WO2012057136A1 - 通信システムおよび重畳装置 - Google Patents

Abstract

　通信システムは、それぞれ伝送路に接続され端未情報を有する複数の第１端末機器と、前記伝送路に接続され前記第１端末機器に前記端未情報を要求する情報要求を送る第２端末機器と、前記第１端末機器と前記伝送路との間に介在される第１重畳装置と、前記第２端末機器と前記伝送路との間に介在され前記第２端末機器から前記情報要求を受け取る第２重畳装置と、を備える。前記第１重畳装置は、自身に接続された前記第１端末機器から前記端末情報を所定のタイミングで取得して記憶する。前記第２重畳装置は、前記情報要求を受け取ると前記伝送路を通る前記伝送信号に重畳される重畳信号を利用して前記第１重畳装置に送信する。前記第１重畳装置は、前記情報要求を受け取ると、記憶している前記端未情報を前記重畳信号を利用して前記第２重畳装置に送信する。前記第２重畳装置は、前記端未情報を受け取ると、受け取った前記端未情報を前記第２端末機器に与える。

Description

通信システムおよび重畳装置

　本発明は、通信システムおよび重畳装置に関し、特に繰り返し伝送される伝送信号を用いた第１プロトコルの通信と伝送路を共用し、伝送信号のうち定められた重畳可能期間に重畳される重畳信号を伝送する第２プロトコルの通信を用いて端末機器同士が端末情報を授受する通信システムおよび重畳装置に関する。

　従来から、伝送路に対して伝送ユニット（親機）および複数台の通信装置（子機）が接続され、各通信装置と伝送ユニットとの間で通信を行う通信システムが広く普及している。この種の通信システムの一例として、伝送ユニットが定期的に通信装置の状態を監視し、通信装置の状態に変化があった場合、その状態変化に対応する処理を行うように伝送ユニットから他の通信装置に信号を送るシステムがある（たとえば日本国特許公報第１１８０６９０号、日本国特許公報第１１９５３６２号、日本国特許公報第１１４４４７７号参照）。

　ただし、上記構成の通信システムは、通信装置同士が常に伝送ユニットを経由して通信を行い、伝送ユニットが通信装置に対してポーリングを行うため通信速度が遅く、たとえばアナログ量のように比較的データ量の多い情報の伝送には不向きである。さらに、上記通信システムは、伝送ユニットの故障時などにシステム全体が停止してしまうため、システムとしての信頼性が低いという問題もある。

　そこで、伝送ユニットを介して通信装置同士が通信を行う既設の通信システムと、通信装置同士がピア・ツー・ピア（Ｐ２Ｐ）で直接通信を行う通信システムとを混在させた通信システムが提案されている（たとえば日本国公開特許公報第２００９－２２５３２８号参照）。この通信システムにおいては、伝送ユニット（親機）を介して通信する第１通信装置（第１通信端末）と、互いに直接通信する第２通信装置（第２通信端末）とが伝送路を共用するので、既設の通信システムに第２通信装置を容易に増設することができる。

　第１通信装置は伝送ユニットから伝送路に繰り返し送出される伝送信号（第１プロトコルの信号）を用いた第１プロトコルの通信を行い、第２通信装置は伝送信号に重畳される重畳信号（第２プロトコルの信号）を用いた第２プロトコルの通信を行う。重畳信号は、伝送信号のうち所定の重畳可能期間に重畳される。

　この種の通信システムの例として、伝送路に対し第２通信装置を介して接続された端末機器を備えたシステムが提案されている（図１参照）。この通信システムは、伝送ユニット１が接続された伝送路２に対し、第２通信装置となる上位重畳装置３、下位重畳装置４１，４２，４３のそれぞれを介して接続された上位端末機器５と下位端末機器６１，６２，６３との２種類の端末機器を備えている。上位端末機器５は、上位重畳装置３とは別経路でも伝送路２に接続されている。以下、下位重畳装置４１，４２，４３を区別しないときにはこれらをまとめて下位重畳装置４と呼び、下位端末機器６１，６２，６３を区別しないときにはこれらをまとめて下位端末機器６と呼ぶ。

　上記通信システムでは、上位重畳装置３－下位重畳装置４間で行われる第２プロトコルの通信により、上位端末機器５－下位端末機器６間で端末情報が授受される。ここでいう端末情報は、たとえば下位端末機器６で計測される電気機器の消費電力などである。すなわち、下位端末機器６から上位端末機器５に端末情報を送る場合、下位重畳装置４は下位端末機器６が出力する端末情報を重畳信号に変換して伝送路２に送出し、上位重畳装置３は伝送路２から受信した重畳信号を端末情報に変換して上位端末機器５に出力する。

　このように第１プロトコルの通信と第２プロトコルの通信とが混在する通信システムでは、下位重畳装置４を増設することによって下位端末機器６の台数を大幅に増加することも可能になる。

　しかし、上述の通信システムでは、上位重畳装置３－下位重畳装置４間の通信は重畳信号を用いたシリアル通信であるため、上位端末機器５が複数台の下位端末機器６から端末情報を収集する場合、端末情報に下位端末機器６間でタイムラグが生じることがある。

　すなわち、上位端末機器５は、複数台の下位端末機器６から１台ずつ端末情報を取得するが、上位重畳装置３－下位重畳装置４間の通信が伝送信号の所定の重畳可能期間のみに制限されているため、端末情報の取得に要する１台当りの時間が比較的長くなる。そのため、上位端末機器５が端末情報を取得するタイミングは、複数台の下位端末機器６１，６２，６３間で大きくばらつくことになる。したがって、上位端末機器５がある時刻における端末情報を取得しようとした場合でも、一の下位端末機器６１から取得された端末情報と、他の下位端末機器６３から取得された端末情報との間には比較的大きなタイムラグが生じる可能性がある。

　本発明は上記事由に鑑みて為されており、端末情報が取得されるタイミングのばらつきにより複数台の端末機器間で端末情報に生じるタイムラグを小さく抑えることができる通信システムおよび重畳装置を提供することを目的とする。

　本発明に係る通信システムの第１の形態は、それぞれ伝送路に接続され所定の端未情報を有する複数の第１端末機器と、前記伝送路に接続され前記第１端末機器に前記端未情報を要求する情報要求を送る第２端末機器と、前記第１端末機器と前記伝送路との間に介在される第１重畳装置と、前記第２端末機器と前記伝送路との間に介在され前記第２端末機器から前記情報要求を受け取る第２重畳装置と、を備える。前記第１重畳装置は、前記第１端末機器との接続に用いられる端末接続部と、前記伝送路に接続され前記伝送路を利用できる利用可能期間において前記第２重畳装置と通信する通信部と、前記端末接続部に接続された前記第１端末機器から前記端末情報を所定のタイミングで取得する情報取得部と、前記情報取得部によって取得された前記端末情報を記憶するバッファ部と、を有する。前記第２重畳装置は、前記第２端末機器から前記情報要求を受け取ると、前記利用可能期間において前記情報要求を前記第１重畳装置に送信するように構成される。前記情報取得部は、前記通信部を通じて前記情報要求を前記第２重畳装置から受け取ると、前記バッファ部から前記端未情報を取得して前記通信部を通じて前記第２重畳装置に送信するように構成される。前記第２重畳装置は、前記端未情報を受け取ると、前記端未情報を前記第２端末機器に与えるように構成される。

　本発明に係る通信システムの第２の形態では、第１の形態において、前記所定のタイミングは、前記伝送路を通じて前記通信部が受け取ったトリガによって決定される。

　本発明に係る通信システムの第３の形態では、第２の形態において、前記トリガは、前記情報要求である。

　本発明に係る通信システムの第４の形態は、第３の形態において、複数の前記第１重畳装置を備える。前記情報要求は、前記第２端末機器が前記端未情報を要求する前記第１端末機器を示す宛先情報を含む。前記情報取得部は、宛先判定処理と、取得判定処理と、第１応答処理と、第２応答処理と、第３応答処理と、を行うように構成される。前記情報取得部は、前記通信部を通じて前記情報要求を前記第２重畳装置から受け取ると前記宛先判定処理を行うように構成される。前記情報取得部は、前記宛先判定処理では、受け取った前記情報要求の前記宛先情報の示す前記第１端末機器に前記端末接続部に接続された前記第１端末機器が一致するか否かを判定するように構成される。前記情報取得部は、前記端末接続部に接続された前記第１端末機器が前記宛先情報の示す前記第１端末機器に一致すると前記宛先判定処理で判定すると前記取得判定処理を行い、前記端末接続部に接続された前記第１端末機器が前記宛先情報の示す前記第１端末機器に一致しないと前記宛先判定処理で判定すると前記第１応答処理を行うように構成される。前記情報取得部は、前記第１応答処理では、前記端末接続部に接続された前記第１端末機器から前記端末情報を取得するように構成される。前記情報取得部は、前記取得判定処理では、前記宛先情報が示す前記第１端末機器の前記端未情報が前記バッファ部に記憶されているか否かを判定するように構成される。前記情報取得部は、前記宛先情報が示す前記第１端末機器の前記端未情報が前記バッファ部に記憶されていると前記取得判定処理で判定すると前記第２応答処理を行い、前記宛先情報が示す前記第１端末機器の前記端未情報が前記バッファ部に記憶されていないと判定すると前記取得判定処理で前記第３応答処理を行うように構成される。前記情報取得部は、前記第２応答処理では、前記宛先情報が示す前記第１端末機器の前記端未情報が前記バッファ部から取得して前記通信部を通じて前記第２重畳装置に送信するように構成される。前記情報取得部は、前記第３応答処理では、前記端末接続部に接続された前記第１端末機器から前記端末情報を取得して前記通信部を通じて前記第２重畳装置に送信するように構成される。

　本発明に係る通信システムの第５の形態では、第４の形態において、前記第２端末機器は、前記第１端末機器に順番に前記情報要求を送る収集処理を行うように構成される。前記収集処理で送信される前記情報要求は共通の識別情報を含むように構成される。前記情報取得部は、受け取った前記情報要求の前記識別情報と同じ前記識別情報を含む前記情報要求を既に受け取っているか否かを判定する既得判定処理を行うように構成される。前記情報取得部は、受け取った前記情報要求の前記識別情報と同じ前記識別情報を含む前記情報要求を既に受け取っていると前記既得判定処理で判定すると前記第１応答処理を行わず、受け取った前記情報要求の前記識別情報と同じ前記識別情報を含む前記情報要求を既に受け取っていないと前記既得判定処理で判定すると前記第１応答処理を行うように構成される。

　本発明に係る通信システムの第６の形態では、第１～第５のうちいずれか１つの形態において、前記端末接続部には、複数の前記第１端末機器が接続される。前記情報取得部は、前記端末接続部に接続された前記複数の第１端末機器の各々から前記端末情報を前記所定のタイミングで取得するように構成される。

　本発明に係る通信システムの第７の形態で、第６の形態において、前記情報要求は、前記第２端末機器が前記端未情報を要求する前記第１端末機器を示す宛先情報を含むように構成される。前記情報取得部は、前記通信部を通じて前記情報要求を前記第２重畳装置から受け取ると、前記バッファ部から前記複数の第１端末機器それぞれの前記端未情報を取得して前記通信部を通じて前記第２重畳装置に送信するように構成される。前記第２重畳装置は、前記第１重畳装置から前記端未情報を受け取ると、受け取った前記端未情報を記憶し、記憶した前記端未情報から前記情報要求に含まれる前記宛先情報が示す前記第１端末機器に該当する前記端未情報を選択して前記第２端末機器に送信するように構成される。

