WO2012128177A1 - 液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器、その製造方法、および吐出装置 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、液状硬化性組成物を減圧脱泡する際、配合物中の反応性希釈剤等の液状成分の一部が留去され、粘度の上昇によるディスペンス適性の低下、貼り合わせ時接着性能の低下を引き起こすという問題がある。また、パネル製造メーカーでの貼り合わせ工程において外観不良と判定される数十μmレベルのマイクロバブルを完全に除去するためには、脱泡時間を延長する必要がある。それに加えて、そのマイクロバブルが除去されたかを確認するための煩雑な確認工程が必要である。ところが、通常は、一定以上の脱泡時間を確保するだけで、このような確認工程が行われることは殆どないため、マイクロバブルの確実な除去という点では必ずしも信頼性のある対応策が講じられているわけではない。また、パネル製造メーカーにおける減圧脱泡時間が長時間に亘ることから、パネルの生産効率が低下するという問題もある。
(2)前記吐出装置用容器が、合成樹脂含有シート状成形体から構成された前記(1)記載の液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器。
(3)前記の合成樹脂含有シート状成形体の厚みが0.05~0.5mmである前記(2)記載の液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器。
(4)前記充填側接続部が、吐出装置用容器の長手方向で吐出側接続部とは反対側の他端側に形成された前記(1)~(3)の何れかに記載の液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器。
(5)前記液状硬化性組成物が、湿分硬化性及び/又は活性エネルギー線硬化性を有する組成物である前記(1)~(4)の何れかに記載の液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器。
(6)前記(1)~(5)の何れかに記載の液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器の製造方法であって、前記充填側接続部を介して、予め脱泡処理した液状硬化性組成物を気密状態で前記吐出装置用容器内に充填した後、前記充填側接続部を前記充填側封止部により封止する、液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器の製造方法。
(7)加圧用容器と、前記充填側接続部の前記充填側封止部が閉じた状態で、かつ前記吐出側接続部の前記吐出封止部が開いた状態で、前記加圧用容器に配された前記(1)~(5)の何れかに記載の液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器と、前記吐出装置用容器の内部と前記吐出側接続部を介して連通する吐出バルブと、前記吐出装置用容器の外部から押圧力を負荷する加圧手段とを備える液状硬化性組成物の吐出装置。
(8)前記吐出側接続部が前記吐出装置用容器において鉛直方向下側に位置するように、前記吐出装置用容器が前記加圧用容器に配された前記(7)記載の液状硬化性組成物の吐出装置。
(9)前記加圧手段が、加圧流体である前記(7)又は(8)記載の液状硬化性組成物の吐出装置。
(10)前記加圧手段により負荷される前記加圧用容器内部の圧力に基づいて、前記吐出装置用容器からの液状硬化性組成物の排出量を制御する圧力制御手段を備える前記(9)記載の液状硬化性組成物の吐出装置。
(11)前記吐出装置用容器から送液された液状硬化性組成の前記吐出バルブからの吐出量を制御する吐出制御手段をさらに備える前記(7)~(10)のいずれかに記載の液状硬化性組成物の吐出装置。
(12)前記(7)~(11)のいずれかに記載の液状硬化性組成物の吐出装置を用いて、保護部材もしくは機能性保護部材、及び/又は、表示モジュールに液状硬化性組成物を塗布し、前記保護部材または前記機能性保護部材と、前記表示モジュールとを前記液状硬化性組成物を介して貼り合わせ、該液状硬化性組成物を硬化させて得られる表示装置。
本発明に用いる吐出装置用容器は、その内部に液状硬化性組成物が充填された状態において外部からの押圧力により変形可能であって、その長手方向の一端側に、吐出装置に連結可能な吐出側接続部と該吐出側接続部を開閉自在に封止可能な吐出側封止部とを備え、かつ、前記吐出側接続部とは別に液状硬化性組成物を気密状態で充填するための充填側接続部と該充填側接続部を開閉自在に封止可能な充填側封止部とを備える。
また、吐出側接続部104の一方端部には、吐出側接続部104を、図1に示すように容器支持具108のフック部42に引っかけるためのフランジ部144を設けている。
そして、図3(b)、(d)に示すように、吐出側接続部104の中空部107と吐出側封止部160の内空部166に接続部109を挿通し、その先端部で、弁本体163の封止された一方端を押圧する(図3(d)の矢印方向に押し込む)ことで、弁本体163が延伸する。その結果、スリット161が開口部を形成し、吐出側封止部160の外部と内空部166とが連通することとなる。この状態を保持することで、吐出用容器101内の組成物Aは、接続部109の先端の開口部145から接続チューブ119へと放出される。尚、接続部109の接続状態を保持する方法は特に限定はなく、従来公知の方法を採用することができる。
また、本例の吐出側封止部160は、充填側封止部としても用いることができる。
また、本例の吐出側封止部170は、充填側封止部としても用いることもできる。
本実施形態における充填側接続部3と充填側封止部5、吐出側接続部4と吐出側封止部5'は、各種の樹脂を用いて射出成形などにより成形することができる。
本発明では、上述した吐出装置用容器を用い、その充填側接続部を介して、予め脱泡処理された液状硬化性組成物を気密状態で吐出装置用容器内に充填した後、充填側接続部を充填側封止部により封止して、液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器を製造する。
図6には、図5に示したのと同じ吐出装置用容器1を用いた例を示している。従って、同じ構成には同じ符号を付して、その説明は省略するが、図6では、吐出側接続部4は吐出側封止部により封止された状態であり、充填側接続部3には気密状態で充填装置の接続部(図示せず)が嵌合され、充填側封止部が中空部から離れ、充填側封止部が開いた状態にある。
また、図示しないが、他の構成として、吐出側接続部4に減圧用ポンプを連結し、吐出装置用容器1の内部を減圧状態にしてもよい。更に、吐出装置用容器としては、図1に示したものを用いることが可能であるし、図2~4に示した吐出側接続部等を用いた変形例を用いることが可能であることは勿論のことである。
本発明の吐出装置は、加圧用容器と、前記充填側接続部の前記充填側封止部が閉じた状態で、かつ前記吐出側接続部の前記吐出封止部が開いた状態で、前記加圧用容器に配された上記の液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器と、前記吐出装置用容器の内部と前記吐出側接続部を介して連通する吐出バルブと、前記吐出装置用容器の外部から押圧力を負荷する加圧手段とを備える。
