WO2010150334A1

WO2010150334A1 - 空調ユニットの配設構造

Info

Publication number: WO2010150334A1
Application number: PCT/JP2009/061284
Authority: WO
Inventors: 上ヶ島勇人
Original assignee: トヨタ車体株式会社
Priority date: 2009-06-22
Filing date: 2009-06-22
Publication date: 2010-12-29

Abstract

　車両後方の右側において、クォータパネル２に対する室内側Ｗ１に内装したクォータトリム３には、空調ユニット１を配設するための配設部３１が室内側Ｗ１から室外側Ｗ２へ陥没させて形成してある。空調ユニット１は、配設部３１との間に室内エアＡ１が流れるエア通路３２を形成した状態で、配設部３１内に配設してある。配設部３１の室内側開口部３１１には、車室内Ｒから室内エアＡ１を吸い込むための吸込口４１を設けたトリムカバー４が取り付けてある。空調ユニット１の配設構造は、吸込口４１から吸い込んだ室内エアＡ１を、エア通路３２を通過させて空調ユニット１へ吸い込むよう構成してある。

Description

空調ユニットの配設構造

　本発明は、車両後方の右側又は左側のボディに配設した空調ユニットの配設構造に関する。

　ミニバン、ＳＵＶ、ワンボックス等の自動車においては、車両後方の右側等に配設した空調ユニットから送られる空調エアによって、後部座席の空調（主に冷房）が行われている。また、空調ユニットとしては、車室内の室内エアを吸い込んで熱交換した後、空調エアとして吹き出す内気循環タイプのものが使用されている。
　例えば、特許文献１の車両用空調装置においては、車体外板とトリムとの間に空調ユニットを配設する際に、車体外板とトリムとの間に空調ユニットを囲むカバーを配設している。これにより、空調ユニットにおける吸込み温度を低減すると共に、車外への騒音を遮断している。また、空調ユニットの表面側に位置するトリムには、車室内から空気を吸い込むグリルを設けており、グリルから吸い込む空気を、空調ユニットとカバーとの間に形成した流路を通過させて、空調ユニットへ吸い込むようにしている。これにより、吸込み空気によって空調ユニット自体も冷却しながら、吸込み空気の円滑な流れを実現している。

特開２００６－１１６９９９号公報

　しかしながら、上記特許文献１等においては、空調ユニットのメンテナンス性を考慮した構造にはなっていない。すなわち、空調ユニットは、トリムに対する室外側に取り付いており、空調ユニットをメンテナンスするためには、トリムを取り外す必要がある。
　また、自動車のタイプによって空調ユニットを取り付けない場合もあるが、この場合には、空調ユニットを配設するスペースが不要なスペースとして残り、このスペースを活用することができない。

　本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、クォータトリム自体によって断熱効果及び騒音防止効果を得て、空調性能の向上を図ることができると共に、トリムカバーの取外しによって空調ユニットのメンテナンス性を向上させることができる空調ユニットの配設構造を提供しようとするものである。

　本発明は、車両後方の右側又は左側のボディに配設し、車室内の室内エアを吸い込んで天井部の左右から車室内へ空調エアを吹き出すよう構成した空調ユニットの配設構造において、
　車両後方の右側又は左側において、クォータパネルに対する室内側に内装したクォータトリムには、上記空調ユニットを配設するための配設部が室内側から室外側へ陥没させて形成してあり、
　上記空調ユニットは、上記配設部との間に室内エアが流れるエア通路を形成した状態で、上記配設部内に配設してあり、
　上記配設部の室内側開口部には、車室内から室内エアを吸い込むための吸込口を設けたトリムカバーが着脱可能に取り付けてあり、
　上記吸込口から吸い込んだ室内エアを、上記エア通路を通過させて上記空調ユニットへ吸い込むよう構成したことを特徴とする空調ユニットの配設構造にある。

　本発明の空調ユニットの配設構造においては、クォータトリム自体に、空調ユニットを配設するための配設部を形成し、この配設部の室内側開口部に対して、室内エアを吸い込むための吸込口を設けたトリムカバーを取り付けている。
　これにより、配設部に対しては、トリムカバーを取り外すことにより、室内側から空調ユニットの取付け、取外しを行うことができ、空調ユニットのメンテナンス性を向上させることができる。また、空調ユニットを配設しない車種においては、空調ユニットを外して配設部に形成されるスペースは、種々のユーティリティスペースとして使用することができる。

