WO2012140691A1 - 有機el素子の製造方法及びレーザー焦点位置設定方法 - Google Patents

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Abstract

 有機エレクトロルミネッセンス素子(1)の製造方法は、陽極(11)、発光層(13)を含む有機層(30)、透明材料からなる陰極(16)の順に積層され、短絡欠陥部を有する有機EL素子(1A)を準備する第1の工程と、有機EL素子(1A)に陰極(16)側からレーザー光を照射する第2の工程と、当該レーザー光が多光子吸収される過程を経て有機EL素子(1A)から放射された放射光の強度を測定する第3の工程と、積層方向におけるレーザー光の焦点位置を変更して、第2の工程及び第3の工程を実行した後、当該放射光の強度が極小となるレーザー光の積層方向の焦点位置を特定する第4の工程と、特定された積層方向の焦点位置にてレーザー光を照射し、短絡欠陥部に起因する不良を解消する第5の工程と、を含む。

Description

有機EL素子の製造方法及びレーザー焦点位置設定方法
 本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及びレーザー焦点位置設定方法に関する。
 従来、アノード(陽極)とカソード(陰極)との間に有機層が介在されてなる有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと称する)素子において、製造工程で導電性の異物が付着または混入などして陽極と陰極とが短絡する場合がある。この場合に、短絡した部分にレーザー照射を行うことで、短絡した部分をリペア(解消)する方式がある(例えば、特許文献1~4参照)。
 特許文献1では、有機EL素子に付着した導電性の異物を検出し、この異物の周辺領域の有機層にレーザー照射を行う。これにより、異物が付着した有機EL素子の陽極と陰極との間の有機層を絶縁化し、高抵抗領域を形成して、異物による陽極と陰極との短絡を解消している。
 特許文献2では、陽極および陰極の上方に保護膜を形成する前に、異物により短絡している部分にレーザーを照射する。これにより、異物自体を溶かして変形させる、または、異物自体を焼き切ることで、異物により陽極と陰極との短絡を解消している。
 特許文献3では、レーザー照射により、異物により陽極と陰極とが短絡した部分の陰極を短絡していない部分の陰極から切断して物理的に分離することにより、異物による陽極と陰極との短絡を解消している。
 特許文献4では、有機EL素子の輝点欠陥部に、フェムト秒レーザー等のレーザー光を照射し、欠損部を形成して短絡を解消している。
 上述した特許文献1~4に開示された短絡解消方式をとることにより、陽極と陰極との短絡状態は解消される。しかし、短絡部の周辺部にもレーザーが散乱して照射される場合が想定され、有機EL素子を構成する正常な各積層膜が変形または変質し、かえって有機EL素子としての発光効率の低下や短寿命化を招いてしまう。よって、微細構造を有する有機EL素子にとっては、短絡部周辺を損傷することなく、レーザーを短絡部に効率よく照射することが重要となる。
 上述したレーザー照射に対して、レーザーを照射目標点に効率よく照射する技術が特許文献5に開示されている。特許文献5では、溶接部分からのレーザー反射光を逐次検出し、その強度をもとに焦点の自動調整を行うことのできるレーザー溶接機の焦点位置制御方式が開示されている。具体的には、溶接部分からの反射レーザー光の強度を計測し、その計測結果が閾値を超えないように、所定の調整アルゴリズムに基づいて駆動ステージの高さを制御することにより、反射レーザー光の強度を最小化する焦点制御である。つまり、溶接材料など単層材質のものにレーザーを照射するとレーザー反射光を得ることができ、これをモニタすることにより溶接部分にレーザー焦点を合わせるものである。これにより、被溶接物に対するレーザー光の焦点位置を常に最適位置に制御することができ、その結果、溶接品質の安定及び高効率化が図られる。
特開2004-227852号公報 特開2003-178871号公報 特開2005-276600号公報 特開2008-235177号公報 特許第3154176号公報
 しかしながら、特許文献5に記載されたレーザー焦点制御方式を、有機EL素子のような多層膜に適用する場合には、それぞれの膜界面からの多重反射光が得られるため、照射目標点である膜からのレーザー反射光のみを抽出してモニタすることはできず、当該照射目標の膜に対してレーザー焦点を合わせることが困難となる。よって、上記レーザー焦点制御方式を用いた場合、有機EL素子の短絡状態を解消することが困難であり、たとえ短絡状態を解消することができても、その周辺部の損傷を抑制することはできない。このため、レーザーリペア後の有機EL素子が、発光効率や寿命といった性能を保証することができず、リペア効率を改善させ歩留まりを向上させることが困難となる。
 本発明は、上記課題に鑑み、多層膜である有機EL素子の特定膜にレーザー焦点を合わせて安定かつ高効率に短絡部分を解消することができる有機EL素子の製造方法及びレーザー焦点位置設定方法を提供することを目的とする。
 上記課題を解決するために、本発明の一態様にかかる有機EL素子の製造方法は、下部電極層、発光層を含む有機層、上部電極層の順に積層され、前記下部電極層及び前記上部電極層のうち少なくとも一方が透明材料からなり、欠陥部を有する有機EL素子を準備する第1の工程と、前記欠陥部を有する有機EL素子に、前記透明材料からなる電極層側から、レーザー光を照射する第2の工程と、前記レーザー光が多光子吸収される過程を経て前記有機EL素子から放射された放射光の強度を測定する第3の工程と、積層方向における前記レーザー光の焦点位置を変更して、前記第2の工程及び前記第3の工程を実行した後、前記放射光の強度が極小となる前記レーザー光の積層方向の焦点位置を特定する第4の工程と、前記特定された積層方向の焦点位置にて前記レーザー光を照射し、前記欠陥部に起因する不良を解消する第5の工程と、を含むことを特徴とするものである。
 本発明にかかる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法によれば、多光子吸収過程を経て放射された放射光の強度、または、照射レーザー光の波長よりも短波長側に検出される放射光の強度を利用してレーザー光の焦点位置を的確に決定することができるので、レーザー照射によるダメージの発生を抑制しつつ、陽極と陰極との短絡を確実に解消することができる。よって、高効率なリペアが実現され、製造歩留まりが向上する。