そして、吐出側接続部が吐出装置用容器の鉛直方向上側になるように配置した場合は、先ず、容器の上側に位置する液状硬化性組成物が吐出バルブへと排出される。そのため容器の下側に位置する組成物が上側に移動する前に、容器が加圧流体の押圧力により押圧され、シート状成形体が密着し、組成物が容器内に残存する場合が多い。これを回避するために、配管の接続部として、吐出装置用容器の下端から上端へ連通する筒又は管を用いたり、吐出側接続部又は吐出側封止部に吐出用容器の一方端(例えば下端)から他端(例えば上端)へ連通する筒又は管を設ける場合がある。このような筒又は管を配管の接続部、又は、吐出側接続部若しくは吐出側封止部に設けると、残存の問題は解消するが、前者(配管の接続部)の場合は、配管の接続部を吐出装置用容器内に配置する際に、空気が混入してしまう可能性が高い傾向にあり、また、後者(吐出側接続部又は吐出側封止部)の場合は、筒又は管の周辺が組成物を充填する際のデッドスペースとなり易い傾向があり、充填の時点で空気が残留してしまう可能性が高い。
一方、吐出側接続部が吐出装置用容器の鉛直方向下側になるように配置した場合は、加圧流体による押圧力により吐出装置用容器が不均一に変形した場合でも、液状硬化性組成物が自重により自ら鉛直方向下側に移動するため、シート状成形体が密着することなく、吐出側接続部を介して液状硬化性組成物が吐出バルブへと排出される。従って、上記のような筒を接続部として使用する必要がなく、それによる空気の混入がなく、気泡の発生も防止できる。このように、気泡の発生を防止しつつ、吐出装置用容器内の液状硬化性組成物を無駄なく消費することができることから、吐出側接続部の位置は、吐出装置用容器において鉛直方向下側になるように、吐出装置用容器を加圧容器内に配置することが好ましく、吐出装置用容器において鉛直方向の最下端部に位置するのがより好ましい。
ディスペンスバルブとしては、特に限定はなく、用途に応じて各種のものを採用することができる。但し、気泡の発生を防止しつつ、液状硬化性組成物の塗布量を高精度に制御する必要がある場合や高速での塗布が必要な場合は、スプールバルブ、ダイヤフラムバルブ、ニードルバルブ、ボベットバルブ、ベールポンプ、メタリングポンプ、プランジャーポンプ、ピストンとスプリングポンプの併用、スピンコントロールポンプなどを用いるのが好ましい。また、メンテナンス、耐久性、制御のし易さの点では、ダイヤフラムバルブ、ニードルバルブ、プランジャーポンプ、ピストンとスプリングポンプの併用、がより好ましい。
図7は、本発明の吐出装置の実施形態の一例を示した模式図である。図7に示すように、加圧用容器15内には、液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器1、吐出装置用容器1を支持する容器支持具8が配され、気密状態が保持されている。また、送液チューブ19は、その一端が、加圧用容器15の蓋部20に設けられた送液側接続部18と連通して接続されるとともに、その他端が、容器支持具8の台座16内に設けられた中空の送液路17(図7には図示せず、図5参照)と連通するように台座16と接続されている。また、吐出装置用容器1の吐出側接続部4には容器支持具8の接続部9が挿入、嵌合され、接続部9は、送液路17に連通する。そして、送液側接続部18は、切替弁23と配管27を介して、吐出バルブ21の液溜め部22に連通する。
28を介して供給源26と連通し、加圧流体が供給源26から加圧用容器15内に供給さ
れる。
本発明における表示装置としては、保護部材と表示モジュールの間などにエアギャップが形成され、当該エアギャップを充填することで、耐衝撃性や視認性などの向上が期待される各種の表示装置が含まれる。例えば、各種の電気・電子機器や二輪・四輪自動車に搭載用の液晶型タッチパネル、有機型ELタッチパネル、液晶モジュール、プラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)、デジタルおよびアナログ式スピードメーターなどが挙げられるが、これらに限定されない。また、電気・電子機器としては、例えば、タッチパネル式のスマートフォン、タブレット型携帯端末、TV、デジタル(ビデオ)カメラ、プリンター、コピー機、その他の各種測定装置などが挙げられるが、これらに限定されない。
また、保護部材としては、例えば、透明なガラスや合成樹脂などで構成されたカバーボードなどが挙げられる。表示モジュールとしては、液晶、有機EL、PDPなどのモジュールなどが挙げられる。
液状硬化性組成物の塗布は、保護部材のみでもよいし、表示モジュールのみでもよいし、保護部材と表示モジュールの両者に行っても良い。
また、本発明では、上記の保護部材に替えて、機能性保護部材を用いても良い。機能性保護部材とは、例えば、カバーボードなどの保護部材とタッチセンサーなどの機能部材を貼り合わせたものなどが挙げられる。また、保護部材と機能部材の貼り合わせの際にも、保護部材及び/又は機能部材に液状硬化性組成物を塗布し、前記保護部材と前記機能部材を液状硬化性組成物を介して貼り合わせ、該液状硬化性組成物を硬化させて得ることができる。
各種の表示装置のカバーボードと表示モジュール間などのエアギャップに充填される液状硬化性組成物としては、耐久性を確保する観点からは、反応性の液状硬化性組成物であることが好ましい。
化合物(A)(以下、(A)成分と称する場合がある)と化合物(B)(以下、(B)成分と称する場合がある)の骨格は同じであっても異なっていても構わないが、相溶性の観点から同型の骨格である方が好ましい。また、(A)成分および(B)成分は、低分子量化合物、オリゴマー、重合体の何れであっても構わないが、柔軟性、耐久性、硬化性のバランスの点で、オリゴマー、又は、有機重合体であることが好ましく、有機重合体であることが特に好ましい。
上記有機重合体又はオリゴマーとしては、ポリシロキサン、ポリエーテル、ビニル系重合体が好ましい。
上記ポリシロキサンとしては、アルキルポリシロキサンが好ましい。
上記ポリエーテルとしては、オキシアルキレン系重合体が好ましく、その中でもポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンがより好ましい。
上記ビニル系重合体としては、炭化水素系重合体である、ポリイソブチレン、水素添加ポリイソプレン、水素添加ポリブタジエン、並びに、(メタ)アクリル系モノマー、アクリロニトリル系モノマー、芳香族ビニル系モノマー、フッ素含有ビニル系モノマー及びケイ素含有ビニル系モノマーからなる群から選ばれるモノマーを主として重合して製造される重合体が好ましい。ここで「主として」とは、ビニル系重合体を構成するモノマー単位のうち、50モル%以上が上記モノマーであることを意味し、好ましくは70モル%以上である。さらに、ビニル系重合体としては、ポリイソブチレン、(メタ)アクリル系モノマーを主として重合して製造された(メタ)アクリル系重合体が好ましく、(メタ)アクリル系重合体がより好ましい。(メタ)アクリル系重合体としては、アクリル系重合体が好ましく、アクリル酸エステル重合体がより好ましい。
公知であるオルガノクロロシランを加水分解してオルガノポリシロキサンを製造する方法、特許第2599517号公報、特開昭56-151731号公報、特開昭59-66422号公報、特開昭59-68377号公報に記載のアルコキシシランを塩基性触媒あいは酸触媒の存在下で加水分解する方法等公知の方法で得られる。ポリマーの末端官能基としては、アルコキシシリル基、シラノール基、水酸基等が挙げられる。
ポリエーテル(オキシアルキレン系重合体)の合成方法は、特に限定されないが、例え
ば開始剤と触媒の存在下、モノエポキシドを開環重合することによって得られる。
(炭化水素系重合体)
前記炭化水素系重合体は、芳香族環以外の炭素-炭素不飽和結合を実質的に含有しない重合体であり、たとえば、1,2-ポリブタジエン、1,4-ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、水素添加ポリブタジエン、水素添加ポリイソプレンなどがあげられる。
