WO2011027390A1 - 放射線撮影装置および画像の取得方法 - Google Patents

放射線撮影装置および画像の取得方法 Download PDF

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Abstract

 本発明は、補償フィルタ5を有する構成であっても、簡便かつ正確に直接放射線を推定し、コントラストが良好なX線透視画像pまたは断層画像が取得できる放射線撮影装置を提供することを目的とする。本発明は、被検体Mに入射する直接放射線の線量と、被検体Mから出射する直接放射線の線量とから直接放射線の減弱率を求める直接線減弱率取得部12を備えている。本発明は、補償フィルタ5で生じた1次間接放射線が被検体Mを通過することで減少する割合である、1次間接線減弱率が直接線減弱率と等しいものとして直接線減弱率を求める。この様にすることにより、従来のように複雑な演算を行わずによりX線透視画像pまたは断層画像の取得が簡便なX線撮影装置1またはX線撮影装置37が提供できる。

Description

放射線撮影装置および画像の取得方法
 この発明は、放射線を照射することで被検体の透視画像を取得する放射線撮影装置および画像の取得方法に関し、特に、被検体に照射する前の放射線に強弱をつける補償フィルタを備えた放射線撮影装置および画像の取得方法に関する。
 医療機関には、被検体の透視画像を取得する放射線撮影装置が配備されている。従来の放射線撮影装置の構成について説明する。従来の放射線撮影装置51は、図12(a)に示すように被検体Mを載置する天板52と、放射線を照射する放射線源53と、放射線を検出する検出器54とを備えている。
 放射線源53から放射線が照射すると、放射線ビームBが被検体Mを透過して検出器54に入射する。検出器54が出力する検出信号は、放射線透視画像に組み立てられる。
 放射線源53から放射される放射線の線量は、放射線ビームBに亘って一様である。したがって、被検体Mを天板52に載置しない状態で画像を取得したとすると、得られた画像の画素値は画像全域に亘って略一様となる。しかしながら、この状態で被検体Mの透視像を生成しようとすると、取得される放射線透視画像Pは、その中心部における放射線の線量が不足し、図12(b)のように、被検体Mの中央部を暗く写しこむ。被検体Mの厚さは、体軸方向の中心部が一番厚く、そこから周縁に向かうにしたがって次第に薄くなっており、被検体Mの中心部は、周縁部と比べて、放射線ビームBが透過し難いからである。
 この様な検出器54の部分的な露光ムラを防ぐ目的で、放射線源53には、補償フィルタ55が設けられている。補償フィルタ55を透過した放射線ビームBは、その体軸方向の中央部cの放射線の線量は周縁部sと比べて強いものとなっている(特許文献1参照)。
米国特許明細書 第5,666,391号
 しかしながら、従来の構成によれば、次のような問題点がある。すなわち、放射線が補償フィルタ55を通過するときに、進行方向が変更された散乱放射線が発生し、これが放射線透視画像の視認性を悪化させてしまう。放射線源53から照射された放射線は、補償フィルタ55を透過して、検出器54に向かう。この際、補償フィルタ55を構成する電子に当たって進行方向が変更した放射線が発生する。これを散乱放射線と呼び、放射線透視画像のコントラストを悪化させる要因となる。特に、より多くの散乱線が発生するコーンビーム撮像の場合にこの様な問題が顕著となる。
 この散乱放射線は、放射線ビームBが被検体Mを透過するときにも生じる。従来より、検出器54が検出した放射線を直接放射線(散乱せずに検出器54に到達した放射線)と散乱放射線の和であるものとして、推定演算を行い、直接放射線の強度を算出して、これを基に放射線透視画像を取得する構成のものがある。直接放射線のみで放射線透視画像を取得すれば画像のコントラストは良好なものとなる。
 この様な直接放射線の強度の推定を行う際に、補償フィルタ55から生じた間接放射線が邪魔となる。すなわち、上述の推定方法では、間接放射線は被検体Mによって生じることを前提に行われる。したがって、間接放射線が補償フィルタ55と被検体Mとの2箇所で発生する構成に従来の推定方法を適応したのみでは、正確な直接放射線の推定はできない。
 そこで、補償フィルタ55の間接放射線の影響を除く方法として補償フィルタ55透過後の直接放射線を予め求めておく手法がある。直接放射線を推定しようとする場合、図13のようにスリットSを用いて、検出器54を構成する各検出素子eの1つに向けて直接放射線のみを照射し、これの強度を求めておく方法である。この方法によればスリットSを動かしながら全ての検出素子eについて直接放射線を逐次求めていくことになり、大変な労力を有する上、スリットSを精度よく移動させなければならない。しかも、撮影に合わせて補償フィルタ55が交換されたり、放射線源53の照射するX線のエネルギーが変更されたり、放射線源53と検出器54との距離が変更されたりすると、補償フィルタ55の放射線の散乱の仕方は違ってくる。したがって、撮影条件が変更されるたびにスリットSを用いて直接放射線を測定しなければならなくなり、スリットSを用いる方法は現実的な解決方法とはいえない。
