JP5167498B1 - 地盤改良構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な工法且つ低コストで実施可能であり、液状化発生時の地表面の被害あるいは地表付近の構造物の被害の発生を低減または防止可能な地盤改良構造を提供する。
【解決手段】複数の発泡樹脂導水板を地盤に埋設してなる導水領域を備える地盤改良構造13であって、発泡樹脂導水板は、一方面側あるいは両面側において、少なくとも一の外縁に端部が到達する導水用溝部を有しており、導水用溝部は透水性部材で覆われて、導水用溝部内部と地盤との直接接触が防止されており、導水領域は、地盤中において、発泡樹脂導水板の両面側が地盤に面し、且つ、複数の発泡樹脂導水板が互いに整列して埋設されている領域である地盤改良構造とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、地盤に埋設され、地盤中の水分の導水を可能とする発泡樹脂導水板を用いた地盤改良構造に関する。
地盤には、一般的に砂粒子間において間隙水が含まれることが知られている。例えば地盤が砂質土で構成される場合には、通常の状態では、砂粒子が互いに接触してかみ合わせた状態で堆積状態が保たれており、砂粒子間に間隙水が存在する。このような地盤では、地震によって砂質土が揺すられた場合に、間隙水の水圧が上昇し、砂粒子のかみ合わせが外れて、砂粒子が浮遊状態となり、液状化現象が生じる場合がある。液状化した地盤は、地盤強度が失われて軟化し土粒子が流動するため、地盤に大きなひずみが生じ、例えば地表において噴砂、噴水現象などの被害が発生する場合がある。また、上述のような地表付近の被害に追随して、地表面における建造物や、表層地盤に埋設されているマンホールなどの構造物の破損や破壊といった被害が発生する場合がある。このような液状化に伴う地表層に現れる被害は、多くの報告例がある。
また、地盤が粘土層である場合には、一般的に間隙水の流出速度が遅いため、長時間かけて地盤が沈下する圧密減少が生じるなどして、地盤が軟弱であることが多い。
そこで、このような問題のある地盤を改良するための工法が提案されている。例えば下記特許文献1には、バイプロハンマー等の振動機が設けられているケーシングパイプを通して、地盤改良すべき地盤内へ砂杭形成用の砂を供給するサンドコンパクション工法に関する発明が提案されている。
また下記特許文献2には、地中構造物の周囲に構築し、地中構造物に作用する地震時に液状化する地盤の側方流動圧を軽減する側方流動圧軽減構造であって、シートパイルや地中壁などにより地中構造物を包囲して構築する補強壁と、ドレーン材や砕石などにより少なくとも地中構造物の予想される地盤液状化流の上流側に構築する排水エリアとより構成し、地震発生時に上記排水エリアより排水し、排水エリアを非流動させることにより、地中構造物に作用する地盤側方流動圧を軽減するよう構成した、地中構造物への地盤側方流動圧軽減構造の発明が提案されている。
特開平7−207653号公報 特開平10−18309号公報
ところで、平成23年3月に発生した東日本大震災において、地震発生による液状化の被害の甚大さが再認識されており、早急な対策が求められている。これに対し、従来に提案された工法では、実施のコストが高く、また施工に用いられる重機も大がかりであり、多くの土地で汎用されるには充分な技術とは言い難かった。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、簡易な工法且つ低コストで実施可能であり、液状化が発生し、地表層に現れる被害の発生を低減または防止可能な地盤改良構造を提供することを目的とするものである。
即ち本発明は、
(1)複数の発泡樹脂導水板を地盤に埋設してなる導水領域を備える地盤改良構造であって、
上記発泡樹脂導水板は、一方面側あるいは両面側において、少なくとも一の外縁に端部が
到達する導水用溝部を有すると共に、発泡樹脂導水板の一方面から他方面に連通し且つ発泡樹脂導水板の厚み方向を貫通する孔を有しており、導水用溝部および孔の体積の総和は、導水用溝部および孔を形成しないこと以外は同様に成形した発泡樹脂成形体の体積を100%としたときに、10%〜40%の範囲内であり、上記導水用溝部および孔は透水部材で覆われて、該導水用溝部および孔と地盤との直接接触が防止されており、上記導水領域は、地盤中において、上記発泡樹脂導水板の両面側が地盤に面し、且つ、複数の発泡樹脂導水板が格子状に整列して埋設されている領域であることを特徴とする地盤改良構造、
(2)導水領域上方に建造物を有しない場合において、発泡樹脂導水板下端は、地表面から5m以内の深さに埋設されているか、あるいは、
導水領域上方に建造物を有する場合において、発泡樹脂導水板下端は、上記建造物の基礎
底面から5m以内の深さに埋設されていることを特徴とする上記(1)に記載の地盤改良構造、
(3)導水領域内および周囲の地盤に含まれる水分が導水用溝部を伝って導水され、その導水された水分が所定の空間または所定の施設に直接または間接に開放されるよう、該空間または該施設の近傍に少なくとも一部の発泡樹脂導水板を位置せしめ、導水領域の水分を導水用溝部を利用して上記所定の空間または施設に導水させることを可能とする上記(1)または(2)に記載の地盤改良構造、
