WO2012165570A1

WO2012165570A1 - ハーネス部材のガイド構造

Info

Publication number: WO2012165570A1
Application number: PCT/JP2012/064136
Authority: WO
Inventors: 誠須野原; 慶恭村瀬; 淳若林; 敦吉山口; 邦彦佐藤; 真樹横山
Original assignee: トヨタ車体株式会社; 矢崎総業株式会社
Priority date: 2011-06-03
Filing date: 2012-05-31
Publication date: 2012-12-06
Also published as: JP2012253926A

Abstract

　ハーネスガイド構造（４０）は、ヒンジ（３０）とワイヤーハーネス（２５）とプロテクタ（４１）を有する。ヒンジ（３０）は、平行に配置される第１回動軸（３７）と第２回動軸（３８）と、第１回動軸（３７）と第２回動軸（３８）を支持する中間支持部材（３５）を有する。プロテクタ（４１）は、中間支持部材（３５）に固定される。プロテクタ（４１）は、第１回動軸（３７）の回動軸線（Ｌ１）と第２回動軸（３８）の回動軸線（Ｌ２）の線上を通過するようにワイヤーハーネス（２５）をガイドする。

Description

ハーネス部材のガイド構造

　本発明は、ヒンジにより車体ボデーに開閉可能に連結されるバックドアに向けて車体ボデーから延出するハーネス部材をガイドするハーネス部材のガイド構造に関する。

　車両の１つであるバンは、車室の後部を荷室として利用するために車両後部にバックドアを有する。バックドアは、例えば左右に開閉される。バックドアは、ドアとしての機能と、車両の後部パネルの機能を有する。バックドアには、ブレーキランプや電磁式ロック等の電装部品が配設される。ランプ装置に電力供給するために車体ボデーからバックドアに向けてハーネス部材が延出される（特開２０００－２１１４４６号公報参照）。ハーネス部材は、側部パネルをなす車体ボデーから後部パネルをなすバックドアに延出する。ハーネス部材は、車体ボデー内およびバックドア内に収納されず、外部に露出される。

　バックドアは、ヒンジにより車体ボデーに連結される。そのため車体ボデーとバックドアの距離は、バックドアが閉められた際と開けられた際に変化する。具体的には、バックドアが閉められた際に距離が短くなる。バックドアが車体ボデーに対して２７０度回転する場合、車体ボデーとバックドアの距離は大きく変化する。バックドアは、例えば平行に配置された２つのヒンジによって連結される。２つのヒンジは、車両の小型化のために狭くしたい要求がある。

　したがって上記状況に対応してハーネス部材を好適にガイドするガイド構造が従来必要とされている。

　本発明の１つの特徴によるとハーネスガイド構造は、ヒンジとワイヤーハーネスとプロテクタを有する。ヒンジは、平行に配置される第１回動軸と第２回動軸と、第１回動軸と第２回動軸を支持する中間支持部材を有する。プロテクタは、中間支持部材に固定される。プロテクタは、第１回動軸の回動軸線と第２回動軸の回動軸線の線上を通過するようにワイヤーハーネスをガイドする。

　したがってバックドアが開け閉めされる際、ワイヤーハーネスは、ヒンジの回動軸線において向きを変える。そのためワイヤーハーネスが動く量が少なく、バックドアが開けられた際と閉められた際に必要なワイヤーハーネスの長さの差（線長差）が小さい。これによりハーネスガイド構造は、ヒンジの小型化に対応できる。ハーネスガイド構造は、バックドアが開けられた際と閉められた際のいずれにもワイヤーハーネスを車体ボデーとバックドアから所定の距離に保持する。これによりハーネスガイド構造は、弛みを少なくワイヤーハーネスをガイドし得る。

バンの後面概略図である。バックドアを開いた際の車室からのワイヤーハーネスのガイド構造の斜視図である。バックドアの外からのガイド構造の斜視図である。バックドアを開いた際のガイド構造の上面図である。バックドアを閉じた際のガイド構造の上面図である。

　図１に示すように車両１０は、バンであって、荷物室として利用される車両後室１１を有する。車両１０の後部にバックドア２０が開け閉め可能に連結される。バックドア２０は、左右方向に開閉する。バックドア２０は、２つのヒンジ３０によって車体ボデー１５に連結される。２つのヒンジ３０は、上下に位置する。