 ところで、従来の直接放射線の推定方法においては、検出器54で検出された放射線を物体で散乱された間接放射線と、散乱されなかった直接放射線に分離することができるのであるから、被検体Mを天板52に載置しない状態で撮影(エアー撮影)を行い、予め直接放射線を推定しておく方法が考えられる。エアー撮影で補償フィルタ55を透過する直接放射線を推定しておき、今度は、被検体Mを天板52に載置して再び撮影を行えば、被検体Mを透過した直接放射線を推定できる。しかし、この方法では、いったん補償フィルタ55を透過した直接放射線を求め、このうちのどの程度が被検体Mで散乱したかを求めるという二段階の演算を行う必要があり、演算の終了までに時間を要する。すなわち、エアー撮影について散乱放射線の推定演算を行った後、被検体Mを天板52に載置した状態での散乱放射線の推定演算を行うことになり、演算に手間がかかる。
 本発明はこの様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、補償フィルタを有する構成であっても、簡便かつ正確に直接放射線を推定し、コントラストが良好な放射線透視画像や断層画像が取得できる放射線撮影装置を提供することにある。
 本発明は、この様な課題を解決するために次のような構成をとる。
 すなわち、本発明に係る放射線撮影装置は、放射線を照射する放射線源と、放射線源に配設されるとともに放射線の線量を調節する補償フィルタと、補償フィルタを透過した放射線を検出して検出データを出力する検出手段と、(A)放射線源と検出手段との間に被検体を介在させないで取得される検出データであるエアーデータを記憶するエアーデータ記憶手段と、(B)放射線源と検出手段との間に被検体を介在させて取得される検出データである被検体データを記憶する被検体データ記憶手段と、(C)被検体データを基に、被検体で生じた間接放射線である2次間接放射線が検出手段に入射した線量を推定する2次間接線推定手段と、(D)エアーデータ、被検体データ、および推定された2次間接放射線の線量を基に補償フィルタから出射した直接放射線が被検体を通過することで減少した割合である直接線減弱率を求める直接線減弱率取得手段と、(E)直接線減弱率を基に被検体の像が写りこんだ画像を生成する画像生成手段を備え、直接線減弱率取得手段は、補償フィルタで生じた間接放射線である1次間接放射線が被検体を通過することで減少した割合を表す1次間接線減弱率が直接線減弱率と等しいものとして直接線減弱率を取得することを特徴とするものである。
 [作用・効果]本発明は、被検体に入射する直接放射線の線量と、被検体から出射する直接放射線の線量とから直接放射線の減弱率を求める直接線減弱率取得手段を備えている。直接線減弱率が求まってしまえば、間接放射線に影響されないコントラストの好適な放射線透視画像や断層画像が取得できる。しかしながら、本発明の放射線撮影装置は、放射線の線量を調節する補償フィルタを備えており、これが直接線減弱率の取得を困難にしている。本発明は、この困難を次の様に解決する。
 補償フィルタにより生じた1次間接放射線は、被検体で減弱して検出手段に入射する。直接線減弱率を求める際に、この減弱した1次間接放射線をどのように求めるかが重要となる。本発明は、1次間接放射線が被検体を通過(透過)することで減少する割合である1次間接線減弱率が直接線減弱率と等しいものとして直接線減弱率を求める。1次間接放射線は、コンプトン散乱によって進行方向とエネルギーがわずかに変更された放射線である。ということは、これが被検体で減弱する挙動は、直接放射線が減弱する挙動と同様であると見なせるのである。このように、1次間接線減弱率と直接線減弱率とが等しいものであることにすることにより、従来のように複雑な演算を行わずして、直接放射線がどの位被検体から透過してきたのかを知ることができるので、より放射線透視画像や断層画像の取得が簡便な放射線撮影装置が提供できる。
 また、上述の直接線減弱率取得手段は、被検体データが示す放射線強度より推定された2次間接放射線強度を引いた値からエアーデータが示す放射線強度を除算することで、直接線減弱率を求めればより望ましい。
 [作用・効果]上述の構成は、直接線減弱率取得手段が行う具体的な演算様式を示したものである。直接線減弱率は、上述のような単純な演算で求めることができる。
 また、補償フィルタは、前記放射線源から着脱可能となっていればより望ましい。
 また、上述の構成に代えて、補償フィルタには、互いの相対位置が変更可能な複数の部分が備えられており、複数の部分を移動させる補償フィルタ移動手段と、補償フィルタ移動手段を制御する補償フィルタ制御手段とを更に備える構成とすることもできる。
 [作用・効果]上述の構成によれば、補償フィルタが撮影の目的に合わせて自由に変更できる構成となっている。しかも、補償フィルタが取り替えられたり、補償フィルタの形状が変更されたりしたとしても、エアー撮影をいったん行ってしまえば、確実に直接線減弱率を取得することができるのである。