図1は、本発明の実施の形態に係る有機EL素子の断面概略図である。 図2は、高抵抗化された陰極の形状を表す有機EL素子の上面図である。 図3は、本発明に係る有機EL素子の製造方法を説明するフローチャートである。 図4は、本発明の第1の工程で準備される有機EL素子の断面概略図である。 図5は、本発明の実施の形態に係るステップS20を説明するための動作フローチャートである。 図6は、本発明の実施の形態に係るステップS30を説明するための動作フローチャートである。 図7は、本発明の実施の形態に係るレーザーリペアを実施するためのシステム構成図である。 図8は、高さ方向をパラメータとして測定した放射光の分光スペクトルを表す図である。 図9は、高さ方向をパラメータとして測定した放射光の分光スペクトルを拡大表示した図である。 図10は、放射光検出強度のZ位置依存性を表すグラフである。 図11Aは、レーザー照射中における有機EL素子の断面概略図である。 図11Bは、レーザー描画時及び回復点灯確認時における画素の発光状態を表す図である。 図12は、本発明の実施の形態の第1の変形例に係る有機EL素子の断面概略図である。 図13は、本発明の実施の形態の第2の変形例に係る有機EL素子の断面概略図である。 図14は、本発明の有機EL素子を備えたテレビシステムの外観図である。
 本発明の一態様に係る有機EL素子の製造方法は、下部電極層、発光層を含む有機層、上部電極層の順に積層され、前記下部電極層及び前記上部電極層のうち少なくとも一方が透明材料からなり、欠陥部を有する有機EL素子を準備する第1の工程と、前記欠陥部を有する有機EL素子に、前記透明材料からなる電極層側から、レーザー光を照射する第2の工程と、前記レーザー光が多光子吸収される過程を経て前記有機EL素子から放射された放射光の強度を測定する第3の工程と、積層方向における前記レーザー光の焦点位置を変更して、前記第2の工程及び前記第3の工程を実行した後、前記放射光の強度が極小となる前記レーザー光の積層方向の焦点位置を特定する第4の工程と、前記特定された積層方向の焦点位置にて前記レーザー光を照射し、前記欠陥部に起因する不良を解消する第5の工程と、を含むことを特徴とするものである。
 従来では、単一材料に対する反射光、つまり照射光と同じ波長の反射光を見ることにより、当該材料に適切にレーザー焦点を合わせることが可能であった。しかし、有機EL素子は、陽極、陰極、その間の複数の有機層など数十nm~数百nm程度の非常に薄い層が複数層積層されて構成されており、各層からの多重反射光をモニタして、特定の層に焦点を合わせてレーザー光を照射することは困難であった。
 本態様によれば、多光子吸収過程を経て放射された特定層からの放射光の強度に基づいてレーザー光の焦点位置を的確に決定することができるので、当該放射光に対応した特定層にレーザー光の焦点を合わせることができる。よって、レーザー照射によるダメージの発生を抑制しつつ、陽極と陰極との短絡を確実に解消することができ、高効率なリペアが実現され、製造歩留まりが向上する。
 また、本発明の一態様は、下部電極層、発光層を含む有機層、上部電極層の順に積層され、前記下部電極層及び前記上部電極層のうち少なくとも一方が透明材料からなり、欠陥部を有する有機EL素子を準備する第1の工程と、前記欠陥部を有する有機EL素子に、前記透明材料からなる電極層側から、レーザー光を照射する第2の工程と、前記レーザー光の照射波長よりも短波長側に検出される放射光の強度を測定する第3の工程と、積層方向における前記レーザー光の焦点位置を変更して、前記第2の工程及び前記第3の工程を実行した後、前記放射光の強度が極小となる前記レーザー光の積層方向の焦点位置を特定する第4の工程と、前記特定された積層方向の焦点位置にて前記レーザー光を照射し、前記欠陥部に起因する不良を解消する第5の工程と、を含むことが好ましい。
 本態様によれば、照射レーザー光の波長よりも短波長である、特定層からの放射光の強度に基づいてレーザー光の焦点位置を的確に決定することができるので、当該放射光に対応した特定層にレーザー光の焦点を合わせることができる。よって、レーザー照射によるダメージの発生を抑制しつつ、陽極と陰極との短絡を確実に解消することができ、高効率なリペアが実現され、製造歩留まりが向上する。
 また、本発明の一態様は、前記第3の工程においては、前記第2の工程で照射するレーザー光と同一波長の光を吸収する吸収フィルタを介して、前記放射光の強度を測定することが好ましい。
 本態様によれば、照射するレーザー光と同一波長の光を吸収する吸収フィルタを介して、上記放射光の強度を測定するので、照射するレーザー光と同一波長の反射光が確実に除去され、照射するレーザー光とは異なる波長の放射光の強度のみを正確に測定することができるので、焦点位置を高精度に決定することができる。
 また、本発明の一態様は、前記第3の工程で測定された放射光は、前記下部電極層、前記有機層及び前記上部電極層を含む複数の層のうち、特定の層から放射された光であり、前記第5の工程では、前記特定の層が配置された位置を前記特定された積層方向の焦点位置として、レーザー光を照射し、前記欠陥部に起因する不良を解消する。
 多光子吸収過程を経て放射された放射光、または、照射レーザー波長よりも短波長の放射光は、有機EL素子の積層構造を構成する各層から放射される可能性がある。本発明では、各層を構成する材料のバンドギャップ等から、放射光の波長と各層とを対応づけ、レーザー光の焦点を合わせたい層に対応する放射光の波長の強度を測定することにより、積層方向の焦点位置を特定するものである。これにより、有機EL素子のような積層構造であっても、特定層に対応した放射光をモニタして、当該特定層に焦点を合わせてレーザー光を高効率に照射することが可能となる。
 また、本発明の一態様は、前記レーザー光は、超短パルスレーザーであることが好ましい。
 本態様によると、超短パルスレーザーの照射により、特に、アモルファス(非晶質)状態の陽極または陰極を、容易に高抵抗化することができる。さらに、他のレーザーでは加工が容易ではない透明導電性材料について、高抵抗化することができる。
 また、本発明の一態様は、前記照射するレーザー光の波長は、750nm~1600nmであることが好ましい。
 本態様によると、使用するレーザーの波長は750nm~1600nmであり、多光子吸収による放射光または照射レーザー波長よりも短波長の放射光を放射させることが可能な波長域である。