　図２，３に示すようにヒンジ３０は、第１回動軸３７と第２回動軸３８を有する。第１回動軸３７と第２回動軸３８は、互いに平行である。ヒンジ３０は、バックドア２０を車体ボデー１５に対して最大２７０度回転させ得る。ヒンジ３０は、車体ブラケット３１とドアブラケット３３と中間支持部材３５を備える。

　車体ブラケット３１は、図２に示すように螺子止め部材３９により車体ボデー１５に固定される。ドアブラケット３３は、螺子止め部材３９によりバックドア２０に固定される。中間支持部材（介装部材）３５は、第１回動軸３７によって車体ブラケット３１に回転可能に連結され、第２回動軸３８によってドアブラケット３３に回転可能に連結される。

　バックドア２０は、図２に示すように第１回動軸３７による車体ボデー１５に対する中間支持部材３５の回転範囲と、第２回動軸３８によるドアブラケット３３の回転範囲を加えた回転範囲で回転する。ヒンジ３０には、バックドア２０の開き角度を２７０度の範囲に規制する開き規制リンク３６が設けられる。

　開き規制リンク３６は、図２，３に示すように車体ブラケット３１とドアブラケット３３との両者に対して懸架される。開き規制リンク３６の一端は、軸支ピン３２１によって連結部３２に回転可能に連結される。連結部３２は、車体ブラケット３１から内側へ突出する。開き規制リンク３６の他端は、軸支ピン３４１によって連結部３４に回転可能に連結される。連結部３４は、ドアブラケット３３から内側へ突出する。

　図２を参照するように、バックドア２０が開閉される際、中間支持部材３５に対するドアブラケット３３の相対位置と中間支持部材３５に対する車体ブラケット３１の相対位置が変わる。この時、開き規制リンク３６は、車体ブラケット３１の連結部３２とドアブラケット３３の連結部３４の相対距離を維持する。

　バックドア２０は、図１を参照するように車両１０の後部パネルとして機能する。バックドア２０には、ブレーキランプ、電磁式ロック等の電装部品が設けられる。車体ボデー１５は、車両の側部パネルを有する。側部パネルからバックドア２０に向けてワイヤーハーネス２５が延出する。ワイヤーハーネス（ハーネス部材）２５は、電力供給用電線と制御信号送信用電線とハーネス被覆材２６を有する。ハーネス被覆材２６は、電力供給用電線と制御信号送信用電線を覆い、外部に露出される。

　ワイヤーハーネス２５は、図２，３に示すように車体ボデー１５のパネル構造の内部と連通する引出し部位２５１から延出する。ワイヤーハーネス２５は、バックドア２０のパネル構造の内部と連通する引込み部位２５２へ延出する。ワイヤーハーネス２５は、車体ボデー１５とバックドア２０の間において車体ボデー１５とバックドア２０の内部に収納されず、外部に露出される。ワイヤーハーネス２５は、ヒンジ３０に沿って延出する。

　外部に露出されたワイヤーハーネス２５は、図２に示すようにハーネスガイド構造４０によりガイドされる。ハーネスガイド構造４０は、ガイド構造としてプロテクタ４１とハーネス固定部材６１を有する。ハーネス固定部材（ハーネス固定部材）６１は、バックドア２０に取付けられてワイヤーハーネス２５をバックドア２０に固定する。ハーネス固定部材６１は、引込み部位２５２の周辺に位置する。

　プロテクタ（ハーネスガイド部材）４１は、図２に示すように中間支持部材３５に取付けられ、車体ボデー１５からバックドア２０へ延出するワイヤーハーネス２５をガイドする。プロテクタ４１は、第１回動軸３７の回動軸線Ｌ１の線上に位置する。プロテクタ４１は、ワイヤーハーネス２５を回動軸線Ｌ１の線上を通るようにＬ字形に屈曲させる。プロテクタ４１は、支持カバー部材４２とハーネスガイド部材５１を備える。

　支持カバー部材４２は、図２，３に示すように中間支持部材３５の上側に位置し、中間支持部材３５に取付けられる。支持カバー部材４２と中間支持部材３５の間にワイヤーハーネス２５が配される。支持カバー部材４２は、上壁部４３と下壁部４４と外壁部４５を備える。上壁部４３と下壁部４４は、中間支持部材３５の上側と下側に位置し、中間支持部材３５に対して水平方向に延在する。上壁部４３と下壁部４４は、中間支持部材３５の形状に対応する形状を有する。

