JP2012057441A - 雨水貯留槽、雨水貯留槽充填構造 - Google Patents

雨水貯留槽、雨水貯留槽充填構造 Download PDF

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Abstract

【課題】土圧に対する異方性を小さくできると共に、鉛直方向の強度を高くする。
【解決手段】充填ブロック30は、平板部32及び4本の柱部34A〜34Dを有している。平板部32は、正方形板状とされている。各々の柱部34は、平面視で正方形状とされ、穴32Hの外周から立ち上がりつつ先端へ向って縦方向A及び横方向Bに沿った寸法が序々に小さくなるテーパ状に形成されている。各々の柱部34の頂面には頂板36が設けられ、頂板36の中央部には、円形の穴36Hが構成されている。頂板36のうち、対角線上に配置された頂板36A、36Cの穴36Hの外周には、頂板36A、36Cの上面から突出する円筒部36Eが形成されている。円筒部36Eは、頂板36A、36Cの穴36Hに挿入可能な外径とされている。
【選択図】図3

Description

本発明は、雨水を貯留又は地中に浸透させる等のために用いられる雨水貯留槽、及び、雨水貯留槽を構成する雨水貯留槽充填構造に関する。
近年、特に都市部や工場地帯での地層における保水力低下を補うために、地下に多量の雨水を貯留し、この雨水を序々に地層中へ浸透させる設備や、一旦、貯留した多量の雨水を十分な時間をかけて河川等へ放流する設備や、貯留した雨水を汲み上げて防火水等として使用する設備(これらの設備を包括して「雨水貯留槽」という。)などの開発が進んでいる。
このような雨水貯留槽としては、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1には、基板上に9個の錐形枠体が等間隔で立設された錐体フルサイズブロックを並べて骨格構造体を構成する技術が開示されている。錐体フルサイズブロックは、積層される錐形枠体が、下側に隣接する錐形枠体と錐形枠体の間に配置された積層構造になっている。
しかしながら、このような積層構造では、荷重を鉛直方向に連続したブロックで受けることができないため、強度的に問題がある。
特開2007−77574号公報
本発明は、上記事実を考慮して成されたものであり、異方性を低減すると共に、鉛直方向の強度の高い雨水貯留槽充填構造、及び、この雨水貯留槽充填構造を用いた雨水貯留槽を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る雨水貯留槽充填構造は、正方形状とされた平板上に、この平板の各辺に沿って偶数本で同数の支柱が等間隔に立設された複数の充填ブロックが、水平方向に隣接する充填ブロックが互いに接するように配列されると共に、隣り合う上下方向の前記充填ブロックが、互いに縦横に半幅ずれるように配列されて積層された積層充填ブロック群と、前記充填ブロックを上面視で2分割した形状のハーフ充填ブロックが前記積層充填ブロック群の端辺に配列された端辺充填ブロック群と、前記充填ブロックを上面視で4分割した形状のクォーター充填ブロックが前記積層充填ブロック群の角部に配列された角部充填ブロック群と、を備えている。
請求項1に係る雨水貯留槽充填構造では、平板部が正方形状とされた充填ブロックが縦横に半幅ずれるように配列される。したがって、等間隔に立設された偶数本の支柱は、上下方向で支柱同士が重なり合うように配置される。これにより、鉛直方向に連続した支柱で荷重を受けることができ、鉛直方向の強度を高くすることができる。
充填ブロックは、上面からみて正方形状なので、土圧に対する異方性を低減することができる。
また、充填ブロックは、隣り合う上下方向で、互いに縦横に半幅ずれるように配列されて積層されているので、水平方向に隣り合う充填ブロック同士の連結部分が上下方向で分散される。したがって、連結部分が上下方向で同じ位置に配置されている場合と比較してモーメントの集中を抑制することができる。
