WO2011129019A1

WO2011129019A1 - 貯留材並びにこれを用いた貯留槽及び貯留浸透槽

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Publication number: WO2011129019A1
Application number: PCT/JP2010/062100
Authority: WO
Inventors: 征一郎高井
Original assignee: 株式会社トーテツ
Priority date: 2010-04-16
Filing date: 2010-07-16
Publication date: 2011-10-20

Abstract

　貯留材（１１）が貯留槽の内部に充填される。中心に挿通孔（１６ａ）が形成された複数の四角形板状の仕切板（１２）の上下面に挿通孔と同心状に複数の円筒リブがそれぞれ突設され、仕切板の上面又は下面のいずれか一方又は双方に複数の円錐台筒状のスペーサ（１３）が円筒リブに嵌合するように接続され、仕切板の挿通孔に主軸パイプ（１４）が挿通される。また複数の仕切板を同一水平面内に並べて互いに連結することにより構成される水平連結体（３３）が複数段設けられる。更に複数段の水平連結体の間にスペーサが介装され、複数段の水平連結体を構成する各仕切板の挿通孔に主軸パイプが鉛直方向に挿通される。　比較的簡単な形状の仕切板、スペーサ、底板、天板等の部材を用いて、貯留槽及び貯留浸透槽の製作コストを引き下げ、これらの部材を成形する金型の製作工数を低減する。

Description

貯留材並びにこれを用いた貯留槽及び貯留浸透槽

　本発明は、雨水等を貯留する貯留槽又は雨水等を一時的に貯留する貯留浸透槽の内部に充填される貯留材と、この貯留材を用いた貯留槽及び貯留浸透槽に関するものである。

　従来、平板と平板に開口する筒状部とからなるテーブル状部材が地下に配設されて雨水の貯留空間が形成され、テーブル状部材の互いに接する平板間に水平方向に延びる補強材が配設された雨水等の貯留浸透施設が開示されている（例えば、特許文献１参照。）。この貯留浸透施設では、複数のテーブル状部材の筒状部を互いに突き合せるように積み重ね、これらの筒状部に垂直方向の補強材が貫通される。また水平方向に延びる補強材と垂直方向に延びる補強材の材質は、ステンレススチールなどの金属製、コンクリート製、或いは樹脂及び繊維からなるＦＲＰ（Fiber Reinforced Plastics：繊維強化プラスチック）製であってもよい。更に水平方向に延びる補強材と垂直方向に延びる補強材の形状はコ字状、角柱状、或いはＬ字状であってもよい。

　このように構成された貯留浸透施設の貯留空間を形成するには、先ず１段目のテーブル状部材を水平方向に延びる補強材とともに配列し、垂直方向に延びる補強材をテーブル状部材の筒状部に挿入し立てる。次いで２段目のテーブル状部材を、その筒状部を１段目のテーブル状部材の筒状部に突き合せるように配列し、２段目のテーブル状部材の平板に設けられた溝に水平方向に延びる補強材を嵌め込む。次に水平方向に延びる補強材に合せるように３段目のテーブル状部材を重ねる。更に順次テーブル状部材と水平方向に延びる補強材とを重ね、垂直方向に延びる補強材の上端と最上段の水平方向に延びる補強材とを固定する。

　このように構成された貯留浸透施設では、テーブル状部材を形成する筒状部を貫通するように垂直方向に延びる補強材を挿入し、テーブル状部材を形成する平板間に水平方向に延びる補強材を挿入することにより、貯留浸透施設が補強される。

特開２００８－２５５７６７号公報（請求項２、請求項３、段落［０００６］、段落［０００７］、段落［００１２］、段落［００１４］、図４、図８）

　しかし、上記従来の特許文献１に示された貯留浸透施設では、テーブル状部材を構成する平板及び筒状部が一体的に形成されているため、テーブル状部材が比較的複雑な形状になり、テーブル状部材を成形する金型の製作工数が増大する不具合があった。また上記従来の特許文献１に示された貯留浸透施設では、この貯留浸透施設を構成するテーブル状部材、水平方向に延びる補強材及び垂直方向に延びる補強材が全て専用品であるため、材料コストが嵩む欠点があり、また廃棄処分に苦慮している塩化ビニル製のパイプ等の廃材（廃パイプ）を利用できない問題点があった。更に上記従来の特許文献１に示された貯留浸透施設では、積み重ねられたテーブル状部材が鉛直方向にわたって全て同一形状であるため、下部のテーブル状部材によって所望の強度が得られたとしても、上部のテーブル状部材では必要以上の強度が確保されてしまい、構造的に無駄を生じる問題点もあった。

　本発明の第１の目的は、比較的簡単な形状の仕切板、スペーサ等の部材を用いることにより、これらの部材を成形する金型の製作工数を低減でき、しかも無駄なく材料を使用できる、貯留材並びにこれを用いた貯留槽及び貯留浸透槽を提供することにある。本発明の第２の目的は、スペーサとして廃パイプを用いることにより、廃棄処分に苦慮している廃パイプの有効利用を図ることができる、貯留材並びにこれを用いた貯留槽及び貯留浸透槽を提供することにある。本発明の第３の目的は、複数段の水平連結板の鉛直方向の間隔を下部より上部の方を大きくすることにより、上部の強度を小さくして構造的な無駄を省くことができる、貯留材並びにこれを用いた貯留槽及び貯留浸透槽を提供することにある。

　本発明の第１の観点は、図１～図３、図６及び図８に示すように、貯留槽又は貯留浸透槽の内部に充填される貯留材１１において、中心に挿通孔１６ａが形成され上下面に挿通孔１６ａと同心状に複数の円筒リブ２１～２８がそれぞれ突設された複数の四角形板状の仕切板１２と、仕切板１２の上面又は下面のいずれか一方又は双方に円筒リブ２１～２８に嵌合するように接続された複数の円錐台筒状又は円筒状のスペーサ１３と、仕切板１２の挿通孔１６ａに挿通される主軸パイプ１４とを備え、複数の仕切板１２を同一水平面内に並べて互いに連結することにより構成された水平連結体３３が複数段設けられ、複数段の水平連結体３３の間にスペーサ１３が介装され、複数段の水平連結体３３を構成する各仕切板１２の挿通孔１６ａに主軸パイプ１４が鉛直方向に挿通されたことを特徴とする。

