WO2012128177A1 - 液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器、その製造方法、および吐出装置 - Google Patents

液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器、その製造方法、および吐出装置 Download PDF

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Abstract

 多量生産にも適用可能で、保存安定性に優れ、使用時には脱泡処理を行う必要がなく、塗布時や硬化後の気泡の発生を防止可能な、液状硬化性組成物(A)が充填された吐出装置用容器(101)を提供することを目的とする。液状硬化性組成物(A)が充填された外部からの押圧力により変形可能な吐出装置用容器(101)であって、その長手方向の一端側に、吐出装置C) に連結可能な吐出側接続部(104)と該吐出側接続部(104)を開閉自在に封止可能な吐出側封止部(155)とを備え、かつ、前記吐出側接続部(104)とは別に液状硬化性組成物(A)を気密状態で充填するための充填側接続部(103)と該充填側接続部(103)を開閉自在に封止可能な充填側封止部(105)とを備える、液状硬化性組成物(A)が充填された吐出装置用容器(101)により上記目的が達成される。

Description

液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器、その製造方法、および吐出装置
 本発明は、各種の表示装置の保護部材と表示モジュール間などに充填される液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器、その製造方法に関するものである。また、本発明は、このような、液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器を用いる吐出装置に関するものである。
 電気・電子機器や二輪・四輪自動車に搭載用の液晶型タッチパネル、有機型ELタッチパネル、液晶モジュール、プラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)、デジタルおよびアナログ式スピードメーターなどの各種の表示装置では、その表示部分の保護部材(以下、カバーボードと称する場合がある。)と表示モジュールの間などに空隙(エアギャップ)が形成される場合があるため、耐衝撃性や視認性などの面で問題があるとされていた。
 その対策として、例えば、タッチパネル式のスマートフォン、タブレット型携帯端末、TVについては視認性改善を目的に、最表層のカバーボード/タッチセンサー間、或いはタッチセンサー/液晶モジュール間等にカバーボードと同程度の屈折率を有する樹脂を充填する技術が、広く用いられる様になってきている。また、充填のし易さから、そのような樹脂としては、反応性の液状硬化性組成物を用いて充填した後、紫外線(UV)、電子線(EB)等の活性エネルギー線、加熱、湿分等によって硬化させる方法が提案されている(特許文献1)。
 このような反応性の液状硬化性組成物は、パネル製造メーカーでの使用量に応じて、少量あるいは中程度の量の使用の場合は密閉式のシリンジやチューブに充填され、多量使用の場合はボトル等の大型容器に充填され、納入されている。前者の密閉式のシリンジやチューブに充填される場合とは異なり、後者の大型容器に充填された場合は、大型容器内に必ず空隙が発生し、輸送中に液状硬化性組成物に気泡を巻き込み、そのままエアギャップの充填用として使用すると塗布時に気泡が発生し、製造不良発生の原因となることから、パネル製造メーカーでの貼り合わせ工程の前に、脱泡処理が必要となっている。
 このような脱泡処理としては、遠心分離、減圧による脱泡方法等があるが、一度に多量の液状硬化性組成物を使用する場合には、液状硬化性組成物を納入時のボトルから所定のタンクに移し替えて脱泡するか、納入時のボトルごと所定のタンクに入れて、減圧脱泡する方法が採用されることが多い。
 しかし、液状硬化性組成物を減圧脱泡する際、配合物中の反応性希釈剤等の液状成分の一部が留去され、粘度の上昇によるディスペンス適性の低下、貼り合わせ時接着性能の低下を引き起こすという問題がある。また、パネル製造メーカーでの貼り合わせ工程において外観不良と判定される数十μmレベルのマイクロバブルを完全に除去するためには、脱泡時間を延長する必要がある。それに加えて、そのマイクロバブルが除去されたかを確認するための煩雑な確認工程が必要である。ところが、通常は、一定以上の脱泡時間を確保するだけで、このような確認工程が行われることは殆どないため、マイクロバブルの確実な除去という点では必ずしも信頼性のある対応策が講じられているわけではない。また、パネル製造メーカーにおける減圧脱泡時間が長時間に亘ることから、パネルの生産効率が低下するという問題もある。
 また、上記のチューブやボトルに液状硬化性組成物を充填する際に、液状硬化性組成物と外気が接触したり、当該組成物に光が照射したりする場合があり、液状硬化性組成物の種類によっては、充填後の保存安定性が低下するという問題がある。
 さらに、パネル製造メーカーでの貼り合わせ工程において使用される液状硬化性組成物の吐出装置としては、様々な装置が提案され、使用されている。例えば、少量使用の場合は、上記の密閉式のシリンジに配されたプランジャーを作動させることでシリンジ内部の密閉状態を維持しつつ液状硬化性組成物の吐出が可能な装置が提案され、広く使用されている。また多量使用の場合は、上記のように液状硬化性組成物あるいはボトルが入れられた加圧容器内を減圧し、液状硬化性組成物に脱泡処理をした後、例えば図11に示すように、加圧容器46内に空気などの加圧流体を注入して、加圧流体により負荷される圧力により、加圧容器46内の液状硬化性組成物Aを吐出ノズル21から吐出して、部材40に塗布するように構成した吐出装置が提案され、広く使用されている(例えば、特許文献2参照)。
 しかし、特に多量使用の際に用いられる図11に示すような吐出装置の場合、加圧容器46内の液状硬化性組成物Aに加圧流体が接触するため、液状硬化性組成物Aに気泡を巻き込み、カバーボードなどの部材40に塗布した後の液状硬化性組成物あるいは硬化後の硬化物に気泡が発生する場合がある。また、液状硬化性組成物の種類によっては、加圧流体との接触により、液状硬化性組成物の性状に影響を及ぼす場合もある。例えば、液状硬化性組成物として湿分硬化性の組成物を用いた場合は、加圧流体として湿分を十分に除去したものを使用しなければタンクから吐出ノズルに送液する際に硬化が開始して粘度の上昇などを引き起こすおそれがある。
 また、特に密閉式のシリンジを使用する場合は、上記のような問題は回避可能ではあるが、少量使用に限られ、多量使用には対応できないという問題がある。
特開2010-248347号公報 実開平2-17264号公報
 上記問題に鑑みて、本発明の目的とするところは、多量生産にも適用可能で、保存安定性に優れ、使用時には脱泡処理を行う必要がなく、塗布時や硬化後の気泡の発生を防止可能な、液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器を提供すること、また、前記の液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器を容易に製造可能な製造方法を提供すること、さらに、前記の液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器を備えた吐出装置を提供することにある。
 発明者らは、鋭意検討した結果、特定構造を備えた吐出装置用容器を採用することで上記課題を解決することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の要旨は以下のとおりである。
 (1)液状硬化性組成物が充填された外部からの押圧力により変形可能な吐出装置用容器であって、その長手方向の一端側に、吐出装置に連結可能な吐出側接続部と該吐出側接続部を開閉自在に封止可能な吐出側封止部とを備え、かつ、前記吐出側接続部とは別に液状硬化性組成物を気密状態で充填するための充填側接続部と該充填側接続部を開閉自在に封止可能な充填側封止部とを備える、液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器。
 (2)前記吐出装置用容器が、合成樹脂含有シート状成形体から構成された前記(1)記載の液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器。
 (3)前記の合成樹脂含有シート状成形体の厚みが0.05~0.5mmである前記(2)記載の液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器。
 (4)前記充填側接続部が、吐出装置用容器の長手方向で吐出側接続部とは反対側の他端側に形成された前記(1)~(3)の何れかに記載の液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器。
 (5)前記液状硬化性組成物が、湿分硬化性及び/又は活性エネルギー線硬化性を有する組成物である前記(1)~(4)の何れかに記載の液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器。
 (6)前記(1)~(5)の何れかに記載の液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器の製造方法であって、前記充填側接続部を介して、予め脱泡処理した液状硬化性組成物を気密状態で前記吐出装置用容器内に充填した後、前記充填側接続部を前記充填側封止部により封止する、液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器の製造方法。
 (7)加圧用容器と、前記充填側接続部の前記充填側封止部が閉じた状態で、かつ前記吐出側接続部の前記吐出封止部が開いた状態で、前記加圧用容器に配された前記(1)~(5)の何れかに記載の液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器と、前記吐出装置用容器の内部と前記吐出側接続部を介して連通する吐出バルブと、前記吐出装置用容器の外部から押圧力を負荷する加圧手段とを備える液状硬化性組成物の吐出装置。
 (8)前記吐出側接続部が前記吐出装置用容器において鉛直方向下側に位置するように、前記吐出装置用容器が前記加圧用容器に配された前記(7)記載の液状硬化性組成物の吐出装置。
 (9)前記加圧手段が、加圧流体である前記(7)又は(8)記載の液状硬化性組成物の吐出装置。
 (10)前記加圧手段により負荷される前記加圧用容器内部の圧力に基づいて、前記吐出装置用容器からの液状硬化性組成物の排出量を制御する圧力制御手段を備える前記(9)記載の液状硬化性組成物の吐出装置。
 (11)前記吐出装置用容器から送液された液状硬化性組成の前記吐出バルブからの吐出量を制御する吐出制御手段をさらに備える前記(7)~(10)のいずれかに記載の液状硬化性組成物の吐出装置。
 (12)前記(7)~(11)のいずれかに記載の液状硬化性組成物の吐出装置を用いて、保護部材もしくは機能性保護部材、及び/又は、表示モジュールに液状硬化性組成物を塗布し、前記保護部材または前記機能性保護部材と、前記表示モジュールとを前記液状硬化性組成物を介して貼り合わせ、該液状硬化性組成物を硬化させて得られる表示装置。
 本発明によれば、多量生産にも適用可能で、保存安定性に優れ、使用時には脱泡処理を行う必要がなく、塗布時や硬化後の気泡の発生を防止可能な液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器を容易に提供可能である。また、本発明に係る吐出装置は前記の液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器を備えることから、気泡発生を防止しつつ保護部材などへの液状硬化性組成物の塗布が可能で、視認性と共に画面の鮮鋭性の優れた各種の表示装置を容易に得ることが可能となる。
吐出装置の加圧用容器内に配された状態の本発明の液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器の一例を示す図である。 (a)吐出側接続部104と吐出側封止部155とを組立てたものの斜視図である。(b)図2(a)のI-I方向の断面図を示した図である。(c)図2(a)、(b)に示す吐出側封止部155の斜視図である。 (a)本発明に使用可能な吐出側封止部の他の例を示した斜視図である。(b)図3(a)に示す吐出側封止部160をその軸方向に延伸させた時の状態を示した図である。(c)図3(a)に示す吐出側封止部160を図2に示す吐出側接続部104と組み合わせ、図3(a)のスリット161の両端を結ぶ線と図2のスリット151とが略平行になるように配した時の図2(b)に対応する断面図である。(d)図3(c)に示す吐出側封止部160を、接続部109を挿入してその軸方向に延伸させた時の状態を示した図である。 (a)本発明に使用可能な吐出側接続部の更に他の例を示した斜視図である。(b)吐出側封止部が閉じた状態の図4(a)のII-II方向断面図である。(c)吐出側封止部が開いた状態の図4(a)のII-II方向断面図である。 吐出装置の加圧用容器内に配された状態の本発明の液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器の他の例を示す図である。 吐出装置用容器に液状硬化性組成物を充填する際に用いる充填装置の一例を示す図である。 本発明の吐出装置の実施形態の一例を示した模式図である。 本発明において用いる、液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器を加圧用容器内に配する際に用いる容器支持具の一例を示した模式図である。 (a)実施例における塗工バターンの一例を示す模式図である。(b)実施例における塗工バターンの他の例を示す模式図である。 実施例3で用いた吐出装置の加圧用容器部分を示した模式図である。 従来の吐出装置の一例を示した模式図である。
1.吐出装置用容器
 本発明に用いる吐出装置用容器は、その内部に液状硬化性組成物が充填された状態において外部からの押圧力により変形可能であって、その長手方向の一端側に、吐出装置に連結可能な吐出側接続部と該吐出側接続部を開閉自在に封止可能な吐出側封止部とを備え、かつ、前記吐出側接続部とは別に液状硬化性組成物を気密状態で充填するための充填側接続部と該充填側接続部を開閉自在に封止可能な充填側封止部とを備える。
 このように、吐出側接続部と、これとは別に充填側接続部を備えることで、吐出装置用容器内に液状硬化性組成物が充填された後、充填側接続部近傍にて何らかの原因により液状硬化性組成物が変性などして、固形分が形成され、充填側接続部に付着した場合であっても、吐出側接続部からは、固形分のない状態で液状硬化性組成物が吐出され得るため、吐出バルブへ送液される液状硬化性組成物に不純物が混入する可能性を著しく低減することができる。吐出装置用容器への充填終了時に外気と接触することを完全には防止できない場合があるため、例えば、液状硬化性組成物として後述の湿分硬化性を有する組成物を用いる場合などに有効である。
 前記吐出装置用容器の形状、特性は、内部に液状硬化性組成物が充填された状態において外部からの押圧力により変形可能であれば、特に限定はないが、後述する吐出装置の加圧用容器への適用が可能で、多量の液状硬化性組成物を充填可能で、カバーボードなどへの塗布後の当該容器内の液状硬化性組成物の残量を低減する観点からは、柔軟性の高いシート状の成形体から構成されたものが好ましく、合成樹脂含有シート状成形体から構成されたものがより好ましい。このような合成樹脂としては、例えば、ポリエチレン(低密度、高密度)、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、セロハン(セロファン)、ポリアミド、ポリエステル等が挙げられるが、これらに限定されない。また、保存安定性の観点から、酸素や水蒸気などに対するガスバリアー性の高いシート状の成形体を採用することが好ましく、例えば、ガスバリアー性の高いEVOHやセロハンなどの合成樹脂と他の合成樹脂を積層してシート状にしたものを用いるとよい。また、同じくガスバリアー性などを付与する観点から、合成樹脂のシート状の成形体の表面にアルミや酸化ケイ素を蒸着したものを用いたり、アルミ箔を合成樹脂の間に配し積層してシート状にしたものを用いてもよい。また、後述する液状硬化性組成物が紫外線硬化性を有する場合は、遮光性の観点から、アルミを蒸着した樹脂を用いたシート状の成形体やアルミ箔を用いたシート状の成形体を採用すると良い。
 また、前記の合成樹脂含有シート状成形体の厚みは、内部に液状硬化性組成物が充填された状態において外部からの押圧力により変形可能であれば特に限定はないが、0.05~0.5mmであるのが好ましい。これにより、柔軟性の高い合成樹脂含有シート状成形体が得られ、塗布後の当該容器内の液状硬化性組成物の残量をより低減することができる。
 このようなシート状成形体は、定法に従って、上記の合成樹脂などを用いてシート状に押出成形したり、ブロー成形するなどして得ることができる。また、吐出装置用容器は、シート状に押出成形された成形体を適宜貼り合わせて袋状に構成したり、ブロー成形により得られた袋状の成形体から構成してもよい。
 また、当該容器の容量は、後述の吐出装置の加圧用容器の容量、使用量などを考慮して任意に選択することができる。多量生産の場合には、例えば0.5Lないし50L、あるいはそれ以上の容量の加圧用容器が用いられる場合があり、当該加圧用容器に適用可能な容量を適宜選択することができる。もっとも、より少量使用する場合にも、それに応じた容量を選択することも可能である。
 前記吐出側接続部と、該吐出側接続部を開閉自在に封止可能な吐出側封止部の構成は特に限定はない。吐出側接続部の構造は、吐出装置に連結可能で、当該吐出側接続部を介して、吐出装置用容器の内部に充填された硬化性組成物が吐出装置の吐出ノズルへと送液が可能であればよい。また、吐出側接続部は、吐出装置用容器の内外を連通する中空部を有し、開閉自在に封止可能な吐出側封止部により吐出側接続部の中空部が封止される。
 吐出側封止部の構成は特に限定はなく、吐出側接続部の中空部を吐出装置用容器の外側から封止する、着脱可能な蓋を設けても良いし、当該中空部を吐出装置用容器の内側から封止する、開閉自在な弁を設けても良いし、中空部部分に開閉自在な弁を設けても良いし、その他の構成を採用しても良い。当該弁としては、吐出装置への装着の容易性、外気との接触防止の観点から、吐出装置に未接続状態では、中空部が閉じた状態になり、吐出装置に接続した状態では、中空部が開いた状態になるような機構を備えるのが好ましく、弾性体を用いた各種逆止弁などが例示できる。