本発明において使用可能な炭化水素系重合体以外のビニル系重合体は、その主鎖を構成するビニル系モノマーとしては特に限定されず、各種のものを用いることができる。具体的には特開2005-232419号公報段落[0018]記載の各種モノマーのような、(メタ)アクリル酸系モノマー、芳香族ビニル系モノマー、フッ素含有ビニル系モノマー、ケイ素含有ビニル系モノマー、マレイミド系モノマー、ニトリル基含有ビニル系モノマー、アミド基含有ビニル系モノマー、ビニルエステル類、アルケン類、共役ジエン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等が挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、複数を共重合させても構わない。ここで、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を表す。
原子移動ラジカル重合では、有機ハロゲン化物、特に反応性の高い炭素-ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物(例えば、α位にハロゲンを有するカルボニル化合物や、ベンジル位にハロゲンを有する化合物)、あるいはハロゲン化スルホニル化合物等が開始剤として用いられることが好ましい。具体的には特開2005-232419号公報段落[0040]~[0064]記載の化合物が挙げられる。
ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を1分子内に2つ以上有するビニル系重合体を得るためには、2つ以上の開始点を持つ有機ハロゲン化物、又はハロゲン化スルホニル化合物を開始剤として用いるのが好ましい。具体的に例示するならば、以下のものが挙げられる。
(A)成分の重合性の炭素-炭素二重結合は、特に限定されないが、一般式(1)
-OC(O)C(Ra)=CH2 (1)
(式中、Raは水素原子又は炭素数1~20の有機基を表わす)
で表される(メタ)アクリロイル基が好ましい。
また、(A)成分の重合性の炭素-炭素二重結合は、分子鎖末端にあることが好ましい。
特に限定はないが、例えば、特許第3193866号公報に記載の末端シラノール停止ポリシロキサンに有機金属等を触媒として、加水分解性シリル基含有ビニル化合物、加水分解性シリル基含有(メタ)アクリロイル化合物を加水分解縮合反応させる方法等が挙げられる。
オキシアルキレン重合体への重合性の炭素-炭素二重結合を導入する方法としては、特に限定がないが、<1>水酸基末端を有するポリオキシアルキレンに一般式(1)の酸クロライド化合物を反応させる方法、<2>水酸基末端を有するポリオキシアルキレンにイソシアナート基を含む一般式(1)の化合物を反応性させる方法、<3>水酸基末端を有するポリオキシアルキレンに多官能性のイソシアナートおよび水酸基を含有するビニルモノマーを反応させる方法、<4>ヒドロシリル化可能な二重結合末端(例えばアリル基末端)ポリオキシアルキレンに多官能タイプのヒドロシリル化合物を反応させ、更にアリル(メタ)アクリレート等のヒドロシリル化可能な化合物を反応させる方法がある。反応の簡便性の点で<2>、<3>および<4>の方法が好ましく、反応の安定性の点で、<2>および<3>の方法がより好ましい。
ビニル系重合体への重合性の炭素-炭素二重結合を導入する方法としては、公知の方法を利用することができる。例えば、特開2004-203932号公報段落[0080]~[0091]記載の方法が挙げられるが、以下の方法が好ましい。
一般式(2)のビニル系重合体の末端ハロゲン基を、一般式(3)の重合性の炭素-炭素二重結合を有する化合物で置換する方法。
-CR1R2X (2)
(式中、R1、R2は、ビニル系モノマーのエチレン性不飽和基に結合した基。Xは、塩素、臭素、又は、ヨウ素を表す。)
M+-OC(O)C(R)=CH2 (3)
(式中、Rは水素、または、炭素数1~20の有機基を表す。M+はアルカリ金属、または4級アンモニウムイオンを表す。)
一般式(3)で表される化合物としては特に限定されないが、Rの具体例としては、例えば、-H、-CH3、-CH2CH3、-(CH2)nCH3(nは2~19の整数を表す)、-C6H5、-CH2OH、-CN、等が挙げられ、好ましくは-H、-CH3である。M+はオキシアニオンの対カチオンであり、M+の種類としてはアルカリ金属イオン、具体的にはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、および4級アンモニウムイオンが挙げられる。4級アンモニウムイオンとしてはテトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラベンジルアンモニウムイオン、トリメチルドデシルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンおよびジメチルピペリジニウムイオン等が挙げられ、好ましくはナトリウムイオン、カリウムイオンである。一般式(3)のオキシアニオンの使用量は、一般式(2)のハロゲン基に対して、好ましくは1~5当量、更に好ましくは1.0~1.2当量である。この反応を実施する溶媒としては特に限定はされないが、求核置換反応であるため極性溶媒が好ましく、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、アセトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、アセトニトリル、等が用いられる。反応を行う温度は限定されないが、一般に0~150℃で、重合性の末端基を保持するために好ましくは室温~100℃で行う。
末端に水酸基を有するビニル重合体に一般式(4)で示される化合物を反応させる方法。
XC(O)C(R)=CH2 (4)
(式中、Rは水素、または、炭素数1~20の有機基を表す。Xは塩素、臭素、または水酸基を表す。)
末端に水酸基を有するビニル重合体に、ジイソシアネート化合物を反応させ、残存イソシアネート基と下記一般式5で示される化合物とを反応させる方法。
HO-R’- OC(O)C(R)=CH2 (5)
(式中、Rは水素、または、炭素数1~20の有機基を表す。R'は炭素数2~20の2価の有機基を表す。)
本発明でいう加水分解性シリル基とは、シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基のことであり、一般式(101)で表される基が好ましい。
-[Si(R1)2-b(Y)bO]m-Si(R2)3-a(Y)a (101)
(式中、R1およびR2は、同一若しくは異なって、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数7~20のアラルキル基、または(R′)3SiO-で表されるトリオルガノシロキシ基を示す(式中、R′は炭素数1~20の1価の炭化水素基を示す。複数のR′は同一であってもよく又は異なっていてもよい)。R1またはR2がそれぞれ2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
加水分解性シリル基の導入方法としては、特に限定されないが、例えば、加水分解性シリル基を含むシラン化合物を酸、塩基を触媒成分として、ポリシロキサンを合成する際に、加水分解、縮合条件を調整して、末端に加水分解性のシリルを残す方法、末端クロロ基含有ポリシロキサンに、加水分解性シリルを含むクロロシランを反応させる方法等がある。
(α)水酸基などの官能基を有するオキシアルキレン系重合体にオレフィン基を導入した後に、一般式(102)で表されるヒドロシリル化合物を反応させる方法。
HSiXaR2 3-a (102)
(式中R2、X、aは前記に同じ)
ここでオレフィン基を導入する方法としては、不飽和基及び水酸基と反応しうる官能基を併有する化合物をオキシアルキレン系重合体の水酸基に反応させて、エーテル結合、エステル結合、ウレタン結合、カーボネート結合などにより結合させる方法、あるいはアルキレンオキシドを重合する際に、アリルグリシジルエーテルなどのオレフィン基含有エポキシ化合物を添加して共重合させることによりオレフィン基を導入する方法などが挙げられる。