(4)上記所定の空間として地表が選択され、
少なくとも一部の発泡樹脂導水板が、該発泡樹脂導水板により導水された水分が地表に開
放可能となるよう地表近傍に埋設されており、
導水領域は、複数の発泡樹脂導水板が、二次元的または三次元的に整列して構成されてお
り、該導水領域内または周囲の水分の一部を地表方向に向かって導水可能であることを特徴とする上記(3)に記載の地盤改良構造、
(5)上記所定の施設として地中内の排水施設が選択され、
少なくとも一部の発泡樹脂導水板が、該発泡樹脂導水板により導水された水分が排水施設
に開放可能となるよう排水施設近傍に埋設されており、
導水領域は、複数の発泡樹脂導水板が、二次元的または三次元的に整列して構成されてお
り、該導水領域または周囲の水分の一部を排水施設に向かって導水可能であることを特徴とする上記(3)に記載の地盤改良構造、
を要旨とするものである。
本発明の地盤改良構造の実施によれば、地盤中に液状化が発生した場合であっても、それによる地盤表層に現れる被害を有意に低減または防止することが可能である。
即ち、本発明の地盤改良構造は、地盤中において複数の発泡樹脂導水板を整列して埋設することにより導水領域を形成し、この導水領域内の地盤を拘束することができる。そのため、地震発生時において液状化が発生した場合であっても、軟弱化した地盤の土粒子の流動を抑制し、被害の発生を有意に低減または防止することが可能である。
また、本発明の地盤改良構造に用いられる発泡樹脂導水板は、導水用溝部が設けられており、この導水用溝部によって導水領域内または周囲の地盤に含まれる水分の一部を導水することができる。
したがって、本発明の地盤改良構造の実施された地盤領域において液状化が発生した場合、導水領域において軟弱化した地盤が拘束されて地盤の土粒子の流動が抑制または防止されるとともに、導水領域内または周囲の地盤中の水分の一部を導水し、導水領域およびその周囲における間隙水の圧力の上昇の抑制、あるいは一時的に高まった間隙水圧の速やかな低下が促進されるので、液状化発生による甚大な被害の発生を有意に抑制または防止することができる。
上述する導水領域における地盤拘束効果、および導水領域内または周囲における地盤中の水分の導水効果は、液状化発生時だけではなく、降雨などにより地盤における含水量が増加した際の地盤の軟弱化防止の観点でも、同様の効果を発揮し得る。したがって本発明の実施によれば、大地震発生の際だけでなく、日常的にも、安定化した地盤状態の維持が図られる。
しかも、本発明の地盤改良構造は、上記発泡樹脂導水板を地盤に埋設することにより実
施されるため、特別な重機などを必要とせずとも実施することが可能であり、簡易な工法
且つ低コストで実施可能である。本発明における発泡樹脂導水板は、導水用溝部を有すると共に、発泡樹脂導水板の一方面から他方面に連通し且つ発泡樹脂導水板の厚み方向を貫通する孔を有しているので、導水用溝部および孔に地盤中の水分の一部を一時的に保水することが可能であり、地盤中の見かけ上の水分量を低減させ、そのため、液状化発生における間隙水圧の増大時に地盤の軟弱化を抑制または防止し、被害が発生しないよう水はけ状態を改善することができる。また本発明において、導水用溝部および孔の体積の総和が、導水用溝部および孔を形成しないこと以外は同様に成形した発泡樹脂成形体の体積を100%としたときに、10%〜40%の範囲内となるよう構成したので、発泡樹脂導水板の強度を勘案して上記した一時的な保水効果を充分に発揮することができるという効果を奏する。更に、本発明における導水領域は、複数の発泡樹脂導水板を格子状に整列して埋設して形成されているので、導水領域における地盤を有効に拘束することができ、したがって、液状化が発生し、一時的に砂粒子が間隙水中において浮遊状態になった場合であっても、地盤の土粒子の流動を最小限にとどめることができ、液状化の被害の発生を抑制または防止することができる。また本発明において、導水用溝部および孔は透水部材で覆われて、導水用溝部および孔と地盤との直接接触が防止されているので、導水用溝部および孔の凹部に土砂が入り込むのを防止し、それにより入水の空間を確保することができる。
本発明の一実施態様における斜視図である。 本発明の地盤改良構造の一実施態様を示す側面図である。 図2に示す本発明のA−A断面図である。 本発明の地盤改良構造の一実施態様を示す側面図である。 図4に示す本発明のB−B断面図である。 図4に示す本発明の部分拡大図である。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。尚、以下に示す図面は、図示容易化および理解のし易さのために便宜上、適宜縮尺、縦横の寸法比率等を、実際の数値に対し変更して示す場合がある。
図1は、発明に用いられる発泡樹脂導水板の一実施態様を斜視図として示す発泡樹脂導水板1である。
発泡樹脂導水板1は、発泡樹脂導水板本体2と、発泡樹脂導水板本体2全体を覆う透水部材3とから構成される。発泡樹脂導水板本体2は、複数の導水用溝部4と、孔5、5’を備える。
[発泡樹脂導水板本体]
(導水用溝部)