 前記充填側接続部と、該充填側接続部を開閉自在に封止可能な充填側封止部の構成は特に限定はない。充填側接続部の構造は、吐出装置用容器内に液状硬化性組成物を充填する際に、気密状態を確保可能な構造であれば、特に限定はなく、液状硬化性組成物を供給する側(充填装置)の接続部に対応した構造を採用すれば良い。また、充填側接続部は、吐出装置用容器の内外を連通する中空部を有し、開閉自在に封止可能な吐出側封止部により吐出側接続部の中空部が封止される。
 充填側封止部の構造は特に限定はなく、充填側接続部の中空部を吐出装置用容器の外側から封止する、着脱可能な蓋を設けても良いし、当該中空部を吐出装置用容器の内側から封止する、開閉自在な弁を設けても良いし、中空部部分に開閉自在な弁を設けても良いし、その他の構成を採用しても良い。当該弁としては、充填装置の接続部への装着の容易性、外気との接触防止の観点から、充填装置に未接続状態では、中空部が閉じた状態になり、充填装置に接続状態では、中空部が開いた状態になる機構を備えるのが好ましく、弾性体を用いた各種逆止弁などが例示できる。また、充填装置の接続部と充填側接続部の中空部との嵌合部の気密性(シール性)を確保する観点から中空部を構成する壁面に弾性体よりなるシールリングを配しても良い。
 また、前記吐出側接続部の配置は、吐出装置用容器の長手方向の一端側であれば良い。また、充填側接続部の配置は、特に限定はないが、充填側接続部の近傍に生じる固形物などの不純物が吐出側接続部から排出されるのを防止する観点からは、吐出用接続部から一定の距離だけ離れた位置に配されるのが好ましく、吐出装置用容器の長手方向で吐出側接続部とは反対側の他端側に配されるのがより好ましい。
 また、吐出側接続部および充填側接続部の吐出装置用容器への接合は、硬化性組成物の漏れが生じなければ、特に限定はなく、これらの材質などを考慮して、溶着、接着剤による接着などの方法を採用することができる。
 以下に、本発明の、液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器の実施形態の一例を、図をもとに説明する。
 図1は、後述する吐出装置の加圧用容器内の容器支持具108に配された状態の、本発明の、液状硬化性組成物が充填された状態の吐出装置用容器の一例を示す図である。吐出装置用容器101は、袋状に接合したシート状成形体2から構成され、その長手方向の一端(図1の下側)に充填側接続部103及び充填側封止部105、他端(図1の上側)に吐出側接続部104及び吐出側封止部155が配されている。吐出装置用容器101内には液状硬化性組成物Aが充填された状態である。図1は、吐出側接続部104が吐出装置用容器101において鉛直方向上側に位置するように配されるとともに、吐出側接続部104及び吐出側封止部155に、送液チューブ119に接続された接続部109が挿通された状態を示したものである。
 図1に示される容器支持具108は、後述する図5及び8に示される容器支持部8と同等の構成を備えている。従って、共通する部分には同じ符号を付している。異なる点は、図1の容器支持具108では、台座116部分に、容器支持部8の台座16には設けられている接続部9及び送液路17が配されていない点である。尚、図示しないが、台座116に、吐出装置用容器101の充填側接続部103を固定するための機構を設けても良い。
 図1に示す吐出側接続部104及び吐出側封止部155の詳細を図2に示す。図2(a)は、吐出側接続部104と吐出側封止部155とを組立てたものの斜視図であり、図2(b)は図2(a)のI-I方向の断面図を示したものである。図2(c)は、図2(a)、(b)に示す吐出側封止部155の斜視図である。図2(a)、(b)に示すように、本例では、吐出側接続部104は、一方端から他方端へ連通する中空部107を備え、この中空部107に、吐出側封止部155が配されている。
 本例の吐出側封止部155は、いわゆるダックビル弁と称される逆流防止弁であり、図2(c)に示すように、円筒状の弁本体154と、その一方端部に弁本体154より外方に突出した突起部152と、弁本体154の中途から対向して他方端に向け収束するように延出した一対の傾斜したリップ面153と、リップ面153の合わせ面に形成されたスリット151を備えている。また、吐出側封止部155は、接続部109が挿通される前は、吐出装置用容器101内に充填されている液状硬化性組成物Aの内圧により、一対のリップ面153が押圧されてスリット151が密着し、組成物Aの漏出が防止されている。このような機能を奏する観点から、本例の吐出側封止部155は、弾性体から構成されている。弾性体の材質は、組成物Aに対して不活性なものを用いればよく、シリコーン樹脂、各種のエラストマーなどが挙げられる。
 本例では、この吐出側封止部155は、その一部が吐出側接続部104に覆われるように、かつ、リップ面153が外側に突出するように、吐出側接続部104の中空部107に配されている。また、吐出側接続部104の中空部107を構成する内壁には、吐出側封止部155の突起部152が係止するように、突起部152の形状に対応する構造の凹部が設けられている。また、気密性を確保する観点から、吐出側接続部104と吐出側封止部155とが接する部分が気密を確保できるように接合している必要がある。接合方法は、接着、溶着、かしめ等の物理的方法など従来公知の方法を採用することができる。
 更に、本例では、吐出側接続部104の中空部107のうち吐出側封止部155が配されていない部分(図2(b)の上側部分)の内周面と、吐出側封止部155の弁本体154部分の内空部156の内周面とが一致するように、吐出側接続部104に対して充填側封止部155が配されており、送液チューブ119に接続された接続部109が、中空部107及び内空部156を挿通してスリット151から吐出用容器101内に突出することで、吐出用容器101の内外が連通可能となっている。吐出用容器101内の組成物Aは、接続部109の先端の開口部145から接続チューブ119へと放出される。
 吐出側接続部104は、シート状成形体2との隙間のない接合を容易にするため、円筒状の胴部158から外側に突出するように、中空部107の中心軸の軸方向(図2(b)の図の上下方向)に対して垂直方向で、中心軸から遠ざかるに従い漸次先細りする翼部157を2ヶ所設けている(図2(a)参照)。翼部157形状は、本例では、略三角柱状で、対向する面は平面であるが、これに限られず、湾曲した面であっても良い。
 また、吐出側接続部104の一方端部には、吐出側接続部104を、図1に示すように容器支持具108のフック部42に引っかけるためのフランジ部144を設けている。
 充填側接続部103及び充填側封止部105は、それぞれ、吐出側接続部104及び吐出側封止部155と同じ構成であるため、それらの構成の説明は省略する。
 図示しないが、充填側接続部103及び吐出側接続部104には、中空部107への異物の付着、誤挿入の防止等を目的として、中空部107の開口部159を塞ぐ蓋を配しても良い。この場合、吐出側接続部104に接続部109を接続する際に、蓋は除去すれば良い。
 本発明では、吐出側封止部は、図2(c)に示したものに限らず、他の形態のものも適用可能である。図3(a)は、本発明に使用可能な吐出側封止部の他の例を示したものである。図3(b)は、図3(a)に示す吐出側封止部160をその軸方向に延伸させた時の状態を示した図である。図3(c)は、図3(a)に示す吐出側封止部160を図2に示す吐出側接続部104と組み合わせ、図3(a)のスリット161の両端を結ぶ線と図2のスリット151とが略平行になるように配した時の図2(b)に対応する断面図である。図3(d)は、図3(c)に示す吐出側封止部160を、接続部109を挿入してその軸方向に延伸させた時の状態を示した図である。以下では、特に、本例の吐出側封止部160に特有の点について説明し、他の共通する点については、説明は省略する。
 図3(c)に示すように、図3(a)に示す吐出側封止部160は、図2に示す吐出側接続部104と組み合わせて用いることができる。図3(a)、(c)に示すように、本例の吐出側封止部160は、一方端が封止され他方端が開口した円筒状の弁本体163と、その他方端部に弁本体163より外方に突出した突起部162と、弁本体163の側壁に設けられた内外と連通可能に開閉するスリット161とを備えたものである。本例では、スリット161は、弁本体163の軸方向に垂直で周方向に所定長さ連続する切り込みとして形成されている。スリット161の数は、本例では対向する壁面に2つであるが、これに限られない。
 そして、図3(b)、(d)に示すように、吐出側接続部104の中空部107と吐出側封止部160の内空部166に接続部109を挿通し、その先端部で、弁本体163の封止された一方端を押圧する(図3(d)の矢印方向に押し込む)ことで、弁本体163が延伸する。その結果、スリット161が開口部を形成し、吐出側封止部160の外部と内空部166とが連通することとなる。この状態を保持することで、吐出用容器101内の組成物Aは、接続部109の先端の開口部145から接続チューブ119へと放出される。尚、接続部109の接続状態を保持する方法は特に限定はなく、従来公知の方法を採用することができる。
 また、本例の吐出側封止部160は、充填側封止部としても用いることができる。
 また、本発明では、吐出側接続部及び吐出側封止部の更に他の例として、図4に示したものを適用することができる。図4(a)は、本発明に使用可能な吐出側接続部の更に他の例を示した斜視図であり、図4(b)は、吐出側封止部が閉じた状態の図4(a)のII-II方向断面図であり、図4(c)は、吐出側封止部が開いた状態の図4(a)のII-II方向断面図である。
 図4(a)~(c)に示すように、本例の吐出側接続部170は、一方端が封止され他方端が開口する中空部175が形成された外套管171を備える。外套管171は、一方端が封止された円筒状の胴部177と、外套管171の外側と中空部175とを連通する胴部177の側壁に対向する2つの開口部172と、胴部177の外方に突出した一対の翼部174と一対の突起部173とを備える。翼部174は、図2(a)の例の場合と同様に、シート状成形体2との隙間のない接合を容易にするための構造であり、当該目的を達成することができる形状であれば、図4に示したものに限られない。突起部173は、図1に示す容器支持具108のフック部42に引っかけるためのものである。中空部175は、胴部177に対応する部分と翼部174に対応する部分と間に段差を形成し、この段差部分は胴部177に対応する部分から翼部174に対応する部分にかけて漸次縮径するテーパー面176となっている。このテーパー面に弁体181の周縁部183が当接する。尚、本例では、テーパー面176の位置は、胴部177と翼部174とに対応する中空部175の境界に設けたが、これに限らず、適宜決定することができる。
 本例の吐出側封止部180は、図4(b)、(c)に示すように、吐出側接続部170の中空部175で胴部177に対応する部分に配されており、弁体181とバネ182とを備える。弁体181は、略円柱状であり、一方端部には、吐出側接続部170のテーパー面176と当接するテーパー状の周縁部183が形成されている。また、他方端側には、バネ182を支持するための突起部184が形成されている。弁体181の材質は吐出側接続部170のテーパー面176との密着性を確保する観点から、ゴム、エラストマー等の弾性材料を用いるのが好ましい。バネ182は、弁体181の突起部184に支持されるともに、吐出側接続部170の封止された一方端側に配された突起部178に支持される。
 図4に示す例の吐出側接続部170と吐出側封止部180とを備えたものによれば、吐出側接続部170の中空部175に図1に示す接続部109を挿通する前は、図4(b)に示すように、弁体181がバネ182に付勢され、周縁部183がテーパー面176に当接して密着し、中空部175が封止され、吐出装置用容器内の組成物Aが漏出することが防止される。一方、図4(c)に示すように、中空部175に図1に示す接続部109が挿通され、接続部109の先端が弁体181に当接し、バネ182の押圧力に抗して矢印方向に押込まれることにより、中空部175は、開口部172を介して吐出装置用容器内と連通し、接続部109の開口部145から吐出装置用容器内の組成物Aが送液チューブ119へ放出される。
 さらに、図示しないが、吐出側接続部170には、中空部175への異物の付着、誤挿入の防止等を目的として、中空部175の開口部179を塞ぐ蓋を配しても良い。この場合、吐出側接続部170に接続部109を接続する際に、蓋は除去すれば良い。
 また、本例の吐出側封止部170は、充填側封止部としても用いることもできる。
 図5は、後述する吐出装置の加圧用容器内の容器支持具8に配された状態の、本発明の、液状硬化性組成物が充填された状態の吐出装置用容器の他の例を示す図である。吐出装置用容器1は、袋状に接合したシート状成形体2から構成され、その長手方向の一端(図5の上側)に充填側接続部3、他端(図5の下側)に吐出側接続部4が配されている。吐出装置用容器1内には液状硬化性組成物Aが充填された状態である。本例では、充填側接続部、充填側封止部、吐出側接続部及び吐出側封止部が図1~4のものとは異なるとともに、吐出装置用容器の吐出側接続部と充填側接続部の位置関係を変更し、吐出側接続部4が吐出装置用容器1において鉛直方向下側(最下端部)に位置するように容器支持具8に配置したものである。尚、充填側接続部、充填側封止部、吐出側接続部及び吐出側封止部として、図2~4に示したものを用いることができることは勿論のことである。
 充填側接続部3には、吐出装置用容器1の内外を連通する中空部7が形成されるとともに、充填側接続部3から伸びる弾性変形可能な2つの腕部6によって支持される充填側封止部5が配される。そして、腕部6の弾性変形により、充填側封止部5が、吐出装置用容器1の内部で中空部7を開閉自在に封止する弁として機能する。図5では、充填側封止部5は閉じた状態にある。
 また、吐出側接続部4には、吐出側接続部4から伸びる弾性変形可能な2つの腕部6'によって支持される吐出側封止部5'が配され、吐出側封止部5'が、腕部6'の弾性変形により、中空部7'を吐出装置用容器1の内部で開閉自在に封止する弁として機能する。図5では、吐出側接続部4の中空部7'に、吐出装置(図示せず)へ連通する容器支持具8の接続部9が挿入され、吐出側封止部5'は開いた状態になっている。
 そして、吐出側接続部4の中空部7'に挿入された接続部9が、その先端部で吐出装置用容器1内部へ向かって吐出側封止部5'を突き押し、腕部6が弾性変形して吐出側封止部5'が中空部7'から離れることにより、吐出側封止部5'が開いた状態となる。また、接続部9が中空部7から取り出されると、弾性変形した腕部6が変形前のもとの状態(形状)に戻り、吐出側封止部5'が中空部7'に挿入され封止状態が維持される。従って、吐出装置用容器内に液状硬化性組成物が残留した場合でも、そのまま使用することが可能である。また、この封止状態は、吐出側封止部5'と吐出側接続部4とを雄雌のテーパー形状の嵌合構造を採用するなどして保持される(図示せず)。
 本実施形態における充填側接続部3と充填側封止部5、吐出側接続部4と吐出側封止部5'は、各種の樹脂を用いて射出成形などにより成形することができる。
2.液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器の製造方法
 本発明では、上述した吐出装置用容器を用い、その充填側接続部を介して、予め脱泡処理された液状硬化性組成物を気密状態で吐出装置用容器内に充填した後、充填側接続部を充填側封止部により封止して、液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器を製造する。
 このように、液状硬化性組成物を予め脱泡処理することで、パネル等の製造時には脱泡処理が不要となり、脱泡処理に起因する液状硬化性組成物の成分変化や硬化(ゲル化)を引き起こすことなく、カバーボードなどへの塗布を行うことができる。また、液状硬化性組成物を気密状態で吐出装置用容器内に充填するため、液状硬化性組成物が外気と接触することなく、また、条件によっては遮光状態で吐出装置用容器内に充填することが可能となる。従って、本発明の液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器の製造方法によれば、保存安定性に優れた、液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器を提供することが可能となる。
 脱泡処理としては、特に限定は無く、減圧脱泡などが挙げられる。また、気密状態での吐出装置用容器内への充填方法は、特に限定は無く、例えば、上記の吐出装置用容器の充填側接続部の中空部と、充填装置の接続部との嵌合部を雄雌のテーパー嵌合としたり、充填側接続部の中空部の内壁面あるいは充填装置の接続部の外周面にシールリングを配するなどして、充填装置から充填側接続部を介して液状硬化性組成物を吐出装置用容器内へ充填する方法などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
 また、吐出装置用容器に液状硬化性組成物を充填する際は、吐出装置用容器内への空気の残留をより効果的に防止する観点から、吐出装置用容器内を減圧状態にしてもよい。
 図6は、吐出装置用容器に液状硬化性組成物を充填する際に用いる充填装置の一例を示す図である。図6に示すように、本例の充填装置Bは、予め脱泡処理された状態の液状硬化性組成物が収容されたブレンドタンク10、その底部に配されたバルブ11、吐出装置用容器1への送液を調節するバルブ12、ブレンドタンク10と吐出装置用容器1とをバルブを介して接続する配管13、吐出装置用容器1へ充填した液状硬化性組成物の重量(充填量)を測定する計量器14とを構成として有するものである。また、図示しないが、計量器14とバルブ11、12とは、予め設定した充填量に基づいてバルブ11、12の開閉を調整可能なように制御されるように構成しても良い。
 図6には、図5に示したのと同じ吐出装置用容器1を用いた例を示している。従って、同じ構成には同じ符号を付して、その説明は省略するが、図6では、吐出側接続部4は吐出側封止部により封止された状態であり、充填側接続部3には気密状態で充填装置の接続部(図示せず)が嵌合され、充填側封止部が中空部から離れ、充填側封止部が開いた状態にある。
 また、図示しないが、他の構成として、吐出側接続部4に減圧用ポンプを連結し、吐出装置用容器1の内部を減圧状態にしてもよい。更に、吐出装置用容器としては、図1に示したものを用いることが可能であるし、図2~4に示した吐出側接続部等を用いた変形例を用いることが可能であることは勿論のことである。