 また、上述の放射線源と検出手段とを支持する支持体と、支持体を回転させる回転手段と、回転手段を制御する回転制御手段と、画像生成手段は、支持体が回転されながら取得された一連の直接線減弱率を基に断層画像を生成すればより望ましい。
 [作用・効果]上述の構成は、被検体の断層画像を取得することができる構成を示している。すなわち、上述の構成によれば、支持体が回転されながら一連の直接線減弱率が取得される。そして、断層画像生成手段は、一連の直接線減弱率を基に断層画像を生成する。これにより、コントラストが良好な断層画像が取得できる放射線撮影装置が提供できる。
 また、本発明に記載の画像の取得方法は、放射線を照射する放射線源と、放射線源に配設されるとともに放射線の線量を調節する補償フィルタと、補償フィルタを透過した放射線を検出して検出データを出力する検出手段とを備えた放射線撮影装置で取得された検出データを用いて画像を取得する方法において、(a)放射線源と検出手段との間に被検体を介在させないで取得される検出データであるエアーデータを取得するエアーデータ取得ステップと、(b)放射線源と検出手段との間に被検体を介在させて取得される検出データである被検体データを取得する被検体データ取得ステップと、(c)被検体データを基に、被検体で生じた間接放射線である2次間接放射線が検出手段に入射した線量を推定する2次間接線推定ステップと、(d)エアーデータ、被検体データ、および推定された2次間接放射線の線量を基に補償フィルタから出射した直接放射線が被検体を通過することで減少した割合である直接線減弱率を求める直接線減弱率取得ステップと、(e)直接線減弱率を基に被検体の像が写りこんだ画像を取得する画像生成ステップとを備え、直接線減弱率取得ステップにおいて、補償フィルタで生じた間接放射線である1次間接放射線が被検体を通過することで減少した割合を表す1次間接線減弱率が直接線減弱率と等しいものとして直接線減弱率が取得されることを特徴とするものである。
 [作用・効果]本発明は、被検体に入射する直接放射線の線量と、被検体から出射する直接放射線の線量とから直接放射線の減弱率を求める直接線減弱率取得ステップを備えている。直接線減弱率が求まってしまえば、間接放射線に影響されないコントラストの好適な放射線透視画像や断層画像が取得できる。しかしながら、本発明の画像の取得方法は、放射線の線量を調節する補償フィルタの影響により、直接線減弱率の取得が困難となっている。そこで、本発明は、1次間接放射線が被検体を通過することで減少する割合である1次間接放射線が被検体で減弱する挙動は、直接放射線が減弱する挙動と同様であると見なして、1次間接線減弱率が直接線減弱率と等しいものとして直接線減弱率を求める。この様にすることにより、従来のように複雑な演算を行わずして、直接線がどの位被検体から透過してきたのかを知ることができるので、より放射線透視画像や断層画像の取得が簡便な画像の取得方法を提供できる。
 また、上述の直接線減弱率取得ステップにおいて、被検体データが示す放射線強度より推定された2次間接放射線強度を引いた値からエアーデータが示す放射線強度を除算することで、直接線減弱率が求められればより望ましい。
 [作用・効果]上述の構成は、直接線減弱率取得ステップで行われる具体的な演算様式を示したものである。直接線減弱率は、上述のような単純な演算で求めることができる。
 本発明は、被検体に入射する直接放射線の線量と、被検体から出射する直接放射線の線量とから直接放射線の減弱率を求める直接線減弱率取得手段を備えている。直接線減弱率が求まってしまえば、間接放射線に影響されないコントラストの好適な放射線透視画像や断層画像が取得できる。しかしながら、本発明の放射線撮影装置は、放射線の線量を調節する補償フィルタを備えており、これが直接線減弱率の取得を困難にしている。そこで、本発明は、1次間接放射線が被検体を通過することで減少する割合である1次間接放射線が被検体で減弱する挙動は、直接放射線が減弱する挙動と同様であると見なして、1次間接線減弱率が直接線減弱率と等しいものとして直接線減弱率を求める。この様にすることにより、従来のように複雑な演算を行わずして、直接線がどの位被検体から透過してきたのかを知ることができるので、より放射線透視画像や断層画像の取得が簡便な放射線撮影装置が提供できる。
実施例1に係るX線撮影装置の構成を説明する機能ブロック図である。 実施例1に係る補償フィルタの構成を説明する斜視図である。 実施例1に係る補償フィルタの構成を説明する模式図である。 実施例1に係るX線透視画像を取得する動作を説明するフローチャートである。 実施例1に係る2次間接線推定部の構成を説明する模式図である。 実施例1に係る2次間接線推定部の構成を説明する模式図である。 実施例1に係る2次間接線推定部の構成を説明する模式図である。 実施例1に係る2次間接線推定部の構成を説明する模式図である。 実施例1に係る2次間接線推定部の構成を説明する模式図である。 実施例1に係る直接線減弱率取得部の構成を説明する模式図である。 実施例2に係るX線撮影装置の構成を説明する機能ブロック図である。 従来構成に係る放射線撮影装置の構成を説明する模式図である。 従来構成に係る放射線撮影装置の構成を説明する模式図である。
A     直接放射線源弱率
D1   エアーデータ