また、本発明の雨水貯留槽充填構造を構成する、ハーフ充填ブロック及びクォーター充填ブロックは、充填ブロックを2分割または4分割した形状とされているので、簡易に製造することができる。
請求項2に係る雨水貯留槽充填構造は、隣り合う上下方向の前記充填ブロックが前記支柱の頂面同士または前記平板同士が向き合うように配置されていること、を特徴とする。
このように、上下方向の充填ブロックが向き合うように配置することにより、鉛直方向の強度を高くすることができる。
請求項3に係る雨水貯留槽充填構造は、前記支柱の頂面及び前記平板の前記支柱が立設された側と逆側には、上下方向に積層される前記充填ブロック同士を連結させる連結部が形成されていること、を特徴とする。
このように、充填ブロックに連結部を形成し、上下の充填ブロックを連結することにより、充填ブロックのずれを抑制することができる。
請求項4に係る雨水貯留槽充填構造は、前記平板の前記支柱が立設された側には、補強リブが形成されていること、を特徴とする。
このように、補強リブを形成することにより、平板の水平方向の強度を高くすることができる。
請求項5に係る雨水貯留槽は、地面に形成された凹状のピットの内表面を覆うように敷設された遮水シートと、前記遮水シートの内側に構築された請求項1〜3のいずれか1項に記載の雨水貯留槽充填構造と、を有する。
請求項6の雨水貯留槽によれば、請求項1〜3のいずれか1項に記載の雨水貯留槽充填構造が用いられているので、鉛直方向に連続した支柱で荷重を受けることができ、鉛直方向の強度を高くすることができる。
以上説明したように、本発明の雨水貯留槽充填構造によれば、異方性を低減すると共に、鉛直方向の強度を高くすることができる。
本発明の実施形態に係る雨水貯留浸透槽の構成を模式的に示す断面図である。 図1に示される雨水貯留槽における遮水保護層の構成を示す断面図である。 本発明の雨水貯留槽に用いられる充填ブロックの構成を示す(A)は頂板側からみた斜視図であり、(B)は底板側からみた斜視図である。 本発明の雨水貯留槽に用いられるハーフ充填ブロックの構成を示す(A)は頂板側からみた斜視図であり、(B)は底板側からみた斜視図である。 本発明の雨水貯留槽に用いられるクウォータ充填ブロックの構成を示す(A)は頂板側からみた斜視図であり、(B)は底板側からみた斜視図である。 本実施形態の雨水貯留槽に用いられる雨水貯留槽充填構造体の第1段目の構成を示す斜視図である 本実施形態の雨水貯留槽に用いられる雨水貯留槽充填構造体の第2段目に積層される充填ブロックの位置を示す斜視図である 本実施形態の雨水貯留槽に用いられる雨水貯留槽充填構造体の第2段目に積層されるハーフ充填ブロックの位置を示す斜視図である 本実施形態の雨水貯留槽に用いられる雨水貯留槽充填構造体の第2段目に積層されるクォーター充填ブロックの位置を示す斜視図である。 本実施形態の雨水貯留槽に用いられる雨水貯留槽充填構造体の第1、第2段目の構成を示す斜視図である 本実施形態の雨水貯留槽に用いられる雨水貯留槽充填構造体の第1〜第3段目の構成を示す斜視図である 本実施形態の雨水貯留槽に用いられる雨水貯留槽充填構造体の第3段目に積層される充填ブロックの位置を示す斜視図である 本実施形態の雨水貯留槽に用いられる雨水貯留槽充填構造体を横方向からみた図である 本発明の雨水貯留槽に用いられる充填ブロックの変形例の構成を示すは頂板側からみた斜視図である。
以下、本発明の実施形態に係る雨水貯留槽、雨水貯留槽充填構造を、図面に基づいて説明する。
(雨水貯留槽の構成)
図1には本発明の実施形態に係る雨水貯留槽が模式的に示されている。図1に示されるように、雨水貯留槽10は地中Fに埋設されるものであり、その付帯設備として流入桝12及び流出桝14を備えている。