導水用溝部4は、発泡樹脂導水板本体2の両面それぞれにおいて設けられており、発泡樹脂導水板本体2の厚み方向に対し垂直な面において、図面下側における一の外縁から、図面上側における他の外縁まで連続して形成されている。このように、導水用溝部4の両端部が、それぞれ、発泡樹脂導水板本体2面の一の外縁から他の外縁まで連続して設けられていれば、複数の発泡樹脂導水板本体2を隣接して埋設する際に、互いの導水用溝部4を直接または間接に連続させて、導水させる溝を延長させることもできる。
ただし、本発明における導水用溝部の端部は、少なくとも一の端部が発泡樹脂導水板の一の外縁まで到達していれば、導水用溝部に入水した水分を導水用溝部を通じて、発泡樹脂導水板外に導水させることが可能である。したがって、導水用溝部4’の一の端部が、図面上側の外縁まで到達しており、他端は、他の外縁まで到達していなくてもよい。また、図示省略するが、導水用溝部は、一方方向に伸長するものに限らず、曲線状、格子状、ランダムな溝など本発明の実施の態様にあわせて適宜設計可能である。もちろん、導水用溝部のデザインの異なる発泡樹脂導水板を採用し、これを組み合わせて本発明の地盤改良構造を実施することもできる。
発泡樹脂導水板本体2は、両面に導水用溝部4が設けられている。かかる態様によれば、発泡樹脂導水板本体2の両面側における地盤の水分を容易に導水用溝部4で導水することが可能である。
ただし本発明は、導水用溝部が、発泡樹脂導水板の一方側面においてのみ設けられている態様を包含する。発泡樹脂導水板の一方面側にのみ導水用溝部が設けられている態様においては、主として、該導水用溝部に面している地盤中の水分を導水させることができるが、本発明の地盤改良構造は、複数の発泡樹脂導水板を整列させて埋設してなる導水領域を備えるため、発泡樹脂導水板の整列の仕方により、片側面にしか導水用溝部が設けられていない発泡樹脂導水板を利用した場合であっても、充分に、導水領域全体において、地盤中の水分の導水を実行することができる。
本発明における導水用溝部は、上述のとおり地盤中の水分が入水するための空間となる。入水した水分は、導水用溝部を通じて導水される。したがって、本発明における発泡樹脂導水板は、導水の前提として、地盤中の水分を集水する作用をも発揮する。
特に、本発明における導水用溝部は透水部材に覆われて、土砂との直接の接触が防止されている。そのため、地盤に埋設された発泡樹脂導水板に関し、導水用溝部が土砂で充填され目詰まりした状態を回避することができ、集水(入水)するための空間が確保されるため、集水(入水)を実質的に可能としている。
(孔)
発泡樹脂導水板本体2は、厚み方向を貫通する孔5、5’が複数設けられている。孔5、5’が設けられていることによって発泡樹脂導水板本体2は、下記の効果を享受することができる。
第一の効果として、孔5、5’は、地盤中の水分の一部を保水することが可能であるこ
とが挙げられる。例えば、液状化が生じたとき、あるいは降雨時などであって地盤中の水
分が増大したときに、一時的に孔5、5’において地盤中の水分の一部を保水し、地盤中
の見かけ上の水分量を低減させ、水がはけるとともに孔5、5’内の水分を地盤に戻すこ
とが可能である。この結果、液状化発生における間隙水圧の増大時、あるいは降雨時など
における地盤中の水分量の増大時に、地盤の軟弱化を抑制または防止し、被害発生しな
いよう水はけ状態を改善することが可能である。
孔5は、発泡樹脂導水板2の一方側の外側面から他方側の外側面に貫通してもうけられ
ており、一方、孔5’は、一方側の面に設けられた導水用溝部4の溝面から、他方側の面
に設けられた導水用溝部4の溝面に貫通してもうけられている。本発明における孔は、導
水用溝部とは別に、主として保水可能に発泡樹脂板導水板を貫通した穴部であればよい。
孔に関する、上述の保水効果は、導水用溝部においても見出されうる効果である。即ち、地盤中の水分は、任意に設けられた孔に入水するとともに、導水用溝部にも入水するため、導水用溝部の存在も、地盤中の見かけ上の水分量を低減させることに貢献するからである。
また第二の効果としては、孔を通じて、発泡樹脂導水板本体の厚み方向に地盤中の水分を流動させることが可能な点が挙げられる。これによって導水領域内あるいは、その周囲の地盤における水分の望ましい流動が可能となり、導水用溝部における導水を望ましく促進することに貢献する。
また、一方面にのみ導水用溝部がある発泡樹脂導水板本体を用いる本発明の態様において、導水用溝部の設けられていない他方側の面における地盤中の水分が、孔を通じて、導水用溝部を有する一方面側に流水可能であり、孔を通じて流水してきた他方面側に存在していた水分を上記一方面に設けられた導水用溝部で導水させ易い。
発泡樹脂導水板の含水率:
以上に説明するとおり本発明における発泡樹脂導水板は、導水用溝部に入水した地盤中の水分を導水させて、導水領域外に導水させるという効果に加え、導水用溝部あるいはさらに孔に地盤中の水分を入水させて一時的に保水し、地盤中の見かけ上の水分量を低減させ、もって地盤の軟弱化を抑制するという効果も発揮し得る。この一時的な保水効果を充分に発揮させるためには、発泡樹脂導水板における入水可能な凹部である導水用溝部および孔の体積の総和が大きいことが望ましい。ただし、発泡樹脂導水板の強度も勘案すると、適切な範囲で上記体積の総和を大きく設計することが望ましく、例えば、発泡樹脂導水板を発泡ポリプロピレンや発泡ポリスチレンなどの発泡樹脂で成形する場合には、上記体積の総和は、導水用溝部および孔を形成しないこと以外は同様に成形した発泡樹脂成形体の体積を100%としたときに、10%〜40%の範囲ないであることが望ましい。