(R2-)3-aSiXa-R3NCO (103)
(式中R2、X、aは前記に同じ。R3は炭素数1~17の2価の炭化水素基。)
(R2-)3-aSiXa-R3W (104)
(式中R2、R3、X、aは前記に同じ。Wは水酸基、カルボキシル基、メルカプト基およびアミノ基(1級または2級)から選ばれた活性水素含有基。)
1)炭化水素系重合体
特に限定はないが、上記(α)と同じように、炭化水素系重合体にオレフィン基を導入した後、一般式(102)で表わされるヒドロシリル化合物を反応させる方法で導入することが、導入収率、反応の簡便さで好ましい。
特開2004-210858号公報段落[0102]~[0112]記載の方法が挙げられる。これらの方法の中でも制御がより容易である点から、架橋性シリル基を持つヒドロシラン化合物によるヒドロシリル化反応により、末端アルケニル基を有する重合体のアルケニル基を架橋性シリル基に変換する方法により製造されたものであることが好ましい。
本発明において使用する液状硬化性組成物には、速く硬化させたり、充分な性状の硬化物を得たりするために開始剤(C)を使用するのが好ましい。開始剤(C)としては、特に限定はないが、光重合開始剤、熱重合開始剤、レドックス系開始剤等が挙げられる。なお、光重合開始剤、熱重合開始剤、レドックス系開始剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として使用してもよいが、混合物として使用する場合には、各種開始剤の使用量は、後述のそれぞれの範囲内にあることが好ましい。
本発明において使用する液状硬化性組成物には、特に限定されないが、硬化触媒(D)を使用するのが好ましい。本発明で使用される加水分解性シリル基を平均して少なくとも一個有する化合物(A)は、従来公知の各種縮合触媒(硬化触媒、「硬化剤」と言うこともある)の存在下、あるいは非存在下にシロキサン結合を形成することにより架橋、硬化する。硬化物の性状としては、重合体の分子量と主鎖骨格に応じて、ゴム状のものから樹脂状のものまで幅広く作製することができる。
このような縮合触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジエチルヘキサノエート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジメチルマレート、ジブチル錫ジエチルマレート、ジブチル錫ジブチルマレート、ジブチル錫ジイソオクチルマレート、ジブチル錫ジトリデシルマレート、ジブチル錫ジベンジルマレート、ジブチル錫マレエート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジエチルマレート、ジオクチル錫ジイソオクチルマレート等のジアルキル錫ジカルボキシレート類、例えば、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチル錫ジフェノキシド等のジアルキル錫アルコキサイド類、例えば、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫ジエチルアセトアセテートなどのジアルキル錫の分子内配位性誘導体類、例えば、ジブチル錫オキサイドやジオクチル錫オキサイド等のジアルキル錫オキサイドと例えば、ジオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、メチルマレエート等のエステル化合物との反応物、ジアルキル錫オキサイド、カルボン酸およびアルコール化合物を反応させて得られる錫化合物、例えば、ジブチル錫ビストリエトキシシリケート、ジオクチル錫ビストリエトキシシリケート等のジアルキル錫オキサイドとシリケート化合物との反応物、およびこれらジアルキル錫化合物のオキシ誘導体(スタノキサン化合物)等の4価の錫化合物類;例えば、オクチル酸錫、ナフテン酸錫、ステアリン酸錫、フェルザチック酸錫等の2価の錫化合物類、あるいはこれらと後述のラウリルアミン等のアミン系化合物との反応物および混合物;例えば、モノブチル錫トリスオクトエートやモノブチル錫トリイソプロポキシド等のモノブチル錫化合物やモノオクチル錫化合物等のモノアルキル錫類;例えば、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラ(2-エチルヘキシル)チタネート、イソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)等のチタン酸エステル類;アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジ-イソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等の有機アルミニウム化合物類;カルボン酸ビスマス、カルボン酸鉄、カルボン酸チタニウム、カルボン酸鉛、カルボン酸バナジウム、カルボン酸ジルコニウム、カルボン酸カルシウム、カルボン酸カリウム、カルボン酸バリウム、カルボン酸マンガン、カルボン酸セリウム、カルボン酸ニッケル、カルボン酸コバルト、カルボン酸亜鉛、カルボン酸アルミニウム等のカルボン酸(2-エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、バーサチック酸、オレイン酸、ナフテン酸等)金属塩、あるいはこれらと後述のラウリルアミン等のアミン系化合物との反応物および混合物;ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトナート、ジブトキシジルコニウムジアセチルアセトナート、ジルコニウムアセチルアセトナートビス(エチルアセトアセテート)、チタンテトラアセチルアセトナート等のキレート化合物類;メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、2-エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂肪族第一アミン類;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジオクチルアミン、ジ(2-エチルヘキシル)アミン、ジデシルアミン、ジラウリルアミン、ジセチルアミン、ジステアリルアミン、メチルステアリルアミン、エチルステアリルアミン、ブチルステアリルアミン等の脂肪族第二アミン類;トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン等の脂肪族第三アミン類;トリアリルアミン、オレイルアミン、などの脂肪族不飽和アミン類;ラウリルアニリン、ステアリルアニリン、トリフェニルアミン等の芳香族アミン類;および、その他のアミン類として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N-メチルモルホリン、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7(DBU)等のアミン系化合物、あるいはこれらのアミン系化合物のカルボン酸等との塩;ラウリルアミンとオクチル酸錫の反応物あるいは混合物のようなアミン系化合物と有機錫化合物との反応物および混合物;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物;γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-(β-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(β-アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-(β-アミノエチル)アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ-ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-ベンジル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-ビニルベンジル-γ-アミノプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。また、これらを変性した誘導体である、アミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコーン等のアミノ基を有するシランカップリング剤;等のシラノール縮合触媒、さらにはフェルザチック酸等の脂肪酸や有機酸性リン酸エステル化合物等他の酸性触媒、塩基性触媒等の公知のシラノール縮合触媒等が例示できる。