　本発明の第２の観点は、第１の観点に基づく発明であって、更に図１及び図６～図９に示すように、貯留槽又は貯留浸透槽の底面に敷き詰められ複数段の水平連結体３３のうち最下段の水平連結体３３が載るように装着される複数の四角形板状の底板３４と、複数段の水平連結体３３のうち最上段の水平連結体３３の上面に装着される複数の四角形板状の天板３６とを更に備えたことを特徴とする。

　本発明の第３の観点は、第１又は第２の観点に基づく発明であって、更に図１４に示すように、複数段の水平連結体３３の鉛直方向の間隔が下部より上部の方が大きくなるように構成されたことを特徴とする。

　本発明の第４の観点は、第１の観点に基づく発明であって、更に図１４又は図１５に示すように、スペーサ１３の一部又は全部が廃パイプにより構成される再利用スペーサ７３に置き換えられることを特徴とする。

　本発明の第５の観点は、第１の観点に基づく発明であって、更に図１６～図２０に示すように、四角形板状の仕切板１１２の２つの側面に外方に突出する凸部１１８が設けられかつ残りの２つの側面に凹部１１９がそれぞれ設けられ、仕切板１１２の凸部１１８がこの仕切板１１２に隣接する仕切板１１２の凹部１１９に係合するように構成されたことを特徴とする。

　本発明の第６の観点は、図１０及び図１１に示すように、第１ないし第５の観点に記載の貯留材１１を内部に充填し、この充填した貯留材１１の外側面が網体２９により囲まれ、網体２９が貯留材１１を構成する最外側の仕切板１２に取付具３０により固定される貯留槽である。

　本発明の第７の観点は、第１ないし第５の観点に記載の貯留材を内部に充填し、この充填された貯留材の外側面が発泡スチロール板により囲まれる貯留槽である。

　本発明の第８の観点は、第１ないし第５の観点に記載の貯留材を内部に充填し、この充填した貯留材の外側面が網体により囲まれ、網体が貯留材を構成する最外側の仕切板に取付具により固定される貯留浸透槽である。

　本発明の第９の観点は、第１ないし第５の観点に記載の貯留材を内部に充填し、この充填された貯留材の外側面が発泡スチロール板により囲まれる貯留浸透槽である。

　本発明の第１の観点の貯留材では、複数の仕切板を同一水平面内に並べて互いに連結することにより構成された水平連結体を複数段設け、複数段の水平連結体の間にスペーサを介装し、複数段の水平連結体を構成する各仕切板の挿通孔に主軸パイプを鉛直方向に挿通したので、貯留材に作用する外力のうち鉛直方向の分圧を主軸パイプ及びスペーサが受け、貯留材に作用する外力のうち水平方向の分圧を水平連結体が主に受ける。この結果、比較的簡単な形状の部材を組立てて形成された貯留材であっても、比較的大きな構造体としての強度を確保できる。またテーブル状部材を構成する平板及び筒状部が一体的に形成されているため、テーブル状部材が比較的複雑な形状になり、テーブル状部材を成形する金型の製作工数が増大する従来の貯留浸透施設と比較して、本発明では、比較的簡単な形状の仕切板及びスペーサを用いているので、これらの部材を成形する金型の製作工数を低減できる。

　本発明の第２の観点の貯留材では、最下段の水平連結体が載るように複数の四角形板状の底板を装着し、最上段の水平連結体の上面に複数の四角形板状の天板を装着したので、貯留材を遮水シート又は透水シートで包む場合、主軸パイプの下端及び上端の縁や最下段又は最上段の仕切板の縁で遮水シート又は透水シートを損傷するのを防止できる。また底板及び天板を同一形状に成形すれば、金型の製作工数を低減できるとともに、部品点数を削減でき、部品管理が容易になる。

　本発明の第３の観点の貯留材では、複数段の水平連結体の鉛直方向の間隔が下部より上部の方が大きくなるように構成したので、上部の強度を小さくして構造的な無駄を省くことができる。即ち、テーブル状部材、水平方向に延びる補強材及び垂直方向に延びる補強材が全て専用品であるため、廃棄処分に苦慮している塩化ビニル製のパイプ等の廃材（廃パイプ）を利用できない従来の貯留浸透施設と比較して、本発明では、複数段の水平連結板の鉛直方向の間隔を下部より上部の方を大きくすることができるので、上部の強度を小さくして構造的な無駄を省くことができる。

　本発明の第４の観点の貯留材では、スペーサの一部又は全部を廃パイプにより構成される再利用スペーサに置き換えたので、廃棄処分に苦慮している廃パイプの有効利用を図ることができる。即ち、積み重ねられたテーブル状部材が鉛直方向にわたって全て同一形状であるため、下部のテーブル状部材によって所望の強度が得られたとしても、上部のテーブル状部材では必要以上の強度が確保されてしまい、構造的に無駄を生じる従来の貯留浸透施設と比較して、本発明では、スペーサの一部又は全部を再利用スペーサ（廃パイプ）に置き換えたので、廃棄処分に苦慮している廃パイプの有効利用を図ることができる。

　本発明の第５の観点の貯留材では、仕切板の凸部がこの仕切板に隣接する仕切板の凹部に係合するので、隣接する仕切板の鉛直方向にずれるのを防止できるとともに、隣同士の仕切板を更に強固に連結できる。この結果、複数の仕切板を同一水平面内に並べて互いに連結された水平連結体を構造的により一層強化することができる。

　本発明の第６の観点の貯留槽では、貯留槽の内部に貯留材を充填し、この充填した貯留材の外側面を網体により囲み、貯留材を構成する最外側の仕切板に網体を取付具により固定するので、貯留材を網体とともに遮水シートで包む場合、貯留材に作用する外圧のうち水平方向の分圧が遮水シートに圧接される方向に作用しても、最外側の仕切板の縁が遮水シートに圧接されるのを網体が阻止する。この結果、遮水シートの損傷を防止できる。

