WO2010150799A1

WO2010150799A1 - 操作コード、操作コードの製造方法

Info

Publication number: WO2010150799A1
Application number: PCT/JP2010/060611
Authority: WO
Inventors: 中村　元; 河合　英治; 将哉山口
Original assignee: 立川ブラインド工業株式会社
Priority date: 2009-06-25
Filing date: 2010-06-23
Publication date: 2010-12-29
Also published as: EP2447568A1; TWI500847B; KR20120024961A; CN102388236B; AU2010263600B2; AU2010263600A1; CN104265142A; KR101351241B1; EP2447568A4; CN104265142B; CN102388236A; EP2447568B1; TW201104059A

Abstract

　耐久性に優れた操作コードを提供する。　本発明によれば、コードの両端部を連結部で連結したコードにおいて、前記連結部は、直接又は連結部材を介して連結される第一及び第二の連結部を有し、隣接する連結部又は連結部材の一方は嵌合突部を有し、他方は前記嵌合突部に嵌合可能な嵌合孔を有し、前記嵌合突部は充実体であることを特徴とする操作コードが提供される。

Description

操作コード、操作コードの製造方法

　この発明は、横型ブラインド、縦型ブラインド、ロールスクリーン、網戸、上下スライド窓、オーニング、天窓、物干し竿の昇降装置等の操作コードと、その製造方法に関する。

　支持枠の一端に回動可能に支持されたプーリーに無端状の操作コードを掛装し、その操作コードを操作してプーリーを回転させることにより、支持枠から吊り下げられた遮光材を昇降させる昇降装置が知られている。

　このような操作コードの中には、連結及び分離が可能な部位（連結部）を有するものがある。連結部の機能としては、居住者が足を操作コードに引っ掛けたときに分離されて事故を防いだり、操作コードの交換時に操作コードを容易に非ループ状にできるようにして操作コードの交換を可能にしたりすることが例示される。

　特許文献１では、操作コードの伸長方向に急激な力が加わったときに分離される連結部を備えた操作コードが提案されている。

特開２００３－１８４４５６号

　特許文献１に記載の安全具を備えた操作コードは、操作コードに加わる負荷が小さい場合や、操作コードに耐久性が求められていない場合には問題が少ないが、耐久性が要求される条件下では、耐久性が足りず、所定の使用回数に達するまでに操作コードが破損してしまう場合がある。

　本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、耐久性に優れた操作コードを提供するものである。

　本発明によれば、コードの両端部を連結部で連結したコードにおいて、前記連結部は、直接又は連結部材を介して連結される第一及び第二の連結部を有し、隣接する連結部又は連結部材の一方は嵌合突部を有し、他方は前記嵌合突部に嵌合可能な嵌合孔を有し、前記嵌合突部は充実体であることを特徴とする操作コードが提供される。

　本発明者らは、特許文献１に記載の連結部を備える操作コードは耐久性が要求される用途に適せず、別の構成の操作コードが必要であることを見出した。そして、特許文献１に記載の連結部が耐久性を有さない原因が、中空構造の嵌合突部と嵌合孔からなる嵌合構造にあることを見出した。
　本発明者らは、このような知見に基づき、充実体からなる嵌合突部を嵌合孔に嵌合させた構造の操作コードが優れた耐久性を有することを見出し、本発明の完成に到った。
　以下、本発明の種々の実施形態を説明する。以下で示す種々の実施形態は、互いに組合せ可能である。

　一例では、コード上に合成樹脂のボールを等間隔に成形して固着してボールチェーンを形成し、前記ボールチェーンの両端部を連結部で連結して無端状としたボールチェーンにおいて、前記連結部は、前記ボールと同一形状となる嵌合部を備え、前記嵌合部は充実体の嵌合突部を備えた第一の嵌合部と、前記嵌合突部を嵌合可能とした嵌合孔を備えた第二の嵌合部とで構成し、前記嵌合突部を前記嵌合孔に対し弾性的に嵌脱可能としたことを特徴とするボールチェーンであってもよい。

　一例では、コードの両端部を連結部で連結したコードにおいて、前記連結部は、軸状の嵌合突部を備えた第一の嵌合部と、前記嵌合突部を嵌合可能とした嵌合孔を備えた第二の嵌合部とで構成し、前記嵌合突部は前記嵌合孔に挿入して回動させることにより該嵌合孔に嵌合可能としたことを特徴とするコードであってもよい。

　一例では、コードの両端部を連結部で連結して無端状としたコードにおいて、前記連結部は、前記コードの両端にそれぞれ設けた軸状の嵌合突部と、前記嵌合突部が対向するように嵌合可能とした筒状の連結部材とを備えたことを特徴とするコードであってもよい。

　一例では、端部をコネクタで連結して無端状としたコードにおいて、前記コネクタは、前記コードの端部に取着されたボールを係合可能とした一対のコネクタピースと、前記コネクタピースを連結する連結部材とを備えたことを特徴とするコードであってもよい。また、このコードのコネクタであってもよい。

　一例では、前記コードは、前記コード上に合成樹脂のボールが等間隔に成形されて固着されていてもよい。

　一例では、前記連結部は、前記ボールと同一形状となる嵌合部を備え、前記嵌合部は充実体の嵌合突部を備えた第一の嵌合部と、前記嵌合突部を嵌合可能とした嵌合孔を備えた第二の嵌合部とで構成し、前記嵌合突部を前記嵌合孔に対し弾性的に嵌脱可能としてもよい。

　一例では、前記嵌合突部の先端部には、該嵌合突部の基端部より径の大きい膨径部を備え、前記嵌合孔の奥部には前記膨径部を弾性的に保持する係止部を設けてもよい。

　一例では、前記連結部は、第一の連結コードの一端に前記嵌合突部を備えた連結部材と、第二の連結コードの一端に前記嵌合孔を備えた連結部材とを備え、前記各連結コードの他端に設けた半部と前記コードの端部に設けた半部とを溶着して前記ボールを形成してもよい。

　一例では、前記嵌合突部を、前記第一の連結コードの一端にアウトサート成型してもよい。

　一例では、前記嵌合突部の先端部に面取りを設けてもよい。

　一例では、前記嵌合突部に膨径部を設け、前記嵌合孔内に前記膨径部に係合する係止部を設け、前記係止部に面取りを設けてもよい。

　一例では、前記第二の嵌合部を前記第二の連結コードの一端にアウトサート成型し、前記第二の嵌合部の先端部に前記嵌合孔を設け、前記嵌合孔の深さは前記第二の嵌合部の長さの半分以下としてもよい。

　一例では、前記連結部は、軸状の嵌合突部を備えた第一の嵌合部と、前記嵌合突部を嵌合可能とした嵌合孔を備えた第二の嵌合部とで構成し、前記嵌合突部は前記嵌合孔に挿入して回動させることにより該嵌合孔に嵌合可能としてもよい。

