WO2010082548A1

WO2010082548A1 - ヘッドマウント型表示装置およびその駆動方法

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Publication number: WO2010082548A1
Application number: PCT/JP2010/050177
Authority: WO
Inventors: 早川和弘
Original assignee: ブラザー工業株式会社
Priority date: 2009-01-16
Filing date: 2010-01-08
Publication date: 2010-07-22
Also published as: US20110267321A1; JP2010166374A; JP5223689B2

Abstract

　ＨＭＤは、表示装置と圧力検出部６とを備える。表示装置は、フロントフレーム３に開閉自在に接続されるテンプル４を備える眼鏡型フレーム２と、駆動部２５と、制御部２３とを備える。圧力検出部６は、フロントフレーム３に対するテンプル４の開閉を検出する。制御部２３は、圧力検出部６が検出した圧力の大きさに応じて駆動部２５の起動と光源部２６の起動とを制御する。

Description

ヘッドマウント型表示装置およびその駆動方法

　本発明は、眼鏡型フレームに表示装置を装着して投影像を見ることができるヘッドマウント型表示装置に関する。

　従来から使用者の頭部に装着して映像や画像を観察することができるヘッドマウント型表示装置（以下、「ＨＭＤ」という。）が知られている。このＨＭＤを用いることにより、ユーザは、場所を選ばずに映画のような映像や画像を楽しむことができる。ＨＭＤとして、バンド等により頭部に縛り付けるゴーグルタイプと眼鏡型フレームに装着して利用する眼鏡型のＨＭＤが知られている。表示装置を眼鏡型フレームに設置した眼鏡型のＨＭＤの場合には、ゴーグルタイプよりも重さが軽く、装着時に使用者に与える負担を軽減することができる。また、眼鏡型のＨＭＤの場合には頭部への装着や取り外しも簡単である。

　このように、眼鏡型フレームに表示装置を装着した眼鏡型のＨＭＤは、着脱が容易である。そのため、眼鏡型のＨＭＤの使用者は頭部から取り外したときにＨＭＤの電源を切り忘れて無駄に電力を消費することがあった。また、ＨＭＤは鞄などに入れられたときに誤ってＨＭＤの電源スイッチが入る誤動作を生じた。

　特許文献１には、このような誤動作を防止する誤動作防止機構を搭載した眼鏡型のＨＭＤが記載されている。この眼鏡型のＨＭＤにおいて、フレーム部とサイドフレーム部を接続する左右のヒンジには、サイドフレーム部の開閉を検知する開閉検知センサーが設置される。さらに、この眼鏡型のＨＭＤにおいて、フレーム部の鼻装着部と左右のサイドフレーム部には、装着時に鼻や側頭部が接触したことを検知する複数のセンサーが設けられている。そして、この眼鏡型のＨＭＤでは、サイドフレーム部が開かれたときに開閉検知センサーが反応し、これがトリガーとなって他の複数のセンサーが起動する。更に、この眼鏡型のＨＭＤでは、他の複数のセンサーが規定個数以上反応したときに表示画面がＯＮとなり、映像やメニュー画面が表示される。このようにして誤動作を防止しようというものである。

特開２００４－１８０１６２号公報

　しかしながら、特許文献１に記載の眼鏡型のＨＭＤにおいては、フレーム部とサイドフレーム部の左右のヒンジに開閉センサーが設けられ、更に、鼻装着部や左右のサイドフレームの側頭部側にも複数のセンサーが設けられており、構成が複雑となる。

　そこで、本発明の目的は、簡単な構成で確実に誤動作を防止できるＨＭＤを提供することにある。

　上記目的を達成するために、本発明の一つの観点によれば、ＨＭＤにおいて、フロントフレームと、前記フロントフレームに開閉自在に接続されるテンプルとを含む眼鏡型フレームと、光源部と、前記光源部において発光した光を画像形成用の投影光に変換する駆動部と、前記光源部及び前記駆動部の起動を制御する制御部と、を含む表示装置と、前記フロントフレームに対する前記テンプルの開閉を検出する圧力検出部とを備える。前記フロントフレームと前記テンプルが接続される接続部にはヨロイ部が設置され、前記ヨロイ部には前記フロントフレームに対して前記テンプルを開いたときに間隙が狭くなる開閉部が設けられる。前記圧力検出部は、前記開閉部の圧力を検出する。前記制御部は、前記圧力検出部が検出した圧力の大きさに応じて前記駆動部の起動と前記光源部の起動とを制御する。

　このようにＨＭＤにおいて、圧力検出部が検出した圧力に応じて駆動部と光源部を起動することで、簡単な構成でＨＭＤの誤動作を確実に防止される。

　前記ＨＭＤにおいて、前記圧力検出部は、前記フロントフレームに対して前記テンプルが開かれた状態のときに第１圧力を検出し、前記眼鏡型フレームが使用者の頭部に装着された状態のときに前記第１圧力よりも大きい第２圧力を検出するようにしてもよい。この場合、前記制御部は、前記圧力検出部が前記第２圧力を検出したことを契機として、前記光源部を起動する。

