WO2012039032A1 - シャフト装置 - Google Patents

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Abstract

 シャフトの良好な潤滑状態を確保できるシャフト装置を提供する。シャフト装置の筐体(40)には、軸方向(100)に対して交差する方向に、ピン(71)が挿通される第一挿通穴(44)が形成され、シャフト(50)には、軸方向(100)に対して交差する方向に、ピン(71)が挿通される第二挿通穴(54)が形成される。ピン(71)が第一挿通穴(44)と第二挿通穴(54)との両方に亘って配置されることにより、シャフト(50)は筐体(40)に対して相対的に固定される。筐体(40)にはさらに、ピン(71)の一部が第二挿通穴(54)に挿入された状態でのシャフト(50)の周方向の回転を許容する空間(45)が形成されている。

Description

シャフト装置
 本発明は、シャフト装置に関し、特に、シャフトとシャフトを収容する筐体とを備えるシャフト装置に関する。
 自動車などの車両に搭載される差動装置に関し、従来、デフケースの周壁部に設けられる貫通孔にピニオンシャフトを挿入し、デフケースの周壁部に貫通孔に対して直交する方向に穿設されるピン挿入孔にピンを挿入することによって、ピンをピニオンシャフトに係止させることでピニオンシャフトをデフケースに抜け止め固定する構造が提案されている(たとえば、特開2008-128440号公報(特許文献1)参照)。
特開2008-128440号公報
 自動車用の差動装置では、左右輪の高差動や高負荷により、ピニオンギヤがピニオンシャフトに対し摺動する場合がある。そのため、ピニオンギヤとピニオンシャフトとの間に潤滑用のオイルを常に供給できる構成とすることが重要視されている。
 通常、ピニオンシャフトは、ピニオンギヤと対向する一部のみのピニオンシャフトの外周面が切削加工され、ピニオンシャフトとピニオンギヤとの間に潤滑オイル供給用の空間が形成される。ピニオンシャフトがデフケースに対し軸方向に相対移動すると、上記のオイル供給空間がピニオンシャフトとピニオンギヤとの対向する位置から外れるので、ピニオンシャフトとピニオンギヤとの間のオイルによる潤滑性能が低下する。
 本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、シャフトの良好な潤滑状態を確保できる、シャフト装置を提供することである。
 本発明に係るシャフト装置は、筐体と、筐体に収容されるシャフトと、シャフトの軸方向の移動を制限するピンと、を備える。筐体には、軸方向に対して交差する方向に、ピンが挿通される第一挿通穴が形成されている。シャフトには、軸方向に対して交差する方向に、ピンが挿通される第二挿通穴が形成されている。ピンが第一挿通穴と第二挿通穴との両方に亘って配置されることにより、シャフトは筐体に対して相対的に固定される。筐体にはさらに、ピンの一部が第二挿通穴に挿入された状態でのシャフトの周方向の回転を許容する空間が形成されている。
 上記シャフト装置において、空間は、第一挿通穴の内壁の一部が軸方向に対して直交する径方向に窪んで形成されていてもよい。
 上記シャフト装置において、ピンは、軸方向に対して直交する径方向に沿って第二挿通穴に挿入されており、空間は、ピンの軸方向の寸法よりもわずかに大きい軸方向の寸法を有してもよい。
 上記シャフト装置において、ピンは、シャフトの周方向の回転に伴って筐体に対して摺動してもよい。
 上記シャフト装置において、シャフトは、筐体に形成された円筒状の収容穴に収容されており、空間は、収容穴の直径よりも大きい内径を有してもよい。
 上記シャフト装置において、空間は、軸方向から見た形状が円形状に形成されていてもよい。
 上記シャフト装置において、空間は、収容穴と中心を共有してもよい。
 上記シャフト装置において、ピンが第一挿通穴と第二挿通穴との両方に亘って配置された状態でシャフトを周方向に回転させようとする回転トルクがシャフトに作用するとき、収容穴の径よりも径方向外側の位置でピンが折損してもよい。
 上記シャフト装置において、ピンには、ピンの他の部分と比較して強度の小さい脆弱部が設けられており、脆弱部は、シャフトが収容穴に収容され、第二挿通穴にピンが挿通された状態で、収容穴の径よりも径方向外側に位置する部位に設けられていてもよい。
 上記シャフト装置において、脆弱部は、ピンが機械加工されピンの一部が除去された欠損部を含んでもよい。
 上記シャフト装置において、欠損部は、ピンが周方向の全周に亘って機械加工され、ピンが縮径されて形成されていてもよい。
 上記シャフト装置において、欠損部は、ピンを貫通する孔形状に形成されていてもよい。
 上記シャフト装置において、筐体は、車両用の差動装置のケースであり、シャフトは、差動装置のピニオンシャフトであり、差動装置のピニオンギヤの回転中心軸として構成されてもよい。
 本発明のシャフト装置によると、シャフトの良好な潤滑状態を確保することができる。