図1に示される雨水貯留槽10を設置する際には、先ず、雨水を回収し、貯留する対象となる敷地の地表面から凹状のピットPを掘り下げ、このピットPの内表面を遮水保護層16により隙間なく覆った後、遮水保護層16により覆われたピットP内に略直方体状に形成された所定容積の雨水貯留槽充填構造18を構築する。
次いで、雨水貯留槽充填構造18の頂面側を遮水シート20により隙間なく覆って、雨水貯留槽充填構造18の外側を遮水保護層16及び遮水シート20により密封した後、雨水貯留槽充填構造18が内部に配置されたピットPを土により埋め戻して雨水貯留槽充填構造18の上側を覆土層22により覆う。なお、地下に雨水貯留槽10が設置される敷地では、通常、地表面の大部分がコンクリート、アスファルト等の非浸水性の舗装材により覆われる。
敷地には、雨水貯留槽10の周辺に鉄筋コンクリート等により容器状に形成された流入桝12が埋設されると共に、雨水貯留槽10に隣接して鉄筋コンクリート等により容器状に形成された流出桝14が埋設される。流入桝12は、例えば、敷地を所定の面積を有する複数の領域に区画し、その領域毎に流入桝12を設置し、これらの流入桝12にそれぞれ雨水が流れ込むようなっている。ここで、雨水貯留槽10に最も近接した1個乃至複数個の流入桝12は、通水管24を通して他の流入桝12に接続されている。これにより、敷地全体に降った雨水は、雨水貯留槽10に最も近接した流入桝12内に一旦、集水される。
流入桝12は、その側壁部の下端寄りの部位に流入管26の一端部が接続されると共に、側壁部における流入管26との接続部の上側にオーバフロー管28の一端部が接続されている。流入管26の他端側は、遮水保護層16を貫通して雨水貯留槽10内へ連通し、またオーバフロー管28の他端部は流出桝14の側壁部の上端寄りの部位に接続されている。
流出桝14は、その側壁部の下端部にオリフィス管25の一端部が接続されると共に、側壁部の上端部にオーバフロー管27の一端部が接続されている。オリフィス管25及びオーバフロー管27の他端部は、それぞれ河川、河川等へ繋がった通水管、排水用の暗渠、下水道等の排水経路に繋がっている。ここで、流出桝14内には、雨水貯留槽10からオーバフローした雨水が流れ込み、この雨水が一時的に貯留される。またオリフィス管25は、流出桝14内から排水経路へ流出する雨水の流量を制限するオリフィスとしての機能を有している。
遮水保護層16は、図2に示されるように、外側保護マット16A、遮水シート20及び内側保護マット16Bからなる3層構造とされている。外側保護マット16A及び内側保護マット16Bは、それぞれポリエステル短繊維を素材とし、十分な柔軟性を有する不織布により構成されている。外側保護マット16A及び内側保護マット16Bは、それぞれ応力集中を緩和することにより、土圧及び雨水貯留槽充填構造18の重量に起因する荷重から雨水貯留槽充填構造18及び遮水シート20を保護する。
雨水貯留槽10の雨水貯留槽充填構造18は、図3に示される充填ブロック30を複数並べ、かつ積層した積層充填ブロック群60を、メインの構造として構成されている。また、積層充填ブロック群60の外周には、図4に示されるハーフ充填ブロック50を複数並べ、かつ積層した端辺充填ブロック群62、図5に示されるクォーター充填ブロック52を複数並べ、かつ積層した角部充填ブロック群64が配列されている。積層充填ブロック群60、端辺充填ブロック群62、及び、角部充填ブロック群64の詳細については後述する。
(充填ブロックの構成)
充填ブロック30の成形素材としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)(特に高密度ポリエチレン(HDPE))等のポリオレフィン系樹脂が化学的な安定性、機械的な強度、及び価格の面から好ましい。ここで、樹脂のメルトフローレート(MFR)(JIS K7210)は、加工性及び機械的な強度を考慮して10(F/10分)〜15(F/10分)のものがよい。また、これらに充填剤としてカーボンブラックを1〜3%加えて耐光性を高めてもよい。なお、設置場所が高温になる場所ではないため、酸化防止剤は加えなくてもよい。