これらの触媒は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
本発明において使用する液状硬化性組成物においては、縮合触媒の活性をより高めるためにアミン化合物を加えても構わない。
アミン化合物としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、2-エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂肪族第一アミン類;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジオクチルアミン、ジ(2-エチルヘキシル)アミン、ジデシルアミン、ジラウリルアミン、ジセチルアミン、ジステアリルアミン、メチルステアリルアミン、エチルステアリルアミン、ブチルステアリルアミン等の脂肪族第二アミン類;トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン等の脂肪族第三アミン類;トリアリルアミン、オレイルアミン、などの脂肪族不飽和アミン類;ラウリルアニリン、ステアリルアニリン、トリフェニルアミン等の芳香族アミン類;および、その他のアミン類として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N-メチルモルホリン、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7(DBU)等のアミン系化合物、ポリアミン化合物、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-(β-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(β-アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-(β-アミノエチル)アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ-ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-ベンジル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-ビニルベンジル-γ-アミノプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。また、これらを変性した誘導体である、アミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコーン等のアミノ基を有するシランカップリング剤等のアミノ基を有するアミノシラン系化合物;等が挙げられるが、例示物質に限定されるものではない。また、アミノシラン系化合物の中では、メトキシ基、エトキシ基等が加水分解速度の点から好ましい。加水分解性基の個数は、2個以上、特に3個以上が好ましい。これらのアミン化合物は、1種類のみで使用しても良いし、2種類以上混合使用しても良い。
特に、ジフェニルジメトキシシランやジフェニルジエトキシシランは、低コストであり、入手が容易であるために最も好ましい。
本発明において使用する液状硬化性組成物においては、目的とする物性に応じて、各種の配合剤を添加しても構わない。
本発明において使用する液状硬化性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲でモノマー及び/又はオリゴマー(E)を添加することができる。ラジカル重合性の基を有する、モノマー及び/又はオリゴマー、あるいは、アニオン重合性の基を有する、モノマー及び/又はオリゴマーが、硬化性の点から好ましい。
充填材としては、特に限定されないが特開2005-232419号公報段落[0158]記載の充填材が挙げられる。これら充填材のうちでは、結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク等が好ましい。特に、これら充填材で強度の高い硬化物を得たい場合には、主に結晶性シリカ、溶融シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、カーボンブラック、表面処理微細炭酸カルシウム、焼成クレー、クレー及び活性亜鉛華等から選ばれる充填材を添加できる。なかでも、比表面積(BET吸着法による)が50m2/g以上、通常50~400m2/g、好ましくは100~300m2/g程度の超微粉末状のシリカが好ましい。またその表面が、オルガノシランやオルガノシラザン、ジオルガノポリシロキサン等の有機ケイ素化合物で予め疎水処理されたシリカが更に好ましい。
表面処理炭酸カルシウムを用いた場合、表面処理していない炭酸カルシウムを用いた場合に比較して、本発明において使用する液状硬化性組成物の作業性を改善し、該液状硬化性組成物の貯蔵安定性効果がより向上すると考えられる。
物性の大きな低下を起こすことなく軽量化、低コスト化を図ることを目的として、微小中空粒子をこれら補強性充填材に併用して添加することができる。このような微小中空粒子(以下において、「バルーン」と称することがある。)には、特に限定はされないが、「機能性フィラーの最新技術」(CMC)に記載されているように、直径が1mm以下、好ましくは500μm以下、更に好ましくは200μm以下の無機質あるいは有機質の材料で構成された中空体(無機系バルーンや有機系バルーン)が挙げられる。特に、真比重が1.0g/cm3以下である微小中空体を用いることが好ましく、更には0.5g/cm3以下である微小中空体を用いることが好ましい。
本発明において使用する液状硬化性組成物には、各種酸化防止剤を必要に応じて用いてもよい。これらの酸化防止剤としては、p-フェニレンジアミン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤や、二次酸化防止剤としてリン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられる。
本発明において使用する液状硬化性組成物には、必要に応じて可塑剤を配合することができる。
可塑剤としては特に限定されないが、物性の調整、性状の調節等の目的により、例えば、特開2005-232419号公報段落[0173]記載の可塑剤が挙げられる。これらの中では、粘度の低減効果が顕著であり、耐熱性試験時における揮散率が低いという点から、ポリエステル系可塑剤、ビニル系重合体が好ましい。また、数平均分子量500~15000の重合体である高分子可塑剤が、添加することにより、該液状硬化性組成物の粘度及び該液状硬化性組成物を硬化して得られる硬化物の引張り強度、伸び等の機械特性が調整できるとともに、重合体成分を分子中に含まない可塑剤である低分子可塑剤を使用した場合に比較して、初期の物性を長期にわたり維持できるため好適である。なお、限定はされないがこの高分子可塑剤は、官能基を有しても有しなくても構わない。