　一般に、表示装置は、光源部の駆動に多くの消費電力を必要とする。従って、ＨＭＤにおいて、使用者の頭部に装着されてテンプルがさらに開かれより高い第２圧力が検出されて始めて光源部が駆動することで、使用者がＨＭＤを装着していないときのＨＭＤの消費電力を小さくできる。

　前記ＨＭＤにおいて、前記駆動部は、前記光源部において発光した光を揺動する反射面により走査して投影光に変換する光スキャナ部を備えるようにしてもよい。この場合、前記制御部は、前記圧力検出部が前記第１圧力を検出したことを契機として、前記光スキャナ部を起動する。

　駆動部が物理的に揺動する反射面により構成されているため、反射面の揺動が安定するまでに若干の時間を要する。従って、ＨＭＤにおいて、テンプルが開いたときに反射面を起動することにより、光源部が起動したときは揺動が安定するので、直ちに画像を表示することができる。また、このＨＭＤは、消費電力の大きな光源部が後で起動するので、ＨＭＤの消費電力の低減化を図ることができる。

　前記ＨＭＤにおいて、前記圧力検出部は、前記開閉部の間隙に配置されるようにしてもよい。

　このようにＨＭＤにおいて、圧力検出部は、開閉部の間隙に配置されるようにしたので、圧力検出部の構成が簡素となり、ＨＭＤの装置全体の体積及び重量を低減することができる。そのため、利用者の装着による負担を軽減することができる。

　前記ＨＭＤにおいて、前記表示装置は、前記眼鏡型フレームに着脱可能に装着される装着部を備え、前記圧力検出部は前記装着部に設置されるようにしてもよい。

　このようにＨＭＤが構成されることで、圧力検出部を眼鏡型フレームに設けることなくフレームの開閉を検知することができ、眼鏡型フレームと表示装置本体の間を配線等により結線する必要がない。その結果、眼鏡型フレームと表示装置本体とを容易に分離することができ、コンパクトに収納可能となる。

　前記ＨＭＤにおいて、前記装着部は、前記開閉部の間隙に挿入される取り付け具を備え、前記圧力検出部は前記取り付け具に設置されるようにしてもよい。

　このようにＨＭＤが構成されることで、テンプルの開閉機構を利用して装着圧力を検出することができる。その結果、圧力検出部が人体に接触せず、人体の状態に影響を受けないで確実にＨＭＤが装着されたかどうかを検出することができる。

　前記ＨＭＤにおいて、前記制御部は、前記圧力検出部が前記第１圧力を検出した後の所定時間が経過した後に前記駆動部を起動するようにしてもよい。

　このようにＨＭＤが構成されることで、使用者が意図することなくテンプルが開いたときに駆動部が駆動してしまうことを防止することができる。その結果、ＨＭＤにおいて、無駄に電力を消費することを防止することができる。

　前記ＨＭＤにおいて、前記制御部は、前記圧力検出部が前記第２圧力を検出した後の所定時間が経過した後に前記光源部を発光させるようにしてもよい。

　このようにＨＭＤが構成されることにより、使用者が意図することなくテンプルに圧力がかかった場合であっても、光源部が発光することを防止する。その結果、ＨＭＤにおいて無駄に電力を消費することを防止することができる。

　上記目的を達成するために、本発明の他の観点によれば、次のようなＨＭＤの駆動方法が提供される。ＨＭＤは、フロントフレームと前記フロントフレームに開閉自在に接続されるテンプルとを含む眼鏡型フレームと、光源部と前記光源部において発光した光を画像形成用の投影光に変換する駆動部とを含む表示装置とを備える。また、ＨＭＤは、前記フロントフレームに対する前記テンプルの開閉を検出する圧力検出部を更に備える。そして、前記圧力検出部が第１圧力を検出したことを契機として前記駆動部が起動し、前記圧力検出部が前記第１圧力よりも大きい第２圧力を検出したことを契機として前記光源部が起動する。

　このように、圧力検出部が検出した圧力に応じて駆動部と光源部を段階的に起動することで、簡単な構成でＨＭＤの誤動作を確実に防止される。

　本発明によれば、圧力検出部が検出した圧力に応じて駆動部と光源部を起動することで、簡単な構成でＨＭＤの誤動作を確実に防止される。

ＨＭＤの模式的な斜視図である。ＨＭＤの模式的な斜視図である。ＨＭＤの模式的な斜視図である。ＨＭＤの模式的な斜視図である。ＨＭＤの基本構成を示す模式図である。表示部本体を眼鏡型フレームに装着する前の状態を表す模式図である。表示部本体を眼鏡型フレームに装着し、テンプルが開いていない状態を表す模式図である。表示部本体を眼鏡型フレームに装着して、テンプルを開いた状態を表す模式図である。表示部本体を使用者の頭部に装着した状態を表す模式図である。表示部本体を使用者に装着したときの使用者側斜め上方から見た模式的な斜視図である。装着部が表示部本体に取り付けられたとした場合に、装着部を、表示部本体と接する面側から見た斜視図である。装着部を図５Ｂに示す側の反対側から見た斜視図である。ＨＭＤの表示動作開始の動作フローチャート図である。ＨＭＤの表示動作終了の動作フローチャート図である。他のＨＭＤの機能ブロック図である。