　本発明に係る通信システムの第８の形態で、第１～第７の形態において、前記伝送路は、前記第１重畳装置と前記第２重畳装置との間の通信プロトコルとは異なる通信プロトコルに基づく伝送信号の伝送に用いられる。前記利用可能期間は、前記伝送信号において重畳信号を重畳できる期間である。前記通信部は、前記重畳信号により前記第２重畳装置と通信するように構成される。前記第２重畳装置は、前記重畳信号を利用して前記情報要求を前記第１重畳装置に送信するように構成される。

　本発明に係る重畳装置は、所定の端未情報を有する端末機器が接続される端末接続部と、伝送路に接続され、前記伝送路を利用できる利用可能期間において通信を行う通信部と、前記端末接続部に接続された前記端末機器から前記端末情報を所定のタイミングで取得する情報取得部と、前記情報取得部によって取得された前記端末情報を記憶するバッファ部と、を備える。前記情報取得部は、前記端末機器に前記端未情報を要求する情報要求を前記通信部を通じて受け取ると、前記バッファ部から前記端未情報を取得し、前記通信部を通じて前記端末情報を前記伝送路に送信するように構成される。

実施形態１の通信システムを示す概略図である。 上記実施形態１の通信システムの下位重畳装置を示すブロック図である。 上記実施形態１の通信システムの上位重畳装置を示すブロック図である。 上記実施形態１の通信システムが利用する伝送路を通過する伝送信号を示す波形図である。 上記実施形態１の通信システムの動作を示すフローチャートである。 上記実施形態１の通信システムの変形例の動作を示すフローチャートである。 実施形態２の通信システムを示す概略図である。 上記実施形態２の通信システムにおける上位重畳装置を示すブロック図である。 上記実施形態２の通信システムの動作を示すフローチャートである。 上記実施形態２の通信システムの動作を示すシーケンス図である。

　（実施形態１）
　本実施形態の通信システムは、図１に示すように、２線式の伝送路２に接続される伝送ユニット１を備えた通信システムである。

　この通信システムは、伝送路２に対し、第２通信装置となる上位重畳装置（第２重畳装置）３、下位重畳装置（第１重畳装置）４１，４２，４３のそれぞれを介して接続された上位端末機器（第２端末機器）５と下位端末機器（第１端末機器）６１，６２，６３との２種類の端末機器を備えている。上位端末機器５は、上位重畳装置３とは別経路でも伝送路２に接続されている。この通信システムでは、伝送ユニット１から伝送路２に送出される伝送信号と、伝送信号に重畳される重畳信号とを用いて通信が行われる。重畳信号は、伝送信号より周波数が高い信号である。伝送ユニット１と伝送路２との間には、重畳信号に対して高インピーダンスとなるインピーダンス整合モジュール７が挿入されている。

　以下では、下位重畳装置４１，４２，４３を区別しないときにはこれらをまとめて下位重畳装置４と呼び、下位重畳装置４１，４２，４３にそれぞれ接続された下位端末機器６１，６２，６３を区別しないときにはこれらをまとめて下位端末機器６と呼ぶ。なお、図１では伝送路２には下位重畳装置４が３台接続された例を示しているが、伝送路２に接続可能な下位重畳装置４の台数を制限する趣旨ではない。

　本実施形態の通信システムは、図１に示すように、それぞれ伝送路２に接続され所定の端未情報を有する複数の下位端末機器（第１端末機器）６と、伝送路２に接続され下位端末機器６に端未情報を要求する情報要求を送る上位端末機器（第２端末機器）５と、下位端末機器６と伝送路２との間に介在される下位重畳装置（第１重畳装置）４と、上位端末機器５と伝送路２との間に介在され上位端末機器５から情報要求を受け取る上位重畳装置（第２重畳装置）３と、を備える。

　本実施形態では、上位端末機器（第２端末機器）５は、下位端末機器（第１端末機器）６に順番に情報要求を送る収集処理を行うように構成される。この収集処理で送信される情報要求は共通の識別情報を含んでいる。また、情報要求は、上位端末機器（第２端末機器）５が端未情報を要求する下位端末機器（第１端末機器）６を示す宛先情報を含む。

　上位重畳装置（第２重畳装置）３は、上位端末機器（第２端末機器）５から情報要求を受け取ると、重畳信号を利用して情報要求を下位重畳装置（第１重畳装置）４に送信するように構成される。上位重畳装置（第２重畳装置）３は、端未情報を受け取ると、受け取った端未情報を上位端末機器（第２端末機器）５に与えるように構成される。

　下位重畳装置（第１重畳装置）４は、図２に示すように、端未接続部（第１端末接続部）４０１と、情報取得部４０２と、通信部（第１通信部）４０３と、バッファ部４０７と、を備える。

　第１端末接続部４０１は、下位端末機器（第１端末機器）６との接続に用いられる。本実施形態では、下位重畳装置４１の第１端末接続部４０１には下位端末機器６１が、下位重畳装置４２の第１端末接続部４０１には下位端末機器６２が、下位重畳装置４３の第１端末接続部４０１には下位端末機器６３が、それぞれ接続されている。

　第１通信部４０３は、伝送路２に接続され、伝送路２を利用できる利用可能期間において上位重畳装置（第２重畳装置）５と通信するように構成される。本実施形態では、伝送路２は、下位重畳装置４と上位重畳装置３との間の通信プロトコル（第２プロトコル）とは異なる通信プロトコル（第１プロトコル）に基づく伝送信号（図４参照）の伝送に用いられる。利用可能期間は、伝送信号において重畳信号を重畳できる期間（重畳可能期間）である。よって、本実施形態では、下位重畳装置４の通信部（第１通信部）４０３は、重畳信号により上位重畳装置３と通信するように構成される。

　情報取得部４０２は、第１端末接続部４０１に接続された下位端末機器（第１端末機器）６から端末情報を所定のタイミングで取得するように構成される。本実施形態では、下位重畳装置４１の情報取得部４０２は下位端末機器６１から、下位重畳装置４２の情報取得部４０２は下位端末機器６２から、下位重畳装置４３の情報取得部４０２は下位端末機器６３から、それぞれ端末情報を取得する。

　バッファ部４０７は、情報取得部４０２によって取得された端末情報を記憶するように構成される。本実施形態では、下位重畳装置４１のバッファ部４０７は下位端末機器６１の端未情報を、下位重畳装置４２のバッファ部４０７は下位端末機器６２の端未情報を、下位重畳装置４３のバッファ部４０７は下位端末機器６３の端未情報を、それぞれ記憶する。

　また、情報取得部４０２は、第１通信部４０３を通じて情報要求を上位重畳装置３から受け取ると、バッファ部４０７から端未情報を取得して第１通信部４０３を通じて上位重畳装置３に送信するように構成される。

　以下、本実施形態の通信システムについてさらに説明する。

　伝送路２には、伝送ユニット１から繰り返し送出される伝送信号を用いて、互いに通信する複数台の通信装置（図示せず）がさらに接続される。これらの通信装置は、伝送ユニット１に対して伝送路２を介して並列接続されており、伝送信号を用いることにより伝送ユニット１を経由して第１プロトコルの通信を行う。伝送ユニット１および通信装置は、伝送ユニット１から通信装置へのデータ伝送と通信装置から伝送ユニット１へのデータ伝送とが時分割で行われる時分割多重伝送システム（以下、「基本システム」という）を構築する。

　基本システムにおいて、通信装置は、スイッチやセンサなど（図示せず）を付設した監視端末器と、負荷（図示せず）を付設した制御端末器との２種類に分類される。これにより、監視端末器に付設したスイッチやセンサなどからの監視入力に応じて、制御端末器に付設した負荷を制御することが可能となる。ここで、通信装置は予め割り当てられた自己のアドレスをそれぞれ記憶部（図示せず）に記憶している。

　監視端末器は、監視入力を受けると伝送ユニット１に対して監視入力に対応した制御情報を伝送する。伝送ユニット１は、制御情報を受け取るとアドレスによって上記監視端末器と対応付けられている制御端末器に向けて制御情報を伝送する。制御端末器は、制御情報を受け取ると上記制御情報に従って負荷を制御する。制御情報はスイッチ等の監視入力を反映しているから、結局、スイッチ等の監視入力が負荷の制御に反映されることになる。

　伝送ユニット１は、伝送路２に対して図４に示すように時間軸方向において複数の期間に分割された形式の電圧波形からなる時分割方式の伝送信号を送信する。すなわち、伝送信号は、予備割込期間１１と、予備期間１２と、送信期間１３と、返送期間１４と、割込期間１５と、短絡検出期間１６と、休止期間１７とからなる複極（±２４Ｖ）の時分割多重信号である。予備割込期間１１は２次割込を検出するための期間、予備期間１２は割込期間１５および短絡検出期間１６に合わせて設定された期間であり、送信期間１３は通信装置にデータを伝送するための期間である。返送期間１４は通信装置からの返送信号を受信するタイムスロットであり、割込期間１５は後述の割込信号を検出するための期間であり、短絡検出期間１６は短絡を検出するための期間である。休止期間１７は処理が間に合わないときのための期間である。伝送信号は、パルス列からなるキャリアを変調することによってデータを伝送する信号である。

　続いて、基本システムの動作について説明する。

　各通信装置では、伝送路２を介して受信した伝送信号の送信期間１３に含まれるアドレスデータが各々の記憶部に記憶されているアドレスに一致すると、伝送信号から負荷を制御するための制御情報を取り込む。さらに、通信装置は、伝送信号の返送期間１４に同期して制御情報を電流モードの信号（適当な低インピーダンスを介して伝送路２を短絡することにより送出される信号）として返送する。なお、通信装置の内部回路の電源は、伝送路２を介して伝送される伝送信号を整流し安定化することによって供給される。

　伝送ユニット１は、常時は伝送信号に含まれるアドレスデータをサイクリックに変化させて通信装置に順次アクセスする常時ポーリングを行う。常時ポーリングの際には、伝送信号に含まれるアドレスデータが自己のアドレスに一致した通信装置は、伝送信号に制御情報が含まれていれば制御情報を取り込んで動作し、自己の動作状態を伝送ユニット１に返送する。

　また、伝送ユニット１は、いずれかの監視端末器（通信装置）においてスイッチ等の監視入力に対応して発生する割込信号を受信すると、割込信号を発生した通信装置を検索し、その通信装置にアクセスして割込ポーリングも行う。

　すなわち、伝送ユニット１は、常時はモードデータを通常モードとした伝送信号を送出し、監視端末器（通信装置）で発生した割込信号を伝送信号の割込期間１５に同期して検出すると、モードデータを割込ポーリングモードとした伝送信号を送出する。

　割込信号を発生した通信装置は、割込ポーリングモードの伝送信号のアドレスデータの上位ビットが自己のアドレスの上位ビットに一致していれば、その伝送信号の返送期間１４に同期して自己のアドレスの下位ビットを返送データとして返送する。これにより伝送ユニット１では割込信号を発生した通信装置のアドレスを取得できる。