　一例では、前記嵌合突部に、該嵌合突部の基端部より径の大きい膨径部を設け、前記嵌合孔に前記膨径部に係合する係止部を設けてもよい。

　一例では、前記第一及び第二の嵌合部は、合成樹脂で成形してもよい。

　一例では、前記膨径部と前記嵌合孔の内周面には、前記嵌合突部の回動位置を位置決めする位置決め手段を設けてもよい。

　一例では、前記連結部は、前記コードの一端に設けた第一の嵌合部と、前記コードの他端に設けた第二の嵌合部とを備えてもよい。

　一例では、前記嵌合突部と前記嵌合孔との嵌合位置は、前記嵌合突部を前記嵌合孔に挿入して９０度回動させた位置としてもよい。

　一例では、前記連結部は、前記コードの両端にそれぞれ設けた軸状の嵌合突部と、前記嵌合突部が対向するように嵌合可能とした筒状の連結部材とを備えてもよい。

　一例では、前記嵌合突部の先端部に、該嵌合突部の基端部より径の大きい膨径部を設け、前記連結部材には前記膨径部を挿入して回動させることにより該膨径部に係合する係止部を設けてもよい。

　前記嵌合突部及び連結部材は、合成樹脂で成形してもよい。

　一例では、前記膨径部と前記連結部材の内周面には、前記嵌合突部の回動位置を位置決めする位置決め手段を設けてもよい。

　一例では、前記連結部材に嵌合する一対の嵌合突部の嵌合角度を、相対的にずらしてもよい。

　一例では、前記連結部材に嵌合する一対の嵌合突部の嵌合角度を、各嵌合突部の中心線が互いに直交する角度としてもよい。

　一例では、前記嵌合突部を、前記コードにアウトサート成型してもよい。

　一例では、前記連結部は、前記コードの端部に取着されたボールを係合可能とした一対のコネクタピースと、前記コネクタピースを連結する連結部材とで構成されてもよい。

　一例では、前記コネクタピースと前記連結部材には、該コネクタピースを連結部材に対向するように挿入して回動させることにより該コネクタピースを連結部材に弾性的に係合させる保持手段を備えてもよい。

　一例では、前記保持手段は、前記コネクタピースに設けた軸状の嵌合突部と、前記嵌合突部の先端部に設けられ、該嵌合突部の基端部より径の大きい膨径部と、前記嵌合突部を挿入可能とした筒状の前記連結部材と、前記連結部材に設けられ、前記膨径部を該連結部材に挿入して回動させることにより該膨径部に係合する係止部とを備えてもよい。

　一例では、前記コネクタピース及び連結部材を合成樹脂で成形してもよい。

　一例では、前記一対のコネクタピースを同一形状としてもよい。

　一例では、前記嵌合突部を充実体としてもよい。

　一例では、前記コネクタピースの外形寸法を、プーリーとプーリーケースの間隔より大きくしてもよい。

　本発明は、別の観点では、コード上に合成樹脂のボールを等間隔に成形して固着し、第一の連結コードの一端に嵌合突部を備えた第一の嵌合部を形成し、前記第一の連結コードの他端に前記ボールを２等分した半部を形成し、第二の連結コードの一端に前記嵌合突部を弾性的に嵌脱可能とした嵌合孔を備えた第二の嵌合部を形成し、前記第二の連結コードの他端に前記ボールを２等分した半部を形成し、前記嵌合突部を前記嵌合孔に嵌合した第一及び第二の嵌合部の形状は前記ボールと同一となるように形成し、前記第一及び第二の連結コードの半部を前記コードの両端に形成した半部に溶着して前記ボールを形成したことを特徴とする操作コードの製造方法を提供する。

　一例では、前記第一の嵌合部を合成樹脂で成形し、前記第二の嵌合部は前記第二の連結コードの端部に半部を成形し、該半部の中央部を切削して前記嵌合孔を形成してもよい。

　一例では、前記第一の嵌合部を、前記第一の連結コードに、該第一の連結コードを前記第一の嵌合部の基端から先端にかけて埋め込むように充実体でアウトサート成型してもよい。

　本発明によれば、耐久性に優れた操作コードが提供される

第一の実施形態の横型ブラインドを示す正面図である。第一の実施形態のボールチェーン示す正面図である。第一の実施形態の連結部材を示す分解斜視図である。第一の実施形態の第一の連結部材を示す正面図である。第一の実施形態の第二の連結部材を示す断面図である。第一の実施形態の連結部材の嵌合状態を示す断面図である。第二の実施形態のボールチェーン示す正面図である。第二の実施形態を示す分解斜視図である。第二の実施形態の第一の連結部材を示す正面図である。第二の実施形態の第一の連結部材を示す底面図である。図９におけるＡ－Ａ線断面図である。第二の実施形態の第二の連結部材を示す断面図である。第二の実施形態の第二の連結部材を示す平面図である。図１２におけるＢ－Ｂ線断面図である。第二の実施形態の連結部材の嵌合状態を示す断面図である。第三の実施形態のボールチェーン示す正面図である。第三の実施形態の連結部を示す断面図である。第三の実施形態の連結部を示す分解斜視図である。第三の実施形態の第一の連結部材を示す正面図である。第三の実施形態の第一の連結部材を示す平面図である。第三の実施形態の第一の連結部材を示す側面図である。図１９におけるＣ－Ｃ線断面図である。第三の実施形態の第二の連結部材を示す正面図である。第三の実施形態の第二の連結部材を示す背面図である。図２３におけるＤ－Ｄ線断面図である。図２３におけるＥ－Ｅ線断面図である。図２５におけるＦ－Ｆ線断面図である。第三の実施形態の連結部材の嵌合状態を示す断面図である。第三の実施形態の別例を示す分解斜視図である。第四の実施形態のボールチェーンを示す正面図である。第四の実施形態の連結部を示す斜視図である。第四の実施形態の連結部を示す分解斜視図である。第四の実施形態の連結部を示す斜視図である。第四の実施形態の連結部を示す側面図である。第四の実施形態のコネクタピースを示す側面図である。第四の実施形態のコネクタピースの回動規制部を示す断面図である。第四の実施形態の連結部材を示す側面図である。第四の実施形態の連結部材を示す側面図である。図３７におけるＡ－Ａ線断面図である。図３７におけるＢ－Ｂ線断面図である。図３９におけるＣ－Ｃ線断面図である。第四の実施形態の嵌合突部と連結部材の嵌合状態を示す断面図である。

（第一の実施形態）
　図１～図６を用いて本発明の第一の実施形態について説明する。本実施形態では、請求の範囲の「操作コード」は、ボールチェーン９であり、「連結部」は、第一の連結部材１７と第二の連結部材１８とで構成される。第一の連結部材１７は、充実体の嵌合突部２２を有している。

　以下、本実施形態をさらに詳細に説明する。
　図１に示す横型ブラインドは、ヘッドボックス１から吊下支持されるラダーテープ２に多数段のスラット３が支持され、そのラダーテープ２の下端にボトムレール４が取着されている。

　前記スラット３には前記ラダーテープ２の支持位置近傍で昇降コード５が挿通され、その昇降コード５の下端に前記ボトムレール４が吊下支持されている。前記昇降コード５の上端は前記ヘッドボックス１内に配設される支持部材６に回転可能に支持された巻取軸７に巻着されている。

　前記ヘッドボックス１の一端にはプーリー８が回転可能に支持され、そのプーリー８に無端状のボールチェーン９が掛装されている。そして、ボールチェーン９を操作してプーリー８を正逆方向に回転させると、ギヤボックス１０及び昇降軸１２ａ等を介して前記巻取軸７が回転され、昇降コード５が巻取軸７に巻き取られあるいは巻戻されて、スラット３及びボトムレール４が昇降される。