１　ヘッドマウント型表示装置（ＨＭＤ）
２　眼鏡型フレーム
３　フロントフレーム
４　テンプル
５　装着部
６　圧力検出部
２０　表示駆動部
２３　制御部
２５　駆動部

　以下、本発明について、図面を用いて詳細に説明する。

　ＨＭＤ１を構成する表示部本体１５と眼鏡型フレーム２が分離した状態について図１Ａを参照して説明する。図１Ａに示すように、表示部本体１５は、接続ライン１０から入力された画像信号に基づいて画像形成用の投影光を投影する。表示部本体１５は、この変換した投影光を使用者の図示しない網膜に投影する。使用者はこの投影光を認識することにより投影像や投影画像を見ることができる。

　眼鏡型フレーム２は、フロントフレーム３と、このフロントフレーム３から使用者の頭部側に折り曲げられたヨロイ部８を備えている。ヨロイ部８の下端には、ヨロイ部８から下部に延出する延出部９が形成されている。ヨロイ部８の使用者側の先端には、ＨＭＤ１を使用者の側頭部に固定するためのテンプル４が回転可能に接続されている。テンプル４は、この接続部から使用者側とは反対方向に延出する押圧部１３を備えている。テンプル４の押圧部１３とヨロイ部８の延出部９により開閉部１２が構成されている。

　表示部本体１５には装着部５が取り付けられている。また、装着部５の上端部にはヨロイ部８の延出部９に装着される取り付け具７が設置されている。取り付け具７の外側表面には圧力センサーからなる圧力検出部６が設置されている。

　表示部本体１５を眼鏡型フレーム２に取り付けた状態について図１Ｂを参照して説明する。表示部本体１５の取り付け具７をヨロイ部８の延出部９に装着することにより、表示部本体１５を眼鏡型フレーム２に装着することができる。テンプル４はフロントフレーム３に対して閉じた状態なので、押圧部１３は圧力検出部６に接触していない。

　フロントフレーム３に対してテンプル４を開いた状態について図１Ｃを参照して説明する。を表す模式的な斜視図である。テンプル４が開くことにより押圧部１３が圧力検出部６の表面に接し、圧力検出部６は第１圧力を検出する。後に詳述するが、圧力検出部６が第１圧力を検出したことを契機として、制御部は駆動部を起動する。

　接続ライン１０をテンプル４に保持部材１１により固定した状態について図１Ｄを参照して説明する。表示部本体１５及び眼鏡型フレーム２が使用者の頭部に装着される。表示部本体１５及び眼鏡型フレーム２が使用者の頭部に装着されると、フロントフレーム３に対してテンプル４はより外側に開かれるので、押圧部１３は圧力検出部６を更に強く押圧する。これにより、圧力検出部６は第１圧力よりも大きい第２圧力を検出し、制御部はこの第２圧力が検出されたことを契機として、光源部を起動する。

　次に、図２を参照して、ＨＭＤ１の基本的な構成を説明する。ＨＭＤ１は、表示部本体１５と、これを保持する眼鏡型フレーム２から構成されている。表示部本体１５は、圧力検出部６と、ハーフミラー１４と、表示駆動部２０とから構成されている。ハーフミラー１４は、表示駆動部２０から出射される投影光を使用者の眼球２１に反射する。圧力検出部６は、眼鏡型フレーム２の開閉部１２に設置される。

　圧力検出部６は、フロントフレーム３に対してテンプルを開いたときに間隙が狭くなる開閉部１２に設置されている。圧力検出部６は、ＰＺＴ系やＴｉＢａ系セラミックス、半導体圧力センサー、或いは歪ゲージ等から構成されている。

　表示駆動部２０は、制御部２３と、駆動部２５と、光源部２６と、投影光学系２８と、画像信号処理回路２９と、操作部２４とから構成されている。制御部２３は、表示部本体１５の全体を制御する。光源部２６は、投影像を形成するための光源となる。駆動部２５は、光源部２６からの光を画像表示用の投影光に変換する。投影光学系２８は、投影光を使用者の眼球２１の網膜２２に結像させる。画像信号処理回路２９は、入力した画像信号に基づいて駆動部２５及び光源部２６を駆動する駆動信号や制御信号を生成する。操作部２４は、使用者が入力する入力手段として機能する。なお、制御部２３は、表示部本体１５の制御とともに、圧力検出部６が検出した圧力に基づいて光源部２６及び駆動部２５の起動制御も行う。