上記高分子可塑剤を含む可塑剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよいが、必ずしも必要とするものではない。また必要によっては高分子可塑剤を用い、物性に悪影響を与えない範囲で低分子可塑剤を更に併用しても良い。
なおこれら可塑剤は、重合体製造時に配合することも可能である。
可塑剤を用いる場合の使用量は、限定されないが、(A)成分および(B)成分合計100重量部に対して、好ましくは1~100重量部、より好ましくは5~50重量部である。1重量部未満では可塑剤としての効果が発現しにくい傾向があり、100重量部を越えると硬化物の機械強度が不足する傾向がある。
上記可塑剤以外に、本発明において使用する液状硬化性組成物には、次に述べる反応性希釈剤を用いても構わない。反応性希釈剤として、硬化養生中に揮発し得るような低沸点の化合物を用いた場合は、硬化前後で形状変化を起こしたり、揮発物により環境にも悪影響を及ぼしたりすることから、常温での沸点が100℃以上である有機化合物が特に好ましい。
反応性希釈剤の具体例としては、1-オクテン、4-ビニルシクロヘキセン、酢酸アリル、1,1-ジアセトキシ-2-プロペン、1-ウンデセン酸メチル、8-アセトキシ-1,6-オクタジエン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
反応性希釈剤の添加量は、(A)成分および(B)成分合計100重量部に対し、好ましくは0.1~100重量部、より好ましくは0.5~70重量部、さらに好ましくは1~50重量部である。
本発明において使用する液状硬化性組成物には、必要に応じて光安定剤を添加しても良い。光安定剤は各種のものが知られており、例えば大成社発行の「酸化防止剤ハンドブック」、シーエムシー化学発行の「高分子材料の劣化と安定化」(235~242)等に記載された種々のものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
本発明において使用する液状硬化性組成物にさらに基材接着性を向上させる目的で接着性付与剤を添加することができる、接着性付与剤としては、架橋性シリル基含有化合物、極性基を有するビニル系単量体が好ましく、更にはシランカップリング剤、酸性基含有ビニル系単量体が好ましい。これらを具体的に例示すると、特開2005-232419号公報段落[0184]記載の接着性付与剤が挙げられる。
上記接着性付与剤は1種類のみで使用しても良いし、2種類以上混合使用しても良い。
本発明において使用する液状硬化性組成物には、必要に応じて溶剤を配合することができる。配合できる溶剤としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸セロソルブ等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン系溶剤等が挙げられる。これらの溶剤は重合体の製造時に用いてもよい。
本発明において使用する液状硬化性組成物には、液状硬化性組成物又はその硬化物の諸物性の調整を目的として、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。このような添加物の例としては、たとえば、難燃剤、老化防止剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤、などがあげられる。これらの各種添加剤は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。このような添加物の具体例は、たとえば、特公平4-69659号公報、特公平7-108928号公報、特開昭63-254149号公報、特開昭64-22904号公報の各明細書などに記載されている。
本発明において使用する液状硬化性組成物は、全ての配合成分を予め配合密封した1液型として調製でき、また、開始剤だけを抜いたA液と、開始剤を充填材、可塑剤、溶剤等と混合したB液を成形直前に混合する2液型としても調製できる。
硬化方法は、2種類の硬化方法を順次実施することは、冒頭の記載にあるが、ゲル物を得るための硬化およびその後の完全硬化の各々の硬化手法は下記の方法で行うが、当該液状硬化性組成物を硬化させる方法としては、特に限定されない。
また、本発明において使用する液状硬化性組成物は、湿分硬化とともに、開始剤(C)の種類に応じて、光硬化、加熱硬化、又は、室温硬化により硬化させることができる。(C)成分として2種以上の混合物を使用する場合には、開始剤の種類に応じて硬化条件を適宜組み合わせる。本発明において使用する液状硬化性組成物は、2種以上の開始剤を併用することにより、光硬化と加熱硬化、又は、光硬化と室温硬化の組み合わせで硬化させることができるので、光によって速硬化するとともに、光の当らない部分についても未硬化にならない。
1H-NMRはBruker社製ASX-400(400MHz)を使用し、溶媒として重クロロホルムを用いて23℃にて測定した。
下記実施例中、「平均末端架橋性シリル基または(メタ)アクリロイル基数」は、「重合体1分子当たりに導入された架橋性シリル基数、(メタ)アクリロイル基数」であり、1H-NMR分析及びGPCにより求められた数平均分子量より算出した。
なお、下記実施例及び比較例中の「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を表す。
(製造例1、2)
各原料の使用量を表1に示す。
アクリル酸エステル(予め混合されたアクリル酸エステル)を脱酸素した。攪拌機付ステンレス製反応容器の内部を脱酸素し、臭化第一銅、全アクリル酸エステルの一部(表1では初期仕込みモノマーとして記載)を仕込み、加熱攪拌した。アセトニトリル(表1では重合用アセトニトリルと記載)、開始剤としてジエチル-2,5-ジブロモアジペート(DBAE)または2-ブロモブチル酸エチルを添加、混合し、混合液の温度を約80℃に調節した段階でペンタメチルジエチレントリアミン(以下、トリアミンと略す)を添加し、重合反応を開始した。残りのアクリル酸エステル(表1では追加モノマーとして記載)を逐次添加し、重合反応を進めた。重合途中、適宜トリアミンを追加し、重合速度を調整した。重合時に使用したトリアミンの総量を重合用トリアミンとして表1に示す。重合が進行すると重合熱により内温が上昇するので内温を約80℃~約90℃に調整しながら重合を進行させた。
モノマー転化率(重合反応率)が約95%以上の時点で反応容器気相部に酸素-窒素混合ガスを導入した。内温を約80℃~約90℃に保ちながらしながら反応液を数時間加熱攪拌して反応液中の重合触媒と酸素を接触させた。アセトニトリル及び未反応のモノマーを減圧脱揮して除去し、重合体を含有する濃縮物を得た。濃縮物は著しく着色していた。
酢酸ブチルを重合体の希釈溶媒として使用した。重合体100kgに対して100~150kg程度の酢酸ブチルで「(2)酸素処理工程」の濃縮物を希釈し、ろ過助剤(ラジオライトR900、昭和化学工業(株)製)および/または吸着剤(キョーワード700SEN、キョーワード500SH)を添加した。反応容器気相部に酸素-窒素混合ガスを導入した後、約80℃で数時間加熱攪拌した。不溶な触媒成分をろ過除去した。ろ液は重合触媒残渣によって着色および若干の濁りを有していた。
ろ液を攪拌機付ステンレス製反応容器に仕込み、吸着剤(キョーワード700SEN、キョーワード500SH)を添加した。気相部に酸素-窒素混合ガスを導入して約100℃で数時間加熱攪拌した後、吸着剤等の不溶成分をろ過除去した。ろ液はほとんど無色透明な清澄液であった。ろ液を濃縮し、ほぼ無色透明の重合体を得た。