　本発明の第７の観点の貯留槽では、貯留槽の内部に貯留材を充填し、この充填された貯留材の外側面を発泡スチロール板により囲むので、貯留材を発泡スチロール板とともに遮水シートで包む場合、貯留材に作用する外圧のうち水平方向の分圧が遮水シートに圧接される方向に作用しても、最外側の仕切板の縁が遮水シートに圧接されるのを発泡スチロール板が阻止する。この結果、遮水シートの損傷を防止できる。

　本発明の第８の観点の貯留浸透槽では、貯留浸透槽の内部に貯留材を充填し、この充填した貯留材の外側面を網体により囲み、貯留材を構成する最外側の仕切板に網体を取付具により固定するので、貯留材を網体とともに透水シートで包む場合、貯留材に作用する外圧のうち水平方向の分圧が透水シートに圧接される方向に作用しても、最外側の仕切板の縁が透水シートに圧接されるのを網体が阻止する。この結果、透水シートの損傷を防止できる。

　本発明の第９の観点の貯留浸透槽では、貯留浸透槽の内部に貯留材を充填し、この充填された貯留材の外側面を発泡スチロール板により囲むので、貯留材を発泡スチロール板とともに透水シートで包む場合、貯留材に作用する外圧のうち水平方向の分圧が透水シートに圧接される方向に作用しても、最外側の仕切板の縁が透水シートに圧接されるのを発泡スチロール板が阻止する。この結果、透水シートの損傷を防止できる。

本発明第１実施形態の貯留槽内部に貯留材を充填した状態を示す図２のＡ－Ａ線断面図である。その貯留槽内部に貯留材を水平方向に並べた状態を示す図１のＢ－Ｂ線断面図である。図２のＣ部拡大断面図である。貯留材の同一水平面内で隣接する４枚の仕切板の各コーナ部を互いに連結する第１連結部材の平面図である。貯留材の同一水平面内で最外側に位置して隣接する２枚の仕切板の各コーナ部を互いに連結する第２連結部材の平面図である。図１のＤ部拡大断面図である。最下段の隣接する仕切板を互いに第１又は第２連結部材により連結した状態を示す縦断面図である。図１のＥ部拡大断面図である。最上段の隣接する仕切板を互いに第１又は第２連結部材により連結した状態を示す縦断面図である。貯留材の外側面に取付具で網体を取付けた状態を示す貯留槽内部の要部側面図である。図１０のＦ－Ｆ線断面図である。本発明第２実施形態の貯留槽内部に貯留材を充填した状態を示す図１に対応する断面図である。図１２のＧ部拡大断面図である。本発明第３実施形態の貯留槽内部に貯留材を充填した状態を示す図１に対応する断面図である。本発明第４実施形態の貯留槽内部に貯留材を充填した状態を示す図１に対応する断面図である。本発明第５実施形態の貯留槽内部に貯留材を水平方向に並べた状態を示す図３に対応する拡大断面図である。その貯留槽内部に貯留材を充填した状態を示す図１に対応する拡大断面図である。その貯留材を構成する仕切板の平面図である。図１８のＨ－Ｈ線断面図である。図１８のＩ－Ｉ線断面図である。本発明第６実施形態の貯留槽内部に貯留材を水平方向に並べた状態を示す図３に対応する拡大断面図である。その貯留槽内部に貯留材を充填した状態を示す図１に対応する拡大断面図である。その貯留材を構成する仕切板の平面図である。図２２のＪ－Ｊ線断面図である。図２２のＫ－Ｋ線断面図である。

　次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。

　＜第１の実施の形態＞
　図１及び図２に示すように、雨水等を貯留する貯留槽の内部に貯留材１１が充填される。貯留材１１は、中心に挿通孔１６ａが形成された複数の四角形板状の仕切板１２と、仕切板１２の上面又は下面のいずれか一方又は双方に接続された複数の円錐台筒状のスペーサ１３と、仕切板１２の挿通孔１６ａに挿通される主軸パイプ１４とを備える。仕切板１２は、図３、図６及び図８に示すように、正方形板状に形成された仕切板本体１６と、この仕切板本体１６の全外周にわたって下方又は上方のいずれか一方に突設された四角枠状の角筒リブ１７と、仕切板本体１６のうち角筒リブ１７の突出方向と同じ方向であって挿通孔１６ａと同心状にそれぞれ突設された４本の第１～第４円筒リブ２１～２４と、仕切板本体１６のうち角筒リブ１７の突出方向と反対方向であって挿通孔１６ａと同心状にそれぞれ突設された４本の第５～第８円筒リブ２５～２８とを有する。仕切板本体１６、角筒リブ１７及び第１～第８円筒リブ２１～２８は、ポリオレフィン樹脂（ポリプロピレン、ポリエチレン等）、塩化ビニル樹脂等のプラスチックにより一体的に成形される。

　仕切板１２の角筒リブ１７の高さは第１～第８円筒リブ２１～２８の高さより高く形成される（図６及び図８）。また第１～第８円筒リブ２１～２８のうち第１及び第５円筒リブ２１，２５は挿通孔１６ａの全周縁にわたって突設された直径の最も小さい円筒リブである。第２～第４円筒リブ２２～２４は第２円筒リブ２２から第４円筒リブ２４に向うに従って直径が段階的に大きくなるように形成され、第６～第８円筒リブ２６～２８は第６円筒リブ２６から第８円筒リブ２８に向うに従って直径が段階的に大きくなるように形成される。また第１円筒リブ２１と第５円筒リブ２５は同一直径であり、第２円筒リブ２２と第６円筒リブ２６は同一直径であり、第３円筒リブ２３と第７円筒リブ２７は同一直径であり、第４円筒リブ２４と第８円筒リブ２８は同一直径である。更に仕切板本体１６のうち各円筒リブ２１～２８間には複数の通孔１６ｂが形成される（図３、図６及び図８）。これらの通孔１６ｂは、貯留槽に貯留される雨水等を各部に行き渡らせて、貯留槽内に空気溜まりが発生するのを防止するために形成される。更に角筒リブ１７には所定の間隔をあけて複数の係止孔１７ａが形成される（図１０及び図１１）。これらの係止孔１７ａには、貯留槽の内部に充填された貯留材１１の外側面を網体２９により囲むとき、この網体２９を最外側の仕切板１２に固定するための取付具３０の係止突起３０ｂが打込まれるようになっている。網体２９は、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂等のプラスチックにより比較的太い線状体により格子状に形成される。これにより網体２９は比較的大きな剛性を有するようになる。また取付具３０は、正方形板状の取付具本体３０ａと、取付具本体３０ａの４つのコーナ部に突設された先細りの上記係止突起３０ｂとを有する。なお、仕切板は正方形板状ではなく、長方形板状であってもよい、即ち四角形板状（矩形板状）であればよい。