　また、プーリー８を回転させると、ギヤボックス１０、チルトユニット１１、チルト軸１２ｂ等を介してチルトドラム１３が回動され、前記ラダーテープ２を介して各スラット３が回動されるようになっている。

　次に、前記ボールチェーン９の具体的構成を図２～図６に従って説明する。図２に示すように、前記ボールチェーン９はポリエステルのコード１４上に等間隔に合成樹脂のボール１５が成形されている。各ボール１５はコード１４の表面上に成形機で長球状の充実体を成形したものであり、各ボール１５がコード１４に対し移動不能に固着されている。

　前記コード１４の両端部は、連結部１６で連結されて無端状のボールチェーン９が構成される。図３に示すように、前記連結部１６は第一の連結部材１７と第二の連結部材１８とで構成されている。

　前記第一の連結部材１７は、図４に示すように、前記コード１４と同一材質の連結コード１９の一端に前記ボール１５の半分よりやや大きい形状の半球部（半部）２０がアウトサート成型され、他端には第一の嵌合部２１がその先端まで充実体となるようにアウトサート成型されている。半球部２０と第一の嵌合部２１の間隔は、前記ボール１５の間隔と同一である。

　また、図３に示すように、第一の嵌合部２１はその先端から基端まで前記連結コード１９が埋め込まれるように充実体でアウトサート成型されているため、第一の嵌合部２１と連結コード１９との接合強度が十分に確保される。図４は、前記連結コード１９が第一の嵌合部２１の先端近傍まで埋め込まれている場合を示す。このような場合には、嵌合突部２２の圧縮方向の強度を確保することが容易となる。

　前記半球部２０及び第一の嵌合部２１は、前記ボール１５と同一材質で前記連結コード１９の両端部に形成される。
　前記第一の嵌合部２１の基端部は、前記ボール１５の端部と同様な半球状に形成され、第一の嵌合部２１の先端部には、丸軸状の嵌合突部２２が形成されている。前記嵌合突部２２は、先端部にフランジ状の膨径部２２ａが形成され、その膨径部２２ａの外形は半球状の基端部の最大径より小さい径となっている。また、膨径部２２ａの先端側角部には面取り２２ｂが形成されて、膨径部２２ａを嵌合孔２６に容易に嵌合可能となっている。

　そして、前記第一の嵌合部２１は、前記連結コード１９の他端に一体に成形される。また、前記半球部２０と同様に成形した後、嵌合突部２２を切削により形成してもよい。
　前記第二の連結部材１８は、図５に示すように、前記コード１４と同一材質の連結コード２３の一端に前記ボール１５の半分の形状の半球部２４が形成され、他端には第二の嵌合部２５が形成されている。半球部２４と第二の嵌合部２５の間隔は、前記ボール１５の間隔と同一である。

　前記半球部２４及び第二の嵌合部２５は、前記ボール１５と同一材質で前記連結コード２３の両端部にアウトサート成型される。
　前記第二の嵌合部２５の基端部は、前記ボール１５の端部と同様な半球状に形成され、第二の嵌合部２５の先端部には、嵌合孔２６が形成されている。そして、嵌合孔２６の奥部の径が開口部の径より大きく形成されて、図６に示すように、前記嵌合突部２２の膨径部２２ａを弾性的に嵌合し、かつ保持可能となっている。

　また、嵌合孔２６の深さは第二の嵌合部２５の長さの半分以下で形成され、前記嵌合突部２２は嵌合孔２６の深さに等しい長さで突出されている。
　嵌合突部２２を保持する嵌合孔２６の保持力は、通常のスラット昇降操作及びスラット角度調節操作時にボールチェーン９に作用する通常の引張り力では嵌合突部２２と嵌合孔２６の嵌合が外れることがないように設定されている。また、ボールチェーン９に通常の引張り力を超える大きな引張り力が作用したときに限り、合成樹脂の弾性により嵌合突部２２と嵌合孔２６の嵌合が外れるようになっている。

　この嵌合孔２６は、前記連結コード２３の他端に半球部２４と同様な半球部を形成し、その半球部の先端中央部を切削によりくり貫いて形成される。そして、嵌合突部２２を嵌合孔２６に嵌合した状態では、図２及び図６に示すように、前記第一及び第二の嵌合部の外形が前記ボール１５と同一形状となるように形成される。

　前記嵌合孔２６の深さは、前記第二の嵌合部２５の長さの半分より浅く形成され、前記第二の嵌合部２５の基端部は充実体となる。従って、第二の嵌合部２５内に埋め込まれる連結コード２３の長さを十分確保できるようになっている。

　前記第一及び第二の連結部材１７，１８の半球部２０，２４は、前記コード１４の両端に形成された半球部１５ａに溶着固定されて、前記ボール１５と同一形状のボールが形成される。そして、前記嵌合突部２２を嵌合孔２６に嵌合すると、無端状のボールチェーン９が形成される。

　このように構成されたボールチェーン９では、前記ボールチェーン９のコード１４及び前記連結部１６の連結コード１９，２３の全長に亘って同一形状のボールが同一間隔で形成される。従って、ボールチェーン９はプーリー８に対し制限なく周回可能である。

　上記のように構成されたボールチェーンでは、次に示す作用効果を得ることができる。
（１）ボールチェーン９のコード１４及び前記連結部１６の連結コード１９，２３の全長に亘って同一形状のボールが同一間隔で形成される。従って、ボールチェーン９をプーリー８に対し制限なく周回させて、スラットの昇降操作を行うことができる。
（２）ボールチェーン９に通常の引張り力を超える大きな引張り力が作用したとき、連結部１６の嵌合突部２２と嵌合孔２６の嵌合が外れる。従って、ボールチェーン９の無端縁が室内を移動する居住者やその他の移動物体に引っ掛かったとき、ボールチェーン９を切断して居住者の安全を確保し、かつボールチェーン９が掛装されるプーリー８等の損傷を未然に防止するフェイルセーフ機能を備えることができる。
（３）連結部１６の嵌合突部２２と嵌合孔２６の嵌合が外れた後は、嵌合突部２２を嵌合孔２６に再度嵌合すれば、無端状のボールチェーン９として容易に再生することができる。
（４）半球状の第一の嵌合部２１に形成した丸軸状の嵌合突部２２を、その先端まで充実体とし、半球状の第二の嵌合部２５に穿設した嵌合孔２６に嵌合する構成としたので、嵌合突部２２を嵌合孔２６に保持する保持力を確保することができる。
（５）膨径部２２ａの先端部に設けた面取り２２ｂにより、膨径部２２ａを嵌合孔２６に容易に嵌合することができるとともに、嵌合孔２６への膨径部２２ａの嵌合時における嵌合孔２６の開口部の破損を防止することができる。
（６）第二の嵌合部２５内に埋め込まれる連結コード２３の長さを十分確保することができるので、第二の嵌合部２５と連結コード２３の接合力を十分に確保することができる。
（７）図３に示すように、第一の嵌合部２１はその先端から基端まで前記連結コード１９が埋め込まれるように充実体でアウトサート成型されているため、第一の嵌合部２１と連結コード１９との接合強度を十分に確保することができる。
（８）第二の嵌合部２５と連結コード２３との接合距離は、第二の嵌合部２５の長さの半分以上を確保しているので、連結コード２３にアウトサート成型される第二の嵌合部２５と連結コード２３との接合強度を確保することができる。