　また、クォータトリムの配設部によって、クォータパネルからの熱伝達を遮断する断熱効果を得ることができる。また、トリムカバーの吸込口から吸い込んだ室内エアを、エア通路を通過させて空調ユニットへ吸い込むよう構成したことにより、空調ユニット自体の冷却効果及び空調ユニットへ吸入する室内エアの圧力損失の低減効果を得ることもできる。そのため、空調ユニットによる空調性能を向上させることができる。また、クォータトリムの配設部によって、車外への騒音防止効果を得ることもできる。

　それ故、本発明の空調ユニットの配設構造によれば、クォータトリム自体によって断熱効果及び騒音防止効果を得て、空調性能の向上を図ることができると共に、トリムカバーの取外しによって空調ユニットのメンテナンス性を向上させることができる。

実施例において、空調ユニットの配設構造を前後方向から見た状態で示す断面説明図。実施例において、空調ユニットの配設構造を上方から見た状態で示す断面説明図。実施例において、空調ユニットの配設構造を左右方向から見た状態で示す説明図。

　上述した本発明の空調ユニットの配設構造における好ましい実施の形態につき説明する。
　本発明において、上記トリムカバーにおける上記吸込口の裏側には、エアフィルタを取り付けることができる。この場合には、メンテナンス時等にトリムカバーを取り外したときには、埃等が堆積したエアフィルタを容易に交換又は清掃することができる。

　以下に、本発明の空調ユニットの配設構造にかかる実施例につき、図面を参照して説明する。
　本例の空調ユニット１は、図１～図３に示すごとく、車室内Ｒの室内エアＡ１を吸い込んで天井部の左右から車室内Ｒへ空調エアＡ２を吹き出すよう構成してあり、車両後方の右側のボディに配設してある。車両後方の右側において、クォータパネル２に対する室内側Ｗ１に内装したクォータトリム３には、空調ユニット１を配設するための配設部３１が室内側Ｗ１から室外側Ｗ２へ陥没させて形成してある。

　図１に示すごとく、空調ユニット１は、配設部３１との間に室内エアＡ１が流れるエア通路３２を形成した状態で、配設部３１内に配設してある。配設部３１の室内側開口部３１１には、車室内Ｒから室内エアＡ１を吸い込むための吸込口４１を設けたトリムカバー４が取り付けてある。そして、空調ユニット１の配設構造は、吸込口４１から吸い込んだ室内エアＡ１を、エア通路３２を通過させて空調ユニット１へ吸い込むよう構成してある。

　以下に、本例の空調ユニット１の配設構造につき、図１～図３を参照して詳説する。
　本例の空調ユニット（ＨＶＡＣ）１による空調システムは、車室内Ｒの室内エアＡ１を吸い込み、天井部における車両後部座席（２列目座席及び３列目座席）の上方の左右に設けたダクトへ空調エアＡ２を送り、このダクトに設けた吹出口から車室内Ｒへ空調エアＡ２を吹き出すよう構成してある。
　図１に示すごとく、クォータパネル２は、室外側Ｗ２に配置するアウタパネル２１と室内側Ｗ１に配置するインナパネル２２とを接合して構成されており、樹脂内装材から構成したクォータトリム３における配設部３１は、インナパネル２２に設けた貫通穴２２１を介してアウタパネル２１の内側表面付近まで陥没形成してある。なお、クォータトリム３は厚みがほぼ一定しており、配設部３１は、クォータトリム３の一部を室内側Ｗ１から室外側Ｗ２へ変形させることによって形成してある。

　図２に示すごとく、空調ユニット１は、エバポレータ、ヒータコア、ファン１２等を有して構成されている。エバポレータには、エンジンルームとの間で冷媒の受渡を行うクーラ配管５Ａが接続されており、ヒータコアには、エンジンルームとの間で加温冷却水の受渡を行うヒータ配管５Ｂが接続されている。クーラ配管５Ａ及びヒータ配管５Ｂは、それぞれ受け側と戻り側とで一対に配管されている。

　配設部３１には、空調ユニット１に接続するクーラ配管５Ａ及びヒータ配管５Ｂをクォータトリム３の室外側Ｗ２から室内側Ｗ１へ配管するための配管用穴３１２が形成してある。クーラ配管５Ａ及びヒータ配管５Ｂは、配設部３１の配管用穴３１２に配設する接続部（接続板）６によって、空調ユニット１に繋がる配管部分と、車両に配設した配管部分とが接続されている。メンテナンス時に空調ユニット１を取り外す際には、接続部６を取り外すことによって、空調ユニット１に繋がるクーラ配管５Ａの部分及びヒータ配管５Ｂの部分を、車両に配管したクーラ配管５Ａの部分及びヒータ配管５Ｂの部分から分離することができる。