　制御部２３は、外部から入力された画像信号を受信する。画像信号処理回路２９は、制御部２３から出力された画像信号や画像データを取得して、駆動部２５や光源部２６を駆動又は制御する駆動信号又は制御信号を生成する。光源部２６は、駆動信号又は制御信号に基づいて発光する。駆動部２５は、駆動信号に基づいて光源部２６からの光を画像表示用の投影光に変換する。投影光学系２８は、入射した投影光を使用者の網膜２２に結像させるための投影光として出射する。制御部２３は、圧力検出部６が第１圧力を検出したことを契機として、駆動部２５を起動させるための駆動部起動信号を生成する。また、制御部２３は、圧力検出部６が第２圧力を検出したことを契機として、光源部２６を起動させるための光源部起動信号を生成する。画像信号処理回路２９は、制御部２３から入力した駆動部起動信号に基づいて起動信号を生成し、当該起動信号を駆動部２５に送信し、駆動部２５を起動させる。画像信号処理回路２９は、制御部２３から入力した光源部起動信号に基づいて起動信号を生成し、当該起動信号を光源部２６に送信し、光源部２６を起動させる。

　表示部本体１５が網膜走査型表示装置である場合には、駆動部２５は光源部２６から入力した光ビームを揺動する反射面により反射させて走査する光スキャナにより構成される。この場合の光源部２６は、画像信号処理回路２９から入力した各色の輝度信号に基づいて、発光強度が変調された光ビームを射出する。表示部本体１５が液晶表示装置である場合には、駆動部２５は光透過型液晶パネルにより構成され、光源部２６は液晶パネルに光を照射する照明光源となる。この場合、駆動部２５は、画像信号処理回路２９から駆動信号としての画像データを入力し、この画像データに基づいて光源部２６から照射される光の透過光量を各画素ごとに制御する。

　本発明の実施形態に係るＨＭＤ１について、図３Ａ，図３Ｂ，図４Ａ及び図４Ｂを参照して、表示部本体１５を眼鏡型フレーム２に装着後、利用者の頭部に装着する様子を具体的に説明する。これらの図は、眼鏡型フレーム２に取り付けられた表示部本体１５を上部から見た状態を表している。

　図３Ａに示すように、眼鏡型フレーム２は、フロントフレーム３と、フロントフレーム３の使用者側に折り曲げられたヨロイ部８と、ヨロイ部８の下方に延出する延出部９と、ヨロイ部８の使用者側の先端部に回転可能に接続されるテンプル４により構成されている。テンプル４は、ヨロイ部８と接続する接続部よりも突出する押圧部１３を備える。延出部９と押圧部１３により開閉部１２が構成されている。表示部本体１５は、投影光が出射される出射口に取り付けられたハーフミラー１４と、眼鏡型フレーム２の延出部９に装着される取り付け具７と、取り付け具７の外面に設置された圧力検出部６により構成されている。

　図３Ｂに示すように、表示部本体１５の取り付け具７を眼鏡型フレーム２の延出部９に装着して、表示部本体１５を眼鏡型フレーム２に装着する。この状態では開閉部１２は開いているので、圧力検出部６は圧力を検出していない。図４Ａは、テンプル４を開いた状態を示しており、開閉部１２は閉じた状態となる。そのため、テンプル４の押圧部１３が圧力検出部６を押圧して、圧力検出部６は第１圧力を検出する。図４Ｂは、眼鏡型フレーム２を使用者の頭部に装着した状態であり、テンプル４が使用者の頭部によって更に開かれるため、押圧部１３は圧力検出部６を更に押圧する。これにより、圧力検出部６は第１圧力よりも大きい第２圧力を検出する。

　本発明の実施形態に係るＨＭＤ１の表示部本体１５を図５Ａ～図５Ｃを参照して具体的に説明する。

　図５Ａに示すように、投影光が出射される出射口にはハーフミラー１４が取り付けられ、側面には装着部５がビス止めされている。図５Ｂ及び図５Ｃに示すように、装着部５には取り付け穴１６が形成される。従って、使用者は、装着部５を表示部本体１５の側面にビス止めする際に、装着部５の取り付け位置を調節できる。装着部５の上端部には眼鏡型フレーム２の延出部９に装着されるクリップ形状の取り付け具７が設置されている。取り付け具７の一方の表面に圧力検出部６が設置されている。

　ヨロイ部８の延出部９下端にはＬ字形状の摺動部が形成されている。その摺動部に取り付け具７が装着されることにより表示部本体１５が眼鏡型フレーム２に取り付けられる。また、取り付け具７のクリップ部の内側には凸部１７が形成される。延出部９にはこの凸部１７と係合する図示しない凹部が形成されている。そのために、取り付け具７が延出部９に装着されるとこの凸部１７と凹部とが掛合する。そのため、眼鏡型フレーム２から表示部本体１５が外れて落下することが防止される。