　外壁部４５は、図２，３に示すように上壁部４３と下壁部４４に対して鉛直方向に延在しかつ連接する。外壁部４５は、中間支持部材３５の外側に位置し、適宜に折曲された形状を有する。外壁部４５に刳り貫き部４５１が設けられ、刳り貫き部４５１にガイドカバー部材５２が取付けられる。

　図３に示すガイドカバー部材５２は、図２に示すドアブラケット３３に取付けられる。ガイドカバー部材５２は、刳り貫き部４５１からヒンジ３０が外部に露出しないように覆う。ガイドカバー部材５２には、中間支持部材３５の一部を挿入し得る挿し抜き孔５２１が設けられる。

　支持カバー部材４２は、図２，３に示すように上側支持リブ４５２と下側支持リブ４５３を有する。上側支持リブ４５２は、外壁部４５の上側に位置し鉛直方向に延在する。上側支持リブ４５２は、ハーネスガイド部材５１の上側部分に摺動可能に当接して、ハーネスガイド部材５１の回動をガイドする。下側支持リブ４５３は、外壁部４５の下側に位置し鉛直方向に延在する。下側支持リブ４５３は、中間支持部材３５の下側部分３５２に当接して支持する。

　上壁部４３の下面４３１には、図２に示すようにハーネスガイド部材５１の上側面５１１が接着される。したがって支持カバー部材４２は、ハーネスガイド部材５１と中間支持部材３５を挟持する。ハーネスガイド部材５１は、支持カバー部材４２を介して中間支持部材３５に支持される。ハーネスガイド部材５１は、中間支持部材３５に直接固定されても良い。

　ハーネスガイド部材５１は、図２に示すように両側端を開口させた角筒形状を有し、ワイヤーハーネス２５が挿通されるハーネス挿通部５３を有する。ハーネスガイド部材５１は、中間支持部材３５の上側でワイヤーハーネス２５を水平方向に沿ってガイドする。ワイヤーハーネス２５は、第１回動軸３７の回動軸線Ｌ１と第２回動軸３８の回動軸線Ｌ２方向に対して直交して延出する。

　上壁部４３には、図２に示すように直交ガイド部４３２が形成される。直交ガイド部４３２は、引出し部位２５１から延出するワイヤーハーネス２５を直角に屈曲するようにガイドする。ワイヤーハーネス２５は、第１回動軸３７の回動軸線Ｌ１の線上にて上下方向に延出する。直交ガイド部４３２は、ワイヤーハーネス２５の外周形状に対応する形状を有する。

　上壁部４３には、図２に示すように水平ガイド部４３３が形成される。水平ガイド部４３３は、ハーネス挿通部５３の開口方向に沿った方向に延設され、ワイヤーハーネス２５を水平方向にガイドする。ワイヤーハーネス２５は、水平ガイド部４３３からバックドア２０に向けて第２回動軸３８の回動軸線Ｌ１の線上に延出する。

　ハーネス固定部材６１は、図２に示すように引込み部位２５２の周辺のワイヤーハーネス２５を固定する。ハーネス固定部材６１は、引込み部位２５２の下側位置にてワイヤーハーネス２５を上下方向に延出するように固定する。ハーネス固定部材６１は、鉛直方向の両端に開口する角筒形状を有する。ハーネス固定部材６１は、水平ガイド部４３３の開口方向に略交差する下側の開口部６１２を有する。ワイヤーハーネス２５は、水平ガイド部４３３から開口部６１２までバックドア２０に向けて水平方向に延出する。

　ワイヤーハーネス２５は、図２に示すように引出し部位２５１から引込み部位までハーネスガイド部材５１とハーネス固定部材６１によってガイドされる。これによりワイヤーハーネス２５は、第１回動軸３７の回動軸線Ｌ１と第２回動軸３８の回動軸線Ｌ２を通過し、かつ屈曲して延出する。

　ハーネスガイド構造４０は、バックドア２０を開いた際にワイヤーハーネス２５を図４に示す状態で保持し、バックドア２０を閉じた際に図５に示す状態で保持する。ハーネスガイド構造４０は、ワイヤーハーネス２５をガイドしかつバックドア２０の開け閉めいずれの場合にもワイヤーハーネス２５を車体ボデー１５に対して所定の距離に維持する。そのためハーネスガイド構造４０は、ワイヤーハーネス２５によってバックドア２０の開け閉め動作が阻害されることを防止し、かつワイヤーハーネス２５がバックドア２０を閉めた際にバックドア２０に挟まれることを防止する。