充填ブロック30の肉厚は、製品1個当たりの重量及び機械的な強度等を考慮して2mm〜3mmに設定されている。充填ブロック30は、射出成形法などによって成形することができる。
図3(A)、図3(B)に示されるように、充填ブロック30は、平板部32及び4本の柱部34A〜34D(これらを包括して言う場合には、単に「柱部34」という。)を有している。平板部32は、正方形板状とされ(縦方向Aの長さSA及び横方向Bの長さSBが等しい)、縦方向A及び横方向Bに2箇所ずつ等間隔に正方形状の穴32Hが構成されている。
各々の柱部34は、穴32Hに対応する位置に設けられている。柱部34は、平面視で正方形状とされ、穴32Hの外周から立ち上がりつつ先端へ向って縦方向A及び横方向Bに沿った寸法が序々に小さくなるテーパ状に形成されている。各々の柱部34の頂面には頂板36が設けられ、頂板36の中央部には、円形の穴36Hが構成されている。頂板36のうち、対角線上に配置された頂板36A、36Cの穴36Hの外周には、頂板36A、36Cの上面から突出する円筒部36Eが形成されている。円筒部36Eは、頂板36A、36Cの穴36Hに挿入可能な外径とされている。
平板部32の柱部34が突出されている面には、リブ38が形成されている。リブ38は、縦方向A及び横方向Bに沿った直線状とされ、格子状に形成されている。リブ38によって、平板部32の強度が補強されている。また、平板部32のリブ38が形成されていない面には、平板部32の面から突出された係合凸部33A、及び、平板部32を貫通する係合孔33Bが形成されている。係合凸部33A及び係合孔33Bは、平板部34の4つの穴32を各々囲むように、穴32の一辺に係合凸部33A及び係合孔33Bが1つずつ形成されている。係合凸部33A及び係合孔33Bは、穴32の周りで交互に配置されるように配列されている。係合凸部33Aは、係合孔33Bに嵌め込み可能とされている。
(ハーフ充填ブロックの構成)
図4に示されるように、ハーフ充填ブロック40は、充填ブロック30の横方向B(または縦方向A)の中央で2分割した形状とされている。したがって、上面視で、ハーフ充填ブロック40の横方向B(または縦方向A)の寸法SHは、充填ブロック30の横方向B(または縦方向A)の寸法の1/2となっている。
ハーフ充填ブロック40は、柱部34C、34Bを備えると共に、平板部32が2分割されている(以下2分割された平板部32を「ハーフ平板部32H」という)。
(クォーター充填ブロックの構成)
図5に示されるように、クォーター充填ブロック42は、充填ブロック30の縦方向Aの中央で2分割すると共に横方向Bの中央でも2分割した4分割の形状とされている。したがって、上面視で、クォーター充填ブロック52の縦方向A及び横方向Bの寸法SQは、充填ブロック30の縦方向Aの寸法及び横方向Bの寸法の1/2となっている。
クォーター充填ブロック42は、柱部34A、または、柱部34Bを備える2種類、即ち、頂板36に円筒部36Eが形成されているものと、そうでないものが使用される。以下、頂板36に円筒部36Eが形成されているものをクォーター充填ブロック42Aといい、頂板36に円筒部36Eが形成されていないものをクォーター充填ブロック42Bという。クォーター充填ブロック42は、平板部32が4分割されている(以下4分割された平板部32を「クォーター平板部32Q」という)。
(雨水貯留槽充填構造及び雨水貯留槽の構築方法)