　なお、以上説明してきた、表示部本体１５を眼鏡型フレーム２に装着する装着構造は一例である。即ち、上記実施形態のＨＭＤ１では、表示部本体１５の取り付け具７をヨロイ部８の延出部９に装着する方向を、利用者の前方から後方に向かって装着する構造としているがこれに限らない。例えば、取り付け具７をヨロイ部８の延出部９に装着する方向は、利用者の後方から前方に向かって装着する構造であってもよいし、利用者の下方から上方に向かって装着する構造であってもよい。また、取り付け具７のクリップ形状を装着部５の上端に縦方向に設置して、ヨロイ部８を挟むように上方から下方に向かって装着する構造であってもよい。また、表示部本体１５をヨロイ部８以外の部分に装着してもよい。ただし、圧力検出部６は開閉部１２の間隙に挟まれるように設置される。

　また、開閉部１２の構造を、ヨロイ部８の下方に形成した延出部９とテンプル４から突出する押圧部１３としたが、これに限れない。例えば、ヨロイ部８の先端部とテンプル４の先端部が当接してテンプル４の回転が止る構造とし、開閉部１２をこのヨロイ部８の先端部とテンプル４の先端部により構成することができる。この場合、表示部本体１５を眼鏡型フレーム２に装着したときに、圧力検出部６がこの間隙に挟まれるようにする。このようにすれば、開閉部１２から突出形状を無くしてＨＭＤをコンパクトに形成することができ、損傷し難い構造とすることができる。

　次に、本発明の実施形態に係るＨＭＤ１の駆動方法を図６及び図７を参照して具体的に説明する。

　図６に基づいて開始動作を説明する。使用者は、表示部本体１５を眼鏡型フレーム２に装着して電源を入れることによって、ＨＭＤ１の動作を開始する。この電源の投入により制御部２３の動作が開始される。なお電源の投入は、使用者が操作部２４を操作して行う。フロントフレーム３に対してテンプル４が閉じているときは、圧力検出部６は第１圧力Ｐ１を検出しておらず、待ちの状態となる（ステップＳ１：Ｎｏ）。一方、フロントフレーム３に対してテンプル４が開き、押圧部１３が圧力検出部６に当接すると、圧力検出部６は第１圧力Ｐ１を検出する（ステップＳ１：Ｙｅｓ）。制御部２３は、圧力検出部６が第１圧力Ｐ１を検出すると駆動部起動信号を生成し、画像信号処理回路２９に対して駆動部２５を起動するよう制御する（ステップＳ２）。

　圧力検出部６が第２圧力Ｐ２を検出しないときは（ステップＳ３：Ｎｏ）、制御部２３はタイマーフラグＦ１＝０に設定してタイマーをオフし（ステップＳ４）、ステップＳ１の待ちの状態を維持する。すでにタイマーがオフの場合はオフ状態が保たれる。従って、このオフ状態では、駆動部２５は起動しているが光源部２６は起動していない。圧力検出部６が第２圧力Ｐ２を検出すると（ステップＳ３：Ｙｅｓ）、制御部２３は、タイマーフラグがＦ１＝０であるかどうかを判定する(ステップＳ５)。制御部２３は、タイマーフラグＦ１＝０であると判定したときは（ステップＳ５：Ｙｅｓ）、タイマーフラグＦ１＝１に設定してタイマーをオンする（ステップＳ６）。その後、制御部２３はタイマーを監視し、所定時間を経過したことを検出して（ステップＳ７：Ｙｅｓ）、光源部２６を起動して発光させる（ステップＳ８）。制御部２３は、ステップＳ５において、タイマーフラグＦ１＝０でないこと、即ちＦ１＝１であると判定したときは（ステップＳ５：Ｎｏ）、所定時間が経過したかどうかを判定するステップＳ７に進む。

　このように、まず、圧力検出部６が、テンプル４が開かれて第１圧力Ｐ１を検出して駆動部２５が起動する。更に、圧力検出部６が、ＨＭＤ１が使用者の頭部に装着されて第２圧力Ｐ２を検出することにより光源部２６が起動する。従って、使用者によるＨＭＤ１の装着状態を確実に検出でき、誤動作を確実に防止することができる。また、駆動部２５が駆動を開始した後少なくとも所定時間が経過した後に光源部２６が起動して発光する。従って、一時的にテンプルが強く開かれた場合に、使用者によるＨＭＤ１の装着とは判断せず、誤動作を防止することができる。また、ＨＭＤ１は、光源部の無駄な駆動を防止することができるので、消費電力を低減することができる。さらに、ＨＭＤ１では、駆動部２５の動作が安定した後に投影光が投影される。従って、使用者は投影光が投影した直後から安定した表示画像を見ることができる。