3.吐出装置
 本発明の吐出装置は、加圧用容器と、前記充填側接続部の前記充填側封止部が閉じた状態で、かつ前記吐出側接続部の前記吐出封止部が開いた状態で、前記加圧用容器に配された上記の液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器と、前記吐出装置用容器の内部と前記吐出側接続部を介して連通する吐出バルブと、前記吐出装置用容器の外部から押圧力を負荷する加圧手段とを備える。
 加圧用容器としては、特に限定はなく、加圧手段により吐出装置用容器の外部から押圧力を負荷可能なものであればよく、加圧手段に応じて、適宜選択することができる。加圧手段として、機械的な加圧を付与する場合(例えば、吐出装置用容器をロール間などに挟むことで、押圧力を負荷する機器など)は、当該機械式機器が加圧用容器として機能し得る。また、加圧手段として、加圧流体を用いる場合は、吐出装置用容器を気密状態で内部に保持可能な耐圧容器などが挙げられる。本発明では、その効果をより効果的に発揮させる観点からは、吐出装置用容器としては、合成樹脂含有シート状成形体から構成されたものを採用することが好ましく、また、このような吐出装置用容器からの排出量の精度、安定性をより向上させる観点から、加圧手段としては、加圧流体を採用することが好ましいため、加圧用容器としては、耐圧容器を用いるのが好ましい。また、加圧流体としは、特に限定はなく、例えば、圧縮空気、不活性ガスなどを用いることができる。
 加圧用容器内での吐出装置用容器の配置は特に限定はなく、加圧手段、吐出装置用容器の構成に応じて適宜決定することが可能である。吐出装置用容器が合成樹脂含有シート状成形体から構成されている場合は、自立させることは必ずしも容易ではなく、加圧手段として加圧流体を使用する場合は、吐出の安定性の観点から、さらに安定して当初の姿勢を保持する必要性が高い。そのため、吐出装置用容器及び加圧手段がこのような構成の場合は、吐出装置用容器を所望の姿勢で保持可能な容器支持具を用いることが好ましい。また、吐出装置用容器の吐出側接続部の位置は、特に限定はなく、吐出装置用容器を加圧用容器内に配置した時に、吐出側接続部が吐出装置用容器において鉛直方向上側になるようにしても良いし、鉛直方向下側になるようにしてもよい。ここで、吐出側接続部には、吐出装置用容器内と吐出バルブとを連通させるために、両者をつなぐ配管を配するが、その一方端には吐出側接続部と接続可能な接続部が配され、この配管の接続部が吐出側接続部と連結される。
 そして、吐出側接続部が吐出装置用容器の鉛直方向上側になるように配置した場合は、先ず、容器の上側に位置する液状硬化性組成物が吐出バルブへと排出される。そのため容器の下側に位置する組成物が上側に移動する前に、容器が加圧流体の押圧力により押圧され、シート状成形体が密着し、組成物が容器内に残存する場合が多い。これを回避するために、配管の接続部として、吐出装置用容器の下端から上端へ連通する筒又は管を用いたり、吐出側接続部又は吐出側封止部に吐出用容器の一方端(例えば下端)から他端(例えば上端)へ連通する筒又は管を設ける場合がある。このような筒又は管を配管の接続部、又は、吐出側接続部若しくは吐出側封止部に設けると、残存の問題は解消するが、前者(配管の接続部)の場合は、配管の接続部を吐出装置用容器内に配置する際に、空気が混入してしまう可能性が高い傾向にあり、また、後者(吐出側接続部又は吐出側封止部)の場合は、筒又は管の周辺が組成物を充填する際のデッドスペースとなり易い傾向があり、充填の時点で空気が残留してしまう可能性が高い。
 一方、吐出側接続部が吐出装置用容器の鉛直方向下側になるように配置した場合は、加圧流体による押圧力により吐出装置用容器が不均一に変形した場合でも、液状硬化性組成物が自重により自ら鉛直方向下側に移動するため、シート状成形体が密着することなく、吐出側接続部を介して液状硬化性組成物が吐出バルブへと排出される。従って、上記のような筒を接続部として使用する必要がなく、それによる空気の混入がなく、気泡の発生も防止できる。このように、気泡の発生を防止しつつ、吐出装置用容器内の液状硬化性組成物を無駄なく消費することができることから、吐出側接続部の位置は、吐出装置用容器において鉛直方向下側になるように、吐出装置用容器を加圧容器内に配置することが好ましく、吐出装置用容器において鉛直方向の最下端部に位置するのがより好ましい。
 吐出バルブの構成としては、特に限定はないが、ディスペンスバルブと塗工ヘッドを備えるものを用いることができる。
 ディスペンスバルブとしては、特に限定はなく、用途に応じて各種のものを採用することができる。但し、気泡の発生を防止しつつ、液状硬化性組成物の塗布量を高精度に制御する必要がある場合や高速での塗布が必要な場合は、スプールバルブ、ダイヤフラムバルブ、ニードルバルブ、ボベットバルブ、ベールポンプ、メタリングポンプ、プランジャーポンプ、ピストンとスプリングポンプの併用、スピンコントロールポンプなどを用いるのが好ましい。また、メンテナンス、耐久性、制御のし易さの点では、ダイヤフラムバルブ、ニードルバルブ、プランジャーポンプ、ピストンとスプリングポンプの併用、がより好ましい。
 また、塗工ヘッドとしては、特に限定はなく、用途に応じて各種のものを採用することができるが、気泡の発生を防止しつつ、液状硬化性組成物の塗布量を高精度に制御する観点からは、上記ディスペンバルブのマルチヘッド方式、コーティングバルブ、T-ダイ、一流体用スプレーガンヘッドが好ましく、ディスペンスバルブのマルチヘッド方式、コーティングバルブ、T-ダイがより好ましい。
 尚、上記吐出バルブとしては、公知のものを用いることができる。
 本発明に係る吐出装置では、加圧手段として加圧流体を用いる場合、加圧手段により負荷される加圧用容器内部の圧力に基づいて、前記吐出装置用容器からの液状硬化性組成物の排出量を制御する圧力制御手段を備えるのが好ましい。これにより、吐出バルブから吐出される液状硬化性組成物の塗布量を精度よく制御することができる。
 また、本発明に係る吐出装置では、吐出装置用容器から送液された液状硬化性組成の前記吐出バルブからの吐出量を制御する吐出制御手段をさらに備えるのが好ましい。これにより、吐出バルブから吐出される液状硬化性組成物の塗布量を高精度に制御することができる。
 尚、上記の各制御手段としては、公知の制御装置を用いることができる。
 更に、吐出装置用容器内の液状硬化性組成物の残量がなくなった場合などには、新たな液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器に交換する必要がある。このような容器の切り替えは、例えば、少なくとも2つの加圧用容器に配された吐出装置用容器と吐出バルブとを切替弁を介して接続し、切替弁を切り替える方法や、切替弁を用いずに、吐出装置用容器をターンテーブルを用いて順次直接交換する方法などを採用することができる。また、このように吐出装置用容器を交換した場合は、液状硬化性組成物の送液路中に空気による気泡が混入する場合がある。この場合、塗布後の気泡発生の原因になるため、気泡を送液路から除去する必要がある。気泡の除去方法としては、例えば、送液路に切替弁を設けて、気泡抜けの流路を設ける方法や、自動の気泡抜きバルブを設ける方法等が挙げられる。気泡抜けの流路を設ける場合は、吐出圧で気泡を除去する方法、減圧で気泡を除去する方法があり、適宜選択すれば良い。
 また、本発明では、液状硬化性組成物として、一液性のものでも、二液性などの複数種の成分を混合するものであっても良い。前者の一液性の液状硬化性組成物の場合は、上述した構成の吐出装置を用いることができる。一方、後者の場合は、加圧用容器に配した吐出装置用容器を複数用意し、所望の混合比率になるように各吐出装置用容器から液状硬化性組成物を排出して混合槽に送液し、該混合槽に配されたスタティックミキサーなどにより混合したものを吐出バルブに送液するように構成しても良い。
 次に、本発明の吐出装置の実施形態の一例を図に基づいて説明する。
 図7は、本発明の吐出装置の実施形態の一例を示した模式図である。図7に示すように、加圧用容器15内には、液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器1、吐出装置用容器1を支持する容器支持具8が配され、気密状態が保持されている。また、送液チューブ19は、その一端が、加圧用容器15の蓋部20に設けられた送液側接続部18と連通して接続されるとともに、その他端が、容器支持具8の台座16内に設けられた中空の送液路17(図7には図示せず、図5参照)と連通するように台座16と接続されている。また、吐出装置用容器1の吐出側接続部4には容器支持具8の接続部9が挿入、嵌合され、接続部9は、送液路17に連通する。そして、送液側接続部18は、切替弁23と配管27を介して、吐出バルブ21の液溜め部22に連通する。
 また、加圧用容器15の蓋部20に設けられた加圧側接続部24は、電磁弁25と配管
28を介して供給源26と連通し、加圧流体が供給源26から加圧用容器15内に供給さ
れる。
 更に、吐出バルブ21はディスペンスバルブ29と塗工ヘッド30を備えており、本例では、吐出バルブ21の内部に配された空間a33、空間b34、液溜め部22に、気密状態で摺動可能にニードル31、ピストン32が配されたものを用いた例を示している。そして、空間a33と空間b34には供給源26から電磁弁25とそれぞれ配管35と配管36を介し、加圧流体が必要に応じて供給される。尚、電磁弁25は便宜上1つで示しているが、配管28、35、36のそれぞれに設けられている。
 また本例では、圧力制御手段37を設けて加圧用容器15内部の圧力に基づいて、吐出装置用容器1からの液状硬化性組成物の排出量を制御する。なお、加圧用容器15内部の圧力は、図示しない圧力測定装置などを加圧用容器15内に設け、圧力測定装置と圧力制御手段37とを接続しておくとよい。また、吐出制御手段38を設け、空間a33と空間b34の内部圧、および、液溜め22の内部圧を測定し、その測定値に基づきニードル31およびピストン32の動作を制御して、吐出バルブ21の吐出口39からの液状硬化性組成物の吐出量を制御する。空間a33、空間b34、液溜め22に図示しない内圧力測定装置などを設け、それらと吐出量制御手段38を接続しておくとよい。また、本例では加圧流体の供給源は一つだけ示しているが、加圧用容器15への加圧用と、吐出バルブ21の吐出制御用とを異なる供給源としてもよい。
 以上のような構成を主要な構成として有する吐出装置により、吐出装置用容器1内の液状硬化性組成物は、最終的に吐出バルブ21の吐出口39から所望の保護部材などの部材40に所望量塗布される。尚、吐出バルブ21は、図示しない作動装置に接続され、XYZ座標空間の所定範囲を任意に移動可能となっており、部材40の所望の位置に、所望量塗布が可能になっている。このような作動装置は、公知のものを適宜利用可能である。
 図5、8に基づき、加圧用容器15内における、吐出装置用容器1の配置方法を更に説明する。図5に示すように、吐出装置用容器1は、容器支持具8により、支持されて、加圧用容器15内に配されている。図8に示すように、容器支持具8は、台座16、その略中央部に配された接続部9、台座16に接続された送液チューブ19、両端部が台座16に接合された略U字型のアーチ部41、アーチ部41の略中央部に配されたフック部42から構成される。また、台座16の内部には、送液路17が形成され、その両端部には接続部9と送液チューブ19が接続されている。また、フック部42は、高さを調節するためのバネ43が設けられている。そして、図5に示すように、フック部42に、充填側接続部3のフランジ部44を引っかけるとともに、吐出側接続部5'に接続部9を挿入嵌合することで、吐出装置用容器1が、容器支持具8に固定される。また、本例では、接続部9は、略円筒状の形状を有し、その先端部近傍には、開口部45が形成され、当該開口部45を通って液状硬化性組成物が吐出装置用容器1から排出される。本例では、このような容器支持具8を用いて、吐出装置用容器1の長さ方向両端部で支持されるとともに、吐出する側を垂直(鉛直)方向下側に設けることで、吐出装置用容器1内の液状硬化性組成物が自重により自ずから吐出側接続部に移動し得るため、柔軟なシート状成形体により構成される場合であっても、加圧流体による押圧力によって吐出装置用容器1の不用意な変形が回避できるとともに、安定した吐出をも可能となる。
4.表示装置
 本発明における表示装置としては、保護部材と表示モジュールの間などにエアギャップが形成され、当該エアギャップを充填することで、耐衝撃性や視認性などの向上が期待される各種の表示装置が含まれる。例えば、各種の電気・電子機器や二輪・四輪自動車に搭載用の液晶型タッチパネル、有機型ELタッチパネル、液晶モジュール、プラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)、デジタルおよびアナログ式スピードメーターなどが挙げられるが、これらに限定されない。また、電気・電子機器としては、例えば、タッチパネル式のスマートフォン、タブレット型携帯端末、TV、デジタル(ビデオ)カメラ、プリンター、コピー機、その他の各種測定装置などが挙げられるが、これらに限定されない。
 また、保護部材としては、例えば、透明なガラスや合成樹脂などで構成されたカバーボードなどが挙げられる。表示モジュールとしては、液晶、有機EL、PDPなどのモジュールなどが挙げられる。
 本発明における表示装置は、上述した吐出装置を用いて、例えば、保護部材及び/又は表示モジュールに液状硬化性組成物を塗布し、前記表示モジュールと前記保護部材とを液状硬化性組成物を介して貼り合わせ、該液状硬化性組成物を硬化させて得られる。
 液状硬化性組成物の塗布は、保護部材のみでもよいし、表示モジュールのみでもよいし、保護部材と表示モジュールの両者に行っても良い。
 また、本発明では、上記の保護部材に替えて、機能性保護部材を用いても良い。機能性保護部材とは、例えば、カバーボードなどの保護部材とタッチセンサーなどの機能部材を貼り合わせたものなどが挙げられる。また、保護部材と機能部材の貼り合わせの際にも、保護部材及び/又は機能部材に液状硬化性組成物を塗布し、前記保護部材と前記機能部材を液状硬化性組成物を介して貼り合わせ、該液状硬化性組成物を硬化させて得ることができる。
 本発明の表示装置は、上述した、液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器を用いた吐出装置を用いて得られるものであるため、電気・電子機器や二輪・四輪自動車に搭載用の液晶型タッチパネル、有機型ELタッチパネル、液晶モジュール、プラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)、デジタルおよびアナログ式スピードメーターなどの各種の表示装置は、耐衝撃性、視認性に優れたものである。また、このような表示装置は、上記の吐出装置を用いることで、容易に得ることができる。
5.液状硬化性組成物
 各種の表示装置のカバーボードと表示モジュール間などのエアギャップに充填される液状硬化性組成物としては、耐久性を確保する観点からは、反応性の液状硬化性組成物であることが好ましい。
 本発明で使用する、反応性の液状硬化性組成物としては、特に限定は無いが、活性エネルギー線硬化性、加熱硬化性、常温硬化性から選択される少なくも1種の特性を有する組成物であるとよい。活性エネルギー線硬化性の組成物としては、UV硬化性、EB硬化性の組成物が好ましく、安全性、照射装置のコストの観点からは、UV硬化性がより好ましい。常温硬化性の組成物としては、レドックス硬化性、エポキシ硬化性、湿分硬化性等が好ましく、1液化可能な点では、湿分硬化性の組成物がより好ましい。
 また、迅速な硬化と、活性エネルギー線が照射されない部分の硬化とを両立させる観点からは、活性エネルギー線硬化性と湿分硬化性を有する組成物が好ましく、UV硬化性と湿分硬化性を有する組成物がより好ましい。このような組成物としては、活性エネルギー線硬化性の組成物と湿分硬化性の組成物とをブレンドした組成物や、活性エネルギー線硬化性の官能基と湿分硬化性の官能基を一分子中に有する化合物を含有する組成物などが挙げられる。
 このような活性エネルギー線硬化性と湿分硬化性を有する液状硬化性組成物としては、1分子中に重合性の炭素-炭素二重結合を平均して少なくとも一個有する化合物(A)および1分子中に加水分解性シリル基を平均して少なくとも一個有する化合物(B)が挙げられる。以下に、これらの例を詳述する。
<<化合物(A)および化合物(B)>>
 化合物(A)(以下、(A)成分と称する場合がある)と化合物(B)(以下、(B)成分と称する場合がある)の骨格は同じであっても異なっていても構わないが、相溶性の観点から同型の骨格である方が好ましい。また、(A)成分および(B)成分は、低分子量化合物、オリゴマー、重合体の何れであっても構わないが、柔軟性、耐久性、硬化性のバランスの点で、オリゴマー、又は、有機重合体であることが好ましく、有機重合体であることが特に好ましい。
 (B)成分は、高粘性を有していれば、特に限定はないが、チキソ性を付与することが好ましく、有機或いは無機系のチキソ性付与剤を添加するのが好ましい。
 上記の有機重合体とは、有機化合物の繰り返し単位を伴う構造で、100以上の繰り返し単位からなる化合物を指す。上記のオリゴマーとは、有機化合物の繰り返し単位を伴う構造で、2~100の繰り返し単位からなる化合物を指す。上記の低分子量化合物とは、オリゴマー、有機重合体以外の構造で基本的に繰り返し単位を伴わない構造の化合物である。
 上記有機重合体又はオリゴマーとしては、ポリシロキサン、ポリエーテル、ビニル系重合体が好ましい。
 上記ポリシロキサンとしては、アルキルポリシロキサンが好ましい。
 上記ポリエーテルとしては、オキシアルキレン系重合体が好ましく、その中でもポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンがより好ましい。
 上記ビニル系重合体としては、炭化水素系重合体である、ポリイソブチレン、水素添加ポリイソプレン、水素添加ポリブタジエン、並びに、(メタ)アクリル系モノマー、アクリロニトリル系モノマー、芳香族ビニル系モノマー、フッ素含有ビニル系モノマー及びケイ素含有ビニル系モノマーからなる群から選ばれるモノマーを主として重合して製造される重合体が好ましい。ここで「主として」とは、ビニル系重合体を構成するモノマー単位のうち、50モル%以上が上記モノマーであることを意味し、好ましくは70モル%以上である。さらに、ビニル系重合体としては、ポリイソブチレン、(メタ)アクリル系モノマーを主として重合して製造された(メタ)アクリル系重合体が好ましく、(メタ)アクリル系重合体がより好ましい。(メタ)アクリル系重合体としては、アクリル系重合体が好ましく、アクリル酸エステル重合体がより好ましい。
