JP5337596B2 - ボールチェーン及び横型ブラインドのコード - Google Patents

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この発明は、横型ブラインド、縦型ブラインド、ロールスクリーン等の日射遮蔽装置の操作コードとして使用するボールチェーンに関するものである。
横型ブラインドの一種類として、ヘッドボックスの一端に回動可能に支持されたプーリーに無端状のボールチェーンを掛装し、そのボールチェーンを操作してプーリーを回転させることにより、スラットを昇降操作及び角度調節操作可能としたものがある。
ボールチェーンは、例えば合成樹脂で紐状に形成されたコードに対し、同じく合成樹脂のボールを等間隔に成形して固定したものである。そして、プーリーの周面に形成された凹部に各ボールを順次係合させてプーリーを回転駆動可能となっている。
このようなボールチェーンは、多数のボールを成形して取着したコードの両端をコネクタで連結して無端状とする構成が一般的である。また、プーリーに対しボールチェーンを1回転以上周回させてスラットの昇降操作を行う横型ブラインドの場合には、ボールチェーンの結合部のボール形状及びボール間隔は他の部分のボール形状及びボール間隔と同一とする必要がある。
このような場合には、結合部のボールを2分割し、その分割部を互いに嵌合してボールを構成するものが提案されている。(特許文献1参照)
特開2003−184456号
上記のように無端状のボールチェーンがプーリーから垂下されていると、そのボールチェーンの無端縁が室内を移動する居住者やその他の移動物体に引っ掛かることがある。
従って、ボールチェーンには、ボールチェーンに通常の操作時に作用する引張り力を超えるような過大な引張り力が作用するときには、その引張り力によりボールチェーンを切断して居住者の安全を確保し、かつボールチェーンが掛装されるプーリー等の損傷を未然に防止するフェイルセーフ機能を備えることが必要となっている。
この発明の目的は、連結部にフェイルセーフ機能を備え、かつ連結部を容易に組立て可能としたボールチェーンを提供することにある。
請求項1では、コード上に合成樹脂のボールを等間隔に成形して固着し、前記コードの両端部を連結部で連結して無端状とした日射遮蔽装置のボールチェーンにおいて、前記連結部は、嵌合孔を備えた第一の連結部材と、前記嵌合孔に嵌合可能とした嵌合突部を備えた第二の連結部材とを備え、前記第一及び第二の連結部材を合成樹脂で成型し、前記嵌合孔は、前記嵌合突部を前記コードの軸心に直交する方向に挿入可能とするとともに前記コードの軸心方向に弾性的に保持可能とした。
請求項2では、前記嵌合突部を軸状とし、前記嵌合孔は前記嵌合突部を挿入可能とした径を備えるとともに、前記嵌合突部を前記コードの軸心方向に抜き出し可能とする開口溝を備え、前記開口溝の幅を前記嵌合突部の径より狭くした。
請求項3では、前記嵌合突部を前記嵌合孔に嵌合した第一及び第二の連結部材の外形形状および間隔を、前記ボールの外形形状及び間隔と同一とした。
請求項4では、前記コードの両端部に前記第一の連結部材をそれぞれ成型し、前記第二の連結部材に前記嵌合突部を一対設け、前記第一の連結部材を前記第二の連結部材で連結した。
請求項5では、前記コードの一端部に前記第一の連結部材を成型し、前記コードの他端部に前記第二の連結部材を成型し、前記第一及び第二の連結部材を連結した。
請求項6では、ヘッドボックスから垂下されるとともに、下端がボトムレールに接続される横型ブラインドのコードにおいて、前記コードの中間部に連結部を介在させ、前記連結部は、嵌合孔を備えた第一の連結部材と、前記嵌合孔に嵌合可能とした嵌合突部を備えた第二の連結部材とを備え、前記第一及び第二の連結部材を合成樹脂で成型し、前記嵌合孔は、前記嵌合突部を前記コードの軸心に直交する方向に挿入可能とするとともに、通常操作時に前記コードの軸心方向に作用する引張り力を超える力の作用により前記嵌合突部を分離可能とした。