（第二の実施形態）
　図７～図１５を用いて本発明の第二の実施形態について説明する。本実施形態では、請求の範囲の「操作コード」は、ボールチェーン９であり、「連結部」は、第一の連結部材２７と第二の連結部材２８とで構成される。第一の連結部材２７は、充実体の嵌合突部３０を有している。

　以下、本実施形態をさらに詳細に説明する。
　図７に示すように、前記ボールチェーン９はポリエステルのコード１４上に等間隔に合成樹脂のボール１５が成形されている。各ボール１５はコード１４の表面上に成形機で長球状の充実体を成形したものであり、各ボール１５がコード１４に対し移動不能に固着されている。

　前記コード１４の両端部は、連結部１６で連結されて無端状のボールチェーン９が構成される。図８に示すように、前記連結部１６は第一の連結部材２７と第二の連結部材２８とで構成されている。

　前記第一の連結部材２７は、図９に示すように、前記コード１４と同一材質の連結コード１９の一端に前記ボール１５の半分の形状の半球部２０がアウトサート成型され、他端には第一の嵌合部２９が形成されている。半球部２０と第一の嵌合部２９の間隔は、前記ボール１５の間隔と同一である。

　前記半球部２０及び第一の嵌合部２９は、前記ボール１５と同一の合成樹脂で前記連結コード１９の両端部に形成される。
　前記第一の嵌合部２９の基端部は、前記ボール１５の端部と同様な半球状に形成され、第一の嵌合部２９の先端部には、丸軸の両側部を平行に切除した断面俵形の嵌合突部３０が形成されている。

　前記嵌合突部３０の先端部には、図１０及び図１１に示すように、俵形の長軸方向に膨径された膨径部３１が形成され、その膨径部３１の長軸方向の両側部の外周面に凹条３２が第一の嵌合部２９の軸方向に設けられている。また、前記膨径部３１の先端角部には面取り３３が形成されている。

　前記第二の連結部材２８は、図８及び図１２に示すように、前記コード１４と同一材質の連結コード２３の一端に前記ボール１５の半分の形状の半球部２４が形成され、他端には第二の嵌合部３４が形成されている。半球部２４と第二の嵌合部３４は前記ボール１５と同一の合成樹脂で成形され、半球部２４と第二の嵌合部３４の間隔は、前記ボール１５の間隔と同一である。前記半球部２４及び第二の嵌合部３４は、前記ボール１５と同一材質で前記連結コード２３の両端部に形成される。

　前記第二の嵌合部３４の基端部は、前記ボール１５の端部と同様な半球状に形成され、第二の嵌合部３４の先端面の中央部には、嵌合孔３５が形成されている。前記嵌合孔３５は、図１３に示すように、前記嵌合突部３０の膨径部３１を挿入可能とする俵形に開口されている。

　前記嵌合孔３５の奥部は、図１２及び図１４に示すように、同嵌合孔３５内で前記嵌合突部３０を回動可能とする径で円形に形成されている。従って、嵌合孔３５の開口部には前記膨径部３１に係合する係止部３７が線対称状に形成されている。この係止部３７の開口縁は、前記嵌合突部３０の基端部を回動可能とするように、円弧状に抉られている。

　前記嵌合孔３５の奥部内周面の一側には前記凹条３２に係合可能とした突条３６が形成されている。前記突条３６は、前記嵌合孔３５の開口部の長軸Ｌ１と直交する短軸Ｌ２上に形成される。

　上記のような第一の嵌合部２９と第二の嵌合部３４を連結するには、嵌合突部３０の膨径部３１を嵌合孔３５に挿入し、この状態で第一の嵌合部２９をいずれかの方向へ回動させる。すると、膨径部３１の凹条３２が嵌合孔３５内の突条３６に係合して位置決めされ、図１５に示すように、膨径部３１が係止部３７に係合して嵌合孔３５内に保持される。

　この保持力は、通常のスラット昇降操作及びスラット角度調節操作時にボールチェーン９に作用する通常の引張り力では嵌合突部３０と嵌合孔３５の嵌合が外れることがないように設定されている。また、ボールチェーン９に通常の引張り力を超える大きな引張り力が作用したときに限り、合成樹脂の弾性により嵌合孔３５の開口部が広げられて膨径部３１が嵌合孔３５から引き抜かれ、嵌合突部３０と嵌合孔３５の嵌合が外れるようになっている。

　また、嵌合突部３０を嵌合孔３５に嵌合した状態では、前記第一及び第二の嵌合部２９，３４の外形が前記ボール１５と同一形状となるように形成される。
　前記第一及び第二の連結部材２７，２８の半球部２０，２４は、前記コード１４の両端にアウトサート成型された半球部１５ａに溶着固定されて、前記ボール１５と同一形状のボールが形成される。そして、前記嵌合突部３０を嵌合孔３５に嵌合すると、無端状のボールチェーン９が形成される。

　上記のように構成されたボールチェーンでは、次に示す作用効果を得ることができる。
（１）ボールチェーン９のコード１４及び前記連結部１６の連結コード１９，２３の全長に亘って同一形状のボールが同一間隔で形成される。従って、ボールチェーン９をプーリー８に対し制限なく周回させて、スラットの昇降操作を行うことができる。
（２）ボールチェーン９に通常の引張り力を超える大きな引張り力が作用したとき、連結部１６の嵌合突部３０と嵌合孔３５の嵌合が外れる。従って、ボールチェーンの無端縁が室内を移動する居住者やその他の移動物体に引っ掛かったとき、ボールチェーン９を連結部１６で切断して居住者の安全を確保し、かつボールチェーン９が掛装されるプーリー８等の損傷を未然に防止することができる。
（３）連結部１６の嵌合突部３０と嵌合孔３５の嵌合が外れた後は、嵌合突部３０を嵌合孔３５に再度嵌合すれば、無端状のボールチェーン９として容易に再生することができる。
（４）嵌合突部３０の膨径部３１を嵌合孔３５に挿入して９０度回動させることにより、嵌合突部３０を嵌合孔３５に嵌合する構成としたので、嵌合突部３０を嵌合孔３５に嵌合するための操作力を軽微としながら、嵌合突部３０を嵌合孔３５に保持する保持力を十分に確保することができる。
（５）嵌合突部３０を嵌合孔３５に嵌合するための操作力が軽微であるので、工具を使用することなく、嵌合突部３０を嵌合孔３５に再嵌合することができる。従って、連結部１６が外れても、居住者が容易に復帰させることができる。
（６）嵌合突部３０の先端に設けた面取り３３により、嵌合突部３０を嵌合孔３５に容易に嵌合することができる。
（７）係止部３７の円弧面で嵌合突部３０の基端部を回動可能に支持することができる。