 (A)成分の有機重合体若しくはオリゴマー、及び/又は、(B)成分の有機重合体若しくはオリゴマーの分子量分布、即ち、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、特に限定されないが、好ましくは1.8未満であり、より好ましくは1.7以下であり、さらに好ましくは1.6以下であり、よりさらに好ましくは1.5以下であり、特に好ましくは1.4以下であり、最も好ましくは1.3以下である。分子量分布が1.8以上であると粘度が増大し、取り扱いが困難になる傾向にある。なお、本発明でのGPC測定は、移動相としてクロロホルムを用い、測定はポリスチレンゲルカラムにて行い、数平均分子量等はポリスチレン換算で求めることができる。
 上記の何れのオリゴマー、有機重合体も主鎖、製造法等については、共通して説明できるので以下にまとめて説明する。
<ポリシロキサン>
 公知であるオルガノクロロシランを加水分解してオルガノポリシロキサンを製造する方法、特許第2599517号公報、特開昭56-151731号公報、特開昭59-66422号公報、特開昭59-68377号公報に記載のアルコキシシランを塩基性触媒あいは酸触媒の存在下で加水分解する方法等公知の方法で得られる。ポリマーの末端官能基としては、アルコキシシリル基、シラノール基、水酸基等が挙げられる。
 本発明において使用可能なポリシロキサンの数平均分子量は特に制限はないが、GPCで測定した場合に、500~1,000,000であり、3,000~100,000がより好ましい。分子量が低くなりすぎると、伸び、柔軟性が不十分な傾向があり、高くなりすぎると、粘度が高くなり、塗布等の作業性が低下する傾向がある。
<ポリエーテル>
 ポリエーテル(オキシアルキレン系重合体)の合成方法は、特に限定されないが、例え
ば開始剤と触媒の存在下、モノエポキシドを開環重合することによって得られる。
 開始剤の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、メタリルアルコール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、ネオペンチルグリコール、ポリブタジエンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレントリオール、ポリプロピレンテトラオール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールメタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の2価アルコールや多価アルコール、水酸基を有する各種のオリゴマー等が挙げられる。
 モノエポキシドの具体例としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、α-ブチレンオキサイド、β-ブチレンオキサイド、ヘキセンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイド、α-メチルスチレンオキサイド等のアルキレンオキサイド類や、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、アリルグリシジルエーテル類、アリールグリシジルエーテル類等が挙げられる。
 触媒及び重合法としては、たとえばKOHのようなアルカリ触媒による重合法、たとえば特開昭61-215623号公報に示される有機アルミニウム化合物とポルフィリンとを反応させて得られる錯体のような遷移金属化合物-ポルフィリン錯体触媒による重合法、たとえば特公昭46-27250号公報および特公昭59-15336号公報などに示される複合金属シアン化物錯体触媒による重合法、セシウム触媒による重合法、ホスファゼン触媒による重合法等があげられるが、特に限定されるものではない。中でも、高分子量でかつ着色の少ない重合体が容易に得られる点からは、複合金属シアン化物錯体触媒による重合法が好ましい。
 この他、オキシアルキレン系重合体の主鎖骨格は、水酸基末端オキシアルキレン重合体を塩基性化合物、例えばKOH、NaOH、KOCH3、NaOCH3等の存在下、2官能以上のハロゲン化アルキル、例えばCH2Cl2、CH2Br2等による鎖延長等によっても得ることができる。
 さらに、上記オキシアルキレン系重合体の主鎖骨格中にはオキシアルキレン系重合体の特性を大きく損なわない範囲でウレタン結合成分等の他の成分を含んでいてもよい。
 本発明において使用可能なポリエーテルの数平均分子量は特に制限はないが、GPCで測定した場合に、500~1,000,000であり、1,000~100,000がより好ましい。分子量が低くなりすぎると、伸び、柔軟性が不十分な傾向があり、高くなりすぎると、粘度が高くなり、塗布等の作業性が低下する傾向がある。
<ビニル系重合体>
(炭化水素系重合体)
 前記炭化水素系重合体は、芳香族環以外の炭素-炭素不飽和結合を実質的に含有しない重合体であり、たとえば、1,2-ポリブタジエン、1,4-ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、水素添加ポリブタジエン、水素添加ポリイソプレンなどがあげられる。
 本発明において使用可能な炭化水素系重合体の主鎖骨格をなす重合体は、(1)エチレン、プロピレン、1,2-ブタジエン、1,4-ブタジエン、1-ブテン、イソブチレンなどのような炭素数1~6のオレフィン系化合物を主成分として単独重合もしくは共重合させるか、(2)ブタジエン、イソプレンなどのようなジエン系化合物を単独重合もしくは共重合させ、あるいは、上記オレフィン系化合物を共重合させた後、水素添加するなどの方法により得ることができる。
 中でも、ポリイソブチレン、水素添加ポリイソプレン、水素添加ポリブタジエンは、末端に官能基を導入しやすく、分子量を制御しやすく、また、末端官能基の数を多くすることができるので好ましい。さらに、ポリイソブチレンは液状または流動性を有するので取り扱いやすく、主鎖に芳香族環以外の炭素-炭素不飽和結合を全く含まないため水添の必要が無く、耐候性に極めて優れているので特に好ましい。ポリイソブチレンは、単量体単位のすべてがイソブチレン単位から形成されていてもよいし、イソブチレンと共重合可能な単量体単位をポリイソブチレン中に、好ましくは50重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下、とくに好ましくは10重量%以下の範囲で含有してもよい。
 このような炭化水素系重合の単量体成分としては、たとえば、炭素数4~12のオレフィン、ビニルエーテル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラン類、アリルシラン類などがあげられる。たとえば1-ブテン、2-ブテン、2-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキセン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、スチレン、α-メチルスチレン、ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、β-ピネン、インデン、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、テトラビニルシラン、アリルトリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリルジメチルメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラン、ジアリルジメチルシラン、γ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランなどがあげられる。
 水素添加ポリイソプレン、水素添加ポリブタジエンや他の炭化水素系重合体においても、上記ポリイソブチレンの場合と同様に、主成分となる単量体単位の他に他の単量体単位を含有させてもよい。
 炭化水素系重合体、好ましくはポリイソブチレン、水素添加ポリイソプレン、水素添加ポリブタジエンの数平均分子量は500~50,000程度であるのが好ましく、とくに1,000~20,000程度の液状ないし流動性を有するものが取扱いやすいなどの点から、好ましい。
(炭化水素系重合体以外のビニル系重合体)
 本発明において使用可能な炭化水素系重合体以外のビニル系重合体は、その主鎖を構成するビニル系モノマーとしては特に限定されず、各種のものを用いることができる。具体的には特開2005-232419号公報段落[0018]記載の各種モノマーのような、(メタ)アクリル酸系モノマー、芳香族ビニル系モノマー、フッ素含有ビニル系モノマー、ケイ素含有ビニル系モノマー、マレイミド系モノマー、ニトリル基含有ビニル系モノマー、アミド基含有ビニル系モノマー、ビニルエステル類、アルケン類、共役ジエン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等が挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、複数を共重合させても構わない。ここで、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を表す。
 本発明において使用可能な炭化水素系重合体以外のビニル系重合体の主鎖は、(メタ)アクリル系モノマー、アクリロニトリル系モノマー、芳香族ビニル系モノマー、フッ素含有ビニル系モノマー及びケイ素含有ビニル系モノマーからなる群より選ばれる少なくとも1つのモノマーを主として重合して製造されるものであることが好ましい。ここで「主として」とは、ビニル系重合体(b)を構成するモノマー単位のうち、50モル%以上が上記モノマーであることを意味し、好ましくは70モル%以上である。
 なかでも、生成物の物性等から、芳香族ビニル系モノマー及び/または(メタ)アクリル酸系モノマーが好ましく、アクリル酸エステルモノマー及び/又はメタクリル酸エステルモノマーがより好ましく、アクリル酸エステルモノマーがさらに好ましい。特に好ましいアクリル酸エステルモノマーとしては、アクリル酸アルキルエステルモノマーが挙げられ、具体的には、アクリル酸エチル、アクリル酸2-メトキシエチル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸2-メトキシブチルである。本発明においては、これらの好ましいモノマーを他のモノマーと共重合、更にはブロック共重合させても構わなく、その際は、これらの好ましいモノマーが重量比で40重量%以上含まれていることが好ましい。
 本発明における炭化水素系重合体以外のビニル系重合体の数平均分子量は特に制限はないが、GPCで測定した場合に、500~1,000,000の範囲である、3,000~100,000がより好ましく、5,000~80,000がさらに好ましく、8,000~50,000がなおさら好ましい。分子量が低くなりすぎると、炭化水素系重合体以外のビニル系重合体の本来の特性が発現されにくい傾向があり、一方、高くなりすぎると、取り扱いが困難になる傾向がある。
 本発明で使用するビニル系重合体は、種々の重合法により得ることができ、特に限定されないが、モノマーの汎用性、制御の容易性等の点からラジカル重合法が好ましく、ラジカル重合の中でも制御ラジカル重合がより好ましい。この制御ラジカル重合法は「連鎖移動剤法」とリビング重合の一種である「リビングラジカル重合法」とに分類することができる。得られるビニル系重合体の分子量、分子量分布の制御が容易であるリビングラジカル重合がさらに好ましく、原料の入手性、重合体末端への官能基導入の容易さから原子移動ラジカル重合が特に好ましい。上記ラジカル重合、制御ラジカル重合、連鎖移動剤法、リビングラジカル重合法、原子移動ラジカル重合は公知の重合法ではあるが、これら各重合法については、たとえば、特開2005-232419号公報や、特開2006-291073号公報などの記載を参照できる。
 本発明において使用可能な炭化水素系重合体以外のビニル系重合体の好ましい合成法の一つである、原子移動ラジカル重合について以下に簡単に説明する。
 原子移動ラジカル重合では、有機ハロゲン化物、特に反応性の高い炭素-ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物(例えば、α位にハロゲンを有するカルボニル化合物や、ベンジル位にハロゲンを有する化合物)、あるいはハロゲン化スルホニル化合物等が開始剤として用いられることが好ましい。具体的には特開2005-232419号公報段落[0040]~[0064]記載の化合物が挙げられる。
 ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を1分子内に2つ以上有するビニル系重合体を得るためには、2つ以上の開始点を持つ有機ハロゲン化物、又はハロゲン化スルホニル化合物を開始剤として用いるのが好ましい。具体的に例示するならば、以下のものが挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
 原子移動ラジカル重合において用いられるビニル系モノマーとしては特に制約はなく、上述したビニル系モノマーをすべて好適に用いることができる。
 重合触媒として用いられる遷移金属錯体としては特に限定されないが、好ましくは周期律表第7族、8族、9族、10族、又は11族元素を中心金属とする金属錯体でありより好ましくは0価の銅、1価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄又は2価のニッケルを中心金属とする遷移金属錯体、特に好ましくは銅の錯体が挙げられる。銅の錯体を形成するために使用される1価の銅化合物を具体的に例示するならば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅、酸化第一銅、過塩素酸第一銅等である。銅化合物を用いる場合、触媒活性を高めるために2,2'-ビピリジル若しくはその誘導体、1,10-フェナントロリン若しくはその誘導体、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン若しくはヘキサメチルトリス(2-アミノエチル)アミン等のポリアミン等が配位子として添加される。
 重合反応は、無溶媒でも可能であるが、各種の溶媒中で行うこともできる。溶媒の種類としては特に限定されず、特開2005-232419号公報段落[0067]記載の溶剤が挙げられる。これらは、単独でもよく、2種以上を併用してもよい。また、エマルジョン系もしくは超臨界流体CO2を媒体とする系においても重合を行うことができる。
 重合温度は、限定はされないが、0~200℃の範囲で行うことができ、好ましくは、室温~150℃の範囲である。
<<重合性の炭素-炭素二重結合導入法((A)成分の合成方法)>>
 (A)成分の重合性の炭素-炭素二重結合は、特に限定されないが、一般式(1)
 -OC(O)C(Ra)=CH2 (1)
 (式中、Raは水素原子又は炭素数1~20の有機基を表わす)
 で表される(メタ)アクリロイル基が好ましい。
 また、(A)成分の重合性の炭素-炭素二重結合は、分子鎖末端にあることが好ましい。
<ポリシロキサンへの導入方法>
 特に限定はないが、例えば、特許第3193866号公報に記載の末端シラノール停止ポリシロキサンに有機金属等を触媒として、加水分解性シリル基含有ビニル化合物、加水分解性シリル基含有(メタ)アクリロイル化合物を加水分解縮合反応させる方法等が挙げられる。
<ポリエーテルへの導入方法>
 オキシアルキレン重合体への重合性の炭素-炭素二重結合を導入する方法としては、特に限定がないが、<1>水酸基末端を有するポリオキシアルキレンに一般式(1)の酸クロライド化合物を反応させる方法、<2>水酸基末端を有するポリオキシアルキレンにイソシアナート基を含む一般式(1)の化合物を反応性させる方法、<3>水酸基末端を有するポリオキシアルキレンに多官能性のイソシアナートおよび水酸基を含有するビニルモノマーを反応させる方法、<4>ヒドロシリル化可能な二重結合末端(例えばアリル基末端)ポリオキシアルキレンに多官能タイプのヒドロシリル化合物を反応させ、更にアリル(メタ)アクリレート等のヒドロシリル化可能な化合物を反応させる方法がある。反応の簡便性の点で<2>、<3>および<4>の方法が好ましく、反応の安定性の点で、<2>および<3>の方法がより好ましい。
<ビニル系重合体への導入方法>
 ビニル系重合体への重合性の炭素-炭素二重結合を導入する方法としては、公知の方法を利用することができる。例えば、特開2004-203932号公報段落[0080]~[0091]記載の方法が挙げられるが、以下の方法が好ましい。
(導入方法1)
 一般式(2)のビニル系重合体の末端ハロゲン基を、一般式(3)の重合性の炭素-炭素二重結合を有する化合物で置換する方法。
 -CR12X (2)
 (式中、R1、R2は、ビニル系モノマーのエチレン性不飽和基に結合した基。Xは、塩素、臭素、又は、ヨウ素を表す。)
 M+-OC(O)C(R)=CH2 (3)
 (式中、Rは水素、または、炭素数1~20の有機基を表す。M+はアルカリ金属、または4級アンモニウムイオンを表す。)
 一般式(2)で表される末端構造を有するビニル系重合体は、上述した有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーを重合する方法、あるいは、ハロゲン化合物を連鎖移動剤としてビニル系モノマーを重合する方法により製造されるが、好ましくは前者である。
 一般式(3)で表される化合物としては特に限定されないが、Rの具体例としては、例えば、-H、-CH3、-CH2CH3、-(CH2nCH3(nは2~19の整数を表す)、-C65、-CH2OH、-CN、等が挙げられ、好ましくは-H、-CH3である。M+はオキシアニオンの対カチオンであり、M+の種類としてはアルカリ金属イオン、具体的にはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、および4級アンモニウムイオンが挙げられる。4級アンモニウムイオンとしてはテトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラベンジルアンモニウムイオン、トリメチルドデシルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンおよびジメチルピペリジニウムイオン等が挙げられ、好ましくはナトリウムイオン、カリウムイオンである。一般式(3)のオキシアニオンの使用量は、一般式(2)のハロゲン基に対して、好ましくは1~5当量、更に好ましくは1.0~1.2当量である。この反応を実施する溶媒としては特に限定はされないが、求核置換反応であるため極性溶媒が好ましく、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、アセトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、アセトニトリル、等が用いられる。反応を行う温度は限定されないが、一般に0~150℃で、重合性の末端基を保持するために好ましくは室温~100℃で行う。