　一方、円錐台筒状のスペーサ１３の小径端外周面には小径フランジ１３ａがスペーサ１３と一体的に設けられ、スペーサ１３の大径端外周面には大径フランジ１３ｂがスペーサ１３と一体的に設けられる（図６及び図８）。小径フランジ１３ａは第２及び第３円筒リブ２２，２３間のリング溝又は第６及び第７円筒リブ２６，２７間のリング溝に遊挿され、大径フランジ１３ｂは第３及び第４円筒リブ２３，２４間のリング溝又は第７及び第８円筒リブ２７，２８間のリング溝に遊挿されるように構成される。またスペーサ１３の外周面には所定の間隔をあけてスペーサ１３の長手方向に延びる長孔１３ｃが形成される。これらの長孔１３ｃは、貯留槽に貯留される雨水等をスペーサ１３内に速やかに導入するために形成される。更にスペーサ１３は、ポリオレフィン樹脂（ポリプロピレン、ポリエチレン等）、塩化ビニル樹脂等のプラスチックにより成形される。この実施の形態のスペーサ１３は、本発明の貯留材１１にのみ用いられる専用スペーサである。

　主軸パイプ１４は、ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）やポリプロピレン（ＰＰ）等のプラスチックにより形成される。主軸パイプ１４の外径は仕切板１２の挿通孔１６ａの直径より僅かに小さく形成される（図３、図６及び図８）。これにより主軸パイプ１４は挿通孔１６ａにスムーズに挿入できるようになっている。また主軸パイプ１４の外周面には所定の間隔をあけて主軸パイプ１４の長手方向に延びる複数の長孔１４ａが形成される（図６及び図８）。これらの長孔１４ａは、貯留槽に貯留される雨水等を主軸パイプ１４内に導入することにより、主軸パイプ１４内に空気溜まりが発生するのを防止するために形成される。更に主軸パイプ１４の長さは、貯水槽の底面から上面まで延びて設けられる（図１）。貯水槽の深さが主軸パイプ１４の長さより深い場合には、パイプ継手（図示せず）により連結される。

　複数の仕切板１２を同一水平面内に並べて互いに第１又は第２連結部材３１，３２にて連結することにより水平連結体３３が構成される（図２～図５、図７及び図９）。即ち、貯留材１１の同一水平面内で隣接する４枚の仕切板１２の各コーナ部を第１連結部材３１により互いに連結し、貯留材１１の同一水平面内で最外側に位置して隣接する２枚の仕切板１２の各コーナ部を第２連結部材３２により互いに連結することにより、水平連結体３３が構成される。第１連結部材３１は、正方形板状に形成された第１連結本体３１ａと、第１連結本体３１ａの一方の面における４つのコーナ部にそれぞれ突設された第１係合突起３１ｂとを有する。第１係合突起３１ｂは、円筒状の突起本体３１ｃと、突起本体３１ｃの外周面に円周方向に所定の間隔をあけて４つの係合リブ３１ｄとからなる（図４、図７及び図９）。これらの係合リブ３１ｄは突起本体３１ｃの基端から先端に向うに従って突起本体３１ｃ外周面からの突出高さが次第に小さくなるテーパ状に形成される。仕切板１２の仕切板本体１６の４つのコーナ部には上記第１係合突起３１ｂに対向する係合孔１６ｃがそれぞれ形成される。第１係合突起３１ｂの突起本体３１ｃの周囲に設けられた４つの係合リブ３１ｄの外面を結ぶ仮想円（図４の二点鎖線で示す円）の直径は、第１係合突起３１ｂの基端側で係合孔１６ｃの直径より大きく形成され、第１係合突起３１ｂの先端側で係合孔１６ｃの直径より小さく形成される。これにより仮想円直径の小さい第１係合突起３１ｂの先端部を係合孔１６ｃに挿入して、第１係合突起３１ｂを係合孔１６ｃに打込むことにより、仮想円直径の大きい第１係合突起３１ｂの基端部が係合孔１６ｃに締まり嵌めの状態で係合し、第１係合突起３１ｂが係合孔１６ｃから抜けなくなるように構成される。一方、第２連結部材３２は、２つのコーナ部に比較的大きな面取りの施された長方形板状の第２連結本体３２ａと、第２連結本体３２ａの一方の面における２つのコーナ部にそれぞれ突設された第２係合突起３２ｂとを有する（図５、図７及び図９）。第２係合突起３２ｂは、突起本体３２ｃ及び係合リブ３２ｄからなり、第１係合突起３１ｂと同一形状に形成される。上記第１及び第２連結部材３１，３２は、ポリオレフィン樹脂（ポリプロピレン、ポリエチレン等）、塩化ビニル樹脂等のプラスチックにより成形される。なお、上記水平連結体３３は複数段設けられる。