　上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・第一の嵌合部２９及び第二の嵌合部３４を合成樹脂よりも剛性が大きい材料で形成してもよい。この場合、フェイルセーフ機能は得られないが、ボールチェーン９に強い力が加わっても非ループ化されないので、不意に非ループ化されることを避けることができる。

（第三の実施形態）
　図１６～図２８を用いて本発明の第三の実施形態について説明する。本実施形態では、請求の範囲の「操作コード」は、ボールチェーン９であり、「連結部」は同一構成の２つの第一の連結部材４１と、筒状の第二の連結部材４２とで構成される。２つの第一の連結部材４１は、第二の連結部材４２を介して連結される。第一の連結部材４１は、充実体の嵌合突部４５を有している。

　以下、本実施形態をさらに詳細に説明する。
　図１６に示すように、前記ボールチェーン９はポリエステルのコード１４上に等間隔に合成樹脂のボール１５が成形されている。各ボール１５はコード１４の表面上に成形機で長球状の充実体を成形したものであり、各ボール１５がコード１４に対し移動不能に固着されている。

　前記コード１４の両端部は、連結部１６で連結されて無端状のボールチェーン９が構成される。図１７及び図１８に示すように、連結部１６は同一構成の２つの第一の連結部材４１を筒状の第二の連結部材（第二の嵌合部）４２で連結した構成である。

　前記第一の連結部材４１は、図１９に示すように、前記コード１４と同一材質の連結コード１９の一端に前記ボール１５の半分の形状の半球部２０が形成（アウトサート成型）され、他端には第一の嵌合部４３が形成されている。前記半球部２０と第一の嵌合部４３との間に前記ボール１５と同形状のボール４４が固着され、前記第一の嵌合部４３とボール４４との間隔及びボール４４と半球部２０との間隔は、前記ボール１５の間隔と同一である。

　前記半球部２０及び第一の嵌合部４３は、前記ボール１５と同一の合成樹脂で前記連結コード１９の両端部に成形される。
　前記第一の嵌合部４３の基端部は、前記ボール１５の端部と同様な半球状に形成され、第一の嵌合部４３の先端部には、丸軸状の嵌合突部４５が形成（アウトサート成型）されている。

　前記嵌合突部４５の先端部の外周面上には、図１８～図２１に示すように、丸軸の中心に対し線対称状に膨径部４６が形成され、その膨径部４６の中間には断面半円状の凹条４７がそれぞれ形成されている。また、前記膨径部４６の先端側及び基端側には面取り５４が形成されている。

　前記嵌合突部４５の基端部には、図１８及び図２２に示すように、丸軸の径方向に突出する回動規制部４８が中心に対し線対称状に形成されている。また、各回動規制部４８は、前記丸軸の中心に対し前記凹条４７から周方向に４５度隔てた位置に形成される。

　前記第二の連結部材４２は、前記第一の嵌合部４３及びボール１５，４４と同一の合成樹脂で円筒状に成形されて嵌合孔を備えた第二の嵌合部として形成され、図２３及び図２４に示すように、両側の開口部４９ａ，４９ｂは前記嵌合突部４５の膨径部４６を含む先端部を挿入可能とした俵形に形成されている。また、開口部４９ａ，４９ｂは、その俵形の方向が円筒の中心に対し互いに９０度回転した形状となっている。

　前記第二の連結部材４２の内部には、前記嵌合突部４５の先端部を回動可能とする径を備えた円形孔（嵌合孔）５０が形成されている。そして、開口部４９ａの俵形の短軸方向の開口縁には、前記膨径部４６の円形孔５０からの抜けを妨げる係止部５１ａ，５１ｂがそれぞれ形成され、開口部４９ｂの俵形の短軸方向の開口縁には、前記膨径部４６の円形孔５０からの抜けを妨げる係止部５１ｃ，５１ｄがそれぞれ形成されている。

　図２５及び図２６に示すように、前記係止部５１ａ～５１ｄと前記円形孔５０の境界部には面取り５３が設けられ、前記嵌合突部４５が円形孔５０から引き抜かれるとき、前記面取り５３，５４の作用により、前記係止部５１ａ～５１ｄの損傷を防止するようになっている。

　また、前記係止部５１ａ，５１ｃの内側において、前記円形孔５０の内周面には前記凹条４７に係合する突条５２がそれぞれ形成されている。
　前記第一の連結部材４１と第二の連結部材４２とを連結するには、第一の嵌合部４３の嵌合突部４５を第二の連結部材４２の一方の開口部４９ａに挿入し、第一の嵌合部４３を第二の連結部材４２に対し時計方向に９０度回動する。すると、嵌合突部４５の凹条４７が円形孔５０内の突条５２に係合し、回動規制部４８が開口部４９ａの俵形の角部から隣の角部まで移動して、図２８に示すように位置決めされる。

　また、第二の連結部材４２の他方の開口部４９ｂにも同様に第一の連結部材４１の嵌合突部４５を挿入して９０度回動させて位置決めする。すると、図１７に示すように、第二の連結部材４２を介して第一の連結部材４１が連結される。

　この状態では、各第一の連結部材の嵌合突部４５の膨径部４６が第二の連結部材４２の係止部５１ａ～５１ｄに係合して、第二の連結部材４２の円形孔５０内に保持される。
　この保持力は、通常のスラット昇降操作及びスラット角度調節操作時にボールチェーン９に作用する通常の引張り力では、嵌合突部４５が第二の連結部材４２から外れることがないように設定されている。そして、ボールチェーン９に通常の引張り力を超える大きな引張り力が作用したときに限り、第二の連結部材４２の合成樹脂の弾性により、嵌合突部４５の膨径部４６により第二の連結部材４２の開口部４９ａ，４９ｂが押し広げられて、嵌合突部４５が第二の連結部材４２から外れるようになっている。

　また、第二の連結部材４２の両側に第一の嵌合部４３を嵌合した状態での外形形状は、前記ボール１５と同一形状となるように形成されている。
　前記第一の連結部材４１の半球部２０は、前記コード１４の両端にアウトサート成型された半球部１５ａに溶着固定されて、前記ボール１５と同一形状のボールが形成される。
そして、前記第一の連結部材４１を第二の連結部材４２で連結すると、無端状のボールチェーン９が形成される。

　このように構成されたボールチェーン９では、前記ボールチェーン９のコード１４及び前記連結部１６の連結コード１９の全長に亘って同一形状のボールが同一間隔で形成される。従って、ボールチェーン９はプーリー８に対し制限なく周回可能である。