 また、本発明の一態様は、前記放射光の波長は、前記照射するレーザー光の波長よりも3nm~50nm短い波長であることが好ましい。
 この範囲での放射光検出により、放射光検出強度の焦点位置依存性が明確となり、当該焦点位置の特定が容易となる。
 また、本発明の一態様は、前記透明材料は、透明金属酸化物であることが好ましい。
 これにより、電極の構成材料は、透明な金属酸化物であるので、超短パルスレーザーの照射により、より確実に高抵抗化することができる。
 また、本発明の一態様は、前記下部電極層及び前記上部電極層の一方が、高反射率の金属で形成されていることが好ましい。
 これにより、レーザー光が上記高反射率の金属で反射されるので、より高効率にフォーカスしたい層にレーザー光を集光することが可能となる。
 また、本発明の一態様は、前記有機EL素子には、前記上部電極層の上方に、調光層が積層されており、前記第2及び第5の工程では、前記調光層を介して、前記レーザー光の照射を行ってもよい。
 上述したレーザーは、調光層を透過することができる波長を選択することにより、調光層を介して短絡を解消することができる。
 また、本発明の一態様は、前記欠陥部は、前記下部電極層と前記上部電極層とが短絡している短絡部であり、前記欠陥部に起因する不良を解消する工程は、前記短絡部の近傍を高抵抗化する工程であることが好ましい。
 本態様によると、短絡した部分およびその近傍のうち少なくとも一方の電極を構成する材料を変化させることで、下部電極または上部電極の一部分を高抵抗化する。これにより、短絡を解消することができ、陽極と陰極の間の有機層に電圧が印加され、陽極と有機層と陰極とを含む当該画素の発光が回復される。
 また、本発明は、このような特徴的な手段を備える有機EL素子の製造方法として実現することができるだけでなく、有機EL素子の製造方法に含まれる特徴的なステップを用いたレーザー焦点位置設定方法として実現することができる。
 以下、本発明の実施の形態にかかる有機EL素子の製造方法及びレーザー焦点位置設定方法について図面に基づき説明する。なお、以下では、全ての図を通じて同一または相当する要素には同じ符号を付して、その重複する説明を省略する。
 (実施の形態1)
<素子構造>
 図1は、本発明の実施の形態1に係る有機EL素子1の断面概略図である。同図に示した有機EL素子1は、陽極、陰極、および当該両極で挟まれた発光層を含む有機層を有する有機機能デバイスである。
 図1に示すように、有機EL素子1は、透明ガラス9の上に、平坦化膜10と、陽極11と、正孔注入層12と、発光層13と、隔壁14と、電子注入層15と、陰極16と、薄膜封止層17と、封止用樹脂層19と、透明ガラス18とを備える。
 陽極11及び陰極16は、それぞれ、本発明における下部電極層及び上部電極層に相当する。また、正孔注入層12、発光層13及び電子注入層15は、本発明における有機層に相当する。
 透明ガラス9及び18は、発光パネルの発光表面を保護する基板であり、例えば、厚みが0.5mmである透明の無アルカリガラスである。
 平坦化膜10は、一例として、絶縁性の有機材料からなり、例えば駆動用の薄膜トランジスタ(TFT)などを含む基板上に形成されている。
 陽極11は、正孔が供給される、つまり、外部回路から電流が流れ込むアノードであり、例えば、Al、あるいは銀合金APCなどからなる反射電極が平坦化膜10上に積層された構造となっている。反射電極の厚みは、一例として10~40nmである。なお、陽極11は、例えばITO(Indium Tin Oxide)と銀合金APCなどからなる2層構造であってもよい。このように、陽極11を、APCなどの高反射率の金属で形成されることにより、照射レーザー光が高反射率の金属で反射されるので、より高効率にフォーカスしたい層にレーザー光を集光することが可能となる。
 正孔注入層12は、正孔注入性の材料を主成分とする層である。正孔注入性の材料とは、陽極11側から注入された正孔を安定的に、または正孔の生成を補助して発光層13へ注入する機能を有する材料であり、例えば、PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)、アニリンなどの化合物が使用される。
 発光層13は、陽極11および陰極16間に電圧が印加されることにより発光する層であり、例えば、下層としてα-NPD(Bis[N-(1-naphthyl)-N-phenyl]benzidine)、上層としてAlq3(tris-(8-hydroxyquinoline)aluminum)が積層された構造となっている。
 電子注入層15は、電子注入性の材料を主成分とする層である。電子注入性の材料とは、陰極16から注入された電子を安定的に、または電子の生成を補助して発光層13へ注入する機能を有する材料であり、例えば、ポリフェニレンビニレン(PPV)が使用される。
 陰極16は、電子が供給される、つまり、外部回路へ電流が流れ出すカソードであり、例えば、透明金属酸化物であるITOにより積層された構造となっている。Mg、Ag等の材料により透明電極として形成することもできる。また、電極の厚みは、一例として10~40nmである。
 隔壁14は、発光層13を複数の発光領域に分離するための壁であり、例えば、感光性の樹脂からなる。
 薄膜封止層17は、例えば、窒化珪素からなり、上記した発光層13や陰極16を水蒸気や酸素から遮断する機能を有する。発光層13そのものや陰極16が、水蒸気や酸素にさらされることにより劣化(酸化)してしまうことを防止するためである。
 封止用樹脂層19は、アクリルまたはエポキシ系の樹脂であり、上記の基板上に形成された平坦化膜10から薄膜封止層17までの一体形成された層と、透明ガラス18とを接合する機能を有する。
 上述した陽極11、発光層13及び陰極16の構成は有機EL素子の基本構成であり、このような構成により、陽極11と陰極16との間に適当な電圧が印加されると、陽極11側から正孔、陰極16側から電子がそれぞれ発光層13に注入される。これらの注入された正孔および電子が発光層13で再結合して生じるエネルギーにより、発光層13の発光材料が励起され発光する。
 なお、正孔注入層12および電子注入層15の材料は、本発明では限定されるものではなく、周知の有機材料または無機材料が用いられる。