本発明の実施の形態1に従った差動装置の断面図である。 図1に示す領域II付近を拡大して示す差動装置の部分断面図である。 デフケースに形成された挿通穴の構成を示す断面図である。 図3中のIV-IV線に沿うデフケースの断面図である。 図3中のV-V線に沿うデフケースの断面図である。 図3中のVI-VI線に沿うデフケースの断面図である。 ピンの構成の詳細を示す側面図である。 デフケースおよびピニオンシャフトに形成された挿通穴にピンを挿通した状態を示す断面図である。 ピンが折損した状態を示す断面図である。 ピニオンシャフトとともにピンが回転する状態を示す断面図である。 実施の形態2のピンの構成の詳細を示す側面図である。 図11中のXII-XII線に沿うピンの断面図である。 実施の形態3のピンの構成の詳細を示す側面図である。
 以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
 (実施の形態1)
 図1は、本発明の実施の形態1に従った差動装置1の断面図である。差動装置1は、駆動力源より入力される回転力の一部を、ドライブシャフト53を経由させて左右の車輪へ伝達する。差動装置1は、デフキャリア10内に収容されている。デフキャリア10は箱型であり、その内部に各部品を収納するための空間を有する。デフキャリア10内にはオイルが存在し、このオイルが差動装置1のさまざまな機構を冷却および潤滑する。
 デフキャリア10には、ドライブピニオン20が保持されている。ドライブピニオン20は、インプットシャフト21と一体に構成されており、回転可能に保持されている。インプットシャフト21は、ベアリング12,13によりデフキャリア10に保持されており、ドライブピニオン20を回転させることが可能である。
 ドライブピニオン20は、リングギヤ30と噛み合っている。リングギヤ30の一部分がデフキャリア10内のオイルに浸され、リングギヤ30が回転することでオイルをかき上げることが可能となる。リングギヤ30とドライブピニオン20とは所定のバックラッシを有するように噛み合っている。
 リングギヤ30には、デフケース40が接続されている。リングギヤ30は、デフケース40にボルト結合され、デフケース40により保持されている。駆動力源で発生し、変速機で駆動力、回転速度および回転方向が変換された動力は、ドライブピニオン20およびリングギヤ30を経て、デフケース40に伝達される。
 デフケース40は、ピニオンシャフト50を保持する。デフケース40には、収容穴43が形成されている。この収容穴43にピニオンシャフト50が差し込まれ、ピニオンシャフト50が収容穴43の内部に収容されている。デフケース40には、ピン71が挿通される挿通穴44が形成されている。ピニオンシャフト50には、ピン71が挿通される挿通穴54が形成されている。挿通穴44,54内に配置されたピン71により、ピニオンシャフト50は、デフケース40内で保持されている。
 ピニオンシャフト50は、図1中の両矢印で示す軸方向100に沿って延在している。ピニオンシャフト50は、ピニオンギヤ51を自転可能で、かつ公転可能に保持している。一対のサイドギヤ52は、ピニオンギヤ51と噛み合うように配置されている。サイドギヤ52はドライブシャフト53とスプライン嵌合しており、サイドギヤ52の回転はドライブシャフト53へ伝えられる。
 ドライブシャフト53は、デフケース40とともに回転運動を行なう。デフケース40は、仮想の回転中心線である回転軸31をドライブシャフト53と共有するように設けられている。ドライブシャフト53は、回転軸31回りに回転可能に設けられており、デフキャリア10は固定されている。つまり、ドライブシャフト53は、ドライブシャフト53を取り囲むデフキャリア10に対して、回転軸31回りに相対的に回転可能に設けられている。
 デフケース40はベアリング60によりデフキャリア10に回転可能に保持されている。ベアリング60は、デフケース40と接触するインナーレース61、デフキャリア10と接触するアウターレース63およびインナーレース61およびアウターレース63の間に介在する転動体としてのローラ62とを有する。
 サイドギヤ52は、回転軸31に直交する平坦形状のスラスト面153と、スラスト面153の内周側に位置する内周面としての貫通孔151と、スラスト面153の外周側に位置する外周面152と、ピニオンギヤと噛み合う歯面154と、を有する。外周面152は円筒面であり、回転軸31に対して平行に配置される。外周面152は、デフケース40の内周面41と接触している。外周面152が接触するデフケース40の内周面41も、回転軸31に対して平行に構成されている。
 ドライブシャフト53がサイドギヤ52に形成された貫通孔151と嵌合し、ドライブシャフト53とサイドギヤ52とは一体的に回転する。スラスト面153は貫通孔151から外周面152まで延びており、回転軸31に対して直交する。スラスト面153は、回転軸31方向に突出する部分がなく平坦な面で構成されている。歯面154は、直線状に延びている。歯面154は円錐面上に位置しており、スラスト面153から遠ざかるについて径が小さくなるように構成されている。なおサイドギヤ52は、歯面154が捩られたいわゆるスパイラルギヤであってもよい。