　割込信号を発生した通信装置のアドレスが伝送ユニット１で取得されると、伝送ユニット１は当該通信装置に対して制御情報の返送を要求する伝送信号を送出し、通信装置はスイッチ等の監視入力に対応した制御情報を伝送ユニット１に返送する。伝送ユニット１は制御情報を受け取ると、該当する通信装置の監視入力をクリアするように指示を与え、当該通信装置では監視入力のクリアを返送する。

　制御情報を受け取った伝送ユニット１は、当該制御情報の発信元の通信装置（監視端末器）とアドレスの対応関係によって対応付けられている通信装置（制御端末器）へ送信する制御情報を生成する。伝送ユニット１は、この制御情報を含む伝送信号を伝送路２に送出して、通信装置（制御端末器）に付設した負荷を制御する。

　上述したように、基本システムでは、ポーリング・セレクティング方式のプロトコル（第１プロトコル）に従い、伝送ユニット１を介して通信装置（監視端末器、制御端末器）同士が通信を行うこととなる。

　また、本実施形態においては、上位端末機器５は、基本システムの通信装置を兼ねており、通信装置として伝送ユニット１との間で第１プロトコルの通信を行う際には、上位重畳装置３を通さずに伝送路２を介して伝送ユニット１と通信する。なお、基本システムの各通信装置と伝送路２との間にも、重畳信号に対して高インピーダンスとなるインピーダンス整合モジュール７がそれぞれ挿入されてもよい。

　ところで、本実施形態の通信システムにおいては、上位端末機器５と下位端末機器６とは、上記基本システムと伝送路２を共用しつつ、第１プロトコルの伝送信号に重畳される重畳信号を用いて第２プロトコルの通信を行い、端末情報を授受する。ここでいう端末情報は、たとえば下位端末機器６で計測される電気機器の消費電力などである。本実施形態では、下位重畳装置４は下位端末機器６が出力する端末情報を重畳信号に変換して伝送路２に送出し、上位重畳装置３は伝送路２から受信した重畳信号を端末情報に変換して上位端末機器５に出力する。これにより、上位端末機器５は下位端末機器６から端末情報を収集することができる。なお、上位端末機器５と上位重畳装置３との間、および下位端末機器６と下位重畳装置４との間の通信は、それぞれＲＳ４８５などのシリアル通信によって実現される。

　また、本実施形態においては、第２プロトコルの通信に関して、上位端末機器５がマスタとして機能し、下位端末機器６がスレーブとして機能する。マスタとしての上位端末機器５は、スレーブとしての下位端末機器６に対してポーリングを行い、このポーリングに対する応答として下位端末機器６からそれぞれ端末情報を取得する。本実施形態では、下位端末機器６は複数台設けられているので、マスタとしての上位端末機器５は、スレーブとしての複数台の下位端末機器６１，６２，６３に対して順次ポーリングを行う。

　ここで、端末情報を授受するのは上位端末機器５および下位端末機器６であるが、伝送路２に対して第２プロトコルの重畳信号を送受信するのは上位重畳装置３および下位重畳装置４である。すなわち、上位重畳装置３および下位重畳装置４は、各々に接続された上位端末機器５あるいは下位端末機器６と伝送路２の間で、伝送データ（端末情報）と重畳信号とを相互に変換するアダプタとして機能する。

　その結果、上位端末機器５は、上述した第１プロトコルとは異なるプロトコル（第２プロトコル）に従って、伝送ユニット１を経由することなくピア・ツー・ピア（Ｐ２Ｐ）で端末情報を下位端末機器６から取得可能となる。要するに、第１プロトコルによる通信装置同士の通信は伝送ユニット１を経由して行われるのに対し、第２プロトコルによる上位端末機器５－下位端末機器６間の通信は伝送ユニット１を経由せず端末機器間で直接行われる。そのため、第２プロトコルの通信は、第１プロトコルの通信に比べて通信速度を高速化でき、たとえばアナログ量（消費電力等）のように比較的データ量の多い情報の伝送に用いられる。

　下位重畳装置４は、図２に示すように、下位端末機器６に接続される端末接続部４０１と、端末接続部４０１に接続された情報取得部４０２と、情報取得部４０２に接続された通信部４０３とを備えている。通信部４０３は伝送路２に接続され、重畳信号の送出を行う信号送出部４０４と、重畳信号の受信を行う信号受信部４０５とを有している。

　情報取得部４０２は、端末接続部４０１に接続された下位端末機器６から端末接続部４０１を介して端末情報を取得する。通信部４０３は、上位重畳装置３から重畳信号により送信される情報要求に応じて、端末情報を重畳信号により上位重畳装置３に返信する。ここでいう情報要求は、上位端末機器５が下位端末機器６からの端末情報の返信を求めて出力する信号であって、いずれかの下位端末機器６を送信先に特定して送信される。

　また、下位重畳装置４は、基本システムの伝送ユニット１と通信装置との間で伝送される伝送信号を監視する信号監視部４０６を備え、信号監視部４０６では伝送信号からデータ伝送状況（以下、「ステート」という）を解析する。信号送出部４０４は、信号監視部４０６で解析されたステートが重畳信号の重畳に適した状況にあるか否かを判定し、伝送に適していると判断したタイミングで重畳信号を送信する機能を具備している。

　上述したように、伝送信号は図４に示すような信号フォーマットを採用している。予備割込期間１１や予備期間１２や休止期間１７は、重畳信号が重畳されても伝送信号による通信に影響がなく、重畳信号による端末間通信も伝送信号の影響を受けにくいので、重畳信号を重畳可能な期間（以下、「重畳可能期間」という）となる。

　その他の期間（送信期間１３と返送期間１４と割込期間１５と短絡検出期間１６）は、伝送信号がハイレベルあるいはローレベルに安定している時間が相対的に短く、重畳信号が重畳されると伝送信号による通信に影響を与えやすい。また上記他の期間に重畳信号が重畳されると、重畳信号による端末間通信も伝送ユニット１と通信装置との間で授受される信号（割込信号や返送データ）の影響を受けやすい。そのため、上記他の期間は、重畳信号の重畳には使用されない期間（以下、「重畳不可期間」という）となる。

　また、伝送信号の立ち上がりおよび立ち下がりの期間も、高調波ノイズの影響や信号の電圧反転に伴う過渡応答の影響などにより、重畳信号を重畳するのに適していない。したがって、伝送信号は、予備割込期間１１と予備期間１２と休止期間１７の中でも、期間の切り替わり（立ち上がりまたは立ち下がり）後の所定時間（たとえば３００μｓ）については、重畳不可期間となる。

　このように、伝送路２には、重畳可能期間（利用可能期間）と重畳不可能期間（利用不可期間）とがある。特に、重畳可能期間は、伝送信号が送信される期間における一部の期間である。

　そこで、信号送出部４０４は、伝送信号のステートの解析結果に基づいて重畳可能期間か重畳不可期間かの判定を行い、重畳可能期間と判定したときに限って重畳信号を送出するように構成されている。下位重畳装置４は、このように伝送信号に同期させて伝送信号の重畳可能期間にのみ重畳信号を重畳させることにより、共通の伝送路２を使用する第１プロトコルの通信と第２プロトコルの通信との干渉を回避する。

　ここで、信号送出部４０４は、送信データのデータ量が多く一度の重畳可能期間内で送信しきれなかった場合には、当該重畳可能期間の終了に合わせて一旦通信を中断し、次回の重畳可能期間に残りのデータを送信する。

　また、上位重畳装置３においても、基本的な構成は下位重畳装置４と同様である。上位重畳装置３は、図３に示すように、上位端末機器５に接続される端末接続部（第２端末接続部）３０１と、伝送路２に接続された通信部（第２通信部）３０３と、信号監視部３０６とを備えている。通信部３０３は伝送路２に接続され、重畳信号の送出を行う信号送出部３０４と、重畳信号の受信を行う信号受信部３０５とを有している。さらに、上位重畳装置３には、端末接続部（第２端末接続部）３０１と通信部（第２通信部）３０３との間に挿入され、上位端末機器５と下位端末機器６との間でやり取りされる情報を処理する処理部３０２が設けられている。

　このように、上位重畳装置３は、第２端末接続部３０１と、第２通信部３０３と、処理部３０２と、を備える。

　第２端末接続部３０１は、上位端末機器（第２端末機器）５との接続に用いられる。

　第２通信部３０３は、伝送路２に接続され、利用可能期間（重畳可能期間）において下位重畳装置（第１重畳装置）４と通信するように構成される。本実施形態では、上位重畳装置３の通信部（第２通信部）３０３は、重畳信号を利用して情報要求を下位重畳装置３に送信するように構成される。

　処理部３０２は、第２端末接続部３０１に接続された上位端末機器（第２端末機器）５から情報要求を受け取ると、受け取った情報要求を第２通信部３０３を通じて第１重畳装置４に送信するように構成される。本実施形態では、情報要求は、伝送路２に接続された全ての第１重畳装置４に送信される。すなわち、第２重畳装置は、情報要求をブロードキャストする。また、処理部３０２は、第２通信部３０３を通じて第１重畳装置４から端未情報を受け取ると、受け取った端未情報を第２端末接続部３０１に接続された上位端末機器（第２端末機器）５に与えるように構成される。

　したがって、上位重畳装置３は、上位端末機器５から情報要求を受け取ると、受け取った情報要求を利用可能期間において下位重畳装置４に送信する。すなわち、上位重畳装置３は、重畳信号を利用して情報要求を下位重畳装置４に送信する。また、上位重畳装置３は、下位重畳装置４から端未情報を受け取ると、受け取った端未情報を上位端末機器５に送信する。

　なお、上位端末機器５および下位端末機器６への電源供給は、基本システムの通信装置と同様に伝送ユニット１から伝送路２を介して伝送される伝送信号を整流し安定化することによって供給される方式（集中給電方式）によって為される。ただし、この構成に限らず、上位端末機器５、下位端末機器６への電源供給は、商用電源を整流し安定化することによって供給される方式（ローカル給電方式）で為されてもよい。

　ところで、本実施形態では、下位重畳装置４は図２に示すように、情報取得部４０２にて取得した端末情報を蓄積するバッファ部４０７をさらに備えている。これにより、下位重畳装置４は、各々に接続されている下位端末機器６の端末情報を、予め情報取得部４０２にて取得し、バッファ部４０７に蓄積しておくことができる。

　すなわち、情報取得部４０２は、指定されたタイミングで端末情報を取得し、端末接続部４０１に接続されている下位端末機器６に対する情報要求があるまでは、取得した端末情報をバッファ部４０７に一旦蓄積する。バッファ部４０７に蓄積された端末情報は、端末接続部４０１に接続されている下位端末機器６に対する情報要求があれば、上位端末機器５に通信部４０３から返信される。バッファ部４０７に蓄積された端末情報は、通信部４０３から返信された時点でバッファ部４０７から消去される。

　ここにおいて、情報取得部４０２は、伝送路２に接続された他装置からのトリガによって指定されるタイミングで、下位端末機器６から端末情報を取得する（所定のタイミングは、伝送路２を通じて第１通信部４０３が受け取ったトリガによって決定される）。つまり、情報取得部４０２は、他装置から伝送路２上に送出されたトリガを通信部４０３が受信したタイミングで、下位端末機器６からの端末情報の取得を開始する。

