WO2011089956A1 - ポンプ式泡吐出容器 - Google Patents

Abstract

　ポンプ式泡吐出容器について、外気を多量に吸い込むことができる吸気口を、水が侵入するのを確実に防止できるように設けると共に、吸気口から泡が吸引されるのを防止できるようにする。　ノズル体４の吐出口４３とは反対側に吸気口４５を開口させ、この吸気口４５を連通孔４６を介して内筒部４１と外筒部４２の間の通気路に連通させ、ノズル体４の頂部の外縁部から下方に垂下するスカート状のカバー部４７を、吸気口４５よりも下方にまで延びるように形成すると共に、スカート状のカバー部４７の内側空間（カバー部４７の内側から外筒部４２までの間の空間部分）をノズル体の周方向で仕切って遮断するための仕切壁部４９を、ノズル体４の周方向で見て吸気口４５の両側で対となるように、少なくとも一対以上設ける。

Description

ポンプ式泡吐出容器

　本発明は、容器のキャップから上方に突設されたノズル体が押し下げヘッドとされ、その押し下げ操作と押し下げ解除操作を繰り返してノズル体を上下動させることにより、容器内に収納された内容液を泡状態として、ノズル体の吐出口から吐出させるポンプ式泡吐出容器に関し、特に、ノズル体の一部に外気を吸い込むための吸気口が設けられたポンプ式泡吐出容器に関する。

　シャンプー、ハンドソープ、ボディソープ、洗顔剤、整髪剤、ひげ剃り剤、浴槽用洗剤等の液体を泡状にして使用することがある。従来、この種の液体洗剤を泡状にして吐出する容器が種々開発され、商品化されている。その容器は、ポンプ式泡吐出容器と称することのできるものであり、ノズル体とシリンダ体とピストン体とを主な構成部材とするポンプ機構を備えている。そのようなポンプ式泡吐出容器では、容器のキャップから上方に突出したノズル体を押し下げ、またその押し下げを解除することにより、キャップの天板部を貫通してノズル体に連結されたピストン体が、そのピストン体を上方に向けて押圧しているバネ力に抗して、所定範囲だけ上下動する。容器の内部には、その口部から吊り下げた状態にシリンダ体が設けられており、上記のピストン体はそのシリンダ体の内部に挿入されている。したがって、ピストン体を上下動させるとにより、容器内に収納されている液体がシリンダ体の下端から吸い上げられ、空気が混入されて泡状態になった後、ピストン体とノズル体の中空軸心部を通って、ノズル体の吐出口から容器の外部に吐出されるようになっている。

　そのようなポンプ式泡吐出容器では、ポンプ機構による吐出によって負圧となる容器内への空気補充と泡形成のために、新たに空気を供給することが必要となる。そのため、従来一般的には、キャップのガイドステム部とノズル体とが摺接する部分の隙間から外気を吸い込むように構成されている。しかしながら、そのような構成では、ガイドステム部の外周面に付着した水が空気と共に吸い込まれ易いため、容器内やシリンダ体（空気シリンダ）内に容易に水が侵入する虞がある。しかも、狭い隙間だけでは充分な空気を迅速に吸い込むことができないため、迅速に多量の泡を吐出させようとする場合には外気の吸入に遅れが生じるなどの不都合がある。

　従来、外気を取り入れるための開口部を設けた容器が、特開２００７－２７５７７７号公報に記載されている。その構成を簡単に説明すると、キャップ（ベースキャップ部）に形成されているガイドステム部（ガイドステム）とノズル体（泡吐出器）とが摺接する部分の隙間とは別個に、外気を吸い込むための開口面積の大きな吸気口（外気取り入れ口）が、ノズル体（泡吐出器）の外筒部（スカート状カバー）に形成されている。また、この吸気口（外気取り入れ口）の外側の上方及び周方向近傍に防御壁３３が設けられている。

　上記のような従来公知のポンプ式泡吐出容器では、ノズル体（泡吐出器）の外筒部（スカート状カバー）に開口面積の大きな吸気口（外気取り入れ口）が形成されているので、ガイドステム部（ガイドステム）とノズル体（泡吐出器）とが摺接する部分の隙間から空気と共に水が吸い込まれることが回避もしくは抑制される。また、吸気口（外気取り入れ口）の外側の上方及び周方向近傍に設けられている防御壁によって、飛び散った水が上方や側方から吸気口（外気取り入れ口）に侵入することを防止できる。

　しかしながら、上記の特開２００７－２７５７７７号公報に記載されている構成では、吸気口（外気取り入れ口）は、ノズル体（泡吐出器）の外筒部（スカート状カバー）に形成されているために、例えば、容器が横倒しの状態になったり、容器を斜め下に傾けて持ったりすると、外筒部（スカート状カバー）の外周面に付着した水が、該外周面に沿って流れて、防御壁に邪魔されるようなことなく吸気口（外気取り入れ口）の付近に到達し、ついには吸気口（外気取り入れ口）から容器内に侵入する虞がある。