(導入方法2)
 末端に水酸基を有するビニル重合体に一般式(4)で示される化合物を反応させる方法。
 XC(O)C(R)=CH2 (4)
 (式中、Rは水素、または、炭素数1~20の有機基を表す。Xは塩素、臭素、または水酸基を表す。)
(導入方法3)
 末端に水酸基を有するビニル重合体に、ジイソシアネート化合物を反応させ、残存イソシアネート基と下記一般式5で示される化合物とを反応させる方法。
 HO-R’- OC(O)C(R)=CH2 (5)
 (式中、Rは水素、または、炭素数1~20の有機基を表す。R'は炭素数2~20の2価の有機基を表す。)
 これらの方法の中でも、制御が容易である点から、(導入方法1)が最も好ましい。
<<架橋性シリル基の導入方法((B)成分の合成方法)>>
 本発明でいう加水分解性シリル基とは、シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基のことであり、一般式(101)で表される基が好ましい。
 -[Si(R12-b(Y)bO]m-Si(R23-a(Y)a (101)
(式中、R1およびR2は、同一若しくは異なって、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数7~20のアラルキル基、または(R′)3SiO-で表されるトリオルガノシロキシ基を示す(式中、R′は炭素数1~20の1価の炭化水素基を示す。複数のR′は同一であってもよく又は異なっていてもよい)。R1またはR2がそれぞれ2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
 Yは水酸基または加水分解性基を示す。Yが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0、1、2または3を示す。bは0、1、または2を示す。mは0~19の整数を示す。ただし、a+mb≧1であることを満足する。)
 (B)成分の加水分解性シリル基は、分子鎖末端にあることが好ましい。
<ポリシロキサンへの導入方法>
 加水分解性シリル基の導入方法としては、特に限定されないが、例えば、加水分解性シリル基を含むシラン化合物を酸、塩基を触媒成分として、ポリシロキサンを合成する際に、加水分解、縮合条件を調整して、末端に加水分解性のシリルを残す方法、末端クロロ基含有ポリシロキサンに、加水分解性シリルを含むクロロシランを反応させる方法等がある。
<ポリエーテルへの導入方法>
 (α)水酸基などの官能基を有するオキシアルキレン系重合体にオレフィン基を導入した後に、一般式(102)で表されるヒドロシリル化合物を反応させる方法。
 HSiXa2 3-a (102)
 (式中R2、X、aは前記に同じ)
 ここでオレフィン基を導入する方法としては、不飽和基及び水酸基と反応しうる官能基を併有する化合物をオキシアルキレン系重合体の水酸基に反応させて、エーテル結合、エステル結合、ウレタン結合、カーボネート結合などにより結合させる方法、あるいはアルキレンオキシドを重合する際に、アリルグリシジルエーテルなどのオレフィン基含有エポキシ化合物を添加して共重合させることによりオレフィン基を導入する方法などが挙げられる。
 (β)イソシアネート化合物と反応しうる官能基を有するオキシアルキレン系重合体に一般式(103)で表される化合物を反応させる方法。
 (R2-)3-aSiXa-R3NCO (103)
 (式中R2、X、aは前記に同じ。R3は炭素数1~17の2価の炭化水素基。)
(γ)イソシアネート化合物と反応しうる官能基を有するオキシアルキレン系重合体にトリレンジイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物を反応させてイソシアネート基を導入した後、該イソシアネート基に一般式(104)で表されるケイ素化合物のW基を反応させる方法。
 (R2-)3-aSiXa-R3W (104)
 (式中R2、R3、X、aは前記に同じ。Wは水酸基、カルボキシル基、メルカプト基およびアミノ基(1級または2級)から選ばれた活性水素含有基。)
(δ)オレフィン基が導入可能な官能基を有するオキシアルキレン系重合体にオレフィン基を導入し、そのオレフィン基と、Wがメルカプト基である一般式(104)で表されるケイ素化合物を反応させる方法。
 これらのうち、導入収率と導入方法の簡便さから、(α)および(β)の方法が好ましく、粘度等の樹脂物性の点で(α)の方法がより好ましい。
<ビニル系重合体への導入方法>
1)炭化水素系重合体
 特に限定はないが、上記(α)と同じように、炭化水素系重合体にオレフィン基を導入した後、一般式(102)で表わされるヒドロシリル化合物を反応させる方法で導入することが、導入収率、反応の簡便さで好ましい。
2)炭化水素系以外のビニル系重合体
 特開2004-210858号公報段落[0102]~[0112]記載の方法が挙げられる。これらの方法の中でも制御がより容易である点から、架橋性シリル基を持つヒドロシラン化合物によるヒドロシリル化反応により、末端アルケニル基を有する重合体のアルケニル基を架橋性シリル基に変換する方法により製造されたものであることが好ましい。
<<開始剤(C)>>
 本発明において使用する液状硬化性組成物には、速く硬化させたり、充分な性状の硬化物を得たりするために開始剤(C)を使用するのが好ましい。開始剤(C)としては、特に限定はないが、光重合開始剤、熱重合開始剤、レドックス系開始剤等が挙げられる。なお、光重合開始剤、熱重合開始剤、レドックス系開始剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として使用してもよいが、混合物として使用する場合には、各種開始剤の使用量は、後述のそれぞれの範囲内にあることが好ましい。
 光重合開始剤としては、光ラジカル開始剤、光アニオン開始剤、近赤外光重合開始剤等が挙げられ、光ラジカル開始剤、光アニオン開始剤が好ましく、光ラジカル開始剤が特に好ましい。
 光ラジカル開始剤としては、例えば、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、キサントール、フルオレイン、ベンズアルデヒド、アンスラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3-メチルアセトフェノン、4-メチルアセトフェノン、3-ペンチルアセトフェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、4-メトキシアセトフェノン、3-ブロモアセトフェノン、4-アリルアセトフェノン、p-ジアセチルベンゼン、3-メトキシベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン、4-クロロベンゾフェノン、4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、4-クロロ-4’-ベンジルベンゾフェノン、3-クロロキサントーン、3,9-ジクロロキサントーン、3-クロロ-8-ノニルキサントーン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ビス(4-ジメチルアミノフェニル)ケトン、ベンジルメトキシケタール、2-クロロチオキサントーン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、ジベンゾイル等が挙げられる。
 これらのうち、α-ヒドロキシケトン化合物(例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン等)、フェニルケトン誘導体(例えば、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、3-メチルアセトフェノン、4-メチルアセトフェノン、3-ペンチルアセトフェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、4-メトキシアセトフェノン、3-ブロモアセトフェノン、4-アリルアセトフェノン、3-メトキシベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン、4-クロロベンゾフェノン、4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、4-クロロ-4’-ベンジルベンゾフェノン、ビス(4-ジメチルアミノフェニル)ケトン等)が好ましい。
 光アニオン開始剤としては、例えば、1,10-ジアミノデカン、4,4’-トリメチレンジピペラジン、カルバメート類及びその誘導体、コバルト-アミン錯体類、アミノオキシイミノ類、アンモニウムボレート類等が挙げられる。
 近赤外光重合開始剤としては、近赤外光吸収性陽イオン染料等を使用しても構わない。近赤外光吸収性陽イオン染料としては、650~1500nmの領域の光エネルギーで励起する、例えば特開平3-111402号公報、特開平5-194619号公報等に開示されている近赤外光吸収性陽イオン染料-ボレート陰イオン錯体等を用いるのが好ましくホウ素系増感剤を併用することがさらに好ましい。
 これらの光重合開始剤は、単独、又は2種以上混合して用いても、他の化合物と組み合わせて用いてもよい。
 他の化合物との組み合わせとしては、具体的には、ジエタノールメチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンとの組み合わせ、さらにこれにジフェニルヨードニウムクロリド等のヨードニウム塩を組み合わせたもの、メチレンブルー等の色素及びアミンと組み合わせたもの等が挙げられる。
 なお、前記光重合開始剤を使用する場合、必要により、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、パラターシャリーブチルカテコール等の重合禁止剤類を添加することもできる。
 光重合開始剤を使用する場合、その添加量は特に制限はないが、硬化性と貯蔵安定性の点から、(B)成分100重量部に対して、0.001~10重量部が好ましい。
 また、熱重合開始剤としては、特に制限はないが、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤、過硫酸塩開始剤等が挙げられる。
 適切なアゾ系開始剤としては、限定されるわけではないが、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)(VAZO 33)、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩(VAZO 50)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(VAZO 52)、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(VAZO 64)、2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル(VAZO 67)、1,1-アゾビス(1-シクロヘキサンカルボニトリル)(VAZO 88)(全てDuPont Chemicalから入手可能)、2,2’-アゾビス(2-シクロプロピルプロピオニトリル)、及び2,2’-アゾビス(メチルイソブチレート)(V-601)(和光純薬社より入手可能)等が挙げられる。
 適切な過酸化物開始剤としては、限定されるわけではないが、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過酸化デカノイル、ジセチルパーオキシジカーボネート、ジ(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(Perkadox 16S)(Akzo Nobelから入手可能)、ジ(2-エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシピバレート(Lupersol 11)(Elf Atochemから入手可能)、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(Trigonox 21-C50)(Akzo Nobelから入手可能)、及び過酸化ジクミル等が挙げられる。
 適切な過硫酸塩開始剤としては、限定されるわけではないが、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、及び過硫酸アンモニウム等が挙げられる。
 好ましい熱重合開始剤としては、アゾ系開始剤及び過酸化物開始剤からなる群から選ばれる。更に好ましいものは、2,2’-アゾビス(メチルイソブチレート)、t-ブチルパーオキシピバレート、ジ(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、並びにこれらの混合物である。
 熱重合開始剤は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
 熱重合開始剤を使用する場合、熱重合開始剤は触媒的に有効な量で存在し、その添加量は特に限定されないが、本発明において使用可能な(B)成分を100重量部とした場合に、好ましくは約0.01~5重量部、より好ましくは約0.025~2重量部である。
 更に、使用可能なレドックス(酸化還元)系開始剤は、幅広い温度領域で使用できる。特に、下記開始剤種は常温で使用できることが有利である。
 適切なレドックス系開始剤としては、限定されるわけではないが、上記過硫酸塩開始剤と還元剤(メタ亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等)の組み合わせ;有機過酸化物と第3級アミンの組み合わせ、例えば過酸化ベンゾイルとジメチルアニリンの組み合わせ、クメンハイドロパーオキサイドとアニリン類の組み合わせ;有機過酸化物と遷移金属の組み合わせ、例えばクメンヒドロパーオキシドとコバルトナフテートの組み合わせ等が挙げられる。
 好ましいレドックス系開始剤としては、有機過酸化物と第3級アミンの組み合わせ、有機過酸化物と遷移金属の組み合わせであり、より好ましくは、クメンハイドロパーオキサイドとアニリン類の組み合わせ、クメンハイドロパーオキサイドとコバルトナフテートの組み合わせである。レドックス系開始剤は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
 レドックス系開始剤を使用する場合、レドックス系開始剤は触媒的に有効な量で存在し、その添加量は特に限定されないが、本発明において使用可能な(B)成分を100重量部とした場合に、好ましくは約0.01~5重量部、より好ましくは約0.025~2重量部である。例えば、フラットパネルディスプレイ表示モジュール/透明カバーボード間充填用の液状硬化性組成物がUVをはじめとする光で仮固定を行うことを考慮して、上記開始剤のうち、光重合開始剤を主に使用することが好ましい。
<<硬化触媒(D)>>
 本発明において使用する液状硬化性組成物には、特に限定されないが、硬化触媒(D)を使用するのが好ましい。本発明で使用される加水分解性シリル基を平均して少なくとも一個有する化合物(A)は、従来公知の各種縮合触媒(硬化触媒、「硬化剤」と言うこともある)の存在下、あるいは非存在下にシロキサン結合を形成することにより架橋、硬化する。硬化物の性状としては、重合体の分子量と主鎖骨格に応じて、ゴム状のものから樹脂状のものまで幅広く作製することができる。
 本発明において使用する液状硬化性組成物には、架橋性シリル基を有する重合体に用いる従来公知の各種縮合触媒を用いても構わない。