 旋回時や路面に凹凸がある場合などに左右のドライブシャフト53に回転差を与えて車両の円滑な走行を可能とするディファレンシャルギヤは、ピニオンギヤ51とサイドギヤ52とにより構成されている。ピニオンギヤ51はデフケース40に取り付けられており、このピニオンギヤ51にサイドギヤ52が噛み合っている。またサイドギヤ52は、スプラインによりドライブシャフト53と結合している。
 車両が平坦路を直進する場合には、左右の駆動輪の転がる距離が等しい。そのため左右のサイドギヤ52は同じ回転速度で回転し、サイドギヤ52の間に挟まれたピニオンギヤ51は自転せず、デフケース40、ピニオンギヤ51およびサイドギヤ52は一体となって公転する。
 車両がカーブを曲がる場合には、カーブ外側の駆動輪の転がる距離がカーブ内側の駆動輪よりも長いため、カーブ外側のサイドギヤ52はカーブ内側のサイドギヤ52よりも速く回転する。このとき、カーブ外側のサイドギヤ52はデフケース40よりも速く回転しており、カーブ内側のサイドギヤ52はデフケース40よりも遅く回転している。したがって、デフケース40に取り付けられ左右のサイドギヤ52の間に挟まれたピニオンギヤ51は、公転だけでなく自転もするようになる。これにより、異なる速度で回転している左右のサイドギヤ52にデフケース40からの動力を伝えることを可能にしている。
 このようなディファレンシャルギヤの働きにより、車両は駆動輪と路面との間ですべりを起こすことなく、円滑にカーブを曲がったり、凹凸路面を走行したりすることができる。
 以下、本実施の形態に係る、シャフト装置について説明する。シャフト装置は、筐体と、筐体に収容されるシャフトとを備える。上記筐体は、本実施の形態の場合、車両用の差動装置1のデフケース40であり、上記シャフトは、差動装置1のピニオンシャフト50である。ピニオンシャフト50は、差動装置1のピニオンギヤ51の回転中心軸として構成される。
 図2は、図1に示す領域II付近を拡大して示す差動装置1の部分断面図である。図3は、デフケース40に形成された挿通穴44の構成を示す断面図である。図4は、図3中のIV-IV線に沿うデフケース40の断面図である。図5は、図3中のV-V線に沿うデフケース40の断面図である。図6は、図3中のVI-VI線に沿うデフケース40の断面図である。
 図2~図6を適宜参照して、デフケース40には、ピン71が挿通される第一挿通穴としての挿通穴44が形成されている。ピニオンシャフト50は、略円筒状に形成されており、デフケース40に形成された円筒状の収容穴43に収容されている。ピニオンシャフト50には、ピン71が挿通される第二挿通穴としての挿通穴54が形成されている。挿通穴44,54は、図1に示す軸方向100に対して交差する方向、典型的には軸方向100に対して直交する方向に沿って延びるように、形成されている。
 ピン71は、軸方向100に対して直交する径方向に沿って、挿通穴44,54に挿入されている。ピン71は、挿通穴44と挿通穴54との両方に亘って延在するように、挿通穴44および挿通穴54に挿通されて配置されている。ピン71が挿通穴44と挿通穴54との両方に亘って配置されることにより、ピニオンシャフト50は、デフケース40に対して相対的に固定されている。ピン71は、挿通穴44,54の内部に挿入されることにより、ピニオンシャフト50のデフケース40に対する軸方向100の相対移動を制限するとともに、円筒形状を有するピニオンシャフト50の周方向の回転移動を制限する。
 ピニオンシャフト50に形成された挿通穴54は、軸方向100に対して交差する方向にピニオンシャフト50を貫通する、貫通孔として形成されている。挿通穴54は、円筒状のピニオンシャフト50の径方向に、ピニオンシャフト50を貫通する。挿通穴54は、円筒状のピニオンシャフト50の中心軸線を通るように、ピニオンシャフト50に穿設されている。挿通穴54の延びる方向は、ピニオンシャフト50の中心軸線と交差する。典型的には、挿通穴54の延びる方向は、ピニオンシャフト50の中心軸線と直交する。
 デフケース40にはさらに、空間45が形成されている。図5に特に明確に示されるように、空間45は、軸方向100から見た形状が円形状に形成されている。空間45が形成する円形状は、円筒状の収容穴43と中心を共有する。図5における紙面垂直方向が図1に示す軸方向100であり、空間45および収容穴43の軸方向100から見た平面形状は、同心円の形状を形成している。軸方向100から見て、収容穴43と空間45とは、同心円状にデフケース40に形成されている。空間45は、収容穴43の直径よりも大きい内径を有する。
 図3および図5を参照して、図3中の上下方向に示す軸方向100の空間45の寸法は、軸方向100に直交する径方向の空間45の径と比較して小さい。空間45は、円板状に形成されている。図2および図3を参照して、空間45が形成する円板の厚み方向の寸法(すなわち、空間45の軸方向100の寸法)は、ピン71の軸方向100の寸法よりもわずかに大きい。