　本実施形態では、トリガは、上位端末機器５が下位端末機器６に対して端末情報の返信を求めて出力する情報要求である（トリガは、情報要求である）。上位端末機器５は、ポーリングにより複数台の下位端末機器６から端末情報を取得するために、各下位端末機器６１，６２，６３に向けて情報要求を順次送信しているので、この情報要求をトリガとして利用し情報取得部４０２が動作する。要するに、情報取得部４０２は、端末接続部４０１に接続された下位端末機器６に対して情報要求を出力し、その返信として下位端末機器６から端末情報を取得する。

　ここで、下位重畳装置４は、自身に接続された下位端末機器６に対する情報要求を受けた場合だけでなく、他の下位重畳装置４に接続された下位端末機器６に対する情報要求を受けた場合にも、情報要求をトリガとして情報取得部４０２により端末情報を取得する。具体的には、下位重畳装置４は、上位重畳装置３からの情報要求に関しては送信先に関わらず通信部４０３にて全て受信する。さらに、情報取得部４０２は、他の下位重畳装置４に接続された下位端末機器６宛ての情報要求が、自身に接続された下位端末機器６宛ての情報要求となるように、情報要求に含まれる送信先としての下位端末機器６の識別子（アドレス）を変更する。情報取得部４０２は、送信先を変更した情報要求を自身に接続された下位端末機器６に出力し、その返信として端末情報を取得する。

　ただし、下位重畳装置４は、他の下位重畳装置４に接続されている下位端末機器６宛ての情報要求を受けても、上位端末機器５に対して通信部４０３から直ちに端末情報を返信することはない。そのため、他の下位重畳装置４に接続されている下位端末機器６宛ての情報要求を受けた場合、情報取得部４０２は、端末情報をバッファ部４０７に一旦蓄積し、その後、自身に接続されている下位端末機器６宛ての情報要求を受けて初めて端末情報を返信する。

　また、各下位重畳装置４は、上位端末機器５が同一タイミングで取得された端末情報の返信を求めて複数台の下位端末機器６１，６２，６３に対して順次送信する一連の情報要求をそれぞれ受信することになる。たとえば、上位端末機器５が１時００分、２時００分、３時００分というように１時間ごとに端末情報を要求している場合、１時００分になると上位端末機器５は複数台の下位端末機器６１，６２，６３に対して順次情報要求を送信する。

　このとき、各下位重畳装置４は、それぞれ他の下位重畳装置４に接続された下位端末機器６宛ての情報要求も受信するので、１時００分の端末情報を要求する情報要求を複数回（ここでは３回）ずつ受信することになる。ここで、情報要求には、端末情報を取得するタイミングを示すタイミング情報（たとえば時刻情報）が含まれており、上記のように同一タイミングで取得された端末情報の返信を求めるこれら一連の情報要求には共通のタイミング情報が含まれる。すなわち、本実施形態では、タイミング情報が、識別情報として用いられる。つまり、収集処理で送信される情報要求は、共通のタイミング情報を含む。

　そこで、本実施形態では、情報取得部４０２は、同一タイミングで取得された端末情報の返信を求めるこれら一連の情報要求につき１回のみ、下位端末機器６から端末情報を取得するように構成されている。つまり、たとえば１時００分のタイミング情報を含む情報要求が下位端末機器６１，６２，６３の順に送信された場合、各下位重畳装置４の情報取得部４０２は、それぞれ最初に受信する下位端末機器６１宛ての情報要求のみをトリガとして端末情報を取得する。

　すなわち、情報取得部４０２は、宛先判定処理と、取得判定処理と、第１応答処理と、第２応答処理と、第３応答処理と、を行うように構成される。

　情報取得部４０２は、第１通信部４０３を通じて情報要求を上位重畳装置３から受け取ると宛先判定処理を行うように構成される。

　情報取得部４０２は、宛先判定処理では、受け取った情報要求の宛先情報の示す下位端末機器（第１端末機器）６に第１端末接続部４０１に接続された下位端末機器（第１端末機器）６が一致するか否かを判定するように構成される。情報取得部４０２は、第１端末接続部４０１に接続された下位端末機器（第１端末機器）６が宛先情報の示す下位端末機器（第１端末機器）６に一致すると宛先判定処理で判定すると取得判定処理を行い、第１端末接続部４０１に接続された下位端末機器（第１端末機器）が宛先情報の示す下位端末機器（第１端末機器）６に一致しないと宛先判定処理で判定すると第１応答処理を行うように構成される。

　情報取得部４０２は、取得判定処理では、宛先情報が示す下位端末機器（第１端末機器）６の端未情報がバッファ部４０７に記憶されているか否かを判定するように構成される。情報取得部４０２は、宛先情報が示す下位端末機器（第１端末機器）６の端未情報がバッファ部４０７に記憶されていると取得判定処理で判定すると第２応答処理を行い、宛先情報が示す下位端末機器（第１端末機器）６の端未情報がバッファ部４０７に記憶されていないと取得判定処理で判定すると第３応答処理を行うように構成される。

　情報取得部４０２は、第１応答処理では、第１端末接続部４０１に接続された下位端末機器（第１端末機器）６から端末情報を取得するように構成される。

　情報取得部４０２は、第２応答処理では、宛先情報が示す下位端末機器（第１端末機器）６の端未情報がバッファ部４０７から取得して第１通信部４０３を通じて上位重畳装置（第２重畳装置）３に送信するように構成される。

　情報取得部４０２は、第３応答処理では、第１端末接続部４０１に接続された下位端末機器（第１端末機器）６から端末情報を取得して第１通信部４０３を通じて上位重畳装置（第２重畳装置）３に送信するように構成される。

　また、情報取得部４０２は、既得判定処理を行うように構成される。本実施形態では、情報取得部４０２は、第１端末接続部４０１に接続された下位端末機器（第１端末機器）が宛先情報の示す下位端末機器（第１端末機器）６に一致しないと宛先判定処理で判定すると既得判定処理を行うように構成される。

　情報取得部４０２は、既得判定処理では、受け取った情報要求の識別情報（本実施形態ではタイミング情報）と同じ識別情報を含む情報要求を既に受け取っているか否かを判定するように構成される。情報取得部４０２は、受け取った情報要求の識別情報と同じ識別情報を含む情報要求を既に受け取っていると既得判定処理で判定すると第１応答処理を行わず、受け取った情報要求の識別情報と同じ識別情報を含む情報要求をまだ受け取っていないと既得判定処理で判定すると第１応答処理を行うように構成される。

　なお、既得判定処理は、宛先判定処理の前に行われてもよい。この場合、情報取得部４０２は、受け取った情報要求の識別情報と同じ識別情報を含む情報要求を既に受け取っていると既得判定処理で判定すると宛先判定処理を行わず、受け取った情報要求の識別情報と同じ識別情報を含む情報要求をまだ受け取っていないと既得判定処理で判定すると宛先判定処理を行うように構成される。

　以下に、本実施形態の下位重畳装置４の動作について、図５のフローチャートを参照して説明する。

　下位重畳装置４は、上位端末機器５からの情報要求を受信すると（Ｓ１）、情報要求の送信対象が自身に接続されている下位端末機器６であるか否かを判断する（宛先判定処理［Ｓ２］）。自身に接続されている下位端末機器６宛ての情報要求であれば（Ｓ２：Ｙｅｓ）、情報取得部４０２は、取得済みの端末情報（データ）が既にバッファ部４０７に保持されているか否かを判断する（取得判定処理［Ｓ３］）。バッファ部４０７に端末情報（データ）が保持されていなければ（Ｓ３：Ｎｏ）、情報取得部４０２は、接続されている下位端末機器６から端末情報（データ）を取得し（Ｓ４）、この端末情報（取得データ）を情報要求への応答として通信部４０３から上位端末機器５に返信する（Ｓ５）。すなわち、情報取得部４０２は第３応答処理を行う。

　一方、下位重畳装置４は、受信した情報要求が自身に接続されている下位端末機器６宛てでなければ（Ｓ２：Ｎｏ）、同じタイミングの端末情報を既に下位端末機器６から取得済みか否かを判断し（既得判定処理［Ｓ６］）、取得済みであれば（Ｓ６：Ｙｅｓ）処理を終了する。端末情報（データ）を取得済みでなければ（Ｓ６：Ｎｏ）、情報取得部４０２は、情報要求の送信先を自身に接続されている下位端末機器６に変更し（Ｓ７）、当該下位端末機器６から端末情報を取得して（Ｓ８）、この端末情報（取得データ）をバッファ部４０７に蓄積する（Ｓ９）。すなわち、情報取得部４０２は第１応答処理を行う。

　バッファ部４０７に端末情報（データ）を蓄積した下位重畳装置４は、次に自身に接続されている下位端末機器６宛ての情報要求を受信したときに（Ｓ２：Ｙｅｓ）、バッファ部４０７内の端末情報（保持データ）を情報要求への応答として通信部４０３から上位端末機器５に返信する（Ｓ１０）。すなわち、情報取得部４０２は第２応答処理を行う。

　たとえば、上位端末機器５は、収集処理では、宛先情報が下位端末機器６１を示す情報要求（以下、「第１情報要求」という）と、宛先情報が下位端末機器６２を示す情報要求（以下、「第２情報要求」という）と、宛先情報が下位端末機器６３を示す情報要求（以下、「第３情報要求」という）とを所定の時間間隔でこの順番に送信する。

　上位重畳装置３は、第１情報要求を受け取ると、重畳信号により第１情報要求を下位重畳装置４１，４２，４３に送信する。下位重畳装置４１，４２，４３のそれぞれは、第１情報要求を受け取ると（Ｓ１）、宛先判定処理を行う（Ｓ２）。第１情報要求の宛先情報は下位端末機器６１を示す。よって、下位重畳装置４１は取得判定処理を行い（Ｓ３）、下位重畳装置４２，４３は既得判定処理を行う（Ｓ６）。下位重畳装置４１のバッファ部４０７が下位端末機器６１の端末情報を記憶していなければ、下位重畳装置４１は第３応答処理を行う（Ｓ４，Ｓ５）。これによって、下位端末機器６１の端末情報が重畳信号により上位重畳装置３に送信される。上位重畳装置３は、下位端末機器６１の端末情報を受け取ると、受け取った下位端末機器６１の端末情報を上位端末機器５に送信する。下位重畳装置４２，４３に関して、第１情報要求は収集処理における一回目の情報要求であるから、下位重畳装置４２，４３はそれぞれ、第１応答処理を行う（Ｓ７，Ｓ８，Ｓ９）。これによって、下位重畳装置４２のバッファ部４０７は下位端末機器６２の端末情報を記憶し、下位重畳装置４３のバッファ部４０７は下位端末機器６３の端末情報を記憶する。