 また、有機EL素子1の構成として、正孔注入層12と発光層13との間に正孔輸送層があってもよいし、電子注入層15と発光層13との間に電子輸送層があってもよい。また、正孔注入層12の代わりに正孔輸送層が配置されてもよいし、電子注入層15の代わりに電子輸送層が配置されてもよい。正孔輸送層とは、正孔輸送性の材料を主成分とする層である。ここで、正孔輸送性の材料とは、電子ドナー性を持ち陽イオン(正孔)になりやすい性質と、生じた正孔を分子間の電荷移動反応により伝達する性質を併せ持ち、陽極11から発光層13までの電荷輸送に対して適正を有する材料のことである。また、電子輸送層は、電子輸送性の材料を主成分とする層である。ここで、電子輸送性の材料とは、電子アクセプター性を有し陰イオンになりやすい性質と、発生した電子を分子間の電荷移動反応により伝達する性質を併せ持ち、陰極16から発光層13までの電荷輸送に対して適正を有する材料のことである。
 また、有機EL素子1は、さらに、隔壁14で分離された各発光領域を覆うように、透明ガラス18の下面に、赤、緑および青の色調整を行うカラーフィルタ(調光層)を備える構成であってもよい。
 なお、本発明において、正孔注入層12、発光層13及び電子注入層15を合わせて有機層30と称する。また、正孔輸送層、電子輸送層を有する場合には、これらの層も有機層30に含まれる。有機層30の厚さは、一例として、100nm~200nmである。また、隔壁14で分離された発光領域に配置された平坦化膜10、陽極11、有機層30、陰極16、薄膜封止層17及び透明ガラス18を、画素2と称する。
 さらに、図1に示した有機EL素子1は、製造工程において、陽極11と陰極16との間に導電性の異物20が混入し、異物20を介して陽極11と陰極16とが短絡している。そして、異物20の周辺である陰極の一部16aを高抵抗化することにより、異物20により短絡された陽極11と陰極16との間の短絡を解消(リペア)した構成となっている。短絡した部分のリペア工程については、後に説明する。
 図2は、高抵抗化された陰極の形状を表す有機EL素子の上面図である。同図に示すように、本実施の形態では、異物20の周囲の所定領域の陰極16にレーザー焦点が合わされ、レーザーが照射される。例えば、異物20から10μm程度離れた周囲の陰極16に、20μm×20μmの正方形の角周状にレーザーが高効率に照射され、高抵抗化された陰極の一部16aが形成される。
<製造方法>
 次に、有機EL素子1の製造方法について説明する。
 図3は、本発明に係る有機EL素子の製造方法を説明するフローチャートである。
 まず、有機ELパネルを準備する(S10)。有機ELパネルは、有機EL素子と当該有機EL素子を駆動する駆動回路とが形成された画素がマトリクス状に配置されたものである。本工程は、マトリクス状に配置された複数の画素が有する有機EL素子を積層形成する工程であり、第1の工程に相当する。
 次に、ステップS10で形成された複数の画素が有する有機ELパネルにおいて、画素ごとに有する有機EL素子の短絡状態を検査し、当該短絡状態にある短絡欠陥部を特定する(S20)。
 最後に、ステップS20で検出された短絡欠陥部をレーザー照射によりリペアする(S30)。ステップS30における工程は、本発明の特徴的な工程である。
 以上の工程により、高歩留まりで高品質な有機EL素子を有する有機ELパネルが完成する。
 以下、上述した3工程について、詳細に説明する。
 まず、有機EL素子を準備する工程(S10)について説明する。
 図4は、本発明の第1の工程で準備された有機EL素子の断面概略図である。同図には、異物20により陽極11及び陰極16が短絡された有機EL素子1Aの断面構造が表されている。
 まず、TFTを含む基板上に、絶縁性の有機材料からなる平坦化膜10を形成し、その後、平坦化膜10上に陽極11を形成する。陽極11は、例えば、スパッタリング法により、平坦化膜10上にAlが30nm成膜され、その後、フォトリソグラフィ及びウエットエッチングによるパターニング工程を経て形成される。
 次に、陽極11上に、例えば、PEDOTをキシレンよりなる溶剤に溶かし、このPEDOT溶液をスピンコートすることにより、正孔注入層12を形成する。
 次に、正孔注入層12の上に、例えば、真空蒸着法によりα-NPD、Alq3を積層し、発光層13を形成する。
 次に、発光層13の上に、例えば、ポリフェニレンビニレン(PPV)を、キシレンまたはクロロホルムよりなる溶剤に溶かしてスピンコートすることにより、電子注入層15を形成する。
 続いて、電子注入層15が形成された基板を大気曝露させることなく、陰極16を形成する。具体的には、電子注入層15の上に、スパッタリング法によりITO(Indium Tin Oxide)が35nm積層されることにより、陰極16が形成される。このとき、陰極16は、アモルファス状態になっている。
 上記製造工程により、発光素子としての機能をもつ有機EL素子が形成される。なお、陽極11の形成工程と正孔注入層12の形成工程との間に、表面感光性樹脂からなる隔壁14が所定位置に形成される。
 次に、陰極16の上に、例えば、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法により窒化珪素を500nm積層し、薄膜封止層17を形成する。薄膜封止層17は、陰極16の表面に接して形成されるので、特に、保護膜としての必要条件を厳しくすることが好ましく、上記した窒化珪素に代表されるような非酸素系無機材料が好ましい。また、例えば、酸化珪素(Si)や酸窒化珪素(Si)のような酸素系無機材料や、これらの無機材料が複数層形成された構成であってもよい。また、形成方法は、プラズマCVD法に限らず、アルゴンプラズマを用いたスパッタリング法など、その他の方法であってもよい。
 次に、薄膜封止層17の表面に、封止用樹脂層19を塗布する。その後、塗布された封止用樹脂層19上に、透明ガラス18を配置する。ここで、透明ガラス18の主面に、予めカラーフィルタ(調光層)が形成されてもよい。この場合には、カラーフィルタが形成された面を下方にして、塗布された封止用樹脂層19上に透明ガラス18を配置する。なお、薄膜封止層17、封止用樹脂層19及び透明ガラス18は、本発明における保護層に相当する。
 最後に、透明ガラス18を上面側から下方に加圧しつつ熱またはエネルギー線を付加して封止用樹脂層19を硬化し、透明ガラス18と薄膜封止層17とを接着する。
 このような形成方法により、図4に示す有機EL素子1が形成される。
 なお、陽極11、正孔注入層12、発光層13、電子注入層15及び陰極16の形成工程は、本発明により限定されるものではない。