 図5に示すように、空間45は、ピニオンシャフト50の移動を抑制するためのピン71が挿通される挿通穴44の内壁の一部が径方向に窪むように、挿通穴44の内部空間の一部が軸方向100に対して直交する径方向に広げられて、形成されている。ピン71は、端面形状が円形状の、略円筒状の外形を有する。ピン71を挿通するための挿通穴44もまた、円筒状の内壁形状を有する。空間45は、挿通穴44の延びる方向(図5に示す図中左右方向)に対し直交する方向(図5中上下方向)の両方に、半円板状の中空空間が張り出すように、デフケース40が加工されて形成されている。
 図7は、ピン71の構成の詳細を示す側面図である。ピン71は、略円筒形状の外形を有する。ピン71は、ピン71の一端を成す平坦な円形状の先端部73と、ピン71の他端を成す平坦な円形状の先端部74と、を有する。ピン71は、先端部73に近接する位置でピン71が周方向の全周に亘って機械加工され、ピン71の一部が除去されて縮径されて形成された、欠損部72を有する。欠損部72は、ピン71の他の部分よりも径が小さいために、ピン71の他の部分と比較して強度の小さい脆弱部を形成する。
 ピン71は、欠損部72よりも先端部73側の頭部75と、欠損部72よりも先端部74側の胴部76とを有する。頭部75と、欠損部72と、胴部76との表面形状は、円筒状に形成されている。先端部73側の胴部76の端部にはテーパ部78が設けられている。テーパ部78において、胴部76と比較して径の小さい欠損部72へ向かってピン71の外表面の径が徐々に縮小する。先端部74側の胴部76の端部にも同様のテーパ部77が設けられており、テーパ部77において、胴部76と比較して径の小さい先端部74へ向かってピン71の外表面の径が徐々に縮小する。
 棒状のピン71の延在方向における頭部75の寸法は、胴部76の寸法と比較して小さい。ピン71の延在方向における頭部75と胴部76との寸法の比は、欠損部72を形成する位置によって調整できる。たとえば、欠損部72とテーパ部78との境界を形成する円環状の境界部79からピン71の先端部73までの距離と、境界部79からピン71の他方の先端部74までの距離との比を、1:6としてもよい。この比に限られず、ピン71がピニオンシャフト50に組み付けられたときピニオンシャフト50の挿通穴54の外部に位置する部位に欠損部72が形成されれば、ピン71の延在方向における頭部75と胴部76との寸法の比は任意に調整することが可能である。
 欠損部72は、ピン71にせん断応力が作用するときに最も折損しやすい程度に、ピン71の他の部分と比較して十分に小さい強度を有する。欠損部72の強度を小さくするには欠損部72の径をピン71の他の部分よりも小さく形成すればよい。一方、欠損部72は、差動装置1の通常運転時には折損しないための強度を有する必要がある。たとえば欠損部72は、ピニオンギヤ51とピニオンシャフト50との間の通常潤滑時の摩擦抵抗によりピニオンシャフト50に作用するトルクによってはピン71が折損せず、ピニオンギヤ51とピニオンシャフト50との摺動部が焼き付いた場合にのみピン71が折損するような強度を有する必要がある。このような強度を有するために、たとえば欠損部72の径がピン71の頭部75および胴部76の径の2/3となるように、ピン71を加工して欠損部72を形成してもよい。
 ピン71の延在方向における欠損部72を形成する位置は、先端部74へより近い位置であれば、ピン71の強度の点で好ましい。一方、先端部73へより近い位置に欠損部72を形成すれば、後述するピニオンシャフト50の抜け止めのために有利となる。
 以上の構成を備える空間45とピン71とによって、デフケース40に対するピニオンシャフト50の軸方向100の相対移動を防止できる原理について、以下に説明する。図8は、デフケース40およびピニオンシャフト50に形成された挿通穴44,54にピン71を挿通した状態を示す断面図である。図8では、デフケース40に形成された収容穴43にピニオンシャフト50が収容され、デフケース40の挿通穴44が外部へ開口する開口部を経由してピン71が挿通穴44に挿入され、さらにピニオンシャフト50の挿通穴54にピン71が挿通された状態が図示されている。
 図8に示す状態で、ピニオンシャフト50を貫通して形成された挿通穴54を貫通するように、ピン71は配置されている。ピン71の頭部75から欠損部72に至る部位はデフケース40の挿通穴44の内部に保持され、ピン71の胴部76は空間45においてピニオンシャフト50を貫通している。ピン71の延在方向における胴部76の長さは、円板状の空間45の径と略同一とされている。つまり、図8に示すように、ピン71の先端部74から境界部79までの距離と、空間45の直径とは、ほぼ同一である。