D2   被検体データ
S1   1次間接放射線
S2   2次間接放射線
3     X線管(放射線源)
4     FPD(検出手段)
5     補償フィルタ
11   2次間接線推定部(2次間接線推定手段)
12   直接線減弱率取得部(直接線減弱率取得手段)
13   透視画像生成部(画像生成手段)
41   CT画像生成部(画像生成手段)
21   エアーデータ記憶部(エアーデータ記憶手段)
22   被検体データ記憶部(被検体データ記憶手段)
 以降、本発明を実施する最良の形態について説明する。なお、後段におけるX線は、本発明の放射線に相当する。
 <装置の構成>
 実施例1におけるX線撮影装置1の構成について説明する。実施例1に係るX線撮影装置1は、図1に示すように、被検体Mを載置する天板2と、天板2の上側に設けられた天板2に向けてX線ビームBを照射するX線管3と、天板2の下に設けられたX線を検出するフラット・パネル・ディテクタ(FPD)4と、X線管3を制御するX線管制御部6とを備えている。X線管は、本発明の放射線源に相当し、FPDは、本発明の検出手段に相当する。
 FPD4には、X線を検出する検出素子が2次元マトリックス状に配列され、X線を入射させる入射面が構成されている。検出素子は、例えば、1,024×1,024の縦横に配列されている。
 X線管3には、X線ビームBの放射線強度に所定の分布を持たせる補償フィルタ5が設けられている。X線管3を出射した放射線は、補償フィルタ5を透過して、FPD4へと向かう。補償フィルタ5は、図2に示すように、X線が透過する方向に肉厚な肉厚部が備えられている。この肉厚部は、被検体Mの体軸方向、およびX線管3からFPD4に向かう方向のいずれにも直交するS方向の両端に備えられている。補償フィルタ5は、肉厚部から、もう一方の肉厚部に向かうにしたがって次第に薄くなっており、2つの肉厚部の中間に位置する領域が最も肉薄の肉薄部となっている。肉厚部に入射したX線は、肉薄部に入射したX線より多く補償フィルタ5に吸収される。なお、以下の説明において、特にことわりの無い場合、X線ビームBとは、補償フィルタ5を透過済みのX線を言う。
 補償フィルタ5から出射したX線ビームBの線量は、部分的な偏りが生じている。すなわち、X線ビームBは、S方向の両端に向かうにしたがって線量が少なくなっている。この様なX線ビームBが被検体Mを透過しようとすると、被検体MにおけるS方向の中央部においては、より多くのX線が吸収される。X線の照射方向について被検体Mがより肉厚となっているからである。一方、被検体MにおけるS方向の両端部においては、被検体MがX線の照射方向についてより肉薄となっているので、より少ないX線が吸収される。つまり、X線ビームBの線量の偏りと、被検体MにおけるX線の吸収の偏りとの相殺が起きて、X線の強度の部分的な偏りが失なわれ、X線は一様にFPD4に入射することになる。
 なお、X線管3に配設されている補償フィルタ5は、X線管3から着脱可能となっている。これにより、撮影に適した補償フィルタ5を選択して、X線管3に取り付けることができる。
 また、図1に示すように、実施例1に係るX線撮影装置1は、補償フィルタ5を構成する部分を移動させる補償フィルタ移動機構15と、これを制御する補償フィルタ移動制御部16とを備えている。補償フィルタ5は、図3(a)に示すように肉薄部の中央で2つの部分5aに分かれており、互いの相対位置が変更可能となっている。すなわち、補償フィルタ15は、S方向に部分5aの各々を移動させて、図3に(b)に示すように、両部分5aをS方向に離間させることもできる。また、逆に図3(c)に示すように、両部分5aをS方向に近づけて、互いが重なり合うようにすることもできる。また、図3(d)に示すように肉薄部をX線管3から遠ざけるように両部分5aを傾斜させることもできる。補償フィルタ移動機構15は、本発明の補償フィルタ移動手段に、補償フィルタ移動制御部16は、本発明の補償フィルタ制御手段に相当する。
 X線撮影装置1は、各データを記憶するデータ記憶部20を備えている。データ記憶部20は、エアーデータD1を記憶するエアーデータ記憶部21と、被検体データD2を記憶する被検体データ記憶部22と、間接X線の広がりを示す分布様式Fを記憶する分布様式記憶部23と、分布様式Fと放射線強度が関連したルックアップテーブルTを記憶するルックアップテーブル記憶部24を備えている。被検体データ記憶部は、本発明の被検体データ記憶手段に相当し、エアーデータ記憶部は、本発明のエアーデータ記憶手段に相当する。
 また、X線撮影装置1は、術者の指示を入力させる操作卓32と、X線透視画像pを表示させる表示部33とを有している。そして、X線撮影装置1は、各部6,11,12,13,16を統括的に制御する主制御部31を備えている。主制御部31は、CPUによって構成され、種々のプログラムを実行することにより、各部を実現している。また、上述の各部は、それらを担当する演算装置に分割されて実行されてもよい。
 <動作の説明>