 次に、有機EL素子の短絡欠陥部を特定する工程(S20)について説明する。
 図4において、異物20は、例えば、陽極11の材料であるAlが、陽極11の形成後、陽極11上に付着し、続けて、正孔注入層12、発光層13、電子注入層15、陰極16が積層されたために生じたものである。異物20の大きさは、一例として直径が200nm、高さが500nm程度である。異物20により陽極11と陰極16とが短絡されるので、この画素2では有機EL素子は発光せず、滅点画素となる。
 図5は、本発明の実施の形態に係るステップS20を説明するための動作フローチャートである。
 まず、ステップS10で形成した有機ELパネルの点灯検査を行う(S21)。具体的には、有機ELパネルが備える駆動回路により、または、外部接続されたソースメータにより、有機ELパネルの有する全画素へ、順バイアス電圧を一斉に印加させる。このとき、同時に、全画素を、CCDカメラなどで撮像する。
 そして、上記順バイアス電圧印加期間における撮像画像から各画素の発光輝度を算出し、当該発光輝度が所定の閾値以下である画素、いわゆる滅点画素を検出する(S22)。
 次に、検出された滅点画素を拡大観測する(S23)。具体的には、例えば、カメラ顕微鏡を用いて滅点画素を観測する。
 このとき、拡大観測された滅点画素の領域において、異物20を特定する(S24)。
 次に、ステップS22で検出された滅点画素に、逆バイアス電圧を印加してリーク発光する発光点を特定する(S25)。正常画素では、上記逆バイアス電圧により有機EL素子に電流は流れないが、短絡欠陥部を有する有機EL素子では、リーク電流によるリーク発光が短絡箇所で観測される。このリーク発光状態を撮像して得られた画像により、発光画素中のリーク発光点を特定する。具体的には、有機ELパネルが備える駆動回路により、または、外部接続されたソースメータにより、検査対象の画素に所定の逆バイアス電圧を印加させる。そして、上記逆バイアス電圧が印加されている期間に閾値強度以上のリーク発光をした発光点を特定する。なお、逆バイアス電圧印加によるリーク発光は微弱であるため、CCDカメラ等による撮像は、完全遮光環境にて実行されることが好ましい。そして、閾値強度で各撮像点の発光強度を2値化して、リーク発光点の当否を判断する。このようにしてリーク発光点を特定する。
 なお、CCDカメラは、冷却型CCDカメラが好ましい。これにより、微弱な有機EL素子のリーク発光の撮像においても、所定のS/N比を確保することができる。よって、検査時におけるノイズを排除し、欠陥画素の検出精度が向上する。
 次に、ステップS24で拡大観測された順バイアス電圧印加における滅点画素の画像と、ステップS25で観測された逆バイアス電圧印加におけるリーク発光点の画像とを合成することにより、当該滅点画素における短絡欠陥部の位置を確定させる(S26)。
 なお、上述のステップS26における短絡欠陥部位置の確定プロセスでは、順バイアス電圧印加において特定された異物と、逆バイアス電圧印加において特定されたリーク発光点との一致度をもって短絡欠陥部位置を確定させているが、順バイアス電圧印加における異物特定または逆バイアス電圧印加におけるリーク発光点特定をもって短絡欠陥部位置を確定させてもよい。
 また、短絡欠陥部を有する画素の検出は、上述した方法に限らず、例えば、有機EL素子の陽極11および陰極16の間に流れる電流値を測定し、電流値の大きさに基づいて検出してもよい。この場合、順バイアス電圧を印加すると正常画素と同等の電流値が得られ、逆バイアス電圧を印加するとリーク発光が観測される画素を、滅点画素と判断してもよい。
 次に、本発明の要部である、有機EL素子の短絡欠陥部をレーザー照射によりリペアする工程(S30)について説明する。
 本工程では、レーザー照射波長と同一の波長を有する反射光をモニタするのではなく、有機EL素子を構成する多層膜のうちのある特定層からの放射光をモニタすることにより、当該特定層にレーザー焦点を合わせるものである。上記放射光は、上記特定層での多光子吸収により発生するものであり、当該特定層に固有の波長域を有するものとなり得る。よって、特定層に高効率にレーザーを照射する場合には、当該特定層に対応した放射光をモニタしながら、レーザー源と当該特定膜との距離を調整することで、当該特定層にレーザー焦点を合わせることが可能となる。
 なお、上述した多光子吸収過程を経て放射された放射光は、各層を構成する材料のバンドギャップ等に基づき、各層と対応づけられるものであるが、当該放射光はこれに限られない。多光子吸収過程を経たものと判断されない放射光であっても、照射するレーザー光波長よりも短波長の光であって、各層と対応づけることが可能である放射光によりZ方向の焦点位置を特定するものであれば、本発明の製造方法に含まれる。
 図6は、本発明の実施の形態に係るステップS30を説明するための動作フローチャートである。また、図7は、本発明の実施の形態に係るレーザーリペアを実施するためのシステム構成図である。図7に記載されたシステムは、レーザー発振器101と、検出器102と、CCDカメラ103と、照明104と、ステージ105、吸収フィルタ106とを備える。また、製造仕掛品である、有機EL素子1Aを有する有機ELパネルが、ステージ105の上に固定配置されている。
 レーザー発振器101は、例えば、波長が750nm~1600nm、出力エネルギーが1~30μJ、パルス幅が数フェムト秒から数ピコ秒オーダーである超短パルスレーザーを発振することが可能である。かかる超短パルスレーザーには、例えばフェムト秒レーザーが含まれ、好適なパルス幅の範囲は、100fs~20psである。超短パルスレーザーの照射により、特に、アモルファス(非晶質)状態の陽極または陰極の構成材料を容易に高抵抗化することができる。さらに、他のレーザーでは加工が容易ではない透明導電性材料について、高抵抗化することができる。
 本実施の形態においては、陰極16にレーザー焦点を合わせて、陰極16の一部を高抵抗化させている。このとき、陰極16の一部を高抵抗化させることが可能な出力エネルギーの範囲は、照射するレーザーの波長に依存する。過大な出力エネルギーを有するレーザーを陰極16に照射すると、レーザーが陰極16の下方に設けられた有機層30にまで到達し、有機層30が損傷を受けることとなる。また、過小な出力エネルギーを有するレーザーを陰極16に照射すると、陰極16は高抵抗化されない。また、パルス幅が20psec以上のパルス幅のレーザーを照射すると、有機層30は損傷を受けることとなる。これらを総合して、上記レーザー波長の範囲で、かつ上記パルス幅範囲のパルス幅のレーザーを有機EL素子に照射することにより、容易に陰極16の一部を高抵抗化することができる。