　なお、容器内に外部の水が侵入すると、通常、シリンダ部分に塗布してあるシリコン等の滑剤を洗い流してしまってピストン体の摺動性を悪化させたり、容器内に収納されている内容液（液体洗剤）に混入してその色や香りを変化させてしまう虞がある。更に、シリンダ体とピストン体により画成される空気室内に多くの水が溜まると、混合室内に送り込まれる内容液と空気の比が使用開始時とは異なってしまうため、泡質が設計したものとは異なってしまう虞がある。或いは、容器内に侵入してくる水は汚れていることが多いので、空気用シリンダの内部に溜まってカビ等が発生し易くなり、カビが発生した場合には、ポンピングによりカビ臭が混合室内に送り込まれて、吐出される泡の香気を悪化させてしまうという問題が起きる可能性がある。

　上記のように、外気を吸入する吸気口から水が容器の内部に入ることを防止するための改良が、従来、種々なされているが、泡吐出容器の使用形態は様々であって、水や泡の侵入もしくは吸入を確実には防止できていないのが実情である。例えば、多量の泡を掌又はスポンジあるいは手ぬぐいの上に多量に吐出させて、泡を盛り上げた状態にしてから、その泡状の洗剤を使用する場合がある。このように泡を掌やスポンジなどに盛り上げる場合、掌やスポンジなどをノズル体の外筒部に接触させ、その状態でノズル体を繰り返し前後動させるポンピング操作を行うと、ポンプ機構における空気室の内部に泡を吸入してしまうことがある。

　すなわち、掌などに盛り上がった泡は、ノズル体の外筒部の外周面を伝わって、スカート状のカバーの内側空間（カバーの内側で外筒部までの間の空間部分）でノズル体の周方向に流れ出し、吐出口の反対側に設けられている吸気口の付近にまで流れる。そのため、ノズル体が上昇することに伴って吸気口から外気が吸い込まれる際に、外気と共に泡が吸気口から吸引されて、空気室内に泡が吸引されてしまう。

　本発明は、上記のようなポンプ式泡吐出容器の問題の解消を課題とするものであり、具体的には、外気を多量に吸い込むことができる吸気口を、水が侵入することを確実に防止できるように設けると共に、吸気口から泡が吸引されることを防止できるポンプ式泡吐出容器を提供することを目的とするものである。

　本発明は、上記の課題を解決するために、容器の口部から容器内に延ばして設けられたシリンダ体の内側に、常に上方に付勢された状態で所定範囲だけ上下動可能にピストン体が配設され、そのピストン体を上方から覆うように容器の口部に冠着されるキャップに、該キャップの天板中央部に設けられた開口部の周縁から上方に筒状のガイドステム部が立設され、前記容器の外側に配置されかつ吐出口を有するノズル体には、前記ピストン体と連結して吐出通路を形成する内筒部と、前記ガイドステム部の外周面に沿って上下動する外筒部とが設けられ、この内筒部と外筒部との間が、前記容器内に外気を導入するための通気路となっているポンプ式泡吐出容器において、前記ノズル体の頂部に、蓋体によって閉鎖される空間部が形成され、この空間部の一部分に、前記外筒部の外周面から外方に突出した凹部が形成され、前記ノズル体における前記吐出口とは反対側で前記凹部の外側壁に、外気を吸い込むための吸気口が設けられ、前記凹部よりも内側の空間部が、前記内筒部と前記外筒部との間の前記通気路に連通され、前記ノズル体の頂部の外縁部から下方に延びるスカート状のカバー部が、前記凹部から外方に離れて前記吸気口よりも下方にまで延びるように形成されていると共に、前記スカート状のカバー部の内側空間を前記ノズル体の周方向で仕切って遮断するための仕切壁部が、前記ノズル体の周方向において前記吸気口の両側に設けられていることを特徴とするものである。

　本発明のポンプ式泡吐出容器によれば、ノズル体に設けた吸気口から多量の外気を容器内に迅速に導入することができて、迅速に多量の内容物を泡状にして吐出させることができる。また、容器を正立させた状態では、スカート状のカバー部によって吸気口から水が侵入するのを防止できると共に、ノズル体の外筒部の外周面から外方に突出した凹部の外側壁に吸気口が開口されているため、例えば、容器が横倒しの状態になったり、容器を斜め下に傾けて持ったりすることで、外筒部の外周面に付着した水が吸気口に向かって流れてきても、凹部の底壁が堤防の役目をして、吸気口に水が侵入するのを阻止することができる。そのために本発明によれば、吸気口から容器内に水が侵入するのを効果的に防止することができる。

　また、ノズル体の吐出口の下方に置いた掌（又は掌に載せたスポンジ）をノズル体の外筒部に接触させた状態で、泡吐出のためのポンピング操作を数回連続して行った場合、掌一杯（又はスポンジ一杯）になって盛り上がった泡は、ノズル体の外筒部の外周面を伝わって、スカート状のカバー部の内側空間（カバー部の内側で外筒部までの間の空間部分）でノズル体の周方向に沿って流れ出す場合がある。しかしながら、スカート状のカバー部の内側空間には、該空間をノズル体の周方向で仕切って遮断するための仕切壁部が設けられているため、該空間を吸気口の側に向かって流れる泡は、仕切壁部により遮断され、それ以上吸気口に接近するのを阻止される。それによって、吸気口から吸引される外気と共に泡が容器内（空気室内）に吸引されることを防止できる。