次に、遮水保護層16により内表面が覆われたピットP内に雨水貯留槽充填構造18を構築する方法について説明する。先ず、作業者は、図6に示されるように、遮水保護層16を介して充填ブロック30をピットPの底面上に配列する。このとき、充填ブロック30の平板部32が下側となり、隣り合う充填ブロック30の柱部34A、34Cが、柱部34B、34Dと隣接するように配列する。このとき、隣り合う充填ブロック30は、互いに接するように、隙間なく配列する。そして、これらの充填ブロック30によりピットPの底面全体を覆う。これにより、雨水貯留槽充填構造18の1段目が構成される。
次いで、図7に示されるように、作業者は、雨水貯留槽充填構造18の第2段目となる複数個の充填ブロック30を、第1段目の充填ブロック30上に積み上げる。作業者は、充填ブロック30の頂板36が下側となり、第1段目を構成する複数個の充填ブロック30に対して縦横に半幅ずれるように配列する。このとき、第1段目の最外周に配置される1列分の柱部34上には位置しないようにし、第2段目の充填ブロック30の頂板36に形成された穴36Hに第1段目の充填ブロック30の円筒部36Eが挿入され、第2段目の充填ブロック30の頂板36に形成された円筒部36Eが第1段目の充填ブロック30の穴36Hに挿入されるようにして、上下の充填ブロック30を係合させる。これにより、第2段目の1個の充填ブロック30は、第1段目に配列された、隣接する4個の充填ブロック30に係合される。上下方向の通水は、穴36Hを介して行われるようになっている。上記のようにして、第2段目の充填ブロック30も、隣り合う充填ブロック30が、互いに接するように、隙間なく配列する。
次いで、図8に示されるように、作業者は、ハーフ充填ブロック40を、第1段目の充填ブロック30の最外周の端辺部上に配置する。このとき、第1段目を構成する複数個の充填ブロック30に対して縦方向または横方向に半幅ずれて2個の充填ブロック30を跨ぐように配列する。また、第1段目を構成する充填ブロック30の頂板36の穴36Hに第2段目のハーフ充填ブロック40の円筒部36Eを挿入すると共に第1段目を構成する充填ブロック30の円筒部36Eを第2段目のハーフ充填ブロック40の頂板36の穴36Hに挿入して、第1段目の充填ブロック30と係合する。これにより第1段目の充填ブロック30の最外周の4つの角部以外の柱部34の上に、ハーフ充填ブロック40が充填される。
次に、図9に示されるように、作業者は、クォーター充填ブロック42を、第1段目の充填ブロック30の4つの角部上に配置する。第1段目の充填ブロック30の頂板36上に円筒部36Eが配置されている場合には、第2段目のクォーター充填ブロック42として頂板36に円筒部36Eを有さないクォーター充填ブロック42Bを積層し、第1段目の充填ブロック30の頂板36上に円筒部36Eが配置されていない場合(穴36Hのみの場合)には、第2段目のクォーター充填ブロック42として頂板36に円筒部36Eを有するクォーター充填ブロック42Aを積層する。
積層の際には、クォーター充填ブロック42Aを用いる場合には、第1段目の充填ブロック30の頂板36の穴36Hに円筒部36Eを挿入し、クォーター充填ブロック42Bを用いる場合には、第1段目の充填ブロック30の頂板36の円筒部36Eを穴36Hに挿入して、第1段目の充填ブロック30と係合する。これにより、図10に示されるように、第1段目の充填ブロック30に充填ブロック30、ハーフ充填ブロック40、及び、クォーター充填ブロック42が隙間なく充填される。
次いで、図11に示されるように、第2段目の充填ブロック30、ハーフ充填ブロック40、クォーター充填ブロック42上に、第3段目を構成する複数個の充填ブロック30を積み上げる。これらの充填ブロック30は、第1段目を構成する複数個の充填ブロック30と同一方向及び同一位置に配置される。すなわち、図12に示されるように、第3段目の1個の充填ブロック30は、第2段目に配列された、隣接する4個の充填ブロック30を跨ぐように配置される。このとき、第2段目の充填ブロック30、ハーフ充填ブロック40、クォーター充填ブロック42の平板部32に形成された係合凸部33A、及び、係合孔33Bが、第3段目を構成する充填ブロック30の平板部32に形成された係合孔33B、及び、係合凸部33Aと、各々係合し合うように配置する。これにより、上下の充填ブロック30が係合される。