 検出器102は、レーザー照射により有機EL素子から放射された放射光を分光する分光器である。
 CCDカメラ103は、ステージ105の高さZ及び平面方向を高精度に調整するため、ステージ上の有機ELパネル表面を観察するモニタである。
 照明104は、有機ELパネル表面状態やレーザー照射状態の観測を補助する機能を有する。
 ステージ105は、高さ方向Z、ならびに平面方向X及びYに可動であり、レーザーリペアする対象物を固定する機能を有する。
 吸収フィルタ106は、照射するレーザー光と同一波長の光を吸収し、検出器102側に透過させない機能を有する。
 以下、図6のフローチャートに従って、リペア工程(S30)を詳細に説明する。
 まず、レーザーリペアされる有機EL素子の高さを設定する(S31)。具体的には、作業者は、CCDカメラ103で写される映像をモニタで見ながら、目視でZ方向を設定する。
 次に、設定されたZ位置において、レーザー波長と同じ波長のガイド光、またはレーザー光そのものを有機ELパネルに照射する(S32)。
 上述したステップS32は、有機EL素子1Aに、陰極側から、レーザー光を照射する第2の工程に相当する。
 次に、設定されたZ位置において、有機ELパネルからの放射光を検出器102で分光測定する(S33)。
 上述したステップS33は、レーザー光が多光子吸収される過程を経て有機EL素子1Aから放射された放射光の強度を測定する第3の工程に相当する。
 上記ステップS31~S33を、異なるZ位置において実行する。このようにして、Z位置ごとに分光検出されたスペクトルを取得する。
 図8は、高さ方向をパラメータとして測定した放射光の分光スペクトルを表す図である。本実施の形態では、レーザーの入射波長が800nmとしている。同図に記載されたグラフにおいて、横軸は有機EL素子からの放射光の波長を表し、縦軸は当該放射光の検出強度を表している。なお、検出強度は、各Z位置に対して測定された分光スペクトルを比較するために縦軸方向にずらして表示している。同図の分光スペクトルには、主に4つのピーク波長(図8におけるA~D)が検出されている。
 図9は、高さ方向をパラメータとして測定した放射光の分光スペクトルを拡大表示した図である。同図に示すように、分光スペクトルにおいて観測されるピーク波長は、いずれもレーザー入射波長よりも短波長側に位置している。これは、有機EL素子を構成する各積層膜が、入射したレーザーにより多光子吸収して励起されることにより、入射レーザーより短波長の光を放射するものと推察される。図8及び図9に表された放射ピークが、上記多光子吸収によるものであるとすると、各積層膜のバンドギャップ等を考慮することにより、ピークAは陰極16(ITO)と電子注入層15との界面からの放射光に対応し、ピークBは電子注入層15からの放射光に対応し、ピークCは陰極16(ITO)からの放射光に対応し、ピークDは発光層13からの放射光に対応するものと判断される。
 図10は、放射光検出強度のZ位置依存性を表すグラフである。図10は、図8及び図9の分光スペクトルを、上述した4つの放射光ピーク波長に着目して、各ピーク波長におけるZ位置と検出強度との関係をプロットしたものである。図10において、検出強度はZ位置依存性を有しており、検出強度が極小となるZ位置付近では、多光子吸収による放射量が小さいことを示している。当該極小となるZ位置付近において多光子吸収による放射量が小さいということは、フォーカスされて照射されたレーザーが、Z位置にある被照射物に高効率に吸収されていることを意味している。例えば、Z位置依存性の強いピーク波長A及びBでは、Z位置が-30μm~-40μmあたりで、検出強度が極小となっている。特に、ピーク波長Aでは、上記極小となるZ位置における放射光強度が小さいことから、Z位置を-30μm~-40μmに設定することにより、レーザー入射光を陰極16(ITO)と電子注入層15との界面に効率よくフォーカスすることが可能となる。
 なお、検出強度が極小となるZ位置とは、図10のZ位置依存性を表すグラフにおいて検出強度が極小値となるZ位置に限定されるのではなく、検出強度が極小値となるZ位置を含む所定のZ位置の範囲であると定義する。
 なお、放射光の波長は、照射するレーザー光の波長よりも3nm~50nm短い波長であることが好ましい。この範囲での放射光検出により、放射光検出強度の焦点位置依存性が明確となり、当該焦点位置の特定が容易となる。
 再び、図6に戻って、レーザーリペア工程の説明をする。
 次に、レーザーリペアする時のステージ高さを特定する(S35)。具体的には、図10に表された各放射光ピーク波長における放射光検出強度のZ位置依存性から、レーザーリペアする時の最適なZ位置を特定する。上述した例によれば、Z位置を-30μm~-40μmと特定することにより、800nmの波長を有するレーザー入射光を、陰極16(ITO)と電子注入層15との界面に効率よくフォーカスすることが可能となる。
 上述したステップS35は、放射光の強度が極小となるレーザー光の積層方向の焦点位置を特定する第4の工程に相当する。
 次に、レーザー照射位置及び描画ラインの設定を行う(S36)。具体的には、図2に示すように、本実施の形態では、異物20の周囲の所定領域の陰極16にレーザーを照射するように、異物から10μm程度離れた周囲の陰極16に、20μm×20μmの正方形の角周状にレーザーを照射するよう、平面方向の描画ラインの設定を行う。
 次に、ステップS35で特定したステージ高さ及びステップS36で設定した平面方向の描画ラインに従い、レーザー描画を開始する(S37)。
 図11Aは、レーザー照射中における有機EL素子の断面概略図である。同図に示すように、異物20が存在する短絡欠陥部を囲むように、当該欠陥部の周囲にレーザー125の照射を行うことにより、異物20と電気的に短絡している陰極領域、つまり、陰極の一部16aで囲まれた陰極領域は、他の陰極領域と絶縁され、異物20を介して陽極11と短絡接続されている。これにより、陽極11と陰極16との間に流れる電流パスは、陰極の一部16aで囲まれた陰極領域には発生しないが、当該陰極領域以外の陰極領域には正常に発生する。
 上述したステップS37は、特定された積層方向の位置を、レーザー光の積層方向における焦点位置としてレーザー光を照射し、短絡欠陥部に起因する不良を解消する第5の工程に相当する。