　上位重畳装置３は、第２情報要求を受け取ると、重畳信号により第２情報要求を下位重畳装置４１，４２，４３に送信する。下位重畳装置４１，４２，４３のそれぞれは、第２情報要求を受け取ると（Ｓ１）、宛先判定処理を行う（Ｓ２）。第２情報要求の宛先情報は下位端末機器６２を示す。よって、下位重畳装置４２は取得判定処理を行い（Ｓ３）、下位重畳装置４１，４３は既得判定処理を行う（Ｓ６）。下位重畳装置４２のバッファ部４０７は既に下位端末機器６２の端末情報を記憶しているから、下位重畳装置４２は第２応答処理を行う（Ｓ１０）。これによって、下位端末機器６２の端末情報が重畳信号により上位重畳装置３に送信される。上位重畳装置３は、下位端末機器６２の端末情報を受け取ると、受け取った下位端末機器６２の端末情報を上位端末機器５に送信する。下位重畳装置４１，４３に関して、第２情報要求は収集処理における２回目の情報要求であるから、下位重畳装置４１，４３はそれぞれ、第１応答処理を行うことなく処理を終了する。

　上位重畳装置３は、第３情報要求を受け取ると、重畳信号により第３情報要求を下位重畳装置４１，４２，４３に送信する。下位重畳装置４１，４２，４３のそれぞれは、第３情報要求を受け取ると（Ｓ１）、宛先判定処理を行う（Ｓ２）。第３情報要求の宛先情報は下位端末機器６３を示す。よって、下位重畳装置４３は取得判定処理を行い（Ｓ３）、下位重畳装置４１，４２は既得判定処理を行う（Ｓ６）。下位重畳装置４３のバッファ部４０７は既に下位端末機器６３の端末情報を記憶しているから、下位重畳装置４３は第２応答処理を行う（Ｓ１０）。これによって、下位端末機器６３の端末情報が重畳信号により上位重畳装置３に送信される。上位重畳装置３は、下位端末機器６３の端末情報を受け取ると、受け取った下位端末機器６３の端末情報を上位端末機器５に送信する。下位重畳装置４１，４２に関して、第３情報要求は収集処理における３回目の情報要求であるから、下位重畳装置４１，４２はそれぞれ、第１応答処理を行うことなく処理を終了する。

　このように、第２端末機器５は、収集処理を行うことで、各第１端末機器６１，６２，６３の端末情報を取得する。

　以上述べたように、本実施形態の通信システムは、複数台の端末機器５，６を備え、繰り返し伝送される伝送信号を用いた第１プロトコルの通信と伝送路２を共用し、伝送信号のうち所定の重畳可能期間に重畳される重畳信号を伝送する第２プロトコルの通信を用いて端末機器５，６同士が端末情報を授受する通信システムであって、端末情報の送信側になる端末機器（下位端末機器）６と伝送路２との間に挿入され、端末機器６が出力する端末情報を重畳信号に変換して伝送路に送出する下位重畳装置４と、端末情報の受信側になる端末機器（上位端末機器）５と伝送路２との間に挿入され、伝送路２から受信した重畳信号を端末情報に変換して端末機器５に出力する上位重畳装置３とを備え、下位重畳装置４は、端末機器６に接続される端末接続部４０１と、当該端末接続部４０１に接続された端末機器６から端末情報を取得する情報取得部４０２と、情報取得部４０２で取得した端末情報を蓄積するバッファ部４０７と、上位重畳装置３からの情報要求に応じて端末情報を重畳信号により返信する通信部４０３とを備え、情報取得部４０２は、指定されたタイミングで端末情報を取得し、端末接続部４０１に接続されている端末機器６に対する情報要求があるまでは取得した端末情報をバッファ部４０７に一旦蓄積する。

　換言すれば、本実施形態の通信システムは、それぞれ伝送路２に接続され所定の端未情報を有する複数の第１端末機器（下位端末機器）６と、伝送路２に接続され第１端末機器６に端未情報を要求する情報要求を送る第２端末機器（上位端末機器）５と、第１端末機器６と伝送路２との間に介在される第１重畳装置（下位重畳装置）４と、第２端末機器５と伝送路２との間に介在され第２端末機器５から情報要求を受け取る第２重畳装置（上位重畳装置）５と、を備え、第１重畳装置４は、第１端末機器６との接続に用いられる第１端末接続部４０１と、伝送路２に接続され伝送路２を利用できる利用可能期間に第２重畳装置３と通信する第１通信部４０３と、第１端末接続部４０１に接続された第１端末機器６から端末情報を所定のタイミングで取得する情報取得部４０２と、情報取得部４０２によって取得された端末情報を記憶するバッファ部４０７と、を有し、第２重畳装置３は、第２端末機器５から情報要求を受け取ると、利用可能期間において情報要求を第１重畳装置４に送信するように構成され、情報取得部４０２は、第１通信部４０３を通じて情報要求を第２重畳装置３から受け取ると、バッファ部４０７から端未情報を取得して第１通信部４０３を通じて第２重畳装置３に送信するように構成され、第２重畳装置３は、端未情報を受け取ると、端未情報を第２端末機器５に与えるように構成される。

　特に、本実施形態の通信システムでは、伝送路２は、第１重畳装置４と第２重畳装置３との間の通信プロトコルとは異なる通信プロトコルに基づく伝送信号の伝送に用いられる。利用可能期間は、伝送信号において重畳信号を重畳できる期間である。通信部（第１通信部）４０３は、重畳信号により第２重畳装置３と通信するように構成される。第２重畳装置３は、重畳信号を利用して情報要求を第１重畳装置４に送信するように構成される。

　ところで、本実施形態における重畳装置４は、複数台の端末機器５，６を備え、繰り返し伝送される伝送信号を用いた第１プロトコルの通信と伝送路２を共用し、伝送信号のうち所定の重畳可能期間に重畳される重畳信号を伝送する第２プロトコルの通信を用いて端末機器５，６同士が端末情報を授受する通信システムであって、端末情報の送信側になる端末機器（下位端末機器）６と伝送路２との間に挿入され、端末機器６が出力する端末情報を重畳信号に変換して伝送路に送出する下位重畳装置４と、端末情報の受信側になる端末機器（上位端末機器）５と伝送路２との間に挿入され、伝送路２から受信した重畳信号を端末情報に変換して端末機器５に出力する上位重畳装置３とを備えた通信システムに下位重畳装置４として用いられ、端末機器６に接続される端末接続部４０１と、当該端末接続部４０１に接続された端末機器６から端末情報を取得する情報取得部４０２と、情報取得部４０２で取得した端末情報を蓄積するバッファ部４０７と、上位重畳装置３からの情報要求に応じて端末情報を重畳信号により返信する通信部４０３とを備え、情報取得部４０２は、指定されたタイミングで端末情報を取得し、端末接続部４０１に接続されている端末機器６に対する情報要求があるまでは取得した端末情報をバッファ部４０７に一旦蓄積する。

　換言すれば、本実施形態における重畳装置４は、所定の端未情報を有する端末機器（第１端末機器）６が接続される端末接続部（第１端末接続部）４０１と、伝送路２に接続され伝送路２を利用できる利用可能期間に通信を行う通信部（第１通信部）４０３と、端末接続部４０１に接続された端末機器６から端末情報を所定のタイミングで取得する情報取得部４０２と、情報取得部４０２によって取得された端末情報を記憶するバッファ部４０７と、を備える。情報取得部４０２は、端末機器６に端未情報を要求する情報要求を通信部４０３を通じて受け取ると、バッファ部４０７から端未情報を取得し、通信部４０３を通じて端末情報を伝送路２に送信するように構成される。

　以上説明した本実施形態の構成によれば、下位重畳装置４が情報取得部４０２により、指定されたタイミングで端末情報を取得し、端末接続部４０１に接続されている端末機器６に対する情報要求があるまでは取得した端末情報をバッファ部４０７に一旦蓄積する。そのため、複数台の下位重畳装置４は、下位端末機器６の端末情報を、指定されたタイミングで一斉に取得し、必要に応じてそれぞれのバッファ部４０７に蓄積しておくことが可能である。つまり、上位重畳装置３－下位重畳装置４間の通信が伝送信号の所定の重畳可能期間のみに制限されているため、端末情報が上位端末機器５に返信されるタイミングにはずれが生じるものの、情報取得部４０２は端末情報の返信に先立って予め端末情報を取得できる。

　そのため、各下位重畳装置４の情報取得部４０２は、端末情報を取得するタイミングを複数台の下位端末機器６１，６２，６３間で揃えることができる。したがって、上記通信システムによれば、下位重畳装置４が複数台の下位端末機器６から端末情報を取得するタイミングのばらつきに起因して端末情報の間に生じるタイムラグを、小さく抑えることができる。つまり、端末情報が取得されるタイミングのばらつきにより複数台の端末機器６間で端末情報に生じるタイムラグを小さく抑えることができるという利点がある。

　また、本実施形態では、情報取得部４０２は、伝送路２に接続された他装置からのトリガによって指定されるタイミングで端末情報を取得する。このように、情報取得部４０２が端末情報を取得するタイミングは、伝送路２に接続された他装置からのトリガによって指定されているので、伝送路２に接続された複数台の下位重畳装置４間で端末情報の取得タイミングを容易に揃えることができる。しかも、トリガは、上位重畳装置３からの情報要求である。このように、トリガとして上位重畳装置３からの情報要求を利用しているので、別途、トリガを発生するための他装置が不要になり、システム構成が簡単になる。

　さらに、本実施形態の通信システムにおいて、伝送路２には複数台の下位重畳装置４が接続されており、情報取得部４０２は、他の下位重畳装置４に接続されている端末機器６に対する情報要求を受けると、端末接続部４０１に接続された端末機器６から端末情報を取得してバッファ部４０７に蓄積し、通信部４０３は、端末接続部４０１に接続された端末機器６に対する情報要求を受けると、バッファ部４０７に蓄積されている端末情報を返信する。

　さらに詳しく説明すれば、本実施形態の通信システムは、複数の第１重畳装置４（４１，４２，４３）を備える。情報要求は、第２端末機器５が端未情報を要求する第１端末機器６を示す宛先情報を含む。情報取得部４０２は、宛先判定処理と、取得判定処理と、第１応答処理と、第２応答処理と、第３応答処理と、を行うように構成される。情報取得部４０２は、第１通信部４０３を通じて情報要求を上位重畳装置３から受け取ると宛先判定処理を行うように構成される。情報取得部４０２は、宛先判定処理では、受け取った情報要求の宛先情報の示す下位端末機器（第１端末機器）６に第１端末接続部４０１に接続された下位端末機器（第１端末機器）６が一致するか否かを判定するように構成される。情報取得部４０２は、第１端末接続部４０１に接続された下位端末機器（第１端末機器）６が宛先情報の示す下位端末機器（第１端末機器）６に一致すると宛先判定処理で判定すると取得判定処理を行い、第１端末接続部４０１に接続された下位端末機器（第１端末機器）が宛先情報の示す下位端末機器（第１端末機器）６に一致しないと宛先判定処理で判定すると第１応答処理を行うように構成される。情報取得部４０２は、取得判定処理では、宛先情報が示す下位端末機器（第１端末機器）６の端未情報がバッファ部４０７に記憶されているか否かを判定するように構成される。情報取得部４０２は、宛先情報が示す下位端末機器（第１端末機器）６の端未情報がバッファ部４０７に記憶されていると取得判定処理で判定すると第２応答処理を行い、宛先情報が示す下位端末機器（第１端末機器）６の端未情報がバッファ部４０７に記憶されていないと取得判定処理で判定すると第３応答処理を行うように構成される。情報取得部４０２は、第１応答処理では、第１端末接続部４０１に接続された下位端末機器（第１端末機器）６から端末情報を取得するように構成される。情報取得部４０２は、第２応答処理では、宛先情報が示す下位端末機器（第１端末機器）６の端未情報がバッファ部４０７から取得して第１通信部４０３を通じて上位重畳装置（第２重畳装置）３に送信するように構成される。情報取得部４０２は、第３応答処理では、第１端末接続部４０１に接続された下位端末機器（第１端末機器）６から端末情報を取得して第１通信部４０３を通じて上位重畳装置（第２重畳装置）３に送信するように構成される。