　一方、貯留槽の底面に正方形板状の底板３４が敷き詰められ（図１及び図６）、複数段の水平連結体３３のうち最上段の水平連結体３３の上面には正方形板状の天板３６が装着される（図１及び図８）。底板３４は、仕切板１２と略同一の大きさに形成された正方形板状の底板本体３４ａと、底板本体３４ａの外周面より僅かに内側であって上方に突設された四角枠状の角筒リブ３４ｂと、底板本体３４ａの上面中央に形成され内径が主軸パイプ１４の外径より僅かに大きい位置決めリブ３４ｃとを有する（図６）。仕切板１２の角筒リブ１７は底板３４の角筒リブ３４ｂにスムーズに嵌入されるように構成される。これにより底板３４に最下段の水平連結体３３を構成する仕切板１２が装着される。また天板３６は、仕切板１２と略同一の大きさに形成された正方形板状の天板本体３６ａと、天板本体３６ａの外周面より僅かに内側であって下方に突設された四角枠状の角筒リブ３６ｂと、天板本体３６ａの下面中央に形成され内径が主軸パイプ１４の外径より僅かに大きい位置決めリブ３６ｃとを有する（図８）。天板３６の角筒リブ３６ｂは仕切板１２の角筒リブ１７にスムーズに挿入されるように構成される。これにより天板３６が最上段の水平連結体３３を構成する仕切板１２に装着される。なお、底板３４及び天板３６は、この実施の形態では、ポリオレフィン樹脂（ポリプロピレン、ポリエチレン等）、塩化ビニル樹脂等のプラスチックにより同一形状に形成される。これにより底板３４及び天板３６の金型の製作工数を低減できるとともに、部品点数を削減でき、部品管理が容易になる。また、底板及び天板は正方形板状ではなく、長方形板状であってもよい、即ち四角形板状（矩形板状）であればよい。

　このように構成された貯留材１１を貯留槽に充填する手順を説明する。先ず地面を所定の深さの直方体状に掘削し、この掘削部の底面を砂利や砂で締め固めた後、この掘削部の底面及び側面を覆うように遮水シートを広げる。次いで掘削部の底面に遮水シートを介して底板３４を掘削部のコーナから並べて敷き詰めた後に、仕切板１２の角筒リブ１７を底板３４の角筒リブ３４ｂに嵌入することにより、仕切板１２を底板３４に装着しながら底板３４上に並べる。そして隣接する４枚の仕切板１２の各コーナ部を第１連結部材３１により互いに連結し、最外側に位置して隣接する２枚の仕切板１２の各コーナ部を第２連結部材３２により互いに連結する。これにより最下段の水平連結体３３が構成される。次に主軸パイプ１４を最下段の水平連結体３３を構成する仕切板１２の挿通孔１６ａに挿通した後に、主軸パイプ１４の下端を底板３４の位置決めリブ３４ｃ内に挿入することにより、主軸パイプ１４を立設する。このとき主軸パイプ１４の下端が底板３４の底板本体３４ａに当接するため、主軸パイプ１４の遮水シートへの接触が阻止される。これにより主軸パイプ１４のエッジにより透水シートが損傷するのを防止できる。

　次いでスペーサ１３を、大径フランジ１３ｂを下側にした状態で主軸パイプ１４の上端から遊嵌し、最下段の水平連結体３３を構成する仕切板１２の第７及び第８円筒リブ２７，２８間のリング溝に遊挿して、最下段の水平連結体３３を構成する仕切板１２に載せる。次に新たな仕切板１２を用意し、この仕切板１２を、角筒リブ１７を下側に向けた状態でその挿通孔１６ａを主軸パイプ１４の上端から嵌入し、スペーサ１３の上端に第２及び第３円筒リブ２２，２３間のリング溝を遊嵌してスペーサ１３に載せる。そして上記と同様に、隣接する４枚の仕切板１２の各コーナ部を第１連結部材３１により互いに連結し、最外側に位置して隣接する２枚の仕切板１２の各コーナ部を第２連結部材３２により互いに連結する。これにより２段目の水平連結体３３が構成される。更に新たなスペーサ１３を用意し、このスペーサ１３を、小径フランジ１３ａを下側にした状態で主軸パイプ１４の上端から遊嵌し、２段目の水平連結体３３を構成する仕切板１２の第６及び第７円筒リブ２６，２７間のリング溝に遊挿して、２段目の水平連結体３３を構成する仕切板１２に載せる。上記作業を繰返して、貯留材１１を構成する各部材を貯留槽の内部に積み重ねかつ水平方向に並べて充填し、最上段の水平連結体３３を構成する仕切板１２に天板３６を載せる。

　但し、最上段の水平連結体３３を構成する仕切板１２は、その角筒リブ１７が上側に向くように、主軸パイプ１４に嵌入される（図８及び図９）。そして、天板３６の角筒リブ３６ｂが最上段の水平連結体３３を構成する仕切板１２の角筒リブ１７に挿入されることにより、天板３６が最上段の水平連結体３３を構成する仕切板１２に装着される。また最上段の水平連結体３３を構成する仕切板１２は、第１及び第２連結部材３１，３２により仕切板１２の下面から連結する必要があるため（図９）、予め地上で水平連結体３３を組んで裏返した後に、この水平連結体３３を構成する各仕切板１２の挿通孔１６ａを各主軸パイプ１４に嵌入する。

　次に貯留材１１の外側面を網体２９により囲み、この網体２９を、貯留材１１を構成する最外側の仕切板１２に取付具３０により固定する。そして遮水シートの外周部を貯留材１１の上面に載せて重ね合せることにより、貯留材１１を網体２９とともに遮水シートにより包み込む。このとき主軸パイプ１４の上端が天板３６の天板本体３６ａに当接するため、主軸パイプ１４の遮水シートへの接触が阻止される。これにより主軸パイプ１４のエッジにより透水シートが損傷するのを防止できる。更に掘削部の側面と遮水シートとの隙間に砂を充填する。なお、この実施の形態では、地下に完全に埋設された地下貯留槽を挙げたが、地下に全く埋設せずに地上に設置された地上貯留槽、或いは下部が地下に埋設され上部が地上に突出するように設置された半地下貯留槽であってもよい。

　このように貯留槽に充填された貯留材１１では、複数の仕切板１２を同一水平面内に並べて互いに連結することにより構成された水平連結体３３を複数段（７段）設け、複数段の水平連結体３３の間にスペーサ１３を介装し、複数段の水平連結体３３を構成する各仕切板１２の挿通孔１６ａに主軸パイプ３３を鉛直方向に挿通したので、貯留材１１に作用する外力のうち鉛直方向の分圧を主軸パイプ１４及びスペーサ１３が受け、貯留材１１に作用する外力のうち水平方向の分圧を水平連結体３３が主に受ける。この結果、比較的簡単な形状の部材を組立てて形成された貯留材１１であっても、比較的大きな構造体としての強度を確保できる。また比較的簡単な形状の仕切板１２及びスペーサ１３を用いているので、これらの部材を成形する金型の製作工数を低減できる。更に貯留材１１を網体２９とともに遮水シートで包むので、貯留材１１に作用する外圧のうち水平方向の分圧が遮水シートに圧接される方向に作用しても、最外側の仕切板１２の縁が遮水シートに圧接されるのを網体２９が阻止する。この結果、遮水シートの損傷を防止できる。