　上記のように構成されたボールチェーンでは、次に示す作用効果を得ることができる。
（１）ボールチェーン９のコード１４及び前記連結部１６の連結コード１９の全長に亘って同一形状のボールが同一間隔で形成される。従って、ボールチェーン９をプーリー８に対し制限なく周回させて、スラットの昇降操作を行うことができる。
（２）ボールチェーン９に通常の引張り力を超える大きな引張り力が作用したとき、連結部１６の第一の連結部材４１のいずれかと第二の連結部材４２の嵌合が外れる。従って、ボールチェーンの無端縁が室内を移動する居住者やその他の移動物体に引っ掛かったとき、ボールチェーン９を連結部１６で切断させて居住者の安全を確保し、かつボールチェーン９が掛装されるプーリー８等の損傷を未然に防止することができる。
（３）連結部１６の嵌合が外れた後は、第一の連結部材４１と第二の連結部材４２を再度嵌合すれば、無端状のボールチェーン９として容易に再生することができる。
（４）嵌合突部４５を第二の連結部材４２の開口部４９ａ，４９ｂに挿入して９０度回動させることにより、嵌合突部４５を第二の連結部材４２に嵌合する構成としたので、嵌合突部４５を第二の連結部材４２に嵌合するための操作力を軽微としながら、嵌合突部４５を第二の連結部材４２に保持する保持力を十分に確保することができる。
（５）第二の連結部材４２で連結される一対の第一の連結部材４１は、その嵌合突部４５の中心線が互いに直交する角度で保持されている。従って、各嵌合突部４５に引張り力が作用するとき、各嵌合突部４５の膨径部４６が第二の連結部材４２の開口部４９ａ，４９ｂを互いに９０度ずれた方向、すなわち第二の連結部材４２の中心から四方に向かって押し広げるように動作するため、保持力を確保することが容易である。
（６）面取り５３により、前記嵌合突部４５が円形孔５０から引き抜かれるとき、前記係止部５１ａ～５１ｄの損傷を防止することができる。
（７）一対の第一の連結部材４１を円筒状の第二の連結部材４２で連結する構成であり、第一及び第二の連結部材４１，４２を合成樹脂で容易に成形することができるので、連結部１６を容易に形成することができる。
（８）嵌合突部４５を円筒状の第二の連結部材４２に嵌合するための操作力が軽微であるので、工具を使用することなく、嵌合突部４５を第二の連結部材４２に再嵌合することができる。従って、連結部１６が外れても、居住者が容易に復帰させることができる。
（９）第一の嵌合部４３をアウトサート成型により連結コード１９の端部に容易に形成することができる。

　上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・第一の嵌合部４３及び第二の連結部材４２を合成樹脂よりも剛性が大きい材料で形成してもよい。この場合、フェイルセーフ機能は得られないが、ボールチェーン９に強い力が加わっても非ループ化されないので、不意に非ループ化されることを避けることができる。
・前記連結部１６を、縦型ブラインドやロールブラインド等の日射遮蔽装置の無端状の操作コードの連結部に使用してもよい。
・第一及び第二の連結部材４１，４２を嵌合する際に、第一の連結部材４１を第二の連結部材４２に対し回動させる角度は、９０度以外の角度としてもよい。
・図２９に示すように、第一の嵌合部４３の嵌合突部４５には、その外周面の全周に亘って膨径部４６を設け、その嵌合突部４５を前記第二の連結部材４２の開口部４９ａ，４９ｂに嵌合するようにしてもよい。
・第二の連結部材４２内の面取り５３に代えて、断面直角状の段差としてもよい。
・第一～第三の実施形態において、半球部１５ａと半球部２０，２４の接合面を、半球部１５ａと半球部２０，２４の軸心に対し斜めとして、接合面の面積を増大させるようにしてもよい。
・第一～第三の実施形態において、前記連結部１６を、横型ブラインドのヘッドボックスから垂下されてボトムレールに接続される操作コードの中間部に設けて、フェイルセーフ機能を持たせるようにしてもよい。

（第四の実施形態）
　図３０～図４２を用いて本発明の第四の実施形態について説明する。本実施形態では、請求の範囲の「操作コード」は、ボールチェーン９であり、「連結部」は同一構成の２つのコネクタピース５９ａ，５９ｂと、筒状の連結部材６０とで構成される。２つのコネクタピース５９ａ，５９ｂは、連結部材６０を介して連結される。コネクタピース５９ａ，５９ｂは、充実体の嵌合突部６４を有している。

　以下、本実施形態をさらに詳細に説明する。
　図３０に示すボールチェーン５５はポリエステルのコード５６上に等間隔に合成樹脂のボール５７が成形されている。各ボール５７はコード５６の表面上に成形機で長球状の充実体を成形したものであり、各ボール５７がコード５６に対し移動不能に固着されている。

　前記コード５６の両端部は、コネクタ５８で連結されて無端状のボールチェーン５５が構成される。図３１及び図３２に示すように、前記コネクタ５８は同一構成の２つのコネクタピース５９ａ，５９ｂと、筒状の連結部材６０とでコード５６の両端に成形されたボール５７ａを連結するようになっている。

　このコネクタ５８は、コード５６を連結して無端状のボールチェーン５５を構成するとともに、ボールチェーン５５がプーリーに掛装されている状態ではそのプーリー及びプーリーケースに当接して、ロールスクリーン等の引き上げ操作の上限位置を設定するストッパとして作用する。そして、コネクタピース５９ａ，５９ｂは、プーリーとプーリーケースの間を通過できない外形寸法で形成されている。

　前記コネクタピース５９ａ，５９ｂは同一構成であるので、コネクタピース５９ａについてその具体的構成を図３３～図３６に従って説明する。
　前記コネクタピース５９ａは、合成樹脂でほぼ直方体状に形成され、その上面には前記ボール５７ａを挿入可能とするように長円状に開口された係止孔６１が設けられている。前記コネクタピース５９ａの基端面中央には、図３４に示すように、前記係止孔６１に連なる挿通孔６２が開口され、その挿通孔６２は案内溝６３を介してコネクタピース５９ａの上面に開口されている。

　そして、コード５６の端部に形成されたボール５７ａを係止孔６１内に挿入し、そのボール５７ａに連なるコード５６ａを案内溝６３から挿通孔６２内に挿入すると、ボール５７ａが係止孔６１内に図３１に示す矢印方向には抜き出し不能に保持される。

　前記コネクタピース５９ａの先端面には丸軸状の嵌合突部６４が充実体として突出形成されている。前記嵌合突部６４の先端部の外周面上には、図３３及び図３５に示すように、丸軸の中心に対し線対称状に膨径部６５が形成され、その膨径部６５の中間には断面半円状の凹条６６がそれぞれ形成されている。また、前記膨径部６５の先端側及び基端側には面取り７２が形成されている。

　前記嵌合突部６４の基端部には、図３３及び図３６に示すように、丸軸の径方向に突出する回動規制部６７が中心に対し線対称状に形成されている。また、各回動規制部６７は、前記丸軸の中心に対し前記凹条６６から周方向に４５度隔てた位置に形成される。

　前記連結部材６０は、前記コネクタピース５９ａと同一の合成樹脂で円筒状に成形され、図３７及び図３８に示すように、両側の開口部６８ａ，６８ｂは前記嵌合突部６４の膨径部６５を含む先端部を挿入可能とした俵形に形成されている。また、開口部６８ａ，６８ｂは、その俵形の方向が円筒の中心に対し互いに９０度回転した形状となっている。

　前記連結部材６０の内部には、前記嵌合突部６４の先端部を回動可能とする径を備えた円形孔６９が形成されている。そして、開口部６８ａの俵形の短軸方向の開口縁には、前記膨径部６５の円形孔６９からの抜けを妨げる係止部７０ａ，７０ｂがそれぞれ形成され、開口部６８ｂの俵形の短軸方向の開口縁には、前記膨径部６５の円形孔６９からの抜けを妨げる係止部７０ｃ，７０ｄがそれぞれ形成されている。