　なお、上記実施形態においては、圧力検出部６が第１圧力Ｐ１を検出した直後に駆動部２５を駆動するが（ステップＳ２）、所定時間が経過した後に駆動部２５を起動してもよい。このようにすることで、テンプル４を誤って開いたときに駆動部２５がそのたびに起動することを防止でき、無駄に電力が消費されることを防止することができる。

　図７に基づいて、動作終了について説明する。制御部２３は、圧力検出部６が検出する圧力が第２圧力Ｐ２よりも小さな圧力Ｐであるかどうかを判定する（ステップＳ１０）。制御部２３は、ＨＭＤ１が使用者の頭部からはずされて、圧力検出部６が検出する圧力Ｐが第２圧力Ｐ２よりも小さくなったことを判定すると（ステップＳ１０：Ｙｅｓ）、更に、圧力検出部６が検出する圧力Ｐが第１圧力Ｐ１よりも小さな圧力であるか否かを判定する（ステップＳ１１）。このとき、制御部２３は、例えば圧力Ｐが０であると判定したときは（ステップＳ１１：Ｙｅｓ）、駆動部２５及び光源部２６を含めて、ＨＭＤ１の電源をオフして（ステップＳ１２）、動作を終了する。一方、制御部２３は、圧力検出部６の検出圧力Ｐが第２圧力Ｐ２以上の圧力であることを判定したときは（ステップＳ１０：Ｎｏ）、タイマーフラグＦ２＝０にしてタイマーをオフし（ステップＳ１３）、ステップＳ１０に戻る。

　制御部２３は、ステップＳ１１において、圧力検出部６が検出する圧力Ｐが第１圧力Ｐ１以上の圧力であると判定したときは（ステップＳ１１：Ｎｏ）、タイマーフラグＦ２＝０であるかどうか、即ちタイマーがオフであるかどうかを判定する（ステップＳ１４）。制御部２３が、タイマーフラグＦ２＝０であり、タイマーがオフであると判定したときは（ステップＳ１４：Ｙｅｓ）、タイマーフラグＦ２＝１に設定してタイマーをオンする（ステップＳ１５）。

　ステップＳ１５の処理が終了したとき、又は、タイマーフラグＦ２＝０でない、即ちタイマーフラグＦ２＝１であり、タイマーフラグが立っていると判定したときは（ステップＳ１４：Ｎｏ）、制御部２３は、ステップＳ１６の処理を実行する。ステップＳ１６において、制御部２３は、タイマーが所定時間経過したことを検出したかどうかを判定する。この処理において、所定時間を経過したと判定したときは（ステップＳ１６：Ｙｅｓ）、制御部２３はパスワードを入力しなければこの状態が解除できないようにロックして（ステップＳ１７）、終了する。この状態は、駆動部２５や光源部２６の動作が継続するようにロックされた状態であり、投影光が投影されている。この状態でテンプル４を閉じても、ＨＭＤ１の投影動作は持続する。操作部２４から当該パスワードを入力することにより、通常の操作を行うことができるようになる。

　制御部２３が、所定時間が経過していないと判定したときは（ステップＳ１６：Ｎｏ）、ステップＳ１０に戻る。この状態で、タイマーフラグＦ２＝１、即ち、タイマーが動作中の所定期間内にテンプル４を閉じると、圧力検出部６で検出する圧力Ｐ＜Ｐ１となるので（ステップＳ１１：Ｙｅｓ）、制御部２３は、ＨＭＤ１の電源をオフして動作が停止する。テンプル４が開いた状態が（検出圧力Ｐ≧Ｐ１）所定時間維持されると、投影動作が持続した状態でロックされる。即ち、使用者がＨＭＤ１をはずした後すぐ装着して続きを見るために、使用者がテンプルはたたまずに一時的に机に置いたような場合である。このとき、パスワードでロックされるので、他人がそのまま装着してもパスワードを入力しない限り表示画像を見ることができず表示内容が他人に漏れることがなく安全である。利用者はＨＭＤ１を頭部からはずしてもすぐに頭部に装着して投影像を見る場合があるし、暫くしてから再度装着する場合もある。利用者がＨＭＤ１を外すたびに電源がオフしては不便となるからである。

　なお、電源オフ時のステップＳ１２において、まず光源部２６の駆動を停止してから駆動部２５の電源をオフするように段階的に動作を停止させてもよい。先に、光源部２６の駆動を停止すれば、駆動部２５が先に停止して、不安定な投影光が投影されることを防止することができる。また、ＨＭＤ１の駆動部として光スキャナを使用した場合に、先に光源部２６が停止することにより、強い光が外部に漏れ出ることを防止することができる。

　次に、本発明による他の実施形態によるＨＭＤ１’を図８を参照して説明する。当該他の実施形態は、ＨＭＤとして網膜走査型表示装置を使用した例である。なお、図８においては眼鏡型フレーム２を省略している。