　なお、この実施の形態では、貯留槽の内部に貯留材を充填し、この充填した貯留材の外側面を網体により囲み、貯留材を構成する最外側の仕切板に網体を取付具により固定したが、貯留槽の内部に貯留材を充填し、この充填された貯留材の外側面を発泡スチロール板により囲んでもよい。この場合、貯留材を発泡スチロール板とともに遮水シートで包む場合、貯留材に作用する外圧のうち水平方向の分圧が遮水シートに圧接される方向に作用しても、最外側の仕切板の縁が遮水シートに圧接されるのを発泡スチロール板が阻止する。この結果、遮水シートの損傷を防止できる。上記発泡スチロールは発泡倍率が２０～３０倍と比較的小さいものが用いられる。この発泡スチロールの靱性は比較的高くなる。

　＜第２の実施の形態＞
　図１２及び図１３は本発明の第２の実施の形態を示す。図１２及び図１３において図１及び図６と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、第１の実施の形態の仕切板１２のうち、下から２段目、４段番目、及び６段目の水平連結体３３を構成する仕切板１２がスペーサ継手５２に置き換えられる。スペーサ継手５２は、外径がスペーサ１３の小径フランジ１３ａの外径と略同一であり中央に主軸パイプ１４を挿通可能な挿通孔５３ａが形成された円板状の継手本体５３と、継手本体５３の挿通孔５３ａの周縁に下向きに突設された第１継手用円筒リブ６１と、継手本体５３の下面に挿通孔５３ａと同心状に突設され外径がスペーサ１３の小径フランジ１３ａの内径より僅かに小さく形成された第２継手用円筒リブ６２と、継手本体５３の挿通孔５３ａの周縁に上向きに突設された第３継手用円筒リブ６３と、継手本体５３の上面に挿通孔５３ａと同心状に突設され外径がスペーサ１３の小径フランジ１３ａの内径より僅かに小さく形成された第４継手用円筒リブ６４とを有する。また継手本体５３には各継手用円筒リブ６１～６４間に位置するように複数の通孔５３ｂ（図１３）が形成される。これらの通孔５３ｂは、貯留槽に貯留される雨水等を各部に行き渡らせて、貯留槽内に空気溜まりが発生するのを防止するために形成される。上記以外は第１の実施の形態と同一に構成される。

　このように構成された貯留材５１では、構造体としての強度が若干低下するけれども、仕切板１２の略半数が仕切板１２より簡単な形状のスペーサ継手５２に置き換えられるとともに、隣接する仕切板１２同士を連結する第１及び第２連結部材の枚数が第１の実施の形態より略半減するため、貯留材５１やこれを用いた貯留槽の製作工数を低減できる。この結果、貯留材５１やこれを用いた貯留槽の製造コストを低減できる。上記以外の動作及び効果は第１の実施の形態の動作及び効果と略同様であるため、繰返しの説明を省略する。

　＜第３の実施の形態＞
　図１４は本発明の第３の実施の形態を示す。図１４において図１及び図１２と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、複数段の水平連結体３３の鉛直方向の間隔が下部より上部の方が大きくなるように構成される。即ち、上部及び中央部のスペーサ１３（専用スペーサ）が廃パイプにより構成される再利用スペーサ７３に置き換えられる。具体的には、第１の実施の形態の２段目の水平連結体３３を構成する仕切板１２がスペーサ継手５２に置き換えられ、第１の実施の形態の４～６段目の水平連結体３３が省かれ、更に第１の実施の形態の３～６段目のスペーサ１３（専用スペーサ）が廃パイプにより構成される再利用スペーサ７３に置き換えられる。再利用スペーサ７３は、直径の異なる複数のポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）パイプやポリプロピレン（ＰＰ）パイプ等のプラスチック製の廃パイプを所定の長さに切断して形成される。この実施の形態では、再利用スペーサ７３として、比較的大径の廃パイプを所定の長さに切断した大径スペーサ７３ａと、比較的小径の廃パイプを所定の長さに切断した小径スペーサ７３ｂとが用いられる。大径スペーサ７３ａは仕切板１２の第７及び第８円筒リブ２７，２８間のリング溝に遊挿され、小径スペーサ７３ｂは仕切板１２の第６及び第７円筒リブ２６，２７間のリング溝に遊挿される。上記以外は第１の実施の形態と同一に構成される。

　このように構成された貯留材７１では、複数段の水平連結体３３の鉛直方向の間隔が下部より上部の方が大きくなるように構成したので、上部の強度を小さくして構造的な無駄を省くことができる。またスペーサ１３（専用スペーサ）のうち貯留材７１の中央部及び上部に位置するスペーサ１３（専用スペーサ）を廃パイプにより構成される再利用スペーサ７３に置き換えたので、廃棄処分に苦慮している廃パイプの有効利用を図ることができる。更に再利用スペーサ７３の外周面には雨水を内部に導入するための通孔が形成されていないけれども、最下段の水平連結体３３、中間の水平連結体３３及び最上段の水平連結体３３に通孔１６ｂがそれぞれ形成されているため、再利用スペーサ７３内にも雨水は流入する。但し、再利用スペーサ７３の外周面に通孔を形成してもよい。上記以外の動作及び効果は第１の実施の形態の動作及び効果と略同様であるため、繰返しの説明を省略する。