　このように、下位重畳装置４は、他の下位重畳装置４に接続されている下位端末機器６宛ての情報要求を受けると、端末情報を取得してバッファ部４０７に一旦蓄積し、次に自身に接続されている下位端末機器６宛ての情報要求に応答して端末情報を返信する。そのため、マスタとしての上位端末機器５からスレーブとしての複数台の下位端末機器６に対して情報要求が順次送信される場合でも、各下位重畳装置４の情報取得部４０２は、端末情報の取得タイミングを揃えることができる。

　しかも、情報取得部４０２は、同一タイミングで取得された端末情報の返信を求めて複数台の下位重畳装置４に対して順次送信される一連の情報要求につき、１回のみ端末機器６から端末情報を取得する。

　さらに詳しく説明すれば、第２端末機器５は、第１端末機器６に順番に情報要求を送る収集処理を行うように構成される。収集処理で送信される情報要求は共通の識別情報を含む。情報取得部４０２は、受け取った情報要求の識別情報と同じ識別情報を含む情報要求を既に受け取っているか否かを判定する既得判定処理を行うように構成される。情報取得部４０２は、受け取った情報要求の識別情報と同じ識別情報を含む情報要求を既に受け取っていると既得判定処理で判定すると第１応答処理を行わず、受け取った情報要求の識別情報と同じ識別情報を含む情報要求をまだ受け取っていないと既得判定処理で判定すると第１応答処理を行うように構成される。

　つまり、本実施形態では、情報取得部４０２は、同一タイミングで取得された端末情報の返信を求める一連の情報要求につき１回のみ端末情報を取得する。そのため、情報取得部４０２は、同一タイミングで取得された端末情報の返信を求めるこれら一連の情報要求の各々をトリガとする場合のように、同一の下位端末機器６から時間差のある複数の端末情報を取得することはない。つまり、情報取得部４０２は、上位端末機器５が要求した一のタイミングでのみ、端末情報を取得することができ、無駄な端末情報の取得を回避できるという利点がある。

　ところで、上位重畳装置３は伝送路２に接続されている全ての下位重畳装置４に対して、情報要求とは別に予備要求を出すように構成され、情報取得部４０２が予備要求を受けたタイミングで下位端末機器６から端末情報を取得するように構成されていてもよい。ここでいう予備要求は、情報要求に先立って下位端末機器６から端末情報の取得のみを求める信号であって、全ての下位重畳装置４にブロードキャストで送信される。この構成では、情報取得部４０２は、トリガとしての予備要求を受けたタイミングで取得する端末情報を一旦バッファ部４０７に蓄積し、その後の情報要求に応答してバッファ部４０７内の端末情報を通信部４０３から返信させる。

　さらにまた、情報取得部４０２は、伝送路２に接続された他装置からのトリガを受けて端末情報を取得する構成に限らず、たとえば下位重畳装置４に時計を内蔵し、時計の示す時刻が所定の時刻になると端末情報を取得する構成であってもよい。すなわち、本実施形態の通信システムの変形例では、情報取得部４０２は、所定の時刻に、第１端末接続部４０１に接続された第１端末機器６から端末情報を取得する定時取得処理を行うように構成される。この場合、複数台の下位重畳装置４の時計の同期をとるべく、たとえば上位端末機器５から定期的に同期信号が送出されるようにしてもよい。

　この場合において、上記所定の時刻に上位重畳装置３から情報要求を出すようにすることにより、下位重畳装置４は図６のフローチャートに従って動作する。

　すなわち、下位重畳装置４は、上位端末機器５から自身に接続されている下位端末機器６宛ての情報要求を受信すると（Ｓ１１：Ｙｅｓ）、取得済みの端末情報（データ）が既にバッファ部４０７に保持されているか否かを判断する（Ｓ１２）。バッファ部４０７に端末情報（データ）が保持されていなければ（Ｓ１２：Ｎｏ）、情報取得部４０２は、接続されている下位端末機器６から端末情報（データ）を取得し（Ｓ１３）、この端末情報（取得データ）を情報要求への応答として通信部４０３から上位端末機器５に返信する（Ｓ１４）。

　一方、下位重畳装置４は、自身に接続されている下位端末機器６宛ての情報要求を受信していない間（Ｓ１１：Ｎｏ）、上記所定の時刻になると（Ｓ１５：Ｙｅｓ）、下位端末機器６から端末情報を取得して（Ｓ１６）、端末情報をバッファ部４０７に蓄積する（Ｓ１７）。すなわち、下位重畳装置４は定時取得処理を行う。バッファ部４０７に端末情報を蓄積した下位重畳装置４は、次に自身に接続されている下位端末機器６宛ての情報要求を受信したときに（Ｓ１１：Ｙｅｓ）、バッファ部４０７内の端末情報を情報要求への応答として通信部４０３から上位端末機器５に返信する（Ｓ１８）。

　この構成であっても、上記実施形態（図５に示す例）と同様に、複数台の下位重畳装置４は、下位端末機器６の端末情報を指定されたタイミング（上記所定の時刻）で一斉に取得することにより、端末情報間に生じるタイムラグを小さく抑えることができる。

　（実施形態２）
　本実施形態の通信システムは、図７に示すように下位端末機器６が１台の下位重畳装置４につき複数台ずつ接続されている点が、実施形態１の通信システムと相違する。すなわち、本実施形態の通信システムでは、第１端末接続部４０１には、複数の第１端末機器６が接続されている。また、本実施形態の通信システムは、図８に示すように、上位重畳装置（第２重畳装置）３Ａが蓄積部３０７を有している点で実施形態１の通信システムと異なる。

　図７の例では、下位重畳装置４１には下位端末機器６１１，６１２，・・・が接続され、下位重畳装置４２には下位端末機器６２１，６２２，・・・が接続され、下位重畳装置４３には下位端末機器６３１，６３２，・・・が接続されている。同一の下位重畳装置４に接続される複数台の下位端末機器６は、端末接続部４０１に並列に接続されるように送り配線によって接続されている。

　本実施形態においては、情報取得部４０２は、トリガとしての上位重畳装置３Ａからの情報要求を受けたタイミングで、端末接続部４０１に接続されている全ての下位端末機器６から端末情報を取得し、取得した端末情報をバッファ部４０７に一旦蓄積する。すなわち、情報取得部４０２は、第１端末接続部４０１に接続された複数の第１端末機器６の各々から端末情報を所定のタイミングで取得するように構成される。このとき、情報取得部４０２は、同一タイミングで取得された端末情報の返信を求める一連の情報要求のうち最初の１回の情報要求にのみ応じて端末情報を取得するので、一連の情報要求によって同一の下位端末機器６から重複して端末情報を取得することはない。

　下位重畳装置４は、上位端末機器５から出力された情報要求にて要求されている端末情報がバッファ部４０７に蓄積されていれば、改めて下位端末機器６から取得することなく、この端末情報を情報要求への返信として通信部４０３から上位重畳装置３Ａに返信する。

　ここで、各下位重畳装置４の情報取得部４０２は、端末接続部４０１に接続された複数台の下位端末機器６に対して１台ずつ、情報要求を出力し、その返信として端末情報を取得する。ただし、下位重畳装置４と下位端末機器６との間の通信は、第２プロトコルの通信のように所定の重畳可能期間のみに制限されることはないので、情報取得部４０２が複数台の下位端末機器６から端末情報を取得する時間差は無視できる程度である。つまり、情報取得部４０２が複数台の下位端末機器６から取得する端末情報に大きなタイムラグは生じない。

　また、本実施形態では下位重畳装置４は、上位重畳装置３Ａから自身に接続されている下位端末機器６宛ての情報要求を受けて端末情報を返信する際、バッファ部４０７に予め蓄積した全ての下位端末機器６分の端末情報を通信部４０３から上位重畳装置３に返信する。

　上位重畳装置３Ａは、図８に示すように、端末情報を蓄積する蓄積部３０７を有しており、下位重畳装置４からまとめて返信された複数台の下位端末機器６分の端末情報を蓄積部３０７に一旦蓄積する。このとき、上位重畳装置３Ａは、上位端末機器５が出力した情報要求の送信先の下位端末機器６の端末情報のみを上位端末機器５に返信する。

　すなわち、第２重畳装置３Ａは、第１重畳装置４から受け取った端未情報を記憶する蓄積部３０７を備える。

　処理部３０２は、第２端末機器５から情報要求を受け取ると、受け取った情報要求に含まれる宛先情報が示す第１端末機器６に該当する端末情報が蓄積部３０７に記憶されているか否かを判定するように構成される。

　処理部３０２は、宛先情報が示す第１端末機器６に該当する端末情報が蓄積部３０７に記憶されていれば、宛先情報が示す第１端末機器６に該当する端末情報を蓄積部３０７から取得して第２端末機器５に送信するように構成される。

　処理部３０２は、宛先情報が示す第１端末機器６に該当する端末情報が蓄積部３０７に記憶されていなければ、第２通信部３０３を通じて情報要求を第１重畳装置４に送信するように構成される。本実施形態では、情報取得部４０２は、第１端末接続部４０１に接続されている全ての第１端末機器６の端未情報を上位重畳装置３に送信する。よって、処理部３０２は、第２通信部を通じて受信した端未情報のうち、上位端末機器５から受け取った情報要求に含まれる宛先情報が示す第１端末機器６に該当する端末情報だけを上位端末機器５に送信するように構成される。

　その後、上位重畳装置３Ａは、上位端末機器５から出力された情報要求にて要求されている端末情報が蓄積部３０７に蓄積されていれば、改めて下位重畳装置４と通信することなく、この端末情報を情報要求への返信として蓄積部３０７から上位端末機器５に出力する。蓄積部３０７に蓄積された端末情報は、上位端末機器５に返信された時点で蓄積部３０７から消去される。なお、必ずしも端未情報を蓄積部３０７から消去する必要はない。

　以下に、本実施形態の下位重畳装置４の動作について、図９のフローチャートを参照して説明する。

　ここで、図９のフローチャートのうちＳ２１～Ｓ３０の処理は、図５のフローチャートにおけるＳ１～Ｓ１０の処理に対応している。ただし、図５の「Ｓ６」では、同じタイミングの端末情報を既に下位端末機器６から取得済みか否かを判断しているのに対し、図９の「Ｓ２６」では、同じタイミングの端末情報を全ての下位端末機器６から取得済みか否かを判断している。また、図５の「Ｓ７」では、情報取得部４０２は情報要求の送信先を自身に接続されている下位端末機器６に変更するのに対し、図９の「Ｓ２７」では、情報取得部４０２は情報要求の送信先を複数台のうち端末情報を未取得の下位端末機器６に変更している。さらに、図９の「Ｓ２５」および「Ｓ３０」においては、通信部４０３より返信される端末情報は、端末接続部４０１に接続された複数台の下位端末機器６分の端末情報である。