本発明のポンプ式泡吐出容器の一実施例を示す図であって、ノズル体が上限位置での容器の全体構造を（筒状の部分で端部同士を結ぶ横線については、全てを表示せずに部分的に省略して）示す縦断面図である。 図１に示したポンプ式泡吐出容器のノズル体が下限位置での容器の全体構造を（図１と同様に、筒状部分の端部同士を結ぶ横線を部分的に省略して）示す縦断面図である。 図１に示したポンプ式泡吐出容器のノズル体を示す側面図である。 図３に示したノズル体を上方から見た状態を示す上面図である。 図３に示したノズル体の頂部の蓋体を除いて上方から見た状態を示す上面図である。 図３に示したノズル体を下方から見た状態を示す下面図である。 図３に示したノズル体について、（Ａ）は図４のＡ－Ａ線に沿った縦断面図、（Ｂ）は図４のＢ－Ｂ線に沿った縦断面図である。 本発明のポンプ式泡吐出容器のノズル体の他の実施例を示す図であって、（Ａ）は図４のＡ－Ａ線に沿った縦断面図、（Ｂ）は図４のＢ－Ｂ線に沿った縦断面図である。

　本発明に係るポンプ式泡吐出容器１は、シャンプー，ハンドソープ，ボディソープ，洗顔剤，整髪剤，ひげ剃り剤，浴槽用洗剤等の界面活性剤を含有する液体を収容するものであり、図１に示すように、ノズル体４とシリンダ体５とピストン体６とからなるポンプ構造を有している。ノズル体４は、容器本体２の外側でキャップ３の上方に配置され、シリンダ体５は、容器本体２の口部からその中心軸線に沿って内部に向けて延びた状態に設けられている。さらに、ピストン体６は、空気用ピストン７と液用ピストン８から構成されており、キャップ３の下面側に固定されるシリンダ体５の内部に上下動可能に配置されている。

　キャップ３は、容器１の口部に冠着されており、容器１の口部を覆っている天板部３２の中央部に開口部が設けられている。この開口部の周縁から上方に筒状のガイドステム部３１が立設されている。一方、上記のノズル体４には、ピストン体６の上端部に連結されて内側に吐出通路を形成する内筒部４１と、キャップ３のガイドステム部３１の外周面に沿って上下動する外筒部４２とが一体的に形成されている。したがって、ノズル体４は、これと一体に連結されたピストン体６と共に、キャップ３のガイドステム部３１に案内されて上下動するようになっている。なお、ノズル体４の内筒部４１と外筒部４２は、必ずしもノズル体６と一体成形されていなくてもよく、これらは互いに別部品として作成されて組み付けられたものであってもよい。

　上記のシリンダ体５とピストン体６との間にはコイルスプリング１１が配置されており、前記シリンダ体５に対して一体的に上下動するノズル体４とピストン体６は、そのコイルスプリング１１のバネ力によって常に上方に付勢されている。図１はノズル体４が上限位置にある状態を示しており、この状態から、ノズル体４とピストン体６とにコイルスプリング１１の付勢力に抗する押し下げ力を加えることにより、ノズル体４を図２に示すように下限位置まで押し下げることができる。

　上記のポンプ式泡吐出容器１が備えているポンプ構造について更に詳しく説明すると、容器本体２の口部に着脱可能に冠着されるキャップ３は、中央に開口部が設けられた天板部３２と、天板部３２の開口部周縁から上方に立ち上がる円筒状のガイドステム部３１と、天板部３２の周端縁から容器本体２の内部に向けて延びている円筒状のスカート部３３とを一体成形したものである。そのスカート部３３の内面側には、容器本体２の口部と螺合するためのネジ部が形成されている。また、天板部３２の下面には、円筒状のシリンダ挟持部と円筒状のピストン接触部とが同心状に設けられている。

　シリンダ体５は、大径筒状の空気用シリンダ５１と小径筒状の液用シリンダ５２とが円錐台状の連結部分を介して同心的に連結されるように、熱可塑性樹脂の射出成形等により一つの部材として一体成形した二重シリンダである。その空気用シリンダ５１の上端に形成されたフランジ部が、キャップ３の天板部３２の下面側で挟持されることにより、シリンダ体５の上端部がキャップ３に同心円状に一体的に固定されている。このキャップ３が容器本体２の口部に冠着（螺着）されることにより、シリンダ体５は容器本体２の口部から下方（容器内）に吊り下げた状態に配置される。

　上記のシリンダ体５の一部を構成している空気用シリンダ５１の上部に、容器本体２のヘッドスペース（容器１内の液面よりも上方の空間部）に空気を導入するための空気孔Ｅが穿設されている。また、液用シリンダ５２の下端には、漏斗状の弁座部が形成されており、この弁座部の下方には、容器本体２内に収容されている液体を液用シリンダ５２内に導入するための導液管１５が圧入されて連結されている。この導液管１５の下端は容器本体２の底部付近にまで延びている。

　シリンダ体５内に上下動可能に配設されるピストン体６は、熱可塑性樹脂の射出成形等により個別の部品としてそれぞれ成形された空気用ピストン７と液用ピストン８とを備えている。これらの空気用ピストン７と液用ピストン８とは、同心的に一体連結されて一つのピストン体６を構成している。その空気用ピストン７は、空気用シリンダ５１のシリンダ壁内面に沿って摺動するように配置され、また液用ピストン８は、液用シリンダ５２のシリンダ壁内面に沿って摺動するように配置されている。そして、ピストン体６の上端（すなわち空気用ピストン７のステム部７１の上部）は、ノズル体４の内筒部４１の下端と連結されている。