 このような縮合触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジエチルヘキサノエート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジメチルマレート、ジブチル錫ジエチルマレート、ジブチル錫ジブチルマレート、ジブチル錫ジイソオクチルマレート、ジブチル錫ジトリデシルマレート、ジブチル錫ジベンジルマレート、ジブチル錫マレエート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジエチルマレート、ジオクチル錫ジイソオクチルマレート等のジアルキル錫ジカルボキシレート類、例えば、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチル錫ジフェノキシド等のジアルキル錫アルコキサイド類、例えば、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫ジエチルアセトアセテートなどのジアルキル錫の分子内配位性誘導体類、例えば、ジブチル錫オキサイドやジオクチル錫オキサイド等のジアルキル錫オキサイドと例えば、ジオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、メチルマレエート等のエステル化合物との反応物、ジアルキル錫オキサイド、カルボン酸およびアルコール化合物を反応させて得られる錫化合物、例えば、ジブチル錫ビストリエトキシシリケート、ジオクチル錫ビストリエトキシシリケート等のジアルキル錫オキサイドとシリケート化合物との反応物、およびこれらジアルキル錫化合物のオキシ誘導体(スタノキサン化合物)等の4価の錫化合物類;例えば、オクチル酸錫、ナフテン酸錫、ステアリン酸錫、フェルザチック酸錫等の2価の錫化合物類、あるいはこれらと後述のラウリルアミン等のアミン系化合物との反応物および混合物;例えば、モノブチル錫トリスオクトエートやモノブチル錫トリイソプロポキシド等のモノブチル錫化合物やモノオクチル錫化合物等のモノアルキル錫類;例えば、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラ(2-エチルヘキシル)チタネート、イソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)等のチタン酸エステル類;アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジ-イソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等の有機アルミニウム化合物類;カルボン酸ビスマス、カルボン酸鉄、カルボン酸チタニウム、カルボン酸鉛、カルボン酸バナジウム、カルボン酸ジルコニウム、カルボン酸カルシウム、カルボン酸カリウム、カルボン酸バリウム、カルボン酸マンガン、カルボン酸セリウム、カルボン酸ニッケル、カルボン酸コバルト、カルボン酸亜鉛、カルボン酸アルミニウム等のカルボン酸(2-エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、バーサチック酸、オレイン酸、ナフテン酸等)金属塩、あるいはこれらと後述のラウリルアミン等のアミン系化合物との反応物および混合物;ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトナート、ジブトキシジルコニウムジアセチルアセトナート、ジルコニウムアセチルアセトナートビス(エチルアセトアセテート)、チタンテトラアセチルアセトナート等のキレート化合物類;メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、2-エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂肪族第一アミン類;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジオクチルアミン、ジ(2-エチルヘキシル)アミン、ジデシルアミン、ジラウリルアミン、ジセチルアミン、ジステアリルアミン、メチルステアリルアミン、エチルステアリルアミン、ブチルステアリルアミン等の脂肪族第二アミン類;トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン等の脂肪族第三アミン類;トリアリルアミン、オレイルアミン、などの脂肪族不飽和アミン類;ラウリルアニリン、ステアリルアニリン、トリフェニルアミン等の芳香族アミン類;および、その他のアミン類として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N-メチルモルホリン、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7(DBU)等のアミン系化合物、あるいはこれらのアミン系化合物のカルボン酸等との塩;ラウリルアミンとオクチル酸錫の反応物あるいは混合物のようなアミン系化合物と有機錫化合物との反応物および混合物;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物;γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-(β-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(β-アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-(β-アミノエチル)アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ-ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-ベンジル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-ビニルベンジル-γ-アミノプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。また、これらを変性した誘導体である、アミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコーン等のアミノ基を有するシランカップリング剤;等のシラノール縮合触媒、さらにはフェルザチック酸等の脂肪酸や有機酸性リン酸エステル化合物等他の酸性触媒、塩基性触媒等の公知のシラノール縮合触媒等が例示できる。
 酸性触媒の有機酸性リン酸エステル化合物としては、(CH3O)2-P(=O)(-OH)、(CH3O)-P(=O)(-OH)2、(C25O)2-P(=O)(-OH)、(C25O)-P(=O)(-OH)2、(C37O)2-P(=O)(-OH)、(C37O)-P(=O)(-OH)2、(C49O)2-P(=O)(-OH)、(C49O)-P(=O)(-OH)2、(C817O)2-P(=O)(-OH)、(C817O)-P(=O)(-OH)2、(C1021O)2-P(=O)(-OH)、(C1021O)-P(=O)(-OH)2、(C1327O)2-P(=O)(-OH)、(C1327O)-P(=O)(-OH)2、(C1633O)2-P(=O)(-OH)、(C1633O)-P(=O)(-OH)2、(HO-C612O)2-P(=O)(-OH)、(HO-C612O)-P(=O)(-OH)2、(HO-C816O)-P(=O)(-OH)、(HO-C816O)-P(=O)(-OH)2、[(CH2OH)(CHOH)O]2-P(=O)(-OH)、[(CH2OH)(CHOH)O]-P(=O)(-OH)2、[(CH2OH)(CHOH)C24O]2-P(=O)(-OH)、[(CH2OH)(CHOH)C24O]-P(=O)(-OH)2などがあげられるが、例示物質に限定されるものではない。
 これらの触媒は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
<アミン化合物>
 本発明において使用する液状硬化性組成物においては、縮合触媒の活性をより高めるためにアミン化合物を加えても構わない。
 アミン化合物としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、2-エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂肪族第一アミン類;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジオクチルアミン、ジ(2-エチルヘキシル)アミン、ジデシルアミン、ジラウリルアミン、ジセチルアミン、ジステアリルアミン、メチルステアリルアミン、エチルステアリルアミン、ブチルステアリルアミン等の脂肪族第二アミン類;トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン等の脂肪族第三アミン類;トリアリルアミン、オレイルアミン、などの脂肪族不飽和アミン類;ラウリルアニリン、ステアリルアニリン、トリフェニルアミン等の芳香族アミン類;および、その他のアミン類として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N-メチルモルホリン、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7(DBU)等のアミン系化合物、ポリアミン化合物、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-(β-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(β-アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-(β-アミノエチル)アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ-ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-ベンジル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-ビニルベンジル-γ-アミノプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。また、これらを変性した誘導体である、アミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコーン等のアミノ基を有するシランカップリング剤等のアミノ基を有するアミノシラン系化合物;等が挙げられるが、例示物質に限定されるものではない。また、アミノシラン系化合物の中では、メトキシ基、エトキシ基等が加水分解速度の点から好ましい。加水分解性基の個数は、2個以上、特に3個以上が好ましい。これらのアミン化合物は、1種類のみで使用しても良いし、2種類以上混合使用しても良い。
 これらのアミン化合物を添加する場合の配合量は、加水分解性シリル基を平均して少なくとも一個有する化合物(A)100重量部に対して0.01~50重量部程度が好ましく、更に0.1~20重量部がより好ましい。アミン化合物の配合量が0.01重量部未満であると硬化速度が遅くなる場合があり、また硬化反応が充分に進行し難くなる場合がある。一方、アミン化合物の配合量が50重量部を越えると、ポットライフが短くなり過ぎる場合があり、作業性の点から好ましくない。
 このアミン化合物を添加する場合、事前に硬化触媒と混合、反応させても構わないし、後から混合しても構わない。事前に混合、反応させておくと、触媒活性がより高くなり、速硬化性を実現できる場合がある。
 また、本発明において使用する液状硬化性組成物においては、縮合触媒の活性をより高めるために、アミン系化合物と同様に、上記のアミノ基を有するシランカップリング剤を助触媒として使用することも可能である。このアミノ基含有シランカップリング剤は、加水分解性基が結合したケイ素原子を含む基(以下加水分解性シリル基という)及びアミノ基を有する化合物であり、この加水分解性基として既に例示した基を挙げることができるが、メトキシ基、エトキシ基等が加水分解速度の点から好ましい。加水分解性基の個数は、2個以上、特に3個以上が好ましい。
 これらのアミノ基含有シランカップリング剤の配合量は、硬化触媒に対して重量比で0.05~10倍程度が好ましく、更に0.1~3重量部がより好ましい。アミノ基含有シランカップリング剤の配合量が少な過ぎたり多過ぎたりすると、硬化速度が遅くなったり、また硬化反応が充分に進行し難くなったり、ポットライフが短くなり過ぎたりする場合があり、作業性等の点から好ましくない。これらのアミノ基含有シランカップリング剤は、1種類のみで使用しても良いし、2種類以上混合使用しても良い。
 これらアミン化合物は、上記有機酸類と併用することにより、触媒活性が高くなるため、使用量を減少できる観点でより好ましい。有機酸とアミン併用系の中では、酸性リン酸エステルとアミン、カルボン酸とアミンの組み合わせ等があるが、中でも、有機酸性リン酸エステルとアミン、有機カルボン酸とアミンの併用系が、触媒活性がより高く、速硬化性の観点で好ましく、更には、有機カルボン酸とアミンの併用系、特には脂肪族カルボン酸とアミンとの併用系が好ましい。
 更に、アミノ基やシラノール基をもたないケイ素化合物を助触媒として添加しても構わない。これらのケイ素化合物としては、限定はされないが、フェニルトリメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルジメチルメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン等が好ましい。
 特に、ジフェニルジメトキシシランやジフェニルジエトキシシランは、低コストであり、入手が容易であるために最も好ましい。
 このケイ素化合物の配合量は、加水分解性シリル基を平均して少なくとも一個有する化合物(A)100部に対して0.01~20部程度が好ましく、0.1~10部が更に好ましい。ケイ素化合物の配合量がこの範囲を下回ると硬化反応を加速する効果が小さくなる場合がある。一方、ケイ素化合物の配合量がこの範囲を上回ると、硬化物の硬度や引張強度が低下することがある。
 なお、硬化触媒・硬化剤の種類や添加量は、目的や用途に応じて硬化性や機械物性等を制御することが可能である。また、架橋性シリル基を有する重合体のシリル基の反応性によっても硬化触媒・硬化剤の種類や添加量を変えることが可能であり、反応性が高い場合は0.01~1部の少量の範囲で充分硬化させることが可能である。
 硬化触媒・硬化剤の種類や添加量は、例えば、本発明において使用する加水分解性シリル基を平均して少なくとも一個有する化合物(A)の加水分解性シリル基、一般式(101)中のYの種類とaの数によって選択することが可能であり、目的や用途に応じて硬化性や機械物性等を制御することが可能である。Yがアルコキシ基である場合、炭素数の少ない方が反応性が高く、またaが大きい方が反応性が高いため少量で充分硬化させることが可能である。
<<配合剤>>
 本発明において使用する液状硬化性組成物においては、目的とする物性に応じて、各種の配合剤を添加しても構わない。
<重合性のモノマー及び/又はオリゴマー(E)>
 本発明において使用する液状硬化性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲でモノマー及び/又はオリゴマー(E)を添加することができる。ラジカル重合性の基を有する、モノマー及び/又はオリゴマー、あるいは、アニオン重合性の基を有する、モノマー及び/又はオリゴマーが、硬化性の点から好ましい。
 前記ラジカル重合性の基としては、(メタ)アクリル基等の(メタ)アクリロイル系基、スチレン基、アクリロニトリル基、ビニルエステル基、N-ビニルピロリドン基、アクリルアミド基、共役ジエン基、ビニルケトン基、塩化ビニル基等が挙げられる。なかでも、本発明に使用するビニル系重合体と類似する(メタ)アクリロイル系基を有するものが好ましい。
 前記アニオン重合性の基としては、(メタ)アクリル基等の(メタ)アクリロイル系基、スチレン基、アクリロニトリル基、N-ビニルピロリドン基、アクリルアミド基、共役ジエン基、ビニルケトン基等が挙げられる。なかでも、本発明に使用するビニル系重合体と類似する(メタ)アクリロイル系基を有するものが好ましい。
 前記モノマーの具体例としては、特開2006-265488号公報段落[0123]~[0131]記載のものが挙げられる。
 前記オリゴマーとしては、特開2006-265488号公報段落[0132]記載のものが挙げられる。
 上記のうち、(メタ)アクリロイル系基を有する、モノマー及び/又はオリゴマーが好ましい。また、(メタ)アクリロイル系基を有するモノマー及び/又はオリゴマーの数平均分子量は、5000以下であることが好ましい。さらに、表面硬化性の向上や、作業性向上のための粘度低減のために、モノマーを用いる場合には、分子量が1000以下であることが、相溶性が良好であるという理由からさらに好ましい。
 重合性のモノマー及び/又はオリゴマーの使用量としては、表面硬化性の向上、タフネスの付与、粘度低減による作業性の観点から、(A)成分および(B)成分合計100重量部(以下、単に部ともいう)に対して、1~200部が好ましく、5~100部がより好ましい。
<充填材>
 充填材としては、特に限定されないが特開2005-232419号公報段落[0158]記載の充填材が挙げられる。これら充填材のうちでは、結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク等が好ましい。特に、これら充填材で強度の高い硬化物を得たい場合には、主に結晶性シリカ、溶融シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、カーボンブラック、表面処理微細炭酸カルシウム、焼成クレー、クレー及び活性亜鉛華等から選ばれる充填材を添加できる。なかでも、比表面積(BET吸着法による)が50m2/g以上、通常50~400m2/g、好ましくは100~300m2/g程度の超微粉末状のシリカが好ましい。またその表面が、オルガノシランやオルガノシラザン、ジオルガノポリシロキサン等の有機ケイ素化合物で予め疎水処理されたシリカが更に好ましい。
 また、低強度で伸びが大である硬化物を得たい場合には、主に酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、酸化第二鉄、酸化亜鉛及びシラスバルーン等から選ばれる充填材を添加できる。なお、一般的に、炭酸カルシウムは、比表面積が小さいと、硬化物の破断強度、破断伸びの改善効果が充分でないことがある。比表面積の値が大きいほど、硬化物の破断強度、破断伸びの改善効果はより大きくなる。
 更に、炭酸カルシウムは、表面処理剤を用いて表面処理を施してある方がより好ましい。
 表面処理炭酸カルシウムを用いた場合、表面処理していない炭酸カルシウムを用いた場合に比較して、本発明において使用する液状硬化性組成物の作業性を改善し、該液状硬化性組成物の貯蔵安定性効果がより向上すると考えられる。
 前記の表面処理剤としては、公知のものを使用でき、例えば、特開2005-232419号公報段落[0161]記載の表面処理剤が挙げられる。この表面処理剤の処理量は、炭酸カルシウムに対して、0.1~20重量%の範囲で処理するのが好ましく、1~5重量%の範囲で処理するのがより好ましい。処理量が0.1重量%未満の場合には、作業性の改善効果が充分でないことがあり、20重量%を越えると、液状硬化性組成物の貯蔵安定性が低下することがある。特に限定はされないが、炭酸カルシウムを用いる場合、配合物のチクソ性や硬化物の破断強度、破断伸び等の改善効果を特に期待する場合には、膠質炭酸カルシウムを用いるのが好ましい。一方、重質炭酸カルシウムを配合物の増量、コストダウン等を目的として添加することがある特開2005-232419号公報段落[0163]記載のものを使用することができる。
 上記充填材は、目的や必要に応じて単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。充填材を用いる場合の添加量は、(A)成分および(B)成分合計100重量部に対して、充填材を5~1000重量部の範囲で使用するのが好ましく、20~500重量部の範囲で使用するのがより好ましく、40~300重量部の範囲で使用するのが特に好ましい。配合量が5重量部未満の場合には、硬化物の破断強度、破断伸び、接着性と耐候接着性の改善効果が充分でないことがあり、1000重量部を越えると該液状硬化性組成物の作業性が低下することがある。
<微小中空粒子>
 物性の大きな低下を起こすことなく軽量化、低コスト化を図ることを目的として、微小中空粒子をこれら補強性充填材に併用して添加することができる。このような微小中空粒子(以下において、「バルーン」と称することがある。)には、特に限定はされないが、「機能性フィラーの最新技術」(CMC)に記載されているように、直径が1mm以下、好ましくは500μm以下、更に好ましくは200μm以下の無機質あるいは有機質の材料で構成された中空体(無機系バルーンや有機系バルーン)が挙げられる。特に、真比重が1.0g/cm3以下である微小中空体を用いることが好ましく、更には0.5g/cm3以下である微小中空体を用いることが好ましい。