　ＨＭＤ１’は、制御部２３と、画像信号処理回路２９と、光源部２６と、駆動部２５ａと、リレー光学系４６と、駆動部２５ｂと、投影光学系２８と、ハーフミラー１４と、圧力検出部６とを備えている。制御部２３は、ＨＭＤ１’の装置全体の制御及び光源部２６や駆動部２５ａ、２５ｂの起動制御を行う。画像信号処理回路２９は、入力した画像信号を処理して駆動信号や輝度信号を生成するとともに、駆動部２５ａ、２５ｂや光源部２６の起動制御を行う。光源部２６は、画像信号に基づいて変調された光ビームを射出する。駆動部２５ａは、光源部２６からの光ビームを水平方向に走査する。リレー光学系４６は、水平方向に走査された走査ビームを伝達する。駆動部２５ｂは、リレー光学系４６からの走査ビームを垂直方向に走査する。投影光学系２８は、２次元方向に走査された走査ビームを投影する。ハーフミラー１４は、投影された走査ビームを眼球２１に向けて反射する。圧力検出部６は、図示しない眼鏡型フレームのヨロイ部に設けた開閉部に設置される。

　本実施形態のＨＭＤ１’においても、既に説明したと同様に、圧力検出部６が第１圧力を検出したことを契機として、制御部２３は画像信号処理回路２９を介して駆動部２５ａ、２５ｂを起動する。また、圧力検出部６が第２圧力を検出したことを契機として、制御部２３は画像信号処理回路２９を介して光源部２６を起動する。

　以下、各構成部について具体的に説明する。制御部２３は、ＣＰＵ３１と、ＲＯＭ３２と、ＲＡＭ３３と、ＶＲＡＭ３４とから構成されている。ＣＰＵ３１は、プログラムを実行する。ＲＯＭ３２は、ＨＭＤ１’の動作を制御するメインプログラムや、圧力検出部６が検出した圧力を判定する圧力判定プログラム等を格納する。ＲＡＭ３３は、ＣＰＵ３１がＲＯＭ３２からプログラムを読み出して実行するときに、その作業領域として使用する。ＶＲＡＭ３４は、外部から入力された画像信号に基づく画像データを記憶する。制御部２３は、入力された画像信号の処理、圧力検出部６により検出された圧力の判定、操作部２４からの入力信号等の制御を行う。

　操作部２４は、ＨＭＤ１’に情報を入力するために入力機能を有する。例えば、操作部２４は、ＨＭＤ１’の電源をオンする入力手段として機能する。また、操作部２４は、ロック状態を解除する際のパスワードの入力手段として機能する。その他、操作部２４は、投影条件等の設定を行うための入力手段として機能する。

　画像信号処理回路２９は、外部から入力した画像信号及びＶＲＡＭ３４から入力した画像データを処理して２次元画像を生成するための各種信号を生成する。画像信号処理回路２９は、光源部２６に与える輝度信号と駆動部２５を駆動する駆動信号とを同期させ、光ビームを水平方向に走査させるための水平駆動信号を駆動部２５ａに、光ビームを垂直方向に走査させるための垂直駆動信号を駆動部２５ｂに夫々供給する。また、画像信号処理回路２９は、Ｒレーザドライバ３６Ｒ、Ｇレーザドライバ３６Ｇ、Ｂレーザドライバ３６Ｂに、時系列的に赤色輝度信号３５Ｒ、緑色輝度信号３５Ｇ、青色輝度信号３５Ｂを夫々供給する。更に、画像信号処理回路２９は、制御部２３の制御をもとに、駆動部２５ａ、２５ｂ及び光源部２６の起動制御を行う。

　光源部２６は、レーザ光を発光するレーザダイオード３７Ｒ、３７Ｇ、３７Ｂと、各レーザダイオード３７Ｒ、３７Ｇ、３７Ｂを駆動するためのレーザドライバ３６Ｒ、３６Ｇ、３６Ｂとを備えている。また、光源部２６は、各レーザダイオード３７Ｒ、３７Ｇ、３７Ｂから発光した赤色光ビーム、緑色光ビーム、青色光ビームを夫々コリメートするコリメート光学系３８Ｒ、３８Ｇ、３８Ｂと、各色の光ビームを合成するダイクロイックミラー４０とを備えている。さらに、光源部２６は、ダイクロイックミラー４０からの合成光を光ファイバ４２に導入するための結像光学系４１と、光ファイバ４２から出射される光ビームをコリメートするコリメート光学系４３とを備えている。