発泡樹脂導水板の形成部材:
発泡樹脂導水板本体2を形成するための部材は、主として発泡樹脂が用いられる。ここでいう「主として」とは、発泡樹脂導水板本体2が100%発泡樹脂で形成される場合、および、任意の機能を付加する目的で他の部材をさらに備え、あるいは含む場合も包含する趣旨である。他の部材をさらに備え、あるいは含む割合は特に限定されにないが、下記に述べる発泡樹脂成形体であることの有利な点が享受できる範囲で許容される。
本発明における導水板を発泡樹脂で形成することにより、導水用溝部や孔が成形しやすい点、コストに有利な点、軽量であるために運搬時や埋設時における取り扱い性が容易である点等を挙げることができる。
また加えて、発泡樹脂成形体からなる発泡樹脂導水板本体2は、地盤置換えによる軽量地盤化効果が発揮されるため、好ましい。
即ち、本発明の施工方法の例として、地盤に、発泡樹脂導水板1を設置可能な程度の穴部を掘り、そこに発泡樹脂導水板1を挿入あるいは設置し、必要に応じて、発泡樹脂導水板本体1の周囲を埋め戻すことにより、地盤に発泡樹脂導水板1を埋設することができる。穴部は、発泡樹脂導水板1の整列を勘案して適切に掘ればよい。また、埋め戻しの際には、一度掘り出した、当該地盤を構成する土砂をそのまま埋め戻してもよいし、本発明による導水効果が、より充分に発揮されるよう、透水性に優れた山砂などで発泡樹脂導水板1の周囲を満たしてもよい。特に本発明を実施する地盤が粘土質を多く含む粘性地盤のときは、穴部を形成するために掘り出した土砂を埋め戻さずに、透水性に優れた山砂などで発泡樹脂導水板1の周囲を満たすことが好ましい。
上述のとおり発泡樹脂導水板1が地盤に埋設されるということは、地盤中の土砂の一部と発泡樹脂導水板1とが置き換えられることを意味する。したがって、発泡樹脂導水板1の体積当たりの重量が、地盤の土砂の堆積あたりの重量に比べて小さい場合には、発泡樹脂導水板1により置き換えられた分だけ、地盤全体が軽量化される。この結果、本発明の実施された領域の下方に存在する地盤の受ける重量負荷を軽減し、地盤沈下抑制効果が発揮され得るのである。かかる地盤沈下抑制効果は、例えば、液状化が発生した場合や、降雨などで地盤中の水分量が増大した場合に、特に顕著な効果を発揮し得る。即ち、液状化などにより地盤が軟弱化した場合には、地盤沈下が起こりやすいところ、地盤が軽量化されていれば、軽量化前の状態に比べ地盤沈下の発生を効果的に抑制または防止することが期待される。
また加えて、発泡樹脂成形体を地盤に埋設することによれば、地震発生や交通振動などにより発生した振動の低減効果も期待される。したがって、本発明の実施により、振動対策をも付加することが可能である。
発泡樹脂導水板本体2の形成するための発泡樹脂としては、発泡ポリプロピレン、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、あるいはこれらのいずれかの樹脂と任意の樹脂を含む共重合発泡樹脂などが挙げられるが、これらに限定されず、適切な導水用溝部および、必要に応じて厚み方向を貫通する孔を形成することができ、地盤に埋設した際に地盤の重みにより破壊しない程度の強度が確保可能であればいずれの発泡樹脂を用いてもよい。
特に発泡ポリスチレン、発泡ポリスチレンあるいは、発泡ポリスチレン系共重合樹脂、発泡ポリスチレン系共重合樹脂は、一般的に圧縮耐性が良好であり、地盤に埋めた際に、土圧による破損を充分に回避可能である。特に本発明における発泡樹脂導水板は、表面に溝部を有し、また必要に応じて一方の面から他方の面に貫通する孔が形成されるため、成形体の強度の観点からは不利であるが、発泡ポリプロピレン等は、圧縮耐性に優れるため、上述のような成形を施しても充分にその形状を地盤中で維持することができる。
発泡樹脂導水板の形状および寸法:
発泡樹脂導水板本体2は、直方体であって、縦横の寸法に対し厚み方向の寸法が充分に小さい、板状体としての形状が採用されている。かかる形状であれば、両面において導水用溝部を設けやすく、また複数の発泡樹脂導水板を隣り合わせて整列させることが容易である。しかし、本発明における発泡樹脂導水板は、上記板状の直方体の形状に限定されるものではない。一定の厚みを有し、面部分に導水用溝部を形成できる形状であればよく、例えば、円筒形状、あるいは四角柱以外の多角柱などであってもよい。厚み方向の寸法は、地盤中の強度や孔の容積などを勘案して適宜決定してよい。
また本発明における発泡樹脂導水板の寸法は特に限定されるものではないが、例えば立方体の発泡樹脂導水板を発泡体樹脂で形成する場合には、一辺が20cm〜500cm、好ましくは、20cm〜250cm程度、厚み2cm〜50cm程度であれば、成形が容易で、施工の観点からも取り扱い性が良いであるため好ましい。ただし、本発明における発泡樹脂導水板の寸法は、上述に限定されるものではなく、本発明を実施する地盤状態や、環境、建造物の有無などを勘案して適宜決定してよい。