 最後に、上述したレーザーリペアにより、短絡欠陥部を有している画素が回復したかを、点灯確認する(S38)。
 図11Bは、レーザー描画時及び回復点灯確認時における画素の発光状態を表す図である。ステップS37におけるレーザー描画の間では、短絡欠陥部を有する画素は、描画ラインが繋がらない限り順バイアス電圧を印加しても発光しない。一方、描画ラインが完了した後の回復点灯確認時には、順バイアス電圧の印加により、描画ラインで囲まれた領域は発光しないが、その他の領域は発光することが確認される。これを有機EL発光パネル全体として確認した場合には、20μm×20μmの正方形である領域が非発光であっても、当該非発光部分は視認されず、有機ELパネルの画質が向上する。
 従来では、単一材料に対する反射光を見ることにより、当該材料に適切にレーザー焦点を合わせることが可能であったが、有機EL素子は、陽極、陰極、その間の複数の有機層など数十nm~数百nm程度の非常に薄い層が複数層積層されて構成されており、各層からの多重反射光をモニタして、特定の層に焦点を合わせてレーザー光を照射することは困難であった。
 これに対し、以上説明した有機EL素子1の製造方法によれば、多光子吸収過程を経て放射された特定の層からの放射光強度に基づいてレーザー光の焦点位置を的確に決定することができるので、レーザー照射によるダメージの発生を抑制しつつ、陽極と陰極との短絡を確実に解消することができる。よって、高効率なリペアが実現され、製造歩留まりが向上する。
 なお、上述した有機EL素子1の製造方法において、Z位置特定を行うステップS31~S35は、レーザーリペアの直前にされてもよいし、また、複数の有機ELパネルに共通するものとして、ステップS36~S38におけるレーザーリペア工程の直前ではなく、別途、事前に実施しておいてもよい。
<第1の変形例>
 図12は、本発明の実施の形態の第1の変形例に係る有機EL素子の断面概略図である。本変形例に係る有機EL素子50は、上述した実施の形態に係る有機EL素子1と比較して、レーザー照射する領域のみが異なり、素子の積層構造及び異物の発生状態は同じである。以下、上記実施の形態と同じ点は説明を省略し、異なる点のみ説明する。上記実施の形態では、特定の放射光をモニタすることによるZ方向の最適化プロセスを経た後、異物20を囲むように正方形の角周状にレーザーが照射されたが、本変形例では、異物20を含む方形領域全体にレーザーが照射される。
 なお、本変形例においても、レーザー照射して上記方形領域を高抵抗化する前に、図6に示すステップS31~S35を実行して有機EL素子50のZ位置を特定する。これにより、レーザー照射によるダメージの発生を抑制しつつ、陽極と陰極との短絡を確実に解消することができる。
 本変形例におけるレーザー照射によっても、異物20を含む陰極領域は高抵抗化され、他の陰極領域と絶縁される。これにより、陽極11と陰極16との間に流れる電流パスは、異物20を含む陰極領域には発生しないが、当該陰極領域以外の陰極領域には正常に発生する。
<第2の変形例>
 次に、本発明の実施の形態の第2の変形例について説明する。本変形例に係る有機EL素子60が上記した実施の形態に係る有機EL素子1と異なる点は、陽極と陰極とが導電性異物を介さずに直接接触して短絡しており、当該短絡した部分のリペアを行う点である。
 図13は、本発明の実施の形態の第2の変形例に係る有機EL素子の断面概略図である。同図に示した有機EL素子60の積層構造は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。図13では、陽極11と陰極16とが、陰極の一部116aにおいて直接接触している。これは、例えば、有機層30の形成工程において短絡部分の位置にピンホールが形成され、その後、陰極16の形成工程において当該ピンホールに陰極16を構成する材料が流入されて陰極16が形成されたために、このように直接接触したものである。そして、陰極の一部116aを高抵抗化することにより、短絡された陽極11と陰極16との短絡を解消した構成となっている。上記実施の形態では、特定の放射光をモニタすることによるZ方向の最適化プロセスを経た後、異物20を囲むように正方形の角周状にレーザーが照射されたが、本変形例では、上記ピンホール部を含む方形領域全体にレーザーが照射される。
 なお、本変形例においても、レーザー照射して上記方形領域を高抵抗化する前に、図6に示すステップS31~S35を実行して有機EL素子60のZ位置を特定する。これにより、レーザー照射によるダメージの発生を抑制しつつ、陽極と陰極との短絡を確実に解消することができる。
 本変形例におけるレーザー照射によっても、上記ピンホール部を含む陰極領域は、陽極11と絶縁される。これにより、陽極11と陰極16との間に流れる電流パスは、上記ピンホール部を含む陰極領域には発生しないが、当該陰極領域以外の陰極領域には正常に発生する。
 なお、本発明は、上記した実施の形態及びその変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形を行ってもよい。
 例えば、上述した実施の形態では、下部電極を陽極、上部電極を陰極とする構成について示したが、下部電極を陰極、上部電極を陽極とする構成であってもよい。また、有機EL素子の構成である平坦化膜、陽極、正孔注入層、発光層、隔壁、電子注入層、陰極、薄膜封止層、封止用樹脂層及び透明ガラスは、上記した実施の形態に示した構成に限らず、材料や構成、形成方法を変更してもよい。例えば、正孔注入層と発光層との間に正孔輸送層があってもよいし、電子注入層と発光層との間に電子輸送層があってもよい。また、隔壁で分離された各発光領域を覆うように、透明ガラスの下面に、赤、緑および青の色調整を行うカラーフィルタを備える構成であってもよい。上述したフェムト秒レーザーは、カラーフィルタを透過することができるため、当該カラーフィルタを介して短絡を解消することができる。
 また、レーザーの照射位置は、上述した実施の形態に限定されず、異物や短絡部分を含む所定の範囲に設定されてもよいし、異物や短絡部分のみに設定されてもよい。また、異物や短絡部分の周囲を囲むように設定されてもよい。また、レーザーの照射は、陰極に限らず陽極に対して行われてもよい。