 また図8に示す状態で、ピン71に形成された欠損部72は、ピニオンシャフト50を収容する円筒状の収容穴43の径よりも径方向外側に位置する部位に設けられている。ピン71がデフケース40の挿通穴44とピニオンシャフト50の挿通穴54との両方に亘って配置されており、欠損部72は挿通穴44の内部に配置されている。欠損部72は、円筒状の収容穴43の内周面よりも収容穴43の軸線からの距離の大きい、収容穴43の内周面と比較して径方向外側の位置に配置されている。
 図8に示すピン71を挿通穴44,54に完全に挿入した状態で、欠損部72が意図された位置に配置されるように、挿通穴44、空間45およびピン71が形成されるのが望ましい。たとえば、ピン71を挿通穴44,54内へ圧入するとき、ピン71の先端部74が空間45の壁面に当接して、ピン71が位置決めされてもよい。このようにすれば、ピン71の圧入と同時に、欠損部72を容易に位置決めすることができるので、ピン71に作用するせん断応力によって確実に欠損部72の位置でピン71を折損させることができる。
 図9は、ピン71が折損した状態を示す断面図である。車両用の差動装置1では、車両の左右輪の高差動や高負荷により、ピニオンギヤ51とピニオンシャフト50との間の摺動抵抗が増加すると、ピニオンシャフト50を周方向に回転させようとする大きな回転トルクがピニオンシャフト50に作用する。
 この回転トルクにより、ピニオンシャフト50の回転止め機能を有するピン71には、ピン71を曲げようとするせん断応力が作用する。ピン71の頭部75がデフケース40の挿通穴44内に配置されているために、ピニオンシャフト50がデフケース40に対し相対回転しようとすると、ピニオンシャフト50とともに回転しようとするピン71が挿通穴44の壁面を押圧する応力の反作用で、デフケース40から頭部75に応力が作用する。
 デフケース40からピン71に作用する応力がピン71の耐力を超えると、ピン71は破損する。ピン71は、最も強度の小さい脆弱部を形成する欠損部72において折損する。上述した通り、ピニオンシャフト50を収容する円筒状の収容穴43の径よりも径方向外側に、ピン71の折損の起点となる欠損部72が設けられている。そのため、欠損部72を折損の起点として、ピン71は、収容穴43の径よりも径方向外側の位置で折損する。
 図9には、ピン71が折損した後の、空間45の内部に残るピン71の胴部76が示されている。ピン71が破損した後でも、ピン71の胴部76はピニオンシャフト50の挿通穴54を貫通して配置されており、胴部76の先端部74側の端部と境界部79側の端部との両方は挿通穴54の外部に配置されている。ピン71が折損した状態で、ピン71の一部は挿通穴54の内部に配置され、一方、ピン71の他の一部は、挿通穴54からピニオンシャフト50の外部へ突出し、収容穴43の径よりも径方向外側へ延在する。
 図9に示す状態で、ピニオンシャフト50の回転止め機能を有していたピン71が折損しその延在長さが小さくなったため、ピニオンシャフト50の周方向の回転が可能とされている。ピン71が欠損部72で折損した状態で、ピニオンシャフト50は、デフケース40に対し相対回転可能に、収容穴43に収容されている。
 図10は、ピニオンシャフト50とともにピン71が回転する状態を示す断面図である。デフケース40に形成された空間45は、ピン71の一部が挿通穴54に挿入された状態でのピニオンシャフト50の周方向の回転を許容する。空間45は、ピン71の一部が挿通穴54に挿入された状態でピニオンシャフト50が周方向にデフケース40に対し相対回転するときの、デフケース40に対するピン71の相対運動を妨げないように、形成されている。空間45は、ピニオンシャフト50とともにデフケース40に対し相対回転するピン71の移動経路に干渉しないように、デフケース40がくり抜かれ、デフケース40の一部が除去されるようにデフケース40が加工されて、形成されている。
 そのため、図10に示すように、ピニオンシャフト50に作用する回転トルクによって、ピニオンシャフト50とピン71とは一体となってデフケース40に対し相対回転する。ピン71は、ピニオンシャフト50の周方向の回転に伴ってデフケース40に対して摺動する。ピニオンシャフト50を収容する収容穴43の直径よりも大きい内径を有する空間45にピン71の一部が突出し、収容穴43の径よりも径方向外側へピン71の端部がピニオンシャフト50から張り出した状態で、ピニオンシャフト50とともにピン71が回転する。
 ピン71が空間45内でピニオンシャフト50とともに回転することで、ピニオンシャフト50がデフケース40から抜ける方向、すなわち図1に示す軸方向100のピニオンシャフト50の移動が制限される。デフケース40に形成された空間45の中をピン71が回転することにより、ピン71の回転時のさらなる折損が防止されるとともに、ピニオンシャフト50を収容する収容穴43の径よりも径方向外側まで延在する長さをピン71が有しているために、ピニオンシャフト50の軸方向100の移動が制限される。
 このようにして、デフケース40に収容されるピニオンシャフト50が回転した場合でも、軸方向100におけるデフケース40とピニオンシャフト50との相対位置が変化することを抑制できる。したがって、ピニオンシャフト50の外周面に形成されたオイル供給空間がピニオンシャフト50とピニオンギヤ51との間に介在するように、ピニオンシャフト50を配置することができるので、ピニオンシャフト50の良好な潤滑状態を確保することができる。