[透水部材]
透水部材3は、導水用溝部4および孔5と、地盤との直接接触を防止するために、これらを覆う部材として、用いられるもので、図1では、発泡樹脂導水板本体2全体を覆って、上記直接接触を防止している。このように、導水用溝部4および孔5と、地盤との直接接触を防止することの趣旨は、導水用溝部4および孔5の凹部に土砂が入り込むのを防止し、入水の空間を確保することにある。図1では、透水部材3で発泡樹脂導水板本体2全体を覆う態様を示したが、上記趣旨を完遂するためには透水部材の被覆態様は当該態様に限定されるものではなく、例えば、透水板本体2の面部分だけ、あるいは透水用溝部4および孔5の表面だけを選択的に透水部材で被覆するよう、透水部材3を発泡樹脂導水板本体2に接合し、あるいは接着し、取り付け等行ってもよく、これらの手段は、発泡樹脂導水板本体2の構成材料と透水部材3の構成材料との関係で、適宜公知の手段を採用してよい。例えば、公知の手段としては、接着剤などを使用した接着方法、熱融着などが挙げられるがこれに限定されない。
透水部材3の構成材料としては、本発明を実施する地盤を構成する土粒子の種類、粒径などを勘案し、透水部材自体の目詰まりがし難く、一方、土粒子の通過を回避することに留意した上、適宜決定してよい。また、透水部材の厚みについても、構成材料の種類とともに、目詰まりおよび土粒子の通過回避、透水性などを勘案して、適宜決定してよい。 例えば不織布は、土粒子を通しにくい細かい網目と、破れ難い強度を兼ね揃えており本発明における透水部材として好ましい。特に不織布であって、厚みが0.15mm〜0.45mm程度、15〜40g/m程度のものであれば、多くの地盤において、不織布自体の目詰まりおよび土粒子の通過回避、並びに透水性という観点において良好であり、好適に本発明の透水部材として使用することが可能である。
一方、地盤を構成する土粒子が比較的粗い粒径である場合には、網目の細かい金網、樹脂製のネットなどでも使用可能である。
[実施態様1]
次に、本発明の一実施態様について図2、3を用いて説明する。図2は、地表付近において実施された本発明の地盤改良構造10の側面図である。地盤改良構造10は、発泡樹脂導水板1を、導水用溝部4および孔5の設けられた面を地盤面(G.L.)に対し略垂直の姿勢で2段に重ねて、且つ、格子状に整列させて埋設し、これによって導水領域11を形成したものである。発泡樹脂導水板1を格子状に整列させた状態は、図2のA−A断面図である図3に示す。また、図2、3においては、発泡樹脂導水板1における透水部材3は、図示省略する。
地盤改良構造10は、上下方向2段に整列する発泡樹脂導水板1の上段に位置する発泡樹脂導水板1が、地表付近に埋設されており、液状化が生じ間隙水圧が高まったとき、あるいは降雨等によって地盤中の水分量が充分に増大したとき等には、間隙水の一部が導水用溝部4に入水し、導水用溝部4を伝って、地表方向に導水され、地表面に流出される。導水用溝部4に入水した水分を、地表方向に導水するためには、地表に導水された水分が開放され易いことが重要である。したがって、上段に位置する発泡樹脂導水板1の埋設位置は、導水用溝部4に入水した水分が、発泡樹脂導水板1の上部を覆う土砂をぬって間接的に地表に開放され易い程度に地表付近に埋設されているか、あるいは、発泡樹脂導水板1の上面を地表に露出させ直接的に導水された水分を地表に開放してもよい。地表付近に埋設される発泡樹脂導水板1は、例えば、地表面と発泡樹脂導水板1上面との距離が、約10cm〜20cm程度とすることができるが、これに限定されず、埋設位置は地盤を構成する土砂の透水性などを勘案して決定してよい。また、地表付近に埋設される発泡樹脂導水板1の上面が地表すれすれ、あるいは地表に露出する場合には、発泡樹脂導水板1の上面の破損を防止するために、地表に人口芝や樹脂製マットなどを敷設してもよい。即ち、地表面と発泡樹脂導水板1の上面との距離は、特に制限されず、本発明が実施される地盤の土砂の透水性などの性質や、導水用溝部の溝断面積の大きさなどの諸条件を勘案し、導水された水分が直接または間接に地表に開放可能な距離で適宜決定してよい。
一方、発泡樹脂導水板1の埋設深さは、本発明において限定されないが、導水領域11の如く、上方に建造物を有しない場合には、発泡樹脂導水板1の埋設深さは、約5m程度であってよい。図2では、下段に整列する発泡樹脂導水板1の下面から地表までの距離は、約5m程度であってよく、さらには0.2〜3m内で適宜決定されてよく、発泡樹脂導水板自体のサイズにもよる。
このように地表付近、より詳しくは、地表より5m内に発泡樹脂導水板が埋設される本発明であれば、特に実施に要するコストが小さく、施工も容易であるため好ましい。
しかも地表付近における本発明の実施により、液状化が発生した際の地表面あるいは地表付近における被害が良好に防止可能であるということは本発明の有利な点である。