 また、本発明は、下部電極層、発光層及び上部電極層の順に積層され、下部電極層及び上部電極層のうち少なくとも一方が透明材料からなる発光素子に、レーザー光を、透明材料からなる電極層側から、レーザー光の焦点位置を積層方向に変化させつつ照射し、焦点位置を積層方向に変化させる度に、レーザー光が多光子吸収される過程を経て発光素子から放射された放射光の強度を測定し、放射光の強度が極小となるレーザー光の積層方向の焦点位置を特定するレーザー焦点位置の設定方法としても適用可能である。
 上記レーザー焦点位置の設定方法により、多光子吸収過程を経て放射された特定層からの放射光の強度に基づいてレーザー光の焦点位置を的確に決定することができるので、当該放射光に対応した特定層にレーザー光の焦点を合わせることができる。よって、レーザー照射によるダメージの発生を抑制しつつ、特定層へのレーザー加工を確実に実行することができ、高効率な加工処理が実現され、製造歩留まりが向上する。
 また、本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態及びその変形例における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。本発明は、例えば、図14に示すような、有機EL素子を備えた薄型フラットテレビシステムの製造に好適である。
 本発明にかかる有機EL素子の製造方法及びレーザー焦点位置の設定方法は、特に、大画面および高解像度が要望される薄型テレビおよびパーソナルコンピュータのディスプレイなどの技術分野に有用である。
 1、1A、50、60  有機EL素子
 2、102  画素
 9  透明ガラス
 10  平坦化膜
 11  陽極
 12  正孔注入層
 13  発光層
 14  隔壁
 15  電子注入層
 16  陰極
 16a、116a  陰極の一部
 17  薄膜封止層
 18  透明ガラス
 19  封止用樹脂層
 20  異物
 30  有機層
 101  レーザー発振器
 102  検出器
 103  CCDカメラ
 104  照明
 105  ステージ
 106  吸収フィルタ
 125  レーザー
 

Claims (12)

  1.  下部電極層、発光層を含む有機層、上部電極層の順に積層され、前記下部電極層及び前記上部電極層のうち少なくとも一方が透明材料からなり、欠陥部を有する有機EL素子を準備する第1の工程と、
     前記欠陥部を有する有機EL素子に、前記透明材料からなる電極層側から、レーザー光を照射する第2の工程と、
     前記レーザー光が多光子吸収される過程を経て前記有機EL素子から放射された放射光の強度を測定する第3の工程と、
     積層方向における前記レーザー光の焦点位置を変更して、前記第2の工程及び前記第3の工程を実行した後、前記放射光の強度が極小となる前記レーザー光の積層方向の焦点位置を特定する第4の工程と、
     前記特定された積層方向の焦点位置にて前記レーザー光を照射し、前記欠陥部に起因する不良を解消する第5の工程と、を含む
     有機EL素子の製造方法。
  2.  下部電極層、発光層を含む有機層、上部電極層の順に積層され、前記下部電極層及び前記上部電極層のうち少なくとも一方が透明材料からなり、欠陥部を有する有機EL素子を準備する第1の工程と、
     前記欠陥部を有する有機EL素子に、前記透明材料からなる電極層側から、レーザー光を照射する第2の工程と、
     前記レーザー光の照射波長よりも短波長側に検出される放射光の強度を測定する第3の工程と、
     積層方向における前記レーザー光の焦点位置を変更して、前記第2の工程及び前記第3の工程を実行した後、前記放射光の強度が極小となる前記レーザー光の積層方向の焦点位置を特定する第4の工程と、
     前記特定された積層方向の焦点位置にて前記レーザー光を照射し、前記欠陥部に起因する不良を解消する第5の工程と、を含む
     有機EL素子の製造方法。
  3.  前記第3の工程においては、前記第2の工程で照射するレーザー光と同一波長の光を吸収する吸収フィルタを介して、前記放射光の強度を測定する
     請求項1または2に記載の有機EL素子の製造方法。
  4.  前記第3の工程で測定された放射光は、前記下部電極層、前記有機層及び前記上部電極層を含む複数の層のうち、特定の層から放射された光であり、
     前記第5の工程では、
     前記特定の層が配置された位置を前記特定された積層方向の焦点位置として、レーザー光を照射し、前記欠陥部に起因する不良を解消する
     請求項1または2に記載の有機EL素子の製造方法。
  5.  前記レーザー光は、超短パルスレーザーである
     請求項1または2に記載の有機EL素子の製造方法。
  6.  前記照射するレーザー光の波長は、750nm~1600nmである
     請求項1または2に記載の有機EL素子の製造方法。
  7.  前記放射光の波長は、前記照射するレーザー光の波長よりも3nm~50nm短い波長である
     請求項1または2に記載の有機EL素子の製造方法。
  8.  前記透明材料は、透明金属酸化物である
     請求項1または2に記載の有機EL素子の製造方法。
  9.  前記下部電極層及び前記上部電極層の一方が、高反射率の金属で形成されている
     請求項1または2に記載の有機EL素子の製造方法。
  10.  前記有機EL素子には、前記上部電極層の上方に、調光層が積層されており、
     前記第2及び第5の工程では、前記調光層を介して、前記レーザー光の照射を行う
     請求項1または2に記載の有機EL素子の製造方法。
  11.  前記欠陥部は、前記下部電極層と前記上部電極層とが短絡している短絡部であり、
     前記欠陥部に起因する不良を解消する工程は、前記短絡部の近傍を高抵抗化する工程である
     請求項1または2に記載の有機EL素子の製造方法。
  12.  下部電極層、発光層、上部電極層の順に積層され、前記下部電極層及び前記上部電極層のうち少なくとも一方が透明材料からなる発光素子に、前記透明材料からなる電極層側から、レーザー光を照射する工程と、
     前記レーザー光が多光子吸収される過程を経て前記発光素子から放射された放射光の強度を測定する工程と、
     積層方向における前記レーザー光の焦点位置を変更して、前記レーザー光を照射する工程及び前記放射光の強度を測定する工程を実行した後、前記放射光の強度が極小となる前記レーザー光の積層方向の焦点位置を特定する工程と、を含む
     レーザー焦点位置設定方法。
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