 以上説明した実施の形態1の装置によると、デフケース40には、ピン71の一部がピニオンシャフト50の挿通穴54に挿入された状態でのピニオンシャフト50の周方向の回転を許容する空間45が形成されている。ピン71は、その一部が挿通穴54に挿入され、他の一部が挿通穴54の外部に配置された状態で、ピニオンシャフト50とともにデフケース40に対して相対回転する。挿通穴54の外部へ突出したピン71の一部が、デフケース40に対するピニオンシャフト50の軸方向100の移動を妨げる。
 そのため、ピニオンシャフト50がデフケース40に対し相対回転してピン71が折損した場合でも、デフケース40に対するピニオンシャフト50の軸方向100の相対移動を抑制できる。したがって、ピニオンギヤ51とピニオンシャフト50との間に潤滑オイル供給用の空間を配置することができるので、ピニオンシャフト50の良好な潤滑状態を確保することができる。ピン71が折損したときに、ピニオンシャフト50の軸方向の相対移動が妨げられるので、ピニオンシャフト50がデフケース40から抜けることもまた防止することができる。
 また、空間45は、デフケース40に形成された挿通穴44の内壁の一部が、軸方向100に対して直交する径方向に窪んで形成されている。このようにすれば、挿通穴44の内部空間の一部を加工し、挿通穴44の一部の径方向寸法を増大させることにより、容易に空間45を形成することができる。
 また、ピン71は、軸方向100に対して直交する径方向に沿って挿通穴54に挿入されており、空間45は、ピン71の軸方向100の寸法よりもわずかに大きい軸方向100の寸法を有する。空間45の軸方向100の寸法が小さすぎると、ピン71が空間45内で圧入状態となり、空間45内でのピン71の移動が妨げられ望ましくない。一方、空間45の軸方向100の寸法が大きすぎると、空間45内でピン71のガタツキが発生し、異音の発生の原因となる。そのため空間45は、ピン71の軸方向100の寸法よりもわずかに大きい軸方向100の寸法を有するのが望ましい。
 ピン71がピニオンシャフト50の回転に伴って空間45内をデフケース40に対して摺動するように空間45およびピン71の軸方向100の寸法を設定すれば、ピン71の滑らかな空間45内の移動を可能にし、かつ異音の発生を抑制できるので、より好ましい。
 また、ピニオンシャフト50は、デフケース40に形成された円筒状の収容穴43に収容されており、空間45は、収容穴43の直径よりも大きい内径を有する。このようにすれば、収容穴43の直径よりも内径の大きい空間45の内部にピン71の一部を配置することができ、この状態でピン71をピニオンシャフト50とともにデフケース40に対して相対回転することにより、ピン71は確実にピニオンシャフト50の軸方向100の移動を抑制する機能を果たすことができる。
 また、空間45は、軸方向100から見た形状が円形状に形成されている。このようにすれば、空間45をより容易に加工することができるので、装置の生産性を向上させることができる。このとき空間45を収容穴43と中心を共有するように形成すれば、確実に収容穴43の径に対して径方向外側に空間45を形成することができる。
 また、ピン71が挿通穴44,54の両方に亘って配置された状態でピニオンシャフト50を周方向に回転させようとする回転トルクがピニオンシャフト50に作用するとき、収容穴43の径よりも径方向外側の位置でピン71が折損する。ピン71を挿通穴44,54の両方に亘って配置することにより、ピン71は、ピニオンシャフト50の軸方向100の移動を制限するとともに、ピニオンシャフト50の回転止め機能をも有する。一方、ピン71が折損した後には、ピン71によってピニオンシャフト50の軸方向100の移動を制限する状態を保ちつつ、ピン71とピニオンシャフト50とを一体回転させることができる。
 ピン71がピニオンシャフト50の回転止め機能を有さなければ、差動装置1の通常運転時に、ピン71とピニオンシャフト50とが一体回転する。そのためピン71およびピニオンシャフト50の潤滑が必要となるが、従来の差動装置1の構造では十分に潤滑ができず、早期にピン71自体が焼き付いてしまい、ピン71の所望の抜け止め機能を果たせない可能性がある。これを防止するためには潤滑構造の変更が必要であり、大きな構造変更が必要とされるので、コスト増加の原因となる。これに対し、ピン71がピニオンシャフト50の回転止め機能を持つことで、特別な潤滑構造の変更などは必要ないため、装置のコスト増加を回避することができる。
 また、ピン71には、ピン71の他の部分と比較して強度の小さい脆弱部が設けられており、脆弱部は、ピニオンシャフト50が収容穴43に収容され、挿通穴54にピン71が挿通された状態で、収容穴43の径よりも径方向外側に位置する部位に設けられている。このようにすれば、ピン71の折損位置を脆弱部に特定することができ、ピン71の折損後に収容穴43よりも径方向外側にピン71の一部を確実に配置することができるので、ピン71は確実にピニオンシャフト50の軸方向100の移動を抑制する機能を果たすことができる。