以後同様に、偶数段目に積み上げられる充填ブロック30、ハーフ充填ブロック40、クォーター充填ブロック42は、2段目の充填ブロック30、ハーフ充填ブロック40、クォーター充填ブロック42と同一方向及び同一位置に配置され、奇数段目に積み上げられる充填ブロック30は、1段目の充填ブロック30と同一方向及び同一位置に配置される。このようにして充填ブロック30、ハーフ充填ブロック40、クォーター充填ブロック42をピットP(雨水貯留槽10)の深さに応じた段数だけ積み上げることにより、充填ブロック30で構成される積層充填ブロック群60、ハーフ充填ブロック40で構成される端辺充填ブロック群62、クォーター充填ブロック42で構成される角部充填ブロック群64により、図1に示されるように、ピットP内に雨水貯留槽充填構造18が構築される。
作業者は、ピットP内に雨水貯留槽充填構造18を構築した後、雨水貯留槽充填構造18の上面側を遮水シート20により隙間なく覆うと共に、必要な配管作業等を行った後に、雨水貯留槽充填構造18の上側を土により埋め戻して覆土層22を形成する。また敷地の地表面は、必要に応じてコンクリート、アスファルト等の舗装材により舗装され、又はブロック等が敷きつめられる。
(雨水貯留槽の作用)
次に、上記のように構成された雨水貯留槽10の作用について説明する。
雨水貯留槽10が設置された敷地では、雨が降ると敷地の地表面から流入桝12内に雨水が一旦流入し、流入桝12内に蓄えられた雨水が流入管26を通して雨水貯留槽10内へ流入する。このとき、流入桝12内の水位がオーバフロー管28の接続部よりも高くなると、流入桝12内の雨水がオーバフロー管28を通して流出桝14へ直接流れ出し、流入桝12から雨水が溢れることを防止している。
雨水貯留槽10内へ流入した雨水は、雨水貯留槽10と流出桝14との間に設けられたオリフィス(図示省略)を通して雨水貯留槽10から流出桝14へ流れ出る。オリフィスは、雨水の流通量が流出桝14に接続されたオリフィス管25における雨水の流通量とバランスするように、水の流通量を制限している。また雨水貯留槽10からの雨水の流出量を超える雨水が雨水貯留槽10内へ継続的に流れ込み、雨水貯留槽10が満水近くになると、雨水貯留槽10内の雨水が流出桝14内へオーバフローし、雨水貯留槽10内から雨水が溢れることが防止される。
流出桝14内へ流入した雨水は、オリフィス管25を通して通水管、排水用の暗渠、下水道等の排水経路へ流れ出し、最終的に河川、海等へ放流される。またオリフィス管25における雨水の流通量を超える雨水が流出桝14内へ継続的に流れ込み、流出桝14が満水近くになると、流出桝14内の雨水がオーバフロー管27を通って排水経路へ流れ出し、流出桝14内から雨水が溢れることが防止される。
上記のような雨水貯留槽10によれば、その内容積を敷地面積に応じて設定することにより、敷地に降った雨が地表面から直接、河川、下水等へ流れ込むことがなくなり、敷地面積に対応する量の雨水を雨水貯留槽10内へ一旦蓄えた後、雨水を雨水貯留槽10内から序々に雨水が河川、下水等へ流出させることができるので、短時間に多量の雨が降った場合(集中豪雨時)にも、河川、下水に許容流水量を超える雨水が流れる込むことを防止し、冠水、河川の氾濫等の水害を引き起こすことを効果的に防止できる。
また、本実施形態では、中空の充填ブロック30は、上面からみて正方形状なので、雨水貯留槽充填構造18の土圧に対する異方性を低減することができる。
