ強固に結合できる。固定部材3とシリンダ10により、プリテンショナ1の強度が確保されて、ガスが流入孔15からシリンダ10内に直接流入する。そのため、ハウジング30を圧力容器にする必要がない。ハウジング30の強度を低くしてもよいため、ハウジング30を、従来よりも強度の低い材料により成形してもよく、或いは、従来よりも薄くしてもよい。ハウジング30とシリンダ10に一対の位置決め部18、39(突部17、溝38)を設けたため、ハウジング30をシリンダ10に正確に装着できる。
流入孔15の位置を変更することで、ガス発生装置4(ハウジング30の保持部32)の位置を、シリンダ10の外周において任意の位置に設定できる。そのため、ガス発生装置4を、シリンダ10の周方向の任意の位置に配置することができる。また、車両毎のレイアウトの違いや、プリテンショナ1の取付位置の違いに容易に対応できる。
ガス発生装置4の位置を変更するときには、シリンダ10の流入孔15と位置決め部18(突部17)の位置を、ガス発生装置4の位置に対応して変更する。その際、流入孔15と位置決め部18の位置関係を維持しながら、流入孔15と位置決め部18の位置を変更する。流入孔15と位置決め部18を、変更後の位置でシリンダ10に形成する。このようにすることで、ハウジング30の開口部33と位置決め部39(溝38)の位置を変更することなく、ハウジング30をシリンダ10に装着できる。ガス発生装置4の位置を変更しても、同一のハウジング30を使用できるため、ガス発生装置4の位置を容易に変更できる。また、流入孔15と位置決め部18の位置のみ変更すればよいため、ガス発生装置4の位置変更に要するコストの上昇を抑制できる。
次に、他の実施形態の抜け止め部材について説明する。
図10は、他の実施形態の抜け止め部材70を示す斜視図である。図11は、ワイヤ60の折り返し部63に配置した抜け止め部材70を示す図である。図11Aは図3に対応する断面図であり、図11Bは図4に対応する断面図である。図11では、ピストン20の周辺部分のみ示す。
図10は、他の実施形態の抜け止め部材70を示す斜視図である。図11は、ワイヤ60の折り返し部63に配置した抜け止め部材70を示す図である。図11Aは図3に対応する断面図であり、図11Bは図4に対応する断面図である。図11では、ピストン20の周辺部分のみ示す。
抜け止め部材70は、図示のように、折り返し部63の内側に配置される内側部材からなる。ワイヤ60の折り返し部63は、抜け止め部材70の周囲に配置され、抜け止め部材70によりピストン20に保持される。抜け止め部材70は、折り返し部63が入る環状凹部71と、環状凹部71の両側に位置する一対の壁部72を有する。環状凹部71は、円柱状の抜け止め部材70の外周に設けられた凹部であり、環状に形成されている。一対の壁部72は、環状凹部71の側壁であり、円盤状に形成されている。この抜け止め部材70では、一対の壁部72の間の部分が、環状凹部71になっている。また、一対の壁部72の間の抜け止め部材70は、一対の壁部72よりも直径が小さい小径部73である。
抜け止め部材70をワイヤ60の折り返し部63にセットするときには、抜け止め部材70を、連結孔24を貫通する折り返し部63の内側に配置する。その状態で、ワイヤ60を引っ張ることで、折り返し部63と抜け止め部材70をピストン20側へ移動させる。これにより、一対の壁部72が、ピストン20に接触して、ピストン20の端面、又は、連結孔24の内面に引っ掛かる。折り返し部63は、環状凹部71(小径部73)に、かつ、一対の壁部72の間に配置される。抜け止め部材70は、折り返し部63とピストン20の間に介在して、折り返し部63が連結孔24から抜けるのを防止する。折り返し部63は、連結孔24を貫通して、抜け止め部材70によりピストン20に連結される。
この抜け止め部材70では、ワイヤ60の折り返し部63をピストン20に簡単に連結することができる。また、折り返し部63を環状凹部71内に配置するため、折り返し部63が抜け止め部材70から外れるのを防止できる。その結果、抜け止め部材70により折り返し部63を確実に保持できる。一対の壁部72により、折り返し部63が環状凹部71外へ移動するのが防止されるため、折り返し部63を抜け止め部材70により安定して支持できる。
以上説明した実施形態(図1参照)では、シートベルト101に直接取り付けたアンカ2により、連結部材50(ワイヤ60)をシートベルト101に直接連結する。シートベルト101の一端部をプリテンショナ1により引っ張ることで、シートベルト101が引き締められる。これに対し、プリテンショナ1により、バックル105を介して、シートベルト101を引っ張ることで、シートベルト101を引き締めるようにしてもよい。
図12は、バックル105を引っ張るプリテンショナ1を示す図である。