重合体100kgをN,N-ジメチルアセトアミド(DMAC)約100kgに溶解し、アクリル酸カリウム(末端Br基に対して約2モル当量)、熱安定剤(H-TEMPO:4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-n-オキシル)、吸着剤(キョーワード700SEN)、を添加し、約70℃で数時間加熱攪拌した。DMACを減圧留去し、重合体濃縮物を重合体100kgに対して約100kgのトルエンで希釈し、ろ過助剤を添加して固形分をろ別し、ろ液を濃縮し、末端にアクリロイル基を有する重合体[P1](製造例1)、[P2](製造例2)を得た。得られた重合体の1分子あたりに導入されたアクリロイル基数、数平均分子量、分子量分布を併せて表1に示す。
(製造例3)
各原料の使用量を表2に示す。
アクリル酸エステル(共重合する場合には予め所定量混合されたアクリル酸エステル)を脱酸素した。攪拌機付ステンレス製反応容器の内部を脱酸素し、臭化第一銅、全アクリル酸エステルの一部(表2では初期仕込みモノマーとして記載)を仕込み、加熱攪拌した。アセトニトリル(表2では重合用アセトニトリルと記載)、開始剤としてジエチル-2,5-ジブロモアジペートを添加、混合し、混合液の温度を約80℃に調節した段階でペンタメチルジエチレントリアミン(以下、トリアミンと略す)を添加し、重合反応を開始した。残りのアクリル酸エステル(表2では追加用モノマーとして記載)を逐次添加し、重合反応を進めた。重合途中、適宜トリアミンを追加し、重合速度を調整した。重合時に使用したトリアミンの総量を重合用トリアミンとして表2に示す。重合が進行すると重合熱により内温が上昇するので内温を約80℃~約90℃に調整しながら重合を進行させた。
モノマー転化率(重合反応率)が約95%以上の時点で揮発分を減圧脱揮して除去し、重合体濃縮物を得た。
上記重合体濃縮物に1,7-オクタジエン(以下ジエン若しくはオクタジエンと略す)、アセトニトリル(表2ではジエン反応用アセトニトリルと記載)を添加し、トリアミン(表2ではジエン反応用トリアミンと記載)を追加した。内温を約80℃~約90℃に調節しながら数時間加熱攪拌させて、重合体末端にオクタジエンを反応させた。アセトニトリル及び未反応のオクタジエンを減圧脱揮して除去し、末端にアルケニル基を有する重合体を含有する濃縮物を得た。
上記「(2)ジエン反応工程」で得た濃縮物をトルエンで希釈し、ろ過助剤、吸着剤(キョーワード700SEN:協和化学工業(株)製)、ハイドロタルサイト(キョーワード500SH:協和化学工業(株)製)を添加し、80~100℃程度に加熱攪拌した後、固形成分をろ別した。ろ液を濃縮し、重合体粗精製物を得た。
上記重合体粗精製物、熱安定剤(スミライザーGS:住友化学(株)製)、吸着剤(キョーワード700SEN、キョーワード500SH)を添加し、減圧脱揮、加熱攪拌しながら昇温し、約170℃~約200℃の高温状態で数時間程度加熱攪拌、減圧脱揮を行った。吸着剤(キョーワード700SEN、キョーワード500SH)、を追加し、重合体に対して約10重量部のトルエンを添加し、約170℃~約200℃の高温状態で更に数時間程度加熱攪拌した。
処理液を更にトルエンで希釈し、吸着剤をろ別した。ろ液を濃縮し、両末端にアルケニル基を有する重合体を得た。
上記「(4)高温加熱処理・吸着精製工程」において得られた重合体、メチルジメトキシシラン(DMS)、オルト蟻酸メチル(MOF)、白金触媒[ビス(1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒のイソプロパノール溶液:以下白金触媒という]を所定量混合し、約100℃に加熱攪拌した。1時間程度加熱攪拌後、未反応のDMS等の揮発分を減圧留去し、両末端にメトキシシリル基を有する重合体[P3]を得た。得られた重合体の1分子あたりに導入されたシリル基数、分子量、分子量分布を併せて表2に示す。
(A)成分として製造例1、2で得られた重合体[P1]20部、[P2]40部、(B)成分として製造例3で得られた重合体[P3]40部、IBXA(イソボルニルアクリレート、共栄社化学製)10部、FA-513M(ジシクロペンタニルメタクリレ-ト、日立化成工業製)14部(C)成分として、DAROCUR1173(2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-プロパン-1-オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製))0.6部と、TPO(2,4,6-トリメチルベンゾイル-フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製))0.3部、SILQUESTA171(ビニルトリメトキシシラン;モメンティブ製)6部、KBM-5103(トリメトキシシリルプロピルオキシアクリレート、信越化学工業製)1部、更に、[P3]の硬化触媒として2-エチルへキシルアシッドフォスフェート(AP-8、第八化学工業(株)製)0.33部、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]-7-ウンデセン0.02部充分撹拌混合して液状硬化性組成物を調製した。
配合例1で得られた液状硬化性組成物5kgを減圧可能な10L容量のタンクに充填した後、50~200Paの減圧状態で10分間脱泡処理を行った。脱泡した液状硬化性組成物1kgを、50Paに減圧した、充填側接続部と吐出側接続部を長さ方向両端部に備えた柔軟性、伸縮性のある吐出装置用容器(アルミバック、合成樹脂とアルミ箔の積層体、厚み約0.2mm)に、充填側接続部から空隙のない状態で充填し、密閉した(尚、液状硬化性組成物が充填されたアルミバックは、図5中の符号1で示される吐出装置用容器の構造を有するものとした。)。
(1)ディスペンス操作
吐出装置(ディスペンス装置)の制御装置として、ME-5000VT(武蔵エンジニアリング(株)製)を用い、実施例1にて調製した液状硬化性組成物が充填されたアルミバックを図8に示す容器支持具を用いて吐出側接続部が垂直(鉛直)方向下側になるように加圧用容器内に配し、密閉した。この際、吐出側接続部は送液チューブと連通するように接続され、送液チューブは加圧用容器の液側接続部と接続された状態であった(加圧用容器内の状態は図7に準じたものとした。)。吐出バルブとして、ダイヤフラム式ディスペンス用バルブPCV-12(武蔵エンジニアリング(株)製)を用い、吐出バルブと加圧用容器の液側接続部との間に空気(エアー)抜き用の切替弁(3方コック)を設置し、シリコーンチューブで連結して、ディスペンス装置を構成した(吐出装置全体の構成は、図7に準じたものとした。)。
その後、図9(a)に示す塗工パターンで部材に塗布(ディスペンス)して、塗布された液状樹脂組成物に気泡の発生(泡噛み)がないことを目視にて確認した。さらに、デジタルマイクロスコープとしてVHX-100(株式会社キーエンス製)を用いて30μm以上の気泡がないことを確認した。また、液状硬化性組成物の塗布時の事前脱泡を必要としないことから、ディスペンス中のゲル化、増粘は観察されなかった。さらに、液状硬化性組成物が吐出できなくなった時点でアルミバック内に残留した液状硬化性組成物の重量を測定したところ、約35gであった。
上記(1)の吐出装置を用い、図9(b)の塗工パターンで、液状硬化性組成物の膜厚が100μmになるように、ガラス(サイズ100×200×1(厚み)mm)にディスペンスを行い、このガラスの液状硬化性組成物が塗布された側に同サイズのガラスを泡なく貼り合わせた後、コンベアー式のUV照射装置(ライトハンマー6;Fusion UV system、積算光量6000mJ/cm2)にてガラス間の液状硬化性組成物を硬化させた。その後、23℃×55%R.H.で7日間静置後の状態を確認した結果、泡の発生等の不具合はなく良好であった。