 前記無機系バルーン及び有機系バルーンとしては、特開2005-232419号公報段落[0168]~[0170]に記載されているバルーンを使用することができる。上記バルーンは単独で使用しても良く、2種類以上混合して用いても良い。さらに、これらバルーンの表面を脂肪酸、脂肪酸エステル、ロジン、ロジン酸リグニン、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミカップリング剤、ポリプロピレングリコール等で、分散性及び配合物の作業性を改良するために処理したものも使用することができる。これらのバルーンは、配合物を硬化させた場合の物性のうち、柔軟性及び伸び・強度を損なうことなく、軽量化させコストダウンするために使用される。
 バルーンの添加量は、特に限定されないが、(A)成分および(B)成分合計100重量部に対して、好ましくは0.1~50重量部、更に好ましくは0.1~30重量部の範囲で使用できる。この量が0.1重量部未満では軽量化の効果が小さく、50重量部より多いとこの配合物を硬化させた場合の機械特性のうち、引張強度の低下が認められることがある。また、バルーンの比重が0.1以上の場合は、その添加量は好ましくは3~50重量部、更に好ましくは5~30重量部である。
<酸化防止剤>
 本発明において使用する液状硬化性組成物には、各種酸化防止剤を必要に応じて用いてもよい。これらの酸化防止剤としては、p-フェニレンジアミン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤や、二次酸化防止剤としてリン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられる。
<可塑剤>
 本発明において使用する液状硬化性組成物には、必要に応じて可塑剤を配合することができる。
 可塑剤としては特に限定されないが、物性の調整、性状の調節等の目的により、例えば、特開2005-232419号公報段落[0173]記載の可塑剤が挙げられる。これらの中では、粘度の低減効果が顕著であり、耐熱性試験時における揮散率が低いという点から、ポリエステル系可塑剤、ビニル系重合体が好ましい。また、数平均分子量500~15000の重合体である高分子可塑剤が、添加することにより、該液状硬化性組成物の粘度及び該液状硬化性組成物を硬化して得られる硬化物の引張り強度、伸び等の機械特性が調整できるとともに、重合体成分を分子中に含まない可塑剤である低分子可塑剤を使用した場合に比較して、初期の物性を長期にわたり維持できるため好適である。なお、限定はされないがこの高分子可塑剤は、官能基を有しても有しなくても構わない。
 上記高分子可塑剤の数平均分子量は、500~15000と記載したが、好ましくは800~10000であり、より好ましくは1000~8000である。分子量が低すぎると熱にさらされたり液体に接した場合に可塑剤が経時的に流出し、初期の物性を長期にわたり維持できないことがある。また、分子量が高すぎると粘度が高くなり、作業性が低下する傾向がある。
 これらの高分子可塑剤のうちで、ビニル系重合体と相溶するものが好ましい。中でも相溶性及び耐候性、耐熱老化性の点からビニル系重合体が好ましい。ビニル系重合体の中でも(メタ)アクリル系重合体が好ましく、アクリル系重合体がさらに好ましい。このアクリル系重合体の合成法は、従来からの溶液重合で得られるものや、無溶剤型アクリルポリマー等を挙げることができる。後者のアクリル系可塑剤は溶剤や連鎖移動剤を使用せず高温連続重合法(USP4414370、特開昭59-6207号公報、特公平5-58005号公報、特開平1-313522号公報、USP5010166)にて作製されるため、より好ましい。その例としては特に限定されないが、東亞合成品UPシリーズ等が挙げられる(工業材料1999年10月号参照)。勿論、他の合成法としてリビングラジカル重合法をも挙げることができる。この方法によれば、その重合体の分子量分布が狭く、低粘度化が可能なことから好ましく、更には原子移動ラジカル重合法がより好ましいが、これに限定されるものではない。
 高分子可塑剤の分子量分布は特に限定されないが、狭いことが好ましく、1.8未満が好ましい。1.7以下がより好ましく、1.6以下がなお好ましく、1.5以下がさらに好ましく、1.4以下が特に好ましく、1.3以下が最も好ましい。
 上記高分子可塑剤を含む可塑剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよいが、必ずしも必要とするものではない。また必要によっては高分子可塑剤を用い、物性に悪影響を与えない範囲で低分子可塑剤を更に併用しても良い。
 なおこれら可塑剤は、重合体製造時に配合することも可能である。
 可塑剤を用いる場合の使用量は、限定されないが、(A)成分および(B)成分合計100重量部に対して、好ましくは1~100重量部、より好ましくは5~50重量部である。1重量部未満では可塑剤としての効果が発現しにくい傾向があり、100重量部を越えると硬化物の機械強度が不足する傾向がある。
<反応性希釈剤>
 上記可塑剤以外に、本発明において使用する液状硬化性組成物には、次に述べる反応性希釈剤を用いても構わない。反応性希釈剤として、硬化養生中に揮発し得るような低沸点の化合物を用いた場合は、硬化前後で形状変化を起こしたり、揮発物により環境にも悪影響を及ぼしたりすることから、常温での沸点が100℃以上である有機化合物が特に好ましい。
 反応性希釈剤の具体例としては、1-オクテン、4-ビニルシクロヘキセン、酢酸アリル、1,1-ジアセトキシ-2-プロペン、1-ウンデセン酸メチル、8-アセトキシ-1,6-オクタジエン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
 反応性希釈剤の添加量は、(A)成分および(B)成分合計100重量部に対し、好ましくは0.1~100重量部、より好ましくは0.5~70重量部、さらに好ましくは1~50重量部である。
<光安定剤>
 本発明において使用する液状硬化性組成物には、必要に応じて光安定剤を添加しても良い。光安定剤は各種のものが知られており、例えば大成社発行の「酸化防止剤ハンドブック」、シーエムシー化学発行の「高分子材料の劣化と安定化」(235~242)等に記載された種々のものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
 特に限定はされないが、光安定剤の中でも、紫外線吸収剤が好ましく、具体的には、チヌビンP、チヌビン234、チヌビン320、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン329、チヌビン213(以上いずれも日本チバガイギー社製)等のようなベンゾトリアゾール系化合物やチヌビン1577等のようなトリアジン系、CHIMASSORB81等のようなベンゾフェノン系、チヌビン120(日本チバガイギー社製)等のようなベンゾエート系化合物等が例示できる。
 また、ヒンダードアミン系化合物も好ましく、そのような化合物は具体的には特開2006-274084号公報記載のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。更には紫外線吸収剤とヒンダードアミン系化合物の組み合わせはより効果を発揮することがあるため、特に限定はされないが併用しても良く、併用することが好ましいことがある。
 光安定剤は前述した酸化防止剤と併用してもよく、併用することによりその効果を更に発揮し、特に耐候性が向上することがあるため特に好ましい。予め光安定剤と酸化防止剤を混合してあるチヌビンC353、チヌビンB75(以上いずれも日本チバガイギー社製)などを使用しても良い。
 光安定剤の使用量は、(A)成分および(B)成分合計100重量部に対して0.1~10重量部の範囲であることが好ましい。0.1重量部未満では耐候性を改善の効果が少なく、10重量部超では効果に大差がなく経済的に不利である。
<接着性付与剤>
 本発明において使用する液状硬化性組成物にさらに基材接着性を向上させる目的で接着性付与剤を添加することができる、接着性付与剤としては、架橋性シリル基含有化合物、極性基を有するビニル系単量体が好ましく、更にはシランカップリング剤、酸性基含有ビニル系単量体が好ましい。これらを具体的に例示すると、特開2005-232419号公報段落[0184]記載の接着性付与剤が挙げられる。
 シランカップリング剤としては、分子中にエポキシ基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、カルバメート基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基、ハロゲン基、(メタ)アクリル基等の、炭素原子及び水素原子以外の原子を有する有機基と、架橋性シリル基を併せ持つシランカップリング剤を用いることができる。
 これらを具体的に例示すると、特開2005-232419号公報段落[0185]記載の炭素原子及び水素原子以外の原子を有する有機基と、架橋性シリル基を併せ持つシランカップリング剤が挙げられる。これらの中でも、硬化性及び接着性の点から、分子中にエポキシ基あるいは(メタ)アクリル基を有するアルコキシシラン類がより好ましい。
 極性基を有するビニル系単量体としては、カルボキシル基含有単量体としては(メタ)アクリル酸、アクリロキシプロピオン酸、シトラコン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸またはそのエステル類、無水マレイン酸およびその誘導体等が挙げられる。上記、ガルボキシル基含有単量体のエステル類としては2-(メタ)アクリロイルキシエチルコハク酸、2-(メタ)アクリロイルキシエチルヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。また、スルホン酸基含有単量体としては、ビニルスルホン酸、(メタ)アクリルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン類又はその塩類を挙げることができる。更にリン酸基含有単量体としては、2-((メタ)アクリロイルシエチルホスフェート)、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルホスフェート、2-(メタ)アクリロイルオキシ-3-クロロプロピルフォスフェート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルフォスフェート等が挙げられる。中でもリン酸基含有単量体が好ましい。また、該単量体は2個以上の重合性基を有してしても構わない。
 シランカップリング剤、極性基含有ビニル系単量体以外の接着性付与剤の具体例としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、シクロペンタジエン-フェノール樹脂、キシレン樹脂、クマロン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジンエステル樹脂硫黄、アルキルチタネート類、芳香族ポリイソシアネート等が挙げられる。
 上記接着性付与剤は、(A)成分および(B)成分合計100重量部に対して、0.01~20重量部配合するのが好ましい。0.01重量部未満では接着性の改善効果が小さく、20重量部を越えると硬化物物性が低下し易い傾向がある。好ましくは0.1~10重量部であり、更に好ましくは0.5~5重量部である。
 上記接着性付与剤は1種類のみで使用しても良いし、2種類以上混合使用しても良い。
<溶剤>
 本発明において使用する液状硬化性組成物には、必要に応じて溶剤を配合することができる。配合できる溶剤としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸セロソルブ等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン系溶剤等が挙げられる。これらの溶剤は重合体の製造時に用いてもよい。
<その他の添加剤>
 本発明において使用する液状硬化性組成物には、液状硬化性組成物又はその硬化物の諸物性の調整を目的として、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。このような添加物の例としては、たとえば、難燃剤、老化防止剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤、などがあげられる。これらの各種添加剤は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。このような添加物の具体例は、たとえば、特公平4-69659号公報、特公平7-108928号公報、特開昭63-254149号公報、特開昭64-22904号公報の各明細書などに記載されている。
 本発明において使用する液状硬化性組成物は、全ての配合成分を予め配合密封した1液型として調製でき、また、開始剤だけを抜いたA液と、開始剤を充填材、可塑剤、溶剤等と混合したB液を成形直前に混合する2液型としても調製できる。
<<硬化方法>>
 硬化方法は、2種類の硬化方法を順次実施することは、冒頭の記載にあるが、ゲル物を得るための硬化およびその後の完全硬化の各々の硬化手法は下記の方法で行うが、当該液状硬化性組成物を硬化させる方法としては、特に限定されない。
 (C)成分として熱重合開始剤を用いる場合、その硬化温度は、使用する熱重合開始剤、(A)成分、(B)成分、添加される他の化合物等の種類により異なるが、通常50℃~250℃が好ましく、70℃~250℃がより好ましい。
 (C)成分として光重合開始剤を用いる場合、活性エネルギー線源により光又は電子線を照射して、硬化させることができる。活性エネルギー線源としては特に限定はないが、用いる光重合開始剤の性質に応じて、例えば高圧水銀灯、低圧水銀灯、電子線照射装置、ハロゲンランプ、発光ダイオード、半導体レーザー、メタルハライド等が挙げられる。(C)成分として光重合開始剤を用いる場合、その硬化温度は、0℃~150℃が好ましく、5℃~120℃がより好ましい。
 (C)成分としてレドックス系開始剤を用いる場合、その硬化温度は、-50℃~250℃が好ましく、0℃~180℃がより好ましい。
 本発明において使用する液状硬化性組成物は、湿分硬化により硬化させることができる。湿分硬化の際の相対湿度は、5~95%が好ましく、10~80%がより好ましい。
 また、本発明において使用する液状硬化性組成物は、湿分硬化とともに、開始剤(C)の種類に応じて、光硬化、加熱硬化、又は、室温硬化により硬化させることができる。(C)成分として2種以上の混合物を使用する場合には、開始剤の種類に応じて硬化条件を適宜組み合わせる。本発明において使用する液状硬化性組成物は、2種以上の開始剤を併用することにより、光硬化と加熱硬化、又は、光硬化と室温硬化の組み合わせで硬化させることができるので、光によって速硬化するとともに、光の当らない部分についても未硬化にならない。
 以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
 また、下記実施例中、「数平均分子量」及び「分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。ただし、GPCカラムとしてポリスチレン架橋ゲルを充填したもの(shodex GPC K-804およびK-802.5;昭和電工(株)製)、GPC溶媒としてクロロホルムを用いた。
 1H-NMRはBruker社製ASX-400(400MHz)を使用し、溶媒として重クロロホルムを用いて23℃にて測定した。
 下記実施例中、「平均末端架橋性シリル基または(メタ)アクリロイル基数」は、「重合体1分子当たりに導入された架橋性シリル基数、(メタ)アクリロイル基数」であり、1H-NMR分析及びGPCにより求められた数平均分子量より算出した。
 なお、下記実施例及び比較例中の「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を表す。
<末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリル系重合体の製造>
(製造例1、2)
 各原料の使用量を表1に示す。
(1)重合工程
 アクリル酸エステル(予め混合されたアクリル酸エステル)を脱酸素した。攪拌機付ステンレス製反応容器の内部を脱酸素し、臭化第一銅、全アクリル酸エステルの一部(表1では初期仕込みモノマーとして記載)を仕込み、加熱攪拌した。アセトニトリル(表1では重合用アセトニトリルと記載)、開始剤としてジエチル-2,5-ジブロモアジペート(DBAE)または2-ブロモブチル酸エチルを添加、混合し、混合液の温度を約80℃に調節した段階でペンタメチルジエチレントリアミン(以下、トリアミンと略す)を添加し、重合反応を開始した。残りのアクリル酸エステル(表1では追加モノマーとして記載)を逐次添加し、重合反応を進めた。重合途中、適宜トリアミンを追加し、重合速度を調整した。重合時に使用したトリアミンの総量を重合用トリアミンとして表1に示す。重合が進行すると重合熱により内温が上昇するので内温を約80℃~約90℃に調整しながら重合を進行させた。
(2)酸素処理工程
 モノマー転化率(重合反応率)が約95%以上の時点で反応容器気相部に酸素-窒素混合ガスを導入した。内温を約80℃~約90℃に保ちながらしながら反応液を数時間加熱攪拌して反応液中の重合触媒と酸素を接触させた。アセトニトリル及び未反応のモノマーを減圧脱揮して除去し、重合体を含有する濃縮物を得た。濃縮物は著しく着色していた。
(3)第一粗精製
 酢酸ブチルを重合体の希釈溶媒として使用した。重合体100kgに対して100~150kg程度の酢酸ブチルで「(2)酸素処理工程」の濃縮物を希釈し、ろ過助剤(ラジオライトR900、昭和化学工業(株)製)および/または吸着剤(キョーワード700SEN、キョーワード500SH)を添加した。反応容器気相部に酸素-窒素混合ガスを導入した後、約80℃で数時間加熱攪拌した。不溶な触媒成分をろ過除去した。ろ液は重合触媒残渣によって着色および若干の濁りを有していた。
(4)第二粗精製
 ろ液を攪拌機付ステンレス製反応容器に仕込み、吸着剤(キョーワード700SEN、キョーワード500SH)を添加した。気相部に酸素-窒素混合ガスを導入して約100℃で数時間加熱攪拌した後、吸着剤等の不溶成分をろ過除去した。ろ液はほとんど無色透明な清澄液であった。ろ液を濃縮し、ほぼ無色透明の重合体を得た。
(5)(メタ)アクリロイル基導入工程