 この様な構成のX線撮影装置1の動作について説明する。実施例1に係るX線撮影装置1がX透視画像を取得する動作は、図4に示すように、X線管3とFPD4との間に被検体(被検体)を介在させないエアー撮影を行いエアーデータD1を取得するエアーデータ取得ステップT1と、X線管3とFPD4との間に被検体を介在させた被検体撮影を行い被検体データD2を取得する被検体データ取得ステップT2と、被検体データD2を基に、2次間接X線S2がFPD4に入射した線量を推定する2次間接線推定ステップT3と、エアーデータD1,被検体データD2,および推定された2次間接X線S2を基に直接線減弱率Aを求める直接線減弱率取得ステップT4と、直接線減弱率を基に被検体Mの透視像が写りこんだX線透視画像を取得する画像生成ステップT5とを備えている。以降、これらの各ステップを順に説明する。
 <エアーデータ取得ステップT1>
 まず、被検体Mを天板2に載置しない状態で、X線照射を行い、このときFPD4が出力する検出データをエアーデータ記憶部21に記憶させる。エアーデータ記憶部21に記憶されるデータは、FPD4に入射した直接放射線と、間接放射線とが合計されたものである。このときの間接放射線は、補償フィルタ5で生じたものであり、1次間接X線S1と呼ぶことにする。エアーデータD1が示すX線強度をGairとすると、次の様な関係がある。
 Gair=P1+S1……(1)
 ここでP1は、エアー撮影において補償フィルタ5を透過してFPD4に入射した直接放射線を意味している。なお、このエアー撮影ステップT1は、撮影条件が変更されない限り、前回のエアーデータD1を使用することができる。この場合は、本ステップはスキップされる。
 <被検体データ取得ステップT2>
 次に、被検体Mを天板2に載置して、X線照射を行い、このときFPD4が出力する検出データを被検体データ記憶部22に記憶させる。この被検体データD2が示すX線強度Gobjには、FPD4に入射した直接X線P2と、被検体で生じた間接X線である2次間接X線S2とが含まれているとともに、1次間接X線S1の一部も含まれている。1次間接X線S1が何故一部であるかというと、補償フィルタ5で生じた1次間接X線S1は、被検体に入射して吸収されるので、FPD4に到達するまでに線量が減少するからである。したがって、次の様な関係が成り立つ。
 Gobj=P2+S2+w(S1)……(2)
 ここで、w(S1)は、被検体Mを透過することで線量が減少した1次間接X線S1を意味している。
 <2次間接線推定ステップT3>
 被検体データD2は、2次間接線推定部11に出力される。ここで2次間接X線S2が推定される。2次間接線推定部11の動作について説明する。図5に示すようにFPD4には、検出素子e0を起点として、図面の右側(後段側)に奇数番の検出素子e1~e9が順番に並んでおり、検出素子e0を起点として、図面の左側(前段側)に偶数番の検出素子e2~e8が順番に並んでいるものとする。この検出素子e0に所定の強さの直接X線が入力されたとすると、間接放射線Sは、図5に示すように検出素子e0~e9の間において、ある程度の広がりを持って現れる。2次間接線推定部は、本発明の2次間接線推定手段に相当する。
 分布様式記憶部23には、図6の右側に示すような複数の間接放射線Sの分布状況が記憶されている。この1つ1つが分布様式Fである。分布様式記憶部23には例えば3つの分布様式Fが記憶されているものとする。
 ルックアップテーブル記憶部24には、ルックアップテーブルTが記憶されている。これは、検出素子e0が検出した直接X線Pの強度と、分布様式Sa~Scとが関連付けられている。すなわち、直接X線Pが図6の左側に示すPa,Pb,Pcが示す強度であったとき、間接X線の分布様式Fは、Sa,Sb,Scの各々であるものとして対応づけられているのである。図5における検出素子e0の直接X線の強度が図6におけるPcであったとすると、このときの間接X線分布様式FはScのようになっている。
 そして、図7の上段のように検出素子e0~e9について直接X線Pが判明しているものとする。そうすれば、間接放射線の強度が推定できる。すなわち、間接X線Sは、それぞれの検出素子e0~e9について広がりを持って存在している。間接X線の分布様式Fは、図7の中段のように、隣接する検出素子まで広がっているので、分布様式Fは、検出素子を跨いで互いに重なり合っている。したがって、検出素子e0における間接X線の強度は、検出素子e0~e9の間接X線の分布様式Fを足し合わせることで求められる。この様にして、図7の下段のように、それぞれの検出素子e0~e9についての間接放射線の強度が求められるのである。
 以上のような説明から、間接放射線の強度を取得するには、それぞれの検出素子e0~e9についての直接X線Pが求められている必要があることになる。しかし、この直接X線Pに代わって、直接X線と間接X線が合計された被検体データD2を用いることができる。この様な事情があるので、2次間接線推定部11は、次のような操作を行う。すなわち、2次間接線推定部11は、被検体データD2における検出素子のそれぞれについてのX線強度を参照して、これに対応する間接X線の分布様式FをルックアップテーブルTを基に認識する。そして、2次間接線推定部11は、検出素子それぞれについての分布様式Fを分布様式記憶部23から読み出して、これらを足し合わせて、2次間接X線の推定値estS2を求めるのである。