　ピストン体６の空気用ピストン７は、その上部に位置する小径筒状のステム部７１と、その下部に位置する大径筒状のピストン部７３とを、中間連結部７２を介して連結するように一体成形したものである。そのピストン部７３の下端には、空気用シリンダ５１のシリンダ壁内面との間で充分に気密性を確保でき、且つ、該シリンダ壁内面に対して上下方向に軽く摺動できるように、所定の幅の摺動シール部分が一体的に形成されている。

　空気用ピストン７のピストン部７３の摺動シール部分は、所定の幅に形成されてその幅方向の上下両端で空気用シリンダ５１のシリンダ壁内面に密接している。したがって、空気用ピストン７が上限位置にある状態では、図１に示すように、ピストン部７３の摺動シール部分が空気孔Ｅを閉鎖し、また空気用ピストン７が上限位置から押し下げられてピストン部７３の摺動シール部分が下方に移動することにより、図２に示すように、空気孔Ｅが開口される。

　空気用ピストン７のステム部７１の上部には、ノズル体４の内筒部４１の下部を外側に嵌合させる連結部となっており、またステム部７１の下部には、液用ピストン８の上部を内側に挿入させる連結部となっている。そして、ステム部７１の上部は、ノズル体４の内筒部４１を嵌合する際の下限位置を規制すると共に、液用ピストン８の上端部を挿入する際の上限位置を規制するように、段差を持って下部よりも小径の円筒部分に縮径されている。

　ピストン体６を構成している液用ピストン８は、全体が略円筒形状をしており、その上端部の内面側には、内径が上方に行く程大径となる擂鉢状（又は漏斗状）の弁座部が形成されている。また、中途部の外周面には、放射状の突起部を外端縁に有する環状突部８１が形成されている。さらに、下端部の内面側には、液用シリンダ５２の下端付近（より具体的には液用シリンダ５２内に装着された筒状係止体１２の下端部）との間に配置されているコイルスプリング１１の上端が当接している。このコイルスプリング１１のバネ力によりシリンダ体５内でピストン体６が常に上方に付勢され、また、図２に示すように、環状突部８１によりシリンダ体５内でのピストン体６の下限位置が規制されている。

　上記のような構造のシリンダ体５とピストン体６とにより、空気用ピストン７で覆われた空気用シリンダ５１の内側で液用ピストン８の外側に空気室Ａが形成され、液用ピストン８と液用シリンダ５２の内側に液室Ｂが形成され、液室Ｂの上方で空気用ピストン７のステム部７１の上部内側に混合室Ｃが形成されている。そして、容器本体２内に空気を導入するための空気孔Ｅが空気用シリンダ５１の上部に形成され、また、空気室Ａ内に空気を吸入するための吸気孔Ｆが空気用ピストン７の中間連結部７２に設けられている。

　そして、液用ピストン８が圧入されているステム部７１の下端部でその内面側には、複数本（好ましくは３～７本）の溝が、ステム部７１の円周方向に一定のの間隔を空けて放射状に形成されている。その溝によって、空気室Ａから混合室Ｃに空気を送り込むための空気通路Ｄが形成されている。なお、ステム部７１の内面と液用ピストン８の外面との間に空気通路Ｄを形成するための縦溝（又はリブ）は、空気用ピストン７のステム部７１の内面側ではなく、液用ピストン８の外面側に設けても良い。

　上記のようにシリンダ体５とピストン体６により、空気室Ａと液室Ｂと混合室Ｃと空気通路Ｄとがそれぞれ形成されている。また、シリンダ体５（空気用シリンダ５１の上部）に空気孔Ｅが設けられ、さらに、ピストン体６における空気用ピストン７の中間連結部７２に吸気孔Ｆが設けられている。一方、液用シリンダ５２の下端近傍に形成された弁座部には、ボール弁１３が載置されていて、この弁座部とボール弁１３とにより、液室Ｂの負圧時に液室Ｂの下端の入口を開口するための第１逆止弁が構成されている。

　また、液用ピストン８および液用シリンダ５２の内側には、上端部の外面側に逆円錐台状の弁体部が形成された棒状弁体１４が挿入されている。また、液用シリンダ５２の下端の弁座部の上方には、液体の通過が可能な筒状の係止体１２が装着されている。この係止体１２の上端部に棒状弁体１４の下端部が引っ掛かっていてこの位置を上限位置として、棒状弁体１４が筒状係止体１２により所定の範囲だけ上下動可能に保持されている。したがって、液用ピストン８の上端部に形成された弁座部と、棒状弁体１４の上端部に形成された弁体部とにより、液室Ｂの加圧時に液室Ｂの上端の出口を開口するための第２逆止弁が構成されている。

　すなわち、図１又は図２に示すように、棒状弁体１４の下部側は小径棒部となっていて、この小径棒部の下端付近には、急に直径を大きくした係止部（もしくは段差部）が設けられており、一方、筒状係止体１２の上端部の内方には、この係止部よりも内径が少し小径の内方に突出する環状の突起が設けられている。したがって、棒状弁体１４の下部側（小径棒部）が筒状係止体１２内に挿入された状態では、筒状係止体１２の前記突起に棒状弁体１４の係止部が引っ掛かって、棒状弁体１４のそれ以上の上昇が阻止されることにより、棒状弁体１４の下端部が筒状係止体１２により所定の範囲だけ上下動可能に保持された状態となっている。なお、シリンダ体５とピストン体６とを組み立てる時には、棒状弁体１４の下部側（小径棒部）を筒状の係止体１２内に挿入することになる。その際には、上方からの押圧力により、棒状弁体１４の下端部の係止部によって係止体１２の上端部の突起を押し広げるように弾性変形させて小径棒部を筒状の係止体１２内に挿入させる。