　図９の例では、通信部４０３より端末情報が返信される（Ｓ２５，Ｓ３０）か、あるいは情報取得部４０２が取得した端末情報をバッファ部４０７に蓄積する（Ｓ２９）と、同じタイミングの端末情報を全ての下位端末機器６から取得済みか否かを判断する（Ｓ３１）。このとき、全ての下位端末機器６から端末情報を取得済みであれば（Ｓ３１：Ｙｅｓ）、下位重畳装置４は処理を終了する。

　一方、下位重畳装置４は、全ての下位端末機器６から端末情報を取得済みでなければ（Ｓ３１：Ｎｏ）、全て取得済みになるまで、端末情報を未取得の下位端末機器６から取得し（Ｓ３２）、この端末情報をバッファ部４０７に蓄積する（Ｓ３３）処理を繰り返す。

　次に、本実施形態の通信システムの具体的な動作例について、図１０のシーケンス図を参照して説明する。図１０では、上位端末機器５と、上位重畳装置３Ａと、下位重畳装置４１と、この下位重畳装置４１に接続されている下位端末機器６１１，６１２，・・・との間の情報のやり取りを示している。

　上位端末機器５から、下位重畳装置４３に接続されている下位端末機器６３１に対して情報要求（Ｓ４１）が出力されると、上位重畳装置３Ａは、重畳信号により下位重畳装置４１に対しても情報要求（Ｓ４２）を送信する。下位端末機器６３１宛ての情報要求を受けた下位重畳装置４１は、この情報要求をトリガとして、自身に接続されている下位端末機器６１１，６１２，・・・に情報要求を出力し、端末情報の取得を開始する（Ｓ４３～Ｓ４６）。ただし、下位重畳装置４１は、このとき取得した端末情報を直ちに上位重畳装置３に返信するのではなく、バッファ部４０７に一旦蓄積する。これによって、下位重畳装置４１のバッファ部４０７は、下位端末機器６１１，６１２，・・・それぞれの端未情報を記憶する。

　その後、上位端末機器５から、下位端末機器６１１に対して情報要求（Ｓ４７）が出力されると、上位重畳装置３Ａは、重畳信号により下位重畳装置４１に情報要求（Ｓ４８）を送信する。下位端末機器６１１宛ての情報要求を受けた下位重畳装置４１は、この情報要求に応答して、バッファ部４０７に蓄積されている端末情報を全て上位重畳装置３Ａに返信する（Ｓ４９）。つまり、下位端末機器６１１，６１２，・・・それぞれの端未情報が上位重畳装置３Ａに送信される。

　下位重畳装置４１からの端末情報を受信した上位重畳装置３Ａは、情報要求の送信先である下位端末機器６１１の端末情報のみを上位端末機器５に出力し（Ｓ５０）、残りの端末情報については蓄積部３０７に蓄積する。一方、情報要求（Ｓ４８）を受けた下位重畳装置４１は、この情報要求をトリガとして、自身に接続されている下位端末機器６１１，６１２，・・・に情報要求を出力し、端末情報の取得を開始する（Ｓ５１，Ｓ５２）。

　その後、上位端末機器５から、下位端末機器６１２に対して情報要求（Ｓ５３）が出力されると、上位重畳装置３は、改めて通信を行うことなく、蓄積部に蓄積されている下位端末機器６１２の端末情報を上位端末機器５に返信する（Ｓ５４）。

　たとえば、下位重畳装置４１に２つの下位端末機器６１１，６１２が、下位重畳装置４２に２つの下位端末機器６２１，６２２が、下位重畳装置４３に２つの下位端末機器６３１，６３２が、それぞれ接続されている例を考える。また、初期状態では、蓄積部３０７は端末情報を記憶しておらず、下位重畳装置４１，４２，４３のそれぞれのバッファ部４０７も端末情報を記憶していない。

　この場合、上位端末機器５は、収集処理では、宛先情報が下位端末機器６１１を示す情報要求（以下、「第１情報要求」という）と、宛先情報が下位端末機器６１２を示す情報要求（以下、「第２情報要求」という）と、宛先情報が下位端末機器６２１を示す情報要求（以下、「第３情報要求」という）と、宛先情報が下位端末機器６２２を示す情報要求（以下、「第４情報要求」という）と、宛先情報が下位端末機器６３１を示す情報要求（以下、「第５情報要求」という）と、宛先情報が下位端末機器６３２を示す情報要求（以下、「第６情報要求」という）と、を所定の時間間隔でこの順番に送信する。

　上位重畳装置３Ａは、第１情報要求を受け取ると、下位端末機器６１１の端末情報が蓄積部３０７に蓄積されているか否かを判定する。蓄積部３０７は、いずれの端末情報も記憶していないため、上位重畳装置３Ａは、重畳信号により第１情報要求を下位重畳装置４１，４２，４３に送信する。下位重畳装置４１，４２，４３のそれぞれは、第１情報要求を受け取ると（Ｓ２１）、宛先判定処理を行う（Ｓ２２）。第１情報要求の宛先情報は下位端末機器６１１を示す。よって、下位重畳装置４１は取得判定処理を行い（Ｓ２３）、下位重畳装置４２，４３は既得判定処理を行う（Ｓ２６）。下位重畳装置４１のバッファ部４０７が下位端末機器６１１の端末情報を記憶していないため、下位重畳装置４１は第３応答処理を行う（Ｓ２４，Ｓ２５）。これによって、下位端末機器６１１の端末情報が重畳信号により上位重畳装置３に送信される。さらに、下位重畳装置４１は、下位端末機器６１２の端末情報を取得する（Ｓ３１，Ｓ３２，Ｓ３３）。これによって、バッファ部４０７は、２つの下位端末機器６１１，６１２それぞれの端末情報を記憶する。上位重畳装置３は、下位端末機器６１１の端末情報を受け取ると、受け取った下位端末機器６１１の端末情報を上位端末機器５に送信する。下位重畳装置４２，４３に関して、第１情報要求は収集処理における一回目の情報要求であるから、下位重畳装置４２，４３はそれぞれ、端末情報を収集する（Ｓ２７，Ｓ２８，Ｓ２９，Ｓ３１，Ｓ３２，Ｓ３３）。これによって、下位重畳装置４２のバッファ部４０７は下位端末機器６２１，６２２それぞれの端末情報を記憶し、下位重畳装置４３のバッファ部４０７は下位端末機器６３１，６３２それぞれの端末情報を記憶する。

　上位重畳装置３Ａは、第２情報要求を受け取ると、下位端末機器６１２の端末情報が蓄積部３０７に蓄積されているか否かを判定する。蓄積部３０７は、下位端末機器６１２の端末情報を記憶していないため、上位重畳装置３Ａは、重畳信号により第２情報要求を下位重畳装置４１，４２，４３に送信する。下位重畳装置４１，４２，４３のそれぞれは、第２情報要求を受け取ると（Ｓ２１）、宛先判定処理を行う（Ｓ２２）。第２情報要求の宛先情報は下位端末機器６１２を示す。よって、下位重畳装置４１は取得判定処理を行い（Ｓ２３）、下位重畳装置４２，４３は既得判定処理を行う（Ｓ２６）。下位重畳装置４１のバッファ部４０７が下位端末機器６１２の端末情報を記憶しているため、下位重畳装置４１は第２応答処理を行う（Ｓ３０）。これによって、下位端末機器６１２の端末情報が下位端末機器６１１の端未情報とともに重畳信号により上位重畳装置３Ａに送信される。上位重畳装置３Ａは、下位端末機器６１１，６１２それぞれの端末情報を受け取ると、第２情報要求の宛先情報に対応する下位端末機器６１２の端末情報だけを上位端末機器５に送信する。下位重畳装置４２，４３に関して、第２情報要求は収集処理における２回目の情報要求であるから、下位重畳装置４２，４３はそれぞれ処理を終了する。

　上位重畳装置３Ａは、第３情報要求を受け取ると、下位端末機器６２１の端末情報が蓄積部３０７に蓄積されているか否かを判定する。蓄積部３０７は、下位端末機器６２１の端末情報を記憶していないため、上位重畳装置３Ａは、重畳信号により第３情報要求を下位重畳装置４１，４２，４３に送信する。下位重畳装置４１，４２，４３のそれぞれは、第３情報要求を受け取ると（Ｓ２１）、宛先判定処理を行う（Ｓ２２）。第３情報要求の宛先情報は下位端末機器６２１を示す。よって、下位重畳装置４２は取得判定処理を行い（Ｓ２３）、下位重畳装置４１，４３は既得判定処理を行う（Ｓ２６）。下位重畳装置４２のバッファ部４０７が下位端末機器６２１の端末情報を記憶しているため、下位重畳装置４２は第２応答処理を行う（Ｓ３０）。これによって、下位端末機器６２１の端末情報が下位端末機器６２２の端未情報とともに重畳信号により上位重畳装置３Ａに送信される。上位重畳装置３Ａは、下位端末機器６２１，６２２それぞれの端末情報を受け取ると、第３情報要求の宛先情報に対応する下位端末機器６２１の端末情報だけを上位端末機器５に送信する。また、蓄積部３０７は、下位端末機器６２２の端未情報を記憶する。下位重畳装置４１，４３に関して、第３情報要求は収集処理における３回目の情報要求であるから、下位重畳装置４１，４３はそれぞれ処理を終了する。

　上位重畳装置３Ａは、第４情報要求を受け取ると、下位端末機器６２２の端末情報が蓄積部３０７に蓄積されているか否かを判定する。蓄積部３０７は、下位端末機器６２２の端末情報を記憶しているため、上位重畳装置３Ａは、下位端末機器６２２の端未情報を上位端末機器５に送信して、処理を終了する。よって、第４情報要求は、下位重畳装置４１，４２，４３に送信されない。

　上位重畳装置３Ａは、第５情報要求を受け取ると、下位端末機器６３１の端末情報が蓄積部３０７に蓄積されているか否かを判定する。蓄積部３０７は、下位端末機器６３１の端末情報を記憶していないため、上位重畳装置３Ａは、重畳信号により第５情報要求を下位重畳装置４１，４２，４３に送信する。下位重畳装置４１，４２，４３のそれぞれは、第５情報要求を受け取ると（Ｓ２１）、宛先判定処理を行う（Ｓ２２）。第５情報要求の宛先情報は下位端末機器６３１を示す。よって、下位重畳装置４３は取得判定処理を行い（Ｓ２３）、下位重畳装置４１，４２は既得判定処理を行う（Ｓ２６）。下位重畳装置４３のバッファ部４０７が下位端末機器６３１の端末情報を記憶しているため、下位重畳装置４３は第２応答処理を行う（Ｓ３０）。これによって、下位端末機器６３１の端末情報が下位端末機器６３２の端未情報とともに重畳信号により上位重畳装置３Ａに送信される。上位重畳装置３Ａは、下位端末機器６３１，６３２それぞれの端末情報を受け取ると、第５情報要求の宛先情報に対応する下位端末機器６３１の端末情報だけを上位端末機器５に送信する。また、蓄積部３０７は、下位端末機器６３２の端未情報を記憶する。下位重畳装置４１，４２に関して、第５情報要求は収集処理における４回目の情報要求であるから、下位重畳装置４１，４２はそれぞれ処理を終了する。