 このように、被検体データD2を利用しても正確に2次間接X線S2を推定することができることは次のような事実で保障されている。図8,および図9は、間接X線の推定値をモンテカルロシミュレーションによって求めたものである。各図における横軸は、検出素子の配列を意味している。つまり、本シミュレーションでは、300個の検出素子が1列に配列しているものとして間接X線を推定している。
 図8は、直接X線を用いて分布様式Fを選択し、これを足し合わせることで2次間接X線の推定値を取得するシミュレーション結果である。そして、図9は、各検出素子が出力したX線強度を用いて分布様式Fを選択し、これを足し合わせることで2次間接X線の推定値を取得するシミュレーション結果である。図8と図9とのグラフ形は、酷似していることが分かる。このように、各検出素子が出力したX線強度さえ分かれば、間接X線を推定することができる。各検出素子が出力したX線強度は、被検体データD2における検出素子のそれぞれについてのX線強度に相当するのであるから、2次間接線推定部11は、被検体データD2を基に2次間接X線S2を推定して、推定値estS2を求めることができる。
 <直接線減弱率取得ステップT4>
 2次間接X線の推定値estS2は、直接線減弱率取得部12に送出される。直接線減弱率取得部は、本発明の直接線減弱率取得手段に相当する。この直接線減弱率取得部12の動作について説明する前に、X線の減弱率について説明する。図10に示すようにX線gが物体Qに入射してX線hが出射したとすると、減弱率は、h/gである。つまり、減弱率は物体のX線の透過し易さの指標である。X線撮影装置1において、補償フィルタ5を出射した直接X線P1(式1参照)をX線gとし、被検体を透過してきた直接X線P2をX線hとして減弱率を求めたとする。このP2/P1なる値は、直接線の減弱率(直接線減弱率A)であることになる。間接X線を省いて直接線のみの減弱率を求めることで、コントラストの高いX線透視画像pが取得できる。直接線減弱率Aは、式2から、次の様に与えられる。
 A=(Gobj-S2-w(S1))/P1……(3)
 式3中、Gobjは、被検体データD2が示すX線強度であるので、実測可能である。S2は、上述の推定値estS2を用いる。したがって、w(S1)とP1が分かれば、直接線減弱率Aが求められる。
 ここで、本発明において最も特徴的な構成であるw(S1)の求め方について説明する。w(S1)とは、補償フィルタ5で生じた1次間接X線S1が被検体を通過することで弱まったものである。このときの1次間接X線S1の減弱率(1次間接線減弱率)は、w(S1)/S1で与えられることになる。
 1次間接X線S1は、コンプトン散乱により進行方向とエネルギーがわずかに乱されたX線である。したがって、その減弱に関する挙動は、基本的に直接X線と同様であることがモンテカルロシミュレーションによって実証されている。そこで、1次間接X線S1の減弱率が直接線減弱率Aに等しいものとする。これを数式で表せば次の様になる。
 w(S1)/S1=A……(4)
 式4を用いて式3からw(S1)を消去すると、次のようになる。
 A=(Gobj-S2-A・S1)/P1……(5)
 これを、Aについて整理すると次の様になる。
 A=(Gobj-S2)/(P1+S1)……(6)
 式6における2次間接X線S2は、その代りに推定値estS2を用いることができる。そして、P1+S1は、式1よりGairに他ならない。したがって式6は、次の式で表すことができる。
 A=(Gobj-estS2)/Gair……(7)
 直接線減弱率取得部12は、式7の関係を用いて、Gair(エアーデータD1)、Gobj(被検体データD2)、および推定値estS2から直接線減弱率Aをそれぞれに検出素子について求める。これらは、全て、実測、推定が可能な数値である。こうして求められた直接線減弱率Aは、透視画像生成部13に送出される。透視画像生成部は、本発明の画像生成手段に相当する。
 <画像生成ステップT5>
 透視画像生成部13は、検出素子の各々について求められている直接線減弱率Aを適当な値で正規化して2次元的に配列することで被検体Mの透視像が写りこんだX線透視画像pを生成する。この様にして、実施例1に係るX線撮影装置1によるX線透視画像の取得は終了となる。
 以上のように、実施例1は、被検体Mに入射する直接X線P1の線量と、被検体Mから出射する直接X線P2の線量とから直接X線Pの減弱率を求める直接線減弱率取得部12を備えている。直接線減弱率Aが求まってしまえば、間接放射線Sに影響されないコントラストの好適なX線透視画像pが取得できる。しかしながら、実施例1のX線撮影装置1は、放射線の線量を調節する補償フィルタ5を備えており、これが直接線減弱率Aの取得を困難にしている。実施例1の構成は、この困難を次の様に解決する。