本発明によれば、連結部にフェイルセーフ機能を備え、かつ連結部を容易に組立て可能としたボールチェーンを提供することができる。
一実施形態の横型ブラインドを示す正面図である。 ボールチェーンを示す正面図である。 第一の実施形態の連結部を示す分解斜視図である。 第一の実施形態の第二の連結部材を示す正面図である。 第一の実施形態の第二の連結部材を示す側面図である。 第一の実施形態の第一の連結部材を示す正面図である。 第一の実施形態の第一の連結部材を示す側面図である。 図6におけるG−G線断面図である。 図6におけるH−H線断面図である。 連結部材の嵌合状態を示す断面図である。 第二の実施形態の連結部を示す分解斜視図である。 第二の実施形態の連結部材の嵌合状態を示す断面図である。
(第一の実施形態)
以下、この発明を具体化した第一の実施形態を図面に従って説明する。図1に示す横型ブラインド(日射遮蔽装置)は、ヘッドボックス1から吊下支持されるラダーテープ2に多数段のスラット3が支持され、そのラダーテープ2の下端にボトムレール4が取着されている。
前記スラット3には前記ラダーテープ2の支持位置近傍で昇降コード5が挿通され、その昇降コード5の下端に前記ボトムレール4が吊下支持されている。前記昇降コード5の上端は前記ヘッドボックス1内に配設される支持部材6に回転可能に支持された巻取軸7に巻着されている。
前記ヘッドボックス1の一端にはプーリー8が回転可能に支持され、そのプーリー8に無端状のボールチェーン9が掛装されている。そして、ボールチェーン9を操作してプーリー8を正逆方向に回転させると、ギヤボックス10及び昇降軸12a等を介して前記巻取軸7が回転され、昇降コード5が巻取軸7に巻き取られあるいは巻戻されて、スラット3及びボトムレール4が昇降される。
また、プーリー8を回転させると、ギヤボックス10、チルトユニット11、チルト軸12b等を介してチルトドラム13が回動され、前記ラダーテープ2を介して各スラット3が回動されるようになっている。
次に、前記ボールチェーン9の具体的構成を図2〜図10に従って説明する。図2に示すように、前記ボールチェーン9はポリエステルのコード14上に等間隔に合成樹脂のボール15が成形されている。各ボール15はコード14の表面上に成形機で長球状の充実体を成形したものであり、各ボール15がコード14に対し移動不能に固着されている。
前記コード14の両端部は、連結部16で連結されて無端状のボールチェーン9が構成される。図3に示すように、前記連結部16は同一構成の2つの第一の連結部材17を第二の連結部材18で連結した構成である。
前記第一の連結部材17は、前記コード14と同一材質の連結コード19の一端に前記ボール15の半分の形状の半球部20がアウトサート成型され、他端には第一の嵌合部21が形成されている。前記第一の嵌合部21と半球部20との間隔は、前記ボール15の間隔と同一である。
前記第一の嵌合部21は、前記ボール15と同一形状のボールに嵌合凹部22を設けたものであり、前記第二の連結部材18は前記嵌合凹部22に嵌合可能とした嵌合突部23を軸部24の両端に備えた構成である。
前記第二の連結部材18は合成樹脂で一体に成形され、図4及び図5に示すように、前記軸部24の両端に丸軸状の嵌合突部23が線対称状に形成され、その丸軸の中心軸と前記軸部24の中心軸とは直交するように形成されている。
前記嵌合凹部22は、図6〜図9に示すように、前記連結コード19の中心軸と直交する方向に嵌合孔25が形成され、その嵌合孔25は前記嵌合突部23を容易に嵌挿可能とした径で形成されている。
前記嵌合孔25は、同嵌合孔25の径より狭い溝幅の開口溝26で前記連結コード19の反対側に向かって開口され、その開口溝26には前記第二の連結部材18の軸部24を挿通可能とした挿通孔27が形成されている。
このように構成された第一及び第二の連結部材17,18は、図3に示すように、第一の連結部材17の嵌合孔25に対し、第二の連結部材18の嵌合突部23を、連結コード19に直交する方向に挿入すると、第一の連結部材17が第二の連結部材18で連結される。