　また、図１、図３に示すごとく、配設部３１には、空調ユニット１をクォータパネル２のインナパネル２２に取り付ける際に、空調ユニット１の取付部１１を挿通配置する挿通配置穴３１３が形成してある。空調ユニット１は、配設部３１に収容した状態で、取付部１１をボルト等によってインナパネル２２に取り付けることによって、インナパネル２２に固定されている。メンテナンス時に空調ユニット１を取り外す際には、取付部１１におけるボルト等を外すことによって容易に空調ユニット１を取り外すことができる。
　空調ユニット１は、インナパネル２２に取り付けた状態において、配設部３１内に浮かんだ状態を形成しており、トリムカバー４を閉じた状態において、空調ユニット１の前後、上下、左右には、室内エアＡ１が流れるエア通路３２が形成されている。

　空調ユニット１におけるファン１２の入口１２１は、室外側Ｗ２に配置してある。車室内Ｒから吸い込む室内エアＡ１は、トリムカバー４の吸込口４１及び空調ユニット１の全周に形成したエア通路３２を経由して、ファン１２の入口１２１へ吸入される。そして、室内エアＡ１は、エバポレータ及びヒータコアによって温度調整を行って、ファン１２の送風によって空調エアＡ２としてダクトへ送られる。

　図１に示すごとく、本例のトリムカバー４は、配設部３１の室内側開口部３１１に対して着脱可能に取り付けてある。トリムカバー４は、その外縁部に形成した弾性変形爪等を室内側開口部３１１の縁部に形成した被係合部へ係合させることによって、この室内側開口部３１１に取り付けられる。
　また、トリムカバー４における吸込口４１の裏側には、エアフィルタ４２が取り付けてある。そして、メンテナンス時等にトリムカバー４を取り外したときには、埃等が堆積したエアフィルタ４２を容易に交換又は清掃することができる。

　本例の空調ユニット１の配設構造においては、クォータトリム３自体に、空調ユニット１を配設するための配設部３１を形成し、この配設部３１の室内側開口部３１１に対して、室内エアＡ１を吸い込むための吸込口４１を設けたトリムカバー４を取り付けている。
　これにより、配設部３１に対しては、トリムカバー４を取り外すことにより、室内側Ｗ１から空調ユニット１の取付け、取外しを行うことができ、空調ユニット１のメンテナンス性を向上させることができる。また、空調ユニット１を配設しない車種においては、空調ユニット１を外して配設部３１に形成されるスペースは、種々のユーティリティスペースとして使用することができる。

　また、クォータトリム３の配設部３１によって、クォータパネル２からの熱伝達を遮断する断熱効果を得ることができる。また、トリムカバー４の吸込口４１から吸い込んだ室内エアＡ１を、エア通路３２を通過させて空調ユニット１へ吸い込むよう構成したことにより、空調ユニット１自体の冷却効果及び空調ユニット１へ吸入する室内エアＡ１の圧力損失の低減効果を得ることもできる。そのため、空調ユニット１による空調性能を向上させることができる。また、クォータトリム３の配設部３１によって、車外への騒音防止効果を得ることもできる。

　それ故、本例の空調ユニット１の配設構造によれば、クォータトリム３自体によって断熱効果及び騒音防止効果を得て、空調性能の向上を図ることができると共に、トリムカバー４の取外しによって空調ユニット１のメンテナンス性を向上させることができる。

Claims

　車両後方の右側又は左側のボディに配設し、車室内の室内エアを吸い込んで天井部の左右から車室内へ空調エアを吹き出すよう構成した空調ユニットの配設構造において、
　車両後方の右側又は左側において、クォータパネルに対する室内側に内装したクォータトリムには、上記空調ユニットを配設するための配設部が室内側から室外側へ陥没させて形成してあり、
　上記空調ユニットは、上記配設部との間に室内エアが流れるエア通路を形成した状態で、上記配設部内に配設してあり、
　上記配設部の室内側開口部には、車室内から室内エアを吸い込むための吸込口を設けたトリムカバーが着脱可能に取り付けてあり、
　上記吸込口から吸い込んだ室内エアを、上記エア通路を通過させて上記空調ユニットへ吸い込むよう構成したことを特徴とする空調ユニットの配設構造。
　請求項１において、上記トリムカバーにおける上記吸込口の裏側には、エアフィルタが取り付けてあることを特徴とする空調ユニットの配設構造。