　＜第４の実施の形態＞
　図１５は本発明の第４の実施の形態を示す。図１５において図１及び図１４と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、第１の実施の形態の全てのスペーサ１３（専用スペーサ）が廃パイプにより構成される再利用スペーサ７３に置き換えられる。具体的には、第１の実施の形態の２、３、５及び６段目の水平連結体３３を構成する仕切板１２が省かれ、第１の実施の形態の２～４段目及び５～６断面のスペーサ１３（専用スペーサ）が廃パイプからなる再利用スペーサ７３に置き換えられる。再利用スペーサ７３は、直径の異なる複数のポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）パイプやポリプロピレン（ＰＰ）パイプ等のプラスチック製の廃パイプを所定の長さに切断して形成される。この実施の形態では、再利用スペーサ７３として、大径の廃パイプを所定の長さに切断した大径スペーサ７３ａと、小径の廃パイプを所定の長さに切断した小径スペーサ７３ｂとが用いられる。上側の大径スペーサ７３ａの上端及び下端は仕切板１２の第７及び第８円筒リブ２７，２８間のリング溝にそれぞれ遊挿され、上側の小径スペーサ７３ｂの上端及び下端は仕切板１２の第６及び第７円筒リブ２６，２７間のリング溝にそれぞれ遊挿される。また下側の大径スペーサ７３ａの上端は仕切板１２の第３及び第４円筒リブ２３，２４間のリング溝に遊挿され、下側の大径スペーサ７３ａの下端は仕切板１２の第７及び第８円筒リブ２７，２８間のリング溝に遊挿される。更に下側の小径スペーサ７３ｂの上端は仕切板１２の第２及び第３円筒リブ２２，２３間のリング溝に遊挿され、下側の小径スペーサ７３ｂの下端は仕切板１２の第６及び第７円筒リブ２６，２７間のリング溝に遊挿される。上記以外は第１の実施の形態と同一に構成される。

　このように構成された貯留材９１では、構造体としての強度がかなり低下するため、地上に設置され、貯留槽上面に大きな荷重の掛からない貯留槽に適する。またこの実施の形態の貯留材９１では、仕切板１２の使用枚数が大幅に少なくなり、専用スペーサを全く用いないため、貯留材９１やこれを用いた貯留槽の製作工数を大幅に低減できる。この結果、貯留材９１やこれを用いた貯留槽の製造コストを大幅に低減できる。更に再利用スペーサ７３の外周面には雨水を内部に導入するための通孔が形成されていないけれども、最下段の水平連結体３３、中間の水平連結体３３及び最上段の水平連結体３３に通孔１６ｂがそれぞれ形成されているため、再利用スペーサ７３内にも雨水は流入する。但し、再利用スペーサ７３の外周面に通孔を形成してもよい。上記以外の動作及び効果は第１の実施の形態の動作及び効果と略同様であるため、繰返しの説明を省略する。

　＜第５の実施の形態＞
　図１６～図２０は本発明の第５の実施の形態を示す。図１６～図２０において図１～図８と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、貯留材１１１の四角形板状の仕切板１１２の２つの側面に外方に突出する凸部１１８，１１８が設けられかつ仕切板１１２の残りの２つの側面に凹部１１９，１１９がそれぞれ設けられる。具体的には、凸部１１８，１１８は、仕切板１１２の隣接する２つの側面であって、これらの側面の長手方向中央かつこれらの側面の高さ方向中央に、これらの側面の長手方向に延びてそれぞれ設けられる。また凹部１１９，１１９は、仕切板１１２の残りの隣接する２つの側面であって、これらの側面の高さ方向中央に、これらの側面の長手方向に延びてそれぞれ設けられる。そして仕切板１１２の凸部１１８はこの仕切板１１２に隣接する仕切板１１２の凹部１１９に係合するように構成される。なお、この実施の形態では、凸部を仕切板の隣接する２つの側面に設け、凹部を仕切板の残りの隣接する２つの側面に設けたが、凸部を仕切板の対向する２つの側面に設け、凹部を仕切板の残りの対向する２つの側面に設けてもよい。上記以外は第１の実施の形態と同一に構成される。

　このように構成された貯留材１１１では、仕切板１１２の凸部１１８をこの仕切板１１２に隣接する仕切板１１２の凹部１１９に係合させるので、隣接する仕切板１１２の鉛直方向にずれるのを防止できる。また仕切板１１２の凸部１１８をこの仕切板１１２に隣接する仕切板１１２の凹部１１９に係合させた後に、これらの仕切板１１２を第１連結部材３１又は第２連結部材３２により連結するので、隣同士の仕切板１１２を更に強固に連結できる。この結果、複数の仕切板１１２を同一水平面内に並べて互いに連結された水平連結体１３３を構造的により一層強化することができる。上記以外の動作は、第１の実施の形態の貯留材の動作と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。

　＜第６の実施の形態＞
　図２１～図２５は本発明の第６の実施の形態を示す。図２１～図２５において図１～図８と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、貯留材２１１の四角形板状の仕切板２１２の２つの側面に外方に突出する凸部２１８，２１８が設けられかつ仕切板２１２の残りの２つの側面に凹部２１９，２１９がそれぞれ設けられる。具体的には、凸部２１８，２１８は、仕切板２１２の対向する２つの側面に所定の間隔をあけて２つずつそれぞれ設けられる。また凹部２１９，２１９は、仕切板２１２の残りの対向する２つの側面に所定の間隔をあけて２つずつそれぞれ設けられる。更に凸部２１８は下方に向うに従って幅が次第に狭くなる逆台形板状に形成され、凹部２１９は凸部２１８を収容可能な逆台形板状の空間に形成される。そして仕切板２１２の凸部２１８はこの仕切板２１２に隣接する仕切板２１２の凹部２１９に係合するように構成される。一方、凸部２１８の下面中央には先細りの抜止め片２２１が突設され、凹部２１９の底壁中央には凸部２１８の抜止め片２２１が係合して抜止め片２２１が挿着される抜止係合孔２２２が設けられる。なお、この実施の形態では、凸部を仕切板の対向する２つの側面に設け、凹部を仕切板の残りの対向する２つの側面に設けたが、凸部を仕切板の隣接する２つの側面に設け、凹部を仕切板の残りの隣接する２つの側面に設けてもよい。上記以外は第１の実施の形態と同一に構成される。