この状態では、丸軸状の嵌合突部23が嵌合孔25に保持され、その保持力は通常のスラット昇降操作及びスラット角度調節操作時にボールチェーン9に作用する通常の引張り力では、嵌合突部23が嵌合孔25から外れることがないように設定されている。そして、ボールチェーン9に通常の引張り力を超える大きな引張り力が作用したときに限り、第一の連結部材17の合成樹脂の弾性により、嵌合突部23で開口溝26が押し広げられ、嵌合突部23が嵌合孔25から外れるようになっている。
また、第一の嵌合部21に嵌合突部23を嵌合した状態での外形形状は、前記ボール15とほぼ同一形状となるように形成されている。
前記第一の連結部材17の半球部20は、前記コード14の両端にアウトサート成型された半球部15aに溶着固定されて、前記ボール15と同一形状のボールが形成される。そして、前記第一の連結部材17を第二の連結部材18で連結すると、無端状のボールチェーン9が形成される。
この実施形態のボールチェーン9では、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)ボールチェーン9のコード14及び前記連結部16の連結コード19及び軸部24の全長に亘って同一形状のボールが同一間隔で形成される。従って、ボールチェーン9をプーリー8に対し制限なく周回させて、スラットの昇降操作を行うことができる。
(2)ボールチェーン9に通常の引張り力を超える大きな引張り力が作用したとき、連結部16の嵌合突部23と嵌合孔25の嵌合が外れる。従って、ボールチェーン9の無端縁が室内を移動する居住者やその他の移動物体に引っ掛かったとき、ボールチェーン9を切断して居住者の安全を確保し、かつボールチェーン9が掛装されるプーリー8等の損傷を未然に防止するフェイルセーフ機能を備えることができる。
(3)連結部16の嵌合突部23と嵌合孔25の嵌合が外れた後は、嵌合突部23を嵌合孔25に再度嵌合すれば、無端状のボールチェーン9として容易に再生することができる。
(4)嵌合突部23を第一の連結部材17の嵌合凹部22に対し、連結コード19の延長方向に対し直交する方向に挿入して嵌合する構成としたので、嵌合突部23を第一の連結部材17に軽微な操作力で嵌合することができるとともに、嵌合突部23を第一の連結部材17に保持する保持力を十分に確保することができる。
(5)嵌合突部23を嵌合孔25に嵌合する際に、工具等を必要としない。従って、ボールチェーン9の組立て作業及び嵌合突部23を嵌合孔25に再嵌合する作業を容易に行うことができる。
(第二の実施形態)
図11は、前記連結部16の第二の実施形態を示す。この実施形態は、前記コード14の一端部に前記第一の嵌合部21を第一の連結部材として成型し、前記コード14の他端部に前記嵌合突部23を第二の連結部材として成型して連結部16を構成したものである。
このような構成により、前記第一の実施形態と同様に、嵌合突部23を第一の嵌合部21の嵌合孔25に嵌合すると、コード14の端部が第一及び第二の連結部材で連結されて無端状のボールチェーン9が形成される。
そして、第一の嵌合部21の嵌合孔25に嵌合突部23を嵌合すると、図12に示すように、その連結部16の外形は他のボール15と同一である。また、前記第一の嵌合部21及び嵌合突部23は、それらを嵌合してなる連結部16と隣接するボール15との間隔が、他のボール15の間隔と同一となるようにコード14の端部に成型されている。
この実施形態のボールチェーン9では、前記第一の実施形態で得られた作用効果に加えて、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)コード14の一端に第一の連結部材として第一の嵌合部21を成型し、コード14の他端に第二の連結部材として嵌合突部23を成型し、その第一の嵌合部21に嵌合突部23を嵌合することにより、無端状のボールチェーン9を形成することができる。
(2)前記第一の実施形態の第二の連結部材18を必要としないので、部品点数を削減し、製造コストを低減することができる。