 補償フィルタ5により生じた1次間接放射線S1は、被検体Mで減弱してFPD4に入射する。直接線減弱率Aを求める際に、この減弱した1次間接放射線w(S1)をどのように求めるかが重要となる。つまり、実施例1の構成は、1次間接放射線S1が被検体Mを通過(透過)することで減少する割合である1次間接線減弱率が直接線減弱率Aと等しいものとして直接線減弱率Aを求める。1次間接放射線S1は、コンプトン散乱によって進行方向とエネルギーがわずかに変更されたX線である。ということは、これが被検体Mで減弱する挙動は、直接X線Pが減弱する挙動と同様であると見なせるのである。1次間接線減弱率と直接線減弱率Aとが等しいものであることにすることにより、従来のように複雑な演算を行わずして、直接X線がどの位被検体Mから透過してきたのかを知ることができるので、よりX線透視画像pの取得が簡便なX線撮影装置1が提供できる。すなわち、直接線減弱率Aは、実施例1の式7ような単純な演算で求めることができる。
 また、実施例1の構成によれば、補償フィルタ5が撮影の目的に合わせて自由に変更できる構成となっている。しかも、補償フィルタ5が取り替えられたり、補償フィルタ5の形状が変更されたりしたとしても、エアー撮影をいったん行ってしまえば、確実に直接線減弱率Aを取得することができるのである。
 次に、実施例2に係るX線撮影装置について説明する。実施例2に係るX線断層撮影装置37は、実施例1の図1に示された各部に加えて、図11に示すような各部を追加的に備えている。
 X線断層撮影装置37には、X線を被検体に向けて照射するX線管3と、被検体を透過してきたFPD(フラット・パネル・ディテクタ)4と、X線管3とFPD4とを支持する支持体47とが備えられている。支持体47はC型となっており、被検体Mの体軸A周りに回転自在となっている。この支持体47の回転は、例えばモータのような動力発生手段と、例えば歯車のような動力伝達手段とから構成される回転機構39が実行する。また、回転制御部40は、この回転機構39を制御するものである。支持体は、本発明の支持手段に相当する。回転機構は、本発明の回転手段に相当し、回転制御部は、本発明の回転制御手段に相当する。
 CT画像生成部41は、図1における直接線減弱率取得部12から出力されたX線検出データを基に、被検体MのX線断層画像を生成するものである。CT画像生成部は、本発明の画像生成手段に相当する。もちろん、実施例2においても、直接線減弱率取得部12からX線検出データを透視画像生成部13に送出することにより、実施例1で説明した被検体の像を生成することもできる。
 主制御部31は、各種のプログラムを実行することにより、実施例1に係る各部の他、回転制御部40,CT画像生成部41とを実現している。なお、上述の各部はそれらを担当する制御装置に分割されて実現されてもよい。
 X線透視画像の取得方法について説明する。X線管3とFPD4とは、互いの相対位置を保った状態でz軸周りに回転する。このときX線管3は間欠的にX線を被検体Mに向けて照射し、その度ごとに、直接線減弱率取得部12は、直接線減弱率Aを求める。直接線減弱率取得部12には、FPD4より検出素子の位置情報が送られてきている。直接線減弱率取得部12は、直接線減弱率AがFPD4のどの位置に由来するものであるかを知ることができる。また、直接線減弱率取得部12は、X線管3,FPD4が回転するときの傾斜角度を示す傾斜情報を回転制御部40より取得する。直接線減弱率Aは、直接線減弱率取得部12によってFPD4における位置情報と傾斜情報とが関連付けられてCT画像生成部41に送出される。CT画像生成部40は、直接線減弱率Aのデータ群を既存のバック・プロジェクション法を用いて単一の断層画像に組み立てる。
 なお、直接線減弱率Aを求める際、エアーデータと被検体データとが取得される。このときに、補償フィルタ移動制御部16は、X線管3の回転に合わせて補償フィルタ5の部分5a(図3参照)の相対位置を変更させる。X線管3から出射されるX線ビームが被検体を通過する厚さ、および被検体がX線ビームを遮る領域の形状は、X線管3の傾斜角度の変更に応じて変化を続ける。部分5aの相対位置は、この変化に応じて変更されるのである。なお、補償フィルタ移動制御部16は、エアーデータを取得する際には、被検体データを取得する時と同様な移動様式で部分5aの相対位置を変更させる。
 実施例2の構成によれば、X線管3の傾斜角度の変更によって補償フィルタ5の形状が異なる。したがって、従来の構成で断層画像を取得しようとすると、まず被検体を天板2に載置しない状態で直接放射線を推定しなければならない。X線管3がX線を照射するにつき、補償フィルタ5の形状が異なるので、直接X線の推定を全てのX線照射について行わなければならない。しかし、実施例2の構成によれば、この様な演算は必要ないので、演算効率が大幅に改善されたX線断層撮影装置37が提供できる。
 以上のように、実施例2の構成によれば、被検体Mの断層画像を取得することができる。すなわち、支持体47が回転されながら直接線減弱率Aが取得される。そして、CT画像生成部41は、これを基に断層画像を生成する。これにより、コントラストが良好な断層画像が取得できるX線断層撮影装置37が提供できる。
 本発明の構成は上述の各実施例に限られることなく、下記のように変形実施できる。
 (1)上述した各実施例は、医用の装置であったが、本発明は、工業用や、原子力用の装置に適用することもできる。