　このように構成された貯留材２１１では、仕切板２１２の凸部２１８をこの仕切板２１２に隣接する仕切板２１２の凹部２１９に係合させるので、隣接する仕切板２１２の鉛直方向にずれるのを防止できる。このとき凸部２１８の抜止め片２２１を凹部２１９の抜止係合孔２２２に打込んで、抜止め片２２１を抜止係合孔２２２に挿着することにより、凸部２１８が凹部２１９から離脱しなくなるので、複数の仕切板２１２を同一水平面内に並べて互いに連結する作業を効率良く行うことができる。また仕切板２１２の凸部２１８をこの仕切板２１２に隣接する仕切板２１２の凹部２１９に係合させ、凸部２１８の抜止め片２２１を凹部２１９の抜止係合孔２２２に打込んで抜止め片２２１を抜止係合孔２２２に挿着した後に、これらの仕切板２１２を第１連結部材３１又は第２連結部材３２により連結するので、仕切板２１２の第１連結部材３１又は第２連結部材３２による連結作業を効率良く行うことができるとともに、隣同士の仕切板２１２を更に強固に連結できる。この結果、複数の仕切板２１２を同一水平面内に並べて互いに連結された水平連結体２３３を構造的により一層強化することができる。上記以外の動作は、第１の実施の形態の貯留材の動作と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。

　なお、上記第１～第６の実施の形態では、貯留材を内部に充填した貯留槽を挙げたが、貯留材を内部に充填した貯留浸透槽でもよい。この貯留浸透槽は、地面を掘削して形成された掘削部の底面及び側面に砂利を敷き詰めて透水層を形成したり、或いは掘削部の底面及び側面を透水シート（雨水が徐々に通過可能なシート）で覆うことにより形成される。この貯留浸透槽は、降雨強度が下水道管渠等の流下能力を越える大規模の降雨時に、浸透槽に流れ込んだ雨水を一旦この浸透槽に貯留した後、地中に浸透して拡散される。この結果、下水道管渠や河川が溢れるのを防止できるようになっている。上記貯留浸透槽の内部には本発明の貯留材が充填され、この充填された貯留材の外側面が網体により囲まれ、網体が貯留材を構成する最外側の仕切板に取付具により固定される。ここで、貯留材を網体とともに透水シートで包む場合、貯留材に作用する外圧のうち水平方向の分圧が透水シートに圧接される方向に作用しても、最外側の仕切板の縁が透水シートに圧接されるのを網体が阻止する。この結果、透水シートの損傷を防止できる。また、貯留浸透槽の内部に貯留材が充填され、この充填された貯留材の外側面が発泡スチロール板により囲まれるように構成してもよい。ここで、貯留材を発泡スチロール板とともに透水シートで包む場合、貯留材に作用する外圧のうち水平方向の分圧が透水シートに圧接される方向に作用しても、最外側の仕切板の縁が透水シートに圧接されるのを発泡スチロール板が阻止する。この結果、透水シートの損傷を防止できる。上記発泡スチロールは発泡倍率が２０～３０倍と比較的小さいものが用いられる。この発泡スチロールの靱性は比較的高くなる。

　本発明の貯留材は、比較的簡単な形状の仕切板、スペーサ等の部材を用いることにより、これらの部材を成形する金型の製作工数を低減できるとともに、貯留槽及び貯留浸透槽の内部の充填材として利用できる。

　１１，５１，７１，９１，１１１，２１１　貯留材
　１２，１１２，２１２　仕切板
　１３　スペーサ（専用スペーサ）
　１４　主軸パイプ
　１６ａ　挿通孔
　２１～２８　円筒リブ
　２９　網体
　３０　取付具
　３３，１３３，２３３　水平連結体
　３４　底板
　３６　天板
　７３　再利用スペーサ
　１１８，２１８　凸部
　１１９，２１９　凹部

Claims

　貯留槽又は貯留浸透槽の内部に充填される貯留材において、
　中心に挿通孔が形成され上下面に前記挿通孔と同心状に複数の円筒リブがそれぞれ突設された複数の四角形板状の仕切板と、
　前記仕切板の上面又は下面のいずれか一方又は双方に前記円筒リブに嵌合するように接続された複数の円錐台筒状又は円筒状のスペーサと、
　前記仕切板の挿通孔に挿通される主軸パイプと
　を備え、
　前記複数の仕切板を同一水平面内に並べて互いに連結することにより構成される水平連結体が複数段設けられ、
　前記複数段の水平連結体の間に前記スペーサが介装され、
　前記複数段の水平連結体を構成する各仕切板の挿通孔に前記主軸パイプが鉛直方向に挿通された
　ことを特徴とする貯留材。
　前記貯留槽又は前記貯留浸透槽の底面に敷き詰められ前記複数段の水平連結体のうち最下段の水平連結体が載るように装着される複数の四角形板状の底板と、
　前記複数段の水平連結体のうち最上段の水平連結体の上面に装着される複数の四角形板状の天板と
　を更に備えた請求項１記載の貯留材。
　前記複数段の水平連結体の鉛直方向の間隔が下部より上部の方が大きくなるように構成された請求項１又は２記載の貯留材。
　前記スペーサの一部又は全部が廃パイプを用いた再利用スペーサに置き換えられる請求項１記載の貯留材。
　前記四角形板状の仕切板の２つの側面に外方に突出する凸部が設けられかつ残りの２つの側面に凹部がそれぞれ設けられ、前記仕切板の凸部がこの仕切板に隣接する仕切板の凹部に係合するように構成された請求項１記載の貯留材。
　請求項１ないし５いずれか１項に記載の貯留材を内部に充填し、この充填した貯留材の外側面が網体により囲まれ、前記網体が前記貯留材を構成する最外側の仕切板に取付具により固定される貯留槽。
　請求項１ないし５いずれか１項に記載の貯留材を内部に充填し、この充填された貯留材の外側面が発泡スチロール板により囲まれる貯留槽。
　請求項１ないし５いずれか１項に記載の貯留材を内部に充填し、この充填した貯留材の外側面が網体により囲まれ、前記網体が前記貯留材を構成する最外側の仕切板に取付具により固定される貯留浸透槽。
　請求項１ないし５いずれか１項に記載の貯留材を内部に充填し、この充填された貯留材の外側面が発泡スチロール板により囲まれる貯留浸透槽。