上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・第一の実施形態において、第二の連結部材18は前記コード14と同一材質のコードの両端に嵌合突部23を成型してもよい。
・第一の実施形態において、第二の連結部材18は嵌合突部23と軸部24を硬度の異なる合成樹脂で一体成型してもよい。この場合には、嵌合突部23を硬質の合成樹脂とし、軸部24を軟質の合成樹脂とする。
・前記嵌合突部23は、丸軸の他、断面多角形状の軸としてもよい。
・半球部15aと半球部20の接合面を、半球部15aと半球部20の軸心に対し斜めとして、接合面の面積を増大させるようにしてもよい。
・前記連結部16を、横型ブラインドのヘッドボックスから垂下されてボトムレールに接続される昇降コード又は操作コードの中間部に設けて、フェイルセーフ機能を持たせるようにしてもよい。この場合には、第一の実施形態の第一の連結部材17の連結コード19を昇降コード又は操作コードの端部に縫着し、第一の連結部材17を第二の連結部材18で連結する。または、第二の実施形態のコード14を昇降コード又は操作コードの端部に縫着し、第一の嵌合部21に嵌合突部23を嵌合する。
9…ボールチェーン、14…コード、15…ボール、16…連結部、17…第一の連結部材、18…第二の連結部材、23…嵌合突部、25…嵌合孔。

Claims (6)

  1. コード上に合成樹脂のボールを等間隔に成形して固着し、前記コードの両端部を連結部で連結して無端状とした日射遮蔽装置のボールチェーンにおいて、
    前記連結部は、
    嵌合孔を備えた第一の連結部材と、
    前記嵌合孔に嵌合可能とした嵌合突部を備えた第二の連結部材と
    を備え、
    前記第一及び第二の連結部材を合成樹脂で成型し、
    前記嵌合孔は、前記嵌合突部を前記コードの軸心に直交する方向に挿入可能とするとともに、通常操作時に前記コードの軸心方向に作用する引張り力を超える力の作用により前記嵌合突部を分離可能としたことを特徴とするボールチェーン。
  2. 前記嵌合突部を軸状とし、
    前記嵌合孔は前記嵌合突部を挿入可能とした径を備えるとともに、前記嵌合突部を前記コードの軸心方向に抜き出し可能とする開口溝を備え、前記開口溝の幅を前記嵌合突部の径より狭くしたことを特徴とする請求項1記載のボールチェーン。
  3. 前記嵌合突部を前記嵌合孔に嵌合した第一及び第二の連結部材の外形形状および間隔を、前記ボールの外形形状及び間隔と同一としたことを特徴とする請求項1又は2記載のボールチェーン。
  4. 前記コードの両端部に前記第一の連結部材をそれぞれ成型し、前記第二の連結部材に前記嵌合突部を一対設け、前記第一の連結部材を前記第二の連結部材で連結したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のボールチェーン。
  5. 前記コードの一端部に前記第一の連結部材を成型し、前記コードの他端部に前記第二の連結部材を成型し、前記第一及び第二の連結部材を連結したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のボールチェーン。
  6. ヘッドボックスから垂下されるとともに、下端がボトムレールに接続される横型ブラインドのコードにおいて、
    前記コードの中間部に連結部を介在させ、
    前記連結部は、
    嵌合孔を備えた第一の連結部材と、
    前記嵌合孔に嵌合可能とした嵌合突部を備えた第二の連結部材と
    を備え、
    前記第一及び第二の連結部材を合成樹脂で成型し、
    前記嵌合孔は、前記嵌合突部を前記コードの軸心に直交する方向に挿入可能とするとともに、通常操作時に前記コードの軸心方向に作用する引張り力を超える力の作用により前記嵌合突部を分離可能としたことを特徴とする横型ブラインドのコード。
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