 重合体100kgをN,N-ジメチルアセトアミド(DMAC)約100kgに溶解し、アクリル酸カリウム(末端Br基に対して約2モル当量)、熱安定剤(H-TEMPO:4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-n-オキシル)、吸着剤(キョーワード700SEN)、を添加し、約70℃で数時間加熱攪拌した。DMACを減圧留去し、重合体濃縮物を重合体100kgに対して約100kgのトルエンで希釈し、ろ過助剤を添加して固形分をろ別し、ろ液を濃縮し、末端にアクリロイル基を有する重合体[P1](製造例1)、[P2](製造例2)を得た。得られた重合体の1分子あたりに導入されたアクリロイル基数、数平均分子量、分子量分布を併せて表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
<加水分解性シリル基含有(メタ)アクリル系重合体の製造>
(製造例3)
 各原料の使用量を表2に示す。
(1)重合工程
 アクリル酸エステル(共重合する場合には予め所定量混合されたアクリル酸エステル)を脱酸素した。攪拌機付ステンレス製反応容器の内部を脱酸素し、臭化第一銅、全アクリル酸エステルの一部(表2では初期仕込みモノマーとして記載)を仕込み、加熱攪拌した。アセトニトリル(表2では重合用アセトニトリルと記載)、開始剤としてジエチル-2,5-ジブロモアジペートを添加、混合し、混合液の温度を約80℃に調節した段階でペンタメチルジエチレントリアミン(以下、トリアミンと略す)を添加し、重合反応を開始した。残りのアクリル酸エステル(表2では追加用モノマーとして記載)を逐次添加し、重合反応を進めた。重合途中、適宜トリアミンを追加し、重合速度を調整した。重合時に使用したトリアミンの総量を重合用トリアミンとして表2に示す。重合が進行すると重合熱により内温が上昇するので内温を約80℃~約90℃に調整しながら重合を進行させた。
 モノマー転化率(重合反応率)が約95%以上の時点で揮発分を減圧脱揮して除去し、重合体濃縮物を得た。
(2)ジエン反応工程
 上記重合体濃縮物に1,7-オクタジエン(以下ジエン若しくはオクタジエンと略す)、アセトニトリル(表2ではジエン反応用アセトニトリルと記載)を添加し、トリアミン(表2ではジエン反応用トリアミンと記載)を追加した。内温を約80℃~約90℃に調節しながら数時間加熱攪拌させて、重合体末端にオクタジエンを反応させた。アセトニトリル及び未反応のオクタジエンを減圧脱揮して除去し、末端にアルケニル基を有する重合体を含有する濃縮物を得た。
(3)粗精製工程
 上記「(2)ジエン反応工程」で得た濃縮物をトルエンで希釈し、ろ過助剤、吸着剤(キョーワード700SEN:協和化学工業(株)製)、ハイドロタルサイト(キョーワード500SH:協和化学工業(株)製)を添加し、80~100℃程度に加熱攪拌した後、固形成分をろ別した。ろ液を濃縮し、重合体粗精製物を得た。
(4)高温加熱処理・吸着精製工程
 上記重合体粗精製物、熱安定剤(スミライザーGS:住友化学(株)製)、吸着剤(キョーワード700SEN、キョーワード500SH)を添加し、減圧脱揮、加熱攪拌しながら昇温し、約170℃~約200℃の高温状態で数時間程度加熱攪拌、減圧脱揮を行った。吸着剤(キョーワード700SEN、キョーワード500SH)、を追加し、重合体に対して約10重量部のトルエンを添加し、約170℃~約200℃の高温状態で更に数時間程度加熱攪拌した。
 処理液を更にトルエンで希釈し、吸着剤をろ別した。ろ液を濃縮し、両末端にアルケニル基を有する重合体を得た。
(5)シリル化工程
 上記「(4)高温加熱処理・吸着精製工程」において得られた重合体、メチルジメトキシシラン(DMS)、オルト蟻酸メチル(MOF)、白金触媒[ビス(1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒のイソプロパノール溶液:以下白金触媒という]を所定量混合し、約100℃に加熱攪拌した。1時間程度加熱攪拌後、未反応のDMS等の揮発分を減圧留去し、両末端にメトキシシリル基を有する重合体[P3]を得た。得られた重合体の1分子あたりに導入されたシリル基数、分子量、分子量分布を併せて表2に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
(配合例1)
 (A)成分として製造例1、2で得られた重合体[P1]20部、[P2]40部、(B)成分として製造例3で得られた重合体[P3]40部、IBXA(イソボルニルアクリレート、共栄社化学製)10部、FA-513M(ジシクロペンタニルメタクリレ-ト、日立化成工業製)14部(C)成分として、DAROCUR1173(2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-プロパン-1-オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製))0.6部と、TPO(2,4,6-トリメチルベンゾイル-フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製))0.3部、SILQUESTA171(ビニルトリメトキシシラン;モメンティブ製)6部、KBM-5103(トリメトキシシリルプロピルオキシアクリレート、信越化学工業製)1部、更に、[P3]の硬化触媒として2-エチルへキシルアシッドフォスフェート(AP-8、第八化学工業(株)製)0.33部、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]-7-ウンデセン0.02部充分撹拌混合して液状硬化性組成物を調製した。
(実施例1)
 配合例1で得られた液状硬化性組成物5kgを減圧可能な10L容量のタンクに充填した後、50~200Paの減圧状態で10分間脱泡処理を行った。脱泡した液状硬化性組成物1kgを、50Paに減圧した、充填側接続部と吐出側接続部を長さ方向両端部に備えた柔軟性、伸縮性のある吐出装置用容器(アルミバック、合成樹脂とアルミ箔の積層体、厚み約0.2mm)に、充填側接続部から空隙のない状態で充填し、密閉した(尚、液状硬化性組成物が充填されたアルミバックは、図5中の符号1で示される吐出装置用容器の構造を有するものとした。)。
(実施例2)
(1)ディスペンス操作
 吐出装置(ディスペンス装置)の制御装置として、ME-5000VT(武蔵エンジニアリング(株)製)を用い、実施例1にて調製した液状硬化性組成物が充填されたアルミバックを図8に示す容器支持具を用いて吐出側接続部が垂直(鉛直)方向下側になるように加圧用容器内に配し、密閉した。この際、吐出側接続部は送液チューブと連通するように接続され、送液チューブは加圧用容器の液側接続部と接続された状態であった(加圧用容器内の状態は図7に準じたものとした。)。吐出バルブとして、ダイヤフラム式ディスペンス用バルブPCV-12(武蔵エンジニアリング(株)製)を用い、吐出バルブと加圧用容器の液側接続部との間に空気(エアー)抜き用の切替弁(3方コック)を設置し、シリコーンチューブで連結して、ディスペンス装置を構成した(吐出装置全体の構成は、図7に準じたものとした。)。
 その後、図9(a)に示す塗工パターンで部材に塗布(ディスペンス)して、塗布された液状樹脂組成物に気泡の発生(泡噛み)がないことを目視にて確認した。さらに、デジタルマイクロスコープとしてVHX-100(株式会社キーエンス製)を用いて30μm以上の気泡がないことを確認した。また、液状硬化性組成物の塗布時の事前脱泡を必要としないことから、ディスペンス中のゲル化、増粘は観察されなかった。さらに、液状硬化性組成物が吐出できなくなった時点でアルミバック内に残留した液状硬化性組成物の重量を測定したところ、約35gであった。
(2)貼り合わせ、硬化
 上記(1)の吐出装置を用い、図9(b)の塗工パターンで、液状硬化性組成物の膜厚が100μmになるように、ガラス(サイズ100×200×1(厚み)mm)にディスペンスを行い、このガラスの液状硬化性組成物が塗布された側に同サイズのガラスを泡なく貼り合わせた後、コンベアー式のUV照射装置(ライトハンマー6;Fusion UV system、積算光量6000mJ/cm2)にてガラス間の液状硬化性組成物を硬化させた。その後、23℃×55%R.H.で7日間静置後の状態を確認した結果、泡の発生等の不具合はなく良好であった。
(実施例3)
 吐出側接続部が垂直(鉛直)方向上側になるようにアルミバックを加圧用容器内に配した点と、図10に示す加圧容器部分の構成を採用したことを除き、実施例2と同様にして、ディスペンス操作を行った。塗布された液状樹脂組成物に気泡の発生(泡噛み)がないことを目視にて確認した。さらに、デジタルマイクロスコープとしてVHX-100(株式会社キーエンス製)を用いて30μm以上の気泡がないことを確認した。また、液状硬化性組成物の塗布時の事前脱泡を必要としないことから、ディスペン中のゲル化、増粘は観察されなかった。さらに、液状硬化性組成物が吐出できなくなった時点でアルミバック内に残留した液状硬化性組成物の重量を測定したところ、約500gであった。
 尚、図10の構成を簡単に説明すると、この構成は、図7に示す吐出装置のうち、吐出装置用容器1、容器支持具8、送液チューブ19を、図1に示す吐出装置用容器101、容器支持具108、送液チューブ119に変更したものである。
(実施例4)
 実施例2と同様のサイズのガラスに実施例2の(1)と同様の方法で液状硬化性組成物を塗布した後、このガラス(ガラス基材)の液状硬化性組成物が塗布された側に同サイズのタッチセンサー(ITOガラス)に貼り合せ、硬化させて、貼り合せサンプルを得た。更に、得られた上記貼り合せサンプルのガラス基材の表面に、実施例2の(1)と同様の方法で液状硬化性組成物を塗布し、それをベセル付きの液晶モジュール(サイズ100×200mm)に貼り合せて、硬化させて、ディスプレイを得た。得られたディスプレイは泡混入等の不具合は無かった。
(比較例1)
 配合例1の液状硬化性組成物を図11(図7と共通の構成については同じ符号を付した)に示す加圧容器46に直接充填し、100Paで10分間減圧脱泡を行い、エアーにより液状硬化性組成物(図11中、符号A)を直接加圧して、液状硬化性組成物に浸漬させて配された送液管47を介して吐出バルブ21に送液、実施例2と同様の方法で、ディスペンス時の泡噛みの状況を確認した結果、100μm~1mm程度の泡の発生が確認された(送液される樹脂には、ゲル化、目立った増粘は見られなかった。)。
(比較例2)
 脱泡時間を45分にした以外は、比較例1と同様の方法で、ディスペンス時の泡噛みの程度、送液時の液状樹脂の状態を確認した。その結果、ディスペンス時、貼り合わせサンプルに泡の発生はなかったが、タンクの残存樹脂の一部にゲル化、送液チューブ中の樹脂液に顕著な増粘が見られた。
(比較例3)
 吐出装置用容器として、1つの接続部のみを有するアルミバッグを用い、液状硬化性組成物の充填と吐出を同じ接続部から行った以外は実施例1、2と同様の操作を行った。充填時の液状硬化性組成物の残渣が湿分硬化したものが、ディスペン時に貼り合せサンプルに混入し、異物として残存すると共に、その周辺に気泡が混入するという問題が生じた。また、吐出バルブのダイヤフラム式バルブ先端のニードルが閉塞し、ディスペンス効率も低下するという問題も発生した。
 実施例1、2と比較例1、2との比較から、アルミバックを用いて、液状硬化性組成物に加圧流体(エアー)が直接接触しないようにして送液、ディスペンスした系(実施例)では、ディスペンス直後の泡の発生および貼り合わせサンプルの経時での泡の発生等の不具合もなく良好なディスペンス特性を示すと共に、送液時に樹脂のゲル化・増粘等の安定性も問題なかった。
 実施例2と実施例3との比較から、吐出側接続部を垂直方向下側にした実施例2は、垂直方向上側にした実施例3よりも吐出装置用容器(アルミバック)内の液状硬化性組成物の残量を低減し、より効率よく内容物を吐出した。
 本発明によれば、特定構造を有することで、各種の表示装置の多量生産にも適用可能で、保存安定性に優れた、液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器を提供することができる。そして、このような、液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器を用いることで、液晶型タッチパネル、有機型ELタッチパネル、液晶モジュール、PDPなどの表示装置の視認性、耐衝撃性を向上させるために、エアギャップ部分を硬化樹脂で充填する際、液状硬化性組成物を直接エアーで加圧せず、充填時とは別の吐出専用の接続部から送液することにより、塗工時、硬化後の泡の発生を防止出来る。また、液状硬化性組成物を吐出装置用容器に充填する際、事前脱泡し、空隙なく充填することで、使用時に行う脱泡による液状硬化性組成物の成分の変性や、塗布時のゲル化等の不具合を解消することができる。その結果、外観、表示精度、鮮映性に優れる液晶型タッチパネル、有機型ELタッチパネル、液晶モジュール、PDP、デジタルおよびアナログ式スピードメーターなどの表示装置を提供することができる。このように、本発明は、電気・電子機器や二輪・四輪自動車に搭載用の上記の各種の表示装置、およびその製造に好適に適用可能である。
 1、101 吐出装置用容器
 2 シート状成形体
 3、103 充填側接続部
 4、104、170 吐出側接続部
 5、105 充填側封止部
 5'、155、160、180 吐出側封止部
 6、6'  腕部
 7、7'、107 中空部
 8、108 容器支持具
 9、109 接続部
 10 ブレンドタンク
 11、12 バルブ
 13 配管
 14 計量器
 15 加圧用容器
 16、116 台座
 17 送液路
 18 送液側接続部
 19、119 送液チューブ
 20 蓋部
 21 吐出バルブ
 22 液溜め部
 23 切替弁
 24 加圧側接続部
 25 電磁弁
 26 供給源
 27、28 配管
 29 ディスペンスバルブ
 30 塗工ヘッド
 31 ニードル
 32 ピストン
 33 空間a
 34 空間b
 35、36 配管
 37 圧力制御手段
 38 吐出制御手段
 39 吐出口
 40 部材
 41 アーチ部
 42 フック部
 43 バネ
 44、144 フランジ部
 45、145 開口部
 46 加圧容器
 47 送液管
 151 スリット
 152 突起部
 153 リップ面
 154 弁本体
 156 内空部
 157 翼部
 158 胴部
 159 開口部
 161 スリット
 162 突起部
 163 弁本体
 166 内空部
 171 外套管
 172 開口
 173 突起部
 174 翼部
 175 中空部
 176 テーパー面
 177 胴部
 178 突起部
 179 開口部
 181 弁体
 182 バネ
 183 周縁部
 184 突起部
 A 液状硬化性組成物
 B 充填装置
 C 吐出装置

                                                                                

Claims (12)

  1.  液状硬化性組成物が充填された外部からの押圧力により変形可能な吐出装置用容器であって、その長手方向の一端側に、吐出装置に連結可能な吐出側接続部と該吐出側接続部を開閉自在に封止可能な吐出側封止部とを備え、かつ、前記吐出側接続部とは別に液状硬化性組成物を気密状態で充填するための充填側接続部と該充填側接続部を開閉自在に封止可能な充填側封止部とを備える、液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器。
  2.  前記吐出装置用容器が、合成樹脂含有シート状成形体から構成された請求項1記載の液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器。
  3.  前記の合成樹脂含有シート状成形体の厚みが0.05~0.5mmである請求項2記載の液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器。
  4.  前記充填側接続部が、吐出装置用容器の長手方向で吐出側接続部とは反対側の他端側に形成された請求項1~3の何れかに記載の液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器。
  5.  前記液状硬化性組成物が、湿分硬化性及び/又は活性エネルギー線硬化性を有する組成物である請求項1~4の何れかに記載の液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器。
  6.  請求項1~5の何れかに記載の液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器の製造方法であって、前記充填側接続部を介して、予め脱泡処理した液状硬化性組成物を気密状態で前記吐出装置用容器内に充填した後、前記充填側接続部を前記充填側封止部により封止する、液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器の製造方法。
  7.  加圧用容器と、
     前記充填側接続部の前記充填側封止部が閉じた状態で、かつ前記吐出側接続部の前記吐出封止部が開いた状態で、前記加圧用容器に配された請求項1~5の何れかに記載の液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器と、
     前記吐出装置用容器の内部と前記吐出側接続部を介して連通する吐出バルブと、
     前記吐出装置用容器の外部から押圧力を負荷する加圧手段とを備える液状硬化性組成物の吐出装置。
  8.  前記吐出側接続部が前記吐出装置用容器において鉛直方向下側に位置するように、前記吐出装置用容器が前記加圧用容器に配された請求項7記載の液状硬化性組成物の吐出装置。
  9.  前記加圧手段が、加圧流体である請求項7又は8記載の液状硬化性組成物の吐出装置。
  10.  前記加圧手段により負荷される前記加圧用容器内部の圧力に基づいて、前記吐出装置用容器からの液状硬化性組成物の排出量を制御する圧力制御手段を備える請求項9記載の液状硬化性組成物の吐出装置。
  11.  前記吐出装置用容器から送液された液状硬化性組成の前記吐出バルブからの吐出量を制御する吐出制御手段をさらに備える請求項7~10のいずれかに記載の液状硬化性組成物の吐出装置。
  12.  請求項7~11のいずれかに記載の液状硬化性組成物の吐出装置を用いて、保護部材もしくは機能性保護部材、及び/又は、表示モジュールに液状硬化性組成物を塗布し、前記保護部材または前記機能性保護部材と、前記表示モジュールとを前記液状硬化性組成物を介して貼り合わせ、該液状硬化性組成物を硬化させて得られる表示装置。
                                                                                    
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