　また、前記係止部７０ａ，７０ｃの内側において、前記円形孔６９の内周面には前記凹条６６に係合する突条７１がそれぞれ形成されている。
　前記コネクタピース５９ａと連結部材６０とを連結するには、嵌合突部６４を連結部材６０の一方の開口部６８ａに挿入し、コネクタピース５９ａを連結部材６０に対し時計方向に９０度回動する。すると、嵌合突部６４の凹条６６が円形孔６９内の突条７１に係合し、回動規制部６７が開口部６８ａの俵形の角部から隣の角部まで移動して、図４２に示すように位置決めされる。

　また、連結部材６０の他方の開口部６８ｂにも同様にコネクタピース５９ｂの嵌合突部６４を挿入して９０度回動させて位置決めする。すると、図３１に示すように、連結部材６０を介してコネクタピース５９ａ，５９ｂが連結され、無端状のボールチェーン５５が形成される。

　この状態では、各コネクタピース５９ａ，５９ｂの嵌合突部６４の膨径部６５が連結部材６０の係止部７０ａ～７０ｄに係合して、連結部材６０の円形孔６９内に保持される。
　この保持力は、通常のスラット昇降操作及びスラット角度調節操作時にボールチェーン５５に作用する通常の引張り力では、嵌合突部６４が連結部材６０から外れることがないように設定されている。そして、ボールチェーン５５に通常の引張り力を超える大きな引張り力が作用したときに限り、連結部材６０の合成樹脂の弾性により、嵌合突部６４の膨径部６５により連結部材６０の開口部６８ａ，６８ｂが押し広げられて、嵌合突部６４が連結部材６０から外れるようになっている。

　図３９～図４１に示すように、前記係止部７０ａ～７０ｄと前記円形孔６９の境界部には面取り７３が設けられ、前記嵌合突部６４が円形孔６９から引き抜かれるとき、前記面取り７２，７３の作用により、前記係止部７０ａ～７０ｄの損傷を防止するようになっている。

　上記のように構成されたボールチェーン５５では、次に示す作用効果を得ることができる。
（１）ボールチェーン５５に通常の引張り力を超える大きな引張り力が作用したとき、コネクタ５８のコネクタピース５９ａ，５９ｂのいずれかと連結部材６０の嵌合が外れる。従って、ボールチェーン５５の無端縁が室内を移動する居住者やその他の移動物体に引っ掛かったとき、ボールチェーン５５をコネクタ５８で切断させて居住者の安全を確保し、かつボールチェーン５５が掛装されるプーリー等の損傷を未然に防止することができる。
（２）コネクタ５８が切断された後は、コネクタピース５９ａ，５９ｂと連結部材６０を再度嵌合すれば、無端状のボールチェーン５５として容易に再生することができる。
（３）充実体の嵌合突部６４を連結部材６０の開口部６８ａ，６８ｂに挿入して９０度回動させることにより、嵌合突部６４を連結部材６０に嵌合する構成としたので、嵌合突部６４を連結部材６０に嵌合するための操作力を軽微としながら、嵌合突部６４を連結部材６０に保持する保持力を十分に確保することができる。
（４）連結部材６０で連結される一対のコネクタピース５９ａ，５９ｂは、その嵌合突部６４の中心線が互いに直交する角度で保持されている。従って、各嵌合突部６４に引張り力が作用するとき、各嵌合突部６４の膨径部６５が連結部材６０の開口部６８ａ，６８ｂを互いに９０度ずれた方向、すなわち連結部材６０の中心から四方に向かって押し広げるように動作するため、保持力を確保することが容易である。
（５）一対のコネクタピース５９ａ，５９ｂを円筒状の連結部材６０で連結する構成であり、コネクタピース５９ａ，５９ｂ及び連結部材６０を合成樹脂で容易に成形することができるので、コネクタ５８を容易に形成することができる。
（６）嵌合突部６４を円筒状の連結部材６０に嵌合するための操作力が軽微であるので、工具を使用することなく、嵌合突部６４を連結部材６０に再嵌合することができる。従って、コネクタ５８が外れても、居住者が容易に復帰させることができる。
（７）コネクタピース５９ａ，５９ｂを同一形状の共通部品として部品点数を削減することができる。
（８）面取り７２，７３により、前記嵌合突部６４が円形孔６９から引き抜かれるとき、前記係止部７０ａ～７０ｄの損傷を防止することができる。
（９）コネクタピース５９ａ，５９ｂがプーリーとプーリーケースとの間を通過できないので、コネクタ５８が分断されても、ボールチェーン５５がプーリーから脱落することを防止することができる。

　上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・前記コネクタ５８を使用して、ロールブラインド、プリーツカーテン、たくし上げカーテン等の日射遮蔽装置の無端状のボールチェーンを形成してもよい。
・前記コネクタ５８を、ネームプレート等を首から吊下支持するボールチェーンを無端状に連結するコネクタとして使用してもよい。
・コネクタピース５９ａ，５９ｂと連結部材６０を嵌合する際に、コネクタピース５９ａ，５９ｂを連結部材６０に対し回動させる角度は、９０度以外の角度としてもよい。
・ボールチェーン５５は、端部にのみボール５７ａを備えた紐状のコードとしてもよい。

　ここまで種々の実施形態に基づいて本発明の説明を行ってきたが、本発明の範囲は、ここで示した実施形態に限定されるものではない。また、ある実施形態で行った内容は、その趣旨に反しない限り、別の実施形態にも適用される。

９…ボールチェーン、１４…コード、１５，４４…ボール、１５ａ，２０，２４…半球部、１６…連結部、１７，２７，４１，６１…第一の連結部材、１８，２８，４２，６２…第二の連結部材、１９…連結コード、２１，２９，６３…第一の嵌合部、２２，３０，４５，６５…嵌合突部、２３…連結コード、２５，３４…第二の嵌合部、２６，３５，６７…嵌合孔
５５…ボールチェーン、５６、５６ａ…コード、５７、５７ａ…ボール、５８…コネクタ、５９ａ，５９ｂ…コネクタピース、６０…連結部材、６１…係止孔、６２…挿通孔、６３…案内溝、６４…嵌合突部、６５…膨径部、６６…凹条、６７…回動規制部、６８ａ，６８ｂ…開口部、６９…円形孔、７０ａ～７０ｄ…係止部、７１…突条、７２，７３…面取り