　さらに、ピストン体６が上昇して空気室Ａが負圧になった場合に前述した吸気孔Ｆから空気室Ａ内に空気を導入し、また、ピストン体６が下降して空気室Ａの圧力が高くなった場合に、空気室Ａ内から空気通路Ｄを通して混合室Ｃに空気を供給する第３逆止弁が設けられている。図に示す具体例では、この第３の逆止弁は、吸気孔Ｆと空気通路Ｄとを開閉する弁であって、空気用ピストン７の中間連結部７２の吸気孔Ｆよりも外側の下面と、液用ピストン８の中途部の外周面に形成された環状突部８１の上面と、軟質合成樹脂製の弾性弁体１６とによって構成されている。

　弾性弁体１６は、短い円筒状の筒状基部の下端部近傍から外方に延びる薄肉円環状の外方弁部と内方に延びる薄肉円環状の内方弁部とを一体的に形成したものであって、空気用ピストン７の中間連結部７２と液用ピストン８の環状突部８１との間に液用ピストン８と同心的に配置されていて、空気用ピストン７の中間連結部７２に筒状基部の上部が挟持されている。そして、この弾性弁体１６は、液用ピストン８の環状突部８１の外端部に形成された適当数の放射状突起により筒状基部の下端が支えられた状態で、空気室Ａの上端部に位置決めされている。

　そのような第３逆止弁では、空気室Ａ内が大気圧時には、弾性弁体１６の外方弁部が中間連結部７２の下面に接触し、また内方弁部が環状突部８１の上面に接触するので、空気通路Ｄの入口と吸気孔Ｆとの両方が閉鎖される。また、ピストン体６が下降して空気室Ａ内が加圧されると、弾性弁体１６の内方弁部が上方に変位（弾性変形）して環状突部８１から離れるので、空気通路Ｄの入口が開口される。さらに、ピストン体６が上昇して空気室Ａ内が負圧になると、弾性弁体１６の外方弁部が下方に変位（弾性変形）して中間連結部７２から離れるので、吸気孔Ｆが開口される。

　ポンプ式泡吐出容器１の押し下げヘッドとなるノズル体４は、混合室Ｃの出口（下流側）から吐出口４３に至る泡通路Ｇを、円筒状の内筒部４１の筒内を直上してから頂部に沿って吐出口４３まで延びるように逆Ｌ字状に形成したものであって、吐出口４３が形成されているノズル体４の頂部からは、内筒部４１との間に間隔を置いて同心的に、内筒部４１よりも大径の外筒部４２が一体的に形成されている。

　ノズル体４の内筒部４１の下端は、その筒内に下方から空気用ピストン７のステム部７１の上端部が嵌入されて、空気用ピストン７のステム部７１と一体的に連結されている。この連結部分がキャップ３の天板部３２の中央部に設けられた開口部を貫通している。したがって、容器本体２の内外にそれぞれ配置されるノズル体４とピストン体６とが、キャップ３を貫通して一体的に連結されている。

　なお、シート状の多孔体を両端に張設した多孔体ホルダー１７が、混合室Ｃの下流側で泡通路Ｇ内に挿入されている。この多孔体ホルダー１７は、混合室Ｃで形成された泡を通過させて均質化するためのもので、例えば、合成樹脂製の糸を編んだ網体のような多孔シートを筒状の合成樹脂製スペーサーの両端に溶着して取付けたものである。また、上流側（混合室Ｃに近い側）の多孔シートの網目よりも下流側（吐出口４３に近い側）の多孔シートの網目の方が細かくなっている。

　上記のポンプ式泡吐出容器の使用状態について簡単に説明すると、製造されてから消費者が使用を開始するまでは、図１に示すように、ノズル体４とピストン体６は上限位置にあり、この状態で、容器内への外気導入手段である空気孔Ｅは、空気用ピストン７の摺動シール部により閉じられている。また、ボール弁１３による第１逆止弁と、棒状弁体１４による第２逆止弁と、弾性弁体１６による第３逆止弁とは、全て閉じられている。

　その状態から、最初にノズル体４を押し下げて、図２に示すように、ノズル体４とピストン体６とを下限位置まで下降させると、ボール弁１３からなる第１逆止弁は閉じて液室Ｂの下端入口が閉鎖されたまま、棒状弁体１４からなる第２逆止弁が開いて液室Ｂの上端出口が開く。また、ピストン体６の下降により空気室Ａが加圧されるので、弾性弁体１６からなる第３逆止弁によって、吸気孔Ｆは閉鎖状態に維持され、かつ空気通路Ｄの入口は開口される。

　そのため、消費者が使用を開始して、最初にノズル体４を押し下げたときには、空気室Ａから混合室Ｃに空気が送り込まれると共に、液室Ｂからは溜まっていた空気だけが混合室Ｃに送り込まれるから、ノズル体４の泡通路Ｇからは空気だけが吐出されることとなる。