吐出側接続部が垂直(鉛直)方向上側になるようにアルミバックを加圧用容器内に配した点と、図10に示す加圧容器部分の構成を採用したことを除き、実施例2と同様にして、ディスペンス操作を行った。塗布された液状樹脂組成物に気泡の発生(泡噛み)がないことを目視にて確認した。さらに、デジタルマイクロスコープとしてVHX-100(株式会社キーエンス製)を用いて30μm以上の気泡がないことを確認した。また、液状硬化性組成物の塗布時の事前脱泡を必要としないことから、ディスペン中のゲル化、増粘は観察されなかった。さらに、液状硬化性組成物が吐出できなくなった時点でアルミバック内に残留した液状硬化性組成物の重量を測定したところ、約500gであった。
尚、図10の構成を簡単に説明すると、この構成は、図7に示す吐出装置のうち、吐出装置用容器1、容器支持具8、送液チューブ19を、図1に示す吐出装置用容器101、容器支持具108、送液チューブ119に変更したものである。
実施例2と同様のサイズのガラスに実施例2の(1)と同様の方法で液状硬化性組成物を塗布した後、このガラス(ガラス基材)の液状硬化性組成物が塗布された側に同サイズのタッチセンサー(ITOガラス)に貼り合せ、硬化させて、貼り合せサンプルを得た。更に、得られた上記貼り合せサンプルのガラス基材の表面に、実施例2の(1)と同様の方法で液状硬化性組成物を塗布し、それをベセル付きの液晶モジュール(サイズ100×200mm)に貼り合せて、硬化させて、ディスプレイを得た。得られたディスプレイは泡混入等の不具合は無かった。
配合例1の液状硬化性組成物を図11(図7と共通の構成については同じ符号を付した)に示す加圧容器46に直接充填し、100Paで10分間減圧脱泡を行い、エアーにより液状硬化性組成物(図11中、符号A)を直接加圧して、液状硬化性組成物に浸漬させて配された送液管47を介して吐出バルブ21に送液、実施例2と同様の方法で、ディスペンス時の泡噛みの状況を確認した結果、100μm~1mm程度の泡の発生が確認された(送液される樹脂には、ゲル化、目立った増粘は見られなかった。)。
脱泡時間を45分にした以外は、比較例1と同様の方法で、ディスペンス時の泡噛みの程度、送液時の液状樹脂の状態を確認した。その結果、ディスペンス時、貼り合わせサンプルに泡の発生はなかったが、タンクの残存樹脂の一部にゲル化、送液チューブ中の樹脂液に顕著な増粘が見られた。
吐出装置用容器として、1つの接続部のみを有するアルミバッグを用い、液状硬化性組成物の充填と吐出を同じ接続部から行った以外は実施例1、2と同様の操作を行った。充填時の液状硬化性組成物の残渣が湿分硬化したものが、ディスペン時に貼り合せサンプルに混入し、異物として残存すると共に、その周辺に気泡が混入するという問題が生じた。また、吐出バルブのダイヤフラム式バルブ先端のニードルが閉塞し、ディスペンス効率も低下するという問題も発生した。
実施例2と実施例3との比較から、吐出側接続部を垂直方向下側にした実施例2は、垂直方向上側にした実施例3よりも吐出装置用容器(アルミバック)内の液状硬化性組成物の残量を低減し、より効率よく内容物を吐出した。
2 シート状成形体
3、103 充填側接続部
4、104、170 吐出側接続部
5、105 充填側封止部
5'、155、160、180 吐出側封止部
6、6' 腕部
7、7'、107 中空部
8、108 容器支持具
9、109 接続部
10 ブレンドタンク
11、12 バルブ
13 配管
14 計量器
15 加圧用容器
16、116 台座
17 送液路
18 送液側接続部
19、119 送液チューブ
20 蓋部
21 吐出バルブ
22 液溜め部
23 切替弁
24 加圧側接続部
25 電磁弁
26 供給源
27、28 配管
29 ディスペンスバルブ
30 塗工ヘッド
31 ニードル
32 ピストン
33 空間a
34 空間b
35、36 配管
37 圧力制御手段
38 吐出制御手段
39 吐出口
40 部材
41 アーチ部
42 フック部
43 バネ
44、144 フランジ部
45、145 開口部
46 加圧容器
47 送液管
151 スリット
152 突起部
153 リップ面
154 弁本体
156 内空部
157 翼部
158 胴部
159 開口部
161 スリット
162 突起部
163 弁本体
166 内空部
171 外套管
172 開口
173 突起部
174 翼部
175 中空部
176 テーパー面
177 胴部
178 突起部
179 開口部
181 弁体
182 バネ
183 周縁部
184 突起部
A 液状硬化性組成物
B 充填装置
C 吐出装置
Claims (12)
- 液状硬化性組成物が充填された外部からの押圧力により変形可能な吐出装置用容器であって、その長手方向の一端側に、吐出装置に連結可能な吐出側接続部と該吐出側接続部を開閉自在に封止可能な吐出側封止部とを備え、かつ、前記吐出側接続部とは別に液状硬化性組成物を気密状態で充填するための充填側接続部と該充填側接続部を開閉自在に封止可能な充填側封止部とを備える、液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器。
- 前記吐出装置用容器が、合成樹脂含有シート状成形体から構成された請求項1記載の液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器。
- 前記の合成樹脂含有シート状成形体の厚みが0.05~0.5mmである請求項2記載の液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器。
- 前記充填側接続部が、吐出装置用容器の長手方向で吐出側接続部とは反対側の他端側に形成された請求項1~3の何れかに記載の液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器。
- 前記液状硬化性組成物が、湿分硬化性及び/又は活性エネルギー線硬化性を有する組成物である請求項1~4の何れかに記載の液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器。
- 請求項1~5の何れかに記載の液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器の製造方法であって、前記充填側接続部を介して、予め脱泡処理した液状硬化性組成物を気密状態で前記吐出装置用容器内に充填した後、前記充填側接続部を前記充填側封止部により封止する、液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器の製造方法。
- 加圧用容器と、
前記充填側接続部の前記充填側封止部が閉じた状態で、かつ前記吐出側接続部の前記吐出封止部が開いた状態で、前記加圧用容器に配された請求項1~5の何れかに記載の液状硬化性組成物が充填された吐出装置用容器と、
前記吐出装置用容器の内部と前記吐出側接続部を介して連通する吐出バルブと、
前記吐出装置用容器の外部から押圧力を負荷する加圧手段とを備える液状硬化性組成物の吐出装置。 - 前記吐出側接続部が前記吐出装置用容器において鉛直方向下側に位置するように、前記吐出装置用容器が前記加圧用容器に配された請求項7記載の液状硬化性組成物の吐出装置。
- 前記加圧手段が、加圧流体である請求項7又は8記載の液状硬化性組成物の吐出装置。
- 前記加圧手段により負荷される前記加圧用容器内部の圧力に基づいて、前記吐出装置用容器からの液状硬化性組成物の排出量を制御する圧力制御手段を備える請求項9記載の液状硬化性組成物の吐出装置。
- 前記吐出装置用容器から送液された液状硬化性組成の前記吐出バルブからの吐出量を制御する吐出制御手段をさらに備える請求項7~10のいずれかに記載の液状硬化性組成物の吐出装置。
- 請求項7~11のいずれかに記載の液状硬化性組成物の吐出装置を用いて、保護部材もしくは機能性保護部材、及び/又は、表示モジュールに液状硬化性組成物を塗布し、前記保護部材または前記機能性保護部材と、前記表示モジュールとを前記液状硬化性組成物を介して貼り合わせ、該液状硬化性組成物を硬化させて得られる表示装置。
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