また、充填ブロック30は、図13に示されるように、隣り合う上下方向で、互いに縦横に半幅ずれるように配列されて積層されている。したがって、柱部34同士が鉛直方向に連続するので、鉛直方向の強度を高くすることができる。また、水平方向に隣り合う充填ブロック30は、上下の充填ブロック30によって連結され、充填ブロック30が互いにかみ合うように配置されると共に、水平方向に隣り合う充填ブロック30同士の連結部分が上下方向で分散される。これにより、連結部分が上下方向で同じ位置に配置されている場合と比較して、せん断力FHによるモーメントまたは応力の集中を抑制することができる。
また、本実施形態では、雨水貯留槽充填構造18を構成する、ハーフ充填ブロック40及びクォーター充填ブロック42は、充填ブロック30を2分割または4分割した形状とされているので、ハーフ充填ブロック40及びクォーター充填ブロック42用の金型などを必要とせず、簡易に製造することができる。
また、本実施形態では、雨水貯留槽充填構造18は、上下方向に充填ブロック30の平板部32同士が向き合うように、または、充填ブロック30の頂板36同士が向き合うように積層されている。したがって、上下の充填ブロック30の境界部分において、鉛直方向の圧力に対する強度を高くすることができる。
なお、本実施形態では、充填ブロック30の柱部34を4本設けた例について説明したが、柱部34は、平板部32の一辺に沿った本数が偶数になるものであれば、他の本数であってもよい。例えば、図14に示すように、一辺に沿った本数を4本として、合計で16本の柱部34としてもよい。
また、本実施形態では、充填ブロック30を、上下方向に、頂板36同士または平板部32同士を対向させて配置したが、すべての充填ブロック30を頂板36が上側となるように配置してもよい。この場合には、平板部32に孔32を設けない構成とし、上下の充填ブロックは、平板部32と頂板36とが対向する配置とすればよい。
10 雨水貯留槽
18 雨水貯留槽充填構造
32 平板部
33B 係合孔
33A 係合凸部
34 柱部
36E 円筒部
36H 穴
36 頂板
38 リブ
40 ハーフ充填ブロック
42 クォーター充填ブロック
60 積層充填ブロック群
62 端辺充填ブロック群
64 角部充填ブロック群
P ピット

Claims (5)

  1. 正方形状とされた平板上に、この平板の各辺に沿って偶数本で同数の支柱が等間隔に立設された複数の充填ブロックが、水平方向に隣接する充填ブロックが互いに接するように配列されると共に、隣り合う上下方向の前記充填ブロックが互いに縦横に半幅ずれるように配列されて積層された積層充填ブロック群と、
    前記充填ブロックを上面視で2分割した形状のハーフ充填ブロックが前記積層充填ブロック群の端辺に配列された端辺充填ブロック群と、
    前記充填ブロックを上面視で4分割した形状のクォーター充填ブロックが前記積層充填ブロック群の角部に配列された角部充填ブロック群と、
    を備えた雨水貯留槽充填構造。
  2. 隣り合う上下方向の前記充填ブロックが前記支柱の頂面同士または前記平板同士が向き合うように配置されていること、を特徴とする請求項1に記載の雨水貯留槽充填構造。
  3. 前記支柱の頂面及び前記平板の前記支柱が立設された側と逆側には、上下方向に積層される前記充填ブロック同士を連結させる連結部が形成されていること、を特徴とする請求項1または請求項2に記載の雨水貯留槽充填構造
  4. 前記平板の前記支柱が立設された側には、補強リブが形成されていること、を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の雨水貯留槽充填構造。
  5. 地面に形成された凹状のピットの内表面を覆うように敷設された遮水シートと、
    前記遮水シートの内側に構築された請求項1〜4のいずれか1項に記載の雨水貯留槽充填構造と、
    を有する雨水貯留槽。
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