 また、脆弱部は、ピン71が機械加工されピン71の一部が除去された欠損部を含む。このようにすれば、脆弱部を容易に、ピン71の同一の位置に確実に形成することができる。ピン71が周方向の全周に亘って機械加工され縮径されて欠損部72を形成することにより、切削加工に代表される従来の方法を使用して、簡単に脆弱部を形成することができる。
 (実施の形態2)
 図11は、実施の形態2のピン71の構成の詳細を示す側面図である。図12は、図11中のXII-XII線に沿うピン71の断面図である。実施の形態2のピン71では、実施の形態1と異なり、先端部73の近傍に形成された欠損部172は、ピン71を貫通する孔形状に形成されている。欠損部172は、丸孔形状を有し、当該丸孔の中心がピン71の軸線と交差するように、ピン71の径方向に沿って形成されている。欠損部172は、ピン71の延在方向と交差する方向、典型的には直交する方向に延び、ピン71を貫通している。
 このようにすれば、実施の形態1と同様に、欠損部172でピン71を折損させることができるので、ピン71を挿通穴44,54の両方に亘って配置しピニオンシャフト50の抜け止めおよび回転止めを行ない、ピン71の折損後には、ピニオンシャフト50の軸方向100の移動を防止しながらピン71とピニオンシャフト50とを一体回転させることができる。
 丸孔形状の欠損部172は、ピン71をたとえばドリルを使用して穴あけ加工することで形成することができる。加工の容易さにおいては実施の形態1の欠損部72の方が優れるものの、ピン71を貫通する孔形状に欠損部172を形成することにより、ピン71の外周面をより円筒形状に近い形状に形成することができる。したがって、挿通穴44,54へのピン71の挿通時に欠損部が引っ掛かる可能性を低減できるので、挿通穴44,54へのピン71の挿入の容易性が向上し、装置の組み付け時の作業性を向上することができる。
 (実施の形態3)
 図13は、実施の形態3のピン71の構成の詳細を示す側面図である。実施の形態3のピン71では、実施の形態2と異なり、先端部73の近傍にピン71を貫通する孔形状に形成された欠損部272は、角穴形状を有するように形成されている。欠損部272は、穴の深さ方向を形成する四角形の中心がピン71の軸線と交差するように、ピン71の径方向に沿って形成されている。
 このようにすれば、実施の形態1と同様に、欠損部272でピン71を折損させることができるので、ピン71を挿通穴44,54の両方に亘って配置しピニオンシャフト50の抜け止めおよび回転止めを行ない、ピン71の折損後には、ピニオンシャフト50の軸方向100の移動を防止しながらピン71とピニオンシャフト50とを一体回転させることができる。
 加工の容易さにおいては実施の形態2の丸孔形状の欠損部172の方がより優れるものの、角穴形状の欠損部272を形成することにより、ピン71にせん断応力が作用するとき角部に応力集中が発生するために、より容易にピン71を折損させることができる。
 なお、実施の形態1~3の説明においては、ピニオンシャフト50に形成される挿通穴54が、ピニオンシャフト50を貫通する貫通孔として形成される例について説明した。挿通穴54は貫通孔に限られず、有底の穴であってもよい。この場合においても、ピン71の一方の端部を挿通穴54に挿通した状態で、ピン71の他方の端部を挿通穴54の外部に配置し、ピニオンシャフト50を収容する収容穴の径よりも径方向外側へ張り出すようにピン71を配置することで、ピニオンシャフト50の軸方向100の移動を同様に防止することができる。
 また、挿通穴54が円筒状のピニオンシャフト50の径方向に延びる穴として形成され、デフケース40の挿通穴44は円筒状の収容穴43の径方向に延びる穴として形成される例について説明したが、この構成に限られない。上述したように、ピニオンシャフト50と一体に回転するピン71の回転を妨げないような形状の空間45がデフケース40に形成されており、このときピン71がピニオンシャフト50の軸方向と交差する方向に延在していれば、ピニオンシャフト50の軸方向100の移動を防止する効果を同様に得ることができる。つまり、挿通穴44,54は、軸方向100に直交する方向に限られず、軸方向100に交差する任意の方向に延びるほうに形成されてもよい。
 また、デフケース40に形成される空間45の形状は、上述した円板状に限られるものではない。たとえば軸方向100に対し鋭角を成す方向に沿ってピン71がピニオンシャフト50に挿通される場合、空間45は、円錐台形状に形成すればよい。空間45は、ピン71の一部が挿通穴54に挿入された状態でのピニオンシャフト50の周方向の回転を許容でき、ピン71とピニオンシャフト50とが一体として回転できるようにするものであれば、任意の形状を有してもよい。