　そのような最初のノズル体４の押し下げを解除すると、コイルスプリング１１の付勢力により、図１に示す上限位置に向けてノズル体４とピストン体６とが上昇する。その間に、先ず、棒状弁体１４からなる第２逆止弁が閉じて液室Ｂの上端出口が閉鎖され、更にピストン体６の上昇により液室Ｂ内が負圧になる。その結果、ボール弁１３からなる第１逆止弁が開いて液室Ｂの下端入口が開口される。また、ピストン体６の上昇により空気室Ａが負圧になるので、弾性弁体１６からなる第３逆止弁によって、吸気孔Ｆが開口され、かつ、空気通路Ｄの入口は閉鎖される。

　その結果、液室Ｂには、導液管１５を通して容器本体２内の液体が吸い上げられ、また、後述する吸気口４５から吸引された外部の空気が、内筒部４１と外筒部４２の間の通気路Ｈを通って、吸気孔Ｆから空気室Ａに供給される。こうして、泡吐出の準備状態が完了する。

　なお、容器本体２内から液室Ｂに液体が吸い上げられると、その分だけ容器本体２のヘッドスペースの容積が増加する。そのため、そのままではヘッドスペースが負圧状態となるが、図２の状態から図１の状態に戻るまでの間は、空気孔Ｅが開口しているので、内筒部４１と外筒部４２の間の通気路Ｈを通った外部の空気は、空気孔Ｅから直ちに容器本体２内へ吸い込まれる。したがって、そのようなヘッドスペースの負圧状態は直ちに解消される。

　上記のように液室Ｂに液体が満たされて、且つ、図１に示した状態に戻った段階で、再びノズル体４を押し下げると、ピストン体６と各逆止弁（第１～第３逆止弁）は、上記の押し下げ操作時と同様に作動する。その結果、ピストン体６の下降に連れて空気室Ａと液室Ｂが加圧されるので、空気室Ａの空気が空気通路Ｄを通って混合室Ｃに空気が圧送されると共に、液室Ｂの液体が混合室Ｃに送り込まれて、両者は混合室Ｃで混ざり合って泡立てられ、多孔体ホルダー１７の両端の多孔シートを通過することにより均質化された泡となってから、ノズル体４の泡通路Ｇを通ってノズル体４の吐出口４３から吐出される。

　そして、図２に示した状態から、ノズル体４の押し下げ操作を解除すると、ピストン体６と各逆止弁（第１～第３逆止弁）は、上記の押し下げ操作の解除時と同様に作動する。その結果、液室Ｂには、再び容器本体２内の液体が導液管１５を通して吸い込まれると共に、吸気孔Ｆから空気室Ａに空気が供給されるのでで、泡吐出の準備状態となり、以後、ノズル体４の押し下げ操作と該操作の解除を繰り返すことによって、ノズル体４の吐出口４３から所望量の泡を吐出させることができる。

　ところで、上記のポンプ式泡吐出容器では、内筒部４１と外筒部４２の間の通気路Ｈを通して容器内に空気を供給するために、図１および図２に示すように、外部の空気を吸い込むための吸気口４５がノズル体４に形成されている。

　すなわち、ノズル体４の頂部には、図７（Ａ），（Ｂ）に示すように、蓋体４０によって閉鎖される空間部４４が形成されており、この空間部４４の一部分は、外筒部４２の外周面から外方に突出した凹部４４ａとなっている。この凹部４４ａの外側壁に、外気を吸い込むための吸気口４５が開口されている。また、空間部４４には、凹部４４ａよりも内側で、内筒部４１と外筒部４２の間の通気路Ｈと連通させるための連通孔４６が開口している。なお、ここで説明している本実施例では、凹部４４ａは、図５に示すように、外筒部４２の外周面に沿って周方向に延びる溝状に形成されているが、凹部４４ａは、外筒部４２の外周面の一部分で部分的に突出するように形成しても良い。

　また、上記のようにノズル体４に形成された吸気口４５に、その上方や側方から水が侵入するのを防止するための防水壁として、ノズル体４の頂部の外縁部から下方に延びるようにスカート状のカバー部４７が設けられている。このカバー部４７は、凹部４４ａの外側壁から外方に離れていて、吸気口４５よりも下方にまで延ばされている。

　なお、上記の吸気口４５は、図に示す本実施例では、凹部４４ａの底角部から外側壁を切り欠くように形成されている。また、この吸気口４５は、図６および図７（Ａ），（Ｂ）に示すように、内筒部４１と外筒部４２の間の通気路Ｈとを連通する連通孔４６に対して、ノズル体４の筒部（内筒部４１や外筒部４２）の円周方向にずれた位置に配置されている。

　さらに、上記のスカート状のカバー部４７の内面と外筒部４２との間が、ノズル体４の周方向に延びる空間部分となっている。その空間部分の内部には、図６に示すように、その空間部分をノズル体４の周方向で複数に区画する仕切壁部４９が設けられている。その仕切壁部２９は、凹部４４ａの外側壁に形成されている吸気口４５に対して、ノズル体４の周方向において吸気口４５の両側で対となるように、少なくとも一対以上設けられている。

　なお、図に示す本実施例では、ノズル体４の周方向において、吸気口４５の両端縁付近に一対の仕切壁部４９ａ，４９ａが設けられ、さらに吸気口４５の両端縁から所定の間隔を置いた位置、すなわち吸気口４５と吐出口４３との中間付近に他の一対の仕切壁部４９ｂ，４９ｂが設けられており、結局、合計で二対（四個）の仕切壁部４９ａ，４９ｂが設けられている。