　駆動部２５ａは、コリメート光を水平方向に走査する水平走査光スキャナ４４と、水平走査光スキャナ４４を駆動するための水平走査ドライバ４５から構成されている。水平走査ドライバ４５は、画像信号処理回路２９から入力した水平駆動信号に基づいて水平走査光スキャナ４４の反射部を矢印方向に揺動させる。リレー光学系４６は駆動部２５ａから出射される走査光ビームを駆動部２５ｂに導く。駆動部２５ｂは、入射した走査光ビームを垂直方向に走査する垂直走査光スキャナ４８と、垂直走査光スキャナ４８を駆動する垂直走査ドライバ４７を備えている。垂直走査ドライバ４７は、画像信号処理回路２９から入力した垂直駆動信号に基づいて垂直走査光スキャナ４８の反射部を揺動させる。投影光学系２８は、水平及び垂直に走査された走査光ビームをハーフミラー１４に向けて出射する。ハーフミラー１４から反射された走査光ビームにより、使用者の網膜２２上に投影像が形成される。

　この種の網膜走査型表示装置は、軽量でコンパクトに構成することができるので、眼鏡型フレーム２に簡単に取り付けることができる。そのため、ＨＭＤ１’の装着による使用者への負担を軽減することができる。また、ＨＭＤ１’を構成する際に、操作部２４、制御部２３、画像信号処理回路２９及び光源部２６を本体部に、駆動部２５ａ、２５ｂ、リレー光学系４６、投影光学系２８及びハーフミラー１４を眼鏡型フレーム２に取り付ける投影部に分離することができる。そして、本体部を例えば利用者の衣服のポケットに、投影部を眼鏡型フレーム２に装着すれば、投影部をさらに軽量化できる。これにより、利用者がＨＭＤ１’を頭部に装着したときに感ずることがある違和感を更に低減させることができる。

Claims

　フロントフレームと、前記フロントフレームに開閉自在に接続されるテンプルとを含む眼鏡型フレームと、
　光源部と、前記光源部において発光した光を画像形成用の投影光に変換する駆動部と、
前記光源部及び前記駆動部の起動を制御する制御部と、を含む表示装置と、
　前記フロントフレームに対する前記テンプルの開閉を検出する圧力検出部と、を備え、
　前記フロントフレームと前記テンプルが接続する接続部にはヨロイ部が設置され、前記ヨロイ部には前記フロントフレームに対して前記テンプルを開いたときに間隙が狭くなる開閉部が設けられ、
　前記圧力検出部は、前記開閉部の圧力を検出し、
　前記制御部は、前記圧力検出部が検出した圧力の大きさに応じて前記駆動部の起動と前記光源部の起動とを制御するヘッドマウント型表示装置。
　前記圧力検出部は、前記フロントフレームに対して前記テンプルが開かれた状態のときに第１圧力を検出し、前記眼鏡型フレームが使用者の頭部に装着された状態のときに前記第１圧力よりも大きい第２圧力を検出し、
　前記制御部は、前記圧力検出部が前記第２圧力を検出したことを契機として、前記光源部を起動することを特徴とする請求項１に記載のヘッドマウント型表示装置。
　前記駆動部は、前記光源部において発光した光を揺動する反射面により走査して投影光に変換する光スキャナ部を備え、
　前記制御部は、前記圧力検出部が前記第１圧力を検出したことを契機として、前記光スキャナ部を起動することを特徴とする請求項２に記載のヘッドマウント型表示装置。
　前記圧力検出部は、前記開閉部の間隙に配置されていることを特徴とする請求項１～３のいずれか１項に記載のヘッドマウント型表示装置。
　前記表示装置は、前記眼鏡型フレームに着脱可能に装着される装着部を備え、前記圧力検出部は前記装着部に設置されていることを特徴とする請求項１～４のいずれか１項に記載のヘッドマウント型表示装置。
　前記装着部は、前記開閉部の間隙に挿入される取り付け具を備え、前記圧力検出部は前記取り付け具に設置されていることを特徴とする請求項５に記載のヘッドマウント型表示装置。
　前記制御部は、前記圧力検出部が前記第１圧力を検出した後の所定時間が経過した後に前記駆動部を起動することを特徴とする請求項３～６のいずれか１項に記載のヘッドマウント型表示装置。
　前記制御部は、前記圧力検出部が前記第２圧力を検出した後の所定時間が経過した後に前記光源部を発光させることを特徴とする請求項３～７のいずれか１項に記載のヘッドマウント型表示装置。
　フロントフレームと前記フロントフレームに開閉自在に接続されるテンプルとを含む眼鏡型フレームと、光源部と前記光源部において発光した光を画像形成用の投影光に変換する駆動部とを含む表示装置と、を備えたヘッドマウント型表示装置の駆動方法において、
　前記フロントフレームに対する前記テンプルの開閉を検出する圧力検出部を更に備え、
　前記圧力検出部が第１圧力を検出したことを契機として前記駆動部が起動するステップと、
　前記圧力検出部が前記第１圧力よりも大きい第２圧力を検出したことを契機として前記光源部が起動するステップと、を備えたヘッドマウント型表示装置の駆動方法。