 さらに、上述した実施の形態の説明においては、デフケース40に収容されるピニオンシャフト50を例に挙げシャフト装置について説明したが、本発明の装置は、他の機器にも適用可能である。たとえば、自動変速機やトランスファに使用されるプラネタリギヤのピニオン部に、本発明のシャフト装置を適用することができる。また、車両部品に限らず、すべり軸受となっているシャフトに、本発明のシャフト装置を適用することが可能である。
 以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、各実施の形態の構成を適宜組合せてもよい。また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
 本発明は、車両に搭載される差動装置の、デフケースとピニオンシャフトとを含むシャフト装置に、特に有利に適用され得る。
 1 差動装置、40 デフケース、44,54 挿通穴、45 空間、50 ピニオンシャフト、51 ピニオンギヤ、71 ピン、72,172,272 欠損部、73,74 先端部、75 頭部、76 胴部、77,78 テーパ部、79 境界部、100 軸方向。

Claims (13)

  1.  筐体(40)と、
     前記筐体(40)に収容されるシャフト(50)と、
     前記シャフト(50)の軸方向(100)の移動を制限するピン(71)と、を備え、
     前記筐体(40)には、前記軸方向(100)に対して交差する方向に、前記ピン(71)が挿通される第一挿通穴(44)が形成されており、
     前記シャフト(50)には、前記軸方向(100)に対して交差する方向に、前記ピン(71)が挿通される第二挿通穴(54)が形成されており、
     前記ピン(71)が前記第一挿通穴(44)と前記第二挿通穴(54)との両方に亘って配置されることにより、前記シャフト(50)は前記筐体(40)に対して相対的に固定され、
     前記筐体(40)にはさらに、前記ピン(71)の一部が前記第二挿通穴(54)に挿入された状態での前記シャフト(50)の周方向の回転を許容する空間(45)が形成されている、シャフト装置。
  2.  前記空間(45)は、前記第一挿通穴(44)の内壁の一部が前記軸方向(100)に対して直交する径方向に窪んで形成されている、請求の範囲第1項に記載のシャフト装置。
  3.  前記ピン(71)は、前記軸方向(100)に対して直交する径方向に沿って前記第二挿通穴(54)に挿入されており、
     前記空間(45)は、前記ピン(71)の前記軸方向(100)の寸法よりもわずかに大きい前記軸方向(100)の寸法を有する、請求の範囲第1項に記載のシャフト装置。
  4.  前記ピン(71)は、前記シャフト(50)の周方向の回転に伴って前記筐体(40)に対して摺動する、請求の範囲第3項に記載のシャフト装置。
  5.  前記シャフト(50)は、前記筐体(40)に形成された円筒状の収容穴(43)に収容されており、
     前記空間(45)は、前記収容穴(43)の直径よりも大きい内径を有する、請求の範囲第1項に記載のシャフト装置。
  6.  前記空間(45)は、前記軸方向(100)から見た形状が円形状に形成されている、請求の範囲第5項に記載のシャフト装置。
  7.  前記空間(45)は、前記収容穴(43)と中心を共有する、請求の範囲第6項に記載のシャフト装置。
  8.  前記ピン(71)が前記第一挿通穴(44)と前記第二挿通穴(54)との両方に亘って配置された状態で前記シャフト(50)を前記周方向に回転させようとする回転トルクが前記シャフト(50)に作用するとき、前記収容穴(43)の径よりも径方向外側の位置で前記ピン(71)が折損する、請求の範囲第7項に記載のシャフト装置。
  9.  前記ピン(71)には、前記ピン(71)の他の部分と比較して強度の小さい脆弱部が設けられており、
     前記脆弱部は、前記シャフト(50)が前記収容穴(43)に収容され、前記第二挿通穴(54)に前記ピン(71)が挿通された状態で、前記収容穴(43)の径よりも径方向外側に位置する部位に設けられている、請求の範囲第7項または第8項に記載のシャフト装置。
  10.  前記脆弱部は、前記ピン(71)が機械加工され前記ピン(71)の一部が除去された欠損部を含む、請求の範囲第9項に記載のシャフト装置。
  11.  前記欠損部(72)は、前記ピン(71)が周方向の全周に亘って機械加工され、前記ピン(71)が縮径されて形成されている、請求の範囲第10項に記載のシャフト装置。
  12.  前記欠損部(172)は、前記ピン(71)を貫通する孔形状に形成されている、請求の範囲第10項に記載のシャフト装置。
  13.  前記筐体は、車両用の差動装置(1)のケース(40)であり、
     前記シャフトは、前記差動装置(1)のピニオンシャフト(50)であり、前記差動装置(1)のピニオンギヤ(51)の回転中心軸として構成される、請求の範囲第1項に記載のシャフト装置。
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