　また、外筒部４２の外周面に沿って周方向に延びる溝状に凹部４４ａが形成されているので、仕切壁部４９は、何れも、図７（Ｂ）に示すように、スカート状のカバー部４７の内面と、ノズル体４の頂壁の下面と、凹部４４ａの外側壁および底壁４８と、外筒部４２の外面とを連結するように設けられている。これに対して、外筒部４２の外周面の一部分で部分的に突出するように凹部４４ａを形成した場合には、図示していないが、仕切壁部４９は、スカート状のカバー部４７の内面と、ノズル体４の頂壁の下面と、外筒部４２の外面とを連結するように設けることになる。

　上記のポンプ式泡吐出容器１によれば、ノズル体４に形成された比較的大きな開口面積の吸気口４５から外気を吸い込むように構成されているので、多量の外気を容器内に迅速に導入することができ、それに伴って迅速に多量の内容物の泡を吐出させることができる。これに加えて、上方や側方から吸気口４５に水が侵入することを、スカート状のカバー部４７によって防止することができる。

　また、吸気口４５は、ノズル体４の外筒部４２の外周面から外方に突出した凹部４４ａの外側壁に設けられているので、例えば、容器が横倒しの状態になったり、容器を斜め下に傾けて持ったりして、外筒部４２の外周面に付着した水が吸気口４５に向かって流れてきても、凹部４４ａの底壁４８が堤防の役目をして、吸気口４５に水が侵入することを阻止できる。この発明に係るポンプ式泡吐出容器によれば、総じて、吸気口４５から容器内に水が侵入することを効果的に防止することができる。

　さらに、ノズル体４の吐出口４３の下方に置いた掌（又は掌に載せたスポンジ）をノズル体４の外筒部４２に接触させた状態で、泡吐出のためのポンピング操作を数回連続して行ったような場合、掌（又はスポンジ）の上に高く盛り上がった泡は、その一部がノズル体４の外筒部４２の外周面を伝わって、スカート状のカバー部４７の内側空間をノズル体４の周方向に流れ出すことがある。しかしながら、本発明に係る上記のポンプ式泡吐出容器にあっては、スカート状のカバー部４７の内側空間に、該空間をノズル体４の周方向で仕切って遮断するように仕切壁部４９が設けられているため、該空間を吸気口４５の側に向かって流れる泡は、仕切壁部４９により遮断され、それ以上吸気口４５に接近することが阻止される。その結果、吸気口４５から吸引される外気と共に泡が容器内（空気室内）に吸引されることを効果的に防止することができる。

　そして、吸気口４５の方向への流動を仕切壁部４９，４９によって停止させられた泡は、掌（又はスポンジ）一杯に盛り上がるので、消費者は、ポンピング操作を停止してから、その充分な泡を使用して頭髪や顔や手や全身等を充分に洗うことができる。

　なお、本実施例では、凹部４４ａの底角部から外側壁を切り欠くように吸気口４５を形成しているので、上下の金型によりノズル体４を成形する際に、金型によって吸気口４５を容易に成形することができる。言い換えれば、金型や成形装置の構成を簡素化することができる。

　また、本実施例では、空間部４４を通気路Ｈに連通させる連通孔４６に対して吸気口４５をずらして配置しているので、万が一、吸気口４５から水が侵入したとしても、それが直ちに連通孔４６から内筒部４１と外筒部４２との間の通気路Ｈに侵入する可能性が小さい。そして、凹部４４ａに溜まった水は、容器１を正立させたときに吸気口４５から流れ出るため、容器１内に水が侵入するのを一層確実に防止することができる。

　さらに、本実施例では、スカート状のカバー部４７の内側空間のうち吸気口４５の両端縁付近に一対の仕切壁部４９ａ，４９ａが設けられ、これに加えて、吸気口４５の両端縁から所定の間隔を置いた位置すなわち吸気口４５と吐出口４３との中間付近に他の一対の仕切壁部４９ｂ，４９ｂが設けられている。そのため、例えば消費者が考え事をしながら更に余分に何回もポンピング換作を継続し、そのために吐出口４３の反対側へ流れ出した泡の一部が、仮に、吸気口４５と吐出口４３との中間付近に設けられた他の一対の仕切壁部４９ｂ，４９ｂを乗り越えて吸気口４５の方向へ進んだとしても、吸気口４５の両端縁付近には別の一対の仕切壁部４９ａ，４９ａが存在して、それ以上の泡の進行を阻止するから、泡が吸気口４５の端縁まで到達するのを一層確実に防止することができる。

　以上、本発明のポンプ式泡吐出容器の一実施例について説明したが、本発明は、上記の実施例に示した具体的な構成にのみ限定されるものではない。例えば、上記の実施例では、図７（Ａ），（Ｂ）に示すように、吸気口４５と連通孔４６とを、ノズル体４の筒部の円周方向でずれた位置に配置しているが、これに替えて、図８（Ａ），（Ｂ）に示すように、ノズル体４の筒部の同じ半径方向の位置に吸気口４５と連通孔４６とを配置しても良い。