即ち、従来の液状化防止に関する工法は、10m以上の深度の深い地盤まで施工が実施されることが一般的であった。しかし、そのような場合、施工された領域で充分な液状化による被害の防止が達成されることは可能であるが、その施工領域の外側に位置する領域において、甚大なる被害が発生するケースが散見されていた。また、施工自体の労力、コストが大きいことも課題であった、
これに対し本発明者の検討によれば、液状化は地盤の比較的深度の深いところで起こる場合、あるいは地表付近で起こる場合など多くのケースがあるが、それが被害として現れるのは地表面あるいは地表付近であるところ、本発明を、地表より5m以内程度、あるいはさらに2.5m以内程度の地表付近で実施することによって、多くの液状化のケースに対応して被害を充分に防止可能であることを見出したものである。
尚、上述は、本発明における発泡樹脂導水板を地表より5mを超えて深い地盤に埋設することを何ら禁止する趣旨ではない。本発明における発泡樹脂導水板を地表より5mを超えて深い地盤に埋設した場合であっても、その整列間隔や導水方向などの設計により、本発明の実施領域外の領域に甚大な被害が発生することを充分に防止することが可能である。
後述する図4における導水領域17は、建造物下方における本発明の実施態様の1つを示す。このように、建造物下方において本発明が実施される場合、発泡樹脂導水板の埋設深さは特に限定されない。しかし、なるべく浅い領域で本発明を実施することの有利な点は、上述と同様である。したがって、建造物下方で実施される本発明においては、建造物基礎下面から約5m以内、好ましくは0.2〜3m内の地盤深度において適宜決定されてよく、発泡樹脂導水板自体のサイズにもよる。
地盤改良構造10に示される本発明の態様であれば、液状化が発生し間隙水圧が高まり、導水用溝部4に水分が入水した場合に、容易に地表付近の土砂をぬって、水分が地表に開放される。したがって、水分は地表方向への導水が促進されるとともに、導水領域11の水が導水用溝部4に向かって流水し、さらには、導水領域11の周囲の地盤の水分が導水領域11に向かって流水する地盤中の水の循環が発生しうる。この結果、速やかに地盤中の水が、地表に開放可能され、間隙水の水圧を低下させることができる。
加えて、複数の発泡樹脂導水板1が、隣り合う位置で、上下方向、および、縦、横方向の三次元方向に整列されて、導水領域11が形成されているため、導水領域11における地盤を有効に拘束することができる。したがって、液状化が発生し、一時的に砂粒子が間隙水中において浮遊状態になった場合であっても、この地盤の土粒子の流動を最小限にとどめることができる。上述する液状化発生時の間隙水圧の低下作用と相まって、液状化の際の被害の発生を抑制または防止することができる。
もちろん、降雨などによって一時的に地盤中の水分が増大したときも、その水量が充分に多い場合には、上記液状化の際と同様に地表への水の開放が期待され、且つ、ゆるんだ地盤の拘束効果が発揮されるため、地盤の軟弱化の抑制あるいは防止が図られる。
また、降雨時であって、水分量の増量がそれほど大きくないときであっても導水用溝部4および孔5に、地盤にしみ込んだ雨水が入水可能であって、これにより地盤中のみかけの水分量を小さくすることができる。したがって、地盤の軟弱化を防ぎ、除々に水をはけさせることができる。
地盤改良構造10は、建造物を有しない地盤の露出した公園、グラウンド、空き地、建造物の周辺、あるいは、透水性舗装のされた土地、木材チップの敷き詰められた土地など、地盤からの水分の開放が可能な土地で広く実施することができる。
[実施態様2]
本発明の異なる実施態様を図4、図5を用いて説明する。図4は、建造物12の付近において実施された本発明の地盤改良構造13、14の側面図である。
地盤改良構造13は、建造物12の周囲において、発泡樹脂導水板1を、導水用溝部4および孔5の設けられた面を地盤面(G.L.)に対し略垂直の姿勢で2段に重ねて、且つ、スジ状に整列させて埋設し、これによって導水領域15を形成したものである。発泡樹脂導水板1をスジ状に整列させた状態は、図4のB−B断面図である図5に示す。
一方、地盤改良構造14は、建造物12の基礎16の下方に構築された構造であって、発泡樹脂導水板1を、導水用溝部4および孔5の設けられた面を基礎16の下面に対し略垂直の姿勢で2段に重ねて、且つ、スジ状に整列させて埋設し、これによって導水領域17を形成したものである。
尚、図4、図5においては、発泡樹脂導水板1における透水部材3、導水用溝部4、孔5は、図示省略する。
地盤改良構造13は、建造物の周囲に構築された構造であること、および、上下方向2段に整列する複数の発泡樹脂導水板1を複数列のスジ状で整列したこと以外は、導水された水分の開放が地表面であることを含め、地盤改良構造10と同様に実施することができるため、ここでは詳細の説明を割愛する。
地盤改良構造13のごとく、建造物の周囲において実施することにより、液状化の際の被害により建造物が傾き、あるいは沈下し、あるいは基礎部分が破壊するなどの被害を抑制または防止することができる。地盤改良構造13は、建造物の周囲を連続的に取り囲むように実施してもよいし、あるいは、断続的に実施してもよい。例えば、建造物の立地環境により、傾斜地を造成してなる地盤では、地盤の特に弱いと思われる領域だけに導水領域を形成するべく、本発明の地盤改良構造を実施してもよい。