Claims

　コードの両端部を連結部で連結したコードにおいて、
　前記連結部は、直接又は連結部材を介して連結される第一及び第二の連結部を有し、
　隣接する連結部又は連結部材の一方は嵌合突部を有し、他方は前記嵌合突部に嵌合可能な嵌合孔を有し、前記嵌合突部は充実体であることを特徴とする操作コード。
　前記コードは、前記コード上に合成樹脂のボールを等間隔に成形されて固着されている請求項１に記載の操作コード。
　前記連結部は、前記ボールと同一形状となる嵌合部を備え、前記嵌合部は充実体の嵌合突部を備えた第一の嵌合部と、前記嵌合突部を嵌合可能とした嵌合孔を備えた第二の嵌合部とで構成し、前記嵌合突部を前記嵌合孔に対し弾性的に嵌脱可能としたことを特徴とする請求項２に記載の操作コード。
　前記嵌合突部の先端部には、該嵌合突部の基端部より径の大きい膨径部を備え、前記嵌合孔の奥部には前記膨径部を弾性的に保持する係止部を設けたことを特徴とする請求項３に記載の操作コード。
　前記連結部は、
　第一の連結コードの一端に前記嵌合突部を備えた連結部材と、
　第二の連結コードの一端に前記嵌合孔を備えた連結部材とを備え、
　前記各連結コードの他端に設けた半部と前記コードの端部に設けた半部とを溶着して前記ボールを形成したことを特徴とする請求項３又は請求項４に記載の操作コード。
　前記嵌合突部を、前記第一の連結コードの一端にアウトサート成型したことを特徴とする請求項５に記載の操作コード。
　前記嵌合突部の先端部に面取りを設けたことを特徴とする請求項３又は請求項４に記載の操作コード。
　前記嵌合突部に膨径部を設け、前記嵌合孔内に前記膨径部に係合する係止部を設け、前記係止部に面取りを設けたことを特徴とする請求項３又は請求項４に記載の操作コード。
　前記第二の嵌合部を前記第二の連結コードの一端にアウトサート成型し、前記第二の嵌合部の先端部に前記嵌合孔を設け、前記嵌合孔の深さは前記第二の嵌合部の長さの半分以下としたことを特徴とする請求項５に記載の操作コード。
　前記連結部は、軸状の嵌合突部を備えた第一の嵌合部と、前記嵌合突部を嵌合可能とした嵌合孔を備えた第二の嵌合部とで構成し、前記嵌合突部は前記嵌合孔に挿入して回動させることにより該嵌合孔に嵌合可能としたことを特徴とする請求項１に記載の操作コード。
　前記嵌合突部に、該嵌合突部の基端部より径の大きい膨径部を設け、前記嵌合孔に前記膨径部に係合する係止部を設けたことを特徴とする請求項１０に記載の操作コード。
　前記第一及び第二の嵌合部は、合成樹脂で成形される請求項１１に記載の操作コード
　前記膨径部と前記嵌合孔の内周面には、前記嵌合突部の回動位置を位置決めする位置決め手段を設けたことを特徴とする請求項１２に記載の操作コード。
　前記連結部は、
　前記コードの一端に設けた第一の嵌合部と、
　前記コードの他端に設けた第二の嵌合部と
を備えたことを特徴とする請求項１０乃至請求項１３のいずれか１項に記載の操作コード。
　前記嵌合突部と前記嵌合孔との嵌合位置は、前記嵌合突部を前記嵌合孔に挿入して９０度回動させた位置としたことを特徴とする請求項１０乃至請求項１３のいずれか１項に記載の操作コード。
　前記連結部は、
　前記コードの両端にそれぞれ設けた軸状の嵌合突部と、
　前記嵌合突部が対向するように嵌合可能とした筒状の連結部材とを備えたことを特徴とする請求項１に記載の操作コード。
　前記嵌合突部の先端部に、該嵌合突部の基端部より径の大きい膨径部を設け、前記連結部材には前記膨径部を挿入して回動させることにより該膨径部に係合する係止部を設けたことを特徴とする請求項１６に記載の操作コード。
前記嵌合突部及び連結部材は、合成樹脂で成形される請求項１７に記載の操作コード。
　前記膨径部と前記連結部材の内周面には、前記嵌合突部の回動位置を位置決めする位置決め手段を設けたことを特徴とする請求項１８に記載の操作コード。
　前記連結部材に嵌合する一対の嵌合突部の嵌合角度を、相対的にずらしたことを特徴とする請求項１６乃至請求項１９のいずれか１項に記載の操作コード。
　前記連結部材に嵌合する一対の嵌合突部の嵌合角度を、各嵌合突部の中心線が互いに直交する角度としたことを特徴とする請求項２０に記載の操作コード。
　前記嵌合突部を、前記コードにアウトサート成型したことを特徴とする請求項１６乃至請求項１９のいずれか１項に記載の操作コード。
前記連結部は、前記コードの端部に取着されたボールを係合可能とした一対のコネクタピースと、
　前記コネクタピースを連結する連結部材とで構成される請求項１に記載の操作コード。
　前記コネクタピースと前記連結部材には、該コネクタピースを連結部材に対向するように挿入して回動させることにより該コネクタピースを連結部材に弾性的に係合させる保持手段を備えたことを特徴とする請求項２３に記載の操作コード。
　前記保持手段は、
　前記コネクタピースに設けた軸状の嵌合突部と、
　前記嵌合突部の先端部に設けられ、該嵌合突部の基端部より径の大きい膨径部と、
　前記嵌合突部を挿入可能とした筒状の前記連結部材と、
　前記連結部材に設けられ、前記膨径部を該連結部材に挿入して回動させることにより該膨径部に係合する係止部とを備えたことを特徴とする請求項２４に記載の操作コード。
　前記コネクタピース及び連結部材を合成樹脂で成形したことを特徴とする請求項２５に記載の操作コード。
　前記膨径部と前記連結部材の内周面には、前記嵌合突部の回動位置を位置決めする位置決め手段を設けたことを特徴とする請求項２６に記載の操作コード。
　前記連結部材に嵌合する一対の嵌合突部の嵌合角度を、相対的にずらしたことを特徴とする請求項２５乃至請求項２７のいずれか１項に記載の操作コード。
　前記連結部材に嵌合する一対の嵌合突部の嵌合角度を、各嵌合突部の中心線が互いに直交する角度としたことを特徴とする請求項２５乃至請求項２７のいずれか１項に記載の操作コード。
　前記一対のコネクタピースを同一形状としたことを特徴とする請求項２３乃至請求項２９のいずれか１項に記載の操作コード。
　前記嵌合突部を充実体としたことを特徴とする請求項２５に記載の操作コード。
　前記コネクタピースの外形寸法を、プーリーとプーリーケースの間隔より大きくしたことを特徴とする請求項２３乃至請求項３１のいずれか１項に記載の操作コード。
　コード上に合成樹脂のボールを等間隔に成形して固着し、第一の連結コードの一端に嵌合突部を備えた第一の嵌合部を形成し、前記第一の連結コードの他端に前記ボールを２等分した半部を形成し、第二の連結コードの一端に前記嵌合突部を弾性的に嵌脱可能とした嵌合孔を備えた第二の嵌合部を形成し、前記第二の連結コードの他端に前記ボールを２等分した半部を形成し、前記嵌合突部を前記嵌合孔に嵌合した第一及び第二の嵌合部の形状は前記ボールと同一となるように形成し、前記第一及び第二の連結コードの半部を前記コードの両端に形成した半部に溶着して前記ボールを形成したことを特徴とする操作コードの製造方法。
　前記第一の嵌合部を合成樹脂で成形し、前記第二の嵌合部は前記第二の連結コードの端部に半部を成形し、該半部の中央部を切削して前記嵌合孔を形成したことを特徴とする請求項３３に記載の方法。
　前記第一の嵌合部を、前記第一の連結コードに、該第一の連結コードを前記第一の嵌合部の基端から先端にかけて埋め込むように充実体でアウトサート成型したことを特徴とする請求項３３に記載の方法。