　また、上記の実施例では、図７（Ａ），（Ｂ）に示すように、蓋体４０のスカート部の下端が吸気口４５にまで達しないように、全周で同じ長さのスカート部を下方に延ばしているが、蓋体４０をしっかりとノズル体４に固定するためには、図８（Ａ），（Ｂ）に示すように、蓋体４０のスカート部を、全周で空間部４４の周壁の下端付近にまで延ばしても良い。その場合には、吸気口４５の部分でスカート部の一部分を切り欠くようにすれば良い。

　また、上記の実施例では、図６に示すように、二対の仕切壁部４９ａ，４９ｂを設けているが、これに限られず、何れか一対を設けるだけでも良く、あるいは三対以上設けるようにしても良い。さらに、ものであって、仕切壁部４９の位置は、吐出口４３よりも吸気口４５に近い方が好ましいが、任意に変更可能である。

　また、上記の実施例では、主として外観を良好にするために、スカート状のカバー部４７の下端部を、図３に示すように、吸気口４５から円周方向でかなり離れた位置においても、吸気口４５の位置よりも下方の位置まで延ばしている。しかしながら、吸気口４５からかなり離れた位置では、吸気口４５への水侵入防止の役目をスカート状カバー部４７は殆ど果していないため、本発明では、スカート状カバー部４７の下端部は、吸気口４５の位置よりも上方位置にあっても良い。例えば、図６に示すように、吸気口４５の両端付近に一対の仕切壁部４９ａ，４９ａを設けるのであれば、これらの仕切壁部４９ａ，４９ａよりもノズル体４の吐出口４３側では、スカート状カバー部４７は、吸気口４５が設けられている位置よりも上方位置でとどまっていても良いし、或いは、これらの領域には設けなくても良い。

　さらに、吸気口４５の両端付近の一対の仕切壁部４９ａ，４９ａを省略して、それよりも吐出口４３側に配置される一対の仕切壁部４９ｂ，４９ｂのみを設ける場合、一方の仕切壁部４９ａと他方の仕切壁部４９ｂとで挟まれている領域におけるスカート状のカバー部４７の下端部は、その領域の半分から吸気口４５側に近い領域では、吸気口４５の位置よりも下方位置まで延びていることが望ましいが、その領域の半分から吐出口４３側の領域では、吸気口４５の配設位置よりも上方位置であっても良い。或いは、これらの領域には設けなくても良い。但し、一対の仕切壁部４９ｂ，４９ｂを設ける箇所及びその付近には、仕切壁部４９ｂ，４９ｂの高さ方向の長さを確保するために、また泡移動防止のために、吸気口４５の配設位置よりも下方にまでカバー部４７の下端部を延ばすことが好ましい。

　さらにまた、例えば、第１逆止弁、第２逆止弁、第３逆止弁の具体的な構造等のポンプ式泡吐出容器のポンプ機構の具体的な構造は、上記の実施例に示した構造に限られないのであって、吸気口４５や仕切壁部４９を設けるのに適した構造でれば、従来から知られたその他の適宜の構造を採用してもよく、適宜に設計変更可能であることはいうまでもない。

Claims (5)

1. 　容器の口部から容器内に延ばして設けられたシリンダ体の内側に、常に上方に付勢された状態で所定範囲だけ上下動可能にピストン体が配設され、そのピストン体を上方から覆うように容器の口部に冠着されるキャップに、該キャップの天板中央部に設けられた開口部の周縁から上方に筒状のガイドステム部が立設され、前記容器の外側に配置されかつ吐出口を有するノズル体には、前記ピストン体と連結して吐出通路を形成する内筒部と、前記ガイドステム部の外周面に沿って上下動する外筒部とが設けられ、この内筒部と外筒部との間が、前記容器内に外気を導入するための通気路となっているポンプ式泡吐出容器において、
   　前記ノズル体の頂部に、蓋体によって閉鎖される空間部が形成され、
   　この空間部の一部分に、前記外筒部の外周面から外方に突出した凹部が形成され、
   　前記ノズル体における前記吐出口とは反対側で前記凹部の外側壁に、外気を吸い込むための吸気口が設けられ、
   　前記凹部よりも内側の空間部が、前記内筒部と前記外筒部との間の前記通気路に連通され、
   　前記ノズル体の頂部の外縁部から下方に延びるスカート状のカバー部が、前記凹部から外方に離れて前記吸気口よりも下方にまで延びるように形成されていると共に、
   　前記スカート状のカバー部の内側空間を前記ノズル体の周方向で仕切って遮断するための仕切壁部が、前記ノズル体の周方向において前記吸気口の両側に設けられていることを特徴とするポンプ式泡吐出容器。
2. 　前記仕切壁部は、前記ノズル体の周方向において、前記吸気口の両端縁から所定の間隔を置いて設けられた一対の仕切壁部を含むことを特徴とする請求項１に記載のポンプ式泡吐出容器。
3. 　前記仕切壁部は、前記ノズル体の周方向において、前記吸気口の両端縁付近に設けられた一対の仕切壁部を含むことを特徴とする請求項１又は２に記載のポンプ式泡吐出容器。
4. 　前記吸気口は、前記凹部の底角部から前記外側壁を切り欠くように形成されていることを特徴とする請求項１乃至３の何れかに記載のポンプ式泡吐出容器。
5. 　前記吸気口は、前記ノズル体の頂部の空間部と、前記内筒部と前記外筒部との間の通気路とを連通する連通孔に対して、前記ノズル体の筒部の円周方向でずれた位置に配置されていることを特徴とする請求項１乃至４の何れかに記載のポンプ式泡吐出容器。

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