ここでは、図示のように、シートベルト101の一端部を車体に固定して、プリテンショナ1をバックル105に取り付ける。バックル105は、アンカ2(図12では図示せず)に通したボルトにより、アンカ2に固定される。従って、バックル105とタング104を介して、アンカ2がシートベルト101に取り付けられるとともに、ワイヤ60がシートベルト101に連結される。プリテンショナ1は、ワイヤ60により、バックル105、タング104、及び、シートベルト101を引っ張る。このように、アンカ2をシートベルト101に間接的に取り付けてもよく、ワイヤ60(連結部材50)をシートベルト101に間接的に連結してもよい。
ここでは、図示のように、シートベルト101の一端部を車体に固定して、プリテンショナ1をバックル105に取り付ける。バックル105は、アンカ2(図12では図示せず)に通したボルトにより、アンカ2に固定される。従って、バックル105とタング104を介して、アンカ2がシートベルト101に取り付けられるとともに、ワイヤ60がシートベルト101に連結される。プリテンショナ1は、ワイヤ60により、バックル105、タング104、及び、シートベルト101を引っ張る。このように、アンカ2をシートベルト101に間接的に取り付けてもよく、ワイヤ60(連結部材50)をシートベルト101に間接的に連結してもよい。
1・・・プリテンショナ、2・・・アンカ、2A・・・管状部材、2B、2C・・・中空部、3・・・固定部材、3A・・・ネジ部、3B・・・支持部、4・・・ガス発生装置、5・・・カラー、6・・・流入室、7a、7b・・・貫通孔、10・・・シリンダ、11・・・内部空間、12、13・・・端部、14・・・切欠部、15・・・流入孔、16・・・ガイド部、17・・・突部、18・・・位置決め部、20・・・ピストン、21・・・傾斜部、22・・・弾性リング、23・・・球体、24・・・連結孔、25・・・シール部材、26・・・セットプレート、30・・・ハウジング、31・・・筒状部、32・・・保持部、33・・・開口部、34・・・挿入孔、35・・・突条、36・・・収容部、37・・・押さえ突部、38・・・溝、39・・・位置決め部、40・・・ベース、41・・・嵌合部、42・・・押さえ部、43・・・ガイド部、44・・・通過孔、45・・・保護部、46・・・保持部材、50・・・連結部材、51・・・連結手段、52・・・抜け止め部材、60・・・ワイヤ、61・・・シートベルト連結部、62・・・ピストン連結部、63・・・折り返し部、64、65・・・端部、70・・・抜け止め部材、71・・・環状凹部、72・・・壁部、73・・・小径部、100・・・シートベルト装置、101・・・シートベルト、102・・・リトラクタ、103・・・シートベルトガイド、104・・・タング、105・・・バックル、106・・・ショルダベルト、107・・・ラップベルト、110・・・乗員、111・・・シート、112・・・シートクッション、113・・・シートバック。
Claims (6)
- 車両用のシートベルト装置に用いられてシートベルトを引っ張るプリテンショナであって、
シリンダと、
シリンダ内にガスを供給するガス発生装置と、
ガス発生装置から供給されるガスにより、シリンダ内を移動するピストンと、
ピストンにより引っ張られて、連結部に連結されたシートベルトを引っ張るワイヤと、
ワイヤの連結部を覆いシートベルトに取り付けられる管状部材からなるアンカと、を備え、
ワイヤの連結部が、管状部材内に挿入された状態で管状部材に固定されたプリテンショナ。 - 請求項1に記載されたプリテンショナにおいて、
管状部材が、曲げ変形により、ワイヤの連結部とともにループ形状に形成されたプリテンショナ。 - 請求項1又は2に記載されたプリテンショナにおいて、
ワイヤの連結部が、ワイヤの2つの端部からなり、
管状部材が、ワイヤの2つの端部がそれぞれ挿入される、並列する2つの中空部を有するプリテンショナ。 - 請求項3に記載されたプリテンショナにおいて、
ワイヤの2つの端部が、それぞれ管状部材の反対側の端部から中空部に挿入されたプリテンショナ。 - 請求項3又は4に記載されたプリテンショナにおいて、
ワイヤの連結部が、ワイヤを折り返して揃えられたワイヤの両端部からなるプリテンショナ。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載されたプリテンショナにおいて、
管状部材が、カシメられてワイヤの連結部に固定されたプリテンショナ。
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NENP | Non-entry into the national phase |
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