　上位重畳装置３Ａは、第６情報要求を受け取ると、下位端末機器６３２の端末情報が蓄積部３０７に蓄積されているか否かを判定する。蓄積部３０７は、下位端末機器６３２の端末情報を記憶しているため、上位重畳装置３Ａは、下位端末機器６３２の端未情報を上位端末機器５に送信して、処理を終了する。よって、第６情報要求は、下位重畳装置４１，４２，４３に送信されない。

　このように、上位端末機器５は、収集処理を行うことで、各下位端末機器６１１，６１２，６２１，６２２，６３１，６３２の端末情報を取得する。

　以上述べた本実施形態の通信システムでは、端末機器６は１台の下位重畳装置４に複数台接続されており、情報取得部４０２は、指定されたタイミングで、端末接続部４０１に接続されている全ての端末機器６から端末情報を取得しバッファ部４０７に蓄積する。

　すなわち、本実施形態の通信システムでは、第１端末接続部４０１には、複数の第１端末機器６が接続される。情報取得部４０２は、第１端末接続部４０１に接続された複数の第１端末機器６の各々から端末情報を所定のタイミングで取得するように構成される。

　以上説明した本実施形態の通信システムによれば、端末接続部４０１に接続されている複数台の下位端末機器６についても、情報取得部４０２は、指定されたタイミングで全ての下位端末機器６から端末情報を取得してバッファ部４０７に蓄積する。したがって、下位重畳装置４が、端末接続部４０１に接続されている複数台の下位端末機器６の各々に対する情報要求を受ける度に１台ずつ端末情報を取得する場合に比べて、これら複数台の下位端末機器６の端末情報に生じるタイムラグを小さくすることができる。

　また、本実施形態の通信システムでは、下位重畳装置４は、上位重畳装置３からの情報要求を受けると、端末接続部４０１に接続されている全ての端末機器６から取得した端末情報を通信部４０３から返信し、上位重畳装置３は、下位重畳装置４から返信された端末情報を蓄積する蓄積部３０７を備え、端末情報の受信側になる端末機器（上位端末機器）５に対して情報要求の送信先の端末機器６の端末情報のみを蓄積部３０７から出力する。

　すなわち、本実施形態の通信システムでは、情報要求は、第２端末機器５が端未情報を要求する第１端末機器６を示す宛先情報を含む。情報取得部４０２は、第１通信部４０３を通じて情報要求を第２重畳装置３から受け取ると、バッファ部４０７から複数の第１端末機器６それぞれの端未情報を取得して第１通信部４０３を通じて第２重畳装置３に送信するように構成される。第２重畳装置３は、第１重畳装置４から端未情報を受け取ると、受け取った端未情報を記憶し、記憶した端未情報から情報要求に含まれる宛先情報が示す第１端末機器６に該当する端未情報を選択して第２端末機器に送信するように構成される。

　このように、下位重畳装置４は、上位重畳装置３からの情報要求に応答して、端末接続部４０１に接続されている複数台の下位端末機器６の端末情報をまとめて返信する。下位重畳装置４からまとめて端末情報を受け取った上位重畳装置３は、その後、取得済みの端末情報を要求する情報要求を受けても、改めて下位重畳装置４と通信することなく、端末情報を上位端末機器５に返信することができる。これにより、上位重畳装置３－下位重畳装置４間の通信回数が少なくなり、また、上位重畳装置３が情報要求を出してから端末情報が返信されるまでの応答時間も短くなるという利点がある。

　その他の構成および機能は実施形態１と同様である。

　なお、上記各実施形態では、上位重畳装置３と下位重畳装置４とを別々の装置として説明したが、下位重畳装置４として用いられる重畳装置は上位重畳装置３としても使用できる構成であってもよい。この場合、重畳装置は、上位重畳装置３としての機能と、下位重畳装置４としての機能とがディップスイッチ等を用いて任意に切替可能に構成される。

Claims (9)

1. 　それぞれ伝送路に接続され所定の端未情報を有する複数の第１端末機器と、
   　前記伝送路に接続され前記第１端末機器に前記端未情報を要求する情報要求を送る第２端末機器と、
   　前記第１端末機器と前記伝送路との間に介在される第１重畳装置と、
   　前記第２端末機器と前記伝送路との間に介在され前記第２端末機器から前記情報要求を受け取る第２重畳装置と、
   　を備え、
   　　前記第１重畳装置は、
   　　　前記第１端末機器との接続に用いられる端末接続部と、
   　　　前記伝送路に接続され、前記伝送路を利用できる利用可能期間において前記第２重畳装置と通信する通信部と、
   　　　前記端末接続部に接続された前記第１端末機器から前記端末情報を所定のタイミングで取得する情報取得部と、
   　　　前記情報取得部によって取得された前記端末情報を記憶するバッファ部と、
   　　を有し、
   　前記第２重畳装置は、前記第２端末機器から前記情報要求を受け取ると、前記利用可能期間において前記情報要求を前記第１重畳装置に送信するように構成され、
   　前記情報取得部は、前記通信部を通じて前記情報要求を前記第２重畳装置から受け取ると、前記バッファ部から前記端未情報を取得して前記通信部を通じて前記第２重畳装置に送信するように構成され、
   　前記第２重畳装置は、前記端未情報を受け取ると、前記端未情報を前記第２端末機器に与えるように構成される
   　ことを特徴とする通信システム。
2. 　前記所定のタイミングは、前記伝送路を通じて前記通信部が受け取ったトリガによって決定される
   　ことを特徴とする請求項１記載の通信システム。
3. 　前記トリガは、前記情報要求である
   　ことを特徴とする請求項２記載の通信システム。
4. 　複数の前記第１重畳装置を備え、
   　前記情報要求は、前記第２端末機器が前記端未情報を要求する前記第１端末機器を示す宛先情報を含み、
   　前記情報取得部は、宛先判定処理と、取得判定処理と、第１応答処理と、第２応答処理と、第３応答処理と、を行うように構成され、
   　前記情報取得部は、前記通信部を通じて前記情報要求を前記第２重畳装置から受け取ると前記宛先判定処理を行うように構成され、
   　前記情報取得部は、前記宛先判定処理では、受け取った前記情報要求の前記宛先情報の示す前記第１端末機器に前記端末接続部に接続された前記第１端末機器が一致するか否かを判定するように構成され、
   　前記情報取得部は、前記端末接続部に接続された前記第１端末機器が前記宛先情報の示す前記第１端末機器に一致すると前記宛先判定処理で判定すると前記取得判定処理を行い、前記端末接続部に接続された前記第１端末機器が前記宛先情報の示す前記第１端末機器に一致しないと前記宛先判定処理で判定すると前記第１応答処理を行うように構成され、
   　前記情報取得部は、前記第１応答処理では、前記端末接続部に接続された前記第１端末機器から前記端末情報を取得するように構成され、
   　前記情報取得部は、前記取得判定処理では、前記宛先情報が示す前記第１端末機器の前記端未情報が前記バッファ部に記憶されているか否かを判定するように構成され、
   　前記情報取得部は、前記宛先情報が示す前記第１端末機器の前記端未情報が前記バッファ部に記憶されていると前記取得判定処理で判定すると前記第２応答処理を行い、前記宛先情報が示す前記第１端末機器の前記端未情報が前記バッファ部に記憶されていないと判定すると前記取得判定処理で前記第３応答処理を行うように構成され、
   　前記情報取得部は、前記第２応答処理では、前記宛先情報が示す前記第１端末機器の前記端未情報が前記バッファ部から取得して前記通信部を通じて前記第２重畳装置に送信するように構成され、
   　前記情報取得部は、前記第３応答処理では、前記端末接続部に接続された前記第１端末機器から前記端末情報を取得して前記通信部を通じて前記第２重畳装置に送信するように構成される
   　ことを特徴とする請求項３記載の通信システム。
5. 　前記第２端末機器は、前記第１端末機器に順番に前記情報要求を送る収集処理を行うように構成され、
   　前記収集処理で送信される前記情報要求は共通の識別情報を含み、
   　前記情報取得部は、受け取った前記情報要求の前記識別情報と同じ前記識別情報を含む前記情報要求を既に受け取っているか否かを判定する既得判定処理を行うように構成され、
   　前記情報取得部は、受け取った前記情報要求の前記識別情報と同じ前記識別情報を含む前記情報要求を既に受け取っていると前記既得判定処理で判定すると前記第１応答処理を行わず、受け取った前記情報要求の前記識別情報と同じ前記識別情報を含む前記情報要求を既に受け取っていないと前記既得判定処理で判定すると前記第１応答処理を行うように構成される
   　ことを特徴とする請求項４記載の通信システム。
6. 　前記端末接続部には、複数の前記第１端末機器が接続され、
   　前記情報取得部は、前記端末接続部に接続された前記複数の第１端末機器の各々から前記端末情報を前記所定のタイミングで取得するように構成される
   　ことを特徴とする請求項１～５のうちいずれか１項記載の通信システム。
7. 　前記情報要求は、前記第２端末機器が前記端未情報を要求する前記第１端末機器を示す宛先情報を含み、
   　前記情報取得部は、前記通信部を通じて前記情報要求を前記第２重畳装置から受け取ると、前記バッファ部から前記複数の第１端末機器それぞれの前記端未情報を取得して前記通信部を通じて前記第２重畳装置に送信するように構成され、
   　前記第２重畳装置は、前記第１重畳装置から前記端未情報を受け取ると、受け取った前記端未情報を記憶し、記憶した前記端未情報から前記情報要求に含まれる前記宛先情報が示す前記第１端末機器に該当する前記端未情報を選択して前記第２端末機器に送信するように構成される
   　ことを特徴とする請求項６記載の通信システム。
8. 　前記伝送路は、前記第１重畳装置と前記第２重畳装置との間の通信プロトコルとは異なる通信プロトコルに基づく伝送信号の伝送に用いられ、
   　前記利用可能期間は、前記伝送信号において重畳信号を重畳できる期間であり、
   　前記通信部は、前記重畳信号により前記第２重畳装置と通信するように構成され、
   　前記第２重畳装置は、前記重畳信号を利用して前記情報要求を前記第１重畳装置に送信するように構成される
   　ことを特徴とする請求項１～７のうちいずれか１項記載の通信システム。
9. 　所定の端未情報を有する端末機器が接続される端末接続部と、
   　伝送路に接続され、前記伝送路を利用できる利用可能期間に通信を行う通信部と、
   　前記端末接続部に接続された前記端末機器から前記端末情報を所定のタイミングで取得する情報取得部と、
   　前記情報取得部によって取得された前記端末情報を記憶するバッファ部と、
   　を備え、
   　前記情報取得部は、前記端末機器に前記端未情報を要求する情報要求を前記通信部を通じて受け取ると、前記バッファ部から前記端未情報を取得し、前記通信部を通じて前記端末情報を前記伝送路に送信するように構成される
   　ことを特徴とする重畳装置。

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