地盤改良構造13では、発泡樹脂導水板本体を上下方向に整列させるとともに、一方方向にスジを伸長させる方向に整列させ、且つ、上記伸長方向とは略垂直の方向に一定間隔をおいて隣り合うよう発泡樹脂導水板本体を整列しており、かかる整列も三次元的な整列と理解される。このように三次元的な発泡樹脂導水板本体の整列により、望ましい効果が発揮されることは、地盤改良構造10において説明したとおりである。
ただし本発明における発泡樹脂導水板本体の整列方向は、格子状あるいはスジ状に限定されず、また三次元的な整列にも限定されない。例えば、地盤改良構造10、13、14の如く、発泡樹脂導水板を上下二段に整列させずとも望ましい導水領域が形成されるよう、発泡樹脂導水板の寸法を変更し、縦長の形状を採用することもできる。この場合には、上下方向には整列せず、縦横方向にのみ整列する、地盤表面に対し二次元的な整列が実施されてよい。発泡樹脂導水板本体の整列は、地盤面あるいは建造物の基礎面などに対し、二次元的に整列されることにより、地盤の拘束力を良好に発揮することができる。即ち、導水領域が面としての広がりを示すことにより、これに囲まれる地盤を実質的に拘束可能であるからである。
もちろん、上記二次元的、あるいは三次元的な範囲において、格子状あるいはスジ状以外の整列、例えば同心円状の複数の円状に整列する態様などであってもよく、これに限定されない。
一方、基礎16の下方に構築される地盤改良構造14は、地盤改良構造13と同様に、発泡樹脂導水板1が、上下二段に整列し、且つ、一方方向にスジを伸長させる方向に整列させ、且つ、上記伸長方向とは略垂直の方向に一定の間隔をあけて隣り合うよう発泡樹脂導水板が整列されており、三次元的な整列の態様が採用される。
ただし、地盤改良構造14は、基礎16の下方に構築されているために、発泡樹脂導水板1における、図示省略される導水用溝部4を伝って地表に水分を開放しにくい。そこで、地盤改良構造14では、発泡樹脂導水板1における導水用溝部4に入水した水分は、間接的に排水施設である雨水管18に開放されるよう、雨水管18に連続する集水管19を設け、下段の発泡樹脂導水板1の埋設位置が、集水管19に隣接するよう集水管19の伸長方向に沿って整列されて埋設されている。
雨水管18は、建造物の雨どい等によって集められた雨水を受ける雨水桝20と排水管21を介して連続しており、雨水を流水するための管である。地盤内には、上記雨水管18を含む各種の排水施設が埋設されており、これを利用し、本発明において、導水用溝部を伝って導水される地盤中の水分を直接または間接に開放させてよい。
図4では、集水管19を埋設し、これを雨水管18に連続させることによって、雨水管18を間接的に排水施設として利用する態様を示したが、例えば、一般的に雨水桝と理解される枡が、地盤中に埋設されている場合には、該雨水桝を本発明における排水施設とし
直接または間接に利用することもできる。また、下水管を上記排水施設として直接または間接に利用してもよい。
尚、本発明において導水された水分が開放される空間または施設は1つに限定されるものではない。例えば、実施態様1または実施態様13のように、導水された水分が開放される空間として地表が選択される場合であって、さらに、発泡樹脂導水板本体の下方に、実施態様14の如く排水施設に当該水分を開放するための構成を採用し、上下方向のいずれにも導水可能とすることもできる。
また、実施態様1、13、14のように導水された水分が、特定の空間または施設に気泡されるよう構成されていない態様も本発明は包含する。即ち、本発明の地盤改良構造において形成された導水領域の外側に位置する地盤に、導水用溝部において導水された水分が開放されるよう構成された本発明であれば、導水領域内における地盤の形状化における被害発生の防止が図られ、また降雨量の多い場合の地盤の軟弱化も防止することができる。例えば、水はけの悪い地盤において本発明を実施し、隣り合う水はけのよい地盤方向に導水された水分を開放してもよいし、あるは、河川などが存在する場合には、河川方向に導水された水分を開放してもよい。
したがって、実施態様1、13、14においては、いずれも導水用溝部を備える面が、地表に対し略垂直な角度となる姿勢で発泡樹脂導水板を埋設したが、発泡樹脂導水板の埋設姿勢はこれに限定されず、導水用溝部を備える面が、地表に対して略平行となる姿勢、あるいは、同水曜溝部を備える面と地表面との角度が0度を超えて90度未満であってもよい。
図6は、導水された水分を地盤中の排水施設に間接的に開放する場合の好ましい態様の一つを示す、本発明の部分拡大図である。
図中、発泡樹脂導水板1は、上述に説明するものと同様であり、発泡樹脂導水板1’は、発泡樹脂導水板1に対し、導水用溝部の設計の一部を変更した導水用溝部4’とこれに通じる導水用溝部6が設けられたこと以外は導水用本体1と同様に形成されたものである。尚、図6中、発泡樹脂導水板1および発泡樹脂導水板1’の全体を覆う透水部材は図示省略する。