 (2)上述した各実施例のいうX線は、本発明における放射線の一例である。したがって、本発明は、X線以外の放射線(例えばγ線)にも適応できる。
 (3)上述した各実施例において、エアーデータ取得ステップT1の後に被検体データ取得ステップT2を行う構成となっていたが、これを逆の構成とすることもできる。
 以上のように本発明は医用分野に適している。

Claims (7)

  1.  放射線を照射する放射線源と、
     前記放射線源に配設されるとともに放射線の線量を調節する補償フィルタと、
     前記補償フィルタを透過した放射線を検出して検出データを出力する検出手段と、
     (A)前記放射線源と前記検出手段との間に前記被検体を介在させないで取得される検出データであるエアーデータを記憶するエアーデータ記憶手段と、
     (B)前記放射線源と前記検出手段との間に前記被検体を介在させて取得される検出データである被検体データを記憶する被検体データ記憶手段と、
     (C)前記被検体データを基に、前記被検体で生じた間接放射線である2次間接放射線が前記検出手段に入射した線量を推定する2次間接線推定手段と、
     (D)前記エアーデータ、前記被検体データ、および推定された2次間接放射線の線量を基に前記補償フィルタから出射した直接放射線が前記被検体を通過することで減少した割合である直接線減弱率を求める直接線減弱率取得手段と、
     (E)前記直接線減弱率を基に被検体の像が写りこんだ画像を生成する画像生成手段を備え、
     前記直接線減弱率取得手段は、前記補償フィルタで生じた間接放射線である1次間接放射線が前記被検体を通過することで減少した割合を表す1次間接線減弱率が前記直接線減弱率と等しいものとして前記直接線減弱率を取得することを特徴とする放射線撮影装置。
  2.  請求項1に記載の放射線撮影装置において、
     前記直接線減弱率取得手段は、前記被検体データが示す放射線強度より推定された2次間接放射線強度を引いた値から前記エアーデータが示す放射線強度を除算することで、前記直接線減弱率を求めることを特徴とする放射線撮影装置。
  3.  請求項1または請求項2に記載の放射線撮影装置において、
     前記補償フィルタは、前記放射線源から着脱可能となっていることを特徴とする放射線撮影装置。
  4.  請求項1または請求項2に記載の放射線撮影装置において、
     前記補償フィルタには、互いの相対位置が変更可能な複数の部分が備えられており、
     前記複数の部分を移動させる補償フィルタ移動手段と、
     前記補償フィルタ移動手段を制御する補償フィルタ制御手段とを更に備えていることを特徴とする放射線撮影装置。
  5.  請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の放射線撮影装置において、
     放射線源と検出手段とを支持する支持体と、
     前記支持体を回転させる回転手段と、
     前記回転手段を制御する回転制御手段と、
     前記画像生成手段は、前記支持体が回転されながら取得された直接線減弱率を基に一連の断層画像を生成することを特徴とする放射線撮影装置。
  6.  放射線を照射する放射線源と、前記放射線源に配設されるとともに放射線の線量を調節する補償フィルタと、前記補償フィルタを透過した放射線を検出して検出データを出力する検出手段とを備えた放射線撮影装置で取得された前記検出データを用いて画像を取得する方法において、
     (a)前記放射線源と前記検出手段との間に前記被検体を介在させないで取得される検出データであるエアーデータを取得するエアーデータ取得ステップと、
     (b)前記放射線源と前記検出手段との間に前記被検体を介在させて取得される検出データである被検体データを取得する被検体データ取得ステップと、
     (c)前記被検体データを基に、前記被検体で生じた間接放射線である2次間接放射線が前記検出手段に入射した線量を推定する2次間接線推定ステップと、
     (d)前記エアーデータ、前記被検体データ、および推定された2次間接放射線の線量を基に前記補償フィルタから出射した直接放射線が前記被検体を通過することで減少した割合である直接線減弱率を求める直接線減弱率取得ステップと、
     (e)前記直接線減弱率を基に被検体の像が写りこんだ画像を取得する画像生成ステップとを備え、
     前記直接線減弱率取得ステップにおいて、前記補償フィルタで生じた間接放射線である1次間接放射線が前記被検体を通過することで減少した割合を表す1次間接線減弱率が前記直接線減弱率と等しいものとして前記直接線減弱率が取得されることを特徴とする画像の取得方法。
  7.  請求項6に記載の画像の取得方法において、
     前記直接線減弱率取得ステップにおいて、前記被検体データが示す放射線強度より推定された2次間接放射線強度を引いた値から前記エアーデータが示す放射線強度を除算することで、前記直接線減弱率が求められることを特徴とする画像の取得方法。
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