　以上のようにハーネスガイド構造４０は、図２に示すようにヒンジ３０とワイヤーハーネス２５とプロテクタ４１を有する。ヒンジ３０は、平行に配置される第１回動軸３７と第２回動軸３８と、第１回動軸３７と第２回動軸３８を支持する中間支持部材３５を有する。プロテクタ４１は、中間支持部材３５に固定される。プロテクタ４１は、第１回動軸３７の回動軸線Ｌ１と第２回動軸３８の回動軸線Ｌ２の線上を通過するようにワイヤーハーネス２５をガイドする。

　したがってバックドア２０が開け閉めされる際、ワイヤーハーネス２５は、ヒンジ３０の回動軸線Ｌ１，Ｌ２において向きを変える。そのためワイヤーハーネス２５が動く量が少なく、バックドア２０が開けられた際と閉められた際に必要なワイヤーハーネス２５の長さの差（線長差）が小さい。これによりハーネスガイド構造４０は、ヒンジ３０の小型化に対応できる。ハーネスガイド構造４０は、バックドア２０が開けられた際と閉められた際のいずれにもワイヤーハーネス２５を車体ボデー１５とバックドア２０から所定の距離に保持する。これによりハーネスガイド構造４０は、弛みを少なくワイヤーハーネス２５をガイドし得る。

　プロテクタ４１は、図２に示すように回動軸線Ｌ１を含むＬ字形にワイヤーハーネス２５を屈曲するようにガイドする。したがってワイヤーハーネス２５は、向きを変えることにより生ずる線長差が小さい。すなわちプロテクタ４１は、ワイヤーハーネス２５の線長差をワイヤーハーネス２５の捩りによって吸収する。かくしてプロテクタ４１は、ワイヤーハーネス２５の向きをスムーズに変えることを促進し、これによりバックドア２０が円滑に開け閉めされることを促進する。

　バックドア２０には、図２に示すようにワイヤーハーネス２５を外部から内部に延出させる引込み部位２５２が形成される。引込み部位２５２の周辺にワイヤーハーネス２５をバックドア２０に固定するハーネス固定部材６１が設けられる。したがってバックドア２０の開け閉めにする際、ワイヤーハーネス２５は、バックドア２０に固定されつつ向きを変える。そのためワイヤーハーネス２５は、バックドア２０の動きに追従して向きを変える。かくしてバックドア２０が円滑に開け閉めされ得る。

　本発明の形態を上記構造を参照して説明したが、本発明の目的を逸脱せずに多くの交代、改良、変更が可能であることは当業者であれば明らかである。したがって本発明の形態は、添付された請求項の精神と目的を逸脱しない全ての交代、改良、変更を含み得る。例えば本発明の形態は、前記特別な構造に限定されず、下記のように変更が可能である。

　ハーネスガイド部材５１は、ワイヤーハーネス２５を第１回動軸の軸線と第２回動軸の軸線の両方を通過するようにガイドしても良いし、１つの軸線のみを通過するようにガイドしても良い。

　ハーネスガイド部材５１は、中間支持部材３５（介装部材）の上側に位置するプロテクタ４１を有していても良いし、中間支持部材３５の下側に位置するプロテクタを有していても良い。

Claims

　ハーネス部材のガイド構造であって、
　車体ボデーとバックドアを開閉可能に連結するヒンジと、前記車体ボデーと前記バックドアの間を延出するハーネス部材と、前記ハーネス部材をガイドするハーネスガイド部材を有し、
　前記ヒンジは、平行に配置される第１回動軸と第２回動軸と、前記第１回動軸と前記第２回動軸を支持する介装部材を有し、
　前記ハーネスガイド部材は、前記介装部材に固定され、かつ前記第１回動軸の軸線あるいは前記第２回動軸の軸線の少なくとも１つの線上を通過するように前記ハーネス部材をガイドするように構成されたハーネス部材のガイド構造。
　請求項１に記載のハーネス部材のガイド構造であって、
　前記ハーネスガイド部材は、前記軸線を含むＬ字形に前記ハーネス部材を屈曲するようにガイドするように構成されたハーネス部材のガイド構造。
　請求項１または２に記載のハーネス部材のガイド構造であって、
　前記バックドアには、前記ハーネス部材を外部から内部に延出させる引込み部位が形成され、
　前記引込み部位の周辺に前記ハーネス部材を前記バックドアに固定するハーネス固定部材が設けられるハーネス部材のガイド構造。