図6に示す態様では、上段の発泡樹脂導水板1における導水用溝部4と、下段の導水用1’における導水用溝部4’とが図示省略される透水部材を介して連続し、導水された水分がスムーズに下方に流れるよう整列されている。そして、発泡樹脂導水板1’では、複数の導水用溝部4’が、1つの導水用溝部6に連続しており、且つ、導水用溝部6の下方に集水管19、あるいは集水管22が位置している。集水管19および集水管22は、管壁面に複数の孔が設けられており、内部に水が浸透可能な構造の、所謂透水パイプである。集水管22は、導水用本体1の底面に沿って互いに略並行に複数埋設されており、一方、集水管19は、集水管22の一端と連結されている。導水用溝部6から導水された水は集水管19に直接集水されるか、あるいは集水管22によって集水されて集水管19に合流し、図示省略される排水施設に流水される。
図6に示す態様は1つの例示であり、本発明の地盤改良構造において、導水用溝部によって導水される水分が、開放されるべき空間または施設、あるいは導水領域外に位置する地盤に効率良く導かれるように、導水用溝部のデザイン、発泡樹脂導水板本体の整列を適宜設計することができる。
導水された水分を地盤中の排水施設に間接的に開放する場合のその他の好ましい態様の例としては、図5に示すスジ状に配列された発泡樹脂導水板1の下面において各スジに沿ってそれぞれ集水管が配置され、それぞれの集水管が排水施設に連続されていてもよい(図示省略)。
発泡樹脂導水板と集水管、あるいは排水施設の位置関係は、地盤中の水分が導水用溝部を介して所望の方向に導水されやすいよう、適宜決定してよい。例えば、整列する複数の発泡樹脂導水板本体を集水方向に任意の傾きを設けて埋設するか、各発泡樹脂導水板本体に設けられる導水用溝部が互いに連続しながら排水方向に傾斜するようデザインすることによって、導水の方向を任意に決定することもできる
以上に図面を用いて説明する本発明の実施態様では、いずれも複数の整列される発泡樹脂導水板本体は、透水部材を介して実質的に当接した態様を示したが、整列される発泡樹脂導水板本体は、必ずしも当接していなくてもよく、導水領域全体として、導水される水分が、任意の空間または施設、あるいは導水領域外の地盤に導かれる範囲において、隣り合う発泡樹脂導水板が互いに離れた状態で整列していてもよい。
1、1’ 発泡樹脂導水板本体
2 発泡樹脂導水板
3 透水部材
4、4’ 導水用溝部
5、5’ 孔
6 導水用溝部
10 地盤改良構造
11 導水領域
12 建造物
13、14 地盤改良構造
15 導水領域
16 基礎
17 導水領域
18 雨水管
19、22 集水管
20 雨水枡
21 排水管

Claims (5)

  1. 複数の発泡樹脂導水板を地盤に埋設してなる導水領域を備える地盤改良構造であって、
    上記発泡樹脂導水板は、一方面側あるいは両面側において、少なくとも一の外縁に端部が
    到達する導水用溝部を有すると共に、発泡樹脂導水板の一方面から他方面に連通し且つ発泡樹脂導水板の厚み方向を貫通する孔を有しており、導水用溝部および孔の体積の総和は、導水用溝部および孔を形成しないこと以外は同様に成形した発泡樹脂成形体の体積を100%としたときに、10%〜40%の範囲内であり、上記導水用溝部および孔は透水部材で覆われて、該導水用溝部および孔と地盤との直接接触が防止されており、上記導水領域は、地盤中において、上記発泡樹脂導水板の両面側が地盤に面し、且つ、複数の発泡樹脂導水板が格子状に整列して埋設されている領域であることを特徴とする地盤改良構造。
  2. 導水領域上方に建造物を有しない場合において、発泡樹脂導水板下端は、地表面から5m以内の深さに埋設されているか、あるいは、
    導水領域上方に建造物を有する場合において、発泡樹脂導水板下端は、上記建造物の基礎
    底面から5m以内の深さに埋設されていることを特徴とする請求項1に記載の地盤改良構
    造。
  3. 導水領域内および周囲の地盤に含まれる水分が導水用溝部を伝って導水され、その導水された水分が所定の空間または所定の施設に直接または間接に開放されるよう、該空間または該施設の近傍に少なくとも一部の発泡樹脂導水板を位置せしめ、導水領域の水分を導水用溝部を利用して上記所定の空間または施設に導水させることを可能とする請求項1または2に記載の地盤改良構造。
  4. 上記所定の空間として地表が選択され、
    少なくとも一部の発泡樹脂導水板が、該発泡樹脂導水板により導水された水分が地表に開
    放可能となるよう地表近傍に埋設されており、
    導水領域は、複数の発泡樹脂導水板が、二次元的または三次元的に整列して構成されてお
    り、該導水領域内または周囲の水分の一部を地表方向に向かって導水可能であることを特徴とする請求項3に記載の地盤改良構造。
  5. 上記所定の施設として地中内の排水施設が選択され、
    少なくとも一部の発泡樹脂導水板が、該発泡樹脂導水板により導水された水分が排水施設
    に開放可能となるよう排水施設近傍に埋設されており、
    導水領域は、複数の発泡樹脂導水板が、二次元的または三次元的に整列して構成されてお
    り、該導水領域または周囲の水分の一部を排水施設に向かって導水可能であることを特徴とする請求項